Contract
合築事業Ⅱ契約書
平成14年10月
大 津 商 工 会 議 所
ピーエフアイ滋賀二十一会館株式会社
目 次
前 文
第1章 用語の定義
第1条 定義
第2章 | 総 | 則 |
第2条 第3条第4条 | 目的 合築事業Ⅱと全体事業との関係事業日程 |
第3章 本件土地持分の使用承諾
第5条 本件土地持分の使用承諾
第6条 使用の目的
第7条 土地持分使用承諾の期間
第8条 土地持分使用承諾終了時の処理
第4章 合築事業Ⅱの対象施設の設計
第9条 合築事業Ⅱの対象施設の設計第10条 設計の変更
第11条 設計の完了
第5章 合築事業Ⅱの対象施設の建設
第1節 総則
第12条 合築事業Ⅱの対象施設の建設第13条 施工計画書等
第14条 第三者の使用
第15条 合築事業Ⅱの対象施設の建設に関する許認可および届出等第16条 建設場所の管理
第17条 建設に伴う各種調査
第18条 本件建物の建設に伴う近隣対策第2節 甲による確認
第19条 甲による説明要求および建設現場立会い等第20条 中間確認
第3節 完工等
第21条 完工検査
第22条 合築事業Ⅱの対象施設を含む本件建物の完工確認第4節 工期の変更等
第23条 工期の変更
第24条 工期の変更による費用等の負担第25条 工事の中止
第5節 損害の発生等
第26条 建設工事中に乙が第三者に与えた損害第27条 損害発生の通知
第6章 合築事業Ⅱの対象施設等の譲渡
第28条 合築事業Ⅱの対象施設等の譲渡第29条 売買代金
第30条 建物の面積
第31条 売買代金の支払時期
第32条 所有権の移転および登記第33条 引渡し
第34条 管理責任
第35条 公租公課等の負担第36条 瑕疵担保責任
第37条 危険負担等
第38条 遅延損害金
第39条 合築事業Ⅱ契約の解除
第40条 PFI事業契約解除に伴う解除
第7章 本件土地、共用部分および共用施設の維持管理
第1節 総則
第41条 本件土地、共用部分および共用施設の維持管理第42条 年間業務計画書の提出
第43条 第三者の使用第2節 業務の確認等
第44条 説明要求および立会い第45条 業務報告書
第3節 第三者に与えた損害等
第46条 第三者に与えた損害等
第8章 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理
第47条 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理第48条 委託料
第49条 業務水準の変更
第50条 第三者の使用
第51条 甲による説明要求および立会い第52条 委託料の変更
第53条 本件維持管理契約の解除第54条 第三者に与えた損害等
第9章 モニタリング
第55条 モニタリング
第10章 共用部分・共用施設の大規模修繕
第56条 共用部分・共用施設の大規模修繕第57条 施行計画の変更等
第58条 合築事業Ⅱの対象施設の建設に関する規定の準用
第11章 その他
第59条 契約上の地位の譲渡第60条 契約上の地位の承継第61条 事業計画等の提出 第62条 秘密保持
第63条 著作権等
第12章 雑 則
第64条 印紙の費用
第65条 通知義務
第66条 請求、通知等の様式その他第67条 準拠法
第68条 管轄裁判所
第69条 定めのない事項等
合築事業Ⅱ契約書
大津商工会議所(以下「甲」という。)と、滋賀県(以下「県」という。)が
「(仮称)滋賀21会館整備運営事業」に関し、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成 11 年法律第 117 号)に基づき選定した民間事業者である株式会社大林組を中心とするグループ(以下「大林組グループ」という。)が設立したピーエフアイ滋賀二十一会館株式会社(以下「乙」という。)は、甲が事業を行うための合築事業Ⅱの対象施設の設計・建設、設備の整備、当該施設等の譲渡、および当該施設ならびに共用部分・共用施設の維持管理等に関する契約(以下「合築事業Ⅱ契約」という。)を、本契約書に基づき締結する。
第1章 用語の定義
(定義)
第1条 合築事業Ⅱ契約において使用する用語の定義は、以下に定めるとおりとする。
(1) 「本件建物」とは、PFI事業(本条(6)号)、合築事業Ⅱ(本条(2)号)および合築事業Ⅰ(本条(7)号)を行うための建物ならびに駐車場施設等、その附帯施設をいう。
(2) 「合築事業Ⅱ」とは、合築事業Ⅱ契約書第 3 条第 1 項に規定する事業により構成される事業をいう。
(3) 「合築事業Ⅱの対象専有施設」とは、本件建物のうち、甲が乙から譲り受ける専有部分をいう。
(4) 「合築事業Ⅱの対象施設」とは、合築事業Ⅱの対象専有施設およびこれに対応して甲が本件建物につき持分を有する共用部分および共用施設をいう。
(5) 「PFI事業契約」とは、県と乙が平成 14 年 9 月 24 日付「(仮称)滋賀21会館整備PFI事業仮契約書」に基づき締結する(仮称)滋賀21会館整備PFI事業契約をいう。
(6) 「PFI事業」とは、PFI事業契約第 1 条(5)号に規定する事業の総称をいう。
(7) 「合築事業Ⅰ」とは、合築事業Ⅰ契約書第 3 条第 1 項に規定する事業により構成される事業をいう。
(8) 「民間事業施設」とは、本件建物(本条(1)号)のうち、PFI事業(本条(6)号)の対象施設(乙が所有し県に貸付ける専有部分およびこれに対応して乙が持分を有する共用部分および共用施設。)、合築事業Ⅱの対象施設(本条(4)号)および合築事業Ⅰ(本条(7)号)の対象施設(滋賀県信用保証協会が取得する専有部分およびこれに対応して同会議所が持分を取得する共用部分および共用施設。)を除いた部分をいう。
(9) 「全体事業」とは、PFI事業、合築事業Ⅰおよび合築事業Ⅱの総称をいう。
(10) 「本件土地」とは、別紙 1 記載の土地をいう。
(11) 「本件入札説明書類」とは、全体事業(本条(9)号)に関し、平成 13年 7 月 17 日に公表された「(仮称)滋賀21会館整備PFI事業実施方針」(以下「実施方針」という。)、平成 13 年 11 月 30 日に公表された「入札説明書」(別紙を含む)および同書に添付された「要求水準書」、「事業者選定基準」、「(仮称)滋賀21会館整備運営事業に関する基本合意書」、
「(仮称)滋賀21会館整備PFI事業契約書」、「様式集」等の一切の書類、ならびに同事業に関し平成 14 年 2 月 13 日に公表された「二次提案説明書」(以下「二次提案説明書」という。)およびそれに添付された一切の書類をいう。
(12) 「本件入札説明書類に対する質問等への回答書類」とは、実施方針、入札説明書および二次提案説明書記載事項に関して提出された質問書等をもとに県がそれぞれ作成・配布した回答書をいう。
(13) 「乙の提案書類」とは、本件入札説明書類に記載の県の指定する様式に従い作成され、大林組グループが入札時に提出した別紙 2 記載の書類をいう。
(14) 「PFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類」とは、本件入札説明書類(本条(11)号)、本件入札説明書類に対する質問等への回答書類
(本条(12)号)および大林組グループの提案書類(本条(13)号)をいう。
(15) 「建築工事共通仕様書」とは、社団法人公共建築協会編集、国土交通大臣官房官庁営繕部監修の「建築工事共通仕様書」の平成 13 年版(第 9刷、平成 14年7月 15 日発行)をいう。
(16) 「電気設備工事共通仕様書」とは、社団法人公共建築協会編集、国土交通大臣官房官庁営繕部監修の「電気設備工事共通仕様書」の平成 13 年版(第 7 刷、平成 14年5月 25 日発行)をいう。
(17) 「機械設備工事共通仕様書」とは、社団法人公共建築協会編集、国土交通大臣官房官庁営繕部監修の「機械設備工事共通仕様書」の平成 13 年版(第 7 刷、平成 14年5月 25 日発行)をいう。
(18) 「設計図書」とは、別紙 8 に記載される図面および文書によって特定されるものをいう。
(19) 「請負人」とは、乙ないしはその請負人から本件建物の施工の全部または一部を請負っている者(下請負人を含む。)をいう。
(20) 「合築Ⅱ設備等」とは、別紙 3 記載の設備等をいう。
(21) 「消費税」とは、消費税法(昭和 63 年法律第 108 号)に基づく消費税および地方税法(昭和 25 年法律第 226 号)に基づく地方消費税を含むものとする。
(22) 「不可抗力事由」とは、天変地異、戦争、火災、不慮の事故、ストライキ、ロックアウト、暴動、嵐、洪水、地震、伝染病、内乱、革命、爆発、津波、台風、高潮、大雪、外部電源からの長期の電力供給停止もしくは甲または乙の合理的な制御が不能なあらゆる事由をいう。
(23) 「合築事業Ⅱの対象施設等」とは、合築事業Ⅱの対象施設および合築
Ⅱ設備等をいう。
(24) 「本件建物の管理組合」とは、本件建物の区分所有者である甲、乙および滋賀県信用保証協会を組合員とする建物の区分所有等に関する法律
(昭和 37 年法律第 69 号)第 3 条に定める団体をいう。
(25) 「共用部分」とは、本件建物から専有部分を除いた部分のうち別紙 4の 1 に記載する部分をいう。
(26) 「共用施設」とは、本件建物から専有部分を除いた部分のうち別紙 4の 2 に記載する部分をいう。
(27) 「合築事業Ⅱの対象専有施設・設備」とは、本件建物のうち、甲が乙から譲り受ける専有部分および同施設内の合築Ⅱ設備等をいう。
