Contract
監 | 査 | 種 | 別 | 定期監査(工事監査)及び行政監査 |
監 | 査 | 対 | 象 | 住宅都市局 財政局契約部(住宅都市局関連事務に限る。) |
監 | 査 | 期 | 間 | 平成28年 7月 6日から |
平成29年 2月10日まで | ||||
監 | 査 | 結 | 果 |
第1 監査の対象及び範囲
区分 | 件数 | 金額 | ||||
監査対象 (件) | 抽出 (件) | 抽出率 (%) | 監査対象 (百万円) | 抽出 (百万円) | 抽出率 (%) | |
工事 | 1,428 | 103 | 7.2 | 96,666 | 13,490 | 14.0 |
委託 | 1,117 | 15 | 1.3 | 3,831 | 246 | 6.4 |
今回の監査では、住宅都市局における平成26年 4月 1日から平成28年 3月31日までに完了及び平成28年 3月31日時点で施行中の工事並びに調査・設計及び保守管理委託を次表のとおり抽出した。
監査にあたっては、設計・積算・施工・検査・維持管理業務及び委託業務などが適正に執行されているかといった視点に加え、施設利用者の安全に配慮した設計・施工となっているか、工事の品質管理が適切に行われているかなどに着眼して、書類調査及び現地調査を行った。
第2 監査結果の概要
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
なお、監査対象とした局が既に措置を講じたものについては、その内容を記載
した。
1 指摘事項
(1) 積算
重量機器を搬入する費用について
(2) 施工
歩行者通路の整備についてなど 4項目
2 意 見
施設利用者に配慮した施設の整備について
第3 指 摘 事 項
1 積算
重量機器を搬入する費用について
機械設備工事標準単価表(以下「単価表」という。)では、重量機器を搬入するための機器搬入費の単価を定めており、その単価は、吊上能力が16トンのクレーン賃料及び重量物の運搬を担うとび工の労務費などの費用を組み合せて構成されている。
「厚生院空調機取替工事」では、クレーンを使用して重量機器を搬入する工事を行っており、吊上能力が50トンであるクレーンのみを使用することとしていた。その重量機器を搬入する費用の積算にあたり、50トンのクレーン賃料と併せて、重量物の運搬を担うとび工の労務費などが必要として、単価表で定める機器搬入費を計上していた。しかし、その機器搬入費には、吊上能力16トンのクレーン賃料が含まれていることから、結果的に工事で使用しない吊上能力 16トンのクレーン賃料が計上されていた。このため積算額約17万円が過大となっていた。ほか 3件においても重量機器を搬入する費用の積算にあたって、同様の事例が見受けられた。
重量機器を搬入する費用の積算にあたっては、適正な額を計上されたい。また、誤りは、単価表で定めている機器搬入費の構成内容について、十分に認識
されていなかったことが原因と考えられるため、研修の実施などにより、機器搬入費の構成内容について周知徹底されたい。 (設備課)
2 施工
(1) 歩行者通路の整備について
福祉都市環境整備指針では、道路などから公共的建築物の入口を結ぶ歩行者通路において、日常的に不特定多数の者が利用する通路に溝蓋を設置する場合は、格子の目が細かい溝蓋を設置することとしている。
「モノづくり文化交流エリア駐車場改修工事」では、大規模展示場などがあるモノづくり文化交流エリアのために車いす使用者用駐車スペースのある駐車場を改修していた。また、「クオリティライフ21城北ウエルネスガーデン整備工事」では、医療施設や福祉施設などに隣接した広場を整備していた。これらの工事においては、道路などから公共的建築物の入口を結ぶ歩行者通路を整備していたが、日常的に不特定多数の者が利用するにもかかわらず、その通路には格子の目が粗い溝蓋を設置しており、格子部分につえの先端や車いすのキャスター等が落ち込むおそれがある状態であった。
歩行者通路における溝蓋の設置にあたり、福祉都市環境整備指針に基づく必要がある場合は、高齢者や障害者をはじめ誰もが安全に通行できるよう設計及び施工されたい。また、当該溝蓋については、福祉都市環境整備指針に適合していないため、速やかに溝蓋の交換を実施されたい。
(営繕課、臨海開発推進室)なお、住宅都市局においては、指摘に基づき平成28年10月までに格子の目が
細かい溝蓋にそれぞれ交換を完了した。
溝蓋
目の粗い溝蓋
ウエルネスガーデンにおける溝蓋の設置状況
(2) 掘削作業における安全管理について
建設工事公衆災害防止対策要綱(国土交通省通達。以下「要綱」という。)では、地盤を掘削する場合、その箇所の土質に見合った勾配を保って掘削でき
ど ど め
る場合を除き、掘削深さが 1.5メートルを超える場合には、土留を施工するこ
とと定めている。
「xxxx線整備に伴う新幹線橋脚防護工詳細設計委託」では、道路内に埋設されている構造物を調査するため掘削していた。掘削にあたっては、仕様書において要綱に基づくこととしていたが、その掘削深さが 1.5メートルを超えていたにもかかわらず、土留を施工していなかった。
深さが 1.5メートルを超える掘削にあたり、要綱を適用する必要がある場合は、掘削面の崩壊による事故を防止するため、要綱に基づき土留を施工する等適切に安全管理を行うよう受注者を指導されたい。
(ささしまライブ24総合整備事務所)
掘削状況(掘削深さ約 2メートル)
(3) 給水管の耐圧試験について
給水管の耐圧試験は、管の内部に圧力をかけることにより、施工した管に水漏れがないかなどを確認するための重要な試験である。給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成 9年厚生省令第14号。以下「省令」という。)では、耐圧試験の圧力値について、「給水装置(注)に該当する給水管」においては1.75メガパスカルとすると定めている。
「xxxxxxxxセンター(仮称)新築空調衛生工事」では、衛生工事として給水管を施工していた。その給水管に行った耐圧試験の圧力値について確
認したところ、水道用ポリエチレンxxを採用した一部の給水管については圧力値0.75メガパスカルの試験を行っていた。しかし、その給水管は「給水装置に該当する給水管」であることから、耐圧試験の圧力値は省令に基づき1.75メガパスカルの試験を実施しなければならなかった。
「給水装置に該当する給水管」については、省令に従い適正な耐圧試験を行われたい。 (設備課)
なお、住宅都市局においては、指摘に基づき平成28年10月に省令に従い耐圧試験を行った結果、給水管の施工が適正であったことを確認した。
(注) 給水装置
名古屋市上下水道局などの水道事業者が管理している道路下に埋設された配水管から分岐して、飲料水を供給するために設けられた給水管及び給水用具。
(4) 工事写真について
住宅都市局では、建築工事の施工にあたり、設計図書に記載されていない事項は、国土交通省監修の公共建築改修工事標準仕様書(以下「標準仕様書」という。)等に基づくこととしている。標準仕様書では、工事の施工によって不可視となる部分を施工する場合等において、工事写真を撮影し整備することとしている。
ア 「東xx荘 1号棟耐震改修工事」では、耐震壁補強工事に伴う杭打工事を行っていた。設計図書では、杭頭部を基礎コンクリート内に20センチメートル埋込むことが記載されていた。しかし、この不可視となる部分の工事写真が撮影されておらず、設計図の寸法どおり施工されているか確認できなかった。
イ 「xx保育園及び都福祉会館始め 2か所外壁改修工事」では、ひさしを鉄骨で組立て、耐火材を取付ける工事にあたり、耐火材の鉄骨への取付けを、国土交通省大臣認定工法により、スタッド溶接で行うこととしていた。しかし、この不可視となる部分の工事写真が撮影されておらず、認定工法に従い施工されているか確認できなかった。
ウ 「xx庁舎外壁改修その他第 2次工事」始め 3件では、防水工事であるシ
ーリングを施工していた。標準仕様書では、現状のシーリングを撤去した後、新たに充填するシーリングが良好な接着面となるよう付着物を除去すること とされている。しかし、この不可視となる部分の工事写真が撮影されておら ず、付着物が除去されているか確認できなかった。
工事完了後に目視による確認が不可能な箇所について、設計どおりに施工が行われていることを確認するため、適切に工事写真を撮影することは重要であることから、建築工事の施工にあたっては、標準仕様書に基づき工事写真を適切に撮影するよう受注者を指導されたい。 (営繕課、住宅・教育施設課)
第4 意 見
施設利用者に配慮した施設の整備について
住宅都市局では、当局所管の施設を整備するほか、施設所管局からの依頼に基づき、名古屋市の施設を整備している。それらの施設の設計及び工事監理にあたっては、施設利用者が安全で安心して使用できるよう十分配慮しなければならない。
今回の監査では、施設利用者の安全に配慮した設計・施工となっているか、工事の品質管理が適切に行われているかなどについて、特に注意すべき事項として重点的に監査を行った。
監査の結果、福祉都市環境整備指針に基づき整備する必要がある歩行者通路において、その通路に設置した溝蓋が、車いす利用者などの通行に支障が生じるおそれがあった事例や、設計どおり施工が行われているか確認するために必要な写真が撮影されていなかった事例など、施設利用者が安全で安心して使用するための配慮に欠けている事例が見受けられた。
これらの事例のうち、特に施設利用者の通行に支障が生じるおそれがあった事例を発生させないためには、施設の整備を担う職員が、設計段階から施設の利用状況を十分に想定し検討の上設計を行い、工事監理段階においても、利用者が安全に利用できるようになっているか十分確認するなど、より一層利用者の立場で
安全に利用できる施設整備を行う必要があると思料される。
このため、法令や工事監理の方法などの基本的な知識を身につけるための研修はもとより、完成後の施設や工事中の施設を活用し施設利用者に十分配慮した施設とするための工事監理能力の向上を目的とした研修の機会を増やすなど、職員の技術向上を継続的に図っていく必要がある。公共施設整備の一翼を担う住宅都市局においては、施設利用者が安全で安心して使用できる施設の整備により一層努められたい。
監 | 査 | 種 | 別 | 定期監査(工事監査)及び行政監査 |
監 | 査 | 対 | 象 | 消防局 財政局契約部(消防局関連事務に限る。) |
監 | 査 | 期 | 間 | 平成28年 6月28日から |
平成29年 2月14日まで | ||||
監 | 査 | 結 | 果 |
第1 監査の対象及び範囲
区分 | 件数 | 金額 | ||||
監査対象 (件) | 抽出 (件) | 抽出率 (%) | 監査対象 (百万円) | 抽出 (百万円) | 抽出率 (%) | |
工事 | 418 | 24 | 5.7 | 133 | 33 | 24.8 |
委託 | 67 | 13 | 19.4 | 929 | 854 | 91.9 |
今回の監査では、消防局における平成27年 4月 1日から平成28年 3月31日までに完了及び平成28年 3月31日時点で施行中の工事並びに調査・設計及び保守管理委託を次表のとおり抽出した。
監査にあたっては、設計・積算・施工・検査・維持管理業務及び委託業務などが適正に執行されているかといった視点に加え、契約事務手続きが適正に行われているか、維持管理業務における点検結果の対応は適切に行われているかなどに着眼して、書類調査及び現地調査を行った。
第2 監査結果の概要
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
1 指摘事項
産業廃棄物の処理についてなど 2項目
第3 指 摘 事 項
(1) 産業廃棄物の処理について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第 137号)では、事業者はその事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないと定めている。また、産業廃棄物を適正に処理するにあたり、事業者が運搬又は処分を他人に委託する場合においては、運搬の許可を受けた者又は処分の許可を受けた者にそれぞれ委託し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称などの事項を記載した産業廃棄物管理票(注)を交付しなければならないとされている。
「防火水槽内廃材撤去委託」では、消防局が管理する防火水槽内のコンクリートくず及び土を撤去することとしていた。このうちコンクリートくずについては、産業廃棄物であることから、消防局が事業者として適正に処理しているか確認したところ、委託先の業者は、運搬の許可を受けていたが、処分の許可を受けていない者であった。また、産業廃棄物管理票も事業者として交付していなかった。
産業廃棄物の処理について、委託先の適正な選定及び産業廃棄物管理票の交付などを行っていない場合、不法投棄などの不適正な処理につながるおそれがある。このため、産業廃棄物の処理にあたっては、事業者としての責務を認識し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき適正に実施されたい。
(消防課)
(注) 産業廃棄物管理票
事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、事業者が産業廃棄物の適正な処理を確認するための管理票。
(2) 下請負届の提出について
名古屋市工事請負契約約款では、受注者は、工事の全部若しくはその主たる部分を一括して第三者に請け負わせてはならない。また、受注者が、工事の一部を第三者に請け負わせようとするときは、あらかじめ、発注者に下請負届を提出しなければならないと定めている。
「防火水槽(xx区xx 1丁目地内)取壊し工事」始め 4件では、施工にあたり工事の一部を第三者に請け負わせていたが、下請負届が提出されていなかった。
下請負届は、一括下請負がされていないかなどを確認する方法の一つである。受注者が、工事の一部を第三者に請け負わせようとするときは、名古屋市工事 請負契約約款に基づき下請負届を提出するよう受注者を指導されたい。
(消防課)
監 | 査 | 種 | 別 | 出資団体監査 |
監 | 査 | 対 | 象 | 公益財団法人なごや建設事業サービス財団 (事務所所在地:中区xxxx丁目 5番 8号) |
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。
監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成29年 2月10日まで
監 査 結 果
(公益財団法人なごや建設事業サービス財団分)第1 監査結果の概要
緑政土木局所管の出資団体である公益財団法人なごや建設事業サービス財団
(以下「サービス財団」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、出納その他の事務の監査を実施した。
サービス財団の基本財産は 3,000万円であり、全額本市の出えんである。
