行わせる場合 ・・・・・・P 26
令和2年6月
(令和3年6月 一部改定)
xx原市
土木工事 編
目次
Ⅰ.策定の背景 ・・・・・・P 1
◆ 策定の背景
◆ 策定の目的
◆ 設計変更ガイドラインの契約図書への位置づけ
◆ その他(参考資料)
Ⅱ.設計変更フロー | ・・・・・・P | 3 |
Ⅲ.設計図書の照査 | ・・・・・・P | 4 |
1.xx原市建設工事請負契約書 第18条第1項の照査 | ・・・・・・P | 5 |
2.設計の照査の範囲を越える作業 | ・・・・・・P | 7 |
Ⅳ.設計変更 | ・・・・・・P | 9 |
1.照査内容の確認 | ・・・・・・P | 9 |
2.設計変更が可能なケース | ・・・・・・P | 10 |
3.設計変更が不可能なケース | ・・・・・・P | 17 |
4.設計図書の訂正・変更 | ・・・・・・P | 18 |
5.設計変更の責任者 | ・・・・・・P | 20 |
6.設計変更に必要な資料作成を受注者に
行わせる場合 ・・・・・・P 26
Ⅴ.工期・請負代金額の変更 ・・・・・・P 27
工事一時中止に係るガイドライン ・・・・・・P 29
Ⅵ.施工条件の明示 ・・・・・・P 30
Ⅰ.策定の背景
◆策定の背景
土木工事は、
■多種多様な現地の自然条件下で生産されるという特性から、設計図書に示された施工条件が、実際とは一致しない場合がある。
■設計図書で想定していなかった条件が発生する場合がある。
ごびゅう だつろう
■設計図書に誤謬、脱漏、不明確な表示の場合があ
る。
■改正品確法の基本理念に請負契約の当事者が対等の立場における合意に基づいて「xxな契約を適正な額の請負契約代金で締結」することや「適切な設計変更」が発注者の責務と示されている。
以上のような背景があるため、設計変更の手続きを 明確にし、円滑な請負契約を執行する必要がある。
◆策定の目的
■契約関係の適正化、責任の所在の明確化
■設計図書の変更手続きの円滑化
■契約関係の適正化により、必要とする工事目的物の品質の確保
◆設計変更ガイドラインの契約図書への位置づけ
■契約の一事項として扱うこととし、特記仕様書へその旨記載する。
特記仕様書記載例 第○条 設計変更等
設計変更等については、契約書第18条から第25条及び長崎県建設工事共通仕様書共通編1-1-17から1-1-19に記載しているところであるが、その具体的な考え方や手続きについては、「設計変更ガイドライン 」及び「工事一時中止に係るガイドライン 」によることとする。
◆その他(参考資料)
■本ガイドラインに記載のない部分については、下記を参考とする。
①設計変更ガイドライン(案)
(令和2年5月国土交通省九州地方整備局)
②工事請負契約における設計変更ガイドライン
(令和元年9月国土交通省関東地方整備局)
対応する章 発注者の作業受注者の作業
発注者・受注者の作業
凡 例
Ⅱ.設計変更フロー
契約
Ⅲ~Ⅴ |
設計変更【P9】
2.設計変更が可能なケース【P10】
4.設計図書の訂正・変更【P18】
第18条第1項の該当号
工事目的物の変更
5.設計変更の責任者【P20】
(1).発注者の責による訂正・変更【P21】
(2).コンサルタント等の責による訂正・変更【P23】
(3).受注者による訂正・変更【P25】
工期・請負代金額の変更【P】
工期・請負代金額の変更
施工途中
Ⅴ
受注者:基本計画書に基づいた施工、
工事現場の保全の実施
3. 設計変更が
不可能なケース
【P17】
Ⅳ
受注者:該当する事実(質問事項)が確認できる資料を書面で提出
設計図書の照査【P4】1.xx原市建設工事請負契約書第18条第1項の照査(設計図書の照査ガイドライン(案)参照)
2.設計の照査の範囲を超える作業が生じる【P7】
Ⅲ
工事続行
工 事 着 手
訂正・変更指示の了承又は契約変更
変更指示
受発注者協議
必要
不要
発注者:基本計画書の承諾
受注者:基本計画書の作成・提出
発注者:工事一時中止の指示
受発注者協議
伴わない
伴う
発注者:訂正・変更の通知(調査、協議終了後14日以内)
発注者:結果とりまとめ受注者:意見
発注者:調査の実施受注者:立会
四・五号変更
一~三号訂正
(3).工事を一時中止する必要がある【P15】
※詳細は「工事一時中止に係るガイドライン(案)による
(2).発注者が変更を必要と認める【P13】
(1)・工事契約書第18条第1項のに該当する【P11】
1.照査内容の確認(三者会議等の活用)【P9】
竣 工
Ⅲ.設計図書の照査
受注者は、
■『長崎県建設工事共通仕様書1-1-3 設計図書の照査等』により、施工前及び施工途中において、自らの負担により設計図書の照査を行わなければならない。
■設計図書の照査については、『設計図書の照査ガイドライン(案)』(長崎県)を参照する。
■照査の結果『xx原市建設工事請負契約書第18条第1項第一号~第五号』に該当する事実がある場合は、監督職員にその事実が確認できる資料(現地地形図、設計図との対比図、取り合い図、施工図等)を書面により提出し、確認を求めなければならない。
これらの資料作成に必要な費用については、契約変更の対象としない。
発注者は、
『xx原市建設工事請負契約書第19条、第20条』に基づき、施工前及び施工途中に、
「発注者が変更を必要と認める」
「工事を一時中止する必要がある」
P13
P15
