一般競争入札 7.3億円以上(WTO対象案件) 【平成6年度より導入開始】公告 業者が申請書及び資料を提出競争参加資格の確認入札
資料4
公共工事の入札契約制度の概要
(全体概要)
•
•
•
公共工事の入札契約をめぐる制度体系公共調達における基本的な枠組み
公共工事における入札契約の流れ
(競争参加)
• 建設業の許可
• 公共工事の競争参加資格審査の概要
• 経営事項審査
• JV(共同事業体)制度の概要
(入札)
• 入札方式と一般土木発注標準(平成16年度)
• 国土交通省における主な入札契約手続き
• 技術提案による競争の促進
• 総合評価落札方式
• 多様な入札契約方式の実施件数の推移
• 特殊法人等における新しい入札契約の方式
• 発注者支援データベースの概要
(契約)
•
•
•
•
•
低入札価格調査制度及び最低制限価格調査制度の概要
履行保証制度の概要
履行保証割合の引上げによる淘汰の促進
新たな保証制度に関する実務研究会報告の概要 (入札ボンド制度の検討)
前払金保証制度の概要
(適正な施工の確保を図るための措置)
• 公共工事の監督・検査
• 公共工事の成績評定
• 建設業における技術者制度の概要
(不正行為に対するペナルティ等)
• 入札談合等に対するペナルティ措置
• 独占禁止法違反に対する国土交通省の対応
• 一括下請負(丸投げ)に対する厳正な対処
• 入札談合等関与行為防止法のスキーム
公共工事の入札契約をめぐる制度体系
基本的には、会計法又は地方自治法、建設業法が、発注者、建設業者のそれぞれを規律している。このほかに、入札契約の適正化の観点から、入札契約適正化法などが制定されている。
政 策 目 標
発注者
国土交通省都道府県
業監督行政庁
○ 最も価値の高い調達の実現
・ コストの低減
・ 品質の確保
・ 不正行為の防止 等
対策
○ 建設業の健全な発達
国
特殊法人都道府県
市町村 等
建設業法 | ||
事業許可制度、技術者制度、経営事項審査制度等を規定 |
● xxな入札の実施
● 透明性の向上
● 監督検査の徹底
● 不良不適格業者排除 等
会計法、地方自治法 | ||
予定価格制度等、入札 契約手続きの基本を規定 |
入札契約適正化法
全公共工事発注者が共通に行うべき情報公表等について規定
入札契約に係る諸法令
官製談合防止法
発注者職員の不正行為関与を防止
公共調達に係る基本的な枠組みについては、国においては会計法で、地方公共団体においては
地方自治法で規定されており、概要は以下のとおり。
最低価格自動落札の例外
公共調達における基本的な枠組み
公共調達に係る基本的な枠組みについては、国においては会計法で、地方公共団体においては地方自治法で規定されており、概要は以下のとおり。
競競争争入入札札
1.契約の性質等に応じ、一般競争入札、指名 競争入札、随意契約によることとされている。特に、会計法においては、一般競争入札がx xとされている。
2.競争参加資格については、必要に応じ発注者が定めることができるとされている。
予予定定価価格格制制度度((上上限限拘拘束束性性))
1.予定価格の制限の範囲で入札した者でなければ、契約の相手方とはできない。総合評価を行った場合でも同様。
2.会計法においては、予定価格を秘匿して入札を行うこととされている。
最最低低価価格格自自動動落落札札
1.最高又は最低の価格で入札した者を、契約の相手方とすることとされている。
2.落札者となるべき価格の入札が複数あるときは、くじで落札者を決定することとされている。
3.この原則の例外として、右の事項がある。
① 総合評価制度
契約の性質等に応じ、価格その他の条件が最も有利な者と契約することができる。なお、国にあっては、あらかじめ財務大臣と協議を行う必要がある。
② 低入札価格調査制度
契約の相手方となるべき者の入札価格が、一定水準以下 の価格である場合には、適切な履行が可能かどうか調査を行い、調査の結果に応じ、次順位者と契約することができる。
③ 最低制限価格制度
地方公共団体においては、必要に応じ最低制限価格を設定することができる。
最低価格自動落札の例外
工事成績評定
一括下請禁止技術者専任
工事成績評定
検
施工
施工
査 検
監
督 監
前払保証
履行保証
公共工事における入札契約の流れ
入札・契約
契約
履行保証 前払保証
総合評価
VE
低入札価格調査最低制限価格
3
札 入
指名業者の選定
入札・契約
企業評価
