(TEL.03-6416-4820(代表))
2021 年 12 月 14 日
各 位
会 社 名 株式会社ゼットン
代表者名 代表取締役社長 xx xx
(コード:3057、名証セントレックス)問合せ先 財務経理部長 x x
(TEL.03-6416-4820(代表))
資本業務提携契約の締結及び第三者割当による新株式発行に関するお知らせ
当社は、2021 年 12 月 14 日開催の取締役会において、株式会社アダストリア(茨城県水戸市泉町三丁目
1番 27 号、以下「割当予定先」といいます。)に対して第三者割当による新株式の発行(以下「本第三者割 当増資」といいます。)を行うことと同時に、割当予定先との間で資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)を行うことを決議し、同日付けで資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい ます。)を締結することとしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、割当予定先は、本第三者割当増資の払込みの受入が完了した後、当社を連結子会社にすることを 目的に、当社が発行する普通株式(以下「当社株式」といいます。)を対象とする公開買付け(公開買付期 間:2022 年1月4日から 2022 年2月 16 日まで、当社株式の買付価格:1株につき 950 円、買付予定数の 上限及び下限:上限を 1,668,000 株(本第三者割当増資により割当予定先が取得する株式数(1,621,400 株)を勘案した場合、所有割合 51.00%)、下限を 958,600 株(本第三者割当増資後により、割当予定先が割当 てを受ける当社普通株式 1,621,400 株を勘案した場合、所有割合 40.00%)と設定しております。以下「本 公開買付け」といい、本公開買付け及び本第三者割当増資を総称して「本取引」といいます。))を実施す る予定です。詳細につきましては、割当予定先が 2021 年 12 月 14 日付で公表した「株式会社ゼットンが実 施する第三者割当増資の引受け及び株式会社ゼットン株式(証券コード 3057)に対する公開買付けの開始 予定並びにそれらに伴う資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」及び当社が 2021 年 12 月 14 日付で公 表した「株式会社アダストリアによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」をご覧 ください。なお、本公開買付けの結果、割当予定先が所有する当社株式の所有割合が過半数に達しなかっ た場合においても、割当予定先と当社は、当社を割当予定先の連結子会社とすることに合意しており、具 体的には、企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」第7項(2)(議決権の 40%以上、50% 以下を自己の計算において所有し、かつ、同項①乃至⑤のいずれかに該当する場合には、実質的な支配関 係があると判定されること。以下「本支配関係充足要件」といいます。)を充足させるために、当社と割 当予定先との間で、2021 年 12 月 14 日以降、割当予定先の会計監査人に確認のもと、割当予定先が当社を 実効支配して連結子会社とするための要件を満たすよう、当社の取締役会の決議事項について、割当予定 先の承認を得ることを義務付ける規定を設けた覚書を締結することにより同項③を充足させることを具体 的に検討し、本公開買付けの開始にかかる割当予定先取締役会決議を行う予定である 2021 年 12 月 30 日に 同覚書を締結する予定です。なお、本日時点において、割当予定先が本公開買付けにおいて買い付けるこ とができる当社株式の株式数及び議決権数を正確に見通せないため、本支配関係充足要件を充足させるた めの具体的な方法については確定しておらず、上記のとおり、本公開買付け完了後において、当該方法に ついて、具体的に検討し、決定してまいります。
Ⅰ.本第三者割当増資について
1.募集の概要
(1) | 払 込 期 日 | 2021 年 12 月 30 日 |
(2) | 発 x x 株 式 数 | 1,621,400 株 |
(3) | 発 行 価 額 | 1株につき 797 円 |
(4) | x x 資 金 の 額 | 1,292,255,800 円 |
(5) | 募集又は割当方法 ( 割 当 予 定 先 ) | 第三者割当の方法によります。 (株式会社アダストリア 1,621,400 株) |
(6) | そ の 他 | 本第三者割当増資については、金融商品取引法に基づく届出の 効力が発生していることが条件となります。 |
2.募集の目的及び理由
(1)本第三者割当増資の目的及び理由
割当予定先は、連結子会社 13 社を保有しており(以下、割当予定先及びその連結子会社を総称して「割当予定先グループ」といいます。)、割当予定先グループは、「なくてはならぬ人となれ、なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げ、「Play fashion!」のミッションの下、ファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としているとのことです。割当予定先グループでは、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」、「レプシィム」、「ジーナシス」、「レイジブルー」などのカジュアルファッションブランド、「ニコアンド」、「スタディオクリップ」、「ベイフロー」などのライフスタイル提案型ブランド(注:お客様のライフスタイルの変化に合わせて商品を提案するブランド)、「アプレジュール」などの EC 専業ブランド(注:実店舗を持たず、EC(Electronic Commerce の略で、電子商取引を行うウェブサイト)のみで販売を行うブランド)、「バビロン」及び「バンヤードストーム」などの洗練された大人に向けたブランドなど、様々なブランドを展開しているとのことです。なお、割当予定先グループの店舗数(2021 年8月末時点)は、国内が 1,378 店舗、海外が 65 店舗、合計 1,443 店舗となっているとのことです。
割当予定先グループは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、多くの人の生活や、世界経済に大きな影響を与えただけでなく、デジタル化の加速、人々の価値観やライフスタイルに不可逆な変化をもたらしていると考えているとのことです。EC 需要の拡大やアウトドア、ウェルネス市場の成長など、変化し続ける時代を前提とし、「デジタル」「グローバル」「サステナブル」をテーマとして、積極的にビジネス構造を進化させ、より楽しい体験と生活を豊かにする商品の提供に取り組むことを経営方針としているとのことです。また、その経営方針を実現するために必要な成長戦略を策定し、お客様への提供価値の拡張に取り組んでいるとのことです。その戦略の一つとして「楽しいライフスタイルを新たな事業とする」を掲げており、若い世代からシニア世代までライフスタイルが多様化し、生活の中でファッション性のある心地よい製品が求められるシーンが拡大する中で、アパレル領域の枠を超えて多様なライフスタイルに寄り添う商品やサービスをお客様にタイムリーに提案することを目指しているとのことです。2017 年 10 月には、新規事業として飲食事業に参入し、飲食事業会社を設立、既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進めてきたとのことです。また、飲食事業の育成にあたっては、国内外の優良ブランドを発掘しフランチャイジーとして事業を開始するなど、他社と協業することで、飲食事業におけるブランド運営や店舗オペレーションのノウハウを蓄積してきたとのことです。
一方、当社は、1995 年 10 月に飲食店経営を主な事業目的として、名古屋市で設立され、1995 年 11 月 に名古屋市中区に第1号店を開店しました。その後、当社は、2001 年3月に東京第1号店を出店し、関 東に進出した後、2010 年5月に名古屋から東京に本社を移転しました。当社は、2006 年 10 月には、名古 屋証券取引所セントレックスに株式を上場し、現在まで同取引所に株式上場しています。また、当社は、 2008 年 10 月にはアメリカ・ハワイ州に ZETTON,INC.を連結子会社(以下「当社子会社」といい、当社及 び当社子会社を総称して「当社グループ」といいます。)として設立しました。当社グループは、「地域 社会に貢献するホスピタリティ企業」として、ハワイアンカルチャーをベースとしたライフスタイルを 提唱するカフェ&ダイニング事業の「アロハテーブル事業」、出店地域や立地特性に合わせたブランド開 発に基づくマルチブランド事業の「ダイニング事業」、xxを中心とした期間限定のビアガーデンや BBQ 場を展開するイベント事業の「アウトドア事業」、歴史ある建物での飲食事業及び家族の歴史を刻んでい ただけるウェディングを提供する事業の「ブライダル事業」、アメリカ・ハワイ州を中心とした海外進出 事業の「インターナショナル事業」の事業区分にて、2021 年9月末現在で 74 店舗(国内 65 店舗、海外
9店舗)を運営しております。
当社は、2016 年2月上旬、「世界一のエンターテイメント企業グループ」の実現に向けて、ブランドポートフォリオの拡充(新規ブランドの開発及び新規開発ブランドによる新規出店)、仕入面等におけるスケールメリットの追求、優秀な人材の確保、事業領域拡大を目的として、積極的な新規出店、M&A の活用による業容拡大を模索していた株式会社DDホールディングス(当時の株式会社ダイヤモンドダイニング。以下「DDHD」といいます。)から飲食ビルの共同立ち上げや高級ラウンジの共同開発など、資本業務提携による当社との関係強化を視野に含めた検討を行いたい旨の提案がなされました。これに対して、当社は、2016 年2月期中間決算において、xxの天候不順を原因として、ビアガーデン事業を中
心に営業日数が想定を大幅に下回ったこと、及び店舗数の増加に伴う一時的な人材不足が原因で既存店 舗が減収減益となったことを踏まえ、季節的な変動要因を抑え既存店舗の収益の安定性を図りつつ、優 秀な人材を継続的に確保することを課題と認識していたことから、DDHDからの上記提案に応じ、 2016 年7月には、DDHDとの間で、①当社及びDDHDが保有するビジネスノウハウ及び当該ノウハ ウを有する人材を効率的に共有できること、②仕入面におけるスケールメリットが享受可能であること、
③当社及びDDHDが保有するバックオフィス機能を整理して、効率的に共有できることを目的として、 DDHDとの間で資本業務提携契約を締結するとともに、DDHDによる当社株式に対する公開買付け によって、DDHDが所有する当社株式の所有割合は 42%となり、当社はDDHDの持分法適用会社と なりました。さらに、2017 年4月 14 日にはDDHDとの間で本支配関係充足要件を満たす覚書を締結し、当該合意書の効力発生日である 2017 年6月1日付けでDDHDの連結子会社となりました。しかし、当 社及びDDHDは、2020 年3月上旬以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、業績の急激な悪化 により、新たな資金調達の必要性が発生したところ、当社は、DDHDの連結子会社であったことから DDHDグループとして与信確認がなされ、DDHDの業績も急激に悪化していたこともあり、政府を 含めた金融機関からの資金調達が受けられない状態となりました。そして当社は事業存続のため、株式 会社SKYグループインベストメント、xxxxx、xxxx、xxxxx、前田将行氏、xxxxx、xxxxx、xxxxx、xxxxx及びキーコーヒー株式会社に対し、2020 年 11 月 13 日に第三者割
当による新株発行(発行新株式数 511,900 株(普通株式)、調達資金 353,746,700 円)を行いました。当社は、上記のとおり、DDHDに対し、第三者割当増資の引受けを依頼したものの、DDHDはこれを引き受けることができなかったことから、DDHDが所有する当社株式の所有割合が 37%に低下し、当社は、再びDDHDの持分法適用会社になりました。
当社グループは、「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」の経営理念の下、地域の顧客特性や利用形態を鑑み、魅力のあるコンテンツを活かした店づくりにより、街や公園に新たなライフスタイルを提案し、笑顔と文化を生み出す、お店に人が集いそれが波紋のように広がり、やがて街をも変えるエネルギーとなる、そんな街づくりを目指して、これまでに多種多様なブランドを開発し、店づくりを通して、様々な街づくりを進めてきております。当社グループは、上記のとおり今後、中長期的な経営戦略の一つとして、サステナブル戦略(「持続可能な低炭素・脱炭素社会実現への貢献」、「持続可能な資源利用社会実現への貢献」、「人権・労働に配慮した社会実現への貢献」、「持続可能な社会を実現する地域づくりへの貢献」の4つの取り組みテーマを設定し、社会課題の解決を図りながら、持続可能な経営を推進する戦略)に基づく街づくりを掲げており、具体的には、PARK-PFI制度(注)に則った公募案件の獲得等を通じた公園に対する新規事業(飲食店の出店やBBQ 施設の運営等)や、レストラン運営やブライダル事業を通じてや、老朽化した公共施設を再生させる公共施設再開発を強化していくことにより、地域社会に貢献するとともに当社グループの成長を目指しています。
(注)PARK-PFI制度とは、2017 年の都市公園法改正により新たに設けられた、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺のxx、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度」をいいます。民間事業者は、公募案件において事業者として選定された場合、自己が設置する施設から得られる収益を公園整備に還元することを条件に、都市公園法の特例措置がインセンティブとして適用される特徴があります。
しかしながら、当社グループは、「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期(2)調達する資金の具体的な使途」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、非常に打撃を受け、2021 年2月期の連結売上高 4,716 百万円、連結営業損失 1,692 百万円、親会社株主に帰属する当
期純損失 1,251 百万円と大きな赤字を計上する結果となりました。このような状況において、当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化した場合の厳しい経営環境においても今後も安定的に事業を継続できるよう財務的基盤を強化するとともに、喫緊の経営課題に対応し企業価値の維持向上を図るために必要不可欠な資金の調達を目的として、様々な選択肢の検討を開始しました。
