HESS
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水素エネルギーニュース
Vol. 12 No.2 2005
46. GM、クライスラー 燃料電池車共同開発
フジ 05.4.1
GM とダイムラー・クライスラーは30 日、米政府と燃料電池自動車の共同開発に関する契約を締結したと発表した。米政府は今後 5 年間で計 1 億 5,800 万ドル(約 170億円)を投入し、2020 年の実用化を官民合同で目指す。契約によれば、GM は8,800 万ドルをエネルギー省と折半出資する計画で、今後、40 台の燃料電池車を開発し、ニューヨーク州やカリフォルニア州、ミシガン州などで実証実験を進める方針。同省は同車に水素を供給する水素スタンドをワシントン、ニューヨークなどの主要都市に配置する計画だ。ダイムラーも 7,000 万ドルを投入する計画。xxxx政権は現在、米議会で審議されているエネルギー法案に今後5 年間で、12 億ドルの燃料電池車開発予算を計上しており、xxxに対する巻き返しを狙う考えだ。
47. 出光、コロナと共同で灯油改質家庭用FC
日刊工 05.4.1
出光興産はコロナと共同で、灯油を燃料とする家庭用 1kW の燃料電池の実証機を開発し、4 月から2 機の運転を始める。コロナの燃焼バーナー技術と出光が開発した高耐久性触媒とを組み合わせた改質システムを導入した。発電効率33%で耐久運転に入り、06 年度から始まる国の大規模実証試験にも参加して08 年度からモニター販売に着手する。サイズは幅1.1m、奥行き32cm、高さは80cm。
48. 信州大 直接水素化ホウ素ナトリウム型燃料電池化工日 05.4.4
信州大学繊維学部のxxxx教授らの研究グループは、直接水素化ホウ素ナトリウム型燃料電池で、エタノール タイプに比べ発電能力を約30 倍に高めることに成功した。電解質膜の厚さ、アノード電極での水素化ホウ素ナトリ ウムの透過性の最適化、複合触媒の採用などで実現した。水素化ホウ素ナトリウムは、定電位酸化ではエタノール より約 100 倍の電流密度がある。このため携帯用燃料電
池で実用化できればメリットは大きい。しかし、既存の膜電極接合体では水素化ホウ素ナトリウムの透過性が悪く、約 5 倍にしかならなかった。そこでアノード電極側でカーボンペーパーの位置を触媒の内側に入れ替えた。さらに高分子電解質膜は薄くし、触媒は白金単体から白金/ルテニウム1 対1 の複合触媒に代えて、一般的な電極構成を基に試作した膜電極接合体は、発電効率が大幅に向上しエタノールより約30 倍の電力が得られた。
49. クアンタム、水素貯蔵タンク技術供与へ
日経 05.4.4
米GM 系で燃料電池部品大手のクアンタム・テクノロジ ーズは車搭載用の水素貯蔵タンクの技術供与に踏み切る ことになった。技術供与するのは 350 と 700 気圧の 2 仕 様。現在は全量、日本へ輸出している。xxxxxは当 初、自ら日本に進出し、工場を稼働する計画だったが、 技術供与の方がコストとリスクを軽減できると判断した。日本ではトヨタのほかxx自動車、スズキ、ヤマハ発動 機がクアンタムの水素貯蔵タンクを採用している。クア ンタムの炭素繊維製タンクはアルミ製に比べ五分の一の 重量で済む。日本国内を走る約百台の燃料電池車の約 75%は同社製を採用している。日本では住友商事が総代 理店となっている。
50. MCFC 研究組合 MCFC12 気圧で500 時間運転
日経産 05.4.5
MCFC 研究組合は、発電効率が高い「溶融炭酸塩型燃料電池」の加圧運転試験に世界で初めて成功した。高圧で発電すると、電池の性能が高まり、中規模以上の発電プラントを実現しやすくなる。今回使ったモジュールは、設計出力が180kW の小型タイプ。 セルを125 層重ねてモジュールを作り、12 気圧で約 500 時間発電した。モジュールの発電効率は43%になる。
51. LPG 燃料電池用に急浮上
化工日 05.4.8
燃料電池水素源に LPG が割って入ってきた。手軽にボンベに詰め、家庭用でも自動車にも使える特性を生かし、難題だった硫黄分除去にもめどがつき、有力元売が本気で取り組み始めたこともあって LPG が燃料電池用燃料に急浮上している。ボンベからの配管の途中に簡易な脱硫装置をつけるだけで、硫黄分が充分除去されることが分った。システムを開発したのは愛媛県の LPG ボンベ会社のxx高圧容器で、この装置を自社開発し、昨年度の石油学会賞を受賞した。新日本石油、出光興産、コスモ石油、ジャパンエナジーなどが LPG ベースの燃料電池事業への参加を表明している。
52. 東邦ガス 高圧水素を効率製造
日経産 05.4.12
東邦ガスは、鉄に水蒸気を当てると酸化鉄と水素が発 生する原理を利用し、高圧の水素を製造する技術を開発 した。数10nm まで細かくした鉄粉に高圧の水蒸気を混ぜ て反応させるもので、ピストンやシリンダーなどの物理 的な圧力で水素を圧縮する従来法に比べ、水素製造に必 要な消費電力を十分の一以下に削減できると言っている。すでに100 気圧の水素を取り出すことには成功している。
53. 三洋、IBM 燃料電池で協業
日経産 05.4.12
三洋電機と日本IBM は11 日、燃料電池を利用したノートパソコン向けの電源システムを共同開発すると発表した。三洋が電池を開発、IBM はパソコン利用者のニーズなどを提供する。既存の「シンクパッド」に接続して利用できるのが特徴で、08 年の量産化を目指す。出力は最大で 72W、重さはメタノール燃料と合わせて 2.3kg、130mlの燃料カートリッジ 1 個で約 8 時間使用できる。リチウム電池と組み合わせることで給電中にも燃料を交換できる。サイズは270×282×16~54mm。価格は5 万円に近づけるのが目標。
54. FC 戦略委 家庭用定置式FC コスト削減策
日刊工 05.4.13
経済産業省と燃料電池メーカー、エネルギー企業 9 社で構成する定置用燃料電池xxx戦略検討委員会は、家庭用燃料電池の普及で課題となるコスト削減などに関する報告を19 日にまとめる。最重要課題の一つとしてブロア、ポンプなど補機類を共有化したり、共同開発したり
することで1kW100 万円以下に抑えることが可能となる内容を盛り込む。補機類がFC コージェネレーションに占めるコスト比率が半分程度に高まってくることから、中小・ベンチャーを含む企業の参加も得て、共同開発などで大幅なコスト引き下げを実現していく。コストは現在 1,000 万円以上するのを08 年に1 万台普及したとしても、今の延長では 207 万円までしか下がらないとしており、エネルギー企業が要求している90 万円とは120 万円もの差が生じることが分ってきた。さらにFC の耐久性では導入拡大期は4 万時間を前提に、目標は6~7 万時間が望ましいとしている。
55. 米ポリフューエル DMFC用新炭化水素系電解質膜
日刊工 05.4.13
米ポリフューエルはフッ素系高分子膜を使った従来の膜電極接合体(MEA)製造手法を用いて携帯用 DMFC の製造が可能な新炭化水素系電解質膜を開発した。フッ素系膜は比較的低温で軟化するため、電解質膜が密接する構成要素をホットプレスして MEA を製造出来たが、従来の炭化水素膜は同じ低温では軟化せず、この技術は適用できなかった。開発した新炭化水素膜はフッ素系と同じホットプレスが使用できる所に特徴がある。
56. 佐賀県 燃料電池で懇談会
日刊工 05.4.13
佐賀県は地域の産学官連携による燃料電池の勉強会
「水素エナジー研究懇談会」を 5 月にでも立ち上げる。 県内企業が燃料電池関連産業に参入するための足がかり とするのが狙い。座長にはxxxx佐賀大学エネルギー 研究センター長が就任する予定。2 ヶ月に1 度のペースで、大学の研究者ら専門家を招いた勉強会を開くほか、産学 協同研究グループの結成を目指す。
