Contract
(総則)
刈 谷 市 工 事 請 負 契 約 条 項
(昭和54年4月 1 日施行)
(平成2年4月1日一部改正)
(平成9年10月1日一部改正)
(平成15年4月1日一部改正)
(平成15年10月1日一部改正)
(平成19年4月1日一部改正)
(平成19年6月1日一部改正)
(平成20年2月22日一部改正)
(平成21年1月20日一部改正)
(平成21年4月1日一部改正)
(平成22年4月1日一部改正)
(平成23年4月1日一部改正)
(平成25年4月1日一部改正)
(平成26年4月1日一部改正)
(平成27年4月1日一部改正)
(平成27年10月1日一部改正)
(平成28年4月1日一部改正)
(平成29年4月1日一部改正)
(平成29年4月13日一部改正)
(平成30年4月 1 日一部改正)
(令和2年4月 1 日一部改正)
(令和2年10月 1 日一部改正)
(令和2年12月25日一部改正)
(令和5年4月 1 日一部改正)
第1条 発注者及び受注者は、契約書記載の工事の請負契約に関し、契約書に定めるもののほか、この条項に基づき、別冊の設計書、図面及び仕様書(以下「設計図書」という。)に従いこれを履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金額を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この条項及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この条項に定める催告、請求、通知、報告、届出、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
7 この条項に定める金銭の支払いに用いる通貨は、日本円とする。
8 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
9 この条項及び設計図書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
10 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11 この契約に係る訴訟については、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
12 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づくすべての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づくすべての行為は、当該企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなし、また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づくすべての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(関連工事の調整)
第2条 発注者は、受注者の施工する工事及び発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行うものとする。この場合受注者は、発注者の調整に従い、第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
(工程表)
第3条 受注者は、この契約締結後5日以内に設計図書に基づき工程表を作成し、発注者に提出しなければならない。
(契約の保証)
第4条 受注者は、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし、第5号の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保険証券を発注者に寄託しなければならない。
なお、契約書の契約保証金欄に「刈谷市契約規則第31条第3号の規定により免除」と記載されているときは、本条は適用しない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生じる損害金の支払いを保証する銀行、発注者が確実と認める金融機関又は保証事業会社(公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社をいう。以下
同じ。)の保証
(4) この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) この契約による債務の不履行により生じる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額(第5項において「保証の額」という。)は、請負代金額の10分の1以上としなければならない。
3 受注者が第1項第3号から第5号までのいずれかに掲げる保証を付す場合は、当該保証は第46条第3項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第1項の規定により、受注者が同項第2号又は第3号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第4号又は第
5号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 請負代金額の変更があった場合には、保証の額が変更後の請負代金額の10分の1に達するまで、発注者は、保証の額の増額を請求することができ、受注者は、保証の額の減額を請求することができる。
(権利義務の譲渡等)
第5条 受注者は、この契約により生じる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は継承させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りではない。
2 受注者は、工事目的物、工事材料(工場製品を含む。以下同じ。)のうち第14条第2項の規定による検査に合格したもの及び設計図書に定める工事仮設物を第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合はこの限りではない。
(下請負の制限等)
第6条 受注者は、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
2 受注者は、工事を第三者に委任し、又は請け負わせた場合において、当該第三者(当該工事が数次の契約によって行われるときは、後次のすべての契約に係る受任者又は請負人を含む。以下「下請負人」という。)が工事の全部又はその主たる部分を一括して他の第三者に委任し又は請け負わせることのないようにしなければならない。
3 受注者又は下請負人が工事を第三者に委任し又は請け負わせようとするときは、受注者は建設工事標準下請負契約約款(昭和52年中央建設業審議会決定)その他これに準ずる書面により契約を締結し、又は締結させるように努めなければならない。
(下請負の届出)
第7条 受注者は、工事を第三者に委任し又は請け負わせようとするときは、あらかじめ書面により発注者に届け出なければならない。
(下請負人の指導及び育成)
第8条 受注者は、下請負人が受任又は請負に係る工事の施工に際し、建設業法(昭和2
4年法律第100号)その他関係法令を遵守するよう指導するとともに、下請負人の育成に努めなければならない。
(特許権等の使用)
第9条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている工事材料、施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督職員)
