それから、提案の2のほう、表示請求権に関する情報提供の提案がされていますが、最初に垣内委員の意見が紹介されていましたけれども、私も多分同じ趣旨になろうかと思い ますが、やはり現代取引においては、定型約款を容易に知り得る状態に置くこと、これが原則にされるべきと考えます。意見の形でペーパーにも書かせていただきましたが、現 代取引において定型約款を用いるような事業者がこれを容易に知り得る状態に置けないということ自体が、もはやあり得ない状況だと理解しております。QRコードを貼れば、...
消費者契約に関する検討会第20回 議事録
消費者庁消費者制度課
第 20 回 消費者契約に関する検討会
1.日 時:令和3年7月2日(金)9:00~11:42
2.場 所:オンライン開催
3.議 題
・消費者の取消権
・消費者契約の条項の開示
・情報提供の努力義務における考慮要素
4.出席者
(委員)
xxxx委員(座長)、xx委員、xx委員、xx委員、楠委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、xx委員、
xxxx委員、xxxx委員、xx委員
(事務局)
xxxxx、xx消費者制度課長、xx課長補佐
(オブザーバー)
国民生活センター、法務省、最高裁判所
○xxxx
それでは、定刻になりましたので、第20回「消費者契約に関する検討会」を開催いたします。本日も、委員の皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。本日の議題は、「消費者の取消権」、「消費者契約の条項の開示」、「情報提供の努力義務における考慮要素」を取り上げます。
まず、事務局から、接続と資料の確認をお願いいたします。
○xx課長補佐
※接続確認を行う。
最後に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料ですが、議事次第の記載に記載のとおり、資料1「取消xxについて」、資料2「資料1に関する委員意見」をお付けしております。また、参考資料としまして、「消費者契約に関する検討会第16回までの検討状況について」もお付けしております。
資料は以上でございます。
○xxxx
それでは、議事に入りたいと思います。まず、事務局から、資料1「取消xxについて」のうち「Ⅰ 消費者の取消権」を御説明いただき、その後、委員の間での意見交換を行いたいと思います。
それでは、説明をお願いいたします。
○xx課長補佐
それでは、説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。資料
1でして、取消xx今回のテーマを並べているところですが、まず、取消権について10分程度で御説明させていただければと思っております。
4ページを御覧ください。取消権としまして、困惑類型の脱法防止規定、心理状態に着目した規定、判断力不足に着目した規定の3つについて、xx御説明してまいりたいと思います。
まず、困惑類型の脱法防止規定ということで、前回提案、5ページを御覧ください。小さい字で恐縮ですけれども、左側に前回提案が載っております。困惑類型について、4条3項のうち、強迫類似型と言えるものについて脱法防止規定を設けたらどうかという提案でして、具体的には、取引上の社会通念に照らして、xxxに反し、当該消費者の当該消費者契約を締結しない旨の判断を妨げる行為という形で定式化できないかというものが前回の提案でした。
これを受けて今回御検討いただきたい事項としまして、6ページにありますように、2つのことを検討いただきたいと思っております。
中身の説明にまいりまして、7ページ、まず1つ目の検討課題ですが、現行の困惑類型では救済が困難であるため、脱法防止規定を設ける必要がある事例として、どのような場合を念頭に置くのかというのが第一の検討事項です。この点につきまして、前回、浅慮で取り上げた事例2について扱いの議論があったところです。
それが9ページです。9ページの事例について、前回までは浅慮で取り上げて いました。この事例で申し上げますと、一番下に、今この場で決めるようにとい うところを捉えて浅慮として取り上げていたところですが、前回の御議論の中で、長時間の勧誘、契約をするというところまで勧誘を続けているわけで、消費者か らすると、もはや契約をするしかないと言えるのではないかという御指摘があっ たことなども踏まえて、今回は困惑類型の脱法防止規定の中で位置づけてはどう かと考えております。
次の検討課題としまして、10ページを御覧いただければと思いますが、具体的 な要件をどのように設定するのかがずっと課題になっていたところでした。前回、様々な御意見をいただいた中で、その中には、一番下で御紹介しておりますけれ ども、xxxを使うことがどうかという御指摘もあったところでございました。 信頼関係が成立していないので、信頼を裏切るという意味でのxxxとは少し場 面が違うのではないかという御指摘もあったところです。
次のページは、これまでの整理を改めて並べたところですが、4条3項各号の事業者の行為を、消費者の心理状態に関する事業者の認識について要件としないものが黄色い形で強迫類似型、消費者の心理状態に関する事業者の認識を要件とするものとしてピンクのつけ込み困惑型として整理したところでございまして、このうち、上側の強迫類似型について包括的な規定が設けられないかが検討課題でした。
以上の検討を踏まえまして、今回の提案が12ページです。今申し上げました11ページ目の黄色い部分を念頭に置きまして、脱法防止となる受皿規定として、取引上の社会通念に照らし、消費者が当該消費者契約を締結しない旨の判断をすることを妨げる行為をすることを追加してはどうかと考えております。前回との違いを少し補足しますと、前回は取引上の社会通念に照らし、xxxという形で二重に係っていたところでございますが、そこが曖昧なのではないかという中で、xxxについてはどうかという御意見もあったことも踏まえ、今回は取引上の社会通念というところを基準にしているところです。取引上の社会通念に照らしたときに、それはもはや契約を締結しない旨の判断をすることを妨げたと言えるようなものを念頭に置いているところでして、具体的なイメージとしましては、※
にありますように、一般的・平均的な消費者が、その意思に反して契約を強いられたと言える場合で、なおかつ、先ほど申し上げました黄色い部分、消費者の心理状態の認識を要件としない各号と同等の不当性を有する場合というものを念頭に置いているところです。以上が困惑類型の脱法防止規定になります。
続きまして、心理状態に着目した規定について御説明したいと思います。13ページで、こちらも初めに前回提案を御紹介したいと思っております。左側になりまして、心理状態に着目した規定というところで、(ⅰ)(ⅱ)と2つに分かれておりまして、契約を締結するか否かを判断するよう迫るというものが(ⅰ)、それに(ⅱ)として①から④を要件としていました。ただ、この①から④については、前回かなり御議論があったところで、果たしてこれが消費者契約法の取消権と結び付く要素なのかどうかといった御指摘があったかと思っております。
検討事項のほうに参りまして、14ページ、2つのことを考えておりますが、ここもそれぞれ御紹介しますと、まず15ページに行っていただきまして、1つ目の検討事項としましては、事業者の行為態様に関する要件の在り方をどう考えるのかというところがまずあるかと思います。前回は、先ほども少し申し上げましたが、(ⅱ)の①から④、特に専門家であるとかそういったところについてはかなり御意見があったかと思うところです。
それから、検討事項②、16ページになりますが、浅慮について取消権を設ける意義、それを要件とすることの要否などについて、困惑との異同を踏まえて、どう考えるのかも課題かなと思っているところです。
今回の提案の御説明に参りたいと思いますので、18ページを御覧いただければと思います。今回の提案ですが、大きく2つに分かれているところです。まず前半の部分ですけれども、消費者が焦って判断してしまうような状況を設定したという観点から、①、②の場合をまず前半の要件としておりまして、その上で、これらの場合において、事業者が、正当な理由がある場合でないのに、その場において契約を締結するか否かを判断するよう求めて、消費者が契約をしてしまった場合の取消権という形になっているところです。このうち前半の部分ですが、これがさらに①と②に分かれています。上から2行目になりますが、①として事業者が、契約の申込みまたは承諾の意思表示をする期間を極めて短く限定する勧誘を行った、あるいは②という形で事業者が、広告を見た消費者に対して、重要部分において広告とは異なる勧誘を行った場合、こういった消費者が焦ってしまうような環境を設定したという条件の下で、先ほどお話ししましたような正当な理由がないのに、その場において契約をするか否かを判断するよう求めたという形で要件を立てたらどうかと考えているところです。
最後になりますが、判断力の不足の規定について御説明したいと思います。19ページに参りまして、まず前回提案を御説明したいと思います。左側になります
けれども、前回提案は(ⅰ)(ⅱ)という形でまず2つに分かれていたところでした。消費者が加齢または心身の故障により判断力が著しく低下していることが
1つ目。2つ目として、当該消費者の生活に著しい支障を及ぼすような内容の契約であることというものでして、2つ目について、事業者が知りながら勧誘をして、契約を締結してしまったという形で要件を立てていたところです。
これにつきまして、検討事項のほうに参りますが、まず21ページを御覧いただければと思います。検討事項は3つありますが、まず1つ目としましては、当該消費者の生活に著しい支障を及ぼす内容の契約がどういうものかというものがまずあるかと思っているところです。より具体的にすべきではないかといった御指摘があったところでした。
2番目としまして、22ページ目に参りまして、消費者の判断力に関する事業者の認識について、その要否あるいはその内容をどう考えるのかという御指摘もあったところかと思います。
3番目としまして、判断力の低下になるわけですが、これを客観的に判断できる簡便な基準についてどう考えるのかというところも検討課題だったかと思っております。
以上を踏まえまして、今回の提案が24ページに載っております。この提案でご ざいますけれども、先ほど御説明した19ページ、左側のものがベースになってお りまして、これを踏まえて具体化、修正した位置づけになっています。少し詳し く御紹介しますと、24ページのaになりますが、まず対象となる契約について、 生活に著しい支障となっていたところでございますが、今回は消費者の生活に将 来にわたって不可逆的な支障を及ぼすという形で、このまま条文になるかどうか は別にして、イメージをかなり書き込んだところです。具体的には、自宅の売却、貯蓄を大きく損なうこととなるような契約、消費者の収入の一定割合を超える支 出が継続的に発生するような契約というものを念頭に置いております。それから、 bのところでございますが、先ほどの検討課題のところで、消費者の判断力不足 について認識が要るかどうかという検討課題を指摘したところですが、事務局の 提案としましては、aのところで契約を絞った上で、判断力については事業者の 認識要件を設けないという形にしているところです。bで書かれておりますのは、消費者の判断力ではなくて、aに書かれております消費者契約の内容が当該消費 者の生活の将来にわたって不可逆的な支障を及ぼすというところに関して、事業 者が善意かつ過失でないことを除くこととしてはどうかという提案をしていると ころです。この点につきまして、前回提案では事業者が知りながらという形で要 件化していたところでございますが、今回は事業者が善意かつ過失がない無過失 という形で規定したらどうかというのが提案になっています。最後、cのところ ですけれども、判断力に関する判断の基準の明確化を考えているところでござい
まして、内閣府令や逐条解説等により基準の明確化を図ることが考えられるのではないかと思っているところでございますが、ここも含めて御議論いただければと思っております。
駆け足で恐縮ですけれども、私からは以上になります。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、まず「Ⅰ-1困惑類型の脱法防止規定」について、委員の皆様から御意見や御質問をいただきたいと思います。
今回も、前回と同様、各論点について全委員に一とおり御意見を述べていただくというだけにとどまるのではなく、それぞれの御意見に対する御質問、御意見を充実させることで議論を深めるために、各論点についての御意見を事前に御提出いただいた上で、他の委員に共有し、お目通しをいただいています。それが資料2として、本日の資料として配付しているものです。したがいまして、これまで順番に御発言いただいていた部分は資料2で代えさせていただき、これをもとに各意見に対する御意見や御質問等を交換していただく形で議論を深めていただきたいと思います。
このような観点から、1回当たりの御発言は恐縮ですが2分程度をめどに簡潔にしていただき、他の委員の御意見を踏まえたさらなる御発言等も積極的にいただければと思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。また、事務局への質問がありましたら、併せてお願いをいたします。
それでは、御発言を希望される委員の方は挙手機能をお使いください。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
まず冒頭申し上げたいのが、前回とか前々回の会合につきまして、この検討会はもうかなりの回数を重ねておりますので、何とか合意形成に向けた議論をしようということで、前回や前々回については事務局からもそういった何とか合意形成ができるような形での事務局提案が出てきているのかなと私も受け止めていたのですけれども、今回の取消権の件については、必ずしもそういうふうには拝見できず、私としても、もう次回以降、多分取りまとめに向けて議論されると思うのですけれども、このような提案が出てきている中でどういうふうにコメントをしていいのか、戸惑っているところがございます。その上で、今回、意見書もかなり強く意見を書かせていただいていることをお許しいただきたいと思います。
