Licence to publish 出版契約書
Licence to publish 出版契約書
2006 年 10 月
以下に署名した
______________________
著者名(以下「著者」という)
は、
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出版者名(以下「出版者」という)
に以下のライセンスを許可する。
背景
本契約書は、学術的・科学的研究成果物の出版に関するものであり、以下の原則にそって、著者と出版者の間の権利の均衡を図るものである:
• 著者及び出版者は、特に研究成果に公的資金が出資されている場合、クオリティや研究の自由を損ねること
なしに、学術的・科学的研究成果物への最大限のアクセスを認めることが、社会全体の利益となることを確信する;
• 出版者は、学術的・科学的研究成果物の出版への寄与に対し、正当な対価を受け取るものである;
• 著者及び出版者は、特に一般的な購読モデルの場合、学術的・科学的研究成果物に対する最大限のアクセス を認めることと、当該著作物の出版に対する正当な対価を得ることとの間に均衡が得られるものと確信する。
第1条 定義
以下の用語は、次のとおり定義する:
1. 受理:出版者が、著者の著作物を出版する旨著者に伝達すること。
2. 論文:著者の著作物「 」、の出版された版。
3. 出版物:論文が公表される予定の、紙又は電子媒体の雑誌あるいは定期刊行物。
第2条 権利
1. 受理に伴い、著者は、出版者に対して、本契約の第2条第2項に記載された権利を、著作権保護期間中、国・地域を問わず独占的に行使する権利を与える。
2. 出版者へ、第2条第1項に記載のあった独占的権利として、以下の権利を与える:
a. 論文の全部又は一部を複製し、単独あるいは他者の著作物と併せて、紙又は電子媒体で論文を公表する権利。例えば、インターネットあるいはその他のネットワークを介して、データベースの一部として、オンライン・オフラインを問わず、第三者による利用のために公開すること。
b. 論文を翻訳し、それを公表すること。
c. 論文の翻案、要約、あるいは抜粋の作成、または論文に基づいた二次的著作物を作成し、それらにおける全ての権利を行使すること。
d. 翻訳、翻案、要約の別を問わず、論文の全部又は一部を電子化されたデータベースに含め、そのデータ
ベースを第三者に提供すること。
e. 翻訳、翻案、要約の別を問わず、論文の全部又は一部をリーダーあるいは編纂物に含めること。
f. 論文を第三者へ賃貸借すること。
g. 法律の規制にかかわらず、リプログラフィーの手段で論文を複製すること。
3. 出版者は、出版物に著者名と典拠を標準的な書誌情報として明示することを保証する。
第3条 著者に保証される権利
1. 著者は、論文に関する権利のうち、出版者に許可していない他の全ての権利を留保する。著者は、特に以下の諸権利を行使することができる:
教育又は研究による使用
論文の一部又は全部を複製し、印刷又は電子的あるいはその両方の形態により、授業教材又は編纂物として、著者自身の機関又は所属している機関での教育又は研究による使用のために、公表し利用できるようにする こと。
配布
論文が掲載された雑誌の出版後すみやかに(著者と出版者が、書面で最大6か月間の留保に同意した場合を除く)、論文をアップロードすること、又はその権限を、著者自身の機関又はその他の適切な機関に認めること、つまり:
a) 当該機関の閉じられたネットワーク(例)イントラネット)にアップロードすること;及び
b) 出版者のウェブサイトで公開されている論文へのリンクが作成されていることを条件に、公開されている機関リポジトリ又は集中管理されたリポジトリ(PubMed Central 又はその他同様の国際的なリポジトリ等)にアップロードすること。
保存
論文・雑誌の保存状態の劣化防止を目的とする場合、あるいはオリジナルが旧式のフォーマットで保存されていたり、オリジナル形態で利用するために必要な技術がすでにない場合、論文が教育・研究目的で継続して使用できることを保証するために、著者自身の機関(又はその他適切な機関)に、論文の複製を許可すること。
将来の再利用
論文の一部又は全部を、学位論文、編纂物、あるいはその他の研究に用いること。
個人使用
論文を、研究会、会議で提示したり、その会議の出席者に論文のコピーを配付すること。
xxx・xxxによる使用
著者自身の機関又はその他適切な機関のエンド・ユーザに対し、著作の複写、利用、配布、送信、公への展示、及び二次的著作物の作成・配布を許可すること。
2. 前項の各号に規定された論文のすべての利用又は再利用において、著者又は出版者は、可能な限り、情報源 を完全な形(最低限、著者名、出版物のタイトル・巻号、及び出版者名)を含めて明記することを保証する。
第4条 著作者人格権
本契約書は、著者又は著者の論文における著作者人格権に影響を及ぼすものではない。加えて、著者は著者として明記される権利を持ち、不名誉な扱いに対して異議を唱える権利を有する。
第5条 保証
1. 著者は、自身が論文の唯一の作者であること、かつ、論文が第三者の著作権又は著作者人格権を侵害しないことを保証する。
2. 著者は、著者による本条保証の不履行があった場合、論文の出版に対する第三者の損害賠償から出版者を補
償し、かつ無害に保つことを約する。本契約書に含まれる保証は、論文に掲載又は著者により提供されたあらゆる絵画、写真、その他の図にも適用される。
3. 著者は、出版者に、著者の協力の下で第三者による論文の著作権侵害を防ぐために必要な手段をとる権利を 与える。著作権侵害の防止について、著者及び出版者は、全面的に協力し全ての情報を共有する義務を負う。このことに係る経費については、必要が生じた場合に、別に契約書を設けるものとする。
第6条 出版の義務
出版者は、受理の後、適切な期間内に、出版者による原価及び費用負担で、標準的な形で論文を出版する義務を負う。
第7条 著作の献本
著者は、論文が掲載された出版物の該当号を2部贈呈される権利を有する。出版物が電子的媒体である場合、著者は、コピーの受領、あるいは適切な出版物へのアクセス権を確保する権利を有する。但し、著者はこれらを販売してはならない。
第8条 法的関係
1. 出版者は、本契約書に記載された出版者としての義務を遂行することを認めた第三者にのみ、本論文の商業的な権利を委譲することができる。
2. 著者は、契約書を取り交わした出版者が著者自身の論文を使用することにより、その著作者人格権を侵すことが明らかにできる場合には、著者は出版の差し止めを要求する権利を有する。出版者は、論文の科学的・歴史的価値の観点から著者の要求が合理的と認められる場合は、その要求を尊重しなければいけない。
3. 本著者は、出版者が破産あるいは清算、又はその他債権者の利益のための手続きを開始した場合、本契約を解除する権利を有する。
4. 本契約書の解除は、出版者と第三者との間でこれ以前になされた有効なすべての契約に影響を及ぼさない。
5. 本契約書は、第三者にいかなる権利も与えるものではない。
第9条 複数著者
複数人の著者が存在する場合、本著者は、他の著者の承諾を得て、全員を代表して本契約書を提出する。
第10項 適用法
本契約は、著者の居住国の法律に準拠する。また、その国の裁判所を管轄裁判所とする。
第11条 最終項
本契約は、論文の受理後直ちに効力を有し、論文の著作権保護期間の終了時に失効する。
著者サイン(日付)
これは、JISC & SURF による“Licence to publish”を日本語に翻訳したものである。
翻訳者である国立大学図書館協会は、本出版契約書の当事者ではない。また、翻訳の内容及び本契約書で提供されるいかなる情報についても保証しない。また、本契約書の使用の結果生じた、あらゆる損害についても責任を有さない。本契約書は、無保証で提供されている。本契約書と関連して、いかなる法的サービスも提供される予定はない。