当社は、2023 年 9 月 28 日付けで富士通 IT マネジメントパートナー株式会社との間で締結した吸収合併契約に基づき、2024 年 4 月 1 日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、富士通IT マネジメントパートナー株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下、本件合併)を行いました。
吸収合併に係る事後開示書面
2024 年 4 月 1 日
xxxxxxxxxxxxx 0 x 0 x
富士通株式会社代表取締役 xx xx
当社は、2023 年 9 月 28 日付けで富士通 IT マネジメントパートナー株式会社との間で締結した吸収合併契約に基づき、2024 年 4 月 1 日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、富士通IT マネジメントパートナー株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下、本件合併)を行いました。
本件合併に関して、会社法第 801 条第 1 項および会社法施行規則第 200 条に定める事項は、下記のとおりです。
記
1. 吸収合併が効力を生じた日
2024 年 4 月 1 日
2. 吸収合併消滅会社における法定手続の経過
(1) 会社法第 784 条の 2 の規定による手続の経過
吸収合併消滅会社の株主から本件合併をやめることの請求はありませんでした。
(2) 会社法第 785 条および第 787 条の規定ならびに第 789 条の規定による手続の経過
① 反対株主の株式買取請求(第 785 条)
吸収合併消滅会社の唯一の株主である吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社の特別支配会社であるため、本件合併に関して、株式買取請求を行うことができる株主は存在しません。
② 新株予約権買取請求(第 787 条)
新株予約権を発行しておりませんので、該当事項はありません。
③ 債権者の異議(第 789 条)
2023 年10 月23 日付けの官報および電子公告にて債権者に対して本件合併に対する異議申述の公告を行いましたが、所定の期間内に異議を述べた債権者はありませんでした。
3. 吸収合併存続会社における法定手続の経過
(1) 会社法第 796 条の 2 の規定による請求にかかる手続きの経過
会社法第 796 条第 2 項に規定する場合に該当するため、会社法第 796 条の 2 の規定による請求権は発生しません。
(2) 会社法第 797 条および第 799 条の規定による手続の経過
① 反対株主の株式買取請求(第 797 条)
会社法第 796 条第 2 項に規定する場合に該当するため、会社法第 797 条の規定による請求権は発生しません。
② 債権者の異議(第 799 条)
2023 年10 月23 日付けの官報および電子公告にて債権者に対して本件合併に対する異議申述の公告を行いましたが、所定の期間内に異議を述べた債権者はありませんでした。
4. 吸収合併により吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社から承継した重要な権利義務に関する事項
吸収合併存続会社は、効力発生日をもって、吸収合併消滅会社の資産・負債およびその他権利義務の一切を承継いたしました。
5. 会社法第 782 条第 1 項の規定により吸収合併消滅株式会社が備え置いた書面別添のとおりです。
6. 会社法第 921 条の変更の登記をした日
2024 年 4 月 1 日(予定)
7. 前各号に掲げる事項のほか、吸収合併に関する重要な事項
2023 年 10 月 23 日付けの電子公告にて吸収合併存続会社の株主に対して、本件合併に関する公告をおこなったところ、本件合併に対して反対の意思の通知をした株主が有する議決権の総数は 513 個ありましたが、会社法第 796 条第 3 項および会社法施行規
則第 197 条に定める株式の数には達しませんでした。
以上
別添
2023 年10 月23 日
吸収合併に係る事前開示書面
xxxxxxxxxxx0 x00 xOAPタワー富士通ITマネジメントパートナー株式会社
代表取締役社長 xx xx
富士通ITマネジメントパートナー株式会社は、2024 年 4 月 1 日を効力発生日として、富士通株式会社(以下「吸収合併存続会社」という)を存続会社、富士通ITマネジメントパートナー株式会社(以下「吸収合併消滅会社」という)を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下「本件合併」という)を行うことといたしました。
本件合併を行うに際して、会社法第 782 条第 1 項および会社法施行規則第 182 条により開示すべき事項は、以下のとおりです。
1.吸収合併契約の内容
本件合併における吸収合併契約の内容は、別紙 1 のとおりです。
2.対価の相当性に関する事項
吸収合併消滅会社が吸収合併存続会社の完全子会社であることから、吸収合併存続会社は、本件合併に際し、その対価として株式、金銭その他財産の交付は行いません。
3.吸収合併存続会社の計算書類等に関する事項
(1) 吸収合併存続会社の最終事業年度に係る計算書類等の内容別紙 2 のとおりです。
(2) 吸収合併存続会社の最終事業年度末日後に生じた重要な後発事象の内容
1 自己株式取得の件
吸収合併存続会社は、2023 年 4 月 27 日開催の取締役会において、自己株式の取得を以下のとおり決定いたしました。
・取得対象株式の種類 :吸収合併存続会社の普通株式
・取得し得る株式の総数 :12,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合
6.37%)
・株式の取得価格の総額 :1,500 億円(上限)
・取得期間 :2023 年 5 月 1 日~2024 年 3 月 29 日
・取得方法 :東京証券取引所における市場買付
(証券会社による投資一任方式、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付を含む)
2 投資有価証券の売却に伴う特別利益計上の件
吸収合併存続会社は、株式会社ソシオネクスト(コード:6526 東証プライム)による同社普通株式の売出し(以下「本件売出し」という。)に際し、売出人の一社として参加し、株式売出しによる売却を実行いたしました。これに伴い、吸収合併存続会社は、2024 年 3 月期の個別決算において、以下の通り投資有価証券売却益(特別利益)を計上する見込みとなりました。
1. 投資有価証券の売却(株式売出しによる売却)
(1) 売却する投資有価証券 株式会社ソシオネクスト普通株式
(吸収合併存続会社が保有する同社株式の全て)
(2) 売却する株式数 5,049,900 株
(3) 売却総額 719 億円(1 株につき 14,247 円 80 銭)
(4) 投資有価証券売却益(個別) 636 億円
2. 投資有価証券の売却に伴う損益影響
・個別業績
2024 年 3 月期において、本件売出しに伴う投資有価証券売却益 636 億円を特別利益に計上する予定です。
・連結業績
本件売出しに伴う投資有価証券売却益については、連結決算において、その他の包括利益として会計処理されるため、連結当期利益への影響はありません。
3 株式報酬としての新株式発行の件
吸収合併存続会社は、2023 年 7 月 27 日開催の取締役会決議に基づき、株式報酬としての新株式の発行を以下のとおり実行いたしました。
1. 国内募集による発行の概要
(1) 払込期日 2023 年 8 月 23 日
(2) 発行する株式の種類及び数 吸収合併存続会社の普通株式 95,486 株
(3) 発行価格 1 株につき 18,585 円
(4) 発行総額 1,774,607,310 円
(5) 割当予定先 ①吸収合併存続会社の役員及び従業員(※1)
155 名 66,738 株
②吸収合併存続会社の国内子会社の役員及び従業員(※2) 77 名 28,748 株
計 232 名 95,486 株
※1 役員は業務執行取締役を含む。退職者
2. 海外募集による発行の概要
7 名を含む。
※2 役員は業務執行取締役を含む。退職者
11 名及び退職予定者 1 名を含む。
(1) 払込期日 2023 年 8 月 23 日
(2) 発行する株式の種類及び数 吸収合併存続会社普通株式 13,538 株
(3) 発行価格 1 株につき 18,585 円
(4) 発行総額 251,603,730 円
(5) 割当予定先 ①吸収合併存続会社の海外子会社の役員及び従業員 5 名 7,063 株
②吸収合併存続会社の海外子会社への出向者及び転籍者 13 名 6,475 株
計 18 名 13,538 株
4.吸収合併消滅会社の最終事業年度末日後に生じた重要な後発事象の内容該当事項はありません。
5.債務の履行の見込みに関する事項
本件合併後の吸収合併存続会社の資産の額は、負債の額を十分に上回ることが見込まれます。
また、本件合併後の吸収合併存続会社の事業活動において、吸収合併存続会社が負担 すべき債務の履行に支障を及ぼす事態の発生は現在予想されておりません。
以上により、本件合併の効力が生ずる日以降における吸収合併存続会社の債務につき、履行の見込みはあるものと判断いたしました。
以上
別紙1
合 併 契 約 書
x x x 株 式 会 社
富士通ITマネジメントパートナー株式会社
合 併 契 約 書
富士通株式会社(以下、「甲」という)と富士通ITマネジメントパートナー株式会社
(以下、「乙」という)とは、合併に関し次のとおり契約を締結する。
第1条(合併の方法)
甲および乙は、本契約に従い、甲を吸収合併存続会社とし、乙を吸収合併消滅会社として合併を行う(以下、「本合併」という)。
第2条(合併をする会社の商号および住所)
(1)甲(吸収合併存続会社)商号:富士通株式会社
住所:xxxxxxxxxxxxxxxxx0x0x
(2)乙(吸収合併消滅会社)
商号:富士通ITマネジメントパートナー株式会社
住所:xxxxxxxxxxx0x00xXXXxxx
第3条(合併による新株式の発行および割当)
乙は、甲の完全子会社であるため、甲は、本合併に際して新株式の発行および金銭等の交付は行わない。
第4条(増加すべき資本金および準備金)
本合併に際して甲の資本金および資本準備金は増加しない。
第5条(承認総会)
1.甲は、会社法第796条第2項の規定により、同法第795条第1項の株主総会の承認を得ないで本合併を行う。
2.乙は、会社法第784条第1項の規定により、同法第783条第1項の株主総会の承認を得ないで本合併を行う。
第6条(効力発生日)
本合併の効力発生日は、2024年4月1日とする。なお、本合併の手続進行上の必要
性その他の理由により、甲乙協議のうえ、効力発生日を変更することができる。
第7条(財産および権利義務の引継ぎ)
乙は、2023年3月31日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに効力発生日に至るまでの増減を加除した資産、負債および権利義務の一切を、効力発生日に甲に引き継ぎ、甲はこれを承継する。
第8条(会社財産の善管注意義務)
甲および乙は、本契約締結後、効力発生日に至るまで、それぞれ善良なる管理者の注意をもって業務の執行および財産の管理、運営を行うものとし、その財産または権利義務に重大な影響を及ぼす行為については、あらかじめ甲乙協議し合意のうえ、これを行うものとする。
第9条(従業員の処遇)
効力発生日における乙の従業員は、全員甲が雇用するものとする。その他の取扱いについては、別途甲乙協議のうえ、これを決定する。
第10条(事情変更の場合)
本契約締結後、効力発生日までの間に、天災地変その他の事由により、甲または乙の財産もしくは経営状態に重大な変動が生じたときは、甲乙協議のうえ本合併条件を変更し、または本契約を解除することができる。
第11条(協 議)
本契約に定めのない事項または本契約に定める各条項に疑義を生じた場合、その他本合併に関し必要な事項については、本契約の趣旨に基づき甲乙協議のうえ、これを決定する。
本契約締結の証として本書1通を作成し、甲、乙記名押印のうえ、甲が原本を保有し、乙はその写しを保有する。
2023年9月28日
xxxxxxxxxxxxxxxxx0x0x甲 富士通株式会社
代表取締役社長 xx xx
xxxxxxxxxxx0x00xOAPタワー乙 富士通ITマネジメントパートナー株式会社
代表取締役社長 xx xx
別紙2
吸収合併存続会社の最終事業年度に係る計算書類等
株主の皆様へ
第123期 報告書
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日
富士通株式会社
【交付書面】
株主の皆様へ
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
ここに第123期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の報告書をお届けするにあたりまして、ご挨拶申しあげます。
当社は、パーパス(存在意義)を「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」ことと定め、お客様の価値を創造し、事業成長と安定に貢献するとともに、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる実践により自らの変革に取り組んでおります。
当社グループは、あるべき世界の実現に向けて解決すべき社会課題を起点に、クロスインダストリーの視点とデジタルテクノロジー基盤によってイノベーションを継続的に生み出すことで、新たな価値を提供し、ビジネスの変革と持続可能な社会の実現への貢献を目指しております。
当期においては、サステナブルな世界を実現するためのグローバルな事業ブランド「Fujitsu Uvance」を中心とするビジネスをさらに推進してまいりました。
また、お客様事業のDX化・グローバル化をより一層後押しするために、DXをリードする国内ビジネスプロデューサーのデザイン思考による商談スタイルの変革や、グローバルで統一された手法によるソリューション・サービスの開発標準化などにも注力してまいりました。
当社グループ自らのDXとしては、データドリブン経営の強化に向け、社内の業務プロセスや業務システムをグローバルで統一されたものに刷新する「OneFujitsu」プログラムや、新たな働き方を実現する「Work Life Shift」など、人員、体制の強化も含めた社内変革に取り組んでおります。また、非財務分野における評価指標として「お客様 NPS®」、「従業員エンゲージメント」および「DX推進指標」を掲げ、継続的に各評価の改善にも取り組んでまいりました。
これらの取り組みは、富士通グループのさらなる成長につながるものであると確信しており、今後も継続していく所存です。
当期の業績については、デジタル化などのDX関連ビジネスの受注が増加したことによる利益改善に加え、ソリューション・サービスの開発標準化に伴う生産性向上などが寄与し、営業利益および当期利益ともに過去最高益となりました。当期の業績の詳細につきましては、当報告書の3頁をご覧ください。
こうした実績や財務状況、今後の経営環境などを踏まえ、当期の年間配当については、2022年4月に公表した計画のとおり240円とさせていただきます。7期連続の増配であり、前期の年間配当から20円の増配となります。
2023年度は新たな中期経営計画のもと、パーパスの実現および経営方針の達成に向け、お客様にご提供する価値の創造とそのための変革をより一層推進していく所存です。そして当社のキャピタルアロケーションポリシーのもと、今後も安定的な配当に加え、資本効率も意識した自己株式の取得を積極的に行い、総還元額の拡大を継続してまいります。
株主の皆様におかれましては、なにとぞ倍旧のご指導、ご⽀援を賜りますようお願い申しあげます。
2023年6月
代表取締役社長
(注)「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」:“あらゆる(Universal)ものをサステナブルな方向に前進(Advance)させる”という2つの言葉を重ね合わせた、当社の事業ブランドの名称。
(注)「お客様NPS®(ネット・プロモーター・スコア)」:企業やサービスに対するお客様の信頼度や愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標。
(注)「DX推進指標」:経済産業省が定める、デジタル経営改革の推進状況を成熟度という形で評価する指標。
1
事業報告
1 企業集団の現況(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1)主要な事業内容(2023年3月31日現在)
当社グループ(当社および連結子会社)は、ICT分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能、かつ高品質のプロダクトおよび電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っております。各セグメントにおける主要な製品およびサービスは次のとおりです。
セグメント | 主要製品•サービス | |||
テクノロジー ソリューション | ソリューション•サービス | システムプラットフォーム | ||
● システムインテグレーション (システム構築、業務アプリケーション等) ● ンサルティング ● アウトソーシングサービス (データセンター、ICT運用管理、アプリケーション運用・管理、ビジネスプロセスアウトソーシング等) ● クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS等) ● ネットワークサービス (ビジネスネットワーク等) ● システムサポートサービス ( 情報システムおよびネットワークの保守・監視サービス等) ● セキュリティソリューション ● 各種ソフトウェア(ミドルウェア) | システムプロダクト ● 各種サーバ (メインフレーム、UNIXサーバ、基幹IAサーバ、PCサーバ等) ● ストレージシステム ● フロントテクノロジー (ATM、POSシステム等) ● 各種ソフトウェア(OS) ● 車載制御ユニットおよび車載情報システ ム ネットワークプロダクト ● ネットワーク管理システム ● 光伝送システム ● 携帯電話基地局 | |||
ユビキタス ソリューション | ● パソ | ン | ||
デバイス ソリューション | ● 電子部品(半導体パッケージ、電池等) |
2
(2)事業の経過および成果
全般的な概況
売上収益 | 営業利益(営業利益率) | 親会社所有者帰属当期利益 | ||
3兆7,137億円 | 3,356 億円(9.0%) | 2,151億円 | ||
[ 前期比 ] 3.5% | [ 前期比 ] 1,164 億円(53.1%) | [ 前期比 ] 324億円 |
(注)売上収益は外部顧客に対する売上収益です。
・21年度特殊事項 △564億
・22年度特殊事項 147億
本業(再編除く)
営業利益の前年比の変動内訳
売上 +1,921億 / 損益 +511億
(9.0%)
3,356億
・事業再編影響 △58億
(6.1%)
2,192億
特殊/再編
+653億
増収影響
+396億
コスト・費用効率化
+375億
事業成長投資
△260億
2021年度 2022年度
3
当期の売上収益は3兆7,137億円(前期比3.5%増)となりました。事業再編に伴う651億円の減収影響を除く本業の売上収益は3兆6,750億円(前期比5.5%増)となりました。テクノロジーソリューションにおいて、デジタル化やモダナイゼーションなどのDX関連ビジネスの受注が増加したことや、半導体不足に起因する部材供給遅延による減収影響からの 復が進んだことにより、増収となりました。
また、北米向けの5G基地局などのネットワークビジネスの売上が好調であったことや、海外リージョンにおいて、 M&Aによりサービスビジネスが拡大したことも増収の要因となりました。
当期の営業利益は3,356億円と前期比1,164億円の増益となりました。テクノロジーソリューションの増収効果による利益改善に加えて、グローバルデリバリーセンター(GDC)の活用による開発および運用の標準化による生産性の向上や、インフラサービスにおける保守および運用サポートの効率化などを着実に進め、採算性が改善しました。
さらに、当期の特殊事項として、株式会社PFUの株式譲渡に伴う利益として308億円を計上したほか、前期に650億円を計上したDX人材施策の費用の反動も増益要因となりました。
一方で、Fujitsu Uvanceなどのオファリング開発やGDCの強化など価値創造に向けた投資および自らの変革に向けた社内DX投資による費用負担はあったものの、上記の増益要因の影響が大きく、営業利益は過去最高益となりました。
当期の金融収益、金融費用および持分法による投資利益をあわせた金融損益等は、株式会社PFUが持分法適用関連会社となったことに伴うxx価値評価益77億円の計上を主要因として、前期比154億円増の362億円となりました。
この結果、当期の税引前利益は3,718億円(前期比1,318億円増)となりました。
また、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,151億円(前期比324億円増)となり、営業利益だけではなく、当期利益においても過去最高益となりました。
(注)「グローバルデリバリーセンター(GDC)」:当社が世界に展開している、オフショア開発その他のサービスの提供を行う拠点。
4
セグメント別の概況
テクノロジーソリューション
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 (当期) | |
売上収益内訳 | |||
ソリューション・サービス | 18,836 | 18,405 | 18,193 |
システムプラットフォーム | 6,337 | 6,175 | 6,781 |
海外リージョン | 7,237 | 7,293 | 8,124 |
共通 | △1,533 | △1,310 | △1,334 |
営業利益内訳 | |||
ソリューション・サービス | 1,907 | 1,887 | 2,337 |
システムプラットフォーム | 388 | 566 | 689 |
海外リージョン | 116 | 239 | 59 |
共通 | △478 | △1,344 | △454 |
■売上収益(億円) ■営業利益(億円) 営業利益率(%)
30,877
30,563
31,765
2,631
1,932
3%
1,350
4%
8.3
%
4.
6.