57. ホンダ 氷点下で始動可能な燃料電池
日経産 05.4.14
ホンダは世界で初めて氷点下で始動可能な燃料電池を開発した。寒冷地走行を可能にしたのは「低温下でも電気を通しやすい材料の採用がポイント」である。低温下では電子を取り出す電解質膜の導電性が悪化し、セルを区切るセパレーターも抵抗が増し、反応時に出来る水も凍結しやすく水素などの通路をふさいでしまう。ホンダは電解質膜をフッ素系樹脂から石油系樹脂に変え、セパ
レーターを炭素繊維からステンレスに変えた。この結果、電解質膜の抵抗は従来の半分、セパレーターは四分の一に低下。導電性が増した分、スタックが自己発熱で温まる「暖気性」も 5 倍に向上。低温始動の限界を従来の摂
氏零度から氷点下20 度まで引き下げることが出来た。
58. GS ユアサ DMFC システム商品化
化工日 05.4.15
GS ユアサは 14 日、最大出力1,000VA の可搬型DMFC 発 電システムの商品化に世界で初めて成功したと発表した。設置や取り扱いが簡単なのが特徴で、来月から農業施設 用電源や災害時の非常用電源向けにサンプル出荷を始め る。商品名「YFC-1000」は外形寸法幅 85×奥行 48×高さ78cm で重さ120kg と小型軽量。低濃度メタノールを使 用。
59. 米 燃料電池車開発急ピッチ
フジ 05.4.19
国立再生エネルギー研究所のxxxx・xxxxラップ技術部長は、燃料電池自動車の実用化は「早くても 15年先」と予測している。にもかかわらず、もう開発の主導権争いが始まっているのは、米政府が17 億ドルもの開発援助費を用意しているからだ。
「フロリダ州は、燃料電池自動車実用化の中心地となることを目指す」とフロリダ州環境保護局のxxx・xxxxxx次官。xxx・xxxx フロリダ州知事は、このプロジェクトに1500 万ドルの予算を計上。
カリフォルニア州のシュワルツネッガー知事は「水素ハイウエー構想」を打ち上げ、2010 年までに 9,000 万ドルを掛けて州内に水素スタンド 200 箇所を建設すると公言した。
ニューヨーク州のxxxx・xxx知事は、公用車としてホンダ製の燃料電池車2 台をリース契約するほか、140万ドルを掛けて水素スタンド増設やガソリン車からの切り替えを進めるという。
60. 日本ガス協会 水素フォーラム開催
日刊工 05.4.20
27 日 10 時半から内幸町のイイノホールで燃料電池と水素をテーマにしたフォーラムを開く。都市ガス業界として国家プロジェクトに積極関与し、FC や水素製造装置などの開発に取り組んでいることや最新の技術成果、水
素エネルギー社会のxxについて解説する。
61. 富士経済 燃料電池2010年度、506億円市場に
日経産 05.4.28
富士経済は燃料電池の 2010 年度の市場規模は 04 年度の25 倍506 億円に拡大すると予測した。家庭用燃料電池は10 年度152 億円、携帯電話やノートパソコン向けの小
型燃料電池は207 億円に拡大するものと予想している。
62. 東大 xxx・水から水素生成
化工日 05.5.2
東京大学大学院工学研究科のxxxx教授、長岡技術科学大学大学院工学研究科のxxxx教授らの研究グループは、可視光応答性光触媒を開発、水から水素を生成することに成功した。この光触媒は酸化亜鉛と酸化ガリウムの混合粉末をアンモニア雰囲気中 850℃で焼成してできる、窒化ガリウムと酸化亜鉛の固溶体。比率は窒化ガリウム 9 に対して酸化亜鉛は1の割合で、吸収端は約 500nm、xxの利用効率であるxx効率は 1%。光源として450W の高圧水銀を水に照射したところ、0.3gr の触媒量で1時間当たり100ccの水素と50ccの酸素が発生した。xxxxは、窒化物以外に硫化タンタルなど硫化物系でも安定した可視光領域に吸収端を持つ材料系を見出しており、数年後には 600nm、xx収率 30%を達成するのが目標。
63. xx 燃料電池の車椅子xx
x、化工日 05.5.11
xx鉄工所(大阪市)は10 日、台湾の燃料電池コンポーネントメーカーAPFCT 社との技術提携をベースに、水素を使った燃料電池システムで動く車椅子を開発したと発表した。APFCT 社製 250W の空冷式燃料電池と4 本の水素貯蔵合金ボンベ、リチウム電池を併用したハイブリッド方式で、1 回の補給で約 10 時間動かせる。現在普及している電動車椅子は連続走行時間が 5 時間程度で、大幅な改善である。
64. 東ガスなど 家庭用普及型FC 開発へ
日刊工 05.5.11
東京ガス、新日本石油、xx電器産業、三洋電機、旭硝子、旭化成の 6 社は、垂直連携し、運転条件が絶えず大きく振れても十分な耐久性を保証でき、補機に特注品
を使わない定置型燃料電池の実用化開発に 5 年を掛けて取り組む。NEDO のFC 実用化戦略的技術開発に100%委託事業で応募、今月末に採択されれば40 億円弱を投じて開発を始める。
65. 東北大 バイオ燃料電池で発電
日刊工、朝日 05.5.13
東北大学のxxxx教授らのグループと第一製薬グループの第一化学薬品は12 日、グルコースを燃料とする人体への影響の尐ないバイオ燃料電池による発電に成功したと発表した。電子メディエーター化合物(ビタミン K3を修飾、高分子化したポリマー)を用いた 1 円玉サイズの電池で、約0.2mW の電力を生み出しており、埋め込み・自立型の血糖値センサーなどに対応が可能。従来のバイオ燃料電池のように金属錯体を用いていないため、人体に安全と言う。現在、実際の血液からの発電や動物への埋め込み実験を計画している。電子メディエーター化合物は酸素と混合することで、負極でグルコースから電子を取り込み、これと酸素を正極で還元することで発電させている。
66. トヨタ、GM 燃料電池車「協力深める」
日経 05.5.15
トヨタ自動車と米 GM は 14 日夜、xx市内でトップ会談を開いた。トヨタのxxxx社長は会談後、合弁会社設立を軸に検討している燃料電池車の共同開発や共同生産については「GM との協力関係を深めていこうと考えている」と前向きな姿勢を示した。米GM のxxxxx・xxxx会長は会談に先立ち、xxxxx名誉会長とも懇談した。
67. 新日石 燃料電池上期50台下期100台設置予定
日経産 05.5.16
新日本石油は、3 月から1kW 級の LP ガス仕様家庭用燃料電池システム「ENEOS ECO LP-1」の商品化を行い、今月下旬から一般住宅などに設置を開始する。上期中に関東圏 1 都 10 県で 50 台前後の燃料電池の設置を完了する見通し、下期には 100 台程度設置し、初年度の 150 台の目標を達成する見込みだ。新エネルギー財団が、NEDO から助成を受けて実施する「平成17 年度定置用燃料電池大規模実証事業」のうち新日石は 55 台を申請、うち 44 台について助成金交付が決まった。外れた11 台は下期に繰
り延べ、それを含めて下期には約100 台の申請を行う。
68. トヨタ 燃料電池車用水素タンク2 種開発
日経産 05.5.17
トヨタ自動車は16 日、燃料電池車用高圧水素タンクの
自社開発に成功したと発表した。開発したのは350 と700気圧の2 種類のタンクでこれまで海外から調達していた。タンクの内側には水素漏れを防ぐため水素透過防止性能に優れたナイロン系樹脂を採用した他、タンクの外側にはカーボンファイバーを巻いて強度向上と軽量化を図った。同時にタンクに装着する高圧バルブも一体で開発し、信頼性を高めた。
69. JARI FC 車開発の安全性評価
日刊工 05.5.18
