調達管理番号:24a00332
公示
独立行政法人国際協力機構契約事務取扱細則(平成15年細則(調)第8号)(以下「細則」という。)に基づき下記のとおり公示します。
2024年6月19日
独立行政法人国際協力機構
契約担当役 理事
記
1. 公示件名:東南アジア(広域)メコン地域連結性強化のための税 関効率性強化プロジェクト
2. 競争に付する事項:企画競争説明書第1章1.のとおり
3. 競争参加資格:企画競争説明書第1章3.のとおり
4. 契約条項:
「事業実施・支援業務用」契約約款及び契約書様式を参照
5. プロポーザル及び見積書の提出:
企画競争説明書第1章2.及び6.のとおり
6. その他:企画競争説明書のとおり
企画競争説明書
業 務 名 称:東南アジア(広域)メコン地域連結性強化のための税 関効率性強化プロジェクト
調達管理番号:24a00332
【内容構成】
第1章 企画競争の手続き第2章 特記仕様書案
第3章 プロポーザル作成に係る留意事項
本説明書は、「独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)」が民間コンサルタント等に実施を委託しようとする業務について、当該業務の内容及び委託先を選定する方法
(企画競争)について説明したものです。
企画競争とは、競争参加者が提出するプロポーザルに基づき、その企画、技術の提案、競争参加者の能力等を総合的に評価することにより、JICA にとって最も有利な契約相手方を選定する方法です。競争参加者には、この説明書及び貸与された資料に基づき、本件業務に係るプロポーザル及び見積書の提出を求めます。
なお、本説明書の第2章「特記仕様書案」、第3章2.「業務実施上の条件」は、プロポーザルを作成するにあたっての基本的な内容を示したものですので、競争参加者がその一部を補足、改善又は修補し、プロポーザルを提出することを妨げるものではありません。プロポーザルの提案内容については、最終的に契約交渉権者と行う契約交渉において、協議するものとし、最終的に契約書の付属として合意される「特記仕様書」を作成するものとします。
調達・派遣改革の各種施策が導入された2023年10月版となりますので、変更点にご注意ください。
2024年6月19日
独立行政法人国際協力機構調達・派遣業務部
第1章 企画競争の手続き
1. 競争に付する事項
(1)業務名称:東南アジア(広域)メコン地域連結性強化のための税関効率性強化プロジェクト
(2)業務内容:「第2章 特記仕様書案」のとおり
(3)適用される契約約款:
(〇)「事業実施・支援業務用」契約約款を適用します。これに伴い、契約で規定される業務(役務)が国外で提供される契約、すなわち国外取引として整理し、消費税不課税取引としますので、最終見積書においても、消費税は加算せずに積算してください。(全費目不課税)
(4)契約履行期間(予定):2024年8月 ~ 2027年12月
先方政府側の都合等により、本企画競争説明書に記載の現地業務時期、契約履行期間、業務内容が変更となる場合も考えられます。これらにつきましては契約交渉時に協議のうえ決定します。
(5)前金払の制限
本契約については、契約履行期間が12ヶ月を超えますので、前金払の上限額を制限します。
具体的には、前金払については1年毎に分割して請求を認めることとし、それぞれの上限を以下のとおりとする予定です。なお、これは、上記(4)の契約履行期間を想定したものであり、契約履行期間が異なる場合等の限度額等につきましては、契約交渉の場で確認させていただきます。
1)第1回(契約締結後):契約金額の11%を限度とする。
2)第2回(契約締結後13ヶ月以降):契約金額の11%を限度とする。
3)第3回(契約締結後25ヶ月以降):契約金額の11%を限度とする。
4)第4回(契約締結後37ヶ月以降):契約金額の7%を限度とする。
(6)部分払いの設定1
本契約については、以下の時期での部分払を含めて部分払いを計画します。
1)2024 年度末(2025 年 3 月頃)
2)2025 年度末(2026 年 3 月頃)
1 各年度の進捗に伴う経費計上処理のため、実施済事業分に相当した支払を年度ごとに行う必要があります。
2.担当部署・日程等
(1)選定手続き窓口
調達・派遣業務部 契約第一課
担当者メールアドレス:Xxxxxxxxx.Xxxxx@xxxx.xx.xx
(2)事業実施担当部
ガバナンス・平和構築部 ガバナンスグループ 行財政・金融チーム
(3)日程
本案件の日程は以下の通りです。
№ | 項目 | 期限日時 |
1 | 配付依頼受付期限 | 2024年6月25日 12時 |
2 | 企画競争説明書に対する質問 | 2024年6月26日 12時 |
3 | 質問への回答 | 2024年7月1日 |
4 | プロポーザル等の提出用フォルダ作成依頼 | プロポーザル等の提出期限日の 4営業日前から1営業日前の正午まで |
5 | 本見積書及び別見積書、プロポーザル等の提出期限日 | 2024年7月5日 12時 |
6 | プレゼンテーション | 行いません。 |
7 | 評価結果の通知日 | 2024年7月17日 |
8 | 技術評価説明の申込日 (順位が第1位の者を除く) | 評価結果の通知メールの送付日の翌日から起算して7営業日以内 (申込先: xxxxx://xxxxx.xxxxxx.xxx/x/0XXxX00XXX) ※2023年7月公示から変更となりました。 |
3. 競争参加資格
(1)各種資格の確認
以下については「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン
(2024 年 4 月)」を参照してください。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/00000000.xxxx)
1) 消極的資格制限
2) 積極的資格要件
3) 競争参加資格要件の確認
(2)利益相反の排除
以下に掲げる者については、競争への参加を認めません。特定の排除者はありません。
(3)共同企業体の結成の可否
共同企業体の結成を認めます。ただし、業務xx者は、共同企業体の代表者の者とします。
なお、共同企業体の構成員(代表者を除く。)については、上記(1)の2)に規定する競争参加資格要件のうち、1)全省庁統一資格、及び2)日本登記法人は求めません(契約交渉に際して、法人登記等を確認することがあります)
共同企業体を結成する場合は、共同企業体結成届(様式はありません。)を作成し、プロポーザルに添付してください。結成届には、代表者及び構成員の全ての社の代表者印又は社印は省略可とします。また、共同企業体構成員との再委託契約は認めません。
4. 資料の配付依頼
資料の配付について希望される方は、下記 JICA ウェブサイト「業務実施契約の公示にかかる説明書等の受領方法及び競争参加資格確認申請書・プロポーザル・見積書等の電子提出方法(2023 年 3 月 24 日版)」に示される手順に則り依頼ください(依頼期限は「第1章 企画競争の手続き」の「2.(3)日程」参照)。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)
・第3章 技術提案書作成要領に記載の配付資料
・「独立行政法人国際協力機構 サイバーセキュリティ対策に関する規程」及び「サイバーセキュリティ対策実施細則」
「独立行政法人国際協力機構 サイバーセキュリティ対策に関する規程」及び「サイバーセキュリティ対策実施細則」については、プロポーザル提出辞退後もしくは失注後、受注した場合は履行期間終了時に速やかに廃棄することを求めます。
5. 企画競争説明書に対する質問
(1)質問提出期限
1)提出期限:上記2.(3)参照
2)提出先 :上記2.(1)選定手続き窓口宛、
CC: 担当メールアドレス
3)提出方法:電子メール
①件名:「【質問】調達管理番号_案件名」
②添付データ:「質問書フォーマット」(JICA 指定様式)
注1) 質問は「質問書フォーマット」(JICA 指定様式)に記入し電子メールに添付して送付してください。本様式を使用されない場合は、回答を掲載しない可能性があります。JICA 指定様式は下記(2)の URL に記載されている「公示共通資料」を参照してください。
注2) xx性・xx性確保の観点から、電話及び口頭でのご質問は、お断りしています。
(2)質問への回答
上記2.(3)日程の期日までに以下のJICA ウェブサイト上に掲示します。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)
6. プロポーザル等の提出
(1)提出期限:上記2.(3)参照
(2)提出方法
具体的な提出方法は、JICAウェブサイト「業務実施契約の公示にかかる説明書等の受領方法及び競争参加資格確認申請書・プロポーザル・見積書等の電子提出方法(2023年3月24日版)」をご参照ください。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)
1) プロポーザル・見積書
① 電子データ(PDF)での提出とします。
② 上記2.(3)にある期限日時までに、プロポーザル提出用フォルダ作成依頼メールをe-koji@jica.go.jpへ送付願います。
③ 依頼メール件名:「提出用フォルダ作成依頼_(調達管理番号)_(法人名)」)
④ 依頼メールが1営業日前の正午までに送付されない場合はプロポーザルの提出ができなくなりますので、ご注意ください。
⑤ プロポーザル等はパスワードを付けずにGIGAPOD内のフォルダに格納く
ださい。
⑥ 本見積書と別見積書はGIGAPOD内のフォルダに格納せず、PDF にパスワ ードを設定し、別途メールでe-koji@jica.go.jpへ送付ください。なお、xxxxxは、JICA調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
(3)提出先
1)プロポーザル
「JICA 調達・派遣業務部より送付された格納先 URL」
2)見積書(本見積書及び別見積書)
② 件名:(調達管理番号)_(法人名)_見積書
〔例:24a00332_○○株式会社_見積書〕
③ 本文:特段の指定なし
④ 添付ファイル:「24a00332_○○株式会社_見積書」
⑤ 見積書のPDFにパスワードを設定してください。なお、xxxxxは、JICA調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
⑥ 評価点の差が僅少で価格点を計算する場合、もしくは評価結果順位が第一位になる見込みの場合のみ、パスワード送付を依頼します。
⑦ 別見積については、「第3章4.(3)別見積について」のうち、1)の経費と2)~3)の上限額や定額を超える別見積りが区別できるようにしてください(ファイルを分ける、もしくは、同じファイルでも区別がつくようにしていただくようお願いします)。
3)別提案書(第3章4.(2)に示す上限額を超える提案)がある場合 GIGAPOD 内のフォルダに格納せず、パスワードを設定したPDF ファイルと し、上記2.(3)の提出期限までに、xxxxxxx-xxxx@xxxx.xx.xx へ送付ください。なお、xxxxxは、JICA 調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
(4)提出書類
1)プロポーザル・見積書
2)別提案書(第3章4.(2)に示す上限額を超える提案がある場合)
7. 契約交渉権者決定の方法
提出されたプロポーザルは、別紙の「プロポーザル評価配点表」に示す評価項目及
