グループR-GT:GTプロダクションカー
2022年
2021年7月 28日 制定
2022年1月 1日 施行
JAF国内競技車両規則
第 1 条 総 x
x規則は、国内で開催されるJAF公認競技会に参加するすべての車両の製作、改造に適用され、競技車両の安全確保、性能均衡による競技の安全性の維持等の取り扱いに関する必要な事項を定めることを目的とする。
公道使用の競技会に参加する車両の改造は道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)(以下「保安基準」という)に従い、これを限度とする。
JAFは規定の変更を行う権利を留保する。
安全性の確保を目的とした変更は予告無く即時適用される。
第 2 条 本規則の構成
本規則の構成
第1編 レース車両規定
部門Ⅰ:量産車両(公認車両および登録車両)
部門Ⅱ:競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)第2編 ラリー車両規定
第3編 スピード車両規定第4編 細則
第 3 条 規則の適用
JAF国内競技車両規則は、第1条、第2条の通り構成されており、それぞれの競技の内容、参加車両に従い、別表により適用される。
なお、競技によっては本規定ではなく「2022 年国際モータースポーツ競技規則付則 J項」が適用される。
また、本文書中の見出しおよび字体は、参照を容易にするためのみのものであり、
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本技術規定の一部を成すものではない。
別 表
− 国内競技車両規則対応表 −
参加車両 競技の内容 | 量 産 車 両 | 競技専用車両 | ||
自動車登録番号標付 | 自動車登録番号標無 | フォーミュラ プロトタイプ等改造車両 | ||
クローズドサーキット | レ ー ス | スピードSA車両規定またはスピードB車両規定に準ずる | レ ー ス 車 両 規 定 (競技によってはFIA付則J項) | |
ジ ム カ ー ナ | スピードP車両規定 | |||
スピードPN車両規定 | ||||
スピードN車両規定スピードSA車両規定 | スピードSAX車両規定スピードSC車両規定 | スピードD車両規定 | ||
ダートトライアル | ||||
スピードB車両規定 | ||||
スピードAE車両規定 | ||||
公道 | ラ リ ー | ラ リ ー 車 両 規 定 |
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第1編 レース車両規定
※文中の太字斜体部分は、2021年JAF国内競技車両規則第1編レース車両規定からの改正箇所を示す。
第1章 車両の分類
第 1 章 車両の分類
部門とグループ
第 1 条 国内競技車両
部門Ⅰ 量産車両(公認車両および登録車両) N1:量産ツーリングカー N2:特殊ツーリングカー
部門Ⅱ 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ) S-FJ:スーパーFJ
F4:フォーミュラ4 SFL:スーパーフォーミュラ・ライツ SF:スーパーフォーミュラ
第 2 条 国際競技車両
部門Ⅰ
グループN :プロダクションカーグループA :ツーリングカー
グループR :ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカーラリー5/ラリー4/ラリー3/ラリー2
グループE-Ⅰ:フリーフォーミュラレーシングカー部門Ⅱ
グループR-GT:GTプロダクションカー
グループGT3:カップグランドツーリングカーグループCN:プロダクションスポーツカー
グループD :国際フォーミュラレーシングカー グループE-Ⅱ:フリーフォーミュラレーシングカー
部門Ⅲ
グループF :レーシングトラック
第2章 レース車両の排気音量規制
第 2 章 レース車両の排気音量規制
国内で開催されるJAF公認レース競技会に参加するすべての車両は以下の排気音量に対する規制が適用される。
1.参加者は開催場所の周辺の環境を守るために国または地方自治体が制定した音量に関する法令およびオーガナイザーが決める排気音量に関する規定に従うこと。ただし、最大音量は測定距離3mの場合120dB(A)以下とする。
JAFは、予告期間をもって最大音量を引き下げる権利を留保する。
2.参加車両の音量に関する規定は細則「レース車両の排気音量測定に関する指導要綱」に従うこと。
部門Ⅰ:量産車両
(公認車両および登録車両)
(第3章〜第6章)
第 3 章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第 1 条 定 義
1.1 )公認車両
一定期間内における同一車両(“同一車両”の項参照)の生産台数が量産に達すると認められた車両で、顧客に対する通常の販売(“通常の販売”の項参照)を目的としたものであり、車両型式が当該車両の公認書と合致していること。この一定期間とは、連続する12ヵ月間とする。JAFは最少生産台数を調査し、FIAに対し公認を申請することができる(“公認”の項参照)。
1.2 )同一車両
同一の生産系列に属し同一の車体構造(外部および内部)、同一の機械構造部分および同一のシャシー構造(モノコック構造の場合、このシャシーは車体と一体となっている)を有する車両をいう。
機械構造部分とはエンジン、駆動、懸架、操向および制動の諸装置をいう。
1.3 )車両の型式(モデル)
車体特有の設計や外観、同一機械構造のエンジン・電気モーターおよび駆動装置によって区別できる量産の車両をいう。
同一型式の判定には打刻が参照される。
1.4 )グループ別最少生産台数
グループ別最少生産台数を次のように定める。
量産ツーリングカー(N1)・・・・・ 2,500台特殊ツーリングカー(N2)・・・・・ 500台
1.5 )通常の販売
通常の販売とは、自動車製造者の通常の日本国内販売網を通じ、個々の顧客に対して車両を販売することをいう。
1.6 )公 認
公認とはJAFおよび/あるいはFIAによる公式の証明であって、当該型式の車両の最少生産台数が、本規則のN1、N2、または2022 年FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項のグループN、A、T2のいずれかに、その車を分類可能ならしめる生産の条件のもとで達成されたという証明である。公
認申請は、JAF国内公認申請の場合、JAFにおいて審査公認される。また、 FIA公認申請の場合、JAFによってFIAに提出され、公認はFIAの規 則に基づいて行われる。公認は現行規則が有効である年の前年の1月1日にま だ生産されている型式、またその1月1日以降に生産が開始された車両にのみ 与えられる。生産車の公認はそのモデルが生産を中止した翌年から7年間有効 である。モデルの公認は一つのグループに対してのみ有効である。すでに公認 されているモデルがそのグループから他のグループに変更された場合、以前の 公認は無効となる。
公認書の発効日が競技会期間中である場合、この書式は該当する競技の全期間を通じて有効である。
1.7 )公認書
JAFおよび/あるいはFIAによって公認されたすべての車両は、公認書とよばれる書類に記載される。公認書には、その型式の識別を可能とするための諸元が記入される。
公認記載項目、記入要領ならびに公認申請要領は「FIA車両公認規則」に示される。
競技期間中いかなる時でも技術委員の求めに応じ、最新の該当する車両公認書を提示することが義務付けられる。
提示しなかった場合は、当該競技への出場拒否までの罰則が与えられる。 当該車両を車両公認書と照合のうえ検査した結果疑問のある場合、技術委員
はその銘柄の車の販売店のために発行された整備説明書、または、あらゆるスペアパーツを記載してあるカタログと照合する必要がある。
参加者は自分の車両が生産された国のASNもしくはFIAから、その車両の公認書、および必要な場合は追加公認書(正常進化・変型公認の公認書等を含む)の交付を受け、常に携帯することが義務付けられている。
1.8 )登録車両
JAF登録車両規定(モータースポーツイヤーブック参照)に基づいて登録された車両。
1.9 )気筒容積別クラス
車両はその気筒容積に従い、次の16クラスに分けられる。
1 ... 気筒容積 660ccを含み 660ccまで
2 ... 〃 660ccを超え 1,000cc 〃 1,000cc 〃
3 ... | 〃 | 1,000 | 〃 | 1,150 | 〃 | 1,150 | 〃 |
4 ... | 〃 | 1,150 | 〃 | 1,400 | 〃 | 1,400 | 〃 |
5 ... | 〃 | 1,400 | 〃 | 1,500 | 〃 | 1,500 | 〃 |
6 ... | 〃 | 1,500 | 〃 | 1,600 | 〃 | 1,600 | 〃 |
7 ... | 〃 | 1,600 | 〃 | 2,000 | 〃 | 2,000 | 〃 |
8 ... | 〃 | 2,000 | 〃 | 2,500 | 〃 | 2,500 | 〃 |
9 ... | 〃 | 2,500 | 〃 | 3,000 | 〃 | 3,000 | 〃 |
10 .. | 〃 | 3,000 | 〃 | 3,500 | 〃 | 3,500 | 〃 |
11 .. | 〃 | 3,500 | 〃 | 4,000 | 〃 | 4,000 | 〃 |
12 .. | 〃 | 4,000 | 〃 | 4,500 | 〃 | 4,500 | 〃 |
13 .. | 〃 | 4,500 | 〃 | 5,000 | 〃 | 5,000 | 〃 |
14 .. | 〃 | 5,000 | 〃 | 5,500 | 〃 | 5,500 | 〃 |
15 .. | 〃 | 5,500 | 〃 | 6,000 | 〃 | 6,000 | 〃 |
16 .. 〃 6,000ccを超える車両
競技会特別規則では、第16クラス(気筒容積6,000ccを超えるクラス)についてさらにクラス分けすることができる。ただし、その他のクラスを細分することはできない。
上記のクラスの分類は、過給されていないエンジンを備えた車両に対するものである。(過給装置付エンジンのクラス区分:4.3.1)参照)
ある特定の競技の部門別に関し、JAFによって反対措置が課せられない限り、オーガナイザーはすべてのクラスを特別規則書に記載する必要はなく、またさらに、その競技の特殊事情によっては2つ、あるいは幾つかの相次いだクラスを合体させることは自由である。
1.10 )車 体(ボディ)
車体とは以下のことを意味する。
外側:完全に懸架されている車両のすべての部分で、空気の流れにさらされる部分。
内側:車室内の見える範囲のすべての部分および荷物室。車体は次の形式に区別する。
1.10.1 )完全に密閉されている車体構造の車両。
1.10.2 )完全なオープンの車体構造の車両。
1.10.3 )コンバーティブルの車体構造の車両:開閉または脱着可能な屋根を備えた車両。
[注]1.10.2)および1.10.3)の車両をオープンカーという。同一の系列に属す る車体はすべて同種でなければならないが、〈サンルーフ〉はこの限りではない。
コンバーティブル車両はオープン車両に適用される規則にすべて合致しなければならない。
1.11 )電子システム
1.11.1 )クローズド-ループ電子制御システム
以下の条件を満たす電子制御システムをいう。
1)連続的に実際値(可変制御)を監視するもの。
2)フィードバック信号を期待値(参考可変値)と比較するもの。
3)演算結果により自動的に調整するシステム。
例:シャシーの制御、オートマチックあるいはセミオートマチックトランスミッション、電子クラッチ、ファイナル・ディファレンシャル、調整式ショックアブソーバー、車高調整サスペンション、4輪操舵など。
1.11.2 )ドライバーが作動させ、1つもしくは複数のシステムに作用する単純な自動でない電気スイッチは、電子制御とはみなされない。
1.12 )テレメトリー
走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われるデータの通信をいう。
1.13 )データロガー
走行中の各部状況をセンサー等により数値データ化し記録するシステム。データはメモリーに蓄積され、走行後確認することができる。
第 2 条 一般事項
2.1 )適合性
競技に出場するすべての車両は本章および第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”に従うことが義務付けられる。また、その車両を改造する場合は、その車両が属しているグループに対し許される範囲内とする。
競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を
遵守していることを競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明および検証作業に応じることは各参加者の義務である。
2.2 )許される変更の限度
任意選択部品/仕様の公認はその車両の該当するグループに定められている最少生産台数と同生産数が原則として必要とされる。ただし、あるグループに対しては一定の条件により公認されるものもある。
公認書に記載されている部品/仕様(任意選択部品/仕様を含む)および公認書には明示されていないが自動車製造者によって当該型式の車両に通常取り付けられている部品/仕様に対する改造および変更(取り付け、取り外しを含む)の限度は本規定によってグループの各々に対し明白に定められている。
排気ガス対策装置は自由とするが、これらを完全に取り除いた場合に生ずる穴を完全にふさがなければならない。ただし、触媒装置については各グループの規則に従うこと。
2.3 )マグネシウム
公認書に記載されているか、もしくは自動車製造者によって当該型式の車両に通常取り付けられている部品(以降、標準部品という)を除き厚さ3mm未満のマグネシウム軽合金板の使用は禁止される。
2.4 )ねじ山の修理
破損したねじ山は同一内径の新たなねじ山をきることによって修理することができる(ヘリコイル形式)。
第 3 条 寸法および重量
3.1 )最低地上高
車両の左右1つの側面のすべてのタイヤの空気が抜けた場合であっても、車両のいかなる部分も地表に接してはならない。
このテストはレース出走状態で(ドライバーが搭乗し)平坦な面上で行われること。
3.2 )最低重量
ツーリングカー(N1/N2)は、それぞれの気筒容積に対し次の最低重量を必要とする。
N1 | N2 | |||||||||
6 | 6 | 0 | cc | 以 下 | 6 0 | 0 | kg | 5 8 | 0 | kg |
1 , 0 | 0 | 0 | cc | 〃 | 6 6 | 0 | kg | 6 2 | 0 | kg |
1 , 4 | 0 | 0 | cc | 〃 | 7 5 | 0 | kg | 7 0 | 0 | kg |
1 , 5 | 0 | 0 | cc | 〃 | 8 0 | 0 | kg | 7 4 | 0 | kg |
1 , 6 | 0 | 0 | cc | 〃 | 8 5 | 0 | kg | 7 8 | 0 | kg |
2 , 0 | 0 | 0 | cc | 〃 | 9 4 | 0 | kg | 8 6 | 0 | kg |
2 , 5 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 0 2 | 0 | kg | 9 4 | 0 | kg |
3 , 0 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 1 0 | 0 | kg | 1 , 0 2 | 0 | kg |
3 , 5 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 1 8 | 0 | kg | 1 , 1 0 | 0 | kg |
4 , 0 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 2 6 | 0 | kg | 1 , 1 8 | 0 | kg |
4 , 5 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 3 4 | 0 | kg | 1 , 2 6 | 0 | kg |
5 , 0 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 4 1 | 0 | kg | 1 , 3 4 | 0 | kg |
