本馬匹売買契約書特約条項(以下「本特約条項」という)は、有限会社ビッグレッドファーム又は株式会社ブルースターズファーム(以下、総称して「販売者」という)が所有 する競走用馬の所有権の共有持分(日本中央競馬会〔以下「JRA」という〕所属馬においては 10 分の 1、地方競馬全国協会〔以下「NAR」という〕所属馬においては 20 分の 1)(以下「共有持分」といい、当該共有持分にかかる競走用馬を「共有馬」という)について、購入希望者(以下「共有者」という)を買主(JRA 馬主登録、NAR...
買主 ●●●●●●●● (以下「甲」という。)と売主 ●●●●●●●● (以下
「乙」という。)との間の、馬匹の売買に関し、次のとおり契約(以下「本売買契約」という。)を締結した。
第 1 条(売買の対象)
本売買契約の対象たる馬匹(以下「共有馬」という。)は次のとおりとする。馬名:●●●●● 品種:サラブレッド
性別:●● 毛色:●●毛 生年月日:●●●●年●●月●●日父名:●●●●● 母名:●●●●●
適用:但し、当該馬匹の●●分の●の共有持ち分とする。
第 2 条(本売買契約の特約条項)
甲及び乙は、本売買契約の特約として「馬匹売買契約書特約条項」(以下「本特約条項」という)記載の内容を合意するものとし、本特約条項は、本売買契約の一部を構成する。
第 3 条(売買価格)
第 1 条に基づく共有馬の共有持分(以下「共有持分」という。)の売買代金(以下「本売買代金」という。)は、金 ●,●●●,●●● 円也とする。
第 4 条(売買代金の支払い方法)
1. xは、本売買代金を、●●●●年●●月●●日までに、一括して、以下の口座に振り込む方法により支払う。
北洋銀行 静内支店 普通預金 口座番号 0000000
ぐち
口座名義 有限会社 コスモス コスモオーナーズ口
2. 共有者は、本売買代金を全額支払った時点で、共有持分を取得する。
3. 共有者が、第 1 項の支払期日に本売買代金の支払いを怠ったときは、支払期日の翌日から完済日まで年率 20%の遅延利息を支払う。
第 5 条(共有馬の引渡しと預託経費の負担)
1. 共有馬の引渡しは、1 歳 12 月 1 日若しくは本売買代金を全額支払った日のいずれか遅い方の日において行うものとし、乙は、共有馬を、乙が指定する場所において、甲ら共有馬の共有持分を有する者の代表者(以下「共有代表馬主」という。)に引き渡す方法により、甲に引き渡す。
2. 乙は、共有馬の預託経費を 1 歳 11 月 30 日まで負担し、1 歳 12 月 1 日以後は甲が負担する。甲による共有持分の取得が、共有馬の 1 歳 12 月 1 日よりも後の場合であっても、甲は、1 歳 12 月 1 日以後の預託経費を負担するものとし、乙の請求に従い精算する。
第 6 条(引渡し後の責任)
乙は、共有馬を、前条の指定場所に於いて共有代表馬主の検査を受けた後に引渡す。甲は、民法及び商法の規定にかかわらず、引き渡された共有馬が契約の内容に適合しないことを理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることはできない。引渡し後の事故等により甲が損失を被った場合であっても、乙は、その損害のてん補の責任を負わない。但し、本特約条項第 3 条の規定に従う。
第 7 条(事故等の報告)
乙は、共有馬を、引渡しまでの間、善良な管理者の注意をもって管理し、疾病・事故等
(悪癖も含む)が生じた場合、直ちに甲に報告するものとし、獣医師の診断の必要のあると合理的に認められる場合には、獣医師の診断書を添付する。但し、疾病・事故等の程度が軽微であって、報告の必要がないと合理的に認められるものについてはこの限りでない。
第 8 条(死亡事故等の場合)
共有馬が、引渡し前に死亡又は事故・疾病等により競走馬の用に供せない状態になった場合、乙は、甲に対し、既に支払われた本売買代金を全額返金する。
但し、保険金等の受領をもって損害が補填された場合は、この限りでない。
第 9 条(その他)
本契約及び本特約条項に定めなき事項については、商法及び民法に準拠し、両者良識を持って協議の上、善処する。
上記契約を証するため本書弐通を作成し、甲・乙各壱通を保有する。
●●●●年●●月●●日
甲 買主
印
住所 ●●●●●●●●●●●●●●●氏名 ●●●●●●●●
乙 売主
印
住所 ●●●●●●●●●●●●●●●氏名 ●●●●●●●●
馬匹売買契約書特約条項