(28) 「本件維持管理契約」とは、合築事業Ⅱ契約のうち、甲が合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理について乙に対して委託することを内容とする甲乙間の契約をいう。
(29) 「維持管理内容」とは、本件維持管理契約に基づき、乙が行う維持管理業務の内容をいい、その詳細について別紙 11 に従い甲と乙が協議して定める業務内容をいう。
(30) 「維持管理水準」とは、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理についての事業者の提案水準をもとに別紙 12 に従い甲と乙が協議して定める業務水準をいう。
(31) 「乙の提案水準」とは、PFI事業契約第 1 条(29)号に定める事業者の提案水準をいう。
(32) 「共用部分・共用施設の大規模修繕」とは、別紙 5 に記載する修繕をいう。
(33) 「財務書類」とは、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令(昭和 32年大蔵省令第 12 号)第 1 条において、公認会計士の監査を受けなければならないとされている書類およびそれらに対する公認会計士の監査報告書をいう。
(34) 「合築事業Ⅱ契約上の秘密」とは、甲および乙が合築事業Ⅱ契約上の義務の履行または合築事業Ⅱ契約上の権利の行使に際して知り得た情報で、一般に公開されていないものをいう。
(35) 「本件秘密文書等」とは、合築事業Ⅱ契約上の秘密が記載された文書および合築事業Ⅱ契約上の秘密が記録された電磁的記録をいう。
第2章 総 則
(目的)
第2条 合築事業Ⅱ契約は、本件建物内の、合築事業Ⅱの対象施設の整備およびその運営を円滑に実施するために必要な事項を定めることを目的とする。
(合築事業Ⅱと全体事業との関係)
第3条 合築事業Ⅱは、合築事業Ⅱの対象施設の設計・建設、合築Ⅱ設備等の整備、合築事業Ⅱの対象施設および合築Ⅱ設備等の譲渡、合築事業Ⅱの対象施設の維持管理、ならびにこれらに付随し、関連する一切の事業により構成される。
2 合築事業Ⅱは、PFI事業および合築事業Ⅱとともに、全体事業の一部を構成するものである。
(事業日程)
第4条 合築事業Ⅱ契約の契約期間は、契約締結の時から平成 46 年6月 30日 までとする。
2 合築事業Ⅱは、別紙 6 として添付する日程表に従って実施されるものとする。
第3章 本件土地持分の使用承諾
(本件土地持分の使用承諾)
第5条 甲は、県が本件土地の県の持分を乙に無償貸付すること、および乙が本件土地に係る県の持分に由来する使用権限に基づいて甲および滋賀県信用保証協会とともに本件土地を共同使用することを承諾し、乙に対し別紙 7 の
「承諾書」を交付する。
(使用の目的)
第6条 乙は、全体事業の実施のための本件建物の建設、および本件建物のうち乙が所有する区分所有建物、これに対応して乙が本件建物につき持分を有する共用部分、共用施設ならびに民間事業施設を所有するために必要な範囲内で本件土地を使用しなければならない。
(土地持分使用承諾の期間)
第7条 第 5 条に基づく本件土地持分の使用承諾期間は、平成 46年6月 30日 までとする。
ただし、当該期間の終了の日までにPFI事業契約が終了した場合には、その時点で当該使用承諾も効力を失うものとする。
2 甲は、PFI事業が継続されている間は、第 5 条に基づく本件土地持分の使用承諾を撤回し得ないものとする。
3 甲は、PFI事業の継続中、乙の承諾なく第三者に本件土地に対して有する持分を譲渡または賃貸しない。ただし、県または滋賀県信用保証協会に本件建物を維持させるために必要な貸付を行うことについてはこの限りではない。
(土地持分使用承諾終了時の処理)
第8条 乙は、第 5 条に基づく本件土地持分の使用承諾が終了した場合には、別段の定めのある場合を除いて、乙の費用で本件土地を本件建物の引渡の日の原状に回復しなければならない。ただし、次の各号に該当するものは、この限りでない。
(1) 県、甲または滋賀県信用保証協会の責めによる汚損、破損によるもの
(2) 県、甲または滋賀県信用保証協会による本件土地の変更、改良に係るもの
(3) 県が原状に復することが必要でないと認めたもの
2(1) 本件建物が滅失し、もしくは著しく毀損し修復に多額の費用を要する状態となったことによりPFI事業契約が目的不能により終了した場合には、乙は、本件建物(基礎部分を含む)を完全に取り壊し、残骸を撤去して本件土地を更地状態にしなければならない。
(2) 前号の場合において、乙は事前に解体・撤去等に要する費用の見積りを県に提出し、その承諾を得なければならない。
(3) 県が、前号に定める乙の見積りより安価で解体・撤去等を行う業者に作
業をさせ、乙に対し、その代金のうち次項に従って乙が負担すべき額に相当する金員の支払いを求めた場合には、乙は県に対し、その支払いを行うものとする。
3 前項の本件建物の取り壊しおよび残骸の撤去等に要する費用のうち、合築事業Ⅱの対象施設等の取り壊しおよび残骸の撤去に要する費用については、本件建物の滅失・毀損の原因に応じて次の各号のとおり負担する。
(1) 乙の責めに帰すべき事由に基づく場合には乙が負担する。
(2) 甲の責めに帰すべき事由に基づく場合には甲が負担する。
(3) 県の責めに帰すべき事由に基づく場合には県が負担する。
(4) 滋賀県信用保証協会の責めに帰すべき事由に基づく場合には滋賀県信用保証協会が負担する。
(5) 不可抗力事由に基づく場合には、第 33 条に規定する合築事業Ⅱの対象施設の引渡し前は乙、引渡し後は甲が負担する。ただし、乙の負担(取壊しおよび残骸の撤去等に要する費用のみならず、第 37 条により乙が負担することになる一切の負担を含む。)は合築事業Ⅱの対象施設等の対価の 0.5%を限度とし、限度を超えた部分については甲が負担するものとする。
(6) 前各号の要素が競合している場合には影響度合に応じて按分にて負担する。かかる影響度合いの算出については、甲および乙は、県が甲、乙および滋賀県信用保証協会と協議して決定した結果に従わなければならないものとする。
第4章 合築事業Ⅱの対象施設の設計
(合築事業Ⅱの対象施設の設計)
第9条 乙は、PFI事業契約締結後速やかに、法令を遵守の上、合築事業Ⅱ契約およびPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類に基づき、かつ、建築工事共通仕様書、電気設備工事共通仕様書、機械設備工事共通仕様書を参考にして、甲と協議の上、株式会社東畑建築事務所をして合築事業Ⅱの対象施設の基本設計を行わせた上、実施設計を行わせる。ただし、共用部分および共用施設の設計については県と乙との協議結果に従うものとする。なお、合築事業Ⅱ契約締結以前において、甲と大林組グループとの間で既に協議が開始されている場合、甲および乙はその協議の結果を引き継ぐものとする。
2 乙は、合築事業Ⅱの対象施設の設計に関する一切の責任(設計上の誤りおよび乙の都合による設計変更から発生する増加費用の負担を含む。)を負担する。乙が県および甲の事前の承諾を得て第三者に対して設計を委託した場合、当該第三者の責めに帰すべき事由についても、乙の責任とみなして、乙が責
任を負うものとする。
3 甲は、合築事業Ⅱの対象施設の設計の進ちょく状況に関して、適宜乙に対して報告を求めることができる。
(設計の変更)
第 10 条 甲は、必要があると認める場合、県の承諾を得た上で合築事業Ⅱの対象専有施設の設計変更を乙に対して求めることができる。この場合、乙は、設計変更が不可能と認めるときは、甲に対して当該設計変更請求を受けてから 15 日以内にその理由および結果を通知しなければならない。ただし、甲は、工期の変更を伴う設計変更または乙の提案の範囲を逸脱する設計変更を乙に対して請求することはできない。
2 乙は、甲が県の承諾を得て合築事業Ⅱの対象専有施設の設計変更を求めてきた場合、当該設計変更が、工期の変更を伴う設計変更または乙の提案の範囲を逸脱する設計変更に該当しない場合は、これに応じるものとする。
3 前 2 項に従い甲の請求により乙が設計変更を行う場合、当該変更により乙に追加的な費用(設計費用および直接工事費のほか、将来の維持、修繕および更新に係る費用ならびに金融費用を含む。)が発生したときは、甲が当該費用を負担するものとする。
4 乙は、甲および県の事前の承諾を得た場合を除き、合築事業Ⅱの対象専有施設の設計変更を行うことはできないものとする。
5 前項に従い、乙が甲および県の事前の承諾を得て合築事業Ⅱの対象専有施設の設計変更を行う場合、当該変更により乙に追加的な費用が発生したときは、原則として乙が当該費用を負担するものとする。ただし、当該変更が合築事業Ⅱに影響を及ぼす法令変更に基づくものである場合、その他甲が必要と認めた場合には甲が負担するものとする。
(設計の完了)
第 11 条 乙が本件建物についての基本設計または実施設計を完了した場合、乙は速やかに設計図書 1 式を甲に対して提出するものとする。
2 基本設計図書または実施設計図書と、合築事業Ⅱ契約およびPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類のうち合築事業Ⅱの対象専有施設に関する記載部分との間に客観的な不一致があることが判明した場合、甲は速やかに(原則として 14 日以内に)当該不一致を生じている設計箇所およびその内容を乙に対して通知するものとする。
