・庄原市公契約の条例及び制度に関する検討結果報告書(H30 年(2018 年)8月)
第4回 宝塚市公契約条例検討委員会 会議概要
【日 | 時】 | 平成30年11月28日(水)午前10時~正午 |
【場 | 所】 | 宝塚市役所 3階 特別会議室 |
【出席委員】 7名 (欠席 1名(xx委員))
xx xx xx xx xx xx
xx xx xx xx xx xxx xx xx (敬称略)
【事 務 局】 xxxx管理室長 xx契約課長
契約課課員(xx係長、xx係長、xx)
【開催形態】 公開(傍聴人11名)
【進 行】
1 委員会の成立
宝塚市公契約条例検討委員会委員8名中7名出席のため、宝塚市公契約条例検討委員会規則第5条第2項の規定により、今回の委員会は成立しています。
2 傍聴等の取り扱い
審議の傍聴の取り扱いは、原則として公開とし、傍聴を認めることとします。また、会議の結果もホームページ等で公開します。
3 議題
(1)議題1 前回要望があった資料について
ア 平成 23 年 2 月の提言を受けて実施した内容について・・・ P1イ 平成 23 年度労働問題審議会で「とりわけ人件費の占める割合が大き
な業務委託において、いわゆる官製ワーキングプアのような状況が生じていないのか検証すること」と記されていることに対する検証結果
→平成 27 年 7 月 15 日付け入札契約制度調査研究会報告より抜粋
・・・ P3ウ 一般会計予算において、工事費や委託費の占める割合・・・ P6
(2)議題2 宝塚市公契約条例の骨子の検討について
4 その他参考資料
(1)先行自治体における条例検討時の報告書(インターネットより)
・xx市公契約の条例及び制度に関する検討結果報告書(H30 年(2018 年)8月)
・世田谷区公契約適正化委員会中間報告(H27 年(2015 年)12 月 28 日)
・京都市公契約条例庁内検討会(中間報告)(H25 年(2013 年)8 月)
(2)公契約条例関係様式サンプル
・xx市の様式集(賃金条項設定型)
・尼崎市の様式集(理念型)
5 前回の議事録の修正有無確認
【審 議】
委員長: それでは本日の会議をはじめます。
まず、議案1号について事務局から説明をお願いします。事務局:議題1の前回要望があった資料について
ア 平成 23 年 2 月の提言を受けて実施した内容について
イ 平成 23 年度労働問題審議会で「とりわけ人件費の占める割合が大きな業務委託において、いわゆる官製ワーキングプアのような状況が生じていないのか検証すること」と記されていることに対する検証結果
→平成 27 年 7 月 15 日付け入札契約制度調査研究会報告より抜粋ウ 一般会計予算において、工事費や委託費の占める割合
(各資料により説明)
議題1についての説明は以上です。
委員長: ただいまご説明いただいた内容について、何かご質問などはありますでしょうか。無いようであれば次の議題に移ります。もし後でも、お気づきの点などがありましたら、改めてご質問していただいても結構です。
そうしましたら、前回に引き続いて条例案の骨子についての検討を行いたいと思います。
まず、事務局から本日配布されている資料の説明をお願いします。
事務局: 公契約条例において、先行している自治体における条例検討時などの報告書がインターネットに公開されていたため、ちょうど条例の内容の検討に入った本市において、参考となるのではないかと思ったため、資料としてお配りしました。
条例に下限額を設定することについても、賛成する意見、反対する意見が整理して書かれています。
また、賃金条項設定型と理念型、それぞれについて、運用の段になった際の、イメージがより具体的に湧くのではないかと思いましたので、賃金条項設定型であるxx市と理念型である尼崎市の様式も参考として用意しました。
参考資料の説明は以上です。
委員長: そうしましたら、今、説明いただいた内容を踏まえて条例案の骨子について検討していきたいと思います。
検討するにあたって、最大の論点の一つでもある賃金条項の設定に関して、まず議論したいと思うのですが、事前に皆様にご協力いただいてアンケートを取らせていただきました。お手元にそのアンケートの結果が配布されているかと思いますので、そちらをご覧になって下さい。今日ご出席の皆様と、今日ご欠席の委員の回答を合わせてご覧いただいて、それに基づきながらご発言いただいても構いませんし、補足などがあれば補足していただいても結構です。全ての方にアンケートのご回答をいただいていますので、誰からでも結構ですので、ご発言をお願いしたいと思うのですが如何でしょうか。
委員: 私は賃金条項型に賛成です。もともと国交省も含めて政府で公共工事について は、労務単価が定められています。これは、実際の工事を調査して都道府県ごと に算出している世間相場賃金の集大成と言われています。この労務単価は、1997 年をピークに 15 年間ずっと引き下げられてきました。国交省は、それによって ダンピング受注が増加したとか、賃金が低下したとか、若年層が入ってこないと か、入札不調が続くとかということで、2013 年から引き上げだし、4 年間で34.7% 上がりました。しかし、設計労務単価は工事の設計に使うものであり、労働者の 賃金を形成する指標ではないということがあり、労働者の賃金は、2015 年の調 査では、上がったというのは 12.5%、変わらないというのが 65%、下がったと いうのが 9.5%です。そういう意味でも賃金条項を入れて公共工事の品質を保証 するというのが大事だと思います。業務委託でも、埼玉県ふじみ野市のプール事 故も業者委託でしたが、発注者責任が大きく問われたということもあります。こ ういうことからみても、最低賃金を超える賃金を求める賃金条項の設定が必要だ と思います。そのことによって公共工事の品質を確保することになります。宝塚 市の前回の条例案にも発注者責任が謳われており、そこは評価できる部分ですが、実質的に発注者責任を担保するためにも、条例の中に発注者責任も謳っておく必 要があると考えます。これは、最低賃金とは別で、品質を確保する為にも、労働 者の賃金を安定的に確保するためにも必要だと思います。
強行法の最低賃金法とは性格が違うものであり、契約の自由の原則によるもの
と、民法 537 条に基づいて契約で定めた以上の金額を支払うことを双方で約束するということを根拠にするものであり適法で、これは政府も認めています。
委員: 私も賛成です。前回の会議でもお話をさせていただいたように、重層下請が一
