Contract
第1章 x x
第101条 適 用
1.地質・土質調査共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、島根県の発注する地質・土質調査、試験、解析に類する業務(以下「地質・土質調査」という。)に係る土木設計業務等委託契約書( 以下「契約書」という。)及び設計図書の内容について、統一的な解釈及び運用を図るとともに、その他の必要な事項を定め、もって契約の適正な履行の確保を図るためのものである。
2.設計図書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を拘束するものとする。
3.特記仕様書、図面又は共通仕様書の間に相違がある場合、又は図面からの読み取りと図面に書かれた数字が相違する場合、受注者は監督職員に確認して指示を受けなければならない。
4.現場技術業務、測量作業及び設計業務及び測量作業に関する業務については、別に定める共通仕様書によるものとする。
第102条 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。
1.「発注者」とは、契約担当者をいう。
2.「受注者」とは、地質・土質調査の実施に関し、発注者と契約を締結した個人若しくは会社その他の法人をいう。
3.「監督職員」とは、契約図書に定められた範囲内において、受注者またはxx技術者に対する指示、承諾または協議等の職務を行う者で、契約書第8条第1項に規定する者であり、総括監督員,xx監督員及び監督員を総称していう。
4.「検査職員」とは、地質・土質調査の完了の検査にあたって、契約書第30条第2項の規定に基づき検査を行う者をいう。
5.「xx技術者」とは、地質・土質調査の履行に関し業務の管理及び統括等を行う者で契約書第9条第1項の規定に基づき受注者が定めた者をいう。
6. 「担当技術者」とは、xx技術者のもとで業務を担当を担当する者で、受注者が定めた者をいう。
7.「同等の能力と経験を有する技術者」とは、特記仕様書で規定する者又は発注者が承諾した者をいう。
8.「契約図書」とは、契約書及び設計図書をいう。
9.「契約書」とは、土木設計業務等委託契約書をいう。
10. 「設計図書」とは、仕様書、図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
11.「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基準
を含む。)を総称していう。
12. 「共通仕様書」とは、各地質・土質調査に共通する技術上の指示事項を定める図書をいう。
13. 「特記仕様書」とは、共通仕様書を補足し、当該地質・土質調査の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
14. 「現場説明書」とは、地質・土質調査の入札に参加するものに対して発注者が当該地質・土質調査の契約条件を説明するための書類をいう。
15. 「質問回答書」とは、現場説明書に関する入札参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう。
16. 「図面」とは、入札に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
17. 「指示」とは、監督職員が受注者に対し、地質・土質調査の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
18.「請求」とは、発注者又は受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して相手方に書面をもって行為、あるいは同意を求めることをいう。
19. 「通知」とは、発注者若しくは監督職員が受注者に対し、又は受注者が発注者若しくは監督職員に対し、地質・土質調査業務等に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。
20. 「報告」とは、受注者が監督職員に対し、地質・土質調査の遂行に係わる事項について、書面をもって知らせることをいう。
21. 「申し出」とは、受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して、発注者に対して、書面をもって同意を求めることをいう。
22. 「承諾」とは、受注者が監督職員に対し、書面で申し出た地質・土質調査の遂行上必要な事項について、監督職員が書面により業務上の行為に同意することをいう。
23. 「質問」とは、不明な点に関して書面をもって問うことをいう。
24. 「回答」とは、質問に対して書面をもって答えることをいう。
25. 「協議」とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
26. 「提出」とは、受注者が監督職員に対し、地質・土質調査に係わる書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
27. 「書面」とは、手書き、印刷等の伝達物をいい、発行年月日を記録し署名又は押印したものを有効とする。
(1) 緊急を要する場合は、ファクシミリまたはEメールにより伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し換えるものとする。
(2) 電子納品を行う場合は、別途監督職員と協議するものとする。
28. 「検査」とは、契約図書に基づき、検査職員が地質・土質調査の完了を確認することをいう。
29. 「打合せ」とは、地質・土質調査を適正かつ円滑に実施するためにxx技術者等と監督職員が面
談により、調査の方針及び条件等の疑義を正すことをいう。
30. 「修補」とは、発注者が受注者の負担に帰すべき理由による不良箇所を発見した場合に受注者が行うべき訂正,補足その他の措置をいう。
31. 「協力者」とは、受注者が地質・土質調査の遂行にあたって、再委託に付する者をいう。
32.「使用人等」とは、協力者又はその代理人若しくはその使用人その他これに準ずるものをいう。
33. 「立会」とは、設計図書に示された項目において監督職員が臨場し、内容を確認することをいう。
第103条 業務の着手
1.受注者は、特記仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後15日以内に地質・土質調査に着手しなければならない。この場合において、着手とはxx技術者が地質・土質調査の実施のため監督職員との打合せ、又は現地踏査を開始することをいう。
第104条 調査地点の確認
1.受注者は調査着手前にその位置を確認しておかなければならない。また、調査地点の標高が必要な場合は、基準となる点について監督職員の承諾を得なければならない。
2.受注者は都市部等における調査で地下埋設物(電話線、送電線、ガス管、上下水道管その他)が予想される場合は、監督職員に報告し、関係機関と協議の上現地立会を行い、位置、規模、構造等を確認するものとする。
第105条 設計図書の支給及び点検
1.受注者からの要求があり監督職員が必要と認めた場合は、受注者に図面の原図若しくは電子データを貸与する。ただし、共通仕様書、各種基準、参考図書等市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
2.受注者は、設計図書の内容を十分点検し、疑義のある場合は、監督職員に書面により報告し、その指示を受けなければならない。
3.監督職員は、必要と認めるときは、受注者に対し、図面又は詳細図面等を追加支給するものとする。
第106条 監督職員
1.発注者は、地質・土質調査における監督職員を定め、受注者に通知するものとする。
2.監督職員は、契約図書に定められた事項の範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3.契約書の規定に基づく監督職員の権限は、契約書第8条第2項に規定した事項である。
4.監督職員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合その他の理由により監督職員が、受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。監督職員は、その指示等を行った後、7日以内に書面で受注者にその指示等の内容を通知するものとする。
第107条 xx技術者
1.受注者は、地質・土質調査におけるxx技術者を定め、発注者に通知するものとする。
2.xx技術者は、契約図書等に基づき、地質・土質調査に関する技術上の一切の事項を処理するものとする。
3.xx技術者は、技術士(総合技術監理部門(業務に該当する選択科目)又は業務に該当する部 門)又はこれと同等の能力と経験を有する技術者、あるいはシビルコンサルティングマネージャー
(以下「RCCM」という。)の資格保有者であり、特記仕様書に定める業務経験を有することとし、日本語に堪能(日本語通訳が確保できれば可)でなければならない。
4.xx技術者に委任できる権限は契約書第9条第2項に規定した事項とする。ただし、受注者がxx技術者に委任できる権限を制限する場合は発注者に書面をもって報告しない限り、xx技術者は受注者の一切の権限(契約書第9条第2項の規定により行使できないとされた権限を除く)を有するものとされ発注者及び監督職員はxx技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。
5.xx技術者は、監督職員が指示する関連のある地質・土質調査の受注者と十分に協議の上相互に協力し、業務を実施しなければならない。
6.受注者又はxx技術者は、屋外における地質・土質調査に際しては使用人等に適宜、安全対策、環境対策、衛生管理、地元関係者に対する応対等の指導及び教育を行うとともに、地質・土質調査が適正に遂行されるように、管理及び監督しなければならない。
第108条 担当技術者
1.受注者は、業務の実施にあたって担当技術者を定める場合は、その氏名その他必要な事項を監督職員に提出するものとする。(xx技術者と兼務するものを除く)
なお、担当技術者が複数にわたる場合は3名までとする。
2.担当技術者は、設計図書等に基づき、適正に業務を実施しなければならない。
第109条 提出書類
1.受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に関係書類を監督職員を経て、発注者に遅滞なく提出しなければならない。ただし、業務委託料(以下「委託料」という。)に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督職員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明の際に指定した書類を除く。
2.受注者が発注者に提出する書類で様式が定められていないものは、受注者において様式を定め、 提出するものとする。ただし、発注者がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。
3.受注者は、契約時、変更時及び完了時において、委託料が100万円以上の業務について、測量調査設計業務実績情報サービス(TECRIS)に基づき、受注・変更・完了時に業務実績情報として「登録のための確認のお願い」を作成し、受注時は契約後、土曜日、日曜日、祝日等を除き10日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から、土曜日、日曜日、祝日等を除き10日以内に、完了時は業務完了後、土曜日、日曜日、祝日等を除き10日以内に、監督職員の確認を受けたうえ、登録機関に登録申請しなければならない。なお、登録内容に訂正が必要な場合、TECRISに基づき、「訂正のための確認のお願い」を作成し、訂正があった日から、土曜日、日曜日、祝日等を除き10日以内に監督職員の確認を受けたうえ、登録機関に登録申請しなければならない。
