新たに導入された多様な調達方式(設計・施工一括発注方式、CM方式)に対応した標準契約約款が無いため発注者が個々に契約図書を作成している状況
第7回継続的契約管理セミナー
2023年3月15日
土木学会制定の契約約款について
xxxx
東日本建設業保証(株)理事
1
2
1. 土木学会による契約約款の制定について
2. 公共土木設計施工標準請負契約約款
3. 監理業務標準委託契約約款・共通仕様書
3.1監理業務標準委託契約約款
3.2監理業務共通仕様書
4. 約款の改正
本日の説明内容
2
3
標準契約約款制定の目的
公共土木事業の標準契約約款
工事:「公共工事標準請負契約約款」(中央建設業審議会)
調査設計業務:「公共土木設計業務等標準委託契約約款」(国土交通省)
新たに導入された多様な調達方式(設計・施工一括発注方式、CM方式)に対応した標準契約約款が無いため発注者が個々に契約図書を作成している状況
発注者の負担を軽減し、その普及に資するため土木学会
(建設マネジメント委員会)が標準契約約款を制定・公表することとした
1.土木学会による契約約款の制定について
3
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発注関係事務の運用に関する指針
平成 27 年1月 30 日(令和2年 1 月 30 日改正)
公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議
Ⅳ.多様な入札契約方式の選択・活用
各発注者は、工事及び業務の発注に当たっては、本指針及びそれぞれの技術力や発注体制を踏まえつつ、工事及び業務の性格や地域の実情等に応じて、多様な
入札契約方式の中から適切な入札契約方式を選択し、又は組み合わせて適用するよう努める。
1.土木学会による契約約款の制定について
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(a)事業プロセスの対象範囲に応じた契約方式
・工事の施工のみを発注する方式
・設計・施工一括発注方式
・詳細設計付工事発注方式
・設計段階から施工者が関与する方式(ECI)方式
・維持管理付工事発注方式
(b)工事の発注単位に応じた契約方式
・包括発注方式
・複数年契約方式
(c)発注者の支援対象範囲に応じた契約方式
・事業促進PPP 方式
・CM 方式
5
1.土木学会による契約約款の制定について
5
建設マネジメント委員会における
契約約款の企画・作成・制定の活動
関係する発注機関、業界団体の代表 と有識者で構成
必要に応じて開催
約款・仕様書 等
利用の手引き
無料で誰でもDL可能
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解説書
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1.土木学会による契約約款の制定について
契約約款企画小委員会
(1)企画調査
(2)原案作成
(3)既約款の管理
(4)制定小委員会の事務局
(5)その他
契約約款制定小委員会
(1)約款の制定
(2)約款の改正・廃止
(3)その他
6
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1.土木学会による契約約款の制定について
7
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経緯
1. 2012年度より、契約約款企画小委員会で検討着手
2. 2013年10月契約約款制定小委員会の設置決定
3. 2014.12.8 公共土木設計施工標準請負契約約款制定
4. 2015.6.1 「公共土木設計施工標準請負契約約款の解説」出版
5. 2016.7.22 監理業務標準委託契約約款及び監理業務共通仕様書制定
6. 2017.3.31「監理業務標準委託契約約款・監理業務共通仕様書の解説」出版
7. 2017.10.10 2020.11.10 2022. 4. 1 2022.7.13 改正
制定・改定した約款等は土木学会建設マネジメント委員会のホームページに公表
1.土木学会による契約約款の制定について
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1.土木学会による契約約款の制定について
9
設計の適用範囲
基本的な性能・機能要件や位置条件等が設定された後に、構造の形式等の選定を行う以降
橋梁を例とすれば、橋梁予備設計及び橋梁詳細設計
(設計施工分離)
(本約款の対象)
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款
詳細設計付工事
設計
設計・施工一括
工事
設計
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策定にあたっての基本的な考え方
現行の設計業務等と工事の標準契約約款の尊重
設計・施工一括発注方式として規定すべき事項の追加等
例) ・ 第1条「総則」、第2項 用語の定義
・ 第7条の3「設計受託者との委託契約等」
・ 第10条の3「設計xx技術者」
・ 第13条の2「設計成果物及び設計成果物に基づく施工の承諾」
※設計に関しては、「請負契約」と「準委任契約」という異なる考え方があるが、本契約約款では現行の設計業務等の契約約款を踏襲し請負とする。
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款
「公共工事標準請負契約約款
(中央建設業審議会)」
「公共土木設計業務等標準委託契約約款(国土交通省)」
