Contract
平成 20 年 6 月 10 日制定
(目的)
第 1 条 この規程は,慶應義塾(以下「義塾」という。)において慶應義塾大学(以下「大学」という。)が受託研究等を受入れる際の取扱いについて定めるものとする。
(定義)
第 2 条 ① この規程において「受託研究等」とは次の各号をいう。
1 受託研究 義塾が,義塾以外の者から委託を受けて行う研究で,これに要する経費を委託者が負担するもの。
2 共同研究 義塾において,義塾と義塾以外の外部者(以下,「共同研究者」という)が,共通の課題について共同して行う研究または,義塾および共同研究者において,共通の課題について分担して行う研究。
② この規程において「研究代表者」とは,受託研究等の遂行に関して最も責任をもつ研究者をいう。
③ この規程において「部門」とは,各学部,各研究科,義塾または大学付属各研究所等,部門付属研究所等およびこれに準ずる組織のうち,研究代表者が所属し,研究を受入れる部門をいう。
④ この規程において「部門長」とは,前項の部門の長をいう。
⑤ この規程において「委託者等」とは,受託研究等の委託者および共同研究者をいう。
⑥ この規程において「研究費」とは,次の各号をいう。
1 直接経費 旅費・備品費・消耗品費・謝金等,研究を遂行するのに直接必要となる経費。
2 間接経費 国等(国家機関,独立行政法人,地方公共団体など)が資金を配分する競争的研究資金などにおいて,直接経費のほかに義塾に対して「間接経費」として配分される経費。使途については,資金を配分する国等の定めるところによる。
3 一般管理費(オーバーヘッド) 直接経費のほかに,義塾が研究環境の整備・改善・運用等のために使用する経費で,間接経費ではないもの。使途については,義塾の申し合わせ,ガイドライン,内規等の定めるところによる。
(受入れの原則)
第 3 条 受託研究等は,慶應義塾産官学連携ポリシーにもとづき受け入れるものとする。ただし、義塾の教育研究に支障を生じるおそれのある場合はこの限りではない。
(受入れの条件)
第 4 条 ① 受託研究等の受入れの条件は,次の各号に掲げるものとし,原則として契約書等に記載すること。
1 研究課題,研究目的,研究の内容,研究期間,研究代表者,その他研究の遂行に必要な事項について取り決めること。
2 義塾が受入れる研究費については,金額・入金方法・入金の期日を定め,委託者等は定められた期日までに入金すること。
3 原則として,義塾は入金された研究費を返還しないこと。
4 義塾が受入れた研究費によって取得した設備・備品等については,義塾に帰属すること。ただし,資金を配分する国等に定めのある場合はそれに従うものとすること。
5 委託者等の所有する設備等を義塾施設内に持ち込んで使用することがある場合には,その取り扱いについて定めること。なお,原則として,持ち込んで使用する設備等の搬 入,据付,撤去に要する費用は,委託者等の負担とすること。
6 受託研究等を行うため委託を受けた物品等に,義塾の故意または重大な過失なく損害が生じた場合には,義塾はその責を負わないものとすること。
7 研究成果による知的財産xxの取り扱いについては,「慶應義塾発明取扱規程」その他,義塾の関連諸規程等に従い,取り決めを行うこと。
8 義塾が研究の契約解除を行う場合の条件を定めること。
9 天災その他やむを得ない事由がある場合,委託者等と義塾が協議の上,受託研究等を中止または延長することができること。この場合,使用しない研究費については,必要に応じて両者協議の上,精算することができること。
10 前号の,やむを得ない事由による受託研究等の中止または延長によって委託者等に損害が生じた場合には,義塾は責を負わないものとすること。
11 委託者等が責務を履行しないものと認められたときに,義塾がとった措置によって損害が生じた場合には、義塾は責を負わないものとすること。
12 委託者等と義塾は,受託研究等の遂行に必要な資料,情報を相互に開示すること。
13 委託者等と義塾は,前号により相手方から開示される資料,情報の扱いに関し,秘密保持に関する取り決めを行うこと。
14 受託研究等による研究成果については,公表できること。ただし,公表の時期・方法については,当該委託者等と協議の上定めることができる。
15 共同研究において,委託者等と義塾は,相手方の同意を得て,研究者および研究支援者を相手方の施設に派遣することができること。この場合,派遣した研究者および研究支援者にも契約規程を遵守させなければならないこと。