通知
企業評価
通知 指名業者の選定
参加資格確認
指名基準
参加資格確認
技術審査
技術審査
指名基準
公告
掲示等
(一般競争)
(公募・工事希望)
(通常指名)
公告 掲示等
企業の格付け(有資格者名簿)
資格審査
(
)
資格審査
企業の格付け有資格者名簿
経営事項審査
経営事項審査
競争参加資格審査申請
競争参加資格審査申請
建設業許可取得
利用
建設業許可取得
建設業の許可
建設業を始めるには、軽微な工事を除き、建設業の許可(28の建設工事の種類毎)を受けなければならない。(建設業法第3条)
※軽微な工事とは①建築工事では1500万円未満の工事又は延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、②その他は
500万円未満の工事
特定建設業の許可
3000万(建築では4500万)円以上の工事を下請に出す建設業者
【許可基準】
・常勤役員に5年以上経営業務の管理責任者を配置
・営業所ごとに建設業の種類に応じた高度な技術検定合格者・資格取得者を専任で設置
・財産的基礎要件(①資本金2000万円以上かつ自己資本4000万円以上・②欠損額が資本金の20%以下・
③流動比率75%以上を全て充足)
一般建設業の許可
特定建設業の許可が必要な者以外の建設業者
【許可基準】
・常勤役員に5年以上経営業務の管理責任者を配置
・営業所ごとに技術者を専任で設置
・財産的基礎要件(自己資本500万円以上)
公共工事(国・地方公共団体・公共法人等が発注する施設又は工作物に関する建設工事)の入札に参加しようとする建設業者は、経営事項審査を受けなければならない。
公共工事の競争参加資格審査の概要
経営事項審査
(許可行政庁に申請)
総合評点(P)
総合評点(P)= 0.35X1+0.10X2+0.20Y+0.20Z+0.15W
X1:工事種類別年間平均完成工事高 X2:自己資本額・職員数
Y:経営状況分析 Z:技術力
W:その他の審査項目
競争参加資格審査
(経営事項評価点数)+
客観的事項の審査
主観的事項の審査
(技術評価点数等)
公共工事の競争入札に参加しようとする建設業者
そのまま利用
(決算期毎に申請)
※公共工事の入札に参加しようとする者は経営事項審査を受けなければな らない(建設業法第27条の23第1項)
資格審査申請
(公共工事の発注者)
(2年に1回の申請)
総合点数を算出し、点数に応じて等級別登録(格付け)を行い、有資格者名簿を作成。
経営事項審査
完成工事高(X1)及び技術力(Z)を許可業種別に審査し、業種別に総合評点(P)を算出それぞれの審査項目は、平均700点となるよう設定
項目区分 | 審査項目 | 最高点/最低点 | ウェイト | |
経営規模 | X1 | 完成工事高(許可業種別) | 最高点:2,565点最低点:569点 | 0.35 |
X2 | 自己資本額職員数 | 最高点:954点最低点:118点 | 0.10 | |
経営状況 | Y | ①収益性 ②流動性 ③安定性 ④健全性 | 最高点:1,430点最低点:0点 | 0.20 |
技術力 | Z | 技術職員数(許可業種別) | 最高点:2,402点最低点:590点 | 0.20 |
その他の審査項目 (社会性等) | W | ①労働福祉の状況 ②工事の安全成績 ③営業年数 ④建設業経理事務士の数 | 最高点:967点最低点:0点 | 0.15 |
総合評点 | P | 0.35X1+0.10X2+0.20Y+0.20Z+0.15W | 最高点:1905点最低点:329点 |
経営状況(Y)
①収益性:売上高営業利益率・総資本計上利益率・キャッシュフロー対売上高比率
②流動性:必要運転資金月商倍率・立替工事高比率・受取勘定月商倍率
③安全性:自己資本比率・xxx負債月商倍率・純支払利息比率
④健全性:自己資本対固定資産比率・長期固定適合比率・付加価値対固定資産比率
JV(共同事業体)制度の概要
共同事業体とは…
建設工事を請負う建設業者が、数社で共同して事業組織体を形成したもの。その法的性格は法人格なき団体であり、民法上の組合の一種とされる。
【活用目的の相違】
特定JV | 経常JV |
特定の工事の施工を目的に工事毎に結成。大規模で技術的難易度の高い工事で採用 | 中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化する目的で結成。 |
【施工方式の相違】
