Contract
工事請負契約設計変更ガイドライン
(xx編)
x x 市令和4年12月
工事請負契約設計変更ガイドラインの策定について
公共工事は、快適な市民生活や活力ある産業活動の基盤となる市民共有の社会資本を整備するため、多様な制約条件の下で設計・施工を行い、多岐にわたる目的物を完成させるものです。
発注者は、長期的な視点に立ち、品質に優れた工事を効果的・効率的に実施するため、工事施工上の制約となる施工条件を仕様書等に明示し、発注者と受注者の役割分担を明確にするとともに、施工条件が変わった場合の措置を明らかにする必要があります。
しかしながら、設計図書等に明示すべき条件が不明瞭であったり、また、変更手続の認識不足などの理由により、円滑な設計変更が行われていないとの意見もあります。
このことから、設計変更の対象事項や設計変更に必要な手続などを明らかにすることにより、必要な設計変更を適切に行い、もって、公共工事の品質確保を図るため、本ガイドラインを策定するものです。
第1版 | 2010 年12 月1日 | 初版 |
第2版 | 2014 年 5月1日 | 第2 版 |
第3版 | 2022 年 2月1日 | 1.(6)適切な設計変更の必要性を追記 2.(8)発注者の請求による工期の延長を追記 2.(9)発注者の請求による工期の短縮等を追記 5.関連資料の追記 |
第4版 | 2022 年12月1日 | 5.関連資料の追記 |
目 次
1.設計変更の基本事項
(1)設計変更の基本的な考え方
(2)設計変更が可能な場合
(3)設計変更ができない場合
(4)変更の指示・設計変更に当たっての留意事項
(5)設計変更の現状(課題)
(6)適切な設計変更の必要性
(7)設計変更の手続き
2.設計変更の対象となる具体的な事例
(1)設計書、図面、仕様書が一致しない
(2)設計図書に誤り又は脱漏がある
(3)設計図書の表示が明確でない
(4)設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない
(5)予期することのできない特別な状態が生じた
(6)発注者が必要あると認めるときの設計図書の変更
(7)受注者の責めによらない事由による工事の一時中止
(8)受注者の請求による工期の延長
(9)発注者の請求による工期の短縮等
(10)「設計図書の照査」の範囲
3.仮設の設計変更
指定・任意の正しい運用
4.設計変更から契約依頼まで
5.関連資料
関連資料―1 施工条件の明示について関連資料―2 条件明示チェックリスト
関連資料―3 ワンデーレスポンスについて関連資料―4 工事請負契約約款(抜粋) 関連資料―5 土木工事共通仕様書(抜粋)
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1.設計変更の基本事項
(1)設計変更の基本的な考え方
工事の施工は、設計図書に基づいて施工すべきであるが、真にやむを得ない事情により設計図書と現場等に差異が生じた場合、当該工事との一体性を損ねない範囲において設計変更を行うこととし、その結果、請負金額や工期に変更が生じた場合は、契約変更を行う。
(2)設計変更が可能な場合
下記のような場合においては、所定の手続を踏むことにより設計変更が可能です。
◆ 工事請負契約約款第18条に該当
・設計書、図面、仕様書が一致しない
・設計図書に誤り又は脱漏がある
・設計図書の表示が明確でない
・設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない
・予期することのできない特別な状態が生じた
◆ 工事請負契約約款第19条に該当
・発注者から設計図書の変更に係る指示があった場合
◆ 工事請負契約約款第20条に該当
・受注者の責めに帰すことができない自然的又は人為的事象により、受注者が工事を施工できないと認められる場合
◆ 約款第21条に該当(受注者の請求による工期の延長)
・受注者は、関連工事の調整協力、その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができない場合は、発注者へ、その理由を明示した書面により工期の延長変更を請求することができる。
◆ 約款第22条に該当(発注者の請求による工期の短縮等)
・発注者は、特別な理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に書面にて請求することができる。
◆ その他、約款の規定に該当
◆ その他、約款の規定に該当
・約款では、前記の条文の他、第8条(特許xxの使用)、第 15 条(支給材料及び貸与品)、第 17 条(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)、第 25 条(賃金又は物価の変
動に基づく請負代金額の変更)、第 26 条(臨機の措置)、第 27 条(一般的損害)、第 29 条
(不可抗力による損害)、第 34 条(部分使用)で設計・契約変更する場合がある
・受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合
(xx共通仕様書1-1-3 第2項の「設計図書の照査」は応力計算まで求めるものではありません。)
例)構造物の位置・高さ・延長等が変更となり構造計算の再計算が必要等「設計図書の照査」を越えるものの考え方を 10 頁、11 頁に具体的例示
(3) 設計変更ができない場合
ア 下記の場合は、原則として設計変更ができないので留意すること。
・請負金額が当初の50%を超えて増減する場合(xx市契約事務処理要綱第59条)
・約款及び共通仕様書に定められている所定の手続きを経ていない場合
① 設計図書に条件明示のない事項において、発注者との「協議」を行わず受注者が独自に判断して施工した場合
② 発注者との「協議」を行っているが、回答(指示)の前に施工した場合
③ 口頭のみの指示・協議など、正式な書面によらずに施工した場合。ただし緊急を要する場合はこの限りではない。(後日書面による整理が必要)
・「承諾」で施工した場合
※承諾とは受注者が自らの都合による施工方法等について監督職員に同意を得るものである