ときは、「照査内容の確認」(Ⅳ-1)を行い、必要に応じ
て設計変更を行う。
1. xx原市建設工事請負契約書
第18条第1項の照査
■受注者は、『長崎県建設工事共通仕様書1-1-3 設計図書の照査等』に基づき、施工前及び施工途中に、『xx原市建設工事請負契約書第18条第1項』の第一号から 第五号に係わる照査を行わなければならない。
■具体的には、「設計図書の照査ガイドライン(案)」
(長崎県)の別添『設計図書の照査要領(案)』の項目について、照査を実施する。
■照査工種としては、以下のとおり。
①樋門・樋管工事 ④橋梁下部工事
②築堤・護岸工事 ⑤共同溝工事
③道路改良(舗装)工事 ⑥橋梁上部工事
■その他工種については、『設計図書の照査ガイドライン (案)』(長崎県)に準拠できるものがあれば、発注者と受注者において協議し、運用できるものとする。
xx原市建設工事請負契約書第18条第1項
一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致し
ないこと。(これらの優先順位が定められている場合を除く。)
ごびゅう
だつろう
二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することの出来ない特別な状態が生じたこと。
2.設計の照査の範囲を超える作業
■「設計の照査の範囲を超える作業」として想定される具体例を以下に示す。
「設計図書の照査ガイドライン(案)」(長崎県)より抜粋他
1.現地測量の結果、横断図を新たに作成する必要があるもの。又は縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの。
2.施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴う横断図の再作成が必要となるもの。ただし、当初横断図の推定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。
3.現地測量の結果、排水路計画を新たに作成する必要があるもの。又は土工の縦横断計画の見直しが必要となるもの。
4.構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。
5.構造物の載荷高さが変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。
6.現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの。(標準設計で修正可能なものであっても、照査の範囲をこえるものとして扱う)
7.構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算及び図面作成が必要となるもの。
8.基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算及び図面作成。
9.土留め等の構造計算において、現地条件や施工条件が異なる場合の構造計算及び図面作成。
10.「設計要領」「各種示方書」等との対比設計。
11.構造物の応力計算書の計算入力条件の確認や構造物の応力計算を伴う照査。
12.設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出。
13.舗装修繕工事の縦横断設計。(当初の設計図書において縦横断面図が示されており、その修正を行う場合とする。なお、設計図書で縦横断面図が示されておらず、長崎県建設工事共通仕様書
「16-4-3路面切削工」「16-4-5切削オーバーレイ工」「16-4-6オー バーレイ工」等に該当し、縦横断設計を行うものは、設計照査に含まれる)
設計の照査の範囲を超える作業が生じる場合のフロー図
受注者 発注者
設計の照査の範囲
を超える作業が
発注者の作業
生じる場合
受注者の作業
【設計図書の照査
ガイドライン(案)】
両者の作業
該当する事実が確認
できる資料を提出し、発注者に確認を要請
【契第18条第1項】
照査内容の確認
(Ⅳ-1)
P 9
設計図書の訂正・変更
(Ⅳ-4)
P18
【契第18条第2項】
【契第18条第3項】
【契第18条第4項】
設計変更の責任者(Ⅳ-5)
P20
【契第18条第4項】
工期・請負代金額の変更
(Ⅴ)
P27
【契第18条第5項】
【契第24条】
【契第25条】
工事着手
凡 例
Ⅳ.設計変更
1. 照査内容の確認
■照査内容の確認をする手段として、工事着工前、施工途中に必要に応じて三者会議を開催する。
構成員は、以下とする。
・発注者・受注者・設計者(コンサルタント)の三者
■三者会議を開催しない工事においては、発注者と受注者の間で協議を行い、適切に設計内容の確認を行う。
■三者会議及び受発注者注者間の協議では、
・設計意図や施工上の留意点等の確認
・設計図と現場の整合性の確認
・照査による質問への回答を行う。
■三者会議及び受発注者間の協議によって、設計図書の訂正・変更が生じるようであれば、その内容を確定し、その訂正・変更を行う責任者を明確にする。
■三者会議については、特記仕様書によるものとする。
2.設計変更が可能なケース
■設計変更が可能な以下のケースの具体的な事例及び設計変更フロー図を示す。
(1).xx原市建設工事請負契約書第18条
第1項に該当する
(2).発注者が変更を必要と認める
