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○ 災害共済給付に関する業務
(1)制度の性格
災害共済給付制度
国
設学置校者の
保護者
国・学校の設置者・保護者の三者による互助共済制度
災害共済給付制度は、センターと学校の設置者との契約(災害共済給付契約)により、学校の管理下における児童生徒等の災害(負傷、疾病、障害又は死亡)に対して、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給)を行うものです。その運営に要する経費を、国、学校の設置者及び保護者の三者が負担する互助共済制度です。
(2)災害共済給付契約
◆ 対象となる学校等
。
災害共済給付は、学校の設置者が保護者の同意を得て、センターとの間に災害共済給付契約を結ぶことによって行われます災害共済給付契約の対象となる学校種は、次のとおりです。
義務教育諸学校 | 小学校、中学校、中等教育学校の前期課程 特殊教育諸学校(盲学校、聾学校及び養護学校をいいます。)の小学部及び中学部を含みます。 |
高 等 学 校 | 高等学校(全日制、定時制及び通信制) 中等教育学校の後期課程及び特殊教育諸学校の高等部を含みます。 |
高 等 専 x x 校 | |
幼 稚 園 | 特殊教育諸学校の幼稚部を含みます。 |
保 育 所 | 児童福祉法第39条に規定する保育所 |
※国立、公立、私立の別を問いません。
◆ 共済掛❹の額
児童生徒等1人当たりの共済掛金の年額は、次のとおりです。
(平成17年度現在)
学校種別 | 沖縄県を除く都道府県 | 沖縄県 | ||||
一般 | 要保護 | 一般 | 要保護 | |||
義務教育諸学校 | 920円 | 40円 | 460円 | 20円 | ||
高等学 校 | 全日制 | 1,840円 | - | 920円 | - | |
定時制 | 980円 | - | 490円 | - | ||
通信制 | 280円 | - | 140円 | - | ||
高等専門学校 | 1,880円 | - | 940円 | - | ||
幼 | 稚 | 園 | 270円 | - | 135円 | - |
保 | 育 | 所 | 350円 | 40円 | 175円 | 20円 |
※1 共済掛金における保護者の負担割合は次のとおりです。
・義務教育諸学校 4割から6割
・その他の学校 6割から9割
◇ 残りの額を、学校の設置者が負担します。
2 災害共済給付に免責の特約(後記(6)参照)を付けた場合は、上記の額に、児童生徒等1人当たり25円(高等学校の通信制は2円)を加えた額が共済掛金の額になります。
☆ 災害共済給付契約から共済掛金の支払まで
3 要保護とは、生活保護法による保護を受けている世帯に属する義務教育諸学校・保育所の児童生徒をいいます。生活保護法の医療扶助があるため、災害共済給付の医療費の給付対象とはならず、障害見舞金又は死亡見舞金のみが給付対象となることから、一般児童生徒等とは別に共済掛金の額を定めています。
1
災害共済給付契約について、学校を通じて保護者に同意を求める。
同意書
保護者
又は名簿更新
学校
学校の設置者
3
共済掛金の支払 保護者分+設置者分
センター
契約に対する同意に基づき、学校を経由して
共済掛金(保護者分)を支払う。
2
同意書
★ 災害共済給付契約
センターと学校の設置者の間で締結し、次年度以降は、契約の継続のための手続きをとります。(契約の継続のための手続きを『名簿更新』といいます。)
★ 共済掛金
学校の設置者は、毎年度、その年度に加入する児童生徒等の分をとりまとめ、一括してセンターに支払います。
★ 期 限
災害共済給付契約の締結、加入児童生徒等の名簿更新及び共済掛金の支払期限は、毎年度5月31日です。
★ 給付の対象
共済掛金が期限内に支払われた場合は、その年度の4月1日以降発生した災害が、期限後に支払われた場合は、その支払日以降に発生した災害が、給付の対象となります。
(3)災害共済給付金の請求から給付まで
学校の管理下において児童生徒等に災害が発生した場合の災害共済給付金の請求から給付までの流れは、以下のとおりです。
医療等の状況を作成
保護者
★ 給付❹の請求のために「医療等の状況」等を学校に提出します。
給付金
提出
病院
・データ入力
・進捗状況確認
・統計情報活用
★ 学校では、医療機関が記入した「医療等の状況」と「災害報告書」をシステムに入力します。
★ 「医療等の状況」を、学校の設置者に提出します。
学校
医療等の状況を 提出
・データ確認
・進捗状況確認
・統計情報活用
・支払通知書のダウンロード
災害共済給付オンライン
請求システム
設置者
★ 学校で入力された情報をもとに「支払請求書」を作成します。
★ 学校から提出された「医療等の状況」等を「支払請求書」と併せてセンターに給付❹の請求をします。
※ 支払請求の時期
医療費及び障害見舞❹→毎月10日まで
死亡見舞❹→その都度
・支払通知書
(連絡用)
・給付金
給付金の請求
・データ確認
受付
↓ 審査
↓
・給付決定
・支払通知書の作成
・給付
独立行政法人
日本スポーツ振興センター
★ 給付金支払請求の時効
● 給付事由が発生してから2年間
★ 医療費の支給期間
● 初診から最長10年間
★ 給付ができない場合
● 損害賠償を受けたときや、他の法令に基づいて給付等を受けたときは、その価額の限度において、災害共済給付を行いません。
● 非常災害(風水害、震災等)の場合や、要保護児童生徒の医療費(生活保護法による医療扶助があるため)については、支給できません。
● 高等学校の生徒及び高等専門学校の学生の故意(自殺など)、故意の犯罪行為による場合は、災害共済給付を行いません。
★ 給付金の減額措置がある場合
● 高等学校の生徒及び高等専門学校の学生の重大な過失による災害の場合は、障害見舞金、死亡見舞金の減額措置があります。
