厚生労働省医政局総務課 TEL:03-3595-2189 FAX:03-3501-2048
事 務 連 絡平成 29 年 11 月 30 日
x x 府 県各 保健所設置市
特 別 区
衛生主管部局 御中
厚生労働省医政局総務課
特定継続的役務提供への一定の美容医療契約の追加について
特定商取引に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成 29 年政令第 174号。以下「施行令」という。)及び特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(平成 29 年内閣府令・経済産業省令第1号。以下「施行規則」という。)が本年 12 月1日から施行されます。
この改正を受けて、特定商取引に関する法律を所管する消費者庁において、各都道府県の消費者行政担当部局に対して、別添「特定継続的役務提供への一定の美容医療契約の追加について(依頼)」(平成 29 年 11 月 29 日消取引第 428号消費者庁取引対策課長通知)のとおり、施行令及び施行規則の内容並びに各都道府県の衛生主管部局との連携について周知されているところです。
つきましては、貴部局においても、消費者行政担当部局と十分連携の上対応して頂くとともに、管内の医療機関に対して、周知をお願いします。
(本件担当)
厚生労働省医政局総務課 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000
【別紙】
【別紙】
参考資料1
美容医療契約の特定継続的役務提供への追加について
消費者庁 取引対策課
1. 特定商取引法とは | ・・・ | P2 |
2. 美容医療契約の特定継続的役務提供への追加 | ・・・ | P4 |
3. 特定継続的役務提供の主な規制について | ・・・ | P7 |
1. 特定商取引法とは
2. 美容医療契約の特定継続的役務提供への追加
3. 特定継続的役務提供の主な規制について
特定商取引に関する法律の概要
「特定商取引に関する法律」は、訪問販売など消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不xxな勧誘行為等を取り締まることにより、消費者取引のxxを確保するための法律。
1.本法律の対象となっている取引類型
(1)消費者が自ら求めないのに、販売等の勧誘を受ける取引
①訪問販売
②電話勧誘販売
(2)事業者と対面して商品や販売条件等を確認できない取引
2.法律の内容
(1)行政規制
被害拡大防止のためルールが設けられ、法違反に対しては、指示命令、業務停止命令といった行政処分又は罰則の適用がある。
③通信販売
①氏名等の明示の義務づけ
②不当な勧誘行為の禁止
不実告知、事実不告知や威迫困惑を伴う勧誘行為、迷惑勧誘等の禁止 等
③広告規制
誇大広告等の禁止 等
④書面交付義務
契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付すること
を義務づけ
⑤告知義務
※訪問販売、電話勧誘販売、通信販売は原則すべての商品・役務が対象
④特定継続的役務提供
長期・継続的な役務の提供とこれに対する高額の対価を約する取引
(エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手
紹介サービス、パソコン教室が対象[政令で指定])
(3)長期・高額の負担を伴う取引
(4)ビジネスに不慣れな個人を勧誘する取引
(2)民事ルール
行政規制とは別に、消費者によるクーリング・オフ、中途解約などの民事ルールが設けられている。
⑤連鎖販売取引
⑥業務提供誘引販売取引
①クーリング・オフ
契約後一定の期間(特定継続的役務提供は8日間)、無条件で解約することが可能 等
②中途解約
特定継続的役務提供では、クーリング・オフに加えて、将来
に向かって契約解除が可能(中途解約) 等
3
(5)消費者が自ら求めないのに、購入の勧誘を受ける取引
⑦訪問購入
目次
1. 特定商取引法とは
2. 美容医療契約の特定継続的役務提供への追加
3. 特定継続的役務提供の主な規制について
4
【背景・経緯】
平成20年の特定商取引法改正では、法律の施行後5年を経過した場合において、同法の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされていた(附則第8条)。
平成27年1月内閣総理大臣より消費者委員会に対して、「特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)の施行状況を踏まえた購入者等の利益の保護及び特定商取引の適正化を図るための規律の在り方について」諮問が行われた。
当該諮問を受け、同月に特定商取引法専門調査会を設置し、同年12月まで計18回の審議等を行い、報告書を取りまとめた。
【当該報告書の位置づけ等】
当該報告書は、上記のとおり諮問を受けて設置された特定商取引法専門調査会における議論を取りまとめ、政府において提言内容の実現に向け最大限の努力を行うことを期待して、措置すべき具体的な事項を提言されたもの。
措置すべき具体的な事項については、
(1)分野横断的な事項、(2)個別取引分野に関する事項、(3)執行に関する事項に分類した上で、[基本的な考え方]と[具体的な事項]をそれぞれ記載。
当該報告書の内容について、平成28年1月に内閣総理大臣に対して答申が行われた。
【当該報告書における美容医療契約の特定継続的役務提供への追加に係る記載概要】
美容医療契約について、「美容の向上を主たる目的として行う医療行為」を規制対象と
し、具体的に対象となる役務については列挙していくという基本的な方向性のもと、特
定継続的役務提供に位置付ける。 5
【概要】
今般、消費者委員会からの答申を受け、消費者からの苦情相談の状況や役務の継続性などを踏まえつつ、一定の美容医療契約を特定継続的役務提供に追加することとした。
具体的には政令を改正し、政令別表第4第2の項では、「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し