日本自動車研究所はxxテストセンター内に建設していた燃料電池車安全性評価試験施設を全面完成、新たに液化水素試験設備も導入した。総額 30 億円を投じて 04年 5 月に一期工事が完成、二期工事では防爆ドームから出る排煙の除去装置や、自家発電用の1,000kW ディーゼル発電装置を設置した。FC 車や水素自動車の開発にかかわるすべての安全性試験評価がこの施設で年間を通して可能になる。
70. 英和 産学連携を強化し燃料電池向け測定装置開発
日経産 05.5.18
英和は、燃料電池向け測定装置の新商品開発を進めるため産学連携を強化する。茨城大学のxxxxxxの下に研究員2人を派遣し、燃料電池の膜電極接合体の高性能化を進める。産学連携の推進を図るため研究開発部も新設した。DMFC 向け発電測定装置、燃料電池の不良品検査装置を販売し、05 年3 月期の燃料電池関連事業の売り上げは前期比25%増の2 億5,400 万円。まだ連結売り上げの1%程度に過ぎない。
71. xx石油 燃料電池の実証事業
日刊工 05.5.20
xx石油は、愛媛県内で定置型燃料電池の実証事業を9月から始める。8 月末までに県庁内など8 箇所にシステムを設置する。約 2 年間、各種データーの収集や保守体制を整備し、燃料電池の認知度向上と普及促進を図る。燃料電池は東芝燃料電池システム製。
72. 昭電 燃料電池用セパレーター
日経産 05.5.23
昭和電工はカーボンと樹脂の複合素材を使った燃料電池用セパレーターを開発した。金属製セパレーターの四分の一程度軽く、通常黒鉛の約10 倍の導電性を持つ。素材は黒鉛微粒子と、ポリプロやブタジエンなどの複合樹脂を体積比 7 対 3 の割合で混合した。これに尐量のホウ素を加え、導電性を一段と向上させたもの。複合素材を押出成形機でシート状に圧延し、水素や酸素を通過させる多数の細い溝をプレス成形で刻む。セパレーター1 枚当りのプレス成形時間は15 秒、厚みは1.5 ㎜、生産コスト現在数千円と高価、当面200 円を目標、将来的には50 円を目指す。
73. DMFC 用メタノール濃度測定器
日経産 05.5.25
ケイ企画(横浜市、xxxx社長)はDMFC の開発向けにメタノール濃度を分析する装置を開発、6 月にも発売する。センサーが独自技術で測定精度高い。価格63 万円。
74. カナダ 蟻酸燃料電池
日経産 05.5.25
カナダのバンクーバーにあるテキオンソリューション社は、コインほどの大きさの超小型燃料電池を手がけている。電池の陽極に蟻酸を接触させ化学反応で電子を発生、陰極では空気中の酸素と、陽極で発生した電子と反応し水と熱を発生する仕組み。
マグパワー・システムズ社は、塩水とマグネシウムを使う燃料電池を初めて商品化する。
75. xxx 燃料電池セルの水分解析
日刊工 05.5.26
静岡大学工学部のxxxx教授は25 日、燃料電池のセル開発用のシミュレーションソフトをカナダのビクトリア大学と共同開発したと発表した。FC セル内の水素の流路ごとに水分の発生場所と量、さらに外部に排出される水量を明らかにし、どの部分にどれだけ水分が残るかを解析。これにより寒冷地での凍結による故障を回避する FC 開発が効率化できる。
76. 荏原 加バラードとFCスタック日本で生産合意
日刊工 05.5.27
荏原はカナダ、バラード・パワー・システムズとの間で、定置型固体高分子型の燃料電池事業の要であるFC スタックを、両社合弁の荏原バラードが日本で製造することで合意した。同時に荏原がバラードに対し新たに1,170万ドルを出資、持ち株比率を1%から3%へ高める。このため今までブラックボックスだった膜電極接合体を含む FC スタックの製造・開発・販売を荏原バラードが日本で実施することで合意した。
77. xxx 燃料電池の産学官研究組織
日経産 05.5.27
群馬大学工学部は燃料電池の研究開発からxxxまでを産学官で行う研究組織「燃料電池の創り方サロン」を立ち上げる。同学部の研究成果を企業に公開、サンデン、三洋電機、富士重工業など群馬県に拠点をおく大手企業、群馬県にも参加を依頼し産学官で推進していく。燃料電池関連事業を目指す群馬、埼玉、栃木などの中小企業に参加を募り、50 社程度を集めたい意向。そのうえで7 月から来年にかけて 4 回のセミナーを開催。同時に各企業と共同研究開発の可能性を探る。
78. xx県周南地区 “水素タウン”形成
日刊工 05.5.28
ソーダ工場や石油化学工場が多数立地するxx県周南地区。ここで副産する水素は年間約 7 億 2 千万㎥に及び
「全国一の水素副生能力」を誇っている。04 年12 月、xx県水素燃料電池実証研究委員会が、xx市のトクヤマxx製造所に水素燃料電池実証研究設備を設置し試運転を開始した。水素を生成する工場と住宅地を導管で結び水素を供給し、家庭のコージェネシステムで発電する計画だ。試験設備を 2 ヶ月間稼働したところ、総合エネルギー効率は既存の電力などを上回る 76.5%を記録したという。水素を各家庭に導管で供給するという世界でも初のモデル事業が、06 年度にも本格的にスタートする。
79. 早大 水素吸蔵合金で純度向上
日経産 05.5.30
早大のxxxx教授らは、東北大などの研究グループと、バイオマスなどからの純度が 40%~90%と低い水素を、水素吸蔵合金で吸収・放出して純度99.999%まで高める技術の実用化に乗り出す。ランタン、アルミニウム、ニッケルで構成する合金を作り、表面をシリコンゴムで
コーティングして务化を防ぐ対策も施している。試作した合金は、合金の重量あたり約 1%の水素を貯蔵できる。温度を 20℃から 80℃の間で上げ下げすることで水素の吸・放出を行わせる。
80. 帝人 燃料電池部材用フィルムを開発
化工日 05.6.2
帝人デュポンフィルムは燃料電池部材に最適なポリエ チレンナフタレートフィルム「テオネックス」の新グレ ードを開発した。電解質膜として主流のフッ素樹脂系の 膜はコシが無い材料で、加工時の取り扱いが難しく加工 性の向上が課題となっている。開発したグレードはフッ 素樹脂系膜をサポートして、加工時の取り扱いを容易に する。低温から高温までの雰囲気で安定した耐熱性、低 加湿状態でも安定した対加水分解性、高プロトン濃度化 で安定する耐薬品性に優れている。同社では固体高分子 膜用の支持体やキャスティング用材料のほか、MEA 作成時 の触媒層転写用フィルムなどの用途を視野に入れている。
81. xxx PEFC 電極触媒の白金使用量を半減
化工日 05.6.2
九州大学大学院のxxxxx助教授とxxxx教授らは炭素ナノ繊維(CNF)を用いて、白金の担持量を半分に減らしても同等以上の発電能力をもつPEFC 電極触媒を開発した。CNF は白金を高分散状に担持するのが難しいが、表面処理を施すと共に白金の凝集を抑制することによって達成した。CNF は千鳥構造型が有効、白金化合物を水中に分散させた状態で、過酸化水素を滴下しながらコロイドを生成させる「コロイド同時担持法」を用いて調製、加熱、還元処理して触媒を作成した。これをフッ素系の電解質膜と混合してカーボン多孔体に塗布、空気極とした。 NEDO の委託による研究。
82. 岩谷 液体水素で輸送量増
フジ 05.6.3
xx産業と関西電力は 2 日、液体水素式の「移動式水素ステーション」を共同開発したと発表した。貯蔵密度が高い液体水素を利用、従来の圧縮水素タイプに比べて
1回の輸送で約3~4 倍の水素を運ぶことが出来る。移動式水素ステーションのサイズは6×2×2.2m
のコンパクト化を実現、4 トン積みトラックで運搬でき、設置の柔軟性を高めた。標準的な 2,000ℓタイプで燃料電
池車15 台程度に水素が充填できる。価格は4~6 千万円。
83. 東邦ガス 水素エネによるエネルギー削減効果発表日刊工 05.6.3
東邦ガスと名古屋大学xxxxx教授、xxxx教授、xxxx教授らの研究グループは、燃料電池車と家庭用燃料電池が並行して普及すれば現状に比べエネルギー使用量が最大14%、CO2排出量が最大22%削減できるとの試算を明らかにした。9 日のエネルギー・資源学会で発表する。