その上で、困惑類型の脱法防止規定について、事務局に1つ御質問させていただきたいのですけれども、私の意見書にも記載させていただいたのですが、事例
1、事例2ともいろいろな要因が複雑に絡み合っている事例だと思うのですけれども、一体どの部分が、例えば今回御提案にあるような取引上の社会通念に照らし、消費者が当該消費者契約を締結しない旨の判断をすることを妨げる行為と考えておられるのか。なかなかクリアなお答えは難しいのかもしれないですけれども、やはりその辺りを具体化、明確化されないと、事業者側としてはどのような対応をすべきかなかなか判断が難しいのかなと考えております。
また、今回の事例につきましても、特商法などほかの法令で規律することは本当に難しいのかどうかということについても、併せて事務局のほうから御見解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、事務局からお答えをお願いいたします。
○xx課長補佐
御質問どうもありがとうございました。それでは、今後の皆様の議論に委ねるところもありますが、まず考えていることをお話ししたいと思っております。
まず1つ目でして、この事例のどこが不当かという御質問があったところかと思います。この点は、先ほどxx委員からも御指摘があったように、困惑類型の受け皿となる脱法防止ということなので、必ずしも一つの要素だけで切り取れるものではなくて、全体的な考慮といったこともあるかと思います。その上でということになりますが、御説明させていただきますと、8ページの事例1で申し上げますと、これも議論になっておりますように、何度も電話で勧誘して断っている中で、渋々会って話を聞いたというある種の強引な勧誘のところとか、それから、高いので微妙ですと答えたところ、機嫌が悪くなって、ある種の威迫的な言動をして勧誘を継続しているところ。それから、時間としても深夜零時半という形で遅くまで、長時間かつ、かなり社会的に通常考えられない時間までやっていること。その上でさらに勧誘をしたという辺りが一つ不当性の考慮要素としてあるのかなと思っているところです。こういったものを全体として見るのならば、やはりこれは現行の強迫類似型と同等の不当性があるのではないかと思っております。
それから、事例2に参りまして、こちらは先ほど少し御説明したところでございますが、前回は下から4行目「今この場で決めるよう」という部分を捉えて、浅慮的な、時間制限的なものと考えたところですが、改めて前回の議論を踏まえて検討しますと、まず1つは中学時代の先輩という形で断りづらい人間関係がある中で、勧誘目的であることを知らずに勧誘され、先輩だということもあって断りづらい中で長時間勧誘が行われた上で、この事例においても、威迫かどうかと
いう評価は分かれるかもしれませんけれども、例えば、「君が決断するまでは絶対に帰らない」という言葉が最後にあるわけですが、こういった形で威迫的な言動を用いてずっと長時間勧誘をして、結局最後、契約をするところまで勧誘を継続した、ある種の強引な勧誘であったというところは、不当性の評価として基礎づけられる部分かなと思っているところです。
それが事例1、事例2の問題となり得るところかなと思っているところですが、その上でもう一つ、特商法とかで対応できるのかどうかという御指摘もあったと ころです。これは、特商法で本当にできるかどうかというところがあるわけです が、例えば事例1で申し上げますと、やはり特商法の類型に典型的には当てはま らないような事例であるように思われますし、事例2も同様でして、やはり特商 法ではなかなか捉えづらい中で、ある種、消費者の心理、意思決定をねじ曲げる ような勧誘が行われたというところを消費者契約法で取り上げることができるよ うな事例ではないかと考えているところです。
以上を踏まえて、さらに御議論をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○xxxx
ありがとうございました。よろしいでしょうか。
○xx委員
御説明は承りました。
○xxxx
それでは、ほかに御意見があれば、挙手機能を用いてお申し出ください。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
よろしくお願いいたします。私は、今回の事務局の提案には賛成でございます。この規定というのはそもそも脱法禁止規定であり、ある意味包括的な規定ですの で、文言としては私は抽象的な文言であることがむしろ必要であると考えており ます。不当条項については消費者契約法10条がございますが、そういった位置づ けになるべき規定と考えておりますので、事務局でまとめられた抽象化もこれで いけばいいのではないかと考えております。
もう一つは意見になってしまいまして、繰り返しで恐縮ではございますが、脱法禁止規定というのは強迫型だけではなくて、つけ込み型についても設ける必要があると考えておりますので、その点はいま一度御検討をお願いしたいと申し上
げます。特に来年、xx年齢の引下げが始まります。xx年齢の引下げの必要条件としましては、こちらの消費者契約法できちんとつけ込み型の規定が十分図られるということが条件でございました。今回、つけ込み型の包括規定が見送られる、それから、ちょっと後の話になりますが、浅慮の規定というものが付け加わりますが、中身を検討しますとこれは焦って判断を迫るといった類型に残念ながら限定されております。若年者が被害に遭う事例というのは、焦って判断を迫った場合にとどまりません。もうけ話とか高揚感、情報商材の被害というのは今も多数ありますし、恐らく今後激増すると思います。今回の消費者契約法の改正では、それに対する救済が不十分でございます。その点はしっかり受け止めていただきたいということを強く申し上げたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xxxx委員、お願いいたします。
○xxxx委員
申し訳ございません。今回も意見を出していなくて恐縮なのですが、基本的には事務局の提案には賛成なのですが、2点だけコメントしたいところがあって、そのうちの1点がこの問題であります。今日資料を見させていただいて、私の意見はxx委員の意見と基本的には同じということになります。
このままこの提案の本文のところに書かれてあるものだけではやはりかなり広いものを対象にしているように思われるということであります。この契約締結しない判断を妨げるということ、結局はこの「妨げる」という言葉のそれがどの程度の強さのものなのかということによるのだろうと思います。自分はこの商品を買わないというふうに思っている消費者を買わせる方向に働きかけるというのは基本的には全ての勧誘はそういう対応のものなので、そこを限定しているのは
「妨げる」という文言なのだろうと思いますけれども、これはかなり私から見ると緩いように思います。この下の※印で書かれてある、意に反して契約を強いられた、しかもそれが不当なものであるというところまでをこの「妨げる」という文言で読むのはなかなか厳しいものがあるのではないかという印象を持ちます。それを制約しようとするのが恐らく取引上の社会通念に照らしという文言なのだろうと思いますが、これも前回からxxxというのが落ちたことによって、これだと要するにその業界の常識に反したような勧誘は駄目だという、それは取り消せると言っているようにも思えるわけですけれども、そうすると従来の取引上の通年とは異なるイノベーティブな勧誘方法が基本的には全て否定されることにもなりかねないわけでありまして、それは必ずしも望ましくないのではないかと思います。
そういう意味では、この※印の文言の中身を本文に反映するような形で何らかさらに工夫していくことが私は必要なのではないかと思いまして、いつものように代案がなくて恐縮なのですけれども、もう少し工夫が必要なのかなという全体的な印象を持っているということだけお伝えしたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。消費生活相談を受けている立場として意見を述べさせ ていただきます。例えば事例1なのですけれども、当初、不動産事業者から何度 も電話があって、断っているわけですが、断るのはおかしいと言われてしまって、渋々説明を聞くわけです。説明を聞いて、「高いですので微妙です」とこれも断 っているのですけれども、機嫌が悪くなり、「話を聞くと言ったのだから遠くか らわざわざ来たのに聞く気があるのか」と言われてしまう。結局このように言わ れてしまったときに、例えば遠くから来ているのであれば、帰ってくださいとか、自分が会ってどこかで話を聞くというケースもあるのですけれども、そのときは 帰らせてくださいとか、これはそぶりを示せばいいということも消費者契約法の 逐条解説に書いてありますけれども、なかなか消費者はそういった意思表示がで きない場合があります。そこで意思表示をすると、もっと何か言われてしまって、つらくなってしまって、もうどうしたらいいか分からなくなってしまうという状 況で、むしろあまり感情表現も示さなくて聞いている場合があります。
これは結局、渋々会って話を聞いたという形ですから、不意打ちに訪問してき たとか連れて行かれたというわけではなくて、事業者の側から見れば、消費者が 渋々かどうかは分からなくて、説明を聞きますと言ったから自分は説明したので あると。消費者は非常に困りながら聞いていたわけですけれども、消費者の方は 熱心に聞いていらっしゃいました、質問もこんなことをされていましたよ、など と言われてしまうと、退去妨害であるとか不退去というようなシチュエーション も難しくなってしまうことがあります。深夜まで拘束されているという、これは 長時間勧誘とも思われますけれども、消費者本人は何とか帰れたと思っていても、話も終わったからお帰りいただいたのです、そんな状況は見えておりませんでし たというような状況があります。消費者のほうも明確に帰らせてくださいと言た りとか、席を立つような行動を取っていなかったと。実はそんなこともできない 状況だったのですよ自分は、と言われてしまいますと、これはなかなか現行の消 費者契約法の取消事由には当たらないことになってしまいまして、消費生活相談 においてはかなり苦労をしております。
今の消費者契約法の取消事由につきましては、かなり明確な形での消費者が意思表示なり、そぶりをする、または割とピンポイント的な要件設定がされていると思います。そうすると、そこまで行く前に消費者のほうは頭が真っ白になったり、どうしていいか分からなくて、思考・行動がそこで止まってしまっている状況がある。いわばなされるがままといいますか、なすがままといいますか、そういう状況に置かれてしまいますと、結局のところは、消費者の方はきちんとお話を聞いてお帰りになったのですよ、ということで終わってしまいます。そういったときに、やはり全体を通して、先ほど事務局から御説明いただきましたが、幾つも勧誘行為としては問題点がある。そこを総合的に考えてみた場合に、やはり消費者の意思を妨げている状況が見てとれるということであれば、これは取消しができるのではないかというような、まさに受皿規定がないと救えない消費者被害というのが現実にあるということをつくづく感じております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。現在の提案は前回の提案を踏まえて修正を加えたものではありますが、これで適切であるという御意見とともに、とりわけ取引上の社会通念に照らし妨げるというような形での規定では、なお真に捉えるべきものを適切に捉える表現になっていないのではないかという御指摘もあったところです。後者の指摘に対しては、問題があるということ自体は共有されているかと思いますけれども、問題になっているものを適切に取り上げるための要件立てをどうするかが恐らく現在一番大きな問題になっているのだろうと思います。
先ほどxxxx委員から御指摘もありましたが、資料2のxx委員の御意見の 部分について、少し私からxx委員に確認をさせていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。現在の1号、2号からさらに6、7、8号を受皿規定でカ バーしようとしているのですけれども、これを全部包括的に受皿で規定しようと すると、どうしても抽象度が高くなってしまい、現在のような案になってしまう。これをさらにブラッシュアップするという方向はもちろん考えられますけれども、xx委員が資料2の4ページでお示しになられているのは、さらに受皿規定を具 体化してはどうかという御提案と理解すればよろしいでしょうか。つまり、4ペ ージの真ん中ぐらいのところですけれども、恐らく現在の1号、2号の受皿とし て①で事業者が勧誘に際して不退去その他の不利益を作出するというもの。そし て、恐らく、6号がどうかという問題はありますが、少なくとも7号、8号を受 けて、②で当該不利益に起因する心理的圧迫を利用して契約を締結させた場合と いうような形で具体化を図るという方向が考えられるのではないかという御提案 ではないかと受け止めました。
そのような方向で検討することが望ましいという御意見と理解してよろしいで
しょうか。あるいはもう少し考え方を補足していただけると大変建設的ではないかと思いますが、xx委員、お願いしてよろしいでしょうか。
○xx委員
どうもありがとうございます。私自身の意見は、先ほどxxxx委員も言われた意見と重なるところが多いのですけれども、やはり現在の提案ですと、なかなか取引上の社会通念のほうも締結しない旨の判断を妨げるというほうもかなり抽象度が高いということで、もう少し要件を具体化することができるのであれば、そのほうが望ましいのではないかと考えております。
