当社は，平成20年6月12日に経済産業省資源エネルギー庁から「タイムスイッチを用いた契約に関する点検」の要請を受け，タイムスイッチ注（以下「TS」という）を取 り付けているご契約のお客さま全数（約30万件）を対象として，契約上の通電時間と実際に取り付けていたTSの通電時間に相違がないかを調査してまいりました。
平成20年9月30日中国電力株式会社
当社は，平成20年6月12日に経済産業省資源エネルギー庁から「タイムスイッチを用いた契約に関する点検」の要請を受け，タイムスイッチ注（以下「TS」という）を取り付けているご契約のお客さま全数（約30万件）を対象として，契約上の通電時間と実際に取り付けていたTSの通電時間に相違がないかを調査してまいりました。
その結果，深夜電力契約等において，ご契約内容と相違する通電時間のTSを取り付けている事象が554件あり，そのうち346件のお客さまについては，電気料金を過大に請求し，お支払いいただいていたことが判明しました。
今回のTS取付相違が発生した主な原因は，社内外関係者間におけるTSの通電時間情報の伝達や通電時間の設定，取付工事完了および竣工検査時の各工程において，情報伝達の不備や確認漏れ等があったことによるものです。
ご契約内容と相違するTSを取り付けていたお客さまに対しては，ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げるとともに，個別に相違内容をご説明し，電気料金の精算（払い戻し）手続きを進めております。
なお，調査対象となるご契約のうち，お客さまの長期不在または契約廃止等により調査が終了していないものについては引き続き調査を継続してまいりますが，これまでに判明した調査結果および再発防止策については，本日，中国経済産業局へ報告し，同局より再発防止の徹底を図るよう指導を受けております。
当社は，今後こうした事象を発生させないよう，再発防止策の徹底に努めてまいります。
（注）深夜電力等のご契約のお客さまが使用される電気機器（主に電気温水器等の夜間蓄熱式機器）の通電時間を制御するために，当社が取り付ける装置。
以上
【別紙】 調査結果の概要[PDF:143KB]
【参考】 ご契約内容と相違するTSの取付事例 [PDF:45KB]
調査結果の概要
１．相違事象および件数
契約内容 | 相違事象 | 相違件数 | 精算件数 （注１） | お客さまとの精算合意内容 | ||
契約種別 | 約款上の通電時間 | |||||
深夜電力Ａ | ８時間 | ５時間型のＴＳ を設置 | 0 | 0 | － | |
９時間型のＴＳ を設置 | 41 | 0 | － | |||
深夜電力Ｂ | ９時間 | ５時間型または ８時間型のＴＳを設置 | 150 | 154 (4) | 制限中止割引（注３）を適用し，相当額を払い戻し。 | |
第２深夜電力 | ５時間 | ８時間型または ９時間型のＴＳを設置 | 85 | 3 | 必要（５時間）以上に通電したことで使用量に影響があったお客さまについ て，差額を払い戻し。 | |
時間帯別電灯・ ファミリータイム | ５時間 通電契約 | ５時間 | ８時間型または ９時間型のＴＳを設置 | 55 | 3 | 必要（５時間）以上に通電したことで使用量に影響があったお客さまについ て，差額を払い戻し。 |
９時間 通電契約 | ９時間 | ５時間型または ８時間型のＴＳを設置 | 170 | 175 (5) | 制限中止割引を適用し，相当額を払い戻し。 | |
融雪用電力 | ２２時間 | 通電時間を１時間単位で可変設定できるタイプのＴＳで，契約上の通電時間と異なる時間を設定（注２） | 1 | 0 | － | |
深夜電力Ｂ 他 | ９時間他 | 52 | 11 (4) | 誤って短い通電時間となっていたお客さまについて，制限中止割引を適用し，相当額を払い戻し。誤って長い通電時間となっていた場合は，必要以上に通電したことで使用量に影響があったお客さまについて， 差額を払い 戻し。 | ||
合 計 | 554 | 346 (13) | ||||
（注１） （ ）内の数値は，契約されたお客さまの入退去等により，同一場所で複数のお客さまと精算した件数を再掲したもの。
（注２） 各選択約款に規定する通電時間（5 時間，8 時間，9 時間，22 時間）以外の設定となっていたもの。
