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建設工事請負契約の契約保証に関するお知らせ
Ⅰ 履行保証制度の概要
曽於市契約規則第31条から第34条の4の規定に基づき,契約保証金の取扱いに関し必要な事項をお知らせします。
1 公共工事における履行保証制度
公共工事の履行に関しては1995年5月に公共工事標準請負契約約款が改正され,それまでの工事完成保証人制度に代わり,受注者に対し金銭的保証又は役務的保 証を選択して求めることが原則とされました。
契約時において本市も公共工事標準請負契約約款に基づき,契約の履行について保証については,原則として金銭的な契約保証(約款第4条の2)を求めますが,必要な場合にはそれに代えて役務的保証を求めます。(約款第4条の3)
ただし,本市においては当初の契約金額が500万円を超える場合は契約金額の 10%以上に相当する金銭的保証を要しますが,500万円以下の場合は契約保証金の 納付の免除(保証不要)となります。
契約金額区分 | 保証内容 | 保証の手段 |
当初の契約金額が 500万円を超える場合 | 契約金額の10%以上に相当する金銭的保証(約款第4条の2) | 契約保証金の納付 |
有価証券等の提供 | ||
金融機関等の保証 | ||
前払金保証事業会社の保証 | ||
公共工事履行保証証券による保証 | ||
履行保証保険契約の締結 | ||
契約金額の30%以上に相当する 役務的保証(約款4条の3) | <通常,役務的保証は求めないため省略> | |
当初の契約金額が 500万円以下の場合 | 保証不要(約款第4条の4) |
なお,金銭的保証とは,受注者の債務不履行により発注者が請負契約を解除した際に受注者が負担する違約金の支払債務の履行を保証するものです。
2 契約締結に必要な保証及び書類等
契約金額 | 契約に必要な契約保証 | 契約締結に必要な関係書類等 | |||
契約書の案 | 金銭的保証関係 | 消費税及び地方消費税に係る届出書 | |||
契約保証金 の欄の記載 | |||||
500万円を超える場合 | 金銭的保証 | 契約書 2部 | Ⅱ4参照 | 関係書類等1部 | 課税事業者届出書又は免税事業者届出書1部 |
500万円以下の場合 | 保証不要 | 「免除」 | 不要 |
当初の契約金額(消費税及び地方消費税を含む。)を基準に,下表のとおり金銭的保証の有無と契約に必要な書類等が区分されます。
3 制度の機能及び効果
金銭的保証では,受注者に契約違反が発生した場合は,発注者により工事請負契約が解除(約款第44条)され,受注者は発注者に対して解除時の契約金額の10%の違約金を支払う義務が発生(約款第44条第2項)します。
なお,受注者が違約金を支払う義務は,金銭的保証の有無に関わらず発生しますので下記については再度御確認ください。
⑴ 契約金額が500万円以下の場合(無保証)
ア 無保証のため,違約金は発注者が受注者に請求することが基本となります。イ 契約解除時での工事の出来高がある場合,発注者は受注者に対する違約金
の請求権と,受注者の発注者に対する工事代金の支払い請求権を相殺します。ウ 工事の出来高が違約金に満たない場合は,発注者は不足する違約金を乙に
請求します。
⑵ 契約金額が500万円を超える場合(金銭的保証)
ア 金銭的保証が付されているため,違約金はまず契約保証により充当されます。
イ 請負代金が増額変更されている場合は,違約金は変更契約金額の10%となりますが,契約保証金は当初の10%に留め置かれているため,契約保証金を上回る違約金(以下「超過違約金」という。)が発生します。
ウ 解除時で工事の出来高がある場合,発注者は超過違約金の請求権と,受注者の発注者に対する工事代金の支払い請求権を相殺します。
エ 前払金をしている場合は,出来高が4割を超えている場合に限り,発注者は超過違約金の請求権と発注者に対する工事代金の支払い請求権を相殺します。
オ 相殺できなかった違約金は,発注者が受注者に請求します。
Ⅱ 各保証手段に共通する事項(金銭的保証のフロー)
1 指名通知又は入札参加資格確認通知を受けたとき
⑴ 金銭的保証は,金銭・有価証券等の事前準備や保証機関の保証審査が必要になります。
⑵ 閲覧期間は保証手段の選択を考慮する期間ともなります。
⑶ 保証手段を選定し,入札に臨んでください。
2 落札決定通知を受けたとき
⑴ 各入札において落札決定後,落札者に保証手段の聴き取り確認を行います
ので,各保証手段(○○参照)の中で選択する保証手段を財政課に申し出てください。
⑵ 落札後財政課において「入札執行結果表(契約保証用)」の交付を受けてください。
⑶ 保証機関の保証を受ける場合⑵の「入札執行結果表(契約保証用)」を保証機関に提示して保証を受けてください。