資料に書かせていただいたものですけれども、座長の御指摘のとおり、若干6 号は1号、2号、あるいは7号、8号と比較すると少し異質なものを含んでいる ように感じられるのですけれども、1号、2号、7号、8号につきましては、何 か契約を締結しないということに伴って、本来であれば契約を締結しないという のは契約を締結することによる利益が得られないというプラスがないゼロである、あるいは締結が不利益だとすればそれがないというだけのことなのですけれども、本来の契約内容とは異なるところで契約をしないことに伴う不利益を事業者側が 何か作出しているという側面がどうもあるように思われまして、そのような場合 に当該不利益を避けなければいけないという状況に消費者を追い込んで、xxx とで契約を締結させるということに、少なくとも1号、2号、7号、8号辺りの 類型については共通性があるように感じられましたので、その辺りを捉える、か つ現在1号等で、例えば退去すべき旨の意思を示したであるとか、そうしたはっ きりした意思表示がない場合でもカバーできるような形で何とか考えようとした 場合の一つの、不十分なものとは思いますけれども、方向として提示をさせてい ただいたということであります。
発言の機会をいただきましたので、1点付言させていただきますと、これはxxxx委員もおっしゃっていたことですけれども、12ページの提案の※印の、その意思に反して契約を強いられたと言える場合ということであると、より趣旨は本文のほうよりは明確に感じられるのですけれども、このことと締結しない旨の判断をすることを妨げるということとの関係、ここで言っている「判断」というものと※印で言っている「意思」というものとの関係などが問題になるところがあるように思われまして、そこが本文のほうでは、本来は契約を積極的にしたいという意思がない、むしろ高額だから微妙であるといったような躊躇を感じているということであるにもかかわらず、他の不利益を避けるという観点から契約をしてしまうということに不当性の実質があるという部分が、どうもあまりうまく表現できていないのではないかというのが現時点での私の印象で、私の資料に書きましたのは一案にすぎませんので、何かこの考え方をより的確に表現できるよ
うな形で文言ができるのであれば、そうした工夫をするということで良いのではないかと考えております。お答えになっているか心もとありませんけれども、差し当たり以上とさせていただきたいと思います。
○xxxx
御説明どうもありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
よろしくお願いいたします。意見に書きましたとおり、今回の資料12ページの御提案には、現時点では反対ですが、その理由について補足したいと思います。
この論点については、第2回、第7回、第12回で検討しています。そして、第
7回で今回の資料11ページにいう強迫類似型について、「法4条3項1号、2号、
6号~8号に共通する行為として、「勧誘の態様及び取引上の社会通念に照らして当該消費者の当該消費者契約を締結しない旨の判断を妨げるような行為」を追加する。」という御提案があり、その後、第12回に「xxxに反し」が「勧誘の態様」に代わって入り、今回、またそれが取れた形となっており、第7回の御提案以降、御提案の内容は、※印に相当する部分も含めて、ほとんど変わらないまま今回に至っていると考えています。第7回は昨年の7月7日であり、これまで
1年近くにわたり検討しているにもかかわらず、具体化・明確化をお願いしている中でそのような御提案に至っていない理由は、恐らく、資料11ページの強迫類似型というその内容自体がxxに過ぎ、それを全て包括して受皿規定を設けるとなると、通常の営業活動を含むものとならざるを得ないことにあると考えています。
また、今回、新たに事例2を追加して、これまで「浅慮」として検討していた ものも困惑類型としてさらに対象を広げて検討することとなっており、そうする と、これら全てを包括して受皿規定を設けるのは、もはや難しいと考えています。したがって、御提案のような規定を検討するとしても、それを具体化するに当た っては、先ほどのxx委員の御意見のような方向性については私も同感であり、 法4条3項1号、2号、そして6号から8号、また、新たに対象となった事例2 を、さらに類型ごとに分けて受皿規定を設ける方向で検討すべきと考えます。
例えば、細かい技術的なことはよく分かりませんが、4条3項1号、2号の不 退去、退去妨害については、有形・無形の力を用いて消費者の意思を歪めるもの の一例であると考えられることからは、2号の後に、例えば、「前2号によるこ とその他の威力を用いることにより、消費者に対し、直ちに契約を締結するか否 かを判断するよう求めること」という形で規定することが考えられ、これにより、
事例1のようなケースや事例2のようなケースの一部も規律の対象とすることができると考えます。
また、事例2のようなケースについては、困惑の一番の要因が、「呼び出したのが先輩かどうか」ではなく、「勧誘の目的が隠されており、かつ、赴いた先に説明する勧誘者がいたこと」であるとすれば、特定商取引法のアポイントメントセールスに関する規定を参考に、例えば、「当該消費者契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所その他特定の場所への来訪を要請した場合において、事業者が、消費者の意思に反して勧誘し、直ちに契約を締結するか否かを判断するよう求めること」という規定を追加することで、規律の対象とすることができると考えます。
また、先ほどもありましたが、6号の脱法行為は考えがたいと思います。また、
7号、8号については、そもそも8号が7号の受皿規定となっており、契約関係の準備行為の全てが8号に該当すると考えると、8号の脱法行為も考えがたいので、6号、7号、8号は現行のまま、1号、2号の受皿規定、そして、事例2を規律の対象とすることを考えるべきと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。xx委員にもう一度お願いしたいのですが、xx委員が今、考えられる方向性をお示しくださったのですけれども、それに対してxx委員からはどう評価されますか。確認させていただければと思います。
○xx委員
今、xx委員がおっしゃった考え方も一つの方向かと思いますけれども、私としては、1、2と7、8については共通性をくくり出すことも不可能ではないのかなという感じも持っておりますので、xx委員のおっしゃるのよりも少し広い形での受皿というものは検討に値するかもしれないという感じも現時点ではしております。ただ、それは具体化のレベルの問題と申しますか、質的というよりもある種量的な問題ということになるのかもしれません。不十分なお答えですが、以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。私は、今、基本的には12ページの提案に賛成の立場で、受皿規定としてはやはり広い範囲で置いていただきたいなという思いがあります。
先ほどxx委員もおっしゃったのですけれども、今回、強迫類似型についての脱法規定なのですけれども、最初の検討が始まったときにはつけ込み型の両方について議論がスタートしたのだと思っております。12回のところで、つけ込み型、困惑型のところは合理的判断ができない事情は多様であって、なかなか規定を設けることは困難ではないかということで5は外れるといいますか、強迫類似型のほうに特化した検討が進んできたというふうにだんだん資料を見て思い出したのですけれども、12回のところできちんと意見を申し上げればよかったのですが、やはりつけ込み型の中ではなかなか取消しに値しないような案件もあるように思っております。
それが立法事実なのかどうかというところを言われますと、そこは消費者庁のほうで調べていただきたいのですけれども、やはり若い人たちのところで情報商材ですとか、簡単にもうかるというような期待をあおる、その言葉もどうかという議論がありましたけれども、そういったこともございますので、今後、引き続き、つけ込み型、困惑型に関しても脱法防止規定をぜひ検討していく必要があるのではないかなと、私も意見として付け加えさせていただきたいと思っております。以上です。
○xxxx
どうもありがとうございました。議論は尽きないところかと思いますが、本日は検討すべき論点がほかにもございますし、他の論点と重なってくるところもあると思いますので、この論点については、差し当たりここまでとさせていただきたいと思います。
ただ、先ほども申し上げましたように、現在の提案に関しては、これでもう少 し表現をブラッシュアップする形で取りまとめようという御意見があると同時に、やはりこれでは本当に問題とすべき場面を適切に捉えることができていないので はないかという御指摘もありました。そのような観点からは、1号、2号、6、
7、8号を全て包括するような受皿規定を作るというのはなかなか難しい面があ るのではないか。むしろ幾つかに類型を分け、それぞれに対応した受皿規定であ れば、もう少し明確で、かつ問題となる事柄を適切に取り上げる規定にできるの ではないかという御意見もありました。どこをどう類型化して受皿規定にしてい くかという方向性については、まだ少し幅があるように受け止めましたけれども、このような方向で考えてみる必要もあるのではないかというのは、大変貴重な御 指摘だったと思います。
このような意見の分布であるということを踏まえて、改めて御意見をいただいて、議論する場を設けることができないかと思います。どうもありがとうございました。事務局から何かございますか。
○xx消費者制度課長
座長、ありがとうございます。1点ちょっとこの点も踏まえて引き続きの御検討をしていただければと思います。xx委員あるいはxx委員から、つけ込み型あるいはつけ込み困惑型について諦めたのではないかというような御指摘がございますけれども、まず、つけ込み型といったときに、皆様どの範囲を想定してお話をされているのかというのは人によって随分混乱があろうかと思います。そういう意味では、12回のときの資料なども全て、これだけがつけ込み型ですというような御検討ではなく、いわゆるつけ込み型の勧誘についてという御検討をしていただく中で、あるいは困惑に関係するようなもの、つけ込み困惑型、あるいは強迫類似型、それから過量契約なども現在つけ込みとなっている、あるいは判断力が低下した消費者に生活の支障を及ぼすものもつけ込み型として考えていったらいいのではないかというような中で、これまで御議論いただいてきて、今の提案をさせていただいているということかと思います。
つけ込み型と呼ぶかどうかが大事ということではなくて、先ほどxx委員から御指摘がありましたけれども、いわゆる御相談の現場などで起こっていることを踏まえさせていただきますと、若年者、高齢者、障害者の方、あるいはどなたでも一時的に脆弱な状況に陥ることがあるというようなことも踏まえて、そういう消費者の脆弱性に起因して、不当な契約をすることになったという場合に、これをいかにして救済していくか、そのための取消権として使い勝手のいいものとしてどのようなものが考えられるかというような形で御検討いただくことが、やってきていただいたことなのかなと思いますので、その辺も踏まえてさらに御意見等を伺えればと思っております。以上でございます。
○xxxx
ありがとうございました。この問題については、少なくとももう一度議論する機会を設けることができればと思います。どうもありがとうございました。
○xxxx
それでは、恐縮ですが、続きまして、「Ⅰ-2心理状態に着目した規定」について御議論いただきたいと思います。先ほどと同様、挙手機能を用いてお申し出いただければと思います。xx委員、どうぞ。
○xx委員
ほかの委員の方々のコメントを拝見していて、誤解されている方もまだいらっ
しゃるのかなと思いましたので、改めて事務局に確認をさせていただければと思います。前回の提案の際には、極めて短時間で、その場でその契約を迫るという要素と、それからそれ以外の要素が「アンド」という形、「かつ」という形で条件付けられていることを以前の検討会では確認させていただいて、事務局のほうからもそうですというお答えがあったのですけれども、今回の御提案は、①と②が「または」という形で条件付けられております。もちろん委員の御意見の中には、必ずしも時間的な要素だけで判断するものではないのではないかという意見も確かにあったのですけれども、一方で、やはり条件が「アンド」でかかっていることについても賛同する意見があったのかと思います。なぜ今回、事務局の御提案が、①と②が「または」という形で連なっているのか、この点について補足いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○xxxx
それでは、事務局からお答えをお願いいたします。
○xx課長補佐
御質問どうもありがとうございました。まず、前回提案から少し御説明をと思いますけれども、xx委員御指摘のとおりでございまして、13ページの左側にありますように、(ⅰ)と(ⅱ)で、(ⅱ)が①から④に分かれておりまして、
(ⅰ)かつ(ⅱ)の①から④に該当する場合という形が前回提案でございました。前回御議論いただいた中で、xxxx委員だったかと思いますけれども、(ⅰ) について単に時間を制限するだけではなくて、それがかなり極端である場合には、
(ⅱ)の①から④の部分がなくても、それだけである種の浅慮と言われるような心理状態が発生して取消しに値するのではないかという御指摘があったことを踏まえまして、今回の提案になったところでございます。ですので、13ページと18ページの関係ということで改めて御説明しますと、前回提案の(ⅰ)として示されておりました時間を制限する、契約を締結するか否かの判断を求めるという部分については変わっていない中で、前回提案の①、広告と勧誘が不一致という部分が前提となっている場合と、前回のxxxx委員の意見を受けて、時間の制限が極端である場合には、前回提案でいう①とか④という要素はなくても、それ自体をもって取消しに値するのではないかという発想で今回の提案を設けたところです。
前回の提案をやや修正しながらの部分がありますので、ちょっと分かりにくかった部分があるかと思いますが、趣旨としてはそういうことになります。
○xxxx
xx委員、よろしいでしょうか。
○xx委員
分かりました。
○xxxx
それでは、ほかに御意見があればお申し出ください。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