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契約図書の構成
約款の策定にあたっては、これまでに整備されている図書(共通仕様書等)を極力活用することを前提
設計・施工一括発注方式への適用上不都合な点は、それらを修正した条文を特記仕様書中に共通仕様書の読替条等として提示
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款
契約書、現場説明書、質問回答書、図面(発注時に提示)、特記仕様書(設計業務等共通仕様書及び土木工 事共通仕様書の読替条等を含む)、共通仕様書、技術提案、設計成果物
※設計成果物は、発注者による承諾後に契約図書となる
契約図書
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受注者の体制
設計は、施工会社(受注者)が自ら行う場合と、施工会社の下請けの建設コンサルタント(設計受託者)が行う場合の2通りを想定
後者の場合、設計受託者を契約書に明記。入札手続きにおいて建設コンサルタントから施工会社に提出された見積額以上の設計費を支払うことを約款に規定
施工会社とコンサルタントが共同企業体を作って設計と施工を行う場合については今後の実施状況に応じて検討
2.公共土木設計施工標準請負契約約款
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公共土木設計施工請負契約書
1 工事名
2 工事場所
3 工期自令和 年 月 日至令和 年 月 日
4 工事を施工しない日
工事を施工しない時間帯
[注]工事を施工しない日又は時間帯を定めない場合は削除。
5 請負代金額
(うち取引に係る消費税及び地方消費税の額)
6 契約保証金
[注]第4 条(B)を使用する場合には、「免除」と記入する。
7 設計受託者
[注]受注者が設計を自ら行う予定として入札に参加した場合は削除。
(以下略)
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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(設計受託者との委託契約等)
第7条の4 受注者は、特段の理由がある場合を除き、設計図書(設計成果 物を除く。)に定める設計を実施する下請負人(以下「設計受託者」という。) が受注者に提出した見積書(見積書の記載事項に変更が生じた場合には、 設計図書(設計成果物を除く。)に定める方法により変更された見積書をいう。以下「設計見積書」という。)に記載の見積額以上の金額を委託費として、設計受託者と契約を締結しなければならない。
2~3 (略)
4 受注者は、設計受託者への委託費の支払いが完了した後速やかに、設計図書(設計成果物を除く。)に定める方法に従い、設計受託者に対する支払いに関する報告書を、発注者に提出しなければならない。
5 (略)
6 受注者は、設計受託者の倒産等やむを得ない場合を除き、設計受託者の変更をしてはならない。なお、やむを得ず設計受託者を変更する際には、発注者の承諾を得なくてはならない。
7 (略)
[注]本条は、受注者が設計を委託する予定として入札に参加した場合に使用する。
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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設計及び施工に関する技術者等
設計
施工
設計を委託する場合、設計受託者が配置
※ 設計を受注者自らが行う場合と委託する場合の技術者等の兼務について規定
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款
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(管理技術者)
第10条の2 受注者は、設計の進捗の管理を行う管理技術者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。その者を変更したときも、同様とする。
(設計xx技術者)
第10条の3(A) 受注者は、設計の技術上の管理及び統轄を行う設計xx技術者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。その者を変更したときも、同様とする。
[注](A)は、受注者が設計を自ら行う予定として入札に参加した場合に使用する。第10条の3(B) 受注者は、設計の技術上の管理及び統轄を行う設計xx技術者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。その者を変更したときも、同様とする。
2 設計xx技術者は設計受託者に所属する者としなければならない。
[注](B)は、受注者が設計を委託する予定として入札に参加した場合に使用する。
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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設計成果物の扱い
受注者は設計と施工の両方を請負い、設計成果物と工事目的物は工事完了後、同時に発注者へ引渡し
設計終了段階で発注者は設計成果物を確認し設計成果物に基づく施工を承諾する
確認・承諾された設計成果物は設計図書の一部となる
設計成果物の変更は受注者が行い、発注者の承諾を得る
発注者から発注時に提示している条件、設計段階で設計成果物が存在しない ⇒ 「設計図書(設計成果物を除く。)」
