第１条 この契約（以下「本契約」という。）は，函館市企業局（以下「発注者」という。）および〇〇会社[SPCの名称]（以下「受注事業者」という。）が相互に協力し ，赤川高区浄水場プラント設備更新整備等事業を円滑に実施するために発注者および受注事業者の義務および権利について，必要な事項を定めることを目的とする。
xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業事業契約書（案）
平成３０年７月５日
函 館 市 企 業 局
１ | 事 | 業 名 | xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業 | |
２ | 契 | 約 金 額 | 金 円 （うち消費税および地方消費税相当額 金 | 円） |
３ | 履 行 場 所 発注者の指定する場所 | |||
４ | 契 約 期 間 平成３１年 月 日から平成５３年 ３月３１日まで | |||
５ | 履 | 行 期 間 | (建設業務) 平成３１年 月 日から平成４１年 (更新施設の管理業務) 平成３１年 月 日から平成５３年 (既存施設の管理業務) 平成３３年 ４月 １日から平成５３年 | |
３月３１日まで | ||||
３月３１日まで | ||||
３月３１日まで | ||||
上記の事業について，発注者函館市企業局と受注事業者は，各々の対等な立場における合意に基づいて，別添の条項によってxxな業務契約を締結し，xxに従って誠実にこれを履行するものとする。
この契約を証するため本書２通を作成し，発注者および受注事業者が記名押印のうえ，各自１通を保有する。
平成３０年 月 日
発注者 函館市末広町５番１４号
函館市企業局
函館市公営企業管理者企業局長 x x x x
受注者 函館市○○町○○番○○
株式会社○○○○
代表取締役 ○ ○ ○ ○
第１章 総則
（目的）
第１条 この契約（以下「本契約」という。）は，函館市企業局（以下「発注者」という。）および〇〇会社[SPCの名称]（以下「受注事業者」という。）が相互に協力し，xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業を円滑に実施するために発注者および受注事業者の義務および権利について，必要な事項を定めることを目的とする。
（用語の定義）
第２条 本契約において用いられる用語の定義は，次のとおりとする。
(1) 「本事業」とは，xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業をいう。
(2) 「実施要項」とは，xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業 公募型プロポーザル実施要項をいう。
(3) 「業務要求水準書」とは，xxx区浄水場プラント設備更新整備等事業 業務要求水準書
をいう。
(4) 「提案書」とは，受注事業者が応募書類の一部として発注者に提出した，本事業に関する提案が記載された書類の全てをいう。
(5) 「事業実施要項等」とは，実施要項や業務要求水準書等の書類およびこれらの書類等に対する質問回答書等の発注者が公表した書類の全てならびに提案書をいう。
(6) 「設計業務」とは，更新整備対象設備のうち，設計業務対象設備に係る基本設計，詳細設計および設計に必要な調査業務をいう。
(7) 「工事業務」とは，更新整備対象設備に係る建設工事，試運転調整および建設に必要な調査業務等をいう。
(8) 「建設業務」とは，設計業務および工事業務の総称をいう。
(9) 「管理業務」とは，更新整備対象設備および既存施設を含む運転管理，保全管理，水源林保全，市民開放施設管理，見学者対応，調査，危機管理，事業終了時の業務引継および発注者と受注事業者が相互に提案できる任意業務の総称をいう。
(10)「構成企業」とは，受注事業者の株式を所有する者を個別または総称していう。
(11)「第三者」とは，発注者，受注事業者および受注事業者に属する構成企業以外の者をいう。
(12)「成果品」とは，本業務の設計図書，完成図書およびその他本契約に関して発注者の要求に基づき作成される書類の全てをいう。
(13)「物価指数等」とは，「毎月勤労統計調査（厚生労働省）」，「企業物価指数（日銀調査統計局）」および「企業向けサービス価格指数（日銀調査統計局）」等の公表されている統計データをいう。
(14)「会計年度」とは，地方自治法（昭和22年4月17日法律第67号）第208条第1項に規定する会計年度をいう。
（一般事項）
第３条 発注者および受注事業者は，本契約に基づき，事業実施要項等に従い，日本国の法令を遵守し，本事業における業務を履行しなければならない。
２ 受注事業者は，建設業務を建設業務期間内に完成し，成果品および工事目的物を発注者に引き渡すものとし，発注者は，その設計業務に係るサービスの対価（以下「設計業務対価」という。）および工事業務に係るサービスの対価（以下「工事業務対価」といい，設計業務対価および工事業務対価を総称し「建設業務対価」という。）を支払うものとする。
３ 受注事業者は，管理業務を管理業務期間内に完了し，発注者は，その管理業務に係るサービスの対価（以下「管理業務対価」という。）を支払うものとする。
４ 発注者は，本事業における業務を履行させるため，本事業に関する指示を受注事業者または第32条に規定する総括代理人に対して行うことができる。この場合において，受注事業者または受注事業者の総括代理人は，当該指示に従い本事業における業務を履行しなければならない。
５ 受注事業者は，本契約もしくは事業実施要項等に特別の定めがある場合，または前項の指示もしくは発注者と受注事業者との協議がある場合を除き，本事業を完了するために必要な一切の手段をその責任において定めるものとする。
６ 本契約の履行に関して発注者と受注事業者との間で用いる言語は，日本語とする。
７ 本契約に定める金銭の支払いに用いる通貨は，日本円とする。
８ 本契約の履行に関して発注者と受注事業者との間で用いる計量単位は，事業実施要項等に特別の定めがある場合を除き，計量法（平成４年法律第51号）に定めるものとする。
９ 本契約および事業実施要項等における期間の定めは，民法（明治29年法律第89号）および商法（明治32年法律第48号）の定めるところによるものとする。
10 発注者は，本契約に基づく全ての行為を受注事業者に対して行うものとし，発注者が受注事業者に対して行った本契約に基づく全ての行為は，受注事業者の全ての構成企業に対して行ったものとみなし，また，構成企業は，発注者に対して行う本契約に基づく全ての行為について受注事業者を通じて行わなければならない。
（規定の適用）
第４条 本契約および事業実施要項等の内容に相違がある場合は，本契約，業務要求水準書，実施要項および提案書の順に優先して適用されるものとする。だたし，提案書に記載された内容が業務要求水準書に記載された業務要求水準を上回るとき（発注者および受注事業者が提案書について確認した事項を含む。）に限り，提案書が優先して適用されるものとする。
（関係法令の遵守）
第５条 受注事業者は，水道法（昭和32年法律第177号），函館市水道事業給水条例（昭和34年条例第3号）およびその他関係法令を遵守するとともに，善良な管理者の注意をもって本事業における業務を履行しなければならない。
２ 受注事業者は，本事業従事者に係る労働基準法（昭和22年法律第49号），職業安定法（昭和 22年法律第141号），最低賃金法（昭和34年法律第137号），労働安全衛生法（昭和47年法律第
57号）および雇用保険法（昭和49年法律第116号）の規定その他による労務に関する一切の責任を負わなければならない。
（指示等および協議の書面主義）
第６条 本契約に定める指示，請求，通知，報告，申出，承諾，質問，回答および解除（以下
「指示等」という。）は，書面により行わなければならない。
２ 前項の規定にかかわらず，緊急やむを得ない事情がある場合には，発注者および受注事業者は，前項に規定する指示等を口頭で行うことができる。この場合において，発注者および受注事業者は，既に行った指示等を書面に記載し，７日以内にこれを相手方に交付するものとする。
３ 発注者および受注事業者は，本契約の他の条項の規定に基づき協議を行うときは，当該協議の内容を書面に記録するものとする。
（秘密の保持）
第７条 受注事業者は，本業務の実施上知り得た個人情報その他本事業の内容を第三者に漏らし，または公表してはならない。本契約の終了後または本契約解除後においても同様とする。
２ 前項に規定するもののほか，本業務の実施に伴う個人情報の取扱いは，下記によるものとする。
(1) 発注者の承諾を得ないで本事業に係る個人情報を契約の目的外に利用し，または第三者に提供してはならない。
(2) 本契約を履行するために行う場合を除き，本事業に係る個人情報が記録された資料（電磁的記録であるものを含む。以下「資料等」という。）を複写し，または複製してはならない。
(3) 発注者から貸与された資料等がある場合は，本事業終了後直ちに発注者に返還し，または発注者の指示により消去し，もしくは焼却しなければならない。
(4) 本事業における業務を履行するうえで，資料等の亡失その他の事故が発生した場合には，遅滞なく発注者に報告し，その指示を受けなければならない。
(5) 本業務の実施に伴う個人情報の取扱体制および安全対策の具体的処理状況について，発注者が行う随時の立入検査または必要な報告の求めに応じ，その指示に従わなければならない。
（業務に係る受注事業者の提案）
第８条 受注事業者は，事業実施要項等について，技術的または経済的に優れた代替方法その他改良事項を発見し，または発案したときは，発注者に対して，当該発見または発案に基づき事業実施要項等の変更を提案することができる。
２ 発注者は，前項に規定する受注事業者の提案を受けた場合において，必要があると認めるときは，事業実施要項等の変更を受注事業者に通知するものとする。
３ 発注者は，前項の規定により事業実施要項等が変更された場合において，必要があると認められるときは，事業期間または建設業務対価額もしくは管理業務対価額（以下建設業務対価額および管理業務対価額を総称し，「事業対価額」という。）を変更しなければならない。
（リスクとその責任分担）
第９条 発注者および受注事業者の本業務の実施に伴い，発生が予測されるリスクとその責任分担は，事業実施要項等に定めるとおりとする。
（管轄裁判所）
第10条 本契約に係る一切の紛争は，函館地方裁判所を第xxの専属管轄裁判所とする。
（契約に定めのない事項）
第11条 本契約に定めのない事項は，函館市企業局契約規程（平成23年xxxxxxxxx00x）および政府契約の支払遅延防止等に関する法律（昭和24年法律第256号）その他関係法令によるほか，必要に応じ，発注者および受注事業者とが協議して定めるものとする。
第２章 本事業の実施に関する事項
（本事業の概要）
第12条 本事業は，本事業の対象となる建設業務，管理業務およびこれら業務に関連する全ての業務により構成されるものとする。
２ 本事業は，本契約および事業実施要項等に従い，受注事業者が適正かつ確実に実施するものとし，発注者は本契約の定めるところにより受注事業者による本事業の適正かつ確実な実
施を確保するための措置をとるものとする。
３ 受注事業者は，本契約に定める本事業を，本契約の事業期間内に完了するものとする。
（本契約の期間）
第13条 本契約の効力は，契約締結日から原則として2041年３月31日の夜間運転管理業務終了時に終了するものとする。ただし，本事業の期間が事業実施要項等に定める合意延長された場合は，この限りでない。
（事業対価内訳書および業務工程表）
第14条 受注事業者は，本契約締結後速やかに事業実施要項等に基づいて，事業対価内訳書（以下「内訳書」という。）および各業務の工程表（以下「業務工程表」という。）を作成（内訳書については，発注者が必要と認めた場合に限る。）し，発注者に提出しなければならない。
２ 受注事業者は，本契約の変更等により事業対価額または業務工程に変更があり，かつ，発注者から請求があったときは，速やかに変更後の内訳書または業務工程表を作成し，発注者に提出しなければならない。
３ 内訳書および業務工程表は，発注者および受注事業者を拘束するものではない。
（契約の保証）
第15条 受注事業者は，本契約の締結と同時に，次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし，第５号の場合においては，履行保証保険契約の締結後，直ちにその保険証券を発注者に寄託しなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) 本契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払いを保証する銀行または発注者が確実と認める金融機関等の保証
(4) 本契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) 本契約による債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
２ 前項の保証に係る契約保証金の額，保証金額または保険金額（第４項において「保証の額」という。）は，工事業務対価額の10分の１以上としなければならない。
３ 第１項の規定により，受注事業者が同項第２号または第３号に掲げる保証を付したときは，当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし，同項第４号または第５号に掲げる保証を付したときは，契約保証金の納付を免除する。
４ 工事業務対価額の変更があった場合には，保証の額が変更後の工事業務対価額の10分の１に達するまで，発注者は，保証の額の増額を請求することができ，受注事業者は，保証の額
の減額を請求することができる。
（構成企業の使用等）
第16条 受注事業者は，本事業における業務の全部または一部を構成企業に委託し，または請け負わせることができるものとする。