2020年度 2021年度
2022年度
(当期)
当社は、IT企業からDX企業への変革を掲げ、「テクノロジーソリューション」において、デジタル領域(For Growth)を成長させるとともに、従来型の基幹システムなどの既存IT市場(For Stability)については、強固なビジネス基盤をベースに収益拡大を目指すことを基本方針としております。
「テクノロジーソリューション」における当期の売上収益は、3兆1,765億円(前期比3.9%増)となりました。
「ソリューション・サービス」においては、前期比1.1%の減収となりましたが、事業再編の影響を除いた本業の売上収益は、製造業や流通業などの基幹システムの刷新やモダナイゼーション商談を中心に売上が堅調に推移し、前期比 2.5%の増収となりました。
「システムプラットフォーム」においては、下期以降、半導体不足に起因する部材供給遅延の売上や損益への影響から着実に 復し、サーバやストレージシステムを中心とするシステムプロダクトの売上が前年を上ったことに加え、ネットワークビジネスでは北米向けの5G基地局や光伝送システムの売上が増加したことにより、増収となりました。
「海外リージョン」においては、M&Aにより、デジタル領域のサービスビジネスの売上が増加したことに加え、為替影響もあり、増収となりました。
営業利益は2,631億円(前期比1,281億円増)となりました。「ソリューション・サービス」の本業および「システムプラットフォーム」の増収効果による利益改善に加え、グローバルデリバリーセンター(GDC)を活用したグローバルでの開発および運用の標準化による生産性の向上やインフラサービスの保守・運用サポートの効率化による採算性の改善が着実に進み、増益となりました。
5
ユビキタスソリューション
■売上収益(億円) ■営業利益(億円) 営業利益率(%)
デバイスソリューション
■売上収益(億円) ■営業利益(億円) 営業利益率(%)
3,190
13.6%
2,371
2,329
432
58
2.5%
△65
△2.8%
3,759
3,826
2,938
20.8%
783
20.7%
790
10.1%
298
2020年度 2021年度
2022年度
(当期)
2020年度 2021年度
2022年度
(当期)
「ユビキタスソリューション」における当期の売上収益は2,329億円(前期比1.7%減)となりました。国内は前期比10.6%の増収となりましたが、海外は欧州の市況低迷による需要減に伴いパソコンの売上が減少したことにより前期比16.6%の減収となりました。
営業利益は65億円の損失(前期比124億円減)となりました。為替変動による調達コストの増加の影響により、減益となりました。
「デバイスソリューション」における当期の売上収益は3,826億円(前期比1.8%増)となりました。上期までは力強く拡大した半導体需要が、下期には急激に低下したことにより、通期では前期並みとなりました。
これに伴い、営業利益も前期並みの790億円(前期比 7億円増)となりました。
(注)各セグメントの売上収益にはセグメント間の内部売上収益を含みます。
6
(3)企業集団の直前3事業年度の財産および損益の状況の推移
区分 | 2019年度 (第120期) | 2020年度 (第121期) | 2021年度 (第122期) | 2022年度 (当期) | |
売上収益 | (億円) | 38,577 | 35,897 | 35,868 | 37,137 |
国内 | (億円) | 26,292 | 24,176 | 22,698 | 22,902 |
海外 | (億円) | 12,285 | 11,720 | 13,169 | 14,234 |
海外売上比率 | (%) | (31.8) | (32.7) | (36.7) | (38.3) |
営業利益 | (億円) | 2,114 | 2,663 | 2,192 | 3,356 |
営業利益率 | (%) | (5.5) | (7.4) | (6.1) | (9.0) |
親会社所有者帰属当期利益 | (億円) | 1,600 | 2,027 | 1,826 | 2,151 |
基本的1株当たり当期利益 (円) | 791.20 1,013.78 924.21 | 1,107.63 |
資産合計 (億円) | 31,874 31,902 33,318 | 32,655 |
親会社所有者帰属持分 | (億円) | 12,409 | 14,501 | 15,907 | 15,868 |
親会社所有者帰属持分比率 | (%) | (38.9) | (45.5) | (47.7) | (48.6) |
1株当たり親会社所有者帰属持分 | (円) | 6,197.11 | 7,287.15 | 8,094.70 | 8,425.37 |
フリー・キャッシュ・フロー (億円) | 2,330 2,363 1,890 | 1,775 |
(注)当社は、会社計算規則第120条第1項に基づき、IFRS(国際財務報告基準)に従って連結計算書類を作成しております。
(注)フリー・キャッシュ・フローは、営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたものです。
7
(4)重要な子会社等の状況(2023年3月31日現在)
顧 客
開発・製造・販売・サービス提供会社
■ 富士通フロンテック㈱ 100
■ ㈱トランストロン 51.00
■ Fujitsu Network Communications, Inc. 100
開発・販売・サービス提供会社
■ Ridgelinez㈱ 100
■ 富士通Japan㈱ 100
■ ㈱富士通エフサス 100
■ 富士通ネットワークソリューションズ㈱ 100
■ Fujitsu Services Holdings PLC 100
■ Fujitsu North America, Inc. 100
■ Fujitsu Australia Limited 100
■ Fujitsu Asia Pte. Ltd. 100
開発・販売・サービス提供会社 Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.
100
■ 新光電気工業㈱ 50.04
■ FDK㈱ 58.90
議決権比率
開発・製造・販売会社
100
■ ㈱富士通パーソナルズ
議決権比率
販売会社
議決権比率
議決権比率
議決権比率
■ 富士通テレコムネットワークス㈱ 100
■ 富士通アイソテック㈱ 100
議決権比率
開発・製造会社
当
社
テクノロジーソリューション
各セグメントに属する重要な子会社等の状況は、以下のとおりです。
ユビキタス
ソリューション
デバイス
ソリューション
(持分法適用関連会社)
㈱富士通ゼネラル〔44.07〕、富士通クライアント ンピューティング㈱〔44.00〕、FLCS㈱〔20.00〕、㈱PFU〔20.00〕等
(注)会社名の後の〔 〕内の数字は議決権比率(単位:%)です。
(注)富士通クライアント ンピューティング㈱は、開発、製造する法人向けパソ ン等の一部を当社に納入しております。
(注)富士通リース㈱は、2022年4月1日付けで、FLCS㈱に商号を変更しております。
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(5)重要な企業再編等の状況
株式会社PFUは、当社による株式会社リコーへの同社株式の譲渡に伴い、2022年9月1日付けで持分法適用関連会社となりました。
(6)設備投資の状況
当期において、1,210億円(前期比36.1%増)の設備投資を行いました。
テクノロジーソリューションでは、サービス事業の関連設備や、当社が進めているBorderless Office(オフィスのあり方の見直し)に伴う事業所の新設、改装等を中心に486億円を投資しました。デバイスソリューションでは、新光電気工業株式会社の電子部品の製造設備を中心に723億円を投資しました。
(7)資金調達の状況
当期において、募集株式の発行、社債の発行などによる資金調達を実施しておりません。
(8)対処すべき課題
当社グループは、社会における存在意義、パーパスを「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」ことと定めております。すべての事業活動をこのパーパス実現のための活動として取り組んでおり、そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。
【市場環境】
当社グループをとりまく市場環境については、従来型の基幹システムなどの既存IT市場は、緩やかに縮小していくと予測されています。一方で、レガシーシステムのリプレイスメントやモダナイゼーションへの投資は堅調に増えると予測されています。さらに、AI(人工知能)やデータ活用などデジタル化に向けた投資は、社会や企業の成長・発展へのニーズに加え新型コロナウイルスの感染拡大による社会システムや生活様式の変化への対応を契機とするニーズもあり、今後も拡大すると想定されています。
このような状況のもと、当社グループは、2022年度を最終年度とする経営方針に則り、ますます需要が高まる企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引し、社会課題の解決に貢献する企業への変革を目指して活動してまいりました。
【経営方針概要】
2022年度を最終年度とする経営方針では、当社グループは、経営方針の達成に向け「価値創造」と「自らの変革」に取り組んでまいりました。
「価値創造」では、お客様の事業の変革や成長に貢献する事業領域を「For Growth」と定め、これを成長分野と位置付けて、規模と収益性の両方の拡大に取り組んでまいりました。同時に、お客様のIT基盤の安定稼働への貢献と品質向上に取り組む領域を「For Stability」と定め、一層の効率化を推し進めて利益率の向上を図ってまいりました。
「価値創造」において、次の施策に取り組んでまいりました。
グローバルビジネス戦略の再構築策として、グローバル共通のポートフォリオに沿って、重点アカウントの選定やオファリングの拡充を図ってまいりました。グローバルでの機動性をより高めていくため、2022年4月にリージョンの再編を行い、欧州の2リージョンを統合したEuropeリージョン、アジアとオセアニアを一体化したAsia Pacificリージョン、そしてAmericasリージョン、Japanリージョンの合計4リージョン体制としました。グローバルで市場を推進していくため、事業責任者のグローバルワイドでの最適配置にも着手しており、欧州にソリューションビジネス、北米にネットワークビジネスの責任者を配置しました。引き続き、グローバルビジネスの拡大に向け、取り組んでまいります。
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日本国内での課題解決力の強化策として、日本の社会課題解決やデジタル化に貢献するための体制強化を継続して進めております。デザイン思考でお客様の潜在ニーズを掘り起こし、お客様との共感を通じてDXをリードするビジネスプロデューサー8,000人の研修を完了しており、このビジネスプロデューサーを中心に、商談スタイルの変革を進めております。持続可能なデジタル社会の実現に向け企業や自治体との連携も強化しており、引き続きエコシステムの拡大を目指し、こうした連携から得られる成果を最大限活用するとともに、社会インフラなどを中心に日本のDXを促進してまいります。
お客様事業の一層の安定化にも、継続して取り組んでまいります。
グローバルで統一された手法での開発を促進するため、サービスデリバリーの標準化および最適化を行うとともに、効率化によるコスト競争力の強化を図っております。こうした手法で開発・デリバリーを行うグローバルデリバリーセンター(GDC) の人員数を増強するとともに、米Palantir Technologies Inc.のデータ分析プラットフォーム
(Palantir社プラットフォーム)を活用した人的リソースのアサインメントの大幅効率化と有効活用を進めており、これをグローバルで統一し、活用を拡大してまいります。また、日本固有の商習慣やニーズを踏まえてデリバリーを標準化するJapan Global Gatewayと、GDCとの連携を進め、日本のお客様のグローバル化を一層後押ししてまいります。
品質管理とリスクマネジメントの強化については、Palantir社プラットフォームの活用や、AIによる分析を行い、品質低下の予兆を検知する取り組みを進めております。リスク検知のためのダッシュボードの整備など、トラブルの未然防止の高度化を進めてまいります。また、情報管理や情報セキュリティに関する機能の強化として、専任のCISO(最高情報セキュリティ責任者)のもと情報管理に関する規程が厳格に運用されるように、監査のあり方も含めて強化を図っております。
お客様のDXのベストパートナーとなるべく、お客様の事業や変革の達成をカスタマーサクセスと定義し、その実現に向けたサポートの強化に取り組んでおります。開発や営業機能を一体化した組織において、お客様サポートを一元的に担い中長期の視点でお客様とともに動くAccount General Managerを育成するとともに、社会課題の解決や、お客様のサステナブルな経営を支えるオファリングに今後も注力してまいります。
サステナブルな世界を実現するための事業ブランド「Fujitsu Uvance」については、2022年4月に1,000人規模のグローバルな専任組織を設置しました。市場をクロスインダストリーでとらえる「Vertical Areas」における
「Sustainable Manufacturing」「Consumer Experience」「Healthy Living」「Trusted Society」の4分野と、お客様のDXを支えるためのテクノロジーやソリューション「Horizontal Areas」における「Digital Shift」
「Business Application」「Hybrid IT」の3分野、合計7つを重点分野に定めております。これら7つの分野に対して、今後も中長期的に経営リソースを集中させ、ソリューションの開発や提供体制の整備を進めてまいります。
一方、「自らの変革」として、当社グループ自身のDXのため、人員、体制の強化も含めた社内変革を進めております。
データドリブン経営の強化策として、データを活用してグループ全体の経営を高度化するOneFujitsuプログラムを、全リージョン横断で推進しております。その一環として、2022年4月にOneCRMを始動させ、パイプラインマネジメントの統合とグローバルで統一した管理手法の導入を行いました。同じく4月に、グループ全体でERPを統合する One ERP+が、英国およびアイルランドで先行稼働し、グローバルでの稼働に向けて準備を進めております。また、全社DXプロジェクト「フジトラ」を中心に、企業カルチャーや社員のマインドまでを含めた全社員参加型の変革を進めております。グローバルで人材の流動性を高めるため、ポスティング制度の適用範囲拡大や、パーパス実現への貢献を評価するグローバル共通の評価制度「Connect」およびジョブ型人事制度の適用拡大などを進めております。DX企業にふさわしい働き方やマインドを醸成する「Work Life Shift」では、従業員サーベイの結果に基づくデータ駆動型の施策を、グローバルで展開してまいります。また、自身の取り組みで得た知見をベースに、お客様の働き方改革も支援しており、今後も継続してまいります。
施策の実行にあたり、必要となる投資を積極的に行ってまいりました。サービス・オファリングの開発やM&Aをはじめとする外部への投資、将来を見据えたDXビジネス拡大のための戦略的な投資に加え、高度人材の獲得や社内の人材・システムの強化のための投資を継続して実行してまいります。
財務面に加えて、非財務面での取り組みも強化しております。当社グループの掲げるパーパスの実現には、当社グル
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ープ自身のサステナブルな成長が必須であり、そのためには当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーとの信頼関係を築くことが必要と考えております。その観点から、お客様からの信頼を示す「ネット・プロモーター・スコア」、社員との結びつきを示す「従業員エンゲージメント」、そして、組織、カルチャーの変革の進捗を経済産業省が推進する「DX推進指標」を非財務分野における評価指標と定め、改善に取り組んでまいりました。引き続き、優先的に取り組むべき重要事項を検討しながら、非財務面での取り組みを継続してまいります。
財務面での経営目標として、2023年度は、連結で売上収益3兆8,600億円、営業利益3,400億円の達成を目指してまいります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、テレワークを中心とする新たな働き方へとシフトし、これをグローバルに継続しております。また、昨今のウクライナ情勢については、お客様へのサービス提供を安定的に継続するため、ロシアの当社拠点を2022年11月に閉鎖し、提供していたサービスの他の拠点への移管を完了しました。併せて、国連難民高等弁務官事務所への寄付やウクライナ国籍の方の積極採用、社員によるボランティア活動を行っております。当社グループは、引き続き状況に応じて迅速な意思決定を行いながら、デジタルテクノロジーと、これまでに培った多様な業種への実績・知見を活かし、安心で利便性の高い社会づくりに貢献していきます。
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2 会社の現況
会社役員の状況
①取締役および監査役の氏名等(2023年3月31日現在)
地位 | 役位 | 氏名 | 担当 | 社外役員 | 独立役員 |
代表取締役 | 社 長 | 時田 隆仁 | CEO、CDXO、リスク・コンプライアンス委員会委員長 | ||
代表取締役 | 副 社 長 | 古田 英範 | COO、CDPO | ||
取 締 役 | 執行役員 SEVP | 磯部 武司 | CFO | ||
取 締 役 | シニアアドバイザー | 山本 正已 | 指名委員会委員 | ||
取 締 役 | - | 向井 千秋 | 報酬委員会委員長 | ○ | ○ |
取 締 役 | - | 阿部 敦 | 取締役会議長、指名委員会委員長 | ○ | ○ |
取 締 役 | - | 古城 佳子 | 指名委員会委員、報酬委員会委員 | ○ | ○ |
取 締 役 | - | スコット キャロン | 指名委員会委員、報酬委員会委員 | ○ | ○ |
取 締 役 | - | 佐々江 賢一郎 | 報酬委員会委員 | ○ | ○ |
常勤監査役 | - | 広瀬 陽一 | |||
常勤監査役 | - | 山室 惠 | |||
監 査 役 | - | 初川 浩司 | ○ | ○ | |
監 査 役 | - | 幕田 英雄 | ○ | ○ | |
監 査 役 | - | キャサリン オコーネル | ○ | ○ |
(注)当社の独立性基準(詳細については「第123回定時株主総会のご案内」8頁をご参照ください。)に基づき、独立性を判断しております。
(注)取締役シニアアドバイザー 山本 正已氏は、JFEホールディングス株式会社および株式会社みずほフィナンシャルグループの社外取締役を兼任しております。
(注)常勤監査役 広瀬 陽一氏は、当社の財務経理本部長を務めるなど財務・経理部門における長年の経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。また、同氏は株式会社富士通ゼネラルの社外監査役を兼任しております。
常勤監査役 山室 惠氏は、裁判官として経済事案を数多く取り扱った経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。 監査役 初川 浩司氏は、公認会計士としてグローバル企業の豊富な監査経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。監査役 幕田 英雄氏は、検事、公正取引委員会の委員などを歴任し、経済事案を数多く取り扱った経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。
(注)社外役員の重要な兼職の状況は、「第123回定時株主総会 電子提供措置事項(交付書面非記載事項)」5頁「8.社外役員の兼任の状況、主な活動状況等」に記載しております。
(注)CEOは最高経営責任者、CDXOは最高DX責任者、COOは最高執行責任者、CDPOは最高データ&プロセス責任者、CFOは最高財務責任者を指します。
(注)SEVPは、当社グループの役員および従業員の職責の大きさを示すグローバル共通の基準であるFUJITSU Level(他にはEVP、SVPなど)の一つです。
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②取締役および監査役の報酬等ア.役員報酬額等の決定方針
当社は、より透明性の高い役員報酬制度とするべく、2009年10月の取締役会決議により報酬委員会を設置しております。下記イ.「当期に係る報酬等の総額」に集計された取締役および監査役の報酬等は、株主総会の決議によって定められた報酬等総額の範囲内において、報酬委員会の答申を受けて取締役会で決定した役員報酬基本方針(取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を含む役員報酬に関する方針であり、以下「本決定方針」といいます。)の枠組みに基づき、各取締役の報酬等については、報酬委員会の審議を経て取締役会での決議により決定し、各監査役の報酬等については、監査役の協議に基づき決定する運用としております。
また、当期における取締役の個人別の報酬等の決定にあたっては、取締役会で決定された本決定方針に基づき、独立社外取締役で構成される報酬委員会が多様な視点からの検討を行っており、また、報酬委員会の答申を受けた取締役会は、当該報酬等の内容の決定が上記の運用に則していることを確認しているため、本決定方針に沿うものであると判断しております。
なお、当社は2023年5月11日開催の取締役会において、2023年6月26日開催の第123回定時株主総会での承認を条件とした本決定方針の改定を決議しております。「第123回定時株主総会のご案内」19頁に記載の第3号議案をご承認いただいた場合は、本報告書17頁に記載のとおり本決定方針を変更いたします。
当期に係る本決定方針の内容は次のとおりです。
役員報酬基本方針
当社は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパス実現のために必要な富士通グループの経営を担う優秀な人材を確保するため、また、業績や株主価値との連動性をさらに高め、透明性の高い報酬制度とするため、以下のとおり役員報酬基本方針を定める。
a.報酬体系および報酬水準の考え方
・役員報酬は職務および職責に応じ月額で定額を支給する「基本報酬」と、短期業績に連動する報酬としての
「賞与」、株主価値との連動を重視した中長期インセンティブとしての「業績連動型株式報酬」から構成する体系とする。
・報酬水準および種類別構成割合は、優秀な人材の確保・維持に資する競争力のある報酬とすることを目標として、事業内容、事業規模等の類似する他企業の報酬構成割合および職務・職責毎の報酬水準をベンチマークとして比較し、当社の財務状況を踏まえて設定する。
・業務執行を担う取締役の総報酬における業績連動報酬の割合は、職責の重い取締役ほど高くなるように決定し、業績および株主価値との連動性を高めるものとする。
・取締役の個人別報酬は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することで、客観性、透明性、公正性を確保する。
b.基本報酬
すべての取締役および監査役を支給対象とし、その支給額はそれぞれの役員の職務および職責に応じて月額の定額を決定する。
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c.賞与
・業務執行を担う取締役を支給対象とし、1事業年度の業績を反映した賞与を支給する。
・具体的な評価指標および算出方法は、あらかじめ職務および職責に応じた基準額を設定し、それに対して経営目標財務指標である連結売上収益および連結営業利益の当期の業績目標の達成度合い、ならびに経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント*1、顧客NPS®*2、DX推進指標*3の前期からの伸長度合いおよび ESGに関する第三者評価の銘柄入り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて支給額を決定する『オンターゲット型』とする。
d.業績連動型株式報酬
・業務執行を担う取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、中長期的な業績向上に資する、業績連動型の株式報酬を支給する。
・具体的な評価指標および算出方法は、あらかじめ職務および職責に応じた基準株式数を設定し、それに対して経営目標財務指標である連結売上収益、連結営業利益およびEPS(一株当たり当期利益)の業績判定期間(3年間)中の業績目標の達成度合いに応じた係数を乗じて年度毎の株式数を計算の上、業績判定期間の終了をもって、その合計株式数の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りの株式を割当てる。
なお、株主総会の決議により、取締役の「基本報酬」と「賞与」の合計額を年額12億円以内とし、「業績連動型株式報酬」を年額12億円以内、割り当てる株式総数を年7万5千株以内とする。また、監査役の「基本報酬」を年額1億5千万円以内とする。
(ご参考)役員報酬項目と支給対象について
対象 | 基本報酬 | 賞与 | 業績連動型株式報酬 | |
経営監督分 | 業務執行分 | |||
取締役 | 〇 | ― | ― | ― |
業務執行取締役 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
監査役 | 〇 | ― | ― |
*1 会社の向かっている方向性・パーパスに共感し、自発的、主体的に働き貢献したいと思う意欲や愛着を表す指標
*2 顧客Net Promoter Scoreの略。顧客体験=カスタマー・エクスペリエンス(CX)の改善度や深化の把握のために、企業、商品やサービスへのお客様の信頼度や愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標
