RC橋脚工
総価契約単価合意方式について
平成22年3月
国土交通省 九州地方整備x
x価契約単価合意方式の導入の経緯と期待される効果
対
策
総価契約単価合意方式の導入
新規工種には落札率を乗じない
効
果
単価合意を行い、出来高払いを選択し易い環境整備を行うことで、請負者のキャッシュフローを改善
○受発注者間の双務性の向上
○円滑な契約変更協議
題
課
状
現
落札率を乗ずることによる課題
○施工体制が変わるような新規
工種については、当初の契約条件とは異なるため、落札率を乗じた金額で施工することは不合理。
設計変更の考え方
○当初契約の工種が現地の取合い等により数量が増減した場合を想定し、落札率を乗じることとしている
建設業の課題
○建設業者の経常利益率の低下
○請負者のキャッシュフロー改善が必要
設計契約変更時の課題
○土木工事では不確定要素が多く契約変更が生じることが多い
○契約変更時に、受発注者間の単価の不一致。協議の発生。
建設業の状況
○建設投資額の減少
○平均落札率の低下
現在の契約方式(総価契約)
○会計法に基づき総価契約
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総価契約単価合意方式の目的及び内容
総価契約単価合意方式は、工事請負契約における受発注者間の 双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定や部分払い金額の算定を行うための単価等を前もって協議し、合意していくことにより、設計変更や部分払に伴う協議の円滑化を図ることを目的として実施するものである。また、後工事を随意契約により前工事と同じ請負者に発注する場合においても本方式を適用することにより、適正な算定を行うものである。
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総価契約単価合意方式の本格導入
【現状と導入後の比較】
要素
現状
導入後
受発注者間で合意した単価
設計変更額算定に 用 い る 単 価
総価で契約
単価で合意(レベル4を想定)
総価で契約
x 約 方 式
当初官積算に基づく単価
片務性の存在
双務性の向上
請負企業の技術的特性等が反映された額
徴
特
請負企業の技術的特性等が反映されない額となるおそれ
設計変更協議の難航
設計変更協議の円滑化
生産性阻害要因の排除
適正な利益の確保
出来高部分払い方式の選択促進
適正なキャッシュフローの確保
(工事進行基準への対応にも寄与)
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総価契約単価合意方式の実施方法
・双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合の金額の算定、部分払い金額の算定を行うための単価等を、前もって協議し合意しておくことにより、設計変更や部分払いに伴う協議の円滑化を図る。
1.背 景
2.対象工事
・工事請負業者選定事務処理要領第3号に掲げる工事種別のうち、第一号から第四号
まで、第七号、第九号から第十七号まで及び第十九号に掲げる工事において実施する
ものとする。
工事請負業者選定事務処理要領第3に掲げる工事種別のうち下記●を対象とする。
● | 一 | 一般土木工事 (土木に関する工事のうち次号から第4号まで、第7 号から第17号まで及び 第19号の工事種別に属する工事以外のものをいう。以下同じ。) |
● | 二 | アスファルト舗装工事 |
● | 三 | 鋼橋上部工事 |
● | 四 | 造園工事 |
五 | 建築工事 (建築に関する工事のうち次号から第8号まで、第1 0号、第12号、第18号及 び第19号の工事種別に属する工事以外のものをいう。以下同じ。) | |
六 | 木造建築工事 | |
● | 七 | 電気設備工事(建築関係除く) |
八 | 暖冷房衛生設備工事(空気調和設備工事含む。以下同じ。) | |
● | 九 | セメント・コンクリート工事 |
● | 十 | プレストレスト・コンクリート工事 |
● | 十一 | 法面処理工事 |
● | 十二 | 塗装工事 |
● | 十三 | 維持修繕工事(河川又は道路の維持又は修繕工事をいう。以下同じ。) |