甲型JV(共同施工方式) | 乙型JV(分担施工方式) |
あらかじめ定めた出資比率に応じて、資金、人員、機械等を拠出して、各構成員が共同施工する方式。 | 複数の工区に分割し、各構成員がそれぞれ分担する工区で責任を持って施工する方式。 |
共同企業体運用準則
公共工事においてJVが広く活用されている一方、受注機会の配分と誤解を招くようなJVの存在 等、種々の弊害が指摘されたことから、昭和62年にxx審で建議。各発注者はこれに基づき運用基準を策定することとされている。
入札に参加できる企業の規模(ランク)
入札方式と一般土木発注標準(H16年度)
工事規模ごとの入札方式
ランクに関わらず、経営力(経審1200点以上)
Aランク
予定価格7.2億円以上
一般競争入札
予定価格7.3億円以上
を有し、工事実績を有していれば参加可能
(経営事項評価点数+施工実績)
Bランク
予定価格3億円以上
Cランク
公募型指名競争入札
施工実績等の条件を付して公募し、応募のあった企業について技術資料等に基づき指名
予定価格2億円以上
工事希望型指名競争入札
概ね20者程度選択し技術資料の提出を求め、当該資料等に基づき指名
詳細条件審査型一般競争入札
施工実績に加え、工事成績等の条件を付して公募し、条件を満足する企業は全て指名
予定価格0.6億円以上
Dランク
予定価格1億円以上
通常指名競争入札
指名競争参加資格名簿の中から概ね10者程度指名
※国土交通省では、企業の経営力等に応じて入札に参加できる工事の規模を決定一般土木では、企業はA~Dの4ランクに分類
国土交通省における主な入札契約手続き
一般競争入札 | ||
7.3億円以上(WTO対象案件) | ||
【平成6年度より導入開始】公告 業者が申請書及び資料を提出競争参加資格の確認 入札 |
公募型指名競争入札 | ||
7.3億円~2億円 | ||
【平成6年度より導入開始】 技術資料の作成・提出に係る掲示業者が技術資料を提出 技術資料の審査・指名通知 ※詳細条件審査型一般競争入札においては、技術 入札 審査を通過した企業は全 て指名 |
工事希望型指名競争入札 | ||
2億円~1億円 | ||
【平成7年度より導入開始】 希望工事内容の提出(資格審査時)選定された業者が技術資料を提出 技術資料の審査・指名通知 入札 |
指名競争入札 | ||
1億円未満 | ||
有資格者登録(資格審査時) 指名通知 入札 |
1.VE方式
技術提案による競争の促進
計画 設計
積算 入札
契約 施工
イ) 設計V E
ロ) 入札時V E
ハ) 契約後V E
イ) 設計VE: 設計時に、VE検討組織を発注者又はVE検討業務委託先(建設コンサルタント)に設置し、VE検討組
織が提出した基本設計あるいは詳細設計に対しての代替案について、発注者内部に設置したVE審査会が検討を行い、VE提案が採用された場合にはその提案を基に設計・積算を行う方式。(工事発注については通常の入札による。)
ロ) 入札時VE: 工事の入札時に入札参加者の技術提案を受付け、技術提案が発注者の事前審査で承認された場合、当該提案を行った入札参加者はその技術提案を基に入札することができる方式。(発注者が行う予定価格の積算等には反映されない。)
ハ) 契約後VE: 工事の契約後に受注者からの技術提案を受付け、採用された場合、当該提案に従って設計図書を変更し、受注者には縮減額の一部を支払う方式。
2.設計・施工一括発注方式
施工方法が複数ある場合、設備工事等で設計と製造・施工が密接不可分な場合等において、最良の設計・工法の採用を可 能とすること等の観点から、通常分離して発注している設計・施工を一括して発注するもの。概略の仕様に基づき設計案 を受け付け、審査の上、入札参加者が各自の技術提案に基づき入札し、価格競争又は総合評価により落札決定を行う方式。
3.総合評価落札方式
会計法第29条の6第2項・予決令第91条第2項に基づき、財務大臣との協議により、価格その他の条件※ が国にとって最も有利なものをもって申し込みをした者を落札者とする方法。
※ 価格その他の条件:工期、機能、安全性などの価格以外の要素
総合評価落札方式
工期、機能、安全性などの価格以外の要素と価格とを総合的に評価して落札者を決定する方式。
【実施事例】
◆適用工事: 橋梁撤去工事
◆評価項目: 通行止による社会的損失を低減するため、 通行止短縮時間と入札価格を総合的に評価。