今回の監査は、サービス財団の事業運営は出資目的に沿って適正に執行されているか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて適正に作成されているかなどについて、主として平成27年度(平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日)の事務について調査した。
なお、xxxx監査委員は、平成28年 3月31日まで緑政土木局長及びサービス財団の評議員として在任していたため、所管局関係分と併せ地方自治法第 199条の 2の規定により除斥となった。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、
比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。したがって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
サービス財団は、まちづくりの基盤となる建設技術の向上及び建設事業の品質 確保を支援し、併せて、安全快適な道路河川環境の創出のための事業を行い、も って良質な社会資本の整備の推進と都市機能の維持増進に寄与することを目的と して、本市の材料試験所(昭和 6年設立)を引き継ぐ組織として、xxx年12月 に設立された。平成24年 4月には、公益法人制度に基づく公益財団法人に移行し、今日に至っている。
主な事業内容は、①良質な社会資本の整備を推進するために建設技術者の資質と建設技術の向上を図り建設事業の品質確保を支援する事業、②安全快適な道路河川環境を創出し都市機能の維持増進を図るために円滑な道路交通の確保と道路河川に関する取組を行う事業、③自動車駐車場の管理運営事業、④道路台帳の情報提供事業、⑤工事関係図書等の販売事業等である。
機構図
(平成28年 3月31日現在)
事 務 x
x 事 会
代表理事( 1人)
事務局長
参 事
(業務部長兼務)
主 幹( 1 人)
理 事( 5人)
総務課長
総務課( 3人)
主 査( 1人)
業務部長
業務一課長
業務一課( 9人)
主 査( 3人)
業務二課長
業務二課( 3人)
主 査( 2人)
建設技術センター所長
副所長
建設技術センター(16人)
主 幹( 2 人)
評議員( 6人)
評議員会
監事( 1人)
これらの事業を運営するため、理事会、監事、評議員会及び事務局が置かれており、職員数は47人(嘱託員16人を含む。)となっている。機構及び職員配置状況は、次図のとおりである。
1 事 業 状 況
(1) 良質な社会資本の整備を推進するために建設技術者の資質と建設技術の向上を図り建設事業の品質確保を支援する事業
ア 技術研究等事業
建設技術者の技術向上を図るため、地元中小建設業界の技術者を対象とした各種講習会や行政職員を対象とした材料試験研修等を行った。
イ 材料試験事業
コンクリート、鋼材、アスファルト、土質及び骨材の各種建設資材の品質試験を行った。
品質試験の収入金額及び件数は、第 1表のとおりである。
第 1表 品質試験の収入金額及び件数
区 | 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
コンクリート | 47,379千円 | 56,272千円 | 53,850千円 | |
18,573件 | 20,929件 | 20,167件 | ||
鋼 | 材 | 1,759千円 | 1,307千円 | 3,908千円 |
1,141件 | 835件 | 2,702件 | ||
アスファルト | 80,039千円 | 77,733千円 | 85,247千円 | |
5,274件 | 5,170件 | 5,551件 | ||
土 | 質 | 25,369千円 | 20,418千円 | 15,654千円 |
4,191件 | 2,631件 | 1,078件 | ||
骨 | 材 | 29,390千円 | 31,401千円 | 32,545千円 |
921件 | 894件 | 854件 | ||
合 | 計 | 183,938千円 | 187,133千円 | 191,206千円 |
30,100件 | 30,459件 | 30,352件 |
(注)上段:収入金額 下段:件数
(2) 安全快適な道路河川環境を創出し都市機能の維持増進を図るために円滑な道路交通の確保と道路河川に関する取組を行う事業
ア 自転車の適正利用に関する事業
本市との業務委託契約に基づき、市内の放置自転車等の撤去・運搬業務及び保管・返還・処分業務並びに自転車の市民向け・海外向けリサイクル業務を行った。
放置自転車等の撤去台数等は、第 2表のとおりである。
第 2表 放置自転車等の撤去台数等
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
x 去 台 数 | 55,307台 | 51,014台 | 44,152台 |
返 還 台 数 返 還 率 | 26,693台 48.3% | 25,387台 49.8% | 21,426台 48.5% |
x x イ ク ル 台 数 | 17,539台 | 13,146台 | 15,180台 |
(注)返還率(%)=返還台数/撤去台数× 100
イ パークアンドライド駐車場の管理運営事業
上社駅南駐車場(67台収容)をパークアンドライド駐車場として管理・運営した。
ウ xx納屋橋地区にぎわいづくり事業
xx納屋橋地区の河川敷地の包括占用主体として川沿いのオープンカフェやイベントのための使用承認を行った。
エ 道路事故等の休日夜間緊急対応事業
本市との業務委託契約に基づき、本市の土木事務所の閉所時間帯における、市民・警察・消防等からの通報・苦情・陳情や問い合わせ等の受付窓口と なる、休日夜間緊急センターの管理・運営を行った。
オ 通学路の交通安全対策事業
市内の小学校を対象に、通学路安全点検調査業務を行った。
カ 道路工事の調整・広報事業
市内の道路工事の計画、時期、方法等についての調整を行う名古屋市道路占用調整協議会の事務局運営業務を行った。
キ 道路河川愛護事業
道路や河川の美化や適正利用の啓発を目的とした取り組みへの参画・協力
・助成を通じて道路河川愛護思想の普及啓発活動を行った。
(3) 自動車駐車場の管理運営事業(収益事業等)
道路の高架下等、市内21箇所 632台分を月極駐車場として管理・運営した。
(4) 道路台帳の情報提供事業(収益事業等)
本市との業務委託契約に基づき、道路台帳の保管、閲覧を行う道路台帳サービスセンターの管理運営業務及び道路認定関係図書のコピーサービスを実施した。
(5) 工事関係図書等の販売事業(収益事業等)
土木工事に必要となる図書、道路区域線明示測量用区域鋲及び検印証の販売業務を実施した。
2 決 算 状 況
平成27年度及び平成26年度の比較正味財産増減計算書及び比較貸借対照表は、第 3表及び第 4表のとおりである。
第 3表 比較正味財産増減計算書
科 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較 増△減 | 前年度 対比 |
千円 | 千円 | 千円 | % | |
I 一般正味財産増減の部 | ||||
1 経常増減の部 | ||||
(1)経常収益 | ||||
基本財産運用益 | 384 | 384 | - | 100 |
特定資産運用益 | 140 | 110 | 29 | 126.9 |
事業収益 | 522,551 | 517,446 | 5,104 | 101.0 |
雑収益 | 362 | 315 | 47 | 115.1 |
棚卸資産 | - | - | - | - |
引当金 | 10,037 | 9,731 | 306 | 103.1 |
経常収益 計 | 533,475 | 527,987 | 5,488 | 101.0 |
(2)経常費用 | ||||
事業費 | 493,753 | 483,582 | 10,170 | 102.1 |
管理費 | 14,771 | 14,860 | △ 89 | 99.4 |
棚卸資産 | 128 | 715 | △ 587 | 18.0 |
経常費用 計 | 508,653 | 499,158 | 9,494 | 101.9 |
当期経常増減額 | 24,822 | 28,828 | △ 4,006 | 86.1 |
2 経常外増減の部 | ||||
(1)経常外収益 | ||||
経常外収益 計 | - | - | - | - |
(2)経常外費用 | ||||
固定資産除却損 | 0 | 266 | △ 266 | 0.0 |
経常外費用 計 | 0 | 266 | △ 266 | 0.0 |
当期経常外増減額 | △ 0 | △ 266 | 266 | 0.0 |
他会計振替 | - | - | - | - |
税引前当期一般正味財産増減額 | 24,822 | 28,562 | △ 3,739 | 86.9 |
法人税等 | 6,528 | 6,288 | 240 | 103.8 |
当期一般正味財産増減額 | 18,294 | 22,274 | △ 3,980 | 82.1 |
一般正味財産期首残高 | 429,421 | 407,146 | 22,274 | 105.5 |
一般正味財産期末残高 | 447,715 | 429,421 | 18,294 | 104.3 |
Ⅱ 指定正味財産増減の部 | ||||
当期指定正味財産増減額 | - | - | - | - |
指定正味財産期首残高 | 30,000 | 30,000 | - | 100 |
指定正味財産期末残高 | 30,000 | 30,000 | - | 100 |
Ⅲ 正味財産期末残高 | 477,715 | 459,421 | 18,294 | 104.0 |
平成27年度 平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日平成26年度 平成26年 4月 1日~平成27年 3月31日
第 4表 比較貸借対照表
平成27年度 平成28年 3月31日現在平成26年度 平成27年 3月31日現在
科 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較 増△減 | 前年度 対比 |
Ⅰ 資産の部 1 流動資産 現金預金未収金 立替金 前払金 棚卸資産 流動資産 合計 2 固定資産 (1) 基本財産 投資有価証券基本財産 合計 (2) 特定資産 試験機器更新積立預金情報交流事業準備資金 建設技術センター建替資金特定資産合計 (3) その他固定資産建物附属設備 構築物 車両 什器備品 無形固定資産少額固定資産長期前払費用電話加入権 定期預金 投資有価証券 その他固定資産合計固定資産合計 資産合計 Ⅱ 負債の部 1 流動負債 未払金前受金預り金仮受金 賞与引当金流動負債合計 2 固定負債 固定負債合計負債合計 Ⅲ 正味財産の部 1 指定正味財産 指定正味財産合計 (うち基本財産への充当額) (うち特定資産への充当額) 2 一般正味財産 一般正味財産合計 (うち基本財産への充当額) (うち特定資産への充当額)正味財産合計 負債及び正味財産合計 | 千円 | 千円 | 千円 | % |
191,500 | 215,748 | △ 24,248 | 88.8 | |
38,438 | 39,550 | △ 1,111 | 97.2 | |
9 | 34 | △ 25 | 27.8 | |
395 | 64 | 330 | 615.5 | |
1,212 | 1,341 | △ 128 | 90.4 | |
231,556 | 256,739 | △ 25,182 | 90.2 | |
30,000 | 30,000 | - | 100 | |
30,000 | 30,000 | - | 100 | |
15,000 | 20,000 | △ 5,000 | 75.0 | |
74,671 | 66,581 | 8,089 | 112.2 | |
20,059 | 15,032 | 5,027 | 133.4 | |
109,730 | 101,613 | 8,117 | 108.0 | |
898 | 1,181 | △ 282 | 76.1 | |
18,678 | 17,319 | 1,359 | 107.8 | |
558 | 970 | △ 412 | 57.5 | |
41,855 | 45,843 | △ 3,987 | 91.3 | |
6,405 | 4,119 | 2,285 | 155.5 | |
643 | 337 | 306 | 190.9 | |
15 | 15 | - | 100 | |
88 | 88 | - | 100 | |
30,000 | - | 30,000 | - | |
60,010 | 60,010 | - | 100 | |
159,153 | 129,885 | 29,268 | 122.5 | |
298,884 | 261,499 | 37,385 | 114.3 | |
530,441 | 518,238 | 12,202 | 102.4 | |
41,571 | 46,866 | △ 5,295 | 88.7 | |
824 | 992 | △ 168 | 83.1 | |
1,343 | 909 | 433 | 147.7 | |
- | 11 | △ 11 | - | |
8,986 | 10,037 | △ 1,051 | 89.5 | |
52,725 | 58,817 | △ 6,091 | 89.6 | |
- | - | - | - | |
52,725 | 58,817 | △ 6,091 | 89.6 | |
30,000 | 30,000 | - | 100 | |
30,000 | 30,000 | - | 100 | |
(30,000) | (30,000) | (-) | (100) | |
(-) | (-) | (-) | (-) | |
447,715 | 429,421 | 18,294 | 104.3 | |
447,715 | 429,421 | 18,294 | 104.3 | |
(-) | (-) | (-) | (-) | |
(109,730) | (101,613) | (8,117) | 108.0 | |
477,715 | 459,421 | 18,294 | 104.0 | |
530,441 | 518,238 | 12,202 | 102.4 |
第3 指 摘 事 項
1 現金の管理について
サービス財団の会計規程において、毎日、出納責任者及び出納員は現金残高と関係帳簿の照合を実施すること等が定められている。
現金の管理について確認したところ、収納した現金を経理担当者 1名のみで取り扱っており、他の職員の確認や承認等が行われていなかった。また、現金の管理帳簿も承認欄がないなど、記載事項が不十分で、書式も部署ごとに作成され、組織で統一されていなかった。
サービス財団にあっては、会計規程に従い出納責任者及び出納員が現金残高と関係帳簿の照合を実施されたい。また、現金の管理帳簿の統一を検討されたい。
2 固定資産の管理について
サービス財団では資産等の管理に関する事務取扱要領(以下「事務取扱要領」という。)において、固定資産の管理について、固定資産台帳を作成し記録・管理すること、固定資産には小票を付すこと及び決算時に固定資産台帳を基にした実査を行うこととされている。