● | 十四 | 河川しゅんせつ工事 |
● | 十五 | グラウト工事 |
● | 十六 | 杭打工事 |
● | 十七 | さく井工事 |
十八 | プレハブ建築工事 | |
● | 十九 | 機械設備工事 (機械設備に関する工事のうち第7号、第8号、第20号及び第21号の工事種 別に属する工事以外のものをいう。以下同じ。) |
二十 | 通信設備工事 | |
二十一 | 受変電設備工事 |
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総価契約単価合意方式の実施方法
・単価等を個別に合意する方式(単価個別合意方式)を基本。
ただし、分任支出負担行為担当官の発注工事においては、請負者の希望により、単価を包括的に合意する方式(単価包括合意方式)も可能とする。
3.実施方法
・本方式の対象工事であることを入札参加希望者に周知する。
一般競争入札の場合
工事希望型競争入札の場合
:入札公告及び入札説明書
:送付資料
上記以外の指名競争入札の場合:指名通知
随意契約の場合 :見積依頼書
4.入札公告等による入札参加者への周知
5.合意した単価の適用
第24条(請負代金額の変更方法)
第25条(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)第29条(不可抗力による損害)
第37条(部分払)
第38条(部分引渡し)
記載内容の変更・追加
5
本官工事の場合
【単価包括合意方式】
単価合意書
締結
公表
(積算内訳書に準じる)
分任官工事の場合は請負者の希望
により選択
合意不成立の場合は 単価包括合意方式へ移行
【単価個別合意方式】
合意成立
単価合意書
締結
14日
合意不成立
公表
(積算内訳書に準じる)
契 約 締 結
落 札 決 定
単価合意の協議
請負代金内訳書の提出
※請負代金内訳書の提出等、契約
締結後の手続きは通常どおり。 6
単価合意の方法〔単価個別合意方式の場合〕
6.単価合意の方法
工事請負契約書締結直後※1の単価合意は以下の手続により実施する。
1)単価合意は、工事数量総括表を基本とし、直接工事費、共通仮設費(積み上げ分)
、共通仮設費(率分)、現場管理費及び一般管理費等の単価等を合意する。
2)単価合意は、請負者が提出した請負代金内訳書に基づき行う。
3)一度合意した単価合意書の単価は、変更しないものとする。
4)「単価合意書」に「単価表」を添付して締結する。
5)協議開始から14日以内に単価合意が成立しなかった場合は、「単価包括合意方式 」により締結する。
6)単価合意書の締結後、発注者は当該合意書を、閲覧に供する方法により速やかに公表する。また、情報公開通達に基づき契約の内容を公表する際には、当該工事が総価契約単価合意方式によったものである旨を明らかにする。
※1:設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後に実施する。
7
単価協議・合意の概略手順〔単価個別合意方式の場合〕
発注者
契約担当課
発注(積算)担当課
請負者
〈1〉請負代金内訳書の様式配布
(契約締結後速やかに〔電子媒体〕)設計・施工一括発注方式の場合は、詳細
設計完了後の変更契約締結後速やかに
〈2〉請負代金内訳書の提出
(契約締結後14日以内〔電子と紙媒体〕)
設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後14日以内
〈3〉単価協議書の送付
(請負代金内訳書受領後速やかに)
〈4〉単価協議
(単価協議書の送付受理後速やかに)
〈5〉単価合意書締結
(協議開始〈3〉から14日以内の成立)
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単価合意書〔単価個別合意方式の場合〕
単価協議の結果として「単価合意書(合意単価を表示した「単価表」)」を締結する。
発注者・請受負注者間
単価表(例)
単位
工事区分 工種 種別 細別 規格 契約
数量 合意単価 金額 適用
で締結
橋梁下部
道路土工
式 1
細別に関する単価を合意 式 1
28,650,000
1,560,000
掘削工 式 1 1,560,000
掘削(土砂) m3 5,000 312 1,560,000
変更金額の算定等に使用
