第12条 ブラックスタート機能の提供に係る基本料金は、2026 年度が実需給年度となる容量市場の約定価格(円/kW)が確定した後に、契約電源等ごとに以下の算定式により算出した金額とする。
ブラックスタート機能契約書 【標準契約書】(案)
○○株式会社(以下「甲」という。)と九州電力送配電株式会社(以下「乙」という。)とは、2022 年●月●日に乙が公表したブラックスタート機能募集要綱(2026 年度運用分)
(以下「募集要綱」という。)にもとづき、乙の電力系統における停電解消のためのブラックスタート機能の提供について、次のとおり契約(以下「本契約」という。)する。
(ブラックスタート機能の提供)
第1条 甲は、別紙1の発電設備(以下「契約電源等」という。)を用いて、乙に対してブラックスタート機能の提供を行うものとする。
2 本契約において、ブラックスタート機能の提供とは、乙の電力系統の広範囲に及ぶ停電が発生した場合に、本契約第 2 条に規定する受電地点において、外部電源より発電された電気を受電することなく契約電源等の起動・発電を行い、系統の周波数と電圧を適正な範囲に維持し、停電の復旧に必要な規模の発電所等の所内電力を供給することをいう。
(受電地点および送電上の責任分界点)
第2条 受電地点および送電上の責任分界点は、契約電源等に関し、乙との間で託送供給等約款にもとづき締結されている発電量調整供給契約の定めに準ずるものとする。
(財産分界点および管理補修)
第3条 財産分界点および管理補修は、契約電源等に関し、乙との間で託送供給等約款にもとづき締結されている発電量調整供給契約の定めに準ずるものとする。
(送電端出力、受電地点特定番号、電圧およびブラックスタート機能)
第4条 契約電源等の送電端出力、受電地点特定番号、電圧およびブラックスタート機能は別紙1のとおりとする。
(設備要件)
第5条 甲は、契約電源等について、募集要綱に定める「設備要件」を満たすものとする。
(運用要件)
第6条 甲は、契約電源等について次の各号の運用要件を満たし、法令遵守または公衆安全確保等のやむを得ない事由がある場合を除き、乙の指令に従いブラックスタート機能を提供するものとする。
(1)甲は、次条にもとづきあらかじめ定める補修停止等の期間を除き、常時、ブラックスタート機能を提供可能な状態に維持すること。
(2)甲は、ブラックスタート機能等に不具合が生じた場合、速やかに乙に連絡のうえ遅滞なく復旧できるよう努めること。
(3)甲は、ブラックスタート機能等の不具合が解消した場合、速やかに乙に連絡すること。
(4)甲は、乙が実施する、乙の電力系統における広範囲におよぶ停電を想定した復旧訓練に参加すること。(訓練を実施しない年度は、非常用発電機等の起動試験を実施し、乙にその結果を報告すること。)
2 本契約の運用上必要な細目については、別途甲乙間で定めるものとする。
3 甲は、本契約に定める事項、募集要綱、乙の託送供給等約款、系統運用ルール、電力広域的運営推進機関の業務規程および送配電等業務指針のほか、本契約に付帯して交換する申合書等(以下総称して「本契約等」という。)を遵守するものとする。
(停止計画)
第7条 甲は乙が定める期日までに、乙に対して本契約第16条に定めるブラックスタートの提供期間(以下「提供期間」という。)におけるブラックスタート機能の停止計画の案を提出し、乙との協議により停止計画を決定するものとする。
2 甲は、前項の停止計画の案の策定および乙との協議にあたっては、次の各号の事項を遵守するものとする。
(1)停止時期は、法令上可能な限り検査時期の間隔をあける等、作業停止期間短縮に努めること。
(2)甲は、乙が停止時期の変更を希望した場合、特別な事情がない限りこれに応じること。
(計量)
第8条 契約電源等から受電する電力量(以下「実績電力量」という。)は、原則として契約電源等ごとに取付けた記録型計量器により 30 分単位で計量するものとする。ただし、契約電源等ごとに計量することができない場合の実績電力量は、別途甲
乙の協議により定めるものとする。
2 計量器の故障等により、電力量を正しく計量できない場合は、その都度甲乙協議のうえ別途電力量を決定するものとする。
(計量器等の取付け)
第9条 料金の算定上必要な記録型計量器、その付属装置(計量器箱、変成器、変成器の2次配線等をいう。)および区分装置(力率測定時間を区分する装置等をいう。)は、原則として、乙が選定し、かつ、乙の所有とし、乙が取り付けるものとする。また、乙は、その工事費の全額を工事費負担金として甲から申し受けるものとする。ただし、2021 年 4 月 1 日実施の乙の託送供給等約款 62(計量器等の取付け)にもとづき取り付ける発電量調整受電電力量の計量に必要な計量器等で料金の算定が可能な場合は、本契約にもとづき、あらためて計量器等を取り付けることはしないものとする。なお,乙が約款を変更した場合には,変更後の約款の該当条項による。以下同じ。