、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療を行うこと(美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法によるものに限る。)。」と規定している。主務省令第31条の4では、以下のとおり役務ごとに方法が規定されている。以下の方法により行われる役務であって、1月超かつ5万円超の契約が特定継続的役務提供の規制対象となる(対象となるのは平成29年12月1日以降に締結された契約)。
【主務省令規定事項】
役務内容 | 方法 |
脱毛 | 光の照射又は針を通じて電気を流すことによる 方法(ex.レーザー脱毛) |
にきび、しみ、そばかす、ほくろ、入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去又は皮膚の活性化 | 光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法(ex.ケミカルピーリング) |
皮膚のしわ又はたるみの症状の軽減 | 薬剤の使用又は糸の挿入による方法(ex.ヒアル ロン酸注射) |
脂肪の減少 | 光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法(ex.脂肪溶解注射) |
歯牙の漂白 | 歯牙の漂白剤の塗布による方法(ex.ホワイトニングキッドを用いたホワイトニング) 6 |
目次
1. 特定商取引法とは
2. 美容医療契約の特定継続的役務提供への追加
3. 特定継続的役務提供の主な規制について
7
【行政規定】
(1)広告等による誘引
誇大広告等の禁止 ・・ P9
(2)店舗等における勧誘
不当な勧誘行為の禁止 ・・ P10
(3)契約締結前・契約締結時の書面交付
書面交付義務 ・・ P12
(4)契約解除への対応
解除妨害の禁止 ・・ P13
(5)書類の備付け及び閲覧等
書類の備付け等 ・・ P14
これらの規制に違反した場合、行政処分(指示又は業務停止命令)の対象となる。
【民事規定】
クーリング・オフ
・・ P15
契約書面交付から8日間が経過。
中途解約
・・ P17
8
(2)中途解約への対応
(1)クーリング・オフへの対応
【規制概要】
特定継続的役務の提供条件について広告をするときは、役務の内容や効果等について、
「著しく事実に相違する表示」又は「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人
を誤認させるような表示」をしてはならない。
【違反事例概要】
情報誌の広告で「入会にかかる通常料金47,500円が今だけ!!10,000円で受けられます。先着50名様限定。○年○月末日まで有効」と表示し、広告していたが、「今だけ10,000円で受けられます。」の表示は事実に相違していた。(結婚相手紹介サービスにおける違反事例)
ホームページに「交際スタート!3ヶ月の活動で約40%の会員同士が交際スタートします。」と
表示し、広告していたが、当該数字について合理的な根拠は全くなかった。(結婚相手紹介サービスにおける違反事例)
①不実告知、事実不告知の禁止
【規制概要】
契約の締結について勧誘をするに際し、役務の内容・効果等消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について、不実のことを告げる行為をしてはならない。
契約の締結について勧誘をするに際し、役務の内容・効果等消費者の判断に影響を及ぼす
こととなる重要な事項について、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
【違反事例概要】
「割引は今すぐ契約しないと駄目なんです。今日、この場で入らないとその割引は受けられません。」、「今だったらキャンペーンをしているから割引になる。これは本当は、○○歳までの
キャンペーンだが、あなたの場合、○○歳になっても間もないから特別に入れます。」などと告げていたが、実態は常時割引価格で契約していた。(結婚相手紹介サービスにおける違反事例)
②威迫・困惑行為の禁止
【規制概要】
契約を締結させるため、人を威迫して困惑させてはならない。
③迷惑勧誘行為等の禁止
【規制概要】
以下の行為等を行政処分の対象としている。
契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
老人その他の者の判断力の不足に乗じ、契約を締結させること。
消費者の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うこと。
【違反事例概要】
顧客が一旦帰って検討したい旨を告げているにも関わらず、「今日契約しないと割引は効きませんよ。」などと言ってしつこく長時間にわたって勧誘をし続けた。(結婚相手紹介サービスにおける違反事例)
【規制概要】
契約を締結するまでの間に、提供される役務の内容など所定の事項を記載した書面を相手
方に対して交付しなければならない(いわゆる「概要書面」)。
契約を締結したときは、遅滞なく、提供される役務の内容など所定の事項を記載した書面を契約の相手方に対して交付しなければならない(いわゆる「契約書面」)。
【違反事例概要】
概要書面を契約の締結までに交付しなかった。(エステティックサロンにおける違反事例)
契約書面に、契約担当者の氏名、電話番号などが記載されていなかった。また、代表者氏名欄に、代表者でない者の氏名が記載されていた。(エステティックサロンにおける違反事例)
【規制概要】
契約の解除を妨げるため、役務の内容・効果等消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について、不実のことを告げる行為をしてはならない。
契約の解除を妨げるため、役務の内容・効果等消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要
な事項について、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
契約の解除について迷惑を覚えさせるような仕方で妨げてはならない。
【違反事例概要】
消費者が契約の解除を申し出ようとすると、「支払っていけばいいじゃないですが。」といって解約に応じないなど解約を迷惑を覚えるような仕方で妨げていた。(パソコン教室における違反事例)
【規制概要】