まず、当社は、2021 年1月上旬頃より、当社の新株予約権を全株主が保有する株式(当社が保有する 自己株式を除く。)の数に応じて割り当てる、いわゆるライツ・オファリングの実施を検討いたしました。しかしながら、当該手法は当社株主が当社株式を新株予約権の行使により追加で取得することによる資 金調達手法であるため、検討当時の当社の経営成績の状況を踏まえると、必ずしも多くの行使が促進さ れるとも考えられないこと等から、2021 年3月頃に検討を取り下げました。
そこで、当社は、日本政策投資銀行や、現在取引のある金融機関、過去取引のあった金融機関など金融機関からの資金調達を検討し、複数の外部金融機関に打診をいたしましたが、DDHDに対する資本・負債面での依存度のxxx、外食産業における先行き不透明な状況などを理由に、金融機関からの
追加の資金調達を実現することができませんでした。
上記のような金融機関への働きかけと並行して、当社は、2021 年4月上旬頃、割当予定先に対し、資金調達について打診を行いました。割当予定先が飲食業を立ち上げた 2017 年 10 月下旬から、当社と割当予定先の間では、経営テーマに関して議論を行うなど、取締役を中心に交流がありましたが、当社は、かねてより、公園に対する新規事業や公共施設再開発といったサステナブル戦略を推進していくためには、飲食業で培ってきたノウハウを活かしながらも、他業種との連携なども視野に入れながら、飲食業の枠を飛び越える必要があると認識していたことから、割当予定先は資本業務提携の相手先として適切である可能性があるとの判断の下、割当予定先に対し、このような打診を行いました。
割当予定先グループにおいては、飲食事業は、衣食住という言葉に表現されるように、消費者のライフスタイルの中で「食」は「衣」と並んで大きな領域であり、アパレルの枠を超えて生活のあらゆる場面で多様なライフスタイルをお客様に提案するために重要な要素であることから、飲食事業の拡大に向けて、既存の経営資源を利用した現状の延長線上での成長ではなく、他社との提携や M&A による成長の可能性を幅広く検討していたとのことです。そして、割当予定先は、エリアを象徴するような店舗・ブランドづくりを通じて街全体のブランディングを目指している当社グループの動向を 2017 年 10 月下旬より注視していたとのことです。また、割当予定先グループがライフスタイル提案を目指す中で、当社グループのブランドや商品、サービスといったコンテンツは、内装の一つ一つにこだわりを感じさせるクオリティの高い空間デザインを有しているとの評価を行っていたとのことです。また、割当予定先がターゲットとする、日常の洋服に気を配るといった消費行動を持つファッション感度の高い消費者層への訴求力があり、こだわりのある内装から醸し出される空気感も割当予定先ブランドとの親和性が高いとの評価も行っていたとのことです。そのため、割当予定先からは、当社からの資金調達の打診を前向きに検討するとの回答がありました。
そこで、当社は、割当予定先グループと資本及び事業環境の両面での関係を構築し、割当予定先が当社を連結子会社化することは、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく毀損した当社の財務基盤の安定化に資するとともに、飲食業における将来的な事業機会の獲得にもつながると考え、2021 年4月下旬から割当予定先との対話を開始いたしました。
上記 2021 年4月上旬からの割当予定先と当社との間の対話を踏まえ、割当予定先は、2021 年6月上旬から 2021 年7月上旬にかけて、両社合意のもとで、当社に対して、デュー・ディリジェンスを行いました。
そして、割当予定先は、デュー・ディリジェンスを行う中で、当社とは提供する商材こそはアパレルと飲食とで異なるものの、例えば、飲食業でありながらコンセプトを考える高いクリエイティブ能力、具体的には地域の顧客特性や利用形態に鑑み、魅力のあるコンテンツを活かした店づくりを実現するノウハウを有するなど、ブランドマネジメントや事業運営における考え方が近く、また、割当予定先グループと共同で事業に取り組むことで、双方の成長を加速させ、ライフスタイルの提案などの付加価値をこれまで以上に顧客に提供できるとの考えに到ったとのことです。
当該デュー・ディリジェンスの結果を受け、割当予定先は、具体的に公開買付けと第三者割当増資を 組み合わせた取引を行うことを推進することとし、2021 年7月上旬、当社との間で、取引の目的や背景、第三者割当増資と公開買付けを組み合わせて当社を連結子会社とすること及びそのメリット、想定する 公開買付価格について説明を実施する等、当該取引により生じる具体的なメリットや条件についての協 議・交渉を開始しました。なお、割当予定先は、当該デュー・ディリジェンスの結果、当社について、 大きな株式価値の調整の必要性やその他重大なリスクは発見されなかったものの、当社がDDHDより 総額6億円のグループファイナンスを受けていることを認識し、当社の資金繰りが厳しく、追加の資金 調達が必要な状況にあると認識したとのことです。また、割当予定先は、当社の独立性を確保するとと もにDDHDから当社に対して役員の派遣等による経営指導を終了させるために当社とDDHDとの間 で締結された 2021 年2月 26 日付覚書(以下「本覚書」といいます。)において、DDHDの持株比率が
3分の1以下となる新株発行を実施するためには、DDHDの事前の承諾を得なければならないと規定されていたことを認識し、DDHDによる本第三者割当増資の差止請求(仮処分を含みます。)がなされるリスクが一定程度存在することを認識したとのことです。
そして、本覚書において、DDHDの持株比率が3分の1以下となる新株発行を実施するためには、 DDHDの事前の承諾を得なければならないと規定されていたことから、当社は、DDHDの承諾を得られることを前提に、公開買付けと第三者割当増資を組み合わせた取引の検討を進めてまいりました。割当予定先は、2021 年8月上旬より、DDHDと交渉を開始し、第三者割当増資と公開買付けにより当社を連結子会社とすることについて説明を行い、当社が第三者割当増資を行うことについて承諾を求めたとのことです。しかし、DDHDは自社や業界を取り巻く環境が非常に厳しく、様々な経営上の優先
課題があったということもあり、割当予定先の提示した 2021 年9月 21 日までの交渉期限内の回答が難しい状態にあり、割当予定先は、2021 年9月下旬、最終的にこれらの取引に関してDDHDの承諾を得ることができなかったため、2021 年9月下旬、第三者割当の引受けと公開買付けにより当社を連結子会社とすることを取りやめることにしたとのことであり、当社としても、割当予定先に対する第三者割当を一旦白紙に戻すことといたしました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が長期化する中、当社においては、2022 年2月期第2四半期においては、連結売上高 1,973 百万円、連結営業損失 790 百万円となり、連結営業損失の額
は 2021 年2月期第2四半期よりは圧縮されたものの、依然として「3.調達する資金の額、使途及び支 出予定時期(2)調達する資金の具体的な使途」に記載のとおり、資金調達をする必要があり、加えて、当社は、2021 年8月中旬には、DDHDから 2021 年9月末日を返済期限とする総額6億円のグループ ファイナンス(以下「本借入れ」といいます。)について返済計画の提示を求められました。そこで、当 社は、再度、複数の金融機関に追加の借入について打診をいたしましたが、従前と同様の理由、すなわ ちDDHDに対する資本・負債面での依存度のxxx、外食産業における先行き不透明な状況などを理 由に、金融機関から追加資金調達を実現することができませんでした。
そこで、当社は、3分の1を超える持株比率の維持を希望するDDHDの意向を踏まえると、資本業務提携関係にあるDDHDから直接の支援を受けるほかないと判断し、DDHDに対し、資金支援を要請しました。
具体的には、当社は、DDHDに対し、本借入れについて弁済期限の延長を求めました。しかし、D DHDから弁済期限の延長について同意を得られないまま、弁済期限である 2021 年9月 30 日を徒過いたしました。その後、当社は、継続的に弁済期限の延長を求めDDHDと協議を行い、2021 年 11 月8日、改めて、DDHDに対して、本借入れについて返済期限の延長を求めるとともに、運転資金として2億円、名古屋市xxxの指定管理者としての事業費用として2億円、公園等への新規出店費用として3億円の合計7億円について貸付けまたは当社普通株式の引受けによる資金提供を依頼するとともに、DD HDにおいてこれに対応することができないとの判断に至った場合には、当社がこれら資金について第三者から新規の時価による募集株式の発行を含む手段により調達することを承諾してもらいたいと依頼し、これらの依頼について 2021 年 11 月 23 日までに対応の可否についてお知らせいただけるよう要請し
ました。これに対し、DDHDからは、2021 年 11 月 22 日付けで、当社に対し、書面により、2027 年 10月末までの事業計画及び資金繰り計画の提示の要請、当社の資金繰り計画に関する質問及び当社の資金需要を否定する指摘がありました。当社は、これに対し、2021 年 11 月 25 日付けで、DDHDに対し、書面により、当社においては 2023 年2月末までの目標及び資金資金繰り計画のみ立案しており、2023 年
3月以降についてはコロナ禍の影響からキャッシュフローについて見通しを立てられる状況になく、事業計画及び資金繰りも作成できていないこと、及びDDHDからの資金繰り計画に関する質問に対する回答を通知いたしました。これに対し、DDHDからは、2021 年 12 月2日付けで、当社に対し、書面により、再度、2027 年 10 月末までの事業計画及び資金繰り計画の提示の要請、当社の資金繰り計画に関する質問及び当社の資金需要を否定する指摘がありました。これに対し、当社からは、2021 年 12 月6日付けで、2023 年3月以降について事業計画及び資金繰りを作成できない理由、DDHDからの資金繰り計画に関する質問に対する回答、及び金融機関からDDHDからの本借入れについて期限の利益を喪失したままの状況が 2021 年 12 月 30 日以降も継続する場合には同金融機関が貸し付けている資金も引き上げ
ざるを得ない旨の連絡を受けている旨を通知いたしました。その後、当社は、2021 年 12 月 13 日、DD HDの経理担当者から、「グループファイナンス資料送付の件」との件名で、「今回の期間は3ヶ月と聞いております。」「保留となっていた 11 月分、12 月分も含め返済予定表を作成しましたのでご確認ください。契約書面は追って作成しますのでひとまずご確認のみお願いします。」と記載された当社の経理担当者宛てのメールを受領しました。この点、当該メールの正確な趣旨は不明であるものの、件名に「グループファイナンス資料送付の件」との記載があること、返済予定表が添付されていたこと、「今回の期間は3ヶ月と聞いております。」との記載があることから、当該メールは、本借入れの返済期限を 2022 年
3月末日まで延長する意思を示している可能性があると考えられました。しかし、当社は、当該メール がDDHDの取締役ではない従業員から対象者の取締役ではない従業員に送付されたものであったこと 及び返済期限延長に係る契約書面が送付されてきておらず、本借入れの返済期限の延長についてのDD HDの意思が明確ではないことから、上記メールによって本借入れの返済期限の延長にかかる承諾が あったとは評価できないと判断し、本日現在、DDHDからは、未だ、資金支援に対する応諾が得られ たと評価できず、また第三者から資金を調達することについての承諾も得られていないと考えておりま す。また、仮に本借入れについて特段の条件なしに 2022 年3月末日まで返済期限が延長されたとしても、
当社が 2022 年3月末日において本借入れを弁済できる見込みはないこと、並びにDDHDからは運転資
金、PARK-PFI 制度公募案件対応等費用及び新規出店費用については何ら資金支援の提案が行われていな いことから、当社としては、DDHDに対し、上記メールの正確な趣旨について、DDHDに対して確 認する必要はないと判断したうえ、当社は、本第三者割当増資を行う必要があると判断しました。さら に、当社は、本覚書に基づき、DDHDの持株比率が3分の1以下となる新株発行を実施するためには、 DDHDの事前の承諾を得なければならないところ、当該承諾を得ずに当該資金を調達するため本第三 者割当増資を行った場合には、仮に前記のDDHDの対象者に対する 2022 年3月末日までのグループ ファイナンスの返済期限の延長の打診があったとしても、当該打診は撤回され、逆に、DDHDから本 借入れの返済を求められる可能性が高いと判断しました。
上記のようなDDHDとの協議において、当社は、2021 年 10 月中旬、DDHDからはこれ以上の資金支援は得られない可能性が高いと判断し、かつ本借入れについても返済期限を徒過した状況が継続していたため、「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期(2)調達する資金の具体的な使途」に記載した資金需要を満たすため、DDHD以外の第三者から支援を受ける準備もする必要があると判断し、割当予定先に対する第三者割当増資を行うことを再度検討し、改めて割当予定先と協議・交渉を行いました。当該協議・交渉の中で、両社は、2021 年7月上旬に割当予定先が検討していた、第三者割当増資と公開買付けを組み合わせて割当予定先が当社を連結子会社とすることの可能性も含めた検討を行いました。当社は、割当予定先との協議・交渉を通じて、割当予定先グループと当社グループが共同することによって得られるシナジー効果を慎重に検討し、2021 年 11 月下旬に、以下のようなシナジー効果が見込まれると判断いたしました。
・新たなプロモーションの展開
従来、当社は、ぐるなび、食べログ等の他社のグルメ媒体からの集客をメインとしておりましたが、このような他社媒体を通じた集客においては、他社に対する手数料の支払が発生するほか、リピーター醸成の効果が低いという問題点がありました。そこで、当社としては、いわゆるオウンドメディア(自社公式ウェブサイト、SNS アカウント、会員制度、自社ポイントシステム等)を通じた集客を可能とすることを目標として掲げておりましたが、このようなオウンドメディアの構築にはかなりの投資とノウハウが必要となります。割当予定先は、アパレル事業者として、自社イーコマースサイトとして「.st」を保有しておりますが、この顧客会員は 1,270 万人であり、これは、アパレル企業のイーコマースサイトとしては、民間の調査会社が行った調査結果によれば、有数の規模であります。割当予定先が保有する各ブランドも、例えば、割当予定先グループの代表的なブランドの一つである「ローリーズファーム」はインスタグラム公式アカウントのフォロワー数が 65 万人を超えるなど、それぞれ、SNS アカウントにおいて強いプロモーション力を有しております。
そこで、このような割当予定先のオウンドメディアを通じたプロモ―ション活動を当社においても展開することにより、当社は、割当予定先が 1,270 万人の顧客会員を有することから即時の投資を必要とすることなく、より費用対効果の高い集客を実現することが可能となります。オウンドメディアを通じた集客となれば、当社の概算では、数千万円以上のプロモーション費用が不要となります。