また、登録機関に登録後、TECRISより「登録内容確認書」をダウンロードし、直ちに監督職員に提出しなければならない。なお、変更時と完了時の間が、土曜日、日曜日、祝日等を除き10日間に満たない場合は、変更時の提出を省略できるものとする。
第110条 打合せ等
1.地質・土質調査着手時、及び設計図書で定める調査の区切りにおいて、xx技術者と監督職員は打合せを行うものとし、その結果について受注者が打合せ記録簿に記録し相互に確認しなければならない。
2.地質・土質調査を適正かつ円滑に実施するため、xx技術者と監督職員は常に密接な連絡をとり、調査の方針及び条件等の疑義を正すものとし、その内容についてはその都度受注者が打合せ記録簿 に記録し、相互に確認しなければならない。
なお、連絡は積極的にEメール等を活用し、Eメールで確認した内容については、必要に応じて打合せ記録簿を作成するものとする。
3.受注者は、支給材料によって、その受払状況を登録した帳簿を備え付け、常にその残高を明らか にしておかなくてはならない。また、受注者は、作業完了時(完了前であっても作業工程上支給の 精算が行えるものについてはその時点)には、支給品精算書を監督職員に提出しなければならない。
4.xx技術者は、仕様書に定めのない事項について疑義が生じた場合は、速やかに監督職員と協議するものとする。
第111条 業務計画書
1.受注者は、契約締結後15日以内に業務計画書を作成し、監督職員に提出しなければならない。
2.業務計画書には、契約図書に基づき下記事項を記載するものとする。 (1) 調査概要 (2) 実施方針
(3) 調査工程 (4) 調査組織計画(担当者の一覧表を記載すること)
(5) 打合せ計画 (6) 成果品の内容、部数 (7) 使用する主な図書及び基準 (8) 連絡体制(緊急時含む) (9) 使用する機械の種類、名称、性能(一覧表にする)
(10) 仮設備計画 (11) その他必要事項
なお、仮設物は、設計図書に指定されたものを除き受注者の責任において行うものとする。
3.監督職員は、提出された業務計画書を検討の上、修正の必要を認めた場合にはxx技術者と協議の上修正させることができるものとする。
4.受注者は、業務計画書の重要な内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度監督職員に変更業務計画書を提出しなければならない。
第112条 資料等の貸与及び返却
1.監督職員は、設計図書に定める図書及びその他関係資料を、受注者に貸与するものとする。
2.受注者は、貸与された図書及び関係資料等の必要がなくなった場合はただちに監督職員に返却するものとする。
3.受注者は、貸与された図書及びその他関係資料を丁寧に扱い損傷してはならない。万一、損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4.受注者は、設計図書に定める守秘義務の必要な資料については複写してはならない。
第113条 関係官公庁への手続き等
1.受注者は、地質・土質調査の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続きの際に協力しなければならない。また受注者は地質・土質調査を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合は、速やかに行うものとする。
2.受注者が、関係官公庁等から交渉を受けたときは、遅滞なくその旨を監督職員に報告し協議するものとする。
第114条 地元関係者との交渉等
1.契約書第11条に定める地元関係者への説明、交渉等は、発注者又は監督職員が行うものとするが、監督職員の指示がある場合は、受注者はこれに協力するものとする。これらの交渉に当たり、受注 者は地元関係者に誠意をもって接しなければならない。
2.受注者は、地質・土質調査の実施に当たっては、地元関係者からの質問、疑義に関する説明等を求められた場合は、監督職員の承諾を得てから行うものとし、地元関係者との間に紛争が生じないように努めなければならない。
3.受注者は、設計図書の定め、あるいは監督職員の指示により地元関係者への説明、交渉等を行う場合には、交渉等の内容を書面により、状況を随時監督職員に報告し、指示があればそれに従うものとする。
4.受注者は地質・土質調査の実施中に発注者が地元協議等を行い、その結果を条件として業務を実施する場合には、設計図書に定めるところにより、地元協議等に立会するとともに、説明資料及び記録の作成を行うものとする。
5.受注者は、前項の地元協議により、既に作成した成果の内容を変更する必要を生じた場合には、指示に基づいて変更するものとする。なお、変更に要する履行期間及び経費は、発注者と協議のうえ定めるものとする。
第115条 土地への立入り等
1.受注者は、屋外で行う地質・土質調査を実施するため国有地、公有地又は私有地に立入る場合は、契約書第12条の定めに従って、監督職員及び関係者と十分な協調を保ち地質・土質調査が円滑にx xするように努めなければならない。なお、やむを得ない理由により現地への立入りが不可能とな った場合には、ただちに監督職員に報告し指示を受けなければならない。
2.受注者は、地質・土質調査実施のため植物伐採、かき、さく等の除去又は土地若しくは工作物を一時使用する時は、あらかじめ監督職員に報告するものとし、報告を受けた監督職員は当該土地所有者及び占有者の許可を得るものとする。なお、第三者の土地への立入りについて、当該土地占有者の許可は、発注者が得るものとするが、監督職員の指示がある場合は受注者はこれに協力しなければならない。
3.受注者は、前項の場合において生じた損失のため必要を生じた経費の負担については、設計図書に示す他は監督職員と協議により定めるものとする。
4. 受注者は、第三者の土地への立入りに当たっては、あらかじめ身分証明書交付願を発注者に提出し身分証明書の交付を受け、現地立入りに際しては、これを常に携帯しなければならない。なお、受注者は、立入り作業終了後10日以内に身分証明書を発注者に返却しなければならない。
第116条 成果品の提出
1.受注者は地質・土質調査が完了したときは、設計図書に示す成果品を調査完了報告書とともに提出し、検査を受けるものとする。
2.受注者は、設計図書に定めがある場合、又は監督職員の指示する場合で、同意した場合は履行期間途中においても、成果品の部分引き渡しを行うものとする。
3.受注者は、成果品において使用する計量単位は、国際単位系(SI)とする。
第117条 関連法令及び条例の遵守
受注者は、地質・土質調査の実施に当たっては、関連する関係諸法令及び条例等を遵守しなければならない。
第118条 検 査
1.受注者は、契約書第30条第1項の規定に基づき、業務完了報告書を発注者に提出する際には、契 約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了し、監督職員に提出していなければならない。
2.発注者は、地質・土質調査業務等の検査に先立って受注者に対して書面をもって検査日を通知するものとする。この場合において受注者は、検査に必要な書類及び資料等を整備するとともに、屋外で行う検査においては、必要な人員及び機材を準備し、提供しなければならない。この場合、検査に要する費用は受注者の負担とする。
3.検査職員は、監督職員及びxx技術者の立会の上、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1) 地質・土質調査成果品の検査
(2) 地質・土質調査管理状況の検査
地質・土質調査の状況について、書類、記録及び写真等により検査を行う。
第119条 修 補
1.受注者は、修補は速やかに行わなければならない。
2.検査職員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して、期限を定めて修補を指示することができるものとする。
3.検査職員が修補の指示をした場合において、修補の完了の確認は検査職員の指示に従うものとする。
4.検査職員が指示した期間内に修補が完了しなかった場合には、発注者は、契約書第30条第2項に基づき、検査の結果を受注者に通知するものとする。
第120条 条件変更等
1.監督職員が、受注者に対して地質・土質調査内容の変更又は設計図書の訂正(以下「地質・土質
調査の変更」という。)の指示を行う場合は、指示書によるものとする。
2.受注者は、設計図書で明示されていない施工条件について予期できない特別な状態が生じた場合、直ちに書面をもってその旨を監督職員に報告し、その確認を求めなければならない。なお、「予期 することができない特別な状態」とは、以下のものをいう。
(1) 第115条第1項に定める現地への立ち入りが不可能となった場合。
(2) 天災その他の不可抗力による損害。
(3) その他、発注者と受注者が協議し当該規定に適合すると判断した場合。
第121条 契約変更
1.発注者は、次の各号に掲げる場合において、地質・土質調査の契約の変更を行うものとする。
(1) 地質・土質調査内容の変更により委託料に変更を生じる場合
(2) 履行期間の変更を行う場合
(3) 監督職員と受注者が協議し、地質・土質調査業務履行上必要があると認められる場合
(4) 契約書第29条の規定に基づき委託料の変更に代えて設計図書の変更を行う場合
2.発注者は、前項の場合において、変更する契約図書は、次の各号に基づき作成されるものとする。
(1) 第120条の規定に基づき監督職員が受注者に指示した事項
(2) 地質・土質調査の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項
(3) その他発注者又は監督職員と受注者との協議で決定された事項
第122条 履行期間の変更
1.発注者は、受注者に対して地質・土質調査の変更の指示を行う場合において履行期間変更協議の対象であるか否かを合わせて事前に通知するものとする。
2.発注者は、履行期間変更協議の対象であると確認された事項及び地質・土質調査の一時中止を指示した事項であっても、残履行期間及び残作業量等から履行期間の変更が必要でないと判断した場合には、履行期間変更を行わない旨の協議に代えることができる。
3.受注者は、契約書第21条の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、変更工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
4.契約書第22条に基づき、発注者の請求により履行期間を短縮した場合には、受注者は、速やかに調査工程表を修正し提出しなければならない。
第123条 一時中止
1.契約書第19条第1項の規定により、次の各号に該当する場合において発注者は、受注者に書面をもって通知し、必要と認める期間、地質・土質調査業務等の全部又は一部の履行について一時中止させるものとする。
なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)による地質・土質調査の中断については、第131条臨機の措置により、受注者は、適切に対応しなければならない。
(1) 第三者の土地への立入り許可が得られない場合
(2) 関連する他の地質・土質調査業務等の進捗が遅れたため、地質・土質調査の続行を不適当と認めた場合