前払取引(役務提供に先立ち、消費者から5万円超の金銭を受領する特定継続的役務提供に係る取引)を行う場合は、業務及び財産の状況を記載した書類(貸借対照表、損益計算書及び事業報告書(会社以外の者にあっては、これらに準ずる書類))を特定継続的役務提供等契約に関する業務を行う事務所に備え置かなければならない。
当該書類は、事業年度毎に当該事業年度経過後3ヶ月以内に作成し、備え置いた日から3
年を経過するまで保管しなければならない。
前払取引の相手方(特定継続的役務提供等契約を締結した消費者)は、費用(実費)を支払ってその謄本又は抄本の交付を求めることができる。
【違反事例概要】
前払取引を行っているにも関わらず、書類を備え置いていなかった。(結婚相手紹介サービスにおける違反事例)
【制度概要】
契約書面を受領した日から起算して8日間(※1)は、消費者は書面により契約の解除(以下、
「クーリング・オフ」という)を行うことができる。
役務提供契約をクーリング・オフした場合には、消費者は書面により関連商品(P17参照)の販売契約についてもクーリング・オフすることができる。(※2)
クーリング・オフは消費者が書面を発したときに効力を生ずる。
契約をクーリング・オフされた場合、事業者は消費者に対して、既に提供済みの役務の対価
のほか、損害賠償請求や違約金の請求を行うこともできない。
関連商品販売契約がクーリング・オフされた場合において、関連商品の引渡しが既に行われている場合には、その返還又は引取りに要する費用は事業者が負担する。
事業者がすでに契約に係る金銭を受領しているときは、消費者に返還しなければならない。
クーリング・オフに関する規定に反する特約で消費者に不利なものは無効となる。
※1 事業者が消費者に対して、不実のことを告げる行為をしたことにより当該内容を事実と誤認し、又は、威迫したことにより困惑し、これらにより消費者が8日間以内にクーリング・オフを行わなかった場合は、改めて契約の解除を行うことができる旨等を記載した書面を交付してから8日間。
※2 いわゆる消耗品(P16参照)を消費者が使用し、又はその全部若しくは一部を消費した場合
(事業者が消費者に使用させ、消費させた場合を除く。)は解除できない。
15
【制度概要】
役務の提供を受けるにあたり購入する必要がある商品として政令で定められている。役務
提供契約が解除された場合には、関連商品販売契約も併せて解除することができる。
関連商品のうちその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品は、「消耗品」として位置づけられており、消費者が当該「消耗品」の一部又は全部を消費した場合(役務提供事業者等が消費者に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)には、当該商品をクーリング・オフすることはできない。
【美容医療の関連商品】
① いわゆる健康食品等(医薬品を除く)
② 化粧品
③ マウスピース(歯牙の漂白のために用いられるものに限る。)、歯牙の漂白剤
④ 医薬品及び医薬部外品であって美容を目的とするもの
※①~④は、全て「消耗品」として規定されている。
【制度概要】
消費者は、契約書面を受領した日から起算して8日間が経過した後(※)は、将来に向かって
契約の解除ができる。
事業者が請求できる金額(損害賠償額、違約金等)は一定の計算式(P18、19参照)で算出された金額が上限となる。
役務提供契約が解除された場合、消費者は関連商品についても契約の解除ができる。事業
者が請求できる金額(損害賠償額、違約金等)は一定の計算式(P20参照)で算出された金額が
上限となる。
中途解約の規定に反する特約で消費者に不利なものは無効となる。
※ 事業者が消費者に対して、不実のことを告げる行為をしたことにより、当該内容を事実と誤認し、又は、威迫したことにより困惑し、これらにより消費者が8日間以内にクーリング・オフを行わなかった場合は、改めて契約の解除を行うことができる旨等を記載した書面を交付してから8日間が経過した後。
1.既に役務の提供を行っていた場合
【精算額の算出の仕方】
中途解約時に、既に役務の提供を行っていた場合に事業者が請求できる金額の上限は、以下の①及び②を合算した額に、消費者の支払遅延があった場合は、商事法定利率年6分等を加算した額となる。
① 提供済みの役務の対価に相当する額(※)
② 契約解除によって通常生ずる損害の額として政令で定める額(美容医療の場合は、 5万
円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額)
(※)提供済みの役務の対価に相当する額の算出上の留意点
提供済みの役務の対価は、契約締結の際の単価が上限となる。(例:通常価格1回当たり1万円のコースを期間限定の特別価格として1回当たり3千円の単価で契約締結した場合は、後者の単価を用いて精算。)
入会金等、役務提供の開始時に発生するものは、「提供された役務の対価」といえる合理的
な範囲に限って算入され得る。
2.役務の提供を開始する前の場合
事業者が請求できる金額の上限は政令で定められており、美容医療は2万円である。消費者の支払遅延があった場合は、商事法定利率年6分等を加算した額となる。
(注) 算出上の留意点
1.及び2.は請求できる金額の上限であり、個別ケースにおいて生じている損害又は費用の
額がこれを下回っている場合にまで当該上限額を請求できるわけではない。 18
【具体例:エステティックサロンにおける契約の解除(一部の役務を提供済み)】
入会金5万円、施術料60万円(2万円×30回)の契約で、役務提供開始後20回役務の提供を受けたところで中途解約した場合
役務の対価の総額 65万円
提供済みの役務の対価に相当する額 (2万円×20回)=40万円
損害賠償額の上限 (65万円-40万円)×10/100=2万5千円>2万円
→ この場合、2万円が上限となる。
「40万円(提供済みの役務の対価に相当する額)」+「2万円(通常生ずる損害額として政令で定める額)」=42万円が事業者が役務受領者に要求し得る金額の上限となる(既に全額を受領している場合には、23万円については返還しなければならない。)。
【イメージ図】
19