２ 受注事業者は,本事業における業務の全部または一部を構成企業に委託し，または請け負わせる契約において，本契約に基づいて受注事業者が負担するものと同水準以上の個人情報の保護を負わせるものとする。
３ 受注事業者は，前項の規定により本事業における業務を構成企業に委託し，または請け負わせようとするときは，当該業務の委託または請負に係る契約締結予定日の14日前までに，発注者に対し，その者の氏名または名称および住所その他必要な事項を記載した書面により通知するとともに，当該契約書案を提示し，発注者の事前の書面による承諾を得なければならない。当該契約書の重要な部分を変更しようとするときも同様とする。また，構成企業を変更しようとする場合も同様とする。
４ 受注事業者は，前項の規定により発注者の承諾を受けた構成企業の使用に関する一切の責任を負うものとする。
（一括委任または一括下請負の禁止）
第17条 受注事業者または構成企業（以下「受注事業者等」という。）は，本事業における業務の全部を一括して，または発注者が事業実施要項等において指定した主たる部分を第三者に委任し，または請け負わせてはならない。
２ 受注事業者等は，前項の主たる部分のほか，発注者が事業実施要項等において指定した部分を第三者に委任し，または請け負わせてはならない。
３ 受注事業者等は，本事業における業務の一部を第三者に委任し，または請け負わせようとするときは，あらかじめ，発注者の承諾を得なければならない。ただし，発注者が事業実施要項等において指定した軽微な部分を委任し，または請け負わせようとするときは，この限りでない。
４ 受注事業者は，発注者に対して，本事業における業務の一部を委任し，または請け負わせた者の氏名または名称および住所その他必要な事項を通知しなければならない。
（下請負人の健康保険等加入義務等）
第18条 受注事業者等は，次の各号に掲げる届出をしていない建設業者（建設業法（昭和24年法律第100号）第２条第３項に規定する建設業者をいい，当該届出の義務がない者を除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。）を下請負人としてはならない。
(1) 健康保険法（大正11年法律第70号）第48条の規定による届出
(2) 厚生年金保険法（昭和29年法律第115号）第27条の規定による届出
(3) 雇用保険法（昭和49年法律第116号）第７条の規定による届出
２ 前項の規定にかかわらず，受注事業者等は，次の各号に掲げる下請負人の区分に応じて，当該各号の規定による場合は，社会保険等未加入建設業者を下請負人とすることができる。
(1) 受注事業者等と直接下請契約を締結する下請負人が次のいずれにも該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としなければ工事の施工が困難となる場合，その他の特別の事情があると発注者が認める場合
ロ 発注者の指定する期間内に当該社会保険等未加入建設業者が前項各号に掲げる届出をし，当該事実を確認することのできる書類（以下「確認書類」という。）を，受注事業者が発注者に提出した場合
(2) 前号に掲げる下請負人以外の下請負人が次のいずれかに該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としなければ工事の施工が困難となる場合，その他の特別の事情があると発注者が認める場合
ロ 発注者が受注事業者に対して確認書類の提出を求める通知をした日から30日（発注者が，受注事業者において確認書類を当該期間内に提出することができない相当の理由があると認め，当該期間を延長したときは，その延長後の期間）以内に，受注事業者が当該確認書類を発注者に提出した場合
（火災保険等）
第19条 受注事業者は，事業実施要項等に基づき保険を付したとき，または任意に保険を付しているときは，当該保険に係る証券またはこれに代わるものを直ちに発注者に提示しなければならない。ただし，次の各号の全てを満たしている場合は，この限りではない。
(1) 構成企業のいずれかが事業実施要項等に基づき保険を付したとき。
(2) 受注事業者等のいずれかが前号の保険に係る証券またはこれに代わるものを発注者に提示したとき。
（許認可の取得等）
第20条 本契約を履行するために必要となる許認可の取得および届出等は，受注事業者が行うものとし，また，その費用を負担するものとする。ただし，発注者が許認可の取得または届出等を行う必要がある場合には，発注者が必要な措置を講ずるものとし，当該措置について受注事業者の協力を求めた場合には，受注事業者はこれに応じるものとする。
２ 発注者は，受注事業者による許認可の取得または届出等について，必要に応じて協力する
ものとする。
３ 受注事業者は，本契約を履行するために必要となる許認可等の原本を保管し，発注者の要請があった場合には原本または写しを発注者に提出するものとする。
（法令変更に伴う通知）
第21条 本契約締結日以降に法令が変更されたことにより，本契約に従って本事業における業務を実施することができなくなったとき，または実施が著しく困難になったとき，あるいは当該実施のために追加費用が発生するとき，受注事業者は，その内容の詳細を記載した書面をもって，直ちに発注者に通知する。
（法令変更に伴う協議および追加費用の負担）
第22条 発注者は，前条の規定による通知を受けた場合，法令変更に対応するため，速やかに契約の変更ならびに追加費用の負担等について，受注事業者と協議のうえ決定する。
（臨機の措置）
第23条 受注事業者は，災害防止等のため必要があると認めるときは，臨機の措置をとらなければならない。この場合において，必要があると認めるときは，受注事業者は，あらかじめ，発注者の意見を聴かなければならない。ただし，緊急やむを得ない事情があるときは，この限りでない。
２ 前項の場合において，受注事業者は，その講じた措置の内容を発注者に直ちに報告しなければならない。
３ 発注者は，災害防止その他業務を行う上で特に必要があると認めるときは，受注事業者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
４ 受注事業者が第１項または前項の規定により臨機の措置をとった場合において，当該措置に要した費用のうち，受注事業者が事業対価額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については，発注者がこれを負担する。
（一般的損害）
第24条 本業務の実施において生じた損害その他業務を行うにつき生じた損害（第25条第１項から第３項または第26条第１項に規定する損害を除く。以下本条において「事業履行にかかる損害」という。）は，受注事業者が負担する。ただし，発注者の責めに帰すべき事由により生じた事業履行にかかる損害（事業実施要項等に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。）については，発注者が負担する。
（第三者に及ぼした損害）
第25条 本事業における業務を行うにつき第三者に及ぼした損害（第３項に規定する損害を除
く。）について，当該第三者に対して損害の賠償を行わなければならないときは，受注事業者がその賠償額を負担する。
２ 前項の規定にかかわらず，同項に規定する賠償額（事業実施要項等に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。）のうち，発注者の指示，第39条に規定する支給材料および貸与品の性状その他発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては，発注者がその賠償額を負担する。ただし，受注事業者が，発注者の指示または支給材料もしくは貸与品が不適当であること等発注者の責めに帰すべき事由があることを知りながらこれを通知しなかったときは，この限りでない。
３ 本事業における業務を行うにつき通常避けることができない騒音，振動，地下水の断絶等の理由により第三者に及ぼした損害（事業実施要項等に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。）について，当該第三者に損害の賠償を行わなければならないときは，発注者がその賠償額を負担しなければならない。ただし，業務を行うにつき受注事業者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては，受注事業者が負担する。
４ 前３項の場合その他本事業における業務を行うにつき第三者との間に紛争を生じた場合においては，発注者および受注事業者は協力してその処理解決に当たるものとする。
（不可抗力による損害）
第26号 暴風，豪雨，洪水，地震，地すべり，落盤，火災，騒動，暴動，その他自然的または人為的な事象（事業実施要項等で定めたものにあっては，当該規定を超えるものに限る。）であって，発注者および受注事業者双方の責めに帰すことができないもの（以下「不可抗力」という。）により，契約に従って本事業における業務を実施することができなくなったとき，実施が著しく困難になったとき，または当該実施のために追加費用が発生するとき，受注事業者はその内容の詳細を記載した書面をもって，直ちに発注者に通知する。
２ 発注者および受注事業者は，前項の規定により，本契約の履行不能および追加費用の発生が確認されたときは，損害を最小限にとどめるよう努力する。
３ 発注者は，第１項の規定による通知を受けたときは，直ちに調査を行い，前項の損害（受注事業者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくものおよび事業実施要項等に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。以下本条において同じ。）の状況を確認し，その結果を受注事業者に通知しなければならない。
４ 受注事業者は，前項の規定により損害の状況が確認されたときは，損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
５ 発注者は，前項の規定により本事業の建設業務において受注事業者から損害による費用の負担の請求があったときは，当該損害の額（設計業務の出来形部分，作業現場に搬入した調査機械器具，工事目的物，仮設物または工事現場に搬入済みの工事材料もしくは建設機械器具であって第47条第２項，第48条第１項もしくは第２項または第78条第３項の規定による検査，立会いその他受注事業者の業務に関する記録等により確認することができるものに係る額に限る。）および当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額（第７項において「損害合計額」という。）のうち建設業務対価額の100分の１を超える額を負担しなければならない。
６ 損害の額は，次の各号に掲げる損害につき，それぞれ当該各号の規定により算定する。
(1) 設計業務の出来形部分に関する損害
損害を受けた出来形部分に相応する設計業務対価額とし，残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(2) 工事目的物に関する損害
損害を受けた工事目的物に相応する工事業務対価額とし，残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(3) 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料で通常妥当と認められるものに相応する工事業務対価額とし，残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(4) 仮設物もしくは調査機械器具または建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物もしくは調査機械器具または建設機械器具で通常妥当と認められるものについて，当該業務で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における工事目的物に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし，修繕によりその機能を回復することができ，かつ，修繕費の額が上記の額より少額であるものについては，その修繕費の額とする。
７ 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第２次以降の不可抗力による損害合計額の負担は，第５項中「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計」と，「当該損害の取片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取片付けに要する費用の額の累計」と，「建設業務対価額の100分の１を超える額」とあるのは「建設業務対価額の100分の１を超える額から既に負担した額を差し引いた額」として同項を適用する。
８ 発注者は，第４項の規定により管理業務において受注事業者から損害による費用の負担の請求があったときは，発注者および受注事業者とが協議のうえで支払うものとする。
（権利義務の譲渡等）
第27条 受注事業者は，本契約により生ずる権利または義務を第三者に譲渡し，または承継させてはならない。ただし，あらかじめ，発注者の承諾を得た場合は，この限りでない。
２ 受注事業者は，成果品（未完成の成果品および業務を行う上で得られた記録等を含む。）を第三者に譲渡し，貸与し，または質権その他の担保の目的に供してはならない。ただし，あらかじめ，発注者の承諾を得た場合は，この限りでない。
３ 受注事業者は，工事目的物ならびに工事材料（工場製品を含む。以下同じ。）のうち第47条第３項の規定による検査に合格したものおよび第78条第３項の規定による部分払のための確認を受けたものを第三者に譲渡し，貸与し，または抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし，あらかじめ，発注者の承諾を得た場合は，この限りでない。