2.公共土木設計施工標準請負契約約款
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(総則)
第1条 (略)
2 この約款における用語の定義は、この約款に特別の定めがある場合を除き、次の各号のとおりとする。
一 「設計図書」とは、別冊の図面、仕様書、数量総括表、現場説明書、現場説明に対する質問回答書及び設計成果物をいう。
二 「設計図書(設計成果物を除く。)」とは、別冊の図面、仕様書、数量総括表、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
三~八(略)
3 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、設計成果物及び工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
4~13 (略)
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
19
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(設計成果物及び設計成果物に基づく施工の承諾)
第13条の2 受注者は、設計のすべて又は全体工程表に示した先行して施工する部分の設計が完了したときは、その設計成果物を発注者に提出しなければならない。
2 発注者は、提出された設計成果物及び設計成果物に基づく施工を承諾する場合は、その旨を受注者に通知しなければならない。
3 受注者は、前項の規定による通知があるまでは、施工を開始してはならない。
4 (略)
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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(条件変更等)
第18条 受注者は、工事の実施に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
一~六 (略)
2~3 (略)
4 前項の調査の結果において第1 項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、次の各号に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し設計図書を訂正する必要があるもの 設計図書(設計成果物を除く。)の訂正は発注者が行い、設計成果物の変更は受注者が行う。なお、受注者が変更を行った設計成果物については発注者の承諾を得るものとする。
二~三 (略)
5 (略)
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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(設計図書の変更)
第19 条発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。ただし、設計図書(設計成果物を除く。)の変更は発注者が行い、設計成果物の変更は受注者が行う。なお、受注者が変更を行った設計成果物については発注者の承諾を 得るものとする。
2.公共土木設計施工標準請負契約約款 条文
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総価契約単価合意方式の適用
国土交通省の通達「総価契約単価合意方式実施要領 」を参考に規定
設計成果物の承諾後、受注者の提出する設計成果物に基づく内訳書の内容について協議し、単価合意書を締結
(不適当な場合を除き)単価合意書は請負代金額の変更や部分払金の額の算定に使用
2.公共土木設計施工標準請負契約約款
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(特記仕様書の記載事項) 発注者と受注者のリスク分担
⇒ 設計・施工条件を明示するとともに、特記仕様書に発注者と受注者のリスク分担を記載する
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2.公共土木設計施工標準請負契約約款
「原則受注者負担」を撤回し、発注者は、契約時において必要なリスク分担(設計・施工条件)を明示することとし、受注者はこのリスク分担(設計・施工条件)下においてリスク分担を負うものとする
契約書等に、設計・施工条件を具体的に明示するとともに、当該条件下における受注者が負担するリスクについても、具体的に明示することとする(その他については発注者が負担(又は受発注者間協議)とする
設計・施工一括及び詳細設計付工事発注方式実施マニュアル(案)(2009.3)
24
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設計と施工が並行して実施される可能性があること等を考慮し、契約書には設計単独の履行期間を示していない
一部先行して施工する部分がある場合など、工事全体の工程管理上必要な場合には、受注者による設計成果物の提出期限及び発注者による設計成果物の承諾期限を規定
(特記仕様書の記載事項) 設計成果物の提出期限等
2.公共土木設計施工標準請負契約約款
25
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本約款では、各発注者が整備している共通仕様書を活用することを前提
設計と施工を一括発注とする場合には、各共通仕様書間で用語の不整合等が生ずることから、特記仕様書において共通仕様書の関連条項について必要な読み替え等を明示する必要