RC橋脚工
式 1
作業土工 式 1
場所打杭工 式 1
27,090,000
500,000
20,000,000
場所打杭 杭径 1200mm 杭長(設計長)20.0m 本 8
2,500,000
20,000,000
単価合意書(例)
橋梁躯体工(構造物単位) 式 1
T型橋脚 24-8-25(20)(高炉) m3 160 25,000
鉄筋 SD345 D16~25 t 6.00 115,000
5,590,000
4,000,000
690,000
平成○○年○○月○○日に契約した○○工事における契約の変更に用いる単価または金額(契約単位が一式の直項接目工事に費ついては単価ではなく金額)について、別添の「単価表」のとおり合意する。
鉄筋 SD345 D29~32 t 7.50
式 1
120,000
900,000
28,650,000
共通仮設費
以上、単価合意の証として本書2通を作成し、当事者間記名押印の
共通仮設費(率計上分)、 式 1
4,700,000
上、各自1通を保有する。
共通仮設費
運搬費
現場管理費、一般管理費 式 1
等は額で合意 式 1
1,020,000
1,020,000
平成○○年○共通○仮設月費(率○計上○) 日
式 1 3,680,000
純工事費
発注者 住所 ○○○○○○○○○現場管理x氏名 支出負担行為担当官
工事原価
○○○○○○○○○ 印
一般管理費等
工事価格
請負者 住所 ○○○○○○○○○
式 1
なお、本単価表に記載のない工種(レベ 式 1
ル2)が追加された場合の直接工事費、 式 1
共通仮設費(積み上げ分)については、
式 1
変更時の価格を基礎として協議する。
式 1
33,350,000
8,000,000
41,350,000
3,650,000
45,000,01000
消費税相当額
氏名 ○○○○○○○○○ 印
工事費計
式 1 2,250,000
式 1 47,250,000 9
請負代金額の変更イメージ〔単価個別合意方式の場合〕
当 初
【築堤・護岸工事における直接工事費の例】
連節ブロック張
コンクリートブロック工
法覆護岸工
盛土(流用土)
盛土工
河川土工
築堤・護岸
レ ベル4細 別
レベル3 種 別
レ ベル2工 種
レ ベル1工事区分
レ ベル1工事区分
築堤・護岸
レ ベル2工 種
河川土工
レベル3 種 別
盛土工
盛土補強工
レ ベル4細 別
盛土(購入土)
盛土(流用土)
安定シート
数量総括xx、項目の追加は無いが、数量の増減により官積算単価が変動
例)路体築堤 10,000m3未満→ 10,000m3以上
(条件変更)
条件変更後の官積算
×変更前の官積算単価と合意単価(レベル4)の比率
(細別追加)
官積算×変更前の官積算単価と合意単価(レベル2)の比率
(種別追加)
官積算×変更前の官積算単価と合意単価(レベル2)の比率
地盤改良工
変 更
表層
安定処理工
(工種追加)
サンドマット
官積算×100%
法覆護岸工
コンクリートブロック工
連節ブロック張
(工種追加)
安定処理
官積算×100%
(数量増減)合意単価
10
単価合意の方法〔単価包括合意方式の場合〕
7.単価合意の方法
工事請負契約書締結直後※1の単価合意は以下の手続により実施する。
1)単価合意は、工事数量総括表に記載の項目について、当初契約の予定価格
(変更契約の場合は官積算額)に対する請負代金額の比率に基づき合意する。
2)「単価合意書」に「工事数量総括表」を添付して締結する。
3)単価合意書の締結後、発注者は当該合意書を、閲覧に供する方法により速やかに公表する。また、情報公開通達に基づき契約の内容を公表する際には、当該工事が総価契約単価合意方式によったものである旨を明らかにする。
※1:設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後に実施する。
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単価協議・合意の概略手順〔単価包括合意方式の場合〕
発注者
契約担当課
発注(積算)担当課
請負者
〈1〉請負代金内訳書の様式配布
(契約締結後速やかに〔電子媒体〕)
設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後の変更契約締結後速やかに
