IA-PS オペレーティングテクノロジーセンター伝送器統括部
Field Wireless Device Restart Tool
取扱説明書
横河電機株式会社
IA-PS オペレーティングテクノロジーセンター伝送器統括部
発 行 日: 2019 年 11 月 26 日
作成 伝送器統括xx | 照査 ITC xx | 承認 伝送器統括xx |
目次
i. Status バーに「Can’t connect」が表示される 22
ii. Status に「Communication error」が表示される 22
iii. Status に「Communication error.」が表示される 23
iv. Status に「Restart error.」が表示される 23
1. はじめに
本書は、Field Wireless Device Restart Tool の操作方法について説明しています。
本ツールは ISA100 Wireless™に準拠した横河電機社製無線フィールド機器の再起動を行うツールです。
ご注意
● 本書の内容は、性能・機能の向上などにより、将来、予告なしに変更することがあります。
また、実際の表示内容が本書に記載の表示内容と多少異なることがあります。
● 本書の内容に関しては万全を期していますが、万一ご不審の点や誤りなどお気づきのことがありましたら、お手数ですが、当社支社・支店・営業所までご連絡ください。
● 本書の内容の全部または一部を無断で転載、複製することは禁止されています。
● ソフトウェアを第三者に譲渡することおよび貸与することを禁止します。
● 本書の内容は Field Wireless Device Restart Tool R1.01.01 に対応しています。
用語・略語
用語 | 説明 |
Field Wireless Device Restart Tool | 無線フィールド機器の再起動を実施するツール。 |
ゲートウェイ Monitor ツール | フィールド無線用管理ツール YFGW410:FWMC Monitor YFGW710:FWMT |
EJX | EJX□□□L シリーズ、EJX□□□B シリーズ |
YTA510 | YTA510 温度伝送器 |
YTMX580 | YTMX580 多点温度伝送器 |
FN310-J | フィールド無線用マルチプロトコルモジュール HART 通信 |
FN310-M | フィールド無線用マルチプロトコルモジュール デジタル 通信 |
FN510-DIDOAI | FN510 フィールド無線用マルチファンクションモジュール |
FN510-ACAI | FN510 フィールド無線用マルチファンクションモジュール 加速度センサ入力 |
FN910 | フィールド無線用電磁弁操作モジュール |
1.1.ソフトウェア使用許諾契約書
重要 本契約書を注意してお読み下さい:
本ソフトウェア使用許諾契約書(以下「本契約」といいます)は、使用者(以下「被許諾者」といいます)が横河電機株式会社(以下「横河」といいます)の FieldWirelessDeviceRestartTool(以下「本ソフトウェア」といいます)をインストールまたは使用される際に適用されます。ソフトウェアをインストール、複製またはその他の方法で使用することにより、被許諾者は本契約に拘束されることに同意したものとします。
本契約の契約条件に同意されない場合は、本ソフトウェアのインストール、複製またはその他の方法での使用は行わず、直ちに本ソフトウェアを横河の管理部署へご返品下さい。
1. 使用許諾
(1) 本契約の条件に従い、横河は被許諾者に対し、本ソフトウェアおよび付属資料(印刷物および電子的形式によるもの)(以下「許諾製品」といいます)について、非独占的かつ譲渡不可の使用権を無償で許諾します。
(2) 被許諾者は、横河が別途定める稼動環境において、次の何れかの範囲で、許諾製品を使用する権利を有します。
(a) 横河と被許諾者が合意した仕様で契約において特定された範囲
(b) 横河と被許諾者が合意した仕様で契約において特定されていない場合は、1台のコンピュータ上での1人による使用の範囲
(3) 被許諾者は、通信機能を有する機器をセットアップし自社内のデータ処理をする目的にのみ許諾製品を使用できます。横河から提供された書類に明示された目的以外での許諾製品の使用は禁止とさせていただくとともに当該使用により生じる全ての結果または損害は、被許諾者の責任と負担によるものとします。
(4) 被許諾者は、横河の事前の書面による承諾なしに、許諾製品を複製してはならないものとします。但し、バックアップの目的であれば厳重な注意を払い完全な複製物を1つに限り保有することができます(この場合でも本ソフトウェアの付属資料の複製は認められません)。当該バックアップの目的で作成された複製物には、原許諾製品と同じ著作権や商標などの知的財産権に関連する表示を付さなければならないものとします。
(5) 被許諾者は、本契約で規定されている以外の方式で許諾製品を使用することは、いかなる場合も認められません。
2. 制限
被許諾者は、次の行為の何れをも行ってはならないものとします。
