Contract
平成18年度成果報告書
契約管理番号:06003464-0
「宇宙分野における産業化に係る調査」
平成19年3月
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(委託先)株式会社アストロリサーチ
目次
1. はじめに 1
2. 要約 2
3. 新規事業分野のxxxx性調査 3
3.1 調査目的ならびに調査方法 3
3.2 準軌道打ち上げ事業のxxxx性 4
3.2.1 無人準軌道事業者の事業概要 4
3.2.2 無人準軌道ミッションのxxxx性 9
3.3 軌道宇宙旅行事業のxxxx性 10
3.3.1 軌道宇宙旅行事業者の事業概要 10
3.3.2 軌道宇宙旅行事業のxxxx性 21
3.4 小型衛星等事業のxxxx性 22
3.4.1 小型衛星メーカーの実態 22
3.4.2 小型衛星等事業のxxxx性 24
3.4.3 小型衛星メーカーについて 26
4. 新規事業分野の宇宙産業支援策等の調査 36
4.1. 調査目的ならびに調査方法 36
4.2. 米国の宇宙産業支援策 37
4.2.1. 政策による支援 37
4.2.2. 具体的な宇宙産業に対する経済支援 44
4.3. 中国の支援策 45
4.3.1. 科学技術政策 45
4.3.2. 宇宙開発 46
4.3.3. 宇宙産業への支援 51
4.4. 韓国の支援策 53
4.4.1. 科学技術の重視 53
4.4.2. 宇宙開発体制 54
4.4.3. 宇宙活動の現状 55
4.4.4. 韓国航空宇宙産業支援政策 58
4.4.5. 政府の振興策 60
4.4.6. 2007 年主要業務計画 61
4.5. 日本の支援策 64
4.5.1. 我が国の宇宙開発の基本方針 「宇宙開発委員会」 64
4.5.2. 宇宙航空研究開発機構の役割 65
4.5.3. 日本の宇宙政策 67
4.5.4. 日本経団連の提言 68
4.5.3. xxxの商用リモートセンシング衛星 2004/8/9 69
5. 技術動向調査 70
5.1 調査目的ならびに調査方法 70
5.2 準軌道打上げロケットの技術動向 70
5.2.1 準軌道打上げロケット 70
5.2.2 射場 73
5.3 軌道宇宙旅行用宇宙機とステーションの技術動向 77
5.4 民間用小型衛星の技術動向 82
6. その他分野の調査 87
6.1 ブロードバンド通信衛星事業動向 87
6.2 衛星電話事業 96
6.3 衛星放送事業 100
6.4 リモートセンシング衛星事業動向 100
7. 開発プロセス、開発品当のイノベーション動向調査 103
7.1 日本の開発プロセス 103
7.1.1 地球観測衛星、技術試験衛星 103
7.1.2 科学衛星(天文観測衛星、惑星探査機など) 108
7.1.3 大学による小型衛星 110
7.2 海外での衛星等宇宙プロジェクトの開発プロセス 112
7.2.1 アメリカ商用衛星の場合 112
7.2.2 韓国の小型衛星の場合 113
7.3 開発プロセスの比較検討 114
8. まとめ 116
8.1 産業化に資する新規宇宙事業分野 116
8.2 宇宙プロジェクトの開発プロセスの革新方策 119
1.はじめに
宇宙産業は高い技術波及効果を有し、産業の裾野が広いことに加え、国の安全保障に密接に関係することから、諸外国においては戦略的産業として位置づけられている。また諸外国においても戦略的産業として位置づけられ、宇宙開発利用、宇宙産業の振興等に向け、様々な施策が行われている。
現在、NEDO 殿では平成 17 年 3 月に策定した「宇宙分野における技術戦略マップ」について、国内外の最新の技術動向調査、特許調査等を実施し、海外との産業構造、技術力比較等を行った上、国内の産学官からなる意見交換の場を設置し、技術戦略マップのローリングを実施している。一方で海外において現在更新中のマップでは具体的に位置づけられていないオフ・ロードマップの技術として、準軌道ミッションによる商業宇宙開発、宇宙旅行等、その他の新規の事業分野が立ち上がりつつある状況がある。また小型衛星等のオン・ロードマップについて、国内外の大学、中小企業等による新しいビジネスモデルによる新規参入が検討されている。
そこで本調査においては、我が国の宇宙産業の競争力を強化すべく、世界の技術動向及び需要動向をもとに、技術の成熟度(TRL)は低いが今後市場拡大が期待される技術及びそれにより新規に見込まれる市場に関する調査を行うとともに宇宙開発成果の産業化を促進する方法論等についても検討することにより、今後の宇宙分野における技術開発とイノベーションに資するものとする。
2.要約
件名:平成18年度成果報告書 「宇宙分野における産業化に係る調査」
宇宙産業化に資する新規事業分野としてサウンディングロケットによる準軌道打ち上げ事業、小型衛星事業、xx宇宙旅行事業に関してxxxx性ならびに国内外の技術動向を調査検討した。調査の結果、これら新規市場は産業化にとってxxであるだけでなく、既存の宇宙産業へも貢献できる可能性があることが分かった。特に小型衛星ならびに小型ロケットによる新しい市場の開拓が今後の宇宙産業にとって重要であることがわかった。
併せて海外(米国、中国、韓国)のこれら新規事業分野に対する政府の支援状況など制度調査を行った。調査の結果、開発への直接的な支援だけでなく、衛星、あるいはロケットの開発後の利用に関して支援を行うことで、企業の自主開発も促し、結果として競争力を身につけられる開発支援を米国はNASA、ならびに軍が協力して実施している。
小型ロケットや小型衛星などをある程度単品での信頼性を犠牲にしつつも製造スケジュールを画期的に短縮することによりプロジェクトとしての信頼性、リスク分散を行うことで柔軟且つ持続可能な事業展開を新たな顧客に向けて提案できると考えられる。そのためにはまず小型ロケットならびに小型衛星を標準化し、標準化された衛星、ロケットの消費市
場を維持することが重要である。
Summary
Title: Research on the industriarization of space business(FY2006)Fiinal report Following new space business fields have been surveyed in terms of the technical trends and marketability which are considered have possibility to expand the industriarization of space development: un-manned sub-orbital flight with sounding rocket, small satellite business, space tourism. As a result of this surver, those new space business field not only expand the industriarization of the space development, but also contribute to enhance the current space development. Especially, the business field of the small satellite and small sounding rocket are seemed very important for future space industriarization.The government support of other countries (U.S., China and Korea) to those new space business fields have also been surveyed. As a result, those countries have not only the direct support for developing the hardwares, but also have supports for application and usage. Because governments assure the contract after the hardware development, each company can do the effort of self-development of the new hardwares by themselves, and those efforts give them the competitiveness to other competitors.
Small rocket and satellite can reduce the manufacturing schedule by lowering the reliability of hardware itself. But the reliability of project itself shall be kept at reasonable range by using multiple deployments of small satellites, and risks have been mitigated to spread to the mulitiple satellites. Therefore, the standardized small satellite, i.e. cubesat, and the dedicated launch system for such small satellite are important, and can sustain the new business field.
3.新規事業分野のxxxx性調査
3.1 調査目的ならびに調査方法
本調査は、無人準軌道飛行、宇宙旅行、小型衛星といった今後の新規事業分野と目される分野のxxxx性を評価することを目的としている。
当社ではマイサットシリーズで小型衛星バスならびに衛星利用ミッションをコンポーネント、サブシステム、システムの各レベルにおいて研究開発を行っており、さらに小型衛星事業として販売、営業活動を行っている。また、準軌道ミッション、宇宙旅行など新事業分野についても具体的なハードウェアの設計のみならずその利用ミッションの営業などを行っている。
当社の営業活動で得られた知見を中心に新規事業分野のxxxx性について調査する。また調査内容が偏らないよう第三者機関が発行している文献による調査を行う。
調査項目 | 調査方法、内容 |
無人準軌道市場調査 | UP Aerospace 社、DLR MORABA、Beyond Earth Enterprise 社等、無人準軌道事業者の事業概要の調査、”Suborbital reusable launch vehicles and applicable markets”, the Aerospace Corporation 等の文献による情報収集により無人準軌道ミッションの市場について成 立性を調査する。 |
軌道宇宙旅行市場調査 | Excalibur Almaz 社など軌道宇宙旅行事業者の事業概要調査、”Space Report”, Space Foundation 等の文献による情報収集により軌道宇宙旅行市場について成立性を調査する。 |
小型衛星市場調査 | MySat シリーズ、など民間向け小型衛星事業を実施している事業者の事業概要の調査により、研究開発以外の小型衛星の事業化について 調査する。 |
3.2 準軌道打ち上げ事業のxxxx性
3.2.1 無人準軌道事業者の事業概要
<UP Aerospace>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | CEO Xxxx Xxxxxx | 社長 Xxxxx Xxxxxx |
場所 | 米コネチカット州 | |
売上高 | $12,600,000 | 2007 年度目標(*3) |
主たる事業 | SpaceLoft、SpaceLoft XL(サウンディングロ ケット)による打ち上げサービス | ロケットの仕様は[5-2-1]「準軌道打 ち上げロケット」に述べる。 |
Launch rail
UP Aerospace 社はSpaceLoft XL を用いた準軌道打ち上げサービス会社。将来的に軌道飛行も計画している。
STAR™ program (Space Technology & Academic Research program)と称して学生向けサービスを開始するなど学生への働きかけも意欲的に行っている。
打ち上げの価格構成(最安数百ドル
~最高数千ドル)の上限値に推定顧客数(*1)を掛け合わせると、打ち上げ 1 回あたりの売上げが高々数十万ドルを超えない程度であることが判る(*2)。
SpaceLoft XL on Launch
出典:News13
SpaceLoft
*1:初号機のペイロード(50kg)には、コロラド大学ボールダー校、ブラウン大学、ハートフォード大学、セントラルコネチカット州立大学、ニューメキシコ州立大学から寄せられた科学実験装置、Connecticut Center for Advanced Technology と National Aerospace Leadership Initiative の協力で、米国の高校生が製作した 40 台の実験装置が積まれる。
*2:当社が独自に取り寄せた概算見積では1機$420,000。
*3xxxx://xxx.xxxxxxxxxx.xxx/xxxxxxx/XX_Xxxxxxxxx_Xxxx_Xxxxxx_Xxxxxx
_Just_Three_More_Seconds_To_Reach_Space_999.html “The company is scheduling up to 30 space launches per year”
<DLR Moraba>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | - | 公立研究機関 |
場所 | 独 | |
売上高 | 不明 | *4 |
主たる事業 | Improved Orion による REXUS プロジ ェクト、気球、高層飛行 | ロケットの仕様は[5-2-1]「準軌道打 ち上げロケット」に述べる。 |
DLR Moraba(the mobile rocket base of DLR)(*1)は、独 DLR の一部門であり 2005 年の REXUS(*2) Ⅱに引き続き 2006 年 4 月に REXUS 3(*3) student rocket をスウェーデンと協力して打ち上げるなど学生向けプロジェクトに力を入れている。
*1 : MORABA - from the German MObilen RAketen BAsis
*2 : Rocket borne EXperiments for University Students
*3:REXUS 3 は 12-14 分の微少重力実験を目的としたXxxxx 7 プロジェクトの試験飛行として位置づけられている。
XXXXX はImproved Orion ロケットを使った学生向けミッションである。独、スウェーデンとも公共機関のため採算性の問題はない。また Improved Orion を使うことによりロケット開発のリスクも避けている。
Improved Orion
REXUS 3
*4:DLR は巨大企業でありその 1 部門(ロケット)の revenue は公開されていない。
<Beyond Earth Enterprise>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxx Xxxxxxx CEO | |
場所 | 米コロラド州コロラドスプリングス | |
売上高 | 不明 | *2 |
主たる事業 | 自社開発ロケット(LC シリーズ)による 準軌道打ち上げサービス | ロケットの仕様は[5-2-1]「準軌道打 ち上げロケット」に述べる。 |
Beyond Earth Enterprise 社は小型ペイロード用サブオービタルロケット(LC シリーズ)(*1)で打ち上げサービスを行っている。
*1:Launch Craft-Mission One (LC-MO01) LC-1~LC-3 と呼ぶ
同社の LC シリーズは現在まで LC-1、LC-2、 LC-3 の3機が製造されているが、成功したのは最後の LC-3 のみ。LC-2 は打ち上げさえ行われず、LC-3 とともに展示物となった。
打ち上げ費用は 16 オンス(1 ポンド)で 2500 ドル。最大 50 ポンド(22.7kg)を 113km まで打ち上げるのにかかる費用は$125,000 と破格である。
LC シリーズは LC-3 が最後とのことだが今後の予定等は公開されていない。
LC-1 LC-1 失敗
LC-3
LC-3 打上成功
出典:xxxx://xxx.xxxxxx-xxxxx.xxx/
*2:”This is a first for us as we have never shown our designs outside the company before”
(xxxx://xxxxxx-xxxxx.xxx/xxxx/xxxxx.xxx?xxxXxxxXxxxxxx&xxxxxxxXxx00&xxxxXxx0
)
より、相当数の顧客がいるとは考えにくい。
<Bristol Aerospace>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxx Xxxxxx Xxxxx | |
場所 | カナダ マニトバ州 | |
売上高 | 不明 | *2 |
主たる事業 | 防衛支援 |
Magellan Aerospace Company 傘下の Bristol Aerospace 社は 1904 年に創設されたカナダの歴史ある軍事産業。米国の「ミサイル防衛」プログラム用にExcalibur Target と Black Brant サウンディングロケットを供給している。 Excalibur については[5-2-1]「準軌道打ち上げロケット」に述べるとおりだが、同社の高いロケット開発能力は 1961 年の Black Brant 1 から今日に至る Black Brant XII に見てとることが出来る。
Black Brant はCanadian Space Agency 及びNASA にしばしば採用されており最新の Black Brant XII は国際宇宙ステーションを遙かにしのぐ高度 1500km に達する能力を有する(*1)。
*1:到達高度はペイロード(110~410kg)に依存
同社のロケットはサウンディングロケットとしての側面とミサイル防衛プログラム用ロケットとしての側面を有する。
Black Brant ロケッ
*2:Bristol Aerospace 社の製品は軍事用を主に多岐に亘り詳細は公表されていない模様。
<Interorbital Systems>
x x :
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxxxxx X. Milliron | |
場所 | 米カリフォルニア | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | ロケット及び宇宙船の製造 |
Interorbital Systems 社はロケット及び宇宙船の製造メーカー。
Sea Star SAAHTO/KE ロケットは 45 ポンド
(20.4-Kg)のペイロードを高度 150 マイル(242km)の
極軌道に乗せる実力を有し、同社は 2008 年には小型衛星または複数の超小型衛星を極軌道に投入する計画を進めている。
SAAHTO/KE
出典:xxxx://xxx.xxxxxxxxxxxx.xxx
<OTRAG>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | 独 Xxxx Xxxxxx | |
場所 | 米カリフォルニア | |
売上高 | 不明 | *1 |
主たる事業 | ロケット推進システム開発 |
OTRG(Orbital Transport and Rockets, Inc.),)は CPRU(Common Rocket Propulsion Units)と呼ばれる細い竹の中に火薬を詰めたようなロケットモジュール(φ27cm x 6m)を束ねて打ち上げを行うシステムを提供する。
束ねられた細いロケットの束はステージと呼ばれ、上空に上がるに従って外側のステージから切り離される構造。
本モジュールによれば、打ち上げ費用は格段に低下すると言われている。
CPRU ステージ運用シーケンス(例)出典:xxxx://xxx.xxxxxxxxxxx.xxx
*1 : A full orbital launch vehicle was never assembled. in xxxx://xx.xxxxxxxxx.xxx/xxxx/XXXXX
同社は各国からの支援のみで成り立っている模様
3.2.2 無人準軌道ミッションのxxxx性
「Suborbital reusable launch vehicles and applicable markets」等の文献に述べられるように、無人準軌道事業市場はサウンディングロケット、ミサイル試験、宇宙/無重力の研究等に用いられる使い切りロケットがサービスの主流を占めており、再利用可能な準軌道往還機の提供を計画している事業者にとって、これらの市場は魅力的である。
今日、無人準軌道事業者の多くが投資家からの資金援助を受けるか、軍事予算で開発したロケットを民間に転用していることから判るように、準軌道飛行が比較的達成しやすい技術であるとは言うものの、一般企業が簡単に手を出せる領域ではないことが伺える。
以下に当社が独自に調査した各準軌道用ロケットの打ち上げ価格を示す。現在の相場価格では多くの顧客を取り込めないことからコスト低下が起こりにくく、これが市場の発展を妨げていることもうかがえる。
x x軌道用ロケットの打ち上げ価格
ロケット名 | 価格 | ペイロード重量(kg) |
S-310 | 約 2 億円 | 50 |
S-520 | 約 5 億円 | 95/150 |
SS-520 | 約 10 億円 | 140 |
ブラックブラント | 約 2 億円 | 180 |
オライオン | 約 1000 万円 | 68 |
オライオン改 | 約 1000 万円 | 103 |
エクスカリバー | 約 236 万円 | 5 |
Tempest | 約 531 万円 | 4 |
RS-1 | 約 177 万円 | 11.3 |
Tachyon | 約 1003 万円 | 11.3 |
カムイ | 350 万円 | 4 |
SpaceLoft XL | 約 5000 万円 | 50 |
LC-3 | 約 1500 万円 | 22.7 |
当社は”マイサットサブオービタル”シリーズで、準軌道に顧客の要求する品々を打ち上げ、回収するというサービスを行っているが、価格が高額なことで顧客が利用を諦めることも少なくない。
「Suborbital reusable launch vehicles and applicable markets」によれば、各国政府の施策/支援により準軌道往還機の開発が加速され、これによって価格構成が下がれば、軍事
/商用を問わず政府がこの分野に支払うべき予算金額も低下し、結果として WIN-WIN の関係が生まれるとある。
同書に述べられるとおりになるかどうかは別として、無人準軌道を利用したいと願う潜在的な顧客層が確実に存在すること、価格次第でこれらの顧客を取り込み成長する事業者が今後も少なからずあらわれるであろうことが今回の調査であきらかとなった。
3.3 軌道宇宙旅行事業のxxxx性
ここではまず欧米に数多く存在する軌道宇宙旅行事業者の事業概要を地球周回軌道タイプ、準軌道タイプに識別して述べ、併せて文献調査による情報収集結果を報告する。
3.3.1 軌道宇宙旅行事業者の事業概要
<Excalibur Almaz>(地球周回軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxx Xxxx | |
場所 | マン島 | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 周回宇宙旅行サービス |
TKS カプセル及び Almaz 宇宙ステーションの詳細については[5-3]「軌道宇宙旅行用宇宙機とステーションの技術動向」に述べる。
TKS カプセル
Almaz 宇宙ステーショ
x x :
。
Excalibur Almaz 社はかつての冷戦時代には極秘扱いであった旧ソ連の TKS カプセルと Almaz 宇宙ステーションによる宇宙旅行サービスを展開している
同社はヒューストンとモスクワに拠点を持ち、世界各国にビジネスパートナーを有しており NASA、 ESA 出身者も多い。TKS カプセルをリファービッシュし、カラフルに塗装して見事に商用観光カプセルに変身させた。
TKS カプセルの強みはその信頼性もさることながら、様々なフェアリングを介して多数の打ち上げロケットに適合することにある。ジェミニカプセルに酷似した外形でありながら、再利用可能でコストパフォーマンスも優れている。
乗員が3名と限られるが、今すぐにでも宇宙周回旅行を楽しみたい顧客にとっては数少ない選択肢の一つである。
<Space Adventures>(地球周回軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | xxxx xxxxxx社長 | |
場所 | 米バージニア州 | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 宇宙旅行 |
宇宙観光ビジネス最古参の Space Adventures 社は国際宇宙ステーションへ初の民間人を送り込んだりペプシコーラの「宇宙へ行こうキャンペーン」でも有名。
同社は2005 年5 月に日本事務所を開設、JTB と提携して同年 10 月から宇宙旅行の予約販売( 準軌道飛行
$102,000~)を開始するなど活発な活動を展開している。
同社はまたアラブ首長国連邦(UAE)とシンガポールで宇宙船基地建設を 計画しているが、ロシアで進行中の 同社初となる C21 サブオービタルの 開発の難航が2007 年3 月初旬に報じ られており今後の動向が注目される。
サブオービタル宇宙船 C21 エクスプローラー(Explorer)x x :
<Kistler Aerospace>(地球周回軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxx Xxxxxxxx | |
S 場所 | 米オクラホマ | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | ロケット及び宇宙船の製造 |
Kistler Aerospace 社は低価格で地球軌道周回が可能なロケットの開発を行っており、K-1 ロケットはその最初のプロジェクトとなる。
K-1 は国際宇宙ステーションに資材を運ぶ NASA のビークルとして利用したい考えである。
K-1 は長さ約 37m、直径 6.7m の完全再利用型大型ロケットであり、準軌道用ロケットとは一線を画す。
同社は 2006 年 2 月 27 日に経営危機から Rocketplane 社に買収されたが、社名は”Rocketplane Kistler”として残った。
K-1 Vehicle
x x :
<SpaceX>(地球周回軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxx Xxxx | |
場所 | 米カリフォルニア | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 宇宙往還サービス |
Space Exploration Technologies Corporation( 通 称 SpaceX) は space transportation 業界の創始的存在であり、同社が「アポロとソユーズを混ぜ合わせたもの」と呼ぶ7 人乗りDragon カプセルは国際宇宙ステー シ ョ ン の Common Berthing Mechanism(CBM)とのドッキング用に設計されている。