びその配点に基づき評価(技術評価)を行います。評価の具体的な基準や評価に当たっての視点については、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」より以下を参照してください。
① 別添資料1「プロポーザル評価の基準」
② 別添資料2「コンサルタント等契約におけるプロポーザル評価の視点」
③ 別添資料3「業務管理グループ制度と若手育成加点」
技術評価点が基準点(100 点満点中 60 点)を下回る場合には不合格となります。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/00000000.xxxx)
また、第3章4.(2)に示す上限額を超える提案については、プロポーザルには含めず(プロポーザルに記載されている提案は上限額内とみなします)、別提案・別見積としてプロポーザル提出日に併せて提出してください。この別提案・別見積は評価に含めません。契約交渉順位1位になった場合に、契約交渉時に別提案・別見積を開封し、契約交渉にて契約に含めるか否かを協議します。
(1)評価配点表以外の加点について
評価で60点以上の評価を得たプロポーザルを対象に、以下の2点について、加点・斟酌されます。
1)業務管理グループ制度及び若手育成加点
本案件においては、業務管理グループ(副業務xx者 1 名の配置)としてシニア(46 歳以上)と若手(35~45 歳)が組んで応募する場合(どちらが業務xx者でも可)、一律2点の加点(若手育成加点)を行います。
2)価格点
各プロポーザル提出者の評価点(若手育成加点有の場合は加点後の評価点)について第1位と第2位以下との差が僅少である場合に限り、提出された見積価格を加味して契約交渉権者を決定します。
8. 評価結果の通知と公表
評価結果(順位)及び契約交渉権者を上記2.(3)日程の期日までにプロポーザルに記載されている電子メールアドレス宛にて各競争参加者に通知します。
9. フィードバックのお願いについて
JICAでは、公示内容の更なる質の向上を目的として、競争参加いただいたコンサルタントの皆様からフィードバックをいただきたいと考えています。つきましては、お
手数ですが、ご意見、コメント等をいただけますと幸いです。具体的には、選定結果通知時に、入力用Formsをご連絡させていただきますので、そちらへの入力をお願いします。
第2章 特記仕様書案
【1】本業務に係るプロポーザル作成上の留意点
不明・不明瞭な事項はプロポーザル提出期限日までの質問・回答にて明確にします。プロポーザルに一般的に記載されるべき事項、実施上の条件は「第3章 プロポー
ザル作成に係る留意事項」を参照してください。
1.企画・提案を求める水準
⮚ 応募者は、本特記仕様書(案)に基づき、発注者が相手国実施機関と討議議事録(以下、「R/D」)で設定したプロジェクトの目標、成果、主な活動に対して、 効果的かつ効率的な実施方法及び作業工程を考案し、プロポーザルにて提案してください。
プロポーザル作成にあたっては、本特記仕様書(案)に加えて、基本計画策定調査結果資料等の関連資料を参照してください。
⮚ タイ事業は最終的な R/D の署名手続きを進めている段階です。下記【2】特記仕様書案には現段階でのプロジェクト内容を記載していますので、プロポーザルではタイ事業に関する業務も含めた3か国の業務について提案ください(タイ事業に関する提案内容もプロポーザル評価の対象となります)。また、タイ事業に係る見積もりの取扱いについては、「第3章4.(2)上限額」に、カンボジア事業とラオス事業を合わせた上限額と、タイ事業に係る上限額を分けて示しています。
本業務に係る契約締結時までにタイ事業の R/D が署名された場合には 3 か国の業務を含めて契約を行います。他方、仮にタイ事業の R/D が未署名の場合には、タイ事業に係る業務及び経費は契約に含まず、R/D が署名され次第、タイ事業に係る上限額の範囲内で契約締結後に増額の変更契約を行います。そのため、プロポーザル提出時はカンボジア及びラオス事業に係る見積を 3か国全体の見積から切出してご提出ください(タイ事業にかかる見積提出は不要です)。なお、R/D の協議の結果、プロジェクト内容に変更がある場合にはその変更点を示し、変更点を踏まえた提案及び本見積を提出いただき、精査の上、契約変更することとします。
2.プロポーザルで特に具体的な提案を求める内容
⮚ 本業務において、特に以下の事項について、コンサルタントの知見と経験に基づき、第3章1.(2)「2)業務実施の方法」にて指定した記載分量の範囲で、次のリストの項目について、具体的な提案を行ってください。詳細につい
ては本特記仕様書(案)を参照してください。
№ | 提案を求める事項 | 特記仕様書(案)での該当条項 |
1 | 対象国境の診断調査における調査対象機関・ヒアリング内容 (※本案件での技術協力対象先は税関のみを想定しますが、将来的な国境通関全体の改善に向けて、税関及び国境関連機関との連携強化も見据えた課題特定、提言に繋がるよう調査対象機関・ヒアリング内容のご検討をお願いいた します) | 第3条2.(5) |
3.その他の留意点
⮚ プロポーザルにおいては、本特記仕様書(案)の記載内容と異なる内容の提案も認めます。プロポーザルにおいて代替案として提案することを明記し、併せてその優位性/メリットについての説明を必ず記述してください。
⮚ 現地リソースの活用が現地業務の効率的、合理的な実施に資すると判断される場合には、業務従事者との役割分担を踏まえた必要性と配置計画を含む業務計画を、プロポーザルにて記載して下さい。現行のコンサルタント等契約制度において、現地リソースの活用としては以下の方法が採用可能です。
① 特殊傭人費(一般業務費)での傭上。
② 直接人件費を用いた、業務従事者としての配置(個人。法人に所属する個人も含む)(第3章「2.業務実施上の条件」参照)。
③ 共同企業体構成員としての構成(法人)(第1章「5.競争参加資格」参照)。
⮚ 現地再委託することにより業務の効率、精度、質等が向上すると考えられる場合、当該業務について経験・知見を豊富に有する機関・コンサルタント・NGOに再委託して実施することを認める場合があります。本特記仕様書(案)記載の項目・規模を超えて現地再委託にて実施することが望ましいと考える業務がある場合、理由を付してプロポーザルにて提案してください。
【2】特記仕様書(案)
(契約交渉相手方のプロポーザル内容を踏まえて、契約交渉に基づき、最終的な「特記仕様書」を作成します。)
第1条 業務の目的
「第2条 業務の背景」に記載する技術協力事業について、「第3条 実施方針及び留意事項」を踏まえ、「第4条 業務の内容」に記載される活動の実施により、相手国政府関係機関等と協働して、期待される成果を発現し、プロジェクト目標達成に資することを目的とする。
第2条 業務の背景
別紙「案件概要表」のとおり。
∙ 基本計画策定調査実施時期:2024 年 1‐2 月
∙ RD 署名:
⮚ カンボジア:2024 年 3 月 27 日
⮚ タイ:2024 年 6 月(予定)
⮚ ラオス:2024 年 4 月 9 日
第3条 実施方針及び留意事項
1.共通留意事項
別紙「共通留意事項」のとおり。
2.本業務に係る実施方針及び留意事項
本事業は、プロジェクト開始直後から本格的に開始するのではなく、詳細計画策定フェーズを経て、本格活動を開始する予定。
詳細計画策定フェーズ:2024年8月~2025年2月詳細計画策定調査(XXXXが実施):2025年2月本格活動フェーズ:2025年3月~2027年12月
(1) 案件の中での本業務の位置づけとスコープ
本事業は、カンボジア、タイ、ラオスの3か国において各国個別の技術協力プロジェクトとして採択されたものを、共通の上位目標とプロジェクト目標を設定し、広域プロジェクトとして実施するものである。このうち受注者は、同プロジェク トで規定している3つの成果のうち、成果1(カンボジア・ラオス:パイロット国境における通関手続き合理化に向けた二国間協議体制が強化される、タイ:メコン地域及びASEANの背景に則して、貿易円滑化のための能力が向上する)を担当する。
成果1は、3か国の税関を主たるカウンターパート機関と設定し、特にタイ・ラオス間、タイ・カンボジア間の国境から1か所ずつ、計2か所をパイロット国境として選定のうえ、同国境を対象として実施する。本プロジェクトにより、国境における税関職員の能力強化及び隣国との協力関係の構築を通して、本事業の上位目標である「メコン地域において税関の連結性が強化され、貿易円滑化が促進さ
れる」に大きく資するコンポーネントとなる。
なお、長期専門家が担当する成果2及び成果3は、広域案件としての統一的な骨格は保ちつつも、対象国税関の状況を踏まえて主に各国別の活動で構成される。
(2) 3 か国の成果・活動の差異に留意した活動実施
成果1の実施にあたり、第4条2(1)に示すように3か国間の成果目標及び活動内容に違いが生じている点に留意する必要がある。共通する活動となる「対象国境での診断調査の実施」以外では、カンボジア・ラオスには「税関を対象とする国/国境レベルでの二国間協力体制を構築/強化」、タイには「国境職員への研修実施(カンボジアやラオスとの合同研修含む)」にかかる活動が含まれている。タイが他2か国と異なるのは、タイの実施機関であるタイ税関のプロジェクト
実施責任部局が研修実施部局であるタイ税関研修所(Customs Academy)となり、成果1において二国間協力体制を構築/強化を活動として明示するのではなく、 Customs Academyの所掌範囲内で隣国と合同での研修実施を掲げることとなった経緯による。
本協力による合同研修の実施は、実質的に二国間協力体制を強化することに繋がるため、タイ税関側との共通認識の形成を含め、本事業での活動を通じて二国間協力体制を構築/強化の重要性について留意の上、各実施機関カウンターパートの理解深耕を図る活動を推進すること。
なお、上記は現段階の整理であり、詳細計画策定フェーズを経て、タイ側の実施体制を見極めながら、活動の修正も含めて今後調整する予定。
(3) 長期専門家との連携・分担と本業務(成果 1)の実施体制
本プロジェクトは、長期専門家とコンサルタント専門家(受注者)を配置して実施する。税関行政のバックグラウンドを有する3名の長期専門家は、各国におけるチーフアドバイザーとしてプロジェクト目標達成にむけた日本側総括責任者となり、プロジェクト全体の活動を総括するとともに、成果2及び成果3の活動を主導する。
受注者は成果1を担当し、成果1の達成にかかる責任は受注者に帰するものとするが、活動実施においては長期専門家と密に調整・連携の上、効率的な業務を実 施すること。特に、関連する会合・ワークショップ・研修等は企画段階から長期専門家と調整し進めることとする。なお、成果1に関する会合・ワークショップ・研修等に係るロジ調整は受注者が行う2。長期専門家の協力がないと難しい面談調整等のみ協力を長期専門家へ依頼すること。
また、報告書等の作成にあたっては、ドラフト段階より適宜長期専門家へドラ フトを共有のうえ、確認・コメントを求めること。
なお、受注者の業務は、各国税関の関係部署の職員で構成されるワーキンググループ(WG)と共同で実施する。WGチーム設立に関して、各国と署名・交換したR/D上で合意しているが、受注者は各国税関における成果1のWGの立上げを支援すること。
また、JCCなどのプロジェクト運営にかかる会議には受注者も参加し(支障がない場合オンライン参加も可)、成果1の観点から貢献する。なお、JCCについて
