Contract
第1章 総則
1.1 適用
1.本共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、xx市が発注する建築工事に係る工事監理(建築工事、電気設備工事、機械設備工事等のそれぞれの工事監理をいう。)の業務(以下「工事監理業務」という。)の委託に適用する。
2.工事監理仕様書は、相互に補完するものとする。ただし、工事監理仕様書の間に相違がある場合、工事監理仕様書の優先順位は、次の(1)から(4)の順序のとおりとする。
(1) 質疑回答書
(2) 現場説明書
(3) 特記仕様書
(4) 共通仕様書
3.受注者は、前項の規定により難い場合又は工事監理仕様書に明示のない場合若しくは疑義を生じた場合には、監督員と協議するものとする。
1.2 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。
1.「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者、現場責任者又は技術管理者に対する指示、承諾又は協議の職務等を行う者で、契約書の規定に基づき、発注者が定めた者をいう。
2.「検査員」とは、工事監理業務の完了の確認、部分払いの請求に係る既履行部分確認 及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認を行う者で、契約書の規定に基づき、発注者が定めた者をいう。
3.「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統轄等を行う者で、契約書の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
4.「対象工事」とは、当該工事監理業務の対象となる工事をいう。
5.「請負者等」とは、対象工事の工事請負契約の請負者又は工事請負契約書の規定により定められた現場代理人をいう。
6.「契約図書」とは、契約書及び工事監理仕様書をいう。
7.「工事監理仕様書」とは、質疑回答書、現場説明書、特記仕様書及び共通仕様書をいう。
8.「質疑回答書」とは、特記仕様書、共通仕様書及び現場説明書並びに現場説明に関する入札等参加者からの質疑書に対して、発注者が回答した書面をいう。
9.「現場説明書」とは、工事監理業務の入札等に参加する者に対して、発注者が当該工事監理業務の契約条件を説明するための書面をいう。
10.「特記仕様書」とは、工事監理業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
11.「共通仕様書」とは、各工事監理業務に共通する事項を定める図書をいう。
12.「設計図書」とは、対象工事の工事請負契約書の規定により定められた設計図書、発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
13.「指示」とは、発注者又は監督員が受注者に対して、工事監理業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
14.「請求」とは、発注者又は受注者が相手方に対して、契約内容の履行若しくは変更に関して書面をもって行為若しくは同意を求めることをいう。
15.「通知」とは、工事監理業務に関する事項について、相手方に書面にて知らせることをいう。
16.「報告」とは、受注者が発注者又は監督員に対して、工事監理業務の遂行に当たって調査及び検討した事項について通知することをいう。
17.「承諾」とは、受注者が発注者又は監督員に対して、書面で申し出た工事監理業務の遂行上必要な事項について、発注者又は監督員が書面により同意することをいう。
18.「協議」とは、書面により業務を遂行する上で必要な事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
19.「提出」とは、受注者が発注者又は監督員に対して、工事監理業務に係る書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
20.「書面」とは、手書き、ワープロ等により、伝える内容を紙に記したものをいい、発効年月日を記載し、署名又は捺印したものを有効とする。緊急を要する場合は、電子メール、ファクシミリ等により伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し替えるものとする。
21.「検査」とは、契約図書に基づき、工事監理業務の完了の確認、部分払いの請求に係 る既履行部分確認及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認をすることをいう。
22.「打合せ」とは、工事監理業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者と監督員が面談等により、業務の方針、条件又は設計内容の疑義等を正すことをいう。
23.「協力者」とは、受注者が工事監理業務の遂行に当たって、その業務の一部を再委託等する者をいう。
第2章 工事監理業務の内容
工事監理業務は、標準業務及び追加業務とし、内容及び範囲は次による。
1.標準業務の内容は、平成31年国土交通省告示98号(以下「告示」という。)別xx第
2項に掲げるものとし、内容及び範囲は特記による。内容の詳細については、以下による。