また、アパレル事業者である割当予定先は、オウンドメディアを通じた強力なプロモーション活動について豊富な経験とナレッジを有しており、事業提携を通じて新たなプロモーションスキルを獲得することは、当社の集客戦略の強化に大いに役立つものと考えます。
・ブランド強化及びライフスタイル提案
当社は、ハワイアンカルチャーをベースとしたライフスタイルを提唱するカフェ&ダイニング事業として、「アロハテーブル事業」を展開しています。このようなライフスタイル提案型の店舗については、世界観を構築し、ブランドのファンを増やすことによりブランド価値を高めることが重要となるため、ブランド名を冠したアイテム(食器、被服等)の製造・販売は、かねてより当社が企画していたものでした。
割当予定先は、アパレル企業として、企画、製造、物流、販売のすべてを行っており、トレンドや売れ筋、客層を把握した上でのマーケットインでの企画を得意としております。雑貨についても、複数のブランドに対応できる企画・製造の部隊を有しており、当社が他社に外注するよりも、割当予定先グループ内で企画・製造することで競争力のある高品質のアイテムを製造することが可能です。
割当予定先との協業により、当社の各事業のブランド力の強化を図ることが可能となり、ライフスタイル提案をより積極的に推進するために食器や被服等の商品販売を行うという当社が目指す戦略を実現することが可能となります。
・海外進出の加速化
当社は、アメリカ・ハワイ州に ZETTON,INC.を設立し、海外進出を実現しておりますが、アジアには拠点を有しておりません。割当予定先は、中国、台湾、香港、米国本土に既に拠点を有しており、コロナ禍においても中国・台湾の売上が堅調であったことから、2022 年2月期の中間期の海外売上高は5,937 百万円(前年同期比 126.8%)を達成しております。当社は、中国への進出は、アジアにおいて事業展開を行った経験がないため信頼できる現地パートナーの選定等の課題をクリアすることが難しいとの判断からこれまで具体化できておりませんでしたが、割当予定先は、中国・上海に大型の店舗を複数有しており、中でも最大規模の店舗ではフードコートも運営しており、飲食業の原材料の調達のための事業基盤も有しております。そのため、当社においても、割当予定先と協業することにより、中国を含むアジア各国への進出を加速させることが可能となります。
・商業施設との交渉力強化
割当予定先は、国内の商業施設に合計で 1,378 店舗を保有しており、国内有数の売上のアパレル事業者であることから、規模の経済によって、大型商業施設に対する強い交渉力を有しているとのことです。今後、当社においても、割当予定先のパイプを活用することにより、賃料の面などでより好条件での出店が可能となると考えております。
他方、割当予定先グループは、近年の SNS の浸透や消費者のデザイン志向の高まりに対応し、ファッションの可能性を広げながらビジネス構造を進化させ、アパレルにとどまらないファッション性のある商品やサービスを生活のあらゆる場面で提供することで、成長戦略である「お客さまの拡張」及び「提供価値の拡張」の実現を目指しているとのことです。特に新型コロナウイルス収束後の社会において、コロナ禍で減少した外出の機会の創出や、人々が集う目的になる「場」の提供を通じて、「楽しいライフスタイル」への需要を再喚起することは、割当予定先グループの成長戦略にとって重要であると考えているとのことです。そのために、当社グループが保有するアロハテーブル事業やダイニング事業、アウトドア事業、ブライダル事業、インターナショナル事業等の魅力的なコンテンツを獲得することは、割当予定先グループとしてアパレルの枠を超えて多様なライフスタイルをお客様に提案するために重要な要素であると考えるに至ったとのことです。
これらを踏まえ、割当予定先は、当社とより強固な関係を築くことにより、両社の将来的な事業機会の獲得につながるという考えを改めて確認し、本第三者割当増資に本公開買付けを組み合わせた本取引を当社に提案したとのことです。かかる提案において、割当予定先は、当社の連結子会社化という目的を達成するため、本第三者割当増資と本公開買付けを同時に実施するのではなく、割当予定先が本第三者割当増資を適法かつ有効に引き受け、本第三者割当増資に係る払込を完了したことを、本公開買付け開始の前提条件とするという本取引のストラクチャーを提案したとのことです。
以上のとおり、資本業務提携を通じて割当予定先グループと当社グループが協同することとなった場合には、一定のシナジー効果が見込まれ、当社の企業価値の維持向上が図られ、株主共同の利益に資すると考えられます。さらに、当社においては、本第三者割当増資の結果、「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期(2)調達する資金の具体的な使途」に記載した資金需要を満たすことができます。
なお、上記のとおり、当社は、2021 年 11 月8日以降、DDHDに対し、直接の資金支援を求めるとともに、DDHDにおいてこれに対応することができないとの判断に至った場合には、当社がこれら資金について第三者から新規の時価による募集株式の発行を含む手段により調達することを承諾してもらいたいと依頼してきましたが、2021 年 12 月 14 日の時点で、DDHDからは、未だ、資金支援に対する応諾も、また第三者から資金を調達することについての承諾も得られておりません。しかし、当社においては、金融機関から、DDHDからの本借入れについて期限の利益を喪失したままの状況が 2021 年 12 月
30 日以降も継続する場合には同金融機関が貸し付けている資金も引き上げざるを得ない旨の連絡を受けており、そうなった場合には当社が事業を継続できなくなるリスクも発生することから、本借入れの弁済資金を 2021 年 12 月中に調達することは当社の企業価値を維持するために極めて重要であると判断しました。また、当社は、祝田法律事務所から、本件の具体的な経緯に鑑みれば、当社が本第三者割当増資を実行したとしても本覚書に違反することとはならないと解することには十分な合理性があり、その実行は当社取締役の善管注意義務違反には当たらないと解される旨の助言を受けました。その内容は以下のとおりです。
・本第三者割当増資の実行が本覚書に違反しないと解することには、十分な合理性があること
①本覚書は、DDHDの持株比率が3分の1以下となる新株発行等が行われる場合、当社はDDHD の事前の承諾を得なければならないと規定するが(いわゆる拒絶権)、本覚書の当事者の意図に照らして、当該拒絶権の行使は、当社の自主的で機動的な経営が尊重されることを前提とすると解されること、②
本第三者割当増資の資金使途は、当社とDDHDとの業務提携による両社の企業価値・株主価値の向上 という本覚書の趣旨に反するものではないこと及び③本第三者割当増資を行うことができなければ当社 は大きな不利益を被り、当社の事業に重大な悪影響が生じることが予想されること等に照らせば、DD HDが本第三者割当増資による新株発行を承認しないことは、本覚書締結当時の当事者の意思に照らし、想定の範囲内のものとはいえない。
また、本第三者割当増資によってDDHDの当社株式に係る持株比率は3分の1以下まで低下し、D DHDは当社株主総会において特別決議が必要な議案に対する拒否権を失うこととなるが、本第三者割 当増資によっても、DDHDが当社の筆頭株主であり、当社がDDHDの持分法適用関連会社であるこ とに変わりはなく、DDHDは依然として当社に対する一定の影響力を有することとなる。また、本第 三者割当増資が有利発行に当たらないことを前提とすれば、これによってDDHDが保有する当社株式 の価値が大きく毀損されるとはいえず、また、本第三者割当増資によって調達される資金の一部は、既 に履行遅滞となっている当社のDDHDに対する借入金の返済に充当されるものであることからすると、本第三者割当増資はDDHDの企業価値・株主価値を必ずしも毀損するものではない。さらに、当社は、本第三者割当増資の意思決定に先立ち、DDHDに対し、上記借入金の弁済期限の延長及び合計 7 億円の 資金拠出を依頼しており、DDHDはこれに応じることによって自らの持株比率を維持することができ たにもかかわらず、この依頼を拒絶している。なお、2021 年 12 月 13 日、DDHDの経理担当者から当 社の経理担当者に対して、「グループファイナンス資料送付の件」との件名で、「今回の期間は3ヶ月と 聞いております。」「保留となっていた 11 月分、12 月分も含め返済予定表を作成しましたのでご確認くだ さい。契約書面は追って作成しますのでひとまずご確認のみお願いします。」との連絡がメールで行われ た。しかし、当該メールがDDHDの取締役ではない従業員から対象者の取締役ではない従業員に送付 されたものであったこと及び返済期限延長に係る契約書面が送付されてきておらず、本借入れの返済期 限の延長についてのDDHDの意思が明確ではないことから、これをもって、DDHDが当社に対し、 当社が要請した借入金の弁済期限の延長に応じたものと評価することはできない。また、仮に本借入れ について特段の条件なしに 2022 年3月末日まで弁済期が延長されたとしても、当社が 2022 年3月末日に おいて本借入れを弁済できる見込みはない。そして、当社は、本第三者割当増資による資金調達を行わ なければ、新型コロナウイルスの感染拡大の第6波が到来し、各自治体から休業・営業時間短縮等の要 請を受けることを前提としたとき、2023 年2月期末までに当社の資金がショートするおそれがあり、ま た、当社において名古屋市に対して既に実施することを約定している工事を実施することができずに債 務不履行責任を負い、PARK-PFI制度公募案件における指定管理者に選定される予定の事業者と の関係を構築することができなくなるなど、今後の受注に向けた営業活動という観点からも、経営戦略 の遂行に大きな支障をきたすことになり、本第三者割当増資を行う必要性は非常に高く、DDHDがこ れを承認しないことによって当社が受ける不利益は極めて大きい上、その不利益は、当社の一般株主、 従業員、取引先等の利害関係者も被ることになる。
以上のような本件の具体的状況に鑑みれば、当社がDDHDの持株比率が3分の1以下となる本第三者割当増資をDDHDの承諾なく行ったとしても、本覚書に違反しないと解することには十分な合理性がある。
・本第三者割当増資を実行することは、取締役が当社に対して負う善管注意義務に違反しないと解されること。
当社は、2021 年9月 24 日以降、9回の取締役会において第三者割当増資のメリット及びデメリットを比較検討した。その結果、当社の企業価値の維持・向上を図るため、第三者割当増資によって資金を調達する必要性は高く、また、アダストリアグループとの資本業務提携によって一定のシナジー効果が見込まれると判断し、これらによる当社の企業価値の維持・向上のメリットは、本第三者割当増資が本覚書に違反するとの解釈を前提とした場合に当社に生じ得るデメリットを上回ると分析している。
また、当社は本第三者割当増資を行うに当たって、当社から独立した第三者委員会を組成し、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を求めており、当該第三者委員会から、本第三者割当増資による資金調達は必要かつ相当なものであり、本第三者割当増資のメリットは、そのデメリットを上回るという当社の判断は不合理といえない旨の答申を得られる見込みである。
さらに、当社は、2021 年9月以降、DDHDに対し、本借入れの弁済期限の延長を求めたがDDHDはこれに応じず、また、当社は、同年 11 月9日以降、書面でDDHDに対し、本件資金需要の具体的内容を説明するとともに、それを満たすための本件借入金の弁済期限の延長及び貸付け又は新株の引受けによる合計7億円の拠出を依頼し、DDHDにおいてこれに対応することができないとの判断に至った場合には、当社がこれら資金について第三者から新規の時価による募集株式の発行を含む手段により調達することを承諾してもらいたいと依頼し、同社との間で協議を重ねた。しかし、DDHDは本件資金
需要の根拠が明らかでないなどとして、上記のいずれの依頼にも応じなかった。
これらの経緯からすれば、当社は、自らの資金調達が本件覚書に違反する事態とならないよう合理的に可能な限り努めた上で、やむを得ず、本第三者割当増資の実行を決定したということができる。
以上のことからすると、本第三者割当増資を行うに至った当社の判断過程に著しく不合理な点は見当たらない。
また、上述のとおり、本第三者割当増資を行う必要性は非常に高く、当社と割当予定先との資本業務提携によって一定のシナジー効果が見込まれることからすれば、本第三者割当増資を行うことによって損失を上回るメリットを得られると合理的に考えられるため、本第三者割当増資を行うとの判断の内容が著しく不合理であるということもできない。
以上のことから、本第三者割当増資の実行について、当社の取締役による判断の過程、内容に著しく不合理な点があるとはいえず、本第三者割当増資を実行することは、当社取締役が当社に対して負う善管注意義務に違反しないものと解される。
当社は、上記のようなDDHDとの交渉の経緯及び祝田法律事務所からの助言を踏まえ、DDHDの承諾を得ずに本第三者割当増資を行ったとしても、本覚書違反を構成しないと解釈することが可能であると判断し、上記割当先からの公開買付及び本第三者割当増資にかかるストラクチャーの提案を応諾しました。
このような経緯及び割当予定先グループと当社グループのシナジー効果並びに割当予定先との協議・交渉を経て、当社は、有価証券届出書の効力の発生を条件として、本第三者割当増資により当社普通株式を発行し、割当予定先に割り当てることを決議しました。
なお、当社は、2021 年 12 月 14 日付けで、割当予定先との間で、資本業務提携契約を締結いたしました。その概要等につきましては、後記「Ⅱ.本資本業務提携契約について」の「2.資本業務提携の内容等」をご参照ください。
3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
① | 払 込 金 額 の 総 額 | 1,292,255,800 円 |
② | 発 行 諸 費 用 の 概 算 額 | 11,200,000 円 |
③ | 差 引 手 取 概 算 額 | 1,281,055,800 円 |
(注)1 発行諸費用の概算額には、消費税は含まれておりません。
(注)2 発行諸費用の概算額の内訳は、有価証券届出書等の書類作成費用、弁護士費用、アドバイザリー費用及び変更登記費用等となります。
(2)調達する資金の具体的な使途
上記の差引手取概算額(1,281,055,800 円)については、①運転資金、②PARK-PFI制度公募案件対応等費用、③新規出店費用、④DDHDからの借入金(運転資金を資金使途として借り入れたもの)の返済に充当する予定です。充当の優先順位は、④、①、②、③となります。
なお、当社が 2020 年 11 月 13 日付けで行った当社普通株式の第三者割当増資においては、調達する資金
の具体的な使途について、うち 312 万円を新型コロナウイルス感染症による経営悪化に備える為の運転資金、40 百万円を新規物件獲得及びその設備投資の為の資金とする予定でしたが、新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響が想定よりも長期化した結果、全額を運転資金に充当いたしました。
