Contract
総価契約単価合意方式 実施要領
1.目的及び内容
総価契約単価合意方式は、工事請負契約における受発注者間の双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定や部分払金額の算定を行うための単価等を前もって協議し、合意しておくことにより、設計変更や部分払に伴う協議の円滑化を図ることを目的として実施するものである。
2.対象工事の範囲
建設工事有資格業者認定要領(平成9年4月1xxxx平成9年第5号)第3条に掲げる工事のうち、第一号、第三号から第九号まで及び第十一号から第十二号までの工事において実施する。ただし、第四号に掲げる工事のうち、通信設備、受変電設備、監視制御設備は対象から除く。
実施方式としては、単価等を個別に合意する方式(以下「単価個別合意方式」という。)を基本とするが、分任契約職が発注する契約工事においては、請負者の希望により、単価を包括的に合意する方式(以下「単価包括合意方式」という。)も可能とする。
3.入札公告等による入札参加者への周知
以下に該当するものに、 内の文を記載することにより、本方式の対象工事であることを入札参加希望者に周知するものとする。
一般競争入札の場合:入札公告及び入札説明書指名競争入札の場合:指名通知
随意契約の場合 :見積依頼書
(記載例)
本工事は、総価契約単価合意方式の対象工事である。本工事では、受発注者間の双務性の向上とともに、契約変更等における協議の円滑化を図るため、契約後〔詳細設計完了後の変更契約後〕受発注者間の協議により総価契約の内訳として単価等を合意することとする。
なお、本方式の実施にあたっては、「総価契約単価合意方式実施要領」及び「総価契約単価合意方式実施要領の解説」に基づき行うものとする。
総価契約単価合意方式の実施にあたっては、単価等を個別に合意する方式(以下「単価個別合意方式」という。)によることとする。【 部は、分任契約職が発注する工事においては、「請負者の希望により、単価等を個別に合意する方式( 以下「単価個別合意方式」という。)又は単価を包括的に合意する方式(以下「単価包括合意方式」という。)を選択できるものとする。」と記載。】なお、協議開始から1 4日以内に「単価個別合意方式」による単価合意が成立しなかった場合は、「単価包括合意方式」にて行うものとする。
[注]〔 〕内は設計と施工を一括して発注する工事(詳細設計付き施工発注方式含む)(以
下「設計・施工一括発注方式」という。)の場合
4. 契約書等の記載
(1)契約書の記載
①請負代金内訳書及び単価合意書
単価個別合意方式の実施にあたっては、請負者から請負代金内訳書(以下「内訳書」という。)の提出を受け、単価合意の協議を行った上で、当該請負者と単価合意書を締結する必要があることから、工事請負契約書第3条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。この場合、「請負代金内訳書の提出について」( 平成8年4月1日8経契第 375 号、8技第 57 号。以下この項において「通達」という。)記1 の対象工事となっていないものについても、内訳書の提出を求めること。
また、単価包括合意方式による工事であっても、契約書第3条の記載例は以下によることとするが、このうち通達記1の対象工事でないものについては、内訳書は求めない
ことから、契約書第3条のうち内訳書に係る規定は適用しないこととし、その旨別記様式3の単価合意書に明記することとする。
なお、契約書第3条第3項に規定する単価合意書の締結にあたっては、単価個別合意方式による(分任契約職が発注する工事にあっては、請負者の希望により単価個別合意方式又は単価包括合意方式を選択する)こととし、協議開始から14日以内に単価個別合意方式による単価合意が成立しなかった場合は、単価包括合意方式にて行うこととする。
(記載例)
工事請負契約書(請負代金内訳書、工程表及び単価合意書) 第3条 ( 略)
2 ( 略)
3 甲及び乙は、内訳書(詳細設計完了後に行う変更契約内容に応じた内訳書)の提出後、xxxxに、その内容について協議し、単価合意書を締結するものとする。
4 単価合意書(詳細設計完了後に行う変更契約後の単価合意書)は、この契約書の他の条項において定める場合を除き、甲及び乙を拘束するものではない。
5 乙は、請負代金額の変更があった場合には、内訳書を変更し、○日以内に設計図書に基づいて、甲に提出しなければならない。
6 第 3 項の規定は、請負代金額の変更後の単価合意の場合に準用する。その場合において、協議開始の日から○日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
[注1]○の部分には、原則として、「14 」と記入する。
[注2]( )内は設計・施工一括発注方式の場合
②請負代金額の変更方法
本方式の実施にあたっては、請負代金額の変更を単価合意書の記載事項を基礎として定めることが可能なように、工事請負契約書第 24 条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。
(記載例)