第 1 条(特約条項と馬匹売買契約書の関係)
本馬匹売買契約書特約条項(以下「本特約条項」という)は、有限会社ビッグレッドファーム又は株式会社ブルースターズファーム(以下、総称して「販売者」という)が所有する競走用馬の所有権の共有持分(日本中央競馬会〔以下「JRA」という〕所属馬においては 10 分の 1、地方競馬全国協会〔以下「NAR」という〕所属馬においては 20 分の 1)(以下「共有持分」といい、当該共有持分にかかる競走用馬を「共有馬」という)について、購入希望者(以下「共有者」という)を買主(JRA 馬主登録、NAR 馬主登録を有する)とし、販売者を売主として締結された「馬匹売買契約書」(以下「本売買契約」という)第 2 条に基づき、本売買契約に付帯し、その一部を構成する。
第 2 条(共有代表馬主の選任及び共有馬管理等に関する覚書)
1. 共有者は、共有馬を維持・管理し、競走馬の競走(以下「競走」という。)の用に供し、かつ、その事務の取扱いを円滑に行うため、以下の法人を共有代表馬主(以下「共有代表馬主」という)として選任する。
⮚ 有限会社ビッグレッドファーム
⮚ 株式会社ブルースターズファーム
2. 共有代表馬主と共有者は、別途、共有馬の管理等に関する共有代表馬主と共有者間の権利及び義務について定める「共有馬管理等に関する覚書」(これに付帯し、その一部を構成する「共有馬管理等に関する覚書付帯条項」〔以下「本付帯条項」という。〕を含み、以下「本覚書」という)を締結する。
第 3 条(競走成績等に基づく購入代金の返還)
共有馬が、当該共有馬の共有持分を共有者が保有している期間中、競走において 1 回も第 1 着になれずに引退、死亡若しくは競走能力を喪失した
場合又は本付帯条項第 9 条第 3 項に基づく共有代表馬主による買取りを実施した場合であって、当該共有馬の獲得総賞金、出走手当(出走手当に
類する交付金等を含む)、事故見舞金、競走馬登録抹消給付金・同付加金、各種補助金等、第 4 条乃至第 6 条に基づく売却代金、賃貸料、本付帯条
項第 9 条第 3 項に基づく共有代表馬主による買取代金、死亡保険金、その他の収入金額の総額に共有者の持分割合を乗じた額(以下「分配賞金等総額」という)が、同馬の共有持分の購入代金の 60%に満たない場合、販売者は、共有者の請求に従い、その不足額を共有者に返還する。
第 4 条(牝馬の引退と買戻権)
1. 共有馬が牝馬の場合、6 歳 2 月を限度として引退するものとする(ただし、共有代表馬主の判断により引退時期を延期することがある)。
2. 販売者は、牝馬の共有馬が引退した場合、その競走成績の如何にかかわらず、当該共有馬の共有持分をその売買提示価格(当該共有馬の共有持分売り出し価格の総額としてカタログ等に記載された金額をいう。以下、同じ)の 10%相当額から、当該共有馬が引退する際、競走能力喪失に基づいて、日本中央競馬会馬主相互会から交付される事故見舞金を控除した金額にて買い戻す権利を有する。なお、支払われた事故見舞金が当該共有馬の売買提示価格の 10%相当額以上となる場合、販売者は、当該共有馬の共有持分を無償にて譲渡を受けることができる。
3. 前項にかかわらず、引退の時点における疾患その他の理由により、繁殖牝馬として使用できないおそれが合理的に認められる共有馬については、販売者は、売買提示価格の 10%を超えない範囲で買戻し価格を決定したうえで買い戻すことができるものとし、共有者は、予めこれに承諾する。
4. 販売者が前二項に基づく買戻権を行使しなかった場合、共有者は、本覚書に基づき共有代表馬主に対し、売却、無償譲渡等その処分にかかる事務を委託するものとする。共有馬が有償にて処分できた場合、その売却代金等から処分に要した費用を控除した額が共有持分に応じて共有者に支払われる。
第 5 条(牡馬の引退と売却等)
1. 共有馬が牡馬で、かつ、共有代表馬主が当該共有馬について種牡馬として転用可能と判断した場合、共有者は、販売者に対してその転用に関する一切の業務を委託するものとし、販売者はこれを受託する。
2. 販売者は、種牡馬転用の方法として、一括売却若しくは複数年に渡る賃貸のいずれかの方法を採ることができる。また、販売者は、当該転用の時点における、当該共有馬の種牡馬としての価値を、売買提示価格の 20 倍を上限として、合理的に評価して購入又は賃借金額を決定のうえ、自ら優先的に購入又は賃借することができるものとし、共有者は予めこれを承諾する。販売者が、自ら購入又は賃借せず第三者に売却又は賃貸する場合には、無償譲渡又は貸借の判断を含め転用価格等の諸条件を当該第三者と協議し、決定することができる。