やはり私は、短い時間での意思決定というだけでは到底足りないだろうという意見です。ほかの委員も書いていらっしゃいましたけれども、高揚感とかふわふわとした気持ちで意思決定を迫られることというのはよくある事例でして、その両方をカバーできるような表現にしておかないと、これは足りないだろうというのが結論的な意見です。例えば具体的には催眠商法のようなものが一番イメージしやすいと思うのですけれども、一方、心理学で説明しますと、浅慮とか熟慮という言い方でこの検討会は進めていますけれども、人の意思決定では両方使うわけですね。一般的に浅慮的な思考のほうが生物学的には楽なので、そちらに流れる傾向がある。だけれども、それは過ちを犯しやすいというふうに言われています。だから普通、一般には、慎重によく考えて答えてくださいねというふうに常識的に皆さん言っているところがあるわけですね。ですから、そういう意味で、悪質な業者は浅慮方向に持っていって答えをすぐに出させるというところが仕組みとして考えられているわけです。
そこで、ほかの委員の中で反論があったところが、例えばタイムセールスであるとか、あと何個しかありません、みたいなところ、こういうのもいけないのかという話になっていってしまうところなのですが、そういうやり方に制限をさせてしまうことになるけれども、もちろん消費者にとってみれば、それもよしだろう。
これはポケットマネーのレベルで問題にすると、こんな議論になってしまい、話はつかなくなると思うのですけれども、ある程度の価値の高い金額とか、ローン契約のような場合においてというふうに限定をつけてもいいのかなと一つ思っています。あるいは、解約とかクーリング・オフが難しいような事例の場合ということに、さらに限定をつけることが可能なのかもしれないなと思っています。
いずれにしても、短い時間というだけでは絶対駄目だろうと思うのは、短い時間での意思決定は、浅慮ではなくて、ある意味、熟慮していて、それでも短い時間では判断を間違えることを意味します。逆に、浅慮だと長い時間が与えられて
も、ふわふわとした状態、具体的に言うとディストラクションと言うのですけれども、注意散漫な状態にさせられて、人はまともに思考が働かないわけですね。そこで、いい気分で、とか、ふわふわとした気持ちで、意思決定したときに、後悔するというようなことはよくあるということ。そういった事態を踏まえた文言等に結びつけてほしいというのが私の意見です。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。xx委員に質問させていただいてよろしいでしょうか。 18ページの提案で①または②という提案がされています。今おっしゃっているの は、恐らく①だけでは足りないという御指摘だったのではないかと思いますが、
②のほうは問題があるのでしょうか、ないのでしょうか。
○xx委員
もちろんこれもあると思っているのですけれども、なかなか峻別することが不可能なところも多いだろうと思っていて、そこは…。
○xxxx
xxxxでしょうか。②は、法律家の言葉で言いますと、不意打ちというのでしょうか、予想外のことを急に言われて判断が混乱してしまうというようなことを念頭に置いているのだろうと思いますが、これになお問題があるのかないのかというのが質問でした。
○xx委員
とすると、それは不意打ちであったとしても、心理学的な意味での浅慮にはな らない可能性は十分あるわけなので、浅慮という枠には入ってこないのではない かな、という可能性もあります。ただ、浅慮というのは、どんなときでも起こる わけでして、不意打ちの中ででも十分検討するような知識がない場合であるとか、先輩からの勧誘話であるとか、そのような心理、社会的な拘束、あるいは脆弱性 を逆手に取られて仕掛けられるような場合が考えられるわけであります。そうい ういろいろな心理を組み合わせることは、しょっちゅうあるわけなので、私は法 律の専門家ではないので分からないところですけれども、そこをどういうふうに 文言として入れていくのかなというところで、あまり狭めないことが確かにいい だろうとは思っています。すみません。あまりいい意見ではないですけれども。
○xxxx
ありがとうございました。恐らく、①、②の当否というよりは、むしろ要件と
して浅慮という表現かどうかはともかく、そういった状態に陥ることを挙げる必要がやはりあるのではないかという御意見と伺ったのですが、それでよろしいでしょうか。
○xx委員
そうですね。おおむねそのとおりです。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
①を入れ、それから②の不意打ち的なものを取消しの対象にするという、その
2つを入れることは賛成いたしますが、先ほども申し上げましたが、その場でとか、焦ってという場合だけにとどまらない不当勧誘というものがございます。事例で言いますと、一番最初のほうに消費者庁のほうから出た資料、第2回の検討会の資料でいろいろな事例が挙がっていましたが、そこの事例の2-4とか2-
5、2-4というのは婚活サイトみたいなもので不動産を購入させられたケースや、事例2-5というのは一口xxと称し、ちょっと投資的な話でしたね。そういった事例が浅慮というのか、幻惑というのか、言葉の使い方はいろいろありましたが、そういったものが救済の対象から今回外れてしまうのであればやはり問題だなと思います。特に今言ったような事例はクーリング・オフで対応可能ではないかというような位置付けもされていましたが、訪問販売でなければクーリング・オフできませんので、救済できない事案が多数あります。こういった事案は結構若年者が多いのですかね。こういったものが、言葉の使い方はどうでもいいのですけれども、どこかできちんと救済できるように、今回の改正や現行法で対応ができないのであれば、やはりそれを取消しができるように検討することがなお必要ではないかと思っております。ただ、現在出されている提案は、これはこれで反対するものではなくて、これはこれで改正しながらさらなる検討をという意見でございます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。
この問題も、先ほどの論点と共通した側面があると思います。つまり、問題が あると考えられる事例が存在することについては共通了解があるように思います が、それを適切に取り上げる要件をどのような形で設定するかという点について、なお意見に幅がある状態ではないかと思います。現在の提案に関しては、①また
は②で、正当な理由がある場合でないのにその場において契約するか否かを判断するように求めるという形での要件設定をしてはどうかという点に対しては、これで良いという御意見とともに、問題とすべき場面以外のものを取り込む余地があり、なお検討を要するのではないかという御指摘もあるところです。
では、どのような方向であれば適切な要件立てができるのかという点については、先ほどxx委員からは、現在はできる限り客観的な要件にしていこうという方向で来ましたので、浅慮というような消費者側の困惑に対応するようなものについては特に要件としては挙げない方向で提案されていますけれども、やはりそこが真の問題だとすると、要件に上げていく必要があるのではないか。考え方によっては、判断のための消費者の広い意味でのリソースを事業者が限定して適切な判断ができない状態に置いていることの結果ですので、広い意味での意思表示の瑕疵に当たるものがそこにあるのではないかと思いますが、それを広い意味での困惑と呼べるのか、なお浅慮という形で呼ぶべきなのか、そこは考え方が分かれるところではないかと思いますが、こういったものを考える必要があることが指摘されているところです。
以上を踏まえまして、さらに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
資料18ページの御提案の方向性については理解しています。しかし、前回の御提案では「判断するよう「迫る」」とされていたところ、今回は「判断するよう
「求める」」とされています。この点、特に対面販売の場合、営業活動においてお客様がその場におられるような勧誘の場で、随時、「いかがですか」と契約をするか否かの判断を求めることは、通常行われていることです。したがって、この部分に「正当な理由」を求めることは、営業の実際の現場の感覚からはそぐわないと考えています。
一方で、前段の①については、事務局は、恐らく「契約するか否かの判断に通常必要な時間に照らして」極めて短く限定する勧誘を問題にされていると思いますが、意見に書いたタイムセールなど価格の引下げとの関係を持たせるもの以外にも、商品・サービスそのものの性質により一定の期限を過ぎると契約内容が変わるものがあります。例えば、賞味期限が近い商品のセールでは、賞味期限を過ぎると売れないですし、翌月に金利が上がることが予定されている住宅ローンなどがあり、意思表示をする期間を極めて限定する勧誘に合理性があるものがあります。
また、②については、意見にも書きましたが、広告には媒体により物理的・時間的な制約があり、必ずしも勧誘の対象となる商品・サービスの全てやその重要
事項の全てを表示することはできないことがあります。
したがって、①、②自体に「正当な理由がある場合」には、「その場において契約をするか否かを判断するように求め」たとしても、取消しの対象とはならないようにする必要があると考えます。
また、xx委員の御意見とも関係しますが、②の「重要部分において広告とは異なる」について、問題は、広告に消費者に不利な内容が掲載されないことであり、この「重要部分において広告とは異なる」は、「広告における当該契約の内容の重要部分に関する表示が、当該消費者契約の内容の重要部分の実際の内容とは異なる」ことと理解しています。
一方、例えば、広告に掲載された商品・サービスの「広告における表示は正し い」が、「広告に掲載されていない」商品・サービスをその場で締結することは、ごく一般的に行われています。例えば、百貨店の催事の広告に関しては、広告の 品以外の商品を催事の会場で販売しており、通常、その場で「いかがですか」と 契約を促すことになるため、御提案の内容が、そのような広告に掲載していない 商品・サービスを販売し「契約するか否かを判断するよう求める」こと自体を問 題とするものであれば、それには反対です。また、例えば、広告で「まずはお問 い合わせ下さい。」としていても、お客様に現場に来ていただいた際に、「いか がですか」と「契約をするか否かの判断を求める」ことも、通常行われており、 この点でも、前回の御提案にあった「迫る」という用語に意味があったと考えて います。
なお、前回も申し上げましたが、「その場において」とは、場所的な概念ではなく、時間的な概念だと理解しています。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。要件設定をどのようにすれば、問題となる場面を適切にカバーすることができるか。そうした問題は先ほどと同様ですけれども、この点について御意見がありましたらお出しください。取りまとめに向けて非常に重要なポイントですので、ここで御意見をいただければ大変ありがたく思います。いかがでしょうか。ございませんか。
それでは、ほかにも検討すべき論点が今日はたくさんありますので、この論点についてはここまでとさせていただきます。この点につきましても、なお詰めを要するところだろうと思いますので、改めて御議論いただく場を設けたほうが良いのではないかと思います。事務局から何かありますか。
○xx課長補佐
特にございません。いただいた御意見と今の座長のまとめを踏まえて、さらに
検討してまいりたいと思っております。ありがとうございました。
【5.「Ⅰ-3判断力の不足に着目した規定」についての意見交換】
○xxxx
それでは、恐縮ですが、続いて「Ⅰ-3判断力の不足に着目した規定」について御議論いただきたいと思います。御発言を希望される委員の方は、挙手機能を用いてお申し出ください。
xxxx委員、お願いいたします。
○xxxx委員
ありがとうございます。先ほど2点あると申し上げたもう一点がこの点です。 今回の御提案、かなりリファインされてきたものになっているのではないかと思 うのですけれども、私としては、やはりこの事業者側の主観的な対応という部分、これは前回申し上げたのではないかと思いますが、依然としてそこが気になって います。将来にわたって不可逆的支障を及ぼす内容の消費者契約ということで、 ここはかなり絞られていいのではないかと思うのですけれども、ただ、やはり自 宅の売却とか貯蓄を大きく損なうこととなる契約というものを念頭に置いたとし ても、事業者の過失というようなことを問題にすれば、当然、事業者はそれにつ いて調査する義務が生じる、注意義務が生じることになるのだろうと思います。 そうすると、不動産業者とかは、あまねく自宅を売却する場合にその売却する事 情、その資金をどのように使うことになるのか、それが正当な理由と言えるのか ということに注意をする必要があるということになるのではないかと思います。
あるいは一定の規模の契約をする場合に、それがその当事者の貯蓄との関係でどうなるのかということを考えるとすれば、貯蓄は幾らあるのですかという質問をするようなことになるのではないかと思います。
また、判断力の著しい低下について主観的要件を求めないとすると、注意深い 事業者は当然のことながら、将来取消しを考えて、少しでも危ないと思ったとき はこの認知症の試験を受けてきてくださいとか、あるいは主治医の意見書を持っ てきてくださいと、そうでないと契約できませんよということになろうかと思い ます。社会としてそれが望ましいのだという見方もあるのかと思いますけれども、かなり大きな影響を取引社会に及ぼすのではないかと思うところで、私個人とし ては、主観的なところ、これまでそういう非常に悪質な事業者はそれを知ってい る、あるいは少なくともそれを知らないことに重過失があるということで、その 立証責任をどうするかということはあろうかと思いますけれども、その辺り、普 通にあれすればそれは知っていると考えられるような場面に限定して、そういう 調査まで求めるところに踏み込むことについて、あるいはそもそも取引から排除
してしまうことになるような結果を伴うことについては、私自身はかなり躊躇する部分があります。素人の感想的な意見で申し訳ありませんが、そのようなことを申し上げたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。今の最後の御意見は、今日は御欠席ですけれども、xx委員がお出しになった意見書に言及されていたところで、重なるように思います。今の点も含めまして、さらに御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。xx委員、お願いします。
