責任者役職・氏名 ) ㊞問合せ先:(担当者氏名) TEL:
知っておきたい
知的財産契約の基礎知識(別冊)
目 次
1.本別冊の構成及び利用上の注意点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2.契約書雛形及びチェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(1)xxxxxx契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3参考 1 請求書(一時金) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8参考 2 実施実績報告書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9参考 3 請求書(実施料) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10特許実施許諾契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(2)特許及びノウハウ実施許諾契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12特許及びノウハウ実施許諾契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(3)共同研究契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20共同研究契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
(4)オプション契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26オプション契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
(5)特許権譲渡契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30特許権譲渡契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
(6)特許専用実施権許諾契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33特許専用実施権許諾契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
(7)特許共同出願契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37特許共同出願契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
(8)秘密保持契約書1〔両当事者秘密保持義務のケース〕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40秘密保持契約書1〔両当事者秘密保持義務のケース〕チェックリスト ・・・・・・・42
(9)秘密保持契約書2〔一方当事者秘密保持義務のケース〕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43秘密保持契約書2〔一方当事者秘密保持義務のケース〕チェックリスト ・・・・・45
(10)秘密保持誓約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46秘密保持誓約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
(11)商標使用許諾契約書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48商標使用許諾契約書チェックリスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
1.本別冊の構成及び利用上の注意点
本別冊の構成
契約書を自分たちが1から作成するのは大変な作業です。そのため、本別冊では、サンプルとして11の契約書雛形を掲載しています。それぞれの契約書雛形の後に、各条文と対応した形でチェック項目を記載したチェックリストを添付しています。
また、「(1)特許実施許諾契約書」と「(2)特許及びノウハウ実施許諾契約書」には、各条項の趣旨等について簡単な逐条解説を付記しています。「(1)特許実施許諾契約書」には、これらに加えて、実務上の参考資料も添付しています。
契約書雛形の利用における注意点
業務上の効率を考えた場合、契約書の雛形は便利ですが、このような雛形を利用する場合は、次の点に留意しなければなりません。
〇必ず全条項の内容を確認すること
〇自分にとって不利な内容になっていないか確認すること
〇契約内容を十分に吟味し、加筆・修正・削除等をして利用すること
本来、契約内容は個々の状況などによって異なります。雛形は専門家が作ったものだから万全だと思いがちですが、個別の状況は考慮されていない場合もあります。具体的な状況に照らし、契約書の内容を吟味し慎重に検討することが大切です。
契約書雛形一覧
(1)特許実施許諾契約書〔逐条解説〕
(2)特許及びノウハウ実施許諾契約書〔逐条解説〕
(3)共同研究契約書
(4)オプション契約書
(5)特許権譲渡契約書
(6)特許専用実施権許諾契約書
(7)特許共同出願契約書
(8)秘密保持契約書1〔両当事者秘密保持義務のケース〕
(9)秘密保持契約書2〔一方当事者秘密保持義務のケース〕
(10)秘密保持誓約書
(11)商標使用許諾契約書
2.契約書雛形及びチェックリスト
(1)特許実施許諾契約書
・前文は、当事者の意図と契約履行の意思を確認するために設けます。
・契約の当事者が誰であるかを明確にします。
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が有している特許権について以下のとおり本契約を締結する。
第1条(定 義)
本契約において使用する次の用語の意味は、以下のとおりする。
(1)「本件製品」とは、本件特許を使用して乙が製造・販売した製品及びその部品をいう。
(2)「本件特許」とは、本件製品に関して甲が本契約締結日現在所有している次の特許をいう。
発明の名称:出願日:
特許番号:
・本条項は、契約において、使用頻度の多い用語について説明の反復を避けるととも
に、契約で使用される重要な用語を、明確かつ詳細に規定するために設けます。
(3)「正味販売価格」とは、本件製品の販売価格から、梱包費、輸送費及び保険料を控除したものをいう。
第2条(実施許諾)
甲は、乙に対し、本契約の有効期間中、本件特許に基づいて、日本国内において、本件製品を製造及び販売する通常実施権を許諾する。
2 乙は、第三者に再実施権を与える権利を有しない。
・本条項は、本件特許の実施権の種類を明らかにするために設けます。
・第2項は、実施権者による第三者への再実施許諾の可否を明らかにするために設けます。
・第3項は、令和3年特許法改正(令和4年4月1日施行)に伴い、権利放棄、訂正審判、又は訂正請求の際に通常実施権者の承諾が不要になることに対応していま す。改正法施行以降に引き続き承諾を必要としたい場合は、第3項を設けます。
・ライセンスに係る権利が特許出願の場合は、仮通常実施権に置き換えてください。
3 甲は、本件特許について権利放棄、訂正審判、又は訂正請求を行う場合、乙の承諾を得るものとする。
第3条(対価及び支払い方法)
乙は、甲に対し、第2条に基づく実施権許諾の対価として、次に指定する時期に次の金額を、甲の指定する銀行口座に振り込むことにより支払う。
(1)イニシャル:本契約の締結日から30日以内に金○○万円
(2)実施料:毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本件製品について、それぞれ3月31日及び9月30日より30日以内にその正味販売価格の〇
○%の金額
・許諾特許の対価及び支払方法を定めるために設けます。
・対価の中身には、定額(特許を活用した事業とは直接リンクしない一時金、一括
金、イニシャル等様々な名称)、ランニングロイヤルティ(特許を活用した事業に実績に応じて算出)、その組み合わせがあり、実施の形態により選択します。
・対価に消費税が伴うことに注意が必要です。
(3)本条(1)号及び(2)号で乙から甲に支払われる金額に消費税が加算されるものとし、銀行手数料は乙の負担とする。
第4条(実施報告)
乙は、甲に対し、本契約締結後、毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本件製品の型式、販売数量、総販売額、控除すべき項目と金額、正味販売価格、実施料及び消費税を記載した実施報告書を、それぞれ3月31日及び9月30日より3
0日以内に提出する。
・本条項は、実施料の発生源とその妥当性及び実施状況を明らかにするために設けます。
