※契約締結時に事業者が提案した様式 C-3 添付①を添付する。

くは事業者が、司法手続若しくは法令等に基づき開示する場合又は振興会若しくは事業者が本事業に関連して業務を委託したアドバイザーや本事業に融資等を行う金融機関、選定企業その他本事業に係る業務受託者及び受任者（下請人、再受任者を含む。以下、本条において同じ。）等に対し、本契約と同等の秘密等保持義務を課して開示する場合はこの限りでない。

２前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する情報については適用されない。

一開示の時点で公知となっており、又は開示を受けた当事者による本契約上の義務違反によることなく公知となった情報

二開示の時点で開示を受けた当事者が既に保有していた情報

三開示を受けた当事者が、第三者から秘密等保持義務を負うことなく入手した情報四事業契約書（ただし、別紙１を除く。）及び基本協定書（ただし、別紙１を除く。）

の内容

第6条本契約に定める意思表示等は、書面により行わなければならない。

２本契約の履行に関して振興会及び事業者間で用いる言語は、日本語とする。

３本契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。

４本契約に基づく金銭債務の額は、円を最低額の単位として算定し、当該単位に満たない端数はこれを切り捨てる。

５本契約の履行に関して振興会及び事業者間で用いる計量単位は、特別の定めがある場合を除き、計量法（平成 4 年法律第 51 号）に定めるところによる。

６本契約の履行に関する期間の定めについては、特別の定めがある場合を除き、民法（明治 29 年法律第 89 号）及び商法（明治 32 年法律第 48 号）の定めるところによる。

７本契約の履行に関して振興会及び事業者間で用いる時刻は日本標準時とする。

８本契約で定められている法令等が改正（新たな制定を含む。）された場合には、当該改正された法令等が本契約に適用される。

第２章本事業の実施に関する事項

（契約の期間）

第7条 本契約は、その締結日からその効力を生じ、理由のいかんを問わず本契約が終了した日又は令和 31 年 3 月 31 日のいずれか早い方の日に終了する。

第8条本事業は、事業契約書等に定める次の各号に掲げる業務、これらの業務の実施に係る資金調達及びこれらに付随し、又は関連する一切の業務により構成されるものとし、事業者は本事業に関連のない事業を行ってはならない。

一設計業務

二建設業務

三工事監理業務四維持管理業務五運営業務

六付帯事業

２事業者は、国立劇場の完成後、引渡予定日に振興会に国立劇場を引き渡す。

３事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始予定日から国立能楽堂に係る維持管理・運営業務を開始し、事業期間の終了まで行う。

４事業者は、引渡予定日の翌日（国立劇場維持管理運営開始予定日）から国立劇場に係る維持管理・運営業務を開始し、事業期間の終了まで行う。

第9条 事業者は、前払金の支払に先立ち、施設整備業務の着手日又は令和 5 年 3 月 31 日のいずれか早い日までに、振興会に対して、施設整備業務の着手日から引渡日までの間、以下の各号に掲げるいずれかの保証を付し、当該保証に係る保証金額又は保険金額は、本件工事費等の 10 分の 1 以上に相当する額としなければならない。ただし、第三号の場合においては、保証契約の締結後速やかに、その保証書を振興会に寄託しなければならず、第四号の場合においては、施設整備業務の着手後速やかに振興会を被保険者とする履行保証保険契約を締結すれば足り、当該履行保証保険契約の締結後速やかに、その保険証券を振興会に寄託しなければならない。

一保証金の納付

二保証金に代わる担保となる有価証券等の提供

三施設整備業務の不履行により生じる損害金の支払を保証する銀行、振興会が確実と認める金融機関又は保証事業会社の保証

四施設整備業務の不履行により生じる損害をてん補する履行保証保険契約の締結

２振興会は、事業者が第 1 項第二号に規定する提供をし、又は同項第三号に掲げる保証を付した場合には、当該提供又は保証は同項第一号に掲げる保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第四号に掲げる保証を付した場合には、同項第一号に掲げる保証金の納付を免除する。

３事業者は、第 1 項第三号に掲げる保証を付す代わりに、設計企業、建設企業及び工事監理企業の全部又は一部をして、施設整備業務の不履行により生じる事業者による損害金の支払を保証する銀行、振興会が確実と認める金融機関又は保証事業会社の保証を付せしめることができる。当該保証に係る条件は、施設整備業務の着手日から引渡日までの間、本件工事費等の 10 分の 1 以上を保証金額とする。

４事業者は、第 1 項第四号に掲げる履行保証保険契約を締結する代わりに、設計企業、建設企業及び工事監理企業の全部又は一部をして、事業者を被保険者とする履行保証保

険契約を締結せしめることができる。当該保証に係る条件は、施設整備業務の着手日から引渡日までの間、本件工事費等の 10 分の 1 以上を保証金額又は保険金額とする。

５事業者は、前 2 項の場合において、自己の費用負担により、当該保証契約又は当該履行保証保険契約の締結後速やかに、当該保証金請求権又は当該各保険金請求権に第 93 条

第 2 項及び第 3 項の違約金支払債務を被担保債務とする質権を振興会のために設定する。

６第 1 項第四号又は第 4 項に定める履行保証保険契約の付保条件については、別紙 3 で定めるところによる。

７事業者は、第 1 項第三号若しくは第四号、第 3 項又は第 4 項のいずれかに掲げる保証

を付す場合には、当該保証は第 89 条第 2 項第一号に規定する契約の解除による損害についても保証するものでなければならない。

８本件工事費等の金額に変更があった場合には、保証金額が本件工事費等の 10 分の 1 に達するまで、振興会は保証金額の増額を請求することができ、事業者は保証金額の減額を請求することができる。

（権利義務の譲渡等）

第10条事業者は、振興会の事前の承諾を得た場合を除き、本契約及び定期借地権設定契約上の地位又は本契約及び定期借地権設定契約に基づく権利若しくは義務を、出資者以外の者に譲渡若しくは承継し、担保の目的に供し、又はその他の方法による処分をしてはならない。

２事業者は、振興会の事前の承諾を得た場合を除き、出資者以外の者に対し新株を割り当ててはならない。

３事業者は、振興会の事前の承諾を得た場合を除き、選定企業を変更してはならない。

４振興会は、選定企業、再受任者又は下請負人が、事業者の経営若しくは本事業の安定性を阻害し、又は本事業に関与することが適当でない者となった場合には、事業者に当該者との契約を解除するように求めることができる。

５事業者は、振興会の事前の承諾を得た場合を除き、施設整備中の国立劇場の出来形部分のうち第 87 条の 2 の規定による部分払のための確認を受けたものを、第三者に譲渡若しくは承継し、貸与し、担保の目的に供し、又はその他の方法による処分をしてはならない。ただし、あらかじめ振興会の承諾を得た場合は、この限りでない。

（事業者の責任）

第11条事業者は、本契約において別途規定されている場合を除き、事業契約書等に従い本事業を履行するために必要な一切の手段を自らの責任において定め、本事業を適正かつ確実に実施し、本事業の実施に係る一切の責任を負う。

２前項において、事業者は、振興会の責めに帰すべき事由、法令等の変更等又は不可抗力による場合を除き、本契約上のいかなる責任をも免れず、事業者の責めに帰すべき事由があったものとして、本契約上の責任を負う。

３本契約に別途規定されている場合を除き、振興会の本事業に関する確認若しくは立会い又は事業者から振興会に対する報告、通知若しくは説明を理由として、事業者はいかなる本契約上における事業者の責任をも免れず、当該確認若しくは立会い又は報告、通知若しくは説明を理由として、振興会は何ら責任を負担しない。

（事業工程表）

第12条 事業者は、事業契約書等に基づき、事業期間にわたる事業工程表を作成し、振興会に本契約の締結後 14 日以内に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

２事業者は、本事業を事業工程表に従い実施し、事業工程表に基づく工程の管理を、自らの責任において、適正に行わなければならない。

３事業者は、事業工程表について変更があった場合には、速やかに振興会に当該変更後の事業工程表を提出し、振興会による確認を受けなければならない。

（成果物、国立劇場の著作権）

第13条 成果物及び国立劇場が著作権法（昭和 45 年法律第 48 号）第 2 条第 1 項第 1 号に

定める著作物に該当する場合には、同法第 2 章及び第 3 章に規定する著作者の権利の帰属は、同法の定めるところによる。

２振興会は、成果物及び国立劇場について、振興会の裁量により利用する権利及び権限を有し、その利用の権利及び権限は、本契約の終了後も存続する。

３事業者は、振興会が、成果物及び国立劇場を次の各号に掲げるところにより利用をすることができるようにしなければならず、自ら又は著作権者（ただし、振興会が事業者に提供した著作物の著作権者を除く。以下、本条において同じ。）をして、著作権法第 19 条第 1 項又は第 20 条第 1 項に定める権利を行使し、又はさせてはならない。

一著作者名を表示せずに成果物の全部若しくは一部及び国立劇場の内容を自ら公表若しくは広報に使用し、又は振興会が認めた公的機関をして公表若しくは広報に使用させること。

二成果物を他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡すること。

三国立劇場の完成、増築、改築、修繕等のために必要な範囲で振興会、振興会の委託する第三者をして複製、頒布、展示、改変、翻案その他の修正をすること。

四国立劇場を写真、模型、絵画その他の方法により表現すること。

五国立劇場を増築し、改築し、修繕又は模様替えにより改変し、取り壊すこと。

４事業者は、自ら又は著作権者をして、第 1 項の著作物に係る著作権を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ振興会の承諾を得た場合は、この限りでない。

５事業者は、自ら又は著作権者をして、次の各号に掲げる行為をなしてはならない。ただし、あらかじめ振興会の承諾を得た場合は、この限りでない。

一成果物及び国立劇場の内容を公表すること。

二国立劇場に事業者の実名又は変名を表示すること。

三成果物を他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡すること。

（第三者の知的財産権等の侵害）

第14条事業者は、本契約の履行にあたり、第三者の有する知的財産権等を侵害しないこと並びに国立劇場及び事業者が振興会に対して提供する成果物の利用が第三者の有する知的財産権等を侵害していないことを、振興会に対して保証する。

２事業者が、本契約の履行にあたり、第三者の有する知的財産権等を侵害する場合又は国立劇場若しくは事業者が振興会に対して提供するいずれかの成果物の利用が第三者の有する知的財産権等を侵害する場合には、事業者は、事業者の責めに帰すべき事由の有無のいかんに関わらず、当該侵害により生じた損害を補償及び賠償し、振興会が指示する必要な措置を行う。ただし、事業者の当該侵害が、振興会の特に指定する工事材料、施工方法又は維持管理方法等を使用したことに起因する場合であって、事業者が第三者の有する知的財産権等を侵害しないために合理的に必要な調査を行った場合、その他事業者の責めに帰すべき事由がない場合には、この限りでない。

（選定企業の使用等）

第15条事業者は、各業務を、以下の各号に定める各選定企業に委任し、請け負わせるものとし、各業務の全部又は一部を各選定企業以外の第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。

一	設計業務	：
二	建設業務	：
三	工事監理業務	：
四	維持管理業務	：
五	運営業務	：

２事業者は、事業契約書等において定める、各業務以外の業務の全部又は一部を各選定企業に委任し、又は請け負わせることができる。

３事業者は、選定企業に委任又は請け負わせる契約において、選定企業をして、本契約に基づいて事業者が負うべき秘密等保持義務と同等の義務を負わせる。

４事業者は、第 1 項及び第 2 項の定めるところにより事業契約書等に定める各業務又は各業務以外の主たる業務を選定企業に委任し、又は請け負わせようとするときは、当該業務の委任又は請負に係る契約締結予定日の 20 日前までに、振興会に対し、その者の商号及び住所等の必要な事項を記載した書面により通知し、かつ当該契約の締結後速やかに、振興会に対し、当該契約書の写しを提出しなければならない。また、当該契約書の

主たる内容を変更しようとするときも同様とする。なお、事業者は、振興会の承諾を要するか否かに関わらず、当該契約書を変更した場合、その後速やかに変更契約書の写しを振興会に提出しなければならない。

５事業者は、前項に定めるところにより振興会の承諾を得た選定企業の使用に関する一切の責任を負い、選定企業の責めに帰すべき事由は、その原因及び結果のいかんを問わず、事業者の責めに帰すべき事由とみなす。

６事業者は、前項に定める場合のほか、選定企業をその当事者又は関係者とする紛争、訴訟等に起因して、本契約に定める業務が遅延した場合、その他の増加費用及び損害の一切を負担及び賠償しなければならない。

（選定企業の一括委任又は一括下請負の禁止）

第16条事業者は、設計企業又は工事監理企業をして、設計業務又は工事監理業務の全部若しくはその主たる部分を一括して第三者に委任させ、又は請け負わせてはならない。

２事業者は、建設企業が事業者から受任し、又は請け負った建設業法（昭和 24 年法律第 100 号）の適用対象となる本件工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせようとする場合にあっては、同法第 22 条第 3 項に規定する承諾を行ってはならない。

３事業者は、維持管理企業をして、維持管理業務の全部又は主体的部分を一括して第三者に委任させ、又は請け負わせてはならない。

４事業者は、運営企業をして、運営業務の全部又は主体的部分を一括して第三者に委任させ、又は請け負わせてはならない。

（各業務等における第三者の使用等）

第17条 事業者は、各選定企業をして、各業務のうち前条に該当しないと認められる部分を第三者に委任し、又は請け負わせようとするときは、当該業務の委任又は請負に係る契約締結予定日の 20 日前までに、振興会に対し、当該第三者の氏名又は商号及び住所等の必要な事項を記載した書面により通知するとともに、当該業務の委任又は請負内容の分かる契約書案を提示し、振興会の承諾を得なければならない。また、当該契約書の主たる内容を変更しようとするときも同様とする。なお、事業者は、振興会の承諾を要するか否かに関わらず、当該契約書を変更した場合、その後速やかに変更契約書の写しを振興会に提出しなければならない。

２事業者は、建設企業をして、次の各号に掲げる届出の義務を履行していない建設業者

（建設業法（昭和 24 年法律第 100 号）第 2 条第 3 項に定める建設業者をいい、当該届出の義務がないものを除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。）を下請負人とさせてはならない。

一健康保険法（大正 11 年法律第 70 号）第 48 条の規定による届出の義務

二厚生年金保険法（昭和 29 年法律第 115 号）第 27 条の規定による届出の義務

三雇用保険法（昭和 49 年法律第 116 号）第 7 条の規定による届出の義務

３事業者は、各選定企業をして、前 2 項に基づく委任又は請負を行わせようとするときは、当該業務の委任又は請負に係る契約において、本契約に基づいて事業者が負うべき秘密等保持義務と同等の義務を再受任者又は下請負人に負わせなければならない。

４第 2 項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる下請負人の区分に応じて、当該各号に定める場合は、事業者は、建設企業をして、社会保険等未加入建設業者を下請負人とさせることができる。

一建設企業と直接下請負契約を締結する下請負人次のいずれにも該当する場合

ア当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としなければ本件工事の施工が困難となる場合、その他特別の事情があると振興会が認める場合

イ振興会の指定する期間内に、当該社会保険等未加入建設業者が前項に掲げる届出をし、当該事実を確認することのできる書類（以下「確認書類」という。）を、事業者が振興会に提出したとき

二前号に掲げる下請負人以外の下請負人次のいずれかに該当する場合

ア当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としなければ本件工事の施工が困難となる場合、その他特別の事情があると振興会が認める場合

イ当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としていると振興会が認め、確認書類の提出を求める通知をした日から 30 日（振興会が、事業者において確認書類を当該期間内に提出することができない相当の理由があると認め、当該期間を延長したときは、その延長後の期間）以内に、事業者が当該確認書類を振興会に提出した場合

５事業者は、当該社会保険等未加入建設業者が前項第一号に掲げる下請負人である場合において、同号アに定める特別な事情があると認められなかったとき又は事業者が同号イに定める期間内に確認書類を提出しなかったときは、振興会の請求に基づき、違約罰として、以下の計算式により算出した額を振興会の指定する期間内に支払わなければならない。

Ｐ＝Ｃ×0.1

Ｐ：違約罰の額

Ｃ：建設企業と社会保険等未加入建設業者との下請契約に係る最終の請負代金額

６事業者は、当該社会保険等未加入建設業者が第 4 項第二号に掲げる下請負人である場合において、同号アに定める特別な事情があると認められず、かつ、事業者が同号イに定める期間内に確認書類を提出しなかったときは、振興会の請求に基づき、違約罰として、以下の計算式により算出した額を振興会の指定する期間内に支払わなければならない。

Ｐ＝Ｃ×0.05

Ｐ：違約罰の額

Ｃ：社会保険等未加入建設業者とその注文者との下請契約に係る最終の請負代金額

なお、「その注文者」とは、社会保険等未加入業者の直近上位の下請人（建設企業を除く。）をいう。

７事業者は、各業務の実施又は各業務以外の業務に係る再受任者又は下請負人の使用に関する一切の責任を負うものとし、これらの責めに帰すべき事由は、その原因及び結果のいかんを問わず、事業者の責めに帰すべき事由とみなす。