・仮設、施工方法等の工事目的物を完成させるための手段に関する変更の場合(約款第1条第3項)。ただし、指定仮設の場合及び現場条件が一致しない場合を除く
イ 災害又は予測できない事態が発生した場合その他やむを得ないと認められる場合は、アにかかわらず設計変更ができるものとする。【契約約款第26条(臨機の措置)の適用がある場合など。】
(4)変更の指示・設計変更に当たっての留意事項
◆ 発注者の留意事項
請負工事の施工は設計図書に従い行われるため、発注者は、受注者が工事の目的に沿った適切な施工ができるよう、必要な施工条件を明示(チェックリストを添付)した設計図書を作成し、また、変更の必要がある場合は受注者に対して書面により指示を行わなければならない。
適切に工事を施工するため、発注者は次の事項に注意しなければならない。
・設計変更を行う必要が生じた場合など、必要な指示、協議等を書面で行う。
(契約約款第1条第5項)
・受注者から設計図書についての確認の請求があった場合は、受注者の立会いの上、調査を行う。(契約約款第18条第2項)
・設計変更後の請負金額や工期は、受注者と協議の上、決定する。
(契約約款第23条、第24条)
◆ 受注者の留意事項
受注者は、工事の目的を達せられるよう施工する義務があり、そのため工事の施工に当って発注者の意図、設計図書、現場条件などを確認する必要があります。
適切に工事を施工するため、受注者は次の事項に留意しなければなりません。
・設計図書と工事現場に相違がある、必要な条件明示がされていないなど施工する上で疑問が生じた場合は、速やかに発注者に通知する。(契約約款第18条第1項)
・数量・仕様等の設計図書の変更が必要な場合は、その旨、発注者と協議を行い、発注者の書面による指示に従い施工する。(独自の判断で施工しない)
設計図書に明示されている内容と実際の現場条件が一致しない場合には、契約書の関連条項に基づき、設計図書に明示した事項を変更し、併せて金額変更が必要となるケースがある。
任意仮設等の一式計上されている事項、あるいは設計図書に明示すべき事項が脱漏・不明確な表示となっている事項
設計図書(図面・数量総括表・特記仕様書等)に明示されている事項
(5)設計変更の現状(課題)
明示すべき前提条件が不明確であるため、その変更対応が問題となっているケースがある。
(実 例)
土木一式工事・・・ 下水道工事(シールド工法)おいて、設計図書は土質を粘性土と明示していたが、実際の現場は礫混り土であったため、契約約款第18条第1項第4号(示された条件と実際の現場条件が一致しない)に該当するため、設計変更を行った。
(6)適切な設計変更の必要性
改正品確法に発注者の責務として、「仕様書及び設計書の作成事務を適切に実施しなければならない」とあり、そのために「設計図書に適切に施工条件を明示するとともに、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に示されていない施工条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期の変更を行うこと。この場合において、工期等が翌年度にわたることとなったときは、繰越明許費の活用その他必要な措置を適切に講ずること。」が規定されている。
改正品確法の基本理念である「将来にわたる公共工事の品質確保とその中長期的な担い手の確保」のためには、受注者が適正な利潤を確保することが必要であり、その取組みのひとつが適切な設計変更である。
(7)設計変更の手続き
受注者が、契約約款第18条第1項に該当する事項を発見した場合の流れ
発注者
「契約約款第18条第1項に定める事項」
1.設計書、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しない(優先順位が定められている場合を除く)
2.設計図書に誤り又は脱漏がある
3.設計図書の表示が明確でない
4.設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない
5.予期することのできない特別な状態が生じた
受注者
上記の一つに該当する事案を発見
(第18条第2項)
上記の一つに該当する事案を発見
(第18条第1項)
通知し、確認を請求
(第18条第1項)
調査結果のとりまとめ
(第18条第3項)
受注者:立会い
発注者:調査の実施
(第18条第2項)
意 見(第18条第3項)
必要があると認められるときは設計図書を訂
正又は変更 (第18条第4項)
発注者において工事目的物の変更を伴わないと判断した場合は協議
(第18条第4項第3号)
受 理
調査結果及び取るべき措置の通知
(原則として調査実施後14日以内)
(第18条第3項)
事実の確認・調査
設計図書の変更
(第18条第4項第2・3号)
設計図書の訂正
(第18条第4項第1号)
変更内容・変更根拠の明確化、変更図面、変更数量計算書等の変更設計図書の作成
設計図書の訂正又は変更
(第18条第5項)
設計変更
発注者と受注者が協議
1.工期の変更(第23条)
2.請負代金額の変更(第24条)
契約変更
※工事打合簿による
2.設計変更の対象となる具体的な事例
(1)設計書、図面、仕様書が一致しない
契約約款第18条第1項第1号
・ 設計書、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと
(これらの優先順位が定められている場合を除く)
(説 明)
⯎ 受注者は、設計書、図面、仕様書が一致しない場合、発注者に発見事項を通知し、当該事実の確認を請求しなければならない。
(事 例)
・ 設計書、図面、仕様書の材料寸法、数量等の記載が一致しない場合
・ 平面図と断面図の寸法、材料名、仕様等の記載が一致しない場合等
(2)設計図書に誤り又は脱漏がある
契約約款第18条第1項第2号
・ 設計図書に誤り又は脱漏があること
(説 明)
⯎ 受注者は、設計図書に誤り又は脱漏があると思われる場合、発注者に発見事項を通知し、当該事実の確認を請求しなければならない。
(事 例)
・ 条件明示する必要があるにも係わらず土質に関する条件明示がない
・ 使用する部材の品質が設計図書に計上されていない等
・ 設計書の材料の規格が明らかに誤っている
・ 図面に設計寸法の明示がない
(3)設計図書の表示が明確でない
