Contract
協働契約 事業実施結果報告書
1 事業概要
受託者及び代表者氏名 | 特定非営利活動法人み・らいず2代表理事 xx xx |
事業名 | 尼崎市ユース相談支援事業 |
2 事業評価
(1) 協働側面の評価実施手順
・下表について、相互に自己採点する。評価基準は次のとおりとする
A(よくできた)、B(まあまあできた)、C(あまりできなかった)、D(まったくできなかった)
・結果を共有し、差異がみられる項目を中心に、原因や改善策等について意見交換を行う
・協議内容は「3総合評価」に記載する
・結果を共有する際は、衝突を恐れず、互いを尊重しながら、率直な意見交換を行うこと。
項目 | 団体等 | 所管課 |
1 事業計画(準備)段階 | ||
(1) 課題や目標について共有し、理解し合うことができたか | A | A |
(2) 相手の立場や組織、ルール等を共有し、理解し合うことができたか | C | B |
(3) それぞれの強み弱みを理解し、補い合いながら計画を立てられたか | C | C |
2 事業実施段階 | ||
(1) 率直な意見交換を行い、理解し合いながら、対等な立場で実施できたか | A | B |
(2) 予定外のことについて、協力して対応することができたか | A | A |
(3) 役割分担にとらわれて任せっきりにすることなく、主体的に関われたか | A | B |
(4) 実施中に目標や進捗を共有し、改善しながら進めることができたか | C | C |
その他(任意で設定する項目、項目数は不問) | ||
(1) | ||
(2) | ||
(3) |
(2) 事業効果の評価実施手順
・事業実施前を目途に、協議・合意の上、一つ以上設定する
・事業の効果が客観的に測れるよう、受益者の評価など、アウトカム指標を原則とする
項目 | 内容 | |
1 | 評価指標 | 評価指標:ユース相談支援事業の新規申請者数 考え方: 当該事業は令和2年1月に開始した事業であり、他市で類を見 ない新しい取り組みのため、月2件(年24件)の新規事業申請を確保する。 |
測定方法 | 令和2年度のユース相談支援事業の新規申請者数を計上する。 | |
結果 | 実績値:37件 評価: 事業開始の令和2年1月から令和2年3月の新規申請者数は6件 (月2件)であったが、令和2年度は月3件の新規申請となり、事前の想定以上に支援が必要な対象者を支援につなぐことができた。令和2年度は市内各地の公共施設への広報チラシの設置依頼や、 福祉担当各課に対する事業周知、市立中学校への広報等実施した。 |
3 総合評価
協働側面の評価 |
【良かったこと】 ・ユース相談支援事業は初回相談を市職員が担当したり、委託事業者の支援に市職員が同席したりする等、市職員と委託事業者がともに支援にあたる体制をとっており、委託事業者の活動を通じて、ひきこもり等複合的な課題を抱える対象者に対する支援方法や、各機関を巻き込み役割付けを行うコーディネート方法について新たな知見を得ることができた。 ・市職員と委託事業者がともに支援にあたる体制をとる中で、市職員は庁内・庁外の連携に必要なネットワークの構築や調整を中心に取り組み、委託事業者は支援対象者の個別支援やグループ活動のほか、民間ネットワークを活用した支援に必要な社会資源開拓など、双方の役割を意識しながら事業を実施したが、個別支援を中心に、事業運営に必要なことを随時率直に意見交換することができた。 【今後改善が必要なこと】 ・ユース相談支援事業に委託事業者が手を挙げた理由は、ひきこもり状態にある対象者に必要な支援を15歳から届けることができるためであり、中学卒業後のひきこもり状態を防止することは、ユース相談支援の大きな目的でもある。当該目的について市職員と委託事業者で共有することができたが、実際に中学3年生の対象者へユース相談支援事業が介入するには、長期欠席生徒情報の共有や、各市立中学校へ個別ケースを打診するためのネットワーク構築など市として取り組むべき課題があり、中学3年生の対象者へさらに支援を届けるためには、市職員が庁内や中学校に対して、ネットワーク構築のための働きかけを更に推進する必要がある。また、委託事業者としても市や中学校の文化・ルールを理解していれば、個別支援において、関係機関とスムーズに話をすることができたと考える。 ・安否確認のできないケースに対するアプローチや、保健福祉関連の相談等、委託事業者でできな いことは市が実施すべきだが、市と委託事業者双方の強みを生かし切れていなかった。双方の強みを生かしきれなかった背景には、従来の市の相談支援にみられる、単一担当課で担当する意識が根 |