建設技術センターにおける固定資産について確認したところ、固定資産台帳に記載があるが現物がないものが 2点、固定資産に小票が付されていないものが 6点あった。また、決算時の実査が行われていなかった。
サービス財団にあっては、事務取扱要領に従い固定資産を適正に管理されたい。
3 賞与引当金の計上について
サービス財団では、将来の賞与支払いに対する引当金額を貸借対照表において流動負債として費用計上している。
賞与支払いに対する引当に係る会計処理について確認したところ、賞与支給額に相当する部分については費用計上されていたが、賞与に係る社会保険料事業主負担分が費用計上されておらず、また、計算基礎として改定前の条例の規定を用いて計算していた。
サービス財団にあっては、賞与支払いに対する引当に係る会計処理を行う際に
は社会保険料事業主負担分についても併せて費用計上するとともに、決算日時点において支給が見込まれる賞与の金額を合理的に見積もり、賞与引当金を計上されたい。
4 情報保護について
公益財団法人なごや建設事業サービス財団情報保護要綱及び情報保護対策に関する運用要領(以下「情報保護要綱等」という。)において、離席時には、識別認証を行わなければパソコンを操作できないようにすることとされている。
情報保護について確認したところ、職員が業務に使用するノートパソコンのログインの際に、ID、パスワードの入力を必要とせずに起動できる状態だった。
また、サービス財団では、個人情報を含む情報を保存する USBメモリを業務に使用しているところ、情報保護要綱等において管理の方法が定められていなかった。
サービス財団にあっては、情報保護要綱等に従いパソコンにパスワードを設定するとともに、情報保護要綱等において USBメモリの管理方法を規定することを検討されたい。
(意 見)
今回の監査の結果、現金や固定資産の管理にあたり規程に定められた手続が実際には運用されていなかった事例や情報保護対策が十分でない事例が見受けられたところであり、指摘が団体全般に及ぶものもあることから、内部統制が行き届いていないことが思料されるところである。
サービス財団にあっては、単に指摘事項を改善するだけではなく、現状の規程が適正に運用されているか、規定内容が十分であるかといったことを今一度点検したうえで、職員一人一人のコンプライアンス意識の向上を図るとともに、組織として適正な業務が継続的に実施されるよう内部統制の強化を図られたい。
なお、サービス財団は平成24年 4月に公益財団法人として認定されており、公益の増進及び活力ある社会の実現という役割を果たすため、社会情勢の変化を的確に把握し、事業の実施状況や成果等を踏まえ、事業の量や質をより一層充実させる余地はないか検討されたい。
(緑政土木局関係分)第1 監査結果の概要
サービス財団に対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、緑政土木局所管の財務に関する事務のうち、サービス財団に対する事務の執行について監査を実施した。
第2 指 摘 事 項
特になし
監 査 種 別 出資団体監査
監 査 対 象 名古屋市住宅供給公社
(事務所所在地:西区浄心一丁目 1番 6号)
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成29年 2月14日まで
監 査 結 果
(名古屋市住宅供給公社分)第1 監査結果の概要
住宅都市局所管の出資団体である名古屋市住宅供給公社(以下「供給公社」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、出納その他の事務の監査を実施した。
供給公社の資本金は 5,000万円であり、全額本市の出資である。
平成27年度において、本市は供給公社に対して、特定優良賃貸住宅供給促進事業における子育て支援補助金として 940万円及び家賃減額に係る補助金として 7万円交付している。
また、供給公社は、市営住宅のうち公営住宅については公営住宅法(昭和26年法律第 193号)による管理代行制度に基づき、その他の市営住宅及び定住促進住宅については地方自治法による指定管理者制度に基づき、それぞれ管理を行っており、本市は供給公社に対して、平成27年度において管理代行に係る委託料84億 5,161万円及び指定管理料11億 8,132万円を支出している。
今回の監査は、供給公社の事業運営は出資目的に沿って適正に執行されているか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて
適正に作成されているかなどについて、主として平成27年度(平成27年 4月 1日
~平成28年 3月31日)の事務について調査した。
なお、xxxx監査委員は、平成28年 3月31日まで理事として在任していたため、所管局関係分と併せ地方自治法第 199条の 2の規定により除斥となった。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
供給公社は、住宅を必要とする勤労者に対し、住宅の積立分譲等の方法により居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として、地方住宅供給公社法(昭和40年法律第 124号)に基づき、その前身である財団法人名古屋市住宅公社(昭和23年 6月の設立当初は財団法人名古屋市住宅建設社として発足)を組織変更して、昭和40年11月に本市の全額出資により設立された。平成11年 4月からは財団法人名古屋市住宅管理公社(昭和47年 2月設立)を統合し現在に至っている。
主な事業内容は、①積立分譲住宅、一般分譲住宅の建設及び譲渡、②賃貸住宅等の建設及び管理、③住宅用地の造成、管理及び譲渡、④住宅建設と一体的に行う店舗、事務所等の施設の建設、賃貸、管理及び譲渡、⑤住宅用地の造成とあわせて行う学校、病院、店舗等の用に供する宅地の造成、賃貸、管理及び譲渡、⑥住宅居住者の利便施設の建設、賃貸、その他の管理及び譲渡、⑦公営住宅法に基づく公営住宅又は共同施設の管理の代行、⑧以上の業務に附帯する業務及びその他の受託業務である。
これらの事業を運営するため、理事会及び監事が置かれており、職員数は 172人(嘱託員86人を含む。)となっている。機構及び職員配置状況は、次図のとおりである。
機構図 (平成28年 3月31日現在)
理事会
理 事 長(1 人)副理事長(1 人)専務理事(1 人)
常務理事(1 人)
理
事(3 人)
監事(1 人)
x x 部x x 部
事 業 部
x x 課 (16 人)x x 課 (12 人)管理第二課 ( 6 人)収 納 課 (14 人)東部事務所 (17 人)西部事務所 (18 人)南部事務所 (24 人)北部事務所 (16 人)
( 4 人)保 全 課 (28 人)事 業 課 (17 人)
1 事 業 状 況
(1) 市営住宅等管理事業
本市から市営住宅及び定住促進住宅(以下「市営住宅等」という。)について、計画修繕、経常修繕、施設保全、共同施設整備、家賃の収納事務、滞納家賃の納付指導、入居募集手続等を受託している。市営住宅等の管理戸数の推移は第 1表のとおりである。
第 1表 市営住宅等の管理戸数の推移 (各年度 3月31日現在)
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | |
市営住宅 | 公 営 住 宅 | 戸 57,194 | 戸 57,144 | 戸 57,198 |
改良住宅等 | 3,963 | 3,975 | 3,915 | |
計 | 61,157 | 61,119 | 61,113 | |
定住促進住宅 | 1,832 | 1,832 | 1,832 | |
合 計 | 62,989 | 62,951 | 62,945 |
(2) 市営住宅等駐車場管理事業
本市から市営住宅等に係る駐車場について、使用料の収納事務、滞納使用料の納付指導等を受託している。市営住宅等駐車場(民間借地を含む。)の管理台数及び空き台数の推移は第 2表及び第 3表のとおりである。
第 2表 市営住宅等駐車場の管理台数の推移 (各年度 3月31日現在)
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | |
市営住宅 | 公 営 住 宅 | 台 32,848 | 台 32,844 | 台 32,963 |
改良住宅等 | 1,699 | 1,704 | 1,704 | |
計 | 34,547 | 34,548 | 34,667 | |
定住促進住宅 | 1,838 | 1,838 | 1,838 | |
合 計 | 36,385 | 36,386 | 36,505 |
第 3表 市営住宅等駐車場の空き台数の推移 (各年度 3月31日現在)
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
x x 台 数 | 台 36,385 | 台 36,386 | 台 36,505 |
空 き 台 数 (比 率) | 5,293 (14.5%) | 5,729 (15.7%) | 6,280 (17.2%) |
(3) 賃貸住宅等事業
賃貸住宅 1,886戸(一般賃貸住宅 1,108戸、店舗併用住宅20戸、定住促進モデル住宅 372戸、特定優良賃貸住宅 386戸(公社型53戸、借上型 333戸))の他、専用店舗94戸、駐車場 1,293台、事務所 3か所、倉庫・施設 6区画の管理運営を実施している。賃貸住宅の空き家率の推移は第 4表のとおりである。
第 4表 賃貸住宅の空き家率の推移 (各年度 3月31日現在)
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | |
一般賃貸住宅 | % 8.2 | % 6.4 | % 5.4 | |
店舗併用住宅 | 30.0 | 25.0 | 15.0 | |
定住促進モデル住宅 | 19.6 | 16.4 | 9.1 | |
特定優良賃貸住宅 | 公社型 | 1.9 | 3.8 | 1.9 |
借上型 | 21.9 | 10.4 | 4.8 |
(注) 1 定住促進モデル住宅:本市への定住を目的として、中堅所得層に適正な家賃で良質な住宅を供給するもの
2 特定優良賃貸住宅(公社型):供給公社が建設した特定優良賃貸住宅
3 特定優良賃貸住宅(借上型):民間土地所有者が本市と国の補助を受けて建設した優良な賃貸住宅を公社が一定期間借上げ、収入が一定基準内の中堅所得者に、本市と国が家賃の一部を一定期間補助することにより、入居当初の家賃を軽減して入居させるもの
(4) 分譲住宅事業
市民と市内居住希望者の持ち家需要に応ずるため、平成27年度までに積立分譲住宅 7,882戸及び一般分譲住宅10,889戸を供給している。
一般分譲住宅の建設戸数及び供給戸数の推移は第 5表のとおりである。なお、積立分譲住宅については、平成14年度に全戸引き渡しを完了している。
第 5表 一般分譲住宅の建設戸数及び供給戸数の推移(各年度 3月31日現在)
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
建設戸数(累積)(A) | 戸 10,880 | 戸 10,888 | 戸 10,900 |
供給戸数(累積)(B) | 10,873 | 10,882 | 10,889 |
未 引 渡 戸 数 (A-B) | 7 | 6 | 11 |
(5) その他の受託事業
分譲住宅管理組合から受託した住宅等の管理業務等を実施している。
2 決 算 状 況
平成27年度及び平成26年度の比較損益計算書及び比較貸借対照表は、第 6表及び第 7表のとおりである。
第 6表 比較損益計算書
平成27年度 平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日平成26年度 平成26年 4月 1日~平成27年 3月31日
科 目 | 平成 27 年度 | 平成 26 年度 | 比較増△減 | 前年度対比 |
千円 | 千円 | 千円 | % | |
事業収益 | 11,310,821 | 11,946,996 | △ 636,175 | 94.7 |
分譲事業収益 | 280,071 | 346,736 | △ 66,665 | 80.8 |
賃貸管理事業収益 | 1,831,152 | 1,828,409 | 2,743 | 100.2 |
その他事業収益 | 65,229 | 65,983 | △ 754 | 98.9 |
9,705,867 | △ 571,498 | 94.1 | ||
受託事業等収益 | 9,134,368 | |||
事業原価 | 11,187,884 | 11,894,125 | △ 706,241 | 94.1 |
分譲事業原価 | 304,806 | 372,625 | △ 67,819 | 81.8 |
賃貸管理事業原価 | 1,725,031 | 1,785,896 | △ 60,865 | 96.6 |
その他事業原価 | 73,576 | 79,614 | △ 6,038 | 92.4 |
9,655,988 | △ 571,518 | 94.1 | ||
受託事業原価 | 9,084,469 | |||
一般管理費 | 39,069 | 40,654 | △ 1,585 | 96.1 |
事業利益 | 83,867 | 12,216 | 71,651 | 686.5 |
その他経常収益 | 21,366 | 80,054 | △ 58,687 | 26.7 |
その他経常費用 | 54,380 | 47,144 | 7,236 | 115.4 |
経常利益 | 50,853 | 45,126 | 5,727 | 112.7 |
特別利益 | 28,177 | 60,003 | △ 31,825 | 47.0 |
特別損失 | ― | 1,655,827 | △ 1,655,827 | ― |
当期xxxxx 当期純損失(△) | 79,030 | △ 1,550,697 | 1,629,728 | ― |
特定目的積立金取崩 | ― | ― | ― | ― |
当期総利益又は 当期総損失(△) | 79,030 | △ 1,550,697 | 1,629,728 | ― |
第 7表 比較貸借対照表
平成27年度 平成28年 3月31日現在平成26年度 平成27年 3月31日現在
科 目 | 平成 27 年度 | 平成 26 年度 | 比較増△減 | 前年度対比 |
千円 | 千円 | 千円 | % | |
流動資産 | 7,263,909 | 4,733,462 | 2,530,447 | 153.5 |
2,098,032 | 1,899,603 | 190.5 | ||
現金預金 | 3,997,635 | |||
有価証券 | 1,802,103 | 1,500,000 | 302,103 | 120.1 |
未収金 | 271,202 | 256,896 | 14,305 | 105.6 |
分譲事業資産 | 647,183 | 549,143 | 98,040 | 117.9 |
その他事業資産 | ― | ― | ― | ― |
前払金 | 11,023 | 6,665 | 4,357 | 165.4 |
その他流動資産 | 612,720 | 382,182 | 230,537 | 160.3 |