事業者が請求できる金額の上限は、関連商品の返還等の状況に応じて以下のとおりとなる(消費者の支払遅延があった場合は、商事法定利率年6分等を加算した額となる)。 (法第49条第6項)
1.関連商品が返還された場合
→当該関連商品の通常の使用料に相当する額(※1)
(「販売価格-返還された際の時価」が上記を超える場合は、その額)
2.関連商品が返還されない場合
→当該関連商品の販売価格に相当する額
3.関連商品が消費者に引渡されていなかった場合
→契約の締結及び履行のために通常要する費用の額(※2)
※1 当該商品について、賃貸借が営業として行われていれば、その賃貸料が一応の目安となるが、そのような営業が行われていない場合は、当該商品の減価償却費、マージン、金利等を考慮した合理的な額でなければならない。
※2 「契約の締結のために通常要する費用」 ・・・ 契約の締結に際しての書面作成費、印紙税等
「契約の履行のために通常要する費用」 ・・・ 代金取立てのための費用、催告費用等
20
【役務提供事業者が概要書面に記載しなければならない事項】
① 役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人の場合は代表者の氏名
② 提供される役務の内容
③ 役務提供に際し役務の提供を受けようとする者が購入する必要のある商品がある場合には、その商品名、
種類及び数量
④ 役務の対価その他の消費者が支払わなければいけない金銭の概算額
⑤ ④に掲げる金銭の支払の時期及び方法
⑥ 役務の提供期間
⑦ 法48条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第2項から第7項までの規定に関する事項を含む。)
⑧ 法49条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第2項、第5項及び第6
項の規定に関する事項を含む。)
⑨ 割賦販売法第2条第2項に規定するローン提携販売の方法又は同条第3項に規定する包括信用購入あっせん若しくは同条第4項に規定する個別信用購入あっせんに係る提供の方法により役務の提供を行う場合には、同法第29条の4第2項 (同条第3項において準用する場合を含む。)又は同法第30条の4 (同法第30条の5第1項において準用する場合を含む。)若しくは同法第35条の3の19の規定に基づきローン提携販売業者又は包括信用購入あっせん関係役務提供事業者若しくは個別信用購入あっせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもって、役務の提供を受ける者はローン提供業者又は包括信用購入あっせん業者若しくは個別信用購入あっせん業者に対抗することができること
⑩ 特定継続的役務提供に係る前払取引(特定継続的役務提供に先立ってその相手方から5万円を超える金銭を受領する特定継続的役務提供に係る取引をいう。以下同じ。)を行う場合は、前受金の保全措置を講じているか否か及び、保全措置を講じている場合は、その内容
➃ 特約があるときは、その内容
【役務提供事業者が概要書面を作成するにあたっての形式等の義務】
① 書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で記載しなければならない。
② 日本工業規格Z8035に規定する8ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いなければならない。 21
【役務提供事業者が契約書面に記載しなければならない事項】
① 役務の種類
② 役務提供の形態又は方法
③ 役務を提供する時間数、回数その他の数量の総計
④ 役務を直接提供する者の資格、能力等に関して特約があるときは、その内容
⑤ 役務提供に際し役務の提供を受けようとする者が購入する必要のある商品がある場合には、その商品名、種類及び数量
⑥ 役務の対価その他の消費者が支払わなければいけない金銭の額
⑦ ⑥に掲げる金銭の支払い時期及び方法
⑧ 役務の提供期間
⑨ 法48条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第2項から第7項までの規定に関する事項を含む。)
⑩ 法49条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第2項、第5項及び第6項の規定に関する事項を含む。)
➃ 役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあっては代表者の氏名
⑫ 契約の締結を担当した者の氏名
⑬ 契約締結年月日
⑭ 割賦販売法第2条第2項に規定するローン提携販売の方法又は同条第3項に規定する包括信用購入あっせん若しくは同条第4項に規定する個別信用購入あっせんに係る提供の方法により役務の提供を行う場合には、同法第29条の4第2項 (同条第3項において準用する場合を含む。)又は同法第30条の4 (同法第30条の5第1項において準用する場合を含む。)若しくは同法第35条の3の19の規定に基づきローン提携販売業者又は包括信用購入あっせん関係役務提供事業者若しくは個別信用購入あっせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもって、役務の提供を受ける者はローン提供業者又は包括信用購入あっせん業者若しくは個別信用購入あっせん業者に対抗することができること
⑮ 特定継続的役務提供に係る前払取引を行う場合は、前受金の保全措置を講じているか否か及び、保全措置を講じている場合はその内容
⑯ 役務の提供に際し役務の提供を受ける者が購入する必要のある商品がある場合には、当該商品を販売
する者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあっては代表者の氏名
➃ 特約があるときはその内容 22
【役務提供事業者の契約書面を作成するにあたっての形式等の義務】
① 関連商品を使用し又は消費したときはその売買契約の解除を行うことができないこととするときは、(1)商品の名称その他当該商品を特定し得る事項及び(2)当該商品を使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が消費者に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は契約の解除を行うことができないことを記載しなければならない。
