③ 本業務を適正かつ円滑に実施するため、受託者は委託者と定期的な協議・打合せを行うとともに、円滑な業務遂行を図るため、必要に応じた当市場内の事業者へのヒアリン グを行うこと。また、その各内容については、記録(ファイル形式:Word)を逐次作成するものとし、協議・打合せ等の終了後、速やかに委託者に提出すること。
1.x x
中央卸売市場「攻めの戦略」作成等業務(以下「業務」という。)は、契約書に定めるもののほか、この仕様書により実施するものとする。また、本業務の実施にあたっては、委託者と十分な連絡調整を行い、円滑な実施を図るものとする。
2.業務の目的・趣旨
静岡市中央卸売市場は、昭和51年(1976年)の開設から48年を経過する、市民等の食生活に欠かせない生鮮食料品を取り扱う卸売市場である。静岡県中部を中心に青果物及び水産物を供給しているものの、今般では、社会情勢の変化に伴う食料品の流通や消費の多様化等による取扱量及び取扱金額の減少が続いている。また、施設の老朽化が著しいことに加え、情報通信技術の導入の遅れなどにより、商品を入荷し、出荷するまでの一連の取引が非効率であるという課題も抱えている。
このような中、令和2年には改正卸売xxxが施行され、卸売市場における取引の規制が緩和されて、各卸売市場の実態に応じ、創意工夫した取組による活性化が図れるようになったことから、その取り巻く環境はさらに変化している。これらのことから近隣をはじめ、全国の卸売市場では、市場施設の再整備等の事業が次々と実施されている。
さらに、令和3年度には、当市場内の事業者団体である「静岡市中央卸売市場運営委員会」から再整備を求める要望書の提出があり、当市の附属機関である「静岡市中央卸売市場開設運営協議会」から再整備の検討が必要である旨の意見が出されている。
これらの経過をふまえ、令和4年度に、当市の附属機関となる「静岡市将来構想検討委員会」を立ち上げ、再整備を念頭に置き、今後の市場のあり方を示す「将来構想」を令和5年度に作成したが、将来人口の減少や生鮮食料品の需要縮小といったトレンドを踏まえると、現状の取引活動の延長線では、中長期的な成長を見込む取扱量のシミュレーションを描くことが困難な状況にあり、現状のままでは再整備に係る庁内の合意形成及び意思決定を果たせない状況にある。
以上をふまえ、本業務においては、卸売市場を取り巻く環境変化を的確に捉え、改めて諸課題を整理し、当市場の強みや特長を活かすことのできる実証事業を通じた成功事例を創るとともに、中長期的な成長を見込む「攻めの戦略」を打ち立てることを目的とし、当市場の再整備に係る庁内の合意形成及び意思決定を果たすものとする。
3.業務の名称
令和6年度 経商中委第 13 号 中央卸売市場「攻めの戦略」作成等業務
4.業務の概要
(1)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」作成業務
委託者が令和5年度に作成した「将来構想」を基に、当市場の強みや特長を活かすことを念頭に、上記2の目的に叶った重点的な取組項目を抽出及び提案するとともに、中長期的な成果を見据えた具体的な取組の内容及びスケジュールを作成する。
(2)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」に基づく実証事業実施業務
上記(1)に基づき、当市場内の事業者を選定するとともに、短期的な成果を見込むアクションプログラムを作成し、これに伴う実証事業を実施する。
(3)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」に基づく経済分析業務
上記(1)及び(2)に基づき、中長期的な成果を見据えたシミュレーションの推計及びこれに係る経済分析を実施する。また、上記(1)に基づく重点的な取組項目の実施に向けて、今後ボトルネックとなり得る項目等を抽出する。
(4)静岡市中央卸売市場「場内勉強会」開催業務
上記(1)から(3)をふまえ、当市場内の事業者に対し、主体性を植え付ける「動機づけ」及び「意識改革」を目的とした「場内勉強会」を開催する。
(5)その他、本業務に必要とされる業務
5.業務の仕様
(1)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」作成業務
本業務の実施にあたっては、委託者が令和5年度に作成した「将来構想」を基に、各種オープンデータ、地域経済分析システム(RESAS)のほか、委託者がこれまで行った調査業務の成果品や計画等を参考に、受託者は以下に掲げる業務を実施する。
ア 仕 様 (ア)サ イ | ズ | 原則、A4判(縦置き)とする。 |
(イ)構 | 成 | 受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定するこ |