(3) 環境問題等の発生により地質・土質調査業務等の続行が不適当又は不可能となった場合
(4) 天災等により地質・土質調査業務等の対象箇所の状態が変動した場合
(5) 第三者及びその財産、受注者、使用人等並びに監督職員の安全確保のため必要があると認めた場合
(6) 前各号に掲げるもののほか、発注者が必要と認めた場合
2.発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は監督職員の指示に従わない場合等、監督職員が必要と認めた場合には、地質・土質調査の全部又は一部の一時中止をさせることができるものとする。
3.前2項の場合において、受注者は地質・土質調査の現場の保全については監督職員の指示に従わなければならない。
第124条 発注者の賠償責任
1.発注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 契約書第26条に規定する一般的損害、契約書第27条に規定する第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべきものとされた場合
(2) 発注者が契約に違反し、その違反により業務を継続することが不可能となった場合
第125条 受注者の賠償責任
1.受注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 契約書第26条に規定する一般的損害、契約書第27条に規定する第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべきものとされた場合
(2) 契約書第39条に規定する瑕疵責任にかかる損害
(3) 受注者の責により損害が生じた場合
第126条 部分使用
1.発注者は、次の各号に掲げる場合において、契約書第32条の規定に基づき受注者に対して成果品の全部または一部の使用を請求することできるものとする。
(1) 別途地質・土質調査業務等の用に供する必要がある場合
(2) その他特に必要と認められた場合
2.受注者は、部分使用に同意した場合は、部分使用同意書を発注者に提出するものとする。
第127条 再委託
1.契約書第6条第1項に規定する「主たる部分」とは次の各号に掲げるものをいい、受注者はこれを再委託することはできない。
イ.地質ボーリング・土質試験等の調査方法及び技術的判断ロ.解析業務における手法の決定及び技術的判断
2.受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理、トレース、資料整理、模型製作などの簡
易な業務の再委託にあたっては、発注者の承諾を必要としない。
3.受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託にあたっては、発注者の承諾を得なければならない。
4.受注者は、地質・土質調査を再委託に付する場合、書面により協力者との契約関係を明確にしておくとともに、協力者に対し地質・土質調査の実施について適切な指導、管理のもとに地質・土質調査を実施しなければならない。
なお、協力者は、島根県の測量・地質調査・建設コンサルタント等有資格者である場合は、指名停止期間中であってはならない。
第128条 成果品の使用等
1.受注者は、契約書第5条第5項の定めに従い、発注者の承諾を得て単独で又は他の者と共同で、成果品を発表することができる。
2.受注者は、著作権、特許権その他第三者の権利の対象となっている地質・土質調査方法等の使用に関し、設計図書に明示がなく、その費用負担を契約書第7条に基づき発注者に求める場合には第三者と補償条件の交渉を行う前に発注者の承諾を受けなければならない。
第129条 守秘義務
1.受注者は、契約書第1条第5項の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
2.受注者は、成果品の発表に際して、第128条第1項の承諾を受けた場合はこの限りではない。
第130条 安全等の確保
1.受注者は、使用人等の雇用条件、賃金の支払い状況、作業環境等を十分に把握し、適正な労働条件を確保しなければならない。
2.受注者は、屋外で行う地質・土質調査業務等の実施に際しては、地質・土質調査関係者だけでなく、付近住民、通行者、通行車両等の第三者の安全確保のため、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 受注者は「土木工事安全施工技術指針(平成13年改訂版)」(国土交通省大臣官房技術審議官通達平成13年3月29日)を参考にして常に調査の安全に留意し現場管理を行い災害の防止に努めなければならない。
(2) 受注者は「建設工事に伴う騒音振動対策技術指針」(建設大臣官房技術審議官通達昭和51年3月2日)を参考にして、調査に伴う騒音振動の発生をできる限り防止し生活環境の保全に努めなければならない。
(3) 受注者は、調査現場に別途調査又は工事等が行われる場合は、相互協調して業務を遂行しなければならない。
(4) 受注者は、調査実施中管理者の許可なくして流水及び水陸交通の妨害、公衆に迷惑となるような行為、調査をしてはならない。
3.受注者は、特記仕様書に定めがある場合には所轄警察署、道路管理者、鉄道事業者、河川管理者、
労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、地質・土質調査実施中の安全を確保しなければならない。
4.受注者は、屋外で行う地質・土質調査の実施に当たり、事故等が発生しないよう使用人等に安全教育の徹底を図り、指導、監督に努めなければならない。
5.受注者は、屋外で行う地質・土質調査の実施にあたっては安全の確保に努めるとともに、労働安全衛生法等関係法令に基づく措置を講じておくものとする。
6.受注者は、屋外で行う地質・土質調査の実施にあたり、災害予防のため、次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 受注者は、建設工事公衆災害防止対策要綱(建設省事務次官通達平成5年1月12日)を遵守して災害の防止に努めなければならない。
(2) 屋外で行う地質・土質調査に伴い伐採したxxxを焼却する場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い必要な措置を講じなければならない。
(3) 受注者は、使用人等の喫煙、たき火等の場所を指定し、指定場所以外での火気の使用は禁止しなければならない。
(4) 受注者は、ガソリン、塗料等の可燃物を使用する必要がある場合には、周辺に火気の使用を禁止する旨の標示を行い、周辺の整理に努めなければならない。
(5) 受注者は、調査現場に関係者以外の者の立ち入りを禁止する場合は、仮囲い、ロープ等により囲うとともに立入り禁止の標示をしなければならない。
7.受注者は、爆発物等の危険物を使用する必要がある場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い、必要な措置を講じなければならない。
8.受注者は、屋外で行う地質・土質調査の実施にあたっては豪雨、豪雪、xx、地震、落雷等の自 然災害に対して、常に被害を最小限にくい止めるための防災体制を確立しておかなければならない。災害発生時においては第三者及び使用人等の安全確保に努めなければならない。
9.受注者は、屋外で行う地質・土質調査実施中に事故等が発生した場合は、直ちに監督職員に報告するとともに、監督職員が指示する様式により事故報告書を速やかに監督職員に提出し、監督職員から指示がある場合にはその指示に従わなければならない。
10.受注者は、地質・土質調査が完了したときは、残材、廃物、木くず等を撤去し現場を清掃しなければならない。
(1) 調査孔の埋戻しは監督職員の承諾を受けなければならない。
第131条 臨機の措置
1.受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。また、受注者は、措置をとった場合には、その内容をすみやかに監督職員に報告しなければならない。
2.監督職員は、天災等に伴い成果物の品質および履行期間の遵守に重大な影響があると認められるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができるものとする。
第132条 履行報告
受注者は、契約書第14条の規定に基づき、履行状況報告を作成し、監督職員に提出しなければならない。
第2章 機械ボーリング
第1節 機械ボーリング
第201条 目 的
機械ボーリングは、主として土質及び岩盤を調査し地質構造や、地下水位を確認するとともに試料を採取し、あわせて原位置試験を実施するために行うことを目的とする。
第202条 土質の分類
土質の分類は、島根県公共工事共通仕様書によるものとする。
第203条 調査等
1.ボーリング機械は、回転式ボーリング機械を使用するものとし、所定の方向、深度に対して十分余裕のある能力を持つものでなければならない。
2ボーリング位置及び深度数量
(1)ボーリングの位置・方向・深度・孔径及び数量については設計図書又は、特記仕様書によるものとする。
(2)現地におけるボーリング位置の決定は、原則として監督職員の立会のうえ行うものとし、後日調査位置を確認できるようにしなければならない。
3.仮 設
足場、やぐら等は作業完了まで資機材類を安定かつ効率的な作業が行える状態に据付るとともに、資機材類についても安全かつ使いやすい位置に配置し、ボーリングや原位置試験等に 要する作業空間を良好に確保するよう設置しなければならない。
4.x x
(1)掘削は、地下水位の確認が出来る深さまで原則として無水掘りとする。
(2)xxはケーシングパイプ又は、ドライブパイプで保護するものとする。
(3)崩壊性の地層に遭遇して掘進が不可能になる恐れのある場合は、泥水の使用、もしくはケーシングパイプの挿入により孔壁の崩壊を防止しなければならない。
(4)原位置試験、サンプリングの場合はそれに先立ち、孔底のスライムをよく除去するものとする。
(5)掘進中は掘進速度、湧排水量、スライムの状況等に注意し、変化の状況を記録しなければならない。
(6)未固結土で乱れの少ない試料採取を行う場合には、土質及び締まり具合に応じたサンプラーを用い、採取率を高めるように努めなければならない。
(7)孔内水位は、毎作業日、作業開始前に観測し、観測日時を明らかにしておかなければならない。
(8)岩盤ボーリングを行う場合は、原則としてダブルコアチューブを用いるものとし、コアチューブの種類は岩質に応じて適宜使い分けるものとする。
(9)コアチューブはコアの採取毎に水洗いして、残さを完全に除去しなければならない。
(10)掘進中は孔曲がりのないように留意し、岩質、割れ目、断層破砕帯、湧水漏水等に充分注意しなければならない。特に湧水については、その量のほか必要があれば水位(被圧水のヘッド)を測定するものとする。
(11)掘進方向は、特に指示の無い限り鉛直方向とする。
(12)基準となる高さ(深度0m)の標示杭等は孔口付近に明示しておくものとする。
(13)コア採取を目的とするボーリングにあっては、次の各号に掲げる事項によるものとする。
1)コアを採取する際には、採取を始める深さまで送水により洗孔し、孔中のスライムを排出させた後採取するものとする。ただし、洗孔することでx内を乱すおそれがあると判断される場合は、監督職員と協議するものとする。
2)コアの採取率は100%を目標とする。
3)コアに破損をきたすようなロッドの昇降又は給水圧の大幅な変動は、行ってはならない。ただし、事故を生ずる恐れのある場合はこの限りでない。