契約約款第18条第1項第3号
・ 設計図書の表示が明確でないこと
(説 明)
⯎ 受注者は、設計図書の表示が明確でない場合、発注者に発見事項を通知し、当該事実の確認を請求しなければならない。
(事 例)
・ 土質柱状図は明示されているが、地下水位が不明確
・ 図面と工事数量総括表の記載事項が合致しない
・ 使用する材料の規格(種類、強度)が明確に示されていない(明示が不十分である)等
・ 水替工実施の記載はあるが、運転条件(作業時排水・常時排水)等の明示が不明確
(4)設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない
契約約款第18条第1項第4号
・ 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと
(説 明)
⯎ 設計図書に明示されている施工条件と実際の工事現場の施工条件が相違する場合は、工事の施工方法や工事目的物を変更する可能性があるので、発注者に相違する事項を通知し、当該事実の確認を請求しなければならない。
(事 例)
・ 設計図書に明示された地盤高と工事現場の地盤高が一致しない
・ 設計図書に明示された地形・土質が現地条件と一致しない
・ 設計図書に明示された地下水位が現地条件と一致しない
・ 設計図書に明示された地下埋設物等と工事現場での位置が一致しない
・ 交通誘導警備員の人数等が規制図と一致しない
・ 約款に定められた手続きにより行った設計図書の訂正・変更で現地条件と一致しない
・ 非xx期の河川工事において、河川内仮設道路が冠水する場合
・ 新たな制約等が発生した場合
(5)予期することのできない特別な状態が生じた
契約約款第18条第1項第5号
・ 設計図書で明示されていない施工条件について予期することができない特別な状態が生じたこと
(説 明)
⯎ 設計図書に施工条件として明示されていないが、工事実施の前提となる事項について、契約後に予期することのできない特別な状態が生じた場合は、発注者に発生事項を通知し、当該事実の確認を請求しなければならない。
(事 例)
・ 施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合
・ 工事範囲の一部に軟弱な地盤があり、地盤改良が必要となった場合
・ 施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合等
・ 不可視部分を現場で撤去した時、設計図と異なることが判明した場合
(6)発注者が必要あると認めるときの設計図書の変更
契約約款第19条
・ 発注者は、前条第4項の規定によるほか、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(説 明)
⯎ 発注者は、住民要望、周辺環境等の与条件を十分に検討した上で、工事を発注しているが、発注後の事情変化により、設計図書を変更する必要があると認める場合、発注者は変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。
(事 例)
・ 周辺住民との協議により、変更する必要があると認める場合
・ 関係官公署との協議(行政指導)により、変更する必要があると認める場合
・ 関連する工事との調整により、変更する必要があると認める場合
・ 施設の安全管理上、フェンス等の防護施設が必要と判断し、変更する必要があると認める場合等
(7)受注者の責めによらない事由による工事の一時中止
契約約款第20条
・ (前略)受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるとき、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
・ 発注者は、(中略)工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備えて工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加経費を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(説 明)
⯎ 受注者の責めに帰すことができない事由により工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため受注者が工事を施工できないと認められる場合は、発注者は工事を一時中止させなければならない。
⯎ 発注者は、工事を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは、工事現場等を維持するための費用等を負担しなければならない。
(事 例)
・ 設計図書に定められた着手時期に、受注者の責めによらず施工ができない場合
・ 関係官公署等の協議が未了のため、工事を一時中止した場合
・ 警察、河川・鉄道管理者等の管理者間協議の結果、施工できない期間が設定されたため、工事を一部中止した場合
・ 管理者間協議の結果、施工できない期間が設定された場合
・ 受注者の責めによらない何らかのトラブル(地元調整等)が生じた場合
・ 掘削中に予見出来ない事態が発生し(地中障害物の発見等)、調査の結果、管理者との調整が必要となった場合
・ 埋蔵文化財の調査のため、工事の施工ができない場合
・ 感染症の感染拡大防止のため工事の継続が困難な場合
・ 土壌汚染対策法等の関係機関協議が未了のため工事に着手できない場合
・ 工事用地の確保ができず工事を施工できない場合
・ 設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため施工を続けることが困難な場合
・ 発注者が、工事の一時中止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を中止する場合
発 注 者 受 注 者
基本計画書に基づいた施工の実施
承諾した基本計画書に基づき施工監督及び設計変更を実施
不承諾の場合は、基本計画書を修正し、再度承諾を得る
発注者は、現場管理上、最低限必要な施設・人数等を吟味し、基本計画を承諾
発注者から一時中止の指示(契約上一時中止をかけることは発注者の義務)