ととし、その前提としては、実行計画の位置づけとし | ||
て将来構想に組み込むものとする。 | ||
(ウ)頁 | 数 | 受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定する。 |
イ | 戦略作成 | 下記の(ア)から(ク)に示す施策群から、当市場における取扱量及び取 |
扱金額の回復、もしくは上昇が見込まれる事業を抽出及び提案し、今後、 | ||
当市場が実施する「戦略」として整理すること。 | ||
(ア)市場流通の品質及び衛生管理の強化 | ||
(イ)集荷力・販売力の強化 | ||
(ウ)市場内流通の高度化 | ||
(エ)市場内流通の効率化 | ||
(オ)場内事業者の経営体力の強化 | ||
(カ)公共性と経営効率性の両立 | ||
(キ)社会潮流への対応 | ||
(ク)新しい施設機能の付加 | ||
ウ | 必須事項 | (ア)令和5年度に委託者が作成した「将来構想」を前提とし、本業務の目的をふ |
まえ、事業の遂行による効果・成果が期待できる事業を抽出・提案すること。
(イ)抽出・提案する事業は、いつ、誰が、どのように、といった5W1 H形式で具体的に整理・表現すること。なお、当市場の青果部及び水産物部に属する卸売業者及び仲卸業者を主たる対象とし、xx及びxxのステークホルダーとの共働も考慮すること。
(ウ)事業の実施によってもたらされる効果を鑑み、事業スケジュールは短期・中期・長期といった時間軸を設けるとともに、進行管理を段階的、且つ効率的に行うためのマイルストーンの設定も考慮すること。なお、再整備の着手時期を令和 12 年(2030 年)と仮定し、その前後の期間において、取り組むべき施策及び事業も整理すること。
(エ)抽出・提案する事業毎にアウトプット及びアウトカムの指標を設定すること。また、指標の設定においては、可能な限り、根拠に基づく数値化ができるよう考慮するとともに、外的環境及び要因に加え、マーケティング・プロセスを踏まえた将来性・実現性の高い事業となるよう考慮すること。さらには、抽出・提案するハード事業は、ソフト事業における効果・成果の加速化、又は高度化を図るために必要な役割・機能を担うものとすること。
(オ)抽出・提案する事業の実現性を担保するため、国庫補助金等の財源を適時適切に確保できるよう考慮すること。また、抽出・提案する事業は、可能な限り、コストの見える化を行い、且つ費用対効果が望めるよう考慮すること。
(カ)当市場における現在の立地及び交通アクセスをふまえ、物流の 2024年問題など社会課題の解決に繋げるとともに、地域内の波及効果を鑑み、(協)静岡流通センターや周辺自治体等との連携も視野に含めることで、地域性に富んだ事業となるよう考慮すること。
(キ)事業の抽出・提案にあたっては、合理的に事業を遂行するための調整策についても視野に含めるとともに、その方策の遂行により、課題解決に向けてどのような影響があり、変化するかも考慮すること。
(ク)下記(2)及び(3)の業務に基づき、令和5年度に委託者が作成した「将来構想」の見直しを図ることができるものとし、これに応じて、本業務のブラッシュアップを図ること。
(2)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」に基づく実証事業実施業務
本業務の実施にあたっては、xx及びxxからのニーズ等をくみ取り、当市場が「選ばれる市場」になることを目的に、上記(1)に基づき、当市場内の事業者を選定するとともに、短期的な成果を見込むアクションプログラムを作成し、これに伴う実証事業を実施する。
ア 対 | 象 | 当市場の青果部及び水産物部に属する卸売業者及び仲卸業者を主たる対 |
象とする。ただし、対象の選定にあたっては、場内公募を行うものとし、 | ||
委託者との協議をふまえ選定すること。また、主たる対象が取り扱う商 | ||
材の内、xx及びxxのニーズに合致する可能性があると受託者が判断 | ||
する商材を取り扱うものとする。さらには、主たる対象の取引先となる | ||
対象については、業態及び国内外を含め、限定しないものとする。 | ||
イ 数 | 量 | 青果部及び水産物部それぞれ2社程度を対象とすること。ただし、1社 |
あたりの商材の品目に関しては、xx及びxxのニーズに合致するもの | ||
であれば、可能な限り2品目以上の品目を取り扱うこと。 |
ウ 手 法 下記の(ア)から(カ)の視点を前提に、短期的な成果を見込むアクションプログラムを作成するとともに、委託者と協議の上決定することとし、その結果をふまえて、対象との協議・調整を図るものとする。なお、下記の視点の採否については、受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定する。