（監視職員）

第18条 振興会は、監視職員を置いたときは、その日から 14 日以内に、その氏名を事業者に通知する。また、監視職員を変更したときも変更した日から 14 日以内に、その氏名を事業者に通知する。

２監視職員は、本契約の他の条項に定めるもの及び本契約に基づく振興会の権限とされる事項のうち、振興会が必要と認めて監視職員に委任する次の各号に掲げる権限を有する。

一本事業の適正かつ確実な履行に関する、事業者又は事業者の総括代理人に対する意思表示等

二事業者により提供される本事業の実施に係る要求水準の達成状況の監視三本契約の義務の履行に係る本事業の実施状況の監視

四事業者の財務状況及び選定企業との契約内容の監視五事業者が作成及び提出した資料の確認

３振興会は、2 人以上の監視職員を置き、前項に掲げる権限を分担させた場合には、それぞれの監視職員の有する権限の内容を事業者に通知する。また、前項各号に定める事項以外の本契約に基づく振興会の権限の一部を監視職員に委任した場合には、当該委任した権限の内容を事業者に通知する。

４振興会が監視職員を置いた場合には、本契約に定める振興会に対する意思表示等は、監視職員を経由して行う。この場合において、監視職員に書面が到達した日をもって振興会に到達したものとみなす。

５振興会が監視職員を置かない場合には、本契約に定める監視職員の権限は、振興会に帰属する。

（事業者の総括代理人）

第19条事業者は、総括代理人を置き、その氏名その他必要な事項を直ちに振興会に通知しなければならない。また、総括代理人を変更したときも同様とする。

２総括代理人は、本契約の履行に関し、次の各号に掲げる権限を除く、本契約に基づく事業者の一切の権限を行使することができる。

一契約金額の変更

二契約金額の請求及び受領

三第 20 条第 1 項の請求の受理

四第 20 条第 2 項の決定及び通知五契約の解除

３事業者は、本契約に定める意思表示等を、総括代理人を経由して行う。この場合において、総括代理人に書面が到達した日をもって事業者に到達したものとみなす。

（総括代理人等の変更）

第20条振興会は、総括代理人がその職務の執行につき、本事業の適正かつ確実な実施を確保するために著しく不適当と認められる場合には、事業者に対して、その理由を明示した書面により、総括代理人の変更等の必要な措置をとるべきことを請求することができる。

２事業者は、前項の請求があった場合には、当該請求に係る措置について決定し、その結果について請求を受けた日から 7 日以内に振興会に通知しなければならない。

３事業者は、監視職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められる場合には、振興会に対して、その理由を明示した書面により、監視職員の変更等の必要な措置をとるべきことを請求することができる。

４振興会は、前項の請求があった場合には、当該請求に係る措置について決定し、その結果について請求を受けた日から 7 日以内に事業者に通知しなければならない。

（業績等の監視及び改善要求措置）

第21条事業者は、別紙４の定めるところにより自らの業績等を確認し、振興会に報告する。

２振興会は、別紙４の定めるところにより、前項の事業者の報告によるほか、必要に応じて実地にて確認を行い、本事業に関する業績等の監視を行う。

３事業者は、本契約に定めがある場合又は振興会の請求があるときは、事業者及び選定企業が実施する業務の実施状況又は本契約の履行状況について、振興会に説明及び報告しなければならない。

４振興会は、随時に、事業者及び選定企業が実施する本事業の実施状況又は本契約の履行状況について、実地にて確認することができる。

５振興会は、前 4 項の結果、本事業に関して業務不履行があった場合は、別紙４の定めるところにより改善要求措置をとる。

（事業者に対する支払）

第22条振興会は、別紙５の定めるところにより事業費を事業者に支払う。

２振興会は、本契約に基づいて生じた事業者に対する債権及び債務を法令等の範囲内において対当額で相殺することができる。

（遅延利息）

第23条振興会が、本契約に基づく支払を遅延した場合には、未払額につき履行すべき日の翌日（同日を含む。）から当該金銭債務の支払が完了した日（同日を含む。）までの期間の日数に応じ、当該未払発生時における政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率

（昭和 24 年大蔵省告示第 991 号）を乗じて計算した額の遅延利息を事業者に支払わなければならない。

２事業者が、本契約に基づく支払を遅延した場合には、未払額につき履行すべき日の翌日（同日を含む。）から当該金銭債務の支払が完了した日（同日を含む。）までの期間の日数に応じ、当該未払発生時における国の債権に関する遅延利息の率（昭和 32 年大蔵

省告示第 8 号）を乗じて計算した額の遅延利息を振興会に支払わなければならない。

（費用負担等）

第24条事業者による本事業の実施その他本契約上の義務の履行に必要な一切の費用は、事業費及び本契約において振興会が負担する義務を負うと規定されている費用を除き、すべて事業者が負担する。

２事業者による本事業の実施その他本契約上の義務の履行に必要な事業者の資金の調達は、本契約において振興会が負担する義務を負うと規定されている費用を除き、すべて事業者が自らの責任と費用で行う。

３振興会は、本契約において別途規定されている場合を除き、事業者に対する保証、出資、その他資金調達に対する財政上又は金融上の支援を行わない。

（租税公課の負担）

第25条本契約及び本事業に関連して生じる租税公課は、本契約において別途規定されている場合を除き、すべて事業者が負担する。

（許認可の取得等）

第26条事業者は、本事業を実施するために必要となる一切の許認可の取得、登録及び届出等の行政手続を自らの責任及び費用負担により行わなければならない。ただし、振興会が許認可の取得、登録及び届出等の行政手続をする必要がある場合には、振興会は必要な措置を講じ、当該措置について事業者に協力を求めた場合には、業務上の著しい負担及び過大な費用が発生しない限り、事業者はこれに応じる。

２事業者は、前項ただし書きに定める場合を除き、本事業を実施するために必要な許認可の取得又は維持に関する責任及び損害（許認可取得の遅延から生じる増加費用を含む。以下同じ。）を負担する。

３振興会は、前 2 項に定める事業者による許認可の取得若しくは維持又は届出の提出について、事業者から協力を要請された場合には、法令等の範囲内において必要に応じて協力する。

４事業者は、本事業の実施に係る許認可等の取得に関する書類等を作成し、提出したものについては、その写しを保管し、本事業の終了時に振興会に提出する。

５事業者は、本事業の実施に係る許認可等の原本を保管し、振興会の要請があった場合には原本を提示し、又は原本証明付き写しを振興会に提出する。

（保険の付保等）

第27条事業者は、自らの責任と費用負担により、本事業に関して、別紙３に定める保険に加入しなければならない。

２事業者は、前項にかかわらず、自らの責任と費用負担により、本事業の実施に必要となる保険に加入することができる。

３事業者は、自らが保険契約者であるか否かを問わず、前各項による保険に関する証券及び保険約款（特約がある場合には、当該特約に関する書類等を含む。）又はこれらに代わるものを、それらの保険契約締結後直ちに振興会に提示し、原本証明付き写しを提出しなければならない。

（関連業務等の調整）

第28条事業者は、振興会が本施設に関して個別に発注する第三者の施工する工事が、本施設に関する業務遂行上密接に関連する場合は、第三者の行う工事の円滑な施工に協力し、その施工に必要な調整を行う。

２事業者は、維持管理・運営期間中において、振興会の実施する業務等が、事業契約書等に定める維持管理・運営業務の実施に関連する場合には、当該業務等の円滑な実施に協力し、必要な調整を行う。

３事業者は、前各項における関連業務等が実施される場合、関連業務等を実施する第三者及びその使用人等に関する一切の責任を負わない。ただし、事業者による調整が不適当と認められる場合はこの限りでない。

（事業費の改定）

第29条事業者は、振興会と事業者が必要と認める時期までに、別紙５の定めるところにより、金利変動、物価変動に応じた事業費の改定を行うために事業費を再計算し、振興会に事業費の内訳書の再計算結果を提出し、振興会の承諾を得なければならない。

２振興会は、前項の再計算結果に基づいて事業費を変更し、事業者との間で本契約の契約金額の変更を行う。

（物価等の変動に基づく本件工事費の改定）

第30条振興会又は事業者は、本契約の締結日から引渡日の前日までの間において次の各号のいずれかに該当すると判断した場合には、施設整備費のうち本件工事費の変更を相手方に請求して協議することができる。

一特別な要因により、主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、本件工事費が不適当となった場合

二予期することができない特別の事情により、日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、本件工事費が著しく不適当となった場合

２振興会と事業者は、前項における本件工事費の変更額及び変更時期を協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、振興会が変更額及び変更時期を定め（変更しない場合を含む。）、事業者に通知するものとし、事業者はこれに従わなければならない。

（要求水準の変更）

第31条 振興会は、要求水準の変更が必要であると認めるときには、要求水準の変更内容を記載した書面を事業者に通知し、その変更を請求することができる。この場合において、事業者は、振興会から当該書面を受領した日から 14 日以内に、振興会に対して、当該変更に伴う措置、国立劇場の引渡しの遅延の有無、事業費の変動の有無（変動がある場合はその見積額を含む。）を検討し、振興会に通知するとともに振興会と協議を行う。

２振興会又は事業者は、要求水準の削除、変更又は業務遂行方法の採用が可能であると認めるとき（技術革新等による場合を含むがこれに限らない。）は、相手方に対して事業費の減額方法を通知し、当該方法の採用の可否について協議を行う。

３前 2 項における振興会と事業者との間における協議が調わない場合は、振興会が合理的な変更内容を定め、事業者に通知するものとし、事業者はこれに従わなければならない。

（要求水準の変更による措置）

第32条 事業者は、前条第 1 項に定める変更の請求により、当該変更に伴う措置を検討するにあたり、国立劇場の引渡しの遅延の有無、事業費の増加が予想される場合にあっては、これらの遅延の期間及び費用の増加が最小限となるように対応策を検討し、振興会に通知するとともに振興会と協議しなければならない。

２振興会の責めに帰すべき事由により、要求水準の変更がなされる場合は、振興会が当該変更による合理的な増加費用を負担し、事業者との協議により当該合理的な増加費用の金額及び支払方法を定める。また、当該変更により国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合は、振興会が事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更できる。

３法令等の変更等又は不可抗力により、要求水準の変更がなされる場合は、当該変更による合理的な増加費用に関しては第 35 条第 4 項又は第 36 条第 3 項がそれぞれ適用される。また、当該変更により国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合は、振興会が事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更できる。

４法令等の変更等又は不可抗力により、要求水準の変更がなされる場合で、当該変更により事業者の費用が減少するときには、第 35 条第 5 項又は第 36 条第 4 項がそれぞれ適用される。

５要求水準の変更がなされる場合で、設計図書の変更が必要な場合には、事業者は、速やかに必要な範囲内で、設計図書を変更する。

６要求水準の変更がなされる場合で、維持管理・運営業務の業務実施計画書等の変更が必要な場合には、事業者は、速やかに必要な範囲内で、業務実施計画書等を変更する。

（臨機の措置）

第33条事業者は、災害防止等のために必要があると認められるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合、必要があると認めるときは、事業者は、あらかじめ振興会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。

２前項の場合において、事業者は、そのとった措置の内容を振興会に直ちに報告しなければならない。

３振興会は、災害防止その他本事業に関連して特に必要があると認められるときは、事業者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。

４事業者が第 1 項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、事業者が事業費の範囲において負担することが明らかに適当でないと認められる部分については、振興会が負担する。

（第三者に生じた損害）

第34条事業者は、本事業の実施に関して第三者に損害を及ぼした場合（通常避けることのできない騒音、振動、光害、地盤沈下、地下水の断絶、大気汚染、水質汚染、悪臭、電波障害又は交通渋滞等の理由により第三者に損害を及ぼした場合を含む。）には、直ちに振興会に報告し、当該第三者に対して、当該損害を賠償する。

２前項で規定された第三者の損害に関して振興会が当該第三者に対して金銭を支払った場合には、事業者は、当該金銭に相当する金額を振興会に対して補償する。

３事業者が本事業に関して振興会の責めに帰すべき事由により第三者が被った損害を賠償する法令等上の義務を負った場合には、振興会は、事業者が当該賠償義務を負ったことにより事業者に生じた合理的な増加費用を負担する。

（法令変更による措置）

第35条振興会及び事業者は、法令等の変更等により、本契約若しくは要求水準の変更が必要になる場合又は本事業の実施に関する費用が増加する場合は、速やかにその内容の詳細を相手方当事者に通知する。

２前項の通知がなされた場合、振興会及び事業者は、本契約若しくは要求水準の変更又は増加費用の負担等について協議する。なお、この場合において、事業者は、法令等の変更等又はこれに伴う本契約若しくは要求水準の変更による本事業の実施に関する費用の増減について、振興会に申し出なければならない。

３当該法令等の変更等の公布日から 60 日以内に前項の協議が調わない場合は、振興会が合理的な範囲での対応方法を事業者に通知し、事業者はこれに従わなくてはならない。なお、この場合における増加費用の負担については第 4 項による。

４本契約の締結後において、法令等の変更等により、本事業の実施に関して事業者に合理的な増加費用が発生した場合には、次の各号に定めるとおりとする。ただし、消費税等の税率変更が発生した場合には、次の各号にかかわらず本契約の鑑に記載の契約代金額にかかる消費税率の増加分を振興会が負担する。

一本事業又は国（独立行政法人を含む。）が所有・管理する施設の整備、維持管理若しくは運営に、特別に又は類型的に影響を及ぼす法令等の変更等の場合には、振興会が当該増加費用を負担する。

二前号に該当せず、施設の整備、維持管理又は運営に影響を及ぼす法令等の変更等であり、これに伴う事業者による増加費用の発生の防止手段を合理的に期待できないと認められる場合については、振興会が当該増加費用を負担する。

三前二号に該当しない法令等の変更等の場合には、事業者が当該増加費用を負担する。ただし、本事業の遂行上重大な支障があると認められる場合には、振興会及び事業者は当該増加費用の負担について協議する。

５振興会は、法令等の変更等により本事業に係る事業者の費用が減少すると合理的に見込まれる場合には、合理的な金額の範囲内で事業費を減額することができる。

６振興会は、法令等の変更等により国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合には、事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更する。

７第 1 項から第 6 項までの規定は、法令等の変更等により事業者が本事業を継続することが不能となったと振興会が判断する場合又は振興会が本事業の継続に過分の費用を要する場合において、振興会が第 92 条に基づき、第 95 条又は第 98 条に規定する措置をとることを妨げるものでない。

（不可抗力による措置）

第36条振興会及び事業者は、不可抗力により本契約に基づく義務の全部又は一部の履行ができなくなったときは、その内容の詳細を速やかに相手方当事者に通知する。この場合、当該通知を行った者は、当該不可抗力が発生した日以降、当該不可抗力により履行不能となった義務について、本契約に基づく履行義務を免れる。ただし、当該通知を行った本契約の当事者は、当該不可抗力により本契約の相手方当事者に発生する損失を最小限にするよう努めなければならない。

２事業者は、不可抗力により本事業に関して事業者に合理的な増加費用が発生した場合には、当該不可抗力の内容の詳細及びそれに伴う増加費用の詳細を通知し、当該増加費用の負担等について振興会と協議することができる。

３振興会及び事業者は、前項の協議の結果を踏まえ、本契約の締結後において、不可抗力により本事業の実施に関して事業者に発生した合理的な増加費用を別紙６に規定された負担割合に応じて当該費用を負担する。

４振興会は、不可抗力により本事業に係る事業者の費用が減少すると合理的に見込まれる場合には、合理的な金額の範囲内で事業費を減額することができる。

５振興会は、不可抗力により国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合には、事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更する。

６第 1 項から第 5 項までの規定は、不可抗力により事業者が本事業を継続することが不能となったと振興会が判断する場合又は振興会が本事業の継続に過分の費用を要する場合において、振興会が第 92 条に基づき、第 95 条又は第 98 条に規定する措置をとることを妨げるものでない。

（中断による措置）

第37条振興会は、合理的に必要があると認めた場合には、その理由を事業者に通知したうえで、本事業の全部又は一部の実施を一時中止させることができる。

２振興会は、前項により、国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合には、事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更する。ただし、前項に定める一時中止が事業者の責めに帰すべき事由によるときは引渡予定日を変更しない。

３第 1 項に定める一時中止が振興会の責めに帰すべき事由による場合に、事業者に発生する合理的な増加費用については、振興会がこれを負担する。

４第 1 項に定める一時中止が事業者の責めに帰すべき事由による場合に、事業者に発生する増加費用については、事業者がこれをすべて負担する。

５第 1 項に定める一時中止が法令等の変更等又は不可抗力によるときには、当該一時中止に関して事業者に発生する合理的な増加費用に関しては第 35 条第 4 項又は第 36 条第

3 項がそれぞれ適用される。

（事業関係者による会議体の設置）

第38条振興会及び事業者は、本事業を円滑に実施するために必要な事項に関する調整を行うことを目的とし、業務要求水準書及び事業計画書等に従い、振興会、事業者、選定企業及びその再受任者又は下請負人等の事業関係者により構成する会議体を設置する。

第３章施設整備に関する事項

第１節共通事項

（設計・施工工程表）

第39条事業者は、施設整備業務に着手する前日までに、設計・施工工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