番の問題だと考えます。昨年の兵庫県の建設設計労務単価 20,786 円に対して、 昨年の宝塚市の公共工事に実際に従事した労働者の平均賃金は、アンケートの結 果では、14,888 円と 5,000 円以上の開きが出ています。私は、そのxxは重層 下請だと考えます。事務処理については、実際に我々末端の職人であっても、今 までになく、元請から施工前、施行中、施工後の写真の提示が求められ、短時間 ではありますが仕事以外の処理を家に帰ってからやらないとならず、事務処理が 増えています。しかし、これはもう時代の流れであり、事業主、元請などについ ても、事務処理が増えるというのはある程度仕方がないと思いますし、何より 我々労働者側からすれば、労働者保護の部分で、言いなりの値段ではなく、賃金 条項型の方が一番適切ではないかと考えます。また、昔は民間の仕事よりも公共 工事の方が相当良く、民間の仕事にも公共工事の値段が反映できていましたが、今は全く逆転している部分もあります。設計単価がいくら上がっているとはいえ、現実的にはここ数年、上がっているという職人はほとんど聞いたことがありませ ん。元請の方ではそれなりの単価をもらっているのに、我々にはその恩恵は無い というのが、今の実情であるため、役所としてもその辺りをもう少し考えていた だきたいと思います。そのための公契約条例の制定でもあると思うことから、賃 金条項型を強く求めるところです。
委員: 労働組合の組織率が 20%を切っています。市の公共工事を受注する会社もほ
とんどに労働組合が有りません。ですので、労使間の交渉では決められません。つまり、事業主が一方的に決める状態です。だから条例に賃金条項を入れるべきです。具体的に書かないと条例の意味が無い、と他の委員もおっしゃっています。 8 月の会議でも申し上げたとおり、条例の目的の部分も含め分かりやすく書くべきだと思います。
委員: 気になるのは、結局、大きな案件しか対象とならないので、そうなると宝塚市や宝塚市民に還元されないということを市は懸念していると思います。それで、この条例を制定して、どういうところまでを規制の対象にするのかが一番大事ではないかと思います。大手しか対象としないのであれば、宝塚市がお金を出しながら、結局、宝塚市には戻ってこないことになります。
ただ、契約の実態はよく分かりませんが、労働者保護ということと関係なく公契約条例を作るというのであれば、また違う選択肢もあると思いますが、公契約条例の目的として労働者保護を謳っている以上、賃金条項を入れないと意味が無いのではないかという考えです。
委員: 今、品質確保の話も出ていましたが、これは質の問題で、賃金の問題とは離れ てくるかなと思います。例えば、一人親方で事務もやっておられる方が、同一労 働同一賃金でやられたら、そんなのできないという意見も耳に入ってきています。賃金については条例に入れなくても規則で入れても良いのではないかと思いま
す。法令との整合性もあり、民間の契約である賃金まで決めても良いのかどうか。xx市の例をみると、3 月の議会で賃金を決定しているらしい。しかし、これから万博があったりして、宝塚市クラスの公共工事には人が集まらない、というケースも発生してくると思う。そんなことを考えると年に 1 回、議会で決定ということで大丈夫かという危惧を持っている。労務単価もしかりだが、材料単価も 1年たてばかなり変わってくる。前年度に予算組みをして、秋ごろに発注する工事が終わるころには全く値段が変わってくる。そういう問題もあり、単純に労務単価の問題だけではない。
労務単価については、組合が・・、という話もあったが、会社が募集してこの条件で来てほしいといった場合に、応募する個人の人がいやであれば、別のところへ行けばよいだけの話。そうなると以前にも話をしたが、何か災害があった場合に地元の人が見向きもしてくれない。都市経営をそれでやって行けるのかどうか。
大手だけに賃金条項をつけるのは、悪いとは言わないが、条例でそこまで決め るのではなく、規則という別の形でやるのも一案ではないか。実際にxx市では、事務量が多過ぎるため止めたらどうかとか、労務単価の変更が容易ではないため、金額部分を条例から外して、規則に改める改正をする予定と聞いている。本市に 比べて人口が1/3ぐらいの市で、そういう状況。
良い所も悪い所もあるだろうが、労働者がそこで働く意識があって、その中での決定である。金額だけではない。そこでのやりがいがあってという人もいる。価値観の違いでそういう人もいる。それを一概に、まして条例でひとまとめにするのはどうか。条例は法律の下でやるもの。大手がやるものだけが該当するというのもおかしな話であって、やるのであれば全部やらないとダメ。経営裁量を無くすような規制をやると、市内の業界とのギスギスした問題が当然に出てくるだろう。そういった危惧は持っている。そういうことから、条例に組み込まないで規則を作るのならまだしも、条例に書いてしまうような賃金条項には賛成できない。
委員: 私は中身だと思う。要はどこまでの書類を作って、何を目的として考えている のか。xx市の様式を見ると、一次、二次、いろんな形の労働者がこの現場に何 日入って、賃金がいくらであったなどということを書いていかなければいけない。そうなると作業量が膨大なものになる。これを本当にきっちりと書けるのか。下 請に出して下さいと言ってもプライバシーとして開示しないところもあるだろ う。下請の中においても労働者の単価はバラバラだと思う。ちゃんと書いてもら えるのかどうか、その裏付けが取れるのかどうか、おそらくそこまでの資料をき っちりと作れと言えば、膨大な資料になってくるだろう。表向きの形だけで良い という資料であれば、作っても意味が無い。やるのであれば、きちっとやらなけ
ればいけない。実際にそこまでのことが本当に出来るのか。やった場合においてどうなるのか。現実的にはすごいギャップが出るだろうと思う。
現状で言えば、職人を含め厚生年金とかに全員が入っているのは、中小企業では 10%から 20%程度ではないか。本当の中小の実態、つまり、社会保険や厚生年金についてほとんどクリアしていないという現状が見受けられる。その中で、この賃金条項型をいきなりやってしまって、表向きの形だけやるのであれば意味が無い。宝塚市の方もいずれこういう形できちっとしますよと、その中で、社会保険に入っていない業者は全て排除しますよと。雇用保険の問題とかいろいろひとつひとつを見ていくと、抜け道が必ずある。そこで、中小の会社は理解不足が生じて、これはまだいいのだろうと、まだ私らの直接的な問題にはなっていないのだろうと安易に考えている可能性もある。建設業に関わらず、他にもあると思うが、今の現状が正しいとは思っていないし、当然ながら労働者の環境というのは良くしていくべしだと思う。労働者の環境を良くしていかないと、今後、建設業に労働者は集まらない。しかし、本当の意味で、ちゃんとした労働者の環境を整えるというのであれば、理念型から入って段階的にやるべきだと思う。これをこのままやれば、混乱がまともに来ると思う。宝塚市に見合った、現状を良く理解した上で段階的に考えていかないと、とんでもない混乱を招きますよと、申し上げたいと思います。
委員長: ありがとうございした。各委員からご意見をいただきました。ここからさら