2.追加業務の内容及び範囲は特記による。
2.1 標準業務の内容
1.工事監理に関する標準業務
(1) 工事監理方針の説明等 (ⅰ) 工事監理方針の説明
当該業務の着手に先立って、工事監理体制その他工事監理方針について記載された業務計画書を作成し、監督員に提出し、承諾を受ける。
(ⅱ)工事監理方針変更の場合の協議
当該業務の方法に変更の必要が生じた場合、監督員と協議する。
(2) 設計図書の内容の把握等の業務
(ⅰ)設計図書の内容の把握
設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、内容をとりまとめ、監督員に報告する。
(ⅱ)質疑書の検討
請負者等から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質(形状、寸法、仕上がり、機能、性能等を含む。以下、同じ)確保の観点から技術的に検討し、その結果を監督員に報告する。
(3) 施工図等を設計図書に照らして検討及び報告する業務
(ⅰ)施工図等の検討及び報告
① 設計図書の定めにより請負者等が提出する施工図等(現寸図・躯体図・製作図・工作図等をいう。)が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、適合し
ていると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合していないと認められる場合には、請負者等に対して設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置について取りまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、請負者等が施工図等を再度提出する場合、①、②の規定を準用する。
(ⅱ) 工事材料、設備機器等の検討及び報告
① 設計図書の定めにより請負者等が提案又は提出する工事材料、設備機器等及びそれらの見本等が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、適合していると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合していないと認められる場合には、請負者等に対して設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置について取りまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、請負者等が工事材料等を再度提出する場合、①、②の規定を準用する。
(4) 工事と設計図書との照合及び確認
請負者等が行う工事が設計図書の内容に適合しているかについて、設計図書に定めのある方法による確認のほか、目視による確認、抽出による確認、請負者等から提出される品質管理記録の確認等、確認対象工事に応じた合理的方法により確認を行う。
(5) 工事と設計図書との照合及び確認の結果報告等
① (4)の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② (4)の検討の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認められる箇所がある場合、又は監督員から適合していない箇所を示された場合には、設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置について取りまとめ、監督員に報告する。
③ 請負者等が必要な修補を行った場合は、その方法が設計図書に定める品質確保の観点から適切か否かを確認し、適切と認められる場合には、その内容を監督員に報告する。
④ ③の結果、修補が適切になされていないと認められる場合の再修補の取扱いは、
①、②、③の規定を準用する。
(6) 工事監理報告書等の提出
工事と設計図書との照合及び確認をすべて終えた後、工事監理報告書及び監督員が指示した書類等の整備を行い、監督員に提出する。
2.工事監理に関するその他の標準業務
(1) 工程表の検討及び報告
① 工事請負契約の定めにより請負者等が作成し、提出する工程表について、工事請負契約に定められた工期及び設計図書に定められた品質が確保できないおそれがあるかについて検討し、品質が確保できると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、品質が確保できないおそれがあると認められる場合には、請負者等に対する修正の求めその他必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、請負者等が工程表を再度作成し、提出した場合は、①、②の規定を準用する。
(2) 設計図書に定めのある施工計画の検討及び報告
① 設計図書の定めにより請負者等が作成し、提出する施工計画(工事施工体制に関する記載を含む。)について、工事請負契約に定められた工期及び設計図書に定められた品質が確保できないおそれがあるかについて検討し、品質が確保できると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、品質が確保できないおそれがあると認められる場合には、請負者等に対して修正の求めその他必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、請負者等が施工計画を再度作成し、提出した場合は、①、②の規定を準