② 法48条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第2項から第7項までの規定に関する事項を含む。)として記載しなければならない事項(※P24~26に記載)は、赤枠の中に赤字で記載しなければならない。
③ 書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で記載しなければならない。
④ 日本工業規格Z8035に規定する8ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いなければならない。
【契約書面の記載内容上の義務】
記載事項 | 内容 | |
役務の対価その他の | | 入学金、入会金、授業料その他の役務の対価、施設整備費、入学又は入会のための試験に係る検定料、役務の提供に際し役務の提供を受ける者が購入する必要のある商品の価格その他の費目ごとの明細及びその合計 |
役務の提供を受ける | ||
者が支払わなければ | ||
ならない金銭の額 |
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
23
【契約書面の記載内容上の義務】
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
記載事項 | 内容 | |
法48条第1項の規定 | ① ② ③ ④ | 契約書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、特定継続的役務の提供を受ける者は、書面により特定継続的役務提供契約の解除を行うことができること。 ①に記載した事項にかかわらず、特定継続的役務の提供を受ける者が、役務提供事業者が法第44条第1項の規定に違反して法第48条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより誤認をし、又は役務提供事業者が法第44条第3項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによって法第48条第1項の規定による特定継続的役務提供契約の解除を行わなかった場合には、当該役務提供事業者が交付した法第48条第1項の書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者が受領した日から起算して8日を経過するまでは、当該特定継続的役務の提供を受ける者は、書面により当該特定継続的役務提供契約の解除を行うことができること。 ①又は②の契約の解除は、特定継続的役務の提供を受ける者が、当該契約の解除に係る書面を発した時に、その効力を生ずること。 ①又は②の契約の解除があった場合には、役務提供事業者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、当該契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないこと。 |
による特定継続的役 | ||
務提供契約の解除に | ||
関する事項(同条第2 | ||
項から第7項までの規 | ||
定に関する事項を含 | ||
む。) |
24
【契約書面の記載内容上の義務】
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
記載事項 | 内容 | |
法48条第1項の規定 | ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ | ①又は②の契約の解除があった場合には、既に当該特定継続的役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、役務提供事業者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、当該特定継続的役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができないこと。 ①又は②の契約の解除があった場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、役務提供事業者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、その全額を返還すること。 ①又は②の契約の解除があった場合において、役務提供事業者が関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行っているときは、特定継続的役務の提供を受ける者は、当該関連商品販売契約についても解除を行うことができること。 ⑦の解除の申出先が役務提供事業者と異なる場合には、その旨及び申出先 |
による特定継続的役 | ||
務提供契約の解除に | ||
関する事項(同条第2 | ||
項から第7項までの規 | ||
定に関する事項を含 む。) |
25
【契約書面の記載内容上の義務】
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
記載事項 | 内容 | |
法48条第1項の規定 | ⑨ ⑩ ➃ ⑫ | ⑦の契約の解除は、当該契約の解除に係る書面を発した時に、そ の効力を生ずること。 ⑦の契約の解除があった場合には、関連商品の販売を行った者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、その契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないこと。 ⑦の契約の解除があった場合において、当該関連商品販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は関連商品の販売を行った者の負担とすること。 ⑦の契約の解除があった場合において、当該関連商品販売契約に関連して金銭を受領しているときは、関連商品の販売を行った者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、その全額を返還すること。 |