3. 前項に基づき、販売者が、共有馬を種牡馬として自ら賃借する場合、以下の条件によるものとする。
(1) 賃貸借期間中の共有馬の所有権は、引き続き共有者が保有し、共有代表馬主が引き続き共有者の代表者を務める。
(2) 共有代表馬主は、共有者を代表して、販売者との間で、別途、共有馬についての種牡馬賃貸にかかる契約書(以下「種牡馬賃貸借契約」という)を締結する。
(3) 賃貸借期間は、5 年以内の任意で合意された期間とする。
(4) 共有代表馬主は、種牡馬賃貸借契約に基づき販売者から共有代表馬主に支払われた賃貸料を、次項の控除を行ったうえで、共有者に支払う。
(5) 共有馬は、賃貸借期間の満了時において、10 万円及びこれにかかる消費税にて販売者に譲渡されるものとする。
(6) 共有馬の種牡馬転用に関して加入すべき保険(種牡馬導入初年度の受胎率保険、傷害や疾病による種付け頭数減少、受胎率の低下及び種付け不能等にかかる保険を含むがこれに限らない)については、種牡馬賃貸借契約において定める。
4. 前項に基づく共有馬の種牡馬転用にかかる事務費用及び報酬は、共有馬の売却代金又は賃貸料の 40%相当額とする。販売者は、売却代金又は賃貸料から当該事務費用及び報酬を控除した残りの 60%相当額を、共有持分に応じて共有者に支払う。
5. 共有馬が牡馬で、かつ、共有代表馬主が当該共有馬について種牡馬として転用不可能と判断した場合、共有者は、本覚書に基づき共有代表馬主に対し、売却、無償譲渡等その処分にかかる事務を委託するものとする。共有馬が有償にて処分できた場合、その売却代金等から処分に要した費用を控除した額が共有持分に応じて共有者に支払われる。
第 6 条(共有馬の売却)
1. 共有代表馬主は、共有馬の競走馬登録及びその抹消の前後を問わず、その時点における共有馬の競走成績、育成状況、調教状況その他諸般の事情に鑑み、共有者の利益に最も資すると合理的に判断する場合には、共有馬を第三者に売却することができる。共有者は、本覚書に基づき共有代表馬主に対し、当該第三者への売却にかかる事務を委託するものとする。
2. 前項に基づき共有馬を第三者に売却した場合、売却代金から売却に要した費用を控除した額について、共有持分に応じて共有者に支払われるものとする。
第 7 条(その他)
1. 共有馬が市場取引馬である場合、市場開設者から支給を受けた重賞競走優勝等にかかる奨励金又はこれに類する金品については、販売者がこれを受領する。
2. JRA 等競馬主催者から提供される賞品のうち、重賞競走優勝の際に贈られる賞品については、販売者が共有者に優先して購入することができる。なお、かかる買取り代金については本付帯条項に基づき各共有者に分配される。
3. 販売者は、共有者が購入代金の支払を怠った場合又は本覚書若しくは本付帯条項に違反するなどして共有代表馬主等の円滑な業務遂行を妨げた場合、当該共有者に対する新規共有馬持分の販売を停止する措置を講ずることができ、共有者はかかる措置について予め承諾する。
第 8 条(管轄権を有する裁判所)
本売買契約、本特約条項、本覚書又は本付帯条項に起因し又は関連する紛争については、東京地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
共有馬管理等に関する覚書
●●●●●●●●(以下「共有者」という。)及び●●●●●●●●(以下「共有代表馬主」という。)は、共有者及び共有代表馬主それぞれが共有持分を保有する以下の「共有馬の表示」記載の競走馬(以下「共有馬」という。)の管理並びに有限会社ビッグレッドファーム又は株式会社ブルースターズファーム(以下、総称して「販売者」という)と共有者との間で締結したxxxx契約書(以下「本売買契約」という。)及び馬匹売買契約書特約条項(以下「本特約条項」という。)に関し、この覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。
(共有馬の表示) 馬名:●●●●●
生年月日:●●●●年●●月●●日生 ●● ●●毛父:●●●●●
母:●●●●●
共有持分割合:[ ●●分の● ]
第 1 条(共有代表馬主への業務及び事務の委託)