（著作権の譲渡等）
第28条 受注事業者は，成果品（第79条第１項の規定により準用される第72条に規定する指定部分に係る成果品および第79条第２項の規定により準用される第72条に規定する引渡部分に係る成果品を含む。以下この条において同じ。）が著作xx（昭和45年法律第48号）第２条第
１項第１号に規定する著作物（以下この条において「著作物」という。）に該当する場合には，当該著作物に係る受注事業者の著作権（著作xx第21条から第28条までに規定する権利をいう。）を当該著作物の引渡し時に発注者に無償で譲渡する。
２ 発注者は，成果品が著作物に該当するとしないとにかかわらず，当該成果品の内容を受注事業者の承諾なく自由に公表することができ，また，当該成果品が著作物に該当する場合には，受注事業者が承諾したときに限り，既に受注事業者が当該著作物に表示した氏名を変更することができる。
３ 受注事業者は，成果品が著作物に該当する場合において，発注者が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変しようとするときは，その改変に同意する。また，発注者は，成果品が著作物に該当しない場合には，当該成果品の内容を受注事業者の承諾なく自由に改変することができる。
４ 受注事業者は，成果品（業務を行う上で得られた記録等を含む。）が著作物に該当するとしないとにかかわらず，発注者が承諾した場合には，当該成果品を使用または複製し，また，第７条の規定にかかわらず当該成果品の内容を公表することができる。
５ 発注者は，受注事業者が成果品の作成に当たって開発したプログラム（著作xx第10条第
１項第９号に規定するプログラムの著作物をいう。）およびデータベース（著作xx第12条の
２に規定するデータベースの著作物をいう。）について，受注事業者が承諾した場合には，別
に定めるところにより，当該プログラムおよびデータベースを利用することができる。
（特許xxの使用）
第29条 受注事業者は，特許権，実用新案権，意匠権，商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利（以下この条において「特許xx」という。）の対象となっている履行方法を使用するときは，その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし，発注者がその履行方法を指定した場合において，事業実施要項等に特許xxの対象である旨の明示がなく，かつ，受注事業者がその存在を知らなかったときは，発注者は，受注事業者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
（監督員）
第30条 発注者は，建設業務を監督するとともに，当該業務に関する受注事業者との連絡協議にあたる監督員を定め，その氏名を受注事業者に通知しなければならない。監督員を変更したときも同様とする。
２ 監督員は，本契約の他の条項の規定によるもの，および本契約に基づく発注者の権限とされる事項のうち，発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか，事業実施要項等に定めるところにより，次に掲げる権限を有する。
(1) 本契約の履行についての受注事業者または受注事業者の総括代理人に対する指示，承諾，承認または協議
(2) 受注事業者が作成した詳細図等の承認
(3) 受注事業者が作成する設計図書に基づく工程の管理，立会い，工事の施工状況の検査または工事材料の試験もしくは検査（確認を含む。）
３ 発注者は，２名以上の監督員を置き，前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を，監督員に本契約に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を，受注事業者に通知しなければならない。分担を変更した場合も，同様とする。
４ 第２項の規定に基づく監督員の指示または承諾もしくは承認は，原則として，書面により行わなければならない。
５ 本契約に定める請求，通知，報告，申出，承諾および解除は，事業実施要項等に定めるものを除き，監督員を経由して行うものとする。この場合においては，監督員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
（業務担当員）
第31条 発注者は，管理業務を監督するとともに，管理業務に関する受注事業者との連絡協議
に当たる業務担当員を定め，受注事業者に通知するものとする。業務担当員を変更したときも，同様とする。
２ 業務担当員は，本契約の他の条項に規定するもの，および本契約に基づく発注者の権限とされる事項のうち，発注者が必要と認めて業務担当員に委任したもののほか，前条第２項の
「監督員」とあるのは，「業務担当員」と読み替えて同項の規定を準用する。
３ 発注者は，２名以上の業務担当員を置き，前項の権限を分担させたときにあっては，それぞれの業務担当員の有する権限の内容を，業務担当員に本契約に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を，受注事業者に通知しなければならない。分担を変更した場合も，同様とする。
４ 第２項の規定に基づく業務担当員の指示または承諾もしくは承認は，原則として，書面により行わなければならない。
５ 本契約に定める請求，通知，報告，申出，承諾および解除は，事業実施要項等に定めるものを除き，業務担当員を経由して行うものとする。この場合においては，業務担当員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
（総括代理人）
第32条 受注事業者は，総括代理人を定めて現場に設置し，その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。総括代理人を変更したときも同様とする。
２ 総括代理人は，本契約の履行に関し，現場に常駐し，本事業の運営，取締りを行うほか，事業対価額の変更，事業対価の請求および受領，第38条第１項の請求の受理，第６項の決定および通知，ならびに本契約の解除に係る権限を除き，本契約に基づく受注事業者の一切の権限を行使することができる。
３ 発注者は，前項の規定にかかわらず，総括代理人の本事業の運営，取締りおよび権限の行使に支障がなく，かつ，発注者との連絡体制が確保されると認めた場合には，総括代理人について現場における常駐を要しないこととすることができる。
４ 受注事業者は，第２項の規定にかかわらず，自己の有する権限のうち総括代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは，あらかじめ，当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
５ 総括代理人，第34条に規定するxx技術者，専門技術者および第35条に規定する管理業務責任者は，これを兼ねることができる。
（設計業務責任者）
第33条 受注事業者は，設計業務の技術上の管理を行う設計業務責任者を定め，その氏名その
他必要な事項を発注者に通知しなければならない。設計業務責任者を変更したときも同様とする。
（xx技術者等）
第34条 受注事業者は，次の各号に掲げる者を定めて工事現場に設置し，その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも同様とする。
(1) xx技術者（建設業法第26条に規定するxx技術者，監理技術者または専任のxx技術者もしくは監理技術者をいう。以下同じ｡)
(2) 専門技術者（建設業法第26条の２に規定する技術者をいう。以下同じ。）
（管理業務責任者）
第35条 受注事業者は，管理業務の処理について，その管理を行う現場業務の責任者である管理業務責任者を定め，その氏名その他必要な事項を発注者に通知するものとする。管理業務責任者を変更した場合も同様とする。
２ 管理業務責任者および次条に規定する電気xx技術者は，これを兼ねることができる。
（電気xx技術者）
第36条 受注事業者は，本事業における管理業務対象施設の自家用電気工作物の維持および運用の主体であり，当該自家用電気工作物について電気事業法（昭和39年法律第170号）第39条第１項の義務を負うものとする。
２ 受注事業者は，当該自家用電気工作物の工事，維持および運用の保安を確保するため，電気xx技術者を選任し，その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。電気xx技術者を変更した場合も同様とする。
３ 発注者は，当該自家用電気工作物の工事，維持および運用の保安を確保するにあたり，電気xx技術者として選任する者の意見を尊重するものとする。
４ 当該自家用電気工作物の工事，維持および運用に従事する者は，電気xx技術者として選任する者がその保安のためにする指示に従うものとする。
５ 電気xx技術者として選任する者は，当該自家用電気工作物の工事，維持および運用に関する保安の監督の職務を誠実に行うものとする。
（履行報告）
第37条 受注事業者は，事業実施要項等に定めるところにより，本契約の履行について発注者に報告しなければならない。
（総括代理人等に関する措置請求）
第38条 発注者は，総括代理人がその職務（xx技術者または専門技術者と兼任する総括代理
人にあっては，それらの者の職務を含む。）の執行につき著しく不適当と認められるときは，受注事業者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
２ 発注者は，xx技術者，専門技術者（これらの者と総括代理人を兼任する者を除く。）その他受注事業者が工事を施工するために使用している下請負人，労働者等で工事の施工または管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは，受注事業者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
３ 発注者は，設計業務責任者または受注事業者の使用人もしくは第17条第３項の規定により受注事業者から業務を委任され，もしくは請け負った者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは，受注事業者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
４ 発注者は，管理業務責任者がその職務（電気xx技術者と兼任する管理業務責任者にあっては，それらの者の職務を含む。）の執行につき著しく不適当と認められるときは，受注事業者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
５ 発注者は，電気xx技術者（管理業務責任者を兼任する者を除く。）または管理業務を行う受注事業者の使用人もしくは第17条第３項の規定により受注事業者から業務を委任され，もしくは請け負った者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは，受注事業者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
６ 受注事業者は，前各項の規定による請求があったときは，当該請求に係る事項について決定し，その結果を請求を受けた日から10日以内に発注者に通知しなければならない。
７ 受注事業者は，監督員または業務担当員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは，発注者に対して，その理由を明示して，必要な措置をとるべきことを請求することができる。
８ 発注者は，前項の規定による請求があったときは，当該請求に係る事項について決定し，その結果を請求を受けた日から10日以内に受注事業者に通知しなければならない。
（支給材料および貸与品）
第39条 発注者が受注事業者に支給する工事材料（以下「支給材料」という｡）および貸与する調査機械器具，建設機械器具，図面その他業務に必要な物品等（以下「貸与品」という。）の品名，数量，品質，規格または性能，引渡場所および引渡時期は，発注者と受注事業者が協議して定める。
２ 監督員または業務担当員は，支給材料または貸与品の引渡しに当たっては，受注事業者の
立会いのうえ，発注者の負担において，当該支給材料または貸与品を検査しなければならない。この場合において，当該検査の結果，その品名，数量，品質または規格もしくは性能が事業実施要項等の定めと異なり，または使用に適当でないと認めたときは，受注事業者は，その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
３ 発注者は，受注事業者に貸与品について所有権を与えるものではない。
４ 受注事業者は，支給材料または貸与品の引渡しを受けたときは，速やかに発注者に受領書または借用書を提出しなければならない。
５ 受注事業者は，支給材料または貸与品の引渡しを受けた後，当該支給材料または貸与品に第２項の検査により発見することが困難であった隠れた瑕疵があり使用に適当でないと認めたときは，その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
６ 発注者は，受注事業者から第２項後段または前項の規定による通知を受けた場合において，必要があると認められるときは，当該支給材料もしくは貸与品に代えて他の支給材料もしくは貸与品を引き渡し，支給材料もしくは貸与品の品名，数量，品質もしくは規格もしくは性能を変更し，または理由を明示して，当該支給材料もしくは貸与品の使用を受注事業者に請求しなければならない。
７ 発注者は，前項に規定するほか，必要があると認めるときは，支給材料または貸与品の品名，数量，品質，規格もしくは性能，引渡場所または引渡時期を変更することができる。