による特定継続的役 | ||
務提供契約の解除に | ||
関する事項(同条第2 | ||
項から第7項までの規 | ||
定に関する事項を含む。) |
26
【契約書面の記載内容上の義務】
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
記載事項 | 内容 | |
法49条第1項の規定 | ① ② ③ ④ | 契約書面を受領した日から起算して8日を経過した後においては、特定継続的役務の提供を受ける者は、将来に向かって特定継続的役務提供契約の解除を行うことができること。 ①の契約の解除があった場合には、役務提供事業者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、提供された役務の対価及び当該解除によって通常生ずる損害の額又は契約の締結及び履行のために通常要する費用の額にこれらに対する遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を請求することができないこと並びに提供された役務の対価の精算方法 ①の契約の解除があった場合において、役務提供事業者が関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行っているときは、特定継続的役務の提供を受ける者は、当該関連商品販売契約についても解除を行うことができること。 ③の解除の申出先が役務提供事業者と異なる場合には、その旨 及び申出先 |
による特定継続的役 | ||
務提供契約の解除に | ||
関する事項(同条第2 | ||
項、第5項及び第6項 | ||
の規定に関する事項 を含む。) |
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【契約書面の記載内容上の義務】
以下の記載事項については、以下の内容を記載しなければならない。
記載事項 | 内容 | |
法49条第1項の規定 | ⑤ ⑥ | ③の契約の解除があった場合には、関連商品の販売を行った者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価格を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)、関連商品の販売価格に相当する額又は契約の締結及び履行のために通常要する費用の額にこれらに対する遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を請求することができないこと。 特定継続的役務提供契約又は関連商品販売契約の解除について特約がある場合には、その内容 |
による特定継続的役 | ||
務提供契約の解除に | ||
関する事項(同条第2 | ||
項、第5項及び第6項 | ||
の規定に関する事項を含む。) |
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【別紙】
【参考資料2】
特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A
(注)当庁としての一般的な解釈を示すものであり、個別事案に関する法令適用の有無を回答するものではありません。
1.特定継続的役務提供の該当性
(1)政令で定める期間・金額
問1 コース契約を締結せずに、その都度、複数回にわたって特定継続的役務提供について政令で定める期間・金額の要件(1か月超・5万円超)に該当しない範囲での治療及び支払いを繰り返す場合について、一連の治療が結果として1か月以上にまたがり、消費者の支払い総額が5万円を超えてしまうようなケースは、法の適用対象になりますか。
(答)
コース契約を締結せずにその都度治療を行う場合、治療の継続について消費者が自由に選択することが可能である場合には、特定継続的役務提供に該当しない範囲での契約を繰り返しているものと判断されることになります(※)。
(※)同様の考え方から、例えば月謝制の学習塾や家庭教師なども、特定継続的役務提供には該当しないと解されています。
一方、契約の実態から、治療の継続について消費者の選択の自由が妨げられていると認められる場合には、たとえ外形的には複数の契約に基づいて治療が行われる場合であっても、これら複数の契約が実質的に一体であると判断され、法の適用を受ける場合があります。実質的に一体であるとみなされた一連の契約が特定継続的役務提供に該当すると判断されるような場合においては、初回の治療の契約が行われる時点において、特定商取引法で規定されている書面交付等の義務や勧誘規制等が課されることとなります。
このように、コース契約を締結せずに複数回にわたって治療を行う場合、トラブルを避けるためには、消費者に対し、継続して来院し治療を受けることについての拘束はなく、消費者の自由な選択に委ねられているという点を明確にすることが望ましいと考えられます。
問1-1 特定継続的役務提供の要件に該当しない範囲でコース契約を締結して治療を行っていた場合に、期間の延長や内容の追加によって結果的に要件に該当することとなった場合は、法の適用対象となりますか。
(答)
基本的には新たに契約が締結された場合と同様に考えます。具体的には、変更により追加となった部分の契約内容が政令で定める期間・金額の要件を満たす場合には、契約変更の時点で、特定商取引法の規定に基づき所定の書面を交付する必要が生じるほか、消費者がクーリング・オフや中途解約ができることとなります。
ただし、変更により追加となった部分の契約内容が期間・金額の要件に該当しない場合であっても、当初から当然に契約の延長が予定されている場合等、変更後の契約が当初の契約と実質的に一体であると判断される場合には、規制の対象と判断され、当初の時点で特定商取引法の規定に基づき書面交付等の義務が課される可能性があります。
問2 複数の治療の契約が「実質的に一体」と判断される場合とは、具体的にどのような場合が該当するのでしょうか。
(答)
問1-1で述べたとおり、治療の継続について消費者を拘束する事情が存在し、消費者の選択の自由が妨げられていると認められる場合であり、契約の実態から客観的に判断されることとなりますが、例えば、以下のような場合が該当する可能性があると考えられます。