(特記仕様書の記載事項) 共通仕様書の読み替え
2.公共土木設計施工標準請負契約約款
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本約款等における「監理業務」
• CM(コンストラクションマネジメント)には、ピュアCMとアットリスクCMがある。
• このうちピュアCMを対象とした。
(参考)「地方公共団体におけるピュア型CM方式活用ガイドライン」
令和2年9月国土交通省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室
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3.監理業務標準委託契約約款・共通仕様書
民間企業等が公共土木事業を実施する行政機関の側に立ち委託者・発注者の業務の代行又は支援を行うことを「監理業務」と称し、監理業務を委託する際の標準的な契約図書
「監理業務標準委託契約約款」及び「監理業務共通仕様書」を制定した。
27
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地方公共団体等におけるCM活用事例の公表
(xxxxx://xxxxxxxxxx.xxxx.xx.xx/xxx0000/)
① xx県 建設部 技術管理課
「CM方式取り組み事例について(一級河川土買川災害関連事業)」
② xx県 建設部 建設政策課 技術管理室
(独法)都市再生機構 技術・コスト管理部 マネジメント室
「xx県佐久地域における災害復旧工事マネジメント業務紹介」
③ 福岡県xx市
「福岡県xx市における災害復旧事業支援業務の実施
~平成29年7月九州北部豪雨災害対応~」
④ 福岡県xxxxx村
「平成29年九州北部豪雨災害に係るCM業務事例報告」
⑤ 岩手県下閉伊郡xx町
「平成28年台風第10号豪雨災害に係る岩手県xx町の復旧復興の取組について」
3.監理業務標準委託契約約款・共通仕様書 参考
28
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3.監理業務標準委託契約約款・共通仕様書
他機関調整等
「契約監理」に関連して関係官公庁等に対する手続きや地元協議、住民説明、関係機関調整等を実施
契約監理
調査職員、監督職員及び検査職員などの役割の全部又は一部を実施
監理業務
事業監理
事業計画、入札契約事務、用地補償に係わる業務のうち「契約監理」に関連する業務の一部を実施
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契約監理
法令(会計法、予算決算及び会計令、地方自治法施行令)において、当該行政機関以外のものに監督及び検査を委託することができる
と明示されている→ 民間企業等による業務の実施が可能
予算の執行などに係る行政機関の行為(契約額や工期、設計図書の変更等)は、民法で言うところの法律行為と考えられるため委託しない → 行政機関が自ら行う
監理業務として委託できる範囲は、技術的な事項や業務・工事の手続き的な事項を取扱う調査職員、監督職員及び検査職員の役割
事業監理 他機関調整等
事業計画や入札契約事務、用地補償、他機関調整、住民説明などにおける行政機関の役割は法律行為に当たるものが多いため、監理業務として委託できる範囲は行政機関の支援にあたる部分
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3.監理業務標準委託契約約款・共通仕様書
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約款 | ||||
監理業務契約図書 | ||||
共通仕様書 | ||||
特記仕様書 | ||||
図面 | ||||
現場説明書 | ||||
質問回答書 | ||||
監理業務委託者が共通
に使用できるものとして土木学会が作成
個々の監理業務委託者が業務ごとに作成
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3.監理業務標準委託契約約款・共通仕様書
31
「監理業務」に特有の条項
業務委託料は業務の実行に対する対価(準委任契約)
← 請負契約では仕事(工事目的物、業務成果物)の完成、引き渡しに対する対価
監理業務計画書の提出を約款で義務付け
← 工事・設計業務の契約図書では施工計画書、業務計画書等は仕様書で規定
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3.1 監理業務標準委託契約約款
「監理業務」に特有のもの以外は公共土木事業において適用される標準契約約款の記述を踏襲
公共工事標準請負契約約款(中央建設業審議会)
公共土木設計業務等標準委託契約約款(国土交通省)
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(総則)
第1条 監理業務委託者及び監理業務受託者は、日本国の法令を遵守し、この約款(契約書を含む。以下同じ。)及び設計図書(別冊の図面、共通仕様書、特記仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書)(以下、「監理業務契約図書」という。)に定められた業務(以下「監理業務」という。)を内容とする契約を履行しなければならない。
2 監理業務受託者は、この契約に基づき、善良な管理者の注意をもって監理業務を実行し、監理業務委託者は、この契約に基づき、監理業務受託者に対して業務委託料を支払うものとする。
(以下略)