5 , 5 | 0 | 0 | cc | 〃 | 1 , 4 8 | 0 | kg | 1 , 4 2 | 0 | kg |
5 , 5 | 0 | 0 | cc | を超える | 1 , 5 5 | 0 | kg | 1 , 5 0 | 0 | kg |
これらの重量は、出走可能な状態で一切の潤滑油、冷却水を満たし、燃料とドライバーを除く車両の真の最低重量である。競技中、いかなるときでも上記に記載されている最低重量より車両が軽くなっていてはならない。
疑義がある場合、技術委員は、重量を検証するため、燃料タンク(複数)を空にすることができる。
過給装置付エンジンを搭載する車両によるワンメイクレース、および量産車で生産中止から5年を経過した車両によるワンメイクレースの場合、上記以外の最低重量を競技会特別規則書に規定できる。
3.3 )バラスト
1個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。ただし、バラストは十分な強度を有する単一構造体で、工具によって、車室または荷物室の床に目に見えるように取り付けられ、封印できる構造でなければならない。上記条件を満たせば、1個のスペアホイールまたはリムをバラストとして使用してもよいが、当初の搭載位置に当初の取り付け方法で搭載しなければならない。
3.4 )室内寸法
本規定によって許されている改造が車両公認書に記載されている寸法に影響する場合、この寸法は当該車両に対する認可基準とは見なされない。
第 4 条 エンジン
4.1 )気筒容積
気筒容積:ピストンの上下運動により1個または複数の気筒内に生じる容積 Vをいう。
V=0.7854×b2×s×n。b=ボア、s=ストローク、n=気筒数。
4.2 )過給装置
方法のいかんを問わず燃焼室内に充填される燃料と空気の混合気の重量を増加(吸気または/あるいは排気系統内における通常の大気圧下での重量およびラム圧、流体力学的効果による重量の増加)させる装置をいう。
燃料の加圧噴射および外部の空気をエンジンの吸気口に向かわせるための吸気装置は過給装置とはみなされない。
4.3 )気筒容積の換算係数
自然吸気ピストンエンジン以外のエンジンを搭載した車両の場合、以下に示す換算方式により自然吸気ピストンエンジンの気筒容積に相当する値を計算する。
いかなる場合も、換算によって得られた相当容積が、その車両の実際の気筒 容積とみなされる。これは気筒容積別クラス分けの他、車室内寸法や最少座席、最低重量等についても適用される。
4.3.1 )過給装置付エンジン
過給装置付エンジンの車両は、その公称気筒容積に、ガソリンエンジンについては係数1.7、ディーゼルエンジンについては係数1.5を乗じ、それによって得られた値に相当するクラスの車両として扱われる。
4.3.2 )レシプロピストンエンジンとロータリーエンジン
(NSU-WANKELの特許による方式のもの)との等価方式
この排気容積の換算式は燃焼室の最大および最小容積の差に等しいものとする。
4.4 )タービンエンジン
タービンエンジンの車両は、下記の換算方式により得られた値に相当するクラスの車両として扱われる。
換算方式は次の通りとする。
C= S(3.10×R)-7.63
0.09625
S=高圧ノズル面積
Sはステーターブレードからの出口(ステーターが数個の段階をもつ場合には第一段階からの出口)における空気の流れの面積を平方センチメートルで表す。測定は高圧タービンの第一段階の固定ブレード間の最小面積をとって行われる。第一段階のタービンステーターブレードが調節できる場合、それらを最大に開いた面積をもってSの測定値とする。
高圧ノズルの面積は翼間隙の高さ、幅、数の積を平方センチメートルで表す。 R=圧縮比、すなわちタービンエンジンのコンプレッサーの圧縮比。
この圧縮比は下記の通り、コンプレッサー各段の値を乗ずることによって得られる。
亜音速軸流コンプレッサー(Subsonic axial compressor)=1段につき1.15遷音速軸流コンプレッサー(Trans-sonic axial compressor)=1段につき1.5遠心コンプレッサー(Radial compressor)=1段につき4.25
したがって、遠心1段と亜音軸流6段を持つコンプレッサーの場合、 4.25×1.15×1.15×1.15×1.15×1.15×1.15、または、4.25×1.15の6乗の圧縮比と
なる。
C=立法センチメートルで表したレシプロピストンエンジンに対する等価気筒容積。
4.5 )ジェットエンジンおよびアフターバーナーシステムは禁止される。
4.6 )排気系統と消音器
排気口は熱を帯びた排気管によって焼損を生じないように適切な防熱措置を講じなければならない。
排気系統は、暫定的であってはならない。排気ガスは、排気系統の末端からのみ排出することが許される。シャシーの部分を排気ガスの排出のために使用することは許されない。
4.6.1 )後方に向ける場合
排気口の位置は燃料タンクの後方で地表から最大高さ45cm、最低高さ10cmとし、出走状態の車両上面視で車両外縁から内側に10cm以内になければならない。
4.6.2 )側方に向ける場合
排気口の位置は当該構造の直上あるいは直下の車体の側面より突き出してはならず、高さは第3条に定める最低地上高を維持しなければならない。また、車体側面から内側10cm以内とする。
なお、N1車両については、基本車両が側方排気である場合を除き、後方排気でなければならない。
4.6.3 )消音器を取り付ける場合
車体の改造は、ブラケットの取り付けを除き、許されない。
消音器はできる限り生産車の消音器が取り付けられていた位置に取り付けること。
4.7 )車室内においての始動
運転席に着座したドライバーによって操作可能な、車両に搭載されている電気あるいは他のエネルギー源による始動装置を持たなければならない。
第 5 条 駆動系統
すべての車両は競技をスタートする時点において、正常に作動する後退ギアを含むギアボックスを搭載していなければならない。また、この後退xxは正常に着座したドライバーによって操作できなければならない。
第 6 条 ホイール、スペアホイール
6.1 )ホイール
コンプリートホイール幅の測定:ホイール幅は地上に置かれた車両に取り付けられた状態で測定する。車両はレース出走状態であって、ドライバーが搭乗している状態とする。ホイール幅の測定点は、地面に接している箇所を除くタイヤ周辺のいかなる箇所においても測定できるものとする。
コンプリートホイールの要素として、複合タイヤが装着されている場合、コンプリートホイールは、これらのタイヤが使用されているグループに関する最大寸法に合致していなければならない。
コンプリートホイールの幅:リムとタイヤを組合せた幅をいう。
6.2 )スペアホイール
スペアホイールの搭載は義務付けられない。
第 7 条 タイヤ
タイヤは地表以外の部分と接触してはならない。
第 8 条 車 体
8.1 )ド ア
すべての車両は両側に少なくとも1枚の硬いドアを備えなければならず、そのドアには閉鎖装置と蝶番を備えていなければならない。
8.2 )ホイールアーチ
車両のホイールアーチは暫定的な性格のものであってはならず、しっかりと固定されており、かつ、車体との間に隙間があってはならない。
ホイールアーチはコンプリートホイールの上に張り出し、ホイールハブ中心から計測して、少なくとも車輪回転軸を通過する垂直線の前30°、後50°の範囲を効果的に覆うものでなければならない。
ホイールアーチのフランジ部は、タイヤとの接触を避けるために内側に折り曲げなければならない。合成樹脂の場合、その部分を最小限切除することが許される。
8.3 )車 室
1)車室とは、固定された前部隔壁と後部隔壁で仕切られた空間をいう。
2)2ボックス車両等で、後部隔壁が明確な壁形状を形成されない構造で床面と連続している場合は、最後部座席シートバック背面の直後で、当該面と同等の角度を持った面を想定後部隔壁とし、それと前部隔壁で仕切られた空間をいう。
3)2座席車両で、当初から後部隔壁が存在しない場合は、前部隔壁と、2)で定義する想定後部隔壁または床の底部主平面(フランジを除いたサイドシル下面の直線部に平行な面)から立ち上がった面で仕切られた空間をいう。
4)車室は、エンジンルーム、燃料タンク、オイルタンク、ギアボックス、プロペラシャフトから隔壁で完全に隔離されていなければならない。
5)車室の隔壁は、堅固で防火性に富んだ材質を持つものでなければならない。
(第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第17条参照)
6)危険性のあるすべての物体《バッテリー(ドライバッテリーを除く)、可燃性のある物品等》は、車室以外に搭載しなければならない。なお、車室内に取り付けが許される付属品とは、スペアホイール、工具、取り替え部品、安全装置、通信装置、バラスト(許されているもの)、ウインドスクリーンウォッシャー液容器、クールスーツ用諸装置などをいう。
7)オイルタンクを荷物室に取り付ける場合は、漏油および耐火の隔壁で完全に仕切られていれば許される。
8)車室内にヘルメットおよび工具の収納容器を設置する場合、その容器は難燃性の材質で造られなければならず、火災の場合に有毒ガスを発生してはならない。
9)オープン車両の搭乗者室および座席を覆ってはならない。
8.4 )無線機器
電波法に定める無線機器の競技車両への搭載および使用に際し、その空中線
(アンテナ)を設置/固定するためルーフ部に最小限の穴を開けることは許される。
8.5 )サンルーフ
同一型式においてすべての車両がサンルーフを標準装備している場合、サンルーフを取り外すことは禁止されるが、車体に一体化するという条件でリベット留め、または溶接することは許される。
同様にガラスサンルーフを、残りのルーフ部と同じ厚さを持つ他の材質(スチール、アルミ)へ変更することは許される。
ロールケージ取り付けに伴う、レール部の最小限の改造は許される。
第 9 条 電気系統
電気系統の定格電圧は、イグニッションスイッチの供給回路の電圧を含み、オリジナルを保たねばならない。
第 10 条 燃料系統
10.1 )燃料 − 燃焼物
10.1.1 )燃料は、通常のガソリンスタンドのポンプから販売されている(潤滑油以外のいかなる添加物も含まない)ガソリンでなくてはならない。
燃料は、次の特性を持たなければならない。
‐無鉛燃料を使用し最大102RONで90MON、最低95RONで85MONという特性を有すること。測定はASTM規格のD2699-86、および、D2700-86に準拠して行い、燃料を許可するか却下するかは、95%の信頼限度をもってAST M規格D3244に基づいて決定する。
‐比重は15℃において、720〜785kg/m3の間にあること(ASTM規格D4052に沿って測定される)。
‐重量で酸素は最大2.8%(鉛の含有量が0.013g/ℓ以下の場合は最大3.7%)、窒素は最大0.5%で、残りの燃料は炭化水素のみで成り立っていて、いかなる出力増強添加剤を含んでいないもの。
窒素の含有量の測定はASTM規格D3228に沿って、酸素の含有量は成分分析により公差0.2%をもって行われる。
‐過酸化水素および窒素酸化物の最大含有量:100ppm(ASTM規格D3703)
‐鉛の最大含有量:0.40g/ℓ、または、これを下回って定められた、大会規定の定める量(ASTM規格D3341、または、D3237)
‐ベンゼンの最大含有量:容積比で5%(ASTM規格D3606)
‐リード式最大蒸気圧:900hPa(ASTM規格D323)
‐70℃での蒸留液:10%〜47%(ASTM規格D86)
‐100℃での蒸留液:30%〜70%(ASTM規格D86)
‐180℃での蒸留液:最低85%(ASTM規格D86)
‐最大最終沸騰点 :225℃(ASTM規格D86)
‐最大残留物 :2%容積(ASTM規格D86)
オーガナイザーは上記に適合しない市販燃料を指定することができる。ただし、組織許可申請時にその旨をJAFへ申請し承認を得なければならない。
10.1.2 )ディーゼル
ディーゼルエンジンの場合、通常のガソリンスタンドのポンプから販売されている(潤滑油以外のいかなる添加物も含まない)軽油でなくてはならない。
10.1.3 )複数の燃料を混ぜて使用することを含み、指定された燃料に対し、空気を除き、その他の気体/液体/固体を混入して使用することは一切禁止される。ただし、ロータリーエンジン搭載車両は、エンジンオイルに限り、車両改造
申告書にその種類を明記することにより、燃料への混入が認められる。
10.2 )燃料タンクの容量
N1、N2の各車両の燃料タンク総容量(主タンクと補助タンクを合わせた)は次の限界以下のものでなければならない。(ただし、当初の燃料タンクを使用する場合はその限りではない。)
気筒容積 700ccまでの車両 60ℓ
〃 700ccを超え1,000ccまでの車両 70ℓ
〃 1,000 〃 1,400 〃 80ℓ
〃 1,400ccを超える車両 95ℓ
10.3 )燃料補給装置
10.3.1 )基準のカップリング(継ぎ手)
D1 | D2 | D3 | D4 | L1 | |
PP20M | 2.0" | 2.5" | 2.25" | 3.7" | 6.3" |
PP20MR | 1.5" | 2.5" | 1.75" | 3.7" | 6.3" |
PF20MS | 1.5" | 2.5" | 3.7" | 6.9" | |
PP15M | 1.5" | 2.0" | 1.75" | 3.3" | 5.7" |
PF30M | 1.25" | 1.65" | 1.45" | 2.68" | 4.64" |
PF40M | 1.25" | 1.65" | 1.45" | 2.68" | 4.64" |
PP125M | 1.25" | 1.75" | 1.5" | 2.9" | 5.1" |
サーキットに設備された集中方式、あるいは、参加者が用意した方式の場合、燃料補給ホースには車両に装着された基準の注入口に適合する漏出防止のカップリングを取り付けなければならない。(取り付けのための寸法は第3-1図、第3-1a図および第3-1b図に示される。内径Dは50mm(2インチ)を超えてはならない。)
押す/引くオス型
D1 | D2 | L3 | L4 | |
PP20F | 2.0" | 2.5" | 6.75" | 3.25" |
PP20FR | 2.0" | 2.5" | 6.75" | 3.25" |
PF31F | 1.75" | 2.12" | 5.3" | 3" |
PF41F | 1.75" | 2.12" | 5.7" | 3.38" |
PP15F | 1.5" | 2.0" | 6.75" | 3.25" |
PP125F | 1.25" | 1.75" | 6.25" | 3.1" |
押す/引くメス型
第3−1図
同軸型
オス型
車体への取り付け
燃料タンクへの取り付け
メス型
第3−1 a図
8.939
4.303
0.843
0.455
5.460
Drill .312 DIA.
2 PLC 180 DEG APART
ON 5.000 BCD 12 HOLE
2.801
4.309
4.329
“C”SINK 82 DEG. X .4
WIGGENS CLAMP
メス型
DRILL .201 DIA.
10 PLC ON 5.000 BCD
X 12 HOLE“C”SINK
82 DEG. X .4
TAP 10-32 THRU 4 PLC ON 5.000BCD EQUALLY SPACED
3.958
6.731
12.970
AIR OUTLET STYLE’S
1)1 1/2”CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.
2)1 3/4”HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.
FUEL INLET STYLE’S
10.6
1) 1 1/2”CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.
2) 1 3/4”HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.
8.8
3) 2’CAM LOCK WITH A 2”OR 50MM,OR 1.900 BORE DIA.
4) 2 1/4 HOSE BARB WITH A 2”,OR 50MM,OR 1.900 BORE DIA.
