Contract
(令和2年4月1日から適用)
施設供用約款
利用者(以下「乙」という。)は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「甲」と いう。)の供用施設を利用する場合は、次の条項に基づき実施する。
(申込)
第1条 乙は、甲の供用施設を利用するに当たり、甲の定める申込書に必要事項を記載し、記名押印のうえ申込みするものとする。
(承諾)
第2条 甲は、前条の申込書を受理後遅滞なく諾否を決定し、実施可能な場合は、承諾書を乙に送付するものとする。
(利用料金の支払い)
第3条 甲は、債務を履行したのち所定の算定基準によって算定された利用料金の支払いを乙に請求するものとする。
2 乙は、前項に基づく請求書を受理した後30日以内に甲に支払いを行うものとする。ただし、乙の責めに帰し難いときは、この限りではない。
(提供材料)
第4条 甲は、照射等に必要な材料の全部又は一部(以下「提供材料」という。)を乙から甲に提供させることができる。
2 乙は、提供材料がある場合は、提供材料を甲の指定する期日までに甲に引き渡すものとする。
3 乙は、甲が提供材料について、使用上不適当と認めた場合は、甲の指示に基づき提供材料の交換を行うものとする。これに要する費用は乙の負担とする。
4 提供材料について生じた損害は、甲の責に基づく事由による場合を除いて、すべて乙の負担とする。
(施設等の利用)
第5条 乙は、供用施設の利用に伴い、供用施設以外の甲の所有する施設等の利用、放射性物質の運搬、消耗品の手配、その他の付帯業務を必要とする場合は、甲の承諾を得て利用又は依頼するものとする。
2 乙は、前項の場合、甲の定める利用料又は実費を甲の請求に基づき支払わなければならない。
(利用者への支援)
第6条 乙は、供用施設の利用に当たり、必要な装置等の操作、運転等に関する役務提供を甲から有償で受けることができる。
2 乙は、供用施設の利用に当たり、必要な装置等の操作、運転方法、試料等の作製方法、データ等の解析方法等に関する技術指導を甲から有償で受けることができる。
3 乙は、前2項に定める支援を受けようとするときは、その可否等について予め甲の施設の管理を担当する者と協議のうえ、甲の定める様式に必要事項を記載し、申込書に添付し申込みするものとする。
4 乙は、前第1項及び第2項により支援を受けたときは、甲の定める所定の算定基準によって算定された費用を甲の請求に基づき支払わなければならない。ただし、乙が成果非占有課題による利用の場合であって、甲の職員が公開する成果の共著者となるときは、前第1項及び第2項の支援に係る経費を徴収しないものとする。
(契約廃棄物の責任と範囲)
第7条 乙の利用に伴い放射性廃棄物が発生する場合、当該放射性廃棄物(以下「契約廃棄物」という。)の貯蔵、処理及び処分(以下「処理処分」という。)に係る責任は乙にあるものとする。
2 乙が、当該処理処分に係る費用を負担することにより、甲が当該責任を引き受けることができる。また、その範囲は処理後の貯蔵までとする。ただし、次の各号に該当するものについては、甲が処理処分に関する全ての責任を引受けるものとする。
(1)契約廃棄物の処理処分費用が、240万円以下の場合
(2)乙が国であり、一括支払いの途しかない場合、又はこれに準じる場合
(3)乙が個人の場合、その他甲が定める場合
(契約廃棄物の引取り)
第8条 前条第1項により乙が自己の責任において契約廃棄物を引取るときは、乙は第1条に定める申込みを行うときに、契約廃棄物の引取時期及び引取方法を甲に通知しなければならない。
2 乙は、契約廃棄物の引取りに係る全ての費用を負担するものとする。
(契約廃棄物発生量等の確定方法)
第9条 甲は、第1 条に定める乙の利用等により、契約廃棄物の発生が予想される場合は、放射性廃棄物発生予想量確認書(以下「発生予想量確認書」という。)を作成しなければならない。甲及び乙は、発生予想量確認書の記載内容を確認し、相違がない場合は、記名押印するものとする。
2 甲は、前項で合意した発生予想量確認書の数量に基づき、甲の定める所定の算定基準によって契約廃棄物の処理処分に係る概算額を算出するものとする。