参考:公共土木設計業務等標準委託契約約款 第1条第2項
受注者は、契約書記載の業務(以下「業務」という。)を契約書記載の履行期間(以下「履行期間」という。)内に完了し、契約の目的物(以下「成果物」という。)を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その業務委託料を支払うものとする。
3.1 監理業務標準委託契約約款 条文
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(監理業務計画書の提出)
第3条 監理業務受託者は、この契約締結後○日以内に監理業務契約図書に基づいて監理業務計画書を作成し、監理業務委託者に提出しなければならない。
[注]○の部分には、原則として「14」を記入する。
2 監理業務委託者は、必要があると認めるときは、前項の監理業務計画書を受理した日から○日以内に、監理業務受託者に対してその修正を請求することができる。
[注]○の部分には、原則として「7」を記入する。
3 この約款の他の条項の規定により履行期間又は監理業務契約図書が変更された場合において、監理業務委託者は、必要があると認めるとき は、監理業務受託者に対して監理業務計画書の再提出を請求することができる。この場合において、第1項中「この契約締結後」とあるのは「当該請求があった日から」と読み替えて、前2項の規定を準用する。
4 監理業務計画書は、監理業務委託者及び監理業務受託者を拘束するものではない。
3.1 監理業務標準委託契約約款 条文
34
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監理業務標準委託契約約款に無い規定
「業務の成果物」に関する規定
著作権・部分使用・部分引き渡し・契約不適合責任期間
← 履行の確認のため監理業務記録、監理業務報告書の提出を共通仕様書で規定しているが、業務の成果物とはしていない
既済部分払の場合の一部留保
前払金に関する規定
スライド条項
(これらに関する規定が必要な場合は条項を追加)
3.1 監理業務標準委託契約約款
35
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監理業務共通仕様書の構成
第1章 共通編 (第1条~第11条)第2章 事業監理
【事業計画】(第12条~第21条)
【入札契約事務】(第22条~第28条)
【用地補償関係】(第29条~第31条)第3章 契約監理
【契約監理全般】(第32条~第34条)
【測量・調査・設計業務等の契約監理】(第35条~第45条)
【工事の契約監理】(第46条~第58条)
【測量・調査・設計者間又は工事請負者間調整】(第59条)第4章 他機関調整等 (第60条)
3.2 監理業務共通仕様書
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(用語の定義)
第2条共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところとする。
2 「委託者・発注者」とは、以下のいずれかに該当するものをいう。
(1) 「監理業務委託者」とは、監理業務の支出負担行為担当官若しくは分任支出負担行為担当官をいう。
(2) 「測量・調査・設計等業務委託者」とは、(以下略)
(3) 「工事発注者」とは、(以下略)
3 「受託者・請負者」とは、以下のいずれかに該当するものをいう。
(1) 「監理業務受託者」とは、監理業務の実施に関し、監理業務委託者と委託契約を締結した個人若しくは会社その他の法人をいう。
(2) 「測量・調査・設計者」とは、(以下略)
(3) 「工事請負者」とは、(以下略)
4~7(略)
8 「業務者」とは、監理業務を受託して実施する者であり、監理業務管理技術者及びその他監理業務を実施する技術者を総称していう。
9~(略)
監理業務受託者=CMR 業務者=CMr
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3.2 監理業務共通仕様書 共通編 条文
37
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監理業務の対象・内容
個別の監理業務委託において委託する内容・範囲は、委託者である行政機関の体制や事業の難易度などを勘案して取捨選択
当該監理業務で対象とする業務の具体的な範囲、内容については監理業務特記仕様書に明示
監理業務受託者の義務
監理業務受託者の義務は、「債務履行義務」と「善管注意義務」及びその前提としての「図書類の熟知」
3.2 監理業務共通仕様書 共通編
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(監理業務の対象)
第3条 「事業監理」又は「他機関調整等」の対象となる業務、「契約監理」の対象となる測量・調査・設計等業務又は工事の契約及びそれらの
契約における業務の範囲又は内容については、監理業務特記仕様書の中で具体的に明示する。
(監理業務受託者の義務)
第4条 監理業務受託者は、監理業務委託契約に基づき、「事業監理」、
「契約監理」及び「他機関調整等」の監理業務の全部又は一部を行う。
2 監理業務の実施にあたっては、監理業務特記仕様書に定める図書類を熟知し、遂行しなければならない。
3 業務者は、善良な管理者の注意をもって監理業務を遂行する義務を負う。
3.2 監理業務共通仕様書 共通編 条文
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監理業務計画書の作成
委託者である行政機関と打合せを行い作成