4)採取したコアは、コア箱(原則として内長1m程度で5m分のコアが収納できるもの。)に丁寧に収め深度を明記する。その際、1回のコア採取長ごとに深度を明記した仕切板を入れておくものとする。又、風化しやすい岩石、粘土等は乱さないようにし、速やかにコア写真の撮影を行い必要に応じビニル等を巻いて保存する。なお、採取できなかった区間及び試験に供するためにコアを使用したところは、その旨表示し空けておくものとする。また、一時的に他の容器に保存し、ボーリング終了後整理してコア箱に並べかえることは、採取したコアの配列を間違える可能性があるのでこれを禁止する。
5)コア写真は、カラーパネル等を添えて真上から適切な距離で撮影し、地質の状況が正確に把握できるものでなければならない。
6)コア箱のxxxには、調査件名、孔番号、採取深度及びその他必要事項を記入するものとする。
7)採取されたコアは乾湿、凍結割れ等の変形、変質を防ぐよう留意し、コア箱は保護覆いのある場所に一括して保管する。
8)スライムは、その旨記入したビニル袋に地点、深度などを記入して監督職員の指示があるまで保管し、コア箱の中に並べてはならない。
(14)ノンコアボーリングは、原則として1mごと又は岩質の変わるごとにスライムを採取し、深度を明記した試料ビン等に保存するものとする。
(15)水平ボーリングを施工する場合のケーシングの挿入段数、仕上げ方法等は、仕様書等によるものとする。
1)排水量を測定する場合は、掘削直後から排水量が徐々に減り、一定量になるまで測定する。
5.検 尺
(1)予定深度の掘進を完了する以前に調査の目的を達した場合、又は予定深度の掘進を完了しても調査の目的を達しない場合は、監督職員と協議するものとする。
(2)掘進長の検尺は、調査目的を終了後、原則として監督職員が立会のうえロッドを挿入した状態で残尺を検尺の後、ロッドを引き抜き確認を行うものとする。
第204条 コアの鑑定
コアの鑑定は、原則として肉眼観察又は触手等によるものとする。なお、この場合、鑑定基準を明確にしておくものとする。
第205条 コアの検査
コアについては、掘進完了後速やかにボーリング柱状図、コア写真を添付してxx技術者が委託者の確認を受けること。
第206条 資料整理及び解析等
特記仕様書に定めた資料整理及び解析等を行う場合は、調査項目を満足するよう試験結果を整理し、調査目的に対する総合的な解析及び判定を行うものとする。
第207条 成果品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1)調査位置案内図・調査位置平面図・土質又は地質断面図(着色を含む)
(2)作業時の記録およびコアの観察によって得た事項は、ボーリング柱状図作成要領(案)に基づき柱状図に整理し提出するものとする。
(3)採取したコアは標本箱に収納し、調査件名・孔番号・深度等を記入し、提出しなければなら ない。なお、未固結の資料は、1m毎又は各土層ごとに標本ビンに密封して収納するものとする。
(4)コア写真は、調査件名、孔番号、深度等を明示して撮影(カラー)し、整理するものとする。
第3章 サンプリング
第301条 目 的
乱さない試料のサンプリングは、室内力学試験に供する試料を、原位置における性状をより乱れの少ない状態で採取することを目的とする。
第302条 採取方法
1.シンウォールサンプリングは、軟弱な粘性土の試料を採取するもので、採取方法及び器具については、JGS1221に準拠して行うものとする。
2.デニソンサンプリングは、中程度の硬質な粘性土の試料を採取するもので、採取方法及び器具については、JGS1222に準拠して行うものとする。
3.トリプルサンプリングは、硬質の粘性土、砂質土の試料を採取するもので、採取方法及び器具に
ついては、JGS1223に準拠して行うものとする。
第303条 試料の取扱い
1.請負者は、採取した試料に振動、衝撃及び極端な温度変化を与えないように取り扱いに注意するものとする。ただし、凍結などが必要な場合は、監督職員と協議するものとする。
2.請負者は、採取した試料をすみやかに所定の試験室に運搬するものとする。
3.請負者は、採取した試料を運搬する際には、衝撃及び振動を与えないようフォームラバー等の防護物を配し、静かに運搬するものとする。
第304条 成 果 品
1.成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 採取位置、採取深さ、採取長
(2) 採取方法
第4章 サウンディング
第1節 標準貫入試験
第401条 目 的
標準貫入試験は、原位置における土の硬軟や、締まりぐあいの相対値を知ることを目的とする。
第402条 試験等
1.試験方法及び器具は、JIS A 1219によるものとする。
2.試験の開始深度は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。
3.試験は、原則として1mごとに実施すること。ただしサンプリングする深度、本試験が影響すると考えられる原位置試験深度はこの限りではない。
4.打込完了後xxxは1回転以上してからサンプラーを静かに引上げなければならない。
5.サンプラーの内容物は、スライムの有無を確認して採取長さを測定し、土質・色調・状態・混入物等を記録した後、保存しなければならない。
第403条 成果品
試験結果及び保存用試料は、JIS A 1219及び「ボーリング柱状図作成要領(案)」に従って整理し提出するものとする。
第2節 スウェーデン式サウンディング試験
第404条 目 的
スウェーデン式サウンディング試験は、比較的浅い原位置地盤における土の静的貫入抵抗を測定し、その硬軟若しくは締まり具合または土層の構成を判定することを目的とする
第405条 試験等
1.試験方法及び器具は、JIS A 1221に準拠して行うものとする。
2.試験中、スクリューポイントの抵抗と貫入中の摩擦音等により土質を推定し、可能な場合は、土質名とその深度を記録するものとする。
3.試験終了後、地下水が認められた場合は、可能な限り水位を測定し記録しなければならない。
第406条 成果品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1)調査位置案内図・調査位置平面図・土質又は地質断面図(着色を含む)
(2)試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJIS A 1221に準拠して整理し提出するものとする。
第3節 オランダ式二重管コーン貫入試験
第407条 目 的
オランダ式二重管コーン試験は、軟弱地盤の原位置における土の静的貫入抵抗を測定し、土層の硬軟、締まり具合、またはその地盤構成を判定することを目的とする。
第408条 試験等
1.試験装置はJIS A 1220「オランダ式二重管コーン貫入試験方法」に従って行うものとする。
2.試 験
(1)JIS A 1220「オランダ式二重管コーン貫入試験方法」に準拠して行うものとする。
(2)先端抵抗測定中および外管圧入中に貫入抵抗が著しく変化する場合には、その深度においても測定する。
第409条 成果品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1)調査位置案内図、調査位置平面図
(2)試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告用紙を使用してJIS A 1220に準拠して整理する。
第4節 ポータブルコーン貫入試験
第410条 目 的
ポータブルコーン貫入試験は、浅い軟弱地盤において人力により原位置における土の静的貫入抵抗を測定し、土層の硬軟、締まり具合を判定することを目的とする。
第411条 試験等
1.試験方法及び器具は、JGS1431 に準拠して行うものとする。
2.試 験
(1)試験方法及び器具は、JGS1431 に準拠して行うものとする。
(2)貫入方法は人力による静的連続圧入方式とする。
(3)予定深度に達しない場合で試験が不可能となった場合は、位置を変えて再度試験を行うものとする。
(4)単管式コーンペネトロメーターの計測深さは、原則として3mまでとする
第412条 成果品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置案内図、調査位置平面図
(2) 試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJGS1431に準拠して整理し提出するものとする。
第5章 原位置試験
第1節 孔内水平載荷試験
第501条 目 的
孔内水平載荷試験は、ボーリング孔壁に対し、垂直方向へ加圧し、地盤の変形特性及び強度特性を求めることを目的とする。
第502条 試験等
1.試験方法及び器具は、JGS1421に準拠して行うものとする。
2.試験に際しては目的や地質条件等を考慮して適切な箇所を選定するものとする。
3.測 定
孔内水平載荷試験は、等圧分布載荷法または等変位載荷法によるものとする。
(1)点検とxxxxxxション
試験に先立ち、試験装置は入念な点検とxxxxxxションを行わなければならない。
(2)試験孔の掘削と試験箇所の確認
試験孔の孔壁は試験精度をよくするために孔壁を乱さないように仕上げなければならない。なお、試験に先立って試験箇所の地質条件等の確認を行うものとする。
(3)試験は掘削終了後、速やかに実施しなければならない。
(4)最大圧力は試験目的や地質に応じて適宜設定するものとする。
(5)載荷パターンは試験目的、地質条件等を考慮し適切なものを選ばなければならない。
(6)加圧操作は速やかに終え、荷重および変位量の測定は同時に行う。
測定間隔は、孔壁に加わる圧力を19.6KN/m2ピッチ程度または、予想される最大圧力の1/10~1
/20の荷重変化ごとに測定し、得られる荷重速度~変位曲線ができるだけスムーズな形状となるようにしなければならない。
第503条 成果品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1)試験箇所、試験方法、地盤状況、測定値
(2)荷重強度-変位曲線
(3)地盤の変形係数
(4)試験の結果は、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJGS1421に準拠して整理し提出するものとする。
第2節 地盤の平板載荷試験
第504条 目 的
平板載荷試験は、地盤に剛な載荷板を介して荷重を加え、この荷重の大きさと載荷板の沈下との関係から、応力範囲の地盤の変形強さなどの支持力特性や、道路の路床・路盤などの地盤反力係数を求めることを目的とする。
第505条 試験等
試験方法及び試験装置・器具は以下のとおりとする。
(1) 地盤の平板載荷試験は、JGS1521に準拠して行うものとする。
(2) 道路の平板載荷試験は、JIS A 1215に準拠して行うものとする。
第506条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 試験箇所、試験方法、測定値
(2) 地盤の平板載荷試験の結果は、地盤工学会記録用紙、報告用紙のJGS1521に準拠して整理し提出するものとする。
(3) 道路の平板載荷試験の試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告用紙の JIS A 12 15 に準拠して整理し提出するものとする。
第3節 現場密度測定(砂置換法)
第507条 目 的
現場密度測定(砂置換法)は、試験孔から掘りとった土の質量とその試験孔に密度の既知の砂材料を充填し、その充填に要した質量から求めた体積から土の密度を求めることを目的とする。
第508条 試験等
試験方法及び器具は、JIS A 1214に準拠して行うものとする。