5) CUSTOMER SPECIFICATIONS
オス型
第3−1 b図
‐競技中に燃料補給を伴う競技に参加するすべての車両は、この図に合致した燃料注入口を装備しなければならない。この漏出防止カップリング継ぎ手はデッドマン機構の原理に合致していなければならず、したがって開放状態のときに、いかなる保持装置も組み込まれてはならない(スプリングにより反力を与えられたボール方式、差し込みピン方式等)。
‐空気孔には逆流防止バルブを取り付け、また、バルブは上述の注入口にあるような遮断方式を有し、かつ、直径の寸法も同一でなければならない。
サーキットに集中方式を用意できない場合には、参加者は上記の手順で燃料補給を行うこと。
10.3.2 )燃料補給タンク
燃料補給タンクは第3-2図でなければならず(第3-1a図に示された基準のカップリングを用いる場合、それと燃料補給タンクとの接続は第3-2a図の通りでなければならない)、燃料補給中、空気孔の排出口は適切なカップリングで補給タンクの本体に接続すること。
燃料補給タンクには適切な転倒防止策を施すこと。
燃料ブラダーを剥き出しで使用することは認められない。燃料補給タンク本体は完全な円筒形でなければならない。
⑧
1m
A ⑤ ⑩
D:50mm ⑦
10cm
③
⑨
⑥
半透明のホース
④
50mm
⑤ ④
①
②
20cm
D:80cm
⑧
1m
A⑤ ⑩ ⑦
A
半透明のホース
40cm
① ⑤
③
⑥
④
②
⑨
D:50mm
④
構造体は補給タンクに機械的 2mMaxに固定されていること。
直径:最大33mm
45°
最大1mm
直径
最大38mm
45°
最大1mm
⑨ 最小1mm
直径
最大39mm
高さ:最大50mm
補給タンク接続部
第3−2図
流量リストリクター
①オス型給油口(基準のカップリング)
②給油ホース内径:38mm(1.5インチ)
③ブリーザーホース(半透明)
④給油用コネクター 内径:38mm(1.5インチ)
⑤ブリーザー用コネクター
⑥自動遮断弁 内径:38mm(1.5インチ)
⑦給油口キャップ(漏出防止の措置が講じられていること。モンツァキャップは禁止)
⑧火炎防止換気口
⑨流量リストリクター※
⑩分別バルブ
※「⑨流量リストリクター」は、FIAイベントのみ適用されます。
1)支柱:太さが50mm以上のものが望ましい。本数は自由。
2)燃料補給タンクの高さ:燃料補給タンク上面は地面から高さ2mを超えてはならない。
3)燃料補給タンクの寸法:(1)タンクの深さ:最大40cm
(2)タンクの直径:最大80cm
4)給油ホース:(1)長さ:柔軟性のある部分のみで最小5m(図⑨の流量
リストリクター使用時は最小2.5m)
(2)内径:最大38mm(1.5インチ)
5)ブリーザーホース(半透明):ホースの長さは自由。また、その中間に金属製のパイプ(アルミパイプ等)を使用してもよいが、ホースとの接続はクランプ等を使用することにより確実に漏出防止がなされなければならない。
6)コネクター(図④参照):図に従い内径38mm(1.5インチ)以下の漏出防止コネクターを装備しなければならない。
7)自動遮断弁(図⑥参照):燃料補給タンクとコネクター(図④)の間に燃料流入を閉鎖できる内径38mm(1.5インチ)以下の自動遮断弁をとりつけること。
8)給油口キャップ(図⑦参照):漏出防止の措置が講じられていること(モンツァキャップは禁止)。
9)火炎防止/換気口(図⑧参照):
(1)分別バルブ(図⑩参照):上部から換気口先端までの高さは、地面と垂直に計った状態で1mなければならない。
(2)火炎防止/換気口の内径寸法は自由。 10)分別バルブ(図⑩参照):オーバーフローした燃料と気体化したガスを分
別できるバルブを図の位置に取り付けなければならない。
第3−2 a図
10.3.3 )燃料補給のアース
燃料補給装置のすべての金属部品は電気的にアースされていること。下記が義務付けられる:
1.各ピットにアースコネクターが2つ備えられていること。(航空機規格が推奨される。)
2.燃料補給装置(塔、タンク、ホース、ノズル、バルブおよびベントボトルを含む)はレースが続行している間を通して、上記のアースコネクターに連結されているものとする。
3.レース車両は、一時的であっても、ピットで停車した際は、速やかにアースコネクターに連結されるものとする。
4.2および3が実行されなかったり、実行されるまでは、ホース(注入またはガス抜き)を連結してはならない。
5.すべての燃料取扱いピットクルーは静電気防御服の着用が推奨される。
10.4 )簡易燃料補給方法
1回のピットインにおける燃料補給が20ℓ以下の場合、下記の条件を満たした携行缶による補給が許される。
1)耐圧性の金属性携行缶で容量が20ℓ以下であること。
2)携行缶が、車両給油口まで内径38mm(1.5インチ)以下の耐油性ホースを接続できる構造となっていること。
3)バルブ径38mm(1.5インチ)以下でバルブ開閉が90°以内の角度で操作できる手元コックが携行缶から30cm以内の位置に設置されていること。
4)手元コックから車両の給油口までのホースの内部が目視でき、長さが50cm以内であること。
5)特別規則書に詳細を記載すること。
上記に合致しない条件とする場合は、申請書および詳細を記載した特別規則書草案をJAFに提出し、その承認を得たうえで公告すること。
第11条 ブレーキ
カーボン製ブレーキディスクの使用は禁止される。
第12条 障害者用操作装置
第4編細則「アクセサリー等の自動車部品」6.に従った障害者用操作装置を装着することができる。ただし健常者の使用は許されない。
第 4 章 公認車両および登録車両に関する安全規定
改造および付加物の取付けなどにより競技会技術委員長が安全でない車両と判 断した場合、その指示に従わなければならない。安全確保の見地から、その事例は、 JAFが監修するインターネットサイト(xxxx://xxx-xxxxxx.xx/)に掲載される場合が ある。
第 1 条 配管類
1.1 )配管類の保護
燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部から損傷を受けぬよう(飛石、腐触、機械的損傷等)、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室内には絶対に火災および損傷を発生させない配慮を必要とする。
量産車の装備がそのまま維持される場合は追加の防護は任意。防音材および防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる防護策を講じなければならない。
燃料配管について、金属部品が絶縁部品によってボディシェルから隔離されている場合は、ボディシェルと電気的に接続されていなければならない。
1.2 )仕様および取り付け
量産の装備が保持されない場合は以下の適用が義務付けられる。
1)液体用配管の取り付け:
(1)冷却水または潤滑油を収容する配管:車室外部になくてはならない。
(2)燃料または油圧液を収容する配管:車室を通過してよいが、第4-1図および第4-2図に従った前後の隔壁部分とブレーキ回路およびクラッチ液回路を除き、車室内部にいかなるコネクターも有さないこと。
2)液体用配管の仕様:
燃料配管、潤滑油配管および加圧される油圧液を収容する配管の取り付け具は下記の仕様に従って製造されていなくてはならない。柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクター、はめ込み式のコネクター、あるいは自動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しない)外部網材を有していなくてはならない。
(1)燃料配管の仕様(インジェクターおよびタンクへ戻る配管上の冷却ラジエ
ターへの連結部を除く):135℃(250゜F)の最低作動温度で7MPa(70bar
/1000psi)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。
(2)潤滑油の配管の仕様:232℃(450゜F)の最低作動温度で7MPa(70bar
/1000psi)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。
(3)加圧下にある油圧液を収容する配管の仕様:232℃(450゜F)の最低作動温度で最低破裂圧力28MPa(280bar/4000psi)を有しなくてはならない。
油圧システムの作動圧力が14MPa(140bar/2000psi)を超える場合は、作動圧力の少なくとも倍の破裂圧力を有していなくてはならない。
隔壁
第4−1図
隔壁
第4−2図
第 2 条 ブレーキ
2.1 )ブレーキ
同一のペダルによって作動する二重回路。
ペダルは通常、すべてのホイールに作動するものであること。
制動装置のパイプに漏れもしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくと
も2つのホイールに作動しなければならない。量産車にこのシステムが取り付けられている場合は変更を必要としない。
ペダルブラケットの安全のための補強は許される。
2.2 )駐車ブレーキ
駐車ブレーキ装置は左右同時に作動すること。
第 3 条 ファスナーの追加
フロントおよびリアボンネットとトランクリッドには、少なくとも2個のファスナーを可能な限り離れた位置に取り付けること。ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなければならない。元のファスナーおよび開口を維持する装置(ダンパー等)は作動しないように処理するか取り除くこと。
第 4 条 安全ベルト
安全ベルトは、その材質、取り付け方法などを含め「レース競技における安全ベルトに関する細則」に従ったフルハーネスタイプでなければならず、その肩部ストラップは幅75mm以上を有していなければならない(ヘッドアンドネックサポート指定ベルトを除く)。安全ベルトを座席やその支持体に固定することは禁止される。 FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条に定められた取り付け方法も許される。(第4-3図〜第4-4図参照)
A:安全ベルト取り付け用の穴
第 4 − 3 図 第 5 条 消火装置—消火系統
A穴の断面図
第 4 − 4 図
すべての車両は手動消火器を装備することが義務付けられる。手動消火器を自動消火装置に取り替えることができる。
5.1 )手動消火器
手動消火器とは消火器単体をドライバー等が取り外して消火を行うための消火器をいう。
1)取り付け
各々の消火器の取り付けは、クラッシュ時を考慮し、減速度25Gがいかなる方向に加えられても耐えられるように取り付けなければならず、取り付け方向は車両の前後方向中心線に対し直角に近い状態であること。(リベット留めは禁止される。)
金属製ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着のみ認められる(最低2箇所に装着することが推奨される)。
すべての消火器は充分に保護されていなければならない。
2)取り付け場所・取り外し
消火器はドライバー等が容易に取り外せる位置に取り付けられなければならない。
3)下記情報を各消火器に明記しなければならない。
- 容器の容量
- 消火剤の種類
- 消火剤の重量もしくは容量
- 消火器の点検日
4)消火器の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはならない。)ただし、2年毎の点検を継続したとしても消火器の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
- 消火器の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
- 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
5)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店等の有資格者による点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える恐れがあると判断される場合には、装置を交換しなければならない。
6)仕 様
1つあるいは2つの消火剤容器とする。粉末2.0kg以上の内容量が必要である(または、FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条に記された消火剤および内容量を装備してもよい)。すべての消火器は耐火性でなければならない。
参考)2020年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条
第7項:消火器 ― 消火装置 BCFとNAFの使用は禁止する。
7.1)〜7.2.5)(略)
7.3 )手動消火器
7.3.1 )すべての車両は、以下の第7項3.2から7項3.5まで、あるいはFIA規格8865- 2015に従い(後者の場合には以下の第7項3.2から7項3.5までは適用されない)、消火器を1個あるいは2個装備していること。
7.3.2 )認められる消火剤:
AFFF、FX G-TEC、Viro3、粉末消火剤、FIAが公認したその他の消火剤
7.3.3 )消火剤の最少容量:
・AFFF 2.4リットル
・FX G-TEC 2.0kg
・Viro3 2.0kg
・Novec1230 2.0kg
・粉末 2.0kg
7.3.4 )すべての消火器は、その内容物によって以下の封入圧力を有さなければならない:
・AFFF 製造者の指示に従う。
・FX G-TECおよびViro3 製造者の指示に従う。
・Zero360 製造者の指示に従う。
・粉末 最小8bar、最大13.5 bar
更に、消火剤にAFFFが用いられている場合は、消火器それぞれに封入圧力を確認できる機構を備えていなければならない。
7.3.5 )下記情報を各消火器に明記しなければならない:
・容器の容量
・消火剤の種類
・消火剤の重量もしくは容量
・ 消火器の日付が確認されなければならず、それは消火剤の充填期日もしくは前回の検査期日から2年以内の日付、あるいは有効期限以内の日付でなければならない。
5.2 )自動消火装置
自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルームに対し起動装置によって同時に作動するものをいう。
1)取り付け
各々の消火装置の容器は、クラッシュを考慮し、減速度25Gがいかなる方向に加わってもそれに耐えられるように取り付けられなければならない。
2)操 作 - 起 動
2つの系統は同時に起動しなければならない。
いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでない場合、主要エネルギー源からでないエネルギー源を備えなければならない。運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作
できなければならない。
車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサーキットブレーカーに接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければならない。また、赤色でxxられた直径が最小10cmの白色の円形内に赤色で Eの文字を描いたマークによって表示されなければならない。
装置はいかなる車両姿勢にあっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動しなければならない。
3)下記情報を各消火装置に明記しなければならない。
- 容器の容量
- 消火剤の種類
- 消火剤の重量もしくは容量
- 消火器の点検日
4)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはならない。)ただし、2年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
- 消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
- 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
5)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者による点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える恐れがあると判断される場合には、装置を交換しなければならない。
6)仕 様
FIAテクニカルリストNo.16およびNo.52 の消火システム、またはFIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 253条7項および第259条14項に記された消火剤および内容量を装備すること。
消火装置は耐火性でなければならず、また、充分に防護されていなければならない。消火剤の噴出ノズルは、ドライバーに直接消火剤がかかることのないように取り付けなければならない。(凍傷の危険)
7)放射時間
車室内 :最短30秒/最長80秒エンジン:最短10秒/最長40秒
両方の消火装置が同時に作動しなければならない。
参考)2021 年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第259条14
14.1 )消火装置
次の成分は使用が禁止される:BCF、NAF
14.1.1 )すべての車両は2つの消火装置を備えていなければならない。1つはコクピットへ放射されるもの、もう1つはエンジンルームへ放射されるものである。消火器の代りに、第253条7.2項の仕様に合致した消火システムを取り付ける
ことが許される。
14.1.2 )認められる消火剤
FIAによって特に承認されたAFFF(“テクニカルリスト No.6”を参照)。ドライ粉末も許可される。ただし、国の法規で上記の製品の使用を認めていない国で使用するか、そうした国に由来する車両の場合に限られる。
14.1.3 )消火器最少容量
AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No.6”を参照)。
14.1.4 )消火剤の最少容量
クローズドカー オープンカー粉末:コクピット 1.2 kg 2.4 kg
エンジン 2.4 kg 1.2 kg
AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No.6”を参照)。
14.1.5 )放射時間
エンジン:最低10秒/最高40秒 コクピット:最低30秒/最高80秒
両方の消火装置が同時に放射されなければならない。
14.1.6 )すべての消火器はその内容物に応じて以下の封入圧力を有さなければならない。
粉末:13.5 bar
AFFF:使用されるタイプによって圧力が異なる(“テクニカルリスト No.