２事業者は、設計・施工工程表について変更があった場合には、速やかに振興会に当該変更後の設計・施工工程表を提出し、振興会による確認を受けなければならない。

（事業費内訳書等）

第40条 事業者は、本事業における施設費、維持管理・運営費の適正な管理を行うための基準となる施設費、維持管理・運営費の内訳書を作成し、国立能楽堂に係る事業費は令和 5 年 3 月 1 日までに、国立劇場に係る事業費は令和 9 年 6 月 1 日までに、その内容の確定を行う。

（要求水準の確認）

第41条事業者は、設計業務に着手する前に、設計業務に係る要求水準確認計画書を振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

２事業者は、設計業務の完了にあたり、設計業務に係る要求水準確認報告書を、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

３事業者は、本件工事に着手する前に、本件工事に係る要求水準確認計画書を、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

４事業者は、本件工事の完了にあたり、本件工事に係る要求水準確認報告書を、振興会に提出するとともに確認を受けなければならない。

（事業用地の使用等）

第42条振興会は、事業者が本事業の施設整備業務（複合施設の整備を含む。）のために事業用地を使用することができる状態とし、次の各号に掲げるところに従い、事業者に無償で使用させることとする。

一事業用地は、別紙７に定める敷地とする。

二振興会が事業者に事業用地を使用させる期間（以下「事業用地の使用期間」という。）は、解体撤去業務の着工日から国立劇場の引渡日までの期間又は第 7 章第 2 節に基づき国立劇場の引渡し前に本契約を解除する場合はその出来形部分の引渡日までの期間とする。

２事業者は、事業用地の使用期間中、善良な管理者の注意義務をもって事業用地の維持保全に努めなければならない。事業用地の使用にあたっては、次の各号に掲げるところに従うこととする。

一事業者は、施設整備業務に必要な範囲で事業用地を使用しなければならない。

二事業者は、事業用地上で解体撤去中又は建設中の建物、仮設物その他工作物によって、第三者に損害を与えた場合には、その賠償の責任を負うものとし、振興会が事業者に代わって賠償の責任を果たした場合には、事業者に求償することができる。

三事業者は、施設整備業務の実施にあたり、事業用地以外に仮設及び資機材置場等が必要な場合には、自らの責任と費用負担においてこれを確保しなければならない。

四事業者が事業用地の維持保全につき費用（通常の必要費を含むが、これに限定されない。）を支出し、又は事業用地の改良のための費用若しくはその他の有益費を支出しても、振興会は当該費用を事業者に対して負担しない。また、事業者は、前項第二号に定める期間が満了した場合、事業者が支出した必要費及び有益費等が現存している場合であっても、振興会に対しその償還等の請求をすることができない。

３事業者は、事業用地上の自己所有の建物その他工作物を本契約上の目的を超えて第三者に使用させ、譲渡し又はその他の処分をしようとするときは、事前にその理由を記載した書面によって振興会に申請し、その承諾を得なければならない。

４事業者は、事業用地の境界についての紛争、その他事業用地に対して権利を主張するものがある場合及び事業用地の全部又は一部が滅失し、又は損傷した場合には、直ちに振興会に通知しなければならない。

５振興会は、振興会が必要と認めるときは、事業者に対し事業用地の使用状況に関して質問し、実地に調査し、又は参考になるべき資料その他の報告を求めることができる。この場合において、事業者は、その質問に対して答弁をせず若しくは偽りの答弁をし、その調査を拒み若しくは妨げ、又はその報告を拒み若しくは怠ってはならない。

（関係資料等の貸与）

第43条振興会は、事業者が求め、振興会が必要と認めた場合には、事業者が実施する調査について、関係資料を事業者に貸与する。

２貸与した関係資料の利用に係る一切の責任は、事業者が負担する。

３事業者は、関係資料を善良な管理者の注意をもって管理し、当該関係資料の内容等に誤り、欠如及び不明瞭等の事実を発見した場合には、その旨を直ちに振興会に通知し、その確認を求めなければならない。

４関係資料と事業者の調査結果との間に齟齬があっても、事業者が自ら調査して確認するものとし、振興会は責任を負わない。

（近隣対策）

第44条事業者は、自らの責任と費用負担において、騒音、悪臭、光害、粉塵発生、交通渋滞、振動及びその他本事業又は施設整備業務の実施が事業用地の近隣住民の生活環境等に与える影響を調査し、合理的に要求される範囲の近隣対策を実施する。

２前項に規定された近隣対策の実施について、事業者は、振興会に対して、事前及び事後にその内容及び結果を報告する。

３入札説明書等において事業者に提示した条件に対する近隣住民等の要望活動又は訴訟に起因して増加費用が生じる場合には、振興会は、事業者が負担した合理的な増加費用を負担し、事業者との協議により当該増加費用の金額及び支払方法を定める。

４前項以外の近隣住民等の要望活動又は訴訟に起因して増加費用が生じる場合は、事業者が負担する。

（引渡し等の遅延又は変更に伴う措置）

第45条 振興会の責めに帰すべき事由により、国立劇場の引渡しが引渡予定日より遅延した場合には、振興会は、引渡予定日から引渡日までの期間（両日を含む。以下、本条において同じ。）において、事業者が負担した合理的な増加費用を負担し、事業者との協議により当該増加費用の金額及び支払方法を定める。この場合において、振興会は第 23 条第 1 項に定める遅延利息を負担しない。

２事業者の責めに帰すべき事由により、国立劇場の引渡しが引渡予定日より遅延した場合には、事業者は、当該遅延による増加費用を負担するとともに、引渡予定日から引渡日までの期間について、施設費相当額に対して第 23 条第 2 項に定める遅延利息の率を

乗じ、年 365 日の日割り計算により得られる遅延利息を振興会に対して支払う。

３法令等の変更等又は不可抗力事由により、国立劇場の引渡しが引渡予定日より遅延し、事業者に発生した合理的な増加費用に関しては、第 35 条第 4 項又は第 36 条第 3 項がそれぞれ適用される。

４国立劇場の引渡しが引渡予定日より遅延する場合には、振興会は、国立劇場の引渡しに先立ち、国立劇場の全部又は一部で使用可能な部分を、本事業の目的に照らして合理的に必要な範囲において使用することができる。この場合において振興会及び事業者が合意したときには、事業者は、振興会が使用する国立劇場の全部又は一部につき、合理的に必要な範囲において、維持管理・運営業務を実施し、振興会は当該実施に係る維持管理・運営費を支払う。

（調査）

第46条事業者は、必要に応じて、自ら又は施設整備業務に係る選定企業をして、事業用地（既存施設等を含む。以下、本条において同じ。）における測量、地盤調査その他施設整備業務の実施に関係する調査を実施することができる。

２事業者は、前項に定める調査又はその調査結果に係る一切の責任及び費用並びに当該調査の不備及び誤り等から生じる一切の責任及び増加費用を負担する。

３事業者は、第 1 項の規定に従って調査を行った結果、新たな事情が判明した場合（土壌汚染、地中障害物及び埋蔵文化財の存在等を除く。）には、その対策費を負担する。

４事業者は、第 1 項の規定に従って調査を行った結果、事業用地に関して、土壌汚染、地中障害物及び埋蔵文化財の存在等について、入札説明書等で規定されていなかったこと又は入札説明書等で規定されていた事項が事実と異なっていたことにより、事業者が本契約に従って本事業を履行することができない又は事業者が本事業を履行することができても事業者に著しい増加費用が発生することが判明した場合には、その旨を直ちに振興会に通知しなければならない。

５前項の場合において、国立劇場の引渡しの遅延が避けられない場合には、振興会は、事業者と協議のうえ、引渡予定日を変更できる。また、振興会は、前項の場合において生じる、合理的な範囲内の増加費用を負担する。

（調査における第三者の使用等）

第47条 事業者は、自ら又は選定企業をして調査の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせようとするときは、当該業務の委任又は請負に係る契約締結予定日の 20 日前までに、振興会に対し、当該第三者の商号及び住所等の必要な事項を通知するとともに、当該契約書案を提示し、振興会の承諾を得なければならない。また、当該契約書の主たる内容を変更しようとするときも同様とする。なお、事業者は、振興会の承諾を要するか否かに関わらず、当該契約書を変更した場合、その後速やかに変更契約書の写しを振興会に提出しなければならない。

２事業者は、調査の実施に係る再受任者又は下請負人の使用に関する一切の責任を負うものとし、これらの責めに帰すべき事由は、その原因及び結果のいかんを問わず、事業者の責めに帰すべき事由とみなす。

（調査の管理）

第48条事業者は、調査に着手する場合には、当該調査に着手する前に調査計画書を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

２事業者は、調査の実施期間にわたり、前項に定める調査計画書に基づいて調査の遂行を管理しなければならない。

３事業者は、調査を終了したときは、調査報告書を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第２節設計業務

（設計業務の実施及び管理）

第49条事業者は、設計業務に着手する前に、資格確認資料に記載された管理技術者及び各主任担当技術者を決定し、氏名その他を振興会に通知するとともに確認を受けなければならない。なお、当該管理技術者及び各主任担当技術者については、設計業務完了までの間、原則として変更できない。ただし、病気、死亡、退職、出産、育児、介護等の特別なやむを得ない理由により変更を行う場合には、競争参加資格に掲げる基準を満たし、かつ、当初の配置予定技術者と同等以上の技術者を選任のうえ、振興会の確認を受けなければならない。

２事業者は、設計業務の実施期間にわたり設計に係る要求水準確認計画書に基づいて設計業務を管理するとともに、要求水準を達成していることを確認しなければならない。

（設計図書の作成及び提出）

第50条 事業者は、基本設計の完了前に、複合施設の平面計画について振興会と協議しなければならない。この場合の協議に要する日数は 40 日以内とする。

２事業者は、前項の平面計画についての協議の終了後、基本設計を完了したと判断した場合には、業務要求水準書に定める基本設計図書及び要求水準確認報告書を振興会に提

出し、国立劇場に係る基本設計図書の設計内容が、要求水準及び事業計画書に適合することの確認を受けなければならない。

３振興会は、前項の基本設計図書及び要求水準確認報告書を受領した場合には、国立劇場に係る基本設計図書の内容が、業務要求水準書及び事業計画書に適合するか否かを確認し、その結果を、当該図書等を受領した日を含めて 14 日以内に事業者に書面で通知しなければならない。

４振興会は、前項の確認の結果、国立劇場に係る基本設計図書の内容が要求水準及び事業計画書に適合しないと認める場合には、事業者に是正を求めることができる。この場合、事業者は、自らの責任で速やかに是正を行い、前項の確認を受けなければならない。

５事業者は、複合施設の工事着手前に、複合施設の実施設計の内容について振興会に対して事前に説明を行い、確認を受ける。振興会は、当該内容の説明が、国立劇場に係る要求水準及び事業計画書に適合しないと認める場合には、速やかに通知することにより事業者に是正を求めることができる。

６事業者は、設計業務の完了後、業務要求水準書に定める設計業務の成果物を振興会に提出しなければならない。

（建築確認申請に関する説明及び報告）

第51条 事業者は、建築基準法（昭和 25 年法律第 201 号）第 6 条第 1 項に定める建築物の建築等に関する申請を行う前に、振興会に対して建築確認申請書の写しを添えて書面による事前説明を行う。また、事業者は、建築基準法第 6 条第 1 項に定める確認を受けた

後 7 日以内に、振興会に対して建築確認済証の写しを添えて書面による事後報告を行う。

第３節建設業務

（建設業務の実施）

第52条事業者は、建設企業との間で締結する建設請負契約において、建設企業が建設する国立劇場の所有権が事業者に原始的に帰属する旨の特約を付す。

２事業者は、本件工事に着手する前に、資格確認資料に記載した建設業法第 26 条に規定する監理技術者又は主任技術者を決定するとともに配置させ、振興会に提出するとともに確認を受けなければならない。なお、当該監理技術者又は各主任技術者については、国立劇場の引渡しが完了するまでの間（各工区、各工事分野、各工事種目を分離して工事を分担する場合には、当該部分に限る。）、原則として変更できない。ただし、事業者は、病休、死亡、退職、出産、育児、介護等のやむを得ない理由により変更を行う場合には、競争参加資格に掲げる基準を満たし、かつ、当初の配置予定技術者と同等以上の技術者を選任のうえ、振興会の確認を受けなければならない。

３事業者は、業務要求水準書に従い、工事現場（工事占有道路、通路等施工に関連する合理的な範囲を含む。）の安全管理、警備等を、善良な管理者の注意をもって行う。

４事業者は、本件工事に着手しようとするときは、あらかじめ振興会に工事着手届を提出しなければならない。

（建設業務における体制の確認）

第53条 事業者は、建設業法第 24 条の 8 の規定及び業務要求水準書に基づき、建設業務に係る施工体制台帳及び施工体系図の写しを振興会に提出し、その内容を変更するときは、事前に振興会に通知するとともに、速やかに修正後の施工体制台帳及び施工体系図の写しを振興会に提出しなければならない。

２振興会は、必要と認めた場合には、監理技術者又は主任技術者の配置の状況、その他本事業の工事現場の施工体制が施工体制台帳の記載に合致しているかどうかの確認を行うことができる。

３振興会は、建設企業が第 17 条の定めに基づいて使用する再受任者又は下請負人について、工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。

４事業者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果について当該請求を受けた日から 10 日以内に振興会に通知しなければならない。

（実施工程表）

第54条事業者は、本件工事の着手前に、業務要求水準書の内容に従って実施工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

２事業者は、本件工事を着工した日から引渡日までの間、業務要求水準書に定める月間工程表を作成し、振興会に当該月間工程の前月末日までに提出し、振興会による確認を受けなければならない。

３事業者は、本件工事に着工した日から引渡日までの間、業務要求水準書に定める進捗状況報告書を毎月作成し、振興会に当該月末日に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

４事業者は、第 1 項の実施工程表に記載された出来高予定と、前項の進捗状況報告書に示された出来高との変動が 5％を超える状況が生じた場合には、その理由を明確にして振興会に報告する。

（建設業務の管理）

第55条事業者は、本件工事に着手する前に、総合施工計画書、工種別施工計画書及び品質管理計画書を振興会に提出しなければならない。

２事業者は、本件工事の実施期間にわたり、本件工事に係る要求水準確認計画書並びに前項に定める施工計画及び品質管理計画に基づいて建設業務を管理し、実施設計図書に従い工事が施工されることを確認するとともに、要求水準を達成していることを確認しなければならない。

（建設業務に関する書類等の作成及び提出）

第56条事業者は、建設業務の完了後、業務要求水準書に定める建設業務の成果物を振興会に提出しなければならない。

（重点的な確認）

第57条 振興会は、第 21 条に定める業績等の監視において、事業者と協議により時期を定め、主要な工程に係る工事の終了時に、書面によるほか実地における重点的な確認を実施することができる。振興会は、重点的な確認を実施する場合には、実施する日の 14日前までに事業者に対して実施する旨を通知する。

２振興会は、重点的な確認を実施することとしているにもかかわらず、重点的な確認を受けることなく次の工程の施工がされた場合又は工事の施工部分が要求水準若しくは設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、その理由を事業者に通知し、当該施工部分を最小限度破壊して、確認することができる。

３振興会は、重点的な確認の結果、工事の施工部分が要求水準又は設計図書に適合しないと認められる場合には、事業者に対して是正を求めることができる。

４振興会は、重点的な確認の内容及び結果のいかんに関わらず、重点的な確認を実施した事実をもって施設整備業務の全部又は一部についての責任を負わない。

５事業者は、第 2 項の確認及び復旧に直接要する費用又は第 3 項の是正に要する費用を負担しなければならない。

第４節工事監理業務

（工事監理業務の実施及び管理）

第58条事業者は、本件工事に着手する前に、資格確認資料に記載した管理技術者及び各主任担当技術者を決定し、氏名その他を振興会に通知するとともに確認を受けなければならない。なお、当該管理技術者及び各主任担当技術者については、国立劇場の引渡しが完了するまでの間、原則として変更できない。ただし、病気、死亡、退職、出産、育児、介護等のやむを得ない理由により変更を行う場合には、競争参加資格に掲げる基準を満たし、かつ、当初の配置予定技術者と同等以上の技術者を選任のうえ、振興会の確認を受けなければならない。

２事業者は、本件工事に着手する前に、工事監理業務計画書を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

３事業者は、本件工事の実施期間にわたり、前項に定める工事監理業務計画書に基づいて工事監理業務を行い、本件工事が、設計図書に従って施工されるとともに、要求水準を達成していることを確認しなければならない。

４事業者は、本件工事の実施期間にわたり、工事監理業務報告書を振興会に毎月提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第５節国立劇場の完成及び国立劇場の引渡し

（完成等に係る許認可等の取得）

第59条事業者は、自らの責任と費用負担において、複合施設の完成に伴い必要となる一切の申請及び届出を行わなければならない。

２事業者は、建築基準法第 7 条第 4 項に規定する検査を受け、同条第 5 項に規定する検査済証の交付を受けた場合には、その原本の写しを直ちに振興会に提出しなければならない。