(3).工事を一時中止する必要がある
P11
P13
P15
・当初設計の考え方や設計条件を再確認して協議にあたる。
・当該工事での設計変更の必要性を明確にする。
・必要な指示等は書面で行う。
・変更指示は速やかに行う。(手戻り工事を避ける)
そ ご
・任意仮設において、当初積算時の条件と現地条件に齟齬
がある場合は、設計図書の訂正・変更ができる。
◆ 設計変更にあたっての留意点
(1).xx原市建設工事請負契約書第18条第1項に該当する
■『xx原市建設工事請負契約書第18条第1項第一号~第五号』に該当する具体例を以下に示す。
具体例
・設計書と図面で材料の規格が一致しない。 (第1項の一)
・条件明示する必要がある場合にも係わらず、土質や地下
水位に関する一切の条件明示がない。 (第1項の二)
・設計図書に示されている工法では、明示されている土質
に対応していない。 (第1項の二)
・土質柱状図は明示されているが、地下水位が不明確な場合
(第1項の三)
・使用する材料の規格(種類、強度等)が明確に示されて
いない。 (第1項の三)
・設計図書に明示された土質や地下水位が、現地条件と一
致しない。 (第1項の四)
・設計図書に明示された地盤高と工事現場の地盤高が、一
致しない。 (第1項の四)
・埋蔵文化財が発見され、調査が必要となった。(第1項の五)
・工事範囲の一部に軟弱な地盤があり、地盤改良が必要と
なった。 (第1項の五)
xx原市建設工事請負契約書第18条第1項に該当する場合の
フロー図
受注者 発注者
「契約書第18条第1項」
の第一号~第五号に
発注者の作業
該当する事実を発見
受注者の作業
【共1-1-3】
両者の作業
該当する事実が確認
できる資料を提出し、発注者に確認を要請
【契第18条第1項】
照査内容の確認
(Ⅳ-1)
P 9
設計図書の訂正・変更
(Ⅳ-4)
P18
【契第18条第2項】
【契第18条第3項】
【契第18条第4項】
設計変更の責任者(Ⅳ-5)
P20
【契第18条第4項】
工期・請負代金額の変更
(Ⅴ)
P27
【契第18条第5項】
【契第24条】
【契第25条】
工事着手
凡 例
(2).発注者が変更を必要と認める
■『xx原市建設工事請負契約書第19条』に示されるように、発注者は、工事の施工前、施工途中、必要と認められるときは、変更内容を受注者に通知して設計変更を行うことができる。以下にその具体例を示す。
具体例
・地元調整の結果、施工範囲、施工時間、施工期間を変更する。
・同時に施工する必要がある工種が判明し、その工種を追加する。
・警察・河川・鉄道等の管理者、電力・ガス等の事業者、消防署等との協議により、施工内容の変更、工事の追加をする。
・発注者が指示を行い、使用材料を変更する。
・関連する工事の影響により、施工条件が変わったため、施工内容を変更する。
・隣接工事との調整で交通誘導警備員の人数を変更する。
発注者が変更を必要と認める場合フロー図
受注者 発注者
発注者の作業受注者の作業両者の作業
凡 例
設計図書の変更が
必要と判断
照査内容の確認(内容の通知)
(Ⅳ-1)
P 9
設計変更の責任者 (Ⅳ-5)
P20
工期・請負代金額の変更
(Ⅴ)
P27
工事着手
【契第19条】
【契第18条第4項】
【契第18条第5項】
【契第24条】
【契第25条】
(3).工事を一時中止する必要がある
■受注者の責に帰することができないものにより、受注者が工事を施工できないと認められる場合、『xx原市建設工事請負契約書第20条』により、工事を一時中止させなければならない。
この場合において、設計変更を行う。以下にその具体例を示す。
具体例
・設計図書に工事着工の時期が定められていた場合、その期日までに受注者の責によらず着工できない場合。
・警察、河川、鉄道管理者等の管理者間協議が未了の場合。
・管理者間協議の結果、施工できない期間が設定された場合。
・受注者の責によらない何らかのトラブル(地元調整等)が生じた場合。
・設計図書に定められた期日までに詳細設計が未了のため、施工できない場合。
・予見できない事態が発生した(地中障害物の発見等)場合。
・工事用地等の確保が行われていない。(契約書16条参照)
工事を一時中止する必要がある場合フロー図
発注者の作業受注者の作業両者の作業
凡 例
受注者 発注者
受注者の責に帰することのできないものにより、工事を
施工できない
照査内容の確認
(Ⅳ-1)
P 9
工事中止期間中の
維持・管理に関する基本計画書を提出
【共1-1-17】
工事の一時中止の
「指示」
基本計画書の受理・確認
基本計画に基づく
現場の保全
工期・請負代金額の変更
(Ⅴ)
P27
工事着手
【契第20条第1項】
【契第20条第1項】
【契第18条第5項】
【契第24条】
【契第25条】
3.設計変更が不可能なケース
■施工途中において、下記のような場合においては、原則として設計変更ができない。
① .設計図書に条件明示のない事項において、発注者と「協議」を行わず、受注者が独自に判断して施工を実施した場合。
② .発注者と「協議」をしているが、協議の回答(指示)がない時点で施工を実施した場合。
③ .xx原市建設工事請負契約書・長崎県建設工事共通仕様書に定められている所定の手続きを経ていない場合。
『xx原市建設工事請負契約書第18条~25条、長崎県建設工事共通仕様書1-1-17~1-1-19』