用する。
(3) 工事と工事請負契約との照合、確認、報告等
(ⅰ)工事と工事請負契約との照合、確認及び報告
① 請負者等が行う工事が工事請負契約の内容(設計図書に関する内容を除く。) に適合しているかについて、目視による確認、抽出による確認、請負者等から提 出される品質管理記録の確認等、対象工事に応じた合理的方法により確認を行い、適合していると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合していないと認められる箇所がある場合、又は監督員から適合していない箇所を示された場合には、請負者等に対して指示すべき事項を検討し、その結果を監督員に報告する。
③ 請負者等が必要な修補等を行った場合は、これを確認し、その内容を監督員に報告する。
④ ③の結果、修補が適切になされていないと認められる場合の再修補の取扱いは、
①、②、③の規定を準用する。
(ⅱ)工事請負契約に定められた指示、検査等
工事請負契約に定められた試験、立会、確認、審査、協議等(設計図書に定めるものを除く。)を行い、その結果を監督員に報告する。また、請負者等が試験、立会い、確認、審査、協議等を求めたときは、速やかにこれに応じる。
(ⅲ)工事が設計図書の内容に適合しない疑いがある場合の破壊検査
請負者等の行う工事が、設計図書の内容に適合しない疑いがあり、かつ破壊検査が必要と認められる理由がある場合には、監督員に報告し、監督員の指示を受けて、必要な範囲で破壊して検査する。
(4) 関係機関の検査の立会い等
関係機関の検査の立会い、その指摘事項等について、請負者等が作成し、提出する検査記録等に基づき監督員に報告する。
(5) 工事費支払の審査
(ⅰ)工事期間中の工事費支払い請求の審査
工事施工者から提出される工事期間中の工事費支払いの請求について、工事請負契約に適合しているかどうかを技術的に審査し、監督員に報告する。
(ⅱ)最終支払い請求の審査
工事施工者から提出される最終支払いの請求について、工事請負契約に適合しているかどうかを技術的に審査し、監督員に報告する。
2.2 追加業務の内容
追加業務の内容については、特記による。標準業務と同様、受注者は監督員の指示に従い、業務計画書に記載した業務方針に基づいて行うものとする。
第3章 業務の実施
3.1 業務の着手
受注者は、工事監理仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後 14 日以内に工事監理業務に着手しなければならない。この場合において、着手とは、現場責任者又は技術管理者が工事監理業務の実施のため監督員との打合せを開始することをいう。
3.2 適用基準等
1.受注者が、業務を実施するに当たり、適用すべき基準等(以下「適用基準等」という。)は、特記による。
2.適用基準等で市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
3.3 提出書類
1.受注者は、工事監理仕様書に指定した書類を発注者(監督員)に提出しなければならない。ただし、監督員が指示、承諾等した場合はこの限りでない。
2.受注者が発注者に提出する書類で様式及び部数が定められていない場合は、監督員の指示によるものとする。
3.業務実績情報の登録は特記による。
3.4 業務計画書
1.受注者は、契約締結後 14 日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。
2.業務計画書の内容は、特記仕様書による。
3.受注者は、業務計画書の重要な内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4.監督員が指示した事項については、受注者は更に詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。
3.5 守秘義務
受注者は、契約書の規定に基づき、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
3.6 再委託等
1.受注者は、工事監理業務における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理部分を、契約書の規定により、再委託してはならない。
2.受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理(構造計算、設備計算及び積算を除く)、トレース、資料整理、模型製作、透視図作成等の簡易な業務を第三者に再委託する場合は、発注者の承諾を得なくともよいものとする。
3.受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託に当たっては、発注者の承諾を得なければならない。
4.受注者は、工事監理業務を再委託等する場合は、委託した業務の内容を記した書面により行うこととする。
なお、協力者がxx市の建設コンサルタント業務等指名競争参加資格者である場合は、指名停止期間中であってはならない。
5.受注者は、協力者に対して、工事監理業務の実施について適切な指導及び管理を行わなければならない。
3.7 監督員
