Contract
《xxさんのための》
定期建物賃貸借契約では、契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了します。
契約期間や収益の見通しが明確になり、経済合理性に則った賃貸住宅経営が可能となります。
定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約との比較
定 期 建 物 賃 貸 借 契 約 | 普 通 建 物 賃 貸 借 契 約 | |
契約方法 | ❶ xx証書等の書面による契約に限る ❷ 賃貸人は「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書等とは別に、予め書面を交付して説明しなければならない | 書面による契約でも、口頭による契約のいずれでも可 (口頭の合意だけでも契約は成立しますが、紛争を防止する観点から、契約書を作成し、契約条件を明確にしておくことが望ましい) |
更新の有無 | 期間満了により終了し、更新がない (ただし、再契約は可能) | 賃貸人による更新拒絶等に正当事由がある場合を除いて更新 |
期間を1年未満とする建物の賃貸借の効力1年 | 1年未満の契約も有効 | 期間の定めのない賃貸借とみなされる |
賃借料の増減請求権の排除の可否 | 増額請求権、減額請求権のいずれも特約で排除可能 | 増額請求権のみ特約で排除可能 |
貸借人からの中途解約の可否 | ❶ 床面積200㎡未満の居住用の建物については、借家人が、転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、貸借人の方から中途解約の申入れをすることが可能(申入れの日後1か月の経過により賃貸借契約が終了) ❷ ❶以外の場合は中途解約に関する特約があればその定めに従う | 中途解約に関する特約があれば、その定めに従う |
「正当事由」の判断は・・・
●建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む)双方の建物の使用を必要とする事情の比較
●建物の賃貸借に関する従前の経過
●建物の利用状況及び建物の現況
●建物の賃貸人が建物の賃借人に対して財産上の給付
(立退料等)をする旨の申出をした場合におけるその申出
など、上記のことを総合的に考慮して判断されることになります。
定期建物賃貸借契約の流れ
1 契約
賃貸人が賃借人に対し、「この賃貸借契約は更新がなく、期間の満了により終了する」旨を
( 契約書とは別に)書面を交付して、その旨を対面、電話、ITなどによって説明(=「事前説明」)します。
契約締結にあたり、宅地建物取引業者が仲介する場合は、宅地建物取引業者が賃貸人の代理として「事前説明」を行うことができます。
その際、重要事項説明書の中に
「事前説明」を併せて記載し、同時に説明することができます。
契約は書面により行います。(必ずしも「xx証書」である必要はありません。)
2 入居
床面積が200㎡未満の居住用の建物については、賃借人に、転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情がある場合には、賃借人の方から中途解約の申入れをすることが可能です。申入れの日から1か月後に賃貸借契約が終了します。
期間満了の
契 約 期 間
1年前
期間満了の
6か月前
定期建物賃貸借の期間が1年以上の場合、賃貸人は賃借人に、期間満了の1年前から6か月前までの間に、「期間の満了により賃貸借契約が終了する」旨を通知します(賃借人に契約終了の注意を喚起し、代替物件を探すために必要な期間を確保するため)。
4 再契約へ
3 期間満了
4 契約終了
賃貸人・貸借人双方が合意すれば、再契約することも可能です。
主 な 活 用 事 例
建て替えの予定に合わせて貸したい!
物件の建て替えに伴い、入居者に退去してもらう場合、建て替え時期を契約の終期とする定期建物賃貸借契約であれば、部屋の明渡しがスムーズに進むほか、建て替え時期までの短期間でも入居者を募集できるため、空室の有効活用が可能です。
大規模修繕の予定に合わせて貸したい!
大規模修繕計画に基づく適切な維持管理は、安定した賃貸住宅経営のために大変重要です。定期建物賃貸借契約であれば、計画に合わせて契約期間を設定できるため、短期間に集中的に工事を進めることが可能です。
転勤等の間の留守宅を貸したい!
(リロケーション)
転勤することになった場合、自宅を留守にしたままでは手入れがされずに傷みが加速してしまいます。また、住宅ローン返済中であれば、転勤先での住居費と住宅xxxの二重の負担が生じます。定期建物賃貸借契約であれば、自宅に戻る時期に合わせて契約の期間を設定できますし、その賃料を住宅ローンの返済に充てることも可能です。
最近の活用事例
短期間でも貸したい!
