困難を抱えた若年女性等の被害の未然防止を図る観点から、深夜の繁華街などの巡回と SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等 ICT を活用したアウトリ ーチにより、夜間徘徊など家に帰れずにいる若年女性等に対して、声掛けや相談支援を原則として週1回程度実施する。また、出張相談など若年女性等の状況に応じた支援を行 うとともに、必要に応じて関係機関や居場所等への同行支援を行う。
「令和3年度困難を抱える若年女性支援業務」 仕様書
1 業務名
令和3年度困難を抱える若年女性支援業務
2 業務期間
契約締結日から令和4年3月 31 日まで
3 事業の目的
この事業は、様々な困難を抱える若年女性について、公的機関と民間団体が密接に連携し、アウトリーチ支援を行うとともに、居場所の確保、公的機関等への「つなぎ」を含めたアプローチを行う仕組みを構築し、若年女性の自立の推進に資することを目的とする。
4 事業の支援対象者
性暴力や虐待等の被害に遭った又は被害に遭うおそれのある主に 10 代から
20 代の女性であって、市が本事業の対象とすることを適当と認めた者(以下
「若年女性等」という。)とする。
5 事業内容及び実施方法
以下の(1)から(4)の事業を行う。
(1)アウトリーチ支援
困難を抱える若年女性等に対して、主に夜間見回り等による声掛けや、相談窓口における相談及び面談等の以下の支援を実施する。
ア 夜間見回り等
困難を抱えた若年女性等の被害の未然防止を図る観点から、深夜の繁華街などの巡回と SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等 ICT を活用したアウトリーチにより、夜間徘徊など家に帰れずにいる若年女性等に対して、声掛けや相談支援を原則として週1回程度実施する。また、出張相談など若年女性等の状況に応じた支援を行うとともに、必要に応じて関係機関や居場所等への同行支援を行う。
イ 相談及び面談
若年女性等からの様々な悩みや直面する課題に対応するため、相談窓口を設置し、電話、メール、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等 ICT を活用した相談を実施し、また、必要に応じて面談も行うことにより、若年女性等からの様々な悩みや直面する課題に対応する。
また、アウトリーチ支援において声掛けを行った若年女性等や居場 所を利用していた若年女性等からのその後の相談に対応するとともに、必要に応じて面談を実施する。
(2)居場所の提供に関する支援
若年女性等の身体的・心理的な状態や家庭環境等により、一時的に安心・安全な居場所での支援が必要と判断した場合は、居場所を提供し、食事の提供など日常生活上の支援、不安や悩み等に対する相談支援を以下により実施する。
ア 居場所の提供期間
居場所の提供は一時的な保護(1日から2日程度)を原則とするが、利用者の状態やその後の支援につなげるまでの間やむを得ず長期化する場合は、市と協議の上、引き続き居場所での支援を実施することができることとする。なお、保護が2週間を超える場合は、自立支援計画を策定する。
イ 居場所の提供体制
居場所の提供に当たっては、利用者の安全及び衛生の確保並びにプライバシーの保護に配慮した設備を有し、夜間を含め、速やかに利用者と連絡が取れる体制を確保する。ただし、利用者が未xx者であって、夜間における一時的な保護が必要な場合は、見守り体制を確保する。
ウ 利用者負担
支援が長期化する場合、食事の提供及び居住に要する費用その他日常生活で通常必要となるものであって利用者に負担させることが適当と認められる費用については、利用者に負担させることができるものとする。
利用者に負担させることができる金額は、自立支援計画において明確に定めることとし、あらかじめ利用者に知らせ、同意を得ることとする。また、当該金額は、利用者の経済状況等に十分配慮した金額とする。
なお、利用者に負担させた場合は、適正に会計処理を行うとともに、これに関する諸帳簿を整備することとする。
エ 留意事項
(ア)居場所を提供し支援を行う場合は、利用者本人の同意を得ることとし、利用者が未xx者の場合は、親等親権者へ連絡した上で実施することを原則とする。親等親権者への連絡に当たっては、必要に応じて弁護士に依頼するなど、親子関係等に十分配慮した上で実施する。