第509条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置、調査方法、測定値
(2) 試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJIS A 1214に準拠して整理し提出するものとする。
第4節 現場密度測定(RI法)
第510条 目 的
現場密度測定(RI法)は、放射性同位元素を利用して、土の湿潤密度と含水量を測定することを目的とする。
第511条 試 験 等
1.本試験は、地表面型RI計を用いた土の密度試験に適用する。
2.試験方法及び器具は、JGS1614に準拠して行うものとする。
第512条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置、調査方法、測定値
(2) 含水比、湿潤密度、乾燥密度
第5節 現場透水試験
第513条 目 的
現場透水試験は、揚水又は注水時の流量や水位を測定し、地盤の原位置における透水係数及び平衡水位(地下水位)を求めることを目的とする。
第514条 試験方法
試験方法及び器具は、JGS1314に準拠して行うものとする。
1.注水法
(1)注水法は、地下水面以上の土層を対象とするものである。
(2)試験は、定水位法又は変水位法によって行うものとする。
(3)試験装置は、土層の状況に応じて流入水量が変えられる電気試験器又は定流量夕ンクを用いるものとする。
(4)定水位法による場合は、水位を観察しながら注入量を変化させ水位を一定に保つものとする。測定間隔は、開始後3時間は15分、次の3時間は30分、以後は1時間とし、注水量が定常化したときに、試験を終了するものとする。
(5)変水位法による場合は、孔中に注入し、注水停止後の水位の低下量と低下に要した時間を測定する。測定値が一定になったとき試験を終了するものとする。この際、特にケーシングと地盤との間にすき間がないように注意しなければならない。
2.加圧注入法
(1)加圧注入法は、地下水面下の土層又は比較的透水性の低い土層を対象とするものである。
(2)試験は、地表面以上に水位を保つ場合及び孔中のある位置に水位を保つ場合とがあり、いずれによるかは特記仕様書等によるものとする。
(3)試験装置は、試験中の水位の状態及び流入水量の多少によって電気試験器又は定流量タンクを用いるものとする。
(4)パッカーを孔内に設置した後、試験に先立って完全止水を確認するため、漏水テストを行うものとする。
(5)地表面以上に水位を保つ方法による場合は、次の順序で行う。
①注水前、水位計で孔内水位を測定してこの水位をこの層のA地下水位とする。
②注水を開始し孔への流入量を測定する。測定間隔は、試験開始後3時間は15分、次の3時間は 30分、以後は1時間毎に行うものとする。
③流入量が定常化した時は注水を中止し、減水状況を測定し減水しなくなったときの水位をB地下水位とする。
なお、一般にはA及びBは等しくなるが、相違する場合もあるのですべて正確に記録しておくものとする。
(6)孔中のある位置に水位を保って試験を行う方法による場合は、前項(5)に準じた試験法とする。
3.簡易揚水試験
(1)地下水位、地下水量(湧水)、透水係数を測定し、排水に伴う地下水位や影響圏を測定する。
(2)揚水試験区間は3mとし、試験区間以外は遮水して実施し、試験は3mごとに行う。
(3)水位を一定に保って(試験区間の上部1m程度とする。)、40分間揚水を継続する。終了後直ちに回復水位測定を行う。
(4)1分ごとに揚水量(L/min/3.0m)を測定し、それらの平均値を求める。
(5)回復水位測定は30分以上測定する。
測定間隔は最初の2分は30秒おき、10分までは1分おきとするが、10分以上は水位の回復速度により適宜決定する。
(6)使用機器は地下水が多量で試験区間が9~12m区間以浅についてはポンプ使用、それ以深及び地下水が少量の場合はべーラーを使用することとする。
(7)地下水がない場合、あるいは揚水開始直後から水位回復がない場合、注入法により平均注入量から透水係数を求めることとする。
(8)孔内の水位上昇量と経過時間を片対数グラフにプロットし、ヤコブ等の方法により透水係数を算出する。
第515条 成果品
1.成果品は、次の内容を含むものとする。
(1)調査の目的及び内容(調査位置、深さ、調査方法、測定値)
(2)試験結果(データなど)(試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJGS1614に準拠して行うものとする。)
(3)透水係数などの計算
(4)総合考察
第6節 ルジオン試験
第516条 目 的
ルジオン試験は、ボーリング孔を利用して岩盤の透水性の指標であるルジオン値を求めることを目的とする。
第517条 試 験 等
1.試験方法及び装置は、JGS1323に準拠して行うものとする。
2.限界圧力が小さいと予想される場合は、注入圧力段階を細かく実施し、限界圧力を超えることがないようにする。
第518条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置、試験区間の深さ
(2) 平衡水位
(3) 注水圧力と注水量の時間測定記録
(4) 有効注水圧力と単位長さ当たりの注水量の関係(p-q曲線)
(5) 最大注水圧力
(6) ルジオン値(Lu)又は換算ルジオン値(Lu')
第7節 速度検層
第519条 目 的
速度検層は、ボーリング孔を利用して地盤内を伝搬するP波(縦波、疎密波)及びS波(横波、せん断波)の速度分布を求めることを目的とする。
第520条 試 験 等
試験方法及び装置は、JGS1122に準拠して行うものとする。
第521条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置、測定深さ(測定区間)、測定方法
(2) 測定波形、走時曲線、速度層の構成
第8節 電気検層
第522条 目 的
電気検層は、ボーリング孔を利用して地層の電気抵抗(比抵抗)を測定することを目的とする。
第523条 試 験 等
1.試験方法及び装置は、JGS1121に準拠して行うものとする。
2.マイクロ検層(電極間隔2.5cm±5mm及び5cm±5mmが標準)、自然電位検層(SP検層)を実施する場合は、特記仕様書によるものとする。
第524条 成 果 品
成果品は、次のものを提出するものとする。
(1) 調査位置、測定深さ
(2) 掘削孔経、電気検層の種類及び電極間隔
(3) 検層装置の仕様
(4) 比抵抗曲線
第6章 解析等調査業務
第601条 目 的
1.解析等調査業務は、調査地周辺に関する既存資料の収集及び現地調査を実施し地質・土質調査で得られた資料を基に、地質断面図を作成するとともに地質・土質に関する総合的な解析とりまとめを行うことを目的とする。
2.適用範囲は、ダム、トンネル、地すべり、砂防調査を除くものとする。
第602条 業務内容
1.解析等調査業務の内容は、次の各号に定めるところによる。
2.既存資料の収集・現地調査は以下による。
(1) 関係文献の収集と検討
(2) 調査地周辺の現地調査
3.資料整理とりまとめ
(1) 各種計測結果の評価及び考察
(2) 異常データのチェック
(3) 試料の観察
(4) ボーリング柱状図の作成
4.断面図等の作成
(1) 地層及び土性の工学的判定
(2) 土質又は地質断面図等の作成。なお、断面図は着色するものとする。
5.総合解析とりまとめ
(1) 調査地周辺の地形・地質の検討
(2) 地質調査結果に基づく土質定数の設定
(3) 地盤の工学的性質の検討と支持地盤の設定
(4) 地盤の透水性の検討(現場透水試験や粒度試験などが実施されている場合)
(5) 調査結果に基づく基礎形式の検討(具体的な計算を行うものでなく、基礎形式の適用
に関する一般的な比較検討)
(6) 設計・施工上の留意点の検討(特に、切土や盛土を行う場合の留意点の検討)
第603条 成果品
成果品は、現地調査結果、ボーリング柱状図、地質又は土質断面図及び業務内容の検討結果を報告書としてとりまとめ提出するものとする。
第7章 軟弱地盤技術解析
第701条 目 的
軟弱地盤技術解析は、軟弱地盤上の盛土、構造物(地下構造物、直接基礎含む)を施工するにあたり地質調査で得られた資料を基に、基礎地盤、盛土、工事に伴い影響する周辺地盤等について、現況軟弱地盤の解析、検討対策工法の選定、対策後地盤解析、最適工法の決定を行うことを目的とする。
第702条 業務内容
1.解析計画
業務遂行のための作業工程計画・人員計画の作成、解析の基本条件の整理・検討(検討土層断面の設定、土質試験結果の評価を含む)、業務打合せのための資料作成を行うものとする。
2.現地踏査
周辺の自然地形・改変地形を観察し、解析基本条件の整理・検討のための基礎資料とするとともに、周辺に分布する交差物、近接構造物等を把握し、必要な解析について計画を立てるための基礎資料を得るものとする。
3.現況地盤解析
(1)地盤破壊
設定された土質定数、荷重(地震時含む)等の条件に基づき、すべり計算(基礎地盤の圧密に伴う強度増加の検討含む)等を実施して地盤のすべり破壊に対する安全率を算定するものとする。
(2)地盤変形
設定された土質定数、荷重等の条件に基づき、簡易的手法によって地盤内発生応力を算定し、地盤変形量(側方流動、地盤隆起、仮設構造物等の変位等及び既設構造物への影響検討を含む)を算定するものとする。
(3)地盤圧密設定された土質定数、荷重等の条件に基づき、地中鉛直増加応力を算定し、即時沈下量、圧密沈下量、各圧密度に対応する沈下時間を算定するものとする。
(4)地盤液状化広範囲の砂質地盤を対象に土質定数及び地震時条件に基づき、液状化強度、地震時せん断応力比から、液状化に対する抵抗率FL値を求め、液状化の判定を行うものとす
る。
4.検討対策工法の選定
当該土質条件、施工条件に対して適用可能な軟弱地盤対策工法を抽出し、各工法の特性・経済性を概略的に比較検討のうえ、詳細な安定計算等を実施する対象工法を1つ又は複数選定するものとする。
5.対策後地盤解析
現況地盤の改良等、対策を行った場合を想定し、対象範囲、対策後の地盤定数の設定を行った上で、必要な解析を実施し、現地への適応性の検討(概略的な施工計画の提案を含む)を行うものとする。
6.最適工法の決定
「対策工法の選定」が複数の場合において、「対策後の検討」結果を踏まえ経済性・施工性・安全性等の総合比較により最適対策工法を決定するものとする。
7.照 査
検討を行った各項目毎に、基本的な方針、手法、解析及び評価結果について照査するものとする。
第703条 成 果 品
成果品は、現地踏査結果業務内容の検討結果及び照査結果を提出するものとする。
第8章 物理探査
第1節 弾性波探査
第801条 目的及び適用範囲
1.弾性波探査は、人工震源によって生じた地盤の弾性波伝幡速度を測定し、地層の物理性を把握すると同時に断層破砕帯や基盤深度等の地下構造を調査するのを目的とする。
第802条 業務内容
1.計画準備
業務の目的・主旨を把握したうえで、特記仕様書に示す業務内容を確認し、業務計画書を作成するものとする。
2.現地踏査
測線計画及び起振計画作成のために現地の状況を把握するものとする。
3.資料検討
既存資料の整理・検討を行い、現地踏査結果を踏まえ、測線計画及び起振計画を作成するものとする。
4.測線設定
測線計画によって決定された測線長、方向及び測線数に基づき、現地で測量を行い、測線の両端、交点及び測点等に木杭を設置して測線を設定するものとする。
(1)原則として測定間隔は5mあるいは10m、発破点間隔は20m~70m程度とし、往復観測を行う。
(2)隣接した2点以上の測点で欠測した場合は再測定を行うものとする。
(3)測線の両端および測線の交点には、4.5cm角程度の木杭をもって、その他の測点については幅4.