８ 発注者は，前２項の場合において，必要があると認められるときは建設業務期間もしくは建設業務対価額を変更し，または受注事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
９ 受注事業者は，支給材料および貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
10 受注事業者は，建設業務または管理業務の完了，契約の解除または変更等があった場合，支給材料または貸与品を速やかに返還しなければならない。
11 受注事業者は，故意または過失により支給材料または貸与品が滅失もしくはき損し，またはその返還が不可能となったときは，発注者の指定した期間内に代品を納め，もしくは原状に復して返還し，または返還に代えて損害を賠償しなければならない。
12 受注事業者は，支給材料または貸与品の使用方法が事業実施要項等に明示されていないときは，監督員または業務担当員の指示に従わなければならない。
（施設改良等）
第40条 業務を効果的に実施するため，受注事業者は，発注者の承諾を受けて，自己の責任と
費用により，本件施設の一部について，必要な変更または改良を行うことができる。
２ 前項の規定により，コンピューターシステムの導入等，本件施設内に必要な設備を設置することができる。
３ 前項の設備を設置する場合，受注事業者は，必要最小限の範囲で，自己の責任と費用により，本件施設に変更を加えることができる。この場合において，受注事業者は，当該変更の内容について，事前に発注者に通知し，その承諾を得なければならない。
４ 本契約が終了したとき，受注事業者は，自己の責任と費用により速やかに，第１項および前項の規定に基づき変更または改良した施設を原形に復し，または，第２項の規定により設置した設備を撤去しなければならない。ただし，発注者が受注事業者に対し，別段の指示を行った場合はこの限りでない。
（協議会の設置）
第41条 発注者および受注事業者は，本事業に関する協議を行うことを目的として，発注者および受注事業者の関係者により構成する協議会を設置するものとする｡
第３章 建設業務に関する事項
第１節 設計業務に関する事項
（地元関係者との交渉等）
第42条 設計業務に関する地元関係者との交渉等は，発注者が行うものとする。この場合において，発注者の指示があるときは，受注事業者はこれに協力しなければならない。
２ 前項の場合において，発注者は，当該交渉等に関して生じた費用を負担しなければならない。
（土地への立入り）
第43条 受注事業者が設計業務に関する調査のために第三者が所有する土地に立ち入る場合において，当該土地の所有者等の承諾が必要なときは，発注者がその承諾を得るものとする。この場合において，発注者の指示があるときは，受注事業者はこれに協力しなければならない。
（設計業務）
第44条 受注事業者は，本契約締結後速やかに，本契約および事業実施要項等に従い，設計業務を実施する。
２ 受注事業者は，基本設計の着手前に，要求性能確認書を作成し，発注者に提出するものとする。
３ 要求性能確認書の記載内容および様式等は，発注者と受注事業者が協議の上，定めるものとする。
４ 受注事業者は，基本設計の着手日から工事目的物の引渡日までの工程表を作成し，発注者に提出するものとする。
５ 受注事業者は，設計業務責任者をして，設計業務に係る要求性能確認書に基づいて設計業務を管理するとともに，業務要求水準を達成していることを確認しなければならない。
６ 受注事業者は，基本設計が完了した後に，実施設計に着手するものとする。
７ 発注者は，基本設計図書または実施設計図書の内容が，事業実施要項等に適合するかを確認し，その結果を当該設計図書を受領した日を含めて30日以内に受注事業者に書面で通知しなければならない。
８ 基本設計または実施設計は，発注者から当該設計業務における通知をもって完了とする。
９ 基本設計図書または実施設計図書の内容が事業実施要項等に適合しないときは，受注事業者はこれを修正し，修正に必要となる費用は，受注事業者が負担するものとする。
10 受注事業者は，本契約および事業実施要項等に従い，工程表に定めた日に，基本設計書，実施設計書その他説明・補足書類および電子データ等（以下「設計図書等」という。）を含む設計図書等を発注者に提出するものとする。ただし，発注者は，設計図書等を受注事業者から受領したことを理由として，設計業務について何らの責任を負担するものではない。
第２節 工事業務に関する事項
（関連工事の調整）
第45条 発注者は，受注事業者の施工する工事および発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において，必要があるときは，その施工につき，調整を行うものとする。この場合においては，受注事業者は，発注者の調整に従い，当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
（工事用地の確保等）
第46条 発注者は，工事用地その他事業実施要項等において定められた工事の施工上必要な用地（以下「工事用地」という。）を受注事業者が工事の施工上必要とする日（事業実施要項等に特別の定めがあるときは，その定められた日）までに確保しなければならない。
２ 受注事業者は，確保された工事用地を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
３ 工事の完成，事業実施要項等の変更等によって工事用地が不用となった場合において，当該工事用地に受注事業者が所有または管理する工事材料，建設機械器具，仮設物その他の物
件（下請負人の所有または管理するこれらの物件を含む。）があるときは，受注事業者は，当該物件を撤去するとともに，当該工事用地を修復し，取片付けて，発注者に明け渡さなければならない。
４ 前項の場合において，受注事業者が正当な理由なく，相当の期間内に当該物件を撤去せず，または工事用地の修復もしくは取片付けを行わないときは，発注者は，受注事業者に代わって当該物件を処分し，工事用地の修復もしくは取片付けを行うことができる。この場合においては，受注事業者は，発注者の処分または修復もしくは取片付けについて異議を申し出ることができず，また，発注者の処分または修復もしくは取片付けに要した費用を負担しなければならない。
５ 第３項に規定する受注事業者のとるべき措置の期限，方法等は，発注者が受注事業者の意見を聴いて定める。
（工事材料の品質および検査等）
第47条 工事材料の品質は，事業実施要項等に定めるところによる。事業実施要項等にその品質が明示されていない場合にあっては，発注者と受注事業者が協議して定める。
２ 監督員の検査（確認を含む。以下この条において同じ。）を必要とする工事材料は，発注者と受注事業者が協議して定める。
３ 受注事業者は，前項の協議により監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料については，当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において，当該検査に直接要する費用は，受注事業者の負担とする。
４ 監督員は，受注事業者から前項の検査を請求されたときは，請求を受けた日から７日以内に応じなければならない。
５ 受注事業者は，工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
６ 受注事業者は，前項の規定にかかわらず，第３項の検査の結果不合格と決定された工事材料については，当該決定を受けた日から７日以内に工事現場外に搬出しなければならない。
（監督員の立会いおよび工事記録の整備等）
第48条 監督員の立会いを必要とする工事または調合もしくは見本検査を必要とする工事材料は，発注者と受注事業者が協議して定める。
２ 受注事業者は，前項の協議において監督員の立会いのうえ，施工するものと指定された工事については，当該立会いを受けて施工しなければならない。
３ 受注事業者は，前２項に規定するほか，発注者が特に必要があると認めて見本または工事
写真等の記録を整備すべきものと指定した工事材料の調合または工事の施工をするときは，当該見本または工事写真等の記録を整備し，監督員の請求があったときは，当該請求を受けた日から７日以内に提出しなければならない。
４ 監督員は，受注事業者から第２項の立会いまたは見本検査を請求されたときは，当該請求を受けた日から７日以内に応じなければならない。
５ 前項の場合において，監督員が正当な理由なく受注事業者の請求に７日以内に応じないため，その後の工程に支障をきたすときは，受注事業者は，あらかじめ監督員に通知したうえ，当該立会いまたは見本検査を受けることなく，工事材料を調合して使用し，または工事を施工することができる。この場合において，受注事業者は，当該工事材料の調合または当該工事の施工を適切に行ったことを証する見本または工事写真等の記録を整備し，監督員の請求があったときは，当該請求を受けた日から７日以内に提出しなければならない。
６ 第２項，第３項または前項の場合において，見本検査または見本もしくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は，受注事業者の負担とする。
第３節 事業実施要項等の変更
（事業実施要項等不適合の場合の改造義務および破壊検査等）
第49条 受注事業者は，建設業務の内容が事業実施要項等または発注者の指示もしくは発注者と受注事業者との協議の内容に適合しない場合において，監督員がその修補を請求したときは，当該請求に従わなければならない。この場合において，当該不適合が発注者の指示によるとき，またはその他発注者の責めに帰すべき事由によるときは，発注者は，必要があると認められるときは，建設業務期間もしくは建設業務対価額を変更し，または受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。
２ 監督員は，受注事業者が第47条第３項または第48条第１項から第３項までの規定に違反した場合において，必要があると認められるときは，工事の施工部分を破壊して検査することができる。
３ 前項に規定するほか，監督員は，工事の施工部分が事業実施要項等に適合しないと認められる相当の理由がある場合において，必要があると認められるときは，当該相当の理由を受注事業者に通知して，工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
４ 前２項の場合において，検査および復旧に直接要する費用は受注事業者の負担とする。
（建設業務の条件の変更等）
第50条 受注事業者は，建設業務を実施するに当たり，次の各号のいずれかに該当する事実を
発見したときは，その旨を直ちに監督員に通知し，その確認を請求しなければならない。
(1) 事業実施要項等の内容が一致しないこと（これらの優先順位が定められている場合を除く。）。
(2) 事業実施要項等に誤りまたは脱漏があること。
(3) 事業実施要項等の表示が明確でないこと。
(4) 建設業務実施上の制約等，事業実施要項等に示された自然的または人為的な業務実施条件と実際の条件現場条件が一致しないこと。
(5) 事業実施要項等で明示されていない建設業務実施条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
２ 監督員は，前項の規定による確認を請求されたときまたは自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは，受注事業者の立会いのうえ，直ちに調査を行わなければならない。ただし，受注事業者が立会いに応じない場合には，受注事業者の立会いを得ずに行うことができる。
３ 監督員は，前項の規定による調査の結果，第１項各号に掲げる事実を確認したときは，確認書を作成のうえ記名押印する。
４ 発注者は，受注事業者の意見を聴いて，調査の結果（これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは，当該指示を含む。）をとりまとめ，調査の終了後14日以内に，その結果を受注事業者に通知しなければならない。ただし，その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは，あらかじめ受注事業者の意見を聴いたうえ，当該期間を延長することができる。
５ 前項の調査の結果において第１項の事実が確認された場合において，必要があると認められるときは，次の各号に掲げるところにより，事業実施要項等の訂正または変更を行わなければならない。
(1) 事業実施要項等の訂正は，発注者が行う。
(2) 提案書および受注事業者が作成する設計図書の訂正は，受注事業者が行う。
６ 前項の規定により事業実施要項等の訂正または変更が行われた場合において，発注者は，必要があると認められるときは建設業務期間もしくは建設業務対価額を変更し，または受注事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
（事業実施要項等の変更）
第51条 発注者は，必要があると認めるときは，事業実施要項等の変更内容を受注事業者に通知して，事業実施要項等を変更することができる。この場合において，発注者は，必要があると認められるときは建設業務期間もしくは建設業務対価額を変更し，または受注事業者に
損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
（建設業務の中止）
第52条 第43条に規定する第三者の所有する土地への立入りについて当該土地の所有者等の承諾を得ることができないため，または第46条に規定する工事用地の確保ができない等のため，もしくは不可抗力であって，受注事業者の責めに帰すことができないものにより，工事目的物等に損害を生じ，または作業現場の状態が著しく変動したため，受注事業者が建設業務を行うことができないと認められるときは，発注者は，建設業務の中止内容を直ちに受注事業者に通知して，建設業務の全部または一部を一時中止させなければならない。