（事業者による完成検査）

第60条 事業者は、国立劇場及びその他施設整備業務に係る成果物について、事業者が合理的に必要又は適切と判断する完成検査を行う（以下、本節において国立劇場の完成及びその他施設整備業務に係る成果物を個別に又は総称して「施設整備業務に係る成果物」といい、本節で規定する完成検査及び完成確認等は、引渡予定日の前に実施することを予定する。）。この場合、事業者は、当該完成検査に先立つ 7 日前までに、当該完成検査の日程を振興会に対して通知する。

２振興会は、前項の完成検査に立ち会うことができ、この場合、事業者は、振興会による当該立会いを拒否できない。

３事業者は、第 1 項の完成検査において、要求水準確認計画書により施設整備業務に係る成果物が業務要求水準書及び事業計画書に従い要求水準を達成していることの当否について検査し、要求水準確認報告書を添えて完成届を振興会に提出しなければならない。

（振興会による完成確認）

第61条 振興会は、前条第 3 項に規定された完成届を受領した日から 14 日以内に、施設整備業務が完了し、業務要求水準書及び事業計画書のとおり施設整備業務に係る成果物が完成していることを事業者の立会いのうえ、確認し、当該確認結果を事業者に通知する。

２振興会は、前項の場合において、建設業務及び工事監理業務の実施に疑義があると認められる場合には、その理由を事業者に通知して国立劇場を最小限度破壊して確認することができる。なお、振興会は、当該確認の実施を理由とする施設整備業務の全部又は一部についての責任を負担しない。

３振興会は、第 1 項の確認の結果、施設整備業務に係る成果物について業務要求水準書及び事業計画書を満たさないと判断した場合には、事業者に対してその是正を求めることができる。

４事業者は、前項の請求を受けた場合には、自らの責任で速やかに是正を行い、第１項の確認を受けなければならない。

５事業者は、第 1 項の確認、第 2 項の確認及び復旧に直接要する費用又は前項の是正に要する費用を負担しなければならない。

（振興会による完成確認通知書の交付）

第62条 振興会は、前条に定める確認の結果、施設整備業務に係る成果物が業務要求水準書及び事業計画書のとおり完成していることを確認した場合には、当該確認の日から 7日以内に、施設整備業務に係る成果物についての完成確認通知書を事業者に対して交付する。

２振興会は、前条に定める確認の結果、施設整備業務に係る成果物が業務要求水準書及び事業計画書のとおり完成していることを確認できない場合には、前条第 3 項の請求に対して事業者が是正の対応を行ったことをもって、確認を完了とすることができ、前項の定めに従う。なお、本条に規定する確認の完了は本件工事に関する事業者の責任を免除するものでない。

（引渡し）

第63条事業者は、前条に定める完成確認通知書を受領した後、引渡日に施設整備業務に係る成果物の引渡書を振興会に対して提出するとともに、振興会による部分使用がない限りにおいて国立劇場を未使用の状態で施設整備業務に係る成果物とともに振興会に引き渡す。

２振興会は、前項の規定に従って、事業者から施設整備業務に係る成果物の引渡しを受けた場合には、施設整備業務に係る成果物に関する引渡受領書を事業者に対して交付する。

３振興会は、第 1 項に規定された引渡しにより、国立劇場に係る区分所有権及び複合施設の共用部分の共有持分を取得する。複合施設のうち共用部分は振興会及び民間収益事業者の共有に属するものとし、共用部分に係る持分割合は、振興会及び民間収益事業者双方の複合施設における専有部分の床面積割合を基準とし、事業計画書及び設計図書に基づき、振興会及び民間収益事業者の間で別途協議のうえ、定めることとする。

４事業者は、複合施設並びにその敷地利用権に係る必要な登記手続（振興会を登記義務者とする登記手続を含み、登記手続に必要な書類作成等の事務を含む。）を自ら又は民間収益事業者の費用と責任において行うものとする。振興会は、複合施設並びにその敷地利用権について、事業者が行うべき登記手続に必要な協力を行う。

（部分使用）

第64条振興会は、国立劇場の引渡し前においても、事業者の承諾を得て国立劇場の全部又は一部を使用することができる。

２振興会は、前項の場合において、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。

３振興会は、第 1 項により国立劇場の全部又は一部を使用したことによって事業者に合理的な追加費用が生じた場合には、これを負担する。

（前払金及びその使用等）

第65条 事業者は、令和 5 年 3 月 31 日までに保証事業会社と、引渡予定日を保証期限とす

る前払法第 2 条第 5 項に規定する保証契約（以下、本条において「保証契約」とい

う。）を締結し、その保証証書を振興会に寄託して、別紙５に示す金額の前払金の支払を振興会に請求する。

２振興会は、前項の規定による請求に基づき、請求を受けた日から 14 日以内に前払金を支払わなければならない。

３事業者は、第 1 項の場合において、自己の費用負担により、保証契約の締結後速やかに、当該保証金請求権に第 93 条第 2 項及び第 3 項の違約金支払債務を被担保債務とする質権を振興会のために設定する。

４事業者は、前払金を施設整備業務に係る材料費、労務費、機械器具の賃借料、機械購入費（本件工事において償却される割合に相当する額に限る。）、動力費、支払運賃、修繕費、仮設費、労働者災害補償保険料及び保証料に相当する額として必要な経費以外の支払に充当してはならない。

（部分払）

第66条 第 87 条の規定にかかわらず、事業者は、本件工事の完成前に、施設費のうち、別紙５に示す金額について、次項から第 5 項までに定めるところにより部分払を請求する。

２事業者は、部分払を請求するときは、あらかじめ、当該請求に対応した出来形部分の確認を振興会に請求しなければならない。

３事業者は、前項に基づく振興会への請求に先立ち、あらかじめ当該出来形部分の完成検査を行わなければならない。

４前二項に基づく確認及び検査については、第 60 条から第 62 条までの規定を準用し、

当該検査又は復旧に直接する費用の負担は、第 61 条第 5 項の規定を準用する。

５事業者は、第 4 項に基づき結果通知があったときは、部分払を請求する。この場合においては、振興会は、当該請求を受けた日から 30 日以内に部分払金を支払わなければならない。

（契約不適合責任）

第67条振興会は、施設整備業務に係る成果物が、契約の内容に適合しないもの（以下

「契約不適合」という。）である場合には、事業者に対して施設整備業務に係る成果物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求し、又はその履行の追完に代え若しくは履行の追完とともに損害賠償を請求することができる。

２前項の場合において、事業者は、振興会に不相当な負担を課すものでないときは、振興会と事前に協議し、承諾を得たうえで、振興会が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。

３第 1 項の場合において、振興会が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、振興会は、その不適合の程度に応じ第 87 条第 4 項の規定を準用して代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。

一履行の追完が不能であるとき。

二事業者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三施設整備業務に係る成果物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ本契約をした目的を達することができない場合において、事業者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。

四前三号に掲げる場合のほか、振興会が本項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。

４第 1 項に規定された履行の追完若しくは損害賠償、第 3 項に規定された代金の減額又

は第 89 条第 1 項第一号若しくは第 2 項第十四号に基づく契約の解除の請求は、引渡日

から 2 年以内に通知又は請求を行うことによりこれを行う。ただし、その契約不適合が事業者の故意又は重大な過失により生じた場合には民法の定めるところによるものとする。

５第 1 項又は第 3 項の通知は契約不適合の内容を通知することで行い、振興会は、当該

通知を行った後請求をしようとするときは、通知から 1 年以内に請求する損害額の算定

の根拠など請求の根拠を示して行わなければならない。また、第 1 項及び第 3 項の請求は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠など当該請求の根拠を示して、事業者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。

６民法第 637 条第１項の規定は、第 1 項及び第 3 項の契約不適合責任期間とするときは適用しない。

７振興会は、施設整備業務に係る成果物の引渡しの際に契約不適合があることを知った場合には、第 1 項の規定にかかわらず、その旨を直ちに事業者に対して通知しなければ、当該契約不適合に係る履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除をすることはできない。ただし、事業者がその契約不適合があることを知っていた場合には、この限りでない。

８契約不適合が構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分について生じた場合（構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入に影響のないものを除く。）には、第 1 項、

第 3 項又は第 89 条第 1 項第一号若しくは第 2 項第十四号に基づく請求を行うことので

きる期間は 10 年とし、前各項の規定は適用しない。

９事業者は、第 1 項に定める契約不適合の修補を完了したときは、振興会による確認を受けなければならない。

第４章維持管理・運営に関する事項

第１節共通事項

（業務体制の整備）

第68条事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始予定日、国立劇場維持管理運営開始予定日、その他業務要求水準書に定められる時期又は振興会が事業者との協議のうえ定めた時期までに、業務要求水準書に定められる又は振興会が必要と認め事業者と協議のうえ定めた業務実施計画書等を振興会に提出し、業務要求水準書及び事業計画書を満たしていることの確認を受けなければならない。

２事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始日又は国立劇場維持管理運営開始予定日までに、業務要求水準書及び事業計画書並びに前項の業務実施計画書等のとおり維持管理・運営業務を実施するために必要となる人員、器具及び設備等を準備して、振興会の確認を受けなければならない。

３振興会は、第 1 項又は前項において、業務要求水準書又は事業計画書を満たしていないと認められる場合は、事業者に対して是正を求めることができる。

（統括責任者等）

第69条 事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始日及び国立劇場維持管理運営開始日の 90日前までに、業務要求水準書又は事業計画書の内容に合致した統括責任者及び維持管理・運営業務の業務責任者等を定め、あらかじめその氏名、連絡先その他振興会が定める事項を振興会に通知するとともに確認を受けなければならない。事業者は、統括責任者及び業務責任者等を変更しようとする場合には 30 日前までに、同様の手続をとる。

２振興会は、統括責任者及び業務責任者等が維持管理・運営業務を行うにあたり不適当と認められる場合には、その理由を明記して事業者に対して統括責任者及び業務責任者等の変更等の必要な措置をとるべきことを請求することができる。この場合、事業者は、請求を受けた日から 60 日以内に適切に対処しなければならない。

３事業者は、維持管理・運営業務の実施に必要となる、管理体制、業務分担、緊急連絡体制等の事項を業務実施計画書等に定めて、前条第 1 項に規定する時期までに、振興会に対して提出し、確認を受けなければならない。

（図面等の貸与）

第70条振興会は、維持管理・運営期間中、貸与図面等を事業者に貸与する。

２貸与図面等の利用に係る一切の責任は、事業者が負担する。

３事業者は、維持管理・運営業務の実施により必要となる貸与図面等の更新を図るものとし、事業者は、貸与図面等の更新を図った場合には、当該更新内容について振興会へ通知しなければならない。

（維持管理・運営業務の実施）

第71条事業者は、業務実施計画書等に従って事業契約書等に定める維持管理・運営業務を実施する。

２事業者は、自ら又は維持管理企業若しくは運営企業をして、維持管理業務又は運営業務を行うにあたって必要な有資格者を配置する。

（維持管理・運営業務における第三者の使用等に係る措置）

第72条 振興会は、維持管理企業又は運営企業が第 17 条に基づいて使用する再受任者又は下請負人について、維持管理業務又は運営業務の実施につき不適当と認められるものがあるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。

２事業者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を、請求を受けた日から 10 日以内に振興会に通知しなければならない。

（使用人等に関する事業者の責任）

第73条事業者は、維持管理企業又は運営企業が維持管理業務又は運営業務の実施につき用いた使用人等による業務上の行為については、一切の責任を負う。

２事業者は、維持管理企業又は運営企業が、維持管理業務又は運営業務の実施につき、法令上、資格の定めのある業務に従事させる使用人等については、その氏名及び資格を振興会に通知するとともに確認を受けなければならない。なお、当該使用人等を変更したときも同様とする。

３事業者は、振興会の請求があるときは、前項に定めのある使用人等以外の使用人等の氏名を振興会に通知しなければならない。

４振興会は、維持管理企業又は運営企業が用いた使用人等が維持管理業務又は運営業務を行うにあたり不適当と認められる場合には、その理由を明記して事業者に対して交代を請求することができる。この場合、事業者は、請求を受けた日から 60 日以内に適切に対処しなければならない。

（業務実施報告書等の作成及び提出）

第74条事業者は、業務要求水準書及び業務実施計画書等に従って、維持管理・運営期間にわたり、業務実施報告書等を作成し、業務要求水準書に定められる期限又は振興会が事業者との協議のうえ定めた時期までに振興会に対して提出しなければならない。

（本施設の損傷）

第75条事業者は、維持管理・運営期間中、本施設が損傷した場合には、直ちにその状況を振興会に通知しなければならない。

２振興会は、前項の通知を受けた場合には、直ちに調査を行い、前項の損傷の状況を確認し、その結果を事業者に通知しなければならない。

３振興会及び事業者は、前項の損傷の状況が確認された場合には、当該損傷の復旧について協議する。なお、当該復旧に要する費用（第 27 条による保険でてん補された費用を除く。）については、次の各号に掲げるところに従い負担する。ただし、振興会が負担する復旧の費用については、振興会が事業者との協議により、その金額及び支払方法を定める。

一事業者の帰責事由により損傷した場合には、事業者が復旧の費用を負担する。二振興会の帰責事由により損傷した場合には、振興会が復旧の費用を負担する。三不可抗力により損傷した場合には、第 36 条第 3 項による。

四前各号に該当しない場合には、振興会が復旧の費用を負担する。

五前各号の複数に該当する場合には、振興会が事業者との協議のうえ、該当する事由に応じて費用の分担を定める。

第２節維持管理・運営業務（飲食・物販等サービス提供業務を除く）に関する事項

（事業者管理諸室の使用）

第76条振興会は、維持管理・運営期間中、事業者管理諸室を無償で事業者に対して使用させる。

２事業者は、事業者管理諸室を善良な管理者の注意義務をもって使用しなければならない。また、事業者は、事業者管理諸室を振興会に返還すべき場合には、自らの責任と費用負担により、これらを原状に回復しなければならない。ただし、原状に回復させることが適当でないと振興会が認めた場合には、事業者は事業者管理諸室を現状のまま返還することができる。

（振興会による検査）

第77条事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始日以降の各事業年度における支払対象期間の維持管理・運営業務が完了したときは、当該支払対象期間の業務完了届を振興会に提出しなければならない。

２振興会は、前項による業務完了届を受領したときは、速やかに検査を実施する。

３振興会は、前項による検査の結果、第 1 項に規定された業務完了届の対象となった維持管理・運営業務が、業務要求水準書及び事業計画書、業務実施計画書等並びに業務実施報告書等及び改善要求措置の内容に照らして、要求水準の達成状況に適合していることを確認したときは、業務完了通知書を事業者に交付しなければならない。

第３節飲食・物販等サービス提供業務に関する事項

（飲食・物販等サービス提供業務の使用）

第78条 事業者は、業務要求水準書及び事業計画書に基づき、飲食・物販等サービス提供業務の実施に際して占有して使用する事業用地及び国立劇場内の諸室（以下「飲食物販諸室」という。）の使用の許可を得るため、引渡日の 60 日前までに、その使用に関する申請書を振興会に提出しなければならない。なお、飲食物販諸室の使用の許可の更新を行う場合についても同様に、更新日の 60 日前までにその使用に関する申請書を振興会に提出しなければならない。

２振興会は、前項の申請書を受領した日から 30 日以内に、当該申請書の内容が、国立劇場の用途又は目的を妨げないものであることを確認し、飲食物販諸室を有償で事業者に対して使用させる。

３事業者は、飲食物販諸室を善良な管理者の注意義務をもって使用しなければならない。

４事業者は、飲食物販諸室を振興会に返還すべき場合には、自らの責任と費用負担により、これらを原状に回復しなければならない。ただし、原状に回復させることが適当でないと振興会が認めた場合には、事業者は飲食物販諸室を現状のまま返還することができる。

（飲食・物販等サービス提供業務の実施）

第79条事業者は、業務要求水準書に定めるところに従い飲食・物販等サービス提供業務を独立採算により実施しなければならない。

２事業者は、業務要求水準書に別段の定めがない限り、事業期間の終了日までの間、自らの経営努力により飲食・物販等サービス提供業務を継続しなければならない。

第５章付帯事業に関する事項

（付帯事業の実施）

第80条事業者は、事業計画書に基づいて、民間収益事業者をしてその費用と責任において民間収益施設を整備させる。

２事業者及び振興会は、複合施設の着工に先立ち、引渡予定日を始期とし、引渡予定日の 70 年後の応当日を終期とする定期借地権設定契約を締結する。ただし、国立劇場の引渡しが引渡予定日より遅延する場合（本契約の規定に従い引渡予定日が変更された場合を含む。）、事業者及び振興会は、締結済みの定期借地権設定契約を合意解約のうえ、新たな引渡予定日を始期とする定期借地権設定契約を再締結する。なお、この場合、再締結する定期借地権設定契約の終期は、変更後の引渡予定日の 70 年後の応当日（ただし、国立劇場の引渡しの遅延が事業者又は民間収益事業者の責に帰すべき事由による場合には、当初の引渡予定日の 70 年後の応当日から変更しない。）とする。