・一般に、企業にとって原価(特に個別製品の原価)と利益は企業秘密であり、決して外部に出そうとはしないものです。他方で、ランニングロイヤルティを受け取る側としては、正確に対価が積算されたか確認したいと考えます。その間で、両当事者が納
得できる項目について報告書を作成することになります。
2 乙は、甲に対し、当該期間に本件製品の販売実績がない場合も、その旨を記載した報告書を提出する。
第5条(対価の不返還)
・本条項は、実施料を受け取った後に、特許権が第三者からの無効審判等により無効になった場合等においても、これを返還しないことをあらかじめ約束するために設けま
す。
本契約に基づき、乙から甲に支払われた対価は、いかなる事由による場合でも返還しない。ただし、明白な誤計算の場合は、無利子で差額を返還する。
第6条(帳簿の保管と閲覧)
乙は、本契約期間中及び終了後○年間、第3条の実施料支払いの基礎となる会計帳簿、その他の関係書類を保管する。
2 甲は、前項の会計帳簿その他の関係書類を閲覧・検査(複写を含む。)できる。
・本条項は、実施料が正確に支払われているか確認することができるようにするために設けます。
・ライセンサーが、自らかあるいは指定する専門家(公認会計士等)に監査させるよう
に規定することもあります。
第7条(表 示)
乙は、本契約の期間中、本件製品に、本件特許の表示を付すことができる。
・本条項は、特許番号等を表示することで許諾製品の信頼性と侵害防止の効果を上げ
るために設けます。
第8条(秘密保持)
・本条項は、許諾特許に関して双方の秘密保持義務を明らかにするために設けます。
・契約の有効期間中にお互いの事業活動に関して、秘密情報の交換を行うこともあり得ます。このような場合にお互いに秘密保持の義務を負うことを定めるものです。
・秘密情報の交換に際しては、秘密情報を特定することが重要です。
・秘密保持の期間を定める際には、関係する技術の陳腐化の程度を考慮することが重要です。
甲及び乙は、本契約の期間中及びその終了後○年間、本契約期間中に相手方から秘密として特定して提供された情報を、相手方の事前の書面による承諾なしに、第三者に開示又は漏洩してはならない。
第9条(改良技術)
・本条項は、契約期間中に許諾特許に関する改良があったときの取扱いを明らかにするために設けます。
・例文は、ライセンシーとライセンサーの両方に改良技術の提供を義務付けています
が、ライセンシーだけがその義務を負うケースもあります。
甲及び乙は、本件製品に関する改良技術をなしたときは、直ちにその内容を相手方に通知するものとし、通知を受けた当事者は、これを本契約期間中無償で実施できる。
第10条(保 証)
・本条項は、ライセンサーとライセンシーとの間で紛争を生じないよう、ライセンシー
の実施による責任の所在を明らかにするために設けます。
甲は、本件製品の製造・販売から生じる乙のいかなる損害についても法律上及び契約上一切責任を負わない。
第11条(特許等侵害の回避・排除)
甲は、本件製品が第三者の特許xxを侵害した場合、甲は乙からの要請に応じ、当該侵害の回避について、乙に協力する。
・本条項は、xxxxによる実施が第三者の特許xxを侵害する場合、あるいは第三者が許諾特許を侵害する場合の通知義務等の措置を定めるために設けます。
・ライセンサーとxxxxxxが協力して対処できるようにします。
2 乙は、第三者が本件特許を侵害し又は侵害しようとしていることを知ったときは、直ちにその旨を甲に通知し、当該侵害の排除又は予防について甲に協力する。
第12条(不争義務)
乙が、直接又は間接に本件特許の有効性を争う場合、甲は、本契約を解除できる。
・本条項は、ライセンサーがライセンシーに対して、許諾特許の有効性が阻害される場合に解除事由を明らかにするために設けます。
・ライセンサーにとって、ライセンシーから、対象特許を無効にする行為をとられる
ことは好ましいことではありませんので、対象特許についてその有効性を争わないことをあらかじめ取り決めておくようにするものです。
第13条(譲渡禁止)
・本条項は、一方の当事者の都合で、相手方が変わることになれば経営上に大きな影響を及ぼすことになりますので、双方の意思によらない許諾特許等の譲渡を禁止するた
めに設けます。
甲及び乙は、本契約から生じる権利若しくは義務の全部又は一部を、相手方の書面による事前の承諾なしに、第三者に譲渡し又は担保に供してはならない。
第14条(解 除)
甲又は乙は、相手方が本契約に違反した場合、相手方に対しその是正を催告し、相手方が催告後30日以内に当該違反を是正しないときは、本契約を解除できる。
2 甲又は乙は、相手方が次に該当する場合、直ちに本契約を解除できる。
(1)支払いの停止となったとき
(2)破産・会社更生・民事再生等の申立てを行ったとき又は他から受けたとき
(3)差押・仮差押・仮処分の執行を受けるなど信用が著しく悪化したとき
(4)営業を停止したとき
・本条第1項は、相手方の契約違反に対する防衛措置として設けます。
・第2項は、一定の事由が生じたとき又は事情変更により契約をそのまま履行することがxxx上不当ないし不xxとなる場合を想定して設けます。
第15条(契約の有効期間)
本契約の有効期間は、本契約の締結日から本件特許の存続期間までとする。
・本条項は、契約に規定された権利義務の発生、終了に関する期間及び終期を定めるた
めに設けます。
第16条(協 議)
・本条項は、契約条文の解釈をめぐり疑義が生じた場合等に、協議により解決していく旨の精神を規定するために設けます。
・契約締結時点で想定していなかった事態がその後生じたときに、当事者間で円滑に
話し合いができるようにします。
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
(住所)
甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)
乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
・契約書の末尾には、当事者の代表者の記名押印をします。契約書が作成権限のある者によって正当に作成されたことを明確にし、後日、契約について紛争が生じ
た場合に契約書に証拠能力を与えることを目的に設けるものです。
参考1 請求書(一時金)
令和 年 月 日
△ △ △ △ 株 式 会 社 殿
請 求 書 (一時金)
拝啓 貴社ますますごxxのこととお慶び申し上げます。
さて、先に貴弊社間において契約を締結致しました“ ( 案件名称 ) ”に関する特許実施許諾契約(締結日:令和 年 月 日)第 条第1項(1)号に 規定する一時金並びに当該一時金に係る消費税及び地方消費税について、下記の通り請 求申し上げます。
つきましては、誠に勝手なお願いとは存じますが、内容ご確認のうえ、所定の期日までに下記銀行の弊社普通預金口座宛に当該請求金額の金員をお支払い頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
なお、支払いに際しまして生じる銀行手数料につきましては、契約書の規定に基づき、貴社にてご負担願います。
敬 具
記
請求金額:金 円
内 訳:一 時 金 金 円消費税等相当額(一時金の●●%) 金 円
支払期限 : 令和 年 月 日
支払銀行 : ZZZZ銀行YYYY支店
弊社普通預金口座(口座 No. )
以 上
株式会社 ○ ○ ○ ○ ( 担当部署 )
( 責任者役職・氏名 ) ㊞問合せ先:(担当者氏名) TEL:
参考2 実施実績報告書
株式会社 ○ ○ ○ ○ ○ ( 担当部署 )
( 担当者役職・氏名 ) 殿
令和 年 月 日
△ △ △ △ 株 式 会 社 ( 担当部署 )
( 担当者役職・氏名 ) ㊞
実 x x 績 報 告 書
拝啓 貴社ますますごxxのこととお慶び申し上げます。
さて、貴弊社間におきまして特許実施許諾契約を締結しております下記の案件につき、当該契約書の規定に基づき、下記のとおり実施実績を報告いたします。
つきましては、内容ご確認のうえ、本件に関する請求書をご送付頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
敬 具
記
1.案 件 名 称 :
2.関連特許番号:
3.報 告 期 間 : 令和 年 月 日 ~ 令和 年 月 日
4.実 x x 績 :
① 販 売 実 績
型式 | 販売数量 | 総販売額 | 控除金額 | 正味販売価格 | 料率 | 実 施 料 |
合 計 | (実施料総額) |
② | 消費税等相当額[(実施料総額)×●●] | 円 |
③ | 支払い総額[(実施料総額)+②] | 円 |
以 上
参考3 請求書(実施料)
令和 年 月 日
△ △ △ △ 株 式 会 社 殿
請 求 書 (実施料)
拝啓 貴社ますますごxxのこととお慶び申し上げます。
さて、先に貴社からご提出頂きました“ ( 案件名称 ) ”に関する特許実施許諾契約に係る実施実績報告書に基づき、下記の通り実施料を請求申し上げます。
つきましては、xx勝手なお願いとは存じますが、内容ご確認のうえ、所定の期日までに下記銀行の弊社普通預金口座宛に請求金額の金員をお支払い頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