共有者は、共有馬を維持・管理し、競走馬の競走(以下「競走」という)の用に供し、かつ、共有馬についての円滑な事務運営等を確保するため、共有代表馬主に対し以下の各号に定める業務又は事務(以下「本業務」という)を委託し、共有代表馬主はこれを受託する。共有者は、共有代表馬主に対し、本業務を遂行するために必要な一切の権限を付与する。
(1) 共有馬の販売者から共有馬の引渡しを受けること及び引渡しに関連する事項を決定すること
(2) 共有馬の育成場を決定すること
(3) 共有馬の[日本中央競馬会(以下「JRA」という)/地方競馬全国協会(以下「NAR」という)]への競走馬登録の可否及び時期を決定すること
(4) [JRA/NAR]に対し共有馬の共有代表馬主として届出を行い、その他各種申請書類を提出すること
(5) 共有馬の預託厩舎を決定し、預託契約を締結すること
(6) 共有馬の入厩の可否及び時期を決定すること (7) 共有馬の退厩の可否及び時期を決定すること (8) 共有馬の放牧先を決定すること
(9) 共有馬の怪我又は疾病時の診療所及び治療方法を決定すること
(10) 共有馬の去勢の可否及び時期を決定すること
(11) 共有馬が競走の際、共有代表馬主の服色を使用すること
(12) 共有馬の調教、出走スケジュール(海外における競走、地方競馬指定交流競走の選択を含む)及び騎手等を共有馬の預託調教師と協議のうえ決定すること
(13) [JRA/NAR]等から賞金その他その名目を問わず、共有馬に関して馬主に対して交付される金員及び賞品等を受領、保管し、かかる金員を共有者に対しその有する共有持分の割合に応じて支払うこと
(14) 共有馬の保険料及び 1 歳 12 月 1 日以降の共有馬の飼養・育成にかかる費用を共有者に対しその有する共有持分の割合に応じて請求し、これを受領、保管し、かかる費用の支払に充てること
(15) 共有馬に保険事故が発生した場合、競走馬保険約款に基づき保険会社に保険金の支払請求手続を行うこと
(16) 共有馬について、JRA から NAR への転籍を決定すること
(17) 共有馬について、NAR から JRA への転籍を決定すること
(18) 共有馬について、[JRA/NAR ]における競走馬登録の抹消時期を決定すること
(19) 共有馬の競走馬登録及びその抹消の前後を問わず、共有馬の売却等処分方法を決定すること及び売却処分の場合の価格を決定すること、並びに、売却処分の対価を受領し、これを共有者に対しその有する共有持分の割合に応じて支払うこと
(20) 共有馬が牡馬の場合は、上記登録抹消後に種牡馬への転用の可否を決定すること
(21) やむを得ない事由により共有代表馬主を変更する場合に、新共有代表馬主を選任すること
(22) その他上記に関連する事項を決定し、実施すること
第 2 条(事務の委託)
共有代表馬主は、前条各号に掲げる事項の事務取扱を、有限会社コスモス(以下「事務局」という)に委託する。
第 3 条(共有者の遵守事項)
共有者は、第 1 条に基づき共有代表馬主に委託した本業務に関しては、自らこれを行わないものとし、また、共有代表馬主による本業務の遂行及び共有代表馬主から事務委託を受けた事務局による円滑な業務遂行を妨げてはならない。競走馬登録に必要となる共有馬主念書等(印鑑登録証明添付)については、事務局の案内にしたがって遅滞なく提出する。また共有者は、JRA、NAR の馬主登録抹消要件に該当してはならない。
第 4 条(共有持分の譲渡制限)
共有者は、その保有する共有持分を第三者に譲渡してはならない。但し、共有代表馬主の事前に書面による承認を得た場合に限り、共有者は、その保有する共有持分を、当該共有馬の他の共有者又は共同代表馬主に対し、譲渡することができる。この場合、共有者は、事務局所定の共有持分の譲渡手続を行うものとし、事務局に対し、名義書換事務手数料 20,000 円(及びこれにかかる消費税)を支払う。
第 5 条(本覚書の付帯条項)
第 1 条に掲げる本業務実施の詳細については、本覚書に付帯し、その一部を構成する「共有馬管理等に関する覚書の付帯条項」(以下「本付帯条項」という)において定めるものとし、共有者及び共有代表馬主は本付帯条項を遵守し、これに従う。
第 6 条(管轄権を有する裁判所)
本売買契約、本特約条項、本覚書又は本付帯条項に起因し又は関連する紛争については、東京地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
●●●●年●●月●●日
[共有者] [共有代表馬主]