6”を参照)。
更に、AFFFの場合、各消火器は容器内の圧力を確認できる手段を装備していなければならない。
14.1.7 )下記情報を各消火器に明記しなければならない:
‐容量
‐消火剤のタイプ
‐消火剤の重量または容量
‐消火器の日付が検査されねばならず、消火剤を詰めた日付もしくは最後に検査を受けた日付から2年を過ぎて使用してはならない。 (略)
第 6 条 ロールケージ
6.1 )全 般
ロールケージの取り付けが義務付けられる。ロールケージは以下の何れかであること:
a) 6.2項以降の条項に記された要件に従い製作されたもの b)JAFまたは他のASNが公認あるいは認証したもの(「ロールケージ
製造者のロールケージJAF公認申請手続きに関する細則」に基づきJ AFが公認したものを含む) JAFまたは他のASNが承認し、製造者を代表する資格を有する技術者が署名した公認の書類または証明書を、大会の車両検査委員に提出し
なければならない。 2003年1月1日より、ASNによって公認され販売されるすべての新規ケージは、当該製造者が貼付する識別プレートによって識別されなければならない。この識別プレートは複製できたり移動できたりしてはならない(埋め込み、刻印、金属銘板あるいは剥がすと破損するタイプのステッカー等による)。
この識別プレートには製造者の名称、ASNの公認番号あるいは認証番号、製造者による個別の製造番号の記載がなければならない。
同一の製造番号が記載されている証明書を車両に付帯させ、これを大会の車両検査委員に提出しなければならない。
c)安全ケージ公認規定に基づきFIAが公認したもの
このロールケージはFIAにより公認された車両の公認書に対する追加公認(VO)の対象とならなければならない。 1997年1月1日以降に公認され販売されたすべてのケージには、製造者の識別と製造番号がはっきりと視認できるようになっていなければならない。
ロールケージの公認書式には、この情報の記入方法とその場所が特定されていなければならず、購入者は、これに対応した製造番号の付された証明書を受領しなければならない。
公認または認証されたロールケージに対する改造は禁止される。
素材またはロールケージへのxx的な変更を伴う、ロールケージへの機械加工、溶接によるいかなる工程も改造と見なされる。
事故により損傷を受けた公認あるいは認証されたロールケージに対するすべての補修作業は、当該ロールケージ製造者が実施するか、あるいはその承認の下で実施されなければならない。
ロールケージのパイプには液体またはその他のものを通してはならない。xxxxxxは、搭乗者の乗降を著しく阻害してはならない。
ロールケージの一部あるいは全部へのクロームメッキは禁止される。
コクピット内部において、車体側面の部材とロールケージの間に次のものを通すことは禁止される。
-電気ケーブル
-液体(ウインドウォッシャー液を除く)用配管
-消火器用配管
部材は、ダッシュボードとトリムおよび後部座席を貫通して、搭乗者用の空間へ侵入してもよい。
後部座席は折り畳まれてよい。
6.2 )定 義
6.2.1 )ロールケージ
コクピット内にボディシェルに近接して取り付けられる複数のパイプによる構造。その機能は、衝撃を受けた際のボディシェル(xxxx)の変形を抑制することである。
6.2.2 )ロールバー
2つの取り付け基部を有するフープ状のパイプフレーム。
6.2.3 )メインロールバー(第 4 − 6 図) 2009年12月31日以前に公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向で、かつ垂直に近いワンピースのパイプによるフープ。 2010年1月1日から2011年12月31日までに公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大角が±10°のワンピースのパイプによるフープ。 2012年1月1日以降に公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大角が±10°のワンピースのパイプによるフープ。なお、当該パイプの中心線は単一平面上になければならない。
6.2.4 )フロントロールバー(第 4 − 6 図)
メインロールバーと同様に、その形状はウインドスクリーンピラーとスクリーン上端に沿うもの。
2020年1月1日以降に公認または登録された車両:
支柱下部は、ほぼ垂直に近い状態で、後方への垂直に対して最大10°の角度でなければならない。取り付け脚部では、パイプがロールバーの最前点より後方にあってはならない。
6.2.5 )サイドロールバー(第 4 − 7 図)
車両の前後方向中心線にほぼ平行で、垂直に近いワンピースのパイプによるフープで、車両の右側もしくは左側に沿って配置され、そのフロント支柱はウインドスクリーンピラーに沿い、そのリア支柱は垂直に近く、かつ前部座席直後に配置される。
2012年1月1日以降に公認または登録された車両:
当該リア支柱は横から見て直線でなければならない。
2020年1 月1 日以降に公認または登録された車両:
リア支柱の垂直に対する最大角は±10°であること。
フロント支柱下部は、ほぼ垂直に近い状態で、後方への垂直に対して最大10°の角度でなければならずかつ前方取り付け脚部では、パイプがロールバーの最前点より後方にあってはならない。
6.2.6 )ハーフ・サイドロールバー(第 4 − 8 図)
リア支柱のないサイドロールバーをいう。
6.2.7 )前後方向の部材
フロントおよびメインロールバーの上部に接合する車両の前後方向中心線にほぼ平行なシングルピースのパイプ。
6.2.8 )横方向の部材
ハーフ・サイドロールバーまたはサイドロールバーの上部に接合するほぼ横方向のシングルピースのパイプ。
6.2.9 )斜行部材
メインロールバーの上部コーナーの一つ、またはサイドロールバーの場合は横方向の部材の端部の一つと、反対側のロールバーの下部取り付け点との間、もしくはバックステー上端ともう一方のバックステーの下部取り付け点との間をつなぐ横方向のパイプ。
6.2.10 )取り外し可能な部材
取り外しが可能でなければならないロールケージの部材。
6.2.11 )ケージの補強
ロールケージの強度を増すために、ケージに追加される部材。
6.2.12 )取り付け基部
通常は補強板の上になるが、ロールバーのパイプをボディシェル/シャシー にボルト留めおよび/または溶接できるようにパイプ端に溶接されるプレート。
6.2.13 )補強板
ロールバーの取り付け基部の下方に、ボディシェル/シャシーへの荷重をより拡散するために、ボディシェル/シャシーに取り付けられる金属板。
6.2.14 )ガセット(第 4 − 5 図)
U型に湾曲した金属板による湾曲部または連結部の補強(第4-5図)。その厚さは1.0mm以上なければならない。
このガセットの端(E点)は、角の頂点(S点)から測って、連結される最も太いパイプ外径の2倍から4倍の距離に位置しなければならない。
2013年1月1日以降に公認または登録された車両については、角(S点)の頂点に切り抜きが許されるが、その半径は連結される最も太いパイプの外径の 1.5倍を超えてはならない。ガセットの平坦な面には穴1つを設けることができるが、その直径は連結される最も太いパイプの外径を超えてはならない。
S
E
E
第4−5図
6.3 )仕 様
6.3.1 )基本構造
基本構造は、以下の設計のうちの一つに従い製作されなければならない:
* メインロールバー1本+フロントロールバー1本+前後方向の部材2本+バックステー2本+取り付け基部6箇所(第4-6図)。
または、
* サイドロールバー2本+横方向の部材2本+バックステー2本+取り付け基部6箇所(第4-7図)。
あるいは、
* メインロールバー1本+ハーフ・サイドロールバー2本+横方向の部材1本+バックステー2本+取り付け基部6箇所(第4-8図)。
第 4 − 6 図 第 4 − 7 図 第 4 − 8 図
メインロールバーのほぼ垂直な部分あるいはサイドロールバーのリア支柱は、ボディシェルの内部輪郭にできるだけ近接したものでなければならず、その下 部の垂直部分の湾曲は1箇所以下でなければならない。
オープンカーの場合、メインロールバーの高さは、ドライバーの脊柱に沿って座席の座面からメインロールバーの上部までを測定して少なくとも920mmなければならず、かつ、通常に着座したドライバーのヘルメットから50mm以上上方になければならない。
フロントロールバー(あるいはサイドロールバーまたはハーフサイドロールバーのフロント支柱)は、ウインドスクリーンピラーに可能な限り近く沿わなければならず、2007年1月1日以降に公認または登録された車両については、それがウインドスクリーンピラーに沿うのが終わった所の下でそれ以上追加の湾曲があってはならない。
ロールケージの製作のためになされる横方向の部材のサイドロールバーへの連結、前後方向の部材のフロントおよびメインロールバーへの連結、ならびにハーフ・サイドロールバーのメインロールバーへの連結は、ルーフの高さにて実施されなければならない。
すべての場合において、ルーフの高さに4ヶ所を超えて取り外し可能な連結部を設けないことが推奨され、2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、これが義務付けられる。
バックステーは、ルーフラインおよびメインロールバーの外側湾曲頂部に近接して、車両の両側に取り付けられなければならず、取り外し可能な連結を用いてもよい。
2003年1月1日以降に公認または登録された車両については、バックステーの形成する角度は垂直に対して少なくとも30°を有し後方へ延び、まっすぐでなければならず、可能な限りボディシェルの内部側面に近接していなければな
らない。
6.3.2 )設 計
基本構造が一旦決定したならば、義務付けられる部材と補強を加え完成されなければならない(6.3.2.1項参照)。それに対して任意の部材および補強を追加することができる(6.3.2.2項参照)。
明確に許されていない限り、または6.3.2.4)に従った取り外し可能な連結具が使用されていない限り、すべての部材および補強パイプはシングルピースでなければならない。
6.3.2.1 )義務付けの部材と補強
6.3.2.1.1 )斜行部材 2002年12月31日以前に公認または登録された車両:
xxxxxxは、第4-9図、第4-10図、第4-11図、第4-12図、第4
-26図、および第4-27図に示される斜行部材のうち、何れか1つに合致しなければならない。
斜行部材の方向が逆になっても構わない。第4-11図の場合には、ボディシェル/シャシー上の2箇所の取り付け点間の距離が300mmを超えてはならない。
部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。
2003年1月1日以降に公認または登録された車両:
ロールケージには、第4-12図に従い2本の斜行部材をメインロールバーに取り付けなければならず、交差部をガセットにより補強しなければならない。
部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。
斜行部材の下端は、メインロールバー取り付け基部から100mm以内の箇所で連結していなければならない(その計測については第4-58図を参照)。
斜行部材の上端は、バックステーとの連結部から100mm以内のメインロールバーに連結していなければならない。
第 4 − 9 図 第 4 −10図
第 4 −11図 第 4 −12図
6.3.2.1.2 )ドアバー
1本または複数の前後方向の部材が、第4-13図、第4-14図、第4-15図および第4-16図に従い(2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、第4-14図、第4-15図および第4-16図)、車両の運転席側に取り付けなければならず、助手席側に取り付けることも強く推奨される。
各図を組み合わせてもよい。
これらは取り外し可能であってよい。
(1本の前後方向の部材を、第4-14図、第4-15図および第4-16図に示される設計のそれぞれに追加することができる。)
この側面防護はできるだけ高くなければならないが、上部取り付け点はドア開口部の底部より計測しその高さの半分より高くなってはならない。
もし、この上部の取付け点がドア開口部より前もしくは後に位置している場合、この高さの制限は、バーとドア開口部との交差位置に相当する高さにも適用される。
“X”(クロス-ストラット)形状のドアバーの場合(第4-14図)、クロスストラットの下部取り付け点はボディシェル/xxxxの前後方向のメンバーに直接取り付けられ、“X”形状のうちの最低1本がシングルピースでなければならない。
ドアバーがフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強(第4-20図)へ連結されることも認められる(第4-42A図参照)。
第 4 −13図 第 4 −14図
第 4 −15図 第 4 −16図
6.3.2.1.3 )ルーフの補強 2006年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
ロールケージの上部は、第4-17図、第4-18図および第4-19図のいずれか1つに合致していなければならない。
この補強はルーフのカーブに沿って構わない。
第4-17図の場合に限り、1本の部材のみを取り付けることが許されるが、その前部の接続はドライバー側になければならない(第4-17A図および第4
-17B図参照)。
この補強の端は、ロールバーと部材との連結部から100mm未満でなければならない(第4-18図と第4-19図の補強におけるV字型の頂点には適用されない)。
2014年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
V字型の頂点のパイプの交差部:
パイプ同士がお互いに接合していない場合、それらのパイプの間の距離は、ロールバーあるいは横方向の部材との接合部において、100mmを超えてはな
らない。
第 4 −17図 第 4 −17A図 第 4 −17B図
※この場合、運転席が右側になければ
ならない。
※この場合、運転席が左側になければ
ならない。
第 4 −18図 第 4 −19図
6.3.2.1.4 )フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強 2008年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
寸法<A>(第4-20図参照)が200mmを超える場合は、フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強をフロントロールバーの左右に取り付けなければならない。
この補強は曲げてよいが、横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20°を超えてはならない。
その上端は、フロント(サイド)ロールバーと前後方向(横方向)部材の連結部から100mm未満でなければならない(その計測については第4-42A図を参照)。
その下端は、フロント(サイド)ロールバーの(前部)取り付け基部より 100mm未満でなければならない(その計測については第4-58図を参照)。
2020年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
この補強がドアバーと交差する場合は、複数の部分に分割されなければならない。
A
第 4 −20図
6.3.2.1.5 )コーナーと交差部の補強 2007年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:以下の交差部:
- メインロールバーの斜行部材同士
- ルーフの補強(第4-17図の構成で、かつ2008年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ)
- ドアバー同士(第4-14図の構成)
- ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強(第4-42A図)
は、6.2.14項に合致する最低2つの相対するガセットにより補強されなければならない。
ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強とが同一面上にない場合、6.2.14項の寸法に合致することを条件に、金属板を組み合わせて補強することができる(第4-42A図参照)。
6.3.2.2 )任意の部材と補強
6.3.2.1項に規定されている指示事項を除き、第4-17図〜第4-26図および第4-28図〜第4-38図に示される部材と補強は任意であり、自由に取り付けできる。
これらは、溶接されるか、取り外し可能な連結具により取り付けされなければならない。
上述のすべての部材および補強は、個別に使用されるか、あるいは互いに組み合わせて使用することができる。
第4−23A図
第4−33A図
6.3.2.2.1 )ルーフの補強(第 4 −17図〜第 4 −19図、第 4 −28図、第 4 −29図) 2005年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。
第4-17図の場合に限り、1本の部材のみを取り付けることが許されるが、その前部の接続はドライバー側になければならない(第4-17A図および第4
-17B図参照)。
6.3.2.2.2 )フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強
(第 4 −20図) 2007年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。
この補強は曲げてよいが横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20°を超えてはならない。
6.3.2.2.3 )バックステーの斜行部材(第 4 −25図および第 4 −26図)
ルーフの補強が第4-19図に合致したものであるならば、第4-26図の構成を第4-27図に置き換えることができる。
2014年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
第4-19図に従ったルーフの補強が使用されている場合、第4-27図の構成が義務付けられる。
6.3.2.2.4 )フロントサスペンション取り付け点(第 4 −30図)
延長部分は、フロントサスペンションの頂部取り付け点に連結しなければならない。
6.3.2.2.5 )横方向の部材(第 4 −31図〜第 4 −35図)
メインロールバー内、あるいはバックステー同士の間に取り付けられた横方向の部材は、安全ベルトの取り付けに使用することができる(取り外し可能な連結具の使用は禁止される)。
第4-31図および第4-32図に示される部材については、中央の上下方向の部材と垂直の成す角度が30°以上でなければならない。
フロントロールバーに取り付けられる横方向の部材は、搭乗者のための空間を侵害してはならない。
これはできるだけ高い位置に設けることができるが、その下端はダッシュボードの頂点より高い位置にあってはならない。
2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、フロントロールバーに取り付けられる横方向の部材は、ステアリングコラムより下に位置してはならない。
6.3.2.2.6 )コーナーと連結部の補強(第 4 − 5 図、第 4 −36図〜第 4 −38図)
補強は、パイプあるいは6.2.14に合致したU型に湾曲した金属板によって実施されなければならない。補強材の厚さは1.0mm以上なければならない。
このパイプによる補強の端は、それらが取り付けられる部材の半分より下になったり、これに沿ったりしてはならない。ただし、フロントロールバーの連結部の補強の端はこの限りではなく、ドアバー/フロントロールバーの連結部を結んでよい。
この連続箇所はドアバーと同じ高さにしてよい
第 4 −21図 第 4 −22図 第 4 −23図
第 4 −24図 第 4 −25図 第 4 −26図
第 4 −27図 第 4 −28図 第 4 −29図
サスペンション取付点
第 4 −30図 第 4 −31図 第 4 −32図