(a) 許諾製品から、製品名、著作権や商標などの知的財産権に関連する表示またはその他の注意書きもしくは制限事項などを削除すること。
(b) 横河の書面による承諾なく、許諾製品を第三者に譲渡、販売、再使用許諾または他の
方法で移転すること。
(c) 許諾製品をリバースエンジニアリングし、逆アッセンブルし、逆コンパイルし、翻案しもしくは改造したり、またはこれらの行為をさせたり、許可したり、試みたりすること。いかなる許諾製品の譲渡も、横河の定める譲渡に係る方針および料金に従うものとしま す。
3. 著作権および権利の帰属
許諾製品およびこれに含まれる一切の技術、アルゴリズム、ノウハウおよびプロセス等は、横河の固有の財産および営業秘密であり、著作xxおよび他の知的財産権に関する法令
ならびに国際条約によって保護されています。被許諾者は、許諾製品の使用権のみを取得するものとし、本契約に明記されるものを除き、明示または黙示を問わず、許諾製品またはその記録媒体に関するいかなる権利をも取得するものではないものとします。横河は、許諾製品および当該記録媒体に関して、知的財産権を含むすべての権利および利益を常 に保有するものとします。前述の固有財産および営業秘密は、必要とされる被許諾者の従業員またはそれに準じる者以外の第三者に開示または漏洩しないものとし、被許諾者は 当該従業員等に対しては厳格に秘密保持の義務付けを行うものとします。
4. 保証および責任
(1) 許諾製品は、現状のままで被許諾者に提供されるものです。横河から別途明示された場合を除き、横河は、許諾製品に関し、明示または黙示を問わず、実行が中断されないこと、誤りなく実行されること、権利侵害が無いこと、商品性があること、特定の目的に適合すること、また許諾製品を使用して被許諾者が作成した設定データに基づいて機器を動作させた場合の当該動作に適用される法律等を違反していないことなどについて、何らの保証も行わないものとし、かつ契約上、不法行為上またはその他の法的根拠にかかわらず、横河の故意または重過失によるものでない限り、許諾製品の使用または
使用不能により被許諾者に生じるいかなる損害に対する責任も負わないものとします。かかる損害の可能性について事前に通知されている場合も、同様とします。
横河は、故意または重過失によるものでない限り、第三者が有する知的財産権の侵害に対して、一切責任を負わないものとします。
(2) 本条は、横河の許諾製品に関わる全ての保証および責任を定めたものです。本条は、本契約の下、被許諾者と横河(との間でリスクを分担することを定め、使用許諾の基本的要素となるものです。
(3) 被許諾者は、被許諾者による許諾製品の使用などの行為に起因して、第三者が、横河になした主張から直接的または間接的に生じたものである合理的費用および弁護士費用などの関連費用を含むいかなる請求、要求、責任、損害、判決、和解に対しても、横河への補償および防御を行うものとします。
5. 契約期間および解除
(1) 本契約は、被許諾者が許諾製品をインストール、複製、その他の方法で使用を始めた時から、(a)横河が第5条(2)または(3)に従い本契約を終了する時、または(b)被許諾者による許諾製品の使用終了時の、何れかより早く到来した時まで有効とします。
(2) 横河は、被許諾者が本契約の定めに違反した場合には、被許諾者へ何らの通知を要することなく、直ちに本契約を解除できるものとします。
(3) 前項の定めにかかわらず、横河は、いつにても 1 ヶ月以上の予告期間をもって、書面
(電磁的書面を含む)で通知することにより本契約を解除できるものとします。
(4) 本契約が終了した際は、被許諾者は直ちに、横河の指示に従い、保有する許諾製品とその複製物のすべてを横河または横河が指定する者へ返還するものとし、本契約に基づきコンピュータにインストールされた許諾製品の複製物をすべて消去するものとします。
(5) 本契約の終了または解除の後も、第 3 条、第 4 条、第 5 条および第 6 条の定めは、引き続き効力を有するものとします。
6. 一般条項
(1) 本契約は、日本法を準拠法とします。本契約に関連して、当事者の間に生ずることがあるすべての紛争、論争または意見の相違については、東京地方裁判所(本庁)を第xxの専属的合意管轄裁判所とします。
(2) 本契約は、許諾製品の使用を含む本契約の目的事項についての、横河と被許諾者の間のすべての合意を記載するものであり、許諾製品の使用を含む本契約の目的事項についての従前の説明、議論、約束、伝達または宣伝のすべてに優先するものです。
(3) 本契約の一部が法律または規則で無効と判断され、その無効とされた部分を除外して使用許諾することは合理的でないと許諾者が考えた場合は、許諾者は、被許諾者に対していかなる責任を負うことなく、許諾者の選択により本契約の定めの修正または本契約を終了させることができます。
(4) 被許諾者は、許諾製品に適用される日本、アメリカおよびその他の国の輸出関連法規により禁止されている国に許諾製品を出荷、譲渡または輸出しないこと、または禁止されている方法で許諾製品を使用しないことに同意します。
1.2. ツールの位置づけ
本ツールは横河電機社製無線フィールド機器の再起動を行うツールです。