第10条 発注者は、監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
2 監督職員は、この条項の他の条項に定めるもの及びこの条項に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) この契約の履行についての受注者又は受注者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
3 発注者は、2名以上の監督職員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督職員の有する権限の内容を、監督職員にこの条項に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、受注者に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督職員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
5 発注者が監督職員を置いたときは、この条項に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、設計図書に定めるものを除き、監督職員を経由して行うものとする。この場合においては、監督職員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
6 発注者が監督職員を置かないときは、この条項に定める監督職員の権限は、発注者に帰属する。
(現場代理人及び主任技術者等)
第11条 受注者は、建設業法の定めるところにより、現場代理人、主任技術者(監理技術者)、監理技術者補佐(建設業法第26条第3項ただし書に規定する者をいう。以下同じ。)及び専門技術者(建設業法第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)を定め、この契約締結後5日以内に、書面によりその氏名、その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも同様とする。
2 受注者又は現場代理人は、工事現場に常駐し、工事現場の取締り及び工事に関する一切の事項を処理しなければならない。ただし、発注者が工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者と連絡体制が確保されると認めた場合には、受注者又は現場代理人について工事現場における常駐を要しないとすることができる。
3 現場代理人、監理技術者等(監理技術者、監理技術者補佐又は主任技術者をいう。以下同じ。)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
(履行報告)
第12条 受注者は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(工事関係者に対する措置請求)
第13条 発注者又は監督職員は、現場代理人、監理技術者等及び専門技術者若しくは使用人又は下請負人及びその使用人で、工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対してその理由を明示した書面により必要な措置をとるべきことを請求することができる。
(工事材料の品質及び検査等)
第14条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督職員の検査(確認を含む。以下この条において同じ。)を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 監督職員は受注者から前項の検査を請求されたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督職員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
5 受注者は、前項の規定にかかわらず、検査の結果不合格と決定された工事材料については、遅滞なく工事現場外に搬出しなければならない。
(監督職員の立会い及び工事記録の整備等)
第15条 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上調合し、又は調合について
見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該見本検査に合格したものを使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前2項に規定するほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備すべきものと指定した工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書に定めるところにより、当該記録を整備し、監督職員の請求があったときは、遅滞なくこれを提出しなければならない。
4 監督職員は、受注者から第1項又は第2項の立会い又は見本検査を請求されたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
(支給材料)
第16条 発注者が受注者へ支給する工事材料(以下「支給材料」という。)の品名、数量、品質又は規格、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 監督職員は、支給材料の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、検査して引渡しをするものとし、受注者は、引渡しを受けたときは、遅滞なく発注者に受領書を提出しなければならない。
3 受注者は、支給材料を善良な管理者の注意をもって保管しなければならない。
4 発注者は、必要があるときは、支給材料の品名、数量、規格等を変更することができる。
5 受注者は、工事の完成、工事内容の変更等により不用となった支給材料があるときは、設計図書で定めるところにより発注者に返還しなければならない。
6 受注者は、自己の故意又は過失により支給材料が滅失し、き損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、又は損害を賠償しなければならない。
(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)
第17条 受注者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、発注者がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。
2 発注者は、受注者が第14条第2項又は第15条第1項から第3項までの規定に違反した場合、又は工事の施工が設計図書に適合しないと認められる場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。この場合において、当該検査及び復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(条件変更等)
第18条 受注者は、工事の施工に当たり、設計図書と工事現場の状態とが一致しないとき、設計図書に誤謬若しくは脱漏があるとき、又は地盤等につき予期することができな
い状態が発見されたときは、直ちに書面によりその旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく調査を行い、受注者に指示しなければならない。