④ .受注者自らの都合により、施工方法等について工事打合せ簿にて「承諾」を得て、施工した場合。
⑤ .当初の設計図書に従って施工しても支障がない場合。
(床堀で余裕幅を広く取って施工した場合等)
⑥ .任意仮設において、施工方法の変更の場合(ただし、
そ ご
現地条件に齟齬がある場合は除く)
4.設計図書の訂正・変更
■ 『xx原市建設工事請負契約書第18条第1項に該当する』場合は、
『契第18条第4項』に基づいて、設計図書の訂正か変更かを確定する。
■設計図書の変更の場合、『契第18条第2項,第3項』の所定の手続きを経て、設計図書の変更を行う。
xx原市建設工事請負契約書第18条第4項
一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し、設計図書を訂正する必要があるもの
→発注者が行う。
二 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で、工事目的物の変更を伴うもの
→発注者が行う。
三 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で、工事目的物の変更を伴なわないもの
→発注者と受発者とが協議して発注者が行う。
設計図書の訂正・変更フロー図
凡 例
発注者の作業受注者の作業
『契第18条第1項に該当する』に該当する
両者の作業
該当する内容のxx原市建設工事契約書第18条第1項の該当号は? 【契第18条第4項】
第一号~第三号
第四号~第五号
訂正 変更
発注者:調査の実施受注者:立会い
発注者:結果のとりまとめ受注者:意見
【契第18条第2項】
【契第18条第3項】
訂正の通知(協議終了後原則14日以内)
変更の通知
(調査終了後原則14日以内)
工事目的物の変更を伴うか
【契第18条第3項】
【契第18条第4項】
YES NO
受発注者で協議
「設計変更の責任者」による設計変更 (Ⅳ-5)
P20
5.設計変更の責任者
■設計図書の訂正・変更は、『xx原市建設工事請負契約書第18条第4項』のとおり、発注者が行わなければならない。
ただし、『協議(三者会議等)』により、以下のとおり責任者を明確にする。
(1).発注者の責による訂正・変更
(2).コンサルタント等の責による訂正・変更 (3).受注者による訂正・変更
P21
P23
P25
xx原市建設工事請負契約書第18条第4項
一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当
し、設計図書を訂正する必要があるもの
→発注者が行う。
二 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で、工事目的物の変更を伴うもの
→発注者が行う。
三 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で、工事目的物の変更を伴なわないもの
→発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
(1).発注者の責による訂正・変更
■設計図書の訂正・変更は、『 xx原市建設工事請負契約書第18条第4項』のとおり、発注者が行わなければならない。
■発注者は、受注者から提出される確認資料の活用、コンサルタントへの発注などにより、設計図書(設計図面、数量計算書、特記仕様書)の訂正・変更行う。
■発注者の責による変更で、以下の場合について、次項よりその変更作業内容を示す。なお、訂正については受注者から提出される確認資料をもとに、発注者が訂正する。
①.条件変更に伴う場合
②.新たな構造計算が必要になった場合
P22
P22
■確認資料とは、
・現地地形図
・設計図との対比図
・取り合い図
・施工図(協議用図面程度であり、変更設計図ではない)等
※(長崎県建設工事共通仕様書 1-1-3設計図書の照査等)
①. 条件変更に伴う場合
■ 『xx原市建設工事請負契約書第18条第1項(条件変更等)』に該当する変更の場合、受注者から提出される確認資料を活用して、発注者が作成することが基本である。
■受注者から提出される確認資料とは、現地地形図、設計書との対比図、取り合い図、施工図※1等である。
※1.施工図 :協議用図面程度であり、変更設計図書ではない。
②.新たな構造計算が必要になった場合
■新たに構造計算、線形等の設計が必要になった場合、発注者はコンサルタントへの発注などにより対応する。
■受注者は、必要に応じて土質資料、試験結果を提出する。
(2).コンサルタント等の責による訂正・変更
■ 設計成果物に「契約不適合」がある場合、『土木設計
(測量、調査)業務等委託契約書第45条(契約不適合)
』に示すとおり、設計・測量・調査業務受注者に対して相当の期間を定めて、その「契約不適合」の修補又は代替物の引渡しにより履行の追完を請求することができる。
「契約不適合」が想定される場合の変更設計図書の作成責任者
確定フロー図
設計成果物に「契約不適合」があると想定された場合
契約不適合と認められない
契約不適合と認められる
軽微又は重大な契約不適合か
NO
YES
責任期間3年以内か
責任期間10年以内か
NO
YES
NO
発注者の責による
訂正・変更
(発注者の費用負担で、受注者に実施させることができる)
発注者の責による
訂正・変更