3 甲は、第2条に基づく乙の利用等の終了後、放射性廃棄物発生量確認書(以下「発生量確認書」という。)を作成しなければならない。甲及び乙は、発生量確認書の記載内容を
確認し、相違がない場合は、記名押印するものとする。
4 甲は、前項で合意した発生量確認書の数量に基づき、甲の定める所定の算定基準によって契約廃棄物の処理処分に係る確定額を算出するものとする。ただし、第2項により算出した概算額が240万円以下であり、甲及び乙が合意する場合は概算額を確定額とすることができる。
(契約廃棄物の費用負担)
第10条 第7条第2項により乙が負担する費用は、前条第3項及び第4項により確定した額とする。
2 前条第4項により算出した確定額が240万円以下の場合、甲は、契約廃棄物の処理処分に係る全ての費用を第3条第1 項に定める利用料金に合算して、乙から一括して徴収するものとする。
3 前条第4項により算出した確定額が240万円を超える場合、甲は、処理に係る費用及び次の各号に定める期間における貯蔵に係る費用を第3条第1項に定める利用料金に合算して、乙から徴収するものとし、処分に係る費用については、貯蔵期間満了後に甲は乙から徴収するものとする。ただし、貯蔵期間満了日において、甲の都合により処分が開始できない場合は、乙は新たに発生する貯蔵に係る費用を甲に支払うものとし、処分に係る費用については、処分可能となったときに、甲に支払うものとする。
(1) トレンチ処分又はピット処分の場合、貯蔵期間は15年とする。
(2) 余裕深度処分の場合、貯蔵期間は30年とする。
(3) 地層処分の場合、貯蔵期間は40年とする。
(契約廃棄物の協議)
第11条 前条第2項及び第3項に定める処理後の貯蔵までの契約廃棄物については、放射性廃棄物の処理処分について、法令又は法令に準じるもの(以下「法令等」という。)において処理処分の制度等が定められた場合は、甲乙協議の上、法令等に従った必要な措置を講じるものとする。
(個人線量管理)
第12条 乙は、放射線業務従事者として甲の供用施設を利用するときは、個人線量管理に係る費用を甲の請求に基づき支払わなければならない。個人線量管理に係る費用は、甲の定める所定の算定基準によって算定された費用とするものとする。
(原状回復)
第13条 乙は、供用施設の利用に伴い、施設等の一部を変更して利用しようとするときは、予め甲の承諾を得るものとし、この場合の費用は、乙の負担とする。
2 乙は、前項による業務が完了したときは、速やかに供用施設等を原状に回復したうえ、甲の点検を受けるものとする。
(実施報告書の提出及び成果の公表)
第14条 乙は、成果非占有課題による利用の場合、次項以下に定めるところにより、実施
報告書の提出及び成果の公表を行わなければならない。
2 実施報告書は、供用施設を利用した年度(甲の事業年度。ただし、甲の都合により当該事業年度の翌事業年度に利用した場合にはその事業年度。以下「施設利用年度」という。)の翌年度の4月1日から起算して60日以内に、甲が定める様式により甲に提出するものとする。甲は、提出された実施報告書を公表することができる。
3 成果の公表は、施設利用年度の翌年度の4月1日から起算して2年以内に甲が定める論文発表等の方法で行い、甲が定める様式により甲に通知するものとする。ただし、あらかじめ、甲が定めるところにより期限の延長を申し出て、甲がこれを認めた場合はこの限りではない。
4 乙は、前項の期限(期限の延長を認められた場合は延長された期限)までに、成果を公表していないとき又は実施報告書を提出していないときは、支払済みの利用料金と乙の利用を成果占有課題による利用とみなして算定した利用料金との差額を、甲の請求に基づき、甲が指定する期日までに支払わなければならない。
(知的財産権の帰属等)
第15条 乙が供用施設の利用によって得られた知的財産権に関する出願等を行う場合は、甲と協議するものとする。
2 甲及び乙が本施設供用の結果、共同して発明等を行ったときは、当該発明等に係る知的財産権(以下「共有に係る知的財産権」という。)は甲及び乙の共有とし、当該発明等に係る出願等を行おうとするときは、当該知的財産権に係る甲及び乙の持分等を定めた共同出願等に関する契約を別途締結のうえ、共同して出願等するものとする。