住所 ●●●●●●●●●●●●●●● 住所 ●●●●●●●●●●●●●●●
氏名 ●●●●●●●● ㊞ 氏名 ●●●●●●●● ㊞
(馬主登録名)●●●●●●●● (馬主登録名)●●●●●●●●
馬主登録番号 ●●●●●●●● 馬主登録番号 ●●●●●●●●
共有馬管理等に関する覚書付帯条項
第 1 条(付帯条項と共有馬管理等に関する覚書の関係)
本共有馬管理等に関する覚書付帯条項(以下「本付帯条項」という)は、共有者と共有代表馬主の間で締結された
「共有馬管理等に関する覚書」(以下「本覚書」という)第 5 条に基づき、本覚書に付帯し、その一部を構成する。なお、本付帯条項で用いられる用語の定義は、特段の定めなき限り、本覚書において用いられた意味を有する。
第 2 条(事務の委託)
共有代表馬主は、本覚書第 2 条に基づき、共有者から委託を受けた本業務のうち、共有馬に係わる収入経費の計算・管理、保険金請求、JRA・NAR への転籍手続、第三者(共有者の一部に売却する場合の当該共有者を含む。以下同じ)への売却等手続(繁殖牝馬の買戻し、種牡馬の賃貸借に係る手続を含む。)その他本業務に係る事務取扱について、有限会社コスモス(以下「事務局」という。)に委託する。
第 3 条(事務費の支払)
1. 共有者は、共有馬が競走に出走して賞金を獲得した場合、同賞金の金額の 3%相当額を出走に係る事務費用として事務局に支払う。
2. 共有者は、第 9 条第 1 項に基づく共有馬の NAR への転籍が実施された場合、同条第 3 項に基づく共有代表馬主への買取代金額の 3%相当額を、当該手続にかかる事務費用として事務局に支払う。
3. 共有者は、共有馬の第三者への売却(共有者と販売者の間で締結された馬匹売買契約書特約条項〔以下「本特約条項」という〕第 4 条第 2 項に基づく販売者による買戻しを含む)が実施された場合、売却代金から売却に要した費用(オークションを利用する場合の利用料を含む)を控除した金額の 3%相当額を当該売却にかかる事務費用として事務局に支払う。
4. 共有者は、共有馬について、本特約条項第 5 条に基づく種牡馬転用が行われた場合、売却代金から売却に要した費用(本特約条項第 5 条第 4 項に基づく販売者に対する事務費用及び報酬を含む)を控除した金額の 3%相当額を当該種牡馬転用にかかる事務費用として事務局に支払う。
5. 前 4 項に基づく事務費用は、事務局が各共有者に対して支払うべき賞金等の分配額あるいは共有馬の売却代金から控除する方法によって支払われるものとする。
第 4 条(預託料)
1. 共有者は、1 歳 12 月 1 日より、その保有する共有持分の割合に応じて、共有馬の預託料を負担する。当該預託料には、厩舎預託料のほか、育成費、治療費、各種登録料(G1 レース等の追加登録料含む)、輸送費(引退退厩時を含む)、売却先決定までの間の繋養費等売却経費(売却に至らなかった場合も含む)、共有者や調教師に進呈する記念写真等優勝記念品代金、祝儀等、馬主慣行に則った共有馬の飼養管理にかかる一切の費用が含まれる。
2. 共有者は、事務局が送付する請求書に従い、当月分の預託料を、翌月 27 日までに、預金口座振替の方法により支払う。
3. 共有者による共有持分の取得が、共有馬の 1 歳 12 月 1 日よりも後の日である場合であっても、共有者は、1 歳 12
月 1 日以後の預託料を負担するものとし、事務局の請求に従い精算する。
第 5 条(競走馬保険)
1. 共有馬は、競走馬保険約款に基づく競走馬保険(死亡保険)に加入する(保険期間は 1 月 1 日より 12 月 31 日。1歳馬に関しては、共有持分取得時から 2 歳 12 月 31 日までの期間に適用がある保険に加入する)。
2. 1 歳馬及び 2 歳馬の場合、当該共有馬の売買提示価格(当該共有馬の共有持分売り出し価格の総額としてカタログ等に記載された金額をいう。以下、同じ)の 100%、3 歳馬の場合は 70%、4 歳以上の場合は 50%をそれぞれの保険加入額とする。また、障害競走中若しくは障害練習中の事故に起因する死亡事故は保険の対象とならない。
3. 共有者は、毎年 12 月 20 日までに、翌年度分(翌年 1 月 1 日から 1 年分)の保険料をその保有する共有持分の割合に応じて支払う。また、前項記載の事由により保険加入額が保険期間中に変更となる場合は、所定の手続に従い保険料の不足額を納入する。