に議論を深めていきたいと思うのですけれども、議論の前提として確認させていただきたいのですが、この検討委員会の主旨に基づくと、こういう大事な論点について、多数決で決めるというよりは、議論を尽くして合議で決めるというスタンスで皆さんと議論させていただきたいということが一つと、それから今日、論点として上げている賃金条項の話に関しましては、今日中に決着を着けないといけないという性格のものでもありません。もちろん最後には決めないといけませんが、忌憚なく議論を尽くすという形で、期限を決めるような形でやるつもりは無いということをご確認いただければと思います。
それから、皆さんの意見を聞かさせていただいたところ、アンケートでは賛成か、反対かという非常に両極端な問いを皆さんに投げかけている所ですが、実はこれは、賛成か反対かという単純なものではない。実際にアンケートでは、反対と回答されている委員にしても、方向性としては賛成なのであるが条例という形にこだわらずとも、例えば規則という形で良いのではないかとか、あるいは、そもそもそういう方向性が望ましいとしても、制度としてしっかりと出来る体制や実態があるのかということを考えたときには、段階的にそういうことがしっかりとやれるという状態になるまで、一足飛びに賃金条項型を導入するよりも理念型で始めてそれに近づけていく努力をするべきではないか、というご意見もありま
した。内容であったり、あるいはそこにたどり着くためにどういう条件を満たさなければいけないのかということを、かなり議論して決めていかないといけないのではないかと感じました。
事務局の方からも、今回、他の自治体の資料を用意いただいてまして、皆さんも事前にお読みいただいているかと思います。xx市の事例を出して、ご意見を頂いた方もいらっしゃったと思うのですが、例えば、賃金条項設定型というものを導入することに伴う弊害というものもあるので、仮に賃金条項設定型を導入する場合であっても、そういう弊害とかいうものを乗り越えていかなければ、本当に絵に描いた餅になってしまうので、そういうことを避けるために議論が要るのだろうということが一つと、それから、何度となくて出ていたのがこれを実行するにあたっての事務量ですね。事務の負担というのは、業者さん側にもありますし、行政側にもありますので、最終的にはそういう実務的な部分も考えていかなければいけないということも踏まえて、ここから先は議論させていただければと思います。
それぞれ、ご意見をお聞きになってさらに質問であるとか意見とかをいただきたいと思うのですが、如何ですか。
委員: 先ほどお話があった内容で、会社を経営されている事情は分かるのですが、保険のことと賃金条項とはちょっと違うのではないかという気がします。保険も色々な保険があり、労働保険は労働日数に関係なく入らなければいけないが、健康保険とか雇用保険は、賃金が高いか安いかではなく労働日数に応じて入るかどうかが変わる。そこが、最賃か最賃以上の賃金条項を作るのかということとはちょっと性格が違うと思うので、例えば労働日数が 30 日以上であれば雇用保険も社会保険も入らないといけない。
公契約条例で、賃金条項を入れることによって複雑になるといった部分もあるでしょうけれども、入れなくても尼崎の事例のように、理念型であったとしても適正に保険に入っているのか、賃金が支払われているのか、いろいろ資料が必要になってくる。宝塚が平成 23 年の提言を受けて実施した内容についても、いろいろ複雑なことがあるので、書類を見直したとあるように、公契約の中での書類の提出というのは分かりやすくしたら良いだろうが、賃金条項を入れる理由は、働いている人が最賃ではなく安定して一定の良い公共サービスを提供するための賃金の保障ということですので、生活を最低限守るという最賃とは違う。そこをしっかりと金額を入れて良い公共サービスをやる、そのためにも、予算確保も含めて、市の発注責任を果たしていくということなので、言われたことは良く分かるのですが、賃金条項を入れることとちょっと違うかなと思います。
委員: 私は、そこだけの話をしているのではなく、あくまでも全体。要は法律に従ってちゃんとやっているのか。それが、あまりにも公共単価等を見たときに見劣り
するのはおかしいのではないかという意見もあります。だから、当然、正社員も含まれますし、下請の社員についても社会保険に入っているとか入っていないとかの基本的な単価の目安をここに書いていかなければいけないことになるわけで、そういう保険適用者が国の定めた法律に従ってきっちりどこまでできているのかといったら、内情は出来ていないですよ。それを指摘しているだけ。だからそこに入らなくても済んでいる人については、ここに金額をすぐに書ける。その単価が低いか高いかについては、逆に何らかの保護も必要だと思います。だからそういう意味で、私はやるのであれば徹底した形でやるべきだし、要はみんな対象になってくるわけなので、書く以上はきちっと書かなければいけない。それに関してこういう形でやるのはどうかなと思います。
委員: xx市の条例を見ているとまさに労働報酬下限額が別表になって条例に入っているが、限度額の具体的な額を条例にまで書くのは技術的に無理だと思う。条例に書くと、変更する際に条例を改正しなければならない。加西市の場合は、「市長が決める。」となっている。但し、条例では「限度額を決める。」となっている。この条項を入れておいてもこれは賃金条項設定型になるのか、ならないのか。宝塚市の場合は限度額条項そのものが書いてない。だからこういう形で入れたら良いのではないか。市長が決める場合の根拠は条例になる。というような感じで段階的にもっていける。その場合に、労働報酬下限額という条項を入れるかどうかということになる。問題はさらに、私は分からないが、xx市のように非常に細かいものを作れるのかどうか。但し賃金条項という労働報酬限度額という部分は入れた方が良いのではないか。そして同時に、規模の点もあるのかもしれないが、尼崎市は労働者保護の条項をかなり多く書いている、宝塚では、どういう側面でどういう風にしてここまでもっていくか。今の保険のようなことも含めて。
私はそういう感じで、労働報酬限度額は条例の中にきちんと入れて、その限度額の具体的な内容は市長にまで下げても良いと思います。
委員長: 要するに、何をもって賃金条項設定型とするのかということだと思います。かなり技術的にどう制度設計するのか。先の委員からもその点をご指摘いただいたのかと思います。その他の皆さんは如何でしょうか。
委員: 今、建設業の労働単価というのは、人手不足で非常に上がってきている。となるとこの公契約条例を何のためにやるのか。建設業で言えば、人手不足になって単価はどんどん吊り上ってきている。外注単価も上がってきているし、同業者に聞いても単価はどんどん上がってきている。兵庫県の最低賃金の 7,000 円弱の倍ぐらい払っている。社会保険をきっちり掛けている会社では、18,000 円から 20,000 円ぐらいになっている。そういうギャップがある。
委員: そうであるなら建設業では、今おっしゃったようなことがあってやらなくても大丈夫ということだけれど、この条例は何を対象にやるのか。