受注者は、xx共通仕様書1-1-13第3項に基づき、基本計画書を作成し、発注者の承諾を得る
「契約約款第20条(工事の中止)第1項」により、発注者は工事の全部又は一部の施工を原則として一時中止しなければならない
予期しない現場条件等のため、受注者が工事を施工することができない
(8)受注者の請求による工期の延長
契約約款第21条
・受注者は、天候の不良、第2条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
・発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。
・発注者は、前項の工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(説 明)
⯎ 受注者は、天候の不良及び関連工事の調整への協力等受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
⯎ 発注者は、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。
⯎ 発注者は、工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(事 例)
・ 設計図書に明示された関連工事との調整に変更があり、工期の延長が生じた場合
・ その他受注者の責めに帰することができない事由により工期の延長が生じた場合
(9)発注者の請求による工期の短縮等
契約約款第22条
・発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
・発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(説 明)
⯎ 発注者は、工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
⯎ 発注者は、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(事 例)
・ 関連工事等の影響により、工期短縮が必要な場合
・ その他の事由(地元、関係機関調整など)により工期の短縮が必要な場合
(10)「設計図書の照査」の範囲
土木工事共通仕様書1-1-3「設計図書の照査等」
・ 受注者は、施工前及び施工途中において、契約約款第18条第1項第1号から第5号までに係わる設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、工事監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、現地地形図、設計図との対比図、取り合い図、施工図等を含むものとする。また、受注者は工事監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。
(説 明)
受注者が作成する資料の範囲
現場地形図・・・・・・・・・・・実測横断図
設計図との対比図・・・・・・・・当初設計図への現地盤線等の作図取り合い図・・・・・・・・・・・当初設計図への既設構造物の追記施工図・・・・・・・・・・・・・実施工程上問題となる施工資料
⯎ 更なる追加資料とは現地の事実が確認できない場合に限って要求できるものとする。
注)現地事実の確認の範囲は、上記の資料に対して新たな比較設計や構造計算が伴うものは含まれていない。受注者の資料に対して更なる比較設計や構造計算の検討に係る費用は発注者の責務において実施するものとする。
(事 例) 「設計図書の照査」の範囲を超えるもの
・ 縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの
・ 現地測量の結果や地元協議の結果等(受注者の責めによらないもの)により、排水路計画を新たに作成する必要があるもの又は土工の縦横断計画の見直しが必要となるもの
・ 構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの
・ 構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算及び図面作成が必要となるもの
・ 構造物の載荷高さが変更となり構造計算の再計算が必要となるもの
・ 現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの
(標準設計で修正可能なものであっても照査の範囲を超えるものとして扱う。)
・ 基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算及び図面作成
・ 土留め等の構造計算において現地条件や施工条件が異なる場合の構造計算及び図面作成
・ 「設計要領」「各種示方書」等との対比設計
・ 構造物の応力計算書の計算入力条件の確認や構造物の応力計算を伴う照査
・ 設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出
・ 舗装修繕工事の縦横断設計(当初の設計図書において縦横断面図が示されており、その修正を行う場合とする。なお、設計図書で縦横断図が示されておらず、共通仕様書16-5-3路面切削工」「16-5-5切削オーバーレイ工」「16-5-6オーバーレイ工」等に該当し縦横断設計を行うものは設計照査に含まれる)
(注)なお、適正な設計図書に基づく数量の算出及び完成図については、受注者の費用負担によるものとする。
3.仮設の設計変更
指定・任意の正しい運用
指定・任意については、工事請負契約約款第1条第3項に定められているとおり、適切に扱う必要があります。
・ 任意については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行う。
・ 任意については、その仮設・施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象としない。
・ ただし、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場合は変更できる。