なお、支払いに際しまして生じる銀行手数料につきましては、契約書の規定に基づき、貴社にてご負担願います。
敬 具
記
請求金額:金 円
内 訳:実 施 料 金 円消費税相当額(実施料の●●%) 金 円
実施期間 : 令和 年 月 日 ~ 令和 年 月 日支払期限 : 令和 年 月 日
支払銀行 : ZZZZ銀行YYYY支店
弊社普通預金口座(口座 No. )
以 上株式会社 ○ ○ ○ ○ ○ ( 担当部署 )
( 責任者役職・氏名 ) ㊞
問合せ先:(担当者氏名) TEL:
特許実施許諾契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 定義 | ①用語の定義 |
第2条 実施許諾 | ①種類 ②範囲 ③再実施権 |
第3条 対価及び支払い方法 | ①支払方式 ②金額 ③支払時期 ④消費税 ⑤銀行振込手数料 |
第4条 実施報告 | ①報告内容 ②報告時期 ③実績無い場合の報告義務 |
第5条 対価の不返還 | ①返還金額 |
第6条 帳簿の保管と閲覧 | ①閲覧者 ②閲覧できる帳簿 ③閲覧時期 ④帳簿の保管 |
第7条 表示 | ①表示内容 |
第8条 秘密保持 | ①秘密情報の特定 ②秘密保持義務 |
第9条 改良技術 | ①改良技術の範囲 ②改良技術の取扱い |
第10条 保証 | ①保証内容 ②救済 |
第11条 特許等侵害の回避・排除 | ①排除義務 ②協力内容 |
第12条 不争義務 | ①義務の内容 |
第13条 譲渡禁止 | ①権利・義務の譲渡禁止 |
第14条 解除 | ①事由 |
第15条 契約の有効期間 | ①始期 ②終期 ③適用除外条項 |
第16条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(2)特許及びノウハウ実施許諾契約書
・前文は、当事者の意図と契約履行の意思を確認するために設けます。
・契約の当事者が誰であるかを明確にします。
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が有している特許権及び技術情報について以下のとおり本契約を締結する。
第1条(定 義)
本契約において使用する次の用語の意味は、以下のとおりとする。
(1)「本件製品」とは、本件特許を使用して乙が製造・販売した製品及びその部品をいう。
(2)「本件特許」とは、本件製品に関して甲が本契約締結日現在所有している次の特許をいう。
発明の名称:出願日:
特許番号:
(3)「技術情報」とは、本件製品の製造(及び販売)に関して、甲が本契約締結日現在所有している技術知識、ノウハウ、資料及び図面等を意味し、本契約書の付属書に記載されているものをいう。
・本条項は、契約において、使用頻度の多い用語について説明の反復をさけるとともに、契約で使用される重要な用語を、明確かつ詳細に規定するために設けま
す。
(4)「正味販売価格」とは、本件製品の販売価格から、梱包費、輸送費及び保険料を控除したものをいう。
第2条(実施許諾)
甲は、乙に対し、本契約の有効期間中、本件特許及び技術情報に基づいて、日本国内において本件製品を製造及び販売する非独占的通常実施権及び非独占的実施権を許諾する。
2 乙は、第三者に再実施権を与える権利を有しない。
3 甲は、本件特許について権利放棄、訂正審判、又は訂正請求を行う場合、乙の承諾を得るものとする。
・本条項は、本件特許及び技術情報の実施権の種類を明らかにするために設けます。
・第2項は、実施権者による第三者への再実施許諾の可否を明らかにするために設けます。
・第3項は、令和3年特許法改正(令和4年4月1日施行)に伴い、権利放棄、訂正審判、又は訂正請求の際に通常実施権者の承諾が不要になることに対応しています。改正法施行以降に引き続き承諾を必要としたい場合は、第3項を設けま す。
・ライセンスに係る権利が特許出願の場合は、仮通常実施権に置き換えてくださ
い。
第3条(技術情報の開示及び技術援助)
xは、乙に対し、第4条(1)号のイニシャル受領後30日以内に、技術情報を開示する。
2 甲は、前項の技術情報の開示後乙の要請に基づき、乙の技術者に対し、本件製品の製造に関する技術指導を甲の工場で行うことに同意する。
ただし、乙の技術者の旅費、宿泊費、食費及びその他派遣に要する費用は乙の負担とし、技術指導の範囲、人員、日程等の詳細については、事前の当事者の合意により決定する。
3 甲は、乙の要請に基づき、乙の技術者に対し、本件製品の製造に関する技術指導を乙の工場で行うことに同意する。
この場合、乙は、甲の技術者の旅費、宿泊費、食費及び技術指導料を負担するものとし、技術指導の時期、日程等の詳細については、事前に当事者の合意により決定する。
4 乙が甲に対し、本条2項及び3項以外の特別の技術援助を要請した場合、甲は、事情が許す限り有償で乙の技術援助を行う。
・本条項は、技術情報の開示に関して、技術情報の提供時期と提供の方法を明らかにするため設けます。
・また、技術援助に関して、技術移転を容易にするための技術者受入、技術者派遣
の条件を明らかにするために設けます。
5 本条第3項及び第4項による乙の支払は、甲の請求の日から30日以内に甲の指定する銀行口座に振り込むことによりなされるものとする。これに伴う銀行手数料は、乙の負担とする。
第4条(対価及び支払い方法)
乙は、甲に対し、第2条1項及び第3条 1 項に基づく実施権許諾及び技術情報の開示の対価として、次に指定する時期に次の金額を、甲の指定する銀行口座に振り込むことにより支払う。
(1)イニシャル:本契約の締結日から30日以内に金○○○万円
(2)実施料:毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本件製品について、それぞれ3月31日及び9月30日より30日以内にその正味販売価格の○%の金額
・本条項は、許諾特許の対価及び支払方法を定めるために設けます。
・対価の中身には、定額(特許を活用した事業とは直接リンクしない一時金、一括金、イニシャル等様々な名称)、ランニングロイヤルティ(特許を活用した事業に実績に応じて算出)、その組み合わせがあり、実施の形態により選択します。
・対価に消費税が伴うことに注意が必要です。
(3)本条(1)号及び(2)号で乙から甲に支払われる金額に消費税が加算されるものとし、銀行手数料は乙の負担とする。
第5条(実施報告)
乙は、甲に対し、本契約締結後、毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本件製品の型式、販売数量、総販売額、控除すべき項目と金額、正味販売価格、実施料及び消費税を記載した実施報告書を、それぞれ3月31日及び9月30日より30日以内に提出する。
・本条項は、実施料の発生源とその妥当性及び実施状況を明らかにするために設けます。
・一般に、企業にとって原価(特に個別製品の原価)と利益は企業秘密であり、決して外部に出そうとはしないものです。他方で、ランニングロイヤルティを受け取る側としては、正確に対価が積算されたか確認したいと考えます。その間で、
両当事者が納得できる項目について報告書を作成することになります。
2 乙は、甲に対し、当該期間に本件製品の販売実績がない場合も、その旨を記載した報告書を提出する。
第6条(対価の不返還)
・本条項は、実施料を受け取った後に、特許権が第三者からの無効審判等により無効になった場合等においても、これを返還しないことをあらかじめ約束するため
に設けます。
本契約に基づき、乙から甲に支払われた対価は、いかなる事由による場合でも乙に返還しない。ただし、明白な誤計算の場合は、無利子で差額を返還する。
第7条(帳簿の保管と閲覧)
乙は、本契約期間中及び終了後○年間、第4条の実施料支払いの基礎となる会計帳簿、その他の関係書類を保管する。
2 甲は、前項の会計帳簿その他の関係書類を閲覧・検査(複写を含む。)できる。
・本条項は、実施料が正確に支払われているか確認することができるようにするために設けます。
・ライセンサーが、自らかあるいは指定する専門家(公認会計士等)に監査させる
ように規定することもあります。
第8条(表 示)
乙は、本契約の期間中、本件製品に許諾特許の表示を付すことができる。
・本条項は、特許番号等を表示することで許諾製品の信頼性と侵害防止の効果を上げ
るために設けます。
第9条(秘密保持と流用禁止)
乙は、本契約の期間中、甲から提供された技術情報を、本件製品の製造(・販売)のためにのみ使用する。
2 本契約の期間中及びその終了後○年間、乙は、本契約期間中に甲から提供された技術情報を第三者に開示又は漏洩してはならない。
ただし、次のものは秘密保持対象から除外される。
(1)甲から開示を受けたとき、すでに公知であったもの
(2)甲から開示を受けた後、乙の責によらないで公知になったもの
(3)甲から開示を受けたとき、すでに乙の所有にあり、その旨を立証できるもの
・本条項は、甲から乙に提供された技術情報に関して乙の秘密保持義務を明らかに