【評価値=(90点+通行止時間短縮時間*1.43点)/入札価格】
平成14年度: 全発注金額の2割を目標として実施
⇒ 450件、約3,300億円(20.3%)で試行
平成15年度: 全発注金額の2割以上を目標に実施
×
×
基礎点+加算点数
入札価格
多様な入札契約方式:実施件数の推移
年度 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
総合評価落札方式 | - | - | 2 | 5 | 34 | 450 |
設計・施工一括発注方式 | 2 | 1 | 1 | 4 | 14 | 15 |
入札時VE(対象工事件数) *1 | 35 | 17 | 18 (2) | 16 (2) | 54 (14) | 393 (377) |
契約後VE(対象工事件数) | 101 | 134 | 282 | 320 | 1,585 | 2,011 |
性能規定発注方式 *1 | - | 2 | 14 | 28 (3) | 69 (20) | 179 (73) |
マネジメント技術活用方式 *2 | - | - | - | 1 | 5 [1] | 6 [5] |
*1 ()内の数字は、総合評価落札方式の案件。
*2 [ ]内の数字は、前年度からの継続案件。
特殊法人等における新しい入札契約の方式について
1.入札後に価格協議等を行う方式
(1)概要
① 入札者のうち、予定価格を下回り、かつ最低の価格を提示した者を落札予定者とし、入札後、価格、工法等について協議を行う。
② 価格について、発注側の設計単価との比較等を行い、合理的な単価を採用する、または価格低減に資する技術提案を採用することで、その低減を図る。
③ 協議が不調であった場合には、当初の入札の際に次に低い価格で入札をした者と協議を行うか、再入札を行うこととなる。
(2)実施主体
水資源機構、中部国際空港株式会社、関西国際空港株式会社等で実施又は試行中。
2.入札前に技術提案等を行う方式
(1)概要
① 受注希望業者に対し技術提案の公募を行うとともに、低価格資材、工法について発注者より提案。
② 業者提案の採否、公団提案の採否について、協議を行い、価格低減を誘導しつつ、各工法の採否を決定する。
③ 入札により、最低価格入札者を落札者とし契約。
(2)実施主体
都市基盤整備公団で試行中。
発注者支援データベースの概要
公共工事発注機関が必要とする建設業者に関する客観的な情報を、一体的に提供することが可能なデータベースシステムで、平成8年より運用開始。
各発注者は、本データベースシステムを活用することにより、入札参加資格確認作業等の省力化、厳正化、技術者専任制度のチェック等が可能となる。
【データベースにより提供される情報項目】
工事実績情報サービス | 企業情報サービス | 専任制確認サービス |
○工事実績情報 | ○監理技術者資格証情報 | ○監理技術者重複工事確認結果 ○監理技術者資格証情報確認結果 ○監理技術者所属業者確認結果 ○xx技術者重複工事確認結果 |
・工事契約内容の情報 | ○建設業許可情報 | |
・施工内容に関する情報 | ○経営事項審査情報 | |
○前払金保証契約情報 |
低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の概要
競争入札を行った場合、予定価格の範囲内で最低の価格で入札をした者と契約することが、会計法及び地方自治法の原則となっているが(最低価格自動落札)、例外として、低入札価格調査制度及び最低制限価格(地方公共団体のみ)により、契約の適切な履行がなされない懸念がある場合には、これを契約から排除することとされている。
低入札価格調査制度
入
最低制限価格制度
入 札
低入札価格調査
低入札価格調査制度
最低制限価格制度
札
低入札価格調査
除排
低い
除排
契約の履行
No が可能か
Yes
調査基準価格
排 除
排 除
(国土交通省における調査基準価格)
契約ごとに、2/3 ~ 8.5/10 の範囲内で、直接工事費+共通仮設費+現場管理費×1/5 の算定式により設定
(最低制限価格) 低い
高い
x 約
約
x
○会計法§29の6 (契約の相手方)
・予定価格の制限の範囲内の最低価格者と契約
・ただし、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の次順位者との契約
○予決令§85
