県内の構想区域(二次医療圏)ごとに、3疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患)、3事業(救急医療、周産期医療、小児医療)及び在宅医療に関する医療提供体制の 現状(医療施設や医療従事者等の医療資源の多寡、SCR、患者流出入、医療機関へのアクセス状況、各医療機関の診療実績等)の分析と将来の医療需要推計を行い、現状と将 来を踏まえた地域の課題分析を実施
病院機能再編・連携強化支援事業業務仕様書 (案)
この業務仕様書は、県が行う病院機能再編・連携強化支援事業業務(以下「本業務」という。)を委託するにあたり、その仕様等に関し必要な事項を定めるものである。
1 業務名
病院機能再編・連携強化支援事業業務
2 業務の目的
第8次xx県保健医療計画に新たに位置付けた医療提供体制の「グランドデザイン」に基づき、県がリーダーシップを発揮して医療機関間の更なる役割分担と連携を推進するため、県のデータ分析体制を強化するとともに、病院機能の見直しや病院間の連携強化に取り組む病院を支援する。
3 委託期間
契約日から令和7年(2025 年)3月 21 日(金)まで
4 業務内容
(1)データ分析体制構築支援及び県内病院の医療提供状況等分析業務
①データ分析体制の構築支援業務
・ 県が厚生労働省の「地域医療提供体制データ分析チーム構築支援事業」を活用して構築するデータ分析チーム(チーム構成:県、受託者、産業医科大学)による打合せ会議を開催すること。
・ 打合せ会議は原則オンライン形式とし、開催に当たっては、データ分析チームの構成員の日程調整、Web 会議用 URL の設定、会議資料の作成・準備、会議録の作成等のロジ業務を行うこと。
・ 打合せ会議では、今年度実施することを想定している以下のデータ分析について、その詳細な分析項目や分析手法等の検討、分析結果に対する検証等を行うこと。なお、受託者は以下の
(ア)及び(イ)のデータ分析について、有効と考えられる評価指標を積極的に提案すること。
(ア)「グランドデザイン」に基づく地域型病院・広域型病院に関する病院機能の評価指標 各病院(一般病床・療養病床を有する病院に限る)が、地域型病院(地域密着型、地
域救急型、地域専門型)及び広域型病院に関する機能をどれだけ有しているかを評価する指標の集計・分析を実施
(イ)構想区域の地区診断
県内の構想区域(二次医療圏)ごとに、3疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患)、3事業(救急医療、周産期医療、小児医療)及び在宅医療に関する医療提供体制の現状(医療施設や医療従事者等の医療資源の多寡、SCR、患者流出入、医療機関へのアクセス状況、各医療機関の診療実績等)の分析と将来の医療需要推計を行い、現状と将来を踏まえた地域の課題分析を実施
(ウ)その他、県内の医療関係者の意見等を踏まえ必要と考えられる分析
・ 打合せ会議の開催スケジュールと議題については、事前に県と協議の上決定すること。
②県内病院の医療提供状況等分析業務
・ ①で挙げたデータ分析を行うこと。
・ データ分析に当たっては、県から提供する以下のデータを活用することとし、それ以外のデータについては受託者において入手すること。なお、県から提供するデータのうち、県レセプトデータベースについては、xx県国民健康保険連合会から令和4年度及び令和5年度分の電子レセプトデータ(種類:医科・歯科・DPC・調剤保険、保険:国民健康保険、後期高齢者医療制度)、介護レセプトデータ及び特定健診データを入手し、産業医科大学ヘルスマネジメントシステム有限責任事業組合に再委託の上、データベースの更新を行うこと。
【県から提供するデータ】
県レセプトデータベース(xx県国民健康保険連合会及び全国健康保険協会xx支部から入手した平成 29 年度から令和3年度分の電子レセプトデータ、介護レセプトデータ及び特定健診データが搭載されているデータベース)
医療計画作成支援データブックに搭載されている各種統計データ 病床機能報告・外来機能報告データ