指定・任意の考え方 | x x | 任 意 |
設計図書 | 施工方法等について具体的に指定します(契約条件として位置付けます) | 施工方法等については具体的には指定していません(契約条件としてではなく、参考図として標準工法を示すことが あります) |
施工方法等の変更 | 発注者の指示又は承諾が必要 | 受注者の任意(施工計画書の提出、修正等は必要) |
施工方法の変更がある場合の設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象としない |
当初明示した条件の変更に対応した設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象とする |
ただし、任意であっても、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場合は変更できる
発注者(監督者)は任意の趣旨を踏まえ、適切な対応が必要
※任意における下記のような対応は不適切
・○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応
・標準歩掛かりではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」との対応
・新技術の活用について受注者からの申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応
任意については、受注者が自らの責任で行うもので、仮設、施工方法等の選択は、受注者に委ねられている(変更の対象としない)
仮設、施工方法等には、指定と任意があり、発注においては、指定と任意の部分を明確にする必要がある
4.設計変更から契約依頼まで
工事請負契約約款第18・19・20条又は土木工事共通仕様書1-1-3 第2項のいずれかに該当
設計図書と現場等に差異を発見
通知・調査
発注者と受注者が協議
契約依頼課
契約金額の一部を変更する必要が生じた場合(xx市契約事務処理要綱第58条~第60条)
・設計変更の場合の金額算定基準は設計金額による
・設計変更として取り扱うことのできる限度は、契約金額の50%以内とする。ただし、特別の理由がある場合は別に市長が定めるものとする。
・契約金額の算定は、当初の請負歩率により算定する
天災その他やむを得ない理由により履行期間の延長が必要(xx市契約規則第36条)
契約監理課
理由書を作成し、「変更契約予定日」の
2週間前までに依頼
契約変更の締結
5.関連資料
関連資料―1 施工条件の明示について
関連資料―2 条件明示チェックリスト
関連資料―3 ワンデーレスポンスについて
関連資料―4 工事請負契約約款(抜粋)
関連資料―5 土木工事共通仕様書(抜粋)
1.目 的
施工条件の明示について
関連資料-1
工事を施工するに当たって、制約を受ける当該工事に関する施工条件を設計図書に明示することによって、工事の円滑な執行に資することを目的とする。
土木工事は、現地屋外・単品・受注生産方式であることから、工事現場の数々の制約条件
(施工条件)を受けて実施され、工事施工の円滑化を図るためには、これらの施工条件を明らかにしておくことが極めて重要である。
現状では、必ずしも施工条件の明示項目・範囲について統一のとれていない面があったため、共通的な事項についてとりまとめたものである。
2.明示方法
施工条件は、契約条件となるものであることから、設計図書の中で明示するものとする。また、明示された条件に変更が生じた場合は、契約書の関連する条項に基づき、適切に対応するものとする。
3.その他
(1)明示されていない施工条件、明示事項が不明確な施工条件についても、契約書の関連する条項に基づき発注者と受注者が協議できるものであること。
(2)入札時の質疑回答のうち、施工条件に関するものは文書化すること。
(3)施工条件の明示は、工事規模、内容に応じて適切に対応すること。なお、施工方法、機械施設等の仮設については、受注者の創意工夫を損なわないよう表現上留意すること。
施工条件の明示は、公共工事のxxな請負契約の根幹を成すものであり、設計図書等に適切に明示する必要がある。
施工条件の明示事項
明示項目 | 明 示 事 項 |
工程関係 | 1. 他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工期等に影響がある場合は、影響を受ける部分及び内容並びに他の工事の内容及び開始又は完了の時期 2. 施工時期、 施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容、施工時期、 施工時間及び施工方法 3. 当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容並びに成立見込み時期 4. 関係機関、自治体等との協議の結果、特定の条件が付され当該工事の工程に影響がある場合は、影響を受ける部分及び内容 5. 工事着手前にxxx設物及び理蔵文化財等の事前調査を必要とする場合 は、その項目及び調査期間、又はxxx設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間 |
用地関係 | 1. 工事用用地等の使用終了後における復旧内容 2. 工事用仮設道路・資機材置き場用の借地をさせる場合、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等 3. 施工者に、消波ブロック、桁製作等の架設ヤードとして官xxx及び発注者が借り上げた土地を使用させる場合は、その場所、範囲、時期、使用条件、復旧方法等 |
公害関係 | 1.工事に伴う公害防止 (騒音、振動、粉塵、排出ガス等防止)のため、施工方法、建設機械,設備、作業時間等の指定が必要な場合は、その内容 2. 水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容、期間 3. 濁水、湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合は、その内容(処理施設、処理条件等) 4. 工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等が予測される場合、又は、電渡障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後等調査の区分とその調査時期、 未然に防止するために必要な調査方法、範囲等 |