するとともに、乙による技術情報の流用を禁止するために設けます。
(4)甲から開示を受けた後、乙が第三者から入手したもので、その旨を立証できるもの
第10条(改良技術)
・本条項は、契約期間中に許諾特許に関する改良があったときの取扱いを明らかにするために設けます。
・例文は、xxxxxxとライセンサーの両方に改良技術の提供を義務付けていま
すが、ライセンシーだけがその義務を負うケースもあります。
甲及び乙は、本件製品に関する改良技術をなしたときは、直ちにその内容を相手方に通知するものとし、通知を受けた当事者は、これを本契約期間中無償で実施することができる。
第11条(保 証)
甲は、乙に提供する技術情報が甲の実際に使用しているものと同一のものであることを保証する。
・本条項は、ライセンサーとライセンシーとの間で紛争を生じないよう、ライセン
シーの実施に伴う責任の所在を明らかにするために設けます。
ただし、甲は、本件製品の製造・販売から生じる乙のいかなる損害についても法律上及び契約上一切責任を負わない。
第12条(特許等侵害の回避・排除)
甲は、本件製品が第三者の特許xxを侵害した場合、甲は乙からの要請に応じ、当該侵害の回避について、乙に協力する。
・本条項は、xxxxによる実施が第三者の特許xxを侵害する場合、あるいは第三者が許諾特許を侵害する場合の通知義務等の措置を定めるために設けます。
・ライセンサーとxxxxxxが協力して対処できるようにします。
2 乙は、第三者が許諾特許を侵害し又は侵害しようとしていることを知ったときは、直ちにその旨を甲に通知し、侵害の排除又は予防について甲に協力する。
第13条(不争義務)
乙が、直接又は間接に許諾特許の有効性を争う場合、甲は、本契約を解除できる。
・本条項は、ライセンサーがライセンシーに対して、許諾特許の有効性が阻害される場合に解除事由を明らかにするために設けます。
・ライセンサーにとって、ライセンシーから、対象特許を無効にする行為をとられることは好ましいことではありませんので、対象特許についてその有効性を争わないことをあらかじめ取り決めておくようにするものです。
第14条(譲渡禁止)
・本条項は、一方の当事者の都合で、相手方が変わることになれば経営上に大きな影響を及ぼすことになりますので、双方の意思によらない許諾特許等の譲渡を禁
止するために設けます。
甲及び乙は、本契約から生じる権利若しくは義務の全部又は一部を、相手方の書面による事前の承諾なしに第三者に譲渡し又は担保に供してはならない。
第15条(解 除)
甲又は乙は、相手方が本契約に違反した場合、相手方に対しその是正を催告し、相手方が催告後30日以内に当該違反を是正しないときは、本契約を解除できる。
2 甲又は乙は、相手方が次に該当する場合、直ちに本契約を解除できる。
(1)支払いの停止となったとき
(2)破産・会社更生・民事再生等の申立てを行ったとき又は他から受けたとき
(3)差押・仮差押・仮処分を受けるなど信用が著しく悪化したとき
(4)営業を停止したとき
・本条第1項は、相手方の契約違反に対する防衛措置として設けます。
・第2項は、一定の事由が生じたとき又は事情変更により契約をそのまま履行することがxxx上不当ないし不xxとなる場合を想定して設けます。
第16条(契約の有効期間)
本契約の有効期間は、本契約の締結日から○年間とする。
・本条項は、契約に規定された権利義務の発生、終了に関する期間及び終期を定めるために設けます。
・例文は、ライセンスが継続できるように自動延長条項を設けています。
ただし、期間満了の○ヶ月前までに一方の当事者から終結の申し出がない場合には、自動的に○年間延長され、その後も同様とする。
第17条(契約終了後の措置)
乙は、本契約期間の満了、解約、その他理由のいかんを問わず本契約が終了したときは、本件製品の製造・販売を直ちに中止し、甲から提供された技術情報を甲に返還するものとし、これらの複写物も保有してはならない。
・本条項は、契約終了に伴う特許・ノウハウの取扱等、契約終了の際に処置を要する事項をあらかじめ定めておくために設けます。
・例文のただし書は、仕掛品の扱いについて規定しています。
ただし、本契約期間満了の場合には、乙は、本契約満了後○ヶ月間に限り、本契約満了の日の手持ちの本件製品を販売し、又は製造中の本件製品を完成して販売することができる。この場合、乙は、第4条の実施料の支払い及び第5条の報告を本契約満了○ヶ月以内に行う。
第18条(協 議)
・本条項は、契約条文の解釈をめぐり疑義が生じた場合等に、協議により解決していく旨の精神を規定するために設けます。
・契約締結時点で想定していなかった事態がその後生じたときに、当事者間で円滑
に話し合いができるようにします。
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
(住所)
甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)
乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
・契約書の末尾には、当事者の代表者の記名押印をします。契約書が作成権限のある者によって正当に作成されたことを明確にし、後日、契約について紛争が生じ
た場合に契約書に証拠能力を与えることを目的に設けるものです。
特許及びノウハウ実施許諾契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 定義 | ①用語の定義 |
第2条 実施許諾 | ①種類 ②範囲 ③再実施権 |
第3条 技術情報の開示及び技術援助 | ①技術情報の開示時期 ②技術指導 ③費用負担 |
第4条 対価及び支払い方法 | ①支払方式 ②金額 ③支払時期 ④消費税 ⑤銀行振込手数料 |
第5条 実施報告 | ①報告内容 ②報告時期 ③実績無い場合の報告義務 |
第6条 対価の不返還 | ①返還金額 |
第7条 帳簿の保管と閲覧 | ①閲覧者 ②閲覧できる帳簿 ③閲覧時期 ④帳簿の保管 |
第8条 表示 | ①表示内容 |
第9条 秘密保持と流用禁止 | ①秘密情報の特定 ②秘密保持 ③流用禁止 ④適用除外 |
第10条 改良技術 | ①改良技術の範囲 ②改良技術の取扱い |
第11条 保証 | ①保証内容 ②救済 |
第12条 特許等侵害の回避・排除 | ①排除義務 ②協力内容 |
第13条 不争義務 | ①義務の内容 |
第14条 譲渡禁止 | ①権利・義務の譲渡禁止 |
第15条 解除 | ①事由 |
第16条 契約の有効期間 | ①始期 ②終期 ③適用除外条項 |
第17条 契約終了後の措置 | ①在庫品の販売の可否 |
第18条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(3)共同研究契約書
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、××の新しい製造装置(以下「本装置」という。)の開発を共同して行うことに関し、次のとおり合意に達し、本契約を締結する。
第1条(目的)
甲は、xxの間××の製造・販売を行っており、この業務に関連して××の新しい製造装置の開発を意図しており、乙は、××の製造装置に関する独自の技術と経験を有しており、甲より甲の企画する××の新しい製造装置の開発研究にこの技術と経験をもって協力することを要請され、甲の要請に応えることを通じて自らの業務拡大を図るため、甲に協力することを希望していることから、甲及び乙は、互いに協力して本装置の開発研究(以下「本研究」という。)を行う。
第2条(研究の分担)
本研究に関する業務分担は、原則として次のとおりとし、その詳細については甲、乙協議のうえ定める。
業務分担項目 | 分担先 | 分担先 |
1.本装置の設計・製作 | ||
2.本装置の取付け、試運転、調整、メンテナンス | ||
3.実証実験装置の組立 | ||
4.実証実験の実施 | ||
5.実験結果の整理及び報告書作成 |
第3条(第三者への委託)
甲及び乙は、前条に定める自己の研究分担の一部又は全部を相手方の文書による事前同意を得た場合に限り、第三者に委託することができる。
第4条(資料・情報の交換)
甲及び乙は、本契約の期間中、各自が保有しかつ研究の遂行に必要な資料・情報を相互に開示する。ただし、第三者との契約により秘密保持義務を負っているものは、この限りでない。
2 甲及び乙は、前条により相手方から開示された資料・情報を本契約の目的のみに使用し、その他の目的に使用してはならない。
第5条(研究費用の分担)
甲及び乙は、自らが分担する業務分担項目にかかる費用を負担するものとし、共同で行う実施項目にかかる費用及びいずれの負担か明確でない費用に関しては、甲及び乙が協議のうえ負担割合を決定する。
この場合、本研究に関わる甲及び乙の研究員の人件費及び諸経費は、それぞれ甲及び乙が負担する。
第6条(進捗状況及び情報の連絡)
甲及び乙は、本契約の有効期間中、本研究により各自取得した技術的知識の相互連絡に努め、かつ定期的に進捗状況について相互に連絡し合うものとし、その実施要領については別途協議して決定する。
第7条(研究期間)