2 成果2及び3にかかる会合・ワークショップ・研修のロジ調整は長期専門家が行う。
は、各国ごとに年に1回の開催を想定しているが、開催・運営に係る調整は実施機関及び長期専門家が主導する予定。
加えて、詳細計画におけるPDM・POの策定、モニタリングシートや事業完了報告書について、長期専門家が取りまとめを行うが、受注者が成果1部分の原案の作 成を担当する。
(4) 対象となる国境
基本計画策定調査で各国税関から合意を得た対象国境候補は以下の3国境となるが、プロジェクト開始後、正式なプロセスを経て、最終的に2国境(カンボジア
/タイで1国境、タイ/ラオスで1国境)に絞り込む予定。現段階ではカンボジア/タイ国境は①でほぼ決定であり、タイ/ラオス国境においては、②または③のいずれかとなる。
国境選定のプロセスは、JICA及び財務省関税局の合同調査(2024年6月実施予定)を踏まえ各国との調整を進め、2025年2月に予定されている詳細計画策定調査時に各国カウンターパート機関との正式合意を得る想定。従って、2025年2月以前の活動は、下記3国境に関する詳細計画策定フェーズに向けた調査を想定する。但し、2024年6月調査を踏まえて仮に有力候補を2国境にほぼ絞り込める場合は、同有力2国境のみに調査対象も絞り込む可能性あり。
① Stung Bot(カンボジア)- Ban Nong Ian(タイ)/Poipet(カンボジア)- Ban Klong Luk(タイ)3
② Mukdahan(タイ)- Savannakhet(ラオス)
③ Nongkhai(タイ)- Thanaleng(ラオス)
(5) 想定される調査対象機関
国境での越境にかかる手続きは、税関のみならず、出入国管理や検疫などの様々な政府機関が所管しており、連結性強化のためにはそれら機関間の連携・調整が必須である。そのため、本調査では輸出入にかかるライセンス取得の手続きや検疫・出入国管理等に関連する他の関連機関(省庁)に対してもヒアリングを実施すること。なお、プロジェクト実施機関である税関当局以外の機関に対するヒアリング調査実施にあたっては、各国税関及び長期専門家より、包括的な事前了承を取り付けておくこと4。
また、国境を利用するユーザー側の視点から課題を整理することも必要であるため、通関業者・運送業者等の民間企業もヒアリング対象とし、現在の通関手続き及び輸出入手続きに対する実情を把握することとする。なお、日系企業からの聞き取りに関しては、各国に設置されている日本人商工会議所を通して協力を依頼すること5。日本人商工会議所及び日系企業との接触情報については、長期専門家
3 本国境は、現在Stung Bot(カンボジア)- Ban Nong Ian(タイ)に新しい施設を建設中であり、 Poipet(カンボジア)- Ban Klong Luk(タイ)からの移行期にあるものであるが、基本的には同じ場所のため、1国境と見做す。
4 ヒアリング先に対しては、受注者にレター案を準備いただいたうえで、JICA本部ないし各国のJICA事務所よりヒアリング協力依頼のレター発出を行う予定。
5 各国の日本人商工会議所に対しては、各国事務所より本事業に係る概要説明、ヒアリング等への協力依頼は本事業開始前に行っておく予定。
及びJICA現地事務所と随時共有すること。6
(6) ASEAN、メコン地域における貿易円滑化関連協定の進捗状況の把握
本事業の対象国を含むASEAN諸国は、ASEAN Blue Print(2020/2025)下の ASEAN物品貿易協定(ATIGA)に署名しており、本協定に含まれているASEANシングルウィンドウ(ASW)、ASEAN税関トランジットシステム(ACTS)、ASEAN認定事業者制度(AEO)等の実施が求められている。併せて、メコン川流域の国々では、2007年に越境交通協定(Cross-Border Trade Facilitation Agreement、以下 CBTA)に署名し、同協定に規定される地域連結性向上を目指した取り組みを各国が実施することとなっている。各国での同協定の履行状況を踏まえ、各国境の課題や今後の改善策を検討すること。
(7) 事業対象国における実施中案件との連携
本業務に関連し、カンボジアにおいて物流分野で以下のJICA案件が実施中であり、これらの案件関係者とは連携の上、先行する同案件から得られる情報を活用するなど、効率的な業務を実施すること。
• カンボジア国物流改善実施能力向上プロジェクト(技術協力プロジェクト)
https://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/2023_202108074_1_s.pdf
(8) JICA 等の先行調査及び文献のレビュー
メコン地域ではこれまで、税関分野及び物流分野に関連した様々な調査が実施されている。先行調査で明らかになっている情報を踏まえた調査を実施すること。以下が、先行調査の一部となる。
• JICA「カンボジア主要国境における通関手続き迅速化に係る情報収集・確認調査」
• JICA「ナショナル・シングル・ウィンドウ構築に向けた通関手続き及び通関電子化システムの改善提案のための情報収集・確認調査」
• JICA「ASEAN シングルウィンドウに関する情報収集・確認調査」
• ラオス国・国際貨物車両通行管理に係る TSP 事業実施可能性調査事業報告書 : 令和2 年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業
(9) アフリカの貿易円滑化・OSBP 協力の経験の活用可能性の検討
JICAは、これまでアフリカの複数の地域を対象にOSBP(One Stop Border Post)導入・運営への協力を実施してきている。カンボジア・タイ・ラオスにおいても、対象国境(の一部)にOSBPと近似する国境管理方式であるSSI(Single Stop Inspection)/CCA(Common Control Area)の導入が検討されていることから、本業務を通じてJICAのOSBP導入での経験・手法等を何らかの形で活用した協力の可能性を検討する。その際には、アフリカとは域内統合の進捗が異なる点や各国境における国境施設の現状や2国間の協議状況に留意し、どのような形態での SSI/CCAの導入が適切であるかを検証する。必要に応じてカンボジア・タイ・ラオスに対し、JICAのOSBP支援の経験や手法を共有し、SSI/CCA導入のプロセス
6 具体的なヒアリング対象機関・ヒアリング内容についてはプロポーザルで提案すること。
にかかる提言を行う。
なお、「東部アフリカ地域における貿易円滑化及び国境管理能力向上プロジェ クト」は長期専門家とコンサルタント専門家が上手く協働した事例であり、上記
(3)で記載の専門家との連携にあたっては、同案件の事業完了報告書における教訓等も適宜参照し、長期専門家との適切な役割分担及び密な連携に努めること。
(10) 他の開発パートナー機関との連携
タイ・カンボジア・ラオスの国境通関手続きの改善に関し、様々な開発パートナー機関が支援を行っている。受注者は、他の開発パートナー機関の協力に関して情報収集・整理を行い、連携可能性についても検討すること。
第4条 業務の内容
1.共通業務
別紙「共通業務内容」のとおり。
2.本業務にかかる事項
(1) 案件概要表と共通作業フロー(案)
受注者は、案件概要表に記載の各国の成果と活動を実施することを基本とするが、第3条2.(2)で記載したとおり、各国の活動は以下表1のとおり異なる。これらの活動のタイムフレームを明確にし、更に3か国で調和のとれた活動を行うべく、表2の作業フロー案を想定する。
表1:3か国の成果1にかかる成果目標及び活動内容
タイ | カンボジア | ラオス | |
成果1目標 | メコン地域及びASEANの背景に則して、貿易円滑化のための能力が向上する。 | パイロット国境における通関手続き合理化に向けた二国間協議体制が強化される。 | パイロット国境における通関手続き合理化に向けた二国間協議体制が強化される。 |
活動1-1 | タイ/カンボジア間、タイ/ラオス間のパイロット国境を選定する。 想定されるパイロット国境での現状把握及び課題抽出にかかる診断調査を行う。 | 想定されるパイロット国境での現状把握及び課題抽出のために診断調査を行う。 | 候補国境よりパイロット国境1箇所を選定する。 |
活動1-2 | パイロット国境での現状把握及び課題抽出にかかる診断調査、及びタイ国内の全ての国境を対象として研修ニーズ調査を行う。 | メコン/アセアン地域における国境/貿易円滑化分野にかかる地域イニシアティブ、進捗状況、並びに他の開発パートナーの活動をレビューする。 | 選定されたパイロット国境での現状把握及び課題抽出のために診断調査を行う。 |
活動1-3 | 調査結果を踏まえた優先課題に基づき、タイ税関職員の能力向上のための研修プログラムを策定・実施する。 | 活動1-1及び1-2の結果に基づき、選定されたパイロット国境の課題 (特に税関業務にかかる課題)を特 定し、国境における通関手続きの合理化に向けた提言を行う。 | メコン/アセアン地域における国境/貿易円滑化分野にかかる地域イニシアティブ、進捗状況、並びに他の開発パートナーの活動をレビューする。 |
活動1-4 | カンボジア及びラオスと優先事項に関して共同研修プログラムを実施する。 | 税関を対象として国/国境レベルでの二国間協力体制を構築し、貿易円滑化に向けた協議・検討を促進する。 | 活動1-1及び1-2の結果に基づき、選定されたパイロット国境に関して特定された課題(特に税関業務にかかる課題)、国境における通関手続きの合理化に向けた提言含む、調 査レポートを作成する。 |
活動1-5 | 税関を対象として国/国境レベルでの二国間協力体制の設立を支援 し、貿易円滑化に向けた協議・検討を促進する。 |
対象国境を選定し、診断調査を行う
メコン/アセアン地域の関連イニシアチブの進捗及び他の開発パートナーの活動を把握対象国境の課題抽出と改善に向けた提言を含む報告書の作成
税関を対象とした国境レベルの二国間協力体制を構築し協議を促進
*共通する活動を色分け。なお、黄色・オレンジ・グリーンの活動並びにタイの活動1-2は青の診断調査に含める。
表2:作業フロー(案)
詳細計画策定 フェーズ | 活動1-1 | ベースライン調査の実施 | ①詳細計画策定調査に向けた準備 |
②対象国境での簡易調査 | |||
活動1-2 | 詳細計画策定調査の補助 | ③詳細計画策定調査の補助 | |
本格活動実施フェー | 活動1-3 | 診断調査の実施 | ④先行調査・報告書のレビュー |
⑤診断調査の実施 | |||
⑥診断調査結果の分析と改善提案の検討 | |||
⑦研修ニーズ調査の実施と研修プログラム/教材の提案 | |||
活動1-4 | モニタリング調査の実施 | ⑧3・4年目のモニタリング簡易調査の実施 | |
活動1‐5 | 研修・ワークショップの実施 | ⑨ワークショップ | |
⑩合同研修/二国間調整会合 |
ズ
(2) 詳細計画策定フェーズ
【活動1-1】ベースライン調査の実施
① 詳細計画策定調査に向けた準備
⮚ 成果 1 にかかる各国タスクフォースの立ち上げ及びメンバーの理解醸成
⮚ 基本計画策定調査の結果をレビューし、詳細計画策定にあたって現地で更に必要な情報・データ等の整理・収集を行う。
⮚ 詳細計画策定に向けて、PDM 及び PO、プロジェクトサイト、事業スケジュール、成果指標(基準値・目標値)、活動(詳細計画)、投入計画を含む詳細計画のドラフト(成果1部分)を作成
⮚ 詳細計画策定調査にかかる対処方針(成果1部分)の作成・協議
② 対象国境での簡易調査