安全対策関 係 | 1. 交通安全施設等を指定する場合は、その内容、期間 2. 鉄道、ガス、電気、電話、水道等の施設と近接する工事において施工方法、作業時間等に制限がある場合は、その内容 3. 落石、雪崩、土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合は、その内容 4. 交通誘導員、警戒船及び発破作業等の保全施設、保安要員の配置を指定する場合又は発破作業等に制限がある場合は、その内容 5. 有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合は、その内容 |
工 事 用道路関係 | 1. 一般道路を搬入、搬出路として使用する場合 (1)工事用資機材等の搬入経路、使用期間、使用.時間帯等に制限がある場合は、その経路、期間、時問帯等 (2)搬入路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、その処置内容 2. 仮道路を設置する場合 (1)仮道路の安全施設等が必要である場合はその内容期間 (2)仮設道路の工事終了後の処理(存置又は撤去) (3)仮道路の維持補修が必要な場合は、その内容 |
仮 設 備関 係 | 1. 仮土留、仮橋、足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場合は、その内容、期間、条件等 |
2. 仮設備の構造及びその施工範囲を指定する場合は、その構造及びその施工方法 3. 仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容 | |
建設副産物関 係 | 1. 建設発生土が発生する場合は、残土の受入場所及び仮置き場所までの、距離、時間等の処分及び保管条件 2. 建設副産物の現場内での再利用及び減量化が必要な場合は、その内容 3. 建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場所等の処理条件 なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受入場所、距離、時間等の処分条件 |
工事支障物 件 等 | 1. 地上、地下等における占用物件の有無及び占用物件等で.工事支障物が存在する場合は、支障物件名、管理者、位置、移設時期、工事方法、防護等 2. 地上、地下等の占用物件に係る工事期間と重複して施工する場合は、その工事内容、期間等 |
薬液注入関 係 | 1. 薬液注入を行う場合は、設計条件、工法区分、材料種類、施工範囲、削孔数量、削孔延長及び注入量、注入圧等 2. 周辺環境への調査が必要な場合は、その内容 |
工事の翌年度への繰越 | 1. 前年度からの繰越予算の場合は、不可 2. 現年度予算で年度内しゅん工予定の場合は、予定無 3. 現年度予算で翌年度に繰越予定の場合は、予定有 4. 現年度予算で供用開始等、年度内しゅん工の条件がある場合は、不可 |
そ の 他 | 1. 工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所、期間、保管方法等 2. 工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使用の有無引渡し場所等 3. 支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量品質規格又は性能、引渡場所、引渡期間等 4. 関係機関・自治体等との近接協議に係る条件及びその内容等 5. 架設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件 6. 工事用電力等を指定する場合は、その内容 7. 新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容 8. 部分使用を行う必要がある場合は、その箇所及び使用時期 9. 給水の必要なる場所は、取水箇所・方法等 |
条件明示チェックリスト
記載以外の内容がある場合は、必要に応じて追加してください。
関連資料-2
明 示 事 項 | 該当 | ||
1 工程関係(当該工事に影響がある他の工事等)の有無 (〇〇〇〇工事、〇市発注、〇年〇月まで、当工事への盛土材搬入あり) | 有 | 無 | |
2 用地関係(借地の場所・期間・復旧方法等)の有無 (仮設道として○○町○○・○○㎡・○か月・原形復旧) | 有 | 無 | |
3 公害関係(水替、流入防止施設等)が必要な場合 (基礎コンクリートの施工時に水替(作業時排水)が必要) | 有 | 無 | |
4 安全対策関係(交通安全施設等、作業時間の制限、換気設備等の内容・期間)の有無 (〇年〇月から□月まで片側交互通行で施工を行う予定) | 有 | 無 | |
5 工事用道路関係(一般道路の使用、仮設道の設置等の内容・期間)の有無 (仮設道 L=〇m、W=〇mを設ける。借地必要なし) | 有 | 無 | |
6 仮設備関係(他の工事に引渡す又は引継ぐ場合の内容・時期・条件等)の有無 (鋼xx N=〇枚を先行する〇〇工事から引継ぐこと) | 有 | 無 | |
7 建設副産物関係(建設発生土の処分・保管条件、建設副産物の処理条件等)の有無 (建設発生土、コンクリート塊、アスファルト塊、建設汚泥) | 有 | 無 | |
8 工事支障物件等(地上、地下等への占用物件の内容等)の有無 (No.〇付近 電柱あり 〇年〇月頃移設予定) | 有 | 無 | |
9 薬液注入関係(薬液注入の内容・条件等)の有無 (発進側 縦○m横○m、N=○本、L=○m) | 有 | 無 | |
10 自然的・社会的条件(施工不可の期間、交通規制、xx期、漁業等)で制約を受ける内容及び時期 (○月から○月は、xx期のため施工不可、農業用水の利用のため〇年〇月末までに用水路部分の施工を完了させること) | 有 | 無 | |