△ 59,458 | △ 18,501 | 131.1 | ||
貸倒引当金 | △ 77,959 | |||
固定資産 | 19,044,643 | 21,288,629 | △ 2,243,985 | 89.5 |
18,304,659 | △ 385,161 | 97.9 | ||
賃貸事業資産 | 17,919,498 | |||
事業用土地資産 | ― | ― | ― | ― |
その他事業資産 | 225,368 | 249,411 | △ 24,043 | 90.4 |
有形固定資産 | 805,628 | 835,379 | △ 29,750 | 96.4 |
無形固定資産 | 10,050 | 10,050 | ― | 100 |
その他の固定資産 | 87,342 | 1,892,372 | △ 1,805,029 | 4.6 |
△ 3,244 | ― | 100 | ||
貸倒引当金 | △ 3,244 | |||
資産合計 | 26,308,553 | 26,022,091 | 286,462 | 101.1 |
流動負債 | 11,119,919 | 10,428,012 | 691,906 | 106.6 |
8,610,000 | ― | 100 | ||
短期借入金 | 8,610,000 | |||
次期返済長期借入金 | 444,182 | 442,867 | 1,315 | 100.3 |
未払金 | 1,727,376 | 1,039,034 | 688,341 | 166.2 |
前受金 | 6,022 | 6,418 | △ 396 | 93.8 |
預り金 | 317,703 | 315,090 | 2,613 | 100.8 |
14,601 | 32 | 100.2 | ||
その他の流動負債 | 14,634 | |||
固定負債 | 12,339,045 | 12,823,521 | △ 484,475 | 96.2 |
9,544,757 | △ 444,182 | 95.3 | ||
長期借入金 | 9,100,574 | |||
預り保証金 | 1,286,695 | 1,285,467 | 1,227 | 100.1 |
繰延建設補助金 | 178,704 | 183,317 | △ 4,613 | 97.5 |
引当金 | 1,680,612 | 1,717,519 | △ 36,907 | 97.9 |
92,458 | ― | 100 | ||
その他の固定負債 | 92,458 | |||
負債合計 | 23,458,965 | 23,251,533 | 207,431 | 100.9 |
資本金 | 50,000 | 50,000 | ― | 100 |
剰余金 | 2,799,588 | 2,720,557 ― 2,720,557 | 79,030 ― 79,030 | 102.9 ― 102.9 |
資本剰余金 | ― | |||
利益剰余金 | 2,799,588 | |||
資本合計 | 2,849,588 | 2,770,557 | 79,030 | 102.9 |
負債及び資本合計 | 26,308,553 | 26,022,091 | 286,462 | 101.1 |
第3 指 摘 事 項
1 管理代行及び指定管理に係る報告書の提出日について
「市営住宅の管理代行に関する基本協定書」及び「市営住宅及び定住促進住宅の指定管理に関する基本協定書」によると、供給公社は、業務報告書及び執行状況報告書を、年度終了後 4月 5日までに提出しなければならないとされている。報告書の提出状況を確認したところ、支払事務の関係上、 4月 5日までの提出
が困難であるため、例年 5月10日前後に提出されているとのことであった。
供給公社にあっては、協定書に従って報告書を提出されたい。また、協定書に定める提出日が実務的に困難な期日となっているのであれば、協定書が実態に則したものとなるよう、本市と協議を図られたい。
2 セキュリティシステムに係る契約方法について
供給公社では、管理事務所のセキュリティシステムについて随意契約により外部委託している。
随意契約の理由について確認したところ、平成21年 2月に盗難事件が発生したことから、平成21年 3月に名古屋市住宅供給公社財務会計規程第77条第 1項 3号に基づき、緊急の必要により競争入札に付することができないという理由により随意契約を行い、平成22年度以降は、自動更新を行っているとのことであった。
供給公社にあっては、競争性の高い契約方法となるよう改められたい。
3 物品の管理について
供給公社では「物品の管理に関する事務取扱要綱」及び「物品管理事務取扱手引き」(以下「要綱等」という。)等で物品の取扱いを定めており、供給公社の物品の管理状況を確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
(1) 要綱等の理解が十分でない部署があり、基準に沿って資産計上が必要な備品と費用計上が必要な消耗品の区分がされていなかった。
(2) 要綱等では、備品には備品小票を貼付することとされているが、備品小票が貼られていない備品が散見された。
供給公社にあっては、備品と消耗品の区分は資産・費用計上にあたり重要なこ
とであるため、基準に沿って正確に区分をされたい。また、備品小票の貼付が各部署において確実に実施されるよう改められたい。
4 公道として整備された供給公社保有土地について
供給公社が保有する土地で宅地開発に付随して公道として整備された箇所については、整備後、事業が終了した時点で本市へ譲渡することとしている。
供給公社保有土地を確認したところ、事業により公道の一部として整備された土地について、整備後、本市に譲渡されることなく供給公社で保有し続けている事例が見受けられた。
供給公社にあっては、本市と協議の上、必要な処理手続を行われたい。
5 会計処理に関するもの
(1) 財産目録の不備について
供給公社では、公社賃貸住宅の家賃等の未収金については住宅総合管理シス テム(以下「システム」という。)で管理しており、これに基づき総勘定元帳 を作成している。また、決算時には総勘定元帳により財産目録を作成している。
財産目録における事業未収金等の金額がシステムと一致しなかったため、この原因を調査したところ、システムの金額を誤って総勘定元帳に転記したこと等によるものと判明したが、一部、調査しても原因が不明なものもあった。なお、これまでシステムと総勘定元帳や財産目録との突合は行われておらず、過去から不一致が続いていた。
財産目録は資産及び負債の状況の詳細を明らかにするものであり、正確に作成される必要がある。供給公社にあっては、原因を追究した上で、必要な処理手続により財産目録とシステムの金額を一致されたい。また、システムと総勘定元帳との定期的な照合を行われたい。
(2) 分譲用土地及び建物に係る貸借対照表価額について
地方住宅供給公社会計基準によると、貸借対照表において、住宅等建設工事資産の計上額は取得原価(土地費、工事費及び事務費)から構成されること、正味売却価額を算定する際は販売経費等の見込額を控除すること、期末におけ
る正味売却価額が取得原価よりも下落している場合は正味売却価額をもって貸借対照表価額とすることとされている。
シティハイツ志段味の土地及び建物に係る貸借対照xxの会計処理について確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
ア 分譲資産等の取得原価を算定する際に、固有経費及び共通経費に係る事務費が含められていなかった。
イ 分譲資産等の正味売却価額を算定する際に、販売経費等の見込額が控除されていなかった。
上記のア、イを正しく算定した場合、貸借対照表における正味売却価額が取得原価よりも下落することとなる。
供給公社にあっては、地方住宅供給公社会計基準に従って会計処理を行われたい。また、シティハイツ志段味の土地及び建物については、正味売却価額をもって貸借対照表価額とされたい。
(3) 環境対策に係る引当金について
地方住宅供給公社会計基準によると、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとされている。
供給公社では、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により処理することが義務付けられているポリ塩化ビフェニルを収集して、処理費用に関する見積書を徴取したものの、引当金を費用計上していなかった。
供給公社にあっては、地方住宅供給公社会計基準に従って引当金を費用計上されたい。
(意 見)
供給公社においては、平成27年度までの計画である第 2次中期経営計画に基づ き、分譲住宅事業から市営住宅管理事業・賃貸事業への基幹事業のシフト、借入 金の返済目途の確立、分譲住宅事業に係る保有土地の事業化等を基本方針として、経営改善に取り組んできたところである。
供給公社は、本市の住宅施策を補完・代替する役割を担っており、中堅ファミリー世帯の市内定住の促進や、xx区志段味地区における分譲事業等の推進を図るため、本市及び民間金融機関等から事業資金の借り入れを行っている。
供給公社における平成27年度末の本市及び民間金融機関等からの借入金の残高は、第 8表のとおりである。供給公社によると、民間金融機関等からの借入金についてはxx返済しており、平成36年度に完済する予定となっている一方、本市からの借入金については、xxxのものなど一部を除き、本市との協議により償還を延伸している状況である。
供給公社にあっては、積極的に経営改善に取り組み、自主的・自立的な経営基 盤の確立を図るとともに、借入金の返済について、具体的な方策を検討されたい。
また、今回の監査では、財産目録に不備があったほか、土地及び建物に係る貸借対照表価額の計上誤りなど、不適正な会計処理に関する多くの事例が見受けられた。この原因としては、組織において、チェック体制が整備されていないことや会計の基本原則に対する理解が不足していることが考えられる。
供給公社にあっては、適正な会計処理を確保するため、こうした処理誤りの原因を調査し、複数の職員によるチェックの仕組みを整備するとともに、内部研修等により職員の会計事務に関する習熟度の底上げを行うなど、会計事務に関する内部統制の環境整備を着実に進められたい。
第 8表 借入金の年度末残高の推移
区 分 | 平成 23 年度 | 平成 24 年度 | 平成 25 年度 | 平成 26 年度 | 平成 27 年度 |
名古屋市 | 億円 165 | 億円 164 | 億円 163 | 億円 162 | 億円 162 |
民間金融機関等 | 46 | 46 | 44 | 23 | 19 |
合 計 | 211 | 211 | 207 | 185 | 181 |
(住宅都市局関係分)第1 監査結果の概要
供給公社に対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、住宅都市局所管の財務に関する事務のうち、供給公社に対する事務の執行について監査を実施した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
第2 指 摘 事 項
管理代行及び指定管理に係る報告書の提出日について
「市営住宅の管理代行に関する基本協定書」及び「市営住宅及び定住促進住宅の指定管理に関する基本協定書」によると、供給公社は、業務報告書及び執行状況報告書を、年度終了後 4月 5日までに提出しなければならないとされている。なお、協定書に定める提出日は、概算払の精算に係る名古屋市会計規則第82条の規定に基づき設定されたものである。
報告書の提出状況を確認したところ、支払事務の関係上、 4月 5日までの提出が困難であるため、例年 5月10日前後に提出されているとのことであった。
住宅都市局にあっては、協定書に従って報告書の提出を確認されたい。また、協定書に定める提出日が実務的に困難な期日となっているのであれば、協定書が実態に則したものとなるよう、名古屋市会計規則を所管する会計室と協議を図られたい。 (住宅管理課)
第3 意 見
供給公社への指導について
供給公社は、本市の住宅施策を補完・代替する役割を担う外郭団体であり、本市はその円滑な運営のために必要な指導調整を行う立場にある。
今回の監査では、財産目録に不備があったほか、土地及び建物に係る貸借対照表価額の計上誤りなど、会計処理に関する不適正な事例が多く見受けられた。
供給公社の所管局である住宅都市局にあっては、団体の円滑な運営のため、適正な会計処理が確保されるよう指導に努められたい。
監 査 種 別 出資団体監査
監 査 対 象 名古屋市住宅供給公社(工事)
(事務所所在地:西区浄心一丁目 1番 6号)
監 査 期 間 平成28年 4月 8日から
平成29年 2月14日まで
監 査 結 果
第1 監査の対象及び範囲
区分 | 件数 | 金額 | ||||
監査対象 (件) | 抽出 (件) | 抽出率 (%) | 監査対象 (百万円) | 抽出 (百万円) | 抽出率 (%) | |
工事 | 148 | 34 | 23.0 | 3,788 | 1,134 | 29.9 |
委託 | 101 | 13 | 12.9 | 1,274 | 152 | 11.9 |
今回の監査では、名古屋市住宅供給公社(以下「供給公社」という。)における平成27年 4月 1日から平成28年 3月31日までに完了及び平成28年 3月31日時点で施行中の工事並びに調査・設計及び保守管理委託を次表のとおり抽出した。
監査にあたっては、設計・積算・施工・検査・維持管理業務及び委託業務などが適正に執行されているかといった視点に加え、入居者の安全性に配慮した設計・施工となっているか、工事監理及び委託業務の履行確認が適切に行われているかなどに着眼して、書類調査及び現地調査を行った。
第2 監査結果の概要
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
また、監査対象とした団体が既に措置を講じたものについては、その内容を記載した。
なお、xxxx監査委員は、平成28年 3月31日まで理事として在任していたため、地方自治法第 199条の 2の規定により除斥となった。
1 指摘事項
(1) 積算
建設機械の積算について
(2) 施工
給水管の耐圧試験についてなど 3項目
第3 指 摘 事 項
1 積算
建設機械の積算について
バケット
供給公社は、外構工事の予定価格を決定するにあたって、住宅都市局の外構 工事標準単価表に基づき積算を行っている。その単価表では、土砂などを積込 及び運搬する費用の積算にあたり、積込機械であるバックホウの規格に応じて、運搬車両であるダンプの規格が決められており、バケット容量0.28立方メート ルのバックホウを使用した場合は、 4トンダンプの単価を計上することと定め ている。
「西茶屋荘 5~12棟環境再整備その他工事」及び「成願寺荘西 1~ 3棟駐車場再整備工事」では、土砂などを積込及び運搬する費用の積算にあたり、狭い現場条件などに合わせて、バケット容量0.28立方メート
ルのバックホウを使用することとしていた。
バックホウの例
この場合、運搬車両については 4トンダンプの単価を計上すべきところ、誤って 1回の積載量が多く運搬回数が少なくなる10トンダンプの単価を計上したため、結果として積算額約51万円及び約16万円がそれぞれ過小となっていた。