(発注者の費用負担で、受注者に実施させることができる)
コンサルタント等に設計
図書の訂正・変更を要請
土木設計(測量、調査) 業務
等委託契約書第45条に基づく補修又は代替物の引渡しによる履行の追完請求
コンサルタント等の責による訂正・変更
(3).受注者による訂正・変更
■発注者の責による場合やコンサルタント等の責による場合で、契約不適合責任期間(軽微な契約不適合3年、重 大な契約不適合10年)を過ぎているときは、発注者の負担により設計図書訂正・変更を行わなければならない。
ただし、工事工程上やむを得ない場合は、発注者の費用負担で、当該工事施工業者(受注者)に訂正・変更を
実施させることができる。
6.設計変更に必要な資料作成を受注者に行わせる場合
「xx原市建設工事請負契約書」第18条第1項に基づき設計変更するために必要な資料の作成については、
「xx原市建設工事請負契約書」第18条第4項に基づき発注者が行うものであるが、受注者に行わせる場合は、以下の手続きによるものとする。
①設計照査に基づき設計変更が必要な内容については、受発注者間で確認する。
②設計変更するために必要な資料の作成について、受発注者間で協議し、合意を図った後、発注者が具体的な指示を書面で行うものとする。
③発注者は、受注者が作成した設計変更の資料を確認する。
④設計変更の資料作成については、契約変更の対象とする。
Ⅴ.工期・請負代金額の変更
設計図書の訂正または変更が行われた場合、『xx原市建設工事請負契約書第24条、25条』にもとづき、工 期・請負代金額の変更、または損害を及ぼしたときの必要な費用の負担は、発注者と受注者とが協議して定める。
■工期変更について
工期変更の対象であると確認された場合、『長崎県建設工事共通仕様書1-1-19』より受注者は、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付した工期変更の協議書を発注者へ提出し、協議を行い工期の変更を定める。
■請負代金額の変更について
発注者は、請負代金額の変更に加えて、必要な費用を負担しなければならない。必要な費用とは、設計図書の訂正・変更によって生じた、
①手戻り費用、または改造費 【契 第17条第1項】
②不要となった材料の売却損、労働者の帰郷費用
【契 第20条第3項】
③不要となった建設機械器具の損料及び回送費
【契 第20条第3項】
④不要となった仮設物に係る損失 【契 第20条第3項】
などの発注者の過失による損害賠償や予期できない施工条件の変更に伴い発生する受注者の費用の填補である。 発注者が負担する費用の額は、発注者と受注者とが協議
して定める。
また、変更見込金額が請負代金額の20%を超える場合においても、分離発注が著しく困難で、一体施工の必要性が
あるものについては、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金又は工期の変更を行うこととする。この場合において、特に、指示等で実施が決定し、施工 が進められているにも関わらず、変更見込金額が請負代金
額の20%を超えたことのみをもって設計変更に応じない、もしくは、設計変更に伴って必要と認められる請負代金の 額や工期の変更を行わないことはあってはならない。
■概算金額の明示
変更契約に先立ち、変更指示を行う場合において、請負代金額の変更が生じる場合は、発注者は増減額の概算金額を明示しなければならない。
■書面への概算金額の記載方法と考え方
1.概算金額の通知は工事打合せ簿で行う。
2.概算金額は、積算システムによる試算のほか、類似する他工事の事例や設計業務等の成果、協会資料及び受注者からの見積書(妥当性を確認したもの)などを参考に記載できる。
3.記載する概算金額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。
4.発注者が指示する場合において、受注者は概算金額の算定に必要な資料の作成に協力するものとする。
5.受注者が設計変更を協議する場合は、工事内訳書(見積書)及び概算金額の算定に必要な図面・数量計算・見積書等を添付し協議しなければならない。
6.発注者は必要な書類の提出があるまで概算金額を明示しない。
7.緊急的に指示を行う場合または何らかの理由により概 算金額の算定に時間を要する場合は、「後日通知」とすることができるが、可能な限り速やかに明示すること。
工事一時中止に係るガイドライン
工事一時中止の必要が生じた際の受発注者の対応をまと めた資料であり、ガイドラインに添った対応を行うこと。
■工事一時中止に係るガイドラインのポイント
増加費用の考え方の他、工事の一時中止に係わるフロー
や発注者の中止指示義務、基本計画書の作成、工期短縮計画書の作成等について記載。
Ⅵ.施工条件明示について
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」
第7条(発注者等の責務) 第7項
設計図書に適切に施工条件又は調査等の実施の条件を
明示するとともに、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に示されていない施工条件又は調査等の実施の条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期等の変更を行うこと。