*3 経済産業省が定める、企業のデジタル経営改革を推進するために、経営幹部や事業部門、DX部門、IT部門などの関係者の間で現状や課題に対する認識を共有し、次のアクションにつなげる気付きの機会を提供することを目的とした指標
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イ.当期に係る報酬等の総額
区 | 分 | 人 | 員 | 報酬等の種類 | 報酬等の総額 | ||
基本報酬 | 賞与 | 業績連動型株式報酬 | |||||
取締役 (うち社外取締役) | 9人 (5人) | 325百万円 (79百万円) | 124百万円 - | 277百万円 - | 726百万円 (79百万円) | ||
監査役 (うち社外監査役) | 5人 (3人) | 113百万円 (41百万円) | - - | - - | 113百万円 (41百万円) | ||
合計 (うち社外役員) | 14人 (8人) | 438百万円 (120百万円) | 124百万円 - | 277百万円 - | 840百万円 (120百万円) |
(注)報酬額は百万円未満を切り捨てで表記しているため、取締役または監査役などの区分毎に、報酬等の種類欄に記載の各報酬額を合算した金額と報酬等の総額欄に記載の金額が一致しない箇所があります。
(注)取締役の報酬額は、2021年6月28日開催の第121 定時株主総会において、金銭報酬を年額12億円以内(うち社外取締役分は年額1憶5千万円以内)とすることを決議いただいております。また、同第121 定時株主総会において、非金銭報酬として当社普通株式を年額12億円以内、割り当てる株式総数を年7万5千株以内とすることを決議いただいております。同第121 定時株主総会終結の時点の取締役の員数は、9名(うち、社外取締役は5名)です。監査役の報酬額は、2011年6月23日開催の第111 定時株主総会において、基本報酬を年額1億5千万円以内とすることを決議いただいております。同第111 定時株主総会終結の時点の監査役の員数は、5名(うち、社外監査役は3名)です。当社は、これらの報酬額の中で、上記の表の報酬を支給しております。
(注)業績連動型株式報酬は、当期に費用計上した金額を記載しております。
ウ.当期の業績連動報酬等に係る事項
ⅰ)算定の基礎とした業績指標の内容および当該業績指標を選定した理由 a.賞与
当社は、業務執行取締役に1事業年度の業績目標達成に対するインセンティブとなるように当社の経営目標財務指標として掲げる連結決算における売上収益と営業利益を評価指標として選定するとともに、業務執行取締役の経営目標達成へのコミットメントを高めるため、当社の経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®およびDX推進指標と第三者評価として「ESGに関する第三者評価(DJSI(注1)、CDP気候変動(注2))」を評価指標として選定しております。
(注)1.DJSI:Dow Jones Sustainability Indexの略。世界的なESG投資指標。
2.CDP気候変動:国際的な非営利組織であるCDPが投資家等の要請に基づき、「気候変動」への取り組みを調査、評価を行い、結果を公表するもの。
b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に中長期的な企業価値向上のインセンティブを与えるとともに、株主の皆様の視点での経営を一層促すために、当社の経営目標財務指標として掲げる連結決算における売上収益、営業利益およびEPSを評価指標として選定しております。
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ⅱ)算定方法 a.賞与
当社は、1事業年度の開始時に、業務執行取締役に対して、業績目標ならびに職務および職責に応じた基準賞与額を提示します。そして、当該事業年度の終了をもって、基準賞与額に、当社の連結決算における売上収益および営業利益の当期の業績目標の達成度合い、ならびに経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®、 DX推進指標の前期からの伸長度合いおよびESGに関する第三者評価の銘柄入り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて、支給賞与額を算出します。なお、業績目標の達成度合いがあらかじめ設定した下限未満となる場合には賞与は支給されません。また、業績目標の達成度合いがあらかじめ設定した上限以上となる場合には、基準賞与額にあらかじめ設定した係数の上限を乗じた額を支給します。
b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に対して、あらかじめ職務および職責に応じた基準株式数、業績判定期間(3事業年度)および業績目標を提示します。そして、基準株式数に当社の連結決算における売上収益、営業利益およびEPSの業績判定期間(3事業年度)中の業績目標の達成度合いに応じた係数を乗じて算出した数の株式を事業年度毎および業績判定期間終了時に計算し、業績判定期間中に継続して本制度の対象者の地位にあったことを条件として、業績判定期間の終了をもって、対象者毎に、①その合計株式数の一部は本業績連動型株式報酬制度に係る報酬の支給に伴い対象者に生じる納税資金負担相当の金銭で支給し、②残りは当社株式を割当てます。このとき、業務執行取締役には上記合計株式の時価相当額を、金銭報酬債権および金銭で支給し、業務執行取締役は、前者の金銭報酬債権を、割当てられた株式に対し出資して、当社株式を取得します。なお、合計株式数に占める金銭で支給する部分の割合は、対象者の納税資金負担を考慮して、取締役会で定めるものとします。
ⅲ)当期の業績連動報酬に係る指標の目標および実績
(単位:億円)
目 標 | 実 績 | |
連結売上収益 | 37,200 | 37,137 |
連結営業利益 | 4,000 | 3,356 |
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【ご参考】役員報酬基本方針(第3号議案が承認された場合)
当期の本決定方針は本報告書13頁に記載のとおりでありますが、2023年6月26日開催の第123 定時株主総会において第3号議案をご承認いただいた場合は、以下のとおり当該方針を変更いたします。
役員報酬基本方針
当社は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパス実現のために必要な富士通グループの経営を担う優秀な人材を確保するため、また、業績や株主価値との連動性をさらに高め、透明性の高い報酬制度とするため、以下のとおり役員報酬基本方針を定める。
1.報酬体系および報酬水準の考え方
・役員報酬は、職務および職責に応じ月額で定額を支給する「基本報酬」と、短期業績に連動する報酬としての
「賞与」、株主価値との連動を重視した中長期インセンティブとしての「株式報酬」から構成する体系とする。
・報酬水準および種類別構成割合は、優秀な人材の確保・維持に資する競争力のある報酬とすることを目標として、事業内容、事業規模等の類似する他企業の報酬構成割合および職務・職責毎の報酬水準をベンチマークとして比較し、当社の財務状況を踏まえて設定する。
・業務執行取締役の総報酬における業績連動報酬(賞与および業績連動型株式報酬)の割合は、職責の重い取締役ほど高くなるように決定し、業績および株主価値との連動性を高めるものとする。
・取締役の個人別報酬は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することで、客観性、透明性、公正性を確保する。
【役員報酬項目と支給対象のマトリクス図】
対象 | 基本報酬(1) | 賞与 (2,6) | 株式報酬 | ||
経営監督分 | 業務執行分 | 業績連動型 株式報酬 (3①,5,6) | 譲渡制限付 株式ユニット (3②,5) | ||
業務執行 取締役(4) | ○ | ○ | ○ | ○ | ― |
社外取締役(4) | ○ | ― | ― | ― | 〇 |
上記以外の 取締役 | ○ | ― | ― | ― | ― |
監査役 | ○ | ― | ― | ― |
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2.各役員報酬項目の考え方
(1) 基本報酬
すべての役員(取締役および監査役)を支給対象とし、それぞれの役員の職務および職責に応じて月額の定額を支給する。
(2) 賞与
・業務執行取締役を支給対象とし、1事業年度の業績を反映した賞与を支給する。
・具体的な評価指標および算出方法は、あらかじめ職務および職責に応じた基準額を設定し、それに対して経営目標財務指標である連結売上収益および連結営業利益の当期の業績目標の達成度合い、ならびに経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント*1、顧客NPS®*2、DX推進指標*3の前期からの伸長度合いおよび ESGに関する第三者評価の銘柄入り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて支給額を決定する『オンターゲット型』とする。
*1 会社の向かっている方向性・パーパスに共感し、自発的、主体的に働き貢献したいと思う意欲や愛着を表す指標
*2 顧客Net Promoter Scoreの略。顧客体験=カスタマー・エクスペリエンス(CX)の改善度や深化の把握のために、企業、商品やサービスへのお客様の信頼度や愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標
*3 経済産業省が定める、企業のデジタル経営改革を推進するために、経営幹部や事業部門、DX部門、IT部門などの関係者の間で現状や課題に対する認識を共有し、次のアクションにつなげる気付きの機会を提供することを目的とした指標
(3) 株式報酬
① 業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア)
・業務執行取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、中長期的な業績向上に資する、業績連動型の株式報酬を支給する。
・具体的な評価指標および算出方法は、あらかじめ職務および職責に応じた基準株式数を設定し、それに対して経営目標財務指標である連結売上収益、連結営業利益およびEPS(一株当たり当期利益)の業績判定期間(3年間)中の業績目標の達成度合いに応じた係数を乗じて年度毎の株式数を計算の上、業績判定期間の終了をもって、その合計株式数の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りの株式を割当てる。
② 譲渡制限付株式ユニット(リストリクテッド・ストック・ユニット)
・社外取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、持続的な企業価値向上に資する、譲渡制限付株式ユニット
(一定の継続勤務期間の在任を条件として権利確定後に株式を報酬として付与する事後交付型インセンティブ制度)を支給する。
・あらかじめ年度毎に職務に応じた株式ユニット数を設定し、継続勤務期間(3年間)を経て、その株式ユニット数の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りは株式を割当てる。
(4) 報酬の構成割合の目安
業務執行取締役の「基本報酬(経営監督分を除く業務執行分のみ)」、「賞与」、「業績連動型株式報酬」の比率は、代表取締役社長において1:1:3を目安とし、他の業務執行取締役よりも業績連動報酬の割合を高めに設定する。また、社外取締役の「基本報酬(手当除く)」、「譲渡制限付株式ユニット」の比率は7:3を目安とする。
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(5) 株式保有ガイドライン
当社は、株主との長期的な価値共有の促進を目的とした株式保有ガイドラインを定める。株式報酬の支給対象である取締役は、職務毎に定められた一定数以上の当社株式を在任期間中保有するよう努める。代表取締役社長は、就任後4年経過時までに基本報酬年額の2倍に相当する当社株式を保有し、在任期間中その保有を継続するよう努める。
(6) 報酬の返還等(クローバック・マルスに関するポリシー)
退任2年以内の者を含む業務執行取締役に対して、過年度決算の重大な事後修正を含む不適切な会計または在任期間中に重大な不正・コンプライアンス違反が生じた場合に、報酬委員会の審議を経て取締役会の決定により、当社は業績連動報酬(賞与および業績連動型株式報酬)を減額しまたはその返還を求めることができる。
なお、株主総会の決議により、取締役の「基本報酬」と「賞与」の合計額は年額12億円以内(うち社外取締役分は年額1億5千万円以内)とする。業務執行取締役の「業績連動型株式報酬」は、年額12億円以内、割り当てる株式総数を年7万5千株以内とし、社外取締役の「譲渡制限付株式ユニット」は、第123 定時株主総会で決議したとおり、年額1億円以内、割り当てる株式総数を年6千株以内とする。
監査役の「基本報酬」は年額1億5千万円以内とする。
以上
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メ モ
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株主総会資料の電子提供制度と当社対応のご案内
1.株主総会資料の電子提供制度の概要
会社法の改正により、株主総会資料(※)の電子提供制度(以下、「本制度」といいます。)が2022年9月1日に施行されました。本制度は、株主総会資料をウェブサイトに掲載し、当該ウェブサイトへのアクセス方法等を記載した招集ご通知(以下「通知書面」といいます。)をお送りすることにより、株主総会資料を提供することができる制度です。上場会社については、本制度の適用が法令上、義務付けられており、当社では本年の第123回定時株主総会(以下、「本年総会」といいます。)より本制度が適用されます。
(※)株主総会資料とは、株主総会参考書類、事業報告、連結計算書類、計算書類、監査報告を指します。
現在の招集通知
原則として書面送付
お手元に届いた資料でご確認
招集通知
(株主総会資料含む)
発行会社
株主様
電子提供制度
電子提供 + 書面通知
ウェブ画面上でご確認
通知書面
(ウェブサイトのURL等を含む)
富士通
株主様
掲載
閲覧
会社ホームページ等
(株主総会資料)
2.当社対応方針
本年総会においては、株主様への十分な制度周知の後にご提供方法の変更を行うため、電子提供制度に基づくウェブサイトへの掲載に加え、全ての株主様へ従来どおり株主総会資料を「定時株主総会のご案内」、「報告書」(※)として書面でお届けいたしました。
次回の株主総会からは、株主様にはウェブサイト上で株主総会資料を閲覧していただくこととし、書面では原則として、通知書面および株主総会参考書類からなる「定時株主総会のご案内」のみをお届けする予定です。
次回以降の株主総会についても、「報告書」の書面によるご提供を希望される株主様で、書面交付請求のお手続きをお済ませでない株主様は、次回の議決権行使基準日(2024年3月31日)までに株主様の口座がある証券会社または三菱UFJ信託銀行で書面交付請求のお手続きを行っていただきますようお願いいたします。
なお、期日までに書面交付請求をされた場合でも、請求後最初に到来する議決権行使基準日時点で1単元(100株)以上の株式を保有していない場合は請求が無効となります。
(※)「定時株主総会のご案内」:招集ご通知(通知書面)、株主総会参考書類を記載した冊子。
「報告書」:事業報告、連結計算書類、計算書類、監査報告を記載した冊子。ただし、本年総会より、法令および当社定款に基づき、事業報告の記載項目の一部、連結計算書類、計算書類、監査報告は、電子提供制度に基づくウェブサイトのみでのご提供に移行しております。
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本年総会の郵送物
<1単元(100株)以上を保有されている株主様>
定時株主総会のご案内
報告書
議決権行使書
配当金領収証
次回以降の郵送物
<原則>
定時株主総会のご案内
<書面交付請求をされた株主様>
定時株主総会のご案内
報告書
議決権行使書
配当金領収証
議決権行使書
配当金領収証
3.<ご参考>1単元(100株)に満たない当社株式のみをお持ちの株主様へ
従来、1単元(100株)に満たない当社株式のみをお持ちの株主様にご参考情報として通期および中間期にお送りしておりました「報告書」および「中間報告書」の郵送を2023年度中間報告書より廃止させていただきます。今後は、電子提供制度の適用によりウェブサイト上での株主総会資料のご提供となることから、当社ウェブサイトにアクセスしご確認くださいますようお願いいたします。なお、配当金領収証は今後も郵送いたします。
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
電子提供制度専用ダイヤル
受付時間:土・日・祝日等を除く 平日9:00~17:00
0120-696-505
https://www.tr.mufg.jp/daikou/denshi.html
書面交付請求書のお申込みは上記URLからも QRコードは
可能です。 こちら
*「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
株主総会資料の電子提供制度に関するお問い合わせ先
よくあるご質問
以 上
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株式事務のご案内
株主名簿管理人特別口座の口座管理機関
〒100-8212
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社
事 業 年 度 毎年4月1日から翌年3月31日まで基 準 日
定時株主総会関係 3月31日
同事務取扱場所 〒100-8212
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
同連絡先、同郵送先 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部東京都府中市日鋼町1-1
(0120)232-711(通話料無料)
(9:00~17:00(土日祝日は受付を行っておりません。))
〒137-8081
新東京郵便局私書箱第29号
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
株式事務お手続き用紙のご請求
上記の証券代行部テレホンセンターのほか、三菱UFJ信託銀行ホームページからご請求いただけます。 https://www.tr.mufg.jp/daikou/
配当金受領株主確定日 3月31日および9月30日公 告 方 法 電子公告
当社は公告を下記ホームページに掲載しております。 https://pr.fujitsu.com/jp/ir/kk/
上場証券取引所 東京、名古屋
ご注意
1. 株主様の住所変更、配当金の振込指定、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則、口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)で承ることとなっておりますので、口座を開設されている証券会社等にお問い合わせください。株主名簿管理人(三菱UFJ信託銀行)ではお取り扱いできませんのでご注意ください。
2. 特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱UFJ信託銀行が口座管理機関となっておりますので、上記特別口座の口座管理機関(三菱UFJ信託銀行)にお問い合わせください。
なお、三菱UFJ信託銀行全国各支店でもお取り次ぎいたします。
3. 未受領の配当金(除斥期間が経過したものを除く。)につきましては、三菱 UFJ信託銀行本支店でお支払いいたします。
ご存知ですか? 配当金の口座振込制度
■配当金のお受取りは、口座振込のご利用が便利です。
■配当金のお受取り方法変更の手続は、以下までお問合せください。
・証券会社で株式をお持ちの場合:証券口座を開設された証券会社
・証券会社で株式をお持ちでない場合:三菱UFJ信託銀行株式会社
「表紙の写真」
ウィンタースポーツの聖地、サン・モリッツから列車で30分ほどの場所で見られるモルテラッチ氷河。美しい景観で知られ、世界遺産にも登録されているレーティッシュ鉄道ベルニナ線の絶景の一つ。夏場は多くのトレッキング客で賑わう観光名所。(スイス)
富士通株式会社
〒211-8588
神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号 https://www.fujitsu.com/jp/
見やすく読みまちがえにくい ユニバーサルデザインフォントを採用しています。
第123期事業報告
1. 主要な事業所
2. 従業員の状況
第123 定時株主総会
電子提供措置事項(交付書面非記載事項)
第123期連結計算書類
連結財政状態計算書連結損益計算書
3. 企業集団の主要な借入先の状況
4. 株式の状況
5. 新株予約権等の状況
6. 責任限定契約の概要
7. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
8. 社外役員の兼任の状況、主な活動状況等
9. その他会社役員に関する重要な事項
10. 会社の支配に関する基本方針
11. 剰余金の配当等の決定に関する方針
12. 会計監査人の状況
13. 業務の適正を確保するための体制
連結持分変動計算書
<ご参考>要約連結包括利益計算書
<ご参考>要約連結キャッシュ・フロー計算書
連結注記表
第123期計算書類貸借対照表損益計算書
株主資本等変動計算書個別注記表
監査報告
連結計算書類に係る会計監査人の監査報告書謄本
会計監査人の監査報告書謄本監査役会の監査報告書謄本
上記の事項は、法令および当社定款第17条の規定に基づき、書面交付請求をいただいた株主様に対して交付する書面(第123期報告書)には記載しておりません。
富士通株式会社
1.主要な事業所 (2023年3月31日現在)
(1)当社
本 店 | 神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号 |
本社事務所 営業拠点 事 業 所 研究開発拠点/工場 | 東京都港区東新橋一丁目5番2号 |
Sapporo Hub(札幌市)、Sendai Hub(仙台市)、Fukushima Hub(福島県福島市)、 Yokohama Hub( 横浜市)、Saitama Hub( さいたま市)、Chiba Hub( 千葉市)、 Niigata Hub(新潟市)、Nagano Hub(長野県長野市)、Kanazawa Hub(石川県金沢市)、Nagoya Hub(名古屋市)、Shizuoka Hub(静岡市)、Osaka Hub(大阪市)、 Kobe Hub( 神戸市) 、Kyoto Hub( 京都市) 、Matsue Hub( 島根県松江市) 、 Hiroshima Hub(広島市)、Takamatsu Hub(香川県高松市)、Fukuoka Hub(福岡市) | |
札幌システムラボラトリ(札幌市)、青森システムラボラトリ(青森県青森市)、市ヶ谷オフィス(東京都千代田区)、富士通ソリューションスクエア(東京都大田区)、富士通新川崎テクノロジースクエア(川崎市)、Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(川崎市)、幕張システムラボラトリ(千葉市)、高知富士通テクノポート(高知県南国市)、九州R&Dセンター(福岡市) | |
川崎工場(川崎市)、小山工場(栃木県小山市)、那須工場(栃木県大田原市)、長野工場 (長野県長野市)、沼津工場(静岡県沼津市) |
(2)子会社
国 内 | 富士通フロンテック㈱(東京都稲城市)、㈱トランストロン(横浜市)、富士通テレコムネットワークス㈱(栃木県小山市)、富士通アイソテック㈱(福島県伊達市)、Ridgelinez㈱ (東京都千代田区)、富士通Japan㈱(東京都港区)、㈱富士通エフサス(川崎市)、富士通ネットワークソリューションズ㈱(川崎市)、㈱富士通パーソナルズ(川崎市)、新光電気工業㈱(長野県長野市)、FDK㈱(東京都港区) |
海 外 | Fujitsu Network Communications, Inc.(米国)、Fujitsu Services Holdings PLC(英国)、Fujitsu North America, Inc.(米国)、Fujitsu Australia Limited(オーストラリア)、Fujitsu Asia Pte. Ltd.(シンガポール)、Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.(オランダ) |
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(3)データセンター
データセンター
北海道データセンター(北海道)、東北データセンター(宮城県)、館林データセンター
(群馬県)、東京データセンター(神奈川県)、横浜データセンター(神奈川県)、横浜港北データセンター(神奈川県)、長野データセンター(長野県)、中部データセンター(愛知県)、大阪千里データセンター(大阪府)、明石データセンター(兵庫県)、中四国データセンター(広島県)、四国データセンター(高知県)、九州データセンター(福岡県)、グローバルデータセンター(世界各国)
2.従業員の状況 (2023年3月31日現在)
(1)企業集団の従業員の状況
区 分 | 従業員数 | 前期末比 |
テクノロジーソリューション | 115,290名 | △219名 |
ユビキタスソリューション | 367名 | △19名 |
デ バ イ ス ソ リ ュ ー シ ョ ン | 8,398名 | 77名 |
合 計 | 124,055名 | △161名 |
(2)当社の従業員の状況
区 分 | 従業員数 | 前期末比 |
テクノロジーソリューション | 34,977名 | 669名 |
ユビキタスソリューション | 115名 | △7名 |
合 計 | 35,092名 | 662名 |
平均年齢 | 43.7歳 | 平均勤続年数 | 19.1年 |
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3.企業集団の主要な借入先の状況(2023年3月31日現在)
(単位:百万円)
会 社 名 | 借入金残高 |