5cm、厚さ0.9cmの木杭によって位置を明示する。
5.観 測
起振計画において決定された起振方法により、往復観測を行うものとする。
(1)測定結果は、測線配置図、走時曲線図及び解析断面図を作成し管理するものとする。
(2)発破点の間隔は、仕様書等によるが1つの受振器に少なくとも5回以上の地震波を受けるようにしなければならない。又、崖の上、大きな岩石の近傍、極端な地形の変化点等は避けなければならない。
(3)探査は、火薬の爆発等によって発生する弾性波を測定するものとし、測線位置、延長及び探査深度は、特記仕様書等による。
(4)探査に先立ち測線全線を踏査する等地質構造の概略を察知しておかなければならない。
(5)弾性波探査装置は、原則として24成分のものを使用するものとする。
(6)観測の前に計器の調整、ピックアップの固定、爆発符号の確認を行うものとする
(7)1つの展開が終わり次の展開に移る時には、測点を1点以上重複させるものとする。
(8)火薬、雷管等の取扱いに当たっては、特に関係諸法規を遵守して安全に万全を期さなければならない。
(9)爆発効果、ノイズの大小を考慮した火薬量を使用するものとする。
(10)爆発孔は、調査終了後完全に埋戻しておくものとする。
(11)作業期間中は常に測定記録を点検し、不良の場合は速やかに再測定を行わなければならない。
6.解 析
観測の結果に基づき、走時曲線図及び速度層断面図を作成し、地山の弾性波速度と地質及び地層の力学的性質の判定を行うものとする。
7.報告書作成
調査結果の評価、考察、検討を整理して報告書としてとりまとめるものとする。
第2節 電気探査(比抵抗二次元探査)
第803条 目 的
電気探査(比抵抗二次元探査)は、地中に電流を流して地中に生じる電位差を測定してその比抵抗値を求め、風化岩と基盤岩の分布形態、砂礫などの堆積層と基盤岩の構造など、地層の分布構造を把握することを目的とする。
第804条 業務内容
1.計画準備
第802条第1項に準じるものとする。
2.現地踏査
測線計画及び電極配置計画作成のために現地の状況を把握するものとする。
3.資料検討
既存資料の整理・検討を行い、現地踏査結果を踏まえ、測線配置計画、電極配置選択、最小電極間隔及び最大電極間隔を決定する。
4.測線設定
測線計画において決定された測線長、方向、測線数及び電極間隔に基づき、現地で測量を行い、測線の両端、交点及び測点等に木杭を設置して測線を設定し、合わせて各測点の標高を求めるものとする。
5.観 測
電極配置計画において決定された電極配置により、電流、電位差の測定を行うものとする。
6.解 析
(1) 観測結果を用い、見掛け比抵抗疑似断面図を作成するものとする。
(2) 観測結果を用いてインバージョン(逆解析)により比抵抗断面図を作成するものとする。
(3) 比抵抗断面図とその他の地質資料も考慮し、地山の比抵抗と地質及び地層の関係について地質学的解釈を行うものとする。
7.報告書作成
第802条第7項に準じるものとする。
第9章 地すべり調査
第1節 伸縮計による調査
第901条 目 的
連続的な運動の変化と、降雨や地下水位等との因果関係を更に具体的に見出し、対策工法に関連付けることを目的とする。
第902条 設 置
1.伸縮計は、各調査測線に沿って地すべりの運動方向に平行に設置し、副測線沿いや地すべりの中間部、末端部では、明瞭な亀裂や段落ちのある場所に監督職員と協議して設置する。
2.設置スパンは原則として20m以下とする。また両端の高低差は5m以内とし、インバー線は塩化ビニル管で保護しなければならない。なお、塩化ビニル管がインバー線に接触しないよう特に注意する。
第903条 計器の精度
計器の精度は0.2㎜以上のものを使用する。
第904条 観 測
観測時には、計器が正常に作動しているか確認、点検し、あわせて地すべり地区内の状況を観察する。
第905条 結果の整理
調査の結果は縦軸に累積歪量、横軸に期日をとり降水量又は地下水位と対照できる図にまとめ、温度補正を考慮して気温も記入する。
第2節 地盤傾斜量測定(傾斜計)
第906条 目 的
地盤傾斜量の測定は、地すべり運動の不明瞭な地域の安定度を推定することを目的とする。
第907条 設 置
1.傾斜計の設置は、調査主線沿いの運動ブロックの上方斜面(必要に応じて運動ブロックの両側の斜面や、運動ブロック内)に監督職員と協議して設置する。
2.傾斜計の設置は、設置台の頭部にコンクリートを打設し、表面にガラス板を張って水平に仕上げる。設置台は計器格納箱で覆っておくものとする。
第908条 測 定
1.計器は水管式を用い、測定は2本の傾斜計をN-S、E-Wの2方向に直交させて行う。主軸
(分度板の付いた軸)をS,W側として設定し測定する。
2.観測周期は7日を標準とする。
第909条 結果の整理
調査結果は、縦軸に傾斜累積量、傾斜変動量、横軸に期日をとり、降水量又は地下水位と対象できる図に整理し、傾斜累積速度、日平均傾斜変動量を計算する。
第3節 測量による調査(移動杭)
第910条 目 的
測量による調査(移動杭)は、地すべりの運動方向が不明瞭な場合や、運動の激しい場合に用い、運動方向と絶対量を正確に求めることによって、地すべりの方向性、活動性の分布を知り、期間別、季節別の移動量を比較して、各季節因子(例えば梅雨、融雪、台風等)との関係を求めることを目 的とする。
第911条 設 置
地すべり運動地域外に固定点2点を置き、この見通し線上に移動点を設置するものとし、移動点間隔については監督職員と協議して決定する。
第912条 測 定
観測はトランシットにより固定点間の見通し、横断測量により水平移動量を測定し、レベルにより固定点を含め、水準測量を実施し、垂直移動を測定する。
第913条 結果の整理
調査の結果は、水平、縦断とも各移動量を表及び図に測定ごとの移動量と累積移動量、期間別季節別の移動量が判明できるように監督職員と協議して整理する。
第4節 ボーリング調査
第914条 適 用
ボーリングについては、第2章ボーリングに準ずるほか、地すべり調査においては、本節のとおりとする。
第915条 目 的
1.ボーリングにより得られた資料によって地質、土質の判定及び地質学上の諸状況を判断し、地すべり機構の解明、あるいは対策工事を実施する上での基礎資料を得ることを目的とする。
2.地すべりのボーリング調査は、地下水形態、地すべり面等地すべり地域の内部的性質を探査する重要な調査である。
第916条 孔 径
ボーリング孔径は、呼称66mm以上の普通形コアビットで掘削する。
第917条 掘 削
1.掘削は、基盤岩以浅については無水掘で行い、孔内洗浄、基盤xxの硬質岩及び掘削困難な場合を除いて循環水を送ってはならない。やむを得ず送水する場合は、その理由を地質柱状図に記入する。
2.調査計画における予定深度の掘削を完了する以前に調査の目的を達した場合、または、予定深度の掘削を完了しても調査の目的を達しない場合はただちに監督職員と協議してその指示を受けること。掘削は原則として基盤(不動層)に2m以上3m未満でm止めとし、速やかに監督職員に連絡しなければならない。
3.試料の採取は、全掘進量にわたり行い、採取率を100%に近づけるように努力する。調査中はコアの乾湿を防ぎ、調査現地において保管し、調査終了後直ちに提出する。
4.掘進に当たって孔内崩壊の防止には、可能な限りケーシングパイプを用い、監督職員の指示以外はベントナイト等の使用は禁止する。
第918条 保孔管
1.保孔管は、内径40㎜以上の硬質塩化ビニル管又はガス管を使用し、滞水層区間あるいは保孔xx区間にわたってストレーナー加工を行う。ストレーナーは、円形又はスリット状とする。
2.保孔管の継手は、ソケット継手又は突き合せ継手とし、継手長さは内径の1.5倍程度を標準とする。
3.保孔管にストレーナー加工をする場合は参考資料2のようにする。
第919条 作業日報
1.ボーリング施工中、地盤の構成と土質並びに地下水の状況を判断するため、下記事項を必ず作業日報に記入する。
(1)掘進状況(概略の柱状図を付す)
(2)孔内の状況、特に崩壊、孔曲り、湧水、漏水等の起った位置とその状況及びその量。(㍑/min)
(3)地層の変り目、岩質、土質、毎回のコア採取率、化石、亀裂の有無、ガスの含有など。
(4)毎日の作業開始前及び終了後の孔内水位。
(5)硬軟の程度、色調を記載し、磯などがある場合はその大きさと位置(色調は標準色調による)
(6)排水色とスライムの粒度
(7)送水量、掘進圧とその変化
(8)ベントナイト等を使用した場合の量
(9)ケーシングの挿入長
(10)その他
第920条 地質柱状図
地質柱状図の作成は、別に定める参考資料2に基づいて整理する。特に基盤面、すべり面及び地 下水形態等地すべり的判定に関連する事象は掘削中の状況も含めて詳細にもれなく記入する。なお、これにより難い場合は監督職員と協議をする。
第921条 結果の整理
1.地質、土質等の判定には、受注者がその責任において行う。
2.採取されたコアの判定は、付近の地質状況を加味して行い、必要な場合は監督職員の承諾を受けてコアを裁断して、裁断面の観察によって判断する。
3.調査の結果は、地質柱状図及びその試料をもとにして作成した調査地域一帯の地質図、地すべり
状況図(平面図及び縦横断面図)にまとめるものとする。
第5節 標準貫入試験
第922条 適 用
標準貫入試験については、第6章サウンディングに準ずるほか、地すべり調査においては、本節のとおりとする。
第923条 目 的
標準貫入試験は、原位置における地すべり土塊の硬軟(地耐力並びに内部摩擦角)締り具合(粗密状況)を知り、地すべり機構の解明あるいは対策工事を実施する上での資料を得ることを目的とする。
第6節 電気(垂直、水平)探査
第924条 適 用
電気(垂直、水平)探査については本節によるほか、これにより難い場合は監督職員と協議して決定する。
第925条 目 的
電気探査は、地xx層の物理的な性質を利用し、電気を使ってその層を通過する抵抗値を測定器により測定するものであり、地すべり地域の地質、地下構造の概略及び地下水の状況を概括的に把握することを目的とする。
第926条 測線設定
測線の位置及び方向については、設計図書に示すが、着工前に地表踏査して機構解析に最も有効な測線を設定し、監督職員と協議して決定する。
第927条 測 定
1.測定機器は、バッテリーN30(12V、30AH、JIS D 5301)を使用したとき測定範囲は0~300オーム、深さはxxで50~100mの探査性能をもった測定器を使用しなければならない。
2.測定点の数が少ないときは、垂直探査を主とするかどうか、着工前に監督職員の指示を受けるものとする。
3.比抵抗層を一様な条件(例えば一様な厚さ)で測定するため測線の方向は、斜面又はすべり方向に平行にとることを原則とする。ただし、大規模の地すべりの場合はこの限りでない。
4.測定点の間隔は同一測線に30~50mごとに設置する。