今回の事例は、平成25年度にも同様の指摘を行っており、建設機械の積算にあたっては、外構工事標準単価表に従い適切に行われたい。 (保全課)
2 施工
(1) 給水管の耐圧試験について
給水管の耐圧試験は、管の内部に圧力をかけることにより、施工した管に水漏れがないかなどを確認するための重要な試験である。給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成 9年厚生省令第14号。以下「省令」という。)では、耐圧試験の圧力値について、「給水装置(注 1)に該当する給水管」においては1.75メガパスカルとすると定めている。
また、供給公社における給水管改修工事の特記仕様書では、耐圧試験の圧力値について、直結方式(注 2)により飲料水を供給するための給水管(以下「直結方式による給水管」という。)においては1.75メガパスカル、住宅の共用部に施工する給水管においては 1メガパスカルとすると定めている。
「枇杷島荘外 1か所給水装置改修その他工事」では、共同住宅において給水管改修工事を行っており、その給水管に行う耐圧試験については、給水管改修工事の特記仕様書に従い行うこととしていた。その耐圧試験を行った給水管のうち、枇杷島荘における「住宅の共用部に施工された給水管の範囲」の耐圧試験の圧力値は 1メガパスカルを採用していた。しかし、今回の案件は、「住宅の共用部に施工する給水管の範囲」が「直結方式による給水管の範囲」と重複しており、「住宅の共用部に施工する給水管の範囲」であっても「給水装置に該当する給水管」であることから、耐圧試験の圧力値は1.75メガパスカルとしなければならなかった。
「給水装置に該当する給水管」の耐圧試験については、適正な圧力値が確実に採用されるよう特記仕様書を見直すことなどにより、適正な耐圧試験を行われたい。 (保全課)
(注1) 給水装置
名古屋市上下水道局などの水道事業者が管理している道路下に埋設された配水管から分岐して、飲料水を供給するために設けられた給水管及び給水用具。
(注2) 直結方式
配水管からの水圧を活かして給水する方式。
住戸
住戸
住戸
住戸
住戸
給水装置に該当する給水管
耐圧試験の圧力値1.75 メガパスカル
住宅の共用部に施工する給水管の範囲耐圧試験の圧力値 1 メガパスカル
直結方式による給水管の範囲
耐圧試験の圧力値1.75 メガパスカル
共 同 住 宅
本件工事のイメージ図
(2) 歩行者や利用者の安全の確保について
供給公社は、市営住宅敷地内の植栽の維持管理を行っており、歩道に面する敷地境界沿いに植えられたxxについては、歩行者や利用者が安全に通行できるようせん定などを実施している。
一方、道路上で車両や歩行者の交通の安全性及び円滑性に支障をきたさないよう、ある一定の幅及び高さの範囲内には障害となるようなものを配置してはならない空間を確保するために、道路法(昭和27年法律第 180号)では建築限界を定めている。歩道の建築限界にあっては、歩道の幅に対し路面から高さ 2.5メートルと定めており、その範囲内に照明施設やxxなどを設けてはならないとしている。
「西茶屋荘 5~12棟環境再整備その他工事」では、市営住宅敷地内のxxの維持管理として、歩道に面する敷地境界沿いに植えられたxxの枝や幹をせん定していた。現地のせん定されたxxを確認したところ、歩道の路面から高さ 1.6メートルの箇所に、太い枝がせん定されず建築限界の範囲内に残っていたため、歩行者などの通行の支障となり、安全性が確保されていない状態であった。
当該xxについては、歩行者などの安全な通行に支障となっている枝をせん定されたい。
また、今後、歩道に面するxxのせん定にあたっては、建築限界を考慮して適切にせん定するよう受注者を指導されたい。 (保全課)
なお、供給公社においては、指摘に基づき平成28年 5月にせん定を完了した。
2.5
メートル
歩道
住宅敷地
建築限界
建築限界のイメージ図
(3) 六価クロム溶出試験について
供給公社の環境再整備工事の特記仕様書では、図面及び特記仕様書に記載さ れていない事項は、緑政土木局の土木工事標準仕様書に準拠すると定めている。この標準仕様書では、セメント系固化材を使用して地盤改良(注 1)などを行う 場合は、国土交通省の「セメント及びセメント系固化材を使用した改良土の六 価クロム溶出試験実施要領(案)」(以下「実施要領」という。)により六価ク ロム(注 2)溶出試験を実施しなければならないと定めている。
「大高荘環境再整備その他工事」では、駐車場の既設舗装を撤去して、舗装工事を行うこととしていた。舗装の撤去後に、地盤を確認したところ軟弱であったため、セメント系固化材を使用して地盤改良を行っていたが、必要な六価クロム溶出試験を実施していなかった。
セメント系固化材を使用した地盤改良の施工にあたっては、実施要領に従い六価クロム溶出試験を確実に実施するよう受注者を指導されたい。
(保全課)
(注1) 地盤改良
軟弱な地盤の土とセメント系固化材などをかくはんし固化させ、地盤の耐力を増すことにより、不等沈下を防ぐ工事。
(注2) 六価クロム
セメント系固化材を使用して地盤改良などを行った場合に発生するおそれのある有害物質。
監 査 種 別 出資団体監査
監 査 対 象 名古屋高速道路公社
(事務所所在地:北区xx四丁目17番30号)
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成29年 2月14日まで
監 査 結 果
(名古屋高速道路公社分)第1 監査結果の概要
住宅都市局所管の出資団体である名古屋高速道路公社(以下「道路公社」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、出納その他の事務の監査を実施した。
道路公社の基本財産は 3,174億 800万円であり、そのうち本市の出資額は 1,587億 400万円である。
今回の監査は、道路公社の事業運営は出資目的に沿って適正に執行されているか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて適正に作成されているかなどについて、主として平成27年度(平成27年 4月 1日
~平成28年 3月31日)の事務について調査した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
道路公社は、名古屋市の区域及びその周辺において、その通行又は利用につい て料金を徴収することができる指定都市高速道路(以下「高速道路」という。) の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により、この地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって住民 の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的として、昭和45年 9月に地 方道路公社法(昭和45年法律第82号)に基づいて、本市及び愛知県の出資により 設立された。
主な事業内容は、①高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理、②国、地方公共団体、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社又は西日本高速道路株式会社の委託に基づき、高速道路の管理と密接な関連のある道路の管理を行うこと等である。
これらの事業を運営するため、理事長始め役員 4人、監事 1人が置かれており、職員数は 194人(嘱託員等46人を含む。)となっている。機構及び職員配置状況 は、次図のとおりである。
機構図 (平成28年 3月31日現在)
理 事 長 ( 1人)
監 査 室 ( 4人)
副理事長 ( 1人)
x x 部 (部長 1人)
技術管理室 (11人)x x 課 (23人)
会 計 課 (13人)
理 事 ( 2人)
監 事 ( 1人)
経営企画部 (部長 1人)
交通管理部 (部長 1人)
整 備 部 (部長 1人)
企 画 課 (18人)調 査 課 ( 8人)広 報 課 (10人)交通管理課 (21人)料 金 課 (14人)企画整備課 (20人)工 事 課 (20人)施 設 課 (18人)環境対策課 (10人)
1 事 業 状 況
(1) 高速道路建設事業
昭和54年に最初の路線が開通して以降、xx開通区間を拡大し、平成25年11月に東海線(六番北~xx間 3.9km)が開通したことにより、全計画路線(総延長約81.2km)の供用開始に至っている。供用区間については、第 1表及び次図のとおりである。
なお、平成27年度には高速 5号万場線名古屋西 JCTにおいて名古屋第二環状自動車道西南部との連絡路の建設工事等を実施した。
第 1表 供用区間 (平成28年 3月31日現在)
路線番号 | 路線呼称 | 区 間 | 距 離 |
R | 高速都心環状線 | 都心環状線部 | km 10.3 |
1 | 高速 1号楠線 | 東片端 JCT~楠 JCT | 5.6 |
2 | 高速 2号xx線 | 新xx JCT~高針 JCT | 10.3 |
3 | 高速 3号xx線 | xxx JCT~名古屋南 JCT | 12.1 |
4 | 高速 4号東海線 | 山王 JCT~東海 JCT | 12.0 |
5 | 高速 5号万場線 | 新xx JCT~名古屋西 JCT | 6.8 |
6 | 高速 6号xx線 | xx町 JCT~清洲 JCT | 7.0 |
11 | 高速11号小牧線 | 楠 JCT~小牧IC | 8.2 |
16 | 高速16号xx線 | 清洲 JCT~xx市緑四丁目 | 8.9 |
合 計 | 81.2 |
路線図
(2) 高速道路営業事業
供用開始されている有料道路の料金収受業務及び維持管理業務を行っている。高速道路の通行台数及び料金収入状況は、第 2表のとおりである。
第 2表 通行台数及び料金収入状況
年 度 | 通行台 数 | 料金収入 | |||
年度合計 | 日平均 | ETC利用率 | 年度合計 | 日平均 | |
平成25年度 | 台 112,279,038 | 台 307,613 | % 92.2 | 千円 64,918,232 | 千円 177,858 |
平成26年度 | 112,502,819 | 308,226 | 92.7 | 67,944,042 | 186,148 |
平成27年度 | 117,588,373 | 321,279 | 93.0 | 71,780,941 | 196,122 |
(3) 受託事業
平成27年度には本市からの委託によるxx線の歩道橋工事、中日本高速道路株式会社からの委託による名古屋第二環状自動車道西南部連絡路建設工事を実施した。
2 決 算 状 況
平成27年度及び平成26年度の比較損益計算書及び比較貸借対照表は、第 3表及び第 4表のとおりである。
第 3表 比較損益計算書
平成27年度 平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日平成26年度 平成26年 4月 1日~平成27年 3月31日
科 | 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較増△減 | 前年度対比 | |
収益の部 | 経常収益 業務収入 道路料金収入 ETC マイレージ還元負担金収入業務雑収入 業務外収益 受取利息雑益 | 千円 72,561,899 72,454,669 71,780,941 597,568 76,159 107,229 3,342 103,887 | 千円 68,638,410 68,541,263 67,944,042 549,711 47,510 97,147 6,571 90,575 | 千円 3,923,488 3,913,405 3,836,899 47,857 28,649 10,082 △ 3,229 13,312 | % 105.7 105.7 105.6 108.7 160.3 110.4 50.9 114.7 | |
合 | 計 | 72,561,899 | 68,638,410 | 3,923,488 | 105.7 | |
費用の部 | 経常費用 事業資産管理費道路管理費 貸倒引当金繰入 ETC マイレージ還元負担金 ETC マイレージ引当金繰入 一般管理費 一般管理費 賞与引当金繰入 退職給与引当金繰入減価償却費 引当金等繰入 償還準備金繰入業務外費用 債券利息 借入金利息 元利金支払手数料等債券発行諸費償却 証書借入金諸費償却 雑損 | 72,561,899 19,894,816 18,855,294 1,072 1,023,618 14,830 1,677,839 1,459,389 76,497 66,334 75,617 41,950,915 41,950,915 9,038,328 5,697,624 3,123,921 36,433 138,628 38,603 3,117 | 68,638,410 16,801,300 15,815,315 926 952,502 32,556 1,753,070 1,463,861 57,186 173,299 58,722 40,325,695 40,325,695 9,758,344 5,913,143 3,648,307 35,633 139,209 21,397 652 | 3,923,488 3,093,516 3,039,979 146 71,116 △ 17,725 △ 75,231 △ 4,472 19,310 △ 106,964 16,894 1,625,219 1,625,219 △ 720,015 △ 215,519 △ 524,386 800 △ 581 17,206 2,464 | 105.7 118.4 119.2 115.8 107.5 45.6 95.7 99.7 133.8 38.3 128.8 104.0 104.0 92.6 96.4 85.6 102.2 99.6 180.4 477.6 | |
合 | 計 | 72,561,899 | 68,638,410 | 3,923,488 | 105.7 |
第 4表 比較貸借対照表
平成27年度 平成28年 3月31日現在平成26年度 平成27年 3月31日現在
科 | 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較増△減 | 前年度対比 | |
資産の部 | 流動資産 現金・預金未収金 前払費用仮払金 貸倒引当金固定資産 事業資産道路 事業資産建設仮勘定道路建設仮勘定 有形固定資産建物 車両・運搬具 工具・器具・備品無形固定資産 電話加入権 その他の無形固定資産投資その他の資産 敷金・保証金その他の資産 繰延資産 債券発行諸費 証書借入金諸費 | 千円 | 千円 | 千円 | % | |
7,664,943 | 6,998,425 | 666,518 | 109.5 | |||
79,280 | 268,014 | △ 188,733 | 29.6 | |||
7,558,477 | 6,701,652 | 856,824 | 112.8 | |||
28,855 | 30,682 | △ 1,827 | 94.0 | |||
587 | 154 | 433 | 381.4 | |||