(イ)居場所で長期に支援する場合の自立支援計画の策定に当たっては、事前に利用者と話し合うなどして、利用者の意見が十分反映されるよう留意する。また、女性相談業務を担う市の関係部署と情報の共有を行い、必要に応じ、自立支援計画策定について助言を受けるものとする。
(3)自立支援
居場所での支援が長期化する利用者については、自立支援計画等に基づき自立に向けた以下の支援を実施する。
ア 利用者の新たな居住地に関して、利用者に対し情報提供や助言を行い、併せて関係機関への同行支援及び連絡調整等を図る。
イ 利用者が自立して生活するために、就業についての情報提供や助言を行い、ハローワークや若者サポートステーションなど関係機関への同行支援及び連絡調整等を図る。
ウ 生活資金(生活保護等)についての情報提供や助言を行い、福祉事務所などの関係機関への同行支援及び連絡調整等を図る。
エ その他の利用者の自立に向けた必要な支援を行う。
(4)関係機関連携会議への参加
行政機関、民間団体等で構成する関係機関連携会議に出席し、若年女性等に対する支援の内容に関する協議、公的機関等へのつなぎ方の協議や事例検証などを行い、公的機関と密接に連携し相互に情報共有を図る。
なお、関係機関連携会議等において関係機関の間で情報共有を行うことについて、支援開始時点等に利用者から同意を得ることとする。
(5)留意事項
ア 各事業実施の過程において、18 歳未満の対象者で親等からの虐待を受けたと思われるなど要保護児童として把握した場合は、児童福祉法第 25 条の規定に基づき、市町村又は児童相談所等に速やかに通告するものとする。
イ 本事業を通じ、利用者の自立支援等のため福祉サービスの提供が必要な場合は、利用者の状況に応じ、該当となる福祉サービスに係る相談窓口への相談、申請の支援等を行うものとする。その際、市の所管部署と十分に連携を行う。
6 職員の配置
事業全体の管理を担当する職員(常勤)1名、自立支援を担当する職員(常勤)1名、補助職員(非常勤)1名を配置する。
このほか、必要に応じてアウトリーチ支援を行う職員(非常勤)を配置する。
7 経費について
(1)対象経費
本事業に必要な報酬、給料、職員手当等、賃金、報償費、謝金、旅費、需用費(消耗品費、印刷製本費、会議費、光熱水費、食糧費)、役務費(通信運搬費等)、委託料、使用料及び賃借料、共済費、扶助費
(2)留意事項
本事業に従事する職員が本事業以外の業務を兼務する場合は、委託業務の業務量に相当する経費のみを対象経費とする。
他の補助金等の補助を受けて実施している既存事業を活用して5の
(1)のイ、(2)及び(3)の事業を実施する場合は、支出対象経費とならない。
8 事業計画書の提出
受託者は、契約締結後速やかに、市が定める様式により事業計画書を作成し、市の承認を得ることとする。
9 報 告
受託者は、市が定める様式により、委託事業の毎月の実施状況及び完了届を、翌月 15 日までに市に報告すること。また、令和4年3月 31 日までに、年間報告書を作成し、市へ提出すること。
このほか、受託者は、5(4)の関係機関連携会議で実施状況を報告する場合など、市の必要に応じて実施状況を報告する。
10 業務上の留意事項
(1)個人情報の取扱いについて
ア 受託者は、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)及
び札幌市個人情報保護条例(平成 16 年条例第 35 号)を遵守すること。イ 本事業の実施に携わる職員は、利用者のプライバシーの保持に十分配
慮するとともに、業務上知り得た個人情報は、業務目的以外で他に漏らしてはならない。
(2)再委託について
受託者は、この契約による業務を第三者に委託し、又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ、委託者が書面により承諾した場合は、この限りではない。
(3)本事業の執行について
本事業の執行に当たっては、札幌市困難を抱える若年女性支援事業実施要綱(以下「実施要綱」という。)及び事業計画によること。なお、本事業契約後、国の若年被害女性等支援事業実施要綱が発出された場合、実施要綱を改正する場合がある。
11 関係書類の整備
受託者は、本事業実施に係る収支に関する帳簿、領収書その他の諸記録を整備し、会計年度終了後5年間保存するものとする。
12 その他
委託業務の実施にあたり必要な事項については、市と受託者が事前に協議するものとする。