各医療機関の 2025 年における対応方針
③研修会の開催
・ 病院機能再編・連携強化に取り組む病院の増加につながるよう、県内病院等を対象とした研修会の企画提案を行うこと。なお、企画提案に当たっては、「地域医療構想に係る医療機関向け勉強会実施要領」(令和5年1月 16 日付け厚生労働省医政局地域医療計画課事務連絡別紙)を踏まえ、金融機関と連携した研修会を企画提案すること。
・ 研修会はオンライン形式を原則とし、Web 会議システム等を利用したミーティングルームの設定、会場(講演者等が集まる配信のための場所)の手配、当日の準備及び司会進行等を行うこと。情報セキュリティも考慮した上で、県内病院関係者が誰でも聞くことができるようにするとともに、質疑応答できるように開催すること。併せて、後日動画配信できるようにすること。(研修会の資料及び動画については、県ホームページ上で公開する。)
・ 研修会資料、議事次第等を作成すること。作成に当たっては、県と調整のうえ、配色、文章構成等見やすく理解しやすい資料とすること。
・ 県が認めた様式により対象者へアンケート(満足度や機能再編の意向の有無の調査)を実施し、速やかに集計結果を県へ提出すること。
④地域医療構想調整会議及び厚生労働省事例発表会における説明用資料の作成
・ ②で実施したデータ分析の内容について、地域医療構想調整会議及び厚生労働省事例発表会において説明するための資料を作成すること。資料の作成に当たっては、関係者が県内の医療提供体制の状況等を把握する際に分かりやすく、かつ、有用な資料となるよう必要な工夫を行うこと。その際、県の指示があった場合には、これに従って作成すること。
(2)機能再編を行う病院への支援業務
県内病院の機能再編を支援するため、以下の①~③の業務を行うこと。①~③の業務は連動して進めること。
【①~③共通事項】
・ 業務に当たっては、上記(1)②の分析結果、病院からの提供データ、県から提供するデータ等を活用し、「グランドデザイン」やxx県地域医療構想をはじめとした県の医療政策の方向性を踏まえつつ、中長期的な視点での支援を行うこと。
・ 病院との打合せは最低3回(初回・中間・最終)実施するものとし、それ以外にもヒアリングを行うなど病院の意向をこまめに確認しつつ、業務を進めること。
・ 本業務は、県が募集、選定した病院に対して実施すること。(募集・選定に関する事務は県が行う。)
①個別経営コンサルティング(5枠)
・ 機能再編を検討する病院に対し、県の医療政策の方向性に沿った機能再編案の提示及び機能再編後の将来収支シミュレーションを行うこと。
・ 「機能再編案」とは、2025 年、更に 2025 年以降に向けた病院にとって有用とされる機能再編の案をいい、仕様書4(1)の内容を踏まえ作成したものをいう。
・ 機能再編案は、「グランドデザイン」及びxx県地域医療構想に沿った内容であり、かつ、急性期病床から回復期病床中心への移行、または稼働病床数の 10%(小数点以下切り捨て)以上の削減を要件とすること。なお、案の作成にあたっては、事前に県と協議すること。
・ 機能再編案の作成に際しては、病院経営の継続性、持続性を考慮し、機能転換や減床により病院収入に減少があった場合でも一定の利益を確保できる機能再編案とすること。
・ 機能再編案の作成に際しては、関係者との意見交換の場を設けるなど、病院等関係者の意向を確認した上で行うこと。
・ 機能再編案は、客観的データに基づき実現可能性・納得性のあるものとし、1病院につき2パターン以上の案を提示すること。
・ 機能再編案の作成に当たっては、少なくとも、以下の病床区分ごとの病床数を提示し、病院が内容を検討する際に分かりやすく、かつ、有用な資料となるよう必要な工夫を行うこと。
【機能再編案の病床区分】
病床機能報告における「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に区分すること。
■病床機能報告における医療機能
区 分 | x x |