株式会社三菱UFJ銀行 | 29,171 |
株式会社八十二銀行 | 11,000 |
株式会社三井住友銀行 | 8,254 |
株式会社みずほ銀行 | 5,953 |
株式会社商工組合中央金庫 | 1,000 |
4.株式の状況 (2023年3月31日現在)
(1)発行可能株式総数 500,000,000株
(2)発行済株式総数 207,001,821株
(3)資本金 324,625,075,685円
(4)当期中の株式の発行 … 当期中の株式の発行はありません。
(5)株主数 99,035名(前期末比2,623名減)
(6)大株主
<所有者別持株比率の状況>
個人・その他
12.57%
金融機関・証券会社
29.87%
外国法人等
55.15%
その他法人
2.41%
株 主 名 | 持株数(千株) | 持株比率(%) |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 33,388 | 17.73 |
いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド | 14,899 | 7.91 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 11,832 | 6.28 |
GIC PRIVATE LIMITED - C | 6,538 | 3.47 |
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 | 4,534 | 2.41 |
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT | 3,825 | 2.03 |
富士通株式会社従業員持株会 | 3,590 | 1.91 |
STATE STREET BANK WEST CLIENT TREATY 505234 | 3,518 | 1.87 |
朝日生命保険相互会社 | 3,518 | 1.87 |
JP MORGAN CHASE BANK 385632 | 3,432 | 1.82 |
(注)持株比率は自己株式(18,661,673株)を除いて計算しております。
(注)日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)および株式会社日本カストディ銀行(信託口)の持株数は、各行の信託業務に係るものです。
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(7)当期中に職務執行の対価として当社役員に交付した株式の状況
株式数 | 交付対象者数 | |
取締役(社外取締役を除く) | 7,450株 | 3名 |
社外取締役 | - | - |
監査役 | - | - |
(注)当社の株式報酬の内容については、「第123期 報告書」15頁「ウ.当期の業績連動報酬等に係る事項」に記載をしております。
(8)株式に関する重要な事項
当社は、2022年4月28日に、2022年5月2日から2023年3月31日までの間に当社普通株式を1,200万株または総額 1,500億円を上限として取得する旨を決定し、当期においては、当社普通株式約827万株を取得価額の総額約1,499億円で取得しました。
5.新株予約権等の状況
2023年3月31日現在、当社役員が保有する職務執行の対価として交付された新株予約権等はなく、当期に職務執行の対価として使用人等に対し交付した新株予約権等はありません。
6.責任限定契約の概要
当社と非執行取締役および監査役は、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該非執行取締役または監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意で、かつ重大な過失がないときに限られます。
(注)非執行取締役は、社外取締役および取締役シニアアドバイザー 山本 正已氏です。
7.役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。その契約の内容の概要等は以下のとおりです。
(1)被保険者の範囲
当社および当社の連結子会社(上場子会社除く。)の取締役、監査役、執行役員等
(2)保険契約の内容の概要
被保険者がその地位に基づいて行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金および争訟費用等を当該保険契約により補填することとしております。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、利益もしくは便宜を違法に得たことまたは不正な行為等に起因する賠償請求等の場合には補填の対象としないこととしております。なお、保険料は全額を当社が負担しており、被保険者は保険料を負担しておりません。
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8.社外役員の兼任の状況、主な活動状況等 (2023年3月31日現在)
区分 | 氏名 | 重要な兼職の状況 | 主な活動状況および 社外取締役に期待される役割に関して行った職務の概要 |
社外取締役 | 向井 千秋 | ・東京理科大学 特任副学長 ・花王株式会社 社外取締役 | 当期開催の取締役会に100%出席しました。主に広範な科学技術の知見とグローバルな観点に基づく公正かつ客観的な監督と助言を期待しており、当社取締役会において多様な観点から業務執行に対して監督・助言するなど、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていただいております。また、報酬委員会委員長として審議の充実に主導的な役割を果たしております。 |
阿部 敦 | ・株式会社アドバンスト・ソリューションズ マネージング・パートナー ・オン・セミコンダクタ―・コーポレーション 取締役 | 当期開催の取締役会に100%出席しました。主に株主・投資家目線からの監督と助言に加え、経営陣の迅速・果断な意思決定への貢献を期待しており、当社取締役会における株主・投資家目線での積極的な発言に加え、取締役会議長として、これまでの経験や機関投資家との対話を通じて得られた投資家の視点から客観的な議事進行を行い、議論をリードするなどして経営陣の迅速・果断な意思決定に貢献しております。また、指名委員会委員長として審議の充実に主導的な役割を果たしております。 | |
古城 佳子 | ・青山学院大学 国際政治経済学部国際政治学科 教授 | 当期開催の取締役会に100%出席しました。主に国際政治等についての深い見識に基づく国際政治の激動期における外部環境の変化への対応やESG経営への取り組みなどについて、監督と助言を期待しており、当社取締役会において当該観点から業務執行に対して監督・助言するなど、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていただいております。また、指名委員会委員、報酬委員会委員として活発な審議に参画しております。 | |
スコット キャロン | ・いちごアセットマネジメント株式会社代表取締役社長 ・いちご株式会社 代表執行役会長、取締役 兼 取締役会議長 ・株式会社ジャパンディスプレイ代表執行役会長 CEO 兼 取締役兼 取締役会議長 | 当期開催の取締役会に100%出席しました。主に株主・投資家の立場からの監督と助言を期待しており、当社取締役会において株主・投資家の視点から経営陣に対する積極的な監督や助言を行うなど、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていただいております。また、指名委員会委員、報酬委員会委員として活発な審議に参画しております。 |
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区分 | 氏名 | 重要な兼職の状況 | 主な活動状況および 社外取締役に期待される役割に関して行った職務の概要 |
社外取締役 | 佐々江 賢一郎 | ・公益財団法人日本国際問題研究所理事長 ・セーレン株式会社 社外取締役 ・三菱自動車工業株式会社社外取締役 ・アサヒグループホールディングス株式会社 社外取締役 | 当期開催の取締役会に92.3%(13回中12回)出席しました。主に国際政治や経済に関する豊富な知識と実務経験に基づくグローバルな観点からの監督と助言を期待しており、当社取締役会において、当該観点から業務執行に対して公正かつ客観的な監督・助言をするなど、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていただいております。また、報酬委員会委員として活発な審議に参画しております。 |
社外監査役 | 初川 浩司 | ・公認会計士 ・武田薬品工業株式会社 社外取締役 (監査等委員である取締役) | 当期開催の取締役会および監査役会にそれぞれ100%出席しました。主に公認会計士としてのグローバル企業における豊富な監査経験に基づく、財務会計に関する専門的見地から発言を行っております。 |
幕田 英雄 | ・弁護士 ・株式会社ダイセル 社外監査役 | 当期開催の取締役会および監査役会にそれぞれ100%出席しました。主に検事、公正取引委員会の委員および弁護士等の実務経験に基づく、法務・コンプライアンスに関する専門的見地および経済・社会等の企業経営を取り巻く事象に関する深い見識に基づき発言を行っております。 | |
キャサリン オコーネル | ・オコーネル外国法事務弁護士事務所 プリンシパル | 就任後開催の取締役会および監査役会にそれぞれ100%出席しました。主にニュージーランド法弁護士としての国内外の法律事務所および日系企業の法務部門での豊富な実務経験に基づく、法務・コンプライアンスに関する専門的見地から発言を行っております。 |
(注)取締役 阿部 敦氏は、株式会社アドバンスト・ソリューションズのマネージング・パートナーです。当社と株式会社アドバンスト・ソリューションズには取引関係がなく、競業関係にもありません。
(注)取締役 スコット キャロン氏は、いちごアセットマネジメント株式会社の代表取締役社長およびいちご株式会社の代表執行役会長 兼 取締役 兼 取締役会議長です。当社といちごアセットマネジメント株式会社およびいちご株式会社には取引関係がなく、競業関係にもありません。
(注)取締役 スコット キャロン氏は、株式会社ジャパンディスプレイの代表執行役会長 CEO 兼 取締役 兼 取締役会議長です。当社と株式会社ジャパンディスプレイには取引関係があります。
(注)取締役 佐々江 賢一郎氏は、公益財団法人日本国際問題研究所の理事長です。当社と公益財団法人日本国際問題研究所には取引関係がなく、競業関係にもありません。
(注)監査役 キャサリン オコーネル氏は、オコーネル外国法事務弁護士事務所のプリンシパルです。当社とオコーネル外国法事務弁護士事務所には取引関係がなく、競業関係にもありません。
(注)学校法人東京理科大学、花王株式会社、オン・セミコンダクター・コーポレーション、セーレン株式会社、三菱自動車工業株式会社、アサヒグループホールディングス株式会社、武田薬品工業株式会社および株式会社ダイセルは、当社の取引先です。
(注)当社は、当期において、取締役会を13回(内 臨時取締役会1回)開催し、また、監査役会を10回(内 臨時監査役会1回)開催しております。
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9.その他会社役員に関する重要な事項
(1)指名委員会・報酬委員会
当社は、役員選任プロセスおよび役員報酬決定プロセスの透明性および客観性を確保し、効率的かつ実質的な議論を行うことならびに役員報酬の体系および水準の妥当性の確保などを目的として、取締役会の諮問機関である指名委員会および報酬委員会を設置しております。
指名委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「コーポレートガバナンス体制の枠組み」と「役員の選解任手続きと方針」に基づき、役員候補者について審議し、取締役会に答申または提案しております。また、報酬委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「役員報酬の決定手続きと方針」に基づき、基本報酬の水準と、業績連動報酬の算定方法を取締役会に答申または提案することとしております。
なお、2023年3月31日時点における指名委員会・報酬委員会の委員は以下のとおりです。
〈指名委員会〉 委員長 阿部 敦氏
委員 古城 佳子氏、スコット キャロン氏、山本 正已氏
〈報酬委員会〉 委員長 向井 千秋氏
委員 古城 佳子氏、スコット キャロン氏、佐々江 賢一郎氏
2022年6月の上記委員の選任後から当期末までに、指名委員会を8回、報酬委員会を5回開催しました。指名委員会においてはCEOを含む代表取締役の選定案、取締役および監査役候補者の選任案等、報酬委員会においては役員報酬の内容改定等について検討を行い、当期末までにそれぞれ取締役会に答申しました。
また、指名委員会においてはCEOサクセッションや非執行取締役の相互評価、報酬委員会においては社外取締役に対する株式報酬制度の導入についても検討を行いました。
(注)当社の「コーポレートガバナンス基本方針」全文は、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載しております。 https://pr.fujitsu.com/jp/ir/governance/governancereport-b-jp.pdf
(2)独立役員会議
当社は、独立役員の活用を促すコーポレートガバナンス・コードの要請に応えつつ、取締役会において中長期の会社の方向性に関する議論を活発化するためには、業務の執行と一定の距離を置く独立役員が恒常的に当社事業への理解を深めることのできる仕組みが不可欠と考え、独立役員会議を設置しております。独立役員会議では、中長期の当社の方向性の議論を行うとともに、独立役員の情報共有と意見交換を踏まえた各独立役員の意見形成を図ります。
当期においては、独立役員会議を12回開催し、経営方針、M&Aを含む当社および当社グループの事業再編に伴う経営上の重要な事項などについて、情報共有と意見交換を行いました。
10.会社の支配に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
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11.剰余金の配当等の決定に関する方針
当社定款第40条に規定される剰余金の配当等における取締役会に与えられた権限の行使に関する基本的な方針は、当社のキャピタルアロケーションポリシーのもと、持続的な事業の成長に基づき、株主の皆様に安定的な剰余金の配当の実施を継続することにあります。また、資金需要バランスも見ながら、長期間留保している余剰資金を原資に機動的な自己株式の取得も行ってまいります。
12.会計監査人の状況
(1)会計監査人の名称
EY新日本有限責任監査法人
(2)報酬等の額
①当期に係る会計監査人としての報酬等の額 472百万円
②当社および子会社が会計監査人に支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額 783百万円
(注)当社は会社法に基づく監査の報酬等の額と金融商品取引法に基づく監査の報酬等の額を区分しておりませんので、①の報酬等の額には、金融商品取引法に基づく監査の報酬等を含みます。
(注)当社の一部の子会社は、当社の会計監査人以外の監査法人の監査を受けております。
(注)監査役会は、当会で決議した「会計監査人の選定および評価基準」に基づき、前期の会計監査人の監査実績およびその評価を踏まえた当期の監査計画における監査時間・配員計画等の内容、会計監査の職務執行状況および報酬額の見積もりの相当性を確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(3)非監査業務の内容
会計監査人に対し、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)として、主に当社におけるクラウドサービスに係る内部統制の保証報告書に関する業務を委託し、対価を支払っております。
(4)会計監査人の解任または不再任の決定方針
会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任します。
また、上記の場合のほか、会計監査人の適格性、独立性および専門性を害する事由の発生により、適正な監査の遂行が困難であると認められる場合その他監査役会が解任または不再任が相当と認める事由が発生した場合、監査役会は、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任の議案内容を決定します。
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13.業務の適正を確保するための体制
(1) 内部統制体制の整備に関する基本方針
1.目的
富士通グループの企業価値の持続的向上を図るためには、経営の効率性を追求するとともに、事業活動により生じるリスクをコントロールすることが必要である。かかる基本認識のもと、株主から当社の経営の委託を受けた取締役が、富士通グループの行動の原理原則である「Fujitsu Way」の実践・浸透とともに、どのような体制・規律をもって経営の効率性の追求と事業活動により生じるリスクのコントロールをし、経営に臨むかについて、その基本方針を委託者である株主に示すものである。
2.取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 業務執行の決定と執行体制
①当社は、代表取締役社長の業務執行権限を分担する執行役員(以下、代表取締役および執行役員を総称して「経営者」という。)を置き、執行役員は、職務分掌に従い、意思決定と業務執行を行う。
②当社は、最高財務責任者(CFO)を置き、富士通グループの財務・会計を統括させる。
③当社は、代表取締役社長の意思決定を補佐するため、代表取締役および執行役員で構成する経営会議を設置する。
④代表取締役社長は、経営者または経営者から権限委譲を受けた従業員が意思決定をするために必要な制度、規程
(経営会議規程、各種決裁制度等)を整備する。
⑤代表取締役社長は、決算報告・業務報告を毎回の定例取締役会において行うとともに、「内部統制体制の整備に関する基本方針」の運用状況について、定期的に取締役会に報告し、適正に運用されていることの確認を受ける。
(2)業務効率化の推進体制
①当社は、富士通グループのビジネスプロセス改革による生産性向上、原価低減および費用圧縮を推進するための組織を設置し、経営の効率性を追求する。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制 (1)全般的な損失リスク管理体制
①当社は、富士通グループの事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、これを阻害するおそれのあるリスクに対処するため、富士通グループ全体のリスクマネジメントを統括するリスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、リスク毎に所管部署を定め、適切なリスクマネジメントを実施する体制を整備する。
②リスク・コンプライアンス委員会は、富士通グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証し、認識された事業遂行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行い、損失の最小化に向けた活動を行う。
③リスク・コンプライアンス委員会は、リスクの顕在化により発生する損失を最小限に留めるため、上記①の体制を通じて、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、同様のリスクの再発防止に向けた活動を行う。
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(2) 個別の損失リスク管理体制
当社は、当社が認識する事業遂行上の個別の損失リスクに対処するため、リスク・コンプライアンス委員会に加え、下記の体制をはじめとするリスク管理体制を整備する。
①製品・サービスの欠陥や瑕疵に関するリスク管理体制
・富士通グループにおける製品・サービスの欠陥や瑕疵の検証、再発防止のための品質保証体制を構築する。特に社会システムの安定稼働のため、品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行う組織を設置する。
②受託開発プロジェクトの管理体制
・システムインテグレーション等の受託開発プロジェクトにおける不採算案件等の発生防止のため、商談推進およびプロジェクトの遂行に伴う各種リスクを監査する専門組織を設置する。
・当該専門組織は、契約金額、契約条件、品質、費用、納期等についての監査プロセスを定め、一定条件のプロジェクトの監査を行う。
・当該専門組織は、当該監査の結果にもとづき、各プロジェクトに対し是正勧告を行う。
③セキュリティ体制
・当社が提供するサービスに対するサイバーテロ、不正利用、情報漏洩等に対処するための組織を設置する。
(3) 経営リスクへの対応
①財務上のリスク管理体制
・財務上のリスクは、最高財務責任者が統括する。
②その他の経営リスクの管理体制
・市場動向、価格競争その他の経営リスクは、代表取締役社長が定める職務分掌に従い、各部門で対応する。
4.取締役および従業員の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1) コンプライアンス体制
①経営者は、法令・定款遵守を含むコンプライアンスの基本理念として「Fujitsu Way」に掲げられた行動規範を遵守するとともに、経営者としての倫理に基づいてグループ全体のコンプライアンスの推進に積極的に取り組む。
②リスク・コンプライアンス委員会は、富士通グループのコンプライアンスを統括し、以下の職務を行う。
・継続的な教育の実施等により、富士通グループの従業員に対し「Fujitsu Way」に掲げられた行動規範の遵守を徹底させる。
・富士通グループの事業活動に係る法規制等を明確化するとともに、それらの遵守のために必要な社内ルール、教育、監視体制の整備を行い、グループ全体のコンプライアンスを推進する。
・経営者および従業員に対し、職務の遂行に関連して、重大なコンプライアンス違反またはそのおそれのある事実を認識した場合は、直ちに通常の業務ラインを通じてその事実をリスク・コンプライアンス委員会に通知させる。
・通常の業務ラインとは独立した情報伝達ルートによりコンプライアンス問題の早期発見と適切な対応を実施可能とするため、通報者の保護体制等を確保した内部通報制度を設置・運営する。
・リスク・コンプライアンス委員会は、重大なコンプライアンス違反またはそのおそれのある事実が発覚した場合、直ちに取締役会等へ報告する。
(2) 財務報告の適正性を確保するための体制
①当社は、最高財務責任者のもと、財務報告を作成する組織のほか、財務報告の有効性および信頼性を確保するため、富士通グループの財務報告に係る内部統制の整備、運用および評価を統括する組織を設置する。
②当該各組織において、富士通グループ共通の統一経理方針ならびに財務報告に係る内部統制の整備、運用および評価に関する規程を整備する。
③富士通グループの財務報告に係る内部統制の整備、運用および評価を統括する組織は、内部統制の有効性に関する評価結果を定期的に取締役会等に報告する。
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(3) 情報開示体制
当社は、社外に対し適時かつ適切な会社情報の開示を継続的に実施する体制を整備する。
(4) 内部監査体制
①当社は、業務執行について内部監査を行う組織(以下、「内部監査組織」という。)を設置し、その独立性を確保する。
②内部監査組織は、内部監査規程を定め、当該規程にもとづき監査を行う。
③内部監査組織は、グループ各社の内部監査組織と連携して、富士通グループ全体の内部監査を行う。
④内部監査の結果は、定期的に当社および当該グループ会社の取締役会、監査役等に報告する。
5.取締役の職務執行に係る情報の保存および管理に関する体制
①経営者は、その職務の執行に係る以下の文書(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他の重要な情報につき、社内規程に基づき、保管責任者を定めたうえで適切に保存・管理を行う。
・株主総会議事録およびその関連資料
・取締役会議事録およびその関連資料
・その他の重要な意思決定会議の議事録およびその関連資料
・経営者を決裁者とする決裁書類およびその関連資料
・その他経営者の職務の執行に関する重要な文書
②取締役および監査役は、職務の執行状況を確認するため、上記①に定める文書を常時閲覧することができるものとし、各文書の保管責任者は、取締役および監査役からの要請に応じて、いつでも閲覧可能な体制を整備する。
6.富士通グループにおける業務の適正を確保するための体制
①当社は、前記各体制および規程を、富士通グループを対象として構築、制定するとともに、グループ会社の経営者から職務の執行に係る事項の報告を受ける体制を整備する。また、グループ会社の効率的かつ適法・適正な業務執行体制の整備を指導、支援、監督する。
②当社は、グループ会社の重要事項の決定権限や決定プロセス等、代表取締役社長からのグループ会社に対する権限委任に関する共通ルールを制定する。
③代表取締役社長は、グループ各社の管轄部門を定め、当該管轄部門の業務執行を分掌する執行役員は、グループ各社の社長、CEO等を通じて上記①および②の実施および遵守を確認する。
④当社およびグループ各社の経営者は、定期的な連絡会等を通じて富士通グループの経営方針、経営目標達成に向けた課題を共有し、協働する。
7.監査役の監査の適正性を確保するための体制
(1) 独立性の確保に関する事項
①当社は監査役の職務を補助すべき従業員の組織として監査役室を置き、その従業員は監査役の要求する能力および知見を有する適切な人材を配置する。
②経営者は、監査役室の従業員の独立性および監査役による当該従業員に対する指示の実効性を確保するため、その従業員の任命、異動、報酬等人事に関する事項については監査役の同意を得るものとする。
③経営者は、監査役室の従業員を原則その他の組織と兼務させないものとする。
ただし、監査役の要請により特別の専門知識を有する従業員を兼務させる必要が生じた場合は、上記②の独立性の確保に配慮する。