⮚ 2 国境を視察し、事前調査結果(2024 年 6 月実施予定)を踏まえた上で、対象国境(案)の妥当性について以下の項目を中心に検証し、調査結果として纏める。
• 対象国境の基礎情報
• 将来需要も含めた国境通過交通量/貿易量(このための追加調査は実施せず、既存のデータを活用する)
• 日本裨益(日本企業の使用状況を含む)
• 回廊開発を含めた地域イニシアチブへの貢献
• 対象国境における課題と JICA の知見/経験による貢献の可能性
• 国境手続きのボトルネックにかかる診断調査実施案
【活動1-2】詳細計画策定調査の補助
③ 詳細計画策定調査の補助
⮚ JICA が実施する詳細計画策定調査において、上記①②の作業結果にかかる先方政府との合意形成を支援する(この部分は JICA が主導、受注者がサポートする形)。
(3) 本格活動実施フェーズ
以下の④から⑩の業務は、詳細計画策定フェーズが終了した後、本格活動実施フェーズとして実施する業務である。詳細計画策定フェーズを踏まえて活動が変更になる可能性があるが、現時点の想定は以下のとおり。
【活動1-3】診断調査の実施
④ 先行調査・報告書のレビュー
⮚ 本調査では税関以外の国境関連機関も調査の対象とすることから、まずは国境手続き全体の状況把握をした上で、通関手続きの現状・課題を特定すること。
⮚ 特に、対象 3 か国における以下の税関業務/国内・回廊・地域レベルの貿易円滑化にかかる取り組みについて既存の資料を基に概観する。以下は調査項目
(案)として提示するが、必要に応じて変更・追記を行うこと。
• 通関手続き(輸出入・トランジット)の現状・課題の確認・把握
• 通関手続き及び輸出入手続きを規定している法制度の確認
• E-Customs、NSW 等を含む関連電子システムの進捗状況(他国との相互運用性を含む)及び今後の方針の確認
• 他の貿易円滑化ツール(貨物追跡システム、事前申告、事後調査、AEO
等)の導入・実施状況の確認
• ASEAN、メコン地域における貿易円滑化関連協定の対象国での進捗状況の確認(ASEAN 物品貿易協定に含まれているASEAN シングルウィンドウ、ASEAN 税関トランジットシステム、ASEAN 認定事業者制度(AEO)等、並びに越境交通協定の実施状況)
• 他開発パートナー機関等からの支援状況の確認
• 国境にかかる定量データは、対象政府、他の開発パートナー機関から出されている報告書並びに各国で実施済のTime Release Study の結果を使用。なお、本事業の対象国境を含めた南部経済回廊上の定量分析は(物流のコスト・時間・交通量等)は第 3 条 2(7)に記載している事業で実施予定。
⑤ 診断調査の実施
⮚ 上記④の結果において、更なる確認もしくは現地での調査が必要となる項目については、各国関税局(本庁)、国境税官署、民間企業等へのヒアリングを実施すること。また、以下の項目について現地での調査を行う。
⮚ 対象国境における越境手続きの現状分析
対象2国境における越境手続きの現状の把握と課題の抽出。以下は調査項目
(案)として提示するが、必要に応じて変更・追記を行うこと
• 各国境のゲートに入ってからリリースされるまでの越境にかかる手続き全体の把握(税関・出入国管理局・検疫等を含む越境にかかる一連のプロセス)及び課題の抽出
• 特に各国境での通関手続き(輸出入・トランジット)の詳細なプロセス・現状(国境付近の SEZ 及びドライポートでの手続きを含む)及び課題の抽出を綿密に行う
• 各国境の税関官署でのヒアリングを通して、国境を接する二国間の国境運営に関する連携状況(既存の実施体制)、法整備の進捗、通関システムの機能状況を把握し課題の抽出を行う
• 各国境での税関関連資機材の導入・機能状況・課題の確認(リスク管理関連資機材等)
• 各国境のハードインフラの状況・課題確認(アクセス道路、国境施設、施設内駐車場・道路・水・電気・インターネット等の基礎インフラ等)
⮚ 通関手続き改善のための取り組み状況と今後の方針の確認
各国(カンボジア、ベトナム、タイ)の国境通関手続き改善に向けた取り組み状況と今後の方針について以下の点を含め確認すること
• 各国税関の通関手続き改善に向けた具体的なプラン(例えば、法規制の変更、電子システムの導入/更改/(複数システムが分かれて存在している場合の)統合、及び他国との相互運用性等)
• 2 国間での協議状況、協働組織の設立有無
• SSI/CCA の導入を検討している場合、2 国間の協議状況と導入にかかる課題およびニーズについて
⮚ 民間企業からのヒアリング
上記項目にかかる結果を踏まえて、民間企業へのヒアリングを行い、国境ユーザー側の認識と現状との間にギャップがあるか確認をする。また、民間企
業へのヒアリングの際には、各国にある日本商工会議所を通して日系企業からの声も丁寧に拾い、課題認識や改善要望についての刈り取りを行う。
⑥ 診断調査結果の分析と改善提案の検討
⮚ 上記④~⑤の結果を踏まえ、対象 2 国境における通関手続きの迅速化に向けた改善策(ロードマップ)及び適切な 2 国間協調体制の在り方についての検討を行う
⑦ 研修ニーズ調査の実施と研修プログラム/教材の提案
対象2国境の他に、タイに関しては、主要国境職員に対する研修ニーズに係るアンケート調査を行う(アンケート対象とする国境はタイ税関と相談のうえ決定)。診断調査結果及び左記アンケート調査結果を基に必要な研修プログラムを各国税関及び長期専門家と検討・協議のうえ策定し、実施する。
【活動1-4】モニタリング調査の実施
⑧ 3・4 年目のモニタリング簡易調査の実施
⮚ モニタリング調査は診断調査報告書のアップデートとロードマップの実施状況の確認を行うことを目的として行う。特に、通関手続き及び輸出入手続きを規定している法制度の変更や ASEAN・メコン地域の関連協定の実施状況(署名・批准・実施状況)については注視していくこと。
⮚ モニタリング調査の実施は下記⑨及び⑩の直前とし、モニタリング調査の実施→調査結果の取り纏め→合同研修/二国間調整会合というように、同時期に連続的に実施することが望ましい。
【活動1-5】研修・ワークショップの実施
⑨ ワークショップ
⮚ 【活動 1-2】の診断調査において課題分析や改善提案内容に関してパイロット国境の税関職員のコメントや理解を得るためにワークショップを開催する。調査の中間時及び結果取り纏め時の 2 回程度の実施を想定。
⑩ 合同研修/二国間調整会合
⮚ 【活動 1-3】モニタリング調査結果を基に、合同研修/二国間調整会合を実施。日程は、第一回を 2026 年度第 4 四半期、第二回を 2027 年度第 3 四半期に実施想定。場所はタイ税関またはカンボジア税関の研修施設等を想定。
⮚ 事業の 3・4 年目でモニタリング調査を実施し、その結果を第一回・第二回合同研修/二国間調整会合のプログラムの中に組み込む形とする。具体的には、研修の一つの講義を調査結果の共有に使い、課題として残っている部分を二国間の関係者で議論を行い、その改善策を整理する(二国間調整会合)。
(4) 本邦研修・招へい
本業務では、本邦研修・招へいを想定していない。
なお、本プロジェクトでは、本邦研修を2回程度実施予定。
(5) その他
① 収集情報・データの提供
⮚ 業務のなかで収集・作成された調査データ(一次データ)、数値データ等について、発注者の要望に応じて、発注者が指定する方法(Web へのデータアップロード・直接入力・編集可能なファイル形式での提出等)で、適時提出する。
⮚ 調査データの取得に当たっては、文献や実施機関への照会等を通じて、対象国の法令におけるデータの所有権及び利用権を調査する。調査の結果、発注者が当該データを所有あるいは利用することができるものについてのみ提出する。
⮚ 位置情報の取得は、可能な限り行うが、本業務においては、追加的に位置情報を取得する必要はなく、必然的に位置情報が付されるデータを対象とする。位置情報が含まれるデータについては次の様式に従い発注者に提出する。
• データ格納媒体:CD-R(CD-R に格納できないデータについては提出方法を発注者と協議)
• 位置情報の含まれるデータ形式:KML もしくは GeoJSON 形式。ラスターデータに関しては GeoTIFF 形式。(Google Earth Engine を用いて解析を行った場合は、そのコードを業務完了報告書に合わせ提出)
② ベースライン調査
受注者は、プロジェクトの成果やプロジェクト目標の達成状況をモニタリング・評価するための指標を設定し、プロジェクト開始時点のベースライン値を把握する。本業務においては、上記2(2)の詳細計画策定フェーズ全体をベースライン調査として実施する。
⮚ 具体的な指標入手手段についても明らかにし、モニタリングに向けた体制を整える。
⮚ 受注者は、調査の枠組みや調査項目について、調査開始前に発注者と協議の上、カウンターパート(以下「C/P」という。)の合意を得る。ベースライン調査を経て指標の目標値の設定を行う際にも、同様に発注者及び C/P の合意を得ることとする。
③ インパクト評価の実施
本業務では当該項目は適用しない。
④ C/P のキャパシティアセスメント本業務では当該項目は適用しない。
⑤ エンドライン調査
プロジェクトの成果やプロジェクト目標の達成状況を評価するため、プロジェクト終了約半年前にエンドライン調査を実施し、C/Pに結果を共有する。
⮚ 受注者は、C/P との共同実施の可能性を追求しつつ、エンドライン調査の枠組みや調査項目については、開始前に発注者、C/P と協議の上、両者の合意を得る。
⑥ 環境社会配慮に係る調査
本業務では当該項目は適用しない。
⑦ ジェンダー主流化に資する活動
本業務では当該項目は適用しない。
第5条 報告書等
1.報告書等
⮚ 業務の各段階において作成・提出する報告書等は以下のとおり。提出の際は、
Word 又はPDF データも併せて提出する。
⮚ 想定する数量は以下のとおり。なお、以下の数量(部数)は、発注者へ提出する部数であり、先方実施機関との協議等に必要な部数は別途受注者が用意する。
本業務で作成・提出する報告書等及び数量
報告書名 | 提出時期 | 言語 | 形態 | 部数 |
業務計画書 | 契約締結後10営業日以内 | 日本語 | 電子データ | 1部 |
ワーク・プラン | 業務開始から1か月以内 | 英語 | 電子データ | 1部 |
モニタリングシートの成果1部分 *3名の長期専門家がそ れぞれの国で作成する 3つのモニタリングシートの作成支援(成果 1に係る内容について 原案を作成し、長期専 | No.1:2024年12月 No.2:2025年6月 No.3:2025年12月 No.4:2026年6月 No.5:2026年12月 No.6:2027年6月 *上記はモニタリングシー ト最終化の目安時期。左記 | 英語 | 電子データ | 1部× 3カ国 |
門家・JICAによるコメ | 目安時期の1~2ヵ月前の原案提出が望ましい。提出時期はJCCの時期等を勘案して、JICA及び長期専門家と 調整する。 | |||
ントを反映し、最終化 する) | ||||
事業完了報告書の成果 1部分 *3名の長期専門家がそ れぞれの国で作成する 3つの事業完了報告書の作成支援(成果1に係る内容について原案を作成し、長期専門 家・JICAによるコメン | 2027年11月 *上記は事業完了報告書最終化の目安時期。左記目安時期の1~2ヵ月前の原案提出が望ましい。提出時期は最終JCCの時期を勘案し て、JICA及び長期専門家と調整する。 | 英語 | 電子データ | 1部 |
トを反映し、最終化す る) | ||||
業務完了報告書 | 契約履行期限末日 | 日本語 | CD-R | 2枚 |