△ 2,257 | △ 2,078 | △ 179 | 108.6 | |||
1,673,386,413 | 1,668,452,894 | 4,933,518 | 100.3 | |||
1,672,069,554 | 1,668,094,955 | 3,974,598 | 100.2 | |||
1,672,069,554 | 1,668,094,955 | 3,974,598 | 100.2 | |||
821,369 | 162,508 | 658,861 | 505.4 | |||
821,369 | 162,508 | 658,861 | 505.4 | |||
482,075 | 181,904 | 300,170 | 265.0 | |||
35,514 | 37,552 | △ 2,037 | 94.6 | |||
401,255 | 110,305 | 290,950 | 363.8 | |||
45,305 | 34,047 | 11,258 | 133.1 | |||
2,341 | 2,416 | △ 74 | 96.9 | |||
2,247 | 2,247 | ― | 100 | |||
93 | 168 | △ 74 | 55.6 | |||
11,072 | 11,110 | △ 37 | 99.7 | |||
10,214 | 10,262 | △ 47 | 99.5 | |||
858 | 848 | 10 | 101.2 | |||
993,735 | 1,021,314 | △ 27,579 | 97.3 | |||
962,126 | 975,834 | △ 13,708 | 98.6 | |||
31,608 | 45,480 | △ 13,871 | 69.5 | |||
合 | 計 | 1,682,045,092 | 1,676,472,634 | 5,572,457 | 100.3 | |
負債及び資本の部 | 流動負債 | 90,050,520 | 83,976,162 | 6,074,358 | 107.2 | |
1年以内返済予定長期借入金 | 83,020,129 | 75,645,694 | 7,374,434 | 109.7 | ||
短期借入金 | ― | 1,000,000 | △ 1,000,000 | ― | ||
未払金 | 5,713,809 | 5,987,877 | △ 274,068 | 95.4 | ||
未払費用 | 1,228,202 | 1,259,934 | △ 31,731 | 97.5 | ||
預り金 | 11,833 | 15,209 | △ 3,375 | 77.8 | ||
仮受金 | 48 | 44 | 3 | 107.8 | ||
賞与引当金 | 76,497 | 67,402 | 9,095 | 113.5 | ||
固定負債 | 693,481,222 | 736,680,038 | △ 43,198,816 | 94.1 | ||
名古屋高速道路債券 | 381,000,000 | 378,000,000 | 3,000,000 | 100.8 | ||
愛知県借入金 | 62,645,224 | 71,345,074 | △ 8,699,849 | 87.8 | ||
名古屋市借入金 | 62,645,819 | 71,345,740 | △ 8,699,920 | 87.8 | ||
政府借入金 | 141,723,723 | 160,648,171 | △ 18,924,447 | 88.2 | ||
地方公共団体金融機構借入金 | 13,549,610 | 15,365,522 | △ 1,815,911 | 88.2 | ||
長期借入金 | 24,000,000 | 32,000,000 | △ 8,000,000 | 75.0 | ||
退職給与引当金 | 636,242 | 709,759 | △ 73,517 | 89.6 | ||
ETC マイレージ引当金 | 258,851 | 244,021 | 14,830 | 106.1 | ||
資産見返交付金 | 7,021,750 | 7,021,750 | ― | 100 | ||
特別法上の引当金等 | 581,105,348 | 539,154,433 | 41,950,915 | 107.8 | ||
償還準備金 | 581,105,348 | 539,154,433 | 41,950,915 | 107.8 | ||
(負債合計) | 1,364,637,092 | 1,359,810,634 | 4,826,457 | 100.4 | ||
基本金 | 317,408,000 | 316,662,000 | 746,000 | 100.2 | ||
愛知県出資金 | 158,704,000 | 158,331,000 | 373,000 | 100.2 | ||
名古屋市出資金 | 158,704,000 | 158,331,000 | 373,000 | 100.2 | ||
(資本合計) | 317,408,000 | 316,662,000 | 746,000 | 100.2 | ||
合 | 計 | 1,682,045,092 | 1,676,472,634 | 5,572,457 | 100.3 |
第3 指 摘 事 項
1 原因者負担金に係る手数料について
道路公社では、高速道路を損傷する行為等により復旧工事等の必要が生じた場合には、当該原因者にその費用及び事務費(以下「原因者負担金」という。)について費用負担命令を行っている。所定の期限までに納付されない場合には、督促状を郵送して納入を督促しているが、この場合においては、督促状 1通につき 52円の手数料を徴収することとされている。
原因者負担金に係る事務について確認したところ、道路公社では手数料を徴収していなかった。
道路公社にあっては、手数料を適正に徴収されたい。
2 支払猶予者に係る債権管理について
道路公社では、料金所において利用者が通行料金を所持していないとき等に料金の収受を猶予することがある。この場合においては、当該利用者(以下「支払猶予者」という。)に料金未払確認書へ氏名等の記入を求めるとともに料金支払請求書を交付することとされており、所定の期限までに納付されない場合には、督促状を郵送して督促している。
支払猶予者に係る督促事務について確認したところ、料金未払確認書に記入さ れた氏名等に基づき督促状を郵送しても宛先不明で届かない事例が見受けられた。
このような実態を鑑みると、支払猶予者の氏名及び住所を正確に把握すること は債権管理の上で重要であると考えられる。道路公社にあっては、通行料金の収 受を猶予する際には氏名及び住所について運転免許証による確認を実施するなど、支払猶予者に係る債権管理の強化について検討されたい。
3 賞与支払いに係る社会保険料の会計処理について
地方道路公社では、収益及び費用をその発生の事実に基づいて経理しなければならないこととされている。
道路公社の会計処理について確認したところ、賞与に係る社会保険料事業主負担分が費用計上されていなかった。
道路公社にあっては、賞与に係る社会保険料事業主負担分について、発生の事実に基づき費用計上されたい。
(意 見)
道路公社における経営の状況をみると、第 2表のとおり、通行台数と料金収入は増加傾向にあり、第 5表のとおり、平成27年度末の償還準備金は 5,811億円を超え、中期経営計画で目標とした 5,760億円を順調に達成している状況である。しかしながら、昭和54年の第 1期供用開始から37年が経過した名古屋高速道路 の構造物は、平成28年10月に高架下へのモルタル片の落下事故が発生するなど、経年に伴い一部について損傷の顕在化が見られており、道路公社においては保守
・点検の強化による維持管理費の増加が見込まれるところである。
また、名古屋高速道路では平成23~27年度に二回の社会実験が実施されるなど、より利用しやすい料金について検討が行われている一方、近年首都圏や近畿圏で は料金圏を有する均一料金制から料金圏のない対距離制への移行が進んできてお り、今後中京圏についても料金体系の見直しに関する議論が進む可能性がある。
こうした状況を踏まえ、道路公社にあっては、料金収入が堅調に推移しているとはいえ、安全・安心・快適性を確保しつつ確実な償還を継続するため、様々な事態に備え、引き続き収入増加及び経費削減の取り組みを推進し、経営基盤の強化に努められたい。
第 5表 償還準備金の目標と実績の推移
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
目 標 | 億円 4,957 | 億円 5,360 | 億円 5,760 |
実 績 | 4,988 | 5,392 | 5,811 |
実績-目標 | +31 | +32 | +51 |
(住宅都市局関係分)第1 監査結果の概要
道路公社に対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、住宅都市局所管の財務に関する事務のうち、道路公社に対する事務の執行について監査を実施した。
第2 指 摘 事 項
特になし
監 査 種 別 出資団体監査
監 査 対 象 xx大通駐車場株式会社
(事務所所在地:中区大須三丁目 6番10号先)
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成29年 2月14日まで
監 査 結 果
(xx大通駐車場株式会社分)第1 監査結果の概要
住宅都市局所管の出資団体であるxx大通駐車場株式会社(以下「xx駐車場」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、出納その他の 事務の監査を実施した。
xx駐車場の資本金は10億 6,300万円であり、そのうち本市の出資は、6億 200万円である。
今回の監査は、xx駐車場の事業運営は出資目的に沿って適正に執行されているか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて適正に作成されているかなどについて、主として第25期(平成27年 2月 1日~平成28年 1月31日)の事務について調査した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
xx駐車場は、xx大通周辺区域の駐車場不足に対応して、地元商店街等の活性化及び道路交通の円滑化を図るため、xx大通の地下に駐車場(以下「xxパーク」という。)を建設、管理運営を図る目的で平成 3年 6月に設立され、平成 6年 4月に開業された。その後、平成14年の無償減資、平成15年の増資を経て、資本金は10億 6,300万円となり、現在に至っている。なお、株主は第 1表のとおりである。
第 1表 株主一覧 (平成28年 1月31日現在)
資本金総額 | 株 主 名 | 出資金額 | 出資比率 | 株 式 数 |
千円 | 千円 | % | 株 | |
1,063,000 | 名古屋市 | 602,000 | 56.6 | 6,020 |
株式会社エンゼルパーク | 200,000 | 18.8 | 2,000 | |
株式会社大丸松坂屋百貨店 | 101,600 | 9.6 | 1,016 | |
その他民間 | 159,400 | 15.0 | 1,594 |
主な事業内容は、xxパークの経営等である。
この事業を運営するため、社長を始め取締役 8人及び監査役 1人が置かれ、従 業員数は 8人(嘱託員 7人を含む。)となっている。機構及び従業員配置状況は、次図のとおりである。
機構図 (平成28年 1月31日現在)
取 締 役 会
代表取締役社長( 1人)
取
締
役( 7人)
※うち常勤の取締役 2人
監
査
役( 1人)
総務部( 1人)
管理部( 7人)
営業部( 0人)
1 事 業 状 況
xxパークの総利用台数及び料金収入状況の推移は第 2表のとおりである。
第 2x x利用台数及び料金収入状況の推移
区 分 | 第23期 | 第24期(B) | 第25期(A) | 増△減 (A-B) | 増△減率 (A-B)/B×100 |
収 容 台 数 | 400台 | 400台 | 400台 | ― | ― |
総利用台数 | 186,899台 | 177,686台 | 179,223台 | 1,537台 | 0.9% |
利 用 率 | 10.4% | 10.3% | 10.7% | 0.4ポイント | 3.7% |
料 x x 入 | 195,060千円 | 188,172千円 | 193,829千円 | 5,657千円 | 2.9% |
(注)第23期:平成25年 2月 1日~平成26年 1月31日第24期:平成26年 2月 1日~平成27年 1月31日第25期:平成27年 2月 1日~平成28年 1月31日
利用率=料金収入(実績値)/年間最大料金収入(理論値)× 100
2 決 算 状 況
第25期及び第24期の比較損益計算書及び比較貸借対照表は、第 3表及び第 4表のとおりである。
第 3表 比較損益計算書
科 目 | 第25期 | 第24期 | 比較増△減 | 前年度対比 |
売 x x | x円 229,166 | 千円 225,301 | 千円 3,865 | % 101.7 |
販売費及び一般管理費 | 203,136 | 208,062 | △ 4,926 | 97.6 |
営業利益 | 26,029 | 17,238 | 8,791 | 151.0 |
営業外収益受取利息 雑収入 | 4,993 6 4,986 | 4,804 5 4,799 | 188 1 187 | 103.9 130.3 103.9 |
営業外費用支払利息 雑損失 | 16,213 16,211 1 | 16,774 16,774 0 | △ 561 △ 563 1 | 96.7 96.6 326.8 |
経常利益 | 14,809 | 5,267 | 9,541 | 281.1 |
特別損失 固定資産除却損 | 266 266 | ― ― | 266 266 | ― ― |
税引前当期純利益 | 14,542 | 5,267 | 9,274 | 276.1 |
法人税、住民税及び事業税 | 6,054 | 1,433 | 4,621 | 422.4 |
法人税等調整額 | △ 1 | 482 | △ 484 | ― |
当期純利益 | 8,489 | 3,351 | 5,137 | 253.3 |
第25期 平成27年 2月 1日~平成28年 1月31日第24期 平成26年 2月 1日~平成27年 1月31日
第 4表 比較貸借対照表
第25期 平成28年 1月31日現在第24期 平成27年 1月31日現在
科 目 | 第25期 | 第24期 | 比較増△減 | 前年度対比 | |
資産の部 | 千円 | 千円 | 千円 | % | |
(流動資産) | (69,290) | (60,392) | (8,897) | (114.7) | |
現金及び預金 | 58,828 | 49,403 | 9,424 | 119.1 | |
売掛金 | 7,509 | 7,542 | △ 33 | 99.6 | |
未収入金 | 570 | 661 | △ 91 | 86.2 | |
貯蔵品 | 422 | 872 | △ 450 | 48.4 | |