具体的な使途及び支出予定時期につきましては、以下のとおりです。
具体的な使途 | 金 額 (百万円) | 支出予定時期 | |
① | 運転資金 | 156 | 2022 年1月~2023 年2月 |
② | PARK-PFI制度公募案件対応等費用 | 453 | 2021 年 12 月~2022 年4月 |
③ | 新規出店費用 | 50 | 2022 年1月~2023 年2月 |
④ | DDHDからの借入金返済及び遅延損害金 | 622 | 2022 年1月 |
合計 | 1,281 |
(注)1 調達資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。
2 今後資金の使途又は金額に変更があった場合には、速やかに開示・公表いたします。
当社は、「アロハテーブル事業」、「ダイニング事業」、「アウトドア事業」、「ブライダル事業」、「インターナショナル事業」の事業区分にて、2021年9月末現在で74店舗(国内65店舗、海外9店舗)を運営しております。
当社は、2020年2月期には、連結売上高10,284百万円と過去最高売上高を達成し、利益面におきましても連結営業利益467百万円、親会社株主に帰属する当期純利益345百万円と過去最高利益を達成しており、その時点までは、企業価値向上に向けて順調に経営を進めてまいりました。
しかしながら、2020年3月以降は、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大、これに対応するための政府からの緊急事態宣言の発出及び各自治体からの休業要請・営業時間短縮等の要請の影響を受けた外食需要の急減により、当社事業は非常に大きな打撃を受け、2021年2月期においては、連結売上高4,716百万円(前期比54.1%減)、連結営業損失1,692百万円、親会社株主に帰属す当期純損失1,251百万円と大きな赤字を計上する結果となりました。
当社は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、事業継続を第一目標として掲げ、各店舗における営業を最小限に留め、雇用調整助成金による休業補償により人員を確保しつつ人件費を抑制し、賃料交渉や広告媒体の見直しを図りました。2020年4月から6月の期間については、役員報酬についても減額いたしました。2020年10月には、新株式の発行により354,746,700円の資金調達を行いました。また、DDHDより受けている総額6億円のグループファイナンスについては短期的ではありますがロールオーバーを受け(具体的には、2021年8月31日までは2ヶ月又は3ヶ月毎の、その後は2021年9月30日まで1ヶ月のロールオーバーを受けました。)、さらに外部金融機関から追加の借入(借入金額:350,000,000円)を行いました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は長期化し、2022年2月期第2四半期においては、連結売上高はコロナ禍であった前年同期比の17.6%減となる1,973百万円に留まり、連結営業損失としても790百万円を計上し、自己資本比率は2021年2月期末時点より多少改善されたものの5.8%に留まっております。その結果、当社が2019年に公表した中期事業計画「zetton VISION 19to23」は、残念ながら、現時点で大きく未達となっております。
飲食業界におきましては、今後の第6波に対する懸念、大手企業の出社率が依然として回復しな
いことによるビジネス需要の低迷等、引き続き、先行き不透明な状況が継続しております。現時点においては、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、2021年8月時点の数と比較すると大きく減少していますが、欧米においては、新規感染者数の大幅な増加が報告されており、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部も、新型コロナウイルスの感染状況は、足元では下降傾向にあるものの、将来の感染の再拡大の可能性に備え、最大限警戒していく必要があると指摘しています。以上より、当社は、今後も引き続き当社が厳しい経営環境に置かれ続ける可能性は全く排除されていないと判断しております。
当社は、このような状況において、第28期(2023年2月期)末までに新型コロナウイルス感染症流行の第6波が到来する可能性があると判断して、その場合でも安定的に事業を継続できるような財務的基盤を保持しつつ、同時に、企業価値の維持向上を図ることこそ株主共同の利益に資するとの考えから、中期事業計画「zetton VISION 19to23」で掲げた目標数値にいち早く軌道を修正し、新型コロナウイルス感染症の流行が収束した後の第29期(2023年3月1日から2024年2月末まで)以降の再成長を図るため、「zetton VISION 19to23」で予定されていたPARK-PFI制度に則った公募案件(以下「PARK-PFI公募案件」といいます。)の新規運営数及び新規出店数にできる限り近づけることを目的とする2023年2月期目標を策定し、第28期中に同目標に従ってPARK
-PFI公募案件の新規獲得又は運営開始及び新規出店を計画しました。この2023年2月期目標に おいては、PARK-PFI公募案件を獲得し、またドミナント出店戦略の対象エリアに2店舗を 新規出店することにより、売上及び営業利益の額を「zetton VISION 19to23」で掲げた目標数値に 近づけることを想定しています。そして、これに則って、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に よる影響が長期化した場合の厳しい経営環境においても今後も安定的に事業を継続できるよう財務 的基盤を強化するとともに、喫緊の経営課題に対応し企業価値の維持向上を図ることを目的として、本第三者割当増資により調達する資金を、以下に充当することといたしました。
① 運転資金(156 百万円)
新型コロナウイルス感染症の影響で大きく毀損した財務基盤の安定化は、当社において喫緊の課題といえます。
これまで、政府からの緊急事態宣言の発出及び各自治体からの休業要請・営業時間短縮等の要請
があった場合には、当社を含む外食産業の事業者に対して各自治体より感染拡大防止金による支援が行われましたが、この感染拡大防止金の入金される時期は、休業・営業時間短縮等の期間の開始日から記載して最大5ヶ月後になっておりました。これを踏まえて、当社が現在立てている第 28 期(2022 年3月~2023 年2月)末までの資金繰り計画(第6波等が到来し、それに伴い緊急事態宣言等が発令され、各自治体から営業時間短縮や酒類提供の規制を受けることがあったとしても事業継続が図れるもの)においては、第 28 期末までに当社資金がショートするおそれがあるため、これを避けるため、本第三者割当増資による調達資金のうち、156 百万円を、第 28 期末までの運転資金に充当することといたしました。具体的には、食材費・飲材費等の原価、人件費、店舗家賃等の販管費、外部金融機関に弁済する元利金に充当する予定です。
② PARK-PFI公募案件対応等費用(453 百万円)
当社は、「持続可能な社会を実現する地域づくりへの貢献」を取組むべきテーマの一つとして掲げており、具体的には、都市公園を中心とする公共施設の再生・活性化を通じた商品開発を展開しており、各自治体からPARK-PFI制度に則った公募案件を獲得することを重要な経営戦略の一つとして位置付けております。代表的なところでは、当社は、2018 年9月には東京都内の 80 万平米もの広大で自然あふれる都市公園「葛西臨海公園」の開発プロジェクトにおいて公園内の飲食店事業者に選定され、2010 年2月からは、大阪市中央公会堂に隣接し都市の憩い場として愛される「中之島公園」の再開発事業へも参画しております。
PARK-PFI制度とは、2017 年の都市公園法改正により新たに設けられた、飲食店、売店 等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活 用してその周辺の園路、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を 一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度」をいいます。民間事業者は、公募 案件において事業者として選定された場合、自己が設置する施設から得られる収益を公園整備に 還元することを条件に、都市公園法の特例措置がインセンティブとして適用される特徴がありま す。PARK-PFI制度に則った公募案件は近時増加しておりますが、これらの公募設置等計 画の有効期間は最長 20 年とされており、事業者として選定された場合には、長期的な事業運営を 前提として優良な投資を積極的に行うことが可能となり、当社が創業時から掲げる「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」という企業理念にマッチするレストラン施設等の運営が可能 となります。
当社は、他2法人と共同して「徳川の杜グループ」というコンソーシアムを形成し、PARK
-PFI制度を活用した名古屋市徳川園の管理運営事業の公募に申請し、「名古屋市緑政土木局公園施設整備等事業者選定委員会」での選考を経て、名古屋市との間で、2021 年9月 30 日付で徳川園管理運営事業実施協定書(以下「実施協定書」といいます。)を締結しております。当社はこれまで、徳川園の指定管理者であった公益財団法人みどりの協会から業務委託を受け、レストラン・カフェ運営を行ってきた傍ら、名古屋市が徳川園内に所有し、公益財団法人みどりの協会が管理するガーデンホールを一時的に使用してブライダルパーティーなどを開催してまいりましたが、2022 年4月からは、PARK-PFI制度を活用した管理運営に切り替わることに伴い、コンソーシアムグループである徳川の杜グループの一員として、名古屋市との間で締結した実施協定書に基づき、名古屋市に対し、実施協定書に従って、2022 年 4 月から 7 月にかけて公募対象公園施設及び特定公園施設の各整備工事を行い、実施協定書所定の事業(以下「徳川園管理運営事業」といいます。)を実施することを約定しており、公募対象公園施設のレストラン・カフェの運営のみならず、特定公園施設の整備にも携わることとなります。具体的には、当社は、特定公園施設の整備工事の費用として約 50 百万円、公募対象公園施設のガーデンホール・レストランの施
設改修工事の費用として約 180 百万円の支出を見込んでおります。これらの工事は、当社が名古屋
市に対して既に実施することを約定しているものであり、また、これらの工事は 2022 年7月まで
に完了させることが実施協定書において定められているため、当社は、遅くとも 2022 年3月まで
に、合計 230 百万円を調達する必要があります。
そこで、当社は、本第三者割当増資による調達する資金のうち 230 百万円を、徳川園関連の事業費用に充当する予定です。
その他、当社は、PARK-PFI制度に則った公募案件について、応募を前提に他の事業者とコンソーシアムの組成に入っているもの及び指定管理者から事業委託される見込みのものが合計で4案件(以下「本件公園案件」といいます。)あります。これら本件公園案件は、営業形態の自由度が高い事業プロジェクトであり、かつ当社のドミナント出店戦略の対象エリアに所在する
都市公園に係る案件であることから、当社は、成功案件である葛西臨海公園再開発プロジェクトの次なるプロジェクトとして位置付けており、その獲得は、当社の企業価値の維持向上のために極めて重要であると考えており、第 28 期(2023 年2月期)目標においても、本件公園案件を 2022年4月までに獲得できることを売上達成の前提としております。また、現在、大型のPARK- PFI制度に則った公募案件においては、資本力の強い大企業が指定管理者となることが多く、本件公園案件の受注を通じて指定管理者に選定される予定の事業者と強固な関係性を構築することは、今後の受注に向けた営業活動という観点からも、非常に重要であると考えております。
当社は、本件公園案件をそれぞれ獲得した場合の施設の改装等の事業費用として、合計 223 百万円の支出を見込んでおります。
本件公園案件は、いずれも、指定管理者からの業務の受託が確定し、又は当社が認定計画提出 者になることが確定したものではありませんが、設備投資に必要な事業費用を確保できることは、当社が本件公園案件を受注するにあたり必須の前提といえ、当社がこれらの事業費用を確保する ことができず、資金不足を理由に業務受託の協議又は公募の応募を中断し、又は設置等予定者と して選定を受けた後に共同事業体から離脱した場合、当社は、本件公園案件の獲得により見込ま れる利益を失い、第 28 期(2023 年2月期)目標の達成が不可能となる上、他社の当社に対する信 頼を著しくき損し、かつ、また本件公園案件の指定管理者に選定される予定の事業者との関係を 構築することができず、PARK-PFI制度に則った公募案件を獲得するとの経営戦略の遂行 に大きな支障を来すことになります。
そこで、当社は、本第三者割当増資による調達資金のうち 223 百万円を、本件公園案件の事業費用に充当する予定です。
以上より、当社は、本第三者割当増資による調達資金のうち 453 百万円を、PARK-PFI公募案件対応等費用に充当することといたしました。
③ 新規出店費用(50 百万円)
当社が2019年に公表した中期事業計画「zetton VISION 19to23」は、残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響により現時点で大きく未達となっております。しかしながら、当社は、現在、厳しい事業環境の中で同業他社の退店が加速している環境は、よりよい物件に、よりよい賃料条件等で入居することが可能となる新規物件獲得の機会であるとも捉えており、当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく落ち込んだ収益力を早期に回復する観点から、第28期(2023年2月期)中に、当社の得意とするアロハテーブルの業態の店舗につき、ドミナント出店戦略の対象エリアに2店舗を新規出店することを目標としています。これら2店舗の出店は、第28期(2023年2月期)の数値目標においても、売上達成の前提としております。
そこで、当社は、本第三者割当増資によって調達資金のうち50百万円を、新規出店費用に充当することといたしました。
④ DDHDからの借入金及び遅延損害金返済(622 百万円)
当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に起因した、売上高低迷が継続する状況において、運転資金を補完することを目的に、2021 年9月末日を返済期限として、DDHDより総額6億円の グループファイナンスを受けております。しかし、当社は、DDHDから借入資金の長期化につい て合意を得られなかったことから、本第三者割当増資によって調達する資金のうち、6億円をDD HDからのグループファイナンス返済資金に、22 百万円を遅延損害金に充当いたします。よって、 調達する資金のうち、622 百万円をDDHDからのグループファイナンス返済資金として充当いたし ます。