・契約の履行されないおそれがあると認められる場合の基準を作成
○地方自治法§234 (契約の締結)
・予定価格の制限の範囲内の最低価格者と契約
・ただし、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の次順位者との契約
○地方自治法施行令§167の10第2項
・予め最低制限価格を定め、最低制限価格以上の価格者と契約可能
履行保証制度の概要
履行保証制度は、請負者の責めに帰すべき事由により、工事を完成させることができなくなった場合に、発注者に保証金(違約金)を支払う措置(金銭的保証措置)。
(履行保証制度には残工事を保証人が選定する代替業者に工事を完成させる措置(役務的保証措置)もあるが、直轄工事では採用していない。)
履行保証措置の要求
(請負者の債務不履行等により工事が履行できない場合の措置要求)
履行保証措置の要求
(請負者の債務不履行等により工事が履行できない場合の措置要求)
(発注者の選択)
金銭的保証措置の要求
金銭的保証措置の要求
履行保証措置の免除
(発注者の判断)
役務的保証措置の要求
役務的保証措置の要求
(請負者の選択)
契約保証金の納付有価証券等
金融機関の保証
前払保証事業会社の保証履行保証保険
履行ボンド(xx割合の低いもの)履行ボンド(xx割合の高いもの)
履行保証割合の引上げによる淘汰の促進
建設市場の40%以上を占める公共工事の発注について市場メカニズムが働きやくすることにより市場を通じて淘汰を促進
従来、契約額の1割だった履行保証割合を大型工事について3割に引上げ。
経営不振企業は、与信枠の制約から、履行保証が受けられない
公共工事の参入抑制
経営健全企業
経営不振企業
借入金
借入金
与信枠残
履行保証
履行保証
履行保証
履行保証
履行保証
借入金
借入金
与信枠残
履行保証
履行保証
履行保証
与信枠残
履行保証割合の引上げ
与信枠小
履行保証割合の引上げ
与信枠大
(国土交通省発注工事については、平成13年12月以降公示する全ての一般競争対象工事で導入)
経営不振企業は、与信枠の制約から、履行保証が受けられない
公共工事の参入抑制
(1)経営健全企業の場合は、与信枠に余裕があるため、公共工事受注に問題を生じない。
(2)経営不振企業の場合は与信枠の制約から履行保証を受けられず、公共工事の受注に歯止めがかかる。
経営健全企業
経営不振企業
新たな保証制度に関する実務研究会報告の概要
○ 13年12月~14年7月計7回開催
○ 法学者等の学識者、損保会社職員等の実務者により構成
基本的な制度設計
○ 入札参加時点での保証の性格
= 履行ボンドの予約
○ ボンド引受機関
建設企業の経営状況を的確に把握し、与信設定のできる主体
=損害保険会社、都市銀行等
○ 対象工事
当面、一般競争入札の対象となるような大規模工事を対象とすることが適当
制度導入の効果
○ 公共工事の発注に当たっての発注者のリスクの回避
○ 市場原理に沿った建設産業の再編
与信を受けられない企業が公共工事に参入できないこととなり、業界の淘汰
・再編を促進
○ 公共工事の受注者選定における第
三者の関与
制度導入のカギ
=再保険市場でのキャパシティー
現状においては、履行ボンド予約の制度の導入は、主に引受機関の問題から困難
前払金保証制度の概要
公共工事の発注者が保証会社の保証を条件として、着工時に工事代金の一部(請負代金の40%以内)を請負者に前払金(着工資金)として支払うことができる制度。通常、着工時に40%、完成時に60%の請負代金が請負者に支払われている。
【債務弁済の例】
請負者の責に帰すべき事由によって債務不履行が生じた場合、発注者が請負契約を解除した場合には発注者に対して、保証会社が債務弁済を行う。
(例)請負金額1,000万円 前払金額400万円(前払率40%) 出来高15%で解除
発注者既払額(前払金) 400万円出来高(1,000万円×15%) 150万円
①請負契約
発注者
(被保証者)
請負者
⑤前払金請求
(保証証書添付)
⑦払出
金融機関
保証会社
(業務委託契約)
②保証申込
③保証契約
④保証証書交付
⑥前払金振込
差引過払額 250万円 =保証弁済額
公共工事の監督・検査
契約締結後、当該契約の完全な履行を図るため、会計法及び地方自治法により、監督・検査を行うことが義務付けられている。
なお、必要に応じ外部委託して実施することも認められている。