3 甲及び乙は、本施設供用に係る知的財産権の登録を受ける権利を当該発明を行った者から承継するために必要な措置をとらなければならない。
(成果の利用等)
第16条 乙は、成果非占有課題による利用により得られた成果等を公開するときは、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構施設供用制度」を利用したことを明記しなければならない。
2 乙は、供用施設の利用に当たり、第6条第1項及び第2項の支援を受けたときは、甲の職員と協議し、甲の職員を共著者として取り扱うことができる。
(知的財産権の実施)
第17条 甲及び乙は、共有に係る知的財産権を第三者又は乙の指定する者に実施させる場合は、その持分に応じた実施料の支払いその他必要な事項を定めた実施契約を、当該者と別途締結するものとする。
2 乙は共有に係る知的財産権を商業的に実施した場合、甲が共有に係る知的財産権を商業的に実施しないことから、当該知的財産権に係る甲及び乙の持分等に応じて甲乙協議して定める不実施補償料を甲に支払う。
(第三者に対する実施の許諾)
第18条 甲及び乙は、共有に係る知的財産権について、相手方の同意を得て第三者にその実施を許諾することができる。
(知的財産権の管理費用)
第19条 甲及び乙は、本施設供用の結果生じた自己が単独で所有する知的財産権の管理に要する費用(弁理士費用、出願料、維持費等)は各自負担するものとする。
2 甲及び乙は、本施設供用の結果生じた知的財産権を共有する場合には、その知的財産権の管理に要する費用(弁理士費用、出願料、維持費等)を、その持分に応じて負担する。ただし、別に定めがある場合は、この限りでない。
(秘密保持)
第20条 甲及び乙は、供用施設の利用によって得られた相手方の秘密を第三者に漏らしてはならない。ただし、次の各号に該当するものについてはこの限りではない。
(1)相手方から知得する以前に、既に公知であるもの
(2)相手方から知得した後に、自らの責めによらず公知となったもの
(3)相手方から知得する以前に、既に自ら所有していたもので、かかる事実が立証できるもの
(4)正当な権限を有する第三者から秘密保持の義務を伴わずに知得したもの
(5)相手方から知得した情報に依存することなく独自に得た資料・情報でかかる事実が立証できるもの
(6)相手方から公開又は開示に係る書面による同意が得られたもの
(7)裁判所命令若しくは法律によって開示を要求されたもの。なお、この場合、相手方に直ちに要求があったことを通知するものとする。
2 甲及び乙は、供用施設の利用目的、性質に応じて、秘密保持に関する特約を付することができる。
(供用施設等の運転停止)
第21条 甲は、供用施設等が事故等により運転の継続が困難になったときは、乙に対して速やかにその旨を通知するものとする。
2 甲は、前項の運転停止に伴い発生する乙の損害について、免責されるものとする。
(損害賠償)
第22条 乙は、供用施設の利用において、甲の機器、施設等に損害を与えたときは、直ちにその旨を甲に報告するとともに、相当の損害賠償額を甲に支払わなければならない。
(事故の免責)
第23条 甲は、乙が供用施設の利用において、乙の故意又は過失により発生した事故による補償は行わないものとする。
(規程の遵守等)
第24条 乙は、供用施設の利用に当たっては、甲の定める諸規程を遵守するとともに甲の指示に従わなければならない。
(契約の変更又は解除)
第25条 甲及び乙は、事前協議のうえ、この契約を変更又は解除できるものとする。
2 甲は、前条に定める遵守義務に違反するおそれがあるとき、又は違反したときは、契約を解除又は終了することができる。
(契約終了後の措置)
第26条 この契約終了後においても、第7条、第8条、第9条、第10条及び第11条の規定は、その効力を有するものとし、その終了については、甲乙協議のうえ定めるものとする。
(疑義等の解決)
第27条 この契約の履行についての疑義、又はこの契約に定めのない事項が発生したときは、そのつど甲乙協議して定めるものとする。