2 法令等により、本契約にもとづき取り付けた計量器およびその付属装置および区分装置を取り替える場合は、甲は実費を乙に支払うものとする。
(通信設備等の施設)
第10条 契約電源等に対する乙の指令の受信および契約電源等の現在出力等の乙への 伝送等に必要な通信設備および伝送装置等を以下の区分で施設するものとする。
(1)発電所構内の通信装置、出力制御装置等
甲が選定し、かつ、甲の所有とし、甲が取り付けるものとする。また、その工事に要した費用は甲が負担するものとする。
(2)発電所から最寄りの変電所、通信事業所等までの間の通信線等
乙が選定し、かつ、乙の所有とし、乙が取り付けるものとする。また、その工事に要した費用は甲が負担するものとする。
(3)上記(1)、(2)以外の通信線等
乙が選定し、かつ、乙の所有とし、乙が取り付けるものとする。また、その工事に要した費用は乙が負担するものとする。ただし、保安通信電話や転送遮断装置等、発電機連系に必要な装置の情報伝送において、伝送路を専有している場合はこの限りでない。
(料金)
第11条 乙は、ブラックスタート機能の提供に係る料金として、本契約第12条に定 める月間料金および本契約第13条に定める従量料金を甲に支払うものとする。
2 ブラックスタートの提供に係る料金の算定期間(以下「料金算定期間」という。)は、毎月 1 日から当該月末日までとする。
(基本料金および月間料金)
第12条 ブラックスタート機能の提供に係る基本料金は、2026 年度が実需給年度となる容量市場の約定価格(円/kW)が確定した後に、契約電源等ごとに以下の算定式により算出した金額とする。
基本料金=本募集の入札価格-容量市場から支払われる対価相当金額
容量市場から支払われる対価相当額
= 期待容量※1 × 約定価格※2 - 経過措置控除額※3
※1 電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」という。)が公表する「容量市場メインオークション募集要綱(対象実需給年度:2026年度)」(以下「容量市場要綱」という。)に規定する「期待容量」の算定方法に準じて算定した値とします。
※2 容量市場要綱に規定する「約定価格」の決定方法により決定された値とします。
※3 容量市場要綱に規定する「容量確保契約金額の算出に関する経過措置における控除額」の算定方法に準じて算定した値とします。
なお,本契約における契約電源等を2026年度向け容量市場へ応札しなかった場合および応札し落選した場合は,0円/kWで応札したものと見做して算定するものとします。
注)上記の基本料金算定式は,現時点で広域機関が公表している「容量市場メインオークション募集要綱(対象実需給年度:2025年度)」の規定を前提としております。今後,国の各審議会,容量市場要綱に関する意見募集等を踏まえて,規定内容が変更となった場合は,変更後の内容に従って算出するものといたします。
2 前項による基本料金の算定結果が、甲が入札時に乙に提示した「ブラックスタート特有の機能維持に必要な最低限の費用相当額」の金額(以下「最低保証額」という。)を下回る場合は、最低保証額を基本料金とする。
3 月間料金は第1項および前項により算出した金額を 12 で除した金額(端数が生じる場合は、3 月分料金で調整するものとする。)をすべての契約電源等につ
き合計した金額とする。具体的な基本料金は、2026 年度が実需給年度となる容量市場の約定価格(円/kW)が確定した後に覚書により定める。
(従量料金)
第13条 ブラックスタート機能の提供に伴う電力供給に係る料金(従量料金)は、起動時の所内電力量増分費用、他発電所への所内電力の供給に係る費用等にもとづき、別途甲乙協議により決定した金額とする。
(月間料金の支払い)
第14条 甲は、月間料金に本契約第24に定める消費税等相当額および事業税相当額を加算した金額(ただし、事業税相当額は、甲の事業税に収入割を含む場合で、乙の事業税の課税標準とすべき収入金額の算定にあたり、地方税法の規定により乙の収入とすべき金額の総額から乙が甲に料金として支払うべき金額に相当する金額が控除される場合に限り加算するものとする。以下同じ。)を料金算定期間の翌月 12 日までに請求書により乙に請求し、乙は同月 22 日(ただし、22日が金融機関の休業日の場合はその翌営業日)までに甲に支払うものとする。ただし、乙の請求書の受領が同翌月 13 日以降であった場合は、乙は請求書受領