３事業者は、引渡日の翌日以降、民間収益事業者をして付帯事業を実施させる。事業者は、民間収益事業者をして、付帯事業を独立採算で実施させ、事業計画書に基づいて、

民間収益事業者の費用及び責任においてこれを実施させる。事業者は、振興会が本契約に基づいて支払う事業費を民間収益事業の実施に係る費用に充ててはならない。

４事業者は、振興会の事前の承諾を得た場合を除き、民間収益事業者を変更してはならない。

５引渡日の翌日以降における民間収益施設の敷地利用権は、事業者が定期借地権設定契約上の借地権者として設定する転借権とし、民間収益事業者は、かかる転借権を振興会と準共有するものとする。

（付帯事業等に係る近隣説明）

第81条 第 44 条ほか本契約のその他の規定にかかわらず、事業者は、民間収益事業者をして、付帯事業の実施及び民間収益施設の整備に際し、振興会、国立劇場の来場者及び近隣に悪影響を及ぼさせてはならない。

２本契約のその他の規定にかかわらず、事業者は、付帯事業の実施及び民間収益施設の整備に関して近隣対策が必要なときは、自己の責任及び費用において実施しなければならない。

（付帯事業のための許認可の取得等）

第82条 第 26 条、第 59 条ほか本契約のその他の規定にかかわらず、付帯事業の実施のために必要な許認可の取得、登録及び届出等の行政手続の履践はすべて事業者又は民間収益事業者の責任において行うものとし、許認可の取得の遅延又は取得不可、その他登録及び届出等の行政手続の遅延等により生ずる損害、追加費用（金融費用を含む。）等は、すべて事業者又は民間収益事業者が負担する。

（付帯事業の収支管理及び事業報告等）

第83条事業者は、民間収益事業者をして、付帯事業の収支に係る計算書類を選定事業の会計書類とは別に作成し、管理させなければならない。

２事業者は、自ら又は民間収益事業者をして、入札説明書及び事業計画書に従い、振興会に対し、付帯事業に係る事業報告及び事業計画書の提出を行わなければならない。

（第三者への損害）

第84条本契約のその他の規定にかかわらず、付帯事業の実施により第三者に損害が生じたときは、事業者は、自ら又は民間収益事業者をして、すべてこれを賠償しなければならない。

（法令等の変更等及び不可抗力）

第85条 第 35 条、第 36 条ほか本契約のその他の規定にかかわらず、事業者は、付帯事業が自ら又は民間収益事業者の責任及び費用で実施するべき独立採算事業であり、法令等の変更等若しくは不可抗力又はその他の事業者の責めに帰すべからざる事由により民間

収益事業の実施に要する費用が増加した場合でも、事業費は変更されないことを了解する。

２本契約のその他の規定にかかわらず、法令等の変更等又は不可抗力により、事業者が付帯事業を継続するために過分の費用を要することとなった場合は、事業者は振興会と協議のうえ、付帯事業を終了することができる。この場合、付帯事業の終了に伴い必要となる費用はすべて事業者又は民間収益事業者が負担しなければならない。

（付帯事業の終了）

第86条事業者は、民間収益事業者をして、事業計画書に基づき付帯事業を開始し、事業期間にわたって継続させなければならない。ただし、振興会の事前の承諾を得たときは、付帯事業の全部又は一部を終了する（付帯事業の全部又は一部を開始しない場合を含む。以下、本条において同じ。）ことができる。

２振興会は、事業者が付帯事業の全部又は一部を終了することが合理的な理由によりやむを得ないと認めるときには、前項の承諾をすることができる。

３事業者は、付帯事業の全部又は一部を終了する場合であって、その終了事由が事業者

（民間収益事業者を含む。）の責めによるものである場合には、付帯事業の全部又は一部の終了により振興会に与えた一切の損害を賠償しなければならない。

第６章事業費の支払に関する事項

（施設整備費の支払）

第87条 振興会は、第 61 条第 1 項の確認に合格したときは、国立劇場の引渡し後、別紙５に従い、支払対象期間ごとに事業者から振興会に対する適法な請求書を受理した日から 30 日以内に施設整備費を事業者に支払う。

２振興会は、施設整備費が増加した場合において、本契約の定めるところにより当該合理的な増加費用について振興会が負担するものとされているときは、その合理的な増加費用を負担する。この場合、振興会は、事業者と協議のうえ、当該合理的な増加費用の金額及び支払方法を定める。

３振興会は、本契約の定めるところにより施設整備費が減少した場合には、その減少費用を施設整備費から減額する。この場合、事業者が負担を免れない合理的な費用に相当する金額について、振興会は、事業者と協議のうえ、これを負担する。

４振興会は、第 62 条第 2 項の場合において、事業者が国立劇場及び施設整備業務に係る成果物を業務要求水準書及び事業計画書のとおり完成させることが困難又は合理的でないと判断した場合は、別紙４に従い、施設整備費の減額及び違約金の請求を行うことができる。

５振興会は、前項の場合において、減額等とは別に、振興会に発生した損害の賠償を事業者に請求することができる。

６振興会は、前各項にかかわらず、必要があると認める場合には、事業者と協議のうえ、施設整備費の繰上げ弁済をすることができる。この場合、振興会は、事業者に生じた合理的な増加費用を負担する。

（維持管理・運営費及びその他の費用の支払）

第88条 振興会は、維持管理・運営業務に関して第 77 条第 2 項の検査に合格したときは、

別紙５により事業者から振興会に対する適法な請求書を受理した日から 30 日以内に当該支払対象期間の維持管理・運営費及びその他の費用を事業者に支払う。

２振興会は、国立能楽堂維持管理運営開始予定日又は国立劇場維持管理運営開始予定日以降、事業者の帰責事由により維持管理・運営業務が開始されない場合には、国立能楽堂維持管理運営開始日又は国立劇場維持管理運営開始日の前日までの期間（両日を含む。）に相当する維持管理・運営費及びその他の費用を支払わない。

３振興会は、国立能楽堂維持管理運営開始予定日又は国立劇場維持管理運営開始予定日以降、振興会の帰責事由により事業者が維持管理・運営業務の全部又は一部を開始できない場合には、当該維持管理・運営業務の全部又は一部に相当する維持管理・運営費を支払わない。ただし、本項の場合において当該維持管理・運営業務の全部又は一部に関して事業者が負担を免れない合理的な費用に相当する金額については振興会が負担し、振興会は事業者と協議のうえ、当該金額とその支払方法について定める。

４振興会は、法令等の変更等又は不可抗力により、維持管理・運営業務の全部又は一部が履行不能な場合には、維持管理・運営業務の全部又は一部の履行不能状態が存続している業務範囲及び期間に相当する維持管理・運営費を支払わない。ただし、本項の場合において当該維持管理・運営業務の全部又は一部に関して事業者が負担を免れない合理的な費用に相当する金額及び合理的な増加費用の負担については、第 35 条第 4 項又は

第 36 条第 3 項がそれぞれ適用される。

５振興会は、事業者の責めに帰すべき事由により業務不履行があった場合は、別紙４に従い、維持管理・運営費又はその他の費用の減額及び違約金の請求を行うことができる。

６振興会は、第 2 項又は第 5 項の場合において、減額等とは別に、業務不履行に伴い振興会に発生した損害の賠償を事業者に請求することができる。

第７章本契約の解除及び終了に関する事項

第１節解除権等

（振興会の解除権）

第89条振興会は、次の各号の一に該当する事由が発生した場合には、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、本契約の全部又は一部を解除することができる。ただし、その期間を経過したときにおける次の各号の一に該当することが本契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

一正当な理由なく、第 67 条第 1 項の履行の追完がなされないとき。

二前号に掲げる場合のほか、事業者が、正当な理由がなく、本契約に定める事業者の義務を履行しないとき。

三前各号に掲げる場合のほか、事業者の責めに帰すべき事由により事業者が本契約又は定期借地権設定契約に違反したとき。

２振興会は、次の各号の一に該当する事由が発生した場合には、直ちに本契約の全部又は一部を解除することができる。

一事業者に関して、特定調停、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始その他これに類似する倒産手続開始の申立て（日本国外における同様の申立てを含む。）があったとき、事業者の取締役会若しくはその他の権限ある機関で当該申立てを決議したとき又はこれらの手続が開始されたとき。

二事業者が解散の決議を行い、又は解散命令を受けたとき。

三事業者が本事業の全部又は一部の遂行を放棄し、30 日間以上当該状態が継続したとき。

四事業者が手形交換所の取引停止処分を受けたとき。

五事業者が、本契約又は定期借地権設定契約上の義務の履行に重大な影響を及ぼす、又は及ぼす可能性のある法令等の違反をしたとき。

六事業者の責めに帰すべき事由により、本契約又は定期借地権設定契約上の事業者の義務の履行が不能となったとき。

七本契約に関し、選定企業が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律（昭和

22 年法律第 54 号。以下「独占禁止法」という。）第 3 条の規定に違反し、又は選定

企業が構成事業者である事業者団体が独占禁止法第 8 条第 1 号の規定に違反したこと

により、公正取引委員会が選定企業に対し、独占禁止法第 7 条の 2（独占禁止法第 8

条の 3 において準用する場合を含む。）の規定に基づく課徴金の納付命令（以下「納付命令」という。）を行い、当該納付命令が確定したとき（確定した当該納付命令が独占禁止法第 63 条第 2 項の規定により取り消された場合を含む。）。

八本契約に関し、納付命令又は独占禁止法第 7 条若しくは第 8 条の 2 の規定に基づく排除措置命令（これらの命令が選定企業又は選定企業が構成事業者である事業者団体

（本号及び次号において「選定企業等」という。）に対して行われたときは、選定企業等に対する命令で確定したものをいい、選定企業等に対して行われていないときは、各名宛人に対する命令のすべてが確定した場合における当該命令をいい、以下「排除措置命令」という。）において、独占禁止法第 3 条又は第 8 条第 1 号の規定に違反する行為の実行としての事業活動があったとされたとき。

九納付命令又は排除措置命令により選定企業等に独占禁止法第 3 条又は第 8 条第 1 号の規定に違反する行為があったとされた期間及び当該違反する行為の対象となった取引分野が示された場合において、本契約が、当該期間（これらの命令に係る事件につ

いて、公正取引委員会が選定企業に対し納付命令を行い、これが確定したときは、当該納付命令における課徴金の計算の基礎である当該違反する行為の実行期間を除く。）中に入札が行われたものであり、かつ、当該取引分野に該当するものであるとき。

十本契約に関し、選定企業の役員又は使用人等について刑法（明治 40 年法律第 45 号）

第 96 条の 6 又は独占禁止法第 89 条第 1 項若しくは第 95 条第 1 項第一号に規定する刑が確定したとき。

十一基本協定書第 5 条第 3 項の規定に従って本事業の落札者が振興会に対して差し入

れた、基本協定書別紙 3 の様式による出資者誓約書に規定されたいずれかの構成員がいずれかの表明及び保証した内容のいずれかが、真実若しくは正確でなかったとき又はいずれかの構成員が当該構成員の責めに帰すべき事由により同誓約書に規定された誓約に違反したとき。

十二事業者が、第 10 条第 1 項の規定に違反して、本契約に基づく権利につき、第三者に譲渡したとき。

十三事業者が次のいずれかに該当するとき。

ア役員等（個人である場合はその者、法人である場合はその役員又はその支店若しくは営業所（常時契約を締結する事務所をいう。）の代表者、団体である場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。以下同じ。）が反社会的勢力への対応に関する規定（独立行政法人日本芸術文化振興会規程第４１７号）第２条第１項のいずれかに該当する者（以下「反社会的勢力」という。）であると認められるとき。

イ反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められるとき。

ウ役員等が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、反社会的勢力を利用するなどしたと認められるとき。

エ役員等が、反社会的勢力に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に反社会的勢力の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。

オ役員等が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。

カ第 15 条、第 17 条又は第 47 条による委任又は請負に係る契約にあたり、事業者はその相手方がアからオまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。

キ事業者が、アからオまでのいずれかに該当する者を第 15 条、第 17 条又は第 47 条による委任又は請負に係る契約の相手方としていた場合（カに該当する場合を除く。）に、振興会が事業者に対して当該契約の解除を求め、事業者がこれに従わなかったとき。

十四事業者が、反社会的勢力又は、反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる者に、本契約に基づく権利を譲渡したとき。

十五国立劇場又は施設整備業務に係る成果物に契約不適合がある場合において、その契約不適合が当該国立劇場又は施設整備業務を除却したうえで再び整備しなければ、本契約の目的を達することができないものであるとき。

十六事業者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

十七事業者の債務の一部の履行が不能である場合又は事業者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

十八国立劇場若しくは施設整備業務に係る成果物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ本契約をした目的を達することができない場合において、事業者が履行をしないでその時期を経過したとき。

十九前各号に掲げる場合のほか、事業者が、正当な理由がなく、本契約に定める事業者の義務を履行せず、振興会が前項の催告をしても本契約の目的を達するに足りる履行がされる見込みがないと明らかに認められるとき。

二十事業者が、第 89 条によらないで本契約の解除を申し出たとき。

二十一事業者が、第 42 条に違反し、その違反により本契約の目的を達成することができないと認められるとき。

二十二事業者が、本事業の実施において要求水準を達成できず、かつ、改善措置を講じても要求水準を達成することができないとき。

二十三事業者が次のいずれかの行為を行うとき。ア暴力的な要求行為。

イ法的な責任を超えた不当な要求行為。

ウ取引に関して脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為。エ偽計又は威力を用いて契約担当役等の業務を妨害する行為。オその他アからエまで行為に準ずる行為。

二十四事業者が、第 10 条第 5 項の規定に違反して、施設整備中の国立劇場の出来形

部分のうち第 87 条の 2 の規定による部分払のための確認を受けたものにつき、第三者に譲渡したとき。

二十五前各号に掲げる場合のほか、事業者の責めに帰すべき事由により本契約上の事業者の重大な義務の不履行があったとき。

３振興会は、前項の場合において、本契約の全部を解除する代わりに次の各号に定めるいずれかの措置をとることができる。この場合において事業者は、振興会が被った損害を賠償しなければならない。

一振興会は、出資者をして、事業者の全株式（潜在株式を含む。）を、当該時点において振興会が承諾する第三者（事業者に融資する者が選定し、振興会が承諾した第三者を含む。）に譲渡させる。

二振興会は、事業者をして、本事業に係る事業者の本契約上の地位を、当該時点において振興会が選定した第三者（事業者に融資する者が選定し振興会が承諾した第三者を含む。）に譲渡させる。

４次の各号に掲げる者が本契約を解除した場合は、第 2 項第六号に該当する場合とみなす。

一事業者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法（平成 16 年法律第 75 号）の規定により選任された破産管財人

二事業者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法（平成 14 年法律第 154 号）の規定により選任された管財人

三事業者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法（平成 11 年法律第 225 号）の規定により選任された再生債務者等

５第 1 項各号又は第 2 項各号に掲げる事項が振興会の責めに帰すべき事由によるものであるときは、振興会は、当該条項に基づく本契約の解除をすることができない。

（振興会の任意による解除）

第90条 振興会は、本事業の全部又は一部を継続する必要がなくなった場合又はその他振興会が必要と認める場合には、180 日以上前に事業者にその理由を書面にて通知することにより、本契約の全部又は一部を解除することができる。

（事業者の解除権）

第91条事業者は、振興会が本契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、本契約を解除することができる。ただし、その期間を経過したときにおける債務の不履行が本契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

２事業者は、次の各号の一に該当する事由が発生した場合には、本契約を解除することができる。

一第 37 条により本件工事の中止期間が事業工程表に基づく工期の 10 分の 5（工期の 10 分の 5 が 180 日を超える場合には、180 日）を超えたとき。ただし、中止が工事の

一部のみの場合には、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後 90 日を経過しても、なおその中止が解除されないとき。

二振興会が本契約に従って支払うべき事業費を、支払期限到来後 60 日を過ぎても支払わないとき。

三振興会が本契約に違反し、その違反によって本契約の履行が不能となったとき。四振興会が、第 42 条に違反し、その違反により本契約の履行が不能となったとき。

３第 1 項又は第 2 項各号に掲げる事項が事業者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、事業者は、当該条項に基づく本契約の解除をすることができない。

（法令等の変更等又は不可抗力による解除）

第92条振興会は、法令等の変更等又は不可抗力により、次の各号の一に該当する事態に至った場合には、事業者との協議のうえ、本契約の全部又は一部を解除することができる。

一事業者による本事業の継続が不能又は著しく困難なとき。

二事業者が本事業を継続するために、振興会が過分の費用を要するとき。

２振興会は、前項の場合において、事業者と協議のうえ、本契約の全部を解除する代わりに次の各号に定めるいずれかの措置をとることができる。

二振興会は、事業者をして、本事業に係る事業者の本契約上の地位を、当該時点において振興会が選定した第三者（事業者に融資する者が選定し、振興会が承諾した第三者を含む。）に譲渡させる。

第２節国立劇場の引渡し前における契約解除の効力

（事業者の帰責事由による契約解除の効力）

第93条 振興会は、本契約の締結日から国立劇場の引渡しまでの間に、第 89 条第 1 項各号

若しくは第 2 項各号のいずれかにより本契約の全部又は一部を解除する場合又は同条第

4 項の適用がある場合には、以下の各号の措置をとる。

一振興会は、事業者に対して本契約の全部又は一部を解除する旨を通知し、本契約の全部又は一部を解除する。

二振興会は、施設整備中の国立劇場の出来形部分（既存施設等の解体撤去業務の完了部分を含む。以下、本節において同じ。）並びに関連する設計業務及び工事監理業務の成果を検査し、当該検査に合格した部分の所有権を取得及び保持する。