5.測定は、ウェンナー系又は平均3極法により実施するものとし、電極間隔は、0.5、1.0、1.5、 2.0、2.5、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、10.0、12.0、14.0、16.0、18.0、20.0、24.0、28.0、
32.0、36.0、40.0、45.0、50.0、60.0mで測定し、その結果は所定の様式(測定表)に整理する。平均3極法の場合遠方電極の場所は図上に明記し、遠方電極による測定誤差は5%以内になるよ
うにする。
6.電極配置又は測定方法を変更することが効果的と認められるときは、監督職員と協議してその指示にしたがうものとする。
7.同一の測線上又は同一の測定点の探査測定点間において、各測線深度での比抵抗測定値が著しく変化し、明らかに地質的に不連続が推定されるときはリーの分割により、電極端子間の接続を変更し、比抵抗測定の左右間比対称性を確認する。
8.測定したデータにより測定点毎にρ-a曲線を作成する。
第928条 解 析
1.電気探査の解析は、垂直及び水平解析を行う。
2.垂直探査の解析は、測定点ごとのρ-a曲線からサンドベルグの解析法により比抵抗値を解析して比抵抗層を推定し、測線ごとの比抵抗断面図を作成する。
3.水平探査の解析は、電極間隔(深度)5.0、10.0、20.0、30.0、40.0、50.0、60.0mについて見掛け比抵抗値分布図を作成し、それを合成して等見掛け比抵抗値合成図を作成する。ただし、測定点が少なく分布図の作成が困難な場合は、あらかじめ監督職員の指示を受けるものとする。
4.垂直及び水平解析を総合した結果から推定される地すべりの移動機構と推定される地下水の状態について検討を加える。
第7節 弾性波探査
第929条 適 用
弾性波探査については、第8章物理探査に準ずるほか、地すべり調査においては、本節のとおりとする。
第930条 目 的
1.弾性波探査は、弾性波の速度を測定することにより、地すべり地域の地下構造を把握し、基盤岩の深度、破砕帯の位置、規模及び地すべり面の深度、形態を推定し、地すべり機構を解明するための資料とすることを目的とする。
2.調査は、地表弾性波探査で行う。
第931条 測線設定
1.測線は、設計図書に示すが、着工前に地表踏査して、機構解析に最も有効な測線を設定し、監督職員と協議して決定する。
2.測線は、地層の走向に平行な測線の間隔を密にし、これに直角な方向の測線間隔を疎とする網状配置とし、ボーリング調査孔の位置はできる限りその測線上にする。既設ボーリング調査孔があるときは、その点を測線が通るように設定する。
3.測線長は、その部分である展開(スプレッド)とともに地すべりの調査、深度によって次のように決定する。
(1)展開(スプレッド)とは感震器を設定したのち、その位置において連続して観測する初回の発破地点と最終の発破地点との間隔であり、感震器の設定長さではない。
(2)展開長さは、調査深度の8~10倍をとる。
(3)測線長さは、感震器設置間隔×(チャンネル数-1)×n(n;整数)とする。
(4)調査深度は、一般に、20~50m程度とし、基盤岩と考えられる2.0~3.0㎞/sec程度の地層までとする。なお、特別に必要がある場合は、4.0㎞/sec程度の地層までとする。
第932条 測線測量
測線設定後、水準測量を実施し、地形(測線)断面図を作成する。この場合基準点は監督職員と協議して決定する。
第933条 測 定
1.測定機械器具は、24成分の弾性波探査器機(高倍率微動記録装置)を使用しなければならない。また発火器は安全装置の十分なものを使用する。
2.感震器の間隔は10mとし、特に精密に調査する必要がある場合は5mとする。また発破点間隔は50m程度とするが、測定前に展開を考慮し、走時曲線組み合わせ模式図を作成し、発破点を決定し監督職員の承諾を受けるものとする。
3.爆薬の取扱いは、あらかじめ保管責任者を定め、帳簿を備えて搬入量、使用量、残量等を明確にする。またこの取扱い、保管は関係法令の定めにしたがい実施するものとする。
4.爆破作業に当たっては、付近の工事現場、構造物及び民家などに損害を与えないよう特に留意し、危険標識、見張り人などを立て通行人その他に危険を与えないよう万全の措置をとる。
5.受震測定は往復測定とし、展開ごとに受震点を1点以上重複させるものとする。
6.オシログラフペーパーは、1/1,000秒まで判読できるものとし、測定の良否は必ず現場で判定し、記録が明瞭、確実にとれないときは、再測定を実施する。
第934条 解 析
1.測定結果に基づき伝播時間を縦軸に、発破点、受震点距離を横軸にとり、それをプロットした走時曲線図を作成する。走時曲線図には縦波(P波)の屈折波法、はぎとり法により得られた値をプロットし、その状況が判明できるようにする。
2.走時曲線図をもとに、基岩と考えられる2.0~3.0㎞/sec(特に必要がある場合は4.0㎞/sec)程度の速度層までの解析断面図を作成する。なお破砕帯が推定できれば、解析断面図に記入する。走時曲線図にもその推定の挙動部分に印を付しておく。
3.解析に当たっては、既存資料(ボーリング調査結果等)を参考にし、地質と速度層の対比を解析断面図に図示する。
4.計算法により得られた値は、図式解析法により層厚の推定の修正をし、走時曲線図に測定値及び計算値は黒丸の点でプロットする。解析断面図は縦横同一の縮尺とし、この解析断面図を基に、推定岩盤上面の等高線平面図を作成する。
5.探査の結果得られた資料をもとに、速度層の区分と土質、地質との関係についての判定を詳述す
る。また地下構造について総合的な考察を実施する。
第8節 自然放射能探査
第935条 目 的
自然放射能探査は、地中から放出される放射能を測定してその強度の分布により、断層や破砕帯の有無及び地すべりブロックの境界、地下水の分布等を判断することを目的とする。
第936条 測線設定
測線は設計図書に示すが、着工前に地表踏査を行い目的達成のため最も有効的な測線を設定することとし、監督職員と協議して決定する。
第937条 測線測量
測線測量は、平面図に測定箇所をプロットとすると共に縦横断面図を作成する。基準点は、監督職員と協議して決定する。
第938条 測 定
1.測定機器はシンチレーションサーベイメーター又は同等以上の性能を持った測定機器を使用する。
2.バックグラウンドの測定地点は、一般的には地すべり区域外の不動地と考えられる地点の空気中におけるもので、建築物等人為的な工作物及び、想定される断層、破砕帯から離れた日陰地を選定するものとするが監督職員と協議して決定する。
3.バックグラウンドの測定は、調査地の地質条件が異なる場合には、地質単位毎に行うものとし、毎日作業開始前及び終了後に必ず10分以上、20秒毎に継続測定を行い、その平均値をもって当日測定分のバックグラウンドとする。
4.測定を鍬又は移植ゴテ等で5~10㎝程度掘り起して測定孔を設け、プローブを孔底に垂直に密着させて測定する。
5.測定は測線上を5.0m間隔に行い、1点当り5秒間隔で5回測定し、その平均値をとるものとするが、測定数値に著しい変動がある場合は監督職員と協議してその指示による。
第939条 結果の整理
1.測定値について、縦横断別の頻度曲線を作成して分布様相を検討し、バックグラウンドの測定値を参考に異常放射能地帯と判定すべき測定レベルを決定する。
2.放射能強度解析図における曲線の形態及び現地状況により、測定実施地域の地質構造的特徴を考察して調査平面図、縦横断面図に記入する。
第9節 地温探査
第940条 目 的
地温探査は地中温度(ここでは1m標準とする地中温度……以下1m深地温という)を測定することにより、浅層の流動地下水の経路を把握することを目的とする。
第941条 測点設置
1.測点位置については設計図書に示すが、着手前に地表踏査を行い、流動地下水流脈を検出するのに最も有効な測点を設定し、監督職員と十分に協議して決定する。
2.測点網は地下水の流動方向を概略推定し、地下水流脈を直角に切るように5~10m、それと平行に 10~20m間隔に設ける。
3.地すべりの規模、調査範囲によって異なるが、通常は10×20mの測点網を設ける。
第942条 測定器
測定機器はサーミスタ型温度計(測定温度0.1℃)又はこれと同等以上の温度計を使用する。
第943条 測定方法
1.1m深地温の測温孔は次のようにして設ける。
決められた測点位置付近に径2.5~3㎝程度、長さ1.5mの鋼鉄棒を用いて地面に1.0m深の孔を開ける。開口後直ちに測温体を挿入し、10分程度経過した後にその温度を読み取る。この際、地表近くの土石が孔内に落ち込んだり、地表水が流入したりしないように細心の注意を払うものとする。
2.測定調査は、平常1m深地温と流動地下水温との差が5℃以上ある時期(通常1~4月と8~1
0月中旬、場所により多少異なる)に行うものとする。
3.調査期間中は年・日変化を把握するために、調査地内に定点観測点を設け、そこに測温体を埋設しておき、これを毎日作業前、昼食時、及び作業後に測定する。
4.地況(植生状況)は測定値に対して大きな影響を及ぼすとともに、解析上重要な因子となるので、その判断に際しては十分な注意を図る。
5.測点付近に地表水、湧水点、試錘孔などが存在する場合にはそれらの水温を必ず測定しておくものとする。
第944条 解 析
1.測定値には種々の因子が含まれているので、各種の補正表を作成し、測定値を補正する必要がある。したがってこの作業は必ず行わなければならない。
2.補正因子とは測温体、年・日変化、地形、地質、地況などの因子を指し、なかでも地況因子の影響は一番大きいので、十分な注意を払って地況分類を行い、統計処理に基づいて補正を行う。
3.各種の補正を行った後の値を用いて1m深地温分布図を作成し、θz=1-y図(縦軸に補正した
1m深地温、横軸に測点番号を取った図面)、水理地質、および地形条件等を十分参考にして、地下水流脈流動経路の存在位置について総合的に考察しなければならない。
第945条 成果品
成果品は以下のとおりとする
(1)現地測定野帳 (2)測温体補正値表
(3)計日変化 補正値表 (4)地況補正値表
(5)地況別及び全測定値の温度出現頻度分布表
(6)地況分布図 (7)測定値補正処理表
(8)θz=1-y図
(9)1m深地温(補正後)分布図
第10節 温度検層
第946条 目 的
温度検層はボーリング孔内の地下水の温度構成を測定し、地下水の存在、流動状況を把握することを目的とする。
第947条 測点器
測定には、防水型サーミスタ精密温度計を使用する。
第948条 測定方法
1.測定は、試錘孔が掘られてから1ヶ月ぐらい放置した後に行う。
2.センサーを予め孔内2~3mのところに吊し、十分に孔内をなじませてから孔口まで引き上げて、 50cm間隔で孔底まで測温することとする。