84. JOMO LPG 改質型燃料電池関東圏から設置
化工日 05.6.9
ジャパンエナジーは 8 日、同日からLPG 改質型燃料電池システムの一般家庭への設置を開始すると発表した。当面は関東圏を中心に設置を進め、初年度 30 台程度、3年間で 150 台程度の設置を目指す。システム仕様は、定格発電容量 700W、定格発電効率 30%以上、定格総合効率 65%以上。サイズは幅870、高さ885、奥行き350mm、重量 170kg。
85. セイコー 水素化ホウ素ナトリウム電池試作
化工日 05.6.10
セイコーインスツルは水素化ホウ素ナトリウムにリンゴ酸を滴下して水素を取り出し発電するパッシブ型燃料電池の開発を進めている。DMFC に比べ常温でも高出力・高効率な発電が可能な他、CO2も発生せず、圧力の制御だけで水素の発生を制御でき、補機が不要で小型化も容易。 2007 年頃の実用化を目指している。発電セルが水素発生ボックスから送り込まれた水素を消費し発生ボックスの内圧より低下すると逆支弁が開き、固体の水素化ホウ素ナトリウムにリンゴ酸水溶液を滴下して水素を発生させる仕組み。
86. 渦潮電機 船舶用の燃料電池脱硫ボンベ
化工日 05.6.13
船舶機器大手の渦潮電機とxx高圧容器の両社は、未開拓だった船舶での燃料電池実用化に向けて、本年 9 月から実証実験を始める。海上では空気に含まれる塩分がxxxに多いため、燃料電池システムに影響が出る可能性が高く脱塩剤の開発を行っている。船舶用の燃料電池は航海中の多様な揺れや振動などへの対応が必要な他、
エンジンやボイラーからの排気ガスへの対応も求められている。船舶への燃料電池の急激な普及が予想される背景には、米カリフォルニア州が、停泊中に船舶が発電することを来年から全面禁止することになり、xxxでも同様の禁止が予想されているためである。
87. 水素エネルギー実用化へ加速する光触媒研究開発
化工日 05.6.13
基礎的段階ながらも企業から高い関心が集まっている。従来光触媒は d 軌道に全く電子を持たない d0 のチタン、タンタル、タングステンなどの金属酸化物に限られてい たが、長岡技術科学大学のxxxx教授はインジウム、 ガリウム、ゲルマニウムなどd 軌道に電子が10 個あるd 10 電子状態の金属酸化物で水の分解反応を促進する新し い光触媒を見出した。d10 に続き、d10-d10、d10- d0 の複合体でも作用し、複合酸化物では光吸収が長波長 側にシフトする結果も得られている。産業技術総合研究 所のxxxxxx研究員らは植物の光合成を模倣する人 工光合成システムを作り、可視光で水を水素と酸素に完 全分解することに世界で初めて成功した。植物をまねて、酸素を作る触媒と水素を作る触媒の二種類を用意し、ヨ ウ素イオンとヨウ素酸イオンでその反応をつなぐという 二段階方式。酸素と水素を別々に取り出せるメリットが あるが、未だ変換効率が低いのが課題。xxxx大のx xxx教授らは、紫外線照射ではあるが、酸化還元剤な しで一時間当たり 500ml と高速で定常的に水素を発生す る化合物を見つけた。ランタンをドープしたタンタル酸 ナトリウムと酸化ニッケルで水を完全に水素と酸素に分 解した。
88. 三菱化工機 カナダ社の水素製造中核システムの販売契約
日経産 05.6.15
三菱化工機はカナダのクエストエアテクノロジーズと圧力スイング吸着法の装置で切り替え弁や配管を削減したシステムの日本、中国を含むアジア8ヶ国での販売契約を結んだ。水素製造装置全体の小型化につなげる。年間3~4 億円の売り上げを見込んでいる。
89. トヨタとホンダ 燃料電池車に形式認証
日経 05.6.18
トヨタ自動車とホンダは17 日、燃料電池車の形式認証
を同日付けで国土交通省から取得したと発表した。国交省は今年 3 月、道路運送車両の保安基準を改正し、圧縮ガスを燃料とする車の安全・環境にかかわる基準を整備済み。これを受け。トヨタが「トヨタ FCHV」、ホンダは
「FCX」がそれぞれ国内初の形式認証を得た。車両一台毎の大臣認可は不要で、通常のガソリン車などと同様に不特定多数の顧客へ販売できるようになる。
90. サッポロ 廃材利用し水素
日経 05.6.24
サッポロビールは、xx製作所、広島大学と共同で、間伐材などの木質バイオマスから水素を製造する技術の開発を行い、4、5 年後の実用化を目指す。好熱性の水素生成細菌を使い、廃材から先ず水素を生産する。残る有機物は別の微生物でメタンにする、メタンを生産する微生物だけを使う場合に比べ、廃材の処理速度が四倍になる見通しで、コスト低減につながる。ビールかすも水素生産に応用できるとみている。現在1 ㎥あたり 200~300円の生産コストを2010 年頃に同100 円程度に引き下げる目標である。
91. オクト マグネシウムで水素発生
日刊工 05.6.27
オクト(西宮市、xxxx社長)は、希硫酸にマグネシウムを漬けて水素を取り出す装置を開発中。Mg1gr から水素は978ml 得られる。
92. 新日石 燃料電池開発に集中
日経産 05.6.28
新日本石油の中央研究所は29 日付けで、本社の営業部門で技術サービスを担当している部隊を研究所に移し、基礎研究から実用化までを手がける「水素・新エネルギーグループ」を発足させる。研究・開発要員も従来の約
1.5 倍の 50 人程度に増やす。xxx社長は「都市ガスが整備されない世帯は全国に約半分あり、家庭用燃料電池は大きな需要が見込める。今のうちに技術基盤を高めておく必要がある」とみる。現在一台 1,000 万円程度の生産コストを50 万円まで減らす大きな課題がある。
93. 燃料電池搭載の二足歩行ロボ
日経産 05.6.28、朝日 05.6.29
ロボット開発のスピーシーズは28 日、燃料電池を搭載
した小型の二足歩行ロボットを開発したと発表した。研究やイベント用に製品化したもので 7 月から大学・研究機関や企業向けに受注生産する。価格は 262.5 万円。スピーシーズ FC は全長 50cm、重さは 4.2kg。16ℓの圧縮水素ボンベを首の部分に入れている。無線 LAN を通じてパソコンで操作する。燃料電池は両肩と背中にスタック 5個を搭載、水素ボンベ一つで約1 時間動かせる。
94. 燃料電池ビークル、アイスランド一周
日刊工 06.6.28
グリーン・エナジー・アドベンチャー(xx市多摩区)のメンバー4 人(代表はxxxxxx)が11 日間をかけて燃料電池ビークル「ハイドロバフィン」でアイスランドを一周し、25 日午後、ゴールのレイキャビックに到着した。同ビークルは人力三輪車を改造、大同メタル工業や日本製鋼所などからFC スタックや水素吸蔵合金などの供給を受けてつくった。リチウムイオン電池を搭載、出力200W の電気をためて走行する。途中未舗装の道に泥だらけになり、零℃以下での走行も体験。1577 ㎞の距離を 57 時間38 分かけて平均時速27 ㎞で完走した。
95. 愛知県 あいちFCV 普及促進協議会設立
日刊工 05.6.29
愛知県、xx市、常滑市、トヨタ自動車、東邦ガスなどは、県内の官民を挙げて燃料電池自動車を普及しようと「あいち FCV 普及促進協議会」を 7 月 1 日付けで設立する。愛知県を FCV 先進県として発展させる考え。協議会には新日本製鉄、xx日酸なども加わり、中部運輸局や中部経済産業局がオブザーバーで参加。
96. 燃料電池セパレーター開発競争
日刊工 05.6.30
研究開発のポイントは、いかに薄く出来るかである。同時に衝撃や振動に強く、耐久性があり、高い通電性が求められる。さらに作りやすく、コストも安くなければならない。