本ツールはゲートウェイ経由と IrDA 経由の 2 つの通信経路で実行することが可能です。対象となる無線フィールド機器が横河電機製のゲートウェイ(YFGW410、YFGW710、GX20W)の配下に接続されている場合は、ゲートウェイ経由で個々の無線フィールド機器が設置されている場所に立ち入らずに無線フィールド機器の再起動を行うことができます。それ以外の場合は、IrDA 経由で無線フィールド機器に直接通信することで、再起動を行います。ゲートウェイ Monitor ツールから実施するRestart Device 機能は、無線通信モジュールのみを再起動しますが、本ツールでは、無線通信モジュールとセンサ測定モジュールの両方を再起動します。
●ゲートウェイ経由で通信する場合
ソフトウェア
Field Wireless Device Restart Tool
GW
(横河電機製)
デバイス
(横河電機製)
FN310-M
FN310-J
YTMX580
EJX
YTA510
図 1-1 ゲートウェイ経由 構成例
●IrDA 経由で通信する場合
他社製ゲートウェイに接続している場合、ゲートウェイに接続されていない場合などは、
IrDA 経由のツールを使います。
デバイス
(横河電機製)
IrDA
IrDA
IrDA
IrDA
IrDA
FN310-M
FN310-J
YTMX580
EJX
YTA510
ソフトウェア
Field Wireless Device Restart Tool
図 1-2 赤外経由 構成例
1.3. ソフトウェア動作環境
本ソフトウェアの動作環境は、下記のとおりです。
● 対応 OS
動作環境 | |
対応 OS | Windows 7 Professional 32bit |
Windows 7 Professional 64bit | |
Windows 10 Professional 32bit | |
Windows 10 Professional 64bit |
● .NET フレームワーク
本ツールは Microsoft .NET framework 上で動作する Windows .NET アプリケーションです。 Microsoft .NET framework 4.6 または、互換 framework がインストールされてい
る必要があります。
Windows 10 には .NET Framework 4.6 がプリインストールされています。それをご使用ください。
1.4. 赤外線アダプタ
IrDA 経由で行う場合、赤外線アダプタを用意し、PC に接続します。
推奨の赤外線アダプタは下記のとおりです。(推奨赤外線アダプタ以外は動作保障外です。)
メーカー名 | 品名 |
ACTiSYS | ACT-IR224UN-LN96 |
2. インストールとアンインストール
本章では、Field Wireless Device Restart Tool のインストール手順について説明します。
Field Wireless Device Restart Tool はインストーラを持ちません。提供された圧縮ファイルを解凍して任意の場所にコピーします。
アンインストールしたい場合は、フォルダごと削除ください。
3. 使用方法
3.1. ゲートウェイ経由で通信する場合
1) 事前にゲートウェイの Monitor ツールで各無線フィールド機器が正常 Join/Publish
していることを確認します。
また、YFGW710 対象の場合は、最後に対象無線フィールド機器が再起動(再 Join)したことを確認するため、無線フィールド機器の Join 回数を記録しておきます。
※対象機器が”Router”として使われている場合、”IO+Router”に設定してください。”Router”の場合、本処置の適用に失敗する可能性があります。
2) インストールされたフォルダ内の下記の exe ファイルをダブルクリックします。
FieldWirelessDeviceRestartTool_R1.01.01
→Field Wireless Device Restart Tool.exe
ダブルクリック
3) 接続するゲートウェイ機種(YFGW410 or YFGW710)を選択し IP アドレスを入力後、 [Connect]ボタンをクリックします。接続している無線フィールド機器の数が多い場合は、「Device Tag Filter」に任意の文字列を入力後[Connect]ボタンをクリックすると、入力した文字列を含む無線フィールド機器のみが表示されます。
クリック
選択
入力
4) デバイスリストに無線フィールド機器が順に表示されるので、ツールステータスに
「Connect completed」と表示されるまで待ちます。
※Device Tag Filter を変更したい場合や中断したい場合は、「Connect completed」の表示を待たずに、Connect ボタンをクリックして切断し、3)から実施ください。
確認
5) 再起動を実行する無線フィールド機器を選択します(複数選択可能)。
実行無線フィールド機器を選択
6) [Device Restart]ボタンをクリックします。
クリック