3 乙が前項に規定する通知を受領した場合、乙は速やかに当該不一致を是正し、甲および県の確認を経るものとする。なお、当該是正は、乙の責任およ
び費用をもって行われるものとする。これによる工期の変更については、県と乙との間における協議の結果に従うものとする。
4 甲は、第 9 条第 3 項に規定する進ちょく状況の報告を受けたこと、本条第 1
項に規定する設計図書を受領したこと、乙に対して本条第 2 項に規定する通
知を行ったこと、または本条第 3 項の規定に従い確認を行ったことのいずれを理由としても、合築事業Ⅱの対象施設の設計および建設の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
第5章 合築事業Ⅱの対象施設の建設
第1節 総 則
(合築事業Ⅱの対象施設の建設)
第 12 条 乙は、株式会社大林組および株式会社笹川組の共同事業体をして、合築事業Ⅱ契約、PFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類ならびに合築事業Ⅱ契約の日程表(別紙 6)および次条に定める施工計画書に従い、かつ、建築工事共通仕様書、電気設備工事共通仕様書および機械設備工事共通仕様書を参考にして、合築事業Ⅱの対象施設の建設工事を施工させるものとする。
2 仮設、施工方法その他、合築事業Ⅱの対象施設を完成するために必要な一切の手段については、乙が自己の責任において定めるものとする。
3 合築事業Ⅱの対象施設の建設に関し、合築事業Ⅱ契約に定めのない事項については、合築事業Ⅱ契約の趣旨に反しない限り、滋賀県建設工事請負契約約款(平成8年4月 26 日滋賀県告示第 221 号)の各規定を準用するものとする。
(施工計画書等)
第 13 条 乙は、本件建物の着工前に合築事業Ⅱの対象施設を含む本件建物の施工計画書(工事全体工程表を含む。)を作成し、甲に対して提出するものとする。
2 乙は、株式会社大林組および株式会社笹川組の共同事業体をして別途、乙が県との間の協議により定める期限までに週間工程表を作成し、甲に対して提出させるものとする。
3 乙は、株式会社大林組および株式会社笹川組の共同事業体をして、事業概要書ならびに工事全体工程表および週間工程表記載の日程に従い本件建物の建設に着工させ、工事を遂行させるものとする。
4 乙は、本件建物の工期中、株式会社大林組および株式会社笹川組の共同事
業体をして工事現場に常に工事記録を整備させなければならない。
(第三者の使用)
第 14 条 乙がPFI事業契約第 17 条に基づき、県の事前の承諾を得て、第三者に対し、本件建物の建設の一部を請け負わせる場合には、甲は県の判断に異議なく従うものとする。
(合築事業Ⅱの対象施設の建設に関する許認可および届出等)
第 15 条 乙は、合築事業Ⅱの対象施設の建設に関する合築事業Ⅱ契約上の義務を履行するために必要となる一切の許認可を、自己の責任において取得する。
2 乙が甲に対して前項の許認可手続に関して協力を求めた場合、甲は当該許認可の取得および届出等に必要な資料の提出その他について協力するものとする。
(建設場所の管理)
第 16 条 本件建物の建設場所の管理は、乙が善良なる管理者の注意義務をもって行う。
(建設に伴う各種調査)
第 17 条 乙は、その必要性について判断した上で、自己の責任において、本件建物の建設のために必要な測量および地質調査ならびに遺跡調査を行うものとする。
2 乙が前項に従い実施した測量および地質調査の不備、誤謬等から発生する一切の責任は乙がこれを負担するものとし、甲は当該不備、誤謬に起因して発生する一切の追加費用を負担しない。
3 乙が本件土地の引渡しを受ける前に本件建物の建設に伴う各種調査を行う必要がある場合、乙は県に事前に連絡し、その承諾を得た上でこれを実施するものとする。この場合、甲は県の判断に異議なく従うものとする。
4 乙が第 1 項または第 3 項の調査を行った結果、本件土地に瑕疵(土壌の汚染、不発弾、遺跡等により建設工事に支障をきたす状態を含む。)があることが判明した場合、甲は、県および滋賀県信用保証協会とともに、当該瑕疵の除去修復に起因して乙に発生した合理的な追加費用を負担するものとする。
(本件建物の建設に伴う近隣対策)
第 18 条 乙は、自己の責任において、騒音、悪臭、光害、風害、電波障害、粉塵の発生、交通渋滞その他、本件建物の建設により近隣住民の生活環境が受
ける影響を検討し、合理的に要求される範囲の近隣対策を実施する。
2 乙はこの近隣対策の実施について、甲に対して、事前および事後にその内容および結果を報告する。
第2節 甲による確認
(甲による説明要求および建設現場立会い等)
第 19 条 甲は、合築事業Ⅱの対象施設が実施設計図書、合築事業Ⅱ契約および PFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類に従い建設されていることを確認するために、合築事業Ⅱの対象施設の建設状況その他について、乙に事前に通知した上で乙または請負人に対してその説明を求めることができるものとし、また建設現場において建設状況を自ら立会いの上、確認することができるものとする。
2 乙は、前項に規定する建設状況その他についての説明および甲による確認の実施につき、甲に対して最大限の協力を行うものとし、また請負人をして、甲に対して必要かつ合理的な説明および報告を行わせるものとする。
3 前 2 項に規定する説明または確認の結果、建設状況が実施設計図書、合築事業Ⅱ契約またはPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類のうち合築事業Ⅱの対象施設に関する部分の記載の内容を客観的に逸脱していることが判明した場合、甲は乙に対してその是正を求めるものとし、乙はこれに従わなければならない。ただし、共用部分および共用施設について県が是正を要しないと判断した場合にはこの限りではない。
4 乙は、工期中に乙が行う合築事業Ⅱの対象施設の検査または試験について、事前に甲に対して通知するものとする。なお、甲は、当該検査または試験に立ち会うことができるものとする。
5 乙は、合築事業Ⅱの対象施設の建設の進ちょく状況に関して、適宜甲に対して報告を行うものとする。
6 甲は、本条に規定する説明もしくは確認の実施または報告の受領を理由として、合築事業Ⅱの対象施設の建設の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
(中間確認)
第 20 条 合築事業Ⅱの対象施設が実施設計に従い建設されていることを確認するために、甲は、工期中、乙に事前に通知した上で必要な事項に関する中間確認を実施することができるものとする。
2 甲は、前項に規定する中間確認の実施を理由として、合築事業Ⅱの対象施
設の建設の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
3 中間確認の結果、建設状況が実施設計図書、合築事業Ⅱ契約およびPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類のうち合築事業Ⅱに関する部分の記載の内容を客観的に逸脱していることが判明した場合、甲は乙に対してその是正を求めることができ、乙はこれに従わなければならない。ただし、共用部分および共用施設について県が是正を要しないと判断した場合にはこの限りではない。
第3節 完工等
(完工検査)
第 21 条 乙は、自己の責任において、合築事業Ⅱの対象施設を含む本件建物の完工検査および合築Ⅱ設備等の検査を行うものとする。乙は、当該検査の日程を事前に甲に対して通知するものとする。
2 甲は、乙が前項の規定に従い行う完工検査および合築Ⅱ設備等の検査への立会いを求めることができる。ただし、甲は、完工検査ならびに合築Ⅱ設備等の検査への立会いの実施を理由として、何らの責任を負担するものではない。
3 乙は、完工検査に対する甲の立会いの有無を問わず、甲に対して完工検査の結果を完工検査実施後 1 か月以内に、検査済証その他の検査結果に関する書面の写しを添えて報告しなければならない。
(合築事業Ⅱの対象施設を含む本件建物の完工確認)
第 22 条 甲は、乙から前条第 3 項に定める報告を受けた場合、7 営業日以内に別紙 9 に記載する事項に関する完工確認を実施するものとする。
2 完工確認の結果、合築事業Ⅱの対象施設の状況が実施設計図書、合築事業
Ⅱ契約およびPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類の内容を客観的に逸脱していることが判明した場合、甲は乙に対してその是正を求めることができ、乙はこれに従わなければならない。ただし、共用部分および共用施設について県が是正を要しないと判断した場合にはこの限りではない。
3 甲は、乙が前項の是正の完了を報告した日から 7 営業日以内に再完工検査を実施するものとする。当該再完工検査の結果、合築事業Ⅱの対象施設の状況がなおも実施設計図書、合築事業Ⅱ契約およびPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類の内容を逸脱していることが判明した場合の取扱いは、前項および本項の定めるところに準じるものとする。
4 乙は、甲が合築事業Ⅱの対象施設の完工確認または前項に定める再完工確
認を実施し、第 2 項の規定に基づく是正を求めない場合で、かつ、乙がPF
I事業契約書別紙 20 の 2 に定める事業者賠償責任保険の保険証券の写しを別