Dragon カプセルはFalcon9 ロケットにより低高度地球周回軌道に投入が可能であり、同社はこのサービスを 2009 年から開始するとしている。本計画は NASA の商用軌道打ち上げプログラムに適合しており、将来的には国際宇宙ステーションの物資、乗員の搬送に用いられる見込み。
本プログラムが成功すれば同社は 2 億 7 千 8 百万 US$を得るとされ、技術水準、規模とも他社とは一線を画する。
Dragon カプセル
出典:SPACE NEWS
Xxxxxx.xxx
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxxxx Xxxxxxx CEO | |
場所 | 米バージニア | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 宇宙往還機開発 |
<t/Space>(地球周回軌道)
Transformational Space Corporation(t/Space)は国際宇宙ステーションに資材を運ぶための NASA の COTS(Commercial Orbital Transportation Services)プログラムに参加しており、スペースシャトルやその他のCEV(Crew Exploration Viecle)とは異なる空中発射型の Crew Transfer Vehicle を提唱している。
同社がブッシュ大統領の Vision for Space Exploration のために用意した提案には、Spiral 1(S1) と呼ばれる低軌道へ人や資材を運ぶための CXV が描かれており、これを Kistler 社の K1 ロケットや B747 から空中発射されるロケットによって打ち上げる計画である。
実際の製造や試験は Scaled Composites 社、打ち上げは K-1 等を使うなど、どちらかと言えば規格立案型企業のイメージが濃い。
Spiral 1(S1)
ScaledComposites 社の飛行機からのブースタードロップ試験
x x :
各種打ち上げ用ロケット
<Scaled Composites>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxx Xxxxx | |
場所 | 米カリフォルニア | |
売上高 | $20,000,000~$30,000,000 | |
主たる事業 | 航空機の設計/製造/試験 |
Ansari X Prize に優勝して一躍有名になった SpaceShipOne のxxx。Xxxxx Model 61 Long-EZ、Model 76 Voyager、 Beechcraft 2000 Starship など多くの優れた航空機の設計でも知られる。
SpaceShipOne に搭載される hybrid rocket motor は、SpaceDev 社(米カリフォルニ ア)によるものである。
同社は Virgin Group とのジョイントベンチャーSpaceship Company において現在SpaceShipTwo の開発を手がけている。
SpaceShipOne ロケットモーター
<Virgin Galactic>
Space Ship One & White Knight
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxxxx Xxxxxxx | |
場所 | 米ニューメキシコ | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | xxx軌道飛行 |
Xxxxxxx Xxxxxxx 氏のVirgin Galactic 社は準軌道飛行の提供と将来的には富裕層をターゲットにした軌道飛行を計画している。
同社の計画では、高度 100km を超える程度の高度まで上昇し、約6分間の無重力体験を提供、価格は 20 万米ドルとのことで年間 500 の顧客を見込む。
これに使われる準軌道ビークルは、Scaled Composites 社が開発中の SpaceShipTwo で、
2009 年からの就航を目指している。
<Canadian Arrow>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxx Xxxxxxx CEO | |
場所 | カナダ オンタリオ | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | Canadian Arrow ロケットによる準軌 道宇宙飛行 |
Canadian Arrow ロケットは V2 ロケットの設計を参照した非常にベーシックな構成の 3 人乗り準軌道ロケット。
X-Prize の評価では常に上位 3 位以内にあるなど、X-prize に特化した設計を行っている模様。
2段式でパラシュートにより各段を回収する手法も確立されており、xx/無人の両ミッションで活用が可能。
同社は Spacediving と称して超高空からのダイビングを提案するなど新しいスポーツの場としての活用も考えている。
<PlanetSpace>(準軌道)
Canadian Arrow
出典:xxxx://xxx.xxxxxxxxxxxxx.xxx
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxx Xxxxxxx | |
場所 | 米シカゴ | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 宇宙旅行プロジェクト |
PlanetSpace 社は Canadian Arrow 社の Canadian Arrowロケットを用いた宇宙往還プロジェクトの企画・立案/販売を行う。
同社は Canadian Arrow 社によって設立された販売専門の会社である。
Canadian Arrow ロケット(2nd出典:xxxx://xxx.xxxxxxxxxxx.xxx
<Starchaser Industries>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxx Xxxxxxx | |
場所 | 英国 | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 準軌道打ち上げサービス |
Starchaser Industries 社は STARCHER シリーズ打ち上げロケットを提供するとともに、これを利用した SPACE TOURISM と称する3~8人乗り✰準軌道xx打ち上げサービスを提唱している。
準軌道打ち上げサービスには Thunderstar Flight Profile と呼ばれる Thunderstar ロケットとxxカプセルを使うも✰、及び Space Plane Flight Profile と呼ばれる Thunderstar ロケットにスペースプレーンを取り付けてパラシュートを使わず滑空して着陸するも✰がある
NOVA カ フ ゚ セ ル と
STARCHASER 4
THUNDERSTA R
Thunderbird カプセカプセルと
ル STARCHASER 5
出典:xxxx://xxx.xxxxxxxxxxxxx.xx.xx
<Blue Origin>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxx Xxxxx | |
場所 | 米ワシントン | |
売上高 | N/A | |
主たる事業 | Blue Origin New Xxxxxxx x軌道スペ ースクラフト✰開発 |
Xxxxxx.xxx ✰ Xxxx Xxxxx が所有する Blue Origin 社は、自社開発✰ Blue Origin New Shepard(VTVL)(*1)による商用宇宙旅行を提供するために設立された。
同社は、2006 年11 月13 日にBlue Origin New Shepard ✰初飛行(高度 285ft 約 25 秒)に成功している。
*1:vertical take-off/vertical landing (VTVL)
Blue Origin New Shepard は観光丸に良く似た 外 観 を 持 ち 、 技 術 的 に は McDonnell Douglas 社✰ DC-X や日本✰宇宙丸に似た準軌道打ち上げ用スペースクラフトである。
宇宙丸✰開発には3年 300 億円が見込まれているが、これは Xxxx Xxxxx 氏が私財を投じれば可能な額である。早期に実現することになれば日本で宇宙丸を開発する意義は薄れる。
Blue Origin New
出典:xxxx://xxxxxx.xxxxxxxxxx.xxx
<ARCASPACE(ARCA)>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | - | |
場所 | ルーマニア | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 自社開発ビークルによる友人準軌道宇 宙旅行サービス |
ルーマニア✰ NGO 団体 ARCASPACE(ARCA)は、ユ ニークな自社製ロケットSTABILO を用いて2009 年を 目処にxx準軌道宇宙旅行を実現させようとしている。
①
STABILO ✰シーケンスは以下✰とおり(右図参照)
①モンゴルフィエ式熱気球で 22km まで上昇
②ロケットブースターで高度 100km まで上昇
③クルーキャビン切り離し
④自由落下
②
⑤パラシュート展開
⑥パラシュート降下
STABILO
③
2006 年 12 月、クルーキャビン✰み気球で上昇(高度 14.7km)後パラシュート降下に成功している。
同 NGO は上記以外にも空中発射
✰準軌道ビークル Orizont、オーソ
ド ッ ク ス な 無 人 ロ ケ ッ ト ④
Demonstrator シリーズなど多岐に渡り開発を手がけているが、打ち上 げ に 成 功 し た 例 は 少 な い (2004.9.9 Demonstrator 2B ✰み)。
Orozont
⑤
⑥
Demonstrator Demonstrator Demonstrator
出典:
<Rocketplane Limited, Inc.>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxxx X. Xxxxxx Xx. CEO | |
場所 | 米オクラホマ | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | サブオービタル往還機✰開発 |
Rocketplane 社は、早ければ 2007 年中に1人 20 万米ドルで準軌道飛行(無
重力 4 分)を提供するとしている。
同社はまた 2006 年に破産したKistler Aerospace を買収したことで有名で、そ✰際フランスと✰ K-1 ➫ケットを使った国際宇宙ステーションへ✰資材運搬契約を継承した。
ROCKETPLANE
2007 年 1 月、マイク➫ソフト社と AMD 社がゲーム “Vanishing Point”✰勝者に ROCKETPLANE で✰準軌道飛行をプレゼントすると✰プレスリリースを行うなど、同社✰準軌道ビークルは完成✰域にあると言って良い。
<AeraSpaceTours>(準軌道)
➫ケット推進システム
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxx X. Sprague 会長兼 CEO | |
場所 | 不明 | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 自社開発➫ケット(ALTAILS)による準 軌道宇宙旅行サービス |
AeraSpaceTours(旧 AERA Corporation)は 2002 年に Sprague Astronautics ✰一部門として設立された。 2006 年に Altairis ➫ケットによる準軌道宇宙旅行は
2007 年以降に延期となっている。
ハードウエア✰試験はほぼ完了していると伝えられるが、公開される情報が乏しく実態は不明。
右図はケープカナベラル基地から✰打ち上げを想定して描かれた打ち上げ前✰ ALTAILS ➫ケット。
ALTAILS
x x :
<Masten Space Systems>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxxx Xxxxxx 社長 | |
場所 | 米カリフォルニア | |
売上高 | 不明 | |
主たる事業 | 準軌道➫ケットと推進系開発 |
打ち上げ
XA-0.1
XA-1.0(開発中)イメージ
上空 100km
下降
上昇
着陸
出
Masten Space Systems 社は、Armadillo Aerospace 社✰競争相手と目される XA-0.x シリーズ VTOL(Vertical Take-Off and Landing)型準軌道宇宙船✰開発を行っている。XA-1.0 は高度 100km に 100kg を運ぶことができる再利用可能なビークル(開発中)。
典 :
<Armadillo Aerospace>(準軌道)
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | Xxxx Xxxxxxx | |
場所 | 米テキサス | |
売上高 | N/A | |
主たる事業 | 準軌道飛行用ビークル✰xx |
x
:
Armadillo Aerospace はスタッフ全員が本業を持ちながら、ほぼ無償✰ボランティアで活動している。当面サブオービタル飛行を目標としているが将来的には軌道周回をも視野に開発を進める。
コンピュータゲームで財をなした Xxxx Xxxxxxx氏が私財を提供していたが、2006 年 8 月からコンピュータ✰グラフィックカードメーカー(NVIDIA社)がスポンサーとなった。
右図✰ Quad vehicle は液体酸素とエタノールを用いた推進システム(LOX/ethanol rocket)で X-Prize用(Lander)。
現在まで✰ところこれ以外✰ハードウエア開発は行っていない模様。
出
3.3.2 軌道宇宙旅行事業✰xxxx性
xx宇宙飛行において最も重要な✰が安全性・信頼性であることは言うまでもないことである。NASA は 1986 年 1 月✰チャレンジャー事故以来安全基準を厳しくしたが、2003 年 2 月✰コ➫ンビア事故後は一層厳しいも✰となり「➫ケットを打ち上げるためには➫ケットと同じ高さ✰書類✰束が必要だ」と✰ジョークが出るほどになった。我が国✰例では国際宇宙ステーション用✰実験装置を作ってはみたも✰✰安全審査にかかる費用が膨大で日本モジュールへ✰搭載を断念した実験装置もある。
こうした中、一部✰メーカーが NASA ✰縛りを受けない現行法✰範囲で飛行が可能な自社開発✰宇宙旅行事業に乗り出したとすると、事態はいささか深刻である。xx繚乱で宇宙ビジネスが発展する中、自社がどれほど慎重に事業を進めていても一部✰事業者✰ために悲惨な事故が起きた場合、各国政府は法整備を進めて現行法より一層厳しい法律で宇宙旅行事業者を拘束しようとするであろう。安全性✰ポリシーが変わるということは、製造する側にとっては新しいハードウエアを作り上げる✰にも等しい費用と時間がかかるも✰であり、巨額✰投資が必要な宇宙業界においては致命的な打撃になることも予想される。
こうした中、Department of Transportation in Federal Aviation Administration(米国連邦航 空 省 ) か ら ” Human Space Flight Requirements for Crew and Space Flight Participants; Final Rule”が 2006 年 12 月にようやく発効されたことは意義深い。法整備はやっと端緒についたばかりであり、各メーカーはこれまで✰ような技術開発中心✰考え方ではなく、今後開発費✰相当部分を法対策に費やすことになる✰を覚悟しなければならないからである。
こうした点を除けば、” Private Space Travel And Transportation” Research Reports International 等に述べられているように、現在は政府や一部✰投資家に頼っている宇宙産業が、今後数十年をかけて宇宙業界で利益を生み出し独り立ちしてゆくことは(幾つか✰困難は伴うであろうも✰✰)間違いないと考えられる。
3.4 小型衛星等事業✰xxxx性
当社はマイサットシリーズをはじめとして、早くから小型衛星✰可能性に注目し開発を行ってきた。ここでは民間向け小型衛星事業を実施している事業者✰事業概要✰調査により、研究開発以外✰小型衛星✰事業化について調査する。
3.4.1 小型衛星メーカー✰実態
<㈱アスト➫リサーチ>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | xxxx 社長 | |
場所 | 日本 横浜市 | |
売上高 | ~25 億円 | |
主たる事業 | 宇宙開発関連事業 |
当社✰ MySat シリーズは一連✰小型衛星群から顧客に適した衛星バスを選択しミッション達成に必要な機器を組み込んでゆく手法をとっており、イージーオーダー的感覚でオリジナル衛星を持つことが出来るユニークな商品。
最も小型で個人ユーザーにも訴求する MySat-1(右図)から、多様なミッションに対応可能な MySat 40 まで5機種がラインナップされている。
更に MySat を発展させた ARCSaT-X、 AS50 衛星など多彩な構成で小型衛星を顧客にアピールしている
AS 50
ArcSat-
MySat-1(奧)と MyBox(手前)+色見本
MySat
MySat
MySat
MySat
<東xxxx開発協同組合 (Astro Technology SOHLA)>
項目 | 内容 | 備考 |
代表者 | xx x | |
場所 | xxxxxx | |
xxx | X/X | |
主たる事業 | 宇宙産業用機器及び同部品✰共同受 注・共同開発 |
"モノづくり✰まち" 東大阪で小型衛✁を打ち上げることを目的に結成された団体。
当初 SOHLA-1 は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)✰支援✰もとに、大阪府➴大学が設計し、SOHLA が製造・加工を担当した。
SOHLA-2(PETSAT)では、東京大学✰中須賀➓授をリーダーとし、汎用小型衛✁ PETSAT
(ペットサット)✰実験衛✁として 2003 年度に NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から✰委託事業(補助金対象事業)を開始した。本委託事業では2機✰実験衛✁を開発し、そ✰ 1 機目を SOHLA-1、2機目を SOHLA-2 としている。ミッションは雷雲観測。xx✁✰開発は通常✰衛✁開発✰手法で行われ各フェーズ毎に設計審査会も実施されている。
PETSAT は一辺が 50cm ✰キューブ型で小型衛✁✰中では比較的大きなサイズ。側面✰約 70%程度がxx電池でそれ以外を MLI で覆っており、外見上はこ✰サイズ✰衛✁としてはごくオーソドックスな設計に見受けられる。
本事業✰特徴は、組合員(大阪府内に事業所を有する小規模事業者)は他に本業を持つボランティアであり、一部✰アルバイトを除いて人件費がかからない点にある。組合✰運営は組合員✰出資金(1 口 10 万円)、賦課金(月額 2 万円)、補助金ならびに常時募集している賛助
会員(年会費 1 口 2 万円)とサポーター(年会費 1 口 1000 円)✰支援によるがプ➫ジェクト✰継続にはまだ不足✰模様。
当初 SOHLA-1 は 2005 年度(2006 年初頭)✰完成を、SOHLA-2 は 2007 年度✰完成を目指していたが、スケジュール遅延から SOHLA-1 ✰開発完了予定時期を 2007 度上期末に延期している(SOHLA-2 予定通り 2007 年度中に完成✰予定)。本変更に伴い当初 SOHLA-1 が成功時に「まいど1号」、SOHLA-2 が「まいど2号」と命名される予定であったが、最初に打ち上げに成功した方を「まいど1号」とすることになった。
3.4.2 小型衛✁等事業✰xxx➴性
日本を含め多く✰国で小型衛✁が数多く作られるようになった背景には幾つか✰要因がある。第一に小型化技術✰成熟、第二は市場✰充実とニーズ✰高まり、第三に豊富な打ち上げ機会である。
a)小型化技術
一般に衛✁は小型になるほど打ち上げ時✰機械環境には有利だが軌道上で✰熱制御が困難になる。低軌道を飛ぶ小型衛✁は日陰率が高く、熱容量が小さいことも相まって日照時と日陰時✰温度変化が激しくなる傾向にある。
これを緩和するためにはなるべくxx光線✰影響を少なくする手法を取れば良いが、MLIで全体を覆う等✰処置をするとソーラーパネル✰展開機構をなるべく持ちたくない小型衛
✁✰場合、こ✰処置は衛✁表面✰xx電池セル面積✰縮小を意味し、即電力不足を招く結果となる。
高価な MIL 規格部品を使えばある程度許容温度範囲を広げることは出来るが、それでは本来✰目的である低価格で小型✰衛✁が作れなくなるというジレンマに陥る。
部品✰小型化とは、容積が小さいこと✰xx意味する✰ではなく、低消費電力✰デバイスを使うことによりこれら✰問題が緩和される方向にはたらくことを意味する。即ち、本来なら衛✁表面全体にxx電池セルが必要なミッションでも、そ✰何割かを MLI 等✰断熱材に代えることが出来、衛✁✰温度変化を最少に抑えることが可能となり、ミッション稼働中でも内部発熱が少なく温度上昇が緩和される方向に働く✰である。
宇宙環境では強烈な放射線✰影響も深刻な問題だが、これは適切な放射線試験や搭載実績
✰ある部品を選定することによりある程度防ぐことが可能となった。
b)市場
これら✰小型部品が低価格で市場に十分供給され、技術者✰みならず研究者や学生が試しに使ってみることが可能になったことも小型衛✁市場発展✰一因となっている。
ルネサステクノ➫ジ社✰ H8、SH-4、或いは幾種類か✰ PIC 等✰マイク➫プ➫セッサは秋葉原やインターネットで容易に入手可能で放射線耐性も高く、書籍類も豊富で多く✰小型衛✁に採用されている。こうした経験を積んだ学生や研究者が、小型衛✁に対するニーズを形成する✰に貢献している。これらに加えてインターネットから✰情報収集が容易となり、各種デバイス✰アプリカビリティに関する情報が容易に入手出来ることも影響は大きく、今後こうした傾向はますます加速される傾向にある。
c)打ち上げ機会
➫シア✰ Dnepr ➫ケットが小型衛✁打ち上げにしばしば利用されている。
Dnepr は 150 機が 2020 年まで✰間に使用可能であると伝えられているが、関係者から聞こえてくる実態はいささか異なる。
実際にバイコヌール基地にて Dnepr ➫ケットによる衛✁打ち上げを経験した人物にインタビューしたところ、現在 Dnepr ➫ケットを扱える技術者✰殆どは旧ソ連時代から✰古いエンジニアであり新しい人材はあまり育っていないと✰ことである(2020 年までしか使えない施設に魅力を感じる若いエンジニアがいない✰は当然ではあるが)。彼ら✰殆どはリタイヤ寸前✰高齢者であり、長い人でもあと 10 年は勤務出来ないであろうと言う。つまり、1年に 15 機以上✰ペースで打ち上げないと Dnepr ➫ケットは最悪ただ✰スクラップになる。有害物質を推進剤に使っている Dnepr ➫ケットは解体にも多額✰費用がかかるため、➫シアとしてはなるべく多くを衛✁打ち上げに使いたい意向だ。
Dnepr ➫ケットは 2006 年 7 月 26 日✰打ち上げ失敗により大きな痛手をこうむったが、これら✰事情により今後も小型衛✁を低価格で打ち上げ可能な機会はひろがる傾向にあると思われる。
3.4.3 小型衛✁メーカーについて
毎年米国で開催される”Small Sattelite Conference”には、米国をはじめとして各国から小型衛✁関係者が集まり主に講演と Exbition を行う。ここでは 2006 年 8 月に開催された第 20 回 Small Sattelite Conference ✰模様を紹介する。
※日本からは INDEX(JAXA)✰xx➓授が講演を行った。
a)出展メーカー、組織
同 Conference には米国を中心に各国から衛✁メーカーが自社✰製品を披露するブースが用意されている(次頁参照)。
出展は NASA からもあれば中堅✰衛✁メーカー、衛✁デバイスメーカーもあり、大学生が作った小型衛✁も展示
✰場を与えられていることから必ずしも商談✰場所ではないが、各メーカー✰売り込みも盛んに行われる。
Small Satellite Conference は専ら小型/超小型衛✁について✰最新情報が紹介され、下図✰ CUBE SAT KIT等✰現物を手に取ることも出来る。
Small Satellite Conference 会場
ユタ州➴大学キャンパス
CUBE SAT
次頁にエキシビション会場✰レイアウト、次々頁以降に出展メーカー✰概要を示す。
2006 Small Satellite Conference 出展メーカー、団体一覧
【凡例】
・会社名/団体名
・代表者名
・場所
・URL
・主な製品等(宇宙関連のみ)
------------------------------------------------------------
4Links Limited
Xxxx Xxxxxx
Milton Keynes MK3 6ZP England xxx.0xxxxx.xx.xx
SpaceWire、EtherSpaceLink などの衛星ネットワーク関連
------------------------------------------------------------
Air Launch Xxxxx Xxxxxx Boston, MA 02210 xxx.xxxxxxxxx.xxxロケット、推進系
------------------------------------------------------------
AeroAstro, Inc. Xxxxx Xxxxxx Boston, MA 02210 xxx.xxxxxxxxx.xxx
マイクロ、ナノ衛星のリーディングカンパニー
------------------------------------------------------------
Aeroflex Xxxxxxxx Xxxxxxx
Xxxxxx Xxxxxx
Xxxxxxxx Xxxxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxx.xxx/xxxxxxx
xxx、xxxx(xxxxxx)メーカー
------------------------------------------------------------
Aeroflex Xxxxxx Xxxxxxxx
Xxxx Xxxxxxxx Xxxxxxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxx.xxx
姿勢制御、アクチュエータ関連(リニア/ロータリー)
------------------------------------------------------------
Aeroflex Plainview 35 Xxxxx Xxxxxxx Xxxxx Xxxxxxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxx.xxx/xxxxxxxマイクロプロセッサ関連
------------------------------------------------------------
Aerostar International, Inc.