前払費用 | 1,378 | 1,331 | 46 | 103.5 | |
繰延税金資産 | 582 | 581 | 1 | 100.3 | |
その他 | 0 | 0 | ― | 100 | |
(固定資産) | (3,115,284) | (3,191,541) | (△ 76,256) | (97.6) | |
有形固定資産 | (3,113,905) | (3,189,727) | (△ 75,822) | (97.6) | |
建物 | 3,102,569 | 3,179,278 | △ 76,709 | 97.6 | |
構築物 | 7,440 | 6,205 | 1,235 | 119.9 | |
機械装置 | 1,732 | 807 | 924 | 214.5 | |
什器備品 | 2,163 | 3,436 | △ 1,273 | 62.9 | |
無形固定資産 | (1,379) | (1,813) | (△ 434) | (76.1) | |
ソフトウェア | 1,229 | 1,663 | △ 434 | 73.9 | |
電話加入権 | 150 | 150 | ― | 100 | |
資 産 合 計 | 3,184,575 | 3,251,934 | △ 67,358 | 97.9 | |
負債の部 | (流動負債) | (2,322,412) | (1,728,562) | (593,849) | (134.4) |
短期借入金 | 1,069,200 | 1,106,100 | △ 36,900 | 96.7 | |
1年以内返済予定の長期借入金 | 1,222,912 | 595,414 | 627,498 | 205.4 | |
未払金 | 6,411 | 6,627 | △ 216 | 96.7 | |
未払費用 | 7,177 | 5,363 | 1,814 | 133.8 | |
未払法人税等 | 6,335 | 2,066 | 4,268 | 306.5 | |
未払消費税等 | 4,315 | 6,709 | △ 2,393 | 64.3 | |
預り金 | 469 | 524 | △ 54 | 89.6 | |
前受金 | 5,588 | 5,757 | △ 168 | 97.1 | |
その他 | 2 | ― | 2 | ― | |
(固定負債) | (―) | (669,698) | (△ 669,698) | (―) | |
長期借入金 | ― | 669,698 | △ 669,698 | ― | |
負 債 合 計 | 2,322,412 | 2,398,260 | △ 75,848 | 96.8 | |
純資産の部 | (株主資本)資本金 利益剰余金 繰越利益剰余金 | (862,163) | (853,673) | (8,489) | (101.0) |
1,063,000 | 1,063,000 | ― | 100 | ||
△ 200,836 | △ 209,326 | 8,489 | 95.9 | ||
△ 200,836 | △ 209,326 | 8,489 | 95.9 | ||
純 資 産 合 計 | 862,163 | 853,673 | 8,489 | 101.0 | |
負債純資産合計 | 3,184,575 | 3,251,934 | △ 67,358 | 97.9 |
第3 指 摘 事 項
情報保護について
xx駐車場では、情報保護規程において、緊急事態対応計画を策定すること、不正アクセス行為を防止するため必要な措置を講ずることとされている。
情報保護について確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
(1) 情報保護規程に基づく緊急事態対応計画が策定されていなかった。
(2) 業務用パソコンを起動する際に入力するパスワードの更新時期、頻度について定められておらず、各職員の判断に委ねられていた。
xx駐車場にあっては、情報保護規程に従って緊急事態対応計画を策定されたい。また、不正アクセス行為を防止するため、適切なパスワードの管理について検討されたい。
(意 見)
xx駐車場の第25期末の借入金の残高は約23億円であり、これは、愛知県(12億 2,291万円)及び三菱東京 UFJ銀行株式会社(10億 6,920万円)から借り入れたものである。平成20年度において約定返済が困難となったため、両債権者及び本市との 4者会議で協議を行い、経営体力に見合った返済計画となるよう合意が得られ、その償還に努めているところである。債権者の理解の下での返済であることから、xx駐車場では借入金の返済を最優先とし、第25期まではキャッシュ
・フローを全て返済に充て、設備更新費の積み立ては行われていない。
平成 6年に開業したxxパークの設備機器は、経年に伴い一部について既に耐用年数を経過しており、運営に支障は出ていないものの、劣化が進み更新の必要性が高まっている。xx駐車場によると、今後10年以内に必要な設備更新に係る見積費用は 2億円を上回るとのことであるが、具体的な更新計画や資金計画は現在のところ未作成となっている。
ところで、経営を安定させ借入金の早期返済を達成するためには、駐車場利用の増加が求められるが、第 2表のとおり、いずれの指標もほぼ横ばいと伸び悩んでいる状況である。この原因の一つとして料金設定が考えられ、現在の時間貸料
金は平成 8年より約20年間変更されていない。xxパークは栄・大須両地区をつなぐ役割を掲げており、両地区の大規模駐車場と比較すると、第 5表のとおり、栄地区とほぼ同等の料金設定であり大須地区に対しては割高となっている。
栄・大須両地区の中間にあるが故にいずれの地区とも距離的利便性に劣る立地の下で、周辺駐車場との厳しい競争のなか今後も事業継続をしていくためには、利用者ニーズに対応した設備投資や周辺駐車場に対し競争力のある料金設定が必要になるのではないかと思料される。
xx駐車場にあっては、 4者会議における協議の上、必要な設備更新について具体的なスケジュールや工法を検討するとともに計画的な積み立てを行い、経営基盤の強化に努められたい。また、利用率の伸び悩みは債務不履行につながり、ひいては設立の目的を果たせなくなることから、戦略的な料金設定を検討し、競争力の強化を図られたい。
第 5x x・大須地区の大規模駐車場との昼間料金比較(平成28年 9月現在)
区 分 | 収容台数 | 平 日 | 土日xx | ||
時間貸料金 | 最大料金 | 時間貸料金 | 最大料金 | ||
(栄地区) エンゼルパーク駐車場 | 台 843 | 円 280 | 円 ― | 円 280 | 円 ― |
名鉄協商パーキングナ デ ィ ア パ ー ク | 440 | 270 | 1,500 | 270 | ― |
x x パ ー ク | 400 | 280 | 1,400 | 280 | ― |
(大須地区) 万 松 寺 駐 車 場 | 800 | 200 | 1,100 | 200 | 1,500 |
万松寺パーキングビル | 305 | 200 | 1,100 | 200 | 1,500 |
(注) 1 栄地区は地下鉄矢場町駅周辺、大須地区は大須商店街周辺で収容台数が 300台以上の駐車場を抽出
2 時間貸料金は、 8時から18時の間に30分間駐車した場合の料金
3 最大料金は、 8時から18時まで連続して駐車した場合の料金(キャンペーン料金を除く。)
4 xxパークでは、平日に最初の 1時間の駐車料金を 280円とする及び土日xxに駐車時間を15分差し引いて料金計算するサービスを実施
(住宅都市局関係分)第1 監査結果の概要
xx駐車場に対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、住宅都市局所管の財務に関する事務のうち、xx駐車場に対する事務の執行につ いて監査を実施した。
第2 指 摘 事 項
特になし
監 | 査 | 種 | 別 | 出資団体監査 |
監 | 査 | 対 | 象 | 公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー |
(事務所所在地:中区xx丁目10番19号)
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成29年 2月20日まで
監 査 結 果
(公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー分)第1 監査結果の概要
観光文化交流局所管の出資団体である公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー(以下「ビューロー」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、出納その他の事務の監査を実施した。
ビューローの基本財産は10億 5,500万円であり、そのうち本市の出えん額は 5億円である。
平成27年度において、本市はビューローに対して、観光客の誘致宣伝活動等に対する補助金として 2億 9,018万円を交付している。
今回の監査は、ビューローの事業運営は出資目的に沿って適正に執行されているか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づいて適正に作成されているかなどについて、主として平成27年度(平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日)の事務について調査した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
ビューローは、名古屋市及び周辺地域の産業技術、文化、歴史等の資源を活用して、コンベンションの誘致及び観光の振興を図ることにより、名古屋市の産業経済の活性化及び文化の向上並びに国際相互理解の増進に寄与することを目的として、平成 2年10月、その前身である社団法人名古屋市観光推進協会(昭和60年 7月設立)を組織変更し、「財団法人名古屋観光コンベンションビューロー」として設立された。平成23年 6月には、公益法人制度に基づく公益財団法人に移行し、今日に至っている。
主な事業内容は、①コンベンション誘致に関する情報収集及び分析、コンベンションの開催支援、②観光に関する資源の造成、広報及び情報の提供、観光関係団体等との連携、③名古屋の魅力を広く発信する各種イベントの開催及び支援、
④観光案内所における観光情報の提供事業等である。
これらの事業を運営するため、理事会、参与、顧問、評議員会、監事及び事務局が置かれており、職員数は46人(専務理事が兼務する事務局長を除く。嘱託員 9人を含む。)となっている。機構及び職員配置状況は、次図のとおりである。
機構図 (平成28年 3月31日現在)
理事会
事務局
事務局長
総務部長
( 1人)
総務グループ ( 3人)
理 事 長
(専務理事兼務)
経理・企画グループ ( 3人)
( 1人)
事業戦略グループ ( 6人)
専務理事
( 1人)
観光部長
( 1人)
国内観光グループ ( 6人)
理 事
(12人)
国際グループ ( 6人)
おもてなしグループ ( 11人)
コンベンション部長
( 1人)
コンベンショングループ ( 6人)
MICE専門員 ( 1人)
名古屋国際会議場 ( 1人)
監 事 ( 3 人)
評議員会
評議員
(20 人)
顧 問
(10 人)
参 与
( 6 人)
1 事 業 状 況
(1) コンベンション事業
「ロボカップ2017世界大会」はじめコンベンションの誘致を行うとともに、国際会議開催助成等による開催支援を行った。
コンベンション誘致件数等の推移は、第 1表のとおりである。
第 1表 コンベンション誘致件数等の推移
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | |
誘致件数 | 26件 | 23件 | 32件 | |
国際会議開催助成金 | 件数 金額 | 7件 9,500千円 | 4件 6,500千円 | 5件 6,076千円 |
コンベンション開催準 備貸付金 | 件数 金額 | 1件 1,200千円 | 1件 3,000千円 | 1件 3,000千円 |
(2) 観光事業
ア 観光資源の広報宣伝
英語や中国語等のホームページをスマートフォンで利用しやすいよう最適化を行ったほか、県市連携により設置された「なごやめし普及促進協議会」の事務局として事業を行った。
イ 観光客の誘致 (ア) 国内観光
中部国際空港(セントレア)等と連携し、札幌、熊本、xxxにおいて、名古屋城本丸御殿第二期公開に向けた観光プロモーション等を行った。
(イ) 国際観光
「日本の観光・物産博in台湾」等への出展や、シドニーへのセールスコール等を行った。
ウ フィルムコミッション事業の推進
映画「MOZU」やテレビドラマ「レッドクロス」等への撮影支援や、在名民放テレビ局との連携による映像コンテンツを活用した当地魅力の発信に向けた取り組み等を行った。
(3) イベント事業
「なごやめし博覧会」、「旅まつり名古屋」等のイベントを開催するとともに、「にっぽんど真ん中祭り」等のイベントの開催支援等を行った。
(4) 観光案内所の管理・運営
名古屋駅観光案内所始め 3カ所の観光案内所の管理運営を本市から受託し、観光客に対して観光情報の提供等を行った。各観光案内所における案内人数の推移は、第 2表のとおりである。
第 2表 各観光案内所における案内人数の推移
区 分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
名古屋駅観光案内所 | 454,930人 (57,753人) | 458,514人 (81,750人) | 465,138人 (99,604人) |
xx観光案内所 | 166,936人 ( 4,303人) | 171,365人 ( 5,833人) | 175,860人 ( 6,798人) |
オアシス21iセンター | 216,341人 ( 7,310人) | 219,908人 (10,036人) | 218,908人 (11,931人) |
計 | 838,207人 (69,366人) | 849,787人 (97,619人) | 859,906人 (118,333人) |
(注)下段( )は、内数で外国人案内人数
(5) 観光案内所観光宣伝物品販売事業(収益事業等)
観光案内所を訪れる観光客及び市民の利便のため、名古屋グッズ、観光絵はがき、一日乗車券等の物品を販売した。
(6) 会員サービス事業(収益事業等)
賛助会員のつどいやビジネスセミナーを開催するとともに、「賛助会員増強キャンペーン」を実施し、組織全体で会員の増強に努めた。
2 決 算 状 況
平成27年度及び平成26年度の比較正味財産増減計算書及び比較貸借対照表は、第 3表及び第 4表のとおりである。
第 3表 比較正味財産増減計算書
平成27年度 平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日平成26年度 平成26年 4月 1日~平成27年 3月31日
科 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較 増△減 | 前年度 対比 |