(ア)xx及びxxとのリレーションシップ
(イ)販売提案力の強化
(ウ)商材のブランディング
(エ)物流、又は商流のハブ化
(オ)取引業務(荷の動線を含む)の効率化
(カ)その他、受託者が必要と判断する項目
エ 必須事項 (ア)実証事業の実施にあたっては、新たな取組に着手する主たる対象の経験値が十分でない旨を常に意識し、当該する組織及び経営者への動機づけや意識改革についても並行して取り組んでいくこと。
(イ)主たる対象が自走可能と判断できる、又は短期的な成果が見込ま れると判断できるまでの期間においては、伴走支援を実施すること。
(ウ)今後、当市場の再整備を行うことを念頭に、本業務の実施によって、事業活動の加速化、又は高度化を図る必要性及び重要性の有無についても言及できるようにすること。
(エ)本業務を契機に継続取引の見込があるかを判断するために、取引先の意見等を聴取・集約すること。また、意見等の聴取内容においては、可能な限り、マーケティング・プロセスを踏まえたものとし、総論・抽象的な意見等の聴取に留まらず、取引の意向、取り扱う商材の売価、数量、パッケージデザイン、製品表示等の個別・具体的な項目に基づき、意見等の聴取を実施すること。
(オ)実証事業の実施中において、取引先、又は一般消費者から得られたトピックス等があった場合には、必要に応じて委託者及び主たる対象に適宜情報提供を行うこと。
(3)静岡市中央卸売市場「攻めの戦略」に基づく経済分析業務
本業務の実施にあたっては、上記(1)及び(2)の業務をふまえ、重回帰分析等の統計手法を用いて、当市場における将来の取扱量及び取扱金額を推計するとともに、今後、想定される外的環境や要因をふまえた経済分析を行う。また、上記(2)の取組をふまえ、今後、事業活動の加速化、又は高度化へと発展的な取組を進めていくための課題等を抽出する。
ア 仕 様 (ア)サ イ ズ 原則、A4判(縦置き)とする。
(イ)統計手法 受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定する。
(ウ)構 成 受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定することとし、その前提としては、実行計画の位置づけとして将来構想に組み込むものとする。
(エ)頁 数 受託者の提案に基づき、委託者と協議の上決定する。
イ 必須事項 (ア)当市場が公表する年報に基づき、暦年で取扱量及び取扱金額を推計すること。また、青果部及び水産物部それぞれの内訳も設けること。
(イ)原則として、推計する期間の終期は 2045 年を前提とするが、それ以降の動向及び考え方についても言及すること。
(ウ)推計にあたっては、国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口』及び農林水産政策研究所『我が国の食料消費の将来推計』の結果をふまえること。
(エ)推計及び経済分析を行うにあたり、今後、市民理解を求めていくことを 前提に、将来性及び実現性に関する根拠と共感が得られるものとすること。
(オ)上記(2)で行う取組によって得られる効果・成果をシミュレーションの変数として考慮すること。また、再整備の着手時期を令和 12年(2030 年)と仮定し、同様にシミュレーションの変数として考慮するとともに、当市場の持続的な経営に向けて、再整備の必要性及び重要性の有無についても言及すること。
(4)静岡市中央卸売市場「場内勉強会」開催業務
① 上記(1)から(3)までの業務をふまえ、当市場内の事業者が中長期的な成長に向けた成果の創出に向け、主体性をもって取り組んでもらう「動機づけ」を果たすとともに、今後、市場内事業者自らが投資していく気概を持てるよう「意識改革」していくため、当市場内の事業者に対する「場内勉強会」を開催すること。
② 開催時期、対象、各テーマ、運営上の委託者との役割分担等については、受託者の提案に基づき、委託者と協議して決定すること。
③ 開催する回数は4回以上実施することを前提とし、開催場所は、委託者が管理する当市場内の会議室使用を前提とすること。なお、場内勉強会の構成として、上記(2)で実施した成果発表を行う機会を創出すること。
(5)その他、本業務に必要とされる業務
① 令和6年12月までに、当市場の再整備に係る庁内の合意形成及び意思決定を果たすことを念頭に、本業務を遂行する過程において、委託者が令和5年度に作成した「将来構想」に見直すべき項目及び内容が生じた場合には、委託者にその旨を逐次提言すること。また、庁内の合意形成・意思決定及び市民理解を図るため、委託者からの要請に応じ、合意形成・意思決定及び市民理解に必要とされる根拠・論理・結論が語れる資料を作成すること。