紙 10 に記載する竣工図書とともに県および甲に対して提出しない限り、甲に対して合築事業Ⅱの対象施設を引渡すことはできないものとする。
5 甲は、第 1 項に規定する完工確認を行ったことを理由として、合築事業Ⅱの対象施設の建設および維持管理の全部または一部について何らの責任を負担するものではなく、また、乙は、その提供する維持管理業務が合築事業Ⅱ契約の規定を満たさなかった場合において、甲が第 1 項に規定する完工確認を行ったことをもってその責任を免れることはできない。
第4節 工期の変更等
(工期の変更)
第 23 条 県がPFI事業契約第 26 条に基づき、工期の変更を認めた場合、甲は、県の判断に異議なく従うものとする。
(工期の変更による費用等の負担)
第 24 条 県または甲あるいは滋賀県信用保証協会の責めに帰すべき事由により工期を変更した場合、当該責めに帰すべき事由を発生させた当事者は、乙が負担した合理的な増加費用および工期の変更に伴って乙が被った不利益を補償する。
2 乙の責めに帰すべき事由により工期を変更した場合、乙は、当該遅延に伴い甲が負担した合理的な増加費用および工期の変更に伴って甲が被った不利益を補償する。
3 不可抗力事由により工期が変更された場合、当該遅延に伴い甲に生じた増加費用ないしは被った不利益を補償する金額については甲が負担し、乙に生じた増加費用ないしは被った不利益を補償する金額については乙が負担するものとする。ただし、乙の負担は合築事業Ⅱの対象施設の対価の 0.5%を限度とし、限度を超えた部分については甲の負担とする。
4 前 3 項の工期変更事由が複合して工期が変更された場合には、工期変更事由ごとに工期変更に与えた影響度合いを算出し、県、甲、滋賀県信用保証協会および乙はこれらを按分して増加費用等を負担する。かかる影響度合いの算出については、県、甲、乙および滋賀県信用保証協会で協議して決定するものとする。
5 合築事業Ⅱに影響を及ぼす法令変更により工期が変更された場合には、当該変更に伴い甲および乙が負担した合理的な増加費用ないしは被った不利益
を補償する金員については、甲が負担するものとする。
(工事の中止)
第 25 条 県が、PFI事業契約第 28 条に基づき、本件建物の建設工事の全部または一部の施工を一時中止させた場合およびこれにより工期が変更された場合には、甲は県の判断に異議なく従うものとする。
2 乙は、前項の県の処分によって損害が生じた場合、当該工事の一時中止が乙の責めに帰すべき場合を除き、県から当該損害の賠償を受けるものとする。
第5節 損害の発生等
(建設工事中に乙が第三者に与えた損害)
第 26 条 乙が本件建物の建設工事の施工に関し第三者に損害を与え、民法その他の法律に基づいて損害賠償責任を負うことになった場合、乙は当該損害を当該第三者に対して賠償しなければならない。
2 合築事業Ⅱの対象専有施設を含む本件建物の建設工事の施工に伴い、通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶その他の理由により乙が第三者に対して損害を与えた場合も前項と同様とする。
(損害発生の通知)
第 27 条 合築事業Ⅱの対象施設が甲に引渡される前に、不可抗力事由により、本件建物、仮設物または工事現場に搬入済みの工事材料その他建設機械器具等に損害または損失が生じた場合、乙は、当該事実が発生した後直ちに当該損害または損失の状況を甲に通知しなければならない。
第6章 合築事業Ⅱの対象施設等の譲渡
(合築事業Ⅱの対象施設等の譲渡)
第 28 条 乙は甲に対し、合築事業Ⅱの対象施設等を有償にて譲渡する。
(売買代金)
第 29 条 甲は乙に対し、合築事業Ⅱの対象施設等の譲渡の対価として合計金 364,927,000 円およびこれに対する消費税相当額を支払う。
(建物の面積)
第 30 条 甲と乙とは、合築事業Ⅱの対象施設については、壁芯計算による面積
(以下「譲渡面積」という。)によりこれを売買することとし、譲渡面積と内法計算による登記面積とが相違しても、互いに異議を申し出ず、また売買代金の増減を請求しないものとする。ただし、譲渡面積にはパイプスペース等の面積を含むものとする。
(売買代金の支払時期)
第 31 条 甲は、乙に対し、第 29 条に定められた売買代金を、合築事業Ⅱの対象施設等の引渡しを受けるのと引換えに支払う。
(所有権の移転および登記)
第 32 条 合築事業Ⅱの対象施設等の区分所有権は、甲が乙に対して第 29 条の売買代金全額の支払いを完了したとき、乙から甲に移転するものとする。
2 合築事業Ⅱの対象施設の表示登記は乙が行い、乙は、甲と協力して甲の所有名義となる所有権保存登記申請手続等を前項により乙が甲に合築事業Ⅱの対象施設の所有権を移転した後、直ちにこれを行うものとする。
3 合築事業Ⅱの対象施設に関する表示登記を含む登記費用に要する一切の費用は、甲の負担とする。
(引渡し)
第 33 条 乙は甲に対し、平成 16年7月1 日に合築事業Ⅱの対象施設等を引き渡すものとする。
(管理責任)
第 34 条 合築事業Ⅱの対象施設等の管理責任は、前条に基づき、乙が甲に対し、合築事業Ⅱの対象施設等を引渡した日をもって、乙から甲に移転する。
(公租公課等の負担)
第 35 条 合築事業Ⅱの対象施設についての公租公課、管理費、ガス・水道・電気等の使用料およびその他の負担金については、あて名名義のいかんにかかわらず、第 33 条に基づく引渡日をもって区分し、その前日までの分は乙の負担、その日以降の分は甲の負担とする。ただし、納税等負担の起算日は1月1 日とする。
(瑕疵担保責任)
第 36 条 乙は、合築事業Ⅱの対象施設等の瑕疵については、第 33 条に規定す
る引渡しの日から 10 年間担保の責任を負う。
(危険負担等)
第 37 条 本件建物の完成後、第 33 条に規定する合築事業Ⅱの対象施設等の引渡日までに、合築事業Ⅱの対象施設等の全部または一部が不可抗力事由により、滅失または毀損したときは、合築事業Ⅱ契約の取扱いは、次の各号によるものとする。ただし、その損失は合築事業Ⅱの対象施設等の対価の 0.5%までは乙の負担とし、その余は甲の負担とし、甲は乙に対し損害賠償の請求をしないものとする。
(1) 滅失の場合は、甲および乙は、合築事業Ⅱ契約を終了させるものとする。ただし、乙が甲の認める期間内に甲の認める甲の費用をもって本件建物を 再築し、甲に対し合築事業Ⅱの対象施設等を引渡すときはこの限りでない。
(2) 毀損の場合は、乙は合築事業Ⅱの対象施設等の対価の 0.5%までは乙の負担、その余は甲の認める甲の費用負担で合築事業Ⅱの対象施設等を当初の設計どおり修復して甲に引渡すものとし、修復に要する合理的期間を限度として引渡し期限が延期されることについて、甲は異議を申し出ず、また合築事業Ⅱ契約の解除を請求しないものとする。
(3) 前号の場合、毀損の程度が甚大で修復に多額の費用を要すると甲が認めたときは、甲はこの契約を解除することができるものとする。
2 合築事業Ⅱの対象施設等の引渡以降に、合築事業Ⅱの対象施設等の全部または一部が、不可抗力事由により、滅失または毀損したときは、その損失は甲の負担とする。
3 事業に影響を及ぼす法令変更により、合築事業Ⅱの対象施設等の全部または一部の甲への引渡が不可能となった場合には、それによって発生した合理的な損失は甲が負担する。
(遅延損害金)
第 38 条 甲もしくは乙が合築事業Ⅱ契約の各条項に基づき、相手方に対して支払うべき金員を、所定の期日までに支払わないときは、支払期日の翌日から支払済みに至るまで、当該未払金に対し、年利 6%(年 365 日の日割計算)の割合による遅延損害金を相手方に対して支払うものとする。
(合築事業Ⅱ契約の解除)
第 39 条 甲は、乙がその責めに帰すべき事由により合築事業Ⅱの対象施設の引渡しを第 33 条の規定の期日を 30 日を超えて履行しない場合には、合築事業
Ⅱ契約を解除することができる。
2 乙は、甲が、売買代金の支払いを 30 日を超えて遅延した場合には、合築事
業Ⅱ契約を解除することができる。
3 甲および乙は、第 1 項および第 2 項に定める場合、または第 37 条第 1 項(3)
号ないしは第 53 条に定める場合を除き、合築事業Ⅱ契約を解除することはできないものとする。
4 甲もしくは乙は、第 1 項もしくは第 2 項により合築事業Ⅱ契約を解除した場合において、解除に伴って生じた損害について、相手方に対して損害賠償請求をすることができる。
(PFI事業契約解除に伴う解除)
第 40 条 前条に定めるほか、甲は、PFI事業契約が同契約第 69 条ないし第
72 条の規定に基づき解除された場合、合築事業Ⅱ契約を解除することができる。ただし、合築事業Ⅱの対象施設等が既に甲に引渡し済みの場合には、合築事業Ⅱの対象施設等の売買に関する契約部分は解除できないものとする。
第7章 本件土地、共用部分および共用施設の維持管理
第1節 総 則
(本件土地、共用部分および共用施設の維持管理)
第 41条 甲は、平成 16年7月1 日からPFI事業契約の終了に至るまでの間、本件建物の管理組合の一員として、同組合が乙に対し本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務を委託することに同意するものとし、乙はこれに応じて当該維持管理業務を受託し、乙の提案水準に従ってこれを行うものとする。