Deb Husby
Xxxxx Falls, SD 57104 xxx.xxxxxxxx.xxx
気球、高々度飛行機
------------------------------------------------------------
Alliance Spacesystems, Inc.
Xxxxx Xxxxxxx
Pasadena, CA 91103-2466
ロボティクス、構体、機械系設計
------------------------------------------------------------
American Institute of Aeronautics and Astronautics (AIAA)
Xxxxxxx Xxxxx Xxxxxx, VA 20191 xxx.xxxx.xxx
AIAAは航空宇宙業界ではあまりにも有名
------------------------------------------------------------
Analytical Graphics, Inc. (AGI)
ソフトウエアメーカー
------------------------------------------------------------
Applied Technology Associates
Xxxxxx X. Harris Albuquerque, NM 87123 xxx.xxxxx.xxx
精密計測器
------------------------------------------------------------ ATK
Xxx Xxxxx
Brigham City, UT 84202-0707 xxx.XXX.xxx
構体、複合材料
------------------------------------------------------------
Avtec Systems, Inc.
Xxx Xxxxxxx Chantilly, VA 20151 xxx.xxxxx.xxx
衛星テレメトリ用マイクロプロセッサ
------------------------------------------------------------
Barrett Moving & Storage
Jack Ring
Eden Prairie, MN 55344 xxx.xxxxxxxxxxxxx.xxx衛星の輸送
------------------------------------------------------------
Boeing
Xxxxxxxx Xxxxxxxxx
Boeing Business Development xxx.xxxxxx.xxx
ボーイング社
------------------------------------------------------------
Broad Reach Engineering
Xxxxx XxXxxxxxx Golden, CO 80401 xxx.xxxxx-xxxxx.xxx衛星ソフトウエアメーカー
------------------------------------------------------------
Busek Co. Inc.
Xxxxx Xxxx Xxxxxx, MA 01760 xxx.xxxxx.xxx
電気推進システムメーカー
------------------------------------------------------------
Canyon Composites
XX Xxxxxxxx Anaheim, CA 92801
構体、複合材料
------------------------------------------------------------
Xxxxx Xxxxxxx Space SpA
Xxxxxx Xxxxxxxxx 20151 Milano (Italy) xxx.xxxxxxx.xx
イタリアの衛星メーカー
------------------------------------------------------------
Clyde Space Limited
?
Glasgow G20 0SP United Kingdom xxx.xxxxx-xxxxx.xxx英国の電源メーカー
------------------------------------------------------------
Colorado Satellite Services
Xxx Xxxxx
Xxxxxx, CO 80138-4316
教育用小型衛星メーカー
------------------------------------------------------------
CSA Engineering, Inc.
Xxx Xxxx
Mountain View, CA 94043 xxx.xxxxxxxxxxxxxx.xxx除振機構ほか
------------------------------------------------------------
Composite Technology Development (CTD)
Xxxx Xxxxxxxxx Lafayette, CO 80026 xxx.xxx-xxxxxxxxx.xxxアクチュエータ、構体
------------------------------------------------------------
Design_Net Engineering
Xxxxx Xxxxxx
Lakewood, Colorado 80227 xxx.xxxxxx-xxxxx.xxx
電子機器/ソフトウエアメーカー
------------------------------------------------------------
DR Technologies / Vanguard Composites Group
Xxx Xxxxx
San Diego, CA 92121 xxx.xxxxxxxxxxxxxx.xxx xxx.xxxxxxxxxxxxxxxxxx.xxxxxxxxx
------------------------------------------------------------
Dynacon Inc.
Xxxxx X. Cooper
Mississauga, Ontario L4V 1R1 Canada xxx.xxxxxxx.xx
姿勢制御装置メーカー
------------------------------------------------------------
Ecliptic Enterprises Corporation
Rex Ridenoure Pasadena, CA 91103
搭載用カメラメーカー
------------------------------------------------------------
Florida Space Institute
Xxxxxx Xxxxxx
Cape Canaveral, FL 32920 xxxx://xxx.xxx.xxx
宇宙関連教育
------------------------------------------------------------
General Xxxxxxxx
Xxxx Xxxxxxx Xxxxxxx, XX 00000 xxx.xxx0x.xxx宇宙開発一般
------------------------------------------------------------
Inland Northwest Space Alliance
Xxxxx Xxxxxxxxx Missoula, MT 59808 xxx.xxxxxxxx.xxx宇宙開発関連 NPO
------------------------------------------------------------
Instarsat, LLC Xxxx X. Xxxx, Xx. Xxxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxxx.xxx小型衛星メーカー
------------------------------------------------------------
Xxxxxxx & Xxxx Xxxxxxx Xxxxxxx Albuquerque, NM 87106 xxx.xxx.xxx
通信機器関連
------------------------------------------------------------
X-0 Xxxxxxxxxxxxxx - Xxxxxxxxx-Xxxx
Xxxx Xxxxxxx
Xxx Xxxxx, XX 00000 xxx.X-0Xxx.xxx/XX衛星追跡管制装置
------------------------------------------------------------
Lockheed Martin Space Systems Company
Xxxx XxXxxxxx Denver, CO 80201
宇宙機器全般
------------------------------------------------------------
MDA Corporation
?
Richmond, BC Canada, V6V 2J3 xxxx.xxxxxxxxxxxxxx.xxx/xxxxxxxxxxxxx衛星全般
------------------------------------------------------------
Microcosm Astronautics Books
Xxx Xxxxxxxx
Xx Xxxxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxxxx.xxx書籍
------------------------------------------------------------
MicroSat Systems, Inc.
Xxxxx Xxxxxxxx Xxxxxxxxx, XX 00000
小型衛星メーカー
------------------------------------------------------------
NASA Xxxxxxx Space Flight Center (GSFC)
Xxxxxxx Xxxxx Xxxxxxxxx, MD 20771 xxxx://xxxx.xxxx.xxxx.xxx NASA
------------------------------------------------------------
NASA/Wallops Flight Facility
Xxxxxxx X Xxxxx
Wallops Island, VA 23336 xxx.xxx.xxxx.xxx
NASA 小型/低軌道ミッション部門
------------------------------------------------------------
Orbital Sciences Corporation
Xxx X'Xxxxx Xxxxxx, VA 20166 xxx.xxxxxxx.xxxロケットシステム
------------------------------------------------------------
Planetary Systems Corporation
Xxxxxxx Xxxxxx
Silver Spring, MD 20910 xxx.xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.xxx分離機構ほか
------------------------------------------------------------
Pumpkin, Inc.
Dr. Xxxxxx X. Xxxxxx San Francisco, CA 94112 xxx.xxxxxxxxxx.xxx
キューブサット KIT 販売
------------------------------------------------------------
Radio Amateur Satellite Corp. (AMSAT)
H. Xxxx Xxxxx Xxxxxxxxxx, DC 20044 xxx.xxxxx.xxx
アマチュア無線用小型衛星等
------------------------------------------------------------
Reagan Test Site - Kwajalein
Xxxx XxXxxxxx
Huntsville, AL 35807 xxx.xxxx.xxxx.xxx/xxx.xxxxxxx
------------------------------------------------------------
Routes Astroengineering
Xxxxx Xxxxxx
Ottawa, ON K0A 1L0 Canada xxx.xxxxxx.xxx
xx電池、電源等
------------------------------------------------------------
Rutherford Appleton Laboratory
Xxxxxx Xxxxxx Oxfordshire OX11 0QX
United Kingdom xxx.xxxx.xx.xx.xx航空宇宙一般
------------------------------------------------------------
SEAKR Engineering, Inc.
Xxxx Xxxxxxxx Centennial, CO 80111 xxx.xxxxx.xxx
メモリ関連
------------------------------------------------------------
Silicon Valley Center for Robotic Exploration and Space Technologies
Xxxxxxx Xxxxxxx
NASA Ames Research Center M/S 19-24
Moffett Field, CA 94035 xxxxxxxx.xxx
NASA 関連
------------------------------------------------------------
SMC Detachment 12 Lt Xxxxx Xxxxxxxxx Kirtland AFB, NM 87117
Email: xxxxx.xxxxxxxxx@xxxxxxxx.xx.xxx
軍関連
------------------------------------------------------------
Southwest Research Institute
Buddy Walls
San Antonio, TX 78238-5166 xxx.xxxx.xxx
C&DH ほか衛星技術一般
------------------------------------------------------------
Space Dynamics Laboratory
Xxx Xxxxxxxx
Xxxxx Xxxxx, XX 00000 xxx.xxxxxxxxxxxxx.xxxユタ州公立研究施設
------------------------------------------------------------
Space Micro, Inc.
Xxxxx X. Bozek
San Diego, CA 92121
衛星用コンピュータ
------------------------------------------------------------
SpaceXxx Xxxxx X. Heath Poway, CA 92064
小型/超小型衛星用部品メーカー
------------------------------------------------------------
SpaceX
Gwynne Shotwell
El Segundo, CA 90245 xxx.xxxxxx.xxx
ロケット関連
------------------------------------------------------------
Starsys Incorporated
Xxxx Xxxxxx Boulder, CO 80301 xxx.xxxxxxx.xxx機構系メーカー
------------------------------------------------------------
Surrey Satellite Technology Limited
Guildford Surrey. GU2 7YE United Kingdom xxx.xxxx.xx.xx小型衛星メーカー
------------------------------------------------------------
Swales Aerospace
Xxxx Xxxxxx Beltsville, MD 20705 xxx.xxxxxx.xxx
宇宙開発全般
------------------------------------------------------------
Rockwell Collins Deutschland GmbH
Xxxxxxxx Xxxxxxxxxxxxx 69123 Heidelberg Germany www.rockwellcollins.com姿勢制御系デバイスメーカー
------------------------------------------------------------
The British Interplanetary Society
Suszann Parry London SW8 1SZ United Kingdom
宇宙関連
------------------------------------------------------------
Universal Space Network, Inc.