I一般正味財産増減の部 1 経常増減の部 (1) 経常収益 ① 基本財産運用益 ② 受取会費 ③ 事業収益 ④ 負担金収益 ⑤ 受託事業収益 ⑥ 受取補助金 ⑦ 雑収益 経常収益計 (2) 経常費用 ① 事業費 ② 管理費 経常費用計 評価損益等調整前当期経常増減額特定資産評価損益 当期経常増減額 2 経常外増減の部 (1) 経常外収益 経常外収益計 (2) 経常外費用 経常外費用計 当期経常外増減額 当期一般正味財産増減額一般正味財産期首残高 一般正味財産期末残高 Ⅱ指定正味財産増減の部 ① 受取補助金 ② 基本財産受取利息 ③ 一般正味財産への振替額当期指定正味財産増減額 指定正味財産期首残高 指定正味財産期末残高 Ⅲ正味財産期末残高 | 千円 | 千円 | 千円 | % |
15,106 | 13,357 | 1,749 | 113.1 | |
21,420 | 19,925 | 1,495 | 107.5 | |
48,518 | 43,850 | 4,667 | 110.6 | |
572 | 556 | 15 | 102.8 | |
95,112 | 98,800 | △ 3,688 | 96.3 | |
290,183 | 277,702 | 12,480 | 104.5 | |
1,713 | 2,970 | △ 1,257 | 57.7 | |
472,625 | 457,163 | 15,462 | 103.4 | |
455,077 | 442,269 | 12,808 | 102.9 | |
13,192 | 12,588 | 603 | 104.8 | |
468,269 | 454,857 | 13,411 | 102.9 | |
4,356 | 2,305 | 2,050 | 188.9 | |
1,870 | 409 | 1,461 | 457.2 | |
6,226 | 2,714 | 3,511 | 229.4 | |
― | ― | ― | ― | |
― | ― | ― | ― | |
― | ― | ― | ― | |
6,226 | 2,714 | 3,511 | 229.4 | |
369,434 | 366,720 | 2,714 | 100.7 | |
375,660 | 369,434 | 6,226 | 101.7 | |
290,183 | 277,702 | 12,480 | 104.5 | |
15,106 | 13,357 | 1,749 | 113.1 | |
△ 305,289 | △ 291,059 | △ 14,229 | 104.9 | |
― | ― | ― | ― | |
1,055,000 | 1,055,000 | ― | 100 | |
1,055,000 | 1,055,000 | ― | 100 | |
1,430,660 | 1,424,434 | 6,226 | 100.4 |
第 4表 比較貸借対照表
平成27年度 平成28年 3月31日現在平成26年度 平成27年 3月31日現在
科 目 | 平成27年度 | 平成26年度 | 比較 増△減 | 前年度 対比 |
Ⅰ資産の部 1 流動資産 現金預金 有価証券未収金 前払金 貯蔵品 立替金 貸付金 貸倒引当金流動資産合計 2 固定資産 (1) 基本財産 定期預金 投資有価証券基本財産合計 (2) 特定資産 コンベンション振興事業積立金特定資産合計 (3) その他固定資産 建物附属設備備品 ソフトウェア敷金 その他の固定資産合計固定資産合計 資産合計 Ⅱ負債の部 1 流動負債 未払金預り金仮受金前受金 流動負債合計 2 固定負債 固定負債合計負債合計 Ⅲ正味財産の部 1 指定正味財産 (うち基本財産への充当額) (うち特定資産への充当額) 2 一般正味財産 (うち基本財産への充当額) (うち特定資産への充当額)正味財産合計 負債及び正味財産合計 | 千円 | 千円 | 千円 | % |
147 | 202 | △ 54 | 72.8 | |
58,668 | 41,232 | 17,436 | 142.3 | |
255,701 | 255,490 | 210 | 100.1 | |
17,333 | 18,031 | △ 698 | 96.1 | |
412 | 455 | △ 42 | 90.7 | |
12,265 | 10,398 | 1,867 | 118.0 | |
9 | ― | 9 | ― | |
3,000 | 3,000 | ― | 100 | |
△ 140 | △ 40 | △ 100 | 350 | |
347,398 | 328,770 | 18,628 | 105.7 | |
50,050 | 69 | 49,981 | 72,495.0 | |
1,004,949 | 1,054,930 | △ 49,981 | 95.3 | |
1,055,000 | 1,055,000 | ― | 100 | |
71,239 | 69,364 | 1,875 | 102.7 | |
71,239 | 69,364 | 1,875 | 102.7 | |
0 | 6 | △ 6 | 0.1 | |
370 | 585 | △ 215 | 63.2 | |
174 | 234 | △ 59 | 74.5 | |
3,674 | 3,674 | ― | 100 | |
4,219 | 4,501 | △ 282 | 93.7 | |
1,130,458 | 1,128,865 | 1,593 | 100.1 | |
1,477,857 | 1,457,635 | 20,221 | 101.4 | |
45,065 | 32,349 | 12,715 | 139.3 | |
1,588 | 554 | 1,034 | 286.5 | |
151 | ― | 151 | ― | |
391 | 296 | 94 | 131.9 | |
47,196 | 33,200 | 13,995 | 142.2 | |
― | ― | ― | ― | |
47,196 | 33,200 | 13,995 | 142.2 | |
1,055,000 | 1,055,000 | ― | 100 | |
(1,055,000) | (1,055,000) | (-) | (100) | |
(-) | (-) | (-) | (-) | |
375,660 | 369,434 | 6,226 | 101.7 | |
(-) | (-) | (-) | (-) | |
(71,239) | (69,364) | (1,875) | (102.7) | |
1,430,660 | 1,424,434 | 6,226 | 100.4 | |
1,477,857 | 1,457,635 | 20,221 | 101.4 |
第3 指 摘 事 項
1 貯蔵品の有効利用について
ビューローにおいて貯蔵品として計上されているテレホンカード(平成27年度末残高 1,361,500円)が長期間使用されず保管されていた。
ビューローにあっては、有効に利用することを検討されたい。
2 賞与引当金の計上について
財団法人の会計については、発生が当期以前の事象に起因し、将来の特定の費用又は損失であり、発生の可能性が高く、その金額を合理的に見積もることができる場合には、引当金を計上しなければならない。
ビューローの会計処理について確認したところ、賞与引当金が計上されていなかった。
ビューローにあっては、期末手当及び勤勉手当に係る社会保険料事業主負担分の計上を含め、金額を合理的に見積もり賞与引当金を計上されたい。
3 募金に係る現金の管理について
オアシス21 iセンターにおいて、名古屋城本丸御殿復元工事に対する募金が実施されている。
当該募金に係る現金の管理状況を確認したところ、両替に利用されるなど一部に不適切な事例が見受けられた。
ビューローにあっては、本市と協議のうえ、当該募金に係る現金の管理方法の改善を図られたい。
(意 見)
平成26年 3月に策定された経営戦略計画(改定版)(計画期間:平成23年度か ら平成28年度)において、目的とターゲットを明確にし、有効な事業に資金と人 材を投入する「選択と集中」の経営に努めることが戦略目標の一つとされている。この目標に対する成果指標として、国際会議開催件数、外国人市内宿泊者数等に 加え、観光案内所の来訪者数が掲げられている。
観光案内所の来訪者数の実績についてみてみると、第 5表のとおり、平成24年度以降の推移については増加しているものの、平成23年度から平成27年度までいずれも目標を下回っている。この理由としては、最近の外国人旅行者の増加に伴い、xx旅行者に比べ 1人当たりの対応時間が長くなる傾向にある外国人来訪者数が増加していることが影響していると思料されるとのことであった。こうした状況を受けて、ビューローにおいては、観光案内所の役割についての議論が既にされており、その内容は、旅行客の中で困っている人等への支援を行うことが本来の役割であることから、外国人来訪者への対応を明確に打ち出すとともに、成果指標について、単に来訪者数の増加を図るということではなく、対応時間が長くなる傾向にある外国人来訪者が増加していることを考慮にいれ設定すべきではないかというものであった。
ビューローにあっては、このような議論を踏まえ、今後の計画策定にあたり、外国人来訪者向けサービスの提供に関する指標の設定や外国人来訪者数を別途成果指標として設定するなど、より望ましい成果指標が設定されるよう検討されたい。
ところで、平成28年度には名古屋の魅力向上や観光等の国内外の交流を促進するため観光文化交流局が設置された一方で、平成28年 7月に公表された都市ブランド・イメージ調査では、名古屋は東京23区、京都市、大阪市等 7都市と比べて訪問したいという意向が最も低いという結果となっている。ビューローにあっては、新局が設置されたことを踏まえた団体の位置付けや団体の役割について整理し明確にするとともに、新局と連携を図りながら名古屋の観光を推進するための積極的な事業展開に努められたい。
第 5表 観光案内所への来訪者数
区 分 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
目 標 | 千人 850 | 千人 870 | 千人 890 | 千人 890 | 千人 950 |
実 績 (うち外国人) | 812 (41) | 767 (53) | 838 (69) | 849 (97) | 859 (118) |
(観光文化交流局関係分)第1 監査結果の概要
ビューローに対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、観光文化交流局所管の財務に関する事務のうち、ビューローに対する事務の執行 について監査を実施した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
第2 指 摘 事 項
募金に係る現金の管理について
オアシス21 iセンターにおいて、名古屋城本丸御殿復元工事に対する募金が実施されている。
当該募金に係る現金の管理状況を確認したところ、当該募金の回収は年に一度程度行われるのみであった。
観光文化交流局にあっては、回収の方法や頻度について具体的に定めるよう検討されたい。 (名古屋城総合事務所)
監 | 査 | 種 | 別 | 公の施設の指定管理者監査 |
監 | 査 | 対 | 象 | コングレ・名古屋観光コンベンションビューローコンソーシアム |
(事務所所在地:大阪市中央区淡路町三丁目 6番13号)
上記団体の事業に関係する所管局の事務を含む。
監 査 期 間 平成28年 8月 3日から
平成28年12月16日まで
監 査 結 果
(コングレ・名古屋観光コンベンションビューローコンソーシアム分)第1 監査結果の概要
観光文化交流局所管の公の施設の指定管理者であるコングレ・名古屋観光コンベンションビューローコンソーシアム(以下「コンソーシアム」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基づき、公の施設の管理に係る出納その他の事務の監査を実施した。
本市は、地方自治法第 244条の 2第 3項、第 5項及び第 6項の規定に基づき、 コンソーシアムを公の施設である名古屋国際会議場(以下「国際会議場」という。)の指定管理者に指定している。
今回の監査は、公の施設に係る事業運営は協定に沿って適正に執行されているか、公の施設の管理に係る会計経理は適正に行われているかなどについて、主として平成27年度(平成27年 4月 1日~平成28年 3月31日)の事務について調査した。
監査の結果、特に指摘すべき事項はなかった。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、xxでは千円未満の端数を切り捨て、比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
1 業務の範囲
コンソーシアムは、本市から公の施設の指定管理者として指定を受け、指定期間を平成26年 4月 1日から平成30年 3月31日までとし、国際会議場の管理運営を行っている。
指定管理者が行う主な業務範囲は、①一般の利用に供すること、②使用の許可に関すること、③施設の維持管理及び修繕(原形を変ずる修繕若しくは模様替又は 1件 300万円を超える修繕を除く。)に関すること等であり、第 1表のとおり職員を配置している。
第 1表 職員配置 (平成28年 3月31日現在)
国際会議場
館長 1人、副館長 1人、館長補佐 1人、
統括マネージャー(兼)管理グループマネージャー 1人、
企画営業スーパーバイザー 1人、企画営業グループマネージャー 1人、誘致・観光推進グループマネージャー 1人、担当者14人
2 事 業 状 況
国際会議場の利用状況は第 2表のとおりである。
第 2表 利用状況
区 分 | 平成26年度 | 平成27年度 |
利用可能日数 | 10,006日 | 10,037日 |
利 用 日 数 | 6,489日 | 7,197日 |
利 用 率 | 64.9% | 71.7% |
(注) 1 利用可能日数及び利用日数は、センチュリーホール、リハーサル室( 2室)、イベントホール、xxホール、レセプションホール、国際会議室、会議室(22室)及び展示室( 2室)について、施設ごとの利用可能日数及び利用日数を合計した。
2 利用率=利用日数/利用可能日数
第3 指定管理料の支出
国際会議場は利用料金制を導入しており、本市はコンソーシアムに対し指定管理料を支出していない。一方、平成27年度において、本市はコンソーシアムから納付金 4,099万円を受領している。国際会議場の管理に係る収支状況は、第 3表のとおりである。
第 3表 国際会議場の管理に係る収支状況
収入の部 | 支出の部 | ||
科 目 | 決算額 | 科 目 | 決算額 |
利用料金収入その他収入 | 千円 1,043,409 45,641 | 管理運営費 (人件費を含む)納付x | x円 943,041 40,995 |
収入合計 | 1,089,051 | 支出合計 | 984,036 |
第4 指 摘 事 項
特になし
(観光文化交流局関係分)第1 監査結果の概要
公の施設の指定管理者監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づき、観光文化交流局所管の財務に関する事務のうち、コンソーシアムに対する事務の執行について監査を実施した。
第2 指 摘 事 項
特になし