2 甲および乙は、前項の業務を乙に委託する本件建物の管理組合の区分所有者である甲が前項の維持管理業務に対応して本件建物の管理組合に対して支払う金額は、半年当たり、金 2,261,000 円(消費税別途)であることを確認
する。なお、上記金額は、物価変動に応じて別紙 13 に定める算定方法に従って変更されるものとする。
3 甲は、乙の提案水準を変更すべき合理的理由があると思料する場合には、県に申し出てその承諾を得、県を通じて乙に対し変更を請求するものとする。この場合において、県と乙が合意した場合には、その内容水準は当該県と乙との合意に従って変更されるものとする。
4 前項の場合の他、県と乙とが乙の提案水準を変更する旨、合意した場合には、甲は、その内容または水準が合意に従って変更されることを異議なく承諾する。
5 乙は、止むを得ない事由により乙の提案水準を満たすことができない場合、または継続してこの水準を満たす維持管理業務を提供することが困難であると予見される場合、県に対し、速やかにかつ詳細にこれを報告し、その改善策に関して県と協議する。協議の結果、乙の報告内容が合理的であると県が認めた場合には、県は、対象となる維持管理業務の変更または中止を認めるものとする。この場合、甲は県の判断を尊重し、対象となる維持管理業務が変更または中止されることを異議なく承諾する。
6 甲および乙は、PFI事業契約第 54 条に基づき、同契約第 51 条第 3 項(2)
号のサービス購入費が減額された場合、その減額割合に応じて第 2 項に定める金額も減額されることを確認する。ただし、PFI事業契約におけるサービス購入費の減額が本件建物のうち県が乙から貸付を受ける専有部分における維持管理業務の水準不達成のみを原因とする場合についてはこの限りでない。
(年間業務計画書の提出)
第 42 条 乙は甲に対し、当該事業年度における維持管理計画を明らかにした年間業務計画書を提出し、これによって甲は、事業年度が開始する前に当該年度の維持管理計画を確認するものとする。
2 甲は、前項の確認を行ったことを理由として、本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
(第三者の使用)
第 43 条 乙は、県の事前の承諾を得て、第三者に対し、本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務の全部または一部を委託することができるものとし、甲は県の判断に異議なく従うものとする。
2 乙が本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務の全部または一部を第三者に対して委託する場合、第三者の使用はすべて乙の責任において行うものとし、当該第三者の責めに帰すべき事由はすべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものとする。
第2節 業務の確認等
(説明要求および立会い)
第 44 条 甲は、PFI事業契約における事業期間中、本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務について、乙に事前に通知した上でその説明を求
めることができるものとし、また、その維持管理状況を自ら立会いの上、確認することができるものとする。
2 乙は、前項に規定する維持管理状況その他についての説明および甲による確認の実施につき、甲に対して最大限の協力を行わなければならない。
3 前 2 項に規定する説明または確認の結果、本件土地、共用部分あるいは共用施設の維持管理状況が年間業務計画書、合築事業Ⅱ契約またはPFI事業契約締結に至るまでの説明・提案書類の内容を客観的に逸脱していることが判明した場合、甲は、乙に対してその是正を指示するものとする。この場合、乙は甲に対して次条に規定する業務報告書においてかかる指示に対する対応状況を報告しなければならない。ただし、県が是正を要しないと判断した場合にはこの限りではない。
4 甲は、本条に規定する説明および確認の実施を理由として、本件土地、共用部分あるいは共用施設の維持管理の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
(業務報告書)
第 45 条 乙は、本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務の状況を正確に反映した業務報告書を作成し、各月の 7 日までに前月に係る業務報告書を甲に対して提出し、甲は当該業務報告書の記載に基づいて乙の業務の確認を行うものとする。
2 乙は、前項の業務報告書とは別に各事業年度の半期(上半期は 7 月から 12
月、下半期は 1 月から 6 月とする。)毎に本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務の状況を正確に反映した半期業務報告書を作成し、各事業年度の7月7 日および1月7 日までに直前の半期に係る半期業務報告書を甲に対して提出しなければならない。
3 合築事業Ⅱ契約が解除その他の理由によって各月の末日以外の日または前項の半期の途中に終了した場合、乙は、契約終了後 7 日以内に当該期間に係
る前 2 項の各業務報告書に相当する業務報告書を甲に提出し、甲は当該業務報告書の記載に従い、乙の業務の確認を行うものとする。
第3節 第三者に与えた損害等
(第三者に与えた損害等)
第 46 条 乙が本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務を行うにつき第三者に損害を与え、民法その他の法律に基づいて損害賠償責任を負うことになった場合、乙は当該損害を当該第三者に対して賠償しなければならない。
2 本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務はすべて乙の責任おいて行うものし、第三者との間で紛争を生じ、または第三者から苦情を受けた場合にはすべて乙においてその費用負担と責任の下に解決すべく誠意をもって対処する。
第8章 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理
(合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理)
第 47 条 甲は、乙に対し、平成 16 年 7 月 1 日から合築事業Ⅱ契約の終了に至るまでの間、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理を委託し、乙はこれを受託する。
2 前項に基づき甲が乙に対して委託する維持管理内容は別紙 11 記載のとおりとし、乙は、維持管理水準(別紙 12)に従ってこれを行うものとする。
3 乙は、甲において合築事業Ⅱの対象専有施設の造作等の改造または改装の必要を生じ、その実施を通知したときは、これを承諾するものとする。ただし、その工事費は甲が負担する。また、上記の改造または改装に伴って、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理費用が増加した場合、増加分の維持管理費用は甲が負担するものとする。
(委託料)
第 48 条 甲は乙に対し、前条の維持管理業務の対価として、平成 17 年から平
成 46 年まで毎年 1 月および 7 月の各末日限り、半年当たり金 3,959,000 円の割合による金員およびこれに対する消費税相当額を支払うものとする。
2 合築事業Ⅱ契約が解除その他の理由によって契約期間満了前に終了した場合には、契約終了日を含む月の翌月末日までに、前項に定める半年当たりの委託料のうち、既履行部分に係る委託料(年 365 日の日割計算)を支払うものとする。
(業務水準の変更)
第 49 条 維持管理水準は、合理的な理由に基づき甲または乙が相手方に対し請求した場合において、甲と乙が合意したときに限り、その内容・水準を変更することができる。
2 止むを得ない事由により、乙が維持管理水準を満たすことができない場合、または継続してこの水準を満たす維持管理業務を提供することが困難であると予見される場合、乙は甲に対し、速やかにかつ詳細にこれを報告し、その改善策に関して甲と協議しなければならない。
3 協議の結果、乙の報告内容が合理的であると甲が認めた場合には、甲は、対象となる維持管理業務の内容の変更または中止を認めるものとする。
(第三者の使用)
第 50 条 乙は、甲の事前の承諾を得た場合に限り、第三者に対し、第 47 条に定める合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理業務の全部または一部を委託することができる。
2 乙が合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理業務の全部または一部を第三者に対して委託する場合、第三者の使用はすべて事業者の責任において行うものとし、当該第三者の責めに帰すべき事由はすべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものとする。
(甲による説明要求および立会い)
第 51 条 甲は、本件維持管理契約期間中、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理業務について、乙に事前に通知した上でその説明を求めることができるものとし、また合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理状況を自ら立会いの上、確認することができるものとする。