なお、当社は、DDHDに対し、本第三者割当増資により調達した資金をもって、直ちに、DD HDに対し 622 百万円を弁済する予定です。
なお、当社が2020年11月13日付けで行った当社普通株式の第三者割当増資においては、調達する資金の具体的な使途について、うち312百万円を新型コロナウイルス感染症による経営悪化に備える為の運転資金、40百万円を新規物件獲得及びその設備投資の為の資金とする予定でしたが、新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響が想定よりも長期化した結果、以下のとおり使途を変更し、全額を運転資金に充当いたしました。
(変更前)
具体的な使途 | 金 額(百万円) | 支出予定時期 |
新型コロナウイルス感染症による経営悪化 に備える為の運転資金 | 312 | 2020年12月~2021年4月 |
新規物件獲得及びその設備投資の為の資金 | 40 | 2020年12月~2021年4月 |
(変更後)
具体的な使途 | 金 額(百万円) | 支出予定時期 |
新型コロナウイルス感染症による経営悪化 に備える為の運転資金 | 352 | 2020年12月~2021年4月 |
(注)変更箇所は下線を付して表示しております。
4. 資金使途の合理性に関する考え方
上記「2.募集の目的及び理由」の「(1)本第三者割当増資の目的及び理由」に記載のとおり、今回の調達資金を上記「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期」の「(2)調達する資金の具体的な使途」に記載する使途に充当し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化する懸念のある中においても、今後も安定的に事業を継続できるような財務的基盤を保持しつつ、PARK-PF I公募案件の獲得及び2店舗の新規出店により企業価値の維持向上を図ることこそ株主価値の最大化に資するものと当社は判断しております。したがって、上記「3.(2)調達する資金の具体的な使途」に記載した資金使途には合理性があると判断しております。
5.発行条件等の合理性
(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容
本第三者割当増資における払込金額(以下「本払込金額」といいます。)につきましては、割当予定先と協議の上、募集株式1株あたり金 797 円といたしました。本第三者割当増資の公表日の前営業日で
ある 2021 年 12 月 13 日の当社株式の名古屋証券取引所セントレックスにおける終値 885 円に対して
9.94%(小数点以下第三位を四捨五入しております。本段落において以下同じです。)、同日までの過去
1ヶ月間の終値単純平均値 856 円(小数点以下を四捨五入しております。本段落において以下じです。)に対して 6.89%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値 829 円に対して 3.86%、同日までの過去
6ヶ月間の終値単純平均値 798 円に対して 0.13%のディスカウントをそれぞれ加えた価格となります。
日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(2010 年4月1日付)(以下「日証協指針」という。)では、第三者割当による株式の発行を行う場合、その払込金額は、原則として取締役会決議 日の直前営業日の株価に 0.9 を乗じた額以上の価額であることが要請されているところ、当社は、本払
込金額は当該指針に準拠するものであり、会社法第 199 条第3項に規定されている「特に有利な金額」に該当しないものと判断しております。
なお、当社は、祝田法律事務所から、本払込金額が「特に有利な金額」に該当しないことについて、以下の概要の意見を得ております。
・公開買付価格は、既存の株主が公開買付けに応募するインセンティブとしてプレミアムを付与して設定されるものであるから、当該プレミアム部分は、必ずしも公開買付けの対象者の株式の客観的価値を反映しているわけではない。したがって、第三者割当増資の後に払込金額を超える公開買付価格による公開買付けが予定されていることだけでは、取締役会決議直前の市場株価を基準とする払込金額が「特に有利な価額」に該当するとは解されない。
・本件では、本第三者割当増資及び本公開買付けが公表された後の当社株式の市場株価が、公開買付 価格に引き付けられて上昇する可能性は否定することができない。しかし、会社法が有利発行につ いて株主総会の特別決議によらなければならないなど特別の規制(会社法 201 条、199 条 3 項)を定 める趣旨は、有利発行が希釈化による経済的損失を既存株主に与えることを防ぐことにあるところ、本第三者割当増資及び本公開買付けの公表前の市場株価を基準として払込金額を決定したとしても、当社の既存の株主は、本第三者割当増資後の持株比率に応じて、本第三者割当増資による企業価値 の向上による利益(シナジー)を享受することができ、日証協指針に準拠した範囲で取締役会決議 日の直前営業日の株価以下の発行がなされることによる希薄化の点を除けば、既存の株主がそれま
で有していた利益が割当予定先に移転することもないのだから、既存の株主が経済的損失を被るとはいえない。したがって、有利発行に関する特別の規制の趣旨は妥当しない。
・取締役会が第三者割当増資の払込金額を決定する時点において、既に第三者割当の引受人との提携によるシナジーを期待して市場株価が高騰している場合には、提携により期待される企業価値の増加については引受人の貢献も存在するため、高騰前の市場株価を払込金額とすることは通常は公正であると解する見解が有力である。本件においても、本第三者割当増資及び本公開買付けの公表による市場株価の値上がりは、割当予定先との資本業務提携によるシナジーへの期待によるものが含まれていると合理的に考えられるから、公表前の市場株価を払込金額とすることは公正であって、取締役会決議直前の市場株価を基準とする払込金額が「特に有利な金額」に該当するとは解されない。。
また、本日開催の当社取締役会での本第三者割当増資に係る審議に参加した監査等委員2名(うち社外取締役2名)及び渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の橋本昌司氏が構成員となる第三者委員会
(詳細は後記「9.企業行動規範上の手続きに関する事項」に記載のとおりです。)が、本払込金額は、日証協指針に準拠したものであり、適法かつ妥当であり、「特に有利な発行価額」には該当しない旨の 意見を表明しております。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本第三者割当増資により発行される株式数は、1,621,400 株であり、2021 年8月 31 日現在の当社の発 行済株式総数(4,829,600 株)に対する割合は 33.57%(小数点以下第三位を切り捨てています。以下に おいて同じ。)であり、同日現在の総議決権数(48,281 個)に対する割合は 33.58%となります。よって、既存株主の株式について、33.57%の発行済株式総数に対する所有割合の希薄化が生じることになります。しかしながら、当社は、前記「2.募集の目的及び理由」の「(1)本第三者割当増資の目的及び理由」
に記載のとおり、本第三者割当増資による資金調達は、安定的に事業を継続できるような財務的基盤を保持しつつ、同時に、2023 年2月期目標に従ってPARK-PFI公募案件の新規獲得又は運営開始及び新規出店を実現するという当社グループの企業価値の維持向上に資する各施策の実現を可能とするものであり、当社グループの中長期的な企業価値及び株主価値の向上に資すると判断しております。
以上より、本第三者割当増資に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると判断しております。
(3)本第三者割当増資を行うことが相当であることについて
当社は、「Ⅰ.本第三者割当増資について 3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期 (2)調達する資金の具体的な使途」に記載した資金需要を満たすべく、割当予定先に対する第三者割当増資を行うことを検討し、割当予定先と協議・交渉を行い、この検討及び協議・交渉において、当社は、割当予定先グループと当社グループが協同することによって得られるシナジー効果を慎重に検討し、その結果、前記
「Ⅰ.本第三者割当増資について 2.募集の目的及び理由 (1)本第三者割当増資の目的及び理由」記載のシナジー効果が見込まれると判断しました。
具体的には、2021 年 10 月 6 日に、割当予定先より、当社に対し、割当予定先が第三者割当増資に応じ ることを内容とする提案を取り下げたことで当社の資金調達が暗礁に乗り上げたのではないかとの連絡が ありました。これに対し、当社が、金融機関からも借入れができない状況なので、第三者へのアプローチ スキームとして 10%ディスカウントで相応の新株発行を検討せざる得ないことを伝えたところ、割当予定 先より、2021 年 10 月 15 日に、発行決議前日の終値から 10%ディスカウントした価額であれば、DDHD と当社の覚書に基づく新株発行差止請求のリスク及びレピュテーションリスクを勘案しても、当社で増資 に応じてもよいとの回答がありました。当社は、発行決議前日の終値から 10%ディスカウントした価額で の募集株式の発行は、有利発行には該当しないとの認識であったため、割当予定先との協議を再開するこ とといたしました。その後、当社と割当予定先は、本第三者割当増資、資本業務提携及び公開買付けにつ いて協議・交渉を行いました。その過程で、割当予定先からは、公開買付け価格は時価にプレミアムを付 した 950 円とすることの提示がありましたが、これは、第三者割当増資の発行価額は従前のとおり(すな わち、発行決議前日の終値から 10%ディスカウントした価額)とすることを前提とするものでした。当社 は、発行価額をより高くすることについて割当予定先に打診を行いましたが、当社が 10%ディスカウント で第三者割当増資の引受先を探している中で始まった協議でもあったことから、割当予定先との協議の結 果、割当予定先が当社の第三者割当増資を引き受けるに際しては、当初の条件、すなわち発行決議前日の 終値から 10%ディスカウントした価額を払込金額とすることが本取引の前提であるとの回答がありました。当社は、外部金融機関からは融資を断られ、既にDDHDからの 6 億円の借入について履行遅滞の状況に
あり、12 月中にDDHDへの弁済原資を調達しないと継続企業の前提に疑義が生じかねないという当社の置かれた状況下においては、第三者割当増資の発行価額を発行決議前日の終値から 10%ディスカウントした価額とすることは、当取締役会が割当予定先から引き出せるベストな選択肢であると判断し、割当予定先の回答を受け入れました。
このような経緯及び割当予定先グループと当社グループのシナジー効果並びに割当予定先グループとの協議・交渉を経て、当社は、本有価証券届出書の効力の発生を条件として、本第三者割当増資により上記資金需要を満たす 12.9 億円の当社普通株式を発行し、割当予定先に割り当てることを決議しました。
なお、当社が割当予定先からの借入れではなく本第三者割当増資という手段を選択した理由ですが、割当予定先は貸金業登録を受けた貸金業者ではないため、当社が割当予定先から、前記「Ⅰ.本第三者割当増資について 3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期 (2)調達する資金の具体的な使途」に記載の資金使途のための資金を適法に借り入れるためには、借入れ前に、当社が割当予定先の子会社となっている必要があります。つまり、割当予定先が、本第三者割当増資を行うことなく、公開買付けのみで当社の議決権の過半数を取得することが必要となり、換言すると、公開買付けで割当予定先が当社の議決権の過半数を取得できなかった場合には、当社は、割当予定先から資金を借り入れることができなくなります。この点、当社は、2021 年 12 月中に前記「Ⅰ.本第三者割当増資について 3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期 (2)調達する資金の具体的な使途」に記載の資金使途のための資金を調達する強い必要性があるため、確実に資金を調達できる手段として、本第三者割当増資を手段として選択いたしました。
6.割当予定先の選定理由等
上記「2.募集の目的及び理由(1)本第三者割当増資の目的及び理由」に記載のとおり、当社が割当予定先の連結子会社となることで、両社間の協力関係を一層強化することが、当社及び割当予定先グループ双方の企業価値及び株主価値の最大化に繋がるとの考えで一致したことから当社は割当予定先を割当先として選定いたしました。
(1)割当予定先の概要
① | 名 称 | 株式会社アダストリア |
② | 所 在 地 | 茨城県水戸市泉町三丁目1番 27 号 |
③ | 代表者の役職・氏名 | 代表取締役会長 福田 三千男 |
④ | 事 業 内 容 | 衣料品・雑貨等の企画・製造・販売 |
⑤ | 資 本 金 | 2,660 百万円(2021 年2月 28 日現在) |
⑥ | 設 立 年 月 日 | 1953 年 10 月1日 |
⑦ | 株式会社フクゾウ:37.53%前澤 友作:6.83% 豊島株式会社:4.38% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口):3.57%株式会社日本カストディ銀行(信託口):3.01% 株式会社日本カストディ銀行(信託口9):2.37%福田 三千男:2.30% アダストリア従業員持株会: 1.34% 株式会社日本カストディ銀行(信託口5): 0.95% JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部):0.89% | |
大株主及び持株比率 (2021 年2月 28 日現 在 ( 注 ) ) | ||
⑧ | 当事会社間の関係 | |
資 本 関 係 | 該当事項はありません。 | |
人 的 関 係 | 該当事項はありません。 | |
取 引 関 係 | 該当事項はありません。 | |
関 連 当 事 者 へ の 該 当 状 況 | 該当事項はありません。 | |
⑨ | 最近3年間の経営成績及び財政状態(単位:百万円。特記しているものを除く。) |
決算期 | 2019 年2月期 | 2020 年2月期 | 2021 年2月期 |
連 結 純 資 産 | 52,959 | 57,041 | 50,701 |
連 結 総 資 産 | 91,263 | 97,924 | 95,449 |
1株当たり連結純資産(円) | 1,125.29 | 1,210.55 | 1,122.71 |
連 結 売 上 高 | 222,664 | 222,376 | 183,870 |
連 結 営 業 利 益 | 7,190 | 12,855 | 766 |
連 結 経 常 利 益 | 7,345 | 12,843 | 2,981 |
親会社株主に帰属する 当 期 純 利 益 | 3,890 | 6,363 | △693 |
1株当たり連結当期純利益(円) | 82.67 | 135.08 | △14.88 |