委員: そこなんです。サンプルのようなものでは、書類を作るためだけであって、結局、中身はもうそれを上回っているのに何のために作るのか。だから今の現状で言えば、理念型から入って、その中で問題点が出てくると思う。細かい所で、例えば軽作業とか、そういう中で単価がどうなっているんだと。それに対して、市の単価とあまりにも差が有り過ぎるという問題があれば、また議題として検討する。私はそこから始めるべきだと思う。
委員: 公契約として、建築業みたいなのを想定されているけれど、指定管理者制度では、指定管理者は大きな企業が受けて、業務を下請けに出して、具体的にそこで働いている労働者は非xxで、非常に悪い状況に置かれていると。こういうところまで網をかける公契約条例であるならば、そこまで書いておかなければいけない。問題は、どういう職種に対していくらだというところまで決めるか。また、決められるのかどうか。それも含めて、公契約条例で網をかける対象をきちっと決めないと。労働者保護で一番大事なのは賃金だから、限度額条項を形式的だけど入れておいて、あと具体的にどうするか。実態的にどう調べるかや書類等をどうするか、それは大変ではあるが、どこかで折り合わなければいけないので、妥協の産物かもしれないが、理念型的な条項を入れておいてあとは実態をどうするか、でよいのではないか。
委員: 形で入るのではなく、賃金条項型、理念型という 2 つの形ではなく、やろうとしていることは同じ。労働者の環境を守っていかなければならない。賃金についてもあまりにも不xxな形は是正しなければいけないということは同じだと思うので、その辺りは段階的に。
委員: 逆に言えば、何故、形式的な賃金条項を入れることに反対するのか。尼崎市の労働者保護の規定をもう少し精査する必要があるが、ある意味では議会で決めたものより、労働者保護になっているような気がする。おっしゃるとおり同じなのだから、入れておいても良いのではないかと思うのだが。
委員: ただ入れることによって、我々はそれを書いていかなければいけない。実際に書けるのかと。実際に書けないものを無理やりに書いても意味がないのではないか。書く以上は裏付けを取らないといけないのではないですかと。
委員: だから、問題は、この条項を入れて市長にお任せしたとして、市長は具体的に限度額を全てに渡ってきちんと規定できるのかということかと思う。
委員: そうですね。労働単価についても同じで、xx市も注意事項に書いてある見習い、手伝い等を行う者については 870 円。これも曖昧です。誰を見習いで、何カ月が見習いなのか。
委員: それを言いだしたら、どこも曖昧ということになる。そこまできちっと、見習いや手伝いの定義を定めることが出来るか、ということになる。そこまでは、法的には無理ではないかと思う。だからと言って、置かないと言うことにならない
のではないか。
委員: だから、結果としては、こういう労働環境を守っていかなければいけないという、今の時代に即した形でやっていくべきだとは思う。ちゃんとした雇用保険・退職金、国の方針もあり建設業退職金共済もある。そういう法律をしっかりと守っていくような、今後においてのスタンスを段階的に条例の中で書けるか。それをしっかりと指導できるかなんです。それを竹を割った様にやってしまって、裏付けもない書類だけ書いてくれたらよいですよ、というようことをしても意味が無い。やるのであれば、会社としても裏付けを取るべきだと思う。
委員: かなり完成したものでなくても、ある程度というのも一つのやり方ではないか。きちっとしたものを、というのは難しいとは思うので、それは今後であろう。賃金条項、限度額条項を入れるかどうかという点だけを見れば、入れておいてもあまり変わらないのではないか。問題は中身をどうするかということではないか。
委員: 敢えて入れても良いが、問題はその中身。意味の無いものは作っても仕方がない。
委員: 工事だけでなく、指定管理も業務委託もある。一覧を見ていたら、市内の業者さんが受託しているのは業務委託が一番多い。ここは、小さな会社もあったりとか、いろいろ問題がある可能性もある。もちろん法律の範囲ということもあるので、労働日が少なかったら社会保険に入らなくても良いという全体の問題もあるとしても、公契約をやる時にはこれくらいの金額は最低出さなければいけないという意識付も含めながら。今、労働者の賃金は一部では上がってきているかもしれないが、全体としては下がっている。だから、そういう点を考えても公契約条例の中で賃金条項を入れて、一定の賃金があって安心して働けて、そのことが公共サービスの品質を確保するということからすると、賃金条項を入れた上で、手続きなどについても会社が出来るような方向でやってもらうと。入れなかったら結局同じように推移していく。賃金条項を入れても会社の中の手続きなどはあまり変わらないのではないか。
委員: 例えば、職種の限定。要は全部ではなく、問題がある部分については、ちゃん と確認しますよと。例えばそれを、いちいち何時間働いたからどうこうというこ とではなく、半年なり 1 年なり契約してますよ。そしたらその中で、確実に最低 賃金はこれだけは貰ってますよ、といったような確定をもらったら、1 年に渡る 細かいリストを作るのではなく、要は本人の確認が取れたらそれでいい。そうい う簡素化できる書類に変えるのであればそれでもいい。何が一番問題かと言えば、ひとつひとつこんな形で何時間働きましたとか、何月はどうですよとか、本当に 出来るのですかと言っている訳です。
委員: それは、様式の問題なので賃金条項の話とは違う。
委員: だから、宝塚は宝塚に見合った形の中で、賃金条項型についても入れるものは
入れても良いと思うが、但し、限定を図って、かつ、簡素化もしていく。そうでないと書類のみがあまりにもいびつ化していくので、その辺りは排除していくべきかと思う。
委員: 例えば、賃金条項を入れなくても公契約条例でこの書類を出しなさいとできる。だから、賃金条項を入れるからという問題ではない。賃金条項を入れて安定して公共サービスを提供するという理念。そこが大事かと思います。
委員: 宝塚市も一定金額以上のものについては、書類を出しなさいという、誓約書か何かがありましたよね。
委員: 以前に、業務委託で賃金台帳を出すように、としていましたね。
事務局: 業務委託で、賃金台帳の提出を求めておりましたが、工事に合わせて労働環 境報告書を求めるように様式を変更しました。賃金台帳については、法で作成x xがあるため、様式が決まっているのかと思っていたのですがそうではなく、提 出される様式もばらばらで、また、その労働者が 1 日に何時間勤務なのかという 労働契約書がないと、最低賃金が守られているのかどうか分からないという問題 がありました。そのため、受託者に電話で問い合わせをしたりしていましたが、工事における労働環境報告書の運用が定着してきたので、そちらに統合しました。