16 委託者等または義塾は,自己の研究者が,相手方の設備等を使用するとき,相手方の指示および規程に従うために必要な措置をとらなければならないこと。
② 前項に定めることのほか,必要に応じ委託者等と義塾で協議の上,別途定めることができる。
③ 委託者等が国等または他大学である場合,または当該受託研究等が国等からの再委託である場合には,本条第1項に定める各条件の一部を付さないか別途定めることができ
る。
(研究費の支出)
第5条 原則として,研究費入金前に研究費の支出を開始することはできない。ただし,委託者等が国等の場合は,内示・内定・採択通知または内示・内定・採択通知相当の文書等に基づき,義塾経常費等の立替により行うことができる。また,やむを得ない事情がある場合には,研究代表者の申請に基づき,部門長の判断により,支出を行うことができる。
(間接経費)
第6条 義塾が受入れる研究費のうち,間接経費は,資金を配分する国等の定めに従う。資金を配分する国等に定めのない場合,または交渉によって定める場合は,直接経費に対して 30%以上とする。
(一般管理費)
第7条 義塾が受入れる研究費のうち,一般管理費は研究費総額の 15%とする。ただし,委託者等が国等であり,一般管理費の扱いに定めのある場合は,それに従う。また,特段の事情があり,やむを得ないと部門長が判断する場合は,別途取り扱いを定めることができる。
(研究代表者)
第8条 ① 研究代表者は,専任の大学教員とする。
② 前項の定めにかかわらず,部門の判断により,有期の大学教員とすることができる。判断のガイドラインについては別途定める。
③ 研究代表者は,本規程ならびに契約書に定められた事項に基づき,誠実に研究を遂行しなければならない。
(申込みの方法)
第9条 受託研究等の申込みは,委託者等が研究代表者を通じ,部門長宛文書により行う。ただし,委託者等が国等の場合は,内示・内定・採択通知または内示・内定・採択通知相当の文書等によって申込みとみなすことができる。
(受入れの決定)
第10条 ① 契約金額が 3000 万円以下の受託研究等の受入れの採否の決定は,部門長が行う。部門長は,部門が別に定める委員会等に,受託研究等の受入れの採否の決定を委任することができる。
② 契約金額が 3000 万円を超える受託研究等の受入れの採否の決定については,義塾の稟議規程に従う。
(異議申し立て)
第11条 ① 前条第 1 項において受入れが認められなかった場合について,決定結果に異議がある場合,研究代表者は研究担当常任理事に再審査を請求することができる。
② 前項による再審査の場合には,研究担当常任理事が最終的な決定を行う。
(報告)
第12条 第10条により受入れが認められた受託研究等について,部門長は委託者等ならびに研究担当常任理事へ報告するものとする。
(契約)
第13条 ① 部門長は第10条により受入れが認められた受託研究等について,委託者等と契約を締結するものとする。
② 契約者は,当該部門長または部門長が代行を委任する者とする。ただし,委託者等が理事長を契約者として特に指名した場合など,必要と思われる場合は理事長とすることができる。
(経理)
第14条 研究費の経理は,「慶應義塾経理規程(昭和 46 年 2 月 15 日制定)」の定めるところによる。
(中止または延長)
第15条 ① 研究代表者は,研究を中止し,または研究期間を延長する必要が生じた場合は,ただちに部門長へその旨を報告し,指示を受けるものとする。
② 部門長は,前項の報告により,やむを得ないと認めるときは,委託者等と協議の上,当該研究の中止又は研究期間の延長を決定し,当該研究に関わる契約を解除又は変更するものとする。
(研究状況報告)
第16条 研究代表者は,研究担当常任理事または部門長の求めがあるときは,すみやかに研究状況について報告するものとする。
(利益相反)
第17条 受託研究等を行う研究代表者は,利益相反の問題に関し,「慶應義塾利益相反マネジメントポリシー」「慶應義塾利益相反マネジメント内規」ならびに部門等の定める関連規定などに従って,その防止に努め,透明性を確保し,社会的説明責任を果たさなければならない。
(雑則)
第18条 この規程に定めるもののほか,受託研究等の取扱いに関し必要な事項は,部門長と研究担当常任理事が協議して定めるものとする。
(規程の改廃)
第19条 この規程の改廃は研究担当常任理事の発議に基づき,常任理事会の議を経て,塾長が決定する。
附 則
① この規程は,平成 20 年 6 月 10 日から施行する。
② この規程は,施行後1年を目途に見直すものとする。