■施工条件の明示は、発注者の「責務」である。
営繕工事 編
目次
Ⅰ.策定の背景 ・・・・・P1
1.策定の背景
2.策定の目的
3.その他(参考資料)
4.設計変更ガイドラインの契約図書への位置づけ
Ⅱ.用語の定義 ・・・・・P3
Ⅲ.設計変更に関する留意事項 ・・・・・P4
1.受注者の留意事項
2.発注者の留意事項
Ⅳ.設計変更フロー ・・・・・P6
1.設計変更手続きフロー(全体)
2.設計変更手続きフロー(18条関係)
Ⅴ.設計変更 ・・・・・P8
1.設計変更が可能なケース
2.設計変更が不可能なケース
Ⅵ.関連事項 ・・・・・P11
1.仮設・施工方法等の「指定」・「任意」について
2.設計図書の訂正・変更
Ⅶ.工期・請負代金額の変更 ・・・・・P13
Ⅷ.工事一時中止に係るガイドライン ・・・・・P15
Ⅸ.施工条件の明示 ・・・・・P16
Ⅰ.策定の背景
1.策定の背景
営繕工事では
■建築物は、不特定多数の利用者や施設管理者等の様々な要望を総合的に勘案し設計される一品受注生産として、多種多様な自然・社会・環境条件の下において生産(施工)されるという特殊性を有している。
■工事の進捗と共に、当初発注時に予見できない施工条件や環境の変化などが起こり得る。
■改正品確法の基本理念に請負契約の当事者が対等の立場における合意に基づいて「xxな契約を適正な額の請負契約代金で締結」することや「適切な設計変更」が発注者の責務と示されている。
以上のような背景があるため、設計変更の手続きを明確にし、円滑な請負契約を執行する必要がある。
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Ⅰ.策定の背景
2.策定の目的
■契約関係の適正化、責任の所在の明確化
■設計図書の変更手続きの円滑化
■契約関係の適正化により、必要とする工事目的物の品質の確保
3.その他(参考資料)
■本ガイドラインに記載のない部分については、下記を参考とする。
① 営繕工事請負契約における設計変更ガイドライン(案)
(平成27年5月 国土交通省官庁営繕部(令和2年6月一部改定))
② 営繕工事請負契約における設計変更ガイドラインQ&A
(平成27年10月 国土交通省官庁営繕部)
4.設計変更ガイドラインの契約図書への位置づけ
■契約の一事項として扱うこととし、特記仕様書へその旨記載する。
特記仕様書 記載例第〇条 設計変更等
設計変更等については、契約書第 18 条から第 25 条及び長崎県建設工事共通仕様書共通編 1-1-17 から 1-1-19 に記載しているところであるが、その具体的な考え方や手続きについては、「設計変更ガイドライン」及び「工事一時中止に係るガイドライン」によることとする。
Ⅱ.用語の定義
■「設計変更」とは、xx原市建設工事請負契約書(以下「契約書」という。)第18条又は第19条の規定により図面または仕様書を変更することとなる場合において、契約変更の手続きの前に当該変更の内容をあらかじめ発注者が受注者に指示することをいう。
「契約変更」とは、契約書第24条又は25条の規定により協議し、工期又は請負代金額の変更の契約を締結することをいう。
「書面」とは、発行年月日が記載され、署名又は捺印された文書をいう。
「承諾」とは、受注者が監督職員に対し、書面で申し出た事項について、監督職員が書面を持って了解することをいう。
「指示」とは、監督職員が受注者に対し、工事の施工上必要な事項を書面によって示すことをいう。
「協議」とは、協議事項について監督職員と受注者とが結論を得るために合議し、その結果を書面に残すことをいう。
Ⅲ.設計変更に関する留意事項
1.受注者の留意事項
■受注者は、契約書第18条第1項に該当する事項等を発見したときは、その事実が確認できる資料を書面により監督職員に通知し、確認を求める。
■受注者は、設計図書等に疑義が生じた際には監督職員との協議を行う。発注者は、協議内容によっては各種検討・関係機関調整が必要となるなど、受注者の意見を聴いたうえで回答までの期間をやむを得ず延長せざるを得ない場合もある。その為、受注者はその協議すべき事実が判明次第出来るだけ早い段階で協議を行うことが重要である。
■受注者は指示書・協議書等の書面による回答を得てから施工する。
■公共建築工事では、公開参考積算数量内訳書は『参考』として公表しており、契約図 書に含まれないため、契約図書と参考数量内訳書の相違は原則として設計変更の対象にはならない。
入札前の見積り時に入念に照査を行い、疑義がある場合は質疑書により入札前の解消に努めること。
Ⅲ.設計変更に関する留意事項
2.発注者の留意事項
■発注者は契約書第18条2項に基づく調査を行った場合、第3項によりその結果をとりまとめ調査の終了後14日以内に受注者に通知する。
■発注者は関係部局との調整後、速やかに書面による指示・協議等を行う。
(手戻り工事を避ける。)
■当初設計の考え方や設計条件を再確認して、設計変更の「協議」にあたる。
■当該事業工事における設計変更の必要性を明確にする。
(規格の妥当性、変更対応の妥当性を明確にする。)
■変更見込金額が請負代金額の20%を超える工事は、見積合せにより変更額を決定する。
■設計変更に伴う契約変更の手続きは、原則その必要が生じた都度、遅滞なく行うものとする。ただし受発注者間の協議により各会計年度の末及び工期の末に行うことができるものとする。