委員: 私の知っている事例でも、業務委託で労働者が 1 日に 9 時間働いていたことがあった。それを業者も市も気が付いていなかった。それについては、残業代をもらうことになったが、きちっと業者が労働法を知っていて、役所も上手に点検できるというのは、非常に難しいシステム。会社も労働法を知らない、役所も委託してしまっているので外から見たら分からない。そういったこともあるので、公契約の中の会社はきちっとしなければいけないという意識とはまた違う問題で、いろいろなことがあるとは思う。
委員: だから人の受け取り方によって、書き方も違うし、ちゃんとした基準がないので、適当に出す、それの裏付けは取れているのかというと、取れていない。その中に、例えば社会保険に入っている人もいれば入っていない人もいる、それの裏付けがあるのかと言えば何もない。それの計算方法はどこにあるのかといえば、それも分からない。だから、詳細に渡っていろんな問題点が出てくると思う。
委員: それは、賃金条項とは違って、公契約以前の会社のあり方の問題ではないか。委員: だから、基本的に労働者の労働環境を守るためにどうしたらよいのかというと
ころにいった時に、特殊な仕事とか残業を含めてとか、本人確認が必要なのかとか、そこに至ってくると思う。そしたら、紙一枚で、残業はしますか、してないですかとか、そこにサインして下さい、それで単価はどうですかと。そこまでやらないと確認がとれないのではないかという気がする。公契約の中にそれを全て謳うことは不可能だと思う。だから、公契約というのはそれだけの問題ではなく、単価の問題もあるし、ダンピングの問題もあるし、いろんな全体が絡んでくる。
そういう意味で、まず全体像をつくり、その中の詳細についてはひとつひとつ吟味していかないと、ここで条例の細部まで作るのはまず無理だと思う。
委員長: 今の議論を聞かせていただいて、先ほども申し上げたのですが、やはり、何 を持って賃金条項型というのかということに尽きるのかと思います。というのは、委員からもご意見があったように、たとえ理念型であったとしても内容次第で、その事務処理は増えるということになってくるでしょうし、逆に賃金条項型とい う形で導入した場合でも、それもまた内容次第で事務処理はそれほど増えないと いったことにもできる。つまり制度設計のあり方次第で変わってくる。具体的に 言えば先ほどのxx市の様式の例がありましたが、様式そのものがケースバイケ ースということになってくる。
私も今までなかなか正確に理解することが困難だったのですが、お話を聞いて いる限りでは、仮に賃金条項設定型というものを入れると言った場合には、委員 のアンケートにもあったように、結局、理念として労働者保護を全面的に出す条 例であるということでしかないのかなあと、イコール規制ではない。先ほど労働 者の環境改善という方向性自体は合意が得られているという話がありました。で すので、そこの部分を重視しているという方向性を全面的に打ち出すか否かとい うことになってくるのではないかと思います。なので、結果として、それを賃金 条項設定型という風に呼ぶものなのか、そうでないのかということにはなってく ると思うのですけれども。懸念されているものの多くは、現場での手続きはどう なってしまうのだろうかとか、実質的にその理念を形にできるような、そういう 体制が整えられるのかとか、情報が得られるのかとか、インフラが整備できるの かということにかかってくるということではないか。要するにこれを通じてどこ まで望むか。だから委員がおっしゃられているような宝塚市の実態に沿った形で、どれだけ実態的な労働者の環境改善が出来るのかということを最後は考えてい くということになるのかと思います。
皆さんの議論を聞いた感じではそういう解釈だったのですが、もし間違ってい
るとか、なにかご意見があればどうでしょうか。
事務局: 私も会議用に資料を作っていく中で、勉強しているのですが、京都市さんの報告書の中で、事務的な困難さということが書いてありました。先ほど申し上げたように本市では、賃金台帳を出していただいたこともあったのですが、その際には、それがおかしいとかで法律違反ということであれば、労働基準監督署などに連絡して調査をしてもらう、ということを想定して動いていたのですが、賃金条項設定型にして、本市独自で単価を決めた場合に、それを下回っていたとしても最低賃金を下回っている訳ではないのであれば、労働基準監督署は調査をしてくれない。それは、本市が独自に調査しなければいけない。それが本当にできるのかということが京都市の報告書で書いてありました。そうなると専門家に委託
しないとできない、そんな問題もでてくるなと感じました。
委員: それは、契約を交わしているので契約違反じゃないですか。賃金条項で下限額を決めた、それを下回っていたというのは契約違反。強制的に調査は出来ないのは確かですけど、契約を交わしているので、調べたら良いのではないですか。
事務局: 報告書では、下限額を満たした金額で報告が出てきたが、労働者から自分はそれだけの金額はもらっていない、という申し出があった場合のことで、それを調べるのは、相当に困難なものになるということ。
委員: 契約違反で調べたらよいのではないか。この時点で事務局がそういう消極的なことでは良くないのではないか。
事務局: ただ、実務的なことは想定する必要があると思うのですが。
委員: 確かにそういった場面は想定されるかもしれない。また、調べたら良いと言えばそうであるが、事務局としての心配もわかる。ただ、条例を作る以上はどうしても事務量が増える。それは仕方がないこと。条例というのは、ある程度理念的なものだと思う。現実に動かない場合もあるし、法律でも同じ。制裁が働く場合はよっぽどの場合。そういう部分があるので、条例を作る際に、すべてを完璧にということを目指しては難しいのではないか。
委員長: 先ほども申しましたが、その事務量については、事務局側、事業者側の両面あると思いますが、それも内容次第でかなり変わってくるのではないかと思います。繰り返しになりますが、賃金条項型と言われているようなものは、一様ではない。なので、例えば「宝塚市の実態を考えると手続きとしてはこれくらい簡素であるべきだ」という判断であれば、そういうやり方の賃金条項型というものもあるだろうということなので、先ほど委員も条例は理念であるとおっしゃっていましたが、理念として賃金条項型なるものを謳うかどうかということになってくるのではないかと思うのですが、結局、それイコール強力な規制ということではない。
委員: 下限額をxx市のように条例で決めるのは大変だと思うので、これを規則に回 すと。それから問題は、宝塚市では指定管理者と業務委託が入っていない。この 辺りまで入れるのかどうか。入れなくてもよいのか、また、製造請負や商品の購 入とかもどうするのか。かなり質が違う。業務委託に近いのが指定管理。これま で、がらっと変えるのか、一応母体としてパブコメまでかけた今までの案を基本 にするのかによってかなり変わってくるような気がする。物品を購入する場合に、購入先の事務員さんがどれくらい給料をもらっているのかまで対象とするのか というと、それはいらないだろうと思う。そうするとやはり問題は建設業か業務 委託。業務委託になるともう少し対象も限定して話を進めていけばどうかと思い ます。最賃で保障されているのでそれ以上の上をいくのかどうかとか。