工事請負契約書(請負代金額の変更方法等)
第24条 請負代金額の変更については、数量の増減が著しく単価合意書の記載事項に影響があると認められる場合、施工条件が異なる場合、単価合意書に記載のない工種が生じた場合又は単価合意書の記載事項によることが不適当な場合で特別な理由がないときにあっては、変更時の価格を基礎として甲乙協議して定め、その他の場合にあっては、単価合意書の記載事項を基礎として甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から○日以内に協議が整わない場合には甲が定め、乙に通知する
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
2・3(略)
③賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更
本方式の実施にあたっては、賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の算定を単価合意書の記載事項に基づいて行う事が可能なように、工事請負契約書第 25 条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。
(記載例)
工事請負契約書(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更) 第25条 (略)
2 (略)
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、単価合意書の記載事項及び物価指数等に基づき甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から○ 日以内に協議が整わない場合にあっては、甲が定め、乙に通知する。
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
4~8 (略)
④不可抗力による損害
本方式の実施にあたっては、不可抗力による損害の額の算定を単価合意書の記載事項に基づいて行うことが可能なように、工事請負契約書第 29 条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。
(記載例)
工事請負契約書(不可抗力による損害) 第29条 (略)
2~4 (略)
5 損害の額は、次に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、単価合意書の記載事項に基づき算定し、単価合意書の記載事項に基づき算定することが不適当な場合には、甲が算定する。
一~三 (略)
6 (略)
⑤部分払
(記載例)
工事請負契約書( 部分払)第37条 (略)
2~5 (略)
6 部分払金の額は、次の式により算定する。この場合において第 1 項の請負代金相当額は、単価合意書の記載事項により定め、単価合意書の記載事項により定めることが不適当な場合には、甲乙協議して定める。ただし、甲が第3項前段の通知をした日から○日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
部分払金の額≦第1項の請負代金相当額×( 9/ 10-前払金額/請負代金額)
[注]○の部分には、原則として、「10 」と記入する。
7 (略)
本方式の実施にあたっては、部分払金の額の算定を単価合意書の記載事項に基づいて行うことが可能なように、工事請負契約書第 37 条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。
⑥部分引渡し
本方式の実施にあたっては、部分引渡しの場合における指定部分に相応する請負代金の額を単価合意書の記載事項により定めることが可能なように、工事請負契約書第 38条に以下のとおり必要な事項を記入するものとする。
(記載例)
工事請負契約書(部分引渡し) 第38条 (略)
2 前項の規定により準用される第 32 条第 1 項の規定により請求することができる部分引渡しに係る請負代金の額は、次の式により算定する。この場合において、指定部分に相応する請負代金の額は、単価合意書の記載事項により定め、単価合意書の記載事項により算定することが不適当な場合には、甲乙協議して定める。ただし、甲が前項の規定により準用される第 31 条第2項の検査の結果の通知をした日から○日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
部分引渡しに係る請負代金の額
=指定部分に相応する請負代金の額×(1- 前払金額/ 請負代金額) [注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
(2)特記仕様書への記載
本方式によった場合、本工事においては、土木工事共通仕様書第3編1-1-2(請負代金内訳書)第1項(様式に関する記述に限る)に係る規定は適用しないものとし、特記仕様書に以下の文を記載するものとする。
(記載例)
第◇条 総価契約単価合意方式について
(目的)