○xx委員
今のxxxx委員の意見に全く賛同いたします。私の意見にも書かせていただ いたところでありますけれども、やはり事業者、もともとつけ込み型ということ でいろいろ議論が行われてきたこと、大分この問題については議論の方向性が変 質しているように思うのですけれども、事業者の主観的な要件ということがなく 提案がされていることにかなり違和感がありますし、仮に事業者側に何らかの調 査義務が発生した場合に、それに対して今度、消費者がそれに答えるということ になりますと、場合によっては消費者側のお答えを、その情報を悪用するような 事業者が出てくるようなことにもなりかねない気もいたします。その点について、私の意見にさらに付け加えさせていただければと思います。以上です。
○xxxx
xx委員に質問させていただいてよろしいでしょうか。先ほどの御意見は、例えばxxxx委員、あるいは髙橋委員が御提案されているような形で、悪意またはそれに準じる重過失を要件とするのであれば、理解はできるという御趣旨でしょうか。
○xx委員
そうですね。今、全く事業者側の主観的なものが入っておりませんので、そういった方向性であれば、議論の方向性としてはあるのかなと思っております。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
立法等の細かいところはもちろん分からないのですが、今回の御提案で主観要
件がなくなったということは大変良いことだと思っております。そもそも立証可 能性というところで主観要件が入ってしまった場合に、実効性がどれだけあるの かというのは非常に不安なところでありますし、そもそも判断力が低下した消費 者に大きな被害が生じているという現状があることに鑑みますと、それを救済す るためには誰かがそのコストを負わなければいけないわけです。それが今まであ xxにも消費者の側にコストが行っていたのを、事業者の側で調査義務、そこを どうするかはいろいろ考え方があると思いますが、ある程度負担するということ は経済効率性の観点からも十分正当化されるものだと考えております。もちろん、調査義務のようなものが課されるとすれば、それがどんなものであるかを明確化 することは重要だと思いますが、とにかく主観要件が今回の御提案にないという ことは非常によろしいと考えております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、まずxx委員、続いてxx委員、お願いいたします。
○xx委員
xx委員のほうが先立ったような気がするのですけれども。失礼しました。
○xxxx
そうですか。先後を見落としていました。御指摘ありがとうございます。では、まずxx委員、続いてxx委員、お願いいたします。
○xx委員
順番はどちらでもいいのですけれども、私も今、xx委員が言われた意見と同じ趣旨でございまして、主観的要件というのを設定すること自体、問題があると私は考えております。今回、判断力不足については客観的にということで、これは賛成でございます。bのほうで善意かつ過失がないときを除く形というふうに提案されておりますので、こういう形であれば、私も賛成はできますが、これを悪意や重過失に限定するような方向にもしなるのであれば、そのような提案を私は反対いたします。現場では全く使えるものになりません。知らないと言えば終わってしまうような規定になるのであれば、それは全く機能いたしません。ですので、結論から言うと、事務局が今回まとめられたbやcということであれば賛成でございます。
それから、aの点ですが、前回も意見は言わせていただきましたが、「著しい支障」とかというのはちょっと私は反対をしておりまして、判断力不足に陥って
いる高齢者の方は、現在のストック、貯蓄で将来にわたって生活していくことが多いので、現在著しい支障というだけではなくて、現在はまだそこまでいかなくても、将来にわたって生活に支障を及ぼす可能性があるのであれば、それも含む形にしなければならないと考えております。今回の提案がそういうことも含めてということであれば賛成でございますが、そのことをどこかで解釈に疑義が出ないように明らかにしていただきたいと考えております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。私も事務局案に賛成でございます。事業者側の方がお っしゃることはそのとおりの部分もあるということは十分理解できておりますが、しかし、実際のところ、高齢者の被害におきまして、判断力について話をすると、当然、そんなこととは知りませんでしたということで、年齢が80代、90代であっ ても、分からなかったです、そんなことはなかったです、という場合があります。いろいろな周辺事情から、こういう事情からそういうことは判断力に問題がある ことが分かったのではないですかと、当然それをお話しするわけです。でも、ど うしても、そんなことは分からなかったと、これを言われてしまうとそれでおし まいで、それ以上進まないです。これは訴訟をして何らかの解決が付くかもしれ ませんけれども、80代、90代の方が大きな被害に遭われても、訴訟すること自体 が非常に大きな負担にもなってくるわけですから、できる限り、その前に解決で きるための手当てとしての法律が必要であると考えております。
そうしますと、やはりこの件につきましては、今の社会情勢の中で消費者被害をなくす。真っ当な事業者の方はあまり問題が起こらないわけで、やはりひどい状況の中で法律の適用を考えるわけです。どういう立場の方がこの規制の対象になるかというところで判断をしていけば、知りながらというところは除く形で審議しなければならないかと思っております。
aのほうですけれども、高齢者の方でかなり資産を持っている方がいます。そ うすると、あの高齢者の方はまだお金があって、普通に生活できるからいいでは ないですかというような発想があるわけです。将来にわたって非常に困ってしま うこと、生活困窮になってはいけないけれども、ならなければいいかという、そ もそもの問題です。本来、御本人の意思、判断力が不足しているわけですから意 思はなかなか難しいですけれども、問題の契約をしていた場合に、その方がまだ お金に困っていなければいいではないかという発想にも取られてしまいますので、そこのところはしっかりと詰めていただきたいと思います。結論としては、ここ
に書いてあるbの内容で、事業者が善意かつ過失がないときを除く形でという方向に賛成でございます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。ご提案のような判断力の不足に着目した規定を設けな ければいけないということに異論はないのですが、先ほどxxxx先生も言われ ていましたように、事業者の過失を問題にするのであれば、事業者側としては取 引を行う消費者の認知の程度や資産状況に関する調査コストや契約するリスクを どう負担するのかについて検討しなければなりません。また、購入する商品やサ ービスの生活状況に対する負担感や不可逆性などは個々の消費者によって大きく 異なるため、やはり、判断が難しいと思います。さらには、その取引の当否に関 する線引きをどうするのかという問題も考えなければなりません。繰り返しにな りますが、消費者毎に保有している資産の状況が異なる以上、対象となる商品や 売買の目的物が当該消費者にとってどの程度の負担となるのかについて調べるこ とは、やはり事業者の側ではなかなか難しいと思われます。また、事業者の過失 が問題になるのだとすると、事業者としては売買のときに例えば消費者の外見を 根拠に年齢確認などを行い、その年齢確認の結果、ある年齢以上の方はこういう 書類をそろえてくださいというようなことをやらざるを得ないと思います。また、認知症等の理由により契約が事後的に取り消されるのだとすると、事業者側には、認知症の疑いが無いという確たる証明を予め消費者に用意させなければならない という要件を実質的に課されるものと思われます。そのような要件を事業者側に 課すことが社会の要請であるならば、要件の規定次第によっては、反対するもの ではありません。ただ、これらの規定が世の中の事業者全体に係ることを考えま すと、経済的にも非常に停滞すると思いますし、このように取引に制限をかける 規定を定めることが本当に社会的にいいことなのかについてはもう少し検討する 余地があるのではないかと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見はありますでしょうか。それぞれに御意見いただいておりますので、それに対する御意見をさらにいただければ、取りまとめを受けて大変ありがたいところですので、ぜひお出しいただければと思います。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ほかの委員への御質問でなく申し訳ありませんが、1点、事務局への御質問と、意見または感想になりますが、1点、申し上げたいと思います。
まず事務局への御質問ですが、「消費者が加齢または心身の故障により判断力が著しく低下している」場合でも、xx後見人や、銀行や証券会社で行われている予約型代理人、また、保険会社で行われている契約者代理人、さらに弁護士も含めて、任意代理人が本人に代わって意思表示を行った場合には適用されないという理解で良いか、そして、被保佐人の方が重要な財産の処分に関して保佐人の同意を得て意思表示を行った場合にも適用されないという理解で良いか、確認したいと思います。当たり前のような気もしますが、消費者契約法11条1項の民法との関係の規定もあるため、条文で明示的に書いたほうが明確になると思い、申し上げました。
次に、感想または意見になりますが、現在、認知症の方だと分かっていても、 老人ホームの入居費用に充てたり、狭いところに住み替えるために自宅を売却さ れたり、また、リバースモーゲージで生活費を工面されたりということは現実に あり、判断力が著しく低下している方でも、御家族の助けなどをお借りして、一 般の消費者が通常行っている取引を行っているという実情があります。老人ホー ムに入居する費用に充てるために自宅を売却することやリバースモーゲージは、 資産の少ない方ほどニーズが高いため、ご提案のように資産要件で自宅の売却な どが許されないとなると、実際のニーズと合わない規律となると懸念しています。この点、今週月曜日の6月28日に、某TV局の夕方のニュースで次のような報道 がありました。ウェブでも掲載されていますが、「認知症の高齢者が所有する住 宅が全国で220万戸余りに上り、すべての住宅のおよそ30戸に1戸に当たる。」
「認知症の高齢者の住宅をめぐっては、所有者が介護施設に入るなどして空き家になったあとも、所有者の判断能力が十分でないとして、売却が難しくなるケースも出ている。」というものです。
現在は、認知症の高齢者についても、意思能力の有無により所有住宅の売買の可否を判断していると思われますし、同居されている方や御家族のご協力を得ながら取引を進めていますが、今回の御提案のような規律が導入された場合に、
「当該消費者の生活に将来にわたって不可逆的な支障を及ぼすものであること」や「正当な理由がある場合でない」について、何がそれに当たるのか明確にならなければ、内閣府令で定めた判断力の水準を下回る高齢者については所有住宅の売却ができなくなることも生じうると考えられ、そのような方々についてはxx後見制度などの利用を促すしかなくなると考えています。そのようなことが消費者にも本当に良いことなのかは、疑問に思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、事務局への御質問がありましたので、事務局のほうからお答えをお願いいたします。
○xx課長補佐
御質問どうもありがとうございました。xx委員からの御指摘が2つありまし て、委任契約、任意代理の場合とか、それから被保佐人に関する保佐人の行為へ の影響という御指摘だったかと思います。結論としては、こういったものを念頭 に置いているものではないわけでして、今、皆様から御意見をいただいているよ うに契約をどう絞り込むかというところとの関係もあるかもしれませんけれども、この提案の対象としては考えていないところです。
xx委員からは、消費者契約法11条との関係という御指摘もありましたので、そこはさらに検討したいと思っているところです。私からは以上です。
○xxxx
ありがとうございました。民法の規定がそのままかどうかは分かりませんが、代理人について要件の有無を判断するということが事務局の理解であるというお答えだったのだろうと思います。
それでは、ほかに御質問あるいは御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。
xx委員に私のほうから確認をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。先ほど、悪意、重過失を含めた主観的要件が設定されると問題である、特に悪意、重過失になるのであれば、現場では使えるものにならないというようにおっしゃったと思います。これは、重過失要件であったとしても使えないのでしょうか。というのは、ここでは、悪質な事業者に対して消費者を救済するということが主たる目的ではないかと思います。悪質な場合については、素人目には、重過失の認定であればできそうな気もするのですけれども、現場ではそれでも難しいという御意見でしょうか。現実をもう少し教えていただけますとありがたく思います。
○xx委員
本来、重過失というのは広く考えるべきで、悪質な場合は認定されるべきなのでしょうけれども、必ずしもそれが実務で裁判になった場合にそのように使われているとは私は認識しておりません。重過失というのはほぼ故意と同じようなレベルで考える裁判例もあります。そのような裁判官も多いのが現状だと私は理解しております。そういった意味で裁判実務を見ていきますと、やはり重過失とい
うのは限定が過ぎるというふうに私は認識しております。
あと、現場でも使いにくくなるかなと思います。知らなかったと同じレベルで逃げの理由に多分されると思います。そこはちょっと、私は裁判になった場合を想定して考えておりますが、現場レベルは相談員さんの方に聞かれたほうがいいかなと思います。