4. 共有代表馬主は、共有馬に保険事故が発生した場合、事務局を通じて、競走馬保険約款に基づき、保険会社に保険金の支払請求手続を行う。
5. 競走馬保険約款に基づき給付を受けた保険金は、その全額について、その保有する共有持分の割合に応じて共有者に支払われる。ただし、共有者において、事務局又は共有馬の販売者(以下「販売者」という)に対する支払期限の到来した、未払の債務が存在する場合、共有馬に保険事故が発生した場合に支払われる保険金は、それらの未払の債務に充当され、その残額が当該共有者に支払われるものとする。
6. 共有馬に不慮の事故が発生した場合、本条に定める保険金の受領をもって共有者の全ての損害が補填されたものとし、共有者は、共有代表馬主、事務局、販売者及びその関係者に対して何らの請求もしない。
第 6 条(賞金等の取扱い)
1. 共有者に対する賞金の支払事務については、共有馬が獲得した賞金(出走奨励金、付加賞等を含む。以下同じ)から進上金、源泉税及び出走事務費を控除した金額を、保有する共有持分割合に応じて、共有者の別途指定口座に、出走日の属する月の翌月末日まで(金融機関の営業日でない場合は翌営業日)に銀行振込送金の方法により支払われる。ただし、地方競馬指定交流競走に当該月の下旬に出走した場合、及び、外国における競走に出走した場合は、出走日の属する月の翌々月末日以降に支払われるものとする。
2. 出走手当(出走手当に類する交付金等を含む)、事故見舞金、競走馬登録抹消給付金・同付加金・診療費補助金・装蹄費補助金は、その全額が保有する共有持分の割合に応じて共有者に支払われる。
3. 共有馬が獲得した賞品・副賞のうち、主催者購買価格が 10 万円を超える純金メダル等賞品(冠スポンサー提供の寄贈賞品及び参加賞等は除く)については、当該共有馬の共有者間(共有代表馬主を含む)に帰属するものとし、その配分等の方法については別途本項の細則において定める。なお、10 万円以下の純金メダル及び金製品等商品、寄贈賞品、参加賞等については、共有代表馬主に帰属するものとする。
4. 前各項の他、JRA のサマーチャンピオンシリーズや NAR の主催するグランダムジャパンのボーナス賞金など、競馬主催者若しくは競馬統括組織から各種褒賞金の交付を受けた場合は、第 1 項記載の賞金支払事務に準じて適宜共有者に支払う。ただし共有馬引退後に交付を受けた同補助金については共有代表馬主に帰属するものとする。
5. 共有馬が GⅢ、JpnⅢ、SⅢ重賞競走以上(海外における競走、地方競馬指定交流競走を含む)に優勝した場合、共有者は、馬主慣行に則った祝儀、優勝記念品製作、祝賀会等に要する経費(実費)を、その賞金の 10%を超えない範囲内で、保有する共有持分の割合に応じて負担する。なお、優勝記念品については厩舎関係者等に贈呈する場合があり、本項に定める祝賀経費には、これらに要した経費が含まれる。
6. 共有者において、事務局又は販売者に対する支払期限の到来した、未払の債務が存在する場合、本条に基づく共有者に対する支払は、これら未払の債務が完済されるまでの間、事務局において支払を保留するものとし、共有者は予めこれに同意する。なお、共有馬が賞金等を獲得していた場合であっても、共有者が上記預託料、保険料、事務費等または馬代金の支払が履行を怠った場合、これを滞納と見做して、当該共有者に対して、第 12 条第 2 項が適用される。共有者は、当該滞納に係る金額と賞金等との相殺を行うことはできないものとする。
7. 消費税法改正により平成 28 年 4 月 1 日以降、国外事業者が日本国内で行う役務提供について、いわゆる「特定役務の提供」並びに「リバースチャージ方式による消費税の申告・納税」が導入されており、外国人騎手(中央競馬の通年免許を付与されている外国人騎手を除く)が騎乗した場合の進上金(ここでは「国外事業者進上金」といい「特定役務の提供」に該当)にかかる消費税についても同様に扱われる。したがって該当する共有馬主は、同法の定めに則って「リバースチャージ方式による消費税の申告・納税」を行うものとする。
第 7 条(共有馬の海外遠征)
1. 共有馬を外国における競走に出走(以下「海外遠征」という)させる場合については、共有代表馬主がこれを決定し、事務局を通じて決定を共有者に通知する。