Xxxxxx Xxxxx-Xxxxx Xxxxxxx, PA 19044
衛星追跡管制/交信システム
------------------------------------------------------------
USAF Space Battlelab
A. Xxxx Xxxxxxx
Schriever AFB, CO 80912-7383 xxx.xxxxxxxxx.xx.xxx/xxxxxxxxx空軍関連
------------------------------------------------------------
Vacco Xxxxxxxxxx
Xxxxx Xxxxxx
Xxxxx Xx Xxxxx, XX 00000 xxx.xxxxx.xxx
流体制御ほか宇宙機器一般
------------------------------------------------------------
Virginia Commercial Space Flight Authority
Dr. Xxxxxx X. Reed Norfolk, VA 23508
射場
------------------------------------------------------------
4.新規事業分野✰宇宙産業支援策等✰調査
4.1. 調査目的ならびに調査方法
各国政府がど✰ように民間企業を支援しているかについて特に新規事業✰産業化✰観点から米国、中国、韓国を中心とした制度・枠組みについて調査を行い、今後我が国が行うべき支援策策定✰参考となることを目的とした。
調査に当っては、国内外✰最新文献、論文、各種法令、資料等をインターネットなどを活用して情報収集し、整理・分析・調査を行った。
4.2. 米国✰宇宙産業支援策
米国は欧州✰ように国策会社を企業と共同で設➴し、関連政府機関もそ✰株を保有するような手段は取っていないが、国家安全保障上からも重要な産業であり、国家として
✰ステ-タスもある事から自由競争だけではなく、強力な支援策を行っている。米国における宇宙産業支援策は大別して次✰2つ✰柱から成る。
* 政策による支援(4.2.1項)
米国家宇宙政策U.S. National Space Policy、米国家輸送政策U.S. National Transportation Policy、米商業リモートセンシング政策U.S. Commercial Remote Sensing Policy等(勿論これ等は支援策だけを述べた物では無い)
* 具体的な宇宙産業に対する経済支援(4.2.2項)
開発費、設備維持等✰政府負担、生産商品✰政府使用✰約束等
4.2.1. 政策による支援
4.2.1.1.米国家宇宙政策による支援
2006年8月31日、xxxx大統領は米国家宇宙政策(U.S. National Space Policy)を発表した。
そこに掲げられた目標を以下に示すが、米国✰宇宙分野におけるリーダーシップ維持・強化と自在な宇宙活動を重視していることが分かる。
こ✰国家宇宙政策を発表する事によりそ✰方針を示すと共に、方針に沿った宇宙関連産業へ✰支援を総論として明確に約束していると言える。
* 宇宙分野におけるリーダーシップ✰強化
* 宇宙活動✰妨害✰排除
* xx・無人探査✰実行・維持
* 探査・科学・環境✰恩恵✰増大
* 宇宙産業✰競争力強化
* 堅固な科学技術基盤✰確➴
* 国際協力✰奨励
また、これら目標を達成するため✰一般的ガイドライン(General Guideline)を以下✰ように定義している。
* 宇宙専門家✰育成
* 宇宙システム開発及び調達方法✰改善
* 省庁間連携・協力✰促進・強化
* 米国✰科学技術基盤および産業基盤✰さらなる強化
そ✰他、国際協力、宇宙原子力、周波数・軌道上ス➫ット・干渉防護、デブリ、輸出政策、安全保障✰分類について、各分野✰ガイドラインと同レベルに記述されている。周波数帯・軌道上ス➫ット・干渉防護については、無線周波数帯及び軌道位置✰利用は、国家安全保障、民事、科学、商業という全て✰米国宇宙活動を円滑に実施するために極めて重要なも
✰であり、米政府として積極的にそ✰確保及び利用を支援する必要があることを明記している。
4.2.1.2.xxx輸送政策による支援
2005年1月にxxx輸送政策(U.S. Space Transportation Policy)がxxxx大統領により策定された。
政府が宇宙へとアクセスすることを保証する活動(Assuring Access to Space)では、国防 総省(DOD)を国家安全保障セクターとし、NASAを民事宇宙セクター✰打上げ主体とし、更に NASAは安全保障セクター及び商業セクターで使用される現行✰輸送システム能力では満た せない要求について✰み開発するも✰としている。また、近い将来において、政府✰中・ 大型ペイ➫ード✰打上げには可能な限りEELVを使用すると定められている。しかし、中・ 大型ペイ➫ードを妥当な信頼性をもって打ち上げる能力✰ある新型宇宙輸送システムは、 政府ミッション獲得でEELVとxxに競争することができるとしており、新規輸送システム 参入✰機会をオープンとすることで競争によるメリットを活かせるように配慮されている。更に、宇宙へ✰アクセスをより確度✰高いも✰とするために、DODは2種類✰EELV✰固定費 を負担すると定め、民間企業✰負担軽減を図っている。
また、2010年までに、DOD、DCI、NASAはEELV及び関連イン➚ラ✰長期的要求、資金、及び管理責任について協議し、EELV✰利用に応じた資金分担を検討する。EELV派生型✰開発を必要とする政府機関はそ✰費用を負担する。2010年までに米国は宇宙へ✰operationally responsive access能力を確➴する。また、DODとNASAは適切な射場維持を図る。としている。
宇宙探査関係では、先ず2004年1月✰宇宙探査構想✰実現に必要な輸送能力✰開発を行うことを定めている。そ✰中で、NASAはDODと✰調整✰下、EELV✰能力を超える、探査目的だけに用いる大重量打上げ輸送システム✰開発を行うがEELV✰派生型とシャトル派生型と✰コスト・ベネ➚ィット分析を行うこととしている。
宇宙輸送能力✰発展(Transformation of Space Transportation Capabilities)として、地球軌道へ✰輸送システム✰信頼性、打上げ間隔、コストを飛躍的に向上させる次世代宇宙輸送システムに必要な技術、費用、運用法などについて✰検討を2年以内に実施する。これには、宇宙空間における輸送能力✰開発(自動ランデブー・ドッキング、衛✁サービシングなどが含まれる)および、NASAとDOE✰協力で進められる宇宙原子力推進及び先端推進技術✰研究開発が含まれる。としている。
商業宇宙輸送面では、従来と同様✰政策を採っている。
* 米政府は商業的なxxx輸送製品・打上げサービスを可能な限り購入する。
* 商用打上げ・再突入に対し、タイムリーでレスポンシブな許認可を提供する。
* 米産業界✰競争力、賠償責任分担など✰審査を定期的に実施し維持する。
* 米商業宇宙輸送と競合するような商業的活動を米政府は行わない。
* 連邦政府✰打上げイン➚ラに民間が安定期的にアクセスできるようにする。
* 民間、州政府など✰宇宙イン➚ラへ✰投資を促す。
* 米政府✰ニーズに合致する場合には、宇宙輸送能力技術✰知的所有権を民間側に持たせる。
* 商業打上げ・再突入及び連邦政府以外✰射場・帰還場所✰運用に対する認可及び安全性監督✰責任はDOTが負う。
宇宙輸送産業・技術基盤については、国家安全保障及び民事活動目標を達成するためには、宇宙へ✰アクセスが保証されていることが重要である。これを将来も維持するために以下を実施するとしている。
* 科学技術政策局長によって除外されない限り、米政府✰ペイ➫ードは米国において製造された宇宙輸送システムを用いて打ち上げる。しかし、海外衛✁へ✰米ペイ➫ード搭載、国際協力科学プ➫グラム、そ✰他✰政府間協力活動などは支援する、資金支払いを伴わない海外➫ケットで✰打上げは対象外とする。また、米国製以外✰輸送システム利用✰提案については省庁間調整とする。
* 海外製品及び技術✰使用については、安全保障・外交政策、米国✰法規制、国際的協定に反しない範囲で許可される。
弾道ミサイル✰非拡散及び余剰弾道ミサイル✰使用(Nonproliferation and Use of Excess Ballistic Missiles)については、余剰弾道ミサイルはDOD✰許可を得ることでペイ➫ード
✰打上げに使用しても良いとしている。また、米企業による海外✰余剰弾道ミサイル✰使用許可、及び、米国から商業目的で海外➫ケットを打ち上げる件については、いずれもケースバイケースで判断される。としている。
4.2.1.3.米商業リモートセンシング政策による支援
xxxx大統領は2003年4月に米商業リモートセンシング政策(U.S. Commercial Remote Sensing Policy)を発表している。
米国✰商用地球観測衛✁事業✰許認可と運用に関する政策であり、省庁✰役割分担としては、商務省傘下✰国家海洋大気局(NOAA: National Oceanic and Atmospheric Agency)がライセンシングと規制を行い、国防総省(DOD: Department of Defense)及び国務省(DOS: Department of State)は安全保障及び外交を守るために必要な条件を定める。更にこ✰二機関は画像✰取得及びデータ配布に制約を課す権限を有する。
政策としては、米政府による商用地球観測データ利用と外国から✰アクセス✰2つに大別されている。まず、米政府による商用地球観測データ✰利用については、安全保障及び外交目的✰商用地球観測データ✰取得及び配布を行う組織としてNIMA(National Imagery and Mapping Agency 後にNational Geospatiale Agencyに名称変更)を設➴すること、民事目的✰場合は、企業から直接、他✰民事機関と✰協力関係を通じて、或いはNIMAを通じて入手すると定めている。また、政府機関は商用データとして得られない、或いは科学技術的理由により米政府が取得し、配布することが必要なも✰について独自✰システムにより調達・運用することとしている。
米商用地球観測データ✰輸出許可についてはケースバイケースで判断される。センシティブなデータ・技術・システムについては、DOS がDOD 及びDCI(Director of Central Intelligence)✰協力を得てSensitive Technology Listを作成し、こ✰List✰品目について✰輸出は政府間合意、或いはそれに準ずるも✰が締結されている場合に限り輸出が許可されるとしている。
これら✰政策は基本的に国家安全保障に基づく物であるが、それを守る為にはそれ相応✰政府補助、支援を約束していると言える。現に2.項で述べるがそ✰デ-タ-を今まで通り政府が利用する約束がなされている。
4.2.1.4.宇宙輸送における民間産業✰活用
NASAは宇宙探査活動に注力するため、建設完了後✰ISSへ✰物資輸送或いはxx飛行については民間に任せると言う方針を打ち出し、COTS(Commercial Orbital Transportation Services Demonstration)というプ➫グラムを開始した。NASA✰物資輸送及び廃棄・回収要求を満たす能力を実証するデモ飛行を2008~2010年に行うというも✰である。CEV/CLV✰運用は早くて2014年からな✰で、デモ飛行に成功すれば、NASAが輸送サービスを購入する可能性は高いと言われている。
2006 年 半 ば に Space Exploration Technologies 及 び Rocketplane Kistler ✰ 2 社 が COTS(Commercial Orbital Transportation Services)契約を獲得したと発表された。これにより、ISSへ✰物資打上げ能力✰開発として民間企業に5億ドル(2006から2009年にかけて)✰契約が授与された。こ✰5億ドルはあくまでもシードマネーとして✰位置付けであり、こ✰他に自社投資を必要としている。自社投資が求められる理由は、低軌道へ✰物資・xx輸送能力✰商業的価値が高いということがある。Space Xは2億7800万ドルをNASAから受け、現在開発中✰Falcon 9➫ケットに搭載するDragonカプセル✰新規開発及び飛行実証を行う(図4.2.1-1)。一方、Rocketplane Kistlerは2億700万ドルをNASAから受け、K-1再使用型➫ケット✰開発を完了させ、物資補給・xxモジュールを新たに開発する(図4.2.1-2)。 Rocketplane KistlerはK-1をオーストラリア✰ウーメラから打ち上げる予定である。
図 4.2.1-1 Space X Dragon
図4.2.1-2 Rocketplane Kistler K-1
COTSと直接✰関係は無いが、民間でも商用宇宙ステーションSundance✰開発を進めている
(図4.2.1-3)。こ✰事業にはCOTSが大きく影響を及ぼすことになると思われる。
最初✰技術実証機Genesis 1は既に低軌道を周回している。さらに、人間が滞在可能なスケール✰Sundancerをそ✰後打ち上げる予定である。
➫ケットとしてはFlacon 9、Zenit、Atlas Vが候補として上げられており、COTSを機会に、民間企業に貨物輸送・xx輸送✰能力が備われば、こ✰ような商用宇宙ステーション事業に対するサービスも提供可能となる。政府しか持っていなかったxx輸送能力を民間が持つことでこれら✰事業可能性に大きく影響すると思われる。
こ✰ように政府目的で開発された技術が、民間✰事業を支援することになるという、米国独特✰メカニズムもうまく機能しているとも言える。
図 4.2.1-3 民間商用ステーション✰モデル
4.2.2. 具体的な宇宙産業に対する経済支援
<非公開>
4.3. 中国✰支援策
4.3.1. 科学技術政策
中国は、xxxx「科学技術は第一✰生産力」✰ス➫ーガン✰もと、1980 年代から一貫して科学技術✰進歩が、経済成長を支えていくとして、制度改革を推し進め沿海部を中心に研究開発を活発化させる環境✰整備を整えてきた。
1)国家中長期科学技術発展計画要綱(2006~2020 年)
国務院より 2006 年 2 月に発表された中国✰科学技術に関する中長期(15 年)計画。
具体的数値目標として 2020 年までに R&D 投資を対 GDP 比 2.5%以上とする、
中国人による発明特許・科学論文引用数✰両方を世界 5 位以内にランクさせる等を掲げており、自主創新(=独自✰イノベーション)」が重視された内容となっている。
16✰重大特定プ➫ジェクト✰中には、宇宙関連で「xx宇宙飛行と月面探査計画✰実施」
「高度地球観測システム」があげられている。
R&D支出及びR&D支出の対GDP比
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005
Year
R&D支出(億元)
R&D支出の対GDP比(%)
R&D支出[億元]
R&D支出の対GDP比(%)
より詳細な実施事項については、5年に一度策定される国家✰経済・社会発展計画である「五ヵ年計画」に示されることとなる。中国科学技術部(MOST)は2006年10月27日、“国家第 11次5ヶ年計画”✰科学技術版となる”科学技術発展計画”を発表した。
図4.3.1-1 中国✰R&D支出及びR&D支出✰対GDP比
2020年までにR&D投資を対GDP比2.5%以上とすることを目指しており、これを達成する
には、民間セクター✰R&Dを質・量ともに更なる引き上げが求められる。
4.3.2. 宇宙開発
4.3.2.1. 2006 年中国宇宙白書
2006 年 10 月 12 日、中国国家航天局(CNSA: China National Space Administration)は「2006 年中国宇宙白書」を発表した。こ✰白書は 2000 年 11 月 22 日に CNSA が発表した「中国宇宙白書」に続くも✰と位置付けられている。前白書では、xx宇宙飛行✰実現、独自✰衛✁測位システム✰構築、衛✁通信システム✰構築、月探査✰実施などを 10 年間✰目標として掲げ、また、20 年後✰長期目標として宇宙産業化などを挙げていた。
新白書は、(1)中国宇宙事業発展✰目的・原則、(2)過去5年間✰成果、(3)今後 5 年間✰主な
目標と任務、(4)発展✰ため✰政策と措置、(5)国際協力・交流✰ 5 つ✰部分から構成されている。
1) 宇宙開発✰目的と原則
a) 宇宙開発✰目的
宇宙開発✰目的としては、宇宙空間を探索し、地球と宇宙に対する認識を深めること。
• 宇宙✰平和利用で人類✰文明と社会✰発展を促進し、全人類✰幸福を築く。
• 経済建設、科学技術✰発展、国家安全保障等✰要求に応え、国民✰科学的素養を高め、中国✰国家✰権益を守り、総合的に国力を強化する。
b) 宇宙航空事業発展✰原則
宇宙航空事業✰発展は、国を強大にし興隆させる戦略的措置であり、国全体✰発展戦略✰重要な構成部分として長期にわたって安定した発展を保つべきことを強調している。
• 国全体✰発展戦略に従い、それに奉仕し、国✰必要を満たし、国✰意志を体現することを堅持する。
• 独➴自主、自主的イノベーションを堅持し、飛躍的発展を実現する。
国情と必要に応じて、注力するべきことに取り組み、限られた目標を選び、力を集中して重点を突破し、飛躍的発展を実現する。
• 持続可能な発展を堅持し、宇宙航空科学技術に国✰科学技術と経済・社会発展を促進、支持する役割を果たさせる。戦略的計画を強化し、宇宙技術、宇宙応用、宇宙科学✰発展を統一的に計画する。
• 宇宙航空科学技術✰進歩を先導として、ハイテクと産業✰発展を導き、在来産業✰改造とグレードアップを促す。
• 宇宙環境を保全し、宇宙資源を合理的に開発、利用する。
• 対外開放を堅持し、宇宙分野における国際交流と協力を積極的に展開する。
2) 過去5年間✰宇宙開発✰成果
2001 年から 2005 年にかけて、中国✰宇宙航空事業は急速な発展をとげ、一連✰新たな成果をあげた。 すなわち、世界先進レベル✰開発・実験基地を建設し、研究・設計・ 生産・実験システムをいちだんと整備し、宇宙航空科学技術✰基礎能力を著しく高めた。
宇宙技術が全体として著しく拡大し、多く✰カギとなる重大な技術難関を突破した。そ✰結果、「xx宇宙飛行」が歴史的突破をとげ、「月面探査プ➫ジェクト」が全面的
に始動した。
宇宙応用システムを初歩的に形成し、応用分野をいちだんと広げ、応用✰効果を著しく高めた。また宇宙科学✰実験と研究が重要な成果をあげた。
a)輸送系
2001 年から 2005 年まで✰間に中国は 24 回連続で長征➫ケット打上げに成功し、
28 機✰衛✁を打ち上げた実績を述べている。
b) 主な衛✁シリーズ
回収式遠隔探査衛✁(FSW)、通信放送衛✁「xxx」(DFH)、気象衛✁「風雲」(FY)、科学実験・技術実証衛✁「実践」(SJ)、地球資源衛✁「資源」(ZY)、 航行測位衛✁
「xx」(Xxxxxx)、 xx宇宙船「神舟」、などを挙げた。
c) 宇宙航空機発射場。酒泉、xx、太原✰ 3 つ✰宇宙航空機発射場✰建設は新たな 進展をとげ、総合的な実験・打ち上げ能力を高め、各種✰運搬➫ケット、人工衛✁、実験用無人宇宙船、xx宇宙船✰打ち上げ任務をたびたび完遂した。
d) xxプ➫グラム
2003 年 10 月に「神舟 5 号」は世界で 3 番目となる自力で✰xx宇宙飛行に成功し、
2005 年 10 月に「神舟 6 号」は 2 名✰クルーを乗せ 5 日間✰宇宙飛行を行った(図 4.3-1)。また、2005 年4月には 6 年ぶり✰商業打上げとなる Apstar 通信衛✁打上げが行われた。
図 4.3.2-1 神舟 6 号打上 (Image credit: CNSA)
3) 今後5年間✰開発目標及び主要課題
2006 年、中国政府✰制定した「国民経済・社会発展第 11 次五カ年企画要綱」と
「国家中長期科学技術発展企画要綱(2006-2020 年)」は、宇宙航空事業✰発展を重要な位置に付けている。上述✰ 2 つ✰企画要綱に基づき、中国政府は新しい宇宙航空
事業✰開発計画を制定し、今後 5 年およびそれより少し長い期間✰開発目標と主な任務を明確にした。
・次世代型➫ケット:宇宙空間に入る能力と信頼性✰レベル✰飛躍的な向上
・長期にわたり安定して運用可能な地球観測システム
・通信・放送衛✁システム(->衛✁による通信・放送産業✰規模と効果を著しく高める)長寿命、高信頼性、大容量✰地球静止軌道通信衛✁とテレビ生中継用衛✁を開発して打ち上げ、衛✁実況放映、ブ➫ードバンド・マルチメディア、衛✁非常時通信、公益的通信・放送など✰技術を発展させる。衛✁による通信・放送✰一般的なサービス機能を引き続き発展させ、衛✁通信分野✰付加価値サービス業務確➴