三振興会は、前号に定める所有権を保持したうえで、当該出来形部分に相応する代金

（これにかかる消費税等を含む。）から部分払金及び前払金を控除した金額並びにこれに係る再計算の利息に相当する金額を支払う。この場合において、当該出来形部分に相応する代金（これにかかる消費税等を含む。）が支払済みの部分払金（これにかかる消費税等を含む。）及び前払金の合計額を下回る場合には、事業者はその差額に前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じて契約解除通知日における国の債権に関する遅延利息の率（昭和 32 年大蔵省告示第 8 号）を乗じて計算した額の利息を付した額を、振興会に返還しなければならない。

四振興会は、契約解除通知日における履行済みの維持管理・運営費及びその他の費用の未払額に相当する金額を、契約解除通知日から最初に到来する当初定められたスケジュールに基づく支払日に支払う。

五振興会は、第三号の支払金銭については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合、振興会は事業者に発生する合理的な金融費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

六振興会は、振興会又は振興会の指定する第三者をして、民間収益施設の出来形部分の成果を検査のうえ、当該検査に合格した部分に相応する代金にて買い取らせることができる。事業者は、振興会が要求する場合、民間収益事業者をして当該検査に合格した部分を、当該検査に合格した部分に相応する価格にて、振興会又は振興会の指定する第三者に売却させなければならない。なお、民間収益施設の買取りに係る支払方法等は、振興会及び事業者の協議のうえ決めることとするが、当該協議が整わない場合、振興会が合理的な方法を指定し、事業者はそれに従うものとする。

２次の各号のいずれかに該当する場合においては、事業者は、本件工事費等の合計額の 10 分の 1 に相当する額を違約金として、振興会の指定する期間内に支払わなければならない。

一前項の規定により本契約が解除された場合

二事業者がその債務の履行を拒否し、又は事業者の責めに帰すべき事由によって事業者の債務について履行不能となった場合

３次の各号のいずれかに該当する場合においては、事業者は、振興会の請求に基づき、前項に規定する本件工事費等の合計額の 10 分の 1 に相当する額のほか、本件工事費等

の合計額の 100 分の 5 に相当する額を違約金として、振興会の指定する期間内に支払わなければならない。

一第 89 条第 2 項第七号に規定する確定した納付命令における課徴金について、独占

禁止法第 7 条の 3 第 2 項又は第 3 項の規定の適用があるとき。

二第 89 条第 2 項第八号に規定する納付命令若しくは排除措置命令又は同項第十号に規定する刑に係る確定判決において、事業者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。

三第 89 条第 2 項第十号に該当する場合であって、同項第七号に規定する確定した納

付命令における課徴金について、独占禁止法第 7 条の 3 第 1 項の規定の適用があるとき。

四第 89 条第 2 項第十号に該当する場合であって、事業者が独立行政法人日本芸術文化振興会競争入札参加者注意書の規定に抵触する行為を行ったとき。

４振興会は、前 2 項の場合において、第 9 条の保証金又はこれに代わる担保を違約金に充当することができる。なお、事業者が履行保証保険契約を締結している場合には、当該保険金請求権に設定した質権を実行することができる。

５事業者は、本契約の履行を理由として、第 2 項及び第 3 項に定める違約金を、免れることができない。

６振興会は、第 2 項及び第 3 項に定める違約金の額を超過する損害を被った場合には、当該損害の超過額を事業者に請求することができる。

（振興会の任意による又は振興会の帰責事由による契約解除の効力）

第94条 事業者が、本契約の締結日から国立劇場の引渡しまでの間に、第 91 条により本契約を解除する場合には、振興会に対して本契約を解除する旨を通知し、本契約を解除する。

２振興会は、本契約の締結日から国立劇場の引渡しまでの間に第 90 条又は第 91 条により振興会又は事業者が本契約を解除した場合において、次の各号に掲げる措置をとる。一振興会は、施設整備中の国立劇場の出来形部分並びに関連する設計業務及び工事監

理業務の成果を検査し、当該検査に合格した部分の所有権を取得及び保持する。

二振興会は、前号の所有権を保持したうえで、当該出来形部分に相当する代金（これにかかる消費税等を含む。）から部分払金及び前払金を控除した金額並びにこれに係る再計算の利息に相当する金額を支払う。この場合において、当該出来形部分に相応する代金（これにかかる消費税等を含む。）が支払済みの部分払金（これにかかる消費税等を含む。）及び前払金の合計額を下回る場合には、事業者はその差額を、振興会に返還しなければならない。

三振興会は、契約解除通知日における履行済みの維持管理・運営費及びその他の費用の未払額に相当する金額を、契約解除通知日から最初に到来する当初定められたスケジュールに基づく支払日に支払う。

四振興会は、第二号の支払金銭については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合、振興会は事業者に発生する合理的な金融費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

五振興会は、振興会又は振興会の指定する第三者をして、民間収益施設の出来形部分の成果を検査のうえ、当該検査に合格した部分に相応する代金にて買い取らせることが

できる。事業者は、振興会が要求する場合、民間収益事業者をして当該検査に合格した部分を、当該検査に合格した部分に相応する価格にて、振興会又は振興会の指定する第三者に売却させなければならない。なお、民間収益施設の買取りに係る支払方法等は、振興会及び事業者の協議のうえ決めることとするが、当該協議が整わない場合、振興会が合理的な方法を指定し、事業者はそれに従うものとする。

３振興会は、前項に定める本契約の解除に関して事業者に発生する合理的な増加費用及び損害（なお、誤解を避けるために付言すると、事業者又は民間収益事業者における逸失利益を含まない。）を負担するものとし、振興会は、事業者と協議のうえ、当該合理的な増加費用及び損害の金額及び支払方法を定める。

（法令等の変更等又は不可抗力等による契約解除の効力）

第95条 振興会は、本契約の締結日から国立劇場の引渡しまでの間に、第 92 条第 1 項により本契約の全部又は一部を解除する場合には、次の各号に掲げる措置をとる。

一振興会は、事業者に対して本契約の全部又は一部を解除する旨を通知し、本契約の全部又は一部を解除する。

二振興会は、施設整備中の国立劇場の出来形部分並びに関連する設計業務及び工事監理業務の成果を検査し、当該検査に合格した部分の所有権をすべて取得及び保持する。

三振興会は、前号の所有権を保持したうえで、当該出来形部分に相応する代金（これにかかる消費税等を含む。）から部分払金及び前払金を控除した金額並びにこれに係る再計算の利息に相当する金額を支払う。この場合において、当該出来形部分に相応する代金（これにかかる消費税等を含む。）が支払済みの部分払金（これにかかる消費税等を含む。）及び前払金の合計額を下回る場合には、事業者はその差額を、振興会に返還しなければならない。

四振興会は、契約解除日における履行済みの維持管理・運営費及びその他の費用の未払額に相当する金額を、契約解除通知日から最初に到来する当初定められたスケジュールに基づく支払日に支払う。

五振興会は、第 3 号の支払金銭については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合、振興会は事業者に発生する合理的な金融費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

六振興会は、振興会又は振興会の指定する第三者をして、民間収益施設の出来形部分の成果を検査のうえ、当該検査に合格した部分に相応する代金にて買い取らせることができる。事業者は、振興会が要求する場合、民間収益事業者をして当該検査に合格した

部分を、当該検査に合格した部分に相応する価格にて、振興会又は振興会の指定する第三者に売却させなければならない。なお、民間収益施設の買取りに係る支払方法等は、振興会及び事業者の協議のうえ決めることとするが、当該協議が整わない場合、振興会が合理的な方法を指定し、事業者はそれに従うものとする。

２前項に定めるもののほか、本条に基づく本契約の解除に関して事業者に発生する合理的な増加費用（付帯事業に関連するものを除く。）の負担に関しては、第 35 条第 4 項又

は第 36 条第 3 項がそれぞれ適用されるものとし、振興会は、事業者と協議のうえ、その支払方法を定める。

第３節国立劇場の引渡し後における契約解除の効力

（事業者の帰責事由による契約解除の効力）

第96条 振興会は、国立劇場の引渡し以降（引渡日を含まない。以下、本節において同じ。）において、第 89 条第 1 項各号若しくは第 2 項各号のいずれかにより本契約の全

部又は一部を解除する場合又は同条第 4 項の適用がある場合には、次の各号に掲げる措置をとる。

一振興会は、事業者に対して本契約の全部又は一部を解除する旨を通知し、本契約の全部又は一部を解除する。

二振興会は、国立劇場の所有権をすべて保持したうえで、契約解除通知日における施設費の残額、これに係る直前の支払日から契約解除通知日までに生じた割賦手数料及び当該施設費の残額に係る再計算の利息に相当する金額を支払う。

四振興会は、第二号による金銭の支払については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合、振興会は事業者に発生する合理的な金融費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

五振興会は、定期借地権設定契約の規定に従い、民間収益施設を取り扱うものとする。

２事業者は、前項の場合において、契約解除時点から当初の事業終了時点までに収受予定であった維持管理・運営費及びその他の費用の 10 分の 1 に相当する額を違約金として、振興会から契約解除の通知を受けてから直ちに振興会へ支払わなければならない。

３次の各号のいずれかに該当する場合においては、事業者は、振興会の請求に基づき、前項に規定する契約解除時点から当初の事業終了時点までに収受予定であった維持管理・運営費及びその他の費用の 10 分の 1 に相当する額のほか、契約解除時点から当初

の事業終了時点までに収受予定であった維持管理・運営費及びその他の費用の 100 分の

5 に相当する額を違約金として、振興会の指定する期間内に支払わなければならない。

一第 89 条第 2 項第七号に規定する確定した納付命令における課徴金について、独占

禁止法第 7 条の 3 第 2 項又は第 3 項の規定の適用があるとき。

三第 89 条第 2 項第十号に該当する場合であって、同項第七号に規定する確定した納

付命令における課徴金について、独占禁止法第 7 条の 3 第 1 項の規定の適用があるとき。

４事業者は、本契約の履行を理由として、前 2 項の違約金を免れることはできない。

５振興会は、第 2 項及び第 3 項に定める違約金の額を超過する損害を被った場合には、当該損害の超過額を事業者に請求することができる。

（振興会の任意による又は振興会の帰責事由による契約解除の効力）

第97条 事業者は、国立劇場の引渡し以降において、第 91 条により本契約を解除する場合には、振興会に対して本契約を解除する旨を通知し、本契約を解除する。

２振興会は、国立劇場の引渡し以降において、第 90 条又は第 91 条により振興会又は事業者が本契約を解除した場合、次の各号に掲げる措置をとる。

一振興会は、国立劇場の所有権をすべて保持したうえで、契約解除通知日における施設費の残額及びこれに係る直前の支払日から契約解除通知日までに生じた割賦手数料及び当該施設費の残額に係る再計算の利息に相当する金額を支払う。

二振興会は、契約解除通知日における履行済みの維持管理・運営費及びその他の費用の未払額に相当する金額を、本契約解除時点から最初に到来する当初定められたスケジュールに基づく支払日に支払う。

三振興会は、第一号による金銭の支払については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合、振興会は事業者に発生する合理的な金融費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

四振興会は、定期借地権設定契約の規定に従い、民間収益施設を取り扱うものとする。

３振興会は、前項に定める本契約の解除に関して事業者に発生する合理的な増加費用を負担するものとし、振興会は、事業者と協議のうえ、当該合理的な増加費用の金額及び支払方法を定める。

（法令等の変更等又は不可抗力等による契約解除の効力）

第98条 振興会は、国立劇場の引渡し以降において、第 92 条第 1 項により本契約の全部又は一部を解除する場合には、次の各号に掲げる措置をとる。

一振興会は、事業者に対して本契約の全部又は一部を解除する旨を通知し、本契約の全部又は一部を解除する。

四振興会は、第二号による金銭の支払については、振興会の選択に基づき次のいずれかの方法により支払う。この場合において、振興会は事業者に発生する合理的な増加費用を負担するものとし、当該費用の金額及び支払方法については、振興会が事業者と協議のうえ、定める。

ア振興会が定めた期日（ただし、令和 31 年４月 30 日を超えない。）までに一括して支払う。

イ当初定められた施設整備費の支払スケジュールを最長の期間とし、その期間内において分割して支払う。

五振興会は、定期借地権設定契約の規定に従い、民間収益施設を取り扱うものとする。

２前項に定めるもののほか、本条に基づく本契約の解除に関して事業者に発生する合理的な増加費用（付帯事業に関連するものを除く。）の負担に関しては、第 35 条第４項又

は第 36 条第 3 項がそれぞれ適用されるものとし、振興会は、事業者と協議のうえ、その支払方法を定める。

第４節本契約の終了

（期間満了による終了）

第99条 本契約は、本契約において別途規定されている場合を除き、令和 31 年 3 月 31

日をもって終了する。

２振興会は、前項に定める終了日の 3 年前に、本施設が業務要求水準書及び事業計画書で定める水準を満たしていることを確認するための協議を開始する。

（契約終了時の事務）

第100条 振興会は、理由のいかんを問わず本契約が終了したときは、本契約の終了した日から 10 日以内に、事業用地又は本施設の現況を確認することができる。この場合において、事業用地又は本施設に事業者の責めに帰すべき事由による損傷等が認められたときには、振興会は事業者に対してその修補を請求することができる。

２事業者は、前項の請求を受けた場合は、自らの費用と責任において速やかに修補を行うとともに当該修補の完了後に速やかにその旨を振興会に通知しなければならない。この場合において、振興会は、当該通知を受領した日から 10 日以内に修補の完了の検査を行う。

３事業者は、理由のいかんを問わず本契約が終了したときは、事業用地又は本施設に、事業者又は選定企業が所有し、又は管理する材料、器具、仮設物その他の物件がある場合には、当該物件等を直ちに撤去するとともに原状回復を行い、振興会の確認を受けなければならない。

４振興会は、前項の場合において、事業者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件等の撤去をせず、又は原状回復を行わないときには、振興会が事業者に代わって当該物件等の処分又は原状回復を行うことができる。この場合において、事業者は、振興会の処分又は原状回復について異議を申し出ることはできず、振興会の処分又は原状回復に要した費用を負担しなければならない。

５事業者は、理由のいかんを問わず本契約が終了する場合には、振興会又は振興会の指示する者に、本契約の終了に係る維持管理・運営業務の必要な引継ぎを合理的な範囲で行わなければならない。

６本契約終了時の手続に関する諸費用及び事業者の清算に必要な費用等は、第 90 条又は第 91 条に係る本契約終了の場合を除き、すべて事業者が負担する。

７事業者は、本契約終了後も、本条に規定する事務が終了するまでは、解散してはならず、存続しなければならない。

（保全義務）

第101条 事業者は、契約解除の通知の日から第 93 条第 1 項第二号、第 94 条第 2 項第一

号及び第 95 条第 1 項第二号による引渡し又は第 100 条第 5 項による維持管理・運営業務の引継ぎ完了のときまで、自己の費用負担により国立劇場の出来形部分又は本施設について必要な維持保全に努めなければならない。

（関係資料等の返還）

第102条事業者は、理由のいかんを問わず本契約を終了したときに、関係資料又は貸与図面等の貸与を受けている場合は、当該関係資料又は貸与図面等を振興会に返還しなければならない。

２事業者は、前項の場合において、関係資料又は貸与図面等が事業者の故意若しくは過失により滅失若しくは毀損している場合には、代品を納め、若しくは原状に回復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。

（関係書類等の引渡し等）

第103条事業者は、理由のいかんを問わず本契約を終了したときは、設計図書その他本事業に関し事業者が作成した一切の書類等のうち、振興会が合理的に要求するものを、振興会に対して引き渡す。

２振興会は、前項により事業者から引渡しを受けた設計図書その他の書類等について、本契約の存続の有無に関わらず利用する権利及び権限を有する。

第８章表明保証及び誓約

（事業者による事実の表明保証及び誓約）

第104条事業者は、振興会に対して、本契約の締結日現在において、次の各号に掲げる事実を表明し、それらがいずれも真実かつ正確であることを保証する。

一事業者は、日本法のもとで適法に設立され、有効に存続する株式会社であり、本契約を締結し、本契約に基づく義務を履行するために必要な権利能力及び行為能力を有していること。

二事業者による本契約の締結及び履行に関して、事業者に対し適用のある法令等、事業者の定款その他の社内規則上必要とされる事業者の一切の手続が有効に履践されており、これらの手続に関する違反がないこと。

三事業者による本契約の締結及び本契約に基づく義務の履行が、事業者に適用のある法令等に違反せず、又は事業者が当事者であり、若しくは事業者が拘束される契約その他の合意に反しないこと。

四本契約上の事業者の義務は、適法、有効かつ法的に拘束力のある事業者の義務であり、かつ本契約の各規定に従って事業者に対して執行可能であること。

２事業者は、振興会の事前の承諾なくして、定款の変更、重要な資産の譲渡、解散、合併、事業譲渡・譲受、会社分割、株式交換、株式移転又は組織変更を行わないこと、基本協定書に基づいて構成員が振興会に提出した出資者誓約書の内容に虚偽のないこと及び事業者の代表者、取締役その他の役員又は商号に変更があった場合には、直ちに振興会に対して通知することを誓約する。