1 株 当 た り 配 当 金 ( 円 ) | 50.00 | 50.00 | 40.00 |
注:大株主及び持株比率は、2021 年2月 28 日現在の株主名簿に基づき記載しております。
注:割当予定先は、東京証券取引所市場第一部に上場しており、2021 年 11 月 18 日付の「コーポレートガバナンス報告書」においても、反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を公表しておりますので、当社としては、割当予定先並びにその役員及び主要株主は、反社会的勢力と一切関係ないと判断しております。
(2)割当予定先を選定した理由
上記「2.募集の目的及び理由」の「(1)本第三者割当増資の目的及び理由」に記載したとおり、当社が割当予定先の連結子会社となることで両社間の協力関係を一層強化することが、当社及び割当予定先グループ双方の企業価値及び株主価値の最大化に繋がるとの考えで一致したことから、当社は割当予定先を選定いたしました。
(3)割当予定先の保有方針
当社は、割当予定先が本第三者割当増資により取得する株式を長期保有する方針であることを確認しております。
なお、当社は、割当予定先から、割当予定先が払込期日から2年以内に本件第三者割当により発行される当社普通株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、当社が当該報告内容を株式会社名古屋証券取引所に報告すること、並びに当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。
(4)割当予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容
割当予定先の資金等の状況について、本第三者割当増資に係る払込み資金は自己資金で対応する旨の説明を受けております。割当予定先に増資のための資金力があることを、割当予定先の直近の財務諸表により確認しております。以上より、割当予定先による本第三者割当増資の払込みに関して確実性に問題はないものと判断しております。
7.募集後の大株主及び持株比率
募集前 | 募集後 | ||
株式会社DDホールディングス | 37.47% | 株式会社DDホールディングス | 28.05% |
稲本 健一 | 6.39% | 株式会社アダストリア | 25.13% |
鈴木 伸典 | 3.66% | 稲本 健一 | 4.78% |
株式会社SKYグループインベストメント | 2.99% | 鈴木 伸典 | 2.74% |
尾家産業株式会社 | 2.26% | 株式会社SKYグループインベストメント | 2.24% |
キーコーヒー株式会社 | 1.95% | 尾家産業株式会社 | 1.69% |
梶田 知嗣 | 1.82% | キーコーヒー株式会社 | 1.46% |
神野 元樹 | 1.71% | 梶田 知嗣 | 1.36% |
大谷 寛 | 1.22% | 神野 元樹 | 1.28% |
株式会社マルト水谷 | 1.13% | 大谷 寛 | 0.91% |
(注)募集後の持分比率は、2021 年 8 月 31 日時点の総議決権数(48,296 個) に新株発行により増加する議決権数(16,214 個)を加えた数(64,510 個)で除して算出しております。
8.今後の見通し
本資本業務提携契約の締結等による当社業績への影響については、今後、公表すべき事実が発生した場合には、速やかに公表いたします。
9.企業行動規範上の手続きに関する事項
本第三者割当増資においては希薄化率が 25%以上となることから、名古屋証券取引所の定める上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則第 34 条に基づき、①経営者から一定程度独立した者による当該割当の必要性及び相当性に関する意見の入手又は②当該割当に係る株主総会決議などによる株主の意思確認手続のいずれかが必要となります。
当社は、迅速に本第三者割当増資による資金調達を実施する必要があることに鑑みると、本第三者割当増資に係る株主総会決議による株主の意思確認の手続を経る場合には、臨時株主総会決議を経るまでにおよそ2か月程度の日数を要すること、また、臨時株主総会の開催に伴う費用についても、相応のコストを伴うことから、これらを総合的に勘案した結果、当社及び当社経営者から一定程度独立した者からの当該大規模な第三者割当増資についての意見の聴取のため、過去において当社及び割当予定先と人的関係、取引関係及び出資関係のない独立した者として渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の橋本昌司氏並びに当社社外取締役監査等委員である渡部峻輔氏及び馳雅樹氏を選定し、当該3名を構成員とする第三者委員会
(以下「本第三者委員会」といいます。)から、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を入手することといたしました。
このため、当社は、本第三者委員会を設置し、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する客観的な意見を求め、以下の内容の意見書を 2021 年 12 月 14 日に入手しております。本第三者委員会の意見の概要は以下のとおりです。
(本第三者委員会の意見の概要)
1.結論
本第三者割当増資について、必要性及び相当性が認められると思料する。
2.理由
(1) 必要性
第28期(2023年2月期)末までに新型コロナウイルス感染症流行の第6波が到来する可能性がある と判断して、その場合でも安定的に事業を継続できるような財務的基盤を保持しつつ、同時に、新 型コロナウイルス感染症の流行が収束した後の第29期(2023年3月1日から2024年2月末まで)以 降の再成長を図るため、第28期(2023年2月期)中にPARK-PFI公募案件の新規獲得又は運 営開始及び新規出店を計画するという当社の経営判断は、不合理とは言えないと判断でき、当社の 説明によれば、当社は、外部金融機関からの追加の資金調達ができない状態にあるというのだから、当社が本第三者割当増資によって第28期(2023年2月期)末までの約1年2か月間に必要な資金を 確保することとしたという点も、不合理ではないと判断できる。
そこで、以下当社が本第三者割当増資によって第28期(2023年2月期)末までの約1年2か月間に必要な資金として、次に掲げる資金調達をすることに合理性が認められるかどうかを検討する。ア 運転資金調達の合理性
前記の資金繰り予定表によれば、本第三者割当増資によって運転資金を使途として156百万円を調達することに合理性が認められると判断できる。
イ PARK-PFI公募案件対応等費用調達の合理性
PARK-PFI公募案件対応等費用調達の合理性について、徳川園と、その他4案件に分けて検討した。
まず、徳川園については、公募対象公園施設及び特定公園施設の各整備工事の実施は、名古屋市 との間ですでに締結された実施協定書上の約定に基づくものであり、かつ、当該整備工事を実施し、
徳川園管理運営事業を行うことによる一定額の事業価値を見込んでいるというのであるから、本整備工事の実施は、株主の共同利益に資するものであり、合理性が認められる。
そして、当社は、取得した見積もりに基づき、特定公園施設の整備工事の費用として50百万円
(百万円未満の端数を四捨五入)、公募対象公園施設のガーデンホール及びレストランの改装工事費用として181百万円(百万円未満の端数を四捨五入)の支出を見込んでいるとのことであり、当該各整備工事のため、230百万円(百万円未満の端数を四捨五入)を調達する必要性があるという当社の判断には、合理性が認められる。
次に、その他4案件については、いずれも、指定管理者からの業務の受託が確定しておらず、又は認定計画提出者として確定していないとのことである。
しかし、これらの4案件について、それぞれ、指定管理者からの業務の受託が確定し、又は当社 が認定計画提出者になることが確定した場合には、一定額の事業価値を獲得できものと見込んでい るとのことに照らせば、当社が引き続きこれらの4案件の取組みを推進することは、株主共同の利 益に資するものであり、合理性が認められる。また、当該4案件については、事業費用として、合 計222.5百万円が必要と見込んでいるとのことである。各案件について、業務の受託が確定し、又は 認定計画提出者として確定すれば、当該事業のための設備投資が必要となり、少なくとも指定管理 者との間の業務受託の契約又は共同事業体間での契約の締結の時点では、当該業務受託又は認定計 画に係る設備投資のための資金調達が必要になると思われるが、当該4案件の業務受託の契約又は 共同事業体間での契約の締結時期は、いずれも、2022年4月までになされる見通しとのことである。
そうだとすれば、当該設備投資の支出が確定していないとしても、当該4案件の全部について、業務を受託し、又は認定計画提出者となる場合に備え、第28期(2023年2月期)末までに必要となる資金の一部として、当該事業に係る設備投資に必要な合計222.5百万円の資金調達の必要性があるという当社の判断は、不合理とは言えない。
以上のとおり、徳川園について230百万円並びにその他4案件について222.5百万円の資金調達の必要性があるというのであるから、PARK-PFI公募案件対応等費用として452.5百万円の百万円未満の端数を切り上げた453百万円の資金調達の必要性があるという当社の判断には、合理性が認められると判断される。
ウ 新規出店費用調達の合理性
当社は、第28期(2023年2月期)中に第28期(2023年2月期)の目標に従って新規出店を計画してい るとのことであり、これにより一定額の事業価値が獲得できると見込んでいるとのことであるから、
2店舗を新規出店するという計画は、株主の共同利益に資するものでもあり、不合理とは言えない。また、当社の説明によれば、居抜きの物件は、急遽候補場所が浮上し、他社との競争上、短期間
のうちに出店を決める必要があるとのことであり、当社が、新規出店のための設備投資に係る支出も不確実性があるとしても、第28期(2023年2月期)の目標に基づき2店舗を新規出店する計画を実現するため、現時点で、当該新規出店費用50百万円の資金を調達する必要があるという判断したことは、不合理とは言えない。
エ DDHDからの借入金の返済の合理性
当社が、過去の経緯に照らし、DDHDからいつその返済を求められるのかわからない不安定な 状態にあると判断していることは、不合理とは言えないから、本第三者割当増資によって、グルー プファイナンス及び遅延損害金622百万円の返済のための資金調達の必要があるという当社の判断は、不合理ではないと判断できる。
オ 小括
前記のとおり、当社には、調達した資金を各使途に充当する目的に合理性が認められるところであるから、本第三者割当増資の必要性が認められるものと言える。
(2) 相当性
ア 本第三者割当増資の適法性
本第三者割当増資の払込金額は、株式の発行に係る2021年12月14日開催の当社取締役会決議日の直前営業日である2021年12月13日における名古屋証券取引所セントレックスにおける当社株式の終値である885円に0.9を乗じた額(1円未満は切り上げ。以下同様。)としている。
そして、前記払込金額は、それぞれ、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日の直近1か月(2021年11月14日から2021年12月13日まで)における終値(終値のない日は、終値のある直前の営業日の終値を当該日の終値とみなして計算する。以下同様。)の平均値856円から6.89%(小数
点第三位を四捨五入。以下同様)のディスカウント、直近3か月(2021年9月14日から2021年12月13日まで)における終値の平均値829円から3.86%のディスカウント、直近6か月(2021年6月14日から 2021年12月13日まで)における終値の平均値798円から0.13%のディスカウントをした金額である。
この点、日証協指針によれば、第三者割当により株式の発行を行う場合には、その払込金額は、原則として株式の発行に係る取締役会直前日の価格(直前日における売買がない場合は、当該直前日から遡った直前日の価格)を基準として、0.9を乗じた額以上の価格で決定することとされているところ、本第三者割当増資の払込金額は、日証協指針に準拠している。
加えて、当社の株価は、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日まで安定して推移していることを踏まえれば、本第三者割当増資及び割当予定先による公開買付けの開始の予定を公表する前の本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日の終値を基準として算出した本第三者割当増資の払込金額は、相当性が認められ、「特に有利な金額」には該当しないと考えられる。
なお、会社法(平成17年法律第86号)第199条第3項「特に有利な金額」とは、株式の公正な価額 に比べて特に低い金額をいい(東京地決平成16年6月1日判時1873号159頁)、上場株式の場合には、公正な価額は、原則として、市場株価を基準として定められると解されている。
この点、割当予定先は、本第三者割当増資を引き受けた後に公開買付けを開始することを予定し、当該公開買付けにおける公開買付価格は、950円とする予定とのことであり、本第三者割当増資と同 時に当該公開買付けの開始の予定が公表されたことにより、当社の市場株価は、公開買付価格に張 り付き、おおむね950円に上昇することが予想されるところである。
しかし、当委員会は、祝田法律事務所から、本第三者割当増資の後に本公開買付けが予定されており、払込金額が公開買付価格よりも低額であることは、取締役会決議直前の市場株価を払込金額の基準とすることができないことを基礎付ける特段の事情には該当せず、本第三者割当増資の払込金額は「特に有利な金額」には該当しない旨の法律意見を述べたメモランダムを受領している。
祝田法律事務所の当法律該意見について、当委員会としては、これに依拠しつつ、この点について、次のとおり検討した。
まず、公開買付価格は、当社の既存の株主が公開買付けに応募するインセンティブとしてプレミアムを付与した価格であり、本第三者割当増資及び公開買付けの開始の予定の公表による上昇後の当社の市場株価(以下「公表後市場株価」という。)は、その公開買付価格に張り付くことによって形成されたものにすぎないから、当社が、当該公開買付価格を基準として払込金額を算定しなかったことは、直ちに不合理とは言えない。
また、公表後市場株価は、公開買付け終了後においても、本第三者割当増資及び当該公開買付けによる企業価値の向上が反映され、本第三者割当増資及び割当予定先による公開買付けの開始の予定を公表する前の市場株価(以下「公表前市場株価」という。)よりも上昇する可能性もあるが、当社としては、「特に有利な価額」であるかどうかは、本第三者割当増資に係る取締役会決議の直前営業日までの市場株価など当該取締役会決議の時点で明らかになっている事情で判断せざるを得ず、当社が本第三者割当増資及び割当予定先による公開買付けの開始の予定を公表する直前の本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日の終値を基準として払込金額を算定したことは、不合理とは言えない。