第 4 −33図 第 4 −34図 第 4 −35図
第 4 −36図 第 4 −37図 第 4 −38図
6.3.2.3 )ロールケージの最低限の構成
ロールケージの最低限の構成は、以下の通り定義される:
車両公認・登録時期 | 最低限の構成 |
2002年12月31日以前 | 第4-39図またはその左右対称 (ただし、斜行部材は第4-9図〜第4-12図、あるいは第4-26図〜第4-27図の方式も可) |
2003年1月1日〜 2005年12月31日 | 第4-40図またはその左右対称 |
2006年1月1日〜 2007年12月31日 | 第4-41図またはその左右対称 |
2008年1月1日以降 | 第4-42図またはその左右対称- |
ドアバーおよびルーフの補強は、6.3.2.1.2項および6.3.2.1.3項に従い異なる構成でもよい。
第 4 −39図 第 4 −40図
第 4 −41図 第 4 −42図
計測
連結が許される
第 4 −42A図
6.3.2.4 )取り外し可能な部材
取り外し可能な部材が、本規則に従い、安全ケージの構造の中に用いられている場合には、使用される取り外し可能な連結具はFIAにより承認された方式に従っていなければならない(第4-43図〜第4-53図を参照)。
それらは一旦組み立てられたならば、溶接されてはならない。
ネジおよびボルトは、最低限ISO規格の8.8以上の品質でなければならない。第4-46図、第4-49図および第4-53図に合致する取り外し可能な連結具 は、6.3.2.2項に規定される任意の部材と補強の取り付けのみに使用され、メインロールバー、フロントロールバー、ハーフ・サイドロールバーおよびサイドロールバーの上部を連結するために使用することは禁止される。同様に、2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、第4-43図および第
4-52図に示される連結具についても上述の連結のために使用することが禁止される。(本条項は、2002年1月1日以降に公認または登録された車両に対して適用される。それ以前に公認または登録された車両については、2001年国内競技車両規則の第1編第4章第6条3.3.5.6項を適用してよいが、新規にロールケージを製作する場合には、本条項に従った取り外し可能な連結具を用いることが推奨される。)
荷重の方向
10
25
3mm min
第 4 −43図 第 4 −44図
L D
L>=D D>=10mm(3/8”)
e>=5mm(3/16”)
第 4 −45図 第 4 −46図
L1=L3>36mm D=10mm
L2
L1=L3>18mm L2>=36mm D=8mm L1
L3 D
L1 D
L3
第 4 −47図 第 4 −48図
Lは必要最小限の長さ。
クランプの幅は最低でも25mm以上有すること。
第 4 −49図
e
e’>=e
8
18 36 18
40
溶接 単位:mm
36 36
40
第 4 −50図
e
e’>=e
溶接
10
26mini
第 4 −51図
34 24.25
3.2
3.0
10
2.5mini
溶接
90
第 4 −52図
>= 10
>= 10
第 4 −53図
6.3.2.5 )追加の制約
前後方向に見て、ロールケージは、垂直方向の荷重を支えるフロントサスペンションおよびリアサスペンション部品(スプリングおよびショックアブソーバー)の取り付け点の範囲内に全体が収まっていなければならない。
ロールケージとxx・xxxxxxバーのボディシェル/シャシーへの取り
付け点との間には、上記制限を超えた補強を追加することが認められる。
これらの各取り付け点と安全ケージとは、30×1.5mmの単一のパイプで接続することができる。
2003年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:
ドア開口部に侵入するケージの補強は、下記の基準を満たしていなければならない(第4-55図)。
- 寸法A :300mm以上
- 寸法B :250mm以下
- 寸法C :300mm以下
- 寸法E :ドア開口部(H)の高さの半分以下 2008年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:前面投影面において、フロントロールバーの上部コーナーの湾曲部と連結部
の補強は、フロントウインドスクリーンの第4-54図に示す部分にのみ見えるように設けなければならない。
垂直投影面 100mm
R100mm
70mm
第 4 −54図
C
H
E
E
D A B
第 4 −55図
6.3.2.6 )ロールケージのボディシェル/シャシーへの取り付け
最少取り付け点数は:
- フロントロールバーの各支柱につき1箇所
- サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの各支柱につき1箇
所
- メインロールバーの各支柱につき1箇所
- 各バックステーにつき1箇所
- 斜行部材が第4-11図の方式である場合には、その支柱1本につき1箇所
ボディシェルへの取り付けを効果的に実施するために、当初の内装トリムは、ロールケージおよびその取り付け点の周囲を切除したり、曲げることにより改 造できる。
しかしながら、この改造は室内装飾やトリムを完全に取り除くことを認めるものではない。
必要に応じてヒューズボックスをロールケージの取り付けが可能となるように移動させることができる。
特殊な場合:
非鋼鉄製のボディシェル/シャシーの場合、ロールケージとボディシェル/xxxxとの溶接は一切禁止され、ボディシェル/シャシー上に補強板を接着することのみ許される。
6.3.2.6.1 )2007年12月31日以前に公認または登録された車両
1)各支柱側の最少取り付け点における車体への取り付け基部は、面積60cm2、xx2.5mm以上を有すること。この取り付け基部は支柱に溶接されていなければならない。
2)車体側の補強板は、面積120cm2、厚さ3.0mm以上を有し、第4-56図〜第4- 58図に示すように取り付けること。
ただし、第4-56図、第4-58図については、補強板を必ずしもボディシェルへ溶接しなくともよい。
3)各支柱と車体との結合は、下記のいずれかの方法によること。
①直径8mm以上(4T以上)のボルトを3本以上使用し、緩み止め効果のあるナット(ワッシャー/セルフロッキング等)で、支柱の周辺に分散して取り付ける。(第4-56図〜第4-62図を参照)
第4-60図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。
②溶接により取り付ける場合、車体あるいは骨組み(フレーム)に溶接して取り付ける。ロールバーの取り付け基部は、補強板無しで、直接ボディシェル
に溶接してはならない。
①および②の取り付け方法は最少限を示すものである。ボルトの数を増加することや取り付け点の数を増やすことは許される。
6.3.2.6.2 )2008年1月1日から2009年12月31日までに公認または登録された車両フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取
り付け点:
各取り付け基部は、最低3mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されていなければならない。
各取り付け基部は、最低厚さ3mmで最小表面積120cm2のボディシェルに溶接された鋼鉄製補強板に、最低3本以上のボルトで固定されなければならない。120cm2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。
第4-56図〜第4-62図に例示される。
第4-56図と第4-58図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接されなくともよい。
第4-60図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。取り付けボルトは、最小直径がM8で、最低限ISO規格の8.8以上の品質を有
していなければならない。
ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければならない。
バックステーの取り付け点:
各バックステーは、少なくとも2本のM8ボルトで、最小60cm2を有する取り付け基部によって固定されるか(第4-63図)、1本の二面せん断のシングルボルトにより固定されなければならない(第4-64図)。
ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステーの中に溶接されることを条件とする。
以上は最低要件である。
さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレートを補強板に溶接したり、ロールケージ(6.3.1項で定義されたもの)を、ボディシェル/シャシーに溶接することができる。
6.3.2.6.3 )2010年1月1日以降に公認または登録された車両
フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取
り付け点:
各取り付け基部は、最低3mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されていなければならない。
各取り付け基部は、最低厚さ3mmで最小表面積120cm2のボディシェルに溶 接された鋼鉄製補強板に、最低3本以上のボルトで固定されなければならない。 120cm2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。
第4-56図〜第4-62図に例示される。
第4-58図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接されなくともよい。
第4-60図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。取り付けボルトは、最小直径がM8で、最低限ISO規格の8.8以上の品質を有
していなければならない。
ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければならない。
2つのボルトの間の角度(取り付け基部の高さでパイプ軸から計測して。第
4-56A図参照)は60°未満となってはならない。
バックステーの取り付け点:
各バックステーは、少なくとも2本のM8ボルトで、最小60cm2を有する取り付け基部によって固定されるか(第4-63図)、1本の二面せん断のシングルボルトにより固定されなければならない(第4-64図)。
ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステーの中に溶接されることを条件とする。
以上は最低要件である:
さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレートを補強板に溶接したり、ロールケージ(6.3.1項で定義されたもの)を、ボディシェル/シャシーに溶接することができる。
第 4 −56図 第 4 −56A図
計測
第 4 −57図 第 4 −58図
第 4 −59図 第 4 −60図
第 4 −61図 第 4 −62図
第 4 −63図 第 4 −64図
6.3.3 )材質の仕様
円形の断面を有するパイプのみが認められる。使用されるパイプの仕様:
材 質 | 最小引張強度 | 最小寸法(mm) | 用 途 |
冷間引抜 継ぎ目無し | 350N/mm2 | 45×2.5 または 50×2.0 | メインロールバー(第4-6図および第4-8図)または、構造によってはサイドロールバーおよび後部横方向の部材(第4-7図) |
純炭素鋼 | 38×2.5 または 40×2.0 | ハーフ・サイドロールバーおよび安全ケージのその他の部分 |
※2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、認められる添加物の最大量は、炭素0.3%、マンガンが1.7%、その他の物質については0.6%である。
鋼材を選ぶにあたっては、伸びが大きいことと、溶接に適した質のものであることに注意を払わなければならない。
2004年12月31日以前に公認または登録された車両については2004年国内競
技車両規則の同条項を適用してもよい。 2003年1月1日以降に公認または登録された車両については、パイプを曲
げる場合は冷間加工処理によるものでなければならず、曲げの中心線の半径は、少なくともパイプの直径の3倍でなければならない。
曲げる間にパイプが楕円形になる場合には、長い方の直径に対して、短い方の直径が0.9かそれ以上の割合となっていなければならない。
湾曲箇所にある表面は、波状や亀裂がなく、滑らかで均一でなければならない。
6.3.4 )溶接についての指示
溶接は管の端のxxに沿って施されなければならない。
すべての溶接は可能な限り高品質のものであり、全体的な溶融を施さなければならず、できればガス被包アーク溶接を用いることが望ましい。
溶接の外観が良好だからといって、その品質が必ずしも保証されるものではないが、貧相な溶接は決して良い品質のものではない。熱処理を施した鋼鉄を使用する時には、製造者が特に指示した内容に従わなければならない(特別な溶接棒、ガス被包溶接)。
6.3.5 )防護のための被覆
搭乗者の身体がロールケージに接触する可能性がある箇所には、防護のための難燃性の被覆が施されていなければならない。
搭乗者のヘルメットがロールケージに接触する可能性がある箇所については、 FIA基準8857-2001タイプAに合致したものが推奨される。 2020年1月1日以降に公認または登録された車両:
第4-65図に示されるケージのすべてのパイプ、およびすべての屋根の補強は、FIA基準8857-2001タイプA(テクニカルリストNo.23参照)に合致するパッドをドライバーの側にのみ装着していなければならない。各パッドはパイプから動くことのないように固定されなければならない。
第 4 −65図
第 7 条 後方視界
後方視界は、リアウィンドウの少なくとも幅50cm、高さ10cmの範囲を見渡せる
1つの室内ミラー、および2個の室外ミラーによって確保されなければならない。ただし、室内ミラーを別途有効な後方視界を得る装置(室内ミラーと同等の効果を得られる装置)に代えることが許される。
第 8 条 けん引用穴あきブラケット
すべての車両はすべての競技に際し、前後にけん引用穴あきブラケットを備えなければならない。このけん引用穴あきブラケットは、車両をけん引して移動するのに取り付け部分も含め十分な強度を有していなければならない。車両が砂地に停車したときでも使用が可能な位置に取り付けられていなければならない。また、これらは明確に視認でき、黄色、オレンジ色、あるいは赤色に塗装されていること。
金属製のけん引用穴あきブラケットは下記の要件を満たすこと。
①材質は、スチール製でなければならない。
②最小内径:50mm(車両に装着した状態で直径50mmおよび長さ50mmの丸棒が通ること)。
③内径の角部はRを付けて滑らかにすること。
④板製の場合、最小断面積(取り付け部分も含む):100mm2
⑤丸棒の場合、最小直径:10mm
なお、可倒式、およびケーブルフープ式(上記②を満たすこと)も許される。
第 9 条 ウインドシールド
前面ガラスは合わせガラスを常に備えていなければならない。
その外側表面には、1枚あるいは複数枚の無色透明なフィルムを取り付けることができる。
上端からガラス面に沿って10cmの幅で眩惑防止処置を施すことは許される。
サイドウインドウとリアウインドウに、着色ガラスおよび/または安全フィルムを使用することができる。このような場合、車両から5m離れた人間が、ドライバーおよび車両の内部を視認できなければならない。
第 10 条 ウインドシールドの安全固定装置
ウインドシールドの安全固定装置を自由に設けてよい。
第 11 条 サーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)
イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチは、その位置が確認できるよう黄色で明示しなければならない。イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチを変更する場合、ONの位置が上、OFFの位置が下になければならない。
電子的に制御されないインジェクターを有するディーゼルエンジンに関しては、サーキットブレーカーは、エンジンに吸入される空気を遮断する装置に連動するようになっていなければならない。
また、運転席および車外から操作できるすべての回路を遮断する各々独立した放電防止型のサーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)を装備しなければならない。これらはすべての電気回路を遮断できるものであり、エンジンを停止することができるものであること。その場所は外部から容易に確認できる位置とし、赤色のスパークを底辺が最小12cmの青色の三角形で囲んだ記号で表示すること。引くことにより機能する車外操作部を持つサーキットブレーカーをフロントウインドシールド支持枠の下方付近に設置すること。ただし、車両の構造上フロントウインドシールド支持枠の下方付近に設置することが不可能な場合、センターピラーあるいはクォーターピラーの外部から操作可能な位置に装着することが許される。
第 12 条 安全燃料タンク
12.1 )安全燃料タンク
安全燃料タンクを使用する場合、FIA公認の安全燃料タンクの使用が義務付けられる。安全燃料タンクは約5年を経過した後に強度が急速に低下するため、ブラダーは製造者が検査し、次の2年間までの使用を保証しない限り、製造年月日から5年以上経過したものを使用してはならない。ただし、その場合でも製造年月日から7年を超えて使用してはならない。
取り付けは各車両定義の分類による改造規定に従うこと。コレクタータンクを別に装着する場合は最大容量2ℓまでとする。
安全燃料タンク本体(燃料ブラダー)が、当初から耐火/耐浸透性のケース
(コンテナ)に収納されていない場合、コンテナに収納してから車体に取り付けねばならない。
コンテナは、厚さ1.0mm以上のスチール、または厚さ1.6mm以上のアルミニウム、あるいはそれらと同等以上の強度を有することを証明できる不燃/不浸透性の材質で作られており、燃料ブラダーに記載されている表示項目(製造者名、型式、製造に用いられた基準、製造年月日、製造番号)を判読できる窓または表示項目内容の証明書類を備えていなければならない。なお、ブラダーの表示項目内容の証明書類を備えられない場合に、ブラダーの表示項目を判読するためのコンテナの窓が車体により直接確認できない状態に限って、車体に穴をあけて表示項目を確認するための窓を設ける必要最小限の改造は許される。摩擦や異物混入による燃料ブラダーの損傷を避けるため、コンテナと燃料ブ ラダーとが密接していなければならず(付属品取り付け部を除く)、コンテナの
内側に突起や鋭利な箇所があってはならない。
コンテナの車体への取り付けは暫定的であってはならず、また、取り付けによりコンテナが変形するようなことがあってはならない。
安全燃料タンクは当初の位置あるいは荷物室に取り付けることが許される。 N2およびJAF-GTの車両についてはホイールベース間に搭載することが推奨される。
漏出した燃料が車室内に滞留しない構造であること。また、荷物室に設置した場合、難燃性材料による隔壁を取り付けなければならない。燃料タンクの位置の変更に伴い軽量化、補強が生じてはならない。
当初の燃料タンクの移動によって生じた空間部をはめ板でふさぐことは許されるが、空気力学的効果が生じてはならない。
-難燃性材料による隔壁について:
車両用不燃性FRPやゲルコート等などによる不燃系の処理がなされた FRP材は難燃性と見なす。ただし、競技会車両検査等では目視等確認ができるものではないので、当該コート材に関する説明を求められた際に提示ができるような資料を予め準備する必要がある。
安全燃料タンクへの隔壁設置について、少なくとも安全燃料タンクとフィラーホース、配管の全てをカバーするものであれば、隔壁そのものを全面形成する必要はない。