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(2) 報告体制に関する事項
①当社およびグループ各社の経営者は、監査役に重要な会議への出席の機会を提供する。
②当社およびグループ各社の経営者は、経営もしくは業績に影響を及ぼすリスクが発生した場合、または職務の遂行に関連して重大なコンプライアンス違反もしくはそのおそれのある事実を認識した場合、直ちに監査役に報告する。
③当社およびグループ各社の経営者は、定期的に監査役に対して職務の執行状況を報告する。
④当社およびグループ各社の経営者は、上記②または③の報告をしたことを理由として経営者または従業員を不利益に取り扱ってはならない。
(3) 実効性の確保に関する事項
①当社およびグループ各社の経営者は、定期的に監査役と情報交換を行う。
②監査役の職務の執行について生じる費用については、会社法第388条に基づくこととし、経営者は、同条の請求に係る手続きを定める。
③内部監査組織は、定期的に監査役に対して監査結果を報告する。
(2) 業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
1.取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社では、代表取締役社長の業務執行権限を分担する執行役員を置き、執行役員は、職務分掌に従い意思決定および業務執行を行っています。
また、経営会議を原則として月に2回開催し、代表取締役社長の意思決定を補佐しています。この経営会議は、社長を含む最小限のメンバーで構成し、業務執行に関するあらゆる事項を適時に議論できる会議体として運営することで、代表取締役の意思決定を助け、経営の効率化および迅速化を実現しています。このほか、代表取締役から他の役職員への大幅な権限委譲を伴う決裁基準や社長が重要な業務執行を担う最高責任者をCxOとして任命できる体制を整備し、経営のさらなる迅速化を図っています。
2.リスクマネジメント体制およびコンプライアンス体制
当社では、リスクマネジメント体制とコンプライアンス体制を「内部統制体制の整備に関する基本方針」の中心に位置づけており、この基本方針に基づくリスク・コンプライアンス委員会(以下「委員会」といいます。)は、取締役会に直属させ、代表取締役社長を委員長として、業務執行取締役と4名の執行役員で構成しています。
委員会は、コンプライアンス違反、情報セキュリティ問題、製品・サービスの欠陥や瑕疵を含む事業遂行上のリスクに関し、リスクが顕在化した場合には、適時に委員会に報告される体制を、当社内だけでなく、富士通グループを対象に整備・運用しており、この報告に基づき、把握した事業遂行上のリスクについて顕在化の未然防止や顕在化したリスクにより生じる損失の対策についての方針を決定します。
委員会は、以上のような体制を運用する過程で、リスクが顕在化した場合はもちろんのこと、定期的に取締役会に委員会の活動の経過および結果を報告し、監督を受けています。
なお、富士通グループから委員会に適時に報告がなされるための体制として、富士通グループの海外における事業上の地域区分であるリージョン毎に、リージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、委員会の下部組織と位置づけ、機能させることで富士通グループ全体を網羅できるようにしています。
また、情報セキュリティの分野では、富士通グループ情報セキュリティ基本方針(グローバルセキュリティーポリシー)に基づく専任の最高情報セキュリティ責任者(CISO)を置き、さらに、CISOの下に、富士通グループの海外における事業上の地域区分であるリージョン毎にリージョンCISOを設置し、情報セキュリティ施策の策定と実行を行っています。
コンプライアンスの分野では、Fujitsu Wayの行動規範(・人権を尊重します。・知的財産を守り尊重します。・法令を遵守します。・機密を保持します。・公正な商取引を行います。・業務上の立場を私的に利用しません。)を
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役職員の業務に即して解説したGlobal Business Standardsを20ヵ国語で展開し、富士通グループのコンプライアンスの指針にしています。Global Business Standardsのもとで「グローバルコンプライアンスプログラム」を策定し、トップメッセージの発信、規程の整備、教育、周知活動を継続的に実施し、富士通グループ全体のコンプライアンス体制の維持・向上に取り組んでいます。
内部通報制度については、富士通グループ全役職員からの通報・相談窓口(「コンプライアンスライン/Fujitsu Alert」)を社内外に設置するとともに、グループ会社でも個別に通報・相談窓口を整備し、運用しています。これにより、不正行為等を早期に発見し、是正することで、違法行為・不正行為に対し、自浄作用を働かせ、行動規範の実現を目指しています。
3.財務報告の適正性を確保するための体制
当社では、内部統制および内部監査を担当する組織が体制を構築し、企業会計審議会の「財務報告に係る内部統制体制の評価及び監査に関する実施基準」の原則に基づいて、富士通グループ全体の財務報告に係る内部統制の評価を実施しており、活動状況および評価結果等については、代表取締役社長、最高財務責任者、監査役および取締役会に報告しています。
4.富士通グループにおける業務の適正を確保するための体制
前述の体制等は、富士通グループを対象として整備しています。
特に、リスクマネジメント体制およびコンプライアンス体制に関しては、上記2に記載のとおりであるほか、当社グループにおける業務の適正を確保するための体制として、富士通グループ会社(一部の子会社を除く)の重要事項の決定権限や決定プロセス、報告義務を定めた権限委譲に関する規程を制定し、グループ会社に遵守させ、グループにおける重要事項の決定や報告に関する体制を整備しています。
以上を中心とする内部統制体制の運用状況については、定期的に取締役会および監査役への報告を行っています。
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連結財政状態計算書(2023年3月31日現在) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
資産 | |
流動資産 | |
現金及び現金同等物 | 355,901 |
売上債権 | 927,849 |
その他の債権 | 84,766 |
契約資産 | 125,442 |
棚卸資産 | 337,008 |
その他の流動資産 | 86,858 |
流動資産合計 | 1,917,824 |
非流動資産 | |
有形固定資産 | 572,172 |
のれん | 55,132 |
無形資産 | 146,264 |
持分法で会計処理されている投資 | 155,594 |
その他の投資 | 195,463 |
退職給付に係る資産 | 81,883 |
繰延税金資産 | 73,310 |
その他の非流動資産 | 67,937 |
非流動資産合計 | 1,347,755 |
資産合計 | 3,265,579 |
科目 | 金額 |
負債 | |
流動負債 | |
仕入債務 | 463,730 |
その他の債務 | 367,399 |
契約負債 | 194,455 |
借入金及びリース負債 | 103,577 |
未払法人所得税 | 85,079 |
引当金 | 35,015 |
その他の流動負債 | 27,201 |
流動負債合計 | 1,276,456 |
非流動負債 | |
借入金及びリース負債 | 107,598 |
退職給付に係る負債 | 95,388 |
引当金 | 20,654 |
繰延税金負債 | 5,612 |
その他の非流動負債 | 23,048 |
非流動負債合計 | 252,300 |
負債合計 | 1,528,756 |
資本 | |
資本金 | 324,625 |
資本剰余金 | 242,512 |
自己株式 | △277,702 |
利益剰余金 | 1,226,595 |
その他の資本の構成要素 | 70,805 |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 1,586,835 |
非支配持分 | 149,988 |
資本合計 | 1,736,823 |
負債及び資本合計 | 3,265,579 |
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連結損益計算書(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
売上収益 | 3,713,767 |
売上原価 | △2,569,685 |
売上総利益 | 1,144,082 |
販売費及び一般管理費 | △852,974 |
その他の収益 | 85,411 |
その他の費用 | △40,905 |
営業利益 | 335,614 |
金融収益 | 15,087 |
金融費用 | △6,862 |
持分法による投資利益 | 28,037 |
税引前利益 | 371,876 |
法人所得税費用 | △127,011 |
当期利益 | 244,865 |
当期利益の帰属: | |
親会社の所有者 | 215,182 |
非支配持分 | 29,683 |
合計 | 244,865 |
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連結持分変動計算書(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分 | ||||
資本金 | 資本剰余金 | 自己株式 | 利益剰余金 | |
2022年4月1日残高 | 324,625 | 243,048 | △128,897 | 1,088,429 |
当期利益 | - | - | - | 215,182 |
その他の包括利益 | - | - | - | - |
当期包括利益 | - | - | - | 215,182 |
自己株式の取得 | - | - | △150,103 | - |
自己株式の処分 | - | 1 | 2 | - |
株式報酬取引 | - | 1,858 | 1,296 | - |
剰余金の配当 | - | - | - | △45,210 |
利益剰余金への振替 | - | - | - | △34,077 |
その他 | - | △2,395 | - | 2,271 |
2023年3月31日残高 | 324,625 | 242,512 | △277,702 | 1,226,595 |
親会社の所有者に帰属する持分 | 非支配持分 | 資本合計 | ||||||
その他の資本の構成要素 | 親会社の所有者に帰属する持分合計 | |||||||
在外営業活動体の 換 算 差 額 | キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー ・ ヘ ッ ジ | その他の包括利益を通じて公正価値で測定される 金 融 資 産 | 確定給付制度の再 測 定 | その他の資本の構成要素合計 | ||||
2022年4月1日残高 | 10,196 | △210 | 53,522 | - | 63,508 | 1,590,713 | 125,036 | 1,715,749 |
当期利益 | - | - | - | - | - | 215,182 | 29,683 | 244,865 |
その他の包括利益 | △2,925 | 206 | 17,767 | △41,901 | △26,853 | △26,853 | 1,332 | △25,521 |
当期包括利益 | △2,925 | 206 | 17,767 | △41,901 | △26,853 | 188,329 | 31,015 | 219,344 |
自己株式の取得 | - | - | - | - | - | △150,103 | - | △150,103 |
自己株式の処分 | - | - | - | - | - | 3 | - | 3 |
株式報酬取引 | - | - | - | - | - | 3,154 | - | 3,154 |
剰余金の配当 | - | - | - | - | - | △45,210 | △4,571 | △49,781 |
利益剰余金への振替 | - | - | △7,824 | 41,901 | 34,077 | - | - | - |
その他 | - | - | 73 | - | 73 | △51 | △1,492 | △1,543 |
2023年3月31日残高 | 7,271 | △4 | 63,538 | - | 70,805 | 1,586,835 | 149,988 | 1,736,823 |
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<ご参考>要約連結包括利益計算書
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
当期利益 | 244,865 |
その他の包括利益 | △25,521 |
当期包括利益 | 219,344 |
当期包括利益の帰属: | |
親会社の所有者 | 188,329 |
非支配持分 | 31,015 |
合計 | 219,344 |
<ご参考>要約連結キャッシュ・フロー計算書
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 220,329 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △42,809 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △313,585 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 355,901 |
(注)1. 要約連結包括利益計算書及び要約連結キャッシュ・フロー計算書については、会社法における連結計算書類に含まれておりませんが、参考資料として表示しております。
2. その他の包括利益は、主に確定給付制度の再測定、在外営業活動体の換算差額及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産によるものです。
3. フリー・キャッシュ・フローは177,520百万円です。
フリー・キャッシュ・フローは営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたものです。
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連結注記表
【連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項及び連結の範囲又は持分法の適用の範囲の変更に関する注記】
1.会社計算規則(平成18年2月7日法務省令第13号、最終改正 令和4年12月26日法務省令第43号)に基づいて連結計算書類を作成しております。当連結計算書類は、会社計算規則第120条第1項の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。なお、同項後段の規定により、IFRSにより求められる開示項目の一部を省略しております。
2.連結の範囲に関する事項
本連結計算書類は、主要な子会社291社を連結したものであります。当連結会計年度の連結範囲の異動は、増加 11社、減少37社で、主な増減は以下のとおりであります。なお、主要な連結子会社名は、「事業報告 1企業集団の現況 (4)重要な子会社等の状況」に記載しているため省略しております。
(当年度取得・設立等により、連結子会社とした会社)……… 11社
(清算・売却等により減少した会社)… 26社
(合併により減少した会社)… 11社
株式会社PFUについては、一部株式譲渡により連結の範囲から除外しており、持分法適用関連会社としておりま
す。
3.持分法の適用に関する事項
(1) 持分法を適用した関連会社の数及びこれらのうち主要な会社等の名称
関連会社に対する投資につきましては、持分法を適用しており、適用会社数は19社であります。
主な持分法適用会社は、株式会社富士通ゼネラル、富士通クライアントコンピューティング株式会社、FLCS株式会社、株式会社PFUであります。
なお、当連結会計年度の持分法適用会社の異動は、増加2社、減少2社であります。
(注)富士通リース株式会社は、2022年4月1日付けで、FLCS株式会社に商号変更しております。
(2) 株式会社JECCの発行済株式の20%以上を所有しておりますが、同社は情報処理産業振興のため、国産電算機製造会社等6社の共同出資により運営されている特殊な会社でありますので、関連会社としておりません。
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4.会計方針に関する事項
(1) 資産の評価基準及び評価方法
① 金融資産 a.非デリバティブ金融資産
金融資産は、償却原価で測定する金融資産、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。なお、この分類は、当初認識時に決定しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の2要件を満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・金融資産から生じる契約上のキャッシュ・フローを回収するために当該金融資産を保有していること。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローが、契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであること。
当初認識後は、実効金利法による償却原価(減損損失控除後)で測定し、償却額は金融収益として純損益で認識しております。
公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。公正価値で測定する資本性金融商品については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有されるものを除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
当初認識後は、期末日における公正価値で測定し、その変動額は金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識を中止した場合には、過去に認識したその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。
b.デリバティブ金融資産
デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後も公正価値で測定しております。ヘッジ会計の要件を満たすものとして指定していない場合には、その公正価値の変動は純損益で認識しております。キャッシュ・フロー・ヘッジについては、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分はその他の包括利益で認識し、ヘッジ非有効部分は純損益で認識しております。
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② 非金融資産 a.棚卸資産
棚卸資産は取得原価で測定しておりますが、正味実現可能価額が取得原価より下落している場合には、正味実現可能価額で測定し、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しております。
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費のほか当該棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生した原価を含めており、代替性がある場合は移動平均法又は総平均法によって測定し、代替性がない場合は個別法により測定しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から完成までに要する見積追加製造原価及び見積販売直接経費を控除して算定しております。長期に滞留する棚卸資産及び役務の提供が長期にわたる有償保守サービス用棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映した正味実現可能価額としております。
b.有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。 c.のれん
企業結合で取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で測定しております。 d.無形資産
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。 e.減損
棚卸資産を除く非金融資産については、減損の兆候が存在する場合に、その資産の回収可能価額を見積もり、減損テストを行っております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産は、減損の兆候が存在する場合のほか、年次で減損テストを行っております。減損損失は、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。
(2) 資産の償却の方法
① 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産項目は、償却可能額(取得原価から残存価額を控除した金額)を規則的にその耐用年数にわたって減価償却しております。当社グループは、資産から得ることができる将来の経済的便益の消費パターン(収益と費用のより適切な対応)を反映した方法として主として定額法を適用しております。有形固定資産項目の減価償却は、資産の稼動が可能になった時より開始し、資産が消滅(滅却もしくは売却)又は売却目的で保有する資産に分類された日のいずれか早い日に終了します。
重要な有形固定資産項目の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物… 7年~50年
・機械及び装置…………………………3年~ 7年
・工具、器具及び備品… 2年~10年
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減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、必要に応じて見直しております。
② 無形資産(使用権資産を除く)
市場販売目的のソフトウェアについては、見込有効期間における見込販売数量に基づいて償却しております。自社利用のソフトウェアやその他の無形資産のうち、耐用年数を確定できるものは、資産の将来の経済的便益が消費されると予測されるパターンを耐用年数に反映し、その耐用年数にわたって原則として定額法にて償却しております。
見積耐用年数は以下のとおりであります。
・市場販売目的のソフトウェア………3年
・自社利用のソフトウェア… 5年以内
償却方法、耐用年数及び残存価額は、必要に応じて見直しております。
③ 使用権資産
借手が資産をリース期間にわたり使用する権利を表す有形固定資産及び無形資産に含まれる使用権資産については、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間で定額法にて償却しております。
(3) 引当金の計上基準
引当金は、過去の事象の結果として当社グループが法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつその債務の金額を合理的に見積もることができる場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該債務に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。
(4) 退職給付制度
確定給付型退職給付制度
確定給付型退職給付制度に関連する当社グループの確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額で測定しております。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積もり、その金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。この計算は、連結会計年度ごとに、保険数理人が予測単位積増方式を用いて行っております。割引率は、当社グループの従業員に対する退職給付の支払見込期間と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建の、優良社債の連結会計年度末における市場利回りにより決定しております。
当社グループは、確定給付負債(資産)の純額は、再測定した時点で、税効果を調整した上でその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
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確定拠出型退職給付制度
確定拠出型退職給付制度の拠出額は、従業員がサービスを提供した期間に、人件費として純損益で認識しております。
リスク分担型企業年金は、追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないため、確定拠出制度に分類しております。
(5) 売上収益
① サービスに関する売上収益
サービスの提供は、通常、(a)当社グループの履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費する、(b)当社グループの履行が資産を創出するか又は増価させその創出又は増価につれて顧客が当該資産を支配する、又は、(c)当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合のいずれかに該当するため、一定の期間にわたり充足される履行義務であります。サービスの売上収益は、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合は進捗度の測定に基づいて、進捗度を合理的に測定できない場合は履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生した ストの範囲で、認識しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約(システムインテグレーション等)では、契約の履行において、当社グループで ストが発生し、作業が進捗していくことに伴い、当該顧客のためのオーダーメイドなサービスが完成に近づき、顧客が使用できる状態に近づいていくため、原則としてプロジェクト見積総原価に対する連結会計期間末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。ただし、契約開始時に当社が履行する義務に関してマイルストーンが定められている場合は、当該マイルストーンの達成に基づいて売上収益を認識しております。