2 乙は、前項に規定する維持管理状況その他についての説明および甲による確認の実施につき、甲に対して最大限の協力を行わなければならない。
3 前 2 項に規定する説明または確認の結果、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理状況が維持管理内容あるいは維持管理水準に客観的に逸脱していることが判明した場合、甲は乙に対してその是正を勧告することができる。ただし、乙が第 49 条第 2 項に従って甲に報告を行い、甲と協議している場合には、その期間中、甲は乙に対し同一事由に基づき上記勧告を行わず、また、次条第 3 項の減額の決定は行わないものとする。
4 甲は、本条に規定する説明および確認の実施を理由として、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理の全部または一部について何らの責任を負担するものではない。
(委託料の変更)
第 52 条 第 48 条に定める維持管理業務の対価に相当する部分は、物価変動に
応じて別紙 13 に定める算定方法に従って変更されるものとする。
2 第 49 条に基づき、維持管理内容が変更された場合には、甲、乙協議の上、その変更内容に応じて第 48 条に定める委託料を変更するものとする。
3 甲が乙に対して前条第 3 項の勧告を行ったにもかかわらず、当該勧告の対象となった事項が当該勧告に定められた期間内に是正されない場合、甲は、
第 48 条に定める委託料を、水準不達成の程度に応じて合築事業Ⅱ契約の締結後に甲が乙と協議のうえ決定する基準に従って減額することができる。なお、当該減額は、当該勧告の対象事項の発生時点の如何にかかわらず、当該減額が決定された日が含まれる半期分の委託料からこれを行うものとする。
(本件維持管理契約の解除)
第 53 条 甲は、乙が本章に定める乙の義務の一に違反し、30 日以上の期限を定めた履行の催告に応じない場合には、本件維持管理契約を解除することができ、乙の義務違反によって甲が蒙った損害の賠償を乙に対して請求できるものとする。
2 乙は、甲が合理的な理由なく、委託料の支払いを 30 日を超えて遅滞した場合に、期限を定めて履行の催告をしたにもかかわらず甲がこれに応じない場合は、乙は本件維持管理契約を解除でき、甲の義務違反によって乙が蒙った損害の賠償を甲に対して請求できるものとする。
(第三者に与えた損害等)
第 54 条 乙が本件土地、合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理業務を行うにつき第三者に損害を与え、民法その他の法律に基づいて損害賠償責任を負うことになった場合、乙は当該損害を当該第三者に対して賠償しなければならない。
2 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理はすべて乙の責任において行うものし、第三者との間で紛争を生じ、または第三者から苦情を受けた場合にはすべて乙において解決すべく誠意をもって対処する。
第9章 モニタリング
(モニタリング)
第 55 条 甲は県および滋賀県信用保証協会とともに、乙の費用負担において、維持管理業務について、乙の提案水準を確保するために、定期的にモニタリングを行うものとする。なお、モニタリングの項目については、県および甲においてモニタリングの実施日までに決定するものとする。
2 前項に定めるほか、甲、県および滋賀県信用保証協会は、必要と認める場合には、自らの費用負担において、随時、本件土地、共用部分および共用施設の維持管理業務についてのモニタリングを行うことができる。
3 乙は、甲、県および滋賀県信用保証協会が前 2 項のモニタリング実施にあたって必要な協力を求めた場合には、これに協力しなければならない。
第 10 章 共用部分・共用施設の大規模修繕
(共用部分・共用施設の大規模修繕)
第 56 条 甲は、本件建物の管理組合の一員として、同組合が乙に対して共用部分・共用施設の大規模修繕を委託することに同意するものとし、乙は、これに応じて大規模修繕を受託するものとする。
2 甲および乙は、前項の大規模修繕の積立費用として、甲が管理組合に対して支払う金額が、半年当たり、金 2,035,000 円(消費税別途)であることを
確認する。なお、上記金額は、建設工事費デフレーターに応じて別紙 14 に定める算定方法に従って変更されるものとする。
(施工計画の変更等)
第 57 条 甲は、乙が提出した共用部分・共用施設の大規模修繕に関する施工計画書の内容が、甲の事業の遂行に支障を来たすと認めるときは、乙に対し、施工計画の変更を求めることができる。
2 乙は、やむを得ない事情が存する場合には、あらかじめ県、甲および滋賀県信用保証協会に届け出てその承認を得た上で施工計画の内容を変更することができる。
(合築事業Ⅱの対象施設の建設に関する規定の準用)
第 58 条 合築事業Ⅱ契約第 12 条、第 13 条、第 14 条、第 15 条、第 16 条、第
18 条、第 19 条、第 21 条、第 22 条、第 26 条および第 27 条の規定は、前 2 条に基づき乙が共用部分・共用施設の大規模修繕を行うにつき準用する。ただし、第 12 条第 1 項および第 16 条第 2 項ないし第 4 項に「株式会社大林組および株式会社笹川組の共同事業体」とあるのは、「株式会社大林組」と読み替えて準用するものとする。
第 11 章 その他
(契約上の地位の譲渡等)
第 59 条 乙は、甲の事前の承諾のある場合を除き、合築事業Ⅱ契約上の地位および権利義務を第三者に対して譲渡し、担保に提供し、またはその他の処分をしてはならない。
(契約上の地位の承継)
第 60 条 甲が合築事業Ⅱの対象施設等の引渡しを受けた後、県と合築事業者間の(仮称)滋賀21会館整備運営事業に関する基本合意書(以下「基本合意書」という。)第 11 条に定める要件のもとに、合築事業Ⅱの対象施設等を第三者に譲渡・賃貸・無償貸付する場合、乙の承諾を条件として、当該第三者が合築事業Ⅱ契約における甲の地位を承継する。ただし、乙は合理的理由なく承諾を拒まないものとする。当該第三者が合築事業Ⅱ契約における甲の地位を承継したとき、甲は、当該第三者に対し、合築事業Ⅱ契約の各条項および管理組合規約を遵守するよう確約させるものとする。
(事業計画等の提出)
第 61 条 乙は、毎事業年度開始 1 か月前までに、県がPFI事業契約において定める様式の年間事業計画書および年間収支予算を作成し、甲に提出しなければならない。これを変更しようとする場合も同様とする。
2 乙は、PFI事業期間の終了に至るまでに県がPFI事業契約において定める様式の年間業務報告書を作成の上、事業年度の最終日より 3 ヶ月以内に、公認会計士の監査済財務書類とともに甲に提出するものとする。
3 乙は、提案時の事業計画と各期の事業実績の比較内容を財務書類に記載するものとし、甲は、同内容につき乙から説明を受けることができるものとする。
(秘密保持)
第 62 条 甲および乙は、合築事業Ⅱ契約上の秘密を第三者に漏洩したり、本件秘密文書等を滅失、毀損または改ざんしてはならず、また、合築事業Ⅱ契約上の秘密および本件秘密文書等を合築事業Ⅱ契約上の履行以外の目的に使用してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する情報についてはこの限りでない。
(1) 当事者が既に保持している情報
(2) 当事者が第三者から正当に取得した情報
(3) 相手方から提供を受けた情報に関係なく、当事者が独自に開発した情報
(4) 合築事業Ⅱ契約に違反することなく、かつ、相手方からの受領の前後を問わず公知となった情報
2 甲および乙は、合築事業Ⅱ契約上の義務の履行ないしは合築事業Ⅱ契約上の権利の行使に係る事務に従事している者および従事していた者(第 9 条、
第 14 条(第 58 条によって準用する場合を含む)、第 43 条または第 50 条により合築事業Ⅱ契約に基づく事業の全部または一部を第三者に委託する場合における当該第三者を含む)に、合築事業Ⅱ契約上の秘密を第三者に漏洩させ、
本件秘密文書等を滅失、毀損もしくは改ざんさせ、または合築事業Ⅱ契約上の秘密ないしは本件秘密文書等を合築事業Ⅱ契約の履行以外の目的に使用させてはならない。
3 乙は、第 9 条、第 14 条(第 58 条によって準用する場合を含む)、第 43 条
または第 50 条により合築事業Ⅱ契約に基づく事業の全部または一部を第三者に委託する場合には、当該第三者に対し、その受託業務遂行事務に従事させる者および従事させていた者との関係で、前項において乙が甲に対し約したのと同様の義務を負わせなければならない。
4 乙は、合築事業Ⅱを行うにつき、個人情報を取り扱う場合は、関係法令および滋賀県個人情報保護条例(平成 7 年滋賀県条例第 8 号)を適用し、これらの規定に従うほか、県および甲の指示を受けて適切に取り扱うものとする。
5 県および甲は、乙が合築事業Ⅱを行うにつき、取り扱っている個人情報の保護状況について、随時調査することができる。
6 県および甲は、乙が合築事業Ⅱを行うにつき、個人情報の取扱いが不適切であると認められるときは、必要な勧告を行うことができる。この場合、乙は直ちに県および甲の勧告に従わなければならない。
(著作権等)
