金粒子を用いた低温接合材料によるMEMS パターンニングの実装拠点を構築
2014 年 7 月 29 日
TANAKA ホールディングス株式会社
株式会社メムス・コア
xx貴金属工業とメムス・コアが共同開発契約を締結し、技術提携
金粒子を用いた低温接合材料によるMEMS パターンニングの実装拠点を構築
MEMS 部材の試作から実装まで、ファブ機能の構築により、MEMS 技術の開発スピード向上に貢献
TANAKA ホールディングス株式会社(本社:xxxxxx区、代表取締役社長:xx x)は、xx貴金属グループの製造事業を展開するxx貴金属工業株式会社(本社:xxxxxx区、代表取締役社長:xx x、以下、xx貴金属工業)と株式会社メムス・コア(本社:xx県仙台市、代表取締役社長:xx xx、以下、メムス・コア)が共同開発契約を締結し、xx貴金属工業が開発したサブミクロンサイズ(1 万分の 1 ミリ)の金粒子を用いたMEMS(微小電子機械システム)デバイスへのパターン形成技術において技術提携することを発表します。これにより、xx貴金属工業は、従来自社で保有していたサブミクロン金粒子のパターンニング技術と設備をメムス・コアに移管し、メムス・コアは 11 月 1 日より、サブミクロン金粒子によるパターン試作の製造や、MEMS メーカーに対する封止実装の受託を開始いたします。
メムス・コアはxx貴金属工業から金粒子パターンニング技術移管を受けることで、金粒子封止実装の根幹となるプロセス技術を獲得し、今後、xx貴金属工業との共同開発事案を推進することで、MEMS デバイスの技術・製品競争力を強化します。また、xx貴金属工業は、事業領域として金粒子の材料提供を選択し、材料の改良や開発に集中することで、更なる製品の高付加価値化を目指します。両社の共同開発体制により、MEMS 開発におけるファブ(製造設備)機能を有する実装拠点が構築され、今後は MEMS メーカーに対し、材料開発からデバイス実装まで、一貫した製品提供が可能となります。
本ビジネスモデルの構築により、顧客である MEMS メーカーは、自社製品の開発と生産性向上に集中することができます。同時に、デバイスの高機能化により、ウェハレベルパッケージング(WLP)の実装コストが上昇している MEMS メーカーにとって、金粒子封止技術における試作・実装委託先が確保できることは、MEMS 製造に関する新たな実装設備を保有するコストの削減につながります。また、今後更なる拡大が予想される MEMS 市場において、技術開発スピードが加速することが期待されます。
■金粒子封止技術・設備の移管
xx貴金属工業は、2009 年 12 月に、フォトレジスト(※1)によるパターンニングで 10 マイクロ(1 マイクロは 100 万分の 1)メートルに狭線xxしたサブミクロン金粒子パターンを用いて、加熱・加圧による気密封止が可能であることを発表し、金粒子封止を検討する MEMSメーカーに対し、製品サンプル及び部材試作の提供や、技術導入に関するコンサルティングを無償で行っておりました。その結果、金粒子封止の実用性が認められ、MEMS メーカー各社か
らの部材提供の需要が高まっていました。一方、MEMS はシリコン基板上にLSI(高密度集積 回路)などの半導体に加え、微細な駆動部品を組み合わせた立体構造により、組合せパターン は多岐にわたる上、複雑化しています。そのため、開発や試作製造においては、多品種少量生 産に対応し、MEMS 特有の加工技術に優れたファウンドリーの開発力と設備が必要となります。
メムス・コアは、MEMS デバイスに特化した開発サポートを行っているファウンドリーで、 MEMS 研究を牽引してきた東北大学発のベンチャー企業として、同大学xxxx教授、xxxx教授と連携した研究体制による、設計・開発受託、及び試作・製造を広範囲に行っています。メムス・コアは、MEMS に関する設計から製造までの設備を持ち、様々な試作プロセスに対応した製造能力を備えており、今後は金粒子封止を用いた製品の個別開発も可能となります。メムス・コアが MEMS 研究開発の実績が豊富なことからも、この度の共同開発および技術・設備移管の合意に至りました。
■サブミクロン金粒子ペーストの製品概要
xx貴金属工業は、2013 年 12 月に、サブミクロン金粒子ペースト「AuRoFUSETM」により、微細複合パターンを、高精細スクリーン印刷法によって基板上に一括形成する技術の提供を開始しました。MEMS の部材製造においては、真空性、すなわち封止における高気密性が品質を左右します。「AuRoFUSETM」は、サブミクロンサイズの粒径に制御した金粒子に、有機溶剤を混ぜたペースト状の接合材料です。形成した封止枠は、熱圧着(200℃・100MPa)で金粒子焼結体が変形した結果、緻密化し、xx空気密封止(※2)が達成されます。「AuRoFUSETM」による気密封止接合の特長は下記の通りです。