英語 | CD-R | 2枚 |
⮚ 業務完了報告書及び事業完了報告書は、履行期限 3 ヶ月前を目途にドラフトを作成し、発注者の確認・修正を経て、最終化する。
⮚ 本業務を通じて収集した資料およびデータは項目毎に整理し、収集資料リストを添付して、発注者に提出する。
⮚ 受注者もしくは C/P 等第三者が従来から著作権を有する等、著作権が発注者に譲渡されない著作物は、利用許諾の範囲を明確にする。
記載内容は以下のとおり。
(1)業務計画書
共通仕様書第6条に記された内容を含めて作成する。
(2)ワーク・プラン
以下の項目を含む内容で作成する。
① プロジェクトの概要(背景・経緯・目的)
② 本業務実施の基本方針
③ 本業務実施の具体的方法
④ 本業務実施体制(JCC の体制等を含む)
⑤ 業務フローチャート
⑥ 詳細活動計画(WBS:Work Breakdown Structure 等の活用)
⑦ 要員計画
⑧ 先方実施機関便宜供与事項
⑨ その他必要事項
(3)モニタリングシート
長期専門家が発注者指定の様式に基づき作成するものについて、受注者はその作成を支援する。
(4)業務完了報告書
① プロジェクトの概要(背景・経緯・目的)
② 活動内容(PDM に基づいた活動のフローに沿って記述)
③ プロジェクト実施運営上の課題・工夫・教訓(業務実施方法、運営体制等)
④ プロジェクト目標の達成度
⑤ 上位目標の達成に向けての提言(業務完了報告書の場合)もしくは次期活動計画(業務進捗報告書の場合)
添付資料(添付資料は作成言語のままでよい)
(ア)PDM(最新版、変遷経緯) (イ)業務フローチャート
(ウ)WBS 等業務の進捗が確認できる資料
(エ)人員計画(最終版) (オ)研修員受入れ実績
(カ)遠隔研修・セミナー実施実績(実施した場合) (キ)供与機材・携行機材実績(引渡リスト含む)
(ク)合同調整委員会議事録等 (ケ)その他活動実績
(5)事業完了報告書
長期専門家が発注者指定の様式に基づき作成するものについて、受注者はその作成を支援する。
2.技術協力作成資料
本業務を通じて作成する以下の資料については、事前に相手国実施機関、長期専門家及び発注者に確認し、そのコメントを踏まえたうえで最終化し、当該資料完成時期に発注者に共有する。また、これら資料は、業務完了報告書にも添付する。
(1)診断調査報告書(電子データ・英語)
形式は詳細結果をまとめたWord形式のもの、要旨をまとめたPower Point形式のものの2種を作成すること。なお、関係者への説明用に調査開始前に調査計画書(Power Point形式)、中間時に中間報告書(Power Point形式)も用意すること。
(2)3・4 年次モニタリング報告書(電子データ・英語)形式はPower Point形式で作成すること。
(3)研修プログラム・研修教材(電子データ・英語)
3.コンサルタント業務従事月報
業務従事期間中の業務に関し、以下の内容を含む月次の報告を作成し、発注者に提出、長期専門家へ共有する。なお、先方と文書にて合意したものについても、適宜添付の上、発注者に報告する。
(1)今月の進捗、来月の計画、当面の課題
(2)今月の業務内容の合意事項、継続検討事項
(3)詳細活動計画(WBS 等の活用)
(4)活動に関する写真
第6条 再委託
本業務では、再委託を想定していない7。
第7条 機材調達
本業務では、機材調達を想定していない。
第8条 「相談窓口」の設置
発注者、受注者との間で本特記仕様書に記載された業務内容や経費負担の範囲等について理解の相違があり発注者と受注者との協議では結論を得ることができない場合、発注者か受注者のいずれか一方、もしくは両者から、定められた方法により「相
7 ただし、再委託による業務の遂行が不可欠と考える業務がある場合には、当該業務の内容・方法及び再委託によることが必要な理由を詳述し、協議する。
談窓口」に事態を通知し、助言を求めることができる。
別紙
案件概要表
1.案件名(国名)
国 名:カンボジア・タイ・ラオス
案件名:メコン地域連結性強化のための税関効率性強化プロジェクト
The Project for Strengthening Customs Efficiency for Enhancing Mekong Connectivity
2.事業の背景と必要性
(1)当該地域における税関の現状・課題及び本事業の位置付け
世界的な貿易構造の変化に伴うサプライチェーンの多様化と、ASEAN諸国の堅調な成長により、ASEAN地域が世界経済に及ぼす影響力はこれまで以上に増している。また、域内回廊開発や自由貿易協定などの地域枠組みの進展を踏まえ、 ASEAN地域全体で国際貿易量が増えるとともに、国際分業などを通じて域内貿易量も増加の一途を辿っている。他方、道路や国境施設などの整備により物理的連結性の強化が進む一方で、税関や出入国管理などのヒト・モノの越境手続の効率化に向けた各国税関制度の調和、並びに税関を含む関係省庁間、また国境を接する2カ国間の政府機関の連携を通じた制度的連結性、人的連結性の強化が課題となっている。
このような状況のもと、ASEAN地域全体としても貿易円滑化に向けて、WCO
「基準の枠組み」、ASEAN物品貿易協定、ASEAN加盟国間で認定事業者制度を相互認証する取り決め(ASEAN AEO MRA)等の枠組みを通じた貿易・通関実務の連携に向けた取組みを促進させている。
これに加え、各国においても域内での制度的/人的連結性強化に向けた取組みが進んでいる。タイではASEAN域内で他国の税関人材育成を支援しており、カンボジアやラオスでは自国の税関近代化への取組みを通じて国際標準への適応を進めることで連結性強化の基盤を造っている。
JICAは、2000年代後半より、ASEAN諸国における税関近代化への機運とニーズを踏まえ、タイ、カンボジア、ラオスなどのメコン地域に対して、各国に対する二国間での協力を実施してきた。本事業は、ASEAN地域における連結性強化に向けて、こうした長年の協力を通じて築いた各国税関当局との良好な関係性を基に、先ずはメコン3か国(タイ、カンボジア、ラオス)での税関近代化に係る取組みを発展させ、域内の税関水準の均一化を図るとともに、税関の側面から域内連結性を高めることで、過去の協力成果のさらなる定着及びより高次のインパクト創出を図るものである。
(2)当該地域における税関に対する我が国及び JICA の協力方針等と本事業の位置づけ
本事業は、日本政府が推進する「自由で開かれたインド太平洋(Free and Open Indo-Pacific (FOIP))」の具体策の一つである「(アジア・アフリカ両大陸及び太平洋・インド洋両大洋をまたがる地域における)通関円滑化等による制度的連結性強化」に直接的に寄与するものである。
JICAにおいては、課題別事業戦略(グローバル・アジェンダ)「公共財政・金
融システム」の「税関近代化支援を通じた連結性強化」クラスターに位置付けられるとともに、各国の国別開発協力方針及びJICA国別分析ペーパー(JCAP)における下記の重点分野、分析にも合致している。
⚫ タイ:「対タイ王国国別開発協力方針」(2020 年 2 月)重点分野「ASEAN域内共通課題への対応」における「ASEAN・メコン地域連結性強化、格差是正プログラム」。
⚫ カンボジア:「対カンボジア王国国別開発協力方針」(2022 年 4 月)重点分野「産業振興支援」における「物流円滑化促進プログラム」。「対カンボジア王国 JICA 国別分析ペーパー」(2024 年 3 月)において物理的なインフラ整備にあわせ、物流・輸送の効率化、ひいては産業振興・貿易促進に資する制度整備とその実施能力の強化を含む体制構築が課題と考えられると分析している。
⚫ ラオス:「対ラオス国国別開発協力方針」(2022 年 4 月)重点分野「財政安定化をはじめとするガバナンス強化および分野横断的な課題」における「ガバナンス強化プログラム」。「対ラオス国 JICA 国別分析ペーパー」(2024 年
3 月)で物流施設や越境貨物を取り扱う国境施設が未整備で貨物の越境手続き時間を要するため、輸送コストが周辺国と比べて高いと報告されており、今後増加する各地の越境貨物の輸送を円滑化させるためには、各物流施設の整備とともに、連結性強化のための税関近代化とも緊密な連携が必要であると分析している。
加えて、税関の能力強化を通した貿易・投資の促進とビジネス環境の改善、及び連結性の向上は、SDGsゴール8(持続的、包摂的で持続可能な経済成長と、万人の生産的な雇用と働きがいのある仕事の促進)に貢献するものである。
(3)他の援助機関の対応
各国税関に対する他援助機関の支援内容は以下のとおり。
⚫ カンボジア:
⮚ EU:ARISE+(ASEAN Regional Integration Support from the European Union)が、AEO 制度を含む貿易円滑化全般に関連する支援中。
関連 URL:
- ASEAN Regional Integration Support – Cambodia, Trade Related Assistance (ARISE Plus Cambodia)
- CAMBODIA IMPLEMENTATION OF CATEGORY C
⮚ 国際通貨基金(IMF):東南アジア・西アジア税関改革近代化支援技術支援プロジェクト(2024 年 5 月~2027 年 4 月)で、歳入強化、取締り強化、関税法改正、各種手続きフローの見直しなど支援。
⮚ アジア開発銀行(ADB):生鮮食料品管理及びトランジットに係る調査、自由貿易協定(FTA)における特恵関税適用に係るアセスメントを実施。
⮚ 世界銀行(WB):SSI(Single Stop Inspection)/CCA(Common Control Area)導入にかかる調査を実施。
関連 URL:
- CAMBODIA IMPLEMENTATION OF CATEGORY C
⮚ Swisscontact(Global Alliance for Trade Facilitation による支援の実施機関):郵送貨物(民間企業による国際宅急便を含む)の電子情報活用を支
援中。
⮚ タイ周辺諸国経済開発協力機構(NEDA):ストゥンボット(カンボジア)
/バンノンイアン(タイ)新国境のストゥンボット国境施設及びアクセス道路建設を支援中。
関連 URL:
- The Construction of Stung Bot Border Crossing Facilities (BCF) and Access Road to National Road No.5 Project
⚫ タイ:
⮚ ADB:メコン越境交通協定(CBTA)下での貿易円滑化及びインフラ開発事業に関して準備・実施段階の一部を支援中。
関連 URL:
- 53411-001: "Early Harvest" Implementation of the Cross-Border Transport and Trade Facilitation in the Greater Mekong Subregion | Asian Development Bank (adb.org)
⚫ ラオス:
⮚ WB:「Lao PDR Competitiveness & Trade Project(LCTP)」(2018 年 9 月~2024 年 12 月)を実施中。WTO 貿易円滑化協定の実施に向けて、現在C カテゴリである「Risk Management」、「Average release time」、
「Authorized Operator」、「Border Agency Cooperation」、「Formalities」、