後 10 日以内(ただし、請求書受領後 10 日目の日が金融機関の休業日にあたる場合はその翌営業日まで)に甲に支払うものとする。
2 乙は、前項の支払いを支払期日までに行わなかった場合、支払期日の翌日以降支払いの日まで、当該不払額(消費税相当額および事業税相当額は含まない。)に対して、10 パーセント(閏年の日を含む期間についても、365 日あたりの割合とする。)の延滞利息を甲に支払うものとする。
(従量料金の支払い)
第15条 各料金算定期間の従量料金は、本契約第13条にもとづき決定した金額をすべての契約電源等につき合計した金額とする。
2 甲は、従量料金に本契約第24条に定める消費税相当額および事業税相当額を加算した金額を従量料金確定の翌月までに請求書により乙に請求し、乙は同月 22 日(ただし、22 日が金融機関の休業日の場合はその翌営業日)までに甲に支払うものとする。ただし、乙の請求書の受領が同月 13 日以降であった場合は、
乙は請求書受領後 10 日以内(ただし、請求書受領後 10 日目の日が金融機関の休業日にあたる場合はその翌営業日まで)に甲に支払うものとする。
3 乙は、前項の支払いを支払期日までに行わなかった場合、支払期日の翌日以
降支払いの日まで、当該不払額(消費税相当額および事業税相当額は含まない。)に対して、年 10 パーセント(閏年の日を含む期間についても、365 日あたりの割合とする。)の延滞利息を甲に支払うものとする。
(契約の有効期間およびブラックスタート機能の提供期間)
第16条 本契約にもとづく甲から乙へのブラックスタート機能の提供期間は 2026 年 4
月 1 日から 2027 年 3 月 31 日までとする。
2 本契約の有効期間は、契約締結の日から本契約にもとづくすべての債務の履行が完了した日までとする。
(合意管轄および準拠法)
第17条 甲または乙がやむを得ない事由により本契約の全部または一部の解約を希望する場合で、あらかじめ書面をもって相手方にその旨を申し出て、相手方と誠意をもって協議し合意が得られたときは、本契約の全部または一部を解約することができるものとする。
(契約の解除)
第18条 甲または乙は、相手方が次の各号のいずれか一つに該当したときは、何らの通知、催告を要せず、直ちに本契約を解除することができるものとする。
(1)本契約に定める条項に違反し、相手方に対し催告したにもかかわらず 7 日以内に当該違反が是正されないとき
(2)破産手続開始、民事再生手続、会社更生手続、特別清算手続その他の倒産関連法規に基づく手続開始の申立てを受け、または自ら申立てを行ったとき
(3)解散の決議を行ったとき
(4)監督官庁より営業の許可取消し、停止等の処分を受けたとき
(5)支払停止もしくは支払不能の状態に陥ったとき、または手形もしくは小切手が不渡りとなったとき
(6)第三者より差押え、仮差押え、仮処分もしくは競売の申立て、または公租公課の滞納処分を受けたとき
(7)資産または信用状態に重大な変化が生じ、本契約に基づく債務の履行が困難になるおそれがあると認められるとき
(8)その他、前各号に準じる事由が生じたとき
(解約または解除に伴う賠償)
第19条 本契約の解約または解除において、その責に帰すべき者の相手方に損害が発生する場合は、その責に帰すべき者は解約または解除により生ずる相手方の損害を賠償しなければならないものとする。
(自己都合による解約または解除に伴う費用の申し受け)
第20条 甲の都合によって本契約を解約または解除することとなった場合は、前条にかかわらず、乙は、代替手段を確保するために要した費用の実費の負担を甲に求めることができるものとし、甲は、これに応じるものとする。
(契約の承継)
第21条 甲が第三者と合併し、またはその事業の全部もしくは本契約に関係のある部分を第三者に譲渡するときは、あらかじめ乙に書面によりその旨を通知し、乙の承認を受けたうえで、本契約をその承継者に承継させるものとする。
(反社会的勢力の排除)
第22条 乙は、甲が次の各号のいずれかに該当する場合は、何らの通知または催告することなく本契約を解除することができるものとし、この場合、甲は損害賠償その他一切の請求をしないものとする。
(1)甲の代表者、責任者、実質的に経営権を支配する者、役員またはその支店もしくは本契約を締結する事務所の代表者が、暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、総会屋その他これらに準ずる者(以下これらを総称して「反社会的勢力」という。)であると認められる場合