-接合面の段差吸収に優れた、高耐熱で低抵抗の電極接合や封止枠用途の微細複合パターンを、シリコンウエハや基板の金(Au)膜上に形成することができます。
-印刷された封止枠は、200℃の熱圧着接合により組織を緻密化することで、気密封止が可能です。
-高精細スクリーン印刷によってパターン形成でき、従来のように、めっきや蒸着、スパッタなどの複数工程を組合せる必要がないため、加工処理を軽減できます。
-8 インチウエハサイズのパターン印刷が可能です。
-「AuRoFUSETM」は、繰返しの印刷に耐えることができるため、最小限の材料ロスで作業できます。これにより、主要工程コストを実質的に低減できると考えております。
また、「AuRoFUSETM」は、ペースト状態でチップマウントした後に 200℃・無荷重で接合可能なこと、接合後は高放熱特性を備えることなどから、高出力LED、レーザーダイオード等のダイボンド接合(フリップチップボンディング法(※3))としての有用性も期待されています。
8 インチのシリコンウエハ基板上に印刷した「AuRoFUSETM」の封止枠外観(200 マイクロメートル幅)
(※1)光を照射すると耐薬品性が変化する感光性溶剤を用いて、プリント基板にエッチングを施し、微細パターンを加工する技法。
(※2)1.0-13 Pa・m3/s のヘリウムリーク量(漏れ量)を達成した。つまり、1 秒毎に 1m3 の体積の圧力が 0.0000000000001 パスカル上昇していくリーク量であった。
(※3)フリップチップボンディング法
ワイヤを使わずに、半導体チップを直接プリント基板に実装する接合方法で、突起状の端子(バンプ)によって電極を接合する。高出力 LED や紫外線LED 実装に用いることで、より高い発光効率を実現できる。
■TANAKA ホールディングス株式会社(xx貴金属グループを統括する持株会社)本社:xxxxxxxxxx 0-0-0 xxxxxxxx 00X
代表:代表取締役社長 xx x
創業:1885 年 設立:1918 年 資本金:5 億円グループ連結従業員数:3,895 名(2012 年度)
グループ連結売上高:8,392 億円(2012 年度)
グループの主な事業内容:貴金属地金(白金、金、銀 ほか)及び各種産業用貴金属製品の製造・販売、輸出入及び貴金属の回収・精製
HP アドレス:xxxx://xxx.xxxxxx.xx.xx(グループ)、xxxx://xxx.xxxxxx.xx.xx(産業製品)
■xx貴金属工業株式会社
本社:xxxxxxxxxx 0-0-0 xxxxxxxx 00X代表:代表取締役社長 xx x
創業:1885 年 設立:1918 年 資本金:5 億円
従業員数:1,455 名(2012 年度) 売上高:8,086 億円(2012 年度)
事業内容:貴金属地金(白金、金、銀ほか)及び各種産業用貴金属製品の製造・販売、輸出入及び貴金属の回収・精製
HP アドレス: xxxx://xxx.xxxxxx.xx.xx
<xxx金属グループについて>
xx貴金属グループは 1885 年(明治 18 年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で 幅広い活動を展開してきました。2010 年 4 月 1 日に TANAKA ホールディングス株式会社を持株会社(グループの親会社)とする形でグループ再編が完了しました。ガバナンス体制を強化するとともにスピーディな経営と機動的な業務執行を効率的に行うことにより、お客様へのより一層のサービス向上を目指します。そして、貴金属に携わる専門家集団として、グループ各社が連携・協力して多様な製品とサービスを提供しております。
国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇るxx貴金属グループでは、産業用貴金属材料の開発から安定供給、装飾品や貴金属を活用した貯蓄商品の提供をxxに渡り行ってきました。今後も貴金属のプロとしてグループ全体で、ゆとりある豊かな暮らしに貢献し続けます。
xx貴金属グループの中核 8 社は以下の通りです。
・TANAKA ホールディングス株式会社(純粋持株会社) ・xx貴金属工業株式会社
・xx貴金属インターナショナル株式会社 ・xx貴金属販売株式会社
・日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社 ・xx電子工業株式会社
・xx貴金属ビジネスサービス株式会社 ・xx貴金属ジュエリー株式会社
■株式会社メムス・コア
本社:xxxxxxxxxx 0- 0-0
代表:代表取締役社長 xx xx
設立:2001 年 資本金:6,000 万円
従業員数:25 名(2013 年 3 月現在) 売上高:3 億円(2012 年)事業内容:MEMS の設計・開発、試作及び製造、MEMS 開発受託サービス