「Common Border Procedure」、「Customs Cooperation」の分野を支援。関連 URL:
- Development Projects : Lao PDR Competitiveness and Trade Project
⮚ IMF:東南アジア・西アジア税関改革近代化支援技術支援プロジェクト
(2024 年 5 月~2027 年 4 月)で、取締り強化にかかる国税部門、他省庁、他国との情報交換にかかる制度整備を支援。
⮚ NEDA:タナレーン(ラオス)国境/ノーンカーイ(タイ)国境からラオス首都のビエンチャンへの鉄道建設を支援中。
関連 URL:
- NEDA Followed Up the Progress of the 2nd Phase of the Thai – Laos Railway Construction Project
3.事業概要
(1) 事業目的
本事業は、メコン地域(カンボジア、タイ、ラオス)において、国境通関の合理化、国際基準・地域枠組に即した通関手続きの改善、税関当局の人材育成能力強化を行うことにより、税関業務の効率化及び対象国税関同士の連携向上を図り、もって同地域における税関の連結性強化、貿易円滑化促進に寄与するもの。
(2) プロジェクトサイト/対象地域名
プロジェクトサイトはプノンペン(カンボジア)、バンコク(タイ)、ビエンチャン(ラオス)、並びにパイロット国境2か所(※事業開始後選定)。なお、対象地域は3ヵ国全土。
(3) 本事業の受益者(ターゲットグループ)
直接受益者:カンボジア、タイ、ラオスの各国税関職員
最終受益者:カンボジア、タイ、ラオスの国境管理組織(関係政府機関)及び輸出入業者、通関業者
(4) 総事業費(日本側):3.79 億円(予定)
(5) 事業実施期間
2024年7月~2027年12月を予定(計42カ月)
(6) 事業実施体制
1)実施機関:
⚫ カンボジア経済財政省関税・消費税総局(General Department of Customs and Excise, Ministry of Economy and Finance: GDCE)
⚫ タイ財務省関税局(Customs Department, Ministry of Finance: TCD)
⚫ ラオス財務省関税局(Customs Department, Ministry of Finance: LCD)
2)プロジェクトダイレクター:
⚫ カンボジア:関税副局長
⚫ タイ:関税副局長
⚫ ラオス:関税副局長
3)プロジェクトマネージャー:
⚫ カンボジア:関税局国際協力部長
⚫ タイ:関税局人材管理部長
⚫ ラオス:関税局国際協力部長
(7) 投入(インプット)
1)日本側
① 専門家派遣(合計約 149P/M):
⮚ 長期専門家 3 名(1 名/国)(チーフアドバイザー)
⮚ 短期専門家(国境管理、税関制度、研修・啓発等)
② 研修員受け入れ:AEO 制度、研修運営等
③ 機材供与:必要に応じて検討
2)カウンターパート側
① カウンターパートの配置
② 案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供
(8) 他事業、他開発協力機関等との連携・役割分担
1)我が国の援助活動
各国税関に対するJICAの支援内容は以下のとおり。
⚫ カンボジア:
⮚ 個別案件(専門家)「関税政策・行政アドバイザー」(2009 年~2019 年)
⮚ 個別案件(専門家)「貿易円滑化のための税関近代化アドバイザー」(2019
年~2021 年)
⮚ 個別案件(専門家)「貿易円滑化のための関税政策・行政アドバイザー」
(2021 年~2024 年)
⚫ タイ:
⮚ 技術協力プロジェクト「関税分類及び関税評価における透明性及び予見性向上プロジェクト」(2012 年~2015 年)
⮚ 技術協力プロジェクト「効率的な税関手続きのための原産地規則に係る能力向上プロジェクト」(2015 年~2018 年)
⮚ 個別案件(専門家)「貿易円滑化促進のためのデータ分析・リスク管理能力強化」(2018 年~2021 年)
⮚ 技術協力プロジェクト「税関人材育成能力強化プロジェクト」(2021 年
~2024 年)
⚫ ラオス:
⮚ 個別案件(専門家)「税関分野におけるガバナンス強化及び貿易円滑化」
(2013 年~2021 年)
⮚ 技術協力プロジェクト「リスク管理を通じた通関手続き能力向上プロジェクト」(2021 年~2024 年)
また、財務省関税局が各国税関と二国間協力を実施している。本事業も関税局の協力を得て実施予定であり、関税局の二国間協力とも必要に応じて連携を検討する。
2)他の開発協力機関等の援助活動(※詳細計画策定調査を通じて更新予定)
上記「2(3)他の援助機関の対応」の項を参照。カンボジアにおいてはAEO制度定着に向けてEUとの連携を継続する。また、その他の機関とも十分に情報交換・連携を行い、相乗効果が期待される場合には連携可能性を検討する。
(9) 環境社会配慮・横断的事項・ジェンダー分類
1)環境社会配慮
① カテゴリ分類:C
② カテゴリ分類の根拠:本事業は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」上、環境への望ましくない影響は最小限であると判断されるため。
2)横断的事項:特になし。
3)ジェンダー分類:【確認中】「(GI)ジェンダー主流化ニーズ調査・分析案件」
<活動内容/分類理由>本案件においては、対象国境における女性税関職員の育成や女性通関業者の活用などを検討する。詳細計画策定調査の結果、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントに資する取組が確認される場合、「ジェンダー活動統合案件」とする。
(10)その他特記事項:特になし。
4.事業の枠組み
(1) 上位目標:メコン地域において税関の連結性が強化され、貿易円滑化が促進
される。
指標及び目標値:(※詳細計画策定調査を通じて設定)
(2) プロジェクト目標:税関業務の効率性及び対象国税関同士の連携が向上する。指標及び目標値:(※詳細計画策定調査を通じて設定)
(3) 成果
【タイ】
成果1:メコン地域及びASEANの背景に則して、貿易円滑化のための能力が向上する。
成果2:AEOの制度及び運用が国際基準や地域枠組に即して改善される。成果3:税関当局の人材育成能力がメコン地域において強化される。
【カンボジア・ラオス】
成果1:パイロット国境における通関手続き合理化に向けた二国間協議体制が強化される。
成果2:対象国の通関手続きが国際基準や地域枠組に即して改善されるよう税関職員の能力が向上する。
成果3:対象国の税関当局の人材育成能力が強化される。
(4) 主な活動
成果1:
- タイ/カンボジア間、タイ/ラオス間のパイロット国境を選定し、同国境での現状把握及び課題抽出のために診断調査を行う。
- 診断調査を通じてパイロット国境の課題を特定し、国境における通関手続きの合理化に向けた提言を行う。
- 調査結果を踏まえた優先課題に基づき、税関職員の能力向上のための研修プログラムを策定・実施する。
- 税関を対象として国/国境レベルでの二国間協力体制を構築し、貿易円滑化に向けた協議・検討を促進する。
成果2:
- 民間事業者や現地商工会との意見交換を含め、AEO 制度の実装・改善に向けた課題を特定し、本プロジェクトで実施すべき活動を計画し、実施する。
- 他省庁の職員や事業者に対して AEO 制度に関する啓発セミナーを実施する。
- AEO 制度に関して対象国間で共同研修や知見共有のためのセミナーを実施する。
- その他、先行協力の成果定着・更なる改善に資する事項等に関して必要に応じて技術的助言を行う。(例.ラオス:リスク管理に関して運用状況をフォローし、必要に応じてオペレーションを改善する。)
成果3:
- 既存の人材育成の枠組みの改善のための課題を特定、優先順位付けするためのレビュー及び分析を行う。
- 教官専門家の人材プールの拡大のため、トレーナー育成研修(TOT)プログラムを実施する。
- 対象国間のベストプラクティスの共有や人材育成活動のさらなる発展のため、人材育成に関する視察や共同研修プログラムを実施する。
5.前提条件・外部条件
(1) 前提条件:(※詳細計画策定調査を通じて更新予定)
- 対象となる税関当局同士が良好な関係を保ち、互いに協力する。
(2) 外部条件:(※詳細計画策定調査を通じて更新予定)
【上位目標達成のための外部条件】
- 本事業で構築される対象国の税関当局間の連携体制が持続し、地域連結性に向けた取組みが継続される。
【プロジェクト目標達成のための外部条件】
- 対象国間で友好関係が継続する。
- 地域内連結性向上の推進に逆行する重大な政策変更が行われない。
【成果達成のための外部条件】
- カウンターパート機関の人員配置が頻繁に変更されない。異動がある場合も同ポストの空席が発生しない。
6.過去の類似案件の教訓と本事業への適用
(1) 類似案件の評価結果
ボツワナ、ナミビア「マムノ/トランス・カラハリ国境OSBP導入プロジェクト」(2010年‐2013年)では、プロジェクト開始前に前提条件及び外部条件を精査することが必要であるとの教訓が得られている。同案件では案件開始時に OSBPに係る法的枠組みの策定、ICTを含むインフラ整備の手続きができていなかったことにより、マニュアル作成やトライアル実施といった活動に支障をきたした。
また、ブルンジ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ「東部アフリカ地域における貿易円滑化及び国境管理能力向上プロジェクト」(2017年‐2021年)では、様々な国や機関が関わる場合、プロジェクトの成功にとって十分な準備、調整、情報共有メカニズムの確保が重要であるとの教訓が得られている。同案件では、JICA専門家の拠点は日本、ベルギー、ケニア、ウガンダと多拠点に亘り、多様な関係者を含む実施体制で案件を運営したが、各国税関と良好な関係を築き、関係者間で業務調整専門家をとした連携体制を構築することで、円滑に連絡・調整を進め、プロジェクト目標達成に成功した。
(2) 本事業への教訓
本事業は二段階で進め、詳細計画策定フェーズ期間中に、現地調査を通じて各国の法令・制度及び国境通関の運用状況を整理する予定であり、同調査結果を踏まえて前提条件及び外部条件を精査した上で詳細計画を策定する。
また、本事業では、各国に長期専門家を1名ずつ配置するとともに、国境通関改善のための専門家チームを配置予定であるが、JICA及び財務省関税局を中心として専門家間での連携体制を構築し、円滑に事業運営を行う予定。
7.評価結果
本事業は、2.(2)のとおり、当国の開発課題・開発政策並びに我が国及びJICA
の協力方針に合致し、SDGsゴール8(持続的、包摂的で持続可能な経済成長と、万
人の生産的な雇用と働きがいのある仕事の促進)に貢献すると考えられることから、事業実施の必要性は高い。
8.今後の評価計画
(1) 二段階計画策定方式による計画策定の適用
二段階計画策定方式を適用
(2) 詳細計画策定スケジュール
1) ベースライン調査 2024年7月~2025年2月
2) 詳細計画策定予定時期 2025年2月
(3) 今後の評価スケジュール
事業終了3年後 事後評価
以上
1.必須項目
別紙
共通留意事項
(1)討議議事録(R/D)に基づく実施
⮚ 本業務は、発注者と相手国政府実施機関とが、プロジェクトに関して締結した討議議事録(R/D)に基づき実施する。