○xxxx
ありがとうございます。先般、4条2項の不利益事実の不告知について、故意に限定していたのがやはり現実には使いにくいということで、重過失を追加していったという例がありますので、それでどの程度、現場で使える可能性が増えたかということでもありますが、改めてまた情報提供いただければと思います。どうもありがとうございました。
以上のとおりですが、ほかに御意見等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。先ほどまでの2つの問題、とりわけ1点目の問題もそうでしたけれども、問題とすべき場面があることについては共通の了解があるのに対して、それを適切に取り上げる要件になっているかどうかという点については、賛成される意見とともに、なお不十分であるという御意見も出ていました。何度か私からも確認させていただきましたけれども、要件として事業者側の主観的要件を要求すべきでないという御意見とともに、これがないと取引実務、あるいは社会への影響が大きいのではないか、特に事業者に通常の注意義務を課していくことになると、消費者にとっても負担ないしは新たな問題が生じる可能性があるのではないかという御指摘もありました。それで、悪意または重過失という要件が考えられるという御提案もあったところですが、それでは使えないという御意見もあるところで、なお詰めないといけないところではないかと思います。
この問題につきましても、取りまとめまでにもう一度改めて御議論いただく場を設けたほうが良いのではないかと思います。どうもありがとうございました。事務局から何かありますでしょうか。
○xx課長補佐
特にございません。この論点につきましても、委員の皆様の御意見と今の座長のまとめを踏まえてさらに検討してまいりたいと思っております。
○xxxx
どうもありがとうございました。第1の論点は以上のとおりですが、少し進行を急ぎましたところもありまして、全般について御意見がもしあればお出しいただければと思います。個別の点に限らず、全般についてでも結構ですが、もし御
意見があればと思いますが、いかがでしょうか。後ほど、事務局のほうに別途お寄せいただくという形でも結構ですけれども、もしこの場で補足をしておいたほうが良いことがありましたら、お出しいただければと思います。あるいは、先ほどまでの取りまとめについての御意見でも結構ですが、いかがでしょうか。あまり時間が残されていませんので、御意見があればお出しいただければ、それを参考に準備を進めたいと思っています。よろしいでしょうか。
では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
一言だけ、最初の議論のところで言えなかったので申し上げたいのですが、つまり、社会的通念というところが曖昧であると私も思っておりまして、そこに代わるものとしてどうするのかということですけれども、私は、訴訟における意見書を書いたりするときに使うのに、「社会心理的な拘束」といったものを悪用してやっているのだ、というような言葉を使うときがあります。それがどこまで法的に影響力を与えたかどうかは知りませんけれども、社会的通念に反するとはどういうことなのかということよりも具体的だろうと思います。つまり、日本社会というのは特に相互依存的な関係というのが非常に重視されていて、個人主義的な欧米よりはそういった社会や文化といったもので忖度したり、同調したりということが強い文化圏だろうと思っているのですけれども、そういったことを含めて、欧米の基準とは一緒にいかないだろうと、そういう意味では日本社会を強調した感じで捉えるべきなのではないかなというふうに心理学の立場からは思っています。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、よろしいでしょうか。xxxx委員、どうぞ。
○xxxx委員
考えがまとまらなくて、発言しようか迷っておりましたが、やはり心理状態に 関する分類は必要なのではないかと。例えば、浅慮が何なのか。困惑、つけ込み、浅慮、いろいろ言葉が出てきたと思うのですけれども、それぞれの心理状態につ いて、もう少し詰めたほうがいいかなと思います。例えば、先ほどの困惑の脱法 禁止のところでいくと、6号でしたか、霊感商法の例が出てきたと思うのですけ れども、それは例えば1号、2号と同様の強迫類似として整理されています。し かし、「嫌だな」と、この契約はしたくないなという明確な意思を既に有してい るが、でもそれを言えないという状態と、霊感商法の対象になっている場合に、
自分がそもそもどういう意思を持っているのかがよく分からないといったようなことは違う部分もあろうかと思うのです。
そういう意味で、6号などというのは先ほどの表を見ても何か異質な感じがいたします。浅慮も、心理学で言う二重過程理論のシステムⅠのような反射的な思考形態とイコールなのか、そうではないのかというのはxx先生のほうからもいろいろと御議論があったと思うので、その辺を一旦整理する必要があると思います。雑駁な感想で大変申し訳ありませんけれども、以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。それでは、休憩を取りたいと思います。きっかり5分にさせていただいてよろしいでしょうか。今、10時47分だと思いますので、52分まで休憩とさせていただきます。ただ、一度会議から退室されますと再度の参加申請が必要になりますので、退室されないように御注意ください。それでは、休憩といたします。
(休 憩)
【6.「Ⅱ 消費者契約の条項の開示」及び「Ⅲ 情報提供の努力義務における考慮要素」についての説明】
○xxxx
皆様、お戻りでしょうか。短い休憩で大変申し訳ありません。それでは、再開いたします。
事務局から、まず、資料1「取消xxについて」のうち、「Ⅱ消費者契約の条 項の開示」及び「Ⅲ情報提供の努力義務における考慮要素」を説明していただき、その後で委員の皆様の間での意見交換を行いたいと思います。それでは、説明を お願いいたします。
○xx課長補佐
それでは、説明させていただきます。どうぞよろしくお願いします。資料1で申しますと2つ論点がある中で、最初は25ページからの「消費者契約の条項の開示」の問題についてになります。
26ページに参りまして、こちらの論点につきましては2つあって、定型約款の表示請求権に関する情報提供、それから、適格消費者団体の約款開示請求権という2つの提案をしているところです。
まず前者のほうになりますが、27ページを御覧いただければと思います。こちらも前回提案が載っているところでして、事業者が消費者契約の条項として定型
約款を用いるときは消費者に対し、定型約款の表示請求権がある旨の情報提供をすることを努力義務としてはどうかという提案でした。
前回の議論を28ページで御紹介しておりますけれども、そこでの課題は、消費者が定型約款の内容を知ることができるようにするための措置、例えばウェブにアップするといったことを事業者が講じているのであれば、それとは別途、定型約款の表示請求権の情報提供はしなくていいことが分かるような規定にすべきではないかというところかと思っております。
これを受けて今回の提案になりますけれども、29ページに書いているところでして、事業者の努力義務として定型約款の表示請求権の存在と行使方法について必要な情報を提供することを定めつつ、ただし、消費者が定型約款の内容を知ることができるための措置を講じている場合には除くという形の記述ができないかと思っているところです。
趣旨としましては、第一希望としては、事業者は消費者が約款の内容を容易に知ることができるようにしてくださいということなのですが、それができない、あるいはしないということであれば、次善の策と申しますか、最低限やるべきこととして、せめて定型約款の表示請求権について情報提供してくださいというものです。
それが最初の論点でして、次が適格消費者団体の約款開示請求権についてです。前回提案が30ページに載っているところでして、差止請求権の実効性確保の前提 として、適格消費者団体は事業者に対して消費者契約の条項の開示を請求するこ とができる旨を定めるというものが前回提案でした。
検討すべき事項、幾つかあると思っているところですが、少し飛びまして、まず1つ目は32ページにありますように、開示の対象を何にすべきかといった議論があったかと思います。
それから、もう一つは34ページになりますが、開示請求権の要件や開示の方法について、開示請求権の規定を設ける必要性とかコスト、あるいは開示に期待される機能等の点からどのように考えるべきかというところも検討事項かなと思っております。
その後、36ページで御紹介しておりますように、適格消費者団体からのヒアリングも行われたところでございます。今回の提案が38ページでございまして、基本的には前回の議論を踏まえて、より具体化したものになっています。幾つかポイントとなるところを御紹介させていただきますと、まず、適格消費者団体は事業者が不当条項を使用している疑いがあるなど必要があると認めるときというのが請求するための要件になっているところです。また、当該事業者に対して、不特定かつ多数の消費者との間で現に使用している消費者契約の条項という形で開示の対象を今回示しているところになります。こういうものとともに、先ほど少
し触れましたように、事業者に不合理な負担が生じることは避ける必要があるだろうという観点から、例えば事業者が利用規約とかをウェブでアップしているのであれば不要であるといったことも併せて規定してはどうかと考えているところです。
最後が情報提供の努力義務における考慮要素の議論です。39ページに前回提案が載っております。年齢というものを加えた上で、これら年齢、知識及び経験を総合的に考慮することを明らかにする。かつ、事業者が知ることができたという部分を加えてはどうかというものが前回の提案であります。
今回もこの提案はそのまま維持しているところでございますが、40ページに行っていただきまして、前回御議論がありましたのが、年齢を考慮要素とすることにどういう意味があるのか、効果があるのか、あるいは年齢差別につながるのであれば合憲性の問題も生じかねないではないかという御指摘があったところかと思います。
この点につきましては、前回御指摘がありましたように、年齢は客観的な要素 であるため、事業者とあっせん交渉を行うに際しては活用できるようになるので はないかという御指摘がありました。もう一つ御紹介しているのは40ページ、一 番下の裁判例になりますけれども、3条は努力義務ではありますが、義務違反が ほかの規定の解釈や適用に影響することはあり得るところです。紹介している裁 判例は、92歳、82歳と高齢で理解度が低下していた可能性があることを考慮して、契約内容について十分説明しないまま契約を締結させたということで、暴利行為 準則を柔軟に解釈して解決した事案ですが、年齢を考慮要素とすれば、裁判所は、この判決のように、暴利行為準則を柔軟に使いやすくなるのではないか、もちろ ん裁判所の判断になりますが、そういうことも期待できるのではないかと考えて いるところでして、結論としては、前回と同様、年齢を考慮要素としてはどうか と考えているところです。
かなり早口で恐縮ですけれども、私からは以上になります。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、続きまして「Ⅱ消費者契約の条項の開示」について、1、2を含めて議論をしたいと思います。御発言を希望される委員の 方は挙手機能を用いてお申し出ください。いかがでしょうか。
それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。私も今回の提案は1も2もどちらも賛成なのですが、
1のほうにちょっと、事業者が定型約款を消費者が容易に知ることができるように措置をするということは大前提のことだと思っております。xx委員もとても的確に書いていただいているのですけれども、要するに消費者庁の提案のただし書き以降、こちらのほうを正面から努力義務の内容とすることのほうが規定の仕方としては直裁であるというふうに書かれています。私もこれに賛成でして、言いたいことを書いていただいているなと思っております。
その上で、消費者の表示請求権があるということを保障することも、ここはとてもいいことだと思っておりますし、契約するに際しては、3条と同じように、やはり条項の説明を分かりやすく伝えるということが、そちらと整合性を併せていただいた表現にしていただければなと思っております。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
事務局に御質問させていただきたいのですけれども、Ⅱ-2のほうの議論も今よろしいのですよね。
○xxxx
xxxxです。
○xx委員
適格消費者団体の約款開示請求権の件なのですけれども、私が理解している範囲では、今回の御提案は37ページにありますけれども、不特定かつ多数の消費者との間で現に使用している消費者契約の条項の開示ということでありますので、個別の契約については対象外だと理解をしているのですけれども、一方で、ここで書いておられるのは定型約款にとどまらず、広く約款ということなのかなと思うのですけれども、32ページのところで定型約款には該当しないのだけれども、不特定多数の消費者との間で使用する条項という分類がありまして、33ページに定型約款ということでの該当、非該当というところで、ここで非該当ということで、事業者間取引で用いられる立法当事者の準備した契約書のひな型とか労働契約のひな型が例として挙げられているのです。ここに書いてあるような非該当の例は今回議論の対象には当てはまらないのかなと思うのですが、実際に定型約款ではないのだけれども、約款ということで37ページの御提案の対象になり得るようなものというのは、具体的にどんなものを想定されているのかをお伺いできれ
ばと思います。よろしくお願いいたします。
○xxxx
それでは、事務局からお答えをお願いいたします。
○xx課長補佐