高度急性期 | 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて診療密度が特に高い医療を提供する機能 |
急性期 | 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能 |
回復期 | 急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーショ ンを提供する機能等 |
慢性期 | 長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 |
・ 将来収支シミュレーションについては、機能再編を行わなかった場合及びそれぞれの機能再編案ごとに行うこと。
・ 将来収支シミュレーションは、2025 年度から 2040 年度までの各年度について行うこと。
・ 将来収支シミュレーション提示に当たっては、病院が内容を検討する際に分かりやすく、かつ、有用な資料となるよう必要な工夫を行うこと。
・ 将来収支シミュレーションの実施に当たっては、直前の決算状況を踏まえ、診療報酬については最新の改訂の内容を反映すること。
②機能再編プラン作成支援業務(2枠)
・ 本業務は、①の個別経営コンサルティングにより提示した機能再編案に基づき機能再編を行う病院のうち、県が認めた病院につき実施すること。具体的には、①により提示した案をベースとして、病院の実情や地域における役割等を踏まえた機能再編の内容及び機能再編に向けた人員配置や施設設備整備等機能再編に際し病院において必要となる対応策を記載した機能再編プランの作成支援を行い、病院からの希望に応じて病院組織内の意思決定支援を行うこと。
・ 本事業の実施に当たっては、病院へのヒアリングを行うなど病院の意向を十分に踏まえた上で行うこと。
・ 機能再編プランとは、病院が今後地域において担う機能、役割を担うために実施する機能再編の具体的な方向性を示すものをいう。
・ 機能再編プランは、病院の意向を反映し作成するものとし、急性期病床から回復期病床中心への移行、あるいは稼働病床数の 10%(小数点以下切り捨て)以上の削減を要件とすること。また、機能再編後に病院が地域において担う機能、病床区分ごとの病床数、将来収支、機能再編に際し病院において必要となる対応策等(人員配置、施設整備、資金調達等)、おおまかなスケジュールについて明示すること。
・ 機能再編プランの作成支援に当たっては、病院の現状(規模、病床の構成、人員配置、施設基準取得状況等)の把握に努め、今後地域で求められる役割を十分考慮すること。
・ 機能再編プランは、県と協議の上作成し、作成した機能再編プランは、地域医療構想等調整会議その他これに類する会議の意見を聴くこと。また、必要に応じ、調整会議等に受託者も出席すること。ただし、プラン作成後契約終了日までに調整会議等が開催されない場合は、機能再編プランの資料完成をもって本業務が完了したものとみなす。
・ 調整会議等により修正が必要とされた場合は、その内容につき必要な修正を行うこと。
③機能再編実行計画支援(1枠)
・ 本業務は、②の業務により支援した病院のうち、県が認めた病院につき実施すること。具体的には、病院が機能再編を行うための具体的手順を示した機能再編実行計画の作成支援を行うこと。
・ 機能再編実行計画とは、機能再編プランを実現するにあたっての具体的な手順を示すものであり、計画には、人員配置計画や施設整備等のスケジュール等を明示すること。
・ 機能再編実行計画の作成支援に当たっては、対象病院の意向を丁寧に聴取し、実行可能な内容、スケジュールとすること。
④業務報告書の作成
①~③の業務内容について報告書を作成すること。
(3)病院間連携の強化を行う病院への支援業務
①病院間連携の支援(複数の病院による連携を3事例)
・ 本業務は、県が募集、選定した病院につき実施することとする。
(ア)連携方法の検討支援
連携を指向する病院の連携課題に対し関係資料の収集及び分析を実施し、実行可能な連携方法の具体案を提示すること。