給油口の位置、寸法ならびに給油口のキャップは車体の表面を超えて突出す ることなく、また、車内に燃料が漏れて流出することが防止されるならば変更 してもよい。この給油口は窓枠に位置してもよい。燃料の給油口には、燃料供 給ホースに適合する漏出防止カップリングが取り付けられていること。ただし、レース競技中に燃料補給を行わない車両については適用が除外される(第3章 “公認車両および登録車両に関する一般規定”10.3)、参照)。
いかなる場合にも、結果的に燃料がこぼれても、燃料が排気管の上に落ちることはない位置になければならない。 排気管出口の最後点を通る垂直線から少なくとも後方300mmに位置(後部出口の場合には適用されない)にあることが推奨される。
12.2 )自動燃料遮断装置
エンジンにつながるすべての燃料補給パイプには自動の遮断弁がついていることを推奨する。
これら遮断弁は燃料タンクに直接位置し、燃料装置中の圧力のかかった配管の1つが破損したり漏れたりした場合に、すべての燃料配管を自動的に閉じ、さらに通気管路は、重力で始動するロールオーバーバルブを備えていなければならない。
始動の最中を除き、すべての燃料ポンプはエンジンの稼動中にのみ作動すること。
12.3 )燃料遮断バルブ
燃料タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバルブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものとする。給油口と安全燃料タンクを結ぶ配管が車室を通過する場合、配管のタンク側に燃料遮断バルブを備えなければならない。
12.4 )ブリーザー
1)燃料タンクにブリーザーを設置することができる。ブリーザー回路にはワンウェイバルブを設け燃料の車外への排出を防止しなければならない。
2)設置するブリーザー回路の配管は、燃料配管と同じ仕様(1.2項参照)でなければならない。
3)車両のルーフにブリーザー装置の排出口を設けたタンクを装備することは
認められる。
第 13 条 座 席
1)当初の座席を変更する場合、FIA基準8855-1999またはFIA基準8862-2009に従ったものの使用が強く推奨される。なお、座席にヘッドレストが含まれていること。
2)前部座席は後方に移動できる。しかし、当初の後部座席の前端によって区切られた垂直面を越えてはならない。ただし、ヘッドレスト部分は考慮されない。
3)助手席ならびに後部座席は、(それらのバックレストを含めて)取り外すことができる。
4)当初の座席の取り付け具または支持具が変更される場合、支持具は以下のいずれかに取り付けられなければならない。
-座席を固定するために使用されている当初の固定点
-付則J項第253-65図に合致する座席固定用の固定点
座席支持具は第4-66図に従って、最小直径8mmのボルトを使用し、1座席 につき少なくとも4箇所で座席固定用の固定点に取り付けられなければならない。各取り付け点について、支持具、車体/シャシーと当て板の接触面積は最低
40cm2であること。
5)座席は、直径が最低8mmのボルトを使用し、座席の前部2ヶ所、後部2ヶ所の4ヶ所の支持具で固定され、補強部は座席に結合されていなくてはならない。
6)支持具と当て板の最低の厚さは鋼鉄の場合は3mm、軽合金の場合は5mmを有さなければならない。各支持具の前後方向の長さは、最低でも60mmを有さねばならない。
7)座席を調整するレールが使用される場合、当初から車両に設定されているもの、または座席とともに設定されているものを使用しなければならない。
8)運転席とドアロールバーの間には機械装置の設置は許可されない。
9)座席とドライバーの間にクッションを置く場合、このクッションの厚さは 50mm以下でなければならない。
補 強
シートシェル当て板
当て板
第 4 −66図
第 14 条 ライト
ガラス製のライト類に無色透明の飛散防止対策を施さなければならない。
第 15 条 床
防音材および防振材は取り外すことが許される。カーペットは取り外さなければならない。
第 16 条 内 張
運転席と助手席のドアの内張り、および、車体のドア開口部のプロテクターを除き、内張りを取り外すことは許される。天井の内張りは、それが難燃材の場合を除き、取り外さなければならない。
第 17 条 火災に対する防護
火災の場合、火炎の直接の通過を防止するため、エンジンと搭乗者席の間に有効な防護遮へい物を取り付けなければならない。
第 18 条 ステアリングホイール
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチやメーター等を装着する場合、それらは突起した形状(トグルスイッチ等)であってはならず、トグルスイッチ以外のスイッチやメーターを装着する場合は、ドライバーと対面するステアリングホイールリムの全体で形成される平面よりもドライバーに近いところに位置してはならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
第 19 条 オイルキャッチ装置
オイルがコースに流出することを防ぐための確実な装置を備えなければならない。その装置の取り付け方法は、針金やテープなどによる暫定的なものであってはなら ない。
エンジンオイルキャッチタンクを使用する場合、気筒容積が2,000ccまでの車両に対しては2ℓ、気筒容積が2,000ccを超える車両に対しては3ℓの容積がなければならない。この容器はプラスチック、あるいは透明な窓を備えたものでなければならない。キャッチタンク取り付けに伴うブリーザーバブルおよびホース類の変更は認められる。回収されたオイルを重力によりエンジンへ還流させるシステムの取り付けは認められる。この目的のためオイルパン、またはヘッドカバーに最小限の改造が認められる。
エンジンオイル以外のオイルキャッチ装置を備えることが許される。
第 20 条 圧力制御バルブ
ホイール上の圧力制御バルブは禁止される。
第 21 条 その他
車両に搭載する部品等(スペアホイール、工具類)は、確実に固定されなければならない。
ステアリングロック/オートドアロックは取り外さなければならない。
第 22 条 ネット
下記仕様に従ったネットをロールケージに取り付けて使用することを推奨する。帯の最小幅:19mm
網目の最小寸法:25×25mm網目の最大寸法:60×60mm
範囲:ステアリングホイール中心より後方のフロントサイドウィンドウを覆うものとする。
FIA規格8863-2013(テクニカルリストNo.48)に記載しているもの等。
第 5 章 量産ツーリングカー(N1)
第 1 条 車 両
1.1 )定義
量産ツーリングカー
1.2 )資格
車両はFIAグループN、A(ただし、1992年までに公認されたスポーツ進化を除く)、JAF量産ツーリングカーとして公認されているか、またはJA F登録車両として登録されていなければならず、少なくとも2個の座席を備えていなければならない。
1.3 )基本車両
公認あるいは登録された同一車両型式。
1.4 )基本車両の資料
公認書あるいは当該自動車製造者発行の国内向けカタログ、仕様書等。
第 2 条 許可される、もしくは義務付けられる変更と付加物
本章によって許されていないすべての変更および調整仕上げは厳禁される。
車両に対して行うことのできる作業は、通常の整備に必要な作業または使用による摩耗、事故によって損傷した部品の交換に必要な作業のみである。許可されている変更および付加物の制限については、後記で規定される。これら以外に、使用による摩耗、事故によって損傷した部品は、いずれも、損傷した部品と全く同一の日本国内で販売されている部品によってのみ交換が許される。
本車両は厳密に量産車であり、基本車両の資料と同一でなければならない。
オートマチック車両の車体への、基本車両に設定されたマニュアルミッションの搭載、および搭載のための最小限の改造が許される。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”、第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければならない。本章に許される改造範囲を超える場合、第6章“特殊ツーリングカー(N2)”
に編入される。
第 3 条 エンジン
3.1 )気筒容積
変更は許されない。
3.2 )サーモスタット
自由。
3.3 )クーリングファンおよびファンシュラウド
取り外しおよび変更が許される。クーリングファンの変更に伴うファンシュラウドの最小限の変更は許される。
3.4 )エアクリーナー
エアフィルターは自由。ただし、エアフィルターボックスは当初のままでなければならない。フィルターボックス前部に位置するボルトあるいはバンド等により装着されたパイプ、ダクトおよびフィルターボックスとキャブレター、あるいはスロットルボディ間のホースに補助的に取り付けられている装置(吸気音防止レゾネーター、ブローバイガス循環ホース等)を取り外すことができる。ただし、取り外した後の穴は完全に塞がなくてはならない。
3.5 )オイルポンプ
シムおよびスペーサーによる油圧の調整機構に限り変更が許される。
3.6 )オイルフィルター
自由。ただし、取り付け位置の著しい変更は許されない。
3.7 )キャブレターおよびインジェクションシステム
ベンチュリーの直径あるいはスロットル開口部を変更することはできない。インジェクションシステムは、当初の形式が保持され、かつ機能していなけ
ればならない。
エンジンに供給される燃料の量を調整しているキャブレターの部品、もしく は、フューエルインジェクション装置の部品(エンジンコントロールユニット、インジェクター、コネクター、プレッシャーレギュレーター、エアフローメー ター等を含む)は流入する空気の量に影響がなければ、改造または交換するこ とが許される。
3.8 )燃料ポンプ
安全燃料タンクを装着した場合に限り、燃料ポンプを変更することが認められ、元のポンプを取り除くことが許される。
3.9 )バルブスプリング
バルブスプリングは自動車製造者の定めた数と取り付け部を変更することなく取り付けられることを条件に他のものと交換することができる。
3.10 )バルブおよびバルブシート
バルブガイド、バルブシートは基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。
3.11 )カムシャフト
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。
3.12 )ピストンおよびコンロッド
ピストンおよびコンロッドはバランス調整のみ許されるが、それぞれ1個が未加工品であること。
3.13 )ヘッドガスケット
ヘッドガスケットの変更は許される。
3.14 )オイルパン
オイルパンの外観変更は許されない。ただし、エンジンオイルの片寄り防止、および温度センサー取り付けのための追加加工は許される。また、エンジンへ の取り付け位置および取り付け方法/作動原理を変えなければ、オイルストレ ーナーの位置を変更することも許される。
3.15 )フライホイール
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。
3.16 )電気系統
●電気的に諸装置を調整できる調整装置(エンジンコントロールユニット等のすべてのコンピューター類のコントローラーを含む)は当初から装着されているものを除き車室内に設置されてはならない。
●点火装置は、装着ブラケットを含み、改造が許される。
ディストリビューター方式を同時点火方式(マルチコイル方式等)に変更することは許される。
●取り付け位置を除き、バッテリーは自由。
ただし、リアバッテリー搭載車で、安全燃料タンクを装着するための最小限の取り付け位置の変更は許される。
取り付けブラケット、ボルトの変更も許される。
3.17 )吸・排気系統
吸気、排気マニホールドは国内向けの当初の部品と同一な純正部品との交換が許される。
ただし、ポート内面に段付修正を行う場合、取り付け面より垂直に5mmの奥行の範囲に限り、シリンダーヘッド側を含み許される。
3.17.1 )吸気系統
取り付け位置について、取り付け穴の修正によりポート合わせを行うことも許される。
インタークーラーのホースの変更は許される。
3.17.2 )排気系統
排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面的に覆うことはできない。排気マニホールド後方(過給装置付の場合、過給装置の後方)の部分は材質を除き自由とするが、取り外した場合、第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”4.6.1)、4.6.2)に従って処理されていなければならない。ただし、2010年1月1日以降に公認または登録された車両については、触媒装置を装着しなければならない。
3.17.2.1 )排気口
排気口はホイールベースの中央を通る垂直面の後方になければならない。
3.17.2.2 )消音器を取り付ける場合
ブラケットの取り付けを除き、車体の改造は許されない。
3.18 )ウォーターラジエター
車体側取り付け部の変更がなければ容量およびラジエターキャップ圧力の変更が許される。
ホース類の変更は許される。
3.19 )エンジンオイルクーラー
オイルクーラーの取り付けおよび変更は許される。
元のオイルクーラーを取り外すことも許される。ただし、車体外部への取り付けは認められない。
第 4 条 シャシー
4.1 )クラッチ
取り付け方法および枚数の変更を行わなければ、クラッチカバー、クラッチ
ディスク、クラッチスプリングの変更は許される。
4.2 )トランスミッション、ディファレンシャル
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。シフトレバーはボルトオンでのみ取り付けられる変更および改造が許される。
リミテッドスリップデフは、いかなる改造も伴わずボルトオンでの取り付けのみが許される。
4.2.1 )オイルクーラー
空冷式オイルクーラーおよび電動オイルポンプを取り付けることができる。その取り付け具は当該装置に対して最小限にとどめること。ただし、車体外部への取り付けは認められない。
4.3 )タイヤ
公道走行の許される一般市販ラジアルタイヤとする。
4.3.1 )装着できるタイヤの幅は基本車両の資料に記載されているサイズを最大とする。偏平率を変更してもよい。
4.3.2 )タイヤには、いかなる場合も、リグルーブを含み一切の加工も許されない。
4.3.3 )JAFは、競技会オーガナイザーからの申請に基づき、上記4.3.1)に適合した競技専用タイヤの使用を許可する。
※使用許可願いおよび競技専用タイヤを使用する旨を記載した特別規則書草案をJAFに提出し、その承認を得たうえで公告すること。
4.4 )ホイール
4.4.1 )基本車両の資料に記載された以外への径の変更は許されない。
ただし、上記4.3)で選択したタイヤサイズのJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に許容された範囲におけるリムの幅が適用される。
直径の異なるホイールは同時に装着できない。
4.4.2 )ホイールの材質は、スチール製以外のものはアルミ合金製とし、JWLまたはVIAマークの有るものとする。
4.4.3 )タイヤおよびホイールは、いかなる場合も車両の他の部分と接触してはならない。ホイールのオフセットは自由。ただし、スペーサーは禁止される。
4.5 )ストラットおよびショックアブソーバー
車体への取り付け位置と取り付け方法、数および作動原理を変えなければストラットおよびショックアブソーバーの変更は許される。
当初から取り付けられているものを除き、シェルケースの別タンクシステムは許されない。また、シェルケースの材質の変更は許されない。
走行中に減衰力を変更できるシステムの搭載は許されない。
ストラットとナックルアームが一体構造となっている場合は、当初のナックルアームのタイロッドとの連結点の座標および材質が保持されていることを条件に、ナックルアームの変更が許される。
4.6 )ストラットタワーバー
車体への取り付け位置、取り付け方法および数を変えなければ変更することが許される。
ストラットタワーバーが当初から取り付けられていない車両の場合、ストラットタワーバーを、ストラットアッパー取り付けボルトのみを利用して取り付けることが許される。
4.7 )スプリング
車体への取り付け位置、取り付け方法、作動原理、およびスプリングの数を変えなければ、変更は許される。
車高調整式への変更に伴うスプリングシートの変更、および挿入物の追加も許される。
4.8 )スタビライザーおよびスタビライザーブッシュ
スタビライザーは、径の変更が許される。また、連結を含みその取り外しも許される。ただし、可変式スタビライザーへの変更は認められない。
スタビライザーが当初から取り付けられていない車両については、基本車両に設定されている場合に限り、取り付けが許される。
形状および寸法の変更が無ければ、スタビライザーブッシュは、金属以外の他の材質に変更することが許される。
スタビライザーの径の変更に伴うブッシュ内径の変更は許される。
4.9 )ブレーキ
4.9.1 )ブレーキシュー、ライニングパッドおよびブレーキホースの交換、変更は許される。
4.9.2 )標準で冷却ダクトが装着されていない場合、または標準で装着されている冷却ダクトを取り外した場合、以下に従い冷却ダクトを装着することが許される。
標準の開口部を使用し、フロントのみフレキシブルダクトによる冷却ダクトの装着が許される。ただし、車体の外観形状に変更があってはならない。左右のダクトの各々の内径は50mm以下とし、その数は各々1本とする。
4.9.3 )ディスクブレーキのバックプレートの取り外しは許される。サーボブレーキとの接続を外すことはできるが、取り外してはならない。
4.9.4 )アンチロック装置との接続を外すこと、およびアンチロック装置を取り外すことは許される。プロポーショニングバルブを取り外すことも許される。また、取り外しに伴うパイプの修正、変更が許される。
運転者が走行中に調整不可能なプロポーショニングバルブの追加は許される。
4.10 )ステアリングホイールおよびステアリング
ステアリングシャフトの変更または改造を行うことなく取り付けられるステアリングホイールとボスは自由。
クイックリリースシステムに変更する場合、クイックリリース機構は、ス テアリングホイール軸と同中心のフランジにより構成されていなければならず、フランジは陽極処理にて黄色く着色されるか、その他の耐久性のあるコーティ ングにより黄色く着色され、ステアリングホイール裏側のステアリングコラム に取り付けられなければならず、ステアリングの軸に沿ってフランジを引くこ とによりリリースが行われなければならない。
ステアリングホイールの上下位置の調整は許される。
パワーステアリングのポンプと配管の接続を外すこと、およびそれらを取り外すことは許される。
ステアリングロックは機能を解除しなければならない。しかし、当該機能部分以外は変更されてはならない。
4.11 )ペダル類
安全性、操作性を向上させる目的でペダルパッドを変更することは許される。ペダル剛性向上のため、マスターxxxxxまたはマスターバックに対しての み、ロッドおよびプレートをボディ構造部へ連結するという簡易補強が許され、ストラットタワーバーと一体化することも許される。
4.12 )ラバーマウントおよびブッシュ類
形状および寸法を変えなければ、金属への変更を除き、材質および硬度の変更が許される。また、スグリタイプのものをソリッドタイプに変更することが
許される。
4.13 )ドライブシャフト
ドライブシャフトブーツの材質を変更することが認められる。
第 5 条 車 体
5.1 )外観、形状
車体の外観や形状を変更することは許されない。ただし、安全燃料タンクを搭載するために必要な最低限の車体の改造(切除は不可)、および漏出防止カップリング取り付けに伴う部材の付加および切除は認められる。
アンダーカバーを取り外すことは許される。
5.2 )xx
車両のすべての車体パネルは常に基本車両の当初の材質および厚さと同一でなければならない。(±10%の許容公差を認める。計測は平面もしくは大きな半径を有する部分で行われる。)
5.3 )座席
ドライビングポジションを改善する目的で運転席を交換してもよい。座席を 交換する場合、シートレールの強度は当初のものと同等以上でなければならず、車体側の取り付け部の変更は許されない。
5.4 )室内ミラーおよび室外ミラー