(マンスリー等)
定期建物賃貸借契約であれば、転勤や長期出張、学生の就職活動などに合わせた期間で貸し出すことが可能です。
別荘やセカンドハウスを貸したい!
オフシーズンのため所有者が使用していない別荘やセカンドハウスを、定期建物賃貸借契約によって一定期間貸し出すことで、賃料収入を得ることも可能です。
ペット共生住宅として貸したい!
ペット共生住宅では、近隣の迷惑にならないよう規約を守ってペットを飼育してもらうことが大切です。定期建物賃貸借契約であれば、規約を守らない入居者と
再契約を結ばないことでモラルのある入居者を確保し、近隣とのトラブル防止につなげやすくなります。
シェアハウスとして貸したい!
シェアハウスでは、入居者がルールやマナーを守って生活することが大切です。共同生活に適応した入居者を確保するため、定期建物賃貸借契約を活用して、例えば体験入居等、柔軟な契約期間の設定も考えられます。
その他の活用事例
良好な居住環境を保ちたい!
近隣トラブルを起こす入居者が居ても、定期建物賃貸借契約であれば、契約期間の満了により契約を終了することができるため、中長期的にモラルのある入居者を確保し、近隣とのトラブル防止につなげやすくなります。
賃料不払い等への不安を解消したい!
受け入れに当たって不安のある入居希望者に対しても、定期建物賃貸借契約であれば、契約期間の満了により契約を終了することができるため、例えば賃料不払いのリスク等を軽減し、安定した賃貸住宅経営が可能です。
デイサービス 施 設 や グループホーム施設として貸したい!
よ
く
question and answers
空き家をデイサービス施設やグループホーム施設として長期の定期建物賃貸借契約で貸し出すことにより、資産の有効活用が可能です。
あ
る
質問
Q1
定期建物賃貸借契約を利用する賃貸人と賃借人のメリットは何ですか。
A1
賃貸人のメリットとして 、期間満了により確実に賃貸借契約を終了させることができるため、契約期間や収益の見通しが明確になり、安定した賃貸住宅経営が可能になることが挙げられます。賃借人のメリットとして 、定期建物賃貸借の物件 、良好な居住環境が保ちやすいと言われております。また、短期間の契約ができることもあるため、ライフスタイルに合わせて借りることが可能です。
Q2
定期建物賃貸借契約の事前説明の内容に誤りがあった場合、契約はどのように扱われますか。
A2
事前説明の内容に誤りがあった場合や事前説明をしなかった場合、期間の定めのない普通建物賃貸借契約として扱われます。
普通建物賃貸借契約を定期建物賃貸借契約に切り替えることはできますか。
Q3
A3
現在の普通建物賃貸借契約の始期が「平成12年3月1日」以降であれば可能です。その際、賃貸人と賃借人の間で「普通建物賃貸借契約を解約すること」と「定期建物賃貸契約を締結すること」をしっかり合意することが大切です。
Q4
契約期間が1年未満の場合、終了通知を出さなくても大丈夫でしょうか。
A4
法令上の義務 ありませんので、終了通知を出さなくても問題ありません。
Q5
定期建物賃貸借契約を再契約する際に、気を付けなければいけないことは何でしょうか。
A5
更新で なく、再度新たな契約を結ぶ扱いとなるため、最初の契約時と同じこと(事前説明等)を行いましょう。
Q6
定期建物賃貸借契約を再契約する場合、敷金の精算等の費用はどのように扱われるのですか。
A6
敷金の精算 最終的な退去時に行えばよく、必ずしも再契約時に行う必要 ありません。
●国土交通省で 、定期建物賃貸借契約の締結の際に参考にしていただける、契約書のひな形(定期賃貸住宅標準契約書)を作成しています。
URL
xxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxxxxx/xxxxx/xxxxxxxxxxxxx_xxxxx_xx0_000000.xxxx
国土交通省 住宅局 住宅総合整備課 賃貸住宅対策室
x000-0000 xxxxxxxxxx0-0-0 XXX:00-0000-0000(内線39365)
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
x000-0000 xxxxxxxxxx0-0-0 xxxxxxxxx00x TEL:00-0000-0000
令和2年3月