11 土壌汚染対策法第4条第1項の届出義務(届出対象外、届出済、届出予定等)の有無 (〇年〇月届出済み) | 有 | 無 | |
12 週休2日モデル工事の対象の有無 (発注者指定型又は受注者希望型) | 有 | 無 | |
13 工事の翌年度への繰越 (予算(令和○○年度繰越予算、令和○○年度現年度予算)) | 不可 | 予定無 | 予定有 |
14 その他(部分使用を行う場合、使用箇所、使用期間等)の有無 (No.〇~〇の切土法面工事は、部分使用手続きにより施工予定) | 有 | 無 |
ワンデーレスポンスについて
関連資料-3
「ワンデーレスポンス」とは、これまでも監督員個々において実施していた「現場を待たせない」「速やかに回答する」という対応をより組織的なものとし、工事現場において発生する諸問題に対し迅速な対応を実現し、適正な工程管理に資することを目的とする。
受注者からの質問、協議への回答は、基本的に「その日のうち」に回答するよう対応することである。ただし、即日回答が困難な場合は、いつまでに回答が必要なのかを受注者と協議のうえ、回答期限を設けるなど、何らかの回答を「その日のうち」にすることとする。
工 事 請 負 契 約 約 款(抜 粋)
関連資料-4
(総則)
第1条 発注者及び受注者は、契約書記載の工事の請負契約に関し、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(別冊の設計書、図面、仕様書、現場説 明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために 必要な一切の手段(第8条において「施工方法等」という。)については、この約款及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
7 この約款及び設計図書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年 法律第48号)の定めるところによるものとする。
8 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づく全ての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づく全ての行為は、当該共同企業体の全ての構成員に対して行ったものとみなし、また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づく全ての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(条件変更等)
第18条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 設計書、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと
(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。 (2) 設計図書に誤り又は脱漏があること。
(3) 設計図書の表示が明確でないこと。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後14日以内に、その結果を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知することができないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ受注者の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果、第1項各号に掲げる事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、次に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。 (1) 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し、設計図書を訂正する必要があるもの
については、発注者が行う。
(2) 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴うものについては、発注者が行う。
(3) 第1項第4号又は第5号に該当し、設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないものについては、発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
5 発注者は、前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第19条 発注者は、前条第4項の規定によるほか、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第20条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、 落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的若しくは人為的な事象(第29条において「天災等」 という。)であって受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中 止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備えて工事現場を維持し、若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(著しく短い工期の禁止)
第20条の2 発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
(受注者の請求による工期の延長)
第21条 受注者は、天候の不良、第2条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。