委員長: 今すぐ結論を出すつもりはないのですが、我々としては、どうしても先行事
例に学ぶということをやってきたこともあって、悪例と言えば言葉は悪いが、非常に煩雑な手続きを想起させるような事例もありますので、仮に宝塚市で賃金条項型みたいなことを入れた場合でも、必ずしもそれと同じようなものをやるということではない。それは、独自に考えたらよいということでもありますし、さらに言うならば、賃金条項型とか理念型とかいうカテゴリーを多用しているが、それ自体のネーミングを我々が考えても良いぐらいではないかと思います。
委員: アウトソーシングの問題。宝塚では、公民館も含めて指定管理者制度ですから、役所があって工事があって業務委託があってという周りに数多くの公共事業があって、昔に比べると役所が全部やっている訳ではなく、どんどんアウトソーシングになってきている。そこが問題になって公契約条例というのが出てきていると思うので、指定管理者も入れないといけないし、一人親方も入れないといけないし、そういう公共サービスというものが、変わった形に発展してきて、アウトソーシングが広がってきている。公契約条例というのは、公共サービスをする上で、市民にとっても大事な条例になってきていると思うので、できるだけ広く、また賃金条項も入れて、と思います。
委員: ちょっとその辺の考えが違う。何故、公共サービス的なものを管理委託などに出すようになったのかを、皆さんは何もおっしゃらないが、例えば、ある職種の人が、あの勤務時間でこの年収で、これは無駄ではないかということで、だんだんアウトソーシング・外部委託するようになってきた。これが現実。これは、賃金の引き下げという考えではなく、官公庁の職員がやると無駄が多いから。年間 200 日という人まで、月給で雇ってということになると経費が大きいから下げようということ。これは、市の経営ということからすると当然考えなければいけないこと。そうなると、契約した相手方、指定管理するところは、普通は法人で、そことの契約。そこが責任をもってやらなければいけない。単価が安くて嫌ならそこで仕事をしなければよい。時間的な制約があり、例えば自分は夕方から 4時間だけ働きたいとかいう人もいるので、こういう自由を規制する必要はないのでないか。そういう人がでてきたらそれは会社に対して言うべきこと。双務契約なので当事者が責任を持って受け、責任を持って成果を出したら良いことではないか。
委員: 今ここで論議しているのは、直営が良いか、アウトソーシングが良いかという
話ではない。
委員: そういう前段があってアウトソーシングをしている訳だから。
委員: 公共サービスをやっているのは、直営でやろうと業務委託でやろうと同じなので、そこで働いている労働者の賃金保障をどうするかという問題。
委員: その単価は最賃を下回っているというのがあるのか。
委員: 最賃を下回ったら違法行為。公共サービスの品質をさらに良くするために最賃
では無く、単価を上げて行こうというのが賃金条項の理念。
委員: 賃金条項にすれば、ですよね。そこまでやる必要があるのか。委員: そうなってきたら、条例を作る意味が無い。
委員: それは、第 1 回目の会議でも言ったとおり、何故、宝塚市が、早急にそこまでしないといけないのか。
委員: そういう風な意見はあると思います。もともと契約というのは私的自治の原則というのが働く。だから、市も相手方の額が高くても、構わないということであればそれでやっても構わない。確かに競争入札があり、出来るだけ安くということに自治法はなっているが、そしたら基本的には賃金を抑えて安い契約を結ぶ、こちらはそれで有り難い、でも、そこで働く人はどうなの、ということになる。だから、やはり、国民のあるいは住民の福祉を考える市としては、一定の介入をしないといけないというのが、こういう条例が出来てきていることの根拠だと思う。ですから、何故法人のところまで手を出すのかとおっしゃるのはそのとおりであるが、出さざるを得ない。できるだけ競争入札ではあるが。
委員: それと、その仕事に価値観を見い出している人もいる。
委員: それは、極端な例外であり、良いかどうかとは別問題だと思う。
委員: それが公契約になっているからということで議論をしている。そこまで細かいことをやっていかなければいけないのか疑問。
委員: だからといって、理念としての限度額条項を入れるかどうかだと思う。それも含めて、対象がどうなのかということが非常に気になる。この公契約というのが一体どれを対象として条例を作る気なのかでかなり違ってくると思う。
委員: 公契約という括りにすれば全て入る。委員: だから、その中で細分化。
委員: そうなると、条例の中だけで無く、規則で決めれるのじゃないか。
委員: だから、委任条項を入れる。条例でないと規則では決めれない。規則は首長が決め、そこに任せる。条例は住民の代表である議会が宝塚市はこうあるべきだという法規範を作るわけなので、全然重みが違う。だから、結局、条例で作って規則に委ねるというので、良いのではないか。
委員: 私はバランスだと思う。出発点は、公の工事、指定管理、業務委託については、なんでもかんでも安い単価が良いのではなく、市民の賃金の向上もあるであろうし、公の仕事・サービスでもあるのだから、ある程度ここまではするべきじゃないかなということで、公契約条例を作って、しっかりとやっていこうということだと思う。だから指定管理者などもそれに伴った形で、賃金が決まったとすると、そしたらこの決まった金額を下回った金額で落札することは無いのですよね。そしたら、契約に関しても、最低金額も決まるはずではないのか。これが決まらずに、こっちは下がっている、それは自腹を切っても支払えと言う、こういう形は
無いと思う。だから、公の契約なので最低制限価格も定めている、その辺りが民間と違うところだと思う。そういう中で、賃金を決めなくてはいけない指定管理者とか業務委託もあるし、建設業では材料から何から目に見えない付加価値もあるので、この業界においては定めるのは無理じゃないですか。はっきり言って定める必要も無いのではないですか。もう既にこれだけ賃金が上がっている所に何のためにやるのですかと。土木建設業で見たときに、1 万円以下で雇っているところはありませんし、世間相場に見合う金額を出していますし、出していないと人は集まりません、と言う現状を理解して下さい。
委員: いやその逆で、経営者側から言うとそうかもしれませんが、現実に働いている我々職人からしたら単価は上がっていないんです。
委員: 具体的に言ってくれませんか。なぜ上がっていないのですか。委員: 間で取っているからではないか。
委員: 例えば、大工さんなのか、鉄筋屋さんなのか、左官屋さんなのか。委員: どこも含めてです。
委員: どこも含めて上がっていない?