室内ミラーの追加を含め変更は許されない。
5.5 )窓ガラス
5.5.1 )フロントウィンドウ
フロントウインドシールドは第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第9条に適合しなければならない。
5.5.2 )サイドウィンドウ
変更は許されない。サイドウィンドウに対し無色透明なフィルム等での飛散 防止対策を施すことを推奨する。ただし、既存車両によるワンメイクレースは、競技会特別規則により、材質の変更を認めることができる。
5.6 )ドア
防音材を取り外すことは許される。ただし、取り外すことにより、ドアの形状に変更をもたらすものであってはならない。
ウェザーストリップ等の保護材を取り除くことは許されない。また、ボルト
オンであってもサイドドアビームを取り外してはならない。
ドア内部に衝撃吸収のため難燃性の衝撃吸収材を充填することが許される。電気式巻き上げ装置を手動式巻き上げ装置に取り替えることが許され、取り
付けのための最小限の改造は認められる。
5.7 )ライト
xx灯、尾灯、制動灯、方向指示灯は正常に作動しなければならない。ガラス製のライト類は無色透明のガラス飛散防止策を必ず実施すること。
5.8 )補助xx灯
補助xx灯の追加、変更、交換または取り外しが許される。取り外す場合、装着部は当初のものを残さなければならない。
5.8.1 )補助xx灯を装着するための穴
補助xx灯のブラケットのために車体前部に穴を開けることは許されるが、その目的は「装着のため」に限定される。
5.9 )補 強
車体の補強は、使用される材料が当初の形状に沿いそれと接触していれば許 される。複合材料による補強は第5-1図のように片面にのみ許される。また、車体(排気系を含み)、ならびにサイドシル・各メンバー等の空洞部を第5-
2図のように充填することにより補強することができる。
補強によって標準部品の取り付けに影響があってはならない。
第5−1図
補強部分
サイドアウタパネル
5.10 )補助的付加物
フロントフロアサイドシルインナ
フロントフロアパン
第5−2図
補助的付加物の取り外しは、その配線も含み許される(例えば、マッドガー ド、アンダーガード、ストーンガード、オープン車両の幌およびその取り付け 具、室内照明、ラジオ、ヒーター、エアコン、モール類、エアバッグ、ホーン、リアワイパー等)。
計器類(データロガー、センサー、配線を含む)の取り付け、または取り外しが認められる。
絶縁材を車両の床下、エンジン室、トランク内やホイール格納アーチ部から除去することは許される。シャシー/車体部にあって、ボルトオンで取り付けてある使用していない支持体は取り外すことができる。
ヒールレストや消火器の取り付けブラケットおよび類似目的の部品、後部隔壁を新たに室内に設置することは許されるが、難燃材質であることおよびボルトなどで確実に車体に固定されていなければならない。
5.11 )エアジャッキ
エアジャッキの使用は許される。ただし、圧搾気体の容器を搭載することは許されない。
第 6 条 配管・他
6.1 )配 管
オイルキャッチタンク等の取り付けに伴う最小限の変更のみ許される。
6.2 )安全燃料タンク
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12条に基づく安全燃料タンクに交換することが許される。
取り付けのための車体の改造は、第5条5.1)で認められた改造を除き禁止される。タンク下部の最低地上高は10cm以上であること。
取り付けに伴う燃料配管の変更は許される。
6.3 )室内冷却用ダクト
ドライバーおよび室内補機類のための冷却ダクトを設置してもよい。ただし、外観形状の変更を伴うものは許されない。フレキシブルダクトをピラー等に簡 易的に固定することなどは、外観形状の変更とはみなされない。
第 6 章 特殊ツーリングカー(N2)
第 1 条 車両の資格
1.1 )定義
特殊ツーリングカー。
1.2 )資格
車両はFIAグループN、A(スポーツ進化を含む)、B、JAF量産ツーリングカーまたは特殊ツーリングカーとして公認されているか、もしくはJAF登録車両として登録されていなければならず、少なくとも2個の座席を備えていなければならない。
第 2 条 許される改造
すでに量産ツーリングカー(N1)に対して許されている改造限度に次の項目が加えられる。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”、第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければならない。
2.1 )材質の制限
以下に示す材質は、各条項で認められているものを除き、使用することは許されない。ただし、当該車両に標準で使用されている場合は当該部分にのみ使用が許される。
チタニウム、マグネシウム、カーボン、アラミド繊維。
2.2 )制御機能
以下に示す制御機能を使用することは許されない。ただし、当該車両に標準で使用されている場合は当該機能のみ使用が許される。
トラクションコントロール、オートマチック/セミオートマチックギアボックス、アクティブサスペンション、アンチロックブレーキシステム、シーケンシャルミッション。
第 3 条 エンジン
車両と同一製造者の他の公認車両または登録車両の生産エンジンであれば、別車種のエンジンを搭載することができる。
エンジンの位置とその取り付けは、車体に対する当初のエンジンの方位と方向が保持されているならば、エンジンルーム内で自由。
3.1 )気筒容積
気筒容積は、搭載しているエンジンが所属する第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”1.9)の気筒容積別クラス限度まで変更してよい(過給装置付エンジンは、各々の係数を乗じ、それによって得られた値に相当するクラスの限度まで変更することができる)。
3.2 )シリンダーブロック
改造は自由。ただし、シリンダーブロックは当初のものを使用すること。
3.3 )シリンダーヘッドおよびバルブ
リフターを含み自由。ただし、シリンダーヘッドは当初のものを使用すること。
3.4 )ヘッドガスケット
自由。
3.5 )カムシャフトおよび動弁系(バルブスプリングを含む)
自由。ただし、カムシャフトの位置、個数および駆動方式は変更できない。材質の変更は禁止される。
3.6 )ピストン、ピストンピンおよびピストンリング
自由。
3.7 )クランクシャフト、コンロッド
自由。ただし、チタニウム合金の使用は許されない。
3.8 )フライホイール
自由。ただし、材質はスチールに限定される。
3.9 )ベアリング
プレーンベアリング、ローラーベアリングなどベアリングは同種の他のものに変更してもよい。
3.10 )吸気装置
吸気系統は自由。ただし、可変吸気トランペットは禁止される。
過給装置の装着は数に変更がなければ自由。(非装着エンジンに取り付ける
場合、シングルに限られる。)
3.11 )燃料供給装置
自由。ただし、インジェクターは各シリンダーにつき基本車両の数を最大とする。
3.12 )点火系統
自由。
3.13 )潤滑系統
オイルポンプを変更してもよい。オイルパンの変更および改造は自由。オイルクーラーは、車両の輪郭から突出するものであってはならない。
3.14 )ウォーターラジエター
自由。
3.15 )その他の要素
3.15.1 )ウォーターポンプおよび燃料ポンプ
自由。ただし、車室内に燃料ポンプを取り付けることは許されない。
3.15.2 )プーリー類、ベルト
自由。
3.16 )排気系統
排気系統は材質を含み自由。ただし、2010年1月1日以降に公認または登録された車両については、触媒装置を装着しなければならない。
側方排気車両の排気口の高さは次の通り:
1)最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。
2)最大高:排気口の最高点は前後車輪回転軸を結ぶ線より高くなってはならない。
3.17 )マウント方法
自由。
第 4 条 シャシー
4.1 )xxxx
自由。ただし、ツインプレートを最大とする。
4.2 )トランスミッションおよびコントロールレバー
同一製造者のミッションの搭載、および搭載のための最小限の改造が許され る。ギアレシオの変更およびオイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。
4.3 )最終減速機と差動装置
同一製造者のディファレンシャルの搭載、および搭載のための最小限の改造が許される。
駆動方式の変更は許されない。
トランスミッションと最終減速機との間のシャフトは自由。ギアレシオは自由。
オイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。
4.4 )アクスル
スピンドルを含み自由。
センターロック方式への変更は許されない。
4.5 )スプリングおよびスタビライザー
自由。ただし、主要な形式は変更してはならない。補助スプリングの付加は許される。
走行中にスタビライザーを運転席からコントロールすることは許されない。
4.6 )ショックアブソーバー
自由。運転席から減衰力を調整することは許されない。
4.7 )サスペンションの要素
当初の形式を保つならば変更、改造は自由。当初の形式とはストラット方式、ウイッシュボーン方式、トレーリングアーム方式、スウィングアクスル方式、 リジッドアクスル方式の5つをいう。
4.8 )ステアリングおよびステアリングギア
自由。
4.9 )ホイールおよびタイヤ
ホイールスペーサーを含み自由。
4.10 )ブレーキシステム
自由。ただし、1輪につき4ピストン以下のキャリパーを1個とする。
ブレーキの冷却は空気による場合のみ認められ、各ブレーキには空気を送り込むフレキシブルダクトを設置することが許される。冷却用ダクトの断面は 80cm2以下であり、上から見た車両の輪郭から突出せず、バンパーより上の車体に変更を生じない条件で付加することができる。
駐車ブレーキは自由。駐車ブレーキを装着する場合、左右同時に、かつ確実
に作動しなくてはならない。
第 5 条 車 体
5.1 )車体の外部
5.1.1 )バンパー(ステーを含む)
基本車両の全長の±3cm以内であれば、バンパーは自由。またバンパーの幅は1,850mmまで拡張が許されるが、フェンダーと滑らかに接続すること。
5.1.2 )ボンネット、トランクリッド
ボンネット、トランクリッドは形状、主要構成要素を変えない限り合成樹脂、または軽金属への交換が許される。ただし、これらの部分は、十分な強度を満 足し、走行中に開かないようにすること。
エンジンクーリングのため、内部構造が見えないことを条件にナカダクトおよび最大突出量が20mmのルーバーを設置することができる。
5.1.3 )前部空力装置
可動式でなく、基本車両の全長の±3cm以内であれば、前部空力装置は自由であるが、上から見た車体輪郭に対する突出量は最大3cmまでに制限される。
前部空力装置をバンパーと一体に成形することができる。前車軸の中心より前方のアンダーパネルは自由。
5.1.4 )フェンダー
車両の全幅を最大幅1,850mmまで広げることができる。
タイヤは真上から見て、車輪回転の中心を通過する垂直線の前後に、回転の中心から計測して前後60°の範囲において、はみだしてはならない。
フェンダーは車体のシルエットから遊離した形状であってはならず、かつ横方向および後方から機械構造物が見えてはならない。
タイヤが容易に取り外せる形状でなければならない。
5.1.5 )サイドスカート
サイドスカートは、車体から遊離した形状でなければ取り付けることができるが、最低地上高はいかなる状態でも確保されなければならない。
5.1.6 )後部空力装置
車両の全長および全高を超えず、基本車両の最大幅以内で、外縁に3mm以上のRをつけることを条件に形状は自由。
後車軸の中心より後方のアンダーパネルは自由。ただし、上から見た車体輪郭から突出してはならない。
5.1.7 )外部ミラー
外部の後方視界用ミラーは車両の両側に有効に取り付けられていなければならない。
各々の外部の後方視界用ミラーは最低90cm2の反射面積を有していなくてはならない。
5.1.8 )窓ガラス
サイドウィンドウおよびリアウィンドウを無色透明な他の材質のものに変更 することが許される。ただし、取り付け位置およびxxの削減と形状の変更は 認められない。取り付け部をタッピング、ビス等で補強することが推奨される。
5.1.9 )車体外部の改造
フロントピラーおよびルーフドリップ部分の改造、サイドウィンドウガラス取り付け位置の変更、結果として空力持性の改善をもたらす車体の不可視部分の改造、および空力持性の改善をもたらす取り付けおよび切除等による車両の改造は一切許されない。
オープンカーのハードトップは、ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されている場合、形状がそれに近似していなければならない。
5.2 )車体の内部
5.2.1 )ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許されるが取り外しは許されない。
5.2.2 )燃料タンクの容量は第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”10.2)に規定された限界以内ならば自由。
5.2.3 )排気管取り付けのためのサイドシルおよびフロアの最小限の改造は許される。
5.2.4 )FIA基準8855-1999またはFIA基準8862-2009に従った座席の使用が推奨される。標準のシートレールフレームの前後の位置を変更してはならない。
第 6 条 電装品および補機
6.1 )ライト類の付加による最小限の変更、および前部霧灯の取り外しは許される。ただし、ヘッドライトの取り外しは配線を含み許されない。
リトラクタブルライトの可動システムの変更は許される。
6.2 )バッテリーの位置は自由。ただし、強固に取り付けられ、ドライバッテリーでない場合には車室から確実に隔離されなければならない。
第 7 条 安全燃料タンク
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12条に従った安全燃料タンクの装着が義務付けられる。
ただし、3.16)排気系統、および4.7)サスペンションの要素の各条項が、第5章 “量産ツーリングカー(N1)”の規定の中の相当する条項に従って改造されており、かつ、5.1.1)バンパーについてはステーおよびリインフォースメントを改造しない場合、安全燃料タンクの装着が免除される。
安全燃料タンクの取り付けのための改造は許される。タンク下部の最低地上高は 10cm以上であること。
安全燃料タンクをホイールベース間に搭載するため、安全燃料タンクが荷室および車室にまたがる場合は、次の事項を遵守しなければならない。
1)前部座席の後端より後方に位置していなければならない。
2)タンクの両側は衝撃吸収構造とすることを強く推奨する。
3)隔壁は後方視界を妨げる形状であってはならない。
4)漏出した燃料は滞留してはならず、また車室には浸入しないよう十分配慮されていなければならない。
部門Ⅱ:競技専用車両
(ナショナルフォーミュラ)
(第7章〜第11章)
第 7 章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義
1.1 )フォーミュラ車両
サーキットあるいはクローズドコース上で行われるスピードレースのためにのみに設計された4輪自動車をいう。
1.2 )自動車
直線上に並べられていない少なくとも4つの車輪によって走行し、少なくとも2つの車輪が操舵に、また少なくとも2つの車輪が推進に使用される陸上車両をいう。
1.3 )陸上車両
それ自体の手段によって、地表に対する実際上の支えを常時保持して推進し、その推進および操舵装置は乗車したドライバーの制御下にある移動装置をいう。
1.4 )車体
ロールオーバー構造体ならびにエンジン、トランスミッションおよび走行装置で機械的機構に明らかに関連する部分を除き、外気にさらされている車両のすべての主要懸架部分をいう。エアボックス、ラジエターおよび排気系統(S Fは除く)は車体の一部とみなされる。
1.5 )空気力学的装置
空気力学的な動作に影響することを基本機能とした車体の部分をいう。
1.6 )ホイール
フランジとリムをいう。
1.7 )コンプリートホイール
フランジ、リムおよびタイヤをいう。
1.8 )自動車の銘柄
フォーミュラレーシングカーの場合、自動車の銘柄とは完成車のことをいう。製造者が自身で生産しないエンジンを取り付けた場合、その車両は「合成」と みなされ、エンジン製造者名と車両製造者名が連名となる。車両製造者名が常 にエンジン製造者名の前に付く。
合成車が選手権のタイトルのかかったカップ、あるいはトロフィーを獲得した場合には、この賞は車両の製造者に与えられる。
1.9 )競技
競技とは、フリー走行、公式予選およびレースからなる。
1.10 )重量
車両重量とは、レース用装備品をすべて着用した状態のドライバーを含めた競技の行われているすべての期間中の重量をいう(すべての燃料を含まない)。
1.11 )レーシング重量
すべての燃料タンクを満たし、ドライバーが搭乗し、出走可能な状態の車両重量をいう。
1.12 )気筒容積
エンジンの気筒内でのピストン運動により排出される容積をいう。この容積は、立方センチメートルであらわされる。エンジンの気筒容積を算出する場合のπの数値は3.1416とする。
1.13 )過給装置
何らかの方法により、燃焼室に充填される燃料/空気の混合気の重量を増加
(インテークおよび/またはエキゾーストシステム内における通常の大気圧、ラム効果および力学的効果によって吸入される重量を超えて増加)させる装置をいう。燃料の加圧噴射は、過給装置とはみなされない。
1.14 )主要構造体
サスペンションまたはスプリングの負荷が伝えられる車両のすべての主要構造体で、シャシー上の前部サスペンション最前部から後部にあるサスペンションの最後部にまで縦方向に延びている部分をいう。
1.15 )懸架・サスペンション
スプリングを介在して車体/シャシーからすべてのコンプリートホイールを懸架する手段。
1.16 )コクピット
ドライバーを収容する容積をいう。
1.17 )サバイバルセル
すべての燃料タンクとコクピットを収容する連続した閉鎖構造体をいう。
1.18 )アクティブサスペンション
車両が動いているときにサスペンションのいかなる部分および車高を制御するすべての方式をいう。
1.19 )複合構造
一枚の薄板から成る層の集まり、もしくはコアの材質の両側に接着された2枚の外板で構成される断面を有する同質でない材質をいう。
1.20 )テレメトリー
走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われるデータの通信をいう。
1.21 )セミオートマチック・ギアボックス
ドライバーがギアの変更を要した際に、ギアが入るようにするためにエンジン、クラッチ、またはギアセレクターの内の1つ以上を瞬間的に制御するものをいう。
1.22 )コクピットのパッド
ドライバーの居住性の向上と安全性確保のみを目的としたコクピット内部に配置される非構造部品をいう。この材質はすべて工具を使用しなくても即座に取り外せる機構になっていなくてはならない。
第 8 章 スーパーFJ(S−FJ)
第 1 条 規 定
1.1 )改定に関する公表年月日
JAFは、毎年遅くとも10月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通常、翌年の1月1日から施行する。
ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。
1.2 )危険な構造
自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除外されることがある。
1.3 )規則の遵守
車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな らず、第4編細則“S-FJ車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。
1.4 )測 定
すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなければならない。
1.5 )競技参加者の義務