2. 海外遠征における進上金の取扱いについては海外遠征先において適用される規定(控除率に関する規定を含むがこれに限らない)に従う。ただし、当該規定が調教師、騎手又は厩務員のいずれかを進上金の支給対象としていない場合等において、共有代表馬主は、適宜本邦規定等を準用して進上金等を支払うことができるものとし、共有者は予めこれに同意する。また、海外遠征に関して JRA から交付を受ける褒賞金については、これを進上金の控除対象として取り扱う。さらに、共有者は、海外遠征に際して生じた検疫・輸送費及びその帯同人件費、登録料、海上保険等の一切の経費について、遠征先で出走を取消した場合を含め、当該遠征馬の競走成績にかかわりなく、保有する共有持分の割合に応じて負担する。
第 8 条(共有馬の売却、引退及び共有持分の消滅)
1. 共有馬は、共有代表馬主の決定に基づいて、第三者に売却され又は当該共有馬の競走馬登録を確定的に断念し若しくは同登録を抹消され、引退する。
2. 共有代表馬主は、共有馬の競走馬登録及びその抹消の前後を問わず、その時点における共有馬の競走成績、育成状況、調教状況その他諸般の事情に鑑み、共有者の利益に最も資すると合理的に判断する場合には、共有馬を第三者に売却することができるものとする。共有馬を第三者に売却した場合、売却代金から売却に要した費用を控除した額について、共有持分に応じて共有者に支払われる。
3. 引退した共有馬が牝馬である場合、本馬匹売買契約書に付帯し、その一部を構成する本特約条項第 4 条 1 項に従って 6 歳 2 月を限度として引退するものとし(ただし、共有代表馬主の判断により引退時期を延期することがある)、販売者は、その競走成績の如何にかかわらず、同条第 2 項又は第 3 項所定の金額にて買い戻す権利を有する。販売者がかかる買戻権を行使しなかった場合、共有者は、本覚書に基づき共有代表馬主に対し、売却、無償譲渡等その処分にかかる事務を委託するものとする。本項に基づく買戻し代金又は売却代金(有償にて処分できた場合に限り、また、処分に要した費用を控除したもの)は全額、共有持分の割合に応じて共有者に支払われる。
4. 引退した共有馬が牡馬で、かつ、共有代表馬主が当該共有馬について種牡馬として転用可能と判断した場合、共有者は、本特約条項第 5 条第 1 項に基づき、販売者に対してその転用に関する一切の業務を委託する。当該共有馬の種牡馬転用に係る事務費用及び報酬は、共有馬の種牡馬としての売却代金又は賃貸料の 40%相当額とし、残
りの 60%相当額を、共有持分の割合に応じて共有者に支払う。
5. 引退した共有馬が牡馬で、かつ、共有代表馬主が当該共有馬について種牡馬として転用不可能と判断した場合、共有者は、本特約条項第 5 条第 5 項に基づき共有代表馬主に対し、売却、無償譲渡等その処分にかかる事務を委託するものとする。共有馬が有償にて処分できた場合、その売却代金等から処分に要した費用を控除した額が共有持分に応じて共有者に支払われる。
6. 前 4 項に基づき、共有馬の売却その他の処分が完了した時点をもって、共有者の共有持分は消滅する。
第 9 条(NAR への転籍等)
1. 共有代表馬主は、JRA への競走馬登録の前後を問わず、その時点における共有馬の競走成績、育成状況、調教状況その他諸般の事情に鑑み、共有者の利益に最も資すると合理的に判断する場合には、JRA への競走馬登録を抹消して NAR に転籍させ、あるいは、JRA 登録予定の共有馬を当初より NAR に登録することができるものとする。
2. 前項の場合において、共有者が、共有馬の NAR における転籍先の馬主資格を有している場合、当該共有者は、引き続き当該共有馬の共有持分を保有するものとする。
3. 第 1 項の場合において、共有者が、共有馬の NAR における転籍先の馬主資格を有していない場合、共有代表馬主は、当該共有者の共有持分を、当該共有者による当該共有持分の当初の購入価格の 10%相当額にて買い取るものとする。
第 10 条(JRA 限定馬主登録)
NAR に競走馬登録する共有馬が、JRA の「指定」または「特別指定」競走に出走する場合、JRA の馬主資格を有しない共有者は、JRA 交付の限定馬主登録(登録した年の 12 月末まで有効)を取得するものとし、事務局に対し、必要な書類を提出するとともに、登録免許税 90,000 円を支払う。
第 11 条(支払済み代金等)
本覚書及び本付帯条項に基づき共有者が支払った預託料、保険料、事務費用、出走事務費等は、理由の如何にかかわらず返還されない。
第 12 条(遅延利息及び支払不履行等に起因する持分権の喪失)