3 前項の場合において、工事内容、工期又は請負代金額を変更する必要があるときは、発注者と受注者とが協議して書面により定める。
(工事の変更、一時中止等)
第19条 発注者は、必要があるときは、工事内容を変更し、又は工事の施工を一時中止し、若しくは打ち切ることができる。この場合において、工期又は請負代金額を変更する必要があるときは、発注者と受注者とが協議して書面により定める。
2 前項の場合において、受注者が損害を受けたときは、発注者はその損害を賠償しなければならない。賠償額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(著しく短い工期の禁止)
第19条の2 発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
(受注者の請求による工期の延長)
第20条 受注者は、天災等又は第2条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第21条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第22条 発注者又は受注者は、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
2 発注者又は受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額(請負代金額から当該請求時の出来形部分に相応する請負代金額を控除した額をいう。以下同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の1
000分の15を超える額につき、請負代金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により請負代金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては、同項中「請負契約締結の日」とあるのは、「直前のこの条に基づく請負代金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定によるほか、請負代金額の変更を請求することができる。
6 予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、請負代金額の変更を請求することができる。
7 前2項の場合において、請負代金額の変更額については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
8 第3項及び前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知しなければならない。ただし、発注者が第1項、第5項又は第6項の請求を行った日又は受けた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(臨機の措置)
第23条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、受注者は、あらかじめ発注者の意見をきかなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、受注者は、そのとった措置の内容を発注者に直ちに通知しなければならない。
3 発注者は、災害防止その他工事の施工上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が請負代金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。この場合において、発注者の負担額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(一般的損害)
第24条 工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害その他
工事の施工に関して生じた損害(次条第1項若しくは第2項又は第26条第1項に規定する損害を除く。)については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(第4
9条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。)のうち発注者の責めに帰すべき理由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第25条 工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第49条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下この条において同じ。)のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、 地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその 損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち工事の施工につき受注者が善 良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者が負担をする。
(天災その他の不可抗力による損害)
第26条 工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)で発注者と受注者のいずれの責めにも帰すことができないもの(以下この条において「不可抗力」という。)により、工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具(以下この条において「工事目的物等」という。)に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちにその状況を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに調査を行い、同項の損害(受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくもの及び第49条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下この条において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を受注者に通知しなければならない。
3 受注者は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
4 発注者は、前項の規定により受注者から損害による費用の負担の請求があったときは、当該損害の額(工事目的物等であって第14条第2項、第15条第1項若しくは第2項の規定による検査、立会いその他受注者の工事に関する記録等により確認することができるものに係る損害の額に限る。)及び当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額
(以下この条において「損害合計額」という。)のうち請負代金額の100分の1を超える額を負担しなければならない。ただし、災害応急対策又は災害復旧に関する工事における損害については、発注者が損害合計額を負担するものとする。
5 損害の額は、次に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、算定する。
(1) 工事目的物に関する損害