(2)C/P のオーナーシップの確保、持続可能性の確保
⮚ 受注者は、オーナーシップの確立を充分に配慮し、C/P との協働作業を通じて、C/P がオーナーシップを持って、主体的にプロジェクト活動を実施し、 C/P 自らがプロジェクトを管理・進捗させるよう工夫する。
⮚ 受注者は、プロジェクト終了後の上位目標の達成や持続可能性の確保に向けて、上記 C/P のオーナーシップの確保と併せて、マネジメント体制の強化、
人材育成、予算確保等実施体制の整備・強化を図る。
(3)プロジェクトの柔軟性の確保
⮚ 技術協力事業では、相手国実施機関等の職員のパフォーマンスやプロジェクトを取り巻く環境の変化によって、プロジェクト活動を柔軟に変更することが必要となる。受注者は、プロジェクト全体の進捗、成果の発現状況を把握し、開発効果の最大化を念頭に置き、プロジェクトの方向性について発注者に提言する(評価指標を含めたPDM(Project Design Matrix)、必要に応じて R/D の基本計画の変更等。変更に当たっては、受注者は案を作成し発注者に提案する)。
⮚ 発注者は、これら提言について、遅滞なく検討し、必要な対応を行う(R/Dの変更に関する相手国実施機関との協議・確認や本業務実施契約の契約変更等)。なお、プロジェクト基本計画の変更を要する場合は、受注者が R/D 変
更のためのミニッツ(案)及びその添付文書をドラフトする。
(4)開発途上国、日本、国際社会への広報
⮚ 発注者の事業は、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展に資することを目的としている。このため、プロジェクトの意義、活動内容とその成果を相手国の政府関係者・国民、日本国民、他ドナー関係者等に
正しくかつ広く理解してもらえるよう、発注者と連携して、各種会合等にお
ける発信をはじめ工夫して効果的な広報活動に務める。
(5)他機関/他事業との連携、開発インパクトの最大化の追求
⮚ 発注者及び他機関の対象地域/国あるいは対象分野での関連事業(実施中のみならず実施済みの過去のプロジェクトや各種調査・研究等も含む)との連携を図り、開発効果の最大化を図る。
⮚ 日本や国際的なリソース(政府機関、国際機関、民間等)との連携・巻き込
みを検討し、開発インパクトの最大化を図る。
(6)根拠ある評価の実施
⮚ プロジェクトの成果検証・モニタリング及びプロジェクト内で試行する介入
活動の効果検証にあたっては、定量的な指標を用いて評価を行う等、根拠(エビデンス)に基づく結果提示ができるよう留意する。
(7)段階的な計画策定(計画フェーズ・本格実施フェーズ)
⮚ 本業務では次のとおり、計画フェーズと本格実施フェーズに分けて実施する。
第一段階 (計画フェーズ):
本プロジェクトに関連する情報を調査・分析し、C/Pとの協議を通じて、プロジェクト活動の詳細計画を策定する。必要に応じ、試行的な活動を実施する。
第二段階(本格実施フェーズ):
第一段階で策定された詳細計画に基づいてC/P と共に本格的に活動を実施する。
(8)他の専門家との協働
⮚ 発注者は、本契約とは別に、長期専門家及び/もしくは短期専門家を派遣予定である。受注者は、これら専門家と連携し、プロジェクト目標の達成を図ることとする。ワーク・プラン、モニタリングシート、業務進捗報告書、業務完了報告書、事業完了報告書の作成に際しては、上記専門家と協働して作成する。
⮚ 同専門家との役割分担は、第4条「2.本業務にかかる事項」を、同専門家
の活動内容は、別添「(参考)別途派遣する専門家の業務内容」をそれぞれ参照する。同専門家の活動に係る費用は発注者が別途手配する。
⮚ 発注者は受注者の求めに応じ、同専門家への役割分担の理解を促進する。
別紙
共通業務内容
1.業務計画書およびワーク・プランの作成/改定
⮚ 受注者は、ワーク・プランを作成し、その内容について発注者の承認を得た上で、現地業務開始時に相手国政府関係機関に内容を説明・協議し、プロジェクトの基本方針、方法、業務工程等について合意を得る。
⮚ なお、業務を期分けする場合には第2期以降、受注者は、期初にワーク・プ
ランを改訂して発注者に提出する。
2.合同調整委員会(JCC)等の開催支援
⮚ 発注者と相手国政府実施機関は、プロジェクトの意思決定機関となる合同調整委員会(Joint Coordinating Committee)もしくはそれに類する案件進捗・調整会議(以下、「JCC」)を設置する。JCC は、1 年に 1 度以上の頻度で、
(R/D のある場合は R/D に規定されるメンバー構成で)開催し、年次計画及び年間予算の承認、プロジェクトの進捗確認・評価、目標の達成度の確認、プロジェクト実施上の課題への対処、必要に応じプロジェクトの計画変更等の合意形成を行う。
⮚ 受注者は、相手国の議長(技術協力プロジェクトの場合はプロジェクトダイレクター)が JCC を円滑かつ予定どおりに開催できるよう、相手国政府実施機関が行う JCC 参加者の招集や会議開催に係る準備状況を確認して、発注者へ適宜報告する。
⮚ 受注者は 必要に応じて JCC の運営、会議資料の準備や議事録の作成等、最
低限の範囲で支援を行う。
3.成果指標のモニタリング及びモニタリングための報告書作成
⮚ 受注者は、プロジェクトの進捗をモニタリングするため、定期的に C/P と運営のための打ち合わせを行う。
⮚ 受注者は、発注者及び C/P とともに事前に定めた頻度で(1 年に 1 回以上とする)発注者所定のモニタリングのための報告書を C/P と共同で作成し、発注者に提出する。モニタリング結果を基に、必要に応じて、プロジェクトの計画の変更案を提案する。
⮚ 受注者は、上述の報告書の提出に関わらず、プロジェクト進捗上の課題があ
る場合には、発注者に適宜報告・相談する。
⮚ 受注者は、プロジェクトの成果やプロジェクト目標達成状況をモニタリング、評価するための指標、及び具体的な指標データの入手手段を確認し、C/Pと成果指標のモニタリング体制を整える。
⮚ プロジェクト終了の半年前の終了時評価調査など、プロジェクト実施期間中に発注者が調査団を派遣する際には、受注者は必要な支援を行うとともに、その基礎資料として既に実施した業務において作成した資料の整理・提供等
の協力を行う。
4.広報活動
⮚ 受注者は、発注者ウェブサイトへの活動記事の掲載や、相手国での政府会合やドナー会合、国際的な会合の場を利用したプロジェクトの活動・成果の発信等、積極的に取り組む。
⮚ 受注者は、各種広報媒体で使用できるよう、活動に関連する写真・映像(映像は必要に応じて)を撮影し、簡単なキャプションをつけて発注者に提出す
る。
5.業務完了報告書/業務進捗報告書の作成
⮚ 受注者は、プロジェクトの活動結果、プロジェクト目標の達成度、上位目標の達成に向けた提言等を含めた業務完了報告書を作成し、発注者に提出する。
⮚ 業務実施契約を期分けする場合には、契約毎に契約期間中のプロジェクトの活動結果、プロジェクト目標の達成度、次期活動計画等を含めた業務進捗報告書を作成し発注者に提出する。
⮚ 上記報告書の作成にあたっては、受注者は報告書案を発注者に事前に提出し
承認を得た上で、相手国関係機関に説明し合意を得た後、最終版を発注者に提出する。
別添
(参考)別途派遣する専門家の業務内容
< 指 導 科 目 >
チーフアドバイザー(各国1名)
<派遣の目的>
カンボジア/タイ/ラオスにおけるプロジェクトのチーフアドバイザーとして、プロジェクト計画に沿ったカンボジア経済財政省関税・消費税総局(General Department of Customs and Excise, Ministry of Economy and Finance。以下GDCE)/タイ財務省関税局(Customs Department, Ministry of Finance。以下、TCD)/ラオス財務省関税局(Customs Department, Ministry of Finance。以下、LCD)に関する活動の円滑な運営を担い、他専門家(※)とも連携・協働のうえ、プロジェクト目標達成を目指すことを目的とする。(※「他専門家」とは、カンボジア、タイを任国とする長期専門家、コンサルタント専門家、短期専門家を指す。)
<期待される成果>
プロジェクトの開始時にGDCE/TCD/LCDと合意したプロジェクト目標及び成果を基に、コンサルタント専門家と協働のうえ、Project Design Matrix(以下、PDM)及びPlan of Operation(以下、PO)の策定を主導する。また、合意されたPDM上のプロジェクト目標及び成果の達成に向けてPOに沿って活動を計画的に進め、プロジェクト終了時点までに各達成指標を達成する。
<活動内容>
⚫ プロジェクト開始 1 年以内に JICA 及びコンサルタント専門家と協働して PDM
及び PO を策定し、GDCE/TCD/LCD・JICA 間の合意形成を支援する。
⚫ PDM にて設定されたプロジェクト目的及び成果の達成に向けて、日本側における総括責任者として、プロジェクト運営全般にかかる計画立案・実施を統括し、進捗管理を行う。
⚫ 長期専門家・コンサルタント専門家間の役割分担に関して、長期専門家は全体統括、成果2及び成果3に係る活動の主導、現地におけるプロジェクトに関する情報収集を担当し、コンサルタント専門家は成果1に係る活動の主導を担当する。
但し、左記分担に調整が必要となる場合は JICA 及びコンサルタント専門家と密に相談を行う。
⚫ プロジェクト活動の円滑な実施に支障が生じた場合、GDCE/TCD/LCD 及び日本側関係機関と連携し、その解決にあたる。必要に応じてプロジェクト計画の修正を行う。
⚫ 年に 1 回開催する合同調整委員会(JCC)において、プロジェクトの進捗状況、将来計画、今後の運営上の課題につき GDCE/TCD/LCD 幹部(プロジェクトダイレクター及びプロジェクトマネージャー)へ報告・協議を行う。
⚫ モニタリングシート、事業完了報告書(※)の作成に際しては、コンサルタント専門家と協働して起案し、GDCE/TCD/LCD 幹部の確認を得て最終化のうえ、 JICA へ提出する。なお、モニタリングシートは半年ごとに作成し、GDCE/TCD
/LCD 幹部の承認を得る。また、事業完了報告書はプロジェクト完了の 3 ヵ月前を目途に起案のうえ、1 ヵ月前を目途に開催する最終 JCC で承認を得る(※)。
(※事業完了時までが任期となる場合)
⚫ 本プロジェクトの他の対象国 2 ヵ国の長期専門家や日本側協力機関と密に情報共有・連携を行い、同 2 ヵ国税関との対象国/本邦/第三国での共同研修/セミナーの実施等を通じて、対象国税関の間の連携強化を図る。
⚫ GDCE/TCD/LCD を支援する他の援助機関、国際機関との情報共有や意見交換を積極的に行い、JICA やコンサルタント専門家と相談のうえ連携可能性を模索する。
⚫ 広報活動を通してプロジェクトを積極的に宣伝する。
⚫ プロジェクト活動に伴う公金管理、物品管理、事務・会計・庶務を取りまとめ、その計画的な執行を図る。
第3章 プロポーザル作成に係る留意事項
1.プロポーザルに記載されるべき事項
プロポーザルの作成に当たっては、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」の内容を十分確認の上、指定された様式を用いて作成して下さい。
(URL: https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/20220330.html)
(1)コンサルタント等の法人としての経験、能力
1)類似業務の経験