継続して役務の提供を行うサービス契約(アウトソーシングサービス、保守サービス等)は、顧客の要求に応じたサービスを契約期間にわたって提供しております。顧客の要求に迅速に対応するため常に役務が提供できる状態で待機しておく必要があることから役務の提供は待機状態も含めた一定の期間にわたって行われているため、サービスが提供される期間に対する提供済期間の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。また、アウトソーシングサービス、保守サービス等のうち単位あたりで課金するサービス契約では、サービスの提供が完了し、請求可能となった時点で、売上収益を認識しております。
なお、契約当初に見積もった売上収益、進捗度又は発生原価に変更が生じた場合は、見積りの変更による累積影響額を、当該変更が明らかとなり見積り可能となった連結会計期間に純損益で認識しております。
② ハードウェア・プロダクトに関する売上収益
ハードウェア・プロダクトを単体で提供する場合は、通常、履行義務が一定の期間にわたり充足されるものでないため、一時点で充足される履行義務であり、その支配を顧客に移転した時点で、取引価格のうち履行義務に配分した額を売上収益として認識しております。支配が顧客へ移転した時点を決定するにあたり、(a)資産に対する
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支払を受ける権利を有している、(b)顧客が資産に対する法的所有権を有している、(c)資産の物理的占有を移転した、(d)顧客が資産の所有に伴う重大なリスクと経済価値を有している、(e)顧客が資産を検収しているか否かを考慮しております。
サーバ、ネットワークプロダクトなど、据付等の重要なサービスを要するハードウェアの販売による売上収益は、原則として、顧客の検収時に認識しております。
パソ ン、電子デバイス製品などの標準的なハードウェアの販売による売上収益は、原則として、当該ハードウェアに対する支配が顧客に移転する引渡時に認識しております。
一方、ハードの受託製造・製造請負において、当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合には、履行義務の充足を忠実に描写するような方法を用いて進捗度の測定に応じて売上収益を認識しております。
当社グループは、様々なチャネルの顧客に対して、ボリュームディスカウントや販売インセンティブ(販売奨励金)を含む様々なマーケティングプログラムを提供しております。これら顧客に支払われる対価が事後的に変動する可能性がある場合には、変動する対価を見積もり、その不確実性が解消される際に重大な売上収益の戻入れが起こらない可能性が非常に高い範囲で、売上収益に含めて処理しております。変動対価の見積りにあたっては、期待値法か最頻値法のいずれかのうち、権利を得ることとなる対価の金額をより適切に予測できる方法を用いております。
③ ライセンスに関する売上収益
ライセンスの提供は、(a)顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行うことを契約が要求しているか又は顧客が合理的に期待している、(b)ライセンスによって供与される権利により、当社グループの活動の正又は負の影響に顧客が直接的に晒される、(c)そうした活動の結果、当該活動が生じるにつれて顧客に財又はサービスが移転することがない、という要件をすべて満たす場合には、知的財産権をアクセスする権利(アクセス権)として一定期間にわたり売上収益を認識し、いずれかを満たさない場合には、知的財産を使用する権利
(使用権)として一時点で売上収益を認識しております。
当社グループにおける主なライセンスであるソフトウェアについては、通常、供与後に当社が知的財産の形態又は機能性を変化させる活動又はライセンス期間にわたって知的財産の価値を維持するための活動を実施する義務を負わず、上記のいずれの要件も満たさないため、使用権として一時点で売上収益を認識しております。
ソフトウェアがクラウド・サービス上で提供される場合には、通常、それらを単一の履行義務として、クラウド・サービスの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しております。
ソフトウェアをソフトウェア・サポートと合わせて販売している場合には、通常、それぞれ別個の履行義務として、ソフトウェアにかかる売上収益とソフトウェア・サポートにかかる売上収益は別個に認識しております。ただし、ソフトウェア・サポートが提供されない限り当該ソフトウェアの便益を顧客が享受することができない場合には、例外的に単一の履行義務として、ソフトウェア・サポートの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しておりま
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す。
単品で販売しているソフトウェアのアップグレード権については、通常、ソフトウェアと当該アップグレード権を別個の履行義務として、当該アップグレード権を提供した時点で売上収益を認識しております。一方、ソフトウェアのアップグレード権がソフトウェア・サポートと統合された形で提供されている場合には、それらを単一の履行義務として、サービスの収益認識と同じ時期で売上収益を認識しております。
④ 複合取引
複合取引とは、ハードウェア販売とその付帯サービス、あるいはソフトウェア販売とその後のサポートサービスなどのように複数の財又はサービスが一つの契約に含まれるものであります。
顧客に約束している財又はサービスは、顧客がその財又はサービスからの便益をそれ単独で又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとなり得る)場合、かつ、財又はサービスを顧客に移転するという企業の約束が契約の中の他の約束と区分して識別可能である(すなわち、当該財又はサービスが契約の観点において別個のものである)場合には、別個の履行義務として識別しております。
取引価格を複合取引におけるそれぞれの履行義務に独立販売価格の比率で配分するため、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの契約開始時に独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格に比例して配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能ではない場合には、複合取引におけるそれぞれの履行義務について予想 ストとマージンの積算等に基づき独立販売価格を見積もり、取引価格を配分しております。
⑤ 代理人取引
当社グループが財又はサービスの仕入及び販売に関して、それらを顧客に移転する前に支配していない場合、すなわち、顧客に代わって調達の手配を代理人として行う取引については、手数料を売上収益として認識しております。当社グループが当該財又はサービスを顧客に提供する前に支配しているか否かの判断にあたっては、(a)当該財又はサービスを提供するという約束の履行に対する主たる責任を有している、(b)当該財又はサービスが顧客に移転される前、又は支配が顧客へ移転した後に在庫リスクを有している、(c)当該財又はサービスの価格の設定において裁量権があるか否かを考慮しております。
(6) その他連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項
① グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
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【会計上の見積りに関する注記】
会計上の見積りにより当連結会計年度に係る連結計算書類にその額を計上した項目であって、翌連結会計年度に係る連結計算書類に重要な影響を及ぼす可能性があるものは以下の通りであります。
1.収益認識
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、契約資産125,442百万円を計上しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約の売上収益及び売上原価は、その取引の成果について信頼性をもった見積りを行った上で、その進捗度に応じて認識しております。契約資産は、主に当該売上収益にかかる未請求売掛金であり、顧客の検収時に売上債権へ振替えられます。
当社グループは、原則としてプロジェクト見積総原価に対する連結会計期間末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法を適用しております。見積総原価は、プロジェクトごとの仕様や作業期間、契約に係るリスク等に基づき見積もっております。収益及び費用は、プロジェクト総収益及び総原価の見積り並びに進捗度の測定結果に依存しているため、追加コストの発生等により、計上額が変動する可能性があります。
2.有形固定資産
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産572,172百万円を計上しております。
有形固定資産の減価償却費は、事業ごとの実態に応じた回収期間を反映した見積耐用年数に基づき、主として定額法で算定しております。事業環境の急激な変化に伴う生産設備の遊休化や稼働率低下のほか、事業再編等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、減損損失が発生する可能性があります。
3.のれん
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、のれん55,132百万円を計上しております。
のれんは、年次で、また、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを行っております。のれんが配分された資金生成単位(CGU)の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、減損損失を認識しております。
回収可能価額は主に使用価値により算定しております。使用価値の見積りにおける重要な仮定は、経営者によって承認された中期経営計画(主に3ヶ年)における将来キャッシュ・フローの見積り、その後の期間の将来の不確実性を考慮した長期平均成長率及び割引率であり、割引率は加重平均資本コストを基礎として算定しております。これらの仮定は経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業環境の変化等の影響により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
4.無形資産
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、無形資産146,264百万円を計上しております。
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市場販売目的のソフトウェアについては、見込有効期間における見込販売数量に基づいて償却しております。自社利用のソフトウェアは、資産の将来の経済的便益が消費されると予測されるパターンを耐用年数に反映した定額法にて償却しております。事業環境の変化により、販売数量が当初販売計画を下回る等、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、減損損失が発生する可能性があり、利用可能期間の見直しの結果、耐用年数を短縮させる場合には、連結会計期間あたりの償却負担が増加する可能性があります。
5.繰延税金資産
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、繰延税金資産73,310百万円を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の判断は将来の事業計画等から算出した課税所得に基づいており、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、利用できる可能性が高いものを繰延税金資産として計上しております。事業環境の変化等により、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得できないと見込まれる場合には、繰延税金資産の計上額が減額され、追加の費用が発生する可能性があります。
6.引当金
事業構造改善引当金
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、事業構造改善引当金5,427百万円を計上しております。
事業構造改善のための人員の適正化及び事業譲渡に関連した契約等に伴う損失見込額を計上しております。当該見積額は公表された構造改革計画に基づいておりますが、事業環境の急激な変化に伴う構造改革計画の見直し等により追加の費用もしくは費用の戻しが発生する可能性があります。
受注損失引当金
前連結会計年度において記載しておりました「工事契約等損失引当金」は、より適切な表示とするため、当連結会計年度より「受注損失引当金」に科目名称を変更しております。当連結会計年度の連結財政状態計算書において、受注損失引当金12,728百万円を計上しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約のうち、見積原価総額が収益総額を超過する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合、損失見込額を引当金として計上しております。プロジェクト総原価は、プロジェクトごとの仕様や作業期間、契約に係るリスク等に基づき見積もっておりますが、追加コストの発生等により当初見積り時のプロジェクト総原価の見直しが発生し、追加の費用もしくは費用の戻しが発生する可能性があります。
7.確定給付制度
当連結会計年度の連結財政状態計算書において、退職給付に係る資産81,883百万円及び退職給付に係る負債 95,388百万円を計上しております。
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当社グループは、確定給付型もしくは確定拠出型の退職給付制度を設けています。運用収益の悪化により制度資産の公正価値が減少した場合や、確定給付制度債務算出にあたっての種々の前提条件(割引率、退職率、死亡率等)が変更され制度債務が増加した場合には、積立状況が悪化し、資本が減少する可能性があります。また、退職給付制度を変更する場合には、純損益に影響を与える可能性があります。
【連結財政状態計算書に関する注記】
1.担保に供している資産及び担保に係る債務
(1) 担保に供している資産 (単位:百万円)
担保資産残高 ………………………………………………… 545
(担保資産) 無形資産 545
(2) 担保に係る債務
担保付債務残高 ……………………………………………… 1,758
(担保付債務) 引当金 1,758
2.資産から直接控除した貸倒引当金
(1) 売上債権 ……………………………………………………… 3,125
(2) その他の非流動資産 ………………………………………… 778
3.有形固定資産の減価償却累計額 1,284,181
(減損損失累計額を含む)
4.保証債務
保証債務残高 ………………………………………………… 8
(被保証先) 従業員の住宅ローン 8
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【連結損益計算書に関する注記】
1. その他の収益
主に、2022年9月1日に当社連結子会社である株式会社PFU(以下、PFU)の株式80%を株式会社リコーに譲渡したことに伴う収益30,821百万円を計上しております。
2. 持分法による投資利益
主に、PFUが持分法適用関連会社となったことに伴う公正価値評価益7,705百万円を計上しております。なお、PFUの株式譲渡については「企業結合等に関する注記 1. 事業分離」に詳細を記載しております。
【連結持分変動計算書に関する注記】
1.当連結会計年度の末日における発行済株式の総数
普通株式 207,001,821株
2.当連結会計年度中に行った剰余金の配当に関する事項
決 議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 | 基準日 | 効力発生日 |
2022年 5 月26日 普通株式 | 21,616 | 110円 | 2022年 3 月31日 2022年 6 月 6 日 |
2022年10月27日 普通株式 | 23,594 | 120円 | 2022年 9 月30日 2022年11月30日 |
取締役会取締役会
3.当連結会計年度の末日後に行う剰余金の配当に関する事項
決 議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり配当額 | 基準日 | 効力発生日 |
2023年 5 月25日取締役会
普通株式 22,600 利益剰余金 120円 2023年 3 月31日 2023年 6 月 5 日
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【企業結合等に関する注記】
1.事業分離
当社は、2022年4月28日開催の取締役会の決議に基づき、2022年9月1日に、株式会社PFU(以下、PFU)の株式の80%を、株式会社リコー(以下、リコー)に譲渡しました。これに伴い、PFUは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
(1) 株式譲渡の理由
PFUは高シェアを有するイメージスキャナー等、ハードウェアの製造・販売・保守等を中心とした事業を営んでおります。一方当社は社会課題の解決に貢献する「DX企業」への変革を目指し、 AI 、データ活用などのテクノロジーをベースとしたDXビジネスと、DXに必要なクラウド移行などのモダナイゼーションとを合わせた「デジタル領域」に注力しています。
今般、当社は、PFU の成長と企業価値向上のため、多くのシナジーが見込まれるリコーへ PFU の株式を譲渡するという経営判断を行いました。これにより、 PFU が培ってきた fi シリーズや ScanSnap のブランド、イメージスキャナーやセルフサービス端末の販売、保守網、これらを支える技術を最大限に活用した事業展開が可能になると考えています。
また、当社はリコーとの間で、本株式譲渡に留まらず、双方の強みを相互に提供し合い両社の事業を継続的に補完・強化していくアライアンスを引き続き検討して参ります。
(2) 株式譲渡する相手会社の名称株式会社リコー
(3) 株式譲渡の時期 2022年9月1日
(4) 当該子会社の名称及び事業内容
①子会社の名称 株式会社PFU
②事業内容
ドキュメントスキャナー、インダストリーコンピューティング製品などのハードウェアおよび、セキュリティ・文書管理などのソフトウェアやサービス、ITインフラ構築や他企業と提携したマルチベンダーサービス等
(5) 法的形式を含む取引の概要現金を対価とする株式譲渡
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(6) 実施した会計処理の概要
①移転損益の金額
譲渡したことに伴う収益30,821百万円 PFUが持分法適用関連会社となったことに伴う公正価値評価7,705百万円
②移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
流動資産 | 89,906 百万円 |
固定資産 | 24,603 百万円 |
資産合計 | 114,509 百万円 |
流動負債 | 34,667 百万円 |
固定負債 | 5,063 百万円 |
負債合計 | 39,730 百万円 |
③会計処理
当該譲渡株式の連結上の帳簿価額と売却額との差額を「その他の収益」に計上しております。また、売却に伴うPFU株式の残存株式に対する再評価益を「持分法による投資利益」に計上しております。
(7) セグメント情報の開示における区分テクノロジーソリューション
(8) 当年度の連結損益計算書に計上されている分離した企業に係る損益の概算額
累計期間
売上高 47,291 百万円
営業利益 1,121 百万円
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【金融商品に関する注記】
1.金融商品の状況に関する事項
当社グループは、『富士通グループ・トレジャリー・ポリシー』に基づいて財務活動を行い、事業活動における資金需要に基づき、主に銀行借入や社債発行により資金を調達しております。一時的な余剰資金は、事業活動に必要な流動性を確保した上で安全性の高い金融資産にて運用しております。デリバティブ取引については、ヘッジ目的のみに利用し、投機目的及びトレーディング目的では行っておりません。
売上債権及び契約資産は、顧客の信用リスクに晒されております。また、製品の輸出に伴い一部の売上債権は外貨建てであり、為替の変動リスクに晒されております。その他の金融資産は、主に資金運用を目的とした譲渡性預金や取引先企業との取引関係の維持・強化を目的として政策的に保有する株式等であり、株式については市場価格の変動リスクや出資先の財政状態の悪化リスクに晒されております。また、取引先企業等に対し貸付を行っております。
仕入債務及びその他の債務は、概ね1年以内の支払期日であります。また、部材の輸入に伴い一部の仕入債務は外貨建てであり、為替の変動リスクに晒されております。社債及び借入金は、運転資金及び設備投資等の資金の調達を目的としたものであります。このうち一部は変動金利であるため、金利の変動リスクに晒されております。
① 信用リスク
当社グループは、製品の販売、サービスの提供にあたり、与信管理の基準及び手続きに従い、回収リスクの軽減を図っております。売上債権及び契約資産については、営業部門から独立した部門が取引先の信用状況を審査し、売上債権については取引先別に回収期日及び残高を管理し、円滑かつ確実な回収を図っております。また、貸付金については、定期的に貸付先の財政状況を把握し、必要に応じて貸付条件を見直す場合があります。
デリバティブ取引は、取引先の選定にあたり、信用リスクを考慮しております。
当連結会計年度の末日現在における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の帳簿価額により表わされております。
② 流動性リスク
当社グループは、資金収支予測を作成し、資金需要を把握しております。また、資金調達方法の多様化を進めることにより流動性リスクを軽減しております。
③ 市場リスク
当社グループは、外貨建ての売上債権及び仕入債務について、通貨別に把握された為替の変動リスクに対して、先物為替予約等の取引を利用しており、外貨建てのキャッシュ・フローに係る為替の変動リスクを抑制するために、通貨スワップ等の取引を利用しております。また、社債及び借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、金利スワップ取引を利用しております。
株式については、定期的に公正価値や出資先の財務状況を把握するとともに、出資先との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
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デリバティブ取引については、デリバティブ取引に関する管理規定に基づき、最高財務責任者(CFO)が承認した方針に従い財務部門が個別の取引を実施し、管理台帳への記録及び契約先との取引残高の照合を行っております。また、財務部門は、実施した取引の内容・取引残高の推移を、CFO及び経理部門責任者に報告しております。
2. 金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキー別の内訳に関する事項 2023年3月31日における帳簿価額及び公正価値については、次のとおりであります。
公正価値のヒエラルキー
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場での公表価格により測定された公正価値(無調整)レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して測定された公正価値 レベル3:重要な観察不能なインプットを含む評価方法により測定された公正価値
①公正価値で測定する金融資産及び金融負債
(i)帳簿価額と公正価値の比較及び公正価値ヒエラルキー
帳簿価額
公正価値
資産
純損益を通じて公正価値で
合計 レベル1 レベル2 レベル3百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
測定する金融資産 | |||||
デリバティブ | 654 | 654 | - | 654 | - |
債券 | 13,203 | 13,203 | - | - | 13,203 |
株式等 | 12,141 | 12,141 | 2,140 | - | 10,001 |
その他の包括利益を通じて公 正価値で測定する金融資産 | |||||
株式等 | 167,573 | 167,573 | 103,893 | - | 63,680 |
合計 | 193,571 | 193,571 | 106,033 | 654 | 86,884 |
負債
1,409 | 1,409 | - | 1,409 | - |
1,409 | 1,409 | - | 1,409 | - |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ合計
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(注)1. 金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