２ 発注者は，前項の規定によるほか，必要があると認めるときは，建設業務の中止内容を受注事業者に通知して，建設業務の全部または一部を一時中止させることができる。
３ 発注者は，前２項の規定により建設業務を一時中止した場合において，必要があると認められるときは，建設業務期間もしくは建設業務対価額を変更し，または受注事業者が業務の続行に備え業務の一時中止に伴う増加費用を必要としたとき，もしくは受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。
４ 受注事業者が工事の続行に備え工事現場を維持しもしくは労働者，建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要としもしくは受注事業者に損害を及ぼしたとき，発注者は前項の規定により必要な費用を負担するものとする。
（受注事業者の請求による建設業務期間の延長）
第53条 受注事業者は，その責めに帰すことができない事由により建設業務期間内に建設業務を完了することができないときは，その理由を明示して発注者に建設業務期間の延長変更を請求することができる。
２ 発注者は，前項の規定による請求があった場合において，必要があると認められるときは，建設業務期間を延長しなければならない。
３ 発注者は，その建設業務期間の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては，建設業務対価額について必要と認められる変更を行い，または受注事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
（発注者の請求による建設業務期間の短縮等）
第54条 発注者は，特別の理由により建設業務期間を短縮する必要があるときは，建設業務期間の短縮変更を受注事業者に請求することができる。
２ 発注者は，本契約の他の条項の規定により建設業務期間を延長すべき場合において，特別の理由があるときは，延長する建設業務期間について，受注事業者に通常必要とされる建設
業務期間に満たない建設業務期間への変更を請求することができる。
３ 発注者は，前２項の場合において，必要があると認められるときは，建設業務対価額を変更し，または受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。
（建設業務期間の変更方法）
第55条 建設業務期間の変更は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
２ 前項の協議開始の日は，発注者が受注事業者の意見を聴いて定め，受注事業者に通知するものとする。ただし，発注者が建設業務期間の変更事由が生じた日（第52条の場合にあっては発注者が建設業務期間の変更の請求を受けた日，前条の場合にあっては受注事業者が建設業務期間の変更の請求を受けた日とする。）から７日以内に協議開始の日を通知しない場合には，受注事業者は，協議開始の日を定め，発注者に通知することができる。
（建設業務対価額の変更方法等）
第56条 建設業務対価額の変更は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
２ 前項の協議開始の日は，発注者が受注事業者の意見を聴いて定め，受注事業者に通知するものとする。ただし，建設業務対価額の変更事由が生じた日から７日以内に協議開始の日を通知しない場合には，受注事業者は，協議開始の日を定め，発注者に通知することができる。
３ 本契約の規定により，受注事業者が増加費用を必要とした場合または損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については，発注者と受注事業者とが協議して定める。
（賃金または物価の変動に基づく建設業務対価額の変更）
第57条 発注者または受注事業者は，建設業務期間内で本契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準または物価水準の変動により建設業務対価額が不適当となったと認めたときは，相手方に対して建設業務対価額の変更を請求することができる。
２ 発注者または受注事業者は，前項の規定による請求があったときは，変動前残建設業務対価額（建設業務対価額から当該請求時の出来形部分に相応する建設業務対価額を控除した額をいう。以下同じ。）と変動後残建設業務対価額（変動後の賃金または物価を基礎として算出した変動前残建設業務対価額に相応する額をいう。以下同じ｡)との差額のうち変動前残建設業務対価額の1,000分の15を超える額につき，建設業務対価額の変更に応じなければならない。
３ 変動前残建設業務対価額および変動後残建設業務対価額は，請求のあった日を基準とし，物価指数等に基づき発注者と受注事業者が協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合にあっては，発注者が定め，受注事業者に通知する。
４ 第１項の規定による請求は，この条の規定により建設業務対価額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては，同項中「本契約締結の日」とあるのは，「直前のこの条に基づく建設業務対価額変更の基準とした日」とするものとする。
５ 特別な要因により建設業務期間内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ，建設業務対価額が不適当となったときは，発注者または受注事業者は，前各項の規定によるほか，建設業務対価額の変更を請求することができる。
６ 予期することのできない特別の事情により，建設業務期間内に日本国内において急激なインフレーションまたはデフレーションを生じ，建設業務対価額が著しく不適当となったときは，発注者または受注事業者は，前各項の規定にかかわらず，建設業務対価額の変更を請求することができる。
７ 前２項の場合において，建設業務対価額の変更額については，発注者と受注事業者が協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合にあっては，発注者が定め，受注事業者に通知する。
８ 第３項および前項の協議開始の日は，発注者が受注事業者の意見を聴いて定め，受注事業者に通知しなければならない。ただし，発注者が第１項，第５項または第６項の請求を行った日または受けた日から７日以内に協議開始の日を通知しない場合には，受注事業者は，協議開始の日を定め，発注者に通知することができる。
（建設業務対価額の変更に代える事業実施要項等の変更）
第58条 発注者は，第８条，第23条，第24条，第26条，第29条，第39条，第49条，第50条，第51条，第52条，第53条，第54条，第57条，第74条，第81条の規定により建設業務対価額を増額すべき場合または費用を負担すべき場合において，特別の理由があるときは，建設業務対価額の増額または負担額の全部または一部に代えて事業実施要項等を変更することができる。この場合において，事業実施要項等の変更内容は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
２ 前項の協議開始の日は，発注者が受注事業者の意見を聴いて定め，受注事業者に通知しなければならない。ただし，発注者が建設業務対価額の増額すべき事由または費用の負担すべき事由が生じた日から７日以内に協議開始の日を通知しない場合には，受注事業者は，協議開始の日を定め，発注者に通知することができる。
第４章 管理業務に関する事項
（施設機能の確認および使用）
第59条 発注者および受注事業者は，管理業務の開始までに，管理業務対象施設（以下「対象施設」という。）の性状，規格，機能，数量その他内容について，双方立会いのうえ，確認するものとする。
２ 発注者は，管理業務遂行のため必要と認めたときは，受注事業者が浄水場等の一部を事務室として使用すること，または浄水施設等構内に仮設事務所等を設置すること等，受注事業者に当該施設を使用させるものとする。
３ 契約に従い受注事業者が調達する義務を負うものを除き，発注者は受注事業者による管理業務遂行にあたって必要な施設，機材等を貸与または支給する。また，発注者は管理業務を安全に行うために必要な措置を講じるものとする。
４ 受注事業者は，対象施設について，善良なる管理者の注意をもって，これを使用し，または保存し，もしくは保管する。
５ 受注事業者は，管理業務の目的以外に対象施設を使用してはならない。ただし，あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合は，この限りでない。
（管理業務における土地への立入り）
第60条 受注事業者が管理業務を遂行するに当たり，第三者が所有する土地に立ち入る場合は，第43条中「設計業務に関する調査」とあるのは「管理業務を遂行する」と読み替えて，この規定を準用する。
（業務記録の作成）
第61条 受注事業者は，契約の履行に関連する記録等を作成，整理し，常時，対象施設に備えなければならない。
２ 受注事業者は，事業実施要項等の定めるところにより，契約の履行に関する記録等を作成し，発注者の要求する記録等の写しを提出しなければならない。
（業務の調査等）
第62条 発注者は，必要があると認めるときは受注事業者に対して管理業務の処理状況について調査し，または報告を求めることができる。
（事故災害時の対応）
第63条 受注事業者は，本契約および事業実施要項等に従い，災害事故時の緊急時対応を行う。
２ 受注事業者は，事故，災害等，緊急の事態が発生した場合であっても，速やかに応急措置を講じその被害を最小限にするよう努力する。
３ 発注者が復旧作業を実施するに当たっては，これを支援するものとし，必要な費用は，発注
者が負担する。ただし，不可抗力により生じた増加費用は，第26条の規定により，発注者および受注事業者が負担する。
（水量および水質の保証）
第64条 受注事業者は，発注者が事業実施要項等に定める原水に関する条件を満たしている場合には，発注者に対し管理業務期間を通じて事業実施要項等に定める供給水量，水質およびその他の性能を保証する。
２ 供給水量が供給される原水量の不足により事業実施要項等に定める供給水量を下回る，または，そのおそれがある場合は，直ちにその旨を発注者に報告し，発注者および受注事業者はその対応を協議しなければならない。
３ 原水の水質が事業実施要項等に定める条件に満たない場合には，受注事業者は，速やかにその状況を発注者に報告するものとする。
４ 対象施設の浄水水質（以下「浄水水質」という。）が事業実施要項等に定める水準に満たないときは，受注事業者は，当該水準を満たすようすみやかな対応を図るとともに，発注者に随時その状況を報告するものとする。
５ 浄水水質が水道法に規定する水質基準を満たさない，または，そのおそれがある場合は，直ちにその旨を発注者に報告し，発注者および受注事業者はその対応を協議しなければならない。
６ 第４項または第５項の場合において第三者への影響を最小限にとどめるため，発注者および受注事業者は協働して必要な措置を講じ，受注事業者は，最大限の誠意と努力をもって，発注者に協力する。
７ 第２項から第５項により受注事業者に発生した増加費用は，発注者がこれを負担する。
（事業実施要項等に定める方法以外による業務の実施）
第65条 受注事業者は，事業実施要項等で定める方法以外で管理業務を処理することが必要と認めたときまたは管理業務に付随して実施することが必要と認める業務があるときは，直ちにその旨を発注者に報告し，管理業務の処理方法について発注者および受注事業者とが協議して定めるものとする。管理業務の処理xxxな事故が生じたときも同様とする。
（改善通告）
第66条 発注者は，第62条および第84条に規定する調査および検査等の結果，事業実施要項等に定める事項について未達が判明した場合には，必要に応じて受注事業者に対して，当該未達部分を明らかにし，その是正のため，改善措置をとることを通告することができる。
２ 受注事業者は，前項の規定による通告を受けたときには，当該通告の受領日から14日以内に，改善方法および期日等の改善計画を定めた改善計画書を発注者に提出するとともに，その実施状況を報告しなければならない。
３ 発注者は，前項の改善計画書内容が不十分であると認めるときは，受注事業者に対して，理由を明らかにしたうえで，当該計画書の修正を求めることができる。
（改善計画書の変更）
第67条 発注者は，前条の改善計画の実施状況を確認した結果，期日までに是正がなされなかったときは，受注事業者に対して，当該改善計画書を変更し，または再提出するよう通告できるものとする。
２ 前条第２項および第３項の規定は，改善計画書の変更および再提出の場合に準用する。
（業務内容の変更等）
第68条 発注者は，必要があると認めるときは，管理業務の内容の一部を変更し，またはその全部もしくは一部を一時中止することができる。この場合において，管理業務対価額または管理業務期間を変更する必要があるときは，発注者および受注事業者とが協議して書面により定めるものとする。
２ 発注者は，前項の場合において，受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。この場合における発注者の負担額は，発注者および受注事業者とが協議して定めるものとする。
（賃金または物価変動に基づく管理業務対価額の変更）
第69条 発注者または受注事業者は，管理業務を開始した後に日本国内における賃金水準または物価水準の変動により管理業務対価額が不適当となったと認めたときは，相手方に対して管理業務対価額の変更を請求することができる。この場合において，第57条中「建設業務対価額」とあるのは「管理業務対価額」と，「建設業務期間内」とあるのは，「管理業務期間内」と，「変動前残建設業務対価額」とあるのは，「変動前残管理業務対価額」と，「変動後残建設業務対価額」とあるのは，「変動後残管理業務対価額」と読み替えて，この規定を準用する。ただし，管理業務において，第57条を準用する業務は，発注者と受注事業者が協議して定める。