1. 本工事は、工事請負契約における受発注者間の双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定や部分払金額の算定を行うための単価等を前もって協議して合意しておくことにより、設計変更や部分払に伴う協議の円滑化を図ることを目的として実施する総価契約単価合意方式の対象工事である。
(共通仕様書 第3編 1-1- 2の適用)
2. 請負代金内訳書の提出を求める場合、共通仕様書 第3編 1-1-2第 1 項(様式に関する記述に限る)に係る規定は適用しないものとする。
(合意単価の公表)
3. 発注者・請負者間で締結した単価合意書は、公表することができるものとする。
Ⅰ. 単価個別合意方式の場合
5.単価合意の方法
工事請負契約書締結直後( 設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後)の単価合意は、工事請負契約書第3条第1項及び第3項の規定に基づき実施する〔4.(1)① の契約書記載例参照〕ほか、以下の手続により実施するものとする。
(1) 単価合意は、工事数量総括表を基本とし、直接工事費、共通仮設費( 積み上げ分)、共通仮設費(率分)、現場管理費及び一般管理費等の単価等を合意する。
(2) 単価合意は、請負者が提出した請負代金内訳書に基づき行うものとする。
(3) 一度合意した単価合意書の単価は、変更しないものとする。
(4) 協議開始から14日以内に単価合意が成立した場合、別記様式1を参考とした「単価合意書」を締結する。その際、別記様式2を参考とした「単価表」を単価合意書の別添として作成の上、添付するものとする。
(5) 協議開始から14日以内に単価合意が成立しなかった場合は、Ⅱ.に掲げる単価包括合意方式によることとし、別記様式3を参考とした「単価合意書」を締結する。
(6) 単価合意書の締結後、発注者は当該合意書を、閲覧に供する方法により速やかに公表するものとする。なお公表の方法については、「工事における入札及び契約の過程並びに契約の内容等に係る情報の公表について」( 平成 13 年5月 23 日付け 13 経契第 416 号、 13 技第 173 号。以下「情報公開通達」という。)における予定価格の積算内訳の取扱に準じることとする。また、情報公開通達に基づき契約の内容を公表する際には、当該工事が総価契約単価合意方式によったものである旨を明らかにすること。
(7) 請負代金額の変更後の単価合意は、工事請負契約書第3条第6項の規定に基づき実施するものとする。その場合、一度合意した単価合意書の単価は、変更しないものとする。
6.単価個別合意方式における請負代金額の変更
請負代金額の変更にあたっては、工事請負契約書第24条の規定に従い、単価合意書記載の単価を用いて、請負代金額の変更部分の総額を協議するものとする〔4.(1 )②の契約書記載例参照〕。なお、その際の予定価格の積算にあたっては、以下の(1)から(2)に留意すること。
(1) 直接工事費及び共通仮設費(積み上げ分)については、単価合意書に記載の単価に基づき積算する。なお、単価合意書に記載のない単価の取り扱いは、以下のとおりとする。
・「数量の増減が著しく機構積算単価が変動する場合を含む条件変更の場合」「施工条件が異なる場合」は、細別(レベル4)の比率( 変更前の機構積算単価に対する合意単
価の比率をいう。以下この項において同じ。) に変更後の機構積算単価を乗じて積算する。
・既存の工種(レベル2)に種別( レベル3 )、細別(レベル4)が追加された場合は、当該工種(レベル2)の比率に機構積算単価を乗じて積算する。
・工種(レベル2)が新規に追加された場合は、機構積算単価にて積算する。
(2) 通仮設費(率分)、現場管理費、一般管理費等については、(1)により算出した対象額に、変更前の対象額に対する合意金額の比率及び積算基準及び積算資料の率式を利用した低減割合を乗じて算出する。
なお対象額とは、共通仮設費( 率分)にあっては直接工事費、現場管理費にあっては純工事費、一般管理費等にあっては工事原価をいう。
Ⅱ. 単価包括合意方式の場合
7.単価合意の方法
工事請負契約書締結直後( 設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後)の単価合意は、工事請負契約書第3条第1項及び第3項の規定に基づき実施する〔4.(1)① の契約書記載例参照〕ほか、以下の手続により実施するものとする。
(1) 単価合意は、工事数量総括表に記載の項目について、当初契約の予定価格( 変更契約の場合は機構積算額)に対する請負代金額の比率に基づき行うものとする。
(2) 別記様式3を参考とした「単価合意書」を締結し、工事数量総括表を別紙として添付する。
(3) 単価合意書の締結後、発注者は当該合意書を、閲覧に供する方法により速やかに公表するものとする。なお公表の方法については、情報公開通達における予定価格の積算内訳の取扱に準じることとする。また、情報公開通達に基づき契約の内容を公表する際には、当該工事が総価契約単価合意方式によったものである旨を明らかにすること。