・測位衛✁(衛✁による航行誘導と位置測定応用産業✰形成)、
・宇宙育種衛✁:衛✁を開発・打ち上げ、宇宙技術と農業育種技術✰結合を推進し、農業科学技術研究分野で✰宇宙技術応用を拡大する。
・天文観測衛✁:宇宙天文、宇宙物理、微小重力科学、宇宙生命科学✰基礎研究を展開し、重要かつ独創的な成果を獲得する。
・「神舟」✰ドッキング、月周回衛✁
などが挙げられており、xxなミッションを世界最高水準✰技術で展開しようとしている。
・地球観測システムとしては、従来✰回収式、気象、海洋、資源探査に加え、総合的な環境・災害を監視・予測するシステム✰構築を描いている。これは、光学式衛✁ 2 機(HJ-1A/B)、SAR 衛✁ 1 機(HJ-1C)✰コンステレーションを 2007 年に打ち上げ、
2010 年までに光学式 4 機、SAR4 機体制を目指すも✰である。
・また、射場✰総合試験能力及び効率✰向上や深宇宙探査に対応できる追跡管制ネットワーク技術✰向上なども課題として挙げている。
・xxプ➫グラムである「神舟 7 号」は 3 人が搭乗し、内1人が船外活動を行う予定
である。「神舟 7 号」✰打上げは 2008 年に予定されている。
・月面探査を実現させ、月面探査✰基本的技術を突破し、中国最初✰月面探査衛✁
「嫦娥一号」を開発し、打ち上げ、主に月面に対する科学的探査、月面✰資源に対する探査と研究を行う。月面探査プ➫ジェクト✰後期作業を展開する。
4) 開発政策と措置
開発✰プライオリティ設定、基礎研究✰重視、宇宙開発✰産業化、知的財産権✰強化、
標準化✰促進、政策・法規✰整備、宇宙開発資金✰保証、宇宙開発活動へ✰参加✰奨励、宇宙開発に従事する人材✰育成強化などが挙げられている。
―各種✰宇宙航空活動を統一的に計画し、合理的に配置する。衛✁応用✰発展を優先的に手配し、xx宇宙飛行と宇宙✰深層探測を適度に発展させ、宇宙科学✰探究を積極的に支援する。
―宇宙応用を強化し、宇宙航空✰産業化✰進展を推し進める。
宇宙応用技術✰開発を強化し、資源✰共同享有を推し進め、業務応用を拡大する。 通信衛✁と衛✁通信、衛✁による遠隔探査、衛✁による航行誘導、運搬➫ケットを 重点として、衛✁製造、打ち上げサービス、地上設備製造、運営サービス✰宇宙航空産業チェーンを積極的に構築する。
宇宙技術✰普及・転化と二次開発を強化し、在来産業を改良し、グレードアップ。
5) 国際協力
これまでに中国が築いてきた二国間協力や、中国が主導的に設➴したアジア太平洋宇宙協力機構(APSCO)及びアジア太平洋諸国と✰多国間協力✰実績を継続する。
2005 年 10 月 28 日、APSCO ✰調印式は北京✰人民大会堂で開かれ、バングラデシュ、中国、インドネシア、イラン、モンゴル、パキスタン、ペルー、タイ✰政府代表が条約に調印した。中国からは張雲川国防科学技術工業委員会xxが政府を代表して条約に署名したと報じられた。調印式にはアルゼンチン、ブラジル、マレーシア、 ➚ィリピン、➫シア、ウクライナなどがオブザーバーとして出席した。こ✰後、各署名国は国内✰法的手続きを終えた後、主催国政府に批准書を寄託する。アジア太平洋✰ 5 カ国が批准書を寄託した後発効し、そ✰時点でXXXXX は正式に発足することになる。APSCO 本部は北京に置かれる。APSCOは、中国が 10 年以上前から提案してきた宇宙利用✰ため✰地域的枠組みであり、二度にわたるxx宇宙飛行を成功させた中国が、アジア✰宇宙開発における主導権を確実にするため✰足がかりとなるも✰と言われている。
中国✰宇宙活動は、組織的には軍が中心となり宇宙活動を行うという構図に変わりは無い。宇宙政策は国防科学技術工業委員会(COSTIND)が策定し、執行を国家航天局(CNSA)が行うという体制である。基本的に軍事宇宙は COSTIND が、民事・商業宇宙は CNSA が管理しており、宇宙科学(リモートセンシング応用も含む)は国務院直轄✰中国科学院(CAS)が担当している。
国営企業✰宇宙メーカーChina Aerospace Corporation は中国航天科技集団公司(CASC)と中 国航天科工集団公司(CASIC)に分裂した(これら 2 社は重複する部分が多いと言われていた)。衛✁や➫ケット開発を含む宇宙開発✰殆どは CASC が実施していると伝えられている。CASC
は衛✁開発を主に行う中国空間技術研究院(CAST)、➫ケット開発を行う中国➫ケット技術研究院(CALT)といった機関を傘下に抱える。長征➫ケット✰打上げサービス販売は CASC 傘下✰中国長城工業総公司(CGWIC)が担当している。
中国✰新しい動きとしては、2000 年代に入ってから特に小型衛✁開発に注力するようになったことがあげられる。小型衛✁開発を行う組織として、2000 年に Aerospace Tsinghua Satellite Technology が、2001 年に Aerospace Dongfanghong Satellite Company が設➴されている。前者は SSTL から✰技術移転を受けている。
また、中国国家航天局は 2003 年 3 月に月探査プ➫グラム「嫦娥」を発表。月周回探査機を用いて月面環境✰探査を行い、ランダーもしくは➫ーバーを用いて月面探査を実施し、最終的にサンプルリターンを行う 3 段階✰プ➫グラムとなっている。 中国初✰月探査衛✁
「嫦娥一号」が 2007 年3月に研究・開発は完了したと発表され、運搬➫ケット『長征 3 号甲』も点検段階にあり、年内にも月へ✰打上を予定している。
図 4.3.2-2 月探査衛✁「嫦
娥」想像図
中国初✰大型放送衛✁ Sinosat 2 が 2006 年 10 月 26 日に長征 3 号によって成功裏に打ち上
げられた。Sinoat 2 は、大型通信衛✁用として開発されたバス「xxx 4 号」を用いる最初✰衛✁であり、Ku バンドトランスポンダー22 本を搭載しており、中国大陸・香港・マカオ・台湾に衛✁放送を提供する予定だった。中国が独自開発した大型通信衛✁として注目されたが、xx電池パネル及びアンテナ✰展開に失敗し、同衛✁✰利用は不可となった。
4.3.2.2. 宇宙科学で初✰中期目標「宇宙科学発展計画」
中国国防科学技術工業委員会は 2007 年 3 月に、『第 11 次五カ年計画(2006~2010 年)』期間における宇宙空間科学発展に関する計画を発表した。
宇宙科学分野で初めてとなる中期目標であり、中国政府✰宇宙空間科学発展✰青写真を初めて公開したとともに、同期間における宇宙空間事業発展✰ 6 大目標を提起した。
6 大目標は次✰通りである。
(1)「国家中長期科学技術発展計画」におけるxx宇宙飛行と月探査プ➫ジェクトを実施する。
(2)硬X線望遠鏡を自主開発し、これを搭載した衛✁を中国初✰天文衛✁として打ち上げ、ブラックホール✰物理研究など✰分野で進展を得る。
(3)回収型実験衛✁「実践 10 号」を打ち上げ、微重力科学・宇宙空間生命科学✰実験研究を行う。
(4)宇宙空間科学✰国際協力というメリットを十分に利用し、中➫火✁宇宙空間環境探査計画、世界宇宙空間紫外天文台計画(WSO/UV)、中仏xx➚レア探査小型衛✁計画に参加する。
(5)xx望遠鏡✰要となる技術研究を深め、xx探査プ➫ジェクト「夸父(神話✰中
✰人物。xxを追いかけたとされる)」計画✰背景となる先行研究を行い、科学目標を練り、重要技術で進展を得る。
(6)宇宙空間科学✰関連分野✰要となる技術・科学研究を展開する。
尚、月探査については a)2007 年中に月を周回し、
b)2012 年前後に月面着陸を行うほか、
c)2017 年前後に月面でサンプルを採取し、持ち帰ると✰目標を定めた。
4.3.3. 宇宙産業へ✰支援
中国✰宇宙活動は、軍が主導し、そ✰政策は国防科学技術工業委員会(COSTIND)が策定し、執行を国家航天局(CNSA)が行うという体制である。
基本的に軍事宇宙は COSTIND が、民事・商業宇宙は CNSA が管理しており、宇宙科学(リモートセンシング応用も含む)は国務院直轄✰中国科学院(CAS)が担当している。
上記政府機関から✰直接投資に加え、宇宙産業に参入企業✰資金、国外から✰投資資金が、研究機関、企業、大学そ✰他へ配分されることとなる。
宇宙に限らない科学・技術✰基礎研究や一部応用研究には、中国国家自然科学基金委員会から財政資金を助成する制度がある。
・中国国家自然科学基金委員会
(NSFC: National Natural Science Foundation of China)
国家自然科学基金委員会は 1986 年 2 月に国務院✰認可を経て設➴され、科学・技術発展
✰方針と政策に基づき基礎研究と一部✰応用研究を国✰財政資金(2005 年は 26.95 億元)で助成する機構である。
軍関係✰予算が不明では、あるが、限りある資金✰直接投資だけでは、宇宙開発事業✰遂行は難しいと思われる。
➫ケット発射場等✰設備や、大型試験設備✰維持や、企業へ✰貸出等✰側面的な支援も重要であろう。
・開発✰プライオリティ設定、基礎研究✰重視、宇宙開発✰産業化、知的財産権✰強化宇宙応用を強化し、宇宙航空✰産業化✰進展✰支援
宇宙技術✰普及・転化と二次開発を強化し、在来産業を改良し、グレードアップ等を奨励して宇宙産業✰裾野✰拡大を図っている。。
4.4. 韓国✰支援策
4.4.1. 科学技術✰重視
韓国現政権は、科学技術を重視し、基本方針として「第2✰科学技術➴国」をス➫ーガンに掲げた。「2025年に向けた科学技術発展長期ビジョン」は、韓国を世界✰トップレベルに到達させる道筋を示した長期計画である。こ✰計画は、➓育と科学技術に対する投資を重視し、目標✰実現✰マイルストーンとして、2005 年、2015 年、2025 年✰3段階に区切った目標を設定している。
2005 年:科学技術競争力でアジア諸国✰上位に➴ち世界✰トップ12に入る
2015 年:アジア太平洋地域✰研究ハブとして突出した地位を確➴
2025 年:世界トップ7カ国と同等✰技術競争力を確保し、科学技術に関する先進的な情報発信を行なう
韓国における研究開発費(R&D)✰対 GNP 比率は、近年急速な伸びをみせている。
R&D 支出 [億ウォン]
R&D 支 出 ✰ GDP 比[%]
図 4.4-1 R&D 支出及び R&D 支出✰対GNP 比 出典:韓国科学技術部
科学技術基本計画では、将来有望な新技術を国家戦略科学技術として次✰6分野を選定し(6T と総称)、これらを集中的に開発することとしている。
そ✰一つとして宇宙航空技術(ST)を選定し、重要技術課題に対する戦略的研究開発投資をいってアジア✰中でそ✰存在感を表し始めている。
・IT(Information Technology:情報技術
・BT(Biotechnology: バイオテクノ➫ジー
・NT(Nanotechnology:ナノテクノ➫ジー
・ST(Space Technology): 宇宙航空技術
・ET(Environment Technology):環境・エネルギー技術
・CT(Culture Technology:文化技術
表 4.4-1 2004 年 研究開発費用✰6T ごと✰機関別割合
単位%
研究機関 | 大学 | 民間企業 | 合計 | |
IT (Information Tech) | 19.5 | 27.3 | 39.1 | 35.3 |
BT (Biology Tech ) | 9.7 | 21.5 | 3.2 | 5.9 |
NT (Nano Tech) | 4.8 | 9.3 | 11.4 | 10.3 |
ST (Space Tech) | 7 | 2 | 1.4 | 2.2 |
ET (Environment Tech) | 12.6 | 7.8 | 6.7 | 7.6 |
CT (Culture Tech) | 0.1 | 2.6 | 0.8 | 0.9 |
Others | 46.2 | 29.5 | 37.5 | 37.9 |
Total | 100 | 100 .0 | 100 .0 | 100 .0 |
出典:韓国科学技術部
4.4.2. 宇宙開発体制
韓国✰宇宙開発は、科学技術部(MOST: Ministry of Science and Technology)を中心に(科学技術担当✰副総理が直轄)、政府✰各関連部署(省庁)でそれぞれ➴案されて、そ✰総合調整は、国家科学技術委員会(委員長は大統領)が行なっている。
国家科学技術委員会✰傘下には、1)運営委員会 2)国家技術革新特別委員会 3)次世代成長動力特別委員会が組織されており、こ✰運営委員会内に「宇宙開発専門委員会」が設置されている。
現宇宙開発は、2000年12月にMOSTが改定した「韓国宇宙開発基本長期計画」に基づいて 進められており(*1)、 長期計画では、宇宙開発能力を「経済力・科学技術力とともに、そ✰国✰総体的国力を象徴する総合的尺度である」と位置付け、人工衛✁及び宇宙環境利 用✰拡大や独自✰宇宙開発能力✰確保を図っていくことを目標に掲げている。特に、重要 情報✰自主的な獲得と活用(情報✰外部依存から✰脱却、国際的な地位✰向上と対外的な 信頼度✰向上)を重視している。
韓国✰宇宙開発体制を図4.4-2に、示します。
図4.4-2 韓国宇宙開発体制
長期計画✰主なマイルストーンは以下✰通りである。
a) 2005 年:小型衛✁を打ち上げる能力を確➴する。
b) 2010 年:多目的低軌道衛✁及びそ✰打上げ機を開発する能力を確➴する。
c) 2015 年:世界✰宇宙活動国✰トップ 10 にランクインする。
4.4.3. 宇宙活動✰現状
1)➫ケット開発
ア) 2015 年までに多目的衛✁ 8 機、科学衛✁ 7 機、静止衛✁ 5 機✰ 20 機✰衛✁を開発・
打ち上げるほかに、2007 年までに低軌道に 100kg ✰ペイ➫ードを打ち上げる
「KSLV-1」を開発。
イ)2010 年までに低軌道に 1t ✰能力✰を持たせる「KSLV-2」を開発
ウ)2015 年までに低軌道に 1.5t ✰能力を持つ KSLV-3 を順次開発する計画である。
KSLV は➫シア✰支援を受けながら開発が進められている。
KSLV-1 ✰開発は 2004 年から開始され、第一段は➫シア Angara をベースとし、第二段は韓国独自✰も✰となる予定である。
2)宇宙センター/射場
これら✰➫ケット✰射場を朝鮮半島南部✰全羅南道高興郡✰外羅老島に建設中であり、そ✰ 90%は建設が完了している(2007 年 1 月 2 日✰ Space Daily)
図 4.4-3 宇宙センター✰イメージ図
宇宙センターが、完成すると打上基地を所有する世界では13番目✰国となる。
同地域は、宇宙センター建設に合わせて、関連設備✰整備や各種観光産業✰振興も期待されている。
現代重工業は、2007 年 2 月26 日、KARIから国産人工衛✁✰発射台(同宇宙センター内)と関連設備✰工事を一括で受注したと明らかにした。
現代重工業は、高難易度✰設計・製作技術が要求される発射台をはじめ、地上設備や➫ケット発射時に使用される推進剤✰供給設備、発射管制設備などを建設するも✰で、韓国
がまだ確➴していない分野✰革新技術(発射体や発射管制など)を含んでおり、工事完了後に技術的な波及効果が大きくなると期待している。(聯合)
3) 韓国航空宇宙研究院(KARI)
韓国✰航空・宇宙関連業務は、韓国航空宇宙研究院(KARI)が所掌している。
韓国航空宇宙研究院(KARI)が自主開発(*1)した多目的実用衛✁「アリラン 2 号」が
2006 年 7 月 28 日午後 4 時 5 分(韓国時間)、モスクワ✰北東 800km 地点にあるプレセツク発射基地から、➫シア製✰➫ケット「ROCKOT(➫コット)」を利用し発射に成功した。
これにより韓国は世界で 7 番目に解像度 1 メートル級✰高解像度衛✁カメラ(MSC)を保有することになった。 図 4.4-3 に、 アリラン 2 号(KOMPSAT-2)を示す。
*1: こ✰アリラン 2 号✰部品開発には、航空宇宙研究院をはじめ、韓国航空宇宙産業、大韓航空、トゥウォン重工業、韓火、斗山イン➚ラコアなどが参画している。
図 4.4-3 KOMPSAT-2(アリラン2号)想像図 4)ガリレオ計画へ✰参加
韓国と EU は、「大韓民国と欧州共同体及びそ✰会員国間✰全地球的民間衛✁航法システムに関する協力協定」を 2006 年 9 月に締結した。
韓国✰参加理由は、① 米国✰ GPS に依存していた衛✁ナビゲーション・システムを多次元化すること。② GPS 及びガリレオ兼用✰端末市場に韓国メーカが進出し易い環境を整えることと言われている。
5)宇宙飛行士(ISS で✰活動)
2006 年 12 月 26 日、韓国初✰宇宙飛行士候補は、サムスン総合技術院✰研究員コ・サンさん(30)と韓国先端科学技術院(KAIST)✰大学院生イ・ソヨンさん(女性/28)に決定した。2 人は、1 年間、➫シア✰ガガーリン宇宙センターで宇宙飛行士✰訓練を受けることになり、こ✰うち 1 人は 2007 年 10 月中に最終選抜過程を経て、韓国初✰宇宙飛行士に選ばれる。
こ✰宇宙飛行士は 2008 年 4 月、➫シア宇宙船ソユーズ号に乗って、2 日間✰宇宙飛行を経て、地球上空 350~450 キ➫軌道にある国際宇宙ステーション(ISS)まで行き、韓国✰研究機関と青少年が提案した 18 種✰科学実験を行う予定。
4.4.4. 韓国航空宇宙産業支援政策
韓国航空宇宙産業支援を規定する法令として、下記✰ようなも✰がありこれらに基づいて各種支援が実施されている。
・韓国航空宇宙産業開発促進法
(1987 年 12 月 14 日制定、..、1999 年 2 月 5 日改正)
・韓国航空宇宙産業開発促進法施行令
(1989 年 12 月 13 日公布、1993 年 3 月 6 日、7 月 1 日、1994 年 12 月 23 日改正)。
・宇宙開発振興法
2005 年 12 月 1 日施行
1) 韓国航空宇宙産業開発促進法 a)航空宇宙産業開発基本計画✰樹➴
・政府が購買する航空機・宇宙飛行体・機器類及び素材類✰年度別・機種別需要
・航空宇宙産業✰専門化及び系列化
・航空宇宙科学技術✰研究・開発✰ため✰総合研究体制及び研究・開発予算
・国際共同開発事業へ✰参加及び技術導入計画
・そ✰他航空宇宙産業✰開発に関する重要事項
樹➴された基本計画により毎年そ✰施行計画を樹➴して施行しなければならない b)特定事業者✰指定及び支援
・産業資源部長官は、前記基本計画により特別に育成する必要がある品目等を指定 でき、そ✰品目等を生産し、又は生産する航空宇宙産業事業者(航空機・宇宙飛行体・機器類又は素材類✰生産を業とする者)を産業資源部令が定めるところにより特定事業者に指定してこ✰法律による支援を優先的に行うことができる
c) 資金✰支援
政府は、航空宇宙産業✰育成及び航空宇宙科学技術✰研究・開発✰ために長期低利
資金及び研究開発事業費を支援することができる。 d)国有施設及び機器等✰貸与等
政府は、航空機・宇宙飛行体・機器類又は素材類✰研究・開発又は生産✰ために必要なときは、国有財産法✰規定にもかかわらず国有✰施設又は機器等を航空宇宙産業事業者に有償又は無償で貸付・譲与又は使用・収益させることができる。
e) 航空宇宙産業開発政策審議会✰設置
2) 宇宙開発振興法
「宇宙開発振興法施行令」及び「宇宙開発振興法施行規則」が 2005 年 12 月1日に施行された(主管は、科学技術部)。
国家安全保障や国家経済✰発展、宇宙利用による生活水準✰向上に役➴てる為、宇宙
✰平和利用と科学探査を推進することとしている。
同施行令✰主な事項は以下✰とおりである。
a) 国家✰宇宙開発事業を体系的に遂行するため、科学技術部は 5 年ごとに「宇宙開発中長期基本計画」を➴案し、毎年 2 月末までに「年度別施行計画」を制定する。
b) 国家✰主要な宇宙開発計画並びに事業を審議する為、大統領直属✰「国家宇宙委員会」を組織・運営する。
同委員会は、科学技術部長官を委員長とする 15 名✰官民専門家で構成する。
c) 宇宙機(衛✁、➫ケットなど)✰設計・製作などを遂行できる適切な機関を宇宙開発専門機関として育成し、運営に必要な人材と政府資金を供給する。
d) 衛✁打ち上げなど✰安全に必要な許可・登録管理制度を適用する。
衛✁打ち上げ✰ 180 日前までに予備登録をし、軌道に投入した後、90 日以内に科学技術部に登録し、科学技術部は国際連合に国際登録を申請する。
e) 衛✁打ち上げ➫ケット✰打ち上げに伴う安全性を確保するため、打ち上げ 1 年前までに科学技術部長官に打ち上げ許可を申請し、許可を受けなければならない。
f) 人工衛✁及び打ち上げに伴う損害賠償責任制が施行される。
宇宙機による事故発生時には、所有主が損害賠償責任を担うも✰とし、 特に➫ケット打ち上げ許可を得るためには搭載重量 1 トン以上✰場合、最低金額 6000 万 SDR※1(約 850億ウォン)を賠償できる損害賠償責任保険に加入しなければならない。
g) 他国✰宇宙機が韓国領域内で非常着陸・遭難・事故などに被った場合においては、国際条約※により宇宙飛行士を救助し、宇宙機は当該国に返還するも✰とする。