損害を受けた工事目的物に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(2) 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料で通常妥当と認められるものに相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(3) 仮設物又は建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物又は建設機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における工事目的物に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
6 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第2次以降の不可抗力による損害合計額の負担については、第4項中「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計」と、「当該損害の取片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取片付けに要する費用の額の累計」と、「請負代金額の100分の1を超える額」とあるのは「請負代金額の100分の1を超える額から既に負担した額を差し引いた額」と、「損害合計額を」とあるのは「損害合計額から既に負担した額を差し引いた額を」として同項を適用する。
(中間検査)
第27条 発注者は、工事の適正な技術的施工を確保するため必要があると認めるときは、中間検査を行うことができる。
2 発注者は、前項の検査にあたり必要があると認められるときは、工事の施工部分を最少限度破壊して検査することができる。
3 前2項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(完了検査及び引渡し)
第28条 受注者は、工事が完成したときは、その旨及び工事目的物の引渡しを書面により発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から14日以内に受注者の立会いの上工事の完成を確認するための検査を完了しなければならない。この場合発注者は、当該検査の結果を7日以内に書面により受注者に通知しなければならない。
3 発注者は、前項の検査により工事の完成を確認した日に工事目的物の引渡しを受けなければならない。
4 受注者は、工事が第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して発注者の検査を
受けなければならない。この場合において、修補の完了を工事の完成とみなして前3項の規定を適用する。
5 発注者は、第2項及び前項の検査に当たり必要があると認められるときは、受注者に設備させ、又は自ら破壊検査、分解検査若しくは試験をすることができる。この場合に要する費用は、受注者の負担とする。
(請負代金額の支払い)
第29条 受注者は、前条第2項の検査に合格したときは、書面により請負代金額の支払いを請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、適法な請求書を受理した日から4
0日以内に請負代金額を支払わなければならない。
(部分使用)
第30条 発注者は、第28条第3項の引渡し前においても、工事目的物の全部又は一部を受注者の書面による同意を得て使用することができる。この場合必要があるときは、発注者は、受注者の立会いの上当該使用部分の出来形を確認しなければならない。
2 前項の場合において、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第1項の使用により受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。賠償額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(前金払)
第31条 受注者は、公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社(以下「保証事業会社」という。)と、契約書記載の工事完成の時期を保証期限とし、同条第5項に規定する保証契約(以下「保証契約」という。)を締結し、発注者に対して請負代金額の10分の4の範囲内において、発注者が定めた率による額の前払金の支払いを請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、適法な請求書を受理した日から1
5日以内に前払金を支払わなければならない。
3 受注者は、第1項の保証契約を締結したときは、遅滞なくその保証証書を発注者に寄託しなければならない。
4 受注者は、第1項の規定により前払金の支払いを受けた後、保証事業会社と中間前払金に関する保証契約を締結し、その保証証書を発注者に寄託し、請負代金額の10分の
2以内の前払金の支払いを請求することができる。
5 受注者は、前項の中間前払金を請求しようとするときは、あらかじめ、発注者の中間前金払に係る認定を受けなければならない。この場合において、発注者は、受注者から認定の請求があったときは、直ちに認定を行い、当該認定の結果を受注者に通知しなければならない。
6 受注者は、請負代金額が著しく増額された場合においては、その増額後の請負代金額の10分の4の範囲内において、発注者が定めた率により計算した額(第4項の規定により中間前払金の支払いを受けているときは、増額後の請負代金額の10分の4の範囲内において、発注者が定めた率により計算した額及び増額後の請負代金額の10分の2の額の合計額)から受領済みの前払金を差し引いた額の範囲内で前払金の支払いを請求することができる。この場合において受注者は、あらかじめ、保証契約を変更し、変更後の保証証書を発注者に寄託しなければならない。ただし、発注者が必要ないと認めたときは、この限りでない。
7 工事内容の変更その他の理由により工期を延長し、又は短縮したときは、受注者は遅滞なく保証事業会社と保証期間変更の前払金の保証契約を締結し、その証書を発注者に寄託しなければならない。ただし、発注者が必要ないと認めたときは、この限りでない。
8 第4項及び第6項の規定による請求があったときは、第2項の規定を準用する。
第31条の2 受注者は、前払金を当該工事の材料費、労務費、機械器具の賃借料、機械購入費(この工事において償却される割合に相当する額に限る。)、動力費、支払運賃、修繕費、仮設費及び現場管理費並びに一般管理費等のうちこの工事の施工に要する費用に相当する額として必要な経費以外の支払いに充当してはならない。
2 前項の場合において、現場管理費及び一般管理費等のうちこの工事の施工に要する費用に相当する額として必要な経費の支払いに充当することができる額は、前払金の100分の2
5以内とする。
(部分払)
第32条 受注者は工事完成前に、工事の出来形部分に相応する請負代金相当額の10分の9を超えない範囲内の額について部分払を書面により発注者に請求することができる。
2 部分払金の額は、次の式により算定した額(1万円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)にその消費税及び地方消費税の相当額を加算した額から既に支払った部分払金の額を減じた額とする。
部分払金の額≦(請負代金額-消費税及び地方消費税の相当額)×出来高割合×
(9/10-前払金額(中間前払金の支払いを受けているときは、中間前払金を含む。)
/請負代金額)
3 前2項の規定により部分払のできる回数は、次のとおりとする。
(1) 契約金額 500万円まで 1回
(2) 契約金額1,500万円まで 2回以内