(4) 請負代金額の変更後の単価合意は、工事請負契約書第3条第6項の規定により、同条第3項を準用して実施するものとする。
8.単価包括合意方式における請負代金額の変更
請負代金額の変更にあたっては、工事請負契約書第24条の規定に従い、単価合意書に記載した事項に基づき請負代金額の変更部分の総額を協議するものとする〔4.(1) ②の契約書記載例参照〕。なお、その際の予定価格の積算にあたっては、以下の(1)及び(2)に留意すること。
(1) 直接工事費及び共通仮設費(積み上げ分)については、単価合意書の別紙に記載の項目は単価合意書に基づき積算し、単価合意書の別紙に記載のない項目は以下のとおり取り扱うものとする。
・「数量の増減が著しく機構積算単価が変動する場合を含む条件変更の場合」「施工条件が異なる場合」は、機構積算額に対する請負代金額の比率( 以下「請負比率」という) に変更後の機構積算単価を乗じて積算する。
・既存の工種( レベル2)に種別(レベル3 )、細別(レベル4)が追加された場合は、請負比率に機構積算単価を乗じて積算する。
・工種(レベル2)が新規に追加された場合は、機構積算単価にて積算する。
(2) 共通仮設費(率分)、現場管理費、一般管理費等については、(1)により算出した対象額( 6.(2)の対象額をいう。以下同じ。)に、変更前の対象額に対する合意金額( 合意金額は変更前の機構積算額に請負比率を乗じた金額で算出)の比率及び積算基準及び積算資料の率式を利用した低減割合を乗じて算出する。
(単価個別合意方式の場合)
(別記様式1)
単 価 合 意 書
平成○○年○○月○○日に契約した○○工事における契約の変更に用いる単価または金額( 契約単位が一式の項目については単価ではなく金額)について、別添の単価表のとおり合意する。
以上、単価合意の証として本書2通を作成し、当事者間記名押印の上、各自1通を保有する。
平成○○年○○月○○日
発注者 | 住所 氏名 | ○○○○○○○○○ 契約職 ○○○○○○○○○ | 印 |
請負者 | 住所氏名 | ○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○ | 印 |
単 価 表
(別記様式2)
別 添
工事区分・工種・種別・細別 | 規格 | 契約単位 | 数量 | 合意単価 | 金額 | 摘要 |
○○ | 式 | |||||
○○ | 式 | ○○ | ||||
○○ | 式 | |||||
○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | |
○○ | 式 | ○○ | ||||
○○ | 式 | |||||
○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | |
直接工事費 | 式 | |||||
共通仮設費 | 式 | |||||
共通仮設費( 積上げ分) | 式 | |||||
○○ | 式 | |||||
○○ | 式 | ○○ | ||||
イメージアップ(率計上) | 式 | |||||
共通仮設費( 率計上) | 式 | ○○ | ○○ | |||
純工事費 | 式 | |||||
現場管理費 | 式 | ○○ | ○○ | |||
工事原価 | 式 | |||||
一般管理費等 | 式 | ○○ | ○○ | |||
工事価格 | 式 | |||||
消費税相当額 | 式 | |||||
工事費計 | 式 |
■各項目の単価の費用内容は、新土木工事積算大系用語定義集によるものとする。
なお、本単価表に記載のない工種( レベル2)が追加された場合の直接工事費及び共通仮設費(積み上げ分) については、変更時の価格を基礎として協議する。
(単価包括合意方式の場合)
(別記様式3)
単 価 合 意 書
平成○○年○○月○○日に契約した○○工事における契約の変更に用いる単価等の考え方について、下記のとおり合意する。
記
・ 契約変更等において用いる単価等は、別紙の工事数量総括表に記載の項目については、本契約の予定価格に対する請負代金額の比率を乗じたものを変更時の価格の基礎とする。
なお、別紙に記載のない工種(レベル2)が追加された場合の直接工事費及び共通仮設費(積み上げ分)については、変更時の価格を基礎とする。
[・工事請負契約書第3条の規定のうち、請負代金内訳書に係る規定は適用しない。]注:[]内は請負代金内訳書の提出を求めない場合に記載。
【工事数量総括表を別紙として添付】
※複数回変更する場合は、以下のとおり記載
・契約変更等においては、変更時の価格に、第○回変更契約時までの請負比率を乗じたものを基礎とする。
なお、別紙に記載のない工種(レベル2 )が追加された場合の直接工事費及び共通仮設費(積み上げ分)については、変更時の価格を基礎とする。
以上、単価合意の証として本書2通を作成し、当事者間記名押印の上、各自1通を保有する。
平成○○年○○月○○日
発注者 | 住所 氏名 | ○○○○○○○○○ 契約職 ○○○○○○○○○ | 印 |
請負者 | 住所氏名 | ○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○ | 印 |