競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のS-FJ車両が本規定に合致していることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務がある。
1.6 )アクティブサスペンション
アクティブサスペンションは禁止される。
1.7 )材質規制
以下の材質の使用は禁止される。
マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維。
1.8 )クロームメッキ
サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。
第 2 条 車体と寸法
2.1 )車 幅
ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含む
車体の全幅は、1,700mmを超えてはならない。
2.2 )フロントホイールの中心線より前方の幅
フロントホイールの中心線より前方の車体は、幅1,300mmを超えてはならない。
2.3 )フロントホイールとリアホイールの間の幅と形状
フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車 体の最大幅は、1,300mmを超えてはならない。この中に側面防護体は含まれる。リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプリートホイールのxx
xx上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中心から450mmを超えてはならない。
2.4 )リアホイールの中心線より後方の幅
リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、900mmを超えてはならない。
2.5 )オーバーハング
リアホイールの中心線より後方600mm以上の所には、車両のいかなる部分もあってはならない。
フロントホイールの中心線より前方900mm以上の所には、車両のいかなる部分もあってはならない。
ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。
2.6 )高さ
ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分も、安全ロール構造体を除き、地上から900mmを超えてはならない。
安全ロール構造体のうち、地上高900mmを超える部分は、車両の性能に大きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。
2.7 )ホイールベース/トレッド 最小ホイールベース:2,200mm最小トレッド :1,200mm
最低地上高 :50mm(レース用装備品をすべて着用したドライバーが正常に着座した状態)
縦350mm×横350mm×高さ50mmの最低地上高測定板に触れることなく通過できなければならない。
2.8 )フラットボトム
2.8.1 )前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との間にあって、車両のxxから見える車両のすべての構成部分は、±10mmの許容範囲内で1つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。
また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端からリアホイールの中心線の間で終結しなければならない。これらすべての部分は、いかなる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固に固定されており(車体/シャシー構成に関していかなる遊びもあってはならない)、水・空気を通さない面であること。これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径50mmの上向きの湾曲を形成することが許される。フラットボトム後端部の形状は、上向きに平面で立ち上げることが許されるが、その高さはフラットボトムを形成する平面から上方に20mm以内とする。
2.8.2 )±10mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すためのものではない。
2.8.3 )いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突出している他の装置(上と同様に導入された±10mmの許容差)も、本条文に関連する規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。
2.8.4 )車両の底部を保護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す ることができるが、本規則第2条「車体と寸法」は遵守されなければならない。なお、スキッドの端部は半径5mm以上の面を持つこととする。
2.8.5 )上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間 を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。
(ディフューザー構造等の禁止)
車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:
-車体の主要部分にしっかりと取り付けられていなくてはならず、(しっかりと取り付けるとは、固定されていない部分があってはならないという意味である。)
-車体の突出部と固定されていなくてはならない。
車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あらゆる状況下でも禁止される。
いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何学平面より下部に位置してはならない。
2.8.6 )エンジンの搭載位置
エンジンブロック背面(ベルハウジングと接する面)はリアホイールの中心線より260mm以内とする。
2.9 )空気力学的装置
空気力学的装置は前後のウイングおよびxx板を除き一切禁止される。
ただし、ドライバーが風・xxxを防ぐため、開口部に沿って最小限のウインドスクリーンを取り付けることは許される。その取り付けは暫定的なものであってはならない。
リアサスペンション・フロントピックアップより後方で、かつアッパーピックアップより下方にカウルを取り付けることは許されない。
2.9.1 )ウイング
各フロントウイングおよびリアウイングは1枚で構成され、2枚以上で構成することは禁止する。ウイング形状は前方および上方から見て長方形であること。
各xx板は平板とするが、フロントウイングのxx板の前側(前から見えるすべての面)は半径5mm以上の面を持つこととする。
前端の角部(上側、下側とも)には最小半径35mmのRを付けることが推奨される。この場合R形状を形作る範囲に限り平板とならないことは認められる。
リアウイングの取り付け支持方法はセンターマウントとする。
リアウイングの車体への取り付けに関するウイング側固定構造は車両中心線を基準として対称とし、その取り付け構造のすべては300mm以内であること。
2.10 )コクピット
2.10.1 )コクピット開口部
コクピットに入るための開口部は図に示される水平版(テンプレート)が、ステアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるものでなくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最も低い点から下方へ25mm下げることが可能でなくてはならない。
測定時には、ドライバーサイドパッドは取り外すこと。
ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降
300mm
車両中心線
600mm
できなくてはならない。
500mm
第10− 1 図
2.10.2 )脱出時間
コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り 付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって も、ドライバーが5秒以内に外に出られるよう設計されていなくてはならない。
2.11 )ステアリングホイール
ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなくてはならない。その開放(取り外し)方法は、ステアリングホイール後方のステアリングコラ ムに設置された同心円状のフランジを引く方法によるものでなくてはならない。ステアリングラックは、フロントアクスル軸より前方に取り付けなければなら ない。
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリングホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置してはならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
第 3 条 重 量
3.1 )最低重量
大会期間中を通じ495kg を下回ってはならない。
3.2 )バラスト
バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば
使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでなければならない。
第 4 条 エンジン
4.1 )エンジンの種類
国土交通省の指定を受けた量産車両に搭載されているエンジンを使用しなければならない。
4.2 )エンジンの形式
レシプロピストンによるエンジンのみ認められる。
4.3 )最大容積
1,500ccを含み1,500ccまでとする。
4.4 )シリンダーの最大数
最大4とする。
4.5 )過給装置は禁止される。
4.6 )シリンダーヘッドのバルブ数はシリンダー当たり4個とする。
4.7 )エンジンの改造限度
エンジンおよび補機は次の各項目を除き変更してはならない。ただし、シャシーにエンジンを搭載するための最小限の変更は許される。
ピストンは純正部品に限る。
4.8 )サーモスタット
自由。
4.9 )オイルフィルター
自由。
4.10 )エアフィルター
ゴミの進入を防ぐ目的のメッシュやエアクリーナーの取り付けはスロットルボディ端面から200mm以内で自由とする。
エアファンネルはスロットルボディ端面より長さ120mm以下、最大径 140mm以下とし、開口部は車両の後方を向いていること。
インダクションボックスまたは走行により吸気圧を上げる構造のダクト、カウル等の取り付けは許されない。
また、リアカウルを取り付けた場合、エアファンネル後端面は横からと後方から見えること。
4.11 )燃料ポンプ
自由。
4.12 )点火プラグ
自由。
4.13 )クラッチディスク
クラッチディスクは当初の枚数を変更しなければ自由。
クラッチカバーは元の取り付け寸法、形状を変えなければ変更は許される。
4.14 )xxxxxx
自由。
4.15 )フライホイール
軽量加工は許される。ただし、リングギア径寸法は保持されなければならない。
4.16 )オルタネーター
取り外しは許されない。また、発電機能は正常に機能していなければならない。
4.17 )性能の均等化
JAFは性能の均等化のため、事前予告をもって出力制限装置を取り付ける権利を留保する。
4.18 )排気管
排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面的に覆うことはできない。排気マニホールド後方部分は自由、ただし、サイレンサーを除き材質は鉄系で磁力に反応すること。
排気管の出口は、それが水平に、かつ後方に向けられている場合、地面から 400mm以下の高さでなければならない。走行中の可変装置は禁止される。
触媒装置の装着を義務付ける。装着する触媒装置はJAFに申請し承認を受けたものとする。取付け位置は排気管最後端とし、取外しにより触媒装置内部を前後から容易に視認できる方式としなければならない。
4.19 )排気音量測定
すべての車両は第2章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。
第 5 条 始 動
5.1 )始動装置
電気エネルギー源による始動装置を車両に搭載しなければならず、ドライバーが正常に着座した状態で作動できなければならない。また、始動装置は常にエンジンを始動できるものでなくてはならない。
5.2 )エンジン始動
グリッド上およびピットエリアにおいて、補助的に外部よりエネルギー源を、車両に一時的に接続してエンジンを始動することができる。
第 6 条 駆動装置
6.1 )駆 動
車両は2輪でのみ駆動されなければならない。
6.2 )ギアボックスの型式
前進ギアの最大数は5段とし、シ-ケンシャルシフト方式は禁止される。
6.3 )後退ギア
すべての車両は、競技期間中いかなる時にもエンジンがかかっている間、通常に使用できる後退ギアを備えていなくてはならない。
6.4 )横置きギアボックスおよびリアアクスル(リアホイールハブセンター)より前方のギアボックスは禁止される。
6.5 )ギアボックス
日本製に限り許される。
6.6 )ディファレンシャル
デフの差動を制限する装置は禁止される。
第 7 条 サスペンション
7.1 )コクピットから調整できるスタビライザーは禁止される。第 8 条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置
8.1 )ライン/ケーブル/電気装置
ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる漏れもないよう取り付けられなければならない。
-コクピット内の液体たまり
-コクピット内への液体の侵入
-電線または電気装置と液体の接触
もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、またはコ
クピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を防ぐ材料によって完全に覆われていなければならない。
電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。
8.2 )パイプライン
すべての燃料の配管は最大作動温度135℃で、4.1MPa(41bar)の最低破裂圧力を有していなければならない。
8.3 )燃料タンク
下記に従い、JAF/FIA公認の安全燃料タンクの装着が義務付けられる。 A)最大容量20ℓまでのタンクを1個。なお、コレクタータンクの使用は禁
止される。
B)取り付け位置はシートバックと主要ロール構造体のバルクヘッドの間とする。
C)すべての燃料タンクには、製造者名、タンクの製造に際し適用された仕様(規格)、製造月日が表示されていなければならない。
8.4 )燃料タンクの給油キャップ
燃料タンクの給油キャップは車体より突出してはならない。
衝撃の際や不完全なロックによりキャップが緩まないように設計されていなければならない。
燃料給油口は衝突により、破損されやすい場所を避けて取り付けなければならない。
空気孔はコクピットの後方250mm以上の場所に位置すること。
8.5 )オイルキャッチタンク
車両には最小2ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。xxxxxはこのキャッチタンクに排出しなければならない。
この容器は透明なプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。ミッションケースより後方に位置してはならない。
第 9 条 制動装置
9.1 )2重回路
すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも2系統の回路を有する制動装置を装備しなければならない。この装置の1つの回路に漏れ、もしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくとも2輪のホイールを依然と
して制御できなければならない。
9.2 )ブレーキ圧の調整
アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。
9.3 )材質と加工
ブレーキディスクは鉄製に限定され、ディスクへの穴あけ、溝切りは禁止される。ベンチレーテッドディスクは禁止される。
9.4 )ブレーキキャリパー
すべてのブレーキキャリパーは、同質の金属材で作られていなければならず、最大4ピストンまでとし、各ホイールにつき1個でなければならない。
9.5 )ブレーキダクト
ブレーキを冷却するためのすべてのダクト類および空気力学的付加物はすべて禁止される。
第 10 条 タイヤとホイール
10.1 )タイヤ
競技専用タイヤの装着が許される。ただし、タイヤの径は左右同一でなければならない。
10.2 )ホイールの数
ホイールの数は4本に限定される。
10.3 )ホイールの寸法
ホイールの幅は6インチを超えてはならない。 ホイールリム径は13インチを超えてはならない。
10.4 )材質
すべてのホイールは、均質の鉄またはアルミ合金で作られていなければならない。(ただし、アルミ合金の場合はJWLまたはVIA規格に合致していること。)
第 11 条 安全装置
11.1 )消火器
すべての車両は、内容量2kg以上の粉末消火器、またはFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条7に記された消火剤および内容量、あるいは同第259条14に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるように搭載しなければならない。取り付け位置は車体構造の内側とし、コクピット
内とエンジンルームに同時に散布する2系統の消火装置でなければならない。
11.2 )記載項目
1)以下の情報を各消火器に明記しなければならない: a)容器の容量
b)消火剤の種類 c)消火剤の重量もしくは容量 d)消火器の点検日
2)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはならない。)ただし、2年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
-消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、その使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
-消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
3)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者による点検を受けること。
11.3 )電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)
ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火装置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなくてはならない。
スイッチはコクピットの右側に取り付けられ白い縁どりをした底辺が 100mmの青いxxの中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくてはならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなければならない。
11.4 )後方視界用ミラー
すべての車両は、ドライバーが後方と車両の両側を見ることができるよう取り付けられた最低2つのミラーを有していなくてはならない。
各ミラーの反射面の最小幅は150mmで、少なくともそれが縦50mmにわたり維持されていなければならない。各コーナー部については最大半径10mmのRが上記寸法内で許される。