類似業務:貿易及び国境通関手続きの円滑化に係る各種業務
2)業務実施上のバックアップ体制等
3)その他参考となる情報
(2)業務の実施方針等
1)業務実施の基本方針
2)業務実施の方法
*1)及び2)を併せた記載分量は、10 ページ以下としてください。
3)作業計画
4)要員計画
5)業務従事予定者ごとの分担業務内容
6)現地業務に必要な資機材
7)実施設計・施工監理体制(無償資金協力を想定した協力準備調査の場合のみ)
8)その他
(3)業務従事予定者の経験、能力
1)評価対象業務従事者の経歴
プロポーザル評価配点表の「3.業務従事予定者の経験・能力」において評価対象となる業務従事者の担当専門分野は以下のとおりです。評価対象業務従事者にかかる履歴書と担当専門分野に関連する経験を記載願います。
・評価対象とする業務従事者の担当専門分野
⮚ 業務主任者/○○
※ 業務主任者が担う担当専門分野を提案してください。
2)業務経験分野等
評価対象業務従事者を評価するに当たっての格付けの目安、業務経験地域、及び語学の種類は以下のとおりです。
【業務主任者(業務主任者/○○)格付の目安(2 号)】
① 対象国及び類似地域:全途上国
② 語学能力:英語
※ なお、類似業務経験は、業務の分野(内容)との関連性・類似性のある業務経験を評価します。
2.業務実施上の条件
(1)業務工程
2024年8月中旬より業務を開始し、2027年12月下旬の終了を予定している。
(2)業務量目途と業務従事者構成案
1)業務量の目途
約 24.00 人月(タイ事業を除く場合、約16.2人月)
なお、業務従事者構成の検討に当たってはR/Dに記載されている専門家の専門分野に留意すること。
2)渡航回数の目途 全26回(全ての渡航で3か国へ渡航することを想定)
(タイ事業を除く場合、18回)
なお、上記回数は目途であり、回数を超える提案を妨げるものではありません。
タイ事業については、契約締結時までに R/D が署名された場合にはタイ事業に係る業務を含めて契約を行います。他方、仮に契約締結時に R/D 未署名の場合は当初契約には含めずR/D 署名後に契約変更により追加します。
当該業務に係る上記業務量目途と業務従事者構成案は、発注者側の現時点での想定
であるため、具体的業務量及び従事者構成は、変更契約の契約交渉において、発注者・受注者で協議するものとします。
(3)現地再委託
現時点で業務対象国・地域の現地法人(ローカルコンサルタント等)への再委託を想定する業務はありません。ただし、再委託による業務の遂行が不可欠と考える業務がある場合には、提案を妨げるものではありませんので、当該業務の内容・方法及び再委託によることが必要な理由を詳述してください。
(4)配付資料/公開資料等
1)配付資料
⮚ 要請書
⮚ 討議議事録(Record of Discussion: R/D)
⮚ 基本計画策定調査結果資料
⮚ JICA「ASEAN シングルウィンドウに関する情報収集・確認調査」報告書
⮚ JICA「ナショナル・シングル・ウィンドウ構築に向けた通関手続き及び通関電子化システムの改善提案のための情報収集・確認調査」報告書
2)公開資料
⮚ JICA「カンボジア主要国境における通関手続き迅速化に係る情報収集・確認調査」報告書
⮚ 経済産業省「ラオス国・国際貨物車両通行管理に係る TSP 事業実施可能性 調査事業」報告書
⮚ 東部アフリカ地域における貿易円滑化及び国境管理能力向上プロジェクト
(5)対象国の便宜供与
概要は、以下のとおりです。なお、詳細については、R/Dを参照願います。
便宜供与内容 | ||
1 | カウンターパートの配置 | 有 |
2 | 通訳の配置(*語⇔*語) | 無 |
3 | 執務スペース | 有(各国首都に所在するプロジェクトオフィス) |
4 | 家具(机・椅子・棚等) | 有(同上) |
5 | 事務機器(コピー機等) | 無 |
6 | Wi-Fi | 無 |
3.プレゼンテーションの実施
本案件については、プレゼンテーションを実施しません。
4.見積書作成にかかる留意事項
本件業務を実施するのに必要な経費の見積書(内訳書を含む。)の作成に当たっては、「コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン」(2023 年 10 月(2024年 4 月追記版)」(以下同じ)を参照してください。
(URL:https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/quotation.html)
(1)契約期間の分割について
第 1 章「3. 競争に付する事項」において、契約全体が複数の契約期間に分割され
ることが想定されている場合は、各期間分及び全体分の見積りをそれぞれに作成して下さい。
(2)上限額について
本案件における上限額は以下のとおりです。上限額を超えた見積が提出された場合、同提案・見積は企画競争説明書記載の条件を満たさないものとして選考対象外としますので、この金額を超える提案の内容については、プロポーザルには記載せず、別提案・別見積としてプロポーザル提出時に別途提出してください。
別提案・別見積は技術評価・価格競争の対象外とし、契約交渉時に契約に含めるか否かを協議します。また、業務の一部が上限額を超過する場合は、以下の通りとします。
① 超過分が切り出し可能な場合:超過分のみを別提案・別見積として提案します。
② 超過分が切り出し可能ではない場合:当該業務を上限額の範囲内の提案内容とし、別提案として当該業務の代替案も併せて提出します。
(例)セミナー実施について、オンライン開催(上限額内)のA案と対面開催(上限超過)のB案がある場合、プロポーザルでは上限額内のA案を記載、本見積には A案の経費を計上します。B案については、A案の代替案として別途提案することをプロポーザルに記載の上、別見積となる経費(B案の経費)とともに別途提出します。
【上限額】
116,308,000円(税抜)
カンボジア・ラオス 78,500,000円(税抜) タイ 37,808,000円(税抜)
なお、定額計上分 12,000,000円(カンボジア・ラオス 8,100,000 円、タイ 3,900,000円)(税抜)については上記上限額には含んでいません。定額計上分は契約締結時に契約金額に加算して契約しますので、プロポーザル提出時の見積には含めないでください。プロポーザルの提案には指示された定額金額の範囲内での提案を記載ください。この提案はプロポーザル評価に含めます。
また、上記の金額は、下記(3)別見積としている項目を含みません。 なお、本見積が上限額を超えた場合は失格となります。
(3)別見積について(評価対象外)
以下の費目については、見積書とは別に見積金額を提示してください。下記のどれに
該当する経費積算か明確にわかるように記載ください。下記に該当しない経費や下記のどれに該当するのかの説明がない経費については、別見積として認めず、自社負担とします。
1) 直接経費のうち障害のある業務従事者に係る経費に分類されるもの
2) 上限額を超える別提案に関する経費
3) 定額計上指示された業務につき、定額を超える別提案をする場合の当該提案に関する経費
(4)定額計上について
1) 上述(2)のとおり定額計上指示された経費につき、定額を超える別提案をする場合は別見積としてください。その場合、定額の金額のまま計上して契約をするか、プロポーザルで提案のあった業務の内容と方法に照らして過不足を協議し、受注者からの見積による積算をするかを契約交渉において決定します。
定額計上した経費については、証拠書類に基づきその金額の範囲内で精算金額を確定します。
対象とする経費 | 該当箇所 | 金額(税抜) | 金額に含まれる 範囲 | 費用項目 | |
1 | 研修・ワークシ | 「第2章 特記仕 | 6,700,000円 | 会場借上費、運 | 一般業務費 |
ョップ8 開催費 | 様書案 第4条 | 営費 | ( セミナー | ||
等 | 業務の内容2 . (3)【活動1-5】研修・ワークショ | 等実施関連費) | |||
ップの実施」 | |||||
2 | 資 料 等 翻 訳 費 | 1,400,000円 | ラオス語、カン | 一般業務費 | |
(含む教材作成 | ボジア語の資料 | ( 資料等翻 | |||
費)及び印刷費 | を英文翻訳する | 訳費) | |||
とともに、(報告 | |||||
書以外の)現地 | |||||
語での文書の発 |
8 第4条 2.の【活動1-5】「研修・ワークショップ」の実施に係る費用。ワークショップは診断調査において各パイロット国境に対して中間報告及び最終結果取り纏め時の2回(2国境×2回=計4回)の実施を想定。合同研修/二国間調整会合はタイ等1か所に3か国の国境関係者を集めて2回実施する想定。
出をする際の翻訳費及び資料印刷が必要な場合 の印刷費 | |||||
参考 | タイ事業に係る定額計上 (研修・ワークショップ開催費等、資料等翻訳費(含む教材作成費)及び印刷費 | 3,900,000円 (内訳) ・研修・ワークショップ開催費等: 3,300,000円 ・資料等翻訳費(含む教材作成費)及び印刷費: 600,000円 | 上記1、2と同様の用途 | 一般業務費 ( セミナー等実施関連費、資料等翻訳費) |
* 第2章「1.企画・提案を求める水準」において、見積はカンボジア及びラオス事業に係る分のみをご提出いただくこととしていますので、タイ事業に係る定額計上の想定は全体見積をご検討いただくうえでの参考情報としてください。
(5)見積価格について
各費目にて合計額(税抜き)で計上してください。
(千円未満切捨て不要)
(6)旅費(航空賃)について
効率的かつ経済的な経路、航空会社を選択いただき、航空賃を計上してください。
(7)機材について
業務実施上必要な機材がある場合、原則として、機材費に計上してください。競争参加者が所有する機材を使用する場合は、機材損料・借料に計上してください。
(8)外貨交換レートについて
1)JICA ウェブサイトより公示月の各国レートを使用して見積もってください。
(URL:https://www.jica.go.jp/announce/manual/form/consul_g/rate.html)
別紙:プロポーザル評価配点表
別紙
プロポーザル評価配点表
評 価 項 目 | 配 点 | |
1.コンサルタント等の法人としての経験・能力 | (10) | |
(1)類似業務の経験 | (6) | |
(2)業務実施上のバックアップ体制等 | (4) | |
ア)各種支援体制(本邦/現地) | 3 | |
イ)ワークライフバランス認定 | 1 | |
2.業務の実施方針等 | (65) | |
(1)業務実施の基本方針、業務実施の方法 | 35 | |
(2)要員計画/作業計画等 | 30 | |
3.業務従事予定者の経験・能力 | (25) | |
(1)業務主任者の経験・能力/業務管理グループの評価 | 業務主任者のみ | 業務管理グループ/体 制 |
1)業務主任者の経験・能力:業務主任者/○○ | (25) | (10) |
ア)類似業務等の経験 | 12 | 5 |
イ)業務主任者等としての経験 | 5 | 2 |
ウ)語学力 | 5 | 2 |
エ)その他学位、資格等 | 3 | 1 |
2)副業務主任者の経験・能力:副業務主任者/○○ | (-) | (10) |
ア)類似業務等の経験 | - | 5 |
イ)業務主任者等としての経験 | - | 2 |
ウ)語学力 | - | 2 |
エ)その他学位、資格等 | - | 1 |
3)業務管理体制 | (-) | (5) |