Contract
熊本県下請セーフティネット債務保証事業に係る債権譲渡承諾に関する事務取扱要領
(目 的)
(平成22年3月26日 伺定)
(令和2年(2020年)年3月31日 一部改正)
第1条 この要領は、熊本県と建設工事請負契約(以下「請負契約」という。)を締結している請負者(以下「請負者」という。)が、平成14年12月18日付け国総振第1
42号通知(以下「地方あて通知」という。)による公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度(以下「下請セーフティネット債務保証事業」という。)を利用する場合における、熊本県公共工事請負契約約款第5条第1項ただし書に定める 工事請負代金債権の譲渡承諾手続きに関し必要な事項を定めるものである。
(対象工事)
第2条 工事請負代金債権の譲渡を承諾する工事は、次に掲げるものを除く工事とする。ただし、複数年度にわたる工事にあっては、最終年度であって、年度内に終了が見込まれる場合のみを対象とする。
(1)熊本県が役務的保証を必要とする工事
(2)その他、請負者の施工能力に疑義が生じているなど債権譲渡の承諾に不適当な事由がある工事
(債権譲渡の範囲)
第3条 譲渡される工事請負代金債権の額は、当該請負工事が完成した場合における熊本県公共工事請負契約約款第31条第2項の検査に合格し、引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から前払金、中間前払金、部分払金及び請負契約により発生する違約金等の熊本県の請求権に基づく金額を控除した額とする。
ただし、請負契約が解除された場合においては、熊本県公共工事請負契約約款第51条第1項の出来形部分の検査に合格し、引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から前払金、中間前払金、部分払金及び請負契約により発生する違約金等の熊本県の請求権に基づく金額を控除した額とする。
2 前項の場合において、契約変更により請負代金額に増減が生じた場合には、債権譲渡額は変更後の請負代金額を用いて算定するものとする。
3 前2項の事項については、債権譲渡承諾書において明らかにするとともに、前項の場合においては、債権譲渡人は債権譲受人に変更後の契約書の写しを提出して通知することとする。
4 第1項の熊本県の請求権に基づく金額の控除については、契約保証金の充当などにより徴収できた場合は、その範囲において同項の控除は行わない。
(債権譲渡人及び債権譲受人の範囲)
第4条 債権譲渡人は、下請セーフティネット債務保証事業(以下「保証事業」という。)を利用しようとする請負者とし、債権譲受人は熊本県建設業協同組合(以下「組
合」という。)とする。
(債権譲渡の承諾に必要な下請保護方策)
第5条 発注者は、債権譲渡を承諾するに当たっては、債権譲渡人と債権譲受人の間の債権譲渡契約において、債権譲渡人が倒産により下請負人等への支払いができなくなった場合の下請保護方策として、(1)又は(2)のいずれかの措置が講じられていることを確認するものとする。
なお、債権譲渡人の倒産時の下請保護に関しては、債権譲渡人及び債権譲受人が責任を持って行うこととし、熊本県は関与しないものとする。
(1)債権譲受人が、熊本県から受け取る当該工事請負代金額から債権譲渡人への貸付金を精算の上、残余の部分を債権譲渡人に代わって下請負人等に支払う旨の特約が定められていること。
(2)債権譲受人が、熊本県から受け取る当該工事請負代金額から債権譲渡人への貸付 金を精算の上、債権譲渡人の倒産による任意整理において、残余の部分を債権譲受 人が債権譲渡人に代わって下請負人等に支払うことにつき、債権者間の合意が整っ たときは、当該合意に従って支払を行うこととする旨の特約が定められていること。
2 債権譲渡人は債権譲受人から融資を受ける際に、当該工事に関する融資申請時までの下請負人等への代金の支払状況及び当該借入金の下請負人等への支払計画を債権譲受人に提出するものとする。
(債権譲渡を承諾する時期)
第6条 債権譲渡を承諾する時期は、次のとおりとする。
(1)単年度工事にあっては、原則として、当該工事の出来高が2分の1以上に到達し、既に支払いをした前払金、中間前払金及び部分払金以上に到達したと認められる日 以降
(2)複数年度にまたがる工事にあっては、原則として、最終年度において当該工事の出来高が2分の1以上に到達し、既に支払いをした前払金、中間前払金及び部分払金以上に到達したと認められる日以降