・ 入会金、施設利用料等の名目で高額の初期費用を徴収しており、当該費用がその後の複数回にわたる治療の対価の一部であると判断される場合
・ 「次回も来院しなければ後遺症が残る可能性がある」、「当院でなければ治療できないので、他の病院にいっては駄目」と告げる等、消費者に対し継続的に治療を受けることを事実上強制するような場合
・ 契約の当初時点において、例えば1か月を超える期間をかけて使用される分量の医薬品(美容を目的とするものに限る。)や健康食品等を関連商品として販売し、医師の指導の下で服用等を行うものとしている場合等、関連商品の販売が治療と一体をなすと判断される場合(※問3も参照)
問2-1 その都度治療を行う場合において、初回の治療時にインフォームドコンセントの一環として、例えば「一般的には2か月おきの治療を5回程度行うことで治療が完結する」等と告げて治療の見通しを伝える行為は、消費者の選択の自由を妨げていることになりますか。
(答)
単に治療の方針•見通しを伝える行為であれば、一般的には消費者が適切に商品•役務の選択を行うために必要な情報提供を行っているものと考えられますので、それ自体が直ちに実質的に消費者の選択の自由を妨げていることにはなりません。
仮に、消費者に同意書の提出を求める場合は、提示した治療の方針•見通しに基
、、
づいて初回の治療を受けることについてのみ同意を求める内容であれば、次回以
降の来院•治療について拘束をすることにはなりません。
一方で、消費者に対して同一の病院で継続的に治療を受けることや、複数回にわたる治療の対価を支払うことについてあらかじめ同意させるような場合は、実質的に消費者の意思決定を拘束しているものと判断される可能性があります。
問2-2 「次は○○(1か月以上)後に来てください」と告げ、消費者に治療の予約をさせる場合は、実質的に消費者の選択の自由を妨げていることになりますか。
(答)
上記のように告げる行為は、一般的には治療計画や病院運営その他の観点から、仮に消費者が次回の治療を受けることを選択した場合に適当と考えられる時期について情報提供を行うという趣旨が明確であれば、このように告げる行為があったこと自体をもって、直ちに実質的に消費者の選択の自由を妨げていることにはなりません。
問2-3 一定期間(1か月以上)の経過後に治療の経過観察を行うために消費者に来訪を要請する場合は、実質的に消費者の選択の自由を妨げていることになりますか。
(答)
このような場合、消費者にとっては必ずしも当該病院等を選択して治療を受けることが強制されているとまではいえないことから、それ自体をもって直ちに実質的に消費者の選択の自由を妨げていることにはなりません。
ただし、初回の契約において、その後の経過観察に係る治療の対価を徴収している場合や、定期的に経過観察を行うと称して、その後長期にわたって継続的に来院•治療を行うことを消費者に対して事実上強制していると認められる場合など、実態によっては、実質的に消費者の選択の自由を妨げていると判断される可能性があります。
問2-4 経過観察の結果を踏まえ、継続して次の段階の治療を行うこととした場合は、「実質的に一体」の契約を結んだことになりますか。
(答)
経過観察を行った後の治療の継続について消費者の自由な選択が確保されている限りにおいては、経過観察を行ったことのみをもって「実質的に一体」であることにはなりません。
問3 病院等における治療は1回限りであるものの、①無料でアフターサービスを行うこととしている場合や、②関連商品を販売する場合に、特定継続的役務提供に該当することはありますか。
(答)
仮に病院において行われる治療が1回限りであっても、付随して提供される役務や関連商品を含めた契約全体の実態からみて、役務が継続的に提供されていると判断される場合は、特定継続的役務提供に該当することになります。
以下は、その具体例です。
① 無料でアフターサービス等を提供することとしている場合
このような場合は、当初の契約に基づき、消費者は一定の期間、無料でアフターサービス等を受ける権利を有していると考えられますので、当該期間が 1 か月を超えるような場合は、政令で定める期間要件に該当することとなります。
② 一定期間にわたって使用することを前提として医薬品等の関連商品(※)を販売し、当該関連商品の販売が治療と一体をなす場合
例えば、「治療にあたっては、この塗布剤を購入し自宅で2か月間にわたって毎日使用し続けることが必要」等と告げて、関連商品を販売して医師等の指導の下での使用を求めるなど、治療と関連商品の販売が一体をなすような場合、関連商品の使用期間が1か月を超えるような場合は、政令で定める期間要件に該当することとなります。
(※)関連商品とは、「特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品」をいいます。
問3-1 1回限りの治療を行う場合で、例えば長期持続型の薬剤を用いて治療を行うことで一定期間にわたって効果が持続することをうたっている場合に、政令で定める期間の要件に該当することはありますか。
(答)
一定期間効果が持続することをうたう行為は、治療の効果について単に説明を行っているにすぎないと考えられますので、それ自体をもって消費者の意思決定を拘束しているものことにはなりません。
問3-2 上記のように一定期間の効果の持続をうたっている場合であって、当初の契約の時点で治療の効果が薄れた場合に無料で治療を行うことを保証としている場合、政令で定める期間の要件に該当することはありますか。
(答)
問3の①において例示したとおり、このような場合、当初の契約に基づき、消費 者は一定期間内に無料で治療を受ける権利を有しているものと考えられますので、一定の期間が1か月を超えるような場合は、政令で定める期間の要件に該当する ことになります。
(2)「美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法」
問4 主務省令で定める美容医療の方法の中には、美容目的以外にも用いられるものもあると考えられますが、それらの方法が美容目的であるか否かはどのように判断されるのでしょうか。
(答)
ある医療行為が美容を目的とするものかどうかについては、個別のケースごとに当該医療行為の内容等に即して客観的、類型的に判断されることとなります。