強く残っているからと考えられ、支援対象者に必要な理想の支援チーム像から逆算し、支援にかけているピースを埋めるようにコーディネートする視点が必要であった。 【今後の対策について】 ・令和3年度に予定している、市立中学校全17校に対するユース相談支援事業の事業説明および中学3年生の支援に関する連携打診のように、委託事業者と共有している当該事業の大きな目的である中学卒業後のひきこもり状態防止を中心に、ユース相談支援事業の目的を達成するためのネットワーク構築を推進する。個別支援におけるアウトリーチ(訪問支援)だけでなく、申請窓口に至らないが支援を必要とする対象者を探すアウトリーチを実施し、市職員でしかできない役割を推進する。 ・支援対象者に必要な理想の支援チーム像から逆算し、支援にかけているピースを埋めるようにコ ーディネートする視点は、当該協働契約でなければ得ることのできなかった知見であり、いくしあ内で知見を共有し、重層的支援の実現に向けた取り組みを推進する。 |
事業効果の評価 |
【達成できたこと】 ・ユース相談支援事業は令和2年1月に開始しており、当初は月2件の新規申請を目標としていたが、令和2年度は37件の新規申請を受け付けており、当初の目標を超える月3件の新規申請となった。 ・令和2年度ユース相談支援事業では、新規申請数に新たな評価指標の設定を双方の課題としていた。令和2年度は、佐賀県でひきこもり・不登校を含む若者支援で先進的な取り組みをしている、認定特定非営利活動法人NPO スチューデント・サポート・フェイスへ市職員を派遣しており、派遣先で使用していたアセスメント指標である「Five Different Positions(以下 FDP)」を当該事業の評価指標として使えないか市職員と委託事業者双方で協議し、令和3年度は FDP を含むモニタリングシートを作成し、3か月に1回、市職員と委託事業者でモニタリングを実施することとなった。 【今後の取り組みについて】 ・令和3年度はFDP を評価指標として運用する中で、ユース相談支援事業の対象者像に合致するかどうか更に検討し、ユース相談支援事業の対象者像に合わせて細かい点を変更する可能性を含み、実情に即した評価ができるよう取り組む。 ・ユース相談支援事業はひきこもり気味の対象者を含んでおり、対象者像は様々である。現在でも、親族の喪失体験、発達障害、ヤングケアラー、年金等諸手続き補助等、様々な切り口で関わっている。その点、本人の望む適切な関係機関にマッチングできたかどうかという評価指標や、支援対象者をアウトリーチ(発見)し事業につながった数や、支援対象者の感じ方の変化を数に表す 等、様々な評価指標の案を検討する余地がある。 |
総評 |
・ユース相談支援事業を協働契約で実施したことは、メリットが多かった。 ・個別支援において、市職員と委託事業者がともに支援にあたる体制をとったことで、通常の委託契約と異なり、双方の具体的な取り組み状況がわかる状況にあった。その上で、双方が率直な意見交換をすることで、今後の課題の発見や、市単独では気づけなかった知見を得ることができるなど、事業発展に有益な情報を得ることができた。 ・事業運営全体において、市職員としてネットワーク構築等でさらに取り組むべきことはあったが、委託事業者との情報共有を踏まえた助言を得ることで、事業運営全体で取り組むべき課題が明 確になり、支援現場と連動した取り組みを実施することができるようになった。 |