実質的に見ても、公表前市場株価を基準として払込金額を算定したとしても、当社の既存の株主は、日証協指針に準拠した割引による希薄化の点を除けば、持株比率に応じて、本第三者割当増資及び当該公開買付けによる企業価値の向上による利益(シナジー)を享受することができ、本第三者割当増資によって割当予定先に利益の移転が生じることもないのだから、既存の株主は、経済的不利益を被らない。
更に、本第三者割当増資の払込金額は、割当予定先との交渉により合意したものであるが、①仮に公開買付価格と同額の払込金額で本第三者割当増資を引き受ける場合には、本第三者割当増資及び当該公開買付けによる企業価値の向上は、割当予定先の本第三者割当増資及び当該公開買付けによってもたらされるものであるにもかかわらず、当社の既存株主は、持株比率を超えて、本第三者割当増資による引受け分についても、払込金額と公開買付価格の差額分の企業価値の向上による利益(シナジー)の移転を受けることになる一方で、割当予定先は、本第三者割当増資による引受け分について払込金額と公開買付価格の差額分の企業価値の向上による利益(シナジー)を一切享受できないことになること、②割当予定先としては、本第三者割当増資を引き受けることなく公開買付けのみを行う方法により当社株式を取得するほうが資金的により効率的に所定の当社株式を取得
することができることを考えると、当社と割当予定先との間の交渉において、割当予定先が公表前市場株価を基準とする払込金額とするよう求めることは、不当な要求とは言えず、当社としても、前記(1)記載の資金調達の必要性があり、本第三者割当増資が行う必要があるのだから、割当予定先の当該要求を受け入れた当社の判断も、不合理とは言えないと考えられる。
イ 資金調達方法の相当性
まず、当社の説明によれば、借入金や社債、CBなど負債性の資金の調達については、複数の金融機関に打診したが、借入先等を探すことは困難であると判断したとのことであるから、当社が負債性の資金調達方法を選択しなかったことは、不相当であるとは言えない。
次に、資本性資金調達方法であるが、公募増資については、業績が悪化している現状では、引受証券会社を見つけることは困難であり、十分な応募が集まらない可能性もあるなどの理由から、公募増資を選択しないことは、相当であると認められる。
新株予約権については、将来的な市場株価の変動によって資金調達が不確実となり得ることから、資金調達の確実性を重視する当社の状況からは、妥当ではないと認められ、MSワラントについては、資金調達の時期や金額が不確定であり、現時点における資金調達方法としては合理的でないと認め られる。
更に、MSCBについては、株価変動によって潜在株式数が変動することから、当社の企業価値向上の不確実性が高い現状においては、妥当ではなく、また、引受先を見つけることも困難と認められる。
また、資金調達の確実性を重視すべき当社の状況からは、ライツ・オファリングは、資金の調達方法として妥当ではなく、ライツ・オファリングを選択しない当社の判断は、合理的と言える。
以上により、負債性の資金調達が困難であり、また、資本性資金調達方法のうち第三者割当増資以外の方法による資金調達も不相当であったというのであるから、当社が本第三者割当増資を選択することは、不相当とは言えない。
ウ 本第三者割当増資の規模の相当性
本第三者割当増資は、PARK-PFI公募案件の事業、新規出店及び本第三者割当増資に基づく割当予定先との事業提携による当社の企業価値の向上を期待できるものであり、当該当社の企業価値の向上は、希薄化による当社の株主が一般的に受ける不利益を上回るので、株主共同の利益に資するものであると当社が判断したことは、不相当とは言えない。
加えて、①割当予定先は、本第三者割当増資を引き受けた後に公開買付けを開始することを予定し、当該公開買付けにおける公開買付価格は、950円とする予定としているのに対して、当社は、本第三者割当増資の払込金額を、当該公開買付価格とせず、公表前市場株価を基準として算定しているが、前記(ア)のとおり、公表前市場株価を基準として本第三者割当増資の払込金額を算定することは不合理でないこと、また、②本第三者割当増資の払込金額は、日証協指針に準拠しており、特に有利な条件での発行には該当せず、この点において、既存株主の不利益は限定的であること、更に、③割当予定先は、本第三者割当増資により取得した株式を長期保有する方針であるため、本第三者割当増資後、本新株が短期的・大量に市場で売却されることによる流通市場への悪影響は生じないことからすれば、本第三者割当増資の規模は不相当とは言えない。
エ 本第三者割当増資の割当先選定の相当性
本第三者割当増資は、割当予定先との資本業務提携を前提としており、当社の説明によれば、協議・交渉を通じて、割当予定先グループと当社グループが共同することによって得られるシナジー効果を慎重に検討し、①新たなプロモーションの展開、②ブランド強化及びライフスタイル提案、
③海外進出の加速化及び④商業施設との交渉力強化について、シナジー効果が見込まれると判断したとのことである。
当社の説明によれば、本第三者割当増資に基づく割当予定先との間の資本業務提携により、当社は、割当予定先のイーコマースサイト「.st」の会員に対するダイレクト・マーケティングが可能となり、当該「.st」の利用価値に基づき、本第三者割当増資に基づく割当予定先との資本業務提携には、一定の事業価値が認められるとのことであり、資本業務提携による当該シナジー効果によって当社の企業価値の向上が期待できるとのことである。
また、当社の説明によれば、割当予定先の払込みに要する財産の存在に関しても、割当予定先から取得した2021年11月8日付の残高証明書を確認しており、かかる確認結果を踏まえ、当社は、本第三者割当増資の払込みに確実性があると判断し、加えて、反社会的勢力に該当するか否かの所要
の調査の過程で反社会的勢力と一切の関係を有していないものと判断しているとのことである。
以上からすれば、当社が本第三者割当増資の割当先を割当予定先と選定することは、不相当とは言えない。
なお、当社は、上記のとおり、2021 年 10 月 26 日、名古屋証券取引所の定める上場有価証券の発行者の
会社情報の適時開示等に関する規則第 34 条に基づき、本第三者委員会を設置し、本第三者委員会は、2021
年 10 月 26 日以後、本第三者割当増資の必要性及び相当性について継続して検討を行っておりました。そして、2021 年 12 月2日、割当予定先は、当社の代表取締役である鈴木伸典氏(本日現在の所有株式数 176,600 株、所有割合 3.66%。以下「鈴木氏」といいます。)に対して本公開買付けへの応募を打診し、
2021 年 12 月 14 日、鈴木氏との間で本応募契約を締結いたしました。もっとも、当社は、以下の理由から、仮に鈴木氏と当社及び一般株主との間に利益相反が存在するとしても、鈴木氏が当社取締役会における本 公開買付けに係る審議及び決議に参加しないことによって、当該利益相反の影響は十分に減殺されており、本取引の取引条件の形成過程において当社の企業価値の向上及び一般株主利益の確保の観点が適切に反映 されているか否かの審査のために、本第三者委員会とは別の独立した特別委員会を新たに設置する必要ま ではないと判断しました。
・特別委員会は、構造的な利益相反の問題が対象会社の取締役会の独立性に影響を与え、取引条件の形成過程において企業価値の向上および一般株主利益の確保の観点が適切に反映されないおそれがある場合において、本来取締役会に期待される役割を補完し、または代替する独立した主体として任意に設置される合議体であると解されている(経済産業省が 2019 年 6 月 28 に公表した「公正な M&A の存り方に関する指針 -企業価値の向上と株主価値の確保に向けて-」)。
・割当予定先は、当社が割当予定先と協議を開始した 2021 年 10 月中旬の時点において当社の株式を所有しておらず、当社が本取引の取引条件を定めた本資本業務提携契約を締結するか否か、当社が本公開買付けに賛同意見表明を行うか否か及び本第三者割当増資を実施するか否か(以下当社におけるこれらの経営判断を「当社経営判断」という。)を当社取締役会で決定する時点まで、当社の株式を取得しない意思を当社と協議を開始した 2021 年 10 月中旬の時点から当社に対し表明していた。そのため、当社は、割当予定先が当社株式を所有していない状況の下で、割当予定先との本取引の取引条件について交渉し、当社経営判断を行うことになるから、本取引の取引条件の形成過程において、当社と割当予定先との間に構造的な利益相反の問題は存在しない。
・本取引においては、本第三者割当増資の払込みが有効になされることを条件として本公開買付けが開始されることが予定されていたから、本公開買付けが開始される時点においては、割当予定先は当社株式を 20%以上所有することになることが見込まれるが、2021 年 10 月中旬の協議開始時点において、当社が本公開買付けに対し賛同意見表明を出しこれを維持する義務については本資本業務提携契約において定めることが合意されていたから、本資本業務提携契約の締結後(すなわち、本取引の取引条件の形成後)に割当予定先が当社株式を 20%以上所有することになる事実は、本取引の取引条件の形成過程において割当予定先が当社の株式を所有している事例と比較して構造的利益相反性の程度は高くない。換言すると、本公開買付けの開始時点において当社が本公開買付けについてどのような意見を表明するかについては、本資本業務提携契約に定めがおかれ、これにより当社は義務を負うことになるから、結局、本資本業務提携契約の交渉過程において、当社の取締役会に割当予定先からの独立性が認められるか否かがより重大な問題であるといえる。
・本資本業務提携契約に基づき当社が賛同意見表明を行う義務を負うとしても、当社は、割当予定先と協議を開始した 2021 年 10 月中旬の時点において、その義務に以下の留保を付することで割当予定先と合意していた。したがって、当社の取締役会は、本資本業務提携契約の締結後に、本取引及び本資本業務提携契約と抵触し又は本取引及び本資本業務提携契約の実行を困難にする第三者からの提案があった場合、及び対抗公開買付けが開始された場合には、本資本業務提携契約に違反することなく、善管注意義務に従い適切に経営判断を行うことが可能である。このように、本資本業務提携契約の締結と本公開買付けの間に一定の期間があくことを前提としても、その間の事情を斟酌できるように以下の条件が合意されていたから、本資本業務提携契約を締結することは、当社の取締役の善管注意義務違反を構成しない。
(a)本締結日から本公開買付けに係る決済日までの間、本取引及び本資本業務提携契約と抵触し又は本取引及び本資本業務提携契約の実行を困難にする第三者との取引に関し、合意又はかかる合意に向けた申込み、申込みの誘引、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行ってはならない。但し、第三者から取引に関する提案を受けた場合において、当該提案を検討するための協議、交渉又は情報提供を行うこと、並びに当社取締役会が、当該取引を行うことが、本公開買付けの実施と比較して、より当社の企業価値又は株主共同の利益に資すると合理的に判断した場合を除く。
(b)本締結日から本公開買付期間が満了するまでの間に、対抗公開買付けが開始された場合、対抗公
開買付けに対して反対の意見を表明する。但し、当社取締役会が、対抗公開買付けが、本公開買付けと比較して、より当社の企業価値又は株主共同の利益に資すると合理的に判断した場合を除く。
・鈴木氏は、その所有する当社株式の応募について 12 月2日に割当予定先より打診を受け、2021 年 12 月
14 日に割当予定先と本応募契約を締結しており、鈴木氏に関しては、当社及び当社の一般株主との間で一定の利益相反関係が認められるものの、鈴木氏が当社取締役会における本公開買付けに係る審議及び決議に参加しないことによって、当該利益相反の影響は減殺されているといえる。なお、鈴木氏が所有する当社株式の所有割合は 3.66%であり、当社の取締役会の独立性に大きな影響を与える水準ではない。すなわち、金融商品取引法は、株券等保有割合が5%を超える者は、原則として大量保有者となった日から5営業日以内に、株券等保有割合等を記載した大量保有報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないと定めているが(金融商品取引法 27 条の 23 第 1 項)、5%が大量保有報告書提出義務の判断基準とされたのは、会社の発行済み総数の5%超の株券等を保有している者は、その会社の支配権を変更したり経営に影響を及ぼす可能性があると考えられたためである。鈴木氏の所有割合である 3.66%は、この5%という水準を下回るものであり、鈴木氏が、その株式保有割合によって当社の経営に影響を及ぼす可能性が大きいとはいえないと考えられる。
・鈴木氏に当社株式の応募について打診のあった 12 月2日の時点において、当社は既に、割当予定先が当社の第三者割当増資を引き受けるに際しては、発行決議日前日の終値から 10%ディスカウントした金額を払込価格とすることが前提であるとの取引条件を受け入れており、12 月2日の時点において本取引の取引条件のうち重要部分は既に形成されていると認められる。
10.最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1)最近3年間の業績(連結)
2019 年2月期 | 2020 | 年2月期 | 2021 年2月期 | ||||
連 | 結 売 上 | 高 | 9,727 百万円 | 10,284 百万円 | 4,716 百万円 | ||
連 | 結 営 業 利 | 益 | 463 百万円 | 467 百万円 | ▲1,692 百万円 | ||
連 | 結 経 常 利 | 益 | 491 百万円 | 473 百万円 | ▲1,577 百万円 | ||
親 当 | 会 社 株 主 に 帰 属 す 期 純 利 | る 益 | 210 百万円 | 345 百万円 | ▲1,251 百万円 | ||
1 株当たり連結当期純利益 | 48.80 円 | 80.00 円 | ▲279.70 円 | ||||
1 | 株 当 た り 配 当 | 金 | 5.00 円 | ― | 円 | ― | 円 |
1 | 株 当 た り 連 結 純 資 | 産 | 171.86 円 | 249.87 円 | 30.91 円 |
(2)現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(2021 年 12 月 14 日現在)
株 式 数 | 発行済株式数に対する比率 | |
発 行 済 株 式 数 | 4,829,600 株 | 100% |
現時点の転換価額(行使価 額) における潜在株式数 | -株 | - |
下限値の転換価額(行使価 額) における潜在株式数 | -株 | - |
上限値の転換価額(行使価 額) における潜在株式数 | -株 | - |
(3)最近の株価の状況
① 最近3年間の状況
2019 年 2 月期 | 2020 年 2 月期 | 2021 年 2 月期 | ||
始 | 値 | 977 円 | 924 円 | 758 円 |
高 | 値 | 1,061 円 | 1,110 円 | 880 円 |
安 | 値 | 807 円 | 754 円 | 598 円 |
終 | 値 | 924 円 | 758 円 | 759 円 |
② 最近6か月間の状況