（振興会による事実の表明保証）

第105条振興会は、事業者に対して、本契約の締結日現在において、次の各号に掲げる事実を表明し、それらがいずれも真実かつ正確であることを保証する。

一振興会は本契約を締結し、本契約に基づく義務を履行するために必要な権利能力及び行為能力を有していること。

二振興会による本契約の締結及びその履行に関して、振興会に対し適用のある法令等及び振興会の内規上必要とされる一切の手続が有効に履践されており、これらの手続に関する違反がないこと。

三振興会による本契約の締結及び本契約に基づく義務の履行が、振興会に適用のある法令等に違反せず、又は振興会が当事者であり、若しくは振興会が拘束される契約その他の合意に反しないこと。

四本契約上の振興会の義務は、適法、有効かつ法的に拘束力のある振興会の義務であり、かつ本契約の各規定に従って振興会に対して執行可能であること。

第９章雑則

（本契約の変更）

第106条本契約（別紙を含む。）の変更は、振興会及び事業者の書面による合意によらない限り、効力を生じない。

（準拠法及び裁判管轄）

第107条本契約は、日本国の法令等に準拠し、これに従って解釈される。

２本契約に関する紛争又は訴訟については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

（解釈）

第108条本契約に定めのない事項について定める必要が生じた場合又は本契約の解釈に関して疑義が生じた場合には、その都度、振興会は事業者と協議のうえ、これを定める。

附則

（出資者の誓約）

第１条事業者は、出資者をして、事前に振興会の書面による承諾を得た場合に限り、事業者の株式（潜在株式を含む。以下、本条において同じ。）の全部又は一部を第三者に対して譲渡することができる。ただし、事業者は、基本協定書別紙３の出資者誓約書を提出した出資者については、振興会による事前の書面による承諾がある場合を除き、本契約終了までの間、事業者の株式を保有させなければならない。

２事業者は、出資者をして、事前に振興会の書面による承諾を得た場合に限り、事業者の株式又は出資の全部又は一部に対して担保権を設定させることができる。

３第１項の取扱いは、出資者間において事業者の株式の全部又は一部を譲渡しようとする場合についても同様とする。

（融資団との協議）

第２条振興会は、その必要を認めた場合には、本事業に関し、事業者に融資を行う融資団との間で協議を行う。振興会がこの協議を行う場合には、次の各号に掲げる事項等を定める。

一本契約に関し、事業者に損害賠償を請求し、又は本契約を終了させる際の融資団への事前通知及び融資団との協議に関する事項

二事業者の株式の全部又は一部を、出資者から第三者に対して譲渡させるに際しての融資団との間で行う事前協議に関する事項

三融資団が事業者への融資について期限の利益を喪失させ、又は担保権を実行するに際しての融資団との間で行う事前協議に関する事項

四振興会による本契約の解除に伴う措置に関する事項

別紙１契約金額の内訳

※契約締結時に事業者が提案した様式 C-3 添付①を添付する。

別紙２用語の定義

本契約において使用する用語の定義は、次に掲げるとおりとする。なお、各用語は五十音順に列記している。

1. アドバイザー

振興会又は事業者若しくは選定された入札参加者から、本事業の実施又は本事業の入札手続等に関して業務を受任又は請け負った者をいう。

2. 意思表示等

本契約に関する振興会及び事業者間の意思表示、事実等の通知の総称をいう。

3. 維持管理・運営期間

国立能楽堂維持管理運営開始日以降本契約の終了日までの期間をいう。

4. 維持管理・運営業務

維持管理業務及び運営業務の総称をいう。

5. 維持管理・運営費

振興会が事業者に支払う事業費のうち維持管理費及び運営費の総称をいい、その内容は別紙５による。

6. 維持管理企業

維持管理業務を事業者から直接受任し、又は請け負う者をいう。

7. 維持管理業務

本施設の性能及び機能を適正に維持管理するための業務をいい、その業務内容の詳細については業務要求水準書及び事業計画書による。

8. 維持管理費

振興会が事業者に支払う事業費のうち本施設の維持管理業務の実施による対価をいい、その内容は別紙５による。

9. 雨水の浸入を防止する部分

建物の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具及び雨水を排除するため建物に設ける排水管のうち、当該建物の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分をいう。

10. 運営企業

本施設の運営業務を事業者から直接受任し、又は請け負う者をいう。

11. 運営業務

本施設の運営に関する業務をいい、その業務内容の詳細は業務要求水準書及び事業計画書による。なお、運営業務の主体的部分とは、運営業務に係る総合的な企画及び業務遂行の管理をいう。

12. 運営費

振興会が事業者に支払う事業費のうち運営業務（独立採算による飲食・物販等サービス提供業務を除く。）の実施による対価をいい、その内容は別紙５による。

13. 解体撤去業務

施設整備業務の一部として実施する、既存施設等の解体撤去業務をいう。

14. 解体撤去費

解体撤去業務に要する費用をいう。

15. 各業務

事業契約書等に定める設計業務、建設業務、工事監理業務、維持管理業務、運営業務のそれぞれをいう。

16. 割賦手数料

施設費を元本とする元利均等払いを前提とする割賦利率により算定される利息の額をいい、資金調達に必要な融資等に係る金利等を含むものをいう。

17. 割賦利率

基準金利と事業計画書に記載された利ざやを合計した、割賦手数料の料率をいう。

18. 関係資料

振興会が本契約の締結後に事業者に貸与する事業用地に係る測量及びその実施結果に関する調査報告書等の資料をいう。

19. 監視職員

事業者による本事業の適正かつ確実な履行を確保するために振興会の定めるところにより配置する職員をいう。

20. 統括責任者

事業者が本契約第 69 条第 1 項の定めるところにより維持管理・運営業務全体を総括させるために配置する者をいう。

21. 関連業務

本事業とは別に振興会が発注する第三者による工事及び業務で、本施設に関する業務遂行上密接に関連する工事及び業務をいう。

22. 基準金利

別紙５に定める基準金利をいう。

23. 既存施設等

本事業で解体撤去する現国立劇場、外構及びその他構築物等を示し、その内容の詳細は業務要求水準書による。

24. 基本協定書

振興会、構成員及び協力企業が令和年月日に締結した国立劇場再整備等事業基本協定書（別紙を含む。）をいう。

25. 基本設計図書

国立劇場を含む複合施設全体の基本設計の内容を示す設計図書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

26. 業績等

事業者の経営管理状況、事業者及び選定企業が実施する本事業における各業務の業績及び実施状況をいう。

27. 業務不履行

振興会による業績等に関する監視の結果、事業者の帰責事由により要求水準を達成しないおそれがある、又は要求水準を達成していないと判断した状態をいう。

28. 業務実施計画書等

維持管理・運営業務に関する各種計画書等の総称をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

29. 業務実施報告書等

維持管理・運営業務に関する各種報告書等の総称をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

30. 業務要求水準書

振興会が本事業の実施にあたり、事業者に履行を求める要求水準を示す書類等をいい、振興会が令和 4 年●月●日付で公表した国立劇場再整備等事業業務要求水準書

（公表後の追加及び変更を含む。）をいう。

31. 協力企業

本事業に関する各業務を構成員とともに事業者から直接受託又は請け負う企業をいう。

32. 振興会

本契約の締結当事者である独立行政法人日本芸術文化振興会をいう。

33. 契約解除通知日

本契約の解除通知が通知の相手方に到達した日をいう。

34. 建設企業

本契約に定める建設業務を事業者から直接受任し、又は請け負う者をいう。

35. 建設業務

国立劇場の建設工事、解体撤去業務における建設工事並びに一切の調査、申請及び届出等に関する業務をいい、その業務内容の詳細については業務要求水準書及び事業計画書による。

36. 工事監理企業

本契約に定める工事監理業務を事業者から直接受任し、又は請け負う企業をいう。

37. 工事監理業務

国立劇場の建設工事に対する工事監理に係る業務をいい、その業務内容の詳細は業務要求水準書及び事業計画書による。

38. 工事監理業務計画書

工事監理業務に関する計画書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

39. 工事監理業務報告書

工事監理業務に関する報告書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

40. 構成員

本事業に関する入札手続において競争参加資格の確認を受け、事業者に出資する者をいう。

41. 国立劇場

本事業で整備する新たな国立劇場をいう。

42. 国立劇場維持管理運営開始日

事業者が国立劇場の維持管理・運営業務を実際に開始する日をいう。

43. 国立劇場維持管理運営開始予定日

国立劇場の維持管理・運営業務の開始予定日である令和 11 年 4 月 1 日をいう。

44. 国立能楽堂

振興会が現に所有する国立能楽堂（東京都渋谷区千駄ヶ谷 4 丁目 18 番 1 号）をいう。

45. 国立能楽堂維持管理運営開始日

事業者が国立能楽堂の維持管理・運営業務を実際に開始する日をいう。

46. 国立能楽堂維持管理運営開始予定日

国立能楽堂の維持管理・運営業務の開始予定日である令和 6 年 4 月 1 日をいう。

47. 構造耐力上主要な部分

建築基準法施行令（昭和 25 年政令第 338 号）第 1 条第 1 項第 3 号の規定による。

48. 再計算の利息

本契約を解除した場合に、契約解除通知日から振興会が選択した支払方法による支払日（当該支払日が複数ある場合には、それぞれの支払日）までの期間について割賦利率により再計算した利息の額をいう。ただし、当該利息の算定を行うにあたっての割賦利率は、契約解除の事由及び選択した支払方法によって異なり、詳細は別紙８による。

49. 再受任者

本事業の実施に伴う各業務又は各業務以外の業務の一部を、事業者から直接受任を受けて業務を実施する選定企業から受任する者をいう。

50. 資格確認資料

選定企業が本事業の入札手続において振興会に提出した競争参加資格確認資料をいう。

51. 事業期間

本契約の締結日を開始日（同日を含む。）とし、理由のいかんを問わず本契約が終了した日又は令和 31 年 3 月 31 日のいずれか早い方の日を終了日（同日を含

む。）とする期間をいう。

52. 事業計画

事業計画書に示された本事業の実施に関する計画をいう。

53. 事業計画書

事業者が本事業の入札手続において振興会に提出した本事業の実施に係る提案書類一式（振興会が当該提案書類一式の詳細を明確にするために、本契約の締結までに事業者に提出を求めた資料その他の情報を含む。）をいい、内容の明確化にあたり、振興会及び事業者が本契約の締結までに確認した事項を含む。

54. 事業契約書

振興会と事業者が令和 4 年●月●日に締結した国立劇場再整備等事業に関する事業契約書］（別紙を含む。）及びこれらに関する質問回答書をいう。

55. 事業契約書等

事業契約書、入札説明書等及び事業計画書の総称をいう。

56. 事業工程表

本事業の事業期間にわたる工程表をいう。

57. 事業者

基本協定書に基づいて構成員が本事業の実施のみを目的として会社法（平成 17 年

法律第 86 号）に定める株式会社として設立した新会社をいう。

58. 事業年度

事業期間中の 4 月 1 日から翌年の 3 月 31 日までの期間とし、初年度については、

事業者の設立日から最初に到来する 3 月 31 日までとする。

59. 事業費

振興会が事業者に支払う本事業の実施による対価の総額をいい、その算定方法は別紙５による。

60. 事業用地

本契約の鑑及び別紙７に記載されている事業場所である用地をいう。

61. 施設整備期間

本契約の締結日（同日を含む。）から国立劇場の引渡しまでの期間をいう。

62. 施設整備業務

設計業務、建設業務及び工事監理業務（各業務における調査を含む。）のそれぞれ及びその総称をいう。

63. 施設整備費

振興会が事業者に支払う事業費のうち施設整備業務の実施による対価をいい、その内容は別紙５による。

64. 施設費

国立劇場に係る施設整備業務の実施により事業者が負担する設計費、建設工事費、工事監理費、行政手続に関する費用、引込み負担金、電波障害対策費、事業者の開業に伴う諸費用、引渡日までに生じる事業者の運営に要する費用の一部、建中金利、融資組成費用、その他の施設整備に関する初期投資と認められる費用をいい、その内容は別紙５による。

65. 下請負人

本事業の実施に伴う各業務又は各業務以外の業務の一部を、事業者から直接請け負って業務を実施する選定企業から請け負う者をいう。

66. 実施工程表

業務要求水準書に定める出来高予定曲線を記入した複合施設（国立劇場に係る内訳を含む。）の建設工事に係る工程表をいう。

67. 実施設計図書

国立劇場を含む複合施設全体の実施設計の内容を示す設計図書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

68. 支払対象期間

各事業年度における 4 月 1 日から 9 月 30 日までの期間又は 10 月１日から翌年の

3 月 31 日までの期間をいう。ただし、最初の支払対象期間は、国立能楽堂維持管理

運営開始日から最初に到来する 3 月 31 日又は 9 月 30 日までの期間をいう。

69. 出資者

事業者の株式を所有する者をいう。

70. 出資者誓約書

基本協定書に基づく出資者であり、かつ構成員である者が振興会に提出する誓約書をいい、基本協定書別紙３に記載の書式による。

71. 消費税等

消費税法（昭和 63 年法律第 108 号）に定める税及び地方税法（昭和 25 年法律第

226 号）第 2 章第 3 節に定める税をいう。

72. 職員

振興会の職員をいう。

73. 成果物

業務要求水準書、振興会の要求その他本契約等に基づき事業者が作成する計画書・報告書、設計図書、制作物、映像コンテンツ、印刷物その他の一切の書類、図面、写真、映像、展示物等の総称をいう。

74. 施工計画

国立劇場の施工に関する計画をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

75. 設計・施工工程表

業務要求水準書に記載のある設計業務に関する工程、建設業務が完了するまでの工程、近隣説明に関する工程、振興会の施設等の引渡しに関する工程及び調査を実施する場合は調査に関する工程を示した工程表をいう。

76. 設計企業

本契約に定める設計業務を事業者から直接受任し、又は請け負う者をいう。

77. 設計業務

国立劇場の設計、解体撤去業務における設計並びに必要な一切の調査、申請及び届出等に関する業務をいい、その業務内容の詳細は業務要求水準書及び事業計画書に記載のある設計業務による。

78. 設計図書

基本設計図書及び実施設計図書並びに解体撤去図をいう。

79. 選定企業

本契約に定める設計企業、建設企業、工事監理企業、維持管理企業及び運営企業の総称をいう。

80. 選定事業

ＰＦＩ法第２条第４項に定める選定事業をいう。

81. 総括代理人

事業者が本契約第 19 条第 2 項の権限を行使させるために配置する者をいう。

82. その他の費用

振興会が事業者に支払う事業費のうち、事業者が負担する事業者の運営等に要する費用の一部及び利益等の合計に相当する対価をいい、その内容は別紙５による。

83. 貸与図面等

振興会が事業者に貸与する本施設の管理に係る図面及び資料をいう。

84. 知的財産権等

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権その他の知的財産権の総称をいう。

85. 調査

事業用地において事業者が履行する、敷地調査その他必要となる一切の調査に関する業務をいう。

86. 定期借地権設定契約

複合施設の所有及び利用のため、借地借家法（平成 3 年法律第 90 号）第 22 条に基づく定期借地権の設定を目的として、事業者及び振興会が別紙９の様式により締結する定期借地権設定契約をいう。

87. 事業者管理諸室

振興会が、事業者に対して無償で使用させる本施設内に設けられた維持管理・運営業務の実施に必要な諸室をいい、詳細は業務要求水準書に定めるところによる。

88. 入札説明書等

振興会が本事業の入札手続において配布した一切の資料（業務要求水準書を含む。）及び当該資料に係る質問回答書をいう。

89. ＰＦＩ法

民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律（平成 11 年法律

第 117 号）をいう。

90. 引渡日

事業者が国立劇場を振興会に実際に引き渡す日をいう。

91. 引渡予定日

事業者が国立劇場を振興会に引き渡す予定の期日である令和 11 年 3 月 31 日をいう。

92. 品質管理計画

本施設の施工における品質を管理する計画をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

93. 不可抗力

別紙６の定義による。

94. 複合施設

本事業で整備する国立劇場と民間収益施設が合築した建物等をいう。

95. 付帯事業

事業者が、民間収益事業者をして、自らの費用と責任において事業計画書に基づき民間収益施設を整備・所有し、運営する事業をいう。

96. 平面計画

基本設計における国立劇場を含む複合施設の各階平面図における諸室の配置等を示す計画をいう。

97. 法令等

法律、政令、省令、条例及び規則並びにこれらに基づく命令、行政指導及びガイドライン、裁判所の判決、決定、命令及び仲裁判断並びにその他公的機関の定めるすべての規定、判断、措置等をいう。