委員: だから不思議なんです。単価が上がっている、上がっていると言いながら少しも上がっていない現状があるので。これは、我々組合の方で、実際に組合員さんに、日額いくらですか、とのアンケートを取った分の回答です。当然、ゼネコンに行かれている方もいらっしゃれば、一人親方の方も、個人経営の方もいるが、トータルで見ると単価が上がっているのはほぼ無い。設計単価はいくらでも上がっていっているのに無い。委員がおっしゃたように、工期を間に合わすために人が欲しいので単発で単価を上げるということはあるかもしれないが、1 年のスパンでやっている仕事では、設計単価が上がってもずっとここ数年横ばいです。だから、我々、労働者に何故還元されないのかということを逆にお聞きしたい。
委員: 末端の労働者までの単価がどこでいくらくらい上がっているのか、私たちは上がっているものだと思っていたが、上がっていないということが理解できないのですが、というのも、私が元請とすると、例えば、1 次下請けに 1 立方メートルいくらでお願いし、それに対して払っている。それは請負工事なので、1 次下請けがまた職人を雇っている。当然、仕組みは全てそうですよね。皆を雇っている訳ではなく、請負工事として、1次下請けがあり 2 次下請けがある。当然そういう仕組みがある。そこまでの詳細の労働単価がいくらであるのかについて、はっきり言って私たちが分かるのかというと分からない。
委員: それが、逆に我々からしたら問題ではないかと思う。
委員: それを、国や官庁が労働単価を例えば 1 万 5 千円とした時に、それが順番にどういうふうに跳ね返ってくるのか、その仕組みまで変えようとしているのか。そうなると、そこに社会保険の問題も出てきますよね。社会保険は基本的には、労
働者はちゃんと入っているかどうかを見なさい、建退協にちゃんと入っているか見なさいといった指導もある。そしたら、それを本当に今の 1 次、2 次とかいう組織の中でどこまで見れるのか。
委員: そのための賃金の下限額の設定で、下限額を設定することにより、そのピラミッド自体が、3 次下請けの段階で下限額に達するのであれば、4 次、5 次というのはあり得ない話になる。設計労務単価が、実際に働いている人間に渡らないという構造自身が、そもそもおかしいと思う。
委員: 私はそうは思わない。積算労務単価というのは、あくまでも積算する基準にあたるので、それが例えば 21,000 円であった場合に、21,000 円を労働者に払わなければいけないという基準ではない。宝塚市において、最低賃金を決めて本当に実行ができるのかとなると、多分難しいと思う。
委員: それが何故かというと、結局は下請が、重層的にずっと繋がってくる形のものがあるということを、委員自身が分かっているからということなのではないですか。
委員: 私は分かっているから、労働者の労働環境の改善を図っていくためには、先ほどから言っているように、社会保険とか雇用保険とか退職金とか、そういうある程度決まった形のものもまだできていない。それはおかしいのであるが。本当の意味での一人親方なんですか、一人親方というのは請負仕事ですよと。それが請負仕事ではなく、職人さんで、そこの会社にはいるが、請負仕事ではやっていない。だけど、社会保険に入りたくないからと。過去においても 20 年間掛けない
と貰えなかったものが、来年以降については 10 年で貰えるように変わる。社会の形態も変わってきた。年金も入らないといけないという風に変わってきた。どんどん仕組みも変わってくると思う。今言っているように、賃金条項型にして、最低賃金まですべてにおいて決めて、本当に実行できるか。やはり、段階的にやるべき。いずれそういう風になるかもしれないが、今、そこの前提もできていない段階で、いきなり賃金まで確定させて、それに伴った形の社会保険は、となった時に、その分はどこに含まれていくのか。
委員: 今話をしている流れの中で、全体ではまだ漠然とした話しかできていないのに、ポイントだけのことをポンと出されても、それについての答えは誰も出せないのではないか。ただ我々がここに集まっている目的としては、労働者保護の観点から条例をどうするか、ということで集まっていると思うので、ポイント的なことについては、これからの話ではないか。今、xx市や京都市や尼崎市のことがいろいろ出ていて、それなら次にそれをどうしようかというもう少し前向きな話で持っていくべきではないかと思うのですが。今これをずっとやっていても堂々巡りにしかならないのではないかと思う。次回とかに、また意見を求めて、次回も議論していくという方がよいのではないか。全くかみ合わない話になっているの
で。如何ですか。
委員長: ありがとうございます。今のやり取りもお伺いしていると、やはり、具体的な制度の細部に触れるような話になると、個々の論点として、あるいはケースに基づいて議論しなければいけないということになってくるので、おっしゃるようにそれぞれの立場で発言するということにもなるでしょうし、そもそも認識のギャップがあったりもする訳なので、やはりこの検討委員会の主たる目的は、大きな方向性を決めていくということだと思います。
条例は理念であるという意見もいただきましたが、まず、宝塚市のスタンスとしてどういう方向性で公契約をやっていくのかということに一つの着地点をまず見つけるということに軌道修正することを、我々は改めて認識しなければならないということだと思います。
今日はまた終了時間が近づいてきているので、今のことを認識していただいたうえで、他にもいろいろ論点はあるのですが、今日のところはこの論点だけで良いと思うので、もう一言二言ということがあればお伺いしたいと思います。ちょっと繰り返しになるのですが、結局いろんなことが懸念されるのですが、介入のレベルですね。賃金条項を設定するといった場合に、介入のレベルは、結局、内容次第ということになってくるので、その話をやりだすと個々の論点で詰めなければいけないことがたくさん出てきてしまうので、その辺りについては、もちろん必要に応じてお伺いしたいと思うのですが、基本的には大きな方向性として、なにか着地点を見つけられるようなご意見を頂戴できればと思いますが。