(債権譲渡承諾後の中間前金払等の取り扱い)
第7条 債権譲渡承諾後は、当該工事については、中間前金払及び部分払の請求はできないものとする。
(債権譲渡の承諾申請)
第8条 債権譲渡承諾の申請に際しては、債権譲渡人及び債権譲受人は共同で次の書類を提出するものとする。
なお、書類の提出は、当該請負契約の担当部署に持参するものとし、郵送による提出は認めない。
(1)債権譲渡承諾申請書(様式1) 3通
(2)債権譲渡人と債権譲受人が調印済の債権譲渡契約証書(様式2)の写し 1通
(3)工事履行報告書(様式3) 1通
(4)発行日から3箇月以内の債権譲渡人及び債権譲受人の印鑑証明書 各1通
(5)財団法人建設業振興基金(以下「振興基金」という。)が債権譲受人に対して発行する債務保証承諾書の写し 1通
(6)保証委託契約約款等において、工事請負代金債権の譲渡につき保証人等の承諾が必要とされている場合には、当該譲渡に関する保証人の承諾書 1通
(債権譲渡の承諾等)
第9条 発注者は、前条までの規定により債権譲渡内容が適当であると認める場合は、債権譲渡人及び債権譲受人に債権譲渡承諾書(様式1)を交付するものとする。
2 発注者は、債権譲渡を認めない場合は、債権譲渡不承諾通知書(様式4)を債権譲渡人及び債権譲受人に交付するものとする。
3 前2項の交付は、原則として、債権譲渡承諾の申請を受理した日から1週間以内に行うものとする。ただし、やむを得ない事情により交付期限までに交付できない場合は、その旨を債権譲渡人に連絡するものとする。
(申請書類等の確認における留意事項)
第 10 条 発注者は、申請書類等の確認について、次の事項に留意するものとする。
(1)債権譲渡承諾申請書については、譲渡対象債権の金額が請負契約に基づき請負者が請求できる債権金額と一致していること。
(2)債権譲渡契約証書の写しについては、第5条第1項に規定する下請保護方策が講じられていること。
(3)工事履行報告書については、原則として、工事進捗率が2分の1以上となっていること。
(債権譲渡承諾の管理)
第 11 条 発注者は、債権譲渡整理簿(様式5)により債権譲渡の申請及び承諾状況の管理を行い、支出調書等に「債権譲渡承諾済」の表示をすることとする。
(融資時の出来高確認)
第 12 条 融資時の譲渡債権の担保価値の査定は、債権譲受人が行うものとする。
2 債権譲受人は、融資時の出来高確認を行うために現場確認の必要があるときは、現場確認協力依頼書(様式6)を発注者に提出するものとする。
3 発注者は、前項の依頼があったときは、支障のない範囲で債権譲受人の現場への立入りを認めることとする。
(融資実行報告書の要求等)
第 13 条 債権譲渡人及び債権譲受人が、熊本県による債権譲渡の承諾後、金銭消費貸借契約を締結し、当該契約に基づき又は手形貸付の方法により融資を実行した場合には、速やかに連署にて発注者に融資実行報告書(様式7)を提出させるものとする。
2 発注者は、融資実行報告書を受理したときは、遅滞なく当該工事代金の振込先を債権譲受人の指定口座に変更するものとする。
(債権譲受人からの債権金額の請求)
第 14 条 債権譲受人からの確定した債権金額の請求に当たっては、次の書類を提出するものとする。
(1)工事請負代金請求書(様式8) 1通
(2)発注者の押印がなされた債権譲渡承諾書の写し 1通
2 発注者は、前項により提出された債権譲渡承諾書の写しを原本と照合確認し、相違ない場合は、当該承諾書の写しに「原本照合確認済印」を記載押印のうえ、支出手続きを行うこととする。
(保証事業の事務手続きに使用するその他の様式)
第 15 条 保証事業の事務手続きに使用する次の様式は、地方あて通知の様式に準じるものとする。
(1)金銭消費貸借契約書
(2)支払状況、支払計画書
(3)下請負人の受益の意思表示書
(不正時の対応)
第 16 条 保証事業の監督官庁、組合の監督行政庁、振興基金又は捜査機関等が、保証事業を利用する請負者又は組合が本制度に関し不正を行ったと認めたときは、第9条の規定に拘わらず、熊本県は、当該不正を行った請負者又は組合を債権譲渡人又は債権譲受人の対象から除外するものとする。
2 請負者や組合が熊本県に提出した書面が明らかに偽造、改ざん等がなされた不正なものであったときは、熊本県は、保証事業の監督官庁、組合の監督行政庁又は振興基金にその事実を通報するものとする。
附 則
この要領は、平成22年3月26日から施行する。
この要領は、令和2年(2020年)4月1日から施行し、施行日以降に契約締結するものから適用する。