ユニチカ:粉末のフェノール樹脂と充填材を混ぜて射出成形後に焼成しセパレーターにしている。2 枚を結合した一体化型で厚みは3.5 ㎜。
日清紡:樹脂と黒鉛を混合して作るセパレーターで最薄部は 0.2 ㎜という薄型の製品開発に成功した。流路の溝を掘る場合はもう尐し厚みが必要。柔軟性に富むのが特
徴。
昭和電工:プロピレン系やブタジエン系の樹脂を体積比で 30%混ぜた黒鉛のセパレーター。黒鉛微粉を用いることにより、高い電気伝導性を実現した。厚みは1.5 ㎜。住金:ステンレス鋼板製のセパレーター。ステンレス鋼は鉄にクロムやニッケルを加えるが、同社はこれに重量比で 15~20%の伝導性のある金属を添加、表面にこの金属が現れ、表面の他の部分は酸化膜で覆われるため電気伝導性を保ちつつ腐食に耐える。厚みは 0.2 ㎜で、プレスで流路を加工するためその深さによって全体の厚みは変わってくる。
三昌化工:黒鉛に特殊なフェノール樹脂を混ぜた材料を開発。電気伝導性高く、機械的強度も優れている。プレスで流路を形成するので製造コストが従来品の数十分の一になる。厚みは1mm 弱。
HESS
水素エネルギーニュース
Vol. 12 No.3 2005
97. ホンダ 燃料電池車一般家庭に日刊工、フジ 05.7.1
ホンダは30 日、燃料電池車「FCX」を初めて個人客に販売したと発表した。世界で初めての個人ユーザーは、米国カリフォルニア州のxxx・xxxxxさん。契約は2 年リースで月額500 ドル。同州カーソン市にある水素ステーションで充填できる。
98. 出光 灯油型家庭用FC 二号機運転開始化工日 05.7.1
出光興産は 30 日、コロナと共同開発した灯油型 1kW級家庭用固体高分子型燃料電池システムの2 号機を中央研究所内に設置、29 日から運転を開始したと発表した。起動時間の短縮、運転制御性、耐久性向上などの課題に取り組む。
99. 富士通 携帯電話用DMFC 1W の発電実現日経産、化工日、日刊工 05.7.7
富士通研究所は 6 日、NTT ドコモと共同で高容量の直接メタノール型燃料電池を開発、外付けタイプの FOMA端末用充電器を試作したと発表した。99%以上の高濃度メタノールを使用して世界で初めて平均 1W の発電能力を実現したもので、18cc の燃料カートリッジでリチウムイオン電池3 個分の内蔵電池を充電できる。サイズは長さ15、幅5、厚さ2cm で重量は190gr。クロスオーバーを従来自社品の二分の一に抑える炭化水素系の電解質膜を新たに開発、また発電時に発生する水分で燃料を実質的に希釈して高濃度燃料使用時の発電効率の低下を抑制することに成功した。
100. xxxと理研 有機廃棄物から水素エネ日刊工 05.7.12
群馬県産業支援機構は11 日、地域研究開発促進拠点支援事業による成果を発表した。群馬大学工学部は、安価な褐炭にニッケルなどをイオン交換で担持させ、食品などの有機廃棄物とともに500~600℃の低温でガス化し、
生成した水素ガスは発電、都市ガスなどに利用する。理化学研究所は畜産廃棄物中のアンモニアを捕集して触媒を用い窒素と水素に分解、水素は燃料電池の燃料として使用する。
101. TOTO SOFC スタック07 年度以降に本格量産日刊工 05.7.14
固体酸化物型燃料電池を開発して15 年になるTOTO では、今年度から商品化出来そうな生産技術の開発ステージに入る。モジュール規模は「04 年に1.5kW のモジュールを開発したのに次いで6kW 機も開発した。発電効率は直流発電端でコンスタントにそれぞれ55%、50%を出している。モジュールは1 セル(チューブ状)が直径16mm、長さ70cm で30~40W。これを2 並列6 直列の1バンドル 300~400W。2種のスタックを供給するが、カナダのフューエルセル・テクノロジーと供給契約を結んだ。スタック販売が当社の事業で、日立製作所、九電とFC システムの共同開発を進め、07 年度中に 20kW 機を作り上げる。スタックの特徴はシンプルで 300℃の温度差でもセルが破損しない。07 年度までにセラミックス材料の务化機構の追及や高出力化の開発を進める。電解質材料はスカンジア安定化ジルコニアに替えた。広範囲の温度域で実用化できる。空気極のランタンマンガナイトが全体の厚みの95%を占めるため、最もコストに効いている。現在は手作りのため人件費が大きい。現在のスタックコストは 1kW100万~200万円。システムにすればこれの3,4倍か。スタックは人件費がなくなれば50 万円になる。ちなみにカナダへの 5kW システムは 3000 万円。寿命は単セル 1万時間まで進み、モジュールは3000 時間を実現する。数 kWをベースラインに08年度にはスタックコストで1kW20万円を見通すまでにしたい。」と開発グループリーダーxxxxは言っている。
102. 背負子で携帯できるPEFC化工日 05.7.14
バンテック(那須塩原市)とキュー・エム・ソフト(福
岡県遠賀町)は背負子型とキャスター型の小型・軽量の固体高分子型燃料電池を共同開発した。燃料電池スタックは低圧式でカーボン系セパレーターとフッ素系電解質膜を採用。定格出力は600W。電圧はAC100V で、水素500 ℓを貯蔵する水素吸蔵合金を使用。重量は背負子型で 26kg、キャスター型で46kg。水素漏れを検知しシステムを停止する警報装置を内蔵。価格は250 万円。
103. 組立容易な燃料電池日経産 05.7.14
ケミックス(相模原市)は、5~10 分で組立できる小型燃料電池を開発した。直接メタノール型燃料電池で、サイズは幅、高さが 4.6cm、奥行きが 3cm。濃度 10%のメタノールでの出力は50mW。7 月中旬から税込み3万3千円で販売する。
104. xx 貴金属使用量を大幅カット化工日 05.7.19
xx電器産業は PEFC の白金やセリウムなどの貴金属使用量を大幅に低減すると共に、定格出力で発電効率 32%、300W 出力で26%を達成した。空気極や燃料極とも貴金属量を従来の三分の一以下の0.1gr/cm2に低減した。
105. 姫路会議所水素ビジネス研設置日刊工 05.7.20
姫路商工会議所は、会員企業23 社と3 研究機関の参加する水素ビジネス研究会を設けた。水素の製造・貯蔵・供給、ナノ鉄粒子による水素の応用製品、燃料電池の現状と課題、水素利用ビジネスの実例などをテーマにビジネス化を検討する。
106. xx石油等 LPG 燃料電池用の脱硫触媒の開発化工日 05.7.21
xx石油とxx高圧容器、渦潮電機、愛媛大学などは、 LPG 燃料電池用の新規高性能、小型脱硫触媒の共同開発に乗り出す。経済産業省の産業クラスター計画の一環として、今年度の公募型技術開発事業で行うもの。従来の含浸法に代わりスパッタリング法を用いて、金属担持量を削減するとともに、比表面積を大幅に増大した触媒を開発する。
107. 東芝 定置PEFC 量産体制
化工日 05.7.22
東芝は、家庭用定置型固体高分子型燃料電池の商用化に伴って、燃料電池スタックを東芝本体で製造すると共に、子会社の東芝ホームテックで最終組立を行う体制を整えた。改質器は基本的には外部調達とする。同社は 4月以降大阪ガス、ジャパンエナジー、出光興産、九州石油、xx石油などに 40 台の出荷を始めており、当面 08
年までに年間1,000 台以上の販売を目指す。
108. 水素吸蔵合金でアクチュエーター日刊工 05.7.25
コペル電子は水素吸蔵合金を利用したアクチュエーターを開発した。ペルチェ素子で水素吸蔵合金を加熱、冷却して合金から水素を放出・吸蔵させ、そのガス圧によってピストンを作動させるもの。小型・軽量で静粛性に優れるため、福祉機器や災害救助機器分野への応用が期待される。
109. 首都大 プロトン伝導性4 倍に日刊工 05.7.26