御質問どうもありがとうございました。今、御指摘がありましたように、32ページにありますように、定型約款には該当しないもの、定型約款、それをくくる形で不特定多数の消費者との間で使用する条項という形で整理したところです。これは前回、開示の対象をどうすべきかという御指摘があって、事務局のほうで整理したものになります。
結論から申し上げますと、開示請求権ですが、適格消費者団体の差止請求権の 実効性確保の前提というふうに位置づけています。そうしますと、では、差止め の対象は何かというふうに考えますと、差止制度自体は平成18年の頃から消費者 契約法にはあったわけで、そういう中で、民法で債権法改正がありまして、定型 約款という概念が設けられたわけです。民法はまだ施行されてそれほど日が経っ ていない中で、何が定型約款に当たるのかどうかというのは必ずしも明らかでは ない部分もあるだろう。これから裁判例とかで明らかになる部分はあるかと思い ますが、少なくとも消費者契約法としては定型約款に該当するかどうかに関係な く差止めを考えてまいりましたので、従前の差止請求の対象となるものを念頭に 置いているという意味で、こういう書き方をしたところです。私からは以上です。
○xxxx
具体例をという御質問でしたけれども、何が定型約款に当たるかが現時点ではまだ判明していないので、限定することを避けたほうが望ましいというお答えと理解してよろしいでしょうか。
○xx課長補佐
そのとおりです。私の説明が舌足らずで恐縮です。
○xxxx
xx委員、以上のとおりですが、よろしいでしょうか。
○xx委員
概念的には理解できたのですけれども、なかなかちょっと具体的に理解は分からないのですが、いずれにしても了解いたしました。
○xxxx
賃貸借契約のひな型などいろいろ考えられそうなのですが、定型約款に当たる可能性もありますので、xx的にはなかなか言えないということではないかと思います。では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
今議論があった定型約款ですね。今、座長からも言われたとおり、賃貸契約のひな型というのは議論があるのかもしれませんけれども、通説的には定型約款ではないと言われていまして、そうなるとそれが対象とならないということになれば、ちょっと意味がなくなってしまいます。賃貸契約のひな型によく不当条項というのがありまして、実際には、これが差止めの訴訟の対象に多くなっております。そういったものが具体例としては一つあると思います。
それから、提案の2のほう、表示請求権に関する情報提供の提案がされていますが、最初にxx委員の意見が紹介されていましたけれども、私も多分同じ趣旨になろうかと思いますが、やはり現代取引においては、定型約款を容易に知り得る状態に置くこと、これが原則にされるべきと考えます。意見の形でペーパーにも書かせていただきましたが、現代取引において定型約款を用いるような事業者がこれを容易に知り得る状態に置けないということ自体が、もはやあり得ない状況だと理解しております。QRコードを貼れば、それをスマホですぐ約款まで見られますので、そういった現実社会もそうですし、民法改正のときは何かいろいろ議論がされていましたが、もはや本来の形、容易に知り得る状態の置くことこそ原則として掲げるべきだと考えております。
今回のような提案の表示の案は、あってもいいのかもしれないですけれども、作り方によってはマイナスに作用するというか、間違ったメッセージを出すことになりかねませんので、そういった意味では積極的に反対するものではありませんが、かなり懸念を感じるところでございますので、それを意見として言わせていただきます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。xx委員、続いてxx委員にお願いいたします。
○xx委員
1点だけ確認させてください。先ほどひな型という議論があったのですけれども、事務局にお尋ねしていいのかどうか、ひな型というのはあくまでもそれを修
正して使うものだと思うのですが、ひな型というのは今回の対象になり得るのでしょうか。
○xxxx
ありがとうございます。これは事務局というよりはxx委員にお答えいただいたほうがよろしいかもしれません。先ほどの賃貸借契約のひな型とはどのようなものかというのをもう少し御説明いただけますでしょうか。
○xx委員
ひな型ですね。それを個別契約でさらに修正していきますので、定型約款には当たらないという理解がされています。
○xx委員
定型約款に当たらないのは理解しているのですけれども、ひな型はあくまでもひな型であって、契約そのものではないと思うのですが、今回の事務局の御提案の中にひな型は含まれるというお考えでしょうか。
○xx委員
それは差止訴訟の対象になっていますので、今回の提案は差止訴訟の対象となるもの、その実効性確保のためということなのですね。
○xxxx
これは事務局からお答えいただいたほうがよろしいかもしれません。申し訳ありませんでした。ただ、差止訴訟というのは、今も使われているものについて、今後も使うなということであって、今後、契約で使われるとするならば、それを差し止めるとしますと、差し止めるものは具体的に契約内容になったものというよりは、使われることが予定されているものというようにならざるを得ない面があると思います。すみません。余計なことを言いましたが、事務局からお答えいただいてよろしいでしょうか。
○xx課長補佐
今、座長に整理していただいたとおりでして、xx委員からの御説明にもありましたように、この開示請求制度は、今の適格消費者団体の差止請求を前提とした制度になっていますので、差止請求の対象にどういうものがなるのかというところにかかっているのではないかと思っています。
現行の12条3項で不当条項の差止請求権が定められているところでして、簡単
に申し上げますと、消費者契約法8条から10条までに規定する消費者契約の条項を含む消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示を現に行い、または行うおそれがあるというふうに要件が定められておりますので、そこの解釈の問題かなとお話を伺っていて思ったところです。
○xxxx
xx委員、よろしいでしょうか。
○xx委員
ありがとうございました。
○xxxx
では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
Ⅱ-1について1点とⅡ-2について何点か申し上げます。
まず、Ⅱ-1については、先ほど、ただし書きと本文を入れ替えるという御意見がありましたが、そのような方向で議論するのであれば、「定型約款の内容を容易に知ることができるようにするための措置」や「容易に知る」がどのようなことを求めているのかについて、要件の明確化の観点から今後議論させていただくことになると思います。
次に、Ⅱ-2ですが、結論は意見に書いたのですが、少し補足したいと思います。前回も申し上げましたが、開示請求権の対象について、定型約款の表示請求権自体も契約とは無関係の一般消費者に認められるものではなく、また、定型約款以外の契約の条項については消費者にも表示請求権がない中で、消費者を超えて適格消費者団体にだけ認めることがどのような理由によるものかよく分かりません。また、「不特定かつ多数の消費者との間で現に使用している」ものであれば、消費者から入手することは難しくないと考えます。
また、今回の御提案では、「適格消費者団体は、事業者が不当条項を使用している疑いがあるなど必要があると認めるときは、」とされていますが、この「認める」主体は適格消費者団体になると思います。そうすると、適格消費者団体が疑いを持っていると言えばそれで済むことになり、そのような要件を設けても、
「開示を求める条項」や「開示を求める理由の説明」がなければ、合理的な疑い があることを担保するものとはならないと考えます。また、「開示を求める条項」や「開示を求める理由の説明」があれば、単に約款を送るだけではなく、事業者 も、当該条項を規定した理由などを説明できるので、何度もやりとりする必要が
なくなり、争いがあってもその解決に一歩進むことになるため、そのような点からも、「開示を求める条項」や「開示を求める理由の説明」は要件にする必要があると考えます。
開示請求権の対象は定型約款とすべきというのが意見ですが、仮に「不特定多数の消費者との間で使用する条項」となった場合、先ほどひな型の議論がありましたが、xx委員もおっしゃっていたとおり、ひな型は交渉や修正を予定しているものです。そのため、全てのお客様との間で同じ内容のひな型どおりの契約を結ぶことはなく、例えば、金利が異なる、一定の条項の有無が異なる、ものとなっています。この点、ひな型であっても、結果的に契約内容になっているものはどれかという話になると、個人情報や担保の免除に関する営業秘密に関わるものなどが含まれるため、ひな型全体を示したり、このような消費者との契約内容はこれですということを全体として示すことはできません。したがって、そのような観点からも、「開示を求める条項の内容」と「開示を求める理由の説明」は要件とする必要があると考えます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見あるいは御質問があればと思いますが、いかがでしょうか。xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございます。Ⅱ-1に関しましては、何人かの委員の先生方に引用いただきましたけれども、私の考え方は書面に記載したとおりですが、1点付け加えますと、先ほどxx委員もおっしゃいましたけれども、現在の提案のような形で、仮に表示請求権の存在等についての情報をその都度提供すれば、定型約款の内容は特段容易に知ることができるようにしなくても良いというメッセージを発することになるのであれば、それは本末転倒なのではないかと感じるところです。
それから、約款の開示請求権、Ⅱ-2に関しまして、こちらの請求権の法的な 性質等をどう考えるのかということとも関係するかもしれませんけれども、仮に 実体法上の請求権として、いざとなれば訴訟でも請求できるというような性質の ものだと考える場合には、要件として、先ほどxx委員から御指摘がありました けれども、37ページの提案の必要があると認めるときという要件をこのままの形 で維持することは難しいのかなという感じがいたします。主観的に認めたら実体 法上の請求権が発生するというのはなかなか難しいと思いますので、より客観的 に必要があるときはといったような形のほうが適切なのかなと感じるところです。
なお、その際に請求に当たってどのようなことを適格消費者団体側で事業者に
対して言うのかということに関しまして、たまたま最近できました特定デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律で認められた消費者のプラットフォームに対する販売業者等情報の開示請求に関する5条2項の規定などを拝見しますと、情報の確認を必要とする理由ですとか対象となる情報の項目といったものを提出して、請求するというようなことも定められているところですので、その辺りの規律というのも一定の参考になるのかなと感じたところです。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ほかに御意見があればと思います。特にⅡ-1ですね。定型約款の表示請求権に関する情報提供で、提案については、本文で、表示請求権の存在及びその行使方法についての必要な情報を提供することとし、ただし書で、消費者が定型約款の内容を容易に知ることができるようにするための措置を講じている場合は除くという形で提案されているわけですけれども、容易に知ることができるようにするための措置を講じることがむしろ本則ではないのかという御指摘が何人かの方からあったところです。もしこれを本則にするのであれば、容易に知ることができるようにするための措置とは何かということをさらに詰める必要があるのではないかという御指摘もあったところです。この点について、特に御質問あるいは補足に当たる意見がもしあればと思いますが、いかがでしょうか。
これは、現行の3条1項をどう理解するかということとも関わってくるところですので、もし御意見があればお出しいただければ、取りまとめに向けて非常にありがたいところです。いかがでしょうか。特にございませんか。
私からお聞きするのもどうかと思うのですが、これは従来からずっと議論され てきた問題ですので、恐縮ですが、xx委員、御意見をいただければと思います。意見書のほうではごく簡単に指摘しておられたのですけれども、恐らくお考えは おありだろうと思いますので、伺えればと思います。
○xx委員
ありがとうございます。あるべき姿ということから言えば、契約内容を、どういう内容の契約であるのかということを示すのは事業者が契約内容についての実質的な作成や決定をしているというものですので、当然であると考えられます。今、座長がおっしゃった3条について、既に契約内容については情報提供の対象になっておりますので、何ら規定がなくても定型約款の内容を示すのは3条から既に情報提供の努力義務になっているというふうに理解されます。
ただ、この点は必ずしも共通している理解なのかどうかというところはさらに
不透明な面があるように思われますけれども、3条自体についてはそのように理解するならば、もうここに書かれているので、逆にそれを書くことは3条に含まれないという理解になる可能性がありますが確認的に示すものとも言えます。ただ、3条については見解も対立して、ここはもう少し個別の条項を説明するというような趣旨なのだという理解からすると、総体としての定型約款にアクセス可能にするというのはこれとは別の情報提供になるという説明もあります。したがいまして、容易に知り得るようにするということ自体を別途書くことは、両面から、3条との関係で矛盾なく説明できる。ただ、説明の仕方は3条の理解によって変わってくるということだと思います。ですので、もしそれができるのであれば容易にアクセスできるようにするということを努力義務なので、それはいろいろな制約もある中でそのように努めてもらいたいというニュアンスを出すというのは最も望ましいことであると思います。