1.発注者は、契約書の規定に基づき、監督員を定め、受注者に通知するものとする。
2.監督員は、契約図書に定められた範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3.監督員の権限は、契約書に規定する事項とする。
4.監督員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合、口頭による指示等を行うことができる。
5.監督員は、口頭による指示等を行った場合は、7日以内に書面により受注者にその内容を通知するものとする。
3.8 管理技術者
1.受注者は、契約書の規定に基づき、管理技術者を定め発注者に通知しなければならない。なお、管理技術者は日本語に堪能でなければならない。
2.管理技術者の資格要件は、特記による。
3.管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。
4.管理技術者の権限は、契約書に規定する事項とする。ただし、受注者が管理技術者に委任する権限(契約書の規定により行使できないとされた権限を除く。)を制限する場合は、発注者に、あらかじめ通知しなければならない。
5.管理技術者は、監督員が指示するところにより、関連する他の工事監理業務の受注者と十分に協議のうえ、相互に協力しつつ、業務を実施しなければならない。
3.9 担当技術者
1.受注者は、工事監理業務に従事する者を担当技術者として定め、その氏名その他の必要な事項を届け出るものとする。
2.担当技術者は、管理技術者の管理の下、契約書等に基づいて適正に業務を実施しなければならない。
3.10 貸与品等
1.業務の実施にあたり、貸与又は支給する図面、適用基準及びその他必要な物品等(以下、「貸与品等」という。)は特記による。
2.受注者は、貸与品等の必要がなくなった場合は、速やかに監督員に返却しなければならない。
3.受注者は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。万一、損傷した場合は、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4.受注者は、守秘義務が求められるものについては、これを他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。
3.11 関連する法令、条例等の遵守
受注者は、工事監理業務の実施に当たっては、関連する法令、条例等を遵守しなければならない。
3.12 関係機関への手続き等
1.受注者は、工事監理業務の実施に当たっては、発注者が行う関係機関等への手続き及び立会いの際に協力しなければならない。
2.受注者は、工事監理業務を実施するため、関係機関等に対する諸手続き及び立会いが必要な場合は、速やかに行うものとし、その内容を監督員に報告しなければならない。
3.受注者が、関係機関等から交渉を受けたときは、速やかにその内容を監督員に報告し、必要な協議を行うものとする。
4.受注者は、関係機関等と打合せ(協議)した結果について、次の事項をとりまとめた
「打合せ記録」を作成し、監督員に提出する。
(1) 業務名、工期、打合せ日時、打合せ場所
(2) 出席者の所属、氏名
(3) 打合せ内容
3.13 地元関係者との交渉
受注者は、発注者が行う地元関係者への説明・交渉等の際に、これに協力するものとする。
3.14 打合せ及び記録
1.工事監理業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と監督員は常に密接な連絡をとり、業務の方針、条件等の疑義を正すものとし、その内容については、その都度受注者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
2.工事監理業務着手時及び工事監理仕様書に定める時期において、管理技術者と監督員は打合せを行うものとし、その結果について、管理技術者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
3.15 条件変更等
受注者は、工事監理仕様書に明示されていない履行条件について予期することのできない特別な状態が生じたと判断し、発注者と協議して当該規定に適合すると認められた場合は、契約書の規定により、速やかに発注者にその旨を通知し、その確認を請求しなければならない。
3.16 一時中止
発注者は、契約書の規定により、受注者に通知し、必要と認める期間、工事監理業務の全部又は一部を一時中止させるものとする。
3.17 履行期間の変更
1.受注者は、契約書の規定に基づき、履行期間の延長変更を請求する場合は、延長理由、延長日数の算定根拠、修正した業務工程表、その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
2.受注者は、契約書の規定に基づき、履行期間を変更した場合は、速やかに業務計画書に記載の業務工程を修正し、提出しなければならない。
3.18 検査
1.受注者は、工事監理業務が完了したときは、検査を受けなければならない。
2.受注者は、検査を受ける場合は、あらかじめ打合せ記録及びその他検査に必要な資料を整備し、監督員に提出しておかなければならない。
3.検査員は、監督員及び管理技術者の立会のうえ、工事監理業務の実施状況について、書類等により検査を行うものとする。