（注３） 制限中止割引とは，１日のうち延べ１時間を越えて電気の供給を中止または使用を制限した場合において，１日あたり基本料金の４％を割り引くもの。
【参考】契約種別ごとの通電時間
○深夜電力Ａ
・毎日午後 11 時～翌日午前 7 時（8 時間）。
○深夜電力Ｂ
・毎日午後 11 時～翌日午前 8 時（9 時間）。
○第２深夜電力
・毎日午前 1 時～午前 6 時（5 時間）。
○時間帯別電灯，ファミリータイム〔プランⅠ・プランⅡ〕
・お客さまとの協議により，電気温水器等の通電時間を毎日午後 11 時～翌日午前 8 時
（9 時間）または毎日午前 1 時～午前 6 時（5 時間）とすることがあります。
○融雪用電力
・契約使用期間内の毎日午前 9 時～午前 12 時および午後 2 時～午後 5 時までのうち，
2 時間を除いた 22 時間。
２．お客さまへの対応
ご契約内容と相違するＴＳを取り付けていたお客さまに対しては，相違事象をご説明するとともに，お客さまに過大にお支払いいただいた電気料金について，精算（払い戻し）手続きを進めさせていただいております。
なお，現在精算協議中のお客さま（１２４件）および長期不在，契約廃止等により確認・連絡がとれず調査が終了していないお客さま（３２０件）につきましては，引き続き協議・調査を継続してまいります。
対象件数 | 精算金額（千円） | |
精算対象 | 346 | － |
（再掲）精算完了 | 222 | 17,478 |
【参考】
項目 | 最短または最小 | 最長または最大 |
精算期間 | 1 ヵ月 | 13 年 2 ヵ月 |
精算金額 | 71 円 | 252 千円 |
３．発生原因
（１）ＴＳ設定誤り
当社は，ＴＳの取付および取替をともなう新増設工事および計器取替工事において，申込書または工事帳票に記載された契約情報等にもとづき，ＴＳの通電時間の設定を行っていますが，各帳票に記載されたＴＳの通電時間に係る情報が明確ではなかったことから，ＴＳの通電時間の判断を誤ったものがありました。
（２）ＴＳ取付工事および竣工検査時の確認漏れ
当社は，ＴＳの取付工事完了時および竣工検査時に，ＴＳの取付状況等を確認していますが，確認が不十分であったことから，ＴＳの通電時間の誤りを発見することができなかったものがありました。
（３）オンライン登録時の確認漏れ
当社は，ＴＳの取付および取替を行った場合，その情報をオンラインに登録し，ＴＳの通電時間とお客さまの契約内容が相違していないことを機械的にチェックしていますが，一部のＴＳについて，チェックが不十分であったため， ＴＳの通電時間の誤りを発見することができなかったものがありました。
４．再発防止策
（１）帳票類の見直し
・ＴＳの通電時間の判断誤りを防止するため，ＴＳの通電時間に係る情報が明確になるよう申込書および工事帳票の様式を変更します。（平成 20 年 10 月実施予定）
・ＴＳの取付工事完了時および竣工検査時のチェック漏れを防止するため， ＴＳの通電時間の確認結果を記入するよう点検帳票の様式を変更します。
（平成 20 年 10 月実施予定）
（２）契約内容とＴＳ型式の整合チェック
・取付および取替を行ったＴＳの情報を当社オンラインに登録する際，ＴＳの通電時間とお客さまの契約内容とが相違していないことを確実にチェックするようシステムを改善します。（平成 21 年実施予定）
（３）検針時のＴＳ設定内容の確認
・ＴＳの通電時間とお客さまの契約内容との相違を完全に解消するため，年
１回，検針の機会を捉えＴＳの通電時間を確認し，契約内容との相違を是正するようシステムを改善します。（平成 21 年 10 月実施予定）
（４）ＴＳ業務に関する教育実施
・関係社員に対してＴＳに係る業務知識に関する教育を実施し，的確な業務運営の定着を図ります。（平成 20 年 10 月以降xx実施予定）
（５）社外関係者への周知
・電気工事会社等の社外関係者に対して，今回の事例と再発防止策を周知し，同様の事例が発生しないようＴＳ通電時間の確認を徹底させるよう要請します。（平成 20 年 10 月実施予定）
以 上
○適用契約：深夜電力Ｂ（９時間通電）
５時間型
ＴＳ
計量器
（メーター）
電気温水器等
（９時間通電型）
【参考２】タイムスイッチの例
①
②
③
①機械式ＴＳ（９時間専用型）
②機械式ＴＳ（５時間／９時間切換型）
③電子式ＴＳ