(3) 契約金額3,000万円まで 3回以内
(4) 契約金額3,000万円を超える場合は、4回に、3,000万円を超えるごとに
1回を加えた回数以内
4 部分払金の額は、発注者が出来形検査の上決定するものとする。
(部分引渡し)
第33条 発注者は、必要があると認めるときは、受注者の承諾を得て工事の完成に先立って、工事目的物の一部を指定して、その引渡しを受けることができる。この場合において、当該部分の工事が完成したときは、第28条中「工事」とあるのは「指定部分に係る工事」と、「工事目的物」とあるのは「指定部分に係る工事目的物」と、第29条中
「請負代金額」とあるのは「指定部分に相応する請負代金額」と読み替えて、これらの規定を準用する。
2 前項の規定により準用される第29条第1項の規定により請求することができる部分引渡しに係る請負代金額は、次の式により算定する。この場合において、指定部分に相応する請負代金額及び指定部分に相応する支払済部分払金の額は、発注者が定め、受注者に通知する。
部分引渡しに係る請負代金額=指定部分に相応する請負代金額×
(1-前払金額(中間前払金の支払いを受けているときは、中間前払金を含む。)/請負代金額)-指定部分に相応する支払済部分払金の額
(契約不適合責任)
第34条 発注者は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(契約不適合責任期間等)
第35条 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第28条第3項又は第4項(第3
3条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該 請求等の根拠を示して、受注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 発注者が第1項又は第2項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第7項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を受注者に通知した場合において、発注者が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
5 発注者は、第1項又は第2項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
6 前各項の規定は、契約不適合が受注者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する受注者の責任については、民法の定めるところによる。
7 民法第637条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
8 発注者は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに受注者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、受注者がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
9 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第9
4条第1項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成12年政令第64号)第5条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)について請求等を行うことのできる期間は、10年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。
10 引き渡された工事目的物の契約不適合が支給材料の性質又は発注者若しくは監督員の指図により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、受注者がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(履行遅延の場合における違約金等)
第36条 受注者は、その責めに帰すべき事由により、工期内に工事を完成することができないときは、遅滞なく理由を付した書面により、発注者に申し出なければならない。
2 前項の場合において、発注者は、工期経過後相当の期間内に完成する見込みがあると認めたときは、受注者から違約金を徴収して工期を延長することができる。この場合において、違約金の額は、請負代金額から出来形部分に相応する請負代金額を控除した額
(1,000円未満の端数金額は切り捨てる。)につき、遅延日数に応じ、契約日における政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づき財務大臣が決定する率(以下「財務大臣が決定する率」という。)を乗じて計算した額とする。
3 前項の違約金に100円未満の端数があるとき、又は違約金が100円未満であるときは、その端数金額又はその違約金は徴収しないものとする。
4 発注者の責めに帰すべき事由により、第29条第2項(第33条において準用する場合を含む。)の規定による請負代金額の支払いを遅延したときは、受注者は、遅延日数に応じ、契約日における財務大臣が決定する率を乗じて計算した額の遅延利息の支払いを発注者に請求することができる。
(発注者の任意解除権)
第37条 発注者は、工事が完成するまでの間は、次条又は第39条の規定によるほか必要があるときは、契約を解除することができる。
2 発注者は前項の規定により契約を解除したことにより、受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。賠償額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(発注者の催告による解除権)
第38条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは相当の期間を定めて その履行の催告をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念 に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1) 正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないとき。
(2) 工期内に完成しないとき又は工期経過後相当の期間内に工事を完成する見込みがないと認められるとき。
(3) 第11条第1項に掲げる者を設置しなかったとき。
(4) 正当な理由なく、第34条第1項の履行の追完がなされないとき。
(5) 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第39条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を
解除することができる。
(1) 第5条第1項の規定に違反して請負代金債権を譲渡したとき。
(2) この契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
(3) 引き渡された工事目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