■一つの工事現場において、複数の契約に基づく工事が実施される場合には、一工事の設計変更を行う際には、関連するその他の工事の設計変更についても検討する。
Ⅳ.設計変更フロー
1.設計変更手続きフロー(全体)
請負工事の契約成立
【19条】
設計図書の変更に伴うもの(発注者が設計図書の変更
を必要と認めた時)
【20条】
工事中止に伴うもの
【18条】
条件変更等に伴うもの
必要な場合
必要な場合
設計図書の変更
「工事一時中止に係るガイドライン」
(xx原市)による
調査、協議等
(※P7)
①
②
発注者が契約用の
設計図書を作成
【 24条・ 25条】
発注者と受注者の協議
①工期の変更
②請負代金額の変更
契約締結
(協議の成立)
※各フロー内条項はxx原市建設工事請負契約書による。
Ⅳ.設計変更手続きフロー
2.設計変更手続きフロー(18条関係)
【 18条第1項】
一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと
(これらの 優先順位が定められている場合を除く。)二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と 実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
18条第1項第4号、5号に該当し、工事目的物の変更が伴うもの
※各フロー内条項は
南島原市建設工事請負契約書による。
Ⅴ.設計変更
1.設計変更が可能なケース
■契約書第18条(条件変更等)に該当
設計図書に誤謬又は脱漏がある場合(第18条第1項第2号)
例)・工事施工上必要な材料名について、図面ごとに一致しない場合。
・建築、電気設備及び機械設備の各分野の設計内容が互いに整合していない場合。
設計図書の表示が明確でない場合(第18条第1項第3号)例)・図面の記載内容が読み取れない場合。
設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合
(第18条第1項第4号)
例)・設計図書に明示された想定支持地盤と実際の工事現場が大きく異なる事実が判明した場合。
・施工中に設計図書に示されていない石綿含有建材を発見し、調査及び撤去が必要となった場合。
・設計図書に明示された配管・配線等と実際の工事現場における配管・配線等が大きく異なる事実が判明した場合。
設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じた場合(第18条第1項第5号)
例)・施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合。
・施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合。
Ⅴ.設計変更
■契約書第19条(設計図書の変更)に該当
発注者が必要と認め、設計図書を変更する場合。
例) ・関係機関等調整の結果、施工範囲、施工時間、施工期間、施工内容を変更する場合。
・同時に施工する必要がある工種が判明し、その工種を追加する場合。
・警察・河川・鉄道等の管理者、電力・ガス・水道等の事業者、消防署等との協議により、施工内容の変更、工事の追加をする場合。
・発注者が指示を行い、使用材料を変更する場合。
・関連する工事の影響により、施工条件が変わったため、施工内容を変更する場合。
■契約書第20条(工事の中止)に該当
例)・設計図書に工事着工の時期が定められていた場合、その期日までに受注者の責めによらず着工できない場合。
・受注者の責めによらない何らかのトラブル(関係者との調整等)が生じた場合。
・予見できない事態が発生した(地中障害物の発見等)場合。
受注者の責めに帰することができない自然的又は人為的事象により 、受注者が工事を施工できないと認められる場合。
Ⅴ.設計変更
2.設計変更が不可能なケース
■施工途中において、下記のような場合においては、原則として設計変更ができない。
(ただし契約書第27条(臨機の措置)での対応の場合はこの限りではない。)
例) ・設計図書に定めのない事項において、発注者と「協議」を行わない又は発注者からの「指示」等の通知がない状況で、受注者が独自に判断して施工を実施した場合。
・契約書第18条~25条、公共建築工事標準仕様書1.1.8~1.1.10 に定められている所定の手続きを経ていない場合。
・公共建築工事標準仕様書の各章に規定されている監督職員の承諾、指示、協議等(書面によることを原則とする)を踏まえないで施工を実施した場合。
・受注者自らの都合により、施工方法等について工事打合せ簿にて「承諾」を得て、施工した場合。
・任意仮設において、施工方法を変更する場合。
(ただし、現地条件に齟齬がある場合を除く)
・当初の設計図書に従って施工しても支障がない場合。
(床掘で余幅を広く取って施工した場合等)
Ⅵ.関連事項
1.仮設・ 施工方法等の「指定」 ・ 「任意」 について
■「自主施工の原則」(契約書第1条第3項を参照)
仮設・施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、 その責任の所在を明らかにする必要から、原則として受注者が定めるものとされている。これは「自主施工の原則」 とも言われている。
■「指定」