98. 法令等の変更等

本契約の締結時点における既存の法令等の変更若しくは廃止又は新たな法令等の新設をいう。

99. 本件工事

国立劇場の建設工事及び解体撤去業務における建設工事のそれぞれ及びその総称をいう。

100. 本件工事費等

別紙 5 に基づき振興会が負担する国立劇場に係る設計費、建設工事費及び工事監理費並びに解体撤去費の合計額（消費税等を含む。）をいう。

101. 本事業

事業契約書等及びＰＦＩ法に基づいて実施する国立劇場再整備等事業をいう。

102. 本施設

国立劇場及び国立能楽堂を総称していう。

103. 保証事業会社

前払法第 2 条第 4 項に規定する保証事業会社をいう。

104. 前払法

公共工事の前払金保証事業に関する法律（昭和 27 年法律第 184 号）をいう。

105. 民間収益事業者

付帯事業に係る総合的な企画及び民間収益施設に係る業務の主たる全般管理を担う者で、民間収益施設に係る区分所有権及び複合施設の共用部分の共有持分を取得し、付帯事業を自らの費用及び責任にて実施する者をいう。

106. 民間収益施設

本事業の付帯事業として事業用地の未利用容積を活用して国立劇場との合築として整備し、民間収益事業者が所有・運営する施設をいう。

107. 要求水準

振興会が本事業の実施にあたり、事業者に履行を求める水準をいう。なお、事業計画書に記載された提案内容が業務要求水準書に示された水準を上回る場合は、当該提案内容による水準を適用する。

108. 要求水準確認計画書

事業者が要求水準の確保を図るために、施設整備業務が適切に実施されているかどうかを確認する方法と時期を記載した計画書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

109. 要求水準確認報告書

事業者が施設整備業務の実施に関して確認した結果を記載した報告書をいい、その内容の詳細は業務要求水準書による。

110. 要保護情報

本事業の実施にあたり、業務要求水準書第 1 章．第 6 節で規定する秘密保持のほか、事業者が、本事業に関して振興会から貸与された情報その他知り得た情報であって、振興会が保護を要さないことを同意していない一切の非公表情報をいう。

111. 来訪者

本施設を訪れる者をいう。

別紙３事業者等が付す保険等

※契約締結時に入札説明書資料－１－１を添付する。

別紙４業績等の監視及び改善要求措置要領

※事業契約時に入札説明書資料－１－２を添付する。

別紙５事業費の算定及び支払方法

※事業契約時に入札説明書資料－１－３を添付する。

別紙６不可抗力による費用分担

本契約第 2 章第 36 条に定める不可抗力による費用分担は以下のとおりとする。

１．不可抗力の定義

天災その他自然的又は人為的な事象であって、振興会及び事業者のいずれにもその責めを帰すことの出来ない事由（経験ある管理者及び事業者側の責任者によっても予見し得ず、若しくは予見できてもその損失、損害又は傷害発生の防止手段を合理的に期待できないような一切の事由）をいう。なお、不可抗力の具体例としては以下のとおり。

（１）天災

地震、津波、噴火、火砕流、落雷、暴風雨、洪水、内水氾濫、土石流、高潮、異常潮位、高波、豪雪、なだれ、異常降雨、土砂崩壊等。ただし、設計基準等が事前に定められたものについては当該基準を超える場合とする。

（２）人為的事象

戦争、戦闘行為、侵略、外敵の行動、テロ、内乱、内戦、反乱、革命、クーデター、騒擾、暴動、労働争議等。

（３）その他

感染症、放射能汚染、航空機の落下及び衝突、航空機等による圧力波、類焼、類壊、放火、第三者の悪意及び過失、公権力による占拠、解体、撤去、差押え等。

２．不可抗力による損失及び損害の範囲

不可抗力による損失及び損害の範囲は以下のとおりとする。

① 施設整備期間及び維持管理・運営期間の変更、延期及び短縮に伴う本件工事費等及び維持管理・運営費（金利及び物価変動を含む。）

② 原因、被害状況調査及び復旧方法検討等に必要な調査研究費用、再調査・設計及び設計変更等に伴う追加費用

③ 損害防止費用、損害軽減費用、応急処置費用

④ 損壊した本施設及び設備の損傷・復旧費用、残存物及び土砂等の解体、撤去及び清掃費用、工事用機械及び設備、仮工事、仮設建物等の損傷・復旧費用

⑤ 施設整備期間及び維持管理・運営期間の変更に伴う各種契約条件変更及び解除に伴う追加費用（合理的な金融費用、違約金を含む。）

⑥ 施設整備期間及び維持管理・運営期間の変更、延期及び短縮に伴う事業者の間接損失及び出費（経常費、営業継続費用等。ただし、事業者の期待利益は除く。）

３．不可抗力による追加費用及び損害額の分担

（１）施設整備業務に関する損害分担

① 施設整備業務に関して発生した不可抗力による追加費用及び損害額（事業者が不可抗力により保険金を受領した場合の当該保険金額を除く。）については、本件工事費等の１％相当額に至るまでは事業者がこれを負担し、１％を超える額については振興会が負担する。

② 上記①の追加費用及び損害額には、本件工事の遅延又は中断、本契約の解除に伴う各種追加費用、本施設の損傷復旧費用、仮工事、仮設備、建設用機械設備の損傷・復旧費用、排土費用、残存物撤去費用、除染費用、損害防止費用等のうち、合理的と判断される費用を含む。

③ 数次にわたる不可抗力により、上記①の追加費用及び損害額が集積した場合は、上記①の１％の事業者負担は追加費用及び損害額の累計額に対して適用する。

（２）維持管理・運営業務の損害分担

① 維持管理・運営業務に関して発生した不可抗力による追加費用及び損害額（事業者が当該不可抗力により保険金を受領した場合の当該保険金額を除く。）については、不可抗力の事由による年度毎の損害の累計額が、不可抗力の事由の発生した年度における維持管理・運営費の１％相当額に至るまでは事業者がこれを負担し、

１％を超える額についてはこれを振興会が負担する。

② 上記①の追加費用及び損害額には、維持管理・運営業務の遅延又は中断、本契約の解除に伴う各種追加費用、本施設の損傷・復旧費用、残存物撤去費用、損害防止費用等のうち、合理的と判断される費用を含む。

別紙７事業用地

事業用地は、次のとおり。

所在地番	区分	数量
東京都千代田区隼町 9-1、13-1	土地	30,818.74 ㎡
※契約締結時に業務要求水準書参考資料２－１敷地測量図を添付する。

別紙８再計算の利息の算定に係る割賦利率

割賦利率は、１．基準金利と２．利ざやの和で構成される。

１．基準金利

支払方法に応じ、別紙５における基準金利の算定方法に従い、再算定する。

２．利ざや

契約解除の事由により以下のように定める。

(1) 本契約第 89 条による解除の場合上乗せする利ざやは認めない。

(2) 本契約第 90 条又は第 91 条による解除の場合事業計画書に記載されている利ざやとする。

(3) 本契約第 92 条による解除の場合

事業計画書に記載されている融資者から提示のあった利ざやとする。この場合、構成員である株主からの劣後融資等は含めない。

別紙９定期借地権設定契約書（案）

※事業契約時に入札説明書資料－１－４を添付する。

Document Metadata

Table of Contents

※契約締結時に事業者が提案した様式 C-3 添付①を添付する。

Document Metadata

※契約締結時に事業者が提案した様式 C-3 添付①を添付する。

資料－１

国立劇場再整備等事業事業契約書（案）

国立劇場再整備等事業に関する事業契約書（案）

第１章 総則

第1条 本契約（鑑を含む。以下同じ。）は、振興会及び事業者が相互に協力し、本事業を円滑に実施するために必要な事項について定めることを目的とする。

第4条 事業契約書、入札説明書等及び事業計画書の記載内容に矛盾又は相違がある場合には、事業契約書、入札説明書等、事業計画書の順に優先して適用される。

第6条 本契約に定める意思表示等は、書面により行わなければならない。

第２章 本事業の実施に関する事項

第15条 事業者は、各業務を、以下の各号に定める各選定企業に委任し、請け負わせるものとし、各業務の全部又は一部を各選定企業以外の第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。

第16条 事業者は、設計企業又は工事監理企業をして、設計業務又は工事監理業務の全部若しくはその主たる部分を一括して第三者に委任させ、又は請け負わせてはならない。

第19条 事業者は、総括代理人を置き、その氏名その他必要な事項を直ちに振興会に通知しなければならない。また、総括代理人を変更したときも同様とする。

第21条 事業者は、別紙４の定めるところにより自らの業績等を確認し、振興会に報告する。

第22条 振興会は、別紙５の定めるところにより事業費を事業者に支払う。

第24条 事業者による本事業の実施その他本契約上の義務の履行に必要な一切の費用は、事業費及び本契約において振興会が負担する義務を負うと規定されている費用を除き、すべて事業者が負担する。

第25条 本契約及び本事業に関連して生じる租税公課は、本契約において別途規定されている場合を除き、すべて事業者が負担する。

第27条 事業者は、自らの責任と費用負担により、本事業に関して、別紙３に定める保険に加入しなければならない。

第28条 事業者は、振興会が本施設に関して個別に発注する第三者の施工する工事が、本施設に関する業務遂行上密接に関連する場合は、第三者の行う工事の円滑な施工に協力し、その施工に必要な調整を行う。

第30条 振興会又は事業者は、本契約の締結日から引渡日の前日までの間において次の各号のいずれかに該当すると判断した場合には、施設整備費のうち本件工事費の変更を相手方に請求して協議することができる。

第35条 振興会及び事業者は、法令等の変更等により、本契約若しくは要求水準の変更が必要になる場合又は本事業の実施に関する費用が増加する場合は、速やかにその内容の詳細を相手方当事者に通知する。

第37条 振興会は、合理的に必要があると認めた場合には、その理由を事業者に通知したうえで、本事業の全部又は一部の実施を一時中止させることができる。

第３章 施設整備に関する事項

第１節 共通事項

第39条 事業者は、施設整備業務に着手する前日までに、設計・施工工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第41条 事業者は、設計業務に着手する前に、設計業務に係る要求水準確認計画書を振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第42条 振興会は、事業者が本事業の施設整備業務（複合施設の整備を含む。）のために事業用地を使用することができる状態とし、次の各号に掲げるところに従い、事業者に無償で使用させることとする。

第43条 振興会は、事業者が求め、振興会が必要と認めた場合には、事業者が実施する調査について、関係資料を事業者に貸与する。

第48条 事業者は、調査に着手する場合には、当該調査に着手する前に調査計画書を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第２節 設計業務

第３節 建設業務

（建設業務の実施）

第52条 事業者は、建設企業との間で締結する建設請負契約において、建設企業が建設する国立劇場の所有権が事業者に原始的に帰属する旨の特約を付す。

（建設業務における体制の確認）

第54条 事業者は、本件工事の着手前に、業務要求水準書の内容に従って実施工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第55条 事業者は、本件工事に着手する前に、総合施工計画書、工種別施工計画書及び品質管理計画書を振興会に提出しなければならない。

第56条 事業者は、建設業務の完了後、業務要求水準書に定める建設業務の成果物を振興会に提出しなければならない。

第４節 工事監理業務

第５節 国立劇場の完成及び国立劇場の引渡し

第59条 事業者は、自らの責任と費用負担において、複合施設の完成に伴い必要となる一切の申請及び届出を行わなければならない。

第64条 振興会は、国立劇場の引渡し前においても、事業者の承諾を得て国立劇場の全部又は一部を使用することができる。

第67条 振興会は、施設整備業務に係る成果物が、契約の内容に適合しないもの（以下

第４章 維持管理・運営に関する事項

第１節 共通事項

第70条 振興会は、維持管理・運営期間中、貸与図面等を事業者に貸与する。

第71条 事業者は、業務実施計画書等に従って事業契約書等に定める維持管理・運営業務を実施する。

第73条 事業者は、維持管理企業又は運営企業が維持管理業務又は運営業務の実施につき用いた使用人等による業務上の行為については、一切の責任を負う。

第75条 事業者は、維持管理・運営期間中、本施設が損傷した場合には、直ちにその状況を振興会に通知しなければならない。

第２節 維持管理・運営業務（飲食・物販等サービス提供業務を除く）に関する事項

第76条 振興会は、維持管理・運営期間中、事業者管理諸室を無償で事業者に対して使用させる。

第77条 事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始日以降の各事業年度における支払対象期間の維持管理・運営業務が完了したときは、当該支払対象期間の業務完了届を振興会に提出しなければならない。

第３節 飲食・物販等サービス提供業務に関する事項

第１章総則

第1条本契約（鑑を含む。以下同じ。）は、振興会及び事業者が相互に協力し、本事業を円滑に実施するために必要な事項について定めることを目的とする。

第4条事業契約書、入札説明書等及び事業計画書の記載内容に矛盾又は相違がある場合には、事業契約書、入札説明書等、事業計画書の順に優先して適用される。

第6条本契約に定める意思表示等は、書面により行わなければならない。

第２章本事業の実施に関する事項

第15条事業者は、各業務を、以下の各号に定める各選定企業に委任し、請け負わせるものとし、各業務の全部又は一部を各選定企業以外の第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。

第16条事業者は、設計企業又は工事監理企業をして、設計業務又は工事監理業務の全部若しくはその主たる部分を一括して第三者に委任させ、又は請け負わせてはならない。

第19条事業者は、総括代理人を置き、その氏名その他必要な事項を直ちに振興会に通知しなければならない。また、総括代理人を変更したときも同様とする。

第21条事業者は、別紙４の定めるところにより自らの業績等を確認し、振興会に報告する。

第22条振興会は、別紙５の定めるところにより事業費を事業者に支払う。

第24条事業者による本事業の実施その他本契約上の義務の履行に必要な一切の費用は、事業費及び本契約において振興会が負担する義務を負うと規定されている費用を除き、すべて事業者が負担する。

第25条本契約及び本事業に関連して生じる租税公課は、本契約において別途規定されている場合を除き、すべて事業者が負担する。

第27条事業者は、自らの責任と費用負担により、本事業に関して、別紙３に定める保険に加入しなければならない。

第28条事業者は、振興会が本施設に関して個別に発注する第三者の施工する工事が、本施設に関する業務遂行上密接に関連する場合は、第三者の行う工事の円滑な施工に協力し、その施工に必要な調整を行う。

第30条振興会又は事業者は、本契約の締結日から引渡日の前日までの間において次の各号のいずれかに該当すると判断した場合には、施設整備費のうち本件工事費の変更を相手方に請求して協議することができる。

第35条振興会及び事業者は、法令等の変更等により、本契約若しくは要求水準の変更が必要になる場合又は本事業の実施に関する費用が増加する場合は、速やかにその内容の詳細を相手方当事者に通知する。

第37条振興会は、合理的に必要があると認めた場合には、その理由を事業者に通知したうえで、本事業の全部又は一部の実施を一時中止させることができる。

第３章施設整備に関する事項

第１節共通事項

第39条事業者は、施設整備業務に着手する前日までに、設計・施工工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第41条事業者は、設計業務に着手する前に、設計業務に係る要求水準確認計画書を振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第42条振興会は、事業者が本事業の施設整備業務（複合施設の整備を含む。）のために事業用地を使用することができる状態とし、次の各号に掲げるところに従い、事業者に無償で使用させることとする。

第43条振興会は、事業者が求め、振興会が必要と認めた場合には、事業者が実施する調査について、関係資料を事業者に貸与する。

第48条事業者は、調査に着手する場合には、当該調査に着手する前に調査計画書を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第２節設計業務

第３節建設業務

第52条事業者は、建設企業との間で締結する建設請負契約において、建設企業が建設する国立劇場の所有権が事業者に原始的に帰属する旨の特約を付す。

第54条事業者は、本件工事の着手前に、業務要求水準書の内容に従って実施工程表を作成し、振興会に提出し、振興会による確認を受けなければならない。

第55条事業者は、本件工事に着手する前に、総合施工計画書、工種別施工計画書及び品質管理計画書を振興会に提出しなければならない。

第56条事業者は、建設業務の完了後、業務要求水準書に定める建設業務の成果物を振興会に提出しなければならない。

第４節工事監理業務

第５節国立劇場の完成及び国立劇場の引渡し

第59条事業者は、自らの責任と費用負担において、複合施設の完成に伴い必要となる一切の申請及び届出を行わなければならない。

第64条振興会は、国立劇場の引渡し前においても、事業者の承諾を得て国立劇場の全部又は一部を使用することができる。

第67条振興会は、施設整備業務に係る成果物が、契約の内容に適合しないもの（以下

第４章維持管理・運営に関する事項

第１節共通事項

第70条振興会は、維持管理・運営期間中、貸与図面等を事業者に貸与する。

第71条事業者は、業務実施計画書等に従って事業契約書等に定める維持管理・運営業務を実施する。

第73条事業者は、維持管理企業又は運営企業が維持管理業務又は運営業務の実施につき用いた使用人等による業務上の行為については、一切の責任を負う。

第75条事業者は、維持管理・運営期間中、本施設が損傷した場合には、直ちにその状況を振興会に通知しなければならない。

第２節維持管理・運営業務（飲食・物販等サービス提供業務を除く）に関する事項

第76条振興会は、維持管理・運営期間中、事業者管理諸室を無償で事業者に対して使用させる。

第77条事業者は、国立能楽堂維持管理運営開始日以降の各事業年度における支払対象期間の維持管理・運営業務が完了したときは、当該支払対象期間の業務完了届を振興会に提出しなければならない。

第３節飲食・物販等サービス提供業務に関する事項