(4)給付の対象となる災害の範囲と給付金額
(平成17年4月1日現在)
災害の種類 | 災害の範囲 | 給付金額 | |
負傷 | その原因である事由が学校の管理下で生じたもので、療養に 要する費用の額が5,000円以上のもの | 医療費 | |
疾病 | その原因である事由が学校の管理下で生じたもので、療養に要する費用の額が5,000円以上のもののうち、文部科学省令で定めるもの ・学校給食等による中毒 ・ガス等による中毒 ・熱中症 ・溺水 ・異物の嚥下又は迷入による疾病 ・漆等による皮膚炎 ・外部衝撃等による疾病 ・負傷による疾病 | ・医療保険並の療養に要する費用の額の4/10(そのうち 1/10の分は、療養に伴って要する費用として加算される分)。ただし、高額療養費の対象となる場合は、自己負担額(所得区分により限度額が定められている。)に「療養に要する費用月額の1/10」を加算した額 ・入院時食事療養費の標準負担額がある場合はその額を加算した額 | |
障害 | 学校の管理下の負傷及び上欄の疾病が治った後に残った障害 (その程度により第1級から第14級に区分される。) | 障害見舞金3,770万円~82万円 (通学中の災害の場合 1,885万円~41万円) | |
死亡 | 学校の管理下において発生した事故に起因する死亡及び上欄 の疾病に直接起因する死亡 | 死亡見舞金 2,800万円(通学中の災害の場合 | 1,400万円) |
突然死 | 学校の管理下において運動などの行為が起 因あるいは誘因となって発生したもの | 死亡見舞金 2,800万円(通学中の災害 1,400万円) | |
学校の管理下において運動などの行為と関 連なしに発生したもの | 死亡見舞金 1,400万円(通学中の災害の場合も同様) |
※ 上表の「療養に要する費用の額が5,000円以上のもの」とは、初診から治ゆまでの間の医療費の総額(医療保険でいう10割分)が5,000円以上のものをいいます。現在、外来の医療保険の自己負担額は3割と定められておりますので、例えば病院に外来受診した場合の医療費の総額が5,000円以上の自己負担額の目安は、1,500円以上です。
※ 障害見舞金・死亡見舞金の額については、平成17年4月1日以降に給付の事由が生じた場合の額です。
※ 供花料の支給 ‥ 学校の管理下における死亡で、損害賠償を受けたこと等により死亡見舞金が支給されないものに対し、供花料として17万円を支給します。
※ 通院費の支給 ‥ へき地にある学校(義務教育諸学校)の管理下における児童生徒の災害に対し、通院日数に応じ、1日当たり定額1,000円の通院費を支給します。
(5)給付の対象となる学校の管理下の範囲
学校の管理下となる場合 | 例えば |
1 学校が編成した教育課程に基づく授業を受けている場合 (保育所における保育中を含む。) | ・各教科(科目)、道徳、自立活動、総合的な学習の時間、幼稚園の保育中 ・特別活動中(学級活動、ホームルーム、児童・生徒会活動、クラブ活動、儀 式、学芸会、運動会、遠足、修学旅行、大掃除など) |
2 学校の教育計画に基づく課外指導を受けている場合 | ・部活動、林間学校、臨海学校、夏休みの水泳指導、生徒指導、進路指導など |
3 休憩時間中に学校にある場合、その他、校長の指示又は承 認に基づいて学校にある場合 | ・始業前、業間休み、昼休み、放課後 |
4 通常の経路及び方法により通学する場合(保育所への通 園・降園を含む。) | ・登校(xx)中、下校(降園)中 |
5 上記に掲げる場合のほか、これらの場合に順ずる場合として文部科学省令で定める場合 | ・学校の寄宿舎にあるとき ・学校外で授業等が行われるとき、その場所、集合・解散場所と住居・寄宿舎との間の合理的な経路、方法による往復中 ・高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、学校教育法の 規定により技能教育のための施設で教育を受けているとき |
(6)免責の特約
災害共済給付は学校の管理下で児童生徒等の災害が発生した場合に行われますが、その中には被災児童生徒等以外の第三者の過失責任等による災害もあります。この場合、法律上の規定では、第三者に対してセンターが給付した分の支払を求めることとなりますが、この第三者には学校の設置者(以下「設置者」という。)も含まれます。
このため、設置者の損害賠償責任が発生した災害の場合は、まずセンターから被災児童生徒等の保護者等(以下「当事者」という。)に給付が行われ、その後、センターはその給付金分の支払を設置者に求めることになりますので、設置者に突発的な財政負担が生じます。「免責の特約」は、このことに備えるため、あらかじめ設置者相互の掛金負担により財源を確保し、負担の分散を図るための仕組みとして設けられているもので、設置者が損害賠償責任を問われ、賠償に応じる場合には、センターは設置者に給付金分の支払を求めるのではなく、この確保した財源から給付金分を補填することとなります。同時に、設置者にとってはセンターが支払った給付金は自らが支払った損害賠償金とみなされ、その部分の支払が免責されることとなります。
学校の管理下の災害-20 -基本統計-
平成18年2月28日 発行
発行者:独立行政法人日本スポーツ振興センター
x000-0000
xxxxxxxxxx00x0x TEL:03-5410-9156
FAX:03-5410-9167(健康安全部健康安全事業課) HPアドレス:xxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/
印刷者:若越印刷株式会社
x000-0000
xxxxxxxxx0xx00x00x TEL:03-5461-1313
2005
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定価 1,575円(税込)