本研究の期間は、 年 月 日から 年 月 日までとする。
第8条(第三者との共同研究の制限)
甲及び乙は、相手方の同意なくして本研究と同一目的の研究を第三者と共同して行い、又は第三者から受託してはならない。
第9条(成果の確認)
本研究の成果とは、本研究目的に直接関係する発明、考案、意匠、xxxx及び実証試験データ等一切の技術的成果をいい、本研究終了後に甲及び乙が協議のうえ確認する。
2 本研究により得られた成果は、原則として甲及び乙の共有とする。ただし、甲及び乙が、相手方から提供された技術情報、助言、援助、協力によることなく単独でなした成果であると相互に認めた場合には、当該成果をなした甲又は乙に帰属する。
第10条(産業財産権の帰属)
甲及び乙は、前条の規定に基づく甲乙共有の成果のうち、特許、実用新案、意匠についての産業財産権を受ける権利及び当該権利に基づき取得される産業財産権(以下
「本産業財産権」という。)を共有のものとし、持分は均等とする。
2 甲は、前項に規定する甲乙共有の成果に関する産業財産権の出願手続を行い、乙はこれに協力する。
3 甲及び乙は、前項に基づく産業財産権の出願手続及び権利保全に要する費用を折半して負担する。
第11条(成果の発表)
甲及び乙は、本研究の成果を単独で外部に発表しようとするときは、その内容、時期、方法等について事前の文書でもって相手方の同意を得なければならない。
第12条(成果の実施)
本研究の成果に基づく本装置を第三者に製造・販売する場合には、別途甲乙で協議して定める実施料を相手方に支払う。
第13条(単独権利の取扱い)
甲及び乙は,第9条第2項ただし書の単独成果に基づき単独名義で出願し取得した産業財産権について、相手方から実施許諾の申し出があった場合は、これに応じるものとし、その条件については別途協議して決定する。
第14条(第三者への実施許諾)
甲及び乙は、相手方の文書による同意を得て、第三者に本研究成果を実施する権利を許諾できる。
その条件については甲乙別途協議して決定する。
第15条(特許等の取得保全)
甲及び乙は、本産業財産権の取得及び権利維持に関して、第三者から異議申立、審判又は訴訟を提起された場合は、甲乙協力して防御・排除する。
第16条(秘密保持)
本契約の期間中及びその終了後○年間、甲及び乙は、本契約期間中に相手方から秘密情報として特定されて提供された情報及び本研究の成果を、本契約において別に定め場合を除き、書面による相手方の事前の承諾なしに第三者に開示又は漏洩してはならない。
ただし、次のものは秘密保持対象から除外される
(1)相手方から開示を受けたとき、すでに公知であったもの
(2)相手方から開示を受けた後、自己の責によらないで公知になったもの
(3)相手方から開示を受けたとき、すでに自己の所有にあり、その旨を立証できるもの
(4)相手方から開示を受けた後、自己が第三者から入手したもので、その旨を立証できるもの
第17条(解 約)
甲及び乙は、相手方が次の各号の一に該当するときは、相手方にその旨を文書で通知し、催告後○日以内にその事態が回復されない場合には、本契約を解約できる。
(1)正当な事由なく本研究の遂行に協力しないとき
(2)本研究の履行に関し、不正又は不当の行為のあったとき
(3)本契約に違反したとき
2.甲及び乙は、前項各号に定める場合のほか、いずれの責にも帰さない理由により、本契約を継続しがたい特別の事情が生じた場合には、両者協議の上、本契約を解約できる。
第18条(有効期間)
本契約の有効期間は、本研究の期間と同一とする。ただし、この契約期間は、甲乙協議の上、書面による確認により契約期間は変更できる。
2 前項の規定に関わらず、第11条「成果の発表」、第16条「秘密保持」の規定は、本契約期間満了より、○年間その効力を有する。
3 第1項の規定に関わらず、第12条「成果の実施」、第13条「単独権利の取扱い」、第14条「第三者への実施許諾」、第15条「特許等の取得保全」の規定は、各条項の対象事項が全て消滅するまでその効力を有する。
第19条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和 年 月 日
(住所)
甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)
乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
共同研究契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 目的 | ①研究の対象範囲の特定 ②研究段階の特定 (基礎研究か商品開発研究か) |
第2条 研究の分担 | ①研究分担範囲の特定 |
第3条 第三者への委託 | ①第三者への委託の可否とその要件 |
第4条 資料・情報の交換 | ①情報の種類とその範囲 ②有償・無償の区別 ③情報交換の時期・開示方法 ④情報の流用禁止の有無 |
第5条 研究費用の分担 | ①費用の負担割合 ②一方の費用のアンバランスによる取扱い |
第6条 進捗状況及び情報の連絡 | ①進捗状況と情報の交換 |
第7条 研究期間 | ①研究期間の特定 ②研究期間延長の可否とその手続 |
第8条 第三者との共同研究の制限 | ①禁止する研究範囲 ②第三者と共同研究するときの取扱い |
第9条 成果の確認 | ①成果の確認と帰属 |
第10条 産業財産権の帰属 | ①持分と費用負担 |
第11条 成果の発表 | ①発表の要件 ②発表の方法・時期 ③発表の制限 |
第12条 成果の実施 | ①実施者の特定 ②第三者への実施許諾の制限及び条件 ③不実施補償の取り決めの有無 |
第13条 単独権利の取扱い | ①権利の対象(共同研究前の権利・共同研究に基づく権利) ②実施許諾義務の有無 ③実施許諾の条件 |
第14条 第三者への実施許諾 | ①実施許諾の可否 ②実施許諾条件 |
第15条 特許等の取得保全 | ①特許等の取得、維持の取扱い ②紛争に対する協力 ③費用負担 |
第16条 秘密保持 | ①秘密情報の特定 ②秘密保持の対象範囲 |
③適用除外 ④秘密保持の期間 | |
第17条 解約 | ①要件 解約手続 |
第18条 有効期間 | ①期間 ②延長の有無及び延長手続き |
第19条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(4)オ プ シ ョ ン 契 約 書
○○○○株式会社(以下「甲」という。)と○○○○株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が所有する○○○○○○技術に関する特許及びノウハウの乙に対する実施許諾の予約について、次のとおり契約を締結する。
第1条(定 義)
本契約における下記の用語は、次の定義による。
(1)本件特許とは、甲の出願に係る次のものをいう。
特願○○○○-○○○○(出願日:令和○○年○○月○○日)発明の名称「○○○○○○○○」
(2)本件ノウハウとは、本契約に基づいて甲から乙に開示されるオプションを行使するかどうかについて正確な評価と判断を行うために必要な技術的な情報をいい、次のものを含む。
1)設計書
2)製作図面
3)仕様書
4)試験成績書
5)サンプル
(3)オプション期間とは、本契約締結の日から1年間をいう。ただし、かかる期間は、次条により付与されたオプションが乙によって行使された日、又は本契約に基づくオプションを行使しない旨の通知を乙が行った日をもって終了する。
第2条(オプションの付与)
甲は、乙に対し、オプション期間中、本契約書に添付の「○○○○○○○○に関する実施許諾契約書」に定める諸規定に基づき、乙が○○○○○装置を製造、販売、使用その他の処分をする実施権を取得するオプションを付与する。
第3条(第三者に対するオプションの付与)
xは、第三者に対して、乙に対するオプションと同等の契約を行う権利を留保する。
第4条(開 示)
甲は、乙に対し、本契約締結後10日以内に、本件特許の出願書類及び本件ノウハウに関する資料(以下「技術資料」という。)を開示する。
第5条(対 価)
第2条によるオプション付与に対する対価は、金○○万円とし、乙は、前条に基づく技術資料の受領後30日以内に、消費税を加算した金額を甲の指定する銀行に振込むことにより支払う。
2 乙は、甲に支払った前項の対価について、いかなる事由による場合も返還を要求しない。
第6条(オプションの行使)
乙は、オプション期間中に、第2条に定める実施権を取得すると決定したときは、甲に対し、その旨書面にて通知し、本契約書に添付の「○○○○○○○○に関する実施許諾契約書」を甲との間で締結する。
2 乙が、オプション期間中に、第2条に定める実施権を取得しないことを決定し、その旨の通知を書面により甲に対して行った場合、及びオプション期間終了前に甲に対して何等の意思表示も行わなかった場合は、乙は、直ちに、本契約に基づき甲から開示された技術資料を甲に対して返還し、また甲から開示された技術資料についての評価結果を甲に報告するものとする。
第7条(秘密保持)
乙は、本契約に基づき甲から開示された技術資料を、本契約の目的のみに使用するものとし、その他の目的に使用してはならない。本規定は、前条第2号の場合、本契約終了後○年間は効力を有する。