第 63 条 甲は、乙から全体事業の推進に関して甲に提出される書類等のうち、乙のみが作成し、著作権の対象となるものについての著作権は、乙に属することを認める。
2 甲は、全体事業の遂行の目的で使用する場合に限り、前項の乙の著作権となる書類等の内容を無償で使用できるものとするが、第三者にこれを使用させまたは公開する場合には、乙の承諾を得なければならないものとする。
3 乙は、甲から全体事業の推進に関して乙に提出される書類等のうち、甲のみが作成し、著作権の対象となるものについての著作権は甲に属することを認める。
4 乙は、全体事業の遂行の目的で使用する場合に限り、前項の甲の著作権となる書類等の内容を無償で使用できるものとするが、第三者にこれを使用させまたは公開する場合には、甲の承諾を得なければならないものとする。
5 甲および乙は、全体事業の推進に関して共同して作成した書類等のうち、著作権の対象となるものについて、第三者にこれを使用させまたは公開する場合には、相互に相手方の承諾を得なければならない。
6 甲および乙は、合築事業Ⅱ契約の効力消滅後においても、前各項の規定に従うものとする。
第 12章 雑 則
(印紙の費用)
第 64 条 合築事業Ⅱ契約の契約書に貼付する印紙の費用は、各自その保有する分を負担するものとする。
(通知義務)
第 65 条 甲および乙は、その名称、代表者の氏名または本店所在地ないしは主たる事務所の所在地を変更したときは、ただちに相手方に通知するものとし、これを怠ったために相手方が蒙るいっさいの損害は、変更をした者が負担するものとする。
(請求、通知等の様式その他)
第 66 条 合築事業Ⅱ契約に定める請求、通知、報告、説明、申出、届出、承諾、勧告、指導、催告、要請および契約終了告知または解約・解除は、相手方に対する書面をもって行われなければならない。
2 合築事業Ⅱ契約上の期間の定めは、民法(明治 29 年法律第 89 号)および
商法(明治 32 年法律第 48 号)が規定するところによるものとする。
(準拠法)
第 67 条 合築事業Ⅱ契約は、日本国の法令に準拠し、日本国の法令に従って解釈される。
(管轄裁判所)
第 68 条 合築事業Ⅱ契約に関する紛争は、大津地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とするものとし、甲および乙は、同裁判所の専属的管轄に服することに同意する。
(定めのない事項等)
第 69 条 合築事業Ⅱ契約、基本合意書、PFI事業契約および管理組合規約に定めのない事項について定める必要が生じた場合、または合築事業Ⅱ契約の解釈に関して疑義が生じた場合は、「建物の区分所有等に関する法律」(昭和 37 年法律第 69 号)および民法その他の関係法令ならびに一般の不動産取引慣行に従い、甲・乙互いに誠意をもって協議し決定するものとする。
2 前項の場合のほか、甲および乙は、必要と認める場合は適宜、合築事業Ⅱ契約に基づく一切の業務に関連する事項につき、相手方に対し協議を求める
ことができ、この場合、相手方は協議に応じなければならない。
以上のとおり、合築事業Ⅱ契約が成立した事実を証するため本書 2 通を作成
し、甲乙それぞれ記名押印の上、各 1 通を保有する。
平成 14年 10月 16日
甲 : 滋賀県大津市打出浜1番3号 大津商工会議所
会頭 髙 橋 宗 治 郎
乙 : 滋賀県大津市別保一丁目 15 番 38 号 ピーエフアイ滋賀二十一会館株式会社代表取締役 青 戸 邦 嗣
別紙 1 本件土地(1 条、5 条、6 条、7 条、8 条、17 条、41 条、42 条、43 条、 44 条、45 条、46 条、55 条関係)
所 | 在 | 滋賀県大津市打出浜 |
地 | 番 | 27 番 1 |
地 | 目 | 雑種地 |
地 | 積 | 3,288.69 平方メートル(実測) |
別紙 2 乙の提案書類(1 条、9 条、11 条、12 条、19 条、20 条、22 条、44 条関係)
乙の提案書類とは、下記の書類をいう。
1 事業に関する基本的な考え方に関する書類
・ 事業に関する基本的な考え方表紙(様式 10)
・ 事業に関する基本的な考え方(様式 11)
・ 施設の設計、建設に関する考え方(様式 12)
・ 施設の維持管理に関する考え方(様式 13)
・ IT事業の実施に関する考え方(様式 14)
・ 利用可能容積の活用事業に関する考え方(様式 15)
・ 施設の有効活用事業に関する考え方(様式 16)
・ 資金調達およびリスク分担の考え方(様式 17)
2 提案提出書・入札書等
・ 提案提出書(様式 21)
・ 入札書(様式 22)
・ 委任状(様式 23)
3 設計提案書
・ 設計提案書表紙(様式 24)
・ 設計内容説明書(様式 25)
・ 初期備品調達内容説明書(様式 26)
・ 設計計画書(様式 27)
・ 面積表(様式 28)
・ 仕上表(様式 29)
・ ライフサイクル CO2 の排出量計算書(様式 30)
・ 費用等積算表(様式 31)
・ 工事費内訳書(様式 32)
・ 初期備品調達費用見積書(様式 33)
・ 主体別の施設整備費用負担額の算出(様式 34)
4 設計図面
・ 設計図面表紙(様式 35)
・ 配置図(1階平面図と兼ねる)(1/200)
・ 各階平面図(1/200)
・ 立面図(1/200)
・ 断面図(1/200)
5 透視図
・ 透視図表紙(様式 36)
・ 外観透視図
・ 内観部分透視図
6 工事計画書
・ 工事計画書表紙(様式 37)
・ 工事内容説明書(様式 38)
・ 整備工程表(様式 39)
7 維持管理計画書
・ 維持管理計画書表紙(様式 40)
・ 維持管理内容説明書(様式 41)
・ 維持管理計画書(様式 42)
・ 維持管理費用見積書(様式 43)
8 運営支援業務提案書
・ 運営支援業務提案書表紙(様式 44)
・ 運営支援内容説明書(様式 45)
・ 運営支援業務計画書(様式 46)
・ 運営支援費用見積書(様式 47)
9 大規模修繕提案書
・ 大規模修繕提案書表紙(様式 48)
・ 大規模修繕内容説明書(様式 49)
・ 大規模修繕費用見積書(様式 50)
10 利用可能容積活用事業提案書
・ 利用可能容積活用事業提案書表紙(様式 51)
・ 利用可能容積活用事業内容説明書(様式 52)
・ 利用可能容積活用事業計画書(様式 53)
・ リスク管理の方針(利用可能容積活用事業)(様式 54)
・ 資金調達計画(利用可能容積活用事業)(様式 55)
・ 収支計画の前提(利用可能容積活用事業)(様式 56)
・ 長期収支計画(利用可能容積活用事業)(様式 57)
11 施設の有効活用事業提案書
・ 施設の有効活用事業提案書表紙(様式 58)
・ 施設の有効活用事業内容説明書(様式 59)
・ 施設の有効活用事業計画書(様式 60)
・ 収支計画(施設の有効活用事業)(様式 61)
12 事業計画提案書
・ 事業計画提案書表紙(様式 62)
・ 実施体制図(様式 63)
・ ピーエフアイ滋賀二十一会館㈱と各主体の委託契約表(様式 64)
・ サービス対価の整理(様式 65)
・ 収入・支出のフロー図(様式 66)
・ 資金調達計画(様式 67)
・ 自己資本計画(様式 68)
・ リスク管理の方針(様式 69)
・ 収支計画の前提(様式 70)
・ 長期収支計画(様式 71)
・ PFI事業入札価格算定表(様式 72)
13 その他
・ 協力会社名簿(様式 73)
・ 投資趣意書(富国生命保険相互会社)
・ 投資趣意書(安田生命保険相互会社)
14 別添資料
・ LCCO2排出量計算シート
別紙 3 合築Ⅱ設備等(1 条、3 条、21 条、28 条、47 条関係)
大林組グループ作成の提案書に基づくものとし、その詳細は、合築事業Ⅱ契約の締結後に、甲および乙が協議の上で定め、乙が実施設計図書に記載するものとする。
別紙4の1 共用部分(1 条、6 条、41 条、42 条、43 条、44 条、45 条、46 条、 55 条関係)
エントランス・ホール
管理事務室・メールボックス機械室
階段・トイレ EVホール 廊下
ミーティング・コーナーアメニティ・コーナー 湯沸室
塵芥置場
サーバー・PBX室(スペース)倉庫(室)
その他、関連する設備等
詳細は、大林組グループ作成の提案書に基づき、合築事業Ⅱ契約の締結後に、甲および乙が協議の上で定め、乙が実施設計書に記載するものとする。
別紙4の2 共用施設(1 条、41 条、42 条、43 条、44 条、45 条、46 条、55 条関係)
駐車場駐輪場
外構施設等
その他、関連する施設等
詳細は、大林組グループ作成の提案書に基づき、合築事業Ⅱ契約の締結後に、甲および乙が協議の上で定め、乙が実施設計書に記載するものとする。
別紙 5 共用部分・共用施設の大規模修繕(1 条、56 条、57 条、58 条関係)の内容
建築物の主要構造部(建築基準法〔昭和 25 年法律第 201 号〕第 2 条第 5号)の一種以上について、従前の材質、位置、寸法がほぼ同様かそれ以上であるように修復すること。
別紙 6 日程表(4 条、12 条 1 項関係)
合築事業Ⅱ契約締結 平成 14 年 10 月 16 日
設計・建設期間 平成 14 年 10 月 16 日~平成 16年6月 30日
合築事業Ⅰ施設、合築事業Ⅱ施設の引渡しおよび所有権移転期日 平成 16年7月1日
維持管理・運営期間 平成 16 年 7月1 日~平成 46年6月 30日
合築事業Ⅱ契約期間の満了 平成 46年6月 30日
別紙 7 承諾書(5 条関係)
承 諾 書