デリバティブ:契約を締結している金融機関から提示された価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により見積もっております。
株式:活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手できない場合は、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積もっております。
債券:活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手できない場合は、取引先金融機関から提示された価格に基づく適切な評価方法により見積もっております。
(注)2. リース負債については「金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキー別の内訳に関する事項」の開示に含まれておりません。
②償却原価で測定する金融資産及び金融負債
(i)帳簿価額と公正価値の比較及び公正価値ヒエラルキー
帳簿価額 公正価値
合計 レベル1 レベル2 レベル3
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
資産
償却原価で測定する金融資産
債券 | 2,000 | 1,992 | - | - | 1,992 |
合計 | 2,000 | 1,992 | - | - | 1,992 |
負債
償却原価で測定する金融負債
長期借入金(非流動) | 2,080 | 2,081 | - | 2,081 | - |
合計 | 2,080 | 2,081 | - | 2,081 | - |
(注)1. 償却原価で測定する金融資産及び金融負債のうち、流動資産及び流動負債に分類されるものについては、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、「金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキー別の内訳に関する事項」の開示を省略しております。
(注)2. 金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
債券:活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手できない場合は、取引先金融機関から提示された価格に基づく適切な評価方法により見積もっております。
長期借入金:元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
【1株当たり情報に関する注記】
1株当たり親会社所有者帰属持分 8,425円 37銭
基本的1株当たり当期利益 1,107円 63銭
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【収益認識に関する注記】
(1)売上収益の分解
当社グループは売上収益を顧客の所在地を基礎とした地域別に分解しております。分解した地域別の売上収益と報告セグメントとの関係は以下のとおりです。
当連結会計年度に地域別の区分の見直しを行っております。NWE(北欧・西欧)、CEE(中欧・東欧)、その他に含まれていたNWE・CEE以外の欧州を合計し「欧州」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国を合計して「東アジア」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国以外の国とオセアニアを合計して「アジアパシフィック」として表示しています。なお、アメリカに属する主な国は従前の通り米国、カナダであります。
テクノロジー
ユビキタス
デバイス 合計
ソリューション
ソリューション
ソリューション
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | |
日本 | 2,111,048 | 102,533 | 76,704 | 2,290,285 |
欧州 | 570,325 | 83,952 | 12,187 | 666,464 |
アメリカ | 239,441 | 173 | 56,603 | 296,217 |
アジアパシフィック | 179,918 | 204 | 102,608 | 282,730 |
東アジア | 48,697 | 1,750 | 120,182 | 170,629 |
その他 | 7,381 | - | 61 | 7,442 |
連結計 3,156,810 188,612 368,345 3,713,767
(注)1.リース取引から生じる収益は、重要性がないため、売上収益に含めて表示しております。
(注)2.その他には中近東、アフリカが含まれております。
(注)3.テクノロジーソリューションは、以下により構成されています。
- 情報通信システムの構築などを行うソリューション/SI、クラウドサービスやアウトソーシング、保守サービス
- ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクト
(注)4.ユビキタスソリューションは、パソ ンなどの「クライアント ンピューティングデバイス」により構成されています。
(注)5.デバイスソリューションは、半導体パッケージ、電池をはじめとする「電子部品」により構成されています。
(2)契約資産及び契約負債
契約資産は、主に、一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約において進捗度の測定に基づいて認識した売上収益にかかる未請求売掛金であり、顧客の検収時に売上債権へ振替えられます。
契約負債は、主に、継続して役務の提供を行う契約における顧客からの前受金であります。期♛現在の契約負債残高のうち当連結会計年度に売上収益として認識した金額は、114,423百万円であります。
(3)履行義務
各報告セグメントの製品及びサービスにおける履行義務と収益の測定方法については、「連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項及び連結の範囲又は持分法の適用の範囲の変更に関する注記 4.会計方針に関する事
34
項」をご参照下さい。
なお、それぞれの履行義務における支払条件は主として1年以内であり、長期の前払いや後払いの支払条件が設定されている取引に重要なものはありません。
当連結会計年度末で未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は1,769,824百万円であり、このうち1,126,491百万円は1年以内に売上収益として認識することを見込んでおります。
なお、当社グループはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」第121項の実務上の便法は適用せず、予想期間が1年以内の契約に係る履行義務も上記に含めています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
【重要な後発事象に関する注記】
1.自己株式の取得
当社は、2023年4月27日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款の規定に基づく自己株式取得に係る事項について、下記の通り決議しました。
(1)自己株式取得を行う理由
2022年度及び2023年度の利益並びにキャッシュ・フローの拡大など財務状況の改善を踏まえ、事業環境なども総合的に勘案し、株主還元の充実と資本効率の向上を図るため実施するものです。
(2)自己株式取得に係る事項の内容
・取得対象株式の種類 :普通株式
・取得し得る株式の総数 :12,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 6.37%)
・株式の取得価額の総額 :1,500億円(上限)
・取得期間 :2023年5月1日~2024年3月29日
・取得方法 :東京証券取引所における市場買付(証券会社による投資一任方式、自己株式立会外買付取引 (ToSTNeT-3)による買付を含む)
(注)急激な事業環境の変化、大幅な資金需要の増加、インサイダー取引規制上の理由等により、一部または全
部の取得が行われない可能性もあります。
(参考)2023年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を含む) 207,001,821株自己株式数 18,661,673株
35
【追加情報】
1.GK Software SEに対する公開買付けについて
当社は、2023年2月28日付で、当社の連結子会社であるFujitsu ND Solutions AG(以下、ND Solutions)により、GK Software SE(以下、GK Software)に対する公開買付けを実施することを決定しておりましたが、2023年 3月23日より開始し、2023年5月9日をもって終了しました。
なお、当社は、2023年5月12日付で、GK Softwareの株式を取得するため、ND Solutionsに対して50,005百万円
(340百万ユーロ)の増資をしております。
36
貸借対照表(2023年3月31日現在) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
資産の部 | |
流動資産 | |
現金及び預金 | 7,741 |
預け金 | 46,811 |
受取手形 | 854 |
売掛金 | 500,131 |
契約資産 | 86,788 |
商品及び製品 | 68,229 |
仕掛品 | 6,493 |
原材料及び貯蔵品 | 84,156 |
前渡金 | 3,865 |
関係会社短期貸付金 | 11,735 |
未収入金 | 126,705 |
その他 | 28,961 |
貸倒引当金 | △10,309 |
流動資産合計 | 962,166 |
固定資産 | |
有形固定資産 | |
建物(純額) | 96,821 |
構築物(純額) | 2,549 |
機械及び装置(純額) | 1,087 |
車両運搬具(純額) | 8 |
工具、器具及び備品(純額) | 41,995 |
土地 | 39,546 |
建設仮勘定 | 9,000 |
有形固定資産合計 | 191,010 |
無形固定資産 | |
ソフトウェア | 69,735 |
その他 | 10,274 |
無形固定資産合計 | 80,010 |
投資その他の資産 | |
投資有価証券 | 126,530 |
関係会社株式 | 425,340 |
関係会社長期貸付金 | 444 |
破産更生債権等 | 9 |
前払年金費用 | 29,783 |
繰延税金資産 | 44,696 |
その他 | 32,544 |
貸倒引当金 | △484 |
投資その他の資産合計 | 658,864 |
固定資産合計 | 929,885 |
資産合計 | 1,892,051 |
科目 | 金額 |
負債の部 | |
流動負債 | |
買掛金 | 385,589 |
リース債務 | 1,748 |
未払金 | 42,776 |
未払費用 | 123,915 |
未払法人税等 | 43,379 |
契約負債 | 68,581 |
預り金 | 16,116 |
受注損失引当金 | 5,869 |
製品保証引当金 | 4,270 |
関係会社事業損失引当金 | 60,000 |
役員賞与引当金 | 124 |
株式報酬引当金 | 1,869 |
環境対策引当金 | 23 |
その他 | 1,972 |
流動負債合計 | 756,235 |
固定負債 | |
リース債務 | 2,699 |
退職給付引当金 | 2,216 |
株式報酬引当金 | 2,432 |
環境対策引当金 | 508 |
資産除去債務 | 11,032 |
その他 | 10 |
固定負債合計 | 18,899 |
負債合計 | 775,134 |
純資産の部 | |
株主資本 | |
資本金 | 324,625 |
資本剰余金 | |
その他資本剰余金 | 154,506 |
資本剰余金合計 | 154,506 |
利益剰余金 | |
利益準備金 | 35,754 |
その他利益剰余金 | |
繰越利益剰余金 | 825,583 |
利益剰余金合計 | 861,337 |
自己株式 | △277,702 |
株主資本合計 | 1,062,766 |
評価・換算差額等 | |
その他有価証券評価差額金 | 54,150 |
評価・換算差額等合計 | 54,150 |
純資産合計 | 1,116,916 |
負債純資産合計 | 1,892,051 |
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損益計算書(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
科目 | 金額 |
売上高 | 1,804,001 |
売上原価 | 1,252,918 |
売上総利益 | 551,082 |
販売費及び一般管理費 | 447,345 |
営業利益 | 103,737 |
営業外収益 | |
受取利息 | 151 |
受取配当金 | 40,010 |
為替差益 | 1,415 |
その他の金融収益 | 1,386 |
営業外収益合計 | 42,964 |
営業外費用 | |
支払利息 | 122 |
社債利息 | 16 |
関係会社事業損失引当金繰入額 | 2,541 |
その他の金融費用 | 454 |
営業外費用合計 | 3,134 |
経常利益 | 143,566 |
特別利益 | |
抱合せ株式消滅差益 | 1,194 |
関係会社株式売却益 | 79,883 |
投資有価証券売却益 | 11,491 |
固定資産売却益 | 4,408 |
特別利益合計 | 96,978 |
特別損失 | |
固定資産廃却損 | 5,101 |
減損損失 | 10 |
特別損失合計 | 5,112 |
税引前当期純利益 | 235,433 |
法人税、住民税及び事業税 | 48,231 |
法人税等調整額 | 7,925 |
法人税等合計 | 56,156 |
当期純利益 | 179,277 |
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株主資本等変動計算書(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
株主資本 | ||||||
資本金 | 資本剰余金 | 利益剰余金 | ||||
その他 資本剰余金 | 資本剰余金合計 | 利益準備金 | その他利益剰余金 | 利益剰余金合計 | ||
繰越利益剰余金 | ||||||
2022年4月1日残高 | 324,625 | 153,804 | 153,804 | 31,233 | 696,037 | 727,270 |
当期変動額 | ||||||
剰余金の配当 | - | - | - | 4,521 | △49,731 | △45,210 |
当期純利益 | - | - | - | - | 179,277 | 179,277 |
自己株式の取得 | - | - | - | - | - | - |
自己株式の処分 | - | 701 | 701 | - | - | - |
株主資本以外の項目の 当期変動額(純額) | - | - | - | - | - | - |
当期変動額合計 | - | 701 | 701 | 4,521 | 129,545 | 134,066 |
2023年3月31日残高 | 324,625 | 154,506 | 154,506 | 35,754 | 825,583 | 861,337 |
株主資本 | 評価・換算差額等 | 純資産合計 | |||
自己株式 | 株主資本合計 | その他有価証券評価差額金 | 評価・換算差額等合計 | ||
2022年4月1日残高 | △128,897 | 1,076,802 | 35,923 | 35,923 | 1,112,726 |
当期変動額 | |||||
剰余金の配当 | - | △45,210 | - | - | △45,210 |
当期純利益 | - | 179,277 | - | - | 179,277 |
自己株式の取得 | △150,103 | △150,103 | - | - | △150,103 |
自己株式の処分 | 1,298 | 1,999 | - | - | 1,999 |
株主資本以外の項目の 当期変動額(純額) | - | - | 18,226 | 18,226 | 18,226 |
当期変動額合計 | △148,805 | △14,036 | 18,226 | 18,226 | 4,190 |
2023年3月31日残高 | △277,702 | 1,062,766 | 54,150 | 54,150 | 1,116,916 |
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個別注記表
【重要な会計方針に係る事項に関する注記】
1.会社計算規則(平成18年2月7日法務省令第13号、最終改正 令和4年12月26日法務省令第43号)に基づいて計算書類を作成しております。
2.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
子会社株式及び関連会社株式………移動平均法による原価法その他有価証券
・市場価格のない株式等以外………決算日の市場価格等に基づく時価法
取得原価と時価との差額の処理方法………全部純資産直入法
売却時の売却原価の算定方法… 移動平均法による原価法
・市場価格のない株式等… 移動平均法による原価法
(2) デリバティブ等
デリバティブ… 時価法
(3) 棚卸資産
通常の販売目的で保有する棚卸資産
・商品及び製品… 移動平均法による原価法
・仕掛品… 個別法又は総平均法による原価法
・原材料及び貯蔵品… 移動平均法による原価法
なお、収益性の低下した棚卸資産については、帳簿価額を切下げております。
3.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)定額法で計算しております。
耐用年数についてはビジネスごとに実態に応じた回収期間を反映し、次のとおり見積もっております。
・建物、構築物… 7年~50年
・機械及び装置………………………3年~ 7年
・工具、器具及び備品… 2年~10年
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(2) 無形固定資産(リース資産を除く)ソフトウェア
・市場販売目的… 見込有効期間(3年)における見込販売数量に基づく方法
・自社利用… 利用可能期間(5年以内)に基づく定額法
その他… 定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産は、リース期間を耐用年数とし、定額法で計算しております。
4.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 受注損失引当金
受注制作のソフトウェア等のうち、当事業年度末時点で採算性の悪化が顕在化しているものについて損失見込額を計上しております。
(3) 製品保証引当金
契約に基づき保証期間内の製品を無償で修理・交換する費用の支出に備えるため、過去の実績を基礎として算出した修理・交換費用の見積額を製品の販売時に計上しております。
(4) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失等に備えるため、関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見込額を計上しております。
(5) 役員賞与引当金
役員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額を計上しております。
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(6) 退職給付引当金又は前払年金費用
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、必要額を計上しております。
退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
・過去勤務費用の処理方法… 定額法(10年)により費用処理
・数理計算上の差異の処理方法……定額法(従業員の平均残存勤務期間)で按分した額をそれぞれ発生の翌事業年
度より費用処理
(7) 株式報酬引当金
役員等に対する株式報酬の支給に備えるため、支給見込額を計上しております。
(8) 環境対策引当金
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理や土壌改良工事等の環境対策に係る支出に備えるため、当該発生見込額を計上しております。
5.収益及び費用の計上基準
(1) サービスに関する収益
サービスの提供は、通常、(a)当社が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受する、(b)当社が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又は資産の価値が増加し、それにつれて、顧客が当該資産を支配する、又は、(c)当社が顧客との契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じ、当社が履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有している場合のいずれかに該当するため、一定の期間にわたり充足される履行義務であります。サービスの収益は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合は当該進捗度に基づいて、進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時まで原価回収基準により、認識しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約(システムインテグレーション等)では、契約の履行において、当社でコストが発生し、作業が進捗していくことに伴い、当該顧客のためのオーダーメイドなサービスが完成に近づき、顧客が使用できる状態に近づいていくため、原則としてプロジェクト見積総原価に対する当事業年度末までの発生原価の割合で進捗度を見積る方法に基づいて収益を認識しております。ただし、契約開始時に当社が履行する義務に関してマイルストーンが定められている場合は、当該マイルストーンの達成に基づいて収益を認識
42
しております。
継続して役務の提供を行うサービス契約(アウトソーシングサービス、保守サービス等)は、顧客の要求に応じたサービスを契約期間にわたって提供しております。顧客の要求に迅速に対応するため常に役務が提供できる状態で待機しておく必要があることから役務の提供は待機状態も含めた一定の期間にわたって行われているため、サービスが提供される期間に対する提供済期間の割合で進捗度を見積る方法に基づいて収益を認識しております。また、アウトソーシングサービス、保守サービス等のうち単位あたりで課金するサービス契約では、サービスの提供が完了し、請求可能となった時点で、収益を認識しております。
なお、契約当初に見積もった収益、進捗度又は発生原価に変更が生じた場合は、見積りの変更による累積影響額を、当該変更が明らかとなり見積り可能となった事業年度に純損益で認識しております。
(2) ハードウェア・プロダクトに関する収益
ハードウェア・プロダクトを単体で提供する場合は、通常、履行義務が一定の期間にわたり充足されるものでないため、一時点で充足される履行義務であり、その支配を顧客に移転した時点で、取引価格のうち履行義務に配分した額を収益として認識しております。支配が顧客へ移転した時点を決定するにあたり、(a)資産に関する対価を収受する現在の権利を有している、(b)顧客が資産に対する法的所有権を有している、(c)資産の物理的占有を移転した、(d)顧客が資産の所有に伴う重大なリスクを負い経済価値を享受している、(e)顧客が資産を検収しているか否かを考慮しております。
サーバ、ネットワークプロダクトなど、据付等の重要なサービスを要するハードウェアの販売による収益は、原則として、顧客の検収時に認識しております。
パソコンなどの標準的なハードウェアの販売による収益は、原則として、当該ハードウェアに対する支配が顧客に移転する引渡時に認識しております。
一方、ハードの受託製造・製造請負において、当社の履行により、別の用途に転用することができない資産が生じ、当社が履行を完了した部分について対価を収受する強制力のある権利を有している場合には、履行義務の充足を忠実に描写するような方法を用いて進捗度の見積りに応じて収益を認識しております。
当社は、様々なチャネルの顧客に対して、ボリュームディスカウントや販売インセンティブ(販売奨励金)を含む様々なマーケティングプログラムを提供しております。これら顧客に支払われる対価が事後的に変動する可能性がある場合には、変動する対価を見積もり、その不確実性が解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り、収益に含めて処理しております。変動対価の見積りにあたっては、期待値法か最頻値法のいずれかのうち、権利を得ることとなる対価の金額をより適切に予測できる方法を用いております。
(3) ライセンスに関する収益
ライセンスの提供は、(a)顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える活動を行うことを契約により定
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められている又は顧客により合理的に期待されている、(b)上記活動により、顧客が直接的に影響を受ける、(c)上記活動の結果として、当社の活動が生じたとしても、財又はサービスが顧客に移転しない、という要件をすべて満たす場合には、知的財産にアクセスする権利(アクセス権)として一定期間にわたり収益を認識し、いずれかを満たさない場合には、知的財産を使用する権利(使用権)として一時点で収益を認識しております。
当社における主なライセンスであるソフトウェアについては、通常、供与後に当社が知的財産の形態又は機能性を著しく変化させる活動又はライセンス期間にわたって知的財産の価値を維持するための活動を実施する義務を負わず、上記のいずれの要件も満たさないため、使用権として一時点で収益を認識しております。