2 乙は、本契約に基づき甲から開示された技術資料を、甲の了解を得た役員及び従業員にのみ開示できるものとし、他の者に開示してはならない。
3 前2項の規定は次のものには適用されない
(1)甲から開示される前に公知であったもの
(2)甲から開示される前に、乙が自ら開発し、又は正当な第三者から乙が入手していたもの
(3)甲から開示された後、乙の責に帰すべき事由によらず公知となったもの
(4)甲から開示された後、乙が正当な第三者から入手したもの
第8条(終 了)
乙が本契約に定める義務を履行しないとき、甲は、30日の文書による事前の通告をもって、本契約を終了することができる。
2 乙の破産、支払不能、解散、合併又は管財手続きの場合、甲は、乙に対する通知をもって、本契約を終了させることができる。
第9条(通 知)
本契約に基づく各通知は、次の宛先に対して書面にて行うものとし、すべての通知は、発信日をもって効力を生じる。
甲:○○○○部長乙:○○○○部長
第10条(譲 渡)
乙は、本契約に基づく権利について、甲の事前の書面による承諾なくして、いかなる方法によっても第三者に譲渡してはならない。
第11条(契約期間)
本契約は、第8条の規定により早期に終了する場合を除き、本契約締結の日からオプション期間の終了する日まで有効とする。
第12条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和○○年○○月○○日
(住 所)
甲 ○○○○株式会社
代表取締役 ○○○○(印)
(住 所)
乙 ○○○○株式会社
代表取締役 ○○○○(印)
オプション契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 定義 | ①用語 |
第2条 オプションの付与 | ①予約、自由選択、任意オプション等の 明記 |
第3条 第三者に対するオプションの付与 | ①予約契約は単独か、複数か |
第4条 開示 | ①開示される情報の特定 ②開示時期 ③開示方法 |
第5条 対価 | ①対価 ②対価の目的 ③対価の範囲 ④対価の処理 ⑤消費税 ⑥銀行振込手数料 |
第6条 オプションの行使 | ①契約終了の事由 |
第7条 秘密保持 | ①秘密情報の特定 ②秘密保持の対象 ③秘密保持期間 |
第8条 終了 | ①終了事由 |
第9条 通知 | ①当事者の通知先 |
第10条 譲渡 | ①譲渡の禁止 |
第11条 契約期間 | ①始期 ②終期 |
第12条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(5)特許権譲渡契約書
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、甲の保有する特許第×××号を甲が乙に譲渡することに関し、次のとおり契約を締結する。
第1条(特許権の譲渡)
甲は、甲の保有する下記の特許権(以下「本特許権」という。)を、乙に譲渡する。
特許番号 第×××××××号
発明の名称 「 」
第2条(権利の移転時期)
甲及び乙は、第3条に規定する対価の支払いをもって、本特許権が甲から乙に移転することに合意する。ただし、乙は、第4条に規定する特許庁への移転登録手続きが完了するまでの間、法律上有効に本特許権が乙に移転されるものではないことを予め確認する。
第3条(対価及び支払方法)
乙は、乙に対し、本契約第2条による本特許権の譲渡の対価として、金○○円を、本契約締結の日より○日以内に消費税を加算した上で、甲の指定する銀行口座に振込むことにより支払う。
この場合、銀行手数料は乙の負担とする。
第4条(移転登録手続)
本特許権の特許庁への移転登録申請手続きは、前条より対価の支払いがあった後、乙が行うものとし、甲は、乙に対し、本特許権の移転登録申請手続きに必要な書類を無償で提供する。
2 前項の手続きに要する費用は、乙の負担とする。
第5条(対価の不返還)
本契約に基づき、乙から甲に支払われた対価は、いかなる事由による場合でも乙に返還しない。ただし、明白な誤計算の場合は、無利子で差額を返還する。
第6条(保 証)
甲は、乙による本特許権に基づく製品の製造・販売から生ずる乙のいかなる損害についても一切の責任を負わない。
第7条(秘密保持)
本契約の期間中及びその終了後○年間、甲及び乙は、本契約期間中に相手方から秘密情報として特定して提供された情報を相手方の了解なしに第三者に開示又は漏洩してはならない。
第8条(解 除)
甲又は乙は、相手方が本契約に違反した場合、何らの通知催告を要せず、直ちに本契約を解除できる。
第9条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
(住所)
甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)
乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
特許権譲渡契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 特許権の譲渡 | ①対象特許権 |
第2条 権利の移転時期 | ①移転時期の明確化 |
第3条 対価及びその支払方法 | ①対価額 ②支払方法 |
第4条 移転登録手続 | ①登録義務者 ②登録権利者 |
第5条 対価の不返還 | ①支払われた対価の不返還義務 |
第6条 保証 | ①保証の範囲 |
第7条 秘密保持 | ①開示された情報の秘密保持義務 |
第8条 解除 | ①事由 |
第9条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
※出願権(出願を受ける権利)の譲渡について検討する際にも上記チェック項目を参考にしてください。
(6)特許専用実施権許諾契約書
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が有する特許第×××号 発明の名称「 」(以下「本特許権」という。)について、次のとおり契約を締結する。
第1条(権利の許諾)
甲は、乙に対し、本特許権についてその範囲全部にわたる専用実施権を許諾する。
2 乙が第三者に通常実施権を許諾しようとする場合は、乙は、事前の文書による甲の承諾を得る。
第2条(設定登録)
・出願中の特許出願については、仮専用実施権に置き換えてください。
乙は、乙の費用で前条に基づき許諾された専用実施権(※)の設定登録を行うものとし、甲は、これに必要な資料を無償で乙に提供し、設定登録に協力する。
第3条(対価及び支払方法)
本契約第1条に定める専用実施権の許諾の対価として、乙は、甲に次に定めるイニシャル及び実施料に消費税を加算して甲の指定する銀行口座に振り込むことにより支払う。
この場合、銀行振込手数料は、乙の負担とする。
1.イニシャル 万円
支払期日 本契約締結の日から○日以内
2.実施料 毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本特許権に基づく製品(以下「本製品」という。)の販売価格の○%
支払期日 毎年3月31日及び9月30日から○日以内
第4条(実施報告)
乙は、甲に対し、毎年3月31日及び9月30日に先立つ6ヶ月間に販売した本製品の型式、単価、販売数量、販売先、総販売額、実施料及び消費税を記載した実施報告書を毎年3月31日及び9月30日より30日以内に提出する。
2 乙は、甲に対し、当該期間に本製品の販売実績がない場合も、その旨を記載した報告書を提出する。
第5条(帳簿閲覧)
本契約の期間中及び本契約終了後2年間、乙は、甲から要請されたときは、本製品の実施料を確定するために必要な帳簿、伝票その他の書類を甲の閲覧に供する。
第6条(対価の不返還)
本契約に基づき乙から甲に支払われた対価は、いかなる事由による場合でも乙に返還しない。ただし、明白な誤計算の場合を除く。
第7条(保 証)
甲は、本契約に基づく本製品の製造・販売から生じる乙のいかなる損害についても責任を負わない。
第8条(侵害の排除)
乙は、第三者が本特許権を侵害し又は侵害しようとしていることを知ったときは、直ちにその旨を甲に通知し、乙の費用と責任で、侵害の排除又は予防を行い、甲は、乙に対し、これに必要な資料を無償で提供する。
第9条(特許表示)
乙は、本製品に特許表示を付す。
第10条(解 約)
甲及び乙は、誠意をもって本契約を履行し、甲又は乙が本契約に違反して相手方に損害を与えた場合には、その損害賠償の責を免れない。
2 甲及び乙は、相手方が本契約に違反し、書面による催告後○日を経過しても当該違反が是正されない場合には、本契約を解除することができる。
第11条(契約期間)
本契約の有効期間は、本契約締結の日から本特許権の消滅の日までとする。
第12条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
(住所)
甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)
乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
特許専用実施権許諾契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 権利の許諾 | ①範囲 ②再実施権 |
第2条 設定登録 | ①登録権利者(専用実施権者) ②登録義務者(権利者) |
第3条 対価及び支払方法 | ①支払い方式 ②金額 ③支払時期 ④消費税 ⑤銀行振込手数料 |
第4条 実施報告 | ①報告内容 ②報告時期 ③実績無い場合の報告義務 |
第5条 帳簿閲覧 | ①閲覧者 ②閲覧できる帳簿 ③閲覧時期 ④帳簿の保管 |
第6条 対価の不返還 | ①返還義務の有無 |
第7条 保証 | ①保証の有無 ②範囲 |
第8条 侵害の排除 | ①排除義務 ②協力内容 |
第9条 特許表示 | ①義務の有無 |
第10条 解約 | ①事由 |
第11条 契約期間 | ①始期 ②終期 |
第12条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(7)特許共同出願契約書
○○株式会社(以下「甲」という。)と△△株式会社(以下「乙」という。)とは、発明の名称「 」の発明(以下「本発明」という。)を共同して特許出願するに当たり、次のとおり契約を締結する。
第1条(権利の持分)
甲及び乙は、本発明についての特許を受ける権利を共有し、その持分は、甲乙均等とする。
第2条(出願及び諸手続)
甲は、本発明の特許出願の手続き、登録までの諸手続及び登録された後の権利の維持管理に関する手続を行う。ただし、特許庁に対し諸書類を提出するときは、事前に乙と協議して対処する。
第3条(実施)
甲及び乙は、それぞれ本発明及び本発明に基づいて得られる特許権を自由に実施することができるものとし、実施に際しての対価支払の要否及び条件については、甲乙別途協議して定める。
第4条(実施許諾)
甲及び乙は、本発明に基づいて得られる特許権について、第三者に実施許諾する場合は、その可否及び条件を協議のうえ、決定する。
2 甲及び乙は、第三者より得られる対価を折半して配分する。
第5条(第三者との紛争)
甲及び乙は、本発明の特許出願又は特許権に関し、第三者から審判又は訴訟を提起された場合、相互に協力して対処する。
第6条(発明褒賞)
甲及び乙は、本発明の発明者に対する褒賞をそれぞれ自己に属する発明者に対してのみ、自己の所定の規定に基づき褒賞する。
第7条(外国出願)
甲及び乙は、本発明について外国出願する場合は、その取扱いについて別途協議して定める。
第8条(費用負担)
甲及び乙は、本契約第2条、第4条及び第5条により発生する費用について、折半して負担する。
第9条(秘密保持)
甲及び乙は、本発明につき、本発明が出願公開になるまで第三者に開示又は漏洩してはならない。
第10条(契約の有効期間)
本契約の有効期間は、本契約の調印の日から、本発明の存続期間満了日までとする。
第11条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
(住所)甲 ○○株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
(住所)乙 △△株式会社
代表取締役社長 (氏名) 印
特許共同出願契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 権利の持分 | 持分比 |
第2条 出願及び諸手続き | ①手続実施者の決定 ②手続の範囲 ③他の出願人の協力と同意 ④手続費用の 負担 |
第3条 実施 | ①実施の分担 ②実施者の範囲 ③不実 施補償料の取扱 ⑤実施の報告、情報交換 |
第4条 実施許諾 | ①許諾の可否、同意の必要性 ②許諾条件 ③許諾手続 ④実施料の金額及びその配分 |
第5条 第三者との紛争 | ①紛争の際の協力 ②侵害摘発、相手方へ の連絡 ③侵害排除、協力 ④費用負担 |
第6条 発明褒章 | ①実施の可否 ②実施方法 |
第7条 外国出願 | ①外国出願の要否 ②持分譲渡 ③手続実施者の決定 ④出願国の決定 ⑤費用 負担 ⑥維持管理 |
第8条 費用負担 | ①手続費用、訴訟費用の取決め |
第9条 秘密保持 | ①範囲 ②期間 ③例外(秘密公開) |
第10条 契約の有効期間 | ①期間 ②拒絶、無効となった場合の措置 |
第11条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
※不実施補償契約書(共有特許実施契約書)について検討する際にも上記チェック項目を参考にしてください。
(8)秘密保持契約書1
〔両当事者秘密保持義務のケース〕
○○○株式会社(以下「甲」という。)と×××株式会社(以下「乙」という。)とは、△△△△技術の将来性の検討(以下「本検討」という。)を行い、共同研究の可否を決定するため、相互に技術的知見を開示するに当たり、次のとおり契約を締結する。
第1条(秘密情報及び秘密保持義務)
甲及び乙は、△△△△技術に関し、相互に秘密として特定して開示した技術情報及び相互の接触交流により知り得た相手方の秘密として特定された企業秘密(以下「秘密情報」という。)を、相手方の事前の文書による承諾なしに第三者に開示又は漏洩してはならない。ただし、次のものは秘密保持対象から除外する。
(1)開示を受けた際、既に自ら所有し、又は第三者から入手していたもの
(2)開示を受けた際、既に公知公用であったもの
(3)開示を受けた後、甲乙それぞれの責によらないで公知又は公用となったもの
第2条(使用・流用の禁止)
甲及び乙は、秘密情報を相手方の承諾なしに本検討以外の目的に使用してはならない。
第3条(共同研究)
甲及び乙は、本契約に基づく技術の開示の結果共同研究を必要とする場合、新たに共同研究契約を締結する。
第4条(秘密情報の返還)
甲及び乙は、本検討の結果、共同研究に至らないこととした場合は、本契約の終了後直ちに、秘密情報に係る書類(複写及び複製したものを含む。)を相手方に返還する。
第5条(契約の有効期間)
本契約の有効期間は、令和○○年○○月○○日から令和○○年○○月○○日までとする。
第6条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
xxx ○○区○○○丁目○番○号甲 ○○○株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
xxx ○○区○○○丁目○番○号乙 ×××株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
秘密保持契約書1チェックリスト
〔両当事者秘密保持義務のケース〕
条文 | チェック項目 | |
前 文 | ①契約の当事者 ②契約の目的 | |
第1条 | 秘密情報及び秘密保持義務 | ①秘密情報の特定 ②開示する情報の対象範囲 ③秘密保持義務の対象範囲 ④秘密保持義務者 |
第2条 | 使用・流用の禁止 | ①禁止範囲 |
第3条 | 共同研究 | ①共同研究契約締結の要否 |
第4条 | 秘密情報の返還 | ①秘密情報の返還義務 |
第5条 | 契約の有効期間 | ①契約の始期、終期 |
第6条 | 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(9)秘密保持契約書2
〔一方当事者秘密保持義務のケース〕
○○○株式会社(以下「甲」という。)と×××株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が乙に対して提示する○○○試作品(以下「本試作品」という。)の図面及び仕様書に基づき乙がその制作費の見積りをするに際し、本試作品に関する技術の秘密保持について次のとおり契約を締結する。
第1条(秘密情報及び秘密保持義務)
乙は、本試作品に関する技術、甲の営業情報及び甲の事業場に立入った際に得た甲の企業秘密のうち秘密情報として特定された情報(以下「秘密情報」という。)を、甲の事前の文書による承諾なしに第三者に開示又は漏洩してはならない。ただし、次のものは秘密情報から除外する。
(1)甲が開示した際、既に乙が自ら所有し、又は第三者から入手していたもの
(2)甲が開示した際、既に公知公用であったもの
(3)甲が開示した後、乙の責によらないで公知又は公用となったもの
第2条(使用・流用の禁止)
乙は、甲の秘密情報を甲の承諾なしに制作費の見積り以外の目的に使用してはならない。
第3条(秘密情報の返還)
本契約が終了したときは、乙は、甲から受領していた一切の書類、資料を甲に返還する。
第4条(損害賠償)
乙は、甲の承諾なしに秘密情報を第三者に対して開示又は漏洩したときは、甲に対して約定損害金として金○○○万円を支払う。
第5条(契約の有効期間)
本契約の有効期間は、令和○○年○○月○○日から令和○○年○○月○○日までとする。
第6条(協 議)
甲及び乙は、本契約に定めのない事項又は解釈に疑義ある事項については、xxxxの原則に従って甲乙協議の上、これを解決する。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