(4) 受注者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(5) 受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(6) 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
(7) 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
(8) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下
「暴対法」という。)第2条第2号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)又は暴対法第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)が経営に実質的に関与していると認められる者に請負代金債権を譲渡したとき。
(9) 第41条又は第42条の規定によらないでこの契約の解除を申し出たとき。
(10) 受注者(受注者が共同企業体であるときは、その構成員のいずれかの者。以下この号において同じ。)が次のいずれかに該当するとき。
ア 法人等(法人又は団体若しくは個人をいう。以下同じ。)の役員等(法人にあっては非常勤を含む役員及び支配人並びに営業所の代表者、その他の団体にあっては法人の役員等と同様の責任を有する代表者及び理事等、個人にあってはその者及び支店又は営業所を代表する者をいう。以下同じ。)に暴力団又は暴力団員と関係を持ちながら、その組織の威力を背景として暴力的不法行為等を行う者(以下「暴力団関係者」という。)がいると認められるとき。
イ 暴力団員又は暴力団関係者(以下「暴力団員等」という。)がその法人等の経営又は運営に実質的に関与していると認められるとき。
ウ 法人等の役員等又は使用人が、暴力団の威力若しくは暴力団員等又は暴力団員等が経営若しくは運営に実質的に関与している法人等を利用するなどしていると認められるとき。
エ 法人等の役員等又は使用人が、暴力団若しくは暴力団員等又は暴力団員等が経営若しくは運営に実質的に関与している法人等に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど暴力団の維持運営に協力し、又は関与していると認められるとき。
オ 法人等の役員等又は使用人が、暴力団又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
カ 法人等の役員等又は使用人が、前各号のいずれかに該当する法人等であることを知りながら、これを利用するなどしていると認められるとき。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第40条 第38条各号又は前条各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(受注者の催告による解除権)
第41条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(受注者の催告によらない解除権)
第42条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第19条第1項の規定により工事の内容を変更したため請負代金額が3分の2以上減少したとき。
(2) 第19条第1項の規定により工事の施工を一時中止したため一時中止の期間が当初の工期の3分の1を超えたとき。ただし、一時中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
(3) 契約締結後1月を経過しても着手下命がないとき。
(4) 発注者が契約に違反し、その違反によって契約の履行が不可能となったとき。
2 第37条第2項の規定は、前項の規定により契約が解除された場合について準用する。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第43条 第41条又は前条各号に定める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(解除の効果)
第44条 発注者は、契約が解除された場合においては、出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分の引渡しを受けるものとし、当該引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額を受注者に支払わなければならない。この場合において、発注者は必要があると認められるときは、出来形部分を最少限度破壊して
検査することができる。
2 前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 第1項の場合において、第31条の規定による前払金があったときは、当該前払金の額(第32条の規定による部分払をしているときは、その部分払において償却した前払金の額を控除した額)を第1項前段の出来形部分に相応する請負代金額から控除する。この場合において、受領済の前払金額になお余剰があるときは、受注者は解除が第38条又は第39条の規定によるときにあっては、その余剰額(1,000円未満の端数金額及び1,000円未満の余剰は切り捨てる。)に前払金の支払いの日から返還の日までの日数に応じ、契約日における財務大臣が決定する率を乗じて計算した額の利息を付した額を、解除が第41条又は第42条の規定によるときにあっては、その余剰額を発注者に返還しなければならない。
4 前項の利息に100円未満の端数があるとき、又は利息が100円未満であるときは、その端数金額又はその利息は徴収しない。
(解除に伴う措置)
第45条 契約が工事の完成前に解除されたときは、受注者は、次項から第5項までに規定する措置をとらなければならない。
2 第16条の支給材料があるときは、工事の出来形として検査に合格した部分に使用されているものを除き、これを発注者に返還しなければならない。
3 工事現場内にその所有に属する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件があるときは、これを工事現場外に搬出するとともに工事現場を発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由がないのに一定の期間内に物件を撤去しないときは、発注者は、受注者に代わり当該物件を処分する等必要な措置をとることができる。この場合において、受注者は、発注者のこれに要した費用を負担しなければならない。
5 第2項及び第3項の規定により受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第38条又は第39条の発注者の解除権の行使であるときは発注者が定め、第41条又は第42条の受注者の解除権の行使であるときは、発注者と受注者とが協議して定める。
6 工事の完成後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
(発注者の損害賠償請求等)
第46条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
(1) 工期内に工事を完成することができないとき。
(2) この工事目的物に契約不適合があるとき。
(3) 第38条又は第39条の規定により、工事目的物の完成後にこの契約が解除されたとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代えて、受注者は、請負代金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 第38条又は第39条の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除されたとき。