（管理業務対価額の変更に代える事業実施要項等の変更）
第70条 発注者は，第68条の規定により管理業務対価額を増額すべき場合または費用を負担すべき場合において，特別の理由があるときは，管理業務対価額の増額または負担額の全部または一部に代えて事業実施要項等を変更することができる。この場合において，事業実施要項等の変更内容は，発注者および受注事業者とが協議して定めるものとする。
（管理業務の一部不履行の場合における管理業務対価額の減額）
第71条 発注者は，受注事業者の責めに帰すべき事由により，管理業務に一部不履行があった場合は，管理業務対価額を減額することができる。この場合において，減額する額は，発注者と受注事業者とが協議して決定するものとする。
第５章 対価の支払いに関する事項第１節 建設業務の対価の支払い
（検査および引渡し）
第72条 受注事業者は，設計業務または工事業務を完了したときは，その旨を発注者に通知しなければならない。
２ 発注者は，前項の規定による通知を受けたときは，次の各号に規定する期間までに受注事業者の立会いのうえ，当該業務の完成を確認するための検査を完了し，当該検査の結果を受注事業者に通知しなければならない。この場合において，発注者は，必要があると認められるときは，その理由を受注事業者に通知して，工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
(1) 設計業務は，通知を受けた日から10日以内に検査を完了する。
(2) 工事業務は，通知を受けた日から14日以内に検査を完了する。
３ 前項の場合において，検査または復旧に直接要する費用は，受注事業者の負担とする。
４ 発注者は，第２項の検査によって当該業務の完成を確認した後，受注事業者が成果品または工事目的物の引渡しを受渡書により申し出たときは，直ちに当該成果品または工事目的物の引渡しを受けなければならない。
５ 発注者は，受注事業者が前項の申出を行わないときは，当該成果品または工事目的物の引渡しを設計業務対価または工事業務対価の支払いの完了と同時に行うことを請求することができる。この場合においては，受注事業者は，当該請求に直ちに応じなければならない。
６ 受注事業者は，当該業務が第２項の検査に合格しないときは，直ちに修補して発注者の検査を受けなければならない。この場合においては，修補の完了を工事の完成とみなして前各項の規定を適用する。
（建設業務対価の支払い）
第73条 受注事業者は，前条第２項（前条第５項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。）の検査に合格したときは，設計業務対価または工事業務対価の支払いを請求することができる。
２ 発注者は，建設業務において前項の規定による適法な請求があったときは，次の各号に規定する期間までに当該業務対価を支払わなければならない。
(1) 設計業務対価は，請求を受けた日から30日以内に支払わなければならない。
(2) 工事業務対価は，請求を受けた日から40日以内に支払わなければならない。
３ 発注者がその責めに帰すべき事由により前条第２項の期間内に検査をしないときは，その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数は，前項の期間（以下この項において「約定期間」という｡）の日数から差し引くものとする。この場合において，その遅延日数が約定
期間の日数を超えるときは，約定期間は，遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
（部分使用）
第74条 発注者は，第72条第４項もしくは第５項または第79条の規定による引渡し前においても，当該成果品または工事目的物の全部または一部を受注事業者の承諾を得て使用することができる。
２ 前項の場合においては，発注者は，その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
３ 発注者は，第１項の規定により当該成果品または工事目的物の全部または一部を使用したことによって受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。
（前金払）
第75条 受注事業者は，契約書に前払金額の記載のある場合は，公共工事の前払金保証事業に関する法律（昭和27年法律第184号）第２条第４項に規定する保証事業会社（以下「保証事業会社」という。）と，契約書記載の建設業務完了の時期を保証期限とする同条第５項に規定する保証契約（以下「保証契約」という｡）を締結し，その保証証書を発注者に寄託して，当該会計年度の出来高予定額に対し，次の各号の規定により前払金の支払いを発注者に請求することができる。ただし，本契約を締結した会計年度以外の会計年度において，受注事業者は，予算執行が可能となる時期以前に前払金の支払いを請求することができない。
(1) 設計業務は，当該会計年度における設計業務対価額の10分の３以内
(2) 工事業務は，当該会計年度における工事業務対価額の10分の４以内
２ 前項の場合において，前会計年度末における建設業務対価相当額が前会計年度までの出来高予定額に達しないときには，受注事業者は，建設業務対価相当額が前会計年度までの出来高予定額に達するまで当該会計年度の前払金の支払を請求することができない。
３ 前項の場合において，その額が当該出来高予定額に達するまで前払金の保証期限を延長するものとする。
４ 発注者は，前項の規定による適法な請求があったときは，請求を受けた日から14日以内に前払金を支払わなければならない。
５ 受注事業者は，設計業務対価額または工事業務対価額が著しく増額された場合において，次の各号の規定により，受領済みの前払金額を差し引いた額に相当する額の範囲内で前払金の支払いを請求することができる。この場合においては，前項の規定を準用する。
(1) 設計業務は，設計業務対価額の10分の３から受領済みの前払金額を差し引いた額に相当する額の範囲内
(2) 工事業務は，工事業務対価額の10分の４以内から受領済みの前払金額を差し引いた額に相当する額の範囲内
６ 受注事業者は，当該業務対価額が著しく減額された場合において，次の各号の規定により，受注事業者は，当該業務対価額が減額された日から30日以内にその超過額を返還しなければならない。
(1) 設計業務は，受領済みの前払金額が減額後の設計業務対価額の10分４を超えるとき
(2) 工事業務は，受領済みの前払金額が減額後の工事業務対価額の10分の５を超えるとき
７ 前項の超過額が相当の額に達し，返還することが前払金の使用状況からみて著しく不適当であると認められるときは，発注者と受注事業者とが協議して返還すべき超過額を定める。ただし，当該業務対価額が減額された日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
８ 発注者は，受注事業者が第６項の期間内に超過額を返還しなかったときは，その未返還額につき，同項の期間を経過した日から返還をする日までの期間について，その日数に応じ，履行期日時点における政府契約の支払遅延防止等に関する法律（昭和24年法律第256号。その後の改正を含む。）第８条第１項の規定に基づき財務大臣が決定する率を乗じて計算した額の遅延利息を請求することができる。この場合の遅延利息の計算方法は，年365日の日割計算とする。
（保証契約の変更）
第76条 受注事業者は，工事業務において前条第５項の規定により受領済みの前払金に追加してさらに前払金の支払いを請求する場合には，あらかじめ，保証契約を変更し，変更後の保証証書を発注者に寄託しなければならない。
２ 受注事業者は，前項に規定する場合のほか，工事業務対価額が減額された場合において，保証契約を変更したときは，変更後の保証証書を直ちに発注者に寄託しなければならない。
３ 受注事業者は，前払金額の変更を伴わない工事業務期間の変更が行われた場合には，発注者に代わりその旨を保証事業会社に直ちに通知するものとする。
（前払金の使用等）
第77条 受注事業者は，前払金を設計業務または工事業務の材料費，労務費，機械器具の賃借料，機械購入費（この建設業務において償却される割合に相当する額に限る。），動力費，支払運賃，修繕費，仮設費，労働者災害補償保険料および保証料に相当する額として必要な経費以外の支払いに充当してはならない。
（部分払）
第78条 受注事業者は，契約書に部分払回数の記載のある場合は，工事業務の完成前に，工事目的物の出来形部分ならびに工事現場に搬入済みの工事材料（第47条第３項の規定により監督員
の検査を要するものにあっては当該検査に合格したもの，監督員の検査を要しないものにあっては事業実施要項等で部分払の対象とすることを指定したものに限る。）および事業実施要項等において部分払の対象とすることを指定した製造工場等にある工場製品（以下「出来形部分等」という。）に相応する工事業務対価相当額の10分の９（当該出来形部分等が性質上可分である場合において発注者が相当と認めるときは，工事業務対価相当額の10分の10）以内の額について，次項以下の規定により部分払を請求することができる。
２ 受注事業者は，部分払を請求しようとするときは，あらかじめ，当該請求に係る出来形部分等の確認を発注者に請求しなければならない。
３ 発注者は，前項の場合において，当該請求を受けた日から14日以内に，受注事業者の立会いのうえ，事業実施要項等および受注事業者が作成した設計図書に定めるところにより，同項の確認をするための検査を行い，当該確認の結果を受注事業者に通知しなければならない。この場合において，発注者は，必要があると認められるときは，その理由を受注事業者に通知して，出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
４ 前項の場合において，検査または復旧に直接要する費用は，受注事業者の負担とする。
５ 受注事業者は，第３項の規定による確認があったときは，部分払を請求することができる。この場合においては，発注者は，当該適法な請求を受けた日から14日以内に部分払金を支払わなければならない。
６ 部分払金の額は，次の式により算定する。この場合において，第１項の工事業務対価相当額は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，発注者が前項の請求を受けた日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
部分払金の額 ≦ 第1項の工事業務対価相当額×（部分払すべき率－前払金額／工事業務対価額）
７ 第５項の規定により部分払金の支払いがあった後，再度部分払の請求をする場合においては，第１項および前項中「工事業務対価相当額」とあるのは「工事業務対価相当額から既に部分払の対象となった工事業務対価相当額を控除した額」とするものとする。
（部分引渡し）
第79条 成果品まはた工事目的物について，発注者が事業実施要項等において業務の完了に先だって引渡しを受けるべきことを指定した部分（以下「指定部分」という。）がある場合において，当該指定部分の業務が完了したときは，第72条中「設計業務」とあるのは「指定部分に係る設計業務」と，「成果品」とあるのは「指定部分に係る成果品」と ，「工事業務」とあるのは「指定部分に係る工事業務」と，「工事目的物」とあるのは「指定部分に係る工事目的物」と，第73条中「設計業務対価」とあるのは「部分引渡しに係る設計業務対価」と「工事業務対
価」とあるのは「部分引渡しに係る工事業務対価」と読み替えて，これらの規定を準用する。
２ 前項に規定する場合のほか，成果品の一部分が完成し，かつ，可分なものであるときは，発注者は，当該部分について，受注事業者の承諾を得て引渡しを受けることができる。この場合において，第72条中「設計業務」とあるのは「引渡部分に係る設計業務」と，「成果品」とあるのは「引渡部分に係る成果品」と，同条第５項および第73条中「設計業務対価」とあるのは
「部分引渡しに係る設計業務対価」と読み替えて，これらの規定を準用する。
３ 前２項において準用する第73条第１項の規定により受注事業者が請求することができる部分引渡しに係る設計業務対価額は，次の各号に掲げる式により算定する。この場合において，第
１号中「指定部分に相応する設計業務対価額」および第２号中「引渡部分に相応する設計業務対価額」は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，発注者が前２項において準用する第73条第１項の規定による請求を受けた日から 14 日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
(1) 第１項に規定する部分引渡しに係る設計業務対価額
指定部分に相応する設計業務対価額×（１－設計業務前払金額／設計業務対価額）
(2) 第２項に規定する部分引渡しに係る設計業務対価額
引渡部分に相応する設計業務対価額×（１－設計業務前払金額／設計業務対価額）
４ 第１項に規定する場合のほか，工事目的物の一部分が完成し，かつ，可分なものであるときは，発注者は，当該部分について，受注事業者の承諾を得て引渡しを受けることができる。この場合において，第72条中「工事業務」とあるのは「引渡部分に係る工事業務」と，「工事目的物」とあるのは「引渡部分に係る工事目的物」と，同条第５項および第73条中「工事業務対価」とあるのは「部分引渡しに係る工事業務対価」と読み替えて，これらの規定を準用する。