3.測定に要する時間は地下水位より上では1測点当たり2~3分、地下水面下では30秒程度とする。但し、温度がどの位で定常状態に達するかを、現地で確認した後に測定を開始する。
第949条 結果の整理
測定の結果は、各測点ごとの温度を垂直温度分布及び地質柱状図に対比させて記入し、流動地下水の在否、流動層の厚さを検討するとともに地層との関連性を考察し、立体的に流動地下水の存在位置を推定する。
第11節 地すべり面調査(歪計)
第950条 目 的
1.歪計(ストレインゲージパイプ)による測定は、地中の内部応力を測定し、すべり面を的確にとらえることを目的とする。
2.地すべり調査におけるすべり面の探査は必須のものである。特に地すべりの安定解析や、杭打工の計画には欠くことができないので計測によっても判定し難いときは、調査ボーリング柱状図及びコアからその位置を推定する。
第951条 規 格
1.地中歪計は所要の精度(設計時にその測定値が8,000~12,000×10-6)をもったものを使用する。歪ゲージは、歪抵抗値、使用温度等を考慮してポリエステル樹脂をベースとした線ゲージとする。
2.パイプは、径48~60㎜の塩ビ管で、1方向2ゲージを標準とし、運動方向不明瞭な場合は2方向
4ゲージを使用する。またリード線は0.3㎜3列平行KV線メッキ付又は同等以上のものとする。
第952条 設 置
1.挿入に先立ち、歪計各部に異状がないか否か、測定器で点検する。挿入はケーシングパイプをガ
イドとして行い、挿入前にケーシングパイプを引き抜いてはならない。ゲージの方向は地すべり運動の方向と一致させることを原則とする。歪計とボーリング孔壁との空隙は砂で充填する。充填に当たっては、ごみ、どろ等を含まない良質の砂をシュートによりケーシングパイプを引き抜きながら十分に投入し、孔口を40×40×20㎜以上のコンクリートで固定する。
2.設置位置は、少なくとも主測線沿いの運動ブロック内の調査ボーリング孔に設置する。
第953条 測 定
測定間隔は原則として1.0mとし、設置後1週間を経たものから利用することを原則とする。観測周期は7日を標準とするが、地すべりの動きにより監督職員と協議して決定する。
第954条 結果の整理
計測の結果を歪変動累積図に降水量又は地下水位と対照できるように整理する。
第12節 すべり面調査(孔内傾斜計)
第955条 目 的
孔内傾斜計による測定は、地すべりの変位による観測管の傾斜量を測定し、すべり面の位置、移動量等を把握することを目的とする。
第956条 規 格
観測管は、2軸方向を測定できるものとし、また地すべり面を正確にとらえる構造かつ材質であること。
なお、孔内傾斜計の機種選定に当たっては、監督職員と協議する。
第957条 設 置
1.設置位置は、少なくとも主測線沿いの運動ブロック内の調査ボーリング孔に設置する。
2.ボーリング後、孔内を清掃し、深度を確認のうえ観測管を継ぎながら静かに挿入し、鉛直に設置する。
3.観測管の継手はソケットを用い、自重に耐え、また管にネジレが生じないようリベット等により確実に固定する。
4.観測管の軸は地すべりの運動方向と一致させるものとする。
5.観測管と孔壁との空隙は砂等で充填する。充填に当たっては、良質の砂等を,ケーシングパイプを引き抜きながら十分に投入し、孔口をモルタル等で塞ぐこと。なお、充填材は監督職員の指示による。
6.観測管設置後速やかに蓋をし、孔口から塵芥が入らないようにしなければならない。
第958条 測 定
1.測定間隔は0.5~1.0mとし、観測管設置後1週間を経たものから基準観測を行い、観測周期は7日を標準とする。
ただし、地すべりの動きにより、測定間隔、基準観測、観測間隔は監督職員と協議するものとす
る。
2.測定は孔内傾斜計を一旦孔底までおろし、指示計の表示が安定してから0.5~1.0mごとに引き上げながら測定し、2回目は180°反転し再び孔底から測定する。基準観測は2軸方向測定すること。
3.観測期間中に測定値等の異常が認められる時は原因を究明するとともに監督職員と協議し、その指示によるものとする。
4.観測時には機器が正常に作動しているか確認点検し、あわせて地すべり地内の状況を観察する。
第959条 結果の整理
測定の結果を変位量図に降水量又は地下水位と対照できるように整理する。
第13節 地下水位測定
第960条 目 的
斜面の安定解析の基礎資料を得るため、地すべり地の静水圧とすべりとの相関性の有無の検討を目的とする。
第961条 設 置(自記水位計)
自記水位計は、ボーリング孔用の特殊のフロートを使用し、錘とフロートは別孔とする。設置台は木杭上に水平に設置し、水位計は格納箱で保護する。
第962条 観 測
1.自記水位計使用の場合は、フロートと孔壁の間に摩擦を生じたり、錘とフロートとの間のバランスが悪くなって水面にうまく追随しなくなったりする場合があるので、観測時には必ずフロートを上げて水位の確認と計測を実施する。
2.携帯用触針式水位計使用の場合は、観測誤差防止のため1孔当り2回以上の観測を実施する。
3.携帯用触針式水位計観測は、最低1ヶ月に10回以上観測する。
第963条 結果の整理
観測の結果は、降水量(地表変動量)と対照図として整理し、地すべり対策決定の基礎資料とする。
第14節 地下水追跡試験
第964条 目 的
地下水の流動経路、流速などを把握し、地すべり変動と地下水の関連性について追求することを目的とする。
第965条 トレーサー
トレーサーは、食塩、硫酸マンガン又はフローレッセンソーダとする。ただし、硫酸マンガン使用については、地域特殊条件の場合に使用するものとし、その場合には有害なものを周辺施設で検出しないよう留意する。
第966条 試 験
1.トレーサーの投入地点、採水位置(平面図に記入)、試験方法については、試験前に監督職員と協議して決定する。
2.試験は、調査ボーリング孔を利用して地下水中にトレーサーを投入し、これを湧水、ボーリング孔、井戸、渓流等で検出することにより、地下水の流路を推定する。検出は事前に測定した各採水位置のバックグラウンド値と比較して行う。
3.トレーサー投入地点は、斜面上部に選び確実に流出させるため多量の水を注入して、その水頭で浸透を容易にさせるものとする。
4.採水は、関係地域の全域にわたりできる限り多くのボーリング孔、湧水箇所、井戸、渓流において行う。
5.トレーサー投入後の採水は、第1日目は投入後それぞれ0.5、1,2,4,8時間後、第2日目以降は毎日1回とし、投入日を含め20日間実施する。トレーサー投入前7日間は1日1回のバックグラウンド濃度をとるものとする。
第967条 結果の整理
1.個々の採水点におけるトレーサーの検出は権威ある試験、研究所等で行い、検出結果を検出時間が記入された平面図上にプロットして地下水の流動経路を求める。また縦軸に追跡因子の溶存量
(mg/㍑)横軸に経過日数をとり、トレーサー検出結果図として整理する。
2.トレーサー投入孔と採水孔との距離、及び検出時間から概略の透水係数を求め、地下水排除工の設計資料にする。
第15節 地下水検層試験
第968条 目 的
地下水検層試験は、地下水の流動層の位置、及び流動状況を垂直的に調査解析することにより、地下水排除工の資料にすることを目的とする。
第969条 試験器
試験器は電極間隔25㎝、150点電極検層コードと、150点切替器を内蔵する比抵抗測定器、又はこれ以上の性能を有する電気伝導度測定器を使用する。
第970条 位 置
試験は、地すべり地の頭部付近の調査ボーリング孔、又は主測線沿いのボーリング孔で行うものとし、試験前に監督職員と協議して決定する。
第971条 測 定
1.測定するボーリング孔は、十分な通xxを配備したケーシングパイプで保孔し、孔内に投入する電解物質は食塩とし、その使用量は孔内水の電気比抵抗値が、バックグラウンド値の約1/10程度の電気抵抗値になるようにする。
2.バックグラウンド値の測定の結果、孔内水に溶解物が多く、測定範囲が極めて狭いときは、監督職員の指示によるものとする。
3.食塩投入は、溶解した食塩水を孔内水の塩分濃度が一定となるよう十分撹拌しなければならない。投入直後の測定で孔内水の塩分濃度が一定でないときは、検層コードを一旦撤去して撹拌をやり直 すものとする。
4.検層コード(電極25㎝毎の束状のもの)をボーリング孔内に挿入し静止した状態で食塩水投入前
(バックグラウンド値)後、10、20、30、60、120、180分の時間間隔で孔内水の抵抗値を測定する。
5.地下水の流動面では、孔内水により希釈され、抵抗値が大きく変化するから、測定結果により流動層の確認を行う。
測定値に変化がなく、流動層の確認が困難なときは監督職員と協議し、その指示によるものとする。
第972条 結果の整理
測定の結果は食塩投入直後、または10分後を基準として時間ごとの抵抗値の変化を地質柱状図に対比させて記入し、地下水流動面の位置及び地層との関連を考察する。また地層断面図にこの結果を記入する。
第16節 簡易揚水試験
第973条 適 用
簡易用水試験については、第8章原位置試験第806条第3項に準ずるほか、地すべり調査においては、本節のとおりとする。
第974条 目 的
地下水調査結果を解析する場合には、ボーリング孔周辺の土層の透水係数が重要である。簡易揚水試験は、土層の透水性を判定することを目的とする。
第975条 位 置
試験は、地すべり地内の地下水調査に利用する計画のあるボーリング孔とし、監督職員と協議して実施するものとする。
第976条 結果の整理
試験の結果により、時間~水位回復曲線を求め、回復曲線にヤコブ式を適用して各深度ごとの土層の透水係数を算出する。また、測定値は参考資料2のようにまとめる。
第10章 地形・地表地質踏査
第1001条 目 的
1.地形・地表地質踏査は、地表で見られる自然地形・改変地形、岩石や地層の性状を観察し、調査地域の地層分布や地質構造、さらに地山の安定性、地表水・地下水の状況などのxxな地質に関する諸情報を把握することを目的とする。
2.適用範囲は、ダム調査に係わる地形・地表地質調査を除くものとする。
第1002条 業務内容
1.空中写真判読 隣り合わせの2枚の空中写真を実体鏡によって実体視して、旧河道・後背地、谷底xx、崖、鞍部等の分布状況、谷・尾根の分布パターンや写真の濃淡などを注意深く判読し、これらの情報から、土石流堆積地、断層破砕帯、地すべり等の分布域を推定するものとする。
2.現地調査
(1) 調査地域内を踏査して、空中写真判読で得られた軟弱地盤、土石流堆積地、断層破砕帯、地すべり等の地形的な特徴・性状を観察するものとする
(2) 現地調査の際には、人工構造物・改変地形の状況も把握しておくとともに、岩石・地層の分布、相互関係、地質構造、地山の安定性、地表水・地下水等の状況を詳細に観察するものとする。
(3) 観察結果を踏査経路、観察地点、資料採取地点等を地形図に記入して作業図を作成し、地形の形成過程・地質状況の検討も含めて地質平面図、地質断面図にとりまとめるものとする。