(2)反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる場合
(3)反社会的勢力を利用する等の行為をしたと認められた場合
(4)反社会的勢力に対して資金等を供給し、または便宜を供与する等の関与をしていると認められる場合
(5)自己もしくは第三者を利用して、次のいずれかの行為を行なった場合イ 暴力的な要求行為
ロ 法的な責任を超えた不当な要求行為
ハ 取引に関して脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
二 虚偽の風説を流布し、偽計または威力を用いて相手方の信用を毀損し、
または相手方の業務を妨害する行為
2 甲は、自己が将来にわたり前項各号に該当しないことを表明、確約する。
(損害賠償)
第23条 甲または乙が、本契約に伴い、相手方もしくは第三者に対し、自らの責に帰すべき事由により損害を与えた場合、甲または乙はその賠償の責を負うものとする。
(消費税等相当額および事業税相当額)
第24条 本契約において消費税等相当額とは、消費税法の規定により課される消費税および地方税法上の規定により課される地方消費税に相当する金額をいい、本契約において事業税相当額とは、地方税法および特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律の規定により課される事業税のうち収入割に相当する金額をいう。適用する事業税率は、ブラックスタート機能の提供期間開始までに、直近事業年度の実行税率等にもとづき、甲乙協議により決定する。
(単位および端数処理)
第25条 本契約において、料金の計算における金額の単位は 1 円とし、その端数は切り捨てるものとする。ただし、前条で定めた消費税等相当額および事業税を加算して授受する場合は、消費税および事業税が課される金額、消費税等相当額および事業税相当額の単位はそれぞれ 1 円とし、その端数はそれぞれ切り捨てるものとする。
(運用細目)
第26条 本契約の運用上必要な細目については、別途甲乙間で定めるものとする。
(合意管轄および準拠法)
第27条 本契約に関する訴訟については、福岡地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
2 本契約は、すべて日本法に従って解釈され、法律上の効力が与えられるものとする。
(秘密保持義務)
第28条 甲および乙は、本契約の内容について、第三者に対して開示しないものとする。ただし、予め相手方の承諾を得た場合または電気事業法もしくは関係法令にもとづく監督官庁の要請に対して当該監督官庁に提示する場合は、この限りではない。
(協議事項)
第29条 本契約に定めのない事項については、募集要綱、乙の託送供給等約款、系統運用ルールおよび本契約に付帯して交換する申合書等(以下「本契約等」という。)によるものとする。
2 本契約等により難い特別な事項については、その都度甲乙誠意をもって協議のうえ定めるものとする。
以上、本契約締結の証として、本書2通を作成し、記名押印のうえ甲、乙それぞれ1通を保有する。
20□□年□□月□□日
(住所) ○○県○○市○○町○○番甲 ○○株式会社
取締役社長 ○○ ○○
(住所)xxxxxxxxxxxxxxx 0 x 00 xx 九州電力送配電株式会社
代表取締役社長 xx x
別紙1.契約電源等一覧表
事業者名 | 契約電源等 | 所在地 | 号機 | 送電端出力※ (kW) | 連系系統の電圧 (kV) | ブラックスタート機能 | 受電地点特定番号 |
※ 非常用発電機等は定格出力を記載する。
別紙1.契約電源等一覧表
(記載例)
事業者名 | 契約電源等 | 所在地 | 号機 | 送電端出力※ (kW) | 連系系統の電圧 (kV) | ブラックスタート機能 | 受電地点特定番号 |
□ □発電株式会社 | ××発電所 | ○○県◯◯市×× | 1号機 | 46,000 | 154 | 全系統ブラックスタート周波数調整機能 電圧調整機能試送電機能 | 09-XXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXX |
2号機 | 46,000 | 154 | 全系統ブラックスタート周波数調整機能 電圧調整機能試送電機能 | ||||
非常用 | 500 | 154 | 全系統ブラックスタート非常用発電機等 |
※ 非常用発電機等は定格出力を記載する。
別紙2.事業税率
甲の収入割の事業税(収入割に相当する率)
〇.〇〇%
・小数点以下第3位を四捨五入