５ 第１項および第４項において準用する第73条第１項の規定により受注事業者が請求することができる部分引渡しに係る工事業務対価額は，次の各号に掲げる式により算定する。この場合において，第１号中「指定部分に相応する工事業務対価額」および第２号中「引渡部分に相応する工事業務対価額」は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，発注者が第１項および第４項において準用する第73条第１項の規定による請求を受けた日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
(1) 第１項に規定する部分引渡しに係る工事業務対価額
指定部分に相応する工事業務対価額×（１－工事業務前払金額／工事業務対価額）
(2) 第４項に規定する部分引渡しに係る工事業務対価額
引渡部分に相応する工事業務対価額×（１－工事業務前払金額／工事業務対価額）
（第三者による代理受領）
第80条 受注事業者は，発注者の承諾を得て設計業務対価または工事業務対価の全部または一部の受領につき，第三者を代理人とすることができる。
２ 発注者は，前項の規定により受注事業者が第三者を代理人とした場合において，受注事業者の提出する支払請求書に当該第三者が受注事業者の代理人である旨の明記がなされているときは，当該第三者に対して第73条第２項（第79条第１項または第２項もしくは第４項において準用する場合を含む。）または第78条の規定に基づく支払いをしなければならない。
（前払金等の不払に対する受注事業者の業務中止）
第81条 受注事業者は，発注者が第75条，第78条，第79条第１項または第２項もしくは第４項において準用する第73条第２項の規定に基づく支払いを遅延し，相当の期間を定めてその支払いを請求したにもかかわらず支払いをしないときは，設計業務もしくは工事業務の全部または一部を一時中止することができる。この場合において，受注事業者は，その理由を明示して直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
２ 発注者は，前項の規定により受注事業者が設計業務または工事業務を一時中止した場合において，必要があると認められるときは，建設業務期間もしくは設計業務対価額または工事業務対価額を変更し，または受注事業者の費用が増加し，もしくは受注事業者に損害を及ぼしたときは，必要な費用を負担しなければならない。
（瑕疵担保）
第82条 発注者は，成果品または工事目的物に瑕疵があるときは，受注事業者に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し，または修補に代えもしくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし，瑕疵が重要ではなく，かつ，その修補に過分の費用を要するときは，発注者は，修補を請求することができない。
２ 前項の規定による瑕疵修補または損害賠償の請求は，第72条第４項または第５項（第79条においてこれらの規定を準用する場合を含む。）の規定による引渡しを受けた日から，次の各号に規定する期間内に行わなければならない。
(1) 成果品に係る瑕疵の修補または損害賠償の請求は，当該成果品に係る業務完了後２年以内に行わなければならない。ただし，その瑕疵が受注事業者の故意または重大な過失により生じた場合には，請求を行うことのできる期間は10年とする。
(2) 木造の建物等の建設工事業務，植栽工事業務および設備工事業務等は１年以内，これ以外の工事業務については２年以内に行わなければならない。ただし，その瑕疵が受注事業者の故意または重大な過失により生じた場合には，当該請求をすることができる期間は10年とする。
３ 発注者は，成果品または工事目的物の引渡しの際に瑕疵があることを知ったときは，第１項の規定にかかわらず，その旨を直ちに受注事業者に通知しなければ，当該瑕疵の修補または損害賠償の請求をすることはできない。ただし，受注事業者がその瑕疵があることを知っていたときは，この限りでない。
４ 発注者は，成果品または工事目的物が第１項の瑕疵により滅失またはき損したときは，第２項に規定する期間内で，かつ，その滅失またはき損の日から６月以内に第１項の権利を行使しなければならない。
５ 第１項の規定は，成果品または工事目的物の瑕疵が支給材料，貸与品の性質または発注者もしくは監督員の指示により生じたものであるときは適用しない。ただし，受注事業者がその材料または指示の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは，この限りでない。
（履行遅延の場合における損害金等）
第83条 受注事業者の責めに帰すべき事由により建設業務期内に当該業務を完成することができない場合においては，発注者は，損害金の支払いを受注事業者に請求することができる。
２ 前項の損害金の額は，設計業務対価額または工事業務対価額から部分引渡しを受けた部分に相応する設計業務対価額または工事業務対価額を控除した額につき，遅延日数に応じ，履行期日時点における政府契約の支払遅延防止等に関する法律（昭和24年法律第256号。その後の改正を含む。）第８条第１項の規定に基づき財務大臣が決定する率を乗じて計算した額とする。この場合の遅延利息の計算方法は，年365日の日割計算とする。
３ 発注者の責めに帰すべき事由により，第73条第２項（第79条において準用する場合を含む。）の規定による設計業務対価または工事業務対価の支払いが遅れた場合においては，受注事業者は，未受領金額につき，遅延日数に応じ，遅延利息の支払いを発注者に請求することができる。遅延利息の率および計算方法は，前項後段の規定を準用する。
第２節 管理業務の対価の支払い
（完了検査等）
第84条 受注事業者は，管理業務を完了したとき（１か月ごとおよび１か年ごとの完了を含む。）は，事業実施要項等の定めに従いその旨を発注者に通知し，検査を受けなければならない｡
２ 発注者は，前項の規定による検査を受注事業者からの通知があった日から起算して10日以内に行わなければならない。
（管理業務対価の支払い）
第85条 管理業務対価は月払いとする。
２ 受注事業者は，当該１か月の管理業務が完了し前条第２項の検査に合格したときは，前項に規定する当該１か月に対する管理業務対価の支払いを請求するものとする。
３ 発注者は，前項の適法な支払いの請求を受けたときはその日から起算して30日以内に管理業務対価を支払わなければならない。
４ 発注者は，その責めに帰すべき事由により前項の管理業務対価の支払いが遅れたときは，当該未払い額につき，その遅延日数に応じ，遅延利息と受注事業者に支払うものとする。この場合の遅延利息の率および計算方法は，第83条第２項後段の規定を準用する。
５ 発注者がその責めに帰すべき事由により前条第２項の期間内に検査をしないときは，その期限の翌日から検査をした日までの期間の日数は，第３項の期間（以下「約定期間」という。）の日数から差し引くものとする。この場合において，その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは，約定期間は，遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
第６章 契約の解除および終了に関する事項
（公共工事履行保証証券による保証の請求）
第86条 工事業務において第15条第１項の規定により本契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証が付された場合において，受注事業者が第87条第１項各号のいずれかに該当するときは，発注者は，当該公共工事履行保証証券の規定に基づき，保証人に対して，他の建設業者を選定し，工事業務を完成させるよう請求することができる。
２ 受注事業者は，前項の規定により保証人が選定し発注者が適当と認めた建設業者（以下「代替履行業者」という。）から発注者に対して，本契約に基づく次の各号に規定する受注事業者の権利および義務を承継する旨の通知が行われた場合には，代替履行業者に対して当該権利および義務を承継させる。
(1) 工事業務対価債権（前払金，部分払金または部分引渡しに係る工事業務対価として受注事業者に既に支払われたものを除く。）
(2) 工事完成債務
(3) 瑕疵担保債務（受注事業者が施工した出来形部分の瑕疵に係るものを除く。）
(4) 解除権
(5) その他本契約に係る一切の権利および義務（第25条の規定により受注事業者が施工した工事に関して生じた第三者への損害賠償債務を除く。）
３ 発注者は，前項の通知を代替履行業者から受けた場合には，代替履行業者が前項各号に規定する受注事業者の権利および義務を承継することを承諾する。
４ 第１項の規定による発注者の請求があった場合において，当該公共工事履行保証証券の規定に基づき，保証人から保証金が支払われたときには，本契約に基づいて発注者に対して受注事業者が負担する損害賠償債務その他の費用の負担に係る債務（当該保証金の支払われた後に生
じる違約金等を含む。）は，当該保証金の額を限度として，消滅する。
（発注者の解除権）
第87条 発注者は，受注事業者が次の各号のいずれかに該当するときは，本契約を解除することができる。
(1) 正当な理由なく，本事業に着手すべき期日を過ぎても本事業に着手しないとき。
(2) その責めに帰すべき事由により建設業務期間内に完成しないときまたは建設業務期間経過後相当の期間内に建設業務を完成する見込みが明らかにないと認められるとき。
(3) その責めに帰すべき事由により管理業務開始日を過ぎても管理業務を実施しないときまたは実施する見込みが明らかでないとき。
(4) 第17条または第49条の規定に違反したとき。
(5) 第32条，第33条，第34条，第35条，第36条に掲げる者を設置しなかったとき。
(6) 第90条第１項の規定によらないで本契約の解除を申し出たとき。
(7) 受注事業者が契約に違反し，その違反により本業務の実施が不可能となったとき｡
(8) 受注事業者が業務要求水準を達成できず，かつ，是正措置を講じても業務要求水準を達成することができないとき。
(9) 受注事業者が函館市企業局暴力団等排除措置要綱に基づく入札参加除外措置を受けたとき。
(10) 受注事業者はたは構成企業のいずれかの者が次のいずれかに該当するとき。
イ 役員等（構成企業が個人である場合にはその者を，構成企業が法人である場合にはその役員またはその支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所の代表者をいう。以下この号において同じ。）が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律（平成
３年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。）第２条第６号に規定する暴力団員（以下この号において「暴力団員」という。）であると認められるとき。
ロ 暴力団（暴力団対策法第２条第２号に規定する暴力団をいう。以下この号において同じ。）または暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ハ 役員等が自己，自社もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもって，暴力団または暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
ニ 役員等が，暴力団または暴力団員に対して資金等を供給し，または便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持，運営に協力し，もしくは関与していると認められるとき。
ホ 役員等が暴力団または暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
ヘ 下請契約または再委託契約もしくは資材，原材料の購入契約その他の契約に当たり，その相手方がイからホまでのいずれかに該当することを知りながら，当該者と契約を締結したと認められるとき。
ト 受注事業者が，イからホまでのいずれかに該当する者を下請契約または再委託契約もしくは資材，原材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場合（ヘに該当する場合を除く。）に，発注者が受注事業者に対して当該契約の解除を求め，受注事業者がこれに従わなかったとき。
２ 前項および第88条に規定する場合のほか，発注者は，本事業を継続する必要がなくなったときは，本契約を解除することができる。
３ 第１項第６号または第２項の規定により，本契約を解除するときは，発注者は，その１か月前までに受注事業者に通知しなければならない。
（談合等不正行為による解除）
第88条 発注者は，本契約に関して，次の各号のいずれかに該当するときは，契約を解除することができる。この場合において，受注事業者は，解除により生じた損害の賠償を請求することができない。
(1) 受注事業者等が私的独占の禁止およびxx取引の確保に関する法律（昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。）第49条に規定する排除措置命令を受け，当該命令が確定したとき。
(2) 受注事業者等が独占禁止法第62条第１項に規定する課徴金の納付命令を受け，当該命令が確定したとき。
(3) 受注事業者等（その役員または使用人を含む。）について，独占禁止法第89条第１項，第 90条もしくは第95条（独占禁止法第89条第１項または第90条に規定する違反行為をした場合に限る。）に規定する刑または刑法（明治40年法律第45号）第96条の６もしくは第198条に規定する刑が確定したとき。
（不当介入等に対する届出義務）
第89条 受注事業者等は，本業務の実施に当たり暴力団等（函館市企業局暴力団等排除措置要綱第１条にいう暴力団等という。以下同じ。）から不当介入等（函館市企業局暴力団等排除措置要綱第13条第１項にいう不当介入等をいう。以下同じ。）を受けた場合は，その旨を直ちに発注者へ報告するとともに，所轄の警察署に届け出なければならない。