ただ、これは議論の経緯があり、それがなかなかその線では難しいというような御指摘もあって、そうであるならば民法で最低限として事業者間の場合も含めて、定型約款についての内容表示請求権というのがあるので、請求されたらもちろん開示しなければいけないし、それがなくても本来はアクセスできるようにしなければいけないのだけれども、そもそも請求できるということについても認識が及ばないということもあるので、そうであるならば、内容表示請求権だけでもそれが行使できるようにきっちりとそこの部分は整えてくださいということでこの議論が進んできたというふうに理解をしております。
ですので、私自身は、今回はそういう経緯があるのでただし書きの本来あるべき姿を正面から打ち出すのはなかなか難しいという議論の経緯を受けて、この提案の土俵の下でどうかということを考えさせていただいたということであり、ただし書については容易にアクセスできるようにしていればいいといっても、それが個別の当事者にとって本当に容易にアクセスできる状態として置いているのかどうかが問題で、さらに個別につなげるということもないともちろんいけないという趣旨だけを事前の意見で書いたのですが、私の理解する議論状況、これまでの経緯、御提案の趣旨は以上のようなことだと考えております。
ただ、本日の御議論を聞きます中で、ただし書をまさに正面から出して容易にアクセスできる状態とは何かというのを詰められるのであれば、それも可能であるということであれば、もちろんその方向で明文化をすることを妨げるものではないというか、むしろ賛成したいと思いますけれども、容易にアクセスできる状態とは何かというのを本当に詰め切れないとすると、全部の提案が落ちてしまうというのは、結局振り出しに戻るような話になりますので、それだけは避けたいと考えております。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ずっと議論していた問題ですので、もう一人御指名をして恐縮ですが、xx委員、お考えを伺うことができればと思います。xx委員が先ほどのような理解をお示しくださいました。それについてのコメントでも結構ですが、いかがでしょうか。
○xx委員
xx先生の御意見、全く同感でございます。私は、3条で既に契約内容の開示については言及がされているので、今回の御提案は、むしろ消費者が持っている開示請求権という権利がそもそもあることを知らないという点、そちらを捉えた改正の御提案かなというふうに私は理解しておりました。
そういうことであるとすれば、開示請求権という権利があることを伝えたほうがいいということをシンプルなメッセージとして発するのがいいかなと思っておりまして、私はむしろただし書きをなくしてしまって、3条のほうは定型約款の内容を容易に知りうるようにする要請を含んでいるのだという解釈をとるほうがすっきりしているかなと思っておりました。そこで、私自身はただし書きを削除してはどうかという形でむしろ逆の意見を出させていただいたのです。
ただ、もちろん消費者が定型約款の内容を容易に知ることができるようにするのが望ましいことは全く同感でございまして、xx委員などの御意見に全体として反対するものではないのですが、ただ、いろいろ多分議論を呼ぶ可能性があるところだなと思っております。努力義務ということでもありますので、シンプルになるべくメッセージを発したほうがいいのではないかというのが私の個人の意見でございます。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。ただし書を設けてはならないという御意見ではないのでしょうか。
○xx委員
はい。ただし書きを設けてはならないという意見ではないのです。むしろ消費者も権利があることをなるべく伝えたほうがいいという点を重視し、約款開示は一般的に言えることなので、なくてもいいかなというぐらいの意見だと思っていただければ。
○xxxx
分かりました。ただし書の書き方によりますけれども、3条1項で消費者契約
の条項の内容についての開示努力義務があるという方向に促すような解釈がされる可能性もないわけではない。必然ではありませんけれども、そのような意味も見ようによってはあるかもしれないというところかと思います。どうもありがとうございました。
ざっと以上のとおりですが、よろしいでしょうか。Ⅱ-1の定型約款の表示請求権に関する情報提供に関しては、本文とただし書があり、ただし書を主にすべきではないか、正面から書くのがやはり望ましいのではないかという御意見もありましたが、今のお二方の意見を伺いますと、現在の3条1項が既にカバーしていると見るのであれば、シンプルに定型約款の表示請求権に関する情報提供努力義務を書いていく、ただし書は必要ならば定めるというのは十分理由があるのではないかという御指摘があったところです。
Ⅱ-2の適格消費者団体の開示請求権に関しては、対象を定型約款に限定すべきではないかという御意見もあるところではありますけれども、趣旨としては差止請求の前提であるとすると、定型約款に限定するのは必然ではないだろう。差止めの対象となり得るものについての開示請求権だとすると、現在の提案のようになっていく可能性がある。ただ、実体法上の請求権として本当に規定していくのであれば、「必要があると認めるとき」ではなく、「必要があるとき」とするなど、さらに要件を整備する必要があるという御指摘がありました。しかし、実体法上の請求権とするならばという御指摘は、そうしないような形での何らかの規定の仕方もあり得るところであって、そこも含めて制度設計をしていくべきではないかという御意見だったようにも思いました。
以上の御指摘を踏まえまして、おおむね議論の方向性が見えてきたように思いますので、本日の議論を踏まえまして、事務局において取りまとめに向けた作業を進めていただければと思います。事務局から何かございますか。
○xx課長補佐
特にございません。今の御議論を踏まえて取りまとめに向けて作業を進めてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
○xxxx
ありがとうございました。
【8.「Ⅲ情報提供の努力義務における考慮要素」についての意見交換】
○xxxx
それでは、最後の「Ⅲ 情報提供の努力義務における考慮要素」について議論
を行いたいと思います。御発言を希望される委員の方は挙手機能を用いてお申し出ください。いかがでしょうか。
既に意見書をお出しいただいていますので、そこで尽きているということなの かもしれませんが、あらかじめお出しいただいた意見を拝見していますと、恐ら くおおむね方向性としては御賛同いただいているところではないかと思いますが、xx委員から、これでは問題があるという御指摘があったように思います。既に 意見書でお示しいただいていますけれども、xx委員のほうから御意見あるいは 御質問をいただいてよろしいでしょうか。
○xx委員
ありがとうございます。意見はやや慎重な形で出させていただいているのですけれども、ちょっと心配しておりますのが、ほかの委員の先生方からも年齢による差別ということが懸念されるという御意見がいろいろあろうかと思います。やはりこの年齢という言葉が条文に入ることによって、現場において事業者がお客様に対して年齢を確認することによって、お客様がどのようにお感じになるのかということの社会的な混乱について気になっておりまして、今、世の中はダイバーシティ・アンド・インクルージョンというのが言われている中で、果たしてこの年齢という言葉を今の時代に即して入れるべきなのかどうなのかということについて、本当に社会的にそれが受容されるのかということについては、検討会としては責任を持った答えを用意した上で結論を出すべきなのかなということについては心配をしておりますので、その点については口頭で申し上げたいと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。 ほかに、今の点を含めまして御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。楠委員、続いてxx委員、お願いいたします。
○楠委員
ありがとうございます。今、年齢差別の話が出ましたけれども、これは高齢の場合ではなく、未xxの場合はいろいろな制限をかけているわけですね。お酒の購入に始まって、出会い系サイトとかもそうですし、非常に多くの制限をかけているし、そのための社会基盤をこの十何年か、携帯電話業界をはじめとして大変な努力をしてやってきたということもあると思います。当然、判断力の推定も含めて、裏を返すとかなり情報を知ってというか、高齢者であることを認識して営業活動を行っているケースも現に多いのだと思いますし、そこを差別だからやる
べきではないという議論にはなかなかなりにくいのではないか。これは既に消費者保護に限らず、青少年保護も含めて年齢に応じて相対する事業者の責任が変わってくるということは既に社会通念上も認められていることなのではないかと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
年齢を要素とすることに賛成でございます。xx年齢引下げの話もありますし、やはり若年者、それからもともと本検討会でも問題になっていた高齢の方の被害。脆弱な消費者とでも申しましょうか、それがやはり年齢で左右される。若い人、 あるいは高齢の方という、それの言い方を変えれば年齢ということになりますの で、それが考慮要素になることはむしろ当然なのかなと思っております。以上で す。
○xxxx
ありがとうございました。それでは、xxxx委員、お願いいたします。
○xxxx委員
年齢の問題は前回私が少し問題提起をさせていただいたと記憶しております。私自身も最終的にはこの御提案には賛成なのですけれども、日本というのは年齢差別を、履歴書などにも年齢を普通に書く社会だと思うので、あまり気にしていないかもしれませんが、海外では、特にアメリカなどだと年齢を伏せて履歴書を書くみたいな文化もあるわけで、だいぶ意識が異なる。年齢差別に関しては、国際的な考え方と日本の考え方の違いを意識する必要があるかなと思います。
そうしますと、やはりこういった規定を置くことで、年齢差別のようなことを助長しないような配慮が必要かなと。注釈とか、こういう法律ができたときに年齢差別が起こらないようにするための一言を何かしらの形で付け加えるということですね。法律上の文面ではなくても構わないと思うので、そういう配慮をすることによって、せっかくの規定が変な影響を生まないような配慮が必要かなと思います。以上です。
○xxxx
ありがとうございました。では、xx委員、お願いいたします。
○xx委員
ありがとうございました。私も、年齢につきましては事務局案に賛成です。確 かにダイバーシティであるとか今の世の中の流れというのも感じてはおりますが、やはりここは、年齢ということを考慮要素にすること、差別要素ではなく考慮要 素ですね。これを差別として考えるのか、保護として考えるのかというところだ と思っております。つまり、これは何を目指す規律かということを考えますと、 差別をされて不利益があって大きな損害を負うということ以上に、やはり救済し なくてはならないのは、保護をすることによって被害を防止する、被害を救済す るということに重きを置くべきであると考えております。
そうしますと、年齢を聞かれたり年齢を調べることをどのように感じるかということですけれども、これは非常に感情的な要素もあると思います。ここでは感情的な要素以上に、やはり消費者被害をなくす、救済するという保護の観点に立てば、これは解決ができると考えております。つまり、年齢を考慮要素にしたときに、事業者及び消費者、社会がこの規律をどのように解釈して活用していくかというところの問題にかかっているのではないかと考えております。以上です。
○xxxx
ありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
もちろん、年齢差別になってはいけないということについては共通了解が得られていると思います。しかし、今のxx委員の御意見にもありましたように、目的が何であるかというと、被害をなくす、あるいは被害を救済する、そのための考慮要素として努力義務に年齢を付け加えるのであって、この趣旨の理解に誤りがないように説明をすべきであるというのがxxxx委員の御指摘だったと思います。そのようなことをするのは当然の前提ですが、被害をなくす、被害を救済するという観点から、この考慮要素を付け加えることとしてはどうかというのが提案ですけれども、おおむね御理解が得られているところではないかと受け止めました。どうもありがとうございました。
これで、情報提供の努力義務における考慮要素に関する御意見はおおむね出尽くしたかと思います。事務局は本日の議論を踏まえまして、取りまとめに向けた作業を進めていただければと思います。事務局から何かございますでしょうか。
○xx課長補佐
特にございません。どうもありがとうございました。
○xxxx
ありがとうございます。
○xxxx
それでは、最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。
○xx消費者制度課長
本日も貴重な御議論をいただき、ありがとうございました。次回の日程、議題等の詳細につきましては、改めて御連絡をさせていただきますけれども、取消権のところなど、さらに議論の場が必要ではないかという座長からの御指摘もございましたが、それも踏まえて検討の上、速やかに御連絡をさせていただければと思っております。以上でございます。
○xxxx
ありがとうございました。なお、本日の議論につきましては、運営要領に基づき、事務局と私とで議事録を作成し、委員の皆様に御確認いただいた上で公表したいと考えています。本日は大変盛りだくさんの内容で、時間をオーバーしてしまうのではないかと危惧していましたが、委員の皆様方の御協力のおかげで何とか時間以内に終わることができました。御協力に改めて感謝申し上げたいと思います。
それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。今後につきましては、今、事務局から示唆もありましたように、少し議論をさらに重ねなければならない問題も出てきたように思いますので、また改めて御連絡が行くかと思いますけれども、引き続き御協力をよろしくお願いしたいと思います。それでは、これで第20回検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。