委員: 例えば、理念型の下に。要は理念を頭に立てて詳細については賃金条項設定型の詳細をまた立てていく。というのも、賃金が上に来てしまった時に非常に内容が難しいところがある。公契約条例の全体の理念については、当然に必要だと思うので、理念に伴ったその中の詳細についての賃金条項設定型の中身を時代に沿った形で、必要に応じて、急務に必要なのか、それともそれを少し段階的にするのか。まず、社会保険とか他の退職金とかの問題を前提に置くのか。そういうところは詳細部分だと思うので、他市でも施工体制台帳を提出しなさい、そこに保険関係の番号まで記載しないといけない。下請についても番号まで記載しなければいけないとか、いろんなことが変わってきている。
委員長: 条例そのものにはそういう細かいことは書けない。
委員: だから理念型を表に立てておいて、細部については賃金条項の内容について別紙で定めるというような形で、細部に置いてはどうか。そうすると、条例自体は漠然とはなるが、前に進むのでは。それをここで賃金条項型の詳細を吟味して決めていくのか。おそらく決めていこうとしたら半年かかっても決まらないのではないか。
委員: 条例自身は賃金条項型にして、詳細については規則で定めるという風にすべき
ではないか。条例自身の文言が全然違ってくる。委員: 思いは逆ですけどね。
委員: それでないと、規則では賃金条項型の効果が発揮できない。規則は市長が定めることが出来るので。
委員: 私も業務委託とか指定管理者については必要だと思う。そこでちゃんとした管理者を置いているのに、パートの方が 800 円で良いのかというと、そうではないと思う。やはりちゃんと施設を管理してもらわなければいけない。業務委託としてちゃんと責任をもってやってもらう地位ある人の賃金が低いのはどうかと思う。また、管理者としても賃金に見合うだけの人が来てほしい。だから、そういう公共サービスをしていく役割を果たす人なので、当然上げるべきだと思う。
委員: 賃金条項を入れても、例えば最賃が 900 円だとして、賃金条項では 1,000 円とした場合に、実際に会社が契約するのは 1,500 円でも 2,000 円でも良い。最賃は全国的に生活の最低を保障するということなので、そことは違うが、賃金条項で 1,000 円としても、全ての労働者を 1,000 円で雇いなさいと言う意味の公契約条例ではない。
委員: 私は、賃金条項が前に来るのか、理念をやめるのかといった場合に、やはり、条例の理念は必要。
委員: 賃金条項を入れても条例の理念は当然出てくる。条項なので、公契約の理念は必要。
委員: 規則の細部については、必要であるものと必要でないものがあると思う。
委員: 規則は条例に基づいて作るので、規則で賃金を定めることは絶対にできない。委員: だけど、賃金条項の何を作ろうとしているのか。問題は中身で、単価を決めよ
うとしているのか。
委員: 単価まで決めることはない。下限条項を入れるだけ。例えば、xx市の場合は、第 5 条で「市長が下限を定めるものとする」と下限条項を入れ一応委任しているが、さらに第 2 項で「別表で定める」となっていて、こうなると条例で下限額を書かなければならなくなる。だけど、第 5 条の第 2 項を書かずに「規則で定める」とだけにしたら、下限額は、項目も含めて規則で好きなように書ける。下限額を誰が決めるかはあるが、それを守らないといけないということを拘束するだけの話。これを条例に書いてしまうと、金額を変更する度に毎回、議会にかけなければならない。
委員長: 要するに、詳細な部分まで条例に書き込んでしまうことによる弊害がある。なので、こちらの委員の意見としては、条例の中に少なくとも下限条項というものを明確に謳っておいて、その細部については規則で定めていくと。その規則が詳細な制度の中身になってくるので、そこについてはまた別途個別にいろいろ議論して決めていかなければならなくなるということです。ただ、条例で定めてし
まうよりはかなり柔軟性があり、実態に合わせて変えていったりだとか、あるいは時間の経過とともに、制度が合わなくなった場合などに見直しがしやすくなるというイメージです。
委員: この下限額というものを入れるかどうか、それだけの話。これは、契約する毎に一定の下限を決めますよと。これを守って下さいよという話。
委員: 問題は下限を入れることによって、それを裏付けている賃金がいくら支払われているかという、xx市のような書類の提出につながるのでは。
委員: それはまた後で、詰めていけば良いのでは。結局、下限を入れるかどうかだけです。事務局の案は、最賃があるので不要ではないかという考えかもしれないが、公契約条例には、下限を作ってそれを履行させるというところに意味があると思うので、入れておいたらどうですかと。具体的な額は、最賃にしても良い。市長が決めること。市長も我々住民の代表者だから決めれる。もちろん具体的には事務局が決めるのかもしれないが。公契約条例を銘打って、理念として打ち出した以上、これ無しでは、あまり中身の無い条例になるよ、というのが私の意見です。
委員長: ありがとうございます。まだ議論は尽きないと思いますが、終了の時間が迫ってきましたので、最後の話は、結局、下限額そのものを入れること自体に納得できないということにするのか、それは別に構わないが具体的な数字を入れることはいろいろ混乱を招くので、そこは規則に留めましょうと言う意見。そういうところが今日出てきた最後の論点になってきているとご理解いただければいいのかと思います。もちろん今、結論を出すつもりはありませんので、継続的に今の点を含めて議論をしていきたいと思います。
そうしましたら、皆さん活発な議論ありがとうございました。
前回の議事録にもし修正等がありましたら、事務局の方までお願いしたいと思います。それから、本日の議論の中で疑問に思われたことなども含めて事務局に問い合せていただくことも可能です。その他に事務局から何か報告とか連絡事項とかはありますでしょうか。
事務局: それでは、議事録につきましては、委員長からも説明がありましたが、修正などがありましたら事務局までお知らせください。
次回の日程ですが、事前に皆様からスケジュールをいただいています。1 月 30 日の水曜日だけが皆さん全員が可能な日だったのですが、1 月 30 日の水曜日でもよろしいでしょうか。それでは 1 月 30 日の水曜日の 10 時から 12 時でお願いします。場所については、この部屋ではなく、水道局庁舎の第一会議室になる予定です。
また、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
委員長: そうしましたらこれをもちまして本日の委員会は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。