具体案の提示に際しては、当該地域の現在の連携状況や医療提供体制を熟慮し、地域全体として最適となる連携体制の構築を主眼とすること。
(イ)連携協議の支援
(ア)で提示した連携体制を実現するために、対象となる複数病院が協議する場を設定し、協議の場に出席した上で病院間の協議を支援すること。協議の場においては、各病院が連携の必要性や実現性、病院運営上のメリットや経営的なメリットを共有できるよう工夫すること。また、協議に必要な資料の作成を行うこと。
(ウ)連携体制の構築
(イ)において複数病院で共有した連携構築案の実現に向けて、病院間の連携協定締結や共通ルールの策定等、具体的な体制作りを支援すること。
②業務報告書の作成
①の業務の実施内容について報告書を作成すること。
5 想定スケジュール
別添のとおり
6 業務完了報告及び成果物
業務完了後。速やかに業務完了報告書を作成し、以下の成果品を添付のうえ、3部及び電子媒体(エクセル、ワード、PDF等)一式を県に提出すること。
ア 4(1)②に規定するデータ分析結果
イ 4(1)②に規定する県レセプトデータベースの更新分データウ 4(1)③に規定する研修会資料
エ 4(1)④に規定する地域医療構想調整会議及び厚生労働省事例発表会における説明用資料オ 4(2)④に規定する業務報告書
カ 4(3)②に規定する業務報告書
7 契約の変更
契約の変更については、委託者と受託者の協議により定めるものとする。
8 疑義について
仕様書に記載のない事項や業務内容の変更等の疑義が生じた場合は、県と受託者が協議して定める。
9 その他留意事項
(1)個人情報の保護については十分な注意を払い、流失・損失が生じないようにすること。
(2)委託業務で取得した情報については、秘密を保持するとともに、契約目的以外には絶対に使用しないこと。
(3)今回の業務委託により制作される成果品の著作権、所有権、利用xx、その他一切の権利はxx県に帰属するものとする。
また、成果品の一部に第三者が権利を有する著作物等を使用した場合は、所有権、著作権、利用xxに関しては必要な手続きを行い、使用料等の負担及び責任は受託者において負うものとする。
(別添)
想定スケジュール
(1)データ分析体制構築支援及び県内病院の医療提供状況等分析業務
x x | 実施主体 | 時 期 |
データ分析チーム初回打合せ会議 | 受託者 | 契約日~7月下旬 |
分析項目の検討・決定、分析開始 | データ分析チーム | 8月上旬~9月下旬 |
県レセプトデータ更新 (xxxxx連合会へのレセプトデータ提供依頼、産業医科大へのデータ更新に係る再委託等)(※) | 受託者 | 7月上旬~10 月上旬 |
分析完了・検証 | データ分析チーム | 10 月下旬~12 月上旬 |
研修会 | 受託者 | 12 月中 |
地域医療構想調整会議へ提示する分析結果に係る資料作成 | 受託者 | 12 月中旬~1月中旬 |
地域医療構想調整会議への提示 | 県 | 1月下旬~2月中旬 |
厚生労働省事例発表会の資料作成 | 受託者 | 1月上旬~2月下旬 |
厚生労働省事例発表会 | 県 | 3月上旬 |
(※)各保険者(市町村等)へのレセプトデータ提供に係る同意取得は、受託者がxxxxx連合会からデータ提供を受ける前に県で実施する。
(2)機能再編を行う病院への支援業務
x x | 実施主体 | 時 期 |
対象病院募集 | 県 | 契約日~7月下旬 |
対象病院選定 | 県 | 8月上旬 |
個別経営コンサルティング | 受託者 | 9月上旬~10 月下旬 |
機能再編プラン作成支援 (個別経営コンサルティング支援を受けた医療機関から希望があった場合) | 受託者 | 11 月上旬~12 月下旬 |
機能再編実行計画支援 (機能再編プラン作成支援を受けた医療機関から希望があった場合) | 受託者 | 1月中旬~3月中旬 |
(3)病院間連携の強化を行う病院への支援業務
x x | 実施主体 | 時 期 |
対象病院募集 | 県 | 契約日~7月下旬 |
対象病院選定 | 県 | 8月上旬 |
病院間連携の支援業務 | 受託者 | 9月上旬~3月中旬 |