② 令和7年度以降に、委託者が策定する予定である「再整備基本計画」へと円滑に移行できるよう、委託者及び関係事業者との連携を図ること。
③ 本業務を適正かつ円滑に実施するため、受託者は委託者と定期的な協議・打合せを行うとともに、円滑な業務遂行を図るため、必要に応じた当市場内の事業者へのヒアリングを行うこと。また、その各内容については、記録(ファイル形式:Word)を逐次作成するものとし、協議・打合せ等の終了後、速やかに委託者に提出すること。
④ その他本業務に必要な項目に関し、委託者の要請に基づき、資料作成及び助言等を行う。
⑤ その他、本仕様に定めのない事項については、その都度、双方で協議の上対応するものとする。
6.業務の報告
(1)中間報告
受託者は、前記に掲げるもののほか、委託者からの要請に基づき、以下に示すデータファイルにて、速やかに委託者に提出すること。ただし、その期限及び内容の委細にあっては、下記に定めるとともに、委託者と協議・調整の上、決定するものとする。
① 令和7年度当初予算要求のための概算費用の算出等
ア | 時 | 期 | 令和6年9月を目途とする。 |
イ | サ | イ ズ | 原則、A4判(縦置き)とする。 |
ウ | x | x | (ア)継続的に、又は新たに実施が必要なソフト事業に関する概算見積 |
(イ)令和5年度に委託者が作成した「将来構想」の見直しすべき項目 |
の抽出(ただし、当該する時点で可)
(ウ)事業活動の加速化を図るために、必要とされるソフト及びハードの事業に関する提案(ただし、当該する時点で可)
(エ)その他、当市場の「再整備」に係る庁内の合意形成等に必要とされる項目の提案
(2)完了報告
受託者は、業務の完了後、本仕様に基づく業務完了報告書及び下記7に掲げる成果品をデータファイルにて速やかに委託者に提出すること。ただし、その期限及び内容の委細にあっては、前記及び下記7に定めるものに加え、委託者と協議・調整の上、決定するものとする。
7.成果品の提出
① 成果品の作成
上記5に示すことを原則とし、基本的な項目に加え、当市場の強みや特長をふまえた項目等について、文章及び視覚的表現を用いた成果品を作成・提出すること。ただし、その内容の委細にあっては、委託者と協議・調整の上、決定するものとする。
② 納品する成果品の種類及び形態
ア 攻めの戦略及び本業務で使用した資料・記録(電子媒体)
(ア)形 式 使用するアプリケーションソフト及びファイル形式については委託者と協議の上決定する。
(イ)納 品 電子記録媒体 1部
(ウ)そ の 他 その他必要な事項は、委託者と協議の上決定する。
③ 納品期限 令和7年3月21日(金)まで
④ 納 品 先 静岡市中央卸売市場(静岡市経済局商工部中央卸売市場)
x000-0000 xxxxxxxxxxx0x0x xxx0x
8.契約期間
令和6年●月●日(●)から令和7年3月21日(金)まで
9.疑義等
事業の円滑かつ効率的な進捗を図るために、委託者と緊密に連携し進めるものとする。なお、本仕様に定めのない事項については、その都度協議の上対応するものとする。
10.留意事項
(1)本業務の実施にあたり、成果等の達成に向け、効率的な業務遂行を図るとともに、委託者と十分な連絡調整を行い、円滑な実施を図るものとする。
(2)本業務に基づく、作成物等に係る知的財産は、第三者に属する権利や企業情報の漏洩等の問題が生じないことを前提に普く活用できるものとする。
(3)成果物等の作成にあたり、使用素材を必要に応じて加工修正をする場合にあっては、必ず管理元に対し、加工修正後の状態での許諾を取った上で使用すること。
(4)本業務の執行に際し、必要な一切の経費は当初の契約金額に含むものとする。また、本業務の実施に際し、第三者が権利を有する著作物(以下「既存著作物等」)が含まれる場合には、既存著作物等の使用に必要な費用の負担及び使用許諾契約等に関わる一切の手続きを受託者が行うものとし、当該許諾、使用等にあたり発生する費用は当初の金額に含むものとする。なお、万が一、著作権関係の紛争が生じた場合は、一切受託者の責任において処理するものとする。
(5)本人の承諾を得ることのできない人物画像等については、識別が不可能な程度の修正を行うこと。また、掲載後の肖像権或いは個人情報に関わる問題が発生した場合は、受託者においてその責を負うものとする。
(6)本業務の実施に際して重大な瑕疵があった場合は、原因者において、回収、修正、再印刷等必要な措置を講じること。このため、受託者は責任の所在を明らかにするため、予めデータの入手先や校正の記録、担当者等を記録しておくこと。
(7)受託者は、本業務の各段階において必要に応じて委託者と協議を行うこと。また、委託者の要請があった場合には、その要請に従い作業を進めるとともに、委託者は作業期間中、いつでもその作業状況の報告を求めることができるものとする。