委託者の確認を得たのち必要な情報は関係者に周知
監理業務計画書の記載事項
(1)業務概要 (6)使用する主な図書及び基準 (2)実施方針 (7)連絡体制(緊急時含む)
(3)業務工程 (8)情報管理
(4)業務組織計画 (9)業務の記録及び報告書作成 (5)打合せ計画 (10) その他
3.2 監理業務共通仕様書 共通編
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(監理業務計画書の作成)
第9条 業務者は、監理業務の目的や方針を明確にし、監理業務に対する要求事項、関係者の構成、役割分担及び設定された事業の運営方針について監理業務委託者と打合せを行い、監理業務計画書として作成する。業務者は、監理業務計画書について監理業務委託者の確認を得た後、必要な情報について、各関係者に周知する。また、監理業務の期間中も必要に応じて更新し、その都度監理業務委託者の確認を得る。
2 業務者は、監理業務の対象となる測量・調査・設計等業務又は工事の契約において、監理業務計画書の内容が反映されるよう必要な措置を講じる。
3 監理業務計画書には、次の事項を記載するものとする。
(1) ~(10) (略)
4 業務者は、監理業務計画書の内容を変更する場合は、その都度監理業務委託者に変更 した監理業務計画書を提出し確認を得る。なお、監理業務委託者が指示した事項については、業務者は監理業務計画書に具体的な履行方法を記載し監理業務委託者に提出する。
3.2 監理業務共通仕様書 共通編 条文
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監理業務記録及び監理業務報告書の作成
監理業務記録
定期的に作成し、監理業務委託者に提出する
契約の履行の確認及び既済部分払の根拠として使用
監理業務報告書
業務終了時に作成し、監理業務委託者に提出し確認を得る
完了時の検査資料として使用
3.2 監理業務共通仕様書 共通編
42
(監理業務記録及び監理業務報告書の作成)
第10条 業務者は、監理業務計画書にしたがって業務の記録を作成し、監理業務記録として○ヶ月に1回程度定期的に監理業務委託者に提出する。また業務終了時には、監理業務報告書を作成し、監理業務委託者に提出し確認を得る。
(注:○は原則1とする)
参考:監理業務標準委託契約約款(抜粋)
(履行報告)
第12条 監理業務受託者は、監理業務契約図書に定めるところにより、この契約の履行について監理業務委託者に報告しなければならない。
(検査)
第27条 監理業務受託者は、監理業務を完了したときは、その旨を監理業務委託者に通知しなければならない。
2 監理業務委託者又は監理業務委託者が検査を行う者として定めた職員(以下「監理業務検査職員」という。)は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から○日以内に監理業務受託者の立会いの上、監理業務契約図書に定めるところにより、監理業務の完了を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を監理業務受託者に通知しなければならない。
[注]○の部分には、原則として「10」を記入する。
3 (略)
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3.2 監理業務共通仕様書 共通編 条文
43
【事業計画】
事業計画の内容の把握及び更新の支援
事業工程計画案の検討
事業全体予算案の検討
事業のリスク等の検討
測量・調査・設計等業務又は工事の実施計画案の検討
測量・調査・設計等業務の委託準備支援
工事の発注準備支援
用地取得計画策定支援及び用地補償に伴う調査業務の委託準備支援
事業計画の進捗状況管理
情報公開等への助言
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3.2 監理業務共通仕様書 事業監理
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【入札契約事務】
測量・調査・設計等業務又は工事に関する入札・契約方式の検討及び企業選定資料の作成
契約関連図書の作成
積算資料の作成及び積算
入札手続き支援
現場説明の支援及び質疑回答の取りまとめ
入札参加企業の評価
測量・調査・設計者又は工事請負者の特定資料の作成
【用地補償関係】
用地補償手続きに関する業務の支援
用地補償に伴う調査業務の契約監理
用地補償業務の進捗状況管理
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3.2 監理業務共通仕様書 事業監理
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委託者・発注者だけが行使することができる権限に
基づく指示等のパターン
3.2 監理業務共通仕様書 契約監理
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調査職員、監督職員及び検査職員が行使する権限に
基づく指示等のパターン
3.2 監理業務共通仕様書 契約監理
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(契約監理における測量・調査・設計者又は工事請負者への指示等のパターン)
第33条 業務者が、測量・調査・設計等業務又は工事における調査職員、監督職員又は検査職員として、測量・調査・設計者又は工事請負者へ指示、通知、承諾等(以下「指示等」という)を行う場合には、下記のパターンを適切に選択して行うものとする。監理業務委託者は、あらかじめ選択するパターンを監理業務特記仕様書に明示する。