工事目的物を施工するための施工条件として仮設・施工方法等を発注者が予め決定する必要がある場合に、設計図書に条件として明示した仮設・施工方法等は「指定」という。
■「任意」
工事目的物を施工するための仮設・施工方法等は「自主施工の原則」により、受注者の責任で実施しなければならない。
「指定以外」は、「任意」という。
【 「指定」・「任意」の考え方】
設計図書における明示 | 仮設・施工方法等の変更 | 仮設・施工方法等の変更がある場合の設計 | 変更設計図書に示され た施工条件の変更に伴う設計変更 | |
「指定」 | 仮設・施工方法等について具体的に明示 | 変更するには発注者の指示が必要 | 設計変更の対象となる | 設計変更の対象となる |
「任意」 | 仮設・施工方法等について明示しない (※1) | 変更にあたっては発注者の指示は必要ない (施工計画書等の修正は必要) | 設計変更の対象とならない | 設計変更の対象となる |
※1 応札者に対する参考として、発注者が積算で想定した仮設・施工方法等を「参考図」として示すことがある。参考図で示した内容は「任意」であり、実際の施工においては、受注者を拘束するものではない。ただし、参考図等で示した内容と施工内容が大幅に異なる場合は協議の対象となる場合がある。
Ⅵ.関連事項
2.設計図書の訂正・変更
■発注者は、受注者から提出される確認資料の活用、設計者への発注などにより、設計図書(設計図面、数量計算書、特記仕様書)の訂正・変更を行う。
■確認資料とは、
・ 設計図との対比図
・ 取り合い図
・施工図(協議用図面であり変更設計図でない)等
■設計変更に必要な資料作成を受注者に行わせる場合
受注者に行わせる場合は、以下の手続きによるものとする。
①設計変更が必要な内容については、受発注者間で確認する。
②設計変更するために必要な資料の作成について、受発注者間で協議し、合意を図った後、発注者が具体的な指示を書面で行うものとする。
③発注者は、受注者が作成した設計変更の資料を確認する。
Ⅶ.工期・請負代金額の変更
設計図書の訂正または変更が行われた場合、契約書第24条、25条にもとづき、工期・請負代金額の変更、または損害を及ぼしたときの必要な費用の負担は発注者と受注者とが協議して定める。
■工期変更について
工期変更の対象であると確認された場合、受注者は公共建築工事標準仕様書1-
1-10 により、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付した工期変更の協議書を発注者へ提出し、協議を行い工期の変更を定める。
■請負代金額の変更について
発注者は、請負代金額の変更に加えて、必要な費用を負担しなければならない。必要な費用とは、設計図書の訂正・変更によって生じた、
①手戻り費用、または改造費 【契 第17条第1項】
②不要となった材料の売却損、労働者の帰郷費用 【契 第20条第3項】
③不要となった建設機械器具の損料及び回送費 【契 第20条第3項】
➃不要となった仮設物にかかる損失 【契 第20条第3項】
などの発注者の過失による損害賠償や予期できない施工条件の変更に伴い発生する受注者の費用の填補である。発注者が負担する費用の額は、発注者と受注者とが協議して定める。
Ⅶ.工期・請負代金額の変更
■概算金額の明示
変更契約に先立ち、変更指示等を行う場合において、請負代金額の変更が生じる場合は、発注者は増減額の概算金額を明示しなければならない。
■書面への概算金額の記載方法と考え方
1.概算金額の通知は工事打合せ簿で行う。
2.概算金額を試算する場合に、類似する他工事の事例や設計業務等の成果、協会資料及び受注者からの見積書(妥当性を確認したもの)などを参考に記載でき る。
3.記載する概算金額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。
4.発注者が指示等をする場合において、受注者は概算金額の算定に必要な資料の作成に協力するものとする。
5.受注者が設計変更を協議する場合は、工事内訳書(見積書)及び概算金額の算定に必要な図面・数量計算・見積書等を添付し協議しなければならない。
6.発注者は必要な書類の提出があるまで概算金額を明示しない。
7.緊急的に指示を行う場合または何らかの理由により概算金額の算定に時間を要する場合は、「後日通知」 とすることができるが、可能な限り速やかに明示すること。
Ⅷ.工事一時中止に係るガイドライン
工事一時中止の必要性が生じた際の受発注者の対応をまとめた資料であり、ガイドラインに添った対応を行うこと。
■工事一時中止ガイドラインのポイント
増加費用の考え方の他、工事の一時中止に係るフローや発注者の中止指示義務、基本計画書の作成等について記載。
Ⅸ.施工条件明示について
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」第7条(発注者等の責務)第7項
設計図書に適切に施工条件又は調査等の実施の条件を明示するとともに、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に示されていない施工条件又は調査等の実施の条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期等の変更を行うこと。
■施工条件の明示は、発注者の「責務」 である。