(2) 工事目的物の完成前に、受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
(1) 受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2) 受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
(3) 受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により同項各号が第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第1項第1号の場合においては、発注者は、請負代金額から出来形部分に相応する請負代金額を減額した額につき、遅延日数に応じ、財務大臣が決定する率を乗じて計算した額を請求するものとする。
6 第2項の場合(第39条第8号及び第10号の規定により、この契約が解除された場合を除く。)において、第4条の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、発注者は、当該契約保証金又は担保をもって同項の違約 金に充当することができる。
(受注者の損害賠償請求等)
第47条 受注者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであ
るときは、この限りでない。
(1) 第41条又は第42条の規定によりこの契約が解除されたとき。
(2) 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
(談合その他の不正行為の場合における賠償金)
第48条 受注者は、この契約に関して次の各号のいずれかに該当する事実があると認められるときは、発注者に対し契約金額に100分の20を乗じて得た額の賠償金を、発注者が指定する期間内に支払わなければならない。ただし、発注者が契約の性質上賠償金を請求することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
(1) 公正取引委員会が受注者に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条、第6条、第8条又は第19条の規定に違反(以下「独占禁止法違反」という。)するとして、独占禁止法第62条第1項に規定する課徴金納付命令を行い、当該命令が確定したとき。
(2) 受注者又はその役員若しくは使用人が、刑法(明治40年法律第45号)第96条の6又は独占禁止法第89条第1項、第90条第1号若しくは第2号若しくは第9
5条第1項第1号に規定する罪を犯し、刑に処せられた(刑の執行が猶予された場合を含む。)とき。
(3) 前2号に規定するもののほか、受注者又はその役員若しくは使用人が、独占禁止法違反行為をし、又は刑法第96条の6の規定に該当する行為をしたことが明らかになったとき。
2 前項に規定する場合において、不当廉売に該当する場合等発注者に損害が生じないものと発注者が認めるときは、同項の規定は適用しない。
3 第1項の規定は、契約の履行完了後又は解除後においても適用するものとする。
第48条の2 受注者は、この契約に関して次の各号のいずれかに該当する事実があると認められるときは、前条第1項の規定にかかわらず、発注者に対し契約金額に100分の30を乗じて得た額の賠償金を、発注者が指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 前条第1項第1号に規定する確定した納付命令について、独占禁止法第7条の3第1項の規定の適用があるとき。
(2) 前条第1項第2号に規定する刑に係る確定判決において、受注者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
(3) 前条第1項各号のいずれかに該当する場合であって、かつ、受注者が談合その他の不正行為を行っていない旨の誓約書を提出しているとき。
2 前項の規定は、契約の履行完了後又は解除後においても適用するものとする。
第48条の3 発注者は、前2条の規定にかかわらず、発注者に生じた実際の損害額が前
2条に規定する賠償金の額を超える場合においては、受注者に対しその超過分につき賠
償を請求できるものとする。
2 前項の規定は、契約の履行完了後又は解除後においても適用するものとする。
(火災保険等)
第49条 受注者は、工事目的物、工事材料(支給材料を含む。以下同じ。)等を設計図書で定めるところにより火災保険等に付さなければならない。
2 受注者は、前項に規定する保険契約を締結したときは、その証券を遅滞なく発注者に提示しなければならない。
3 受注者は、工事目的物、工事材料等を第1項に規定する保険以外の保険に付したときは、遅滞なくその旨を発注者に通知しなければならない。
(名称等の変更届)
第50条 受注者は、受注者の名称若しくは組織、又は住所の変更があったときは、速やかに書面により発注者に届け出なければならない。
(紛争の処理)
第51条 この条項の各条項において発注者と受注者とが協議して定めるものにつき協議が整わなかったときに発注者が定めたものに受注者が不服がある場合、その他この契約に関して発注者と受注者との間に紛争が生じた場合には、発注者及び受注者は、建設業法による建設工事紛争審査会のあっせん、調停又は仲裁によりその解決を図ることができる。
(個人情報の保護)
第52条 受注者は、この業務による個人情報の取扱いに当たっては、個人の権利利益を侵害することのないよう努めなければならない。
2 受注者は、この契約による業務に関して知ることのできた個人情報を他に漏らしてはならない。
3 受注者は、この契約による業務を処理するため、個人情報を収集し、又は利用するときは、受託業務の目的の範囲内で行うものとする。
4 受注者は、この契約による業務を処理するために収集し、又は作成した個人情報が記録された資料等を、発注者の承諾なしに第三者に提供してはならない。
5 受注者は、この契約による業務を処理するため発注者から提供を受けた個人情報が記録された資料等を、発注者の承諾なしに複写し、又は複製してはならない。
6 受注者は、この契約による業務を処理するため発注者から提供を受けた個人情報の滅失及び損傷の防止に努めるものとする。受注者自らが当該事務を処理するために収集した個人情報についても、同様とする。
7 受注者がこの契約による業務を処理するために、発注者から提供を受け、又は自らが収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等は、この契約完了後直ちに発注者に返還し、又は引き渡すものとする。ただし、発注者が別に指示したときは当該方法
によるものとする。
8 受注者は、この契約に違反する事態が生じ、又は生じるおそれのあることを知ったときは、速やかに発注者に報告し、発注者の指示に従うものとする。
(妨害又は不当要求に対する届出義務)
第53条 受注者は、契約の履行に当たって、妨害(不法な行為等で、業務の履行の障害となるものをいう。)又は不当要求(金銭の給付等一定の行為を請求する権利若しくは正当な利益がないにもかかわらずこれを要求し、又はその要求の方法、態様若しくは程度が社会的に正当なものと認められないものをいう。)を受けた場合は、発注者へ報告するとともに、警察への被害届を提出しなければならない。
2 受注者は妨害又は不当要求を受けたにもかかわらず、前項の発注者への報告又は被害届の提出を怠ったと認められる場合は、入札参加資格停止措置又は競争入札による契約若しくは随意契約において契約の相手方としない措置を講じることがある。