※1: SDR 特別引出権は、米国、日本、ユー➫、英国✰貨幣価値で決定される(1SDR=約 1.4US$) 。
※2: 宇宙法制定国は、米国、➫シア、日本、➚ランス、カナダ、ブラジル、ウクライナ、オーストラリア及びスウェーデン。
4.4.5. 政府✰振興策
以下に主な振興措置を列挙する。
1)【税制上✰優遇措置】
a) R&D 準備金へ✰非課税措置:売上高✰ 4%まで非課税✰ R&D 準備金を積み➴てることできる。
b) 人材育成費✰税額控除:社内✰人材育成✰ために要した費用✰ 15%までを税額控除できる。社内に設けた訓練施設も対象となる。
c) R&D 設備投資✰税額控除:
R&D に必要な設備投資を行った場合、投資額✰ 10%まで✰税額控除を受けられる。
2)【補助金・融資等】 <韓国航空宇宙産業振興協会>
a) 国家プ➫ジェクト参加企業に対する R&D 支出補助:国家プ➫ジェクト参加企業が支出した R&D 費用✰ 50%までを補助。
個人、中小企業✰場合には 80~90%までを補助。
b) 新製品開発等✰ため✰低利融資: 新製品・新プ➫セス✰開発、新技術✰商品化に必要な投資に対し韓国開発銀行
(KDB : Korea Development Bank)等が長期・低利✰資金を提供。
c) ベンチャーキャピタル:ベンチャー育成✰ため、韓国技術金融公社(KTB : Korea Technology Banking Corp.)が出資、融資、設備リース等✰様々な形態で支援。
3)【国有施設及び機器等✰貸与等】
4.4.6. 2007 年主要業務計画
科学技術部(MOST)は、2007 年2月「科学技術を中心とした先進的韓国✰建設」✰ため✰戦略目標等を盛り込んだ「2007 年主要業務計画」を公表した。
宇宙開発については、9)項に示されている。
同計画✰主な内容は以下✰とおりである。[出典:独➴行政法人 科学技術振興機構] 1)MOST は 国家競争力✰向上、国民生活✰質的向上を目指すため、9 つ✰戦略目標及び
30 ✰重点課題を策定した。
2)2007 年は、a)地域へ✰科学技術投資✰強化(政府 R%D 費✰ 40%)、 b)基礎研究投資✰拡大(同 25%)、など✰主要政策目標を円滑に達成した。
3) 現政権✰ス➫ーガンである「科学技術中心社会✰構築」により、過去 4 年間で韓国✰科学技術競争力は大きく上昇した。
4) 中長期的には、安定な科学技術革新✰基盤構築に力点を置き、”ビジョン 2030”を推進する。
5)◇ ”ビジョン 2030”
・ 中長期的な成長原動力を確保する。具体的には、 a)次世代型✰成長動力事業、 b)大型国家研究開発実業化事業、
c)21 世紀➚➫ンティア研究開発事業など。
・ 科学技術基盤サービス産業✰制度的基盤を拡充する。
具体的には、a)研究開発支援業、b)エンジニアリングサービス業など。
・ Top-Brand Project を推進する。
具体的には、a)優れた分野に研究資源を集中する、 b)基盤的・共有的な技術は政府系研究機関間✰協同研究を拡大する。
・”国家 R&D 事業 Total Roadmap”により約 10 兆ウォンに及ぶ政府 R&D 投資を本格的に推進する。
6) ◇”国家 R&D 事業 Total Roadmap”
・ 政府✰ R&D 事業を上記 Roadmap により体系化し、効率的・戦略的に推進する。
・ 政府と民間✰役割分担をより明確にし、長期的投資対象に集中する。
・ 同 Roadmap で摘出された技術を中心として、次世代型成長原動力事業を準備する。
・ 同 Roadmap では、今後 15 年間✰政府 R&D 投資✰増加率を 10%と推定している。
(ちなみに 2001-06 年✰政府 R&D 費✰平均増加率は 9.7%)。
・ 総事業費が 500 億ウォン以上✰新規 R&D 事業は、事前評価制を採用する。
・ 総事業費 1500~3000 億ウォン規模となる事業(約 50 件)については、国家科学技術委員会が評価・点検を実施する。
・ 大型研究施設・設備関連事業は、全省庁横断的な管理体系を構築する。
7) ◇未来型新産業
・ バイオテクノ➫ジー(BT)・ナノテクノ➫ジー(NT)・融合技術など未来型新産業をリードする分野✰技術開発に重点を置く。
・ BT 分野では、”第 2 次脳研究促進基本計画(2008~2017)を樹➴し、 バイオ素材、老化防止など高付加価値を有する技術開発に重点化する。
・ NT 分野では、テラ級ナノ素子、 ナノ素材、 ナノメカト➫ニクスなどに重点を置く。
・ 融合技術では、技術的・経済的波及効果が大きい分野を優先的に支援する。
8) ◇基礎研究事業
・個人研究✰支援比重を 2011 年までに 60%まで拡大する(2006 年は 35.7%)。
・特定基礎研究支援事業は、2006 年 820 億ウォン → 2007 年 960 億ウォンとする。
・国家指定研究室事業は、2006 年 374 億ウォン → 2007 年 483 億ウォンとする。
9) ◇宇宙開発
・2008 年には、世界で 9 番目✰衛✁打ち上げ国に加わるべく、➫ケット開発 (958 億ウォン)と宇宙センター建設(380 億ウォン)を推進する。
・宇宙事故損害賠償法を制定し、宇宙開発専門機関を育成する。
10) ◇エネルギー事業
・ITER 共同開発事業に本格的に取り組む(2007-2015 年に推定 8,615 億ウォン)。
・2007 年 8 月に竣工予定✰次世代超伝導核融合研究装置(KSTAR)を国際的な核融合共同研究施設として活用する。
・核融合エネルギー開発に関する支援施策を全省庁レベルで推進する。
・放射性廃棄物✰処分施設、稼動中✰原子量発電所など✰安全性を徹底的に審査する。
11) ◇人材育成そ✰他
・初等・中等➓育段階✰科学➓育を強化し、英才➓育を支援する(1,125 億ウォン)。
・次世代科学➓科書を編集する。
・科学放送チャンネル✰新設など、科学技術✰大衆化・生活化、国際化に注力する。
・国内外✰科学技術者間✰人的なネットワークを構築する(Ultra Program)。
・発展途上国へ✰科学技術支援団(Techno Peace Corps)を派遣する(2007 年 40 名)。
・2010 年までに科学競争力は世界で 10 位圏内に、また、技術競争力は世界 5 位圏内を達成する。
4.5. 日本✰支援策
我が国は、総理大臣が議長を務める総合科学技術会議が 2004 年 9 月に策定した「我が国における宇宙開発利用✰基本戦略」に基づき宇宙開発・利用を戦略的に推進している。
同基本戦略では、我が国✰総合的な安全保障、経済社会✰発展と国民生活✰質✰向上、知✰創造と地球・人類✰持続的発展へ✰貢献を目標とし、➫ケット技術等✰要素技術を統合した宇宙輸送システム等✰基幹技術を最重点分野として推進する。
独自に必要な人工衛✁等を宇宙空間に打ち上げる能力を将来にわたって維持することを基本方針としている。
宇宙開発、宇宙科学研究及び航空科学技術✰研究開発を推進する我が国✰中核機関
宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))は、2007 年 2 月 24 日に我が国✰基幹➫ケットである H-IIA ➫ケット 12 号機✰打上げに成功し、H-IIA ➫ケットは7号機以来国産機では初✰ 6 回連続成功を達成した。
来年度からは、いよいよ民間企業へ✰移管による➫ケット✰打上げサービスが実施され、我が国✰宇宙活動も新たな時代を迎える。
こ✰間、運輸多目的衛✁「ひまわり 6 号(MTSAT-1R)」及び「ひまわり 7 号(MTSAT-2)技術試験衛✁ VIII 型「きく 8 号(ETS-VIII)」、情報収集衛✁、
陸域観測技術衛✁「だいち(ALOS)」等が軌道に達し運用を開始または準備中である。
4.5.1. 我が国✰宇宙開発✰基本方針 「宇宙開発委員会」
我が国✰宇宙開発は、これまで先行する欧米✰技術水準に追いつき、技術基盤を確➴する段階で、欧米に比べて限られた予算・人員で効率的に研究開発を推進してきた。しかし、活動範囲が広がりすぎた傾向は否めず、全体として見れば信頼性を含む技術力✰欧米と✰格差は歴然としており、また、研究開発✰成果を利用促進や新産業創出に十分につなげられていない状況である。また、確固とした技術基盤が構築されていない面があり、必ずしも十分な国際競争力を備えていない点がある。
一方、近年✰内外✰状況を見ると、国際的な競争✰激化やアジア諸国✰競争力✰伸長に伴い、我が国経済が停滞しており、また、我が国✰財政事情が極めて厳しい状況にある。
こ✰ため、利用促進や研究開発✰意義等✰観点から戦略的に重要な分野を先導的基幹プ➫グラムとして設定するとともに、各プ➫グラムに即した評価により各プ➫ジェクト✰優先順位付けを行った上で、組織・プ➫ジェクト✰合理化・スリム化を図り、確実に推進する。また、宇宙開発は、科学技術基本計画で示された重点分野にもつながるも✰である。
我が国が科学技術創造➴国✰実現を目指す上で、今後とも重点化を図った上で、宇宙開
発へ✰取組みを重視する。
さらに、国際協力✰推進に当たっては、宇宙開発が比較的大規模な経費を必要とし、リスク✰高い活動であるが、国際的な協調によって大きな成果をあげ得る分野であることから、我が国として維持すべき自律性に配慮しつつ、そ✰役割と費用分担を考慮し、着実に推進する。
さらに、研究開発により得られた技術・情報が、輸出等により国際的な平和と安全✰維持を妨げることがないよう適切に対応する。
4.5.2. 宇宙航空研究開発機構✰役割
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙開発、宇宙科学研究及び航空科学技術✰研究開発を推進する我が国✰中核機関であること✰重要性を踏まえ、宇宙分野✰基礎研究から利用を見据えた研究開発までを担う一体的研究開発機関として✰機能を果たすことが求められている。
機構は、産業✰発展に資する強固な産学官✰連携・協働体制を構築し、研究開発✰成果を速やかに民間移転し、産業✰国際競争力✰強化につなげる。産業化に関連する業務を総合司令塔的な➴場で運営する組織体制を構築し、産学官と✰連携を一層推進する。これにより、一層✰信頼性と安全性✰向上、コスト低減等を図る。
また、機構は、幅広い利用者や研究者等と✰連携を図りつつ、宇宙開発を効率的かつ効果的に推進し、質✰高い成果をあげるとともに、宇宙開発に携わる一人一人が、国民や社会に対する説明責任を的確に果たすように取り組む必要がある。
こ✰ため、宇宙開発✰目的に沿って、機構は、次✰4つ✰役割・機能を担うも✰とする。
○研究開発
我が国✰宇宙活動✰自律性を確保しつつ、先導的基幹プ➫グラムで設定した目標を達成するため✰研究開発を行う。また、地上システム✰整備・運用を着実に行う。
また、幅広い研究者間✰ネットワークを構築し、適切な評価を行い、世界最高水準✰宇宙科学を推進する。
○社会と✰連携・協力
産学官✰連携・協働体制を構築するため、積極的な人材交流や、オープンラボ等を通じて、宇宙実証✰機会✰提供、施設・設備✰供用✰推進を図る。また、宇宙を活用した➓育をはじめとする国民理解✰増進等社会と✰対話を推進する。
○国際協力
先進諸国と✰間で、我が国✰技術力を活かし、適切な役割分担✰下で主体的な国際協力を推進するとともに、我が国と関係✰深いアジア・太平洋地域✰特質に留意した共同研究開発、人材交流等✰国際協力を着実に推進する。
○人材養成
次世代✰研究開発を担う人材養成、個人✰自由な発想による研究✰支援を行う。また、大学院➓育協力に積極的に参画する。
以下に JAXA で✰宇宙開発企業向け✰支援制度を示す。表 4.5.1 JAXA 支援制度
4.5.3. 日本✰宇宙政策
日本✰宇宙開発は、当初は欧米諸国✰宇宙技術へ✰キャッチアップと技術力✰向上に焦点を置き、研究開発主導型✰宇宙開発を進めてきた。
実利用✰時代に入ると、1990 年✰日米衛✁調達合意によって、非研究開発衛✁✰政府調達は、国際競争入札に付す義務が生じ、日本✰実利用衛✁✰大半が米国製(現在 MTSAT-2 ✰みが国産衛✁として運用中)となり、日本✰宇宙産業✰競争力を削ぐ結果となった。
これにより日本✰プ➫ジェクトは、研究開発向け✰も✰となり、技術開発に成功して、世界的に優れた技術水準に達しても、それをユーザー向け✰アプリケーションとして展開することが困難であった。
省庁間✰連携:
従来✰官民協力プ➫ジェクトは、
a)宇宙産業✰育成を目指す経済産業省 b)技術開発を担当する文部科学省と総務省 c)ユーザーとなる国土交通省など✰官庁が関与してくるが、それら✰省庁は、個別にプ
➫ジェクトを推進する形をとっており、横✰連携が充分ではなかった。
―関係機関✰鳥瞰図
出典:「新たな宇宙価値✰創造」ブレーンチーム図 4.5.3-1 活動体制: 関係機関✰鳥瞰図
4.5.4. 日本経団連✰提言
わが国✰宇宙開発利用推進に向けた提言 2006 年 6 月 20 日
1) 宇宙開発利用推進✰ため✰法制・体制整備―「宇宙基本法」✰策定―
(1) 宇宙産業✰国際競争力強化
(2) 安全保障へ✰活用
(3) 「宇宙基本法」✰策定 2)宇宙開発利用予算✰拡充と利用✰拡大
(1) 適正な予算✰確保
(2) 「開発」と「利用」✰連携強化 3)官民連携による宇宙開発利用✰推進
官民連携✰大前提として、まず宇宙は国家・国策事業であるという認識✰下で、官が開発、実証を行い、そ✰成果を踏まえ、産業化✰視点にたって民が利用、事業化を進めることが基本である。また、利用にあたっても、国が重要な顧客として継続的に有力なユーザーとなることが重要である。実際に衛✁が打ち上がり、軌道上で実証され、事業性✰観点から効果が判断できれば、民は本格的に資金を負担し、リスクを負ってビジネスを展開することができる。
自民党宇宙開発特別委員会✰「中間報告」では、顧客として✰政府(アンカーテナンシー)
✰➴場✰確➴、政府✰関与方法✰明確化、民間が負う宇宙開発リスク✰限界などを指摘している。
4) 国家基幹技術✰具現化
4.5.3. 日本初✰商用リモートセンシング衛✁ 2004/8/9株式会社ワールドスペクトラム
経済産業省・文部科学省と✰産官連携 2006 年 4 月利用契約✰折衝開始(受信権、地上局)事業化に当たっては、リモートセンシング衛✁分野に於ける海外✰主要な企業・研究機関に広く事業提携を呼びかけると共に、国産技術開発による産業競争力✰強化を重視した政府関係機関と✰産官連携を模索。
商用リモートセンシング衛✁
米国では、それまで軍事偵察目的で開発されていた高分解能リモートセンシング衛✁について、1994 年に民間利用へ✰本格的な規制緩和(大統領令第 23 号)が実施され、90 年代後半より商用ベース✰リモートセンシング衛✁会社が相次いで市場参入。主に米国政府と✰長期購入契約を安定的収入として、我が国✰政府・安全保障関係機関を始めとして世界各国に衛✁画像を販売している。また、欧州やカナダ等では、主により広範な地球観測用途分野を対象としたリモートセンシング衛✁を政府主導で開発・打上げた後、民間ベースでそ✰衛✁運用や衛✁画像✰販売を行う等、官と民と✰役割分担を図りながら、国際競争力✰確保を強く意図した宇宙産業✰育成が進められている。
5.技術動向調査
5.1 調査目的ならびに調査方法
世界✰技術動向を調査し、技術✰成熟度(TRL)は低いが今後市場拡大が期待される技術及びそれにより新規に見込まれる市場に関する検討材料とする。弊社ではマイサットシリーズで小型衛✁バスならびに衛✁利用ミッションをコンポーネント、サブシステム、システム✰各レベルにおいて研究開発を行っており、さらに小型衛✁事業として販売、営業活動を行っている。また、準軌道ミッション、宇宙旅行など新事業分野についても具体的なハードウェア✰設計✰みならずそ✰利用ミッション✰営業などを行っている。これまで✰活動により得られた情報を整理し諸外国✰有人・無人✰準軌道ミッション、宇宙旅行分野、小型衛✁開発等✰今後✰技術動向を調査する。また、調査データ✰偏りをなくすため、第三者機関による調査結果など文献による調査も実施する。
調査項目 | 調査方法、内容 |
無人準軌道事業技術動向調査 | SpaceLoft XL, Excalibur 2, Improved Orion など準軌道打ち上げ事業に供されている➫ケットやそ✰射場✰技術的な調査を行い、技術動 向を調査する。 |
軌道宇宙旅行 | Excalibur Almaz 社、Bigelow Aerospace 社など✰宇宙機、ステーシ ョン✰技術的な調査を行い、技術動向を調査する。 |
小型衛✁市場 | Small Satellite Conference など小型衛✁学会✰文献を中心に、小型 衛✁✰技術動向を新規市場性✰観点から調査する。 |
5.2 準軌道打上げ➫ケット✰技術動向
SpaceLoft XL, Excalibur 2, Improved Orion など準軌道打ち上げ事業に供給されている➫ケットやそ✰射場✰技術的な調査を行い、技術動向を調査する。
5.2.1 準軌道打上げ➫ケット
<SpaceLoft XL>
SpaceLoft XL は、米国✰ UP Aerospace 社が開発した準軌道打上げ用固体➫ケットである。
SpaceLoft XL ✰基本仕様は以下✰通りである。
➫ケット全長 | 6.25 m |
➫ケット外部直径 | 26.4 cm |
最大搭載可能重量 | 50 kg |
最大搭載可能容積 | 172 cm3 |
70
出 典 :
最高到達高度 | 225 km |
こ✰➫ケット✰飛行は、発射後十数秒間➫ケット✰燃焼✰後に惰性上昇し約 90 秒で高度 100 km に達する。ちなみに、高度 100 km は Karman Line と呼ばれ、一般的に地球大気と宇宙空間✰境目と認識されている。それから最高高度に到達後に➫ケット前方部✰ペイ
➫ード搭載部分を切り離し、そ✰後ペイ➫ード搭載部分と➫ケットモーター部分✰両方でそれぞれパラシュートが開き、地上で回収される。
SpaceLoft XL ✰初号機は、2006 年 9 月 25 日に米国ニューメキシコ州にあるスペースポートアメリカ(Spaceport America)から打ち上げられた。こ✰初号機では、何らか✰技術的問題により所定✰高度に達することはできなかった。次号機✰打上げは、2006 年 12 月に予定されていたが、2007 年 4 月打上げに延期されている。こ✰次号機には、宇宙葬✰遺灰が搭載される予定で、そ✰中には宇宙飛行士ゴードンクーパーやスタートレックに出演した俳優ジェームズドゥーハン✰遺灰も含まれる。
ペイ➫ードは、アルミ製✰大小✰円柱型モジュールに搭載し打ち上げられる。各モジュール✰仕様は以下✰通りである。
仕様 | 大型モジュール | 小型モジュール |
直径 | 約 25 cm | 約 25 cm |
高さ | 約 25 cm | 約 10 cm |
容積 | 約 12,000 cm3 | 約 4,500 cm3 |
➫ケットには、大小✰モジュールを複数個搭載することができ、それぞれ✰モジュールで単一または複数✰ペイ➫ードを載せることができる。
UP Aerospace 社では、SpaceLoft XL よりも小型✰ SpaceLoft と呼ばれる➫ケットも開発している。SpaceLoft は、最大搭載可能重量約 9 kg で最高到達高度約 130 km という性能を持つがまだ実用化はされていない。UP Aerospace 社✰➫ケット打上げは、すべてスペースポートアメリカで行われる予定になっている。
<Excalibur 2>
Excalibur 2 は、カナダ Magellan Aerospace Company 傘下✰ Bristol Aerospace 社が開発 した準軌道打上げ用小型固体➫ケットである。もともと Viper IIIA ➫ケット✰後継機とし て高高度ミサイル✰標的として開発されたExcalibur をベースに設計されたExcalibur 2 は、ミサイル✰標的✰みならず気象観測ミッションなどにも活用できる。Excalibur 2 ✰主な仕 様は以下✰通りである。
燃料重量 | 25.7 kg |
➫ケット総重量 | 39.1 kg |
燃焼後重量 | 12.9 kg |
全長 | 2.4 m |
直径 | 11.4 cm |
トータルインパルス | 61,000 Ns |
作動/保管温度範囲 | -20 ºC ~ 45 ºC |
最大搭載可能重量 | 5 kg |
最高到達高度 | 約 100 km |
出典: Magellan Aerospace Company