⑷ 契約保証金(金銭)を選択する場合は落札決定後直ちに「契約保証金提出申出書」(様式第○号)の提出が必要ですので,契約保証金提出申出書を事前に準備されるか,落札日に財政課に使用印を持参し作成してください。
3 保証関係の書類等の提出
⑴ 建設工事請負契約書(案)と同時提出となります。
⑵ 提出期限 入札日に「入札執行結果表(契約保証用)」で指定します。
⑶ 契約締結に必要な関係書類が未提出のまま指定の提出期限,更には落札決定通知後7日間(最終日が曽於市の休日を定める条例(平成17年条例第2号)第1条に規定する休日の場合は曽於市の休日の翌日)が経過した場合は曽於市契約規則(平成17年規則第43号)第20条第3項の規定により,落札者が契約の締結をしない旨を申し出たものとみなすことになります。
4 提供する保証と契約保証金の欄の記入方法
⑴ 保証の手段別に提供する保証と建設工事請負契約書(頭書)「契約保証金の欄」の記載方法は下表のとおりとなります。
保証の手段 | 提供する保証 | 「契約保証金の欄」の記載方法 |
①契約保証金の納付 | 金銭 | 一金○○円也 「契約金額の10%以上の額」 |
②有価証券等の提供 | 有価証券等 | 一金○○円也 担保の価値 |
③金融機関等の保証 | 保証証書 | 一金○○円也 「契約金額の10%以上の額」 |
④前払金保証事業会社の保証 | ||
⑤公共工事履行保証証券による 保証 | 保険証券 | 「免除」と記載 |
⑥履行保証保険契約の締結 |
⑵ 保証金額は,当初の契約金額の10%以上の額となり,その額に壱円未満の端数があるときは,その端数を切捨てた金額となります。
※ ⑤⑥の「免除」記載は無保証の意味ではなく,保険等により10%の保険金等が提供されるため,契約保証金が不要になるということを意味しています。
5 工事請負契約書の変更と金銭的保証の変更の関係
⑴ 契約金額の増額変更
当初の工事請負契約の金額が変更契約で2倍になる場合に契約保証を求めますので,通常は契約担当者から契約保証の増額を求められることはありません。
⑵ 契約金額の減額変更
受注者から要求があった場合に限り,変更後の工事請負契約金額の10%以上に保たれる範囲で保証の減額に応じます。
⑶ 契約工期の延長
受注者に対して,契約保証の期間を変更後の工期を含むように延長することを求めます。
⑷ 契約工期の短縮
受注者から要求があった場合に限り,契約保証の期間の短縮に応じます。
工事請負契約の変更と金銭的保証の変更の連動
保証の手段 | ⑴契約金額 の増額 | ⑵契約金額 の減額 | ⑶工期の 延長 | ⑷工期の 短縮 |
①契約保証金の納付 | × | △ | × | × |
②有価証券等の提供 | × | △ | × | × |
③金融機関等の保証 | × | △ | ◎ | △ |
④前払金保証事業会社の保 証 | × | △ | ☆ | × |
⑤公共工事履行保証証券による保証 | × | △ | ◎ | △ |
⑥履行保証保険契約の締結 | × | × | × | × |
◎:変更契約前に保証の変更が必要 △:受注者が求めれば契約保証を認める ×:通常は契約保証の変更は不要 ☆:変更契約後に受注者が保証機関へ通知する |
6 工事完成後の各契約保証の取扱い
返還手続きが必要な保証 | ①契約保証金の納付 | 金銭の返還 |
②有価証券等の提供 | 担保物件の返還 | |
③金融機関等の保証 | 保証書の返還 | |
返還手続きが不要な保証 | ④前払金保証事業会社の保証 | 保証(保険)証書は契約担当者が保管します。 |
⑤公共工事履行保証証券による保証 | ||
⑥履行保証保険契約の締結 |
7 履行遅滞の場合の取扱い
⑴ 契約の解除
ア 契約担当者から契約の解除が通知されます。 (ア) 解除により工事は打切り精算されます。
(イ) 解除により受注者に違約金の支払義務が発生します。イ 受注者は,契約担当者へ検査調書を提出して下さい。
提出部数・・・2部~4部 契約担当者用,契約保証機関用,受注者用,前金払いを受けている場合は保証事業会社用
ウ 受注者は,工事の出来高の現地調査の立会を求められます。
エ 受注者は,契約担当者から検査調書の返還を受け,次に掲げる書類を提出します。
(ア) 工事目的物の一部引渡書(工事出来高がある場合)
(イ) 工事請負代金の支払請求書(請負代金の請求が必要な場合)
(ウ) 契約保証金返還請求書(契約保証が金が違約金を上回っている場合) (エ) 契約保証金還付請求書(有価証券等が違約金を上回っている場合)
⑵ 工事の継続
契約担当者の判断で,例外的に契約を解除せず,損害金(遅延損害金)を徴収して完成するまで工事を継続させる場合があります。
この場合,保証手段の③~⑤については,工事が完成する見込みの期日まで契約保証の期間を延長する必要があります。