首都大学東京のxxxxx教授は、現行のナフィオン膜より約4 倍優れたプロトン伝導性を持つ高分子素材の燃料電池用電解質膜を作製した。親水性の高いスルホン酸基を持つ親水性低分子と、親水基を持たない疎水性低分子を重合したもので、ブロック化により形成された親水鎖を通ってプロトンが迅速に運ばれる。炭化水素系材料のため、ナフィオンより安価になるうえ、ハロゲンを含んでいないため環境への負荷も尐ない。今後、耐久性を高めるなど、実用化に向け改良していく。
110. 三菱マテ CO2 液体で分離・回収日経産 05.7.27
三菱マテリアルは、混合ガスに含まれる CO2 を従来法に比べ最大80%尐ないエネルギーで分離・回収できる技術を開発した。イオン性液体を吸収液として用い、吸収液に溶け込ませた CO2 を液体のまま分離するのが特徴。イオン性液体はCO2 だけを吸収し、液化したCO2 とは分離する性質を持っている。燃料電池向けの水素の純度を高めることなどに役立ち、回収した液体 CO2 は炭酸飲料向けなどに使える。
111. 福岡水素エネ戦略会議05 年度事業計画
化工日 05.7.27
04 年8 月設立された福岡水素エネ戦略会議は、このほ
ど開催した総会で05 年度の事業計画を決定した。今年度から開始するのは会員の研究開発を支援する研究開発助成事業で、事業化研究枠で最長3 年間で5 千万円以内、また育成研究枠では1年間で5百万円以内の助成を行う。ともに2 件程度採択する予定。
112. 日立 低濃度水素を迅速検知化工日 05.7.28
日立製作所は、燃料電池に使われる水素の安全利用の ため、TFT 型半導体水素センサーと同センサーを用いた 検知システムを開発した。このセンサーは常温でも動作 するが、高高度化を狙って 100℃程度に加熱して用いる 薄膜 TFT 型。水素の爆発下限界 4%の千分の一以下の水 素濃度でも計測可能。このセンサーを数個組み込んだセ ンサーノードとアクセスポイント、サーバーなどで構成 した検知システムを組み込んだプロトタイプを開発し検 知実験を行った。その結果、水素漏出をセンサーが検知 して0.3 秒以内にサーバーへ濃度データーが転送され、 同時に10 点の水素濃度が計測でき、数秒以内に水素濃度 の空間濃度分布がサーバーに表示出来る事が確認された。
113. ホンダ 燃料電池車の課題日経産 05.8.1
xx技術研究所主席研究員のxxxx氏に、燃料電池車の課題について聞いた。水素技術については、今は貯蔵技術を高める段階。液体水素は作るのに膨大なエネルギーを必要とする、700 気圧の水素も同じくらいのエネルギーがいる。一台数億円とされるコストは、普及のために百分の一くらいに引き下げないといけない。具体的なメドは立たない。xx万円で売れるのにあと10 年は掛かる。水素スタンドの整備は大きな課題だ。米国では家庭用燃料電池と併用する形で、自宅で水素を入れる方式にも取り組んでいる。
114. 名工大 出力高める電解質膜日刊工 05.8.1
名古屋工業大学のxxxx教授とxxxxxxらのグループは、直接メタノール型燃料電池の発電性能を高める電解質膜を開発した。ナフィオン膜内部の表面層に無機成分を浸透、それによってメタノールの透過を落とし
出力低下を抑え、ナフィオンに比べ電極単位面積当り
1.5 倍の電流が取り出せる。ナフィオンを無機成分の金属アルコキシドのアルコール溶液に漬け、金属アルコキシドを内部に浸透させ、その後、酸性溶液に浸して加水分解、さらにアルカリ性溶液に浸して重合反応を起こして無機成分を合成。さらにリン酸溶液に浸して無機成分のプロトン伝導性を高める。
115. 福岡 水素エネ利用へ人づくり日刊工 05.8.4
福岡水素エネルギー戦略会議は、全国初の水素関連技術者養成機関「福岡水素エネルギー人材育成センター」を10 月に創設する。技術者養成コースは定員20 名で、水素の特性から利用、安全にxxx幅広い講義や実習を九州大学内で5 日間に分けて行う。経営者コースは定員 40 名で、水素エネルギーに関心を持っている企業経営者に必要な基礎知識を一日習得してもらう。
116. ダウ ミレニアム・セルNCMS から資金提供化工日 05.8.4
ダウ・ケミカルが主力参加しているミレニアム・セルは、このほど燃料電池カートリッジの商業生産プロセスに関して全米製造科学センター(NCMS)と契約を結び、資金提供を受けて、経済的な燃料電池コンポーネント及び水素貯蔵などの水素エネルギーシステムの開発を目指す。同社は水素化ホウ素ナトリウムを使った水素発生システム「ハイドロジェン・オンデマンド」を開発、特許を有している。
117. 新日鉄 下水汚泥から水素効率抽出日経 05.8.5
新日製鉄は、下水の汚泥から水素を効率よく取り出す技術を開発した。乾燥した汚泥を炉の中で酸素により酸化させて水素を含むガスを発生させる。1 トンの乾燥汚泥から150 ㎥の水素を製造できる。水素1㎥の製造コストは20 円以下。ガス化の後に残った溶融灰も建築資材に再利用可能で、汚泥をゼロにできる。含水汚泥1 トンの処理コストは1 万円程度で焼却法の1.5 万円から大幅に低減できる。5 年後をめどに新技術の実用化を目指す。
118. NTT 次世代の携帯電話用電源化工日 05.8.8
NTT ドコモは、次世代携帯電話用電源の開発について、燃料電池を軸にリチウムイオン二次電池、xx電池の三本立てで推進する。緊急的な対応策は第二世代リチウムイオン電池の積極活用で、今後は燃料電池を06 年中に充電器タイプを製品化、続いて08 年には内蔵タイプを製品化する。第三の電源としてxx電池の開発にも取り組んでいる。先ごろボディ表面にシリコンxx電池を貼り付けたハイブリッド携帯電話を発表した。カラフルで曲げることも出来る色素増感型xx電池にも注目している。
119. エタノール型燃料電池触媒
日経産 05.8.15、化工日 05.8.22
住友商事と住商メディケムは、イタリアのアクタが開発した燃料電池用触媒の日本、韓国、台湾での独占販売権を取得した。アクタは特殊な水溶性樹脂を用いて、直径0.3~0.7nm の微細金属触媒を分散させる技術を確立。メタノール型燃料電池での白金触媒に使用量を十分の一に減らすことに成功している。同時にアクタはコバルト・ニッケル・鉄という白金以外の金属触媒を用いてエタノールを燃料とする電池用触媒を開発した。劇物指定となっているメタノールと異なりエタノールは飛行機内の持込みが可能。住商らはメタノール型、エタノール型の両方の触媒を取り扱う。
120. 大同 パッシブ型PEFC を推進化工日 05.8.16
大同メタル工業は、パッシブ型高分子電解質型燃料電 池の出力を数百W 規模に引き上げる大出力かに向けた開 発に乗り出した。家庭用の定置型PEFC はアクティブ型で、多くの補機を備えた強制稼働メカニズムを有することか ら、システムが複雑化、コスト高を避けられない。この ため冷却水を温水として利用するコージェネが宿命付け られている。一方、パッシブ型は、水素と空気の自然な 化学反応による稼働を前提としている。システム全体が シンプルで補機を使わないことから低コスト、軽量。た だ大出力化が構造的に難しいという弱点がある。同社は パッシブ型燃料電池に参入して、これまでにxx電池、あるいは乾電池を用いて水を電気分解し、水素を得て PEFC に供給して発電するシステムを独自に開発して販売している。エコランを目的にしたレースカー向けに 70W の燃料電池を開発している。今後は大出力システム が欠かせないと見て大容量化に取り組む。
121. 九石 燃料電池実証運転開始燃料 05.8.17
九州石油は、新エネルギー財団が実施する平成17 年度定置用燃料電池大規模実証事業の採択を受けて、大分市内の8 箇所にxx設置してきたが、このほど完了し、実証運転を開始したと発表した。機種はLPG 型家庭用燃料電池コージェネシステムで、東芝燃料電池システムから機器の提供を受けて九石が設置工事を行ったもの。2 年間実証運転を行う。