ソフトウェアがクラウド・サービス上で提供される場合には、通常、それらを単一の履行義務として、クラウド・サービスの収益と同じ時期で収益を認識しております。
ソフトウェアをソフトウェア・サポートと合わせて販売している場合には、通常、それぞれ別個の履行義務として、ソフトウェアにかかる収益とソフトウェア・サポートにかかる収益は別個に認識しております。ただし、ソフトウェア・サポートが提供されない限り当該ソフトウェアの便益を顧客が享受することができない場合には、例外的に単一の履行義務として、ソフトウェア・サポートの収益と同じ時期で収益を認識しております。
単品で販売しているソフトウェアのアップグレード権については、通常、ソフトウェアと当該アップグレード権を別個の履行義務として、当該アップグレード権を提供した時点で収益を認識しております。一方、ソフトウェアのアップグレード権がソフトウェア・サポートと統合された形で提供されている場合には、それらを単一の履行義務として、サービスの収益認識と同じ時期で収益を認識しております。
(4) 複合取引
複合取引とは、ハードウェア販売とその付帯サービス、あるいはソフトウェア販売とその後のサポートサービスなどのように複数の財又はサービスが一つの契約に含まれるものであります。
顧客に約束している財又はサービスは、当該財又はサービスから単独で顧客が便益を享受することができる、あるいは、当該財又はサービスと顧客が容易に利用できる他の資源を組み合わせて顧客が便益を享受することができる
(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとなる可能性がある)場合、かつ、当該財又はサービスを顧客に移転する約束が、契約に含まれる他の約束と区分して識別できる(すなわち、当該財又はサービスを顧客に移転する約束が契約の観点において別個のものとなる)場合には、別個の履行義務として識別しております。
取引価格を複合取引における財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき配分する際には、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスについて、契約における取引開始日の独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格の比率に基づき配分しております。独立販売価格を直接観察できない場合には、複合取引におけるそれぞれの履行義務について予想コストとマージンの積算等に基づき独立販売価格を見積もり、取引価格を配分しております。
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(5) 代理人取引
当社が財又はサービスの仕入及び販売に関して、それらを顧客に提供される前に支配していない場合、すなわち、顧客に代わって調達の手配を代理人として行う取引については、手数料を収益として認識しております。当社が当該財又はサービスを顧客に提供する前に支配しているか否かの判断にあたっては、(a)当該財又はサービスを提供するという約束の履行に対して主たる責任を有している、(b)当該財又はサービスが顧客に提供される前、又は支配が顧客に移転した後に在庫リスクを有している、(c)当該財又はサービスの価格の設定において裁量権があるか否かを考慮しております。
6.その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結計算書類におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(3) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
【表示方法の変更に関する注記】
前事業年度において、流動負債の区分に表示しておりました「工事契約等損失引当金」は、より適切な表示とするため、当事業年度より「受注損失引当金」に科目名称を変更しております。
前事業年度において、独立掲記しておりました営業外収益の「関係会社事業損失引当金戻入額」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より営業外収益の「その他の金融収益」に含めて表示しております。
【会計上の見積りに関する注記】
会計上の見積りにより当事業年度に係る計算書類にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る計算書類に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、以下のとおりであります。
1.収益認識
当事業年度の貸借対照表において、契約資産86,788百万円を計上しております。
「連結注記表 会計上の見積りに関する注記 1. 収益認識」をご参照ください。
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2.有形固定資産
当事業年度の貸借対照表において、有形固定資産191,010百万円を計上しております。
「連結注記表 会計上の見積りに関する注記 2. 有形固定資産」をご参照ください。
3.無形固定資産
当事業年度の貸借対照表において、無形固定資産80,010百万円を計上しております。
「連結注記表 会計上の見積りに関する注記 4. 無形資産」をご参照ください。
4.繰延税金資産
当事業年度の貸借対照表において、繰延税金資産44,696百万円を計上しております。
「連結注記表 会計上の見積りに関する注記 5. 繰延税金資産」をご参照ください。
5.引当金
当事業年度の貸借対照表において、受注損失引当金5,869百万円を計上しております。
「連結注記表 会計上の見積りに関する注記 6. 引当金」をご参照ください。
当事業年度の貸借対照表において、関係会社事業損失引当金60,000百万円を計上しております。
関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見込額を引当金として計上しております。損失見込額は関係会社の財政状態の変化、将来の事業計画の見直し等により変動する可能性があります。
6.確定給付制度
当事業年度の貸借対照表において、前払年金費用29,783百万円及び退職給付引当金2,216百万円を計上しております。
当社は、確定給付型もしくは確定拠出型の退職給付制度を設けています。運用収益の悪化により年金資産の公正価値が減少した場合や、退職給付債務算出にあたっての種々の前提条件(割引率、退職率、死亡率等)が変更され退職給付債務が増加した場合には、積立状況が悪化し、追加の費用が発生する可能性があります。
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【貸借対照表に関する注記】
1.有形固定資産の減価償却累計額 (単位:百万円)
建物 245,289構築物 15,052
機械及び装置 22,678
車両運搬具 ……………………………………………………… 54
工具、器具及び備品 173,510
計 456,586
2.保証債務
保証債務残高 8
(被保証先) 従業員の住宅ローン 8
3.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)短期金銭債権 272,147
長期金銭債権 …………………………………………………… 342
短期金銭債務 212,995
長期金銭債務 1,486
4.関係会社短期貸付金
当社子会社Fujitsu America, Inc.(以下、FAI)に対する貸付金であります。
前事業年度において当社子会社の北米再編を決定しました。再編計画において、当社よりFAIに対する再編資金の融資及びその一部に対する債権放棄を予定していたことから、前事業年度末に債権放棄予定額に対して関係会社事業損失引当金を計上しました。当事業年度において再編計画に基づく融資を実行し、貸付金を計上するとともに、債権放棄予定額を関係会社事業損失引当金より貸倒引当金に振り替えております。
【損益計算書に関する注記】
1.関係会社との取引高
営業取引による取引高 | (単位:百万円) |
売上高 ………………………………………………………… | 588,278 |
仕入高 ………………………………………………………… | 784,252 |
営業取引以外の取引による取引高 ………………………… | 38,358 |
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2.関係会社株式売却益
主に、株式会社PFUの株式を株式会社リコーに譲渡したこと及び株式会社ソシオネクストの東京証券取引所プライム市場への新規上場に伴い同社株式の売り出しを行ったことによるものです。
3.投資有価証券売却益
主に、トヨタ自動車株式会社の株式売却に係るものであります。
【株主資本等変動計算書に関する注記】
1.当事業年度末における自己株式の数
普通株式 18,661,673株
【税効果会計に関する注記】
繰延税金資産の発生の主な原因は、関係会社株式等評価損、未払賞与、関係会社事業損失引当金であり、繰延税金負債の発生の主な原因は、その他有価証券評価差額金であります。なお、スケジューリングが不能な関係会社株式等評価損などに係る繰延税金資産については、評価性引当額を控除しております。
48
【関連当事者との取引に関する注記】
子会社及び関連会社等
(単位:百万円)
種類 | 会社等の名称 | 議決権等の所有割合 | 関連当事者との関係 | 取引の内容 | 取引金額 | 科目 | 期末残高 |
子会社 富士通J a p a n ㈱ 所有
当社製品の販売及び保守等
当社製品の販売
売上高 195,113
売掛金契約資産
41,952
1,718
直接100%
子会社 ㈱富士通エフサス 所有
役員の兼任
サポートサービス等の委託及
代行購買取引等
サポート
124,570 未収入金
55,219
子会社
F u j i t s u T e c h n o l o g y S o l u t i o n s (Holding) B.V.
直接100%
所有
直接100%
び当社製品の販売、保守役員の兼任
当社製品の欧州における販売及び当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供
役員の兼任
当社製品の北米における販売及
サービス等の委託
当社製品の販売
仕入高 82,733 買掛金 23,423
売上高 130,955 売掛金 20,689
子会社
Fujitsu North America, Inc.
所有
直接100%
び当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供
引出
役員の兼任
増資の引受 37,352 - -
㈱
子会社 富士通キャピタル
所有
直接100%
国内グループファイナンス役員の兼任
当社が販売するシステム商談
資金の引出 資金
98,282 預け金 46,811
関連会社
富士通クライアントコンピューティング㈱
所有
直接44%
等に含まれるパソコンの製造委託
役員の兼任
パソコンの製造委託等
仕入高 206,053 買掛金 38,425
(注)1.記載した取引は基本的に公正な価格をベースにした取引条件となっております。
(注)2.富士通キャピタル株式会社との取引金額は引出額から預入額を控除して表示しております。
【1株当たり情報に関する注記】
1株当たり純資産額 ………………………………………… 5,930円31銭
1株当たり当期純利益金額 ………………………………… 922円80銭
【収益認識に関する注記】
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
「重要な会計方針に係る事項に関する注記 5. 収益及び費用の計上基準」に記載の通りであります。
【重要な後発事象に関する注記】
1.Fujitsu ND Solutions AGの増資
「連結注記表 追加情報 1.GK Software SEに対する公開買付けについて」に同一の内容の記載をしております
49
ので、記載を省略しております。
2.自己株式の取得
「連結注記表 重要な後発事象に関する注記 1.自己株式の取得」に同一の内容の記載をしておりますので、記載を省略しております。
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連結計算書類に係る会計監査人の監査報告書謄本
独立監査人の監査報告書
2023年5月15日
富士通株式会社取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東 京 事 務 所
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員 公認会計士 中 谷 喜 彦指定有限責任社員 公認会計士 花 藤 則 保指定有限責任社員 公認会計士 田 邉 朋 子指定有限責任社員 公認会計士 山 口 学
監査意見
当監査法人は、会社法第444条第4項の規定に基づき、富士通株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結計算書類、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結持分変動計算書及び連結注記表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結計算書類が、会社計算規則第120条第1項後段の規定により定められた、国際会計基準で求められる開示項目の一部を省略した会計の基準に準拠して、富士通株式会社及び連結子会社からなる企業集団の当該連結計算書類に係る期間の財産及び損益の状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、
「連結計算書類の監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
その他の記載内容
その他の記載内容は、事業報告及びその附属明細書である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結計算書類に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結計算書類の監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結計算書類又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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連結計算書類に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、連結計算書類を会社計算規則第120条第1項後段の規定により定められた、国際会計基準で求められる開示項目の一部を省略した会計の基準により作成し、適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結計算書類を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結計算書類を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結計算書類を作成することが適切であるかどうかを評価し、会社計算規則第120条第1項後段の規定により定められた、国際会計基準で求められる開示項目の一部を省略した会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結計算書類の監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結計算書類に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結計算書類に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結計算書類の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結計算書類の監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結計算書類を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結計算書類の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結計算書類の注記事項が適切でない場合は、連結計算書類に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結計算書類の表示及び注記事項が、会社計算規則第120条第1項後段の規定により定められた、国際会計基準で求められる開示項目の一部を省略した会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結計算書類の表示、構成及び内容、並びに連結計算書類が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結計算書類に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結計算書類の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
52
会計監査人の監査報告書謄本
独立監査人の監査報告書
2023年5月15日
富士通株式会社取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東 京 事 務 所
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員 公認会計士 中 谷 喜 彦指定有限責任社員 公認会計士 花 藤 則 保指定有限責任社員 公認会計士 田 邉 朋 子指定有限責任社員 公認会計士 山 口 学
監査意見
当監査法人は、会社法第436条第2項第1号の規定に基づき、富士通株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第12
3期事業年度の計算書類、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表並びにその附属明細書(以下「計算書類等」という。)について監査を行った。
当監査法人は、上記の計算書類等が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、当該計算書類等に係る期間の財産及び損益の状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、
「計算書類等の監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
その他の記載内容
その他の記載内容は、事業報告及びその附属明細書である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の計算書類等に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
計算書類等の監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と計算書類等又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
53
計算書類等に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して計算書類等を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない計算書類等を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
計算書類等を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき計算書類等を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
計算書類等の監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての計算書類等に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から計算書類等に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、計算書類等の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 計算書類等の監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として計算書類等を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において計算書類等の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する計算書類等の注記事項が適切でない場合は、計算書類等に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 計算書類等の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた計算書類等の表示、構成及び内容、並びに計算書類等が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上
の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
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監査役会の監査報告書謄本
監 査 報 告 書
当監査役会は、2022年4月1日から2023年3月31日までの第123期事業年度の取締役の職務の執行に関して、各監査役が作成した監査報告書に基づき、審議の上、本監査報告書を作成し、以下のとおり報告いたします。
1.監査役及び監査役会の監査の方法及びその内容
⑴ 監査役会は、当期の監査方針、監査計画等を定め、各監査役から監査の実施状況及び結果について報告を受けるほか、取締役等及び会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。
⑵ 各監査役は、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、当期の監査方針、監査計画等に従い、取締役、内部監査部門等と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、以下の方法で監査を実施しました。
① 取締役会その他重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産の状況を調査いたしました。また、子会社については、子会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けました。
② 事業報告に記載されている取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして会社法施行規則第100条第1項及び第3項に定める体制の整備に関する取締役会決議の内容及び当該決議に基づき整備されている体制(内部統制システム)について、取締役及び使用人等からその構築及び運用の状況について定期的に報告を受け、必要に応じて説明を求め、意見を表明いたしました。なお、財務報告に係る内部統制については、取締役等及びEY新日本有限責任監査法人から当該内部統制の評価及び監査の状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。
③ 会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを監視及び検証するとともに、会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。また、会計監査人から「職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制」(会社計算規則第131条各号に掲げる事項)を「監査に関する品質管理基準」(平成17年10月28日企業会計審議会)等に従って整備している旨の通知を受け、必要に応じて説明を求めました。
以上の方法に基づき、当該事業年度に係る事業報告及びその附属明細書、計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表)及びその附属明細書並びに連結計算書類(連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結持分変動計算書及び連結注記表)について検討いたしました。
2.監査の結果
⑴ 事業報告等の監査結果
① 事業報告及びその附属明細書は、法令及び定款に従い、会社の状況を正しく示しているものと認めます。
② 取締役の職務の執行に関する不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実は認められません。
③ 内部統制システムに関する取締役会決議の内容は相当であると認めます。また、当該内部統制システムに関する事業報告の記載内容及び取締役の職務の執行についても、財務報告に係る内部統制を含め、指摘すべき事項は認められません。
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⑵ 計算書類及びその附属明細書の監査結果
会計監査人EY新日本有限責任監査法人の監査の方法及び結果は相当であると認めます。
⑶ 連結計算書類の監査結果
会計監査人EY新日本有限責任監査法人の監査の方法及び結果は相当であると認めます。
2023年5月17日
富士通株式会社 監査役会
常勤監査役 広 瀬 陽 一 ㊞社外監査役 初 川 浩 司 ㊞社外監査役 幕 田 英 雄 ㊞
常勤監査役 山 室 惠 ㊞
社外監査役 キャサリン ㊞
オコーネル
(注)監査役 初川 浩司、幕田 英雄、キャサリン オコーネルの3氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
以 上
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