3 発注者は、前項の工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第22条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工期の変更方法)
第23条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が調わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更事由が生じた日(第21条の場合にあっては発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(請負代金額の変更方法等)
第24条 請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が調わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 この約款の規定により受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
土木工事共通仕様書(抜粋)
関連資料―5
1-1-3 設計図書の照査等
1. 図面原図の貸与
受注者からの要求があり、工事監督員が必要と認めた場合、受注者に図面の原図を貸与することができる。ただし、共通仕様書等市販・公開されているものについては、受注者が備えなければならない。
2. 設計図書の照査
受注者は、施工前及び施工途中において、自らの負担により約款第 18 条第1項第1号から第5号に係る設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、工事監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、現地地形図、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとする。また、受注者は、工事監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。
3. 契約図書等の使用制限
受注者は、契約の目的のために必要とする以外は、契約図書、及びその他の図書を工事監督員の承諾なくして第三者に使用させ、又は伝達してはならない。
1-1-15 工事の一時中止
1. 一般事項
発注者は、約款第20 条の規定に基づき以下の各号に該当する場合においては、あらかじめ受注者に対して通知した上で、必要とする期間、工事の全部又は一部の施工について一時中止をさせることができる。なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的な事象による工事の中断については、1-1- 48 臨機の措置により、受注者は、適切に対応しなければならない。
(1)埋蔵文化財の調査、発掘の遅延及び埋蔵文化財が新たに発見され、工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(2)関連する他の工事の進捗が遅れたため工事の続行を不適当と認めた場合
(3)工事着手後、環境問題等の発生により工事の続行が不適当又は不可能となった場合
2.発注者の中止権
発注者は、受注者が契約図書に違反し又は工事監督員の指示に従わない場合等、工事監督員が必要と認めた場合には、工事の中止内容を受注者に通知し、工事の全部ま又は一部の施工について一時中止させることができる。
3.基本計画書の作成
前1項及び2項の場合において、受注者は施工を一時中止する場合は、中止期間中の維持・管理に関する基本計画書を工事監督員を通じて発注者に提出し、承諾を得るものとする。また、受注者は工事の再開に備え工事現場を保全しなければならない。
1-1-16 設計図書の変更
設計図書の変更とは、入札に際して発注者が示した設計図書を、発注者が指示した内容 及び設計変更の対象となることを認めた協議内容に基づき、発注者が修正することをいう。
1-1-17 工期変更
1. 一般事項
約款第15 条第7項、第17 条第1項、第18 条第5項、第19 条、第20 条第3項、第
21 条及び第43 条第2項の規定に基づく工期の変更について、約款第 23 条の工期変更協議の対象であるか否かを工事監督員と受注者との間で確認する(本条において以下「事前協議」という。)ものとし、工事監督員はその結果を受注者に通知するものとする。
2. 設計図書の変更等
受注者は、約款第 18 条第5項及び第 19 条に基づき設計図書の変更又は訂正が行われた場合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第 23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
3. 工事の一時中止
受注者は、約款第20 条に基づく工事の全部若しくは一部の施工が一時中止となった場 合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする変更日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第 23 条 第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければなら ない。
4. 工期の延長
受注者は、約款第21 条に基づき工期の延長を求める場合、第1項に示す事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項について、必要とする延長日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、約款第23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。
5. 工期の短縮
受注者は、約款第22 条第1項に基づき工期の短縮を求められた場合、可能な短縮日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付し、約款第23 条第2項に定める協議開始の日までに工期変更に関して工事監督員と協議しなければならない。