【会計法第29条の11】 (地方自治法においても同趣旨の規定が置かれている)
1 契約担当官等は、工事又は製造その他についての請負契約を締結した場合において、・・・自ら又は補助者に命じて、契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならない。
2 契約担当官等は、・・・自ら又は補助者に命じて、その受ける給付の完了の確認・・・をするため必要な検査
をしなければならない。
5 契約担当官等は、特に必要があるときは、・・・国の職員以外の者に第1項の監督及び第2項の検査を委託して行なわせることができる。
【地方公共団体における監督・検査基準の策定状況】
100.0%
80.0%
60.0%
40.0%
20.0%
0.0%
都道府県
指定都市
策定済み | 未策定 | |
都道府県 | 47 | 0 |
100.0% | 0.0% | |
指定都市 | 13 100.0% | 0 0.0% |
市区町村 | 1730 | 1466 |
54.1% | 45.9% | |
計 | 1790 | 1466 |
55.0% | 45.0% |
市区町村
公共工事の成績評定
監督・検査とは異なり、会計法及び地方自治法により各発注者に義務付けられているものではないが、適切な履行の確保に加え、受注者選定の適正化にも資するものであること等から、入札契約適正化法に基づく適正化指針(ガイドライン)において、実施が求められている。
【適正化指針(抜粋)】
各省各庁のxxは、契約の適正な履行の確保、給付の完了の確認に加えて、受注者の適正な選定の確保を図 るため、その発注に係る公共工事について、工事の施工状況の評価(工事成績評定)を行うよう努めるものとする。工事成績評定に当たっては、公共工事の品質を確保する観点から、施工段階での手抜きや粗雑工事に対してx xに対応するとともに、受注者がその技術力をいかして施工を効率的に行った場合等については積極的な評価を行うものとする。
適正化指針等を踏まえ、国土交通省においては、優れた技術力、創意工夫への評価についてより加点を行うこととする一方、不良行為等に対する減点を大きくするよう評定実施要領を改正済み。
【地方公共団体における工事成績要領の策定状況】
100.0%
80.0%
60.0%
40.0%
20.0%
0.0%
都道府県
指定都市
策定済み | 未策定 | |
都道府県 | 47 | 0 |
100.0% | 0.0% | |
指定都市 | 13 100.0% | 0 0.0% |
市区町村 | 1522 | 1674 |
47.6% | 52.4% | |
小計 | 1582 | 1674 |
48.6% | 51.4% |
市区町村
建設業における技術者制度
建設業法では、建設工事の請負契約の適正な締結、履行の確保や適正な施工を確保するとともに、建設業 の健全な発展を促進することを目的として、必要な知識やその応用能力を持った技術者を営業所や工事現場に配置することを求めている。
許可を受けている業種 | 指定建設業 土木工事業 舗装工事業 建築工事業 電気工事管工事業 造園工事業 鋼構造物工事 | そ の 他 (左記以外の21業種) | |||||
建設業の許可制度 | 許可の種類 | 特 x | x 般 | 特 x | x 般 | ||
営業所に必要な技術者の資格要件 | 一級国家資格者 国土交通大臣特別認定者 | 一級国家資格者二級国家資格者実務経験者 | 一級国家資格者実務経験者 | 一級国家資格者二級国家資格者実務経験者 | |||
工事現場の技術者制度 | 元請工事における下請金額合計 | 3,000万円以上* | 3,000万円未満* | 3,000万円*以上は契約できない | 3,000万円*以上 | 3,000万円*未満 | 3,000万円*以上は契約できない |
工事現場に置くべき技術者 | 監理技術者 | xx技術者 | 監理技術者 | xx技術者 | |||
技術者の資格要件 | 一級国家資格者 国土交通大臣特別認定者 | 一級国家資格者二級国家資格者実務経験者 | 一級国家資格者実務経験者 | 一級国家資格者二級国家資格者実務経験者 | |||
技術者の専任 | 公共性のある工作物に関する建設工事で、請負金額が2,500万円**以上のときに必要 | ||||||
資格者証の必要性 *** | 発注者が国、地方公共団体等のときに必要 | 必 要 な い | 発注者が国、地方公共団体等のときに必要 | 必 要 な い |