〈2〉請負代金内訳書の提出※
(契約締結後14日以内〔電子と紙媒体〕)
設計・施工一括発注方式の場合は、詳細設計完了後14日以内
〈3〉単価協議書の送付(合意方式の希望聴取)
(請負代金内訳書受領後速やかに)
〈4〉個別合意方式・包括合意方式の選択
(単価協議書別紙に記載の期日までに)
〈5〉(包括合意選択の場合)単価合意書締結
(協議開始〈3〉から14日以内の成立)
※:請負代金額1億円未満で工期6箇月未満の工事の場合は、上記〈3〉より開始する。ただし、
〈4〉にて個別合意を選択する場合は、速やかに〈1〉〈2〉を経て個別単価協議を行う 12
単価合意書〔単価包括合意方式の場合〕
単価協議の結果として「単価合意書(契約の変更に用いる単価等の考え方について合意)」を締結する。
発注者・受注者間で締結
単価合意書(例)
平成○○年○○月○○日に契約した○○工事における契約の変更に用いる単価等の考え方について、下記のとおり合意する。記
契約変更等において、用いる単価等は、別紙の工事数量総括表に記載の項目については、本契約の予定価格に対する請負金額の比率を乗じたものを変更時の価格の基礎とする。
なお、別紙に記載のない工種(レベル2)が追加された場合の直接工事費、共通仮設費(積み上げ分)については、変更時の価格を基礎として協議する。
【工事数量総括表を別紙として添付】
※ 複数回変更する場合は、以下のとおり記載する
契約変更等において、変更時の価格に、第○回変更契約時までの請負比率を乗じたものを基礎とする。
なお、別紙に記載のない工種(レベル2)が追加された場合の直接工事費、共通仮設費(積み上げ分)については、変更時の価格を基礎として協議する。
以上、単価合意の証として本書2通を作成し、当事者間記名押印の上、各自1通を保有する。
平成○○年○○月○○日
発注者 住所 ○○○○○○○○○
氏名 支出負担行為担当官
○○○○○○○○○ 印
請負者 住所 ○○○○○○○○○
氏名 ○○○○○○○○○ 印
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請負代金額の変更イメージ〔単価包括合意方式の場合〕
当 初
【築堤・護岸工事における直接工事費の例】
連節ブロック張
コンクリートブロック工
法覆護岸工
盛土(流用土)
盛土工
河川土工
築堤・護岸
レ ベル4細 別
レベル3 種 別
レ ベル2工 種
レ ベル1工事区分
レ ベル1工事区分
築堤・護岸
レ ベル2工 種
河川土工
レベル3 種 別
盛土工
盛土補強工
レ ベル4細 別
盛土(購入土)
盛土(流用土)
安定シート
数量総括xx、項目の追加は無いが、数量の増減により官積算単価が変動
例)路体築堤 10,000m3未満→ 10,000m3以上
(条件変更)
条件変更後の官積算×請負比率
(細別追加)
官積算×請負比率
(種別追加)
官積算×請負比率
変 更
地盤改良工
表層
安定処理工
(工種追加)
サンドマット
官積算×100%
法覆護岸工
コンクリートブロック工
連節ブロック張
(工種追加)
安定処理
官積算×100%
(数量増減)合意単価
注:請負比率とは官積算額に対する請負代金額 14
参考資料
工事数量総括表の工種、種別、細別等の体系は
「新土木工事積算体系の工事工種体系ツリー」を基本とする。
国土技術政策総合研究所HPにて公開しています。
URL: xxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxx/xxx/xxxxxxx/xxxxxx0.xxx?xxx000000000000000000&x ow=/lab/bcg/yousiki.html&ref=/engineer/menu.html
15
参考資料2
「総価契約単価合意方式実施要領」、「総価契約単価合意方式実施要領」の解説、「総価契約単価合意方式」(説明資料)については、九州地方整備局のHPにて公開中。
九州地方整備局HPのtopページより
①「トピックスの総価契約単価合意方式の実施について」及び②「専門的な情報の建設技術情報等」
をクリックし、総価契約単価合意方式の掲載ページへ。
①
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