大津商工会議所(以下「甲」という。)は、ピーエフアイ滋賀二十一会館株式会社(以下「乙」という。)に対し、乙が県の有する下記物件の表示記載の土地
(以下「本件土地」という。)の持分についての使用貸借契約により本件土地を以下の条件に従って使用することを承諾する。なお、本書において使用する用語の定義は、別に定めるものの他、県と乙との間のPFI事業契約第 1 条に定めるところによる。
(使用の目的)
第1条 乙は、(仮称)滋賀21会館整備PFI事業および合築事業Ⅰ、合築事業Ⅱの実施のための本件建物の建設ならびに本件施設および民間事業施設を所有するために必要な範囲内において本件土地を使用しなければならない。
(使用の期間)
第2条 本件土地の使用期間は、平成 46年6月 30 日までとする。
ただし、当該期間の終了の日までに県および乙間の(仮称)滋賀21会館整備PFI事業契約が終了した場合には、その時点で本承諾書に基づく使用承諾も終了するものとする。
2 甲は、(仮称)滋賀21会館整備PFI事業の継続されている間は、本承諾を撤回しない。
(譲渡および転貸等の禁止)
第3条 甲は、(仮称)滋賀21会館整備PFI事業の継続中は、乙の承諾なく、県または滋賀県信用保証協会以外の第三者に本件土地持分を譲渡または賃貸しない。
2 乙は、本承諾により生ずる地位、権利ないしは事実上の利益を第三者に譲渡し、または転貸するなどの一切の処分をしてはならない。
(善管注意義務)
第4条 乙は、本件土地を善良なる管理者の注意義務をもって使用し、維持保全に努めなければならない。
(第三者に損害を及ぼした場合の措置)
第5条 乙が本件土地を使用するにつき第三者に損害を与え、民法その他の法律に基づいて損害賠償責任を負うことになった場合、乙は当該損害を当該第三者に対して賠償しなければならない。
(維持管理義務)
第6条 乙は、PFI事業契約、合築事業Ⅰ契約および合築事業Ⅱ契約に基づき、本件土地の維持管理を行う。
(滅失または毀損の通知義務)
第7条 乙は、合築事業Ⅱ契約の期間中、本件土地の一部が毀損し、またはそのおそれがある場合は、直ちに甲に対してその状況を通知しなければならない。
(本承諾終了時の処理)
第8条 乙は、本承諾の効力が終了した場合には、別段の定めのある場合を除いて、乙の費用で本件土地を本件建物の引渡の日の原状に回復しなければならない。ただし、次の各号に該当するものは、この限りでない。
(1) 県、甲または滋賀県信用保証協会の責めによる汚損、破損によるもの
(2) 県、甲または滋賀県信用保証協会による本件土地の変更、改良に係るもの
(3) 県が原状に復することが必要でないと認めたもの
2(1) 本件建物が滅失し、もしくは著しく毀損し修復に多額の費用を要する状態となったことによりPFI事業契約が目的不能により終了した場合には、乙は、本件建物(基礎部分を含む)を完全に取り壊し、残骸を撤去して本件土地を更地状態にしなければならない。
(2) 前号の場合において、乙は事前に解体・撤去等に要する費用の見積りを県に提出し、その承諾を得なければならない。
(3) 県が、乙の見積りより安価で解体・撤去等を行う業者に作業をさせ、乙に対し、その代金のうち事項に従って乙が負担すべき額に相当する金員の支払いを求めた場合には、乙は県に対し、その支払いを行うものとする。
3 前項の本件建物の取り壊しおよび残骸の撤去等に要する費用のうち、合築事業Ⅱの対象施設等の取り壊しおよび残骸の撤去に要する費用については、本件建物の滅失・毀損の原因に応じて次の各号のとおり負担する。
(1) 乙の責めに帰すべき事由に基づく場合には乙が負担する。
(2) 甲の責めに帰すべき事由に基づく場合には甲が負担する。
(3) 県の責めに帰すべき事由に基づく場合には県が負担する。
(4) 滋賀県信用保証協会の責めに帰すべき事由に基づく場合には滋賀県信用保証協会が負担する。
(5) 不可抗力事由に基づく場合には、合築事業Ⅱ契約第 33 条に規定する合築事業Ⅱの対象施設の引渡し前は乙、引渡し後は甲が負担する。ただし、乙の負担(取壊しおよび残骸の撤去等に要する費用のみならず、合築事業
Ⅱ契約第 37 条により乙が負担することになる一切の負担を含む。)は合築事業Ⅱの対象施設等の対価の 0.5%を限度とし、限度を超えた部分については甲が負担するものとする。
(6) 前各号の要素が競合している場合には影響度合に応じて案分にて負担する。かかる影響度合いの算出については、甲および乙は、県が甲、乙および滋賀県信用保証協会と協議して決定した結果に従わなければならないものとする。
(損害賠償)
第9条 乙が、本承諾書記載の条件に違反して本件土地を利用したために甲に損害が生じた場合、乙はその損害を賠償しなければならない。
(疑義ある事項)
第 10 条 本承諾書に定めのない事項について必要が生じた場合、または本承諾書の条項の解釈に関して疑義が生じた場合は、その都度、乙は甲と誠実に協議するものとする。
(物件の表示)
所 | 在 | 滋賀県大津市打出浜 |
地 | 番 | 27 番 1 |
地 | 目 | 雑種地 |
地 | 積 | 3,288.69 平方メートル(実測) |
平成 年 月 日
甲
乙
別紙 8 乙が基本設計および実施設計完了時に甲に対し提出する設計図書(11
条 1 項関係)
1 基本設計
表 紙
目 次
設計の基本方針 設計与条件の表示関係法令等の整理機能配置計画
空間構成計画動線計画
防災計画
敷地配置計画平面計画
断面計画立面計画色彩計画構造計画設備計画
内外環境計画耐震計画
外構計画建築概要構造概要設備概要
仕様概要、仕上表面積表
配置図平面図断面図立面図
主要部矩形図構造計画図 設備計画図 工事費概算書
工程計画表 各種技術資料
鳥瞰図(パース)
2 実施設計
(1) 建築主体工事表 紙
図面リスト附近見取図配置図
特記仕様書平面図
立面図 断面図 仕上表 建具表 各伏図 矩形図 各詳細図展開図 構造図 面積表
積算書(拾い出し表、見積書含む)
積算内訳明細書(受託者算出様式によるもの)構造計算書
数量計算書確認申請書
認可、認定、承認書打合せ記録書
(2) 電気設備工事表 紙
図面リスト附近見取図配置図
特記仕様書機器リスト
系統図配線図平面図詳細図
器具リスト 分電盤リスト姿 図
積算書(拾い出し表、見積書含む)
積算内訳明細書(受託者算出様式によるもの)計算書
打合せ記録書
(3) 機械設備工事表 紙
図面リスト附近見取図配置図
特記仕様書機器リスト系統図
平面図
器具リスト姿 図
配管図
積算書(拾い出し表、見積書含む)
積算内訳明細書(受託者算出様式によるもの)計算書
打合せ記録書
別紙 9 完工確認事項(22 条 1 項関係)
内容は、合築事業Ⅱ契約の締結後に県、甲、滋賀県信用保証協会および乙で協議の上、県が定めるものとする。
別紙 10 本件建物の竣工図書(22 条 4 項関係)
内容は、合築事業Ⅱ契約の締結後に県、甲、滋賀県信用保証協会および乙で協議の上、県が定めるものとする。
別紙 11 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理内容(47 条関係)
内容は、合築事業Ⅱ契約締結後に甲および乙で協議の上、定めるものとする。
別紙 12 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の維持管理水準(47 条関係)
内容は、合築事業Ⅱ契約締結後に甲および乙で協議の上、定めるものとする。
別紙 13 維持管理業務の対価の変更の算定方法(41 条 2 項、52 条 1 項関係)
第 41 条第 2 項に定める本件土地、共用部分および共用施設の維持管理につ
いての維持管理業務の対価に相当する部分、ならびに第 52 条第 1 項に定める合築事業Ⅱの対象専有施設・設備についての維持管理業務の対価に相当する部分については、下記の改定方法を適用する。
改定方法(総務省統計局消費統計課作成の消費者物価指数による改定:1 年に 1 回改定)
① 前回改定実施時点(第 1 回目の改定にあっては契約締結日)における消費者物価指数大津市(総合)を基礎指数とする。
② 支払額改定時点における消費者物価指数と基礎指数との倍率(改定倍率)により支払額を改定する。
なお、改定倍率が 0.99 超 1.01 未満の時は改定を見送ることとする。
※ 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の引渡後最初の支払い時において第 1 回目の価格の改定を行う。
別紙 14 大規模修繕積立費用の変更の算定方法(56 条 2 項関係)
第 56 条第 2 項に定める大規模修繕の積立費用については、下記の改定方法を適用する。
改定方法(国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課作成の建設工事費デフレーターによる改定:1 年に 1 回改定)
① 前回改定実施時点(第 1 回目の改定にあっては契約締結日)における建設工事費デフレーター(非住宅非木造)を基礎指数とする。
② 支払額改定時点における建設工事費デフレーター(非住宅非木造)と基礎指数との倍率(改定倍率)を求める。
③ 改定時点以後の積立金に改定倍率を乗じたのものを以後の積立金額とし、一時積立金および組合において積立済みの積立金に関しては見直しを行わない。
なお、改定倍率が 0.99 超 1.01 未満の時は改定を見送ることとする。
※ 合築事業Ⅱの対象専有施設・設備の引渡後最初の支払い時において第 1
回目の価格の改定を行い、以後毎年 1 年経過後の支払い時に改定を行う。