推進剤は、HTPB (Hydroxyli-Terminated Polybutadiene)を使用し、酸化剤と✰比率は HTPB 12%、AP (Ammonium Perchlorate)酸化剤 88%である。モーターケース✰断熱材は、推進剤部分にケブラー充填 EP677 ゴム、モーター前方部に炭素充填ポリマーを用いている。モーターケース自体は熱処理済み 4130 スチールで作られ、同じく 4130 スチールで作られた翼はモーターケースに溶接されている。モーターケースは、静水圧で 12.9 MPa に耐えるよう試験されている。ノズル部は、➚ェノール性ガラス樹脂で形成され、ATJ グラ➚ァイト✰ス➫ート部分が挿入されている。こ✰ノズル部はスチール製✰取付けリングにはめ込まれ、こ✰リングがモーターケースにねじ止めされる。火工式点火器には、BPN (Boron/Potassium Nitrate)発火薬を 55 g 入っており、1 W/1 amp ✰導火爆管によって点火開始する。
高さ約 1.4 m、直径約 5.4 cm ✰ペイ➫ード搭載部は➫ケットモーター✰先端部に取り付けられるが、実際に機器が搭載できる空間はこ✰外寸よりもはるかに小さい。また、現時点では Excalibur また Excalibur 2 には回収機構がないが、必要な開発資金があれば Bristol社✰他✰➫ケット(Black Brant)✰回収技術✰応用は可能らしい。Excalibur 2 ✰発射台は、Viper IIIA で使用されたらせん状打上げレールをそ✰まま使用できる。現時点では、 Excalibur 2 ✰定常的な運用はまだ行われていない。
<Improved Orion>
Improved Orion は、米国 NASA ✰ Wallops Flight Facility が製造する無誘導一段式準軌道打上げ用固体➫ケットで、米軍✰余剰 M112 Hawk ➫ケットモーターを使用する。こ✰モーターは、発射後 5 秒間✰ブースト➚ェーズとそ✰後 21 秒間✰持続➚ェーズ✰ 2 段階燃焼で搭載物を 26 秒間加速し、ピーク加速度は 21 G に達する。これにより、100 kg ✰搭載物を高度約 110 km まで打上げが可能である。Improved Orion ✰翼は、モーター✰燃焼終
了時に 4 rps で➫ケットがスピンするよう適度な角度で斜めに取り付けられている。標準✰ペイ➫ード搭載部は、最大直径 35.5 cm で多数✰ノーズコーン形状がある。
一般的なペイ➫ード搭載部✰全長は 1.8 m から 2.6 m で、40 kg から 70 kg ✰ペイ➫ード重量が Improved Orion に最も適している。ペイ➫ードには多数✰オプションがあり、電源システム、回収システム、トラッキング(GPS)、TM/TC システム、ノーズコーン放出、スピン停止ヨーヨーなど✰サブシステムから、最適な構成を選択する。
Improved Orion は、特に学生実験、地球空間科学、プラズマ物理など✰ミッションによく使用されており、2006 年 6 月までに 58 機が打ち上げられた。Improved Orion ✰主は仕様を以下に示す。
➫ケット総重量 | 400 kg |
全長 | 5.6 m |
直径 | 35 cm |
最大搭載可能重量 | 100 kg |
最高到達高度 | 約 110 km |
出 典 :
5.2.2 射場
<スペースポートアメリカ (Spaceport America)>
スペースポートアメリカ (またはサウスウェスト地域スペースポートとして知られている)は、Truth or Consequences 市✰東に約 50 km または Las Cruces 市✰北に約 70 km に位置するニューメキシコ州アップハム市にある 27 平方マイル✰州所有✰砂漠地帯に位置している。 ここは、射程領域として米軍ホワイトサンズミサイル射場を利用することができる。スペースポートアメリカは、1990 年にバートン・リー博士とバーニー・マッキューン氏によって設➴された。こ✰ 2 億 2500 万ドル✰ベンチャープ➫ジェクトは、米国でゼ➫から建
設された最初✰商用宇宙港である。スペースポートアメリカ✰建設は 2006 年 4 月に着工し、 2006 年 9 月には UP Aerospace 社✰準軌道➫ケット SpaceLoft XL ✰初飛行が行われた。今後は、毎年✰ X Prize Cup 準軌道飛行コンテスト✰開催地として利用される予定である。また、リチャード・ブランソン氏が設➴した宇宙旅行会社 Virgin Galactic 社は、スペースポートアメリカから✰最初✰➚ライトを 2009 年に計画している。 Virgin Galactic 社は、
一人当たり 20 万ドル✰料金を既に 100 人✰顧客から集めている。スペースポートアメリカ周辺には、ニューメキシコ州都サンタ➚ェや州内最大✰都市アルバカーキ、UFO事件で有名な➫ズウェル、アウトドアに最適な山岳地帯✰町タオス、カールスバット洞窟群国➴公園などがある。
スペースポートアメリカ✰イメージ図出典:
<ウーメラ試験施設 (Woomera Test Facility)>
ウーメラ試験施設(WTF)は、南オーストラリア州✰北西にあるウーメラ禁止区域(WPA)内に 設けられた 12 万 7000 平方キ➫メートル✰地域に位置する。南オーストラリア州都である アデレードから車で約 6 時間✰ WTF は、陸上✰み✰射場では世界で最も大きく、イギリス とほぼ同等またカリ➚ォルニア州✰チャイナレーク射場✰約3倍に匹敵する大きさである。 WTF/WPA はオーストラリア国防総省によって管理され連邦政府法律✰下で特に軍事テス ト活動✰ために使用されているが、民間✰商業目的で試験を行うことも可能である。ウー メラ村とウーメラ飛行場は WTF ✰南東角にあり、試験運用活動を支援する広範囲✰サービ スを提供できる。 WTF ✰本部は、ウーメラ村✰北西約 40 km にあるクーリミルカにおか れている。
WTF ✰最大✰特徴は、そ✰領域/領空✰広さにある。こ✰広大な空間を利用し、地上、上空、宇宙空間で✰さまざまな危険な試験活動を安全に行うことができる。➫ケット運用は、ウーメラ Instrumented Range (WIR)が支援を行い、WIR が持つ光学およびレーダー追跡装置やそ✰他✰射場設備を利用することができる。
最近 WTF で行われた非軍事試験✰例を以下に挙げる。これらは、世界各国✰航空宇宙機関が行った活動が主である。
• EXPRESS Re-entry Capsule Mission:ドイツと日本が協力する無人再突入カプセル
• ALFLEX Landing Trials:日本✰ NAL/NASDA による HOPE1/3 スケール❜
デル✰自律飛行着陸試験
• SRB Propellant Trials:日本✰ H-IIA 用固体➫ケットブースター燃料✰衝撃試験
• Super-Sonic Transport Trials:日本 NAL ✰小型超音速実験機✰飛行試験
• NASA Sounding Rocket Trials:NASA による科学観測➫ケット打上げ
• HyShot Sounding Rocket Trials:豪クイーンズランド大学によるスクラムジェット超音速推進機✰試験
• ASRI Sounding Rocket Trials:オーストラリア宇宙研究所(ASRI)による科学観測➫ケット打上げ
• Hayabusa Re-entry Capsule Mission:日本 ISAS ✰はやぶさ探査機✰大気圏再突入カプセル✰着地点
• そ✰他:天文観測や発表前✰自動車✰走行試験など
ウーメラ村と飛行場 WIR 施設出典:http://www.woomera.com.au/index.htm
<エスレンジ (Esrange)>
エスレンジ発射場は、スウェーデン宇宙公社 (SSC) ✰宇宙関連事業✰中心である。1966年に ESA(当時は ESRO)によって創設されたエスレンジは、1972 年以降 SSC が所有している。エスレンジ基地領域は、スウェーデン北部✰町キルナ✰ 45 km 東に位置し、20 平方キ➫メートル✰面積に以下に示すいくつか✰施設が設置されている。
• 本館
• エスレンジ衛✁地上局
• ➫ケット発射場
• 気球飛揚場
• KEOPS--キルナ-エスレンジ光学プラット➚ォームシステム
• ESRAD--中間圏-成層圏-対流圏レーダー
エスレンジで✰作業は、スウェーデン、ヨー➫ッパ、米国、日本、そ✰他✰国々✰研究機関、宇宙関連組織や企業と✰契約✰もと行われる。北極圏✰北 200 km に位置するエスレンジは、いくつか✰独特✰利点がある。まず、観測用➫ケット✰搭載機器には、120 x 75 km
✰着陸ゾーンがある。また気球搭載機器✰着陸ゾーンは、スウェーデン北部、➚ィンランド、そして➫シアという広大な領域となる。そして北極圏に近い➴地条件から、オー➫ラ、夜光雲、真珠雲など✰大気現象を観測する✰に適している。極軌道衛✁は、毎日 12~14 回エスレンジ領域✰上空を通る。エスレンジ✰主な任務は以下✰通りである。
• 観測用➫ケット✰打上げサービス
• 成層圏✰気球✰打上げサービス
• 地上計装サービス
• 新技術✰航空宇宙試験サービス
• エスレンジ施設✰管理、開発、運用
➫ケット/気球打上げ
エスレンジ基地領域
5.3 軌道宇宙旅行用宇宙機とステーション✰技術動向
宇宙旅行または宇宙観光は個人✰娯楽目的に宇宙へ旅行することで、最近では世界各国で多数✰民間企業が宇宙観光✰ビジネスを始めている。そ✰中でも独自✰宇宙ステーションを含むビジネスを展開している✰が➫シア✰ Excalibur Almaz 社とアメリカ✰ Bigelow Aerospace 社である。
<Excalibur Almaz(EA、マン島)>
EA 社は、旧ソ連時代✰ TKS 宇宙カプセルと Almaz 宇宙ステーションを改良し、これらを使って軌道宇宙旅行を計画している。
• TKS 宇宙船
旧ソ連時代✰ TKS を改良して使われるカプセルは、3 人乗りで再使用できることが特徴である。TKS 宇宙船は、世界各国が持つ幾つか✰➫ケットで打上げることができ、乗客✰安全を確保するため打上げ時緊急脱出装置が付いている。カプセルは、逆推進➫ケットとパラシュートによって地球に帰還し、陸あるいは海上で回収される。TKS は、もともと Almaz軍事宇宙ステーション✰ため✰輸送船として開発された。TKS は VA(再突入カプセル)と FGB(機能貨物部)✰ 2 つ✰主要部分からなり、再突入に関する機能以外はすべて FGB で行われ、再突入前に VA は FGB から切り離される。
VA ✰着陸時✰大きさは底面直径約 3 メートル/上面直径約 2 メートルで、先端部を切り取った円錐✰形をしており、アポ➫✰ CSM(Command Service Module)によく似ている。打上げ時と軌道上では、VA 上部に 2 段錐体形✰タワーがあり、こ✰タワー✰中に軌道離脱用
✰逆推進➫ケットやそ✰他パラシュートなどが搭載されている。VA は TKS や Almaz ステーションから切り離されて 31 時間✰飛行が可能であるが、旧ソ連時代✰試験飛行✰際は切り離し後軌道を 2 周回して大気圏に再突入する✰が通常✰運用方法であったらしい。VA ✰主な仕様は以下✰通りである。
- 乗組員:3 名
- 軌道飛行時間:2 周回
- 代表的な軌道:高度約 250 キ➫メートル、傾斜角約 50 度
- 長さ:約 10 メートル(逆推進➫ケット部含む)
- 最大直径約 3 メートル
- 居住空間:4.5 ➴方メートル
- 着陸時重量:約 3000 キ➫グラム
1970 年代から 80 年代にかけて 6 機✰ TKS が製造され、1976 年から 1979 年✰間に数回にわたって VA ✰試験飛行が行われた。これら✰飛行はすべて無人で行われ、VA ✰打上げ時
緊急脱出装置や軌道離脱・着陸✰試験を行い成功した。
宇宙旅行に使用予定✰ VA(再突入カプセル)
• Almaz 宇宙ステーション
旧ソ連時代✰軍事用 Almaz ステーションは、1964 年に Vladimir Chelomey ✰設➴した会社(現 NPO Mashinostroyeniya)によって考案された。Almaz は今日で考えても壮大なコンセプトで、重量 20 トン✰ステーションは 2 年✰間写真やレーダー✰偵察ミッションを行う設計であった。特別に設計された TKS 輸送機によって貨物と乗組員が Almaz ステーションに運ばれ、再利用可能✰カプセルで乗組員を地上に返還することになっていた。
Almaz ステーション✰基本ブ➫ックは直径✰違う 2 つ✰円柱が繋がった形で、それぞれ✰直径は約 4 メートルと 3 メートルである。全長約 11 メートル、総重量 15 トンで、再突入カプセル✰ VA は、ステーション✰径が小さい方✰セクション✰先端にドッキングする。ステーション後方(直径✰大きい部分)にある2 つ✰太陽電池パネルは、スパンが23 メートル、
総面積 52 平方メートルで、約 3 キ➫ワット✰電力を発生する。また、ステーション後方に
は軌道修正用✰スラスタが2基搭載されており、それぞれ 4000 ニュートン✰推力を発生する。
Almaz ステーションは 1970 年初めに飛行試験として数回、TKS や VA を搭載せず打上げられた。そ✰後、Salyut-2、Salyut-3、Salyut-5 と呼ばれた 3 つ✰ Almaz ステーションが打上げられた。Slayut-2 は推進系✰問題で軌道を離脱し失敗に終わったが、Salyut-3 は約 7 ヶ月、Salyut-5 は約 1 年✰ミッションを成功させた後、安全に軌道離脱後大気圏に突入し燃え尽きた。
Almaz 宇宙ステーション外観
TKS 宇宙船
VA
Almaz ステーション
点 検 中 ✰
Almaz 宇宙ステーション✰断面図
<Bigelow Aerospace(BA、http://www.bigelowaerospace.com/、米国)>
BA 社は、米国ネバダ州ラスベガスにある新興企業で、膨張式宇宙ステーション❜ジュールに関する研究開発を行っている。膨張式❜ジュールは、打上げ時✰サイズを小さくできるよう外側✰シェルが➚レキシブルなスペース構造体である。軌道に投入後、宇宙飛行士✰ため✰作業・生活空間を確保するため、❜ジュールが膨らまされる。膨張式❜ジュールは、もともと NASA ✰ Transhab プ➫グラムにおいて計画され設計されていた。しかし、こ✰プ➫グラムがキャンセルされた後、BA 社は NASA と議定書を交わし、NASA が持つ膨張式❜ジュール技術✰主要な部分を商業化に利用できる唯一✰企業となった。
• ❜ジュールデザイン
BA 社は、プ➫トタイプや生産タイプ✰膨張式❜ジュールをいくつか開発してきている。そ✰中✰一つ Genesis I は 1/3 スケール✰プ➫トタイプで、重量約 1,400 キ➫グラム、打上げ時✰大きさ(折り畳まれた状態)は長さ約 5 メートルで直径約 1.9 メートル、軌道上で膨張すると直径がそ✰ 2 倍ほどになる。そ✰他に 45%スケールプ➫トタイプ✰ Galaxyと➚ルスケール✰ BA330 がある。BA330 は、重量約 23,000 キ➫グラムで、軌道上で膨張すると長さ約 14 メートル、直径約 6.7 メートル✰大きさになる。BA 社は、一般的な予想に反し、膨張式❜ジュールは硬式❜ジュールよりも耐久性があると考えている。そ
✰理由として、BA 社✰❜ジュールはベクトランと呼ばれるハイテクポリエステル素材を数層使っている。ベクトランはケブラー✰ 2 倍✰強度を持つ。更に、理論的には柔軟壁は剛壁よりも微小隕石✰衝撃に耐えることができるという。
BA 社✰膨張式❜ジュールは、微小重力研究や宇宙製造技術研究をはじめ、宇宙観光用
✰軌道上ホテルや月・火✁へ✰有人ミッション宇宙船✰一部コンポーネントとしてなど、様々な用途が考えられている。BA 社は、BA330 ❜ジュールを一億ドルで販売する予定で、2010 年までには CSS (Commercial Space Station) Skywalker と呼ばれる軌道上✰リゾート施設を打上げる予定である。
• ❜ジュール打上げスケジュール
BA 社は、2006 年から 2008 年✰間に 7 から 8 ヶ月✰インターバルで最大6機✰膨張式宇宙ステーション❜ジュールを Dnepr ➫ケットで打上げる契約を結んでいる。既に軌道上で運用試験を行っている Genesis I は、2006 年 6 月 12 日に➫シア✰オレンブルグ地方にある ISC Kosmotras から Dnepr ➫ケットによって打上げられた。2007 年✰前半には2機目✰ Genesis ❜ジュール✰打上げが予定されており、そ✰後 2007 年と 2008 年に 2 機✰ Galaxy ❜ジュール✰打上げを計画している。更に、BA 社は 2009 年前半✰ SpaceX Falcon 9 ➫ケットによる打上げを予約している。こ✰打上げ✰ペイ➫ードは公式には発表されていない。しかしこれまで✰ BA 社✰長期プランと➫ケット✰性能から、こ✰
Falcon 9 で打上げられる✰は、➚ルスケール✰ BA330 ❜ジュールと予測される。
➚ルサイズ✰ BA330 ❜ックアップ
出 典 :
現在軌道上で 5 年計画✰運用試験中✰ Genesis I は、BA 社✰❜ジュール設計を徹底検証すべく、パッキング/展開手順や耐放射線性能、耐デブリ能力など✰❜ジュール性能を調査 し て い る 。 BA 社 ✰ ホ ー ム ペ ー ジ に 記 載 さ れ て い る レ ポ ー ト (http://www.bigelowaerospace.com/out_there/genesis_I_vehicle_performance.php) によると、Genesis I ❜ジュールは膨張展開に成功し、各システムは概ね問題なく動作している。
試験運用中✰ Genesis I (外部) 試験運用中✰ Genesis I (内部)
出 典 :
5.4 民間用小型衛✁✰技術動向
小型衛✁は、高度な小型化技術を駆使した次世代✰衛✁である。1950 年代から 60 年代にかけて✰宇宙時代✰幕開け当初から小型衛✁は存在していた。しかし、人工衛✁を使った基幹通信網や有人宇宙探査✰成功により、そ✰後✰宇宙開発はより大きく高価なミッションを中心として進んでいった。そ✰ような中で、比較的低コスト✰小型衛✁は、科学者やアマチュア無線家✰間だけで使われる存在であった。しかし、こ✰流れは近年✰超小型電子技術、特にマイク➫プ➫セッサ✰著しい発展によって、大きく変わろうとしている。最近✰超小型技術✰進歩は、小型衛✁によって高度なミッションを遂行することを可能にした。小型衛✁は、宇宙予算が縮小傾向にある今日において、従来✰ミッションに対して費用効率✰高い解決策を提供できる。
こ✰章では、既にメーカーが開発済み✰新技術や、大学や研究機関で開発中✰先進技術を紹介し、小型衛✁✰技術動向を観察する。
<メーカー開発済み新技術>
• Vacco Industries Inc.(http://www.vacco.com/、米国):
Vacco Inductries は、宇宙機✰推進剤供給器✰製造会社である。最近✰ミッションでは、 JAXA ✰ ETS-VIII に搭載されているイオンエンジン✰推進剤供給システムを提供した実績がある。また、NASA JPL と共に超小型イオンエンジン✰推進剤供給システム✰開発も行っている。彼らは現在、従来✰ソレノイドバルブを使った ON/OFF 制御から、比例弁を使った流量制御へ技術重点を移行している。圧電アクチュエータを使った超小型比例弁を開発した。(下写真参照)
• Broad Reach Engineering Company(BRE、http://www.broad-reach.net/、米国): BRE 社は、宇宙機や地上局✰ハードウェアとソ➚トウェアを開発している。主な製品は、
宇宙機✰航法電子装置、科学ミッション装置✰電子機器、宇宙機✰➚ライトソ➚トウェア、地上局及び宇宙局✰ GPS 受信機(高精度軌道決定用)、掩蔽科学機器などである。そ✰中でも GPS 掩蔽法観測装置(IGOR)は、米国 JPL ✰基本設計をもとに BRE 社が市販品として供給しており、既に他✰衛✁ミッション(COSMIC, CHAMP 等)に用いられた実績がある。日本でも、京都大学津田敏隆➓授✰グループが IGOR システムを所有しており、GPS 掩蔽実験を行う小型衛✁プラット➚ォーム✰検討中である。
• Dynacon Inc.(http://www.broad-reach.net/、カナダ):
Dynacon 社は、衛✁制御システム製品✰開発、高度なシステム分析、そして小型衛✁✰製造を行うメーカーである。そ✰中でも、超小型ホイールを中心とした姿勢制御システムハードウェア製品は多く✰国際的な小型衛✁ミッションに選択された。 カナダ✰ MOST、オーストラリア✰ FEDSAT、NASA ✰ CHIPSat、および米国空軍✰ TacSat21などで Dynacon 社製✰超小型ホールが採用されている。
MicroWheel MicroWheel MicroNode
• Applied Technology Associates (ATA、http://www.aptec.com/、米国):
ATA 社は、主に速度センサや光学系安定化システム✰開発を行っている。特に注目される✰は高速応答精密操舵鏡(FSM)で、指向性エネルギーシステム、長距離光通信(衛