1. 共有者が、本覚書及び本付帯条項に規定される支払義務を、各支払期日までに履行しない場合、共有者は、事務局に対し、当該支払期日の翌日から完済に至るまで、当該債務額に対し年率 20%の割合による遅延利息を支払うものとする。
2. 共有者が前項の支払義務を 2 か月以上怠った場合、共有代表馬主は、その判断に基づき、共有者に対し、その保有する共有持分を共有代表馬主に無償で譲渡するよう通知することができる。共有代表馬主から共有者に対するかかる通知が発送された場合、当該共有者の共有持分は、直ちに共有代表馬主に帰属するものとし、共有者は予めこれに同意する。
3. 共有者の JRA 又は NAR の馬主登録が抹消され、若しくは登録抹消要件に該当するに至った場合又は共有馬所有念書等競走馬登録に必要な書類提出を期限までに履行しないなど共有代表馬主及び事務局の円滑な業務遂行に対して重大な妨げとなる場合は、本覚書第 3 条に規定する遵守事項に違反したものと見做し、何らの通知催告を要することなく、共有者は当該共有持分及びこれから生じる一切の権利を喪失し、かかる共有持分及びこれから生じる一切の権利は直ちに共有代表馬主に帰属するものとし、共有者は予めこれに同意する。
共有馬管理等に関する覚書付帯条項細則
(共有馬管理等に関する覚書付帯条項第 6 条第 3 項の細則)
第 1 条(賞品の受領と配分方法)
1. 主催者購買価格が 10 万円を超える純金メダル、金製品、宝飾品その他競馬主催者が提供する賞品(以下「賞品」という)は、受賞した共有馬の共有者間に帰属する。ただし、冠スポンサー提供の寄贈賞品のほか、参加賞、優勝馬のレイ、賞状、盾及び優勝 DVD 等については共有代表馬主に帰属する。
2. 事務局は、第 2 条の手続に従って、受賞した共有馬の共有者の 1 名に対し、賞品を売却する。
3. 前項にかかわらず、賞品の購入を希望する共有者がいない場合その他やむを得ない場合には、純金メダル及び金製品については、市中の金製品取扱い専門業者に売却して換金する。また、金製品以外の賞品については、主催者購買価格の1割にて共有代表馬主等に適宜売却して換金するものとし、共有者は予めこれに同意する。ただし、重賞競走の賞品については、本特約条項第 7 条第 2 項に基づく販売者からの買取りの申出があった場合、これを優先するものとし、売却価格は第 2 条第 2 項の定めによるものとする。
4. 前 2 項に基づく賞品の売却代金(以下「賞品売却代金」という)は、次項に定める事務経費を控除のうえ、保有する共有持分の割合に応じて共有者に支払われる。
5. 事務局は、賞品の保管及び売却その他の事務経費として 20,000 円(及びこれにかかる消費税)を受領する。
第 2 条(賞品購入者の決定方法)
1. 事務局は、第 2 項の手順に従い、共有者の中から賞品の購入を希望する者を募集する。購入を希望する共有者が複数いる場合、別途定める日時において抽選を行い、購入者を決定する。
2. 事務局は、賞品のうち、純金メダル及び金製品については市中にて換価する場合の時価相当額又は競馬主催者の購買価格の 6 割相当額のいずれか高い方を売却価格とし、金製品以外の宝飾品等にあっては、競馬主催者の購買価格の 6 割相当額を売却価格として共有者に通知し、賞品の購入を希望する共有者を募集する。
3. 前 2 項の通知にもかかわらず購入を希望する者がなかった場合、事務局は、純金メダル及び金製品については市中にて時価相当額において売却する。金製品以外の賞品については、主催者購買価格の1割にて共有代表馬主等に適宜売却する。
4. 賞品を購入する共有者は、購入代金を事務局の指示に従い、銀行振込の方法により直ちに事務局に支払う。
5. 前項に違反した場合、当該違反した共有者は、以後賞品の購入者となれないものとする。また、当該違反については、共有者の支払義務の遅延として、本付帯条項第 12 条第 1 項及び第 2 項の規定を適用する。
第 3 条(賞品売却代金の共有者への支払時期)
賞品売却代金は、第 1 条第 5 項に定める事務経費を控除のうえ、購入者から賞品の購入代金の振込を受けた月の翌月末までに、保有する共有持分に応じて共有者に支払う。
第 4 条(競馬主催者の要因による事務の遅延等)
毎年 1 月から 3 月の期間は、JRA 及び NAR は純金メダル等賞品の送付を行わないため、共有馬が当該期間に行われる競走に優勝した場合、その年の 4 月以降の賞品受領となり、その結果、賞品購入者の決定及び賞品売却代金の共有者への支払は、これに応じた時期に行われる。