主務省令で定める方法に該当する医療行為であっても、例えば傷病からの回復等を目的とするものであると認められる場合は、美容を目的とするものには該当しません。具体的には、例えば、病理検査を行ったうえで、悪性と判断してほくろを除去した場合などが、こうした場合に該当すると考えられます。
問4-1 外科手術後に手術痕の治療を目的としてレーザー治療を行う場合は、「皮膚を美化」するものとして特定商取引法の適用対象になりますか。
(答)
手術後の傷跡の治療は、その手術自体に付随して、その一環として行われるものであることから、当該治療の目的は、これを全体としてみれば患者の健康な状態の回復のために行われるものであって、「美容を目的とするもの」には該当しないと考えられます。
なお、仮に手術後一定期間が経過し、社会通念に照らして患者の健康状態が回復したと判断される場合において、傷跡の見た目が気に入らないといった理由で新たに治療を受けたときには、(治療に当たった医療機関が当該手術を行った医療機関と同じであるか否かを問わず)当該治療は「美容を目的とするもの」として、ここでいう美容医療に該当し得るものと考えられます。
問4-2 挿入した糸を一定期間経過後に除去する治療は、糸を挿入する治療と一体として特定継続的役務提供に該当すると判断されるのでしょうか。
(答)
当初時点で糸の除去が当然に予定されている場合においては、2つの治療は実質的に一体と判断され、治療全体として政令で定める期間•金額の要件(1か月超•5万円超)を満たす場合には、特定継続的役務提供に該当することになります。
問5 エステについては「施術」、美容医療については「医学的処置、手術及びその他の治療」が該当するとのことですが、これら両者はどのように区別されるのですか。
(答)
「医学的処置、手術及びその他の治療」とは、医薬品の塗布や注射、患部の縫合等といった人体に対する一定程度の影響を及ぼすもので、医師等の資格を有する者でなければ行えない行為が該当します。
「施術」とは、アロマオイルの塗布等、医師の資格を有しない者でも行える行為であり、人体に対する影響が限定的であるものが該当します。
これらは、行為の主体や実施されている場所ではなく、あくまで行為の内容に基づいて分類されることになります。
問5-1 レーザー治療により頭皮を活性化させ発毛や育毛を促す場合は、特定継続的役務に該当しますか。
(答)
発毛を促す治療については、「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し」という定義には該当しません。
また、育毛については、施術の一過程で「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し」に該当するものがありますが、これらが一過程に過ぎず、実現する目的が異なる場合には該当しません。
問5-2 脂肪の吸引は、機器を用いた刺激に該当しますか。
(答)
機器を用いて直接的に脂肪の吸引を行う場合であれば、上記には該当しません。
問5-3 メス等の手術器具を用いた治療は機器を用いた刺激に含まれますか。また、麻酔薬の使用は薬剤の使用に該当しますか。
(答)
メス等の手術器具や麻酔薬の使用は、美容を目的とする治療の一過程において用いられるものであり、これらを用いること自体が機器を用いた刺激又は薬剤の使用に該当することはありません。
問5-4 治療に伴い処方される痛み止めは、関連商品に該当しますか。
(答)
痛み止めや抗生剤については、美容を目的とする医薬品及び医薬部外品には該当しませんので、関連商品として契約解除の対象とはなりません。
一方で、美容を目的としない医薬品及び医薬部外品についても、役務の提供に当たり消費者が購入する必要がある場合は、その旨及び金額を契約書面において明示する必要がありますので、注意が必要です。
(1)重要事項への該当性
問6 消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について故意に告げなかったと判断される場合としては、具体的にどのような場合が該当しますか。
(答)
消費者の「判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」とは、消費者が契約を締結する場合又は解除をする場合の意思形成において重大な影響を及ぼす事項であって、当該契約に関連のある事項を指します。
具体的には、例えば、美容医療のコース契約の契約者の数が病院のキャパシティを大幅に超えているため、契約しても満足に予約が取れない状況にあること等が該当しうると考えられます。
なお、ここでいう「故意」とは、「当該事実が当該購入者等の不利益となるものであることを知っており」、かつ、「当該購入者等が当該事実を認識していないことを知っていること」をいいます。
問7 コース契約を締結した場合において、予約後当日無断で来院せず、治療できない場合など、消費者から治療についてキャンセルが行われた場合には、治療を
1回分消化したものとして取り扱っても構いませんか。
(答)
予約•xxxxxが行われた時期や、治療に当たって進めていた準備の程度について総合的に勘案した上で、当該キャンセルによって回避することができない損害が生じると認められる場合には、治療を1回分消化したものと取り扱うことに合理性があると判断されることもあります。
例えば、器具や薬剤の調達、スタッフの確保等の準備に数週間要する治療について、相当な期間前から予約していたにもかかわらず当日無断で来院しなかった場合等は、当該治療が行われたものと取り扱うことに一定の合理性があると考えられます。
問8 4回セットの治療について、4回で十分な効果が出なかった場合に追加で無料2回まで治療することとしていますが、中途解約が行われた場合、無料部分についてどのように単価を算定すればよいのでしょうか。
(答)
有料の治療に無料の治療をサービスとして付帯させて販売した場合、消費者はこの無料治療部分を含めて治療を受ける権利を有していることとなります。したがって、役務提供期間•金額はこの無料治療部分を含めて算定されます。
ただし、精算については交付書面に明記された単価で行うということになっていますから、原則として、治療の対価に係る精算金は有料治療部分には発生しますが、無料治療部分には発生しないということになります。