7) 選択した無線フィールド機器の Device Role に IO+Router が含まれる場合、以下の確認ダイアログが表示されるので、継続する場合は[OK]ボタンをクリックします。
クリック
8) 確認ダイアログが表示されるので、実行する場合は[OK]ボタンをクリックします。
クリック
9) 選択機器に対し、順に再起動の要求が送信されます。
下記のように Status=Restart なることを確認してください。
※本処理実行中は、完了するまで Connect ボタンによる切断及びツールの終了はできません。
10) 無線フィールド機器が再起動したことを確認するため、ゲートウェイのモニターツールで対象機器がネットワークから Leave することを確認します。
※もし Leave しなかった場合、その無線フィールド機器に対し 5)からやり直してください。
例)YFGW410 の Field Wireless Management Console の Monitor ツールの場合
実行直後、対象機器がLeave していることを確認
例)YFGW710(GX20W)の Field Wireless Management Tool の場合
実行直後、対象機器の Join Count が増えていることを確認
11) ツールを終了させる場合、タイトルバーの「×」ボタンを押すか、File メニューから Exit を選択してください。
■タイトルバーの「X」ボタン
クリック
■File メニュー - Exit
クリック
下記のダイアログが表示されるので、[OK]をクリックします。
3.2. IrDA 経由で通信する場合
1) インストールされたフォルダ内の下記の exe ファイルをダブルクリックします。
FieldWirelessDeviceRestartTool_R1.01.01
→Field Wireless Device Restart Tool.exe
2) 接続先に Infrared を選択します。
選択
3) COM ポートを選択し、赤外線アダプタを対象無線フィールド機器に向け[Connect]ボタンをクリックします。
選択
クリック
4) COM ポートに接続すると、[Connect]ボタンが青色に変わり、無線フィールド機器の情報が表示されます。
5) 赤外線アダプタを対象無線フィールド機器に向け、[Start]ボタンをクリックします。
クリック
6) Device Role が IO+Router の場合、以下の確認ダイアログが表示されるので、継続する場合は[OK]ボタンをクリックします。
クリック
7) 確認ダイアログが表示されるので、実行する場合は[OK]ボタンをクリックします。
クリック
8) 実行直後、対象無線フィールド機器の LCD に起動時の表示がされることを確認します。起動時の画面表示は各無線フィールド機器の IM を参照ください。
9) 正常に終了すると、下記のダイアログが表示されます。[OK]ボタンをクリックしてください。
10) 別の無線フィールド機器を実行したい場合、Connect をクリックして切断し、4)からやり直してください。
クリック
11) ツールを終了させる場合、タイトルバーの「×」ボタンを押すか、File メニューから
Exit を選択して下さい。
■タイトルバーの「X」ボタン
クリック
■File メニュー - Exit
クリック
下記のダイアログが表示されるので、[OK]をクリックします。
4. 付録:トラブルシューティング
ゲートウェイ経由
i. Status バーに「Can’t connect」が表示される
ゲートウェイとの接続に失敗しています。ゲートウェイの選択、IP アドレス、ゲートウェイとの接続ケーブルを確認し、再度 Connect をクリックしてください。
図 4-1 接続失敗例
ii. Status に「Communication error」が表示される
無線フィールド機器との通信ができない場合に表示されます。Join/Publish 状態になっていないことが考えられますので、FWMC 等のゲートウェイのモニターツールで、対象の無線フィールド機器のネットワーク接続状態を確認してください。
Connect をクリックして一度切断し、Join/Publish 状態を確認後、再接続してください。
※Join 中に Connect をクリックすると Network ID に[*****]が表示される場合があります。
図 4-2 情報取得失敗
IrDA 経由
iii. Status に「Communication error.」が表示される
実行しようとした無線フィールド機器との通信が失敗した場合に表示されます。接続している COM ポートが赤外線アダプタになっているか、赤外線アダプタを対象機器の赤外線受光部に向けているかを確認してください。
図 4-3 接続失敗
iv. Status に「Restart error.」が表示される
実行しようとした無線フィールド機器との通信が失敗した場合に表示されます。赤外線アダプタを対象機器の赤外線受光部に向けているかを確認してください。
図 4-4 情報取得失敗
他社製無線フィールド機器
他社製無線フィールド機器を接続した場合、図 4-5 の様にデバイスリストにグレー表示となり、本ツールで再起動することはできません。