122. マツダ 水素ロータリーのミニバンフジ 05.8.17
マツダは、水素を燃料に使うロータリーエンジンの実用化にめどをつけ、同エンジンを搭載したミニバンの開発に乗り出す。同社は既に同エンジンを搭載したスポーツカー「RX-8」を来年、リース販売することを決めており、水素タンクを搭載しても荷室を確保できる実用的なミニバンも商品化することで水素ロータリーエンジン車の事業展開を加速させる。既存のロータリーエンジンを改造した構造で、現行生産設備を活用できるため製造コストは燃料電池車と比べ格段に低い。
123. 新日石 灯油型燃料電池で実証開始日経産 05.8.18
新日本石油は荏原バラードと共同開発した灯油型燃料電池を北海道や関東の一般家庭5 軒に設置し、機能や安定性を確認し、06 年度中の商品化を目指す。エネルギーの利用効率が86%を超えており、LPG 燃料電池の76%を上回る。
124. トヨタ 家庭用燃料電池コージェネ CO2 排 出量 23%削減
フジ 05.8.19
トヨタ自動車は18 日、開発中の家庭用燃料電池コージェネシステムが、電気と都市ガスによる一般的な家庭のエネルギー利用に比べ、CO2 排出量を 23%削減出来ることを検証したと発表した。同社は愛知万博の公式参加者用の宿舎を活用して、今年2 月から実証試験を実施している。
125. 圧縮水素の出荷量化工日 05.8.19
圧縮水素の04 年出荷量は前年比7%増の、139,995,000
㎥で 2 年連続の増加となった。分野別の出荷量は弱電 49,672,000、化学28,858,000、金属32,404,000、ガラス
11,327,000、その他 17,734,000 ㎥。弱電での 12%増が目立っている。
126. カシオ デジカメに燃料電池日刊工 05.8.22
カシオ計算機は 07 年をめどにデジタルカメラや携帯電話に搭載する燃料電池を開発する。開発を進めるのは燃料改質型の燃料電池。現在までに触媒燃焼器や蒸発器、 CO 除去器、センサーなどを一体化した集積型マイクロ改質器を開発した。大きさは高さ10.7×幅22×奥行き21mmと小型で、13 枚のガラスを積層した。従来はシリコンを使っていたが低コストを狙いガラス製に変えた。開発部隊を青梅市の拠点に集結した。
127. 環境省 本庁舎内の燃料電池始動化工日 05.8.23
環境省は政府の庁舎内で初めて燃料電池を導入、24 日子ども霞ヶ関見学デー「大臣と一緒に考えよう」でxxxxがスイッチを入れ、発電を開始する。
128. xx 耐久性10 年、100 万円以下化工日 05.8.23
xx電器産業は、家庭用燃料電池の本格量産化を目指した「低コスト化プロジェクト」を新設、08 年度から1kW級で10 年の耐久性と百万円以下の価格を実現し、普及を加速する。オンオフ回数を3,000 回に引き上げるほか、6万時間の稼働を確保すると共に、高効率化を狙って作動温度を10℃程度高めることなどにより実現する。
129. 日本触媒 燃料電池用材料で攻勢化工日 05.8.24
日本触媒は、同社姫路製造所内に固体酸化物型燃料電池用電解質シートの新規設備を導入、生産能力をこれまでの10 倍となる年間百万枚(5 インチサイズ)に拡大した。日本触媒のSOFC 用電解質は、独自の粉体加工技術やセラミックス焼成技術などを用いた薄膜ジルコニアシートで01 年からスイスのスルザー・ヘキシス社へ供給を開始している。SH 社は家庭用 1kW 小型 SOFC システムの有力メーカーであり、すでに欧州を中心に百台以上の納入
実績を有している。SH 社をはじめ燃料電池システムメーカーからの引き合いが活発化していることから本格量産化体制を確立した。また同社では東邦ガスと共に電解質技術を軸にSOFC 用セルの研究開発に着手している。従来材料と同等の強度を持ち、高い電気的性能を有しており、比較的低温800~900℃でも優れた活性を示している。
130. xxx 水素貯蔵材料開発化工日 05.8.24
xxx自然科学研究支援センターxxxx助手らが開発したのは水素化黒鉛と水素化リチウムをナノ複合化したグラファイト系材料で、それぞれの水素放出温度を 300℃と大幅に低温化、8 質量%以上の水素を吸蔵・放出する。今後100℃までの低温化を目指す。
同センターのxxxx博士研究員らは水素化マグネシウムと酸化ニオブをナノ複合化し、室温で 1 分以内に 5質量%以上の水素を吸蔵し、真空中 160℃で速やかに水素を放出する材料設計に成功した。タンクを試作して耐久性試験などを行って行く。
131. 日本水素エネルギー産業会議発足日刊工 05.8.25
産業界が中心になって水素エネルギーの普及と拡大に向け、日本水素エネルギー産業会議(港区、xxx会長
=芝浦工業大学学長)が24 日発足した。水素エネルギーの利用について、産学官の連携と多角的な交流を通じ水素関連事業の開発や支援、国際協力、情報の収集と提供などを総合的に推進していく。東京ガス、JFEホールディングス、明電舎、西濃運輸、三菱商事、ハイドロジェニックスジャパンなどの産業界を中心に、青森県、豪州大使館、日本原子力産業会議、大学教授ら24 社・団体・個人が参加した。同会議は水素関連ビジネスや社会実験といった地域社会でのプロデュースを手がけたり、産業間連携の促進、国際協力の可能性や国際プロジェクトを立案したりするほか、シンポジウムやセミナーなどを開いて水素エネ関連事業を総合的に推進していく。
132. 大ガス PEFC の小型単セル運転4 万時間日刊工 05.8.26
大阪ガスは固体高分子型燃料電池本体の耐久性確認を目的に実施してきた小型単セルの長期運転試験で、累積発電時間がはじめて 4 万時間超を達成した。これまで 1
万時間余りの実績しかなく、材料面での耐久性を実証、これとともに耐久性確保の条件、务化要因などの知見も蓄積することが出来た。単セルの心臓部となる電解質膜
-電極接合体MEA については8 社の開発品をそれぞれ試験装置37 台で運転してきた。4 万時間を達成したMEA は 5 年前の開発品。その後に改良した MEA についても運転試験を続けており、最終目標の9 万時間達成を目指す。
133. 岩谷 災害時用の発電システム日経、日刊工 05.8.26
xx産業は25 日、荏原グループと共同で災害時用の燃料電池式発電システムを開発したと発表した。水素ボンベを小型軽量化し全体の重さをエンジン式並の約 70kgに抑えた。
1 台当りの発電量0.85kW 時。4 人家族が1 日に使う電力をほぼまかなえる。価格は百万円前後を見込む。地方自治体などに販売。
134. 福岡 水素材料先端科学研究センター立ち上げ日刊工 05.8.30
経済産業省資源エネルギー庁は水素エネルギーの基盤技術研究の拠点として「水素材料先端科学研究センター」
(仮称)を06 年度中に福岡市で立ち上げる。産総研や九州大学などをベースに水素の物性にかかわる研究を国際的な研究要員で進める予定で。関連予算額として17 億円を06 年度概算要求に盛り込んだ。センター長にはxxxx九大教授を候補に人選を進める。高圧化した水素による材料の务化克服が重要な課題となっている。
135. 経産省 燃料電池関連359 億円概算要求化工日 05.9.2
経済産業省は、来年度燃料電池関連予算として359 億円を要求する。今年度比5 億円の増額となっており、新規に携帯機器での利用が見込まれるマイクロ燃料電池技術開発4 億円、水素先端科学基礎研究事業17 億円、自動車用の実条件に近い導入研究実証 13 億7500 万円、高耐久性メンブラン型LP ガス改質装置開発などを推進する。自動車用、家庭用、業務用に利用されるPEFC の実用化戦略的技術開発に今年度を上回る57億5千万円を要求している。
136. 出光 LP ガス型家庭用燃料電池の運転開始