xxx ○○区○○○丁目○番○号甲 ○○○株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
xxx ○○区○○○丁目○番○号乙 ×××株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
秘密保持契約書2チェックリスト
〔一方当事者秘密保持義務のケース〕
条文 | チェック項目 | |
前 文 | ①契約当事者 ②契約の対象 | |
第1条 | 秘密情報及び秘密保持義務 | ①秘密情報の特定 ②開示する情報の対象範囲 ③秘密保持義務の対象範囲 ④秘密保持義務者 |
第2条 | 使用・流用の禁止 | ①禁止範囲 |
第3条 | 秘密情報の返還 | ①秘密情報の返還義務 |
第4条 | 損害賠償 | ①損害賠償請求 |
第5条 | 契約の有効期間 | ①契約の始期、終期 |
第6条 | 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
(10)秘密保持誓約書
○○○○株式会社
○○○○殿
令和××年×月×日
○○○○株式会社
○ ○ ○ ○ 印
当社は、当社の従業員○○○○が貴社○○○製造工場○○○工程を見学させていただくに際し、次の事項を厳守し、いささかも貴社にご迷惑をかけぬことを誓約いたします。
記
1.当社は、工場見学に際し貴社が当社に秘密として特定して供与した秘密情報(以下
「本秘密」という。)を第三者に開示又は漏洩しません。
2.本秘密を貴社の承諾なしには一切使用しません。
3.必要最小限の範囲の当社従業員には本秘密を関知させますが、当社は、見学をした従業員及び本秘密に関与した従業員に対して、在職中及び退職後も本誓約書の趣旨と同趣旨の義務を誓約させます。
4.当社の従業員が貴社○○○工程を見学した事実も秘密にします。
5.当社、当社の従業員又は当社の従業員であった者が、本誓約事項のいずれかに違反した行為をした場合には、当社は、すべて責任を負い貴社の被った一切の損害を賠償します。
以上
秘密保持誓約書チェックリスト
事項 | チェック項目 |
前 文 | ①誓約者 ②提出先 ③背景事情 |
1.本秘密 | ①秘密情報の特定 ②開示する情報の対象範囲 ③秘密保持義務の対象範囲 ④秘密保持義務者 |
2.使用禁止 | ①禁止範囲 |
3.関与従業員 | ①関与従業員の範囲 ②義務の徹底 ③従業員退職後の扱い |
4.事実の守秘 | ①事実の範囲(見学等) |
5.違反行為 | ①責任の範囲 ②損害賠償 |
(11)商標使用許諾契約書
○○○株式会社(以下「甲」という。)と×××株式会社(以下「乙」という。)とは、甲の所有する商標の使用許諾に関し、次のとおり契約を締結する。
第1条(定 義)
本契約書において使用する次の用語の意味は、以下のとおりとする。
(1)「本商標」とは、甲の所有する次の商標をいう。登録番号:第○○○○○○○号
登録日: 年 月 日商標名:「○○○○」
指定商品と役務:「○○○○」(第〇類)
「○○○○」(第〇類)
「○○○○」(第〇類)
(2)「本製品」とは、乙により製造され、本商標を付して販売される次の商品に係る製品をいう。
商品名1:「○○○○」商品名2:「○○○○」
(3)「地域」とは、日本国内をいう。
第2条(使用許諾)
甲は、乙に対し、本商標につき、本製品を地域において製造及び販売する通常使用権を許諾する。
2 乙は、前項により許諾された通常使用権を自己の費用で登録することができるものとし、甲は、乙の請求により、それに必要な書類を乙に提供するものとする。
3 乙は、甲の書面による事前承諾を得なければ、第三者に対して再使用権を許諾することができない。
第3条(本商標の維持)
甲は、本契約の有効期間中、本商標を維持しなければならない。
第4条(対 価)
乙は、甲に対し、第2条に基づく使用許諾の対価として、本契約の有効期間中に製造及び販売した本製品につき、その正味販売価格の〇%の使用料を支払う。
第5条(報告・支払)
乙は、甲に対し、各歴年中に発生した使用料額を計算の上当該歴年終了後30日以内にそれを書面で報告し、かつ60日以内に、甲の指定する銀行口座に振り込むことにより支払う。
2 前項で乙から甲に支払われる金額に消費税が加算されるものとし、銀行手数料は乙の負担とする。
第6条(帳簿・検査)
乙は、歴年ごとに、本製品の製造及び販売に関する別個独立の帳簿を作成し、関係書類とともにそれを本契約の有効期間中及び終了後3年間、乙の本店に保管する。
2 甲は、その指定する公認会計士をして前項の帳簿及び関係書類を検査させることができ、乙はこれに協力する。
第7条(不保証)
甲は、本商標につき無効事由の存在しないことを保証しない。
2 甲は、乙による本商標の使用が第三者の権利により制限を受けないことを保証しない。
第8条(不争義務)
乙が、直接又は間接に本商標の有効性を争う場合、甲は、本契約を解約できる。
第9条(侵害の排除)
乙は、本商標が第三者により侵害された事実を発見したときは、速やかにその旨を甲に報告し、かつその入手した証拠資料を甲に提供する。
2 甲及び乙は、本商標の侵害者に対する対応策等について協議し、甲が当該侵害者対して差止請求訴訟等を提起する場合には、乙はそれに協力する。
第10条(品質保持等)
乙は、本商標の使用の形態と方法について、その色彩、大きさも含めて甲の書面による事前の承諾を得なければならない。
2 乙は、本契約に従い製造及び販売する本製品の品質維持に努め、本商標の出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能を損う行為を行ってはならない。
第11条(使用義務)
乙は、本契約の有効期間中、本製品の製造及び販売に最善の努力を払う。
第12条(秘密保持)
甲及び乙は、本契約の締結及び履行にあたり相手方から秘密として特定して開示された相手方の秘密情報を、相手方の書面による事前承諾を得なければ、第三者に開示又は漏洩してはならない。
第13条(解 約)
甲又は乙は、相手方が、本契約のいずれかの義務を履行しないときには、相手方にその履行を催告し、催告後30日以内にそれを是正しないときは、本契約を解約することができる。
第14条(有効期間)
本契約の有効期間は、本契約締結の日から〇年間とする。
第15条(協 議)
本契約に定めのない事項及び本契約の解釈につき疑義の生じた事項については、xxxxをもって協議し、友好的解決を図る。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲及び乙が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和××年×月×日
xxx ○○区○○○丁目○番○号甲 ○○○株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
xxx ○○区○○○丁目○番○号乙 ×××株式会社
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印
商標使用許諾契約書チェックリスト
条文 | チェック項目 |
前 文 | |
第1条 定義 | ①用語の定義 商標:登録番号・登録日・商標名・指定商品と役務 製品:商品名 |
第2条 使用許諾 | ①種類 ②範囲 ③登録権利者/協力義務 ④再実施権 |
第3条 本商標の維持 | ①義務の内容 |
第4条 対価 | ①対価計算方法 |
第5条 報告・支払 | ①報告内容 ②報告時期 ③金額 ④支払方法 ⑤支払時期 ⑤消費税 ⑥銀行手数料 |
第6条 帳簿・検査 | ①閲覧者 ②閲覧できる帳簿 ③閲覧時期 ④帳簿の保管 |
第7条 不保証 | ①保証内容 |
第8条 不争義務 | ①義務の内容 |
第9条 侵害の排除 | ①排除義務 ②協力内容 |
第10条 品質保持等 | ①使用形態 ②義務内容 |
第11条 使用義務 | ①努力義務内容 |
第12条 秘密保持 | ①秘密保持義務 |
第13条 解約 | ①事由 |
第14条 有効期間 | ①始期 ②終期 |
第15条 協議 | ①疑義ある事項の処理方法 |
後 文 |
知っておきたい知的財産契約の基礎知識
2004年6月15日発行(「中小企業のための特許契約の手引き」)
2004年10 月1日改訂増補(「知っておきたい特許契約の基礎知識」と改称)
2005年6月20日改訂
2006年6月2日改訂
2007年6月6日改訂
2008年8月27日改訂
2010年1月20日改訂
2010年9月21日改訂
2022年3月30日改訂(「知っておきたい知的財産契約の基礎知識」と改称)
監修
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BLJ法律事務所 弁護士・博士(法学)
改訂・執筆
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前独立行政法人工業所有権情報・研修館専門調査員元新日本製鐵株式会社知的財産部専門部長
企画・編集・発行
独立行政法人工業所有権情報・研修館