2021 年 7 月 | 2021 年 8 月 | 2021 年 9 月 | 2021 年 10 月 | 2021 年 11 月 | 2021 年 12 月 | ||
始 | 値 | 745 円 | 780 円 | 824 円 | 825 円 | 822 円 | 838 円 |
高 | 値 | 780 円 | 824 円 | 830 円 | 825 円 | 885 円 | 885 円 |
安 | 値 | 724 円 | 757 円 | 795 円 | 802 円 | 816 円 | 836 円 |
終 | 値 | 780 円 | 823 円 | 810 円 | 820 円 | 851 円 | 885 円 |
(注)2021年12月は、2021年12月1日から12月13日までの株価となります。
③ 発行決議日前営業日における株価
2021 年 12 月 13 日 | ||
始 | 値 | 878 円 |
高 | 値 | 885 円 |
安 | 値 | 863 円 |
終 | 値 | 885 円 |
(4)最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況
・第三者割当による新株式(普通株式)の発行
払込期日 | 2020年11月13日 |
発行新株式数 | 当社普通株式 511,900株 |
発行価額 | 1株につき693円 |
調達資金の額 | 金354,746,700円 |
募集又は割当方法 (割当予定先) | 第三者割当の方法により、割当先に対して以下の株式数を割り当てま す。 |
株式会社SKYグループインベストメント 当社普通株式 144,300株神野 元樹 当社普通株式 101,000株 林 英樹 当社普通株式 72,100株 鈴木 伸典 当社普通株式 72,100株 前田 将行 当社普通株式 28,800株 小林 宏和 当社普通株式 28,800株 キーコーヒー株式会社 当社普通株式 21,600株 岩田 公一 当社普通株式 14,400株 岡田 健司 当社普通株式 14,400株 金子 豊久 当社普通株式 14,400株 | |
発行時における当初の資金使途 | 新型コロナウイルス感染症による経営悪化に備える為の運転資金 312 百万円 新規物件獲得及びその設備投資の為の資金 40百万円 |
現時点における充当 状況 | 新型コロナウイルス感染症による経営悪化に備える為の運転資金 352 百万円 |
※ 当社は 2020 年 11 月 13 日付けで行った当社普通株式の第三者割当増資において調達した資金の使途を変更しております。詳細につきましては、「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期」の「(2)調達する資金の具体的な使途」をご参照ください。
11.発行要項
発行新株式数 | 普通株式 |
発行価額 | 1 株につき 797 円 |
発行価額の総額 | 1,292,255,800 円 |
資本組入額 | 646,127,900 円 |
資本組入額の総額 | 646,127,900 円 |
募集方法 | 第三者割当 |
申込期日 | 2021 年 12 月 30 日 |
払込期間 | 2021 年 12 月 30 日 |
割当予定先及び割当 株式数 | 株式会社アダストリア 1,621,400 株 |
その他 | 上記各号については、金融商品取引法に基づく届出の効力発生を条件と しております。 |
12.その他
本第三者割当増資により、割当予定先は当社のその他の関係会社となり、本取引により割当予定先は当社の親会社に該当する見込みですが、本公開買付けの結果等により変動するため、当該異動については確定次第お知らせいたします。
Ⅱ.本資本業務提携契約について
当社は、割当予定先との間で、割当予定先が、当社株式を対象として行う公開買付けに関し、当社の取締役会において、公開買付けに賛同する旨及び当社の株主に対して公開買付けへの応 募は株主の判断に委ねる旨の意見表明決議が、当社代表取締役である鈴木氏を除く取締役全員 の出席のもと出席取締役の全会一致により行われていることを前提として、2021 年 12 月 14 日 付で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約に基づく合意の概要等は以 下の通りです。
1.資本業務提携の理由
上記「Ⅰ.第三者割当について」の「2.募集の目的及び理由」の「(1)本第三者割当増資の目的及び理由」をご参照ください。
2.資本業務提携の内容等
2021 年 12 月 14 日付で、当社は割当予定先との間で本資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携契約の概要は以下のとおりです。
イ 資本業務提携の目的
割当予定先及び当社は、両当事者間の資本及び業務提携(以下「本資本業務提携」という。)により、(i) 両当事者が継続的に発展していくこと、(ii) 割当予定先が当社の総議決権の 過半数を取得し、子会社化すること、及び(iii) 両当事者が、業務上の提携を行うことを目 的として本契約を締結する。
ロ 公開買付について
割当予定先は、当社の発行済みの普通株式(以下「当社株式」という。)の取得を目的として、以下の概要で公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施する。
(1) 公開買付者 | 割当予定先 |
(2) 買付け等の対象 | 当社株式 |
(3) 公開買付期間 | 2022 年 1 月 4 日から 2022 年 2 月 16 日まで (当初の期間:30 営業日。但し、公開買付期間が延長された場合には、当該延長後の公開買付期間とする。) |
(4) 公開買付価格 | 当社株式 1 株につき 950 円 |
(5) 買付予定数 | 1,668,000 株 買付予定数の上限:1,668,000 株 買付予定数の下限:958,600 株 |
(6) 決済の開始日 | 2022 年 2 月 21 日(但し、公開買付期間が延長された場合には、当該延長に伴い変更された後の本公開買付けに係る決済の開始日とす る。) |
(7) 買付条件 | 応募株券等の総数が買付予定数の下限に達しない場合には、応募株券等の全部について買付け等は行わない。また、応募株券等の総数が買付予定数の上限を超える場合には、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、金融商品取引法第 27 条の 13 第 5 項及び発行者以外の者による株券等の公開買 付けの開示に関する内閣府令第 32 条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行う(各応募株券等の数に 1 単元(100 株)未満の株数の部分がある場合、あん分比例の方式により計算される買付株数は各応募株券等の数を上限と する。)。 |
(8) 撤回事由 | ①金融商品取引法施行令第 14 条第 1 項第 1 号 イ乃至リ及びヲ乃至ツ、第 3 号イ乃至チ及びヌ (ゼットンが過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事実の記載が欠け |
ていることが判明した場合を含む。)、並びに ②同条第 2 項第 3 号乃至第 6 号に定める事由、のいずれかが生じた場合 | |
(9) 公開買付代理人 | 三田証券株式会社 |
当社は、本契約の締結に先立ち、割当予定先が、当社株式を対象として行う本公開買付けに関し、当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募は株主の判断に委ねる旨の意見表明決議(以下「本賛同決議」という。)が、当社の取締役全員(特別利害関係取締役又はそれに準じる取締役を除く。)の出席のもと出席取締役の全会一致により行われていることを確認する。
両当事者は、割当予定先による本公開買付けの開始は、本第三者割当てに係る株式の引受け及び本払込みが完了していることを条件に実施することを確認する。
ハ 業務提携の内容
当社と割当予定先とは、両当事者の企業価値向上を図ること等を目的とし、以下の内容の業務提携を行うものとし、詳細は別途協議の上決定する。
① 両当事者それぞれが強みを持つ海外地域における、相互の商品、ブランド、事業の展開
② 両当事者それぞれの既存ブランド事業における、相互の商品、ブランド、事業の展開
③ 割当予定先の EC プラットフォーム上における当社商品の取扱の拡充等ニ 本第三者割当増資に関する事項
当社は、第三者割当の方法により、以下の内容で割当予定先に当社株式を割り当て、割当予定先はこれを引き受ける。
① 募集株式の種類:普通株式
② 募集株式の数 :1,621,400 株
③ 払込金額 :募集株式1株あたり 797 円
④ 払込金額の総額:1,292,255,800 円
⑤ 払込期間 :2021 年 12 月 30 日
⑥ 割当方法 :第三者割当の方法により、割当予定先に全てを割り当てる。ホ その他の主たる合意事項
① 役員指名権
割当予定先は、本払込日後に初めて開催される株主総会において、割当予定先が指名する者最大1名を当社の取締役に選任する議案を提案するよう当社に要請することができ、当社は、当該株主総会において当該指名をした者を候補者とする取締役選任議案を提案すること。
② 新株引受権等
当社は、本締結日後、当社グループについて、発行前の議決権比率において 0.2%を上 回る発行等(募集株式の発行、自己株式の処分、新株予約権若しくは新株予約権付社債の 発行若しくは処分又はその他潜在的に当社又は当社「子会社の株式を取得しうる権利が付 与された証券の発行。ただし、2020 年5月 26 日付定時株主総会で承認決議された譲渡制 限付株式報酬制度に基づく当社の取締役への譲渡制限付株式の発行を除く。以下「株式の 発行等」という。)を行う場合には、割当予定先の事前の書面による同意を得るものとし、当社子会社をして割当予定先の事前の書面による同意を取得させる。当社が当該行為を行 う場合、割当予定先は株式保有割合に応じた株式引受権を有すること。
ただし、当社又は当社子会社において資金調達の必要があり、割当予定先がその申し出について誠意をもって対応し、その資金調達の必要性について同意した場合(かかる同意は、不合理に留保又は否定されないものとすること。不合理な留保又は否定がなされたと
きは、当社又は当社子会社は、割当予定先に対する事前の通知を行ったうえで、割当予定先が株式保有割合に応じた株式引受権を有しない株式の発行等を行うことができる。)において、当社又は当社子会社が割当予定先に対して当該株式の発行等に係る株式、新株予約権その他の証券の引受けを求めたにもかかわらず、割当予定先が、当社又は当社子会社が求める合理的な期間内(但し、14 日を下回ることはできない。)にこれに応じる意思を表明せず、かつ当該資金調達の他の現実的かつ合理的な選択肢を提示しないときは、当社又は当社子会社は、割当予定先の同意なくして、割当予定先が株式保有割合に応じた株式引受権を有しない当該株式の発行等を行うことができること。
③ 事前協議事項
当社は、本締結日後、当社又は当社子会社において、以下の事項を決定又は承認する場合には、事前に割当予定先に通知し、又は当社子会社をして通知させ、割当予定先との間で誠実に協議し、当社子会社をして誠実に協議させること。割当予定先は、当該協議において当社の独立性に十分配慮するものとすること。
・ 組織再編
・ 定款等の変更
・ 株式併合、株式分割、株式無償割当又は新株予約権無償割当
・ 資本減少、準備金減少、社債発行、1案件に対する5億円以上の金融機関からの借入
(公的機関からの助成制度に関する借入(米国 PPP 等)を除く。運転資金(シンジケートローン等含む)のための借入を除く。)その他の資金調達又は担保提供
・ 自己株式の取得又は剰余金の配当
・ 合弁契約その他経営に重大な影響を及ぼす契約の締結又は変更
・ 法的倒産手続開始の申立て
・ 発行する株式についての上場廃止
・ その他当社の経営に重大な影響を及ぼす事項
④ オブザーバーの経営会議等への参加
割当予定先は、本第三者割当増資の払込みを条件として、割当予定先の指名する役職員を、当社の経営会議等の重要会議体にオブザーバーとして参加させることができること。
⑤ 情報提供
当社は割当予定先に対して、以下の書類につき、作成次第速やかに提出すること。
・ 各四半期の財務諸表
・ 各事業年度に関する財務諸表
・ 各事業年度の年間予測計画書
⑥ 経営指導料等
割当予定先は、当社に対し、業務委託、経営指導及びその他の役務を提供し、その対価を取得する場合があること。その場合、対価の額は、役務に要する実費を超えないものとすること。
⑦ 上場維持
当社の名古屋証券取引所セントレックス上場維持を前提とし、上場市場の変更を希望する場合において、両者で事前に協議をするものとし、必要に応じて割当予定先は当該協議で決定した株主構成及び持ち分比率について、最大限努力すること。
割当予定先は、本公開買付けに関連して、当社の代表取締役である鈴木伸典氏(本日現在の所有株式数 176,600 株、所有割合 3.66%。以下「鈴木氏」といいます。)との間で、公開買付応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、鈴木氏が所有する当社株式のうち 35,000 株
(本日現在の所有割合 0.72%)について、本公開買付けに応募する旨の同意を得ております。 鈴木氏は、当初、その所有する当社株式を本公開買付けに応募することは希望しておりません
でしたが、割当予定先からは、鈴木氏と本応募契約を締結することが本第三者割当増資に応じる
にあたり必須の条件であると示されたとのことです。割当予定先は、DDHDとの間で応募契約を締結する予定がないこと及び当社の株主状況に照らすと、鈴木氏との間で本応募契約を締結しない場合、応募株券等の総数が上記買付予定数の下限に満たない可能性が高いと考え、このような条件提示を行ったとのことです。鈴木氏は、2021 年 12 月中に本第三者割当増資を行うことは当社の喫緊の課題であるとの認識から、割当予定先の要望を受け入れ、本応募契約を締結したとのことです。当社は、2021 年 12 月中に本第三者割当増資を行う強い必要性があるという現在の当社が置かれた状況に鑑みれば、鈴木氏の判断は、本公開買付けに上限が付されているという点を踏まえてもなお、妥当であると考えております。当社が本公開買付けの成立後も、引き続き、高い株式価値の実現を目指していくことについては、株主の皆様に継続して丁寧に説明して参りたいと考えております。
3.相手方に新たに取得される株式の数及び発行済株式数に対する割合
当社が 2021 年 12 月 14 日付で公表した「株式会社アダストリアによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」をご覧ください。
4.提携の相手先の概要
上記「6.割当予定先の選定理由等」の「(1)割当予定先の概要」をご参照ください。
5.提携等の日程
(1)取締役会決議日 2021 年 12 月 14 日
(2)本資本業務提携契約の締結日 2021 年 12 月 14 日
(3)本第三者割当増資の払込期日 2021 年 12 月 30 日
(4)本公開買付けの開始 2022 年 1 月 4 日(予定)
(5)本公開買付けの終了 2022 年 2 月 16 日(予定)
(6)本公開買付けに係る決済の開始日 2022 年 2 月 21 日(予定)
以 上