* 建築一式工事の場合は4,500万円
** 建築一式工事の場合は5,000万円
*** 平成16年3月1日以降は監理技術者講習修了証も必要
入札談合等独占禁止法違反に対するペナルティ
入札談合等の独占禁止法違反に対しては、独占禁止法に基づく課徴金、罰金のほか、公共工事においては、発注者による指名停止、損害賠償(違約金特約条項)、建設業法に基づく監督処分が実施される。
○ 課徴金
売上の6%(中小3%)
○ 罰金:5億円以下
独占禁止法
○ 指名停止
○ 違約金特約条項
談合等があった場合の損害 賠償の予定をあらかじめ約定。
発注者による処分
○ 営業停止
建設業法に基づき、指名停止とは別に営業停止
建設業監督行政庁による処分
立入調査
(違反行為終結)
【入札談合に対する摘発とペナルティの流れ】
(時経過)
0年
営業停止
指名回避
排除勧告
課徴金納付命令
1年後
応諾
指名停止
応諾
課徴金(請負金額の6%)
違約金特約による損害賠償
(請負金額の10%)
3年後
独占禁止法違反に係る国土交通省の処分等
○「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」
(昭和59年通達)
【独占禁止法違反の場合】(15年改正・強化)
・3ヶ月以上12ヶ月以内で指名停止
(当該整備局の発注工事)
指名停止(直轄工事)
○「工事における違約金に関する特約条項の制定について」(平成15年通達)
・独占禁止法違反等があった場合に、請負金額の10%を違約金として支払わせる
違約金特約条項(直轄工事)
○「建設業者の不正行為に対する監督処分の基準について」(平成14年通達)
【刑法・独禁法違反の入札談合】
a 代表権のある役員が懲役1年以上の刑に処せられ、かつ、建設業者として情状が重い場合は、最高1年間の営業停止 b その他の場合においては、原則として30日以上の営業停止。ただし、代表権のある役員が刑に処せられたときは
90日以上、代表権の無い役員等が刑に処せられたときは60日以上を原則として営業停止
c 排除勧告の応諾、審決の確定又は課徴金納付命令があった場合は、15日以上を原則として営業停止
d cにより営業停止処分を受けた建設業者が3年以内に排除勧告の応諾、審決の確定又は課徴金納付命令があった場合は、30日以上を原則として営業停止
建設業法に基づく監督処分
最近の丸投げの事例
元請は施工体制台帳に一次 下請を不記載、一次下請への指導も行わず
一次下請は工事に関与せず、二次下請に丸投げ
二次下請は一次下請から丸請け
三次下請
三次下請
三次下請
二次下請
一次下請
元請
一括下請負(丸投げ)に対する厳正な対処
丸投げの疑義が生じた場合の一般的な対応
発注者による指名停止
内容について記者発表・ホームページ掲載
許可行政庁による監督処分
内容について記者発表・ホームページ掲載
弁明の機会の付与
顛末書作成依頼
許可行政庁による立入調査・報告徴取
施工体制台帳、施工体系図、契約書類などを調査
疑義発生
発注者からの通知、一般からの情報提供など
許可行政庁による監督処分 | 発注者による指名停止措置 | |
元請 | 営業停止7日間 | 指名停止1ヶ月x |
xx下請 | 営業停止15日間 | 指名停止2ヶ月間 |
二次下請 | 営業停止15日間 | 指名停止2ヶ月間 |
入札談合等関与行為防止法のスキーム
行政上の措置
調査結果・措置内容の公表、xx取引委員会への通知
※xx取引委員会は調査結果・措置内容に意見を述べることができる。
調査の実施(※)・措置の検討 ※調査を行う職員の指定等
各省各庁のxx
[①各省各庁の長、②地方公共団体の長、③国・地方が1/2以上出資する法人]
任命権者による懲戒事由の調査 ※調査を行う職員の指定等
任命権者への通知 ※発注機関の長が任命権者の場合不要
懲戒事由の調査
損害賠償請求
(損害あれば)損害賠償請求
損害の有無の調査 ※調査を行う職員の指定等
入札談合等関与行為の排除のため必要な措置を要求
入札談合等の調査を通じて発注機関職員の関与行為を探知
xx取引委員会
平成14年7月31日公布 平成15年1月6日施行
入札談合等関与行為 ①事業者又は事業者団体に入札談合を行わせること
②特定の者をあらかじめ指名したり、特定の者との契約を希望する旨の教示・示唆
③入札・談合を行うことが容易となるような秘匿すべき情報の特定の者への教示・示唆