(1) 業務者が、自ら検討・判断した指示や交渉・調整等の事項について、業務者が直接、測量・調査・設計者又は工事請負者へ指示等を行い、その後、結果を委託者・発注者に報告する。
(2) 業務者が、自ら検討・判断した指示や交渉・調整等の事項について、委託者・発注者に事前の承諾を得たのち、業務者が直接、測量・調査・設計者又は工事請負者へ指示等を行う。
(3) 業務者が、委託者・発注者より指示された指示等の事項、又は監理業務委託者から指示された交渉・調整事項について、測量・調査・設計者又は工事請負者へ指示等を行う。
3.2 監理業務共通仕様書 契約監理 条文
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【測量・調査・設計等業務の契約監理】
契約関連図書の内容の把握
測量・調査・設計等業務計画書の内容の把握
業務実施にあたっての条件等の確認
測量・調査・設計等業務の監督
条件又は設計図書の変更に関わる支援
工程の把握及び進捗管理
技術提案の評価
比較設計等の妥当性の検討
測量・調査・設計等業務成果内容の確認
測量・調査・設計等業務の検査資料の確認及び業務完了検査
測量・調査・設計者の成績に関する評価資料作成
3.2 監理業務共通仕様書 契約監理
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3.2 監理業務共通仕様書 契約監理 | |
【工事の契約監理】 | |
契約関連図書の内容の把握 | |
施工計画書の内容把握 | |
施工体制の把握 | |
工事の監督 | |
工程の把握及び進捗管理 | |
技術提案の評価 | |
設計図書又は工程の変更の支援 | |
破壊検査又は改造請求 | |
建設副産物の適正処理状況の確認 | |
工事の検査 | |
中間前払金請求時の出来高確認及び報告 | |
部分払請求時の出来形の評価及び報告 | |
工事成績の評価資料の作成 | |
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(工事の検査)
第55条 業務者は、検査に先立ち、工事請負契約図書により義務付けられた資料並びに検査に必要な書類及び資料について、その内容を工事請負契約図書に照らして確認する。
2 業務者は、工事の各段階において、工事発注者が定める基準に基づき、中間検査を実施する。検査実施後、業務者は、速やかに中間検査結果を工事発注者に報告する。
3 業務者は、工事の完了した時点において、工事発注者が定める基準に基づき、完成検査を実施する。検査実施後、業務者は、速やかに完成検査結果を工事発注者に報告する。
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[注]
第49 条 業務者は、 監理業務特記仕様書に示された基準 に基づき、工事施
工の立会いを行い、工事材料の品質及び施工状況の段階確認を行うとともに施工状況を把握する。
[注] 例えば、土木工事監督技術基準(案)等
2 業務者は、工事材料の品質確認及び施工状況の確認・把握の結果、品質基準又は設計図書に示された基準に適合していないと認められる場合には 、 その旨を工事発注者に報告するとともに、当該工事請負者と協議を行う 。
(工事の監督)
3.2 監理業務共通仕様書 契約監理 条文
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他機関調整等は、事業者である行政機関(測量調査設計業務等の委託者・工事の発注者)が最終的な責任を負う。監理業務の受託者は監理業務委託者の指示に基づき委託者・発注者の支援を行う。
「支援」とは、「監理業務受託者が委託者・発注者が実施する作業に対し、準備や書面の作成の補助を行うこと」であり、「準備」には、関係者・関係機関との事前調整や会議等の設営などを含む。
(用語の定義)
第2条 1~33(略)
34 「支援」とは、業務者が委託者・発注者が実施する作業に対し、準備や書面の作成の補助を行うことをいう。
35~(略)
3.3 監理業務共通仕様書 他機関調整等
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(他機関調整等)
第60条 事業の関係官公庁等に対する諸手続き、地元協議・住民説明、関係機関調整等(以下「他機関調整等」という)について、監理業務委託者から指示があった場合には、業務者は、委託者・発注者を支援する。
2 業務者は、他機関調整等を実施する場合に必要となる資料等を作成する。
3.3 監理業務共通仕様書 他機関調整等 条文
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2017年10月10日付改正
社会保険加入促進に係る改正☆
契約解除に伴う違約金条項
2020年11月10日付改正
民法の改正に伴う改正
(譲渡制限特約・契約不適合責任☆・契約の解除)
建設業法の改正に伴う改正(工期・技術者☆)
破産管財人等による解除に対する違約金の保証
2022年4月1日付改正
保証証書の電磁化
2022年7月13日付改正
建設発生土の搬出先☆
不可抗力による損害のうち災害関連☆
発注者による無催告解除の対象拡大
☆「公共土木設計施工標準請負契約約款」のみ
4.約款の改正
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ご清聴ありがとうございました
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