化工日 05.9.2
出光興産は1 日、1 戸建て住宅に設置を進めてきた10台のLP ガス型家庭用燃料電池システムが、今月中旬までに運転を開始すると発表した。家庭ごとに電気や温水の利用データーを事前に把握し、これに基づき、システムの能力が最大限に発揮できるよう自動制御で運転する。発電容量は700Wで、排熱回収温度は約60℃。貯湯容量は2百ℓ。
137. FRP 製の水素貯蔵容器化工日 05.9.9
高圧ガス保安協会は、今年度から09 年度までの5 年間で、水素供給スタンドに設置する大型の繊維強化複合材水素貯蔵容器の設計基準の作成に着手する。設計目標は 100MPa で、09 年度までに材料物性や規格化を図り、10年にも燃料電池自動車への煩雑な供給を前提とした設計基準を確立する。内外層材ともオールプラスチックで、軽量でしかも金属製の課題である水素务化が無い点が期待されている。同協会は、直径 400~600 ㎜で長さ 10m程度の大型容器を想定している。
138. SBH 採用の可搬型燃料電池化工日 05.9.9
水素エネルギー研究所(社長・xxxxx工学院大学教授)は、出力 200W の可搬小型燃料電池を開発、06 年から試験販売を開始する。固形水素貯蔵材料に水素化ホウ酸ナトリウム(SBH)を採用、緊急時のほか工事現場やイベント会場などでの利用を想定している。生産は中国の企業との合弁により北京で行う計画。交換式燃料カートリッジを採用する。低コストのため使い捨ても視野に入れて開発している。小型機器充電用の40~100W タイプと小型移動式・非常用電源の100~1,000W タイプの商品化を予定。コストはスタック本体で1W あたり1,000 円から2,000 円を見込んでいる。
139. ヤマハ 燃料電池2 輪車貸し出し日経、日刊工、フジ 05.9.13
ヤマハ発動機は 12 日、自社開発の燃料電池二輪車を
16 日から06 年3 月までの期間限定で月額10 万5 千円で静岡県に貸し出すと発表した。名称は「FC-me」。先に開発した「FC06 プロト」の DMFC 本体と制御システムを改良したほか、車両を69kg と軽量化した。燃費は5 割向上
し、濃度54%のメタノール水溶液1ℓで32㎞走行できる。 100 ㎞の連続走行が可能、最高速度は時速40 ㎞。
140. 手のひらサイズのマイクロ熱交換器日刊工 05.9.14
ヤチダ(新潟県xx市)は、拡散接合技術を用いた50
×70 ㎜の超小型のマイクロ熱交換器を開発、発売した。同能力の市販のプレート式熱交換器の5 分の一にまで小型化、燃料電池の冷却用に大きな需要があるとみている。価格は1 個10 万円。
141. 旭化成 電解質膜の耐熱性向上日経産 05.9.14
旭化成は、燃料電池の電解質膜の耐熱性を高めることに成功した。耐熱温度を320℃から約400℃に高めたことで燃料電池は長寿命になる。電解質膜の高分子の化学構造が壊れることで务化することに着目、炭化フッ素の数を従来の2 倍程度に増やし、耐熱性の向上に成功した。
142. 富士電機 燐酸型100 億円事業へ化工日 05.9.16
富士電機アドバンストテクノロジーは、燐酸型燃料電池事業を100 億円事業に育成する。同社が事業化している100kW 級の燐酸型燃料電池は、下水処理場向けを主体に立ち上がっているが今後、病院の電源や小規模水素ステーションなど新規大型市場が見込める。消防法の改正に伴って来年度から病院向けを強化する一方、一層のコストダウンを図る。下水処理場では、燐酸型燃料電池の導入により、副生バイオガスを水素燃料として利用し、排熱でバクテリアの培養を促進し、内部完結型のエネルギー供給体制を確保できるメリットがある。
143. 家庭用PEFC の補器スペック公開へ化工日 05.9.16
経済産業省は家庭用の固体高分子型燃料電池のコストダウンを急ぐため、荏原バラード、三洋電機、東芝燃料電池システム、富士電機アドバンストテクノロジー、xx電器産業など五社の PEFC の補器のスペックをオープン化する方針を固めた。PEFC のコストの半分が補器で占められるため、3 年以内に 1 xx万円を切る商用化機種を投入するには、部品共通化にとどまらずスペックを公開する必要があると判断した。
144. 東芝 燃料電池内蔵携帯音楽プレーヤーフジ、日刊工 05.9.17
東芝は16 日、小型燃料電池を組み込んだ携帯音楽プレ ーヤーを初めて開発したと発表した。実証試験用だが、 市販製品に近い仕上がりで、07 年には実用化する計画だ。 99.5%のメタノールを水素燃料とし膜は炭化水素系。昨年
6 月に発表した世界最小マイクロ燃料電池をプレーヤーに搭載したもの。出力100mW と300mW の2 種類があり、半導体メモリ型プレーヤー、HDD 型プレーヤーに組み込んだ。100mW のサイズは23×75×10 ㎜、300mW のサイズは 60×75×10 ㎜。300mW 型では内蔵タンクに 10ml のメタノール燃料を注入することで、約60 時間駆動する。
145. アイスランド水素社会構築へ着々日刊工 05.9.20、9.29
アイスランド環境省幹部が指摘するように、再生可能エネルギーで水素を製造し、水素社会の実証に乗り出している。その豊富な水力と地熱により発電し、水を電気分解して水素を得て、スタンドに高圧貯蔵してFC バスへ水素を供給するプロジェクトが2 年にわたる第1 フェーズをこの 8 月に終了。DC が開発した FC バス 3 台で走行距離は累計8万9千 km に達した。3 年後には新型の FCバスを導入、2 年以内にFC 車も走行させるため日本、米国、ドイツの各自動車メーカーと交渉に入った。2020 年以降には漁船のFC 化も実現しようとしている。
146. xxx 耐圧防爆構造の表示器ボックス日刊工 05.9.23
xx電気は水素ガスを扱う生産現場向けのタッチスイッチ付き表示器ボックス「EX4R-D44 形」を 28 日に発売する。耐圧防爆構造になっていて、水素ガスを取り扱う 1 種・2 種危険場所に設置できる。価格は110 万から126万円で、年間100 台の販売を見込む。画面の大きさは12.1インチで高輝度薄膜トランジスタ・カラー液晶パネルを搭載した。プログラムコントローラー1 台に対して、最大16 台の表示器ボックスが接続できる。従来機種に対し体積比で27%減尐し、省スペース化を実現した。
147. KDDI 小型燃料電池内蔵の携帯フジ 05.9.27
KDDI は 26 日、小型燃料電池を内蔵した携帯電話の試作品を開発したと発表した。燃料電池とリチウムイオン
電池とを組み合わせたハイブリッド方式とし、従来の携帯とほぼ同じ大きさに収めた。新たな燃料電池内臓携帯電話は、日立製作所、東芝とそれぞれ共同開発した。日立と開発したのはau 携帯の「W32H」をベースに、東芝とはau の「A5509T」がベースで、1 回の燃料充填で従来の約2.5 倍の電池容量を達成した。
148. J パワー 先端技術を市販日刊工 05.9.29
J パワーは固体高分子型燃料電池を構成する膜・電極接合体(MEA)と試験・評価装置(セル)の販売に乗り出す。J パワーはジメチルエーテルを燃料に使う燃料電池研究を主体にする一方、国内で開発競争が激しい水素方式についてもノウハウを持つ。このためDME の研究成果は温存する一方で、水素方式の技術については開放することにした。標準品は80 ㎜xxの膜に50 ㎜xxの電極を接合した大きさ。構成素材にはxx貴金属の触媒、米デュポンの電解質膜、東レのカーボンペーパーを使った。価格は2 万円以下で納期は約1 週間。試験評価セルはコア部品となるセパレーターを独自に開発。供給ガスが漏れにくい構造、MEA との接触性に優れ、高品質で安定した試験評価が出来る。価格は40 万円以内を予定する。販売はミクロ(柏市)と組む。