２ 受注事業者等は，暴力団等から不当介入等による被害を受けた場合は，その旨を直ちに発注者へ報告するとともに，被害届を速やかに所轄の警察署に提出しなければならない。
３ 受注事業者等は，本業務の実施に当たり再委託事業者または下請負人が暴力団等から不当介
入等を受けた場合は，当該下請負人に対して前２項と同様に措置を行うよう，指導するものとする。
（受注事業者の解除権）
第90条 受注事業者は，次の各号のいずれかに該当するときは，本契約を解除することができる。
(1) 第51条の規定により事業実施要項等を変更したため建設業務対価額が３分の２以上減少したとき。
(2) 第52条の規定による建設業務の中止期間が建設業務期間の２分の１（建設業務期間の２分の１が１月を超えるときは，１月）を超えたとき。ただし，中止が建設業務の一部のみの場合は，その一部を除いた他の部分の建設業務が完了した後１月を経過しても，なおその中止が解除されないとき。
(3) 第51条の規定により管理業務の内容を変更したため，変更契約締結日の属する年度の管理業務対価額の額が３分の２以上減少したとき。
(4) 発注者が本契約に違反し，その違反によって本契約の履行が不可能となったとき。
２ 受注事業者は，前項の規定により本契約を解除した場合において，損害があるときは，その損害の賠償を発注者に請求することができる。
（解除の効果）
第91条 本契約が解除された場合には，第３条第２項および第３項に規定する発注者および受注事業者の義務は消滅する。ただし，第79条に規定する部分引渡しに係る部分については，この限りでない。
２ 発注者は，前項の規定にかかわらず，本契約が解除された場合において，受注事業者が既に設計業務または建設業務を完了した部分（第79条の規定により部分引渡しを受けている場合には，当該引渡部分を除くものとし，以下この条および第92条において「既履行部分」という。）の引渡しを受ける必要があると認めたときは，既履行部分を検査の上，当該検査に合格した部分の引渡しを受けることができる。この場合において，発注者は，当該引渡しを受けた既履行部分に条相応する設計業務対価額または工事業務対価額（以下この条および次条において「既履行部分業務対価額」という。）を受注事業者に支払わなければならない。
３ 前項の既履行部分業務対価は，発注者と受注事業者とが協議して定める。ただし，協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には，発注者が定め，受注事業者に通知する。
４ 次の各号のいずれかに該当する場合においては，受注事業者は，違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 第87条第１項の規定により本契約が解除された場合。
(2) 受注事業者がその債務の履行を拒否し，または，受注事業者の責めに帰すべき事由によっ
て受注事業者の債務について履行不能となった場合。
５ 前項に規定する受注事業者が発注者に支払う違約金は，次の各号によるものとする。
(1) 設計業務または工事業務は，当該業務対価額の10分の１に相当する額とする。
(2) 管理業務は，解除日の属する年度の管理業務対価額の10分の１に相当する額とする。
６ 次の各号に掲げる者が本契約を解除した場合は，第４項第２号に該当する場合とみなす。
(1) 受注事業者について破産手続開始の決定があった場合において，破産法（平成16年法律第 75号）の規定により選任された破産管財人
(2) 受注事業者について更生手続開始の決定があった場合において，会社更生法（平成14年法律第154号）の規定により選任された管財人
(3) 受注事業者について再生手続開始の決定があった場合において，民事再生法（平成11年法律第225号）の規定により選任された再生債務者等
７ 第４項の場合（第87条第10号の規定により，本契約が解除された場合を除く。）において第 15条の規定により契約保証金の納付またはこれに代わる担保の提供が行われているときは，発注者は，当該契約保証金または担保をもって第５項の違約金に充当することができる。
８ 第87条第２項および第90条の規定により本契約が解除された場合において，発注者は，受注事業者に及ぼした損害を賠償しなければならない。この場合において，発注者が賠償すべき損害額は，発注者および受注事業者とが協議して定めるものとする｡
（解除に伴う措置）
第92条 発注者は，第87条第１項各号のいずれかの規定により本契約を解除できる場合は，受注事業者と協議して次２項のいずれかの措置をとることができるものとする。
２ 発注者において本事業を継続させると決定した場合は，受注事業者をして，本契約上の受注事業者の地位を発注者が選定した第三者へ譲渡させ，または受注事業者の株主をして，受注事業者の全発行済株式を，当該時点において発注者が承認する第三者へ譲渡させる。
３ 発注者において本事業を継続することができないと決定した場合は，次の各項に規定する措置をとるものとする。
４ 本契約が解除された場合において，第75条の規定による前払金があったときは，受注事業者は，第87条第１項または第88条の規定による解除にあっては，当該前払金の額（第79条第１項または第２項の規定により部分引渡しをしているときは，その部分引渡しにおいて償却した前払金の額を控除した額）に当該前払金の支払いの日から返還の日までの日数に応じ，履行期日時点における政府契約の支払遅延防止等に関する法律（昭和24年法律第256号。その後の改正を含む。）第８条第１項の規定に基づき財務大臣が決定する率を乗じて計算した額の利息を付した額を，第87条第２項または第90条の規定による解除にあっては，当該前払金の額を発注者
に返還しなければならない。
５ 前項の規定にかかわらず，第87条第１項の規定により本契約が解除され，かつ，第91条第
２項により既履行部分の引渡しが行われる場合において，第75条の規定による前払金があったときは，発注者は，当該前払金（第79条第１項または第２項の規定による部分引渡しがあった場合は，その部分引渡しにおいて償却した前払金の額を控除した額）を第91条第３項の規定により定められた既履行部分業務対価額から控除する。この場合において，受領済みの前払金になお余剰があるときは，受注事業者は，第87条第１項または第88条の規定による解除にあっては，当該余剰額に前払金の支払いの日から返還の日までの日数に応じた利息を付した額を，第87条第２項または第88条の規定による解除にあっては，当該余剰額を発注者に返還しなければならない。この場合の遅延利息の率および計算方法は，第４項の規定を準用する。
６ 発注者は，本契約が解除された場合においては，出来形部分を検査のうえ，当該検査に合格した部分および部分払の対象となった工事材料の引渡しを受けるものとし，当該引渡しを受けたときは，当該引渡しを受けた出来形部分に相応する設計業務対価額または工事業務対価額を受注事業者に支払わなければならない。この場合において，発注者は，必要があると認められるときは，その理由を受注事業者に通知して，出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
７ 前項の場合において，検査または復旧に直接要する費用は，受注事業者の負担とする。
８ 受注事業者は，本契約が解除された場合において，支給材料があるときは，第６項の出来形部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き，発注者に返還しなければならない。この場合において，当該支給材料が受注事業者の故意もしくは過失により滅失もしくはき損したとき，または出来形部分の検査に合格しなかった部分に使用されているときは，代品を納め，もしくは原状に復して返還し，または返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
９ 受注事業者は，本契約が解除された場合において，貸与品があるときは，当該貸与品を発注者に返還しなければならない。この場合において，当該貸与品が受注事業者の故意または過失により滅失またはき損したときは，代品を納め，もしくは原状に復して返還し，または返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
10 受注事業者は，本契約が解除された場合において，工事用地または作業現場（以下「工事用地等」という。）に受注事業者が所有または管理する業務の出来形部分（第79条第１項または第２項に規定する部分引渡しに係る部分および第91条第２項に規定する検査に合格した既
履行部分を除く。），工事材料，調査機械器具，建設機械器具，仮設物その他の物件（第17条第３項の規定により，受注事業者から業務の一部を委任され，または請け負った者が所有または管理するこれらの物件および貸与品のうち，故意または過失によりその返還が不可能となったものを含む。以下次項において同じ。）があるときは，受注事業者は，当該物件を撤去し，または工事用地等を原状に復し，もしくは取片付けて発注者に明け渡さなければならない。
11 前項に規定する撤去または原状回復もしくは取片付けに要する費用（以下この項および次項において「撤去費用等」という。）は，次の各号に掲げる撤去費用等につき，それぞれ各号の規定により発注者または受注事業者が負担する。
(1) 建設業務の出来形部分に関する撤去費用等契約の解除が第87条第１項または第88条によるときは受注事業者が負担し，第87条第２項または第90条によるときは発注者が負担する。
(2) 第10項に規定する工事材料，調査機械器具，建設機械器具，仮設物その他の物件に関する撤去費用等は受注事業者が負担する。
12 第10項の場合において，受注事業者が正当な理由なく，相当の期間内に当該物件の撤去または工事用地等の原状回復もしくは取片付けを行わないときは，発注者は，受注事業者に代わって当該物件の処分または工事用地等の原状回復もしくは取片付けを行うことができる。この場合において，受注事業者は，発注者の処分または原状回復もしくは取片付けについて異議を申し出ることができず，また，発注者が支出した撤去費用等（前項第１号の規定により，発注者が負担する建設業務の出来形部分に係るものを除く。）を負担しなければならない。
13 第８項前段および第９項前段に規定する受注事業者のとるべき措置の期限，方法等は，本契約の解除が第87条，第88条または第91条第６項の規定によるときは発注者が定め，第87条第２項または第90条の規定によるときは，受注事業者が発注者の意見を聴いて定めるものとし，第８項後段，第９項後段および第10項に規定する受注事業者のとるべき措置の期限，方法等については，発注者が受注事業者の意見を聴いて定めるものとする。
（不正行為に伴う賠償金）
第93条 受注事業者は，本契約に関して，第88条各号のいずれかに該当するときは，発注者が契約を解除するか否かを問わず，賠償金として建設業務対価額の10分の１に相当する額を発注者の指定する期間内に支払わなければならない。ただし，同条第１号に掲げる場合において，排除措置命令の対象となる行為が，独占禁止法第２条第９項に基づく不xxな取引方法
（昭和57年xx取引委員会告示第15号）第６項に規定する不当廉売であるときその他発注者が特に認めるときは，この限りでない。
２ 発注者は，実際に生じた損害の額が前項の建設業務対価額の10分の１に相当する額を超えるときは，受注事業者に対して，その超える額についても賠償金として請求することができる。
３ 前２項の規定は，第72条第４項の規定による成果品または工事目的物の引渡しを受けた後においても適用があるものとする。
４ 発注者は，前項の引渡しを受けた後に第１項または第２項の賠償金を請求する場合において，受注事業者が既に解散しているときは，受注事業者の構成企業であった者に対して当該賠償金の支払いを請求することができる。この場合において，受注事業者の構成企業であった者は，共同連帯して当該賠償金を支払う責任を負うものとする。
（契約解除時の事務）
第94条 契約解除時には，発注者および受注事業者の双方が立会いのうえ，第59条の規定により確認した対象施設等（第72条および第79条に規定する成果品または工事目的物を含む。以下同じ。）の内容と相違がないことを確認する。
２ 前項の規定による確認の結果，対象施設等の内容との相違があるときは，受注事業者は，自己の責任と費用により必要な修補を行わなければならない。ただし，その相違が通常の使用による損耗の場合および発注者の特段の指示に基づくものである場合は，この限りでない。
３ 発注者は，契約解除時に施設機能の確認を行う。その結果，施設機能に著しい劣化が認められその原因が受注事業者の責めによる運転・維持管理にあると認められる場合には，受注事業者はその損害を賠償しなければならない。
４ 前３項の規定にかかわらず，本事業の終了後１年以内に対象施設が事業実施要項等に示された性能を下回った場合（発注者の責めに帰すべき事由に起因する場合を除く。），受注事業者は自らの費用負担にて修繕を行うものとする。ただし 本契約が第87条第２項，第90条の規定により終了する場合は，この限りでない。
５ 受注事業者は，契約解除時点までに本事業で作成された設計図書，日報等を整理した報告書，運転管理マニュアル，危機管理マニュアル，保守点検マニュアルおよび電子データ等（以下「運転管理マニュアル等」という。）を発注者に提出し，発注者の確認を受けるものとする。
６ 発注者は，前項により受注事業者から提出された設計図書等その他の書類を利用する権利及び権限を有するものとする。
７ 受注事業者は，本契約が第87条，第88条および第90条のいずれかにより終了した場合，発注者または発注者の指示する者に本契約に規定する各業務に関する必要な引継ぎを行わなければならない。
（契約終了時の事務）
第95条 本事業期間の終了による，本契約の終了時の事務は，前条第１項から第３項，第４項前段，第５項から第７項の規定を準用する。
２ 受注事業者は，本契約の終了予定日の１年前までに，前条第５項および第７項の引継ぎ業務の実施時期，本契約の終了時における提出書類の内容および部数等について発注者と協議して定める。