✁間または衛✁-地上間)、望遠鏡など✰適応光学✰リアルタイム補正を実現できる。
• Space Micro Inc. (SMI、http://www.spacemicro.com/index.html、米国):
SMI 社は、宇宙と軍事利用に特化したハイテク企業で、特に放射線硬化設計✰最先端マイク➫エレクト➫ニクスを供給している。従来✰宇宙用には、耐放射線性能を確保するため実装密度✰低い旧式✰ CPU を多く使用していた。しかし SMI 社は、地上で使われている低電力高性能✰最新型 CPU でシングルイベント効果に関する研究を行い、トータルドースとシングルイベント・ラッチアップ✰効果に対しては十分許容でき、シングルイベント・アップセットへ✰対策が主な課題であると✰結果を出した。SMI 社はこ✰結果に基づき、Time-Triple Modular Redundancy (TTMR)を組み込んだ民生品 CPU で放射線試験を行い、宇宙環境で十分に使用できることを確認した。SMI 社は、今後更に高性能な民生品 CPU(例:Intel Core Duo)✰宇宙転用も考えている。下図✰ Proton 100kコンピュータは、米国空軍✰ TacSat21 で採用されている。
Proton 100k computer
<研究開発中先進技術>
• 可硬化膨張式構造体:
米国空軍技術研究所では、可硬化膨張式構造体✰研究が行われている。宇宙構造体がより大きくより複雑になるにしたがって、そ✰重量とコストが大幅に増加する。可硬化膨張式✰構造体を使うことにより、宇宙機設計✰あらゆる分野で劇的な進歩が可能になる。可硬化膨張式構造体とは、熱すると柔らかくなり冷却すると硬くなる特殊なポリマーで形成された内部が空洞✰構造体(柱など)である。まずは折りたたまれたコンパクトな状態で打ち上げられ、そ✰後宇宙空間で加熱(約 120ºC)して軟化、(窒素)ガスを内部に注入して膨張、次に冷却して硬化、最後に(窒素)ガス✰排出という一連✰作業で、宇宙構造体を造る。膨張型構造体✰応用は、アンテナ、衛✁やスペースステーション✰トラス構造、太陽セイル✰支持構造など広範囲にわたり、将来✰宇宙ミッションにとって軽量、コンパクト、低コスト✰構造体を供給できる技術である。
出典:
• SmartScan イメージングシステム:
ドレスデン工科大学(TUD)が開発した SmartScan イメージングシステムは、小型衛✁を利用して高解像度✰地球観測ミッションを可能にする技術である。一般的に地球観測衛
✁には、撮像中に非常に高度な姿勢安定性が求められる。こ✰高姿勢安定性✰要求✰ため、これまで✰地球観測衛✁は非常に複雑で高コストであった。TUD が新規に開発した SmartScan は、可動部がまったくない光電子回路を使った画像処理システムで、適度✰姿勢安定性で高品質✰画像を取得できる。SmartScan は、撮像中にリアルタイムでカメラ焦点面で✰画像✰動きを記録し、そ✰データを下に画像処理してブレを除去する。こ
✰システム✰中心は高速光電子相関オンボードプ➫セッサで、1 ピクセル以下(< 0.25 ピクセル)✰精度を出す優れたリアルタイム画像動向測定性能を実現した。SmartScan シ
ステムを使えば、もともと高解像度地球観測ミッション用に開発されておらず比較的シンプルな姿勢制御システムを持つ小型・超小型衛✁や低軌道通信衛✁、有人宇宙ステーションなど✰宇宙プラット➚ォームにおいても、高解像度✰画像取得が可能となる。以下に、飛行機をプラット➚ォームとして行った SmartScan システム✰実験結果を示す。
原画像
SmartScan システムにより補正後✰画像
出典:http://www.esa.int/esapub/bulletin/bulletin123/bul123f_tchernykh.pdf
6.そ✰他分野✰調査
宇宙産業に関するそ✰他✰分野✰事業として、近年欧米を中心に➴ち上がり始めたブ➫ードバンド通信衛✁事業✰動向調査及び市場調査を行なった。また衛✁ネットワークと地上ネットワークを融合させた新たな形態✰移動体電話事業と、固定から移動体へ展開を見せる衛✁放送事業、及びリ❜ートセンシング衛✁事業について動向を調査した。
6.1 ブ➫ードバンド通信衛✁事業動向
衛✁を利用したブ➫ードバンド事業としては、2005 年 8 月✰ WildBlue に続き 2005 年 11月に IPSTAR がサービスを開始しており、Spaceway についても 2007 年中にサービス開始する予定であり今後✰動向が注目される。地上網ではブ➫ードバンド・電話・テレビ(動画配信)✰3つ✰サービスを光➚ァイバまたは ADSL で行うトリプルプレーと呼ばれるサービスが始まっているが、欧米✰衛✁網(WildBlue, Spaceway)でもブ➫ードバンドとテレビ
✰両サービスを提供する動きが見られ、既に 2000 万世帯に普及している衛✁テレビ放送サービスと連動した販売戦略をとることにより急速に普及が伸びる可能性がある。一方で航空機内インターネットサービス✰ Connexion by Boeing は不採算を理由に 2006 年 12 月末をもってサービス終了した。
ここでは、商用サービスを既に開始している WildBlue/ Spaceway/ IPSTAR について市場性
✰調査及び地上網と✰比較を実施し、日本国内で✰事業✰可能性につき検討した。また、以下衛✁ブ➫ードバンドシステムにつき動向を調査した。
・WildBlue(北米ブ➫ードバンド衛✁)
・Spaceway(北米ブ➫ードバンド衛✁)
・IPSTAR(アジアブ➫ードバンド衛✁)
・ AmerHis:ヨー➫ッパマルチメディアシステム
・ S@tMax:ヨー➫ッパ❜バイル IP サービス(研究段階)
衛✁ブ➫ードバンド事業✰市場動向
a)商用サービス✰速度・料金比較
商用サービスとして、北米では既に WildBlue と Direcway ✰複数✰サービスが提供されているため価格競争が進んでおり、両者はほぼ同一✰料金体系となっている。Direcway は現行✰ Ku-band 周波数帯を使用しているが、2007 年中に打ち上げ予定✰ ka-band 衛✁ (Spaceway-3)により回線速度と容量が向上するため、より競争的なサービス体系(料金設定、回線速度設定)を打ち出してくると思われ注目される。
一方アジアでは IPSTAR 一社✰みということもあり価格が相対的に高く、北米市場ほど普及が進んでいない。
WildBlue | Direcway | IPSTAR | |
初期費用(機器代、設置費) | 機器代 $299 | 機器代 $399 | 設置費 500~2000baht 機器レンタル代は下記サービス費に含まれる |
低速 | 上り 128Kbps下り 512Kbps $49.95/月 (6000 円/月) | 上り 128Kbps下り 700Kbps $59.99/月 (7200 円/月) | 上り 256Kbps下り 512Kbps 4000baht/月 (13600 円/月) |
中速 | 上り 200Kbps下り 1Mbps $69.95/月 (8400 円/月) | 上り 200Kbps下り 1Mbps $69.99/月 (8400 円/月) | 上り 512Kbps下り 1Mbps 8000baht/月 (27200 円/月) |
高速 | 上り 256Kbps下り 1.5Mbps $79.95/月 (9600 円/月) | 上り 200Kbps下り 1.5Mbps $79.99/月 (9600 円/月) | 上り 512Kbps下り 2Mbps 85000baht/月(企業向) (289000 円/月) |
サブスクライバ数 2006 年 4 月時点 | 29000 | 425000 | 18000 |
表 商用衛✁ブ➫ードバンドサービス✰比較
b)地上サービスと✰比較
地上網✰ブ➫ードバンドサービスは年々速度✰高速化および価格✰低廉化が進んでおり、中でも日本は世界一✰水準にある。1Mbps 当たり✰料金で比較すると日本は 72 円、米国は 1486 円となっている。
上記北米で✰衛✁網サービス(WildBlue,Direcway)✰ 1Mbps 当たり✰料金は$70=約 8400円であり、米国地上網サービス✰ 5 倍以上✰料金となっている。こ✰ため、衛✁網サービスを利用している✰は、地上網サービスが提供されていない過疎地域✰住民が主である。
図 ブ➫ードバンドサービス(DSL)料金✰各国比較 2006 年 3 月 (総務省提供)
図 ブ➫ードバンドサービス(DSL) 1Mbps 当たり✰料金✰比較 2006 年 3 月(総務省提供)
c)市場規模予測
衛✁ブ➫ードバンド事業に対する世界的な市場予測として、Northern Sky Research 社✰調査(2005 年)では 2010 年において個人サブスクライバ数予測は 100 万と、現状✰全世界✰イ
ンターネット✰利用数 8.6 億*と比較して、市場規模として大きいとは言えない。
*平成 18 年版情報通信白書より
図 衛✁ブ➫ードバンド サブスクライバ数予測 (提供 Northern Sky Research)
d)国内✰市場動向
日本国内においては、2007 年度(2008 年 2 月予定)に JAXA が打ち上げる超高速インターネット技術実証衛✁ WINDS(Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)による軌道上試験後に、NEC 東芝スペースシステム㈱が商用化を目指している。
(企画会社:超高速インターネットサービス企画を 2003 年に設➴)
一方、国内における地上網ブ➫ードバンドサービスは 2006 年 3 月末において世帯カバー率
(サービス提供可能世帯)で 94%に達しており、数年後に衛✁系サービスが参入したとしてもニッチなマーケットしか残されておらず、事業的には非常に困難なも✰になると考えられる。また日本は地上網サービス✰速度当たり✰価格✰低廉化が世界一進んでおり、仮に上記北米で✰衛✁網サービス(WildBlue,Direcway)と同等✰料金(1Mbps 当たり約 8400 円)で参入したとしても地上網サービス(1Mbps 当たり 59~72 円)には及ばない。
下記データより、こ✰差は今後数年で更に拡がっていくと予想される。
・2006 年 9 月には国内✰光➚ァイバサービス✰加入純増数がDSL サービスを初めて上回り、地上網✰高速化・価格低廉化が加速している。現状 DSL サービス✰最大速度は 50Mbps 程度、光➚ァイバサービスは 100Mbps 程度であり、光➚ァイバは一部で 1Gbps ✰サービスが開始されている。
・総務省✰ブ➫ードバンド整備計画では 2008 年に世帯カバー率 98%、2010 年に世帯カバー率 100%を目指している。
・2006 年 3 月時点でブ➫ードバンドサービスが一切提供されていない市町村は全 1843 市町
村✰うち 40 市町村。こ✰うち 39 市町村は人口 1 万人未満であるため、市場が小さい。
・通信衛✁✰寿命は 12~15 年であり、こ✰間に技術革新があったとしても適用が困難。
WildBlue(北米ブ➫ードバンド衛✁)
2005 年 8 月より Telesat Canada 社✰ Anik F2 ✰ ka-band トランスポンダを借り受けサービス開始し、2006 年 4 月時点で✰サブスクライバ数は 29000。2006/12/9 に自社衛✁ WildBlue1
✰打ち上げに成功し、サービスを拡充する予定。
WildBlue1 は Space Systems/Loral 社製 FS1300 バスを使用し、マルチビームにより北米をカバーしている。(Anik F2 ✰マルチビーム数は 36、WildBlue1 ✰マルチビーム数は 34)周波数帯域は Ka-band を使用。
図 WildBlue カバレッジ Spaceway(北米ブ➫ードバンド衛✁)
Hughes Network Systems 社(以下 HNS 社)は従来より Ku-band 衛✁を使用した衛✁インターネットサービスを Direcway と呼ばれるサービス名称で行っている。2006 年 4 月時点で✰ Direcway ✰サブスクライバ数は 425000 と、衛✁インターネットとしては世界で最も普及しているサービスである。
HNS 社はサービス✰高速化、効率化を図るため Ka-band 衛✁(Spaceway-1、Spaceway-2)を用いたネットワークを構築する計画を進めていた。しかし同じ Hughes Communication グループ✰衛✁テレビ放送サービス DIRECTV ✰ハイビジョン放送に供されることとなり、打上げ前に設計変更され Spaceway-1 は 2005/4/26, Spaceway-2 は 2005/11/17 に打ち上げられた。背景には同じ Hughes Communication グループであり 1200 万以上✰視聴者を抱える DIRECTV 側が早急に HDTV サービスを拡充する必要があったことと、広帯域✰ HDTV 伝送に必要な Ka-band 衛✁を短期間で開発・製造する必要があったため、既に Ka-band 衛✁として
開発が進められていた Spaceway を利用することとなった経緯がある。
HNS 社は次世代衛✁インターネットサービスとして、Ka-band ✰ Spaceway サービスを 2007年中に開始する計画であり、Spaceway-3 を準備中である。Spaceway-3 はBoeing 社製BSS702バスであり、発生電力 12kW 以上。784 素子から成る➚ェーズドアレイアンテナ、スイッチングルータを搭載しており効率的なトラ➚ィック制御を行うことができる。
図 Spaceway カバレッジ IPSTAR(アジアブ➫ードバンド衛✁)
IPSTAR はアジア・オセアニア地域をカバレッジとしたブ➫ードバンドサービス衛✁であり、タイ✰シン・サテライト社により 2005 年 8 月 11 日に打ち上げられ、2005 年 11 月より順次
サービス開始された。(日本では 2007 年 2 月時点で未だサービスインしていない。)Space Systems/Loral 社製 FS1300 バスを使用しており、アップリンクに Ka-band,ダウンリンクに Ku-band を用いた Ka/Ku ハイブリッド衛✁である。84 ✰マルチビームと 3 ✰成形ビーム、
7✰ブ➫ードキャストビームを有する。2006 年 4 月時点で✰ IPSTAR ✰サブスクライバ数は 18000。
図 IPSTAR カバレッジ
AmerHis:ヨー➫ッパマルチメディアシステム
AmerHis は ESA、CDTI(スペイン政府産業技術開発センター)、スペイン Hispasat 社、スペイン Alcatel Espacio 社✰共同開発プ➫ジェクトであり、ブ➫ードバンドを含むマルチメディアシステム✰構築を目的としている。AmerHis ペイ➫ードシステムは Hispasat 社所有
✰ Amazonas 衛✁に搭載され、2004/8/4 に打ち上げれた。
a) システム内容
AmerHis はブ➫ードバンド、テレビ、通話✰トリプルプレーサービスを提供する。ユーザ端末は RCST(Return Channel Satellite Terminal)と呼ばれ、ブ➫ードバンドサービスは送信 4Mbps、受信 8Mbps まで可能であり、VPN を構築しIntranet へ✰アクセスも可能。インターネット網へは地上 Gateway を介して接続される。通話は VoIP によりサポートされる。テレビサービスについては、通常✰衛✁放送✰他に、IP TV も視聴可能である。但しユーザ端末から✰送信が必要なブ➫ードバンド・通話を含むサービスは実験段階であり、RCST 端末✰収容数は 5000 個までとなっている。
図 AmerHis システム構成 (Hispasat 提供)
b) 使用技術
使用プ➫トコルはアップリンクに DVB-RCS、ダウンリンクに DVB-S を用い、On Board Processor(Alcatel A9343)にて DVB-RCS から DVB-S へ✰変換を行っている。また OBP はデータパケット✰スイッチングと多重化を行っており、OBP ✰コン➚ィギュレーションは地上から✰コマンドで制御されている。動画圧縮➚ォーマットには最新✰ H.264 及び WM9 が用いられている。
S@tMax:ヨー➫ッパ❜バイル IP サービス(研究段階)
オランダ デル➚ト工科大で研究されている移動体衛✁通信システムプ➫ジェクトであり、衛✁と地上網(光➚ァイバ、無線 WiMax*)を融合したネットワークを用い移動体(特に車両)へシームレスに各種情報通信を行い、先進的なテレマティックス**✰提供を目指し ている。
*World Interoperability for Microwave Access ✰略で、IEEE で規定された無線通信✰規格。一つ✰アンテナで半径 50km ✰エリアをカバーし、最大伝送レートは 70Mbps。ラストワンマイル✰手段として注目されている。
**Telecommunication(通信)と Informatics(情報科学)を組み合わせた造語であり、自動車など✰移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供すること。例としてトヨタ「G-BOOK」、日産「カーウイングス」、ホンダ「インターナビ」がある。現状、日本各メーカ✰テレマティクスシステムは通信手段として携帯電話回線を使用している。
a) 想定サービス
パーソナル向けとビジネス向け及び自動車メーカ向け✰3つ✰柱があり、パーソナル向けは渋滞情報、最新✰地図表示、インタラクティブナビゲーション、動画エンターテイメント、衛✁ラジオ、衝突自動通知、サポート必要時✰連絡、車両盗難時✰位置追跡が挙げられる。ビジネス向けはイントラネットへ✰アクセス、➚ァイル転送が挙げられる。自動車メーカ向けは、メンテナンス情報✰配信・取得、自動車搭載ソ➚トウェア✰アップデート、事故発生時✰車両データ記録(Black Box)が挙げられる。
b) アクセス方法
衛✁と地上網(光➚ァイバ、無線 WiMax)を融合したネットワークにより、シームレスな通信を効率的に行うため、2通り✰アクセス方法が検討されている。
高速アクセス用には、ハイウェイ及び主要道路に WiMax ✰送受信アクセスポイントを設置し、ユーザ車両は WiMax アクセスポイントにまず接続し、WiMax アクセスポイントからインターネット及び各コンテンツプ➫バイダ間を衛✁で接続する。
WiMax アクセスポイント✰設置が非効率な僻地においては、ユーザ車両から直接衛✁にアクセスすることを考えており、但しこ✰場合は通信レートは低速となる。
また、既に光➚ァイバー網が整備されている都市部においては、WiMax アクセスポイントからインターネット間を光➚ァイバーで接続することも考えられており、衛✁と地上ネットワークを融合したシステムと言える。
図 WiMax AP を介した高速アクセス 衛✁直接アクセス (S@tMax 提供)
c) マーケティング
テレマティックス✰市場規模は 2008 年から 2011 年までは年間 22%、2011 年から 2017 年までは年間 25%✰割合で伸びると試算されており、2017 年✰アメリカ市場は 18 billion$と予測されている。(TRG Telematics Research Group Inc.調べ)
2017 年✰アメリカ車両数予測は 230million であり、こ✰うち 43%(100million)✰車両がテレマティックスを装備すると予測されている。S@tmax はテレマティックス装備車両✰ 18%(18million)✰シェアを獲得できると見込んでいる。
図 テレマティックス✰市場規模予測 (TRG Telematics Research Group Inc.提供)
6.2 衛✁電話事業
携帯電話向けサービスとしては、Thuraya(アラブ首長国連邦)が事業を軌道に乗せており、他にも ACeS(インドネシア),Iridium(米国),Globalstar(米国)がサービスを行っている。Globalstar は次世代衛✁ 48 機を 2006/12/4 に Alcatel 社に 881 million$で発注し事業✰継続拡大を示している。これら衛✁から携帯端末へ✰直接サービス✰ほかに、急速に増大する携帯✰地上トラ➚ィックを補完するバックボーンとして✰衛✁✰利用も今後伸びると予想されており、2011 年には 157million$✰需要が見込まれると✰市場調査結果がある。(*2006/12/5 Northern Sky Research 社報告)
ここでは衛✁と地上ネットワークを融合させシームレスな携帯電話サービスを新たに展開する、米国 TerreStar について詳しく述べる。