Contract
別添3-1
総価契約単価合意方式(包括的単価個別合意方式)実施要領
【令和 4 年 4 月 1 日以降に契約締結するものから適用】
1.目的
総価契約単価合意方式は、工事請負契約における受発注者間の双務性の向上の観点から、請負代金額の変更があった場合における変更金額や出来形払金額の算定を行う際に用いる単価等をあらかじめ協議し、合意しておくことにより、設計変更や出来形払に伴う協議の円滑化に資することを目的として実施するものとする。
2.対象工事
総価契約単価合意方式の対象工事は、工事種類が土木、鉄骨鉄けた、軌道(軌道)、軌道(レール溶接他)及びプレストレストコンクリートであって、予定価格が 250 万円を超える工事とする。
3.実施方式
(1) 総価契約単価合意方式は、包括的単価個別合意方式(工事等数量総括表の細別の単 価に請負代金比率を乗じて得た各金額について合意する方式)により行うものとする。
(2) (1)の請負代金比率は、次の算式により得られる数値とする。請負代金比率 = 落札金額 ÷ 工事価格
4.対象工事である旨の明示
(1) 総価契約単価合意方式の対象工事である旨の明示は、次に掲げる契約方式ごとにそれぞれ次に掲げる書面への記載(電磁的記録を含む。)により行うものとする。
一般競争入札の場合 : 入札公告及び入札説明書指名競争入札の場合 : 指名通知書
随意契約の場合 : 見積依頼通知書
(2) (1)の記載は、次に掲げる記載例によるものとする。
(記載例:入札公告)
(○) 本工事は、総価契約単価合意方式の対象工事である。
(記載例:上記以外)
(○) 本工事は、総価契約単価合意方式の対象工事である。本工事では、契約変更等における協議の円滑化に資するため、契約締結後に、受発注者間の協議により総価契約の内訳としての単価等について合意するものとする。本方式の実施方式は、包括的単価個別合意方式(工事等数量総括表の細別の単価に請負代金比率を乗じて得た各金額について合意する方式)によるものとする。
なお、本方式の実施手続は、当機構ホームページで公開している「総価契約単価合意方式(包括的単価個別合意方式)実施要領」及び「総価契約単価合意方式(包括的単価個別合意方式)実施要領の解説」によるものとする。
5.契約書における記載事項
(1) 第 3 条関係(請負金額内訳書、工程表及び単価合意書)
包括的単価個別合意方式を適用する工事においては、工事請負契約書(以下「契約書」という。)第 3 条第 1 項に基づき、受注者から提出される請負金額内訳書(以下
「内訳書」という。)について、受注者との間で単価等を協議した上で合意することとなる。このため、契約書第 3 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(請負金額内訳書、工程表及び単価合意書)第3条 (略)
2~3 (略)
4 発注者及び受注者は、第1項の規定による内訳書の提出後、速やかに、当該内訳書に係る単価を協議し、単価合意書を作成の上合意するものとする。この場合において、協議がその開始の日から○日以内に整わないときは、発注者がこれを定め、受注者に通知するものとする。
5 受注者は、請負代金額の変更があったときは、当該変更の内容を反映した内訳書を作成し、○日以内に設計図書に基づいて、発注者に提出しなければならない。
6 第4項の規定は、前項の規定により内訳書が提出された場合において準用する。
7 第4項(前項において準用する場合を含む。)の単価合意書は、第 26 条第3項の規定により残工事代金額を定める場合並びに第 30 条第5項、第 40 条第6項及び第 41 条
第3項に定める場合(第 25 条第1項各号に掲げる場合を除く。)を除き、発注者及び受注者を拘束するものではない。
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
(2) 第 25 条関係(請負代金額の変更方法等)
本方式を適用する工事における請負代金額の変更に当たっては、単価合意書の記載事項を基礎として行うことができるように、契約書第 25 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(請負代金額の変更方法等)
第25条 請負代金額の変更については、次に掲げる場合を除き、第3条第4項(同条第
6項において準用する場合を含む。)の規定により作成した単価合意書の記載事項を基礎として発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から○日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(1) 数量に著しい変更が生じた場合。
(2) 単価合意書の作成の前提となっている施工条件と実際の施工条件が異なる場合。
(3) 単価合意書に記載されていない工種が生じた場合。
(4) 前各号に掲げる場合のほか、単価合意書の記載内容を基礎とした協議が不適当である場合。
2 前項各号に掲げる場合における請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から○日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
3・4 (略)
(3) 第 26 条関係(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
本方式を適用する工事において、賃金又は物価の変動に基づき請負代金額を変更するときは、変更後の請負代金額の算定に当たり、単価合意書の記載事項に基づき行うことができるように、契約書第 26 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)第26条 (略)
2 (略)
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、単価合意書の記載事項、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から○日以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
4~8 (略)
(4) 第 30 条関係(不可抗力による損害)
本方式を適用する工事における不可抗力による損害の額の算定に当たっては、単価合意書の記載事項に基づき行うことができるように、契約書第 30 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(不可抗力による損害)第30条 (略)
2~4 (略)
5 損害の額は、次に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより算定する。この場合においては、第 25 条第1項各号に掲げる場合を除き、単価合意書の記載事項に基づき行うものとする。
(1)~(3) (略)
6 (略)
(5) 第 40 条関係(出来形払)
本方式を適用する工事における出来形払の額の算定に当たっては、単価合意書の記載事項に基づき行うことができるように、契約書第 40 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(出来形払)
第40条 (略)
2~5 (略)
6 出来形払金の額は、次の式により算定する。この場合において第1項の請負代金相当額は、単価合意書の記載事項に基づき定め、第 25 条第1項各号に掲げる場合には、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が第3項前段の通知をした日から○日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
出来形払金の額≦A-B-C A=第1項の請負代金相当額
B=第1項の請負代金相当額×1/10 C=第 37 条第3項の前払金回収額
[注]○の部分には、原則として、「10」と記入する。
7 (略)
(6) 第 41 条関係(部分引渡し)
本方式を適用する工事における部分引渡しに係る請負代金額の算定に当たっては、指定部分に相応する請負代金の額を単価合意書の記載事項に基づき行うことができるように、契約書第 41 条に次に掲げる事項を記載するものとする。
(記載例:工事請負契約書)
(部分引渡し) 第41条 (略)
2 前項の規定により準用される第 35 条第1項の規定により請求することができる部分引渡しに係る請負代金の額は、次の式により算定する。この場合において、指定部分に相応する請負代金の額は、単価合意書の記載事項に基づき定め、第 25 条第1項各号に掲げる場合には、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が前項の規定により準用される第 34 条第1項の検査の結果の通知をした日から○日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
部分引渡しに係る請負代金の額=指定部分に相応する請負代金の額-第 37 条第3項の前払金回収額
[注]○の部分には、原則として、「14」と記入する。
6.包括的単価個別合意方式における単価合意の方法
契約書締結直後の単価合意は、契約書第3条第4項の規定に基づき実施する〔5.(1)の契約書記載例参照〕ほか、以下の手続により実施するものとする。
(1) 単価合意は、工事等数量総括表に記載の項目について、当初契約の予定価格(変更契約の場合は機構積算額)に対する請負代金額の比率に基づき、直接工事費、共通仮設費(積上げ分)、共通仮設費(率分)、現場管理費及び一般管理費等の単価等について合意するものとする。
(2) 単価合意書に記載された直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)における単価は変更しないものとする。
(3) 受注者による内訳書の提出後、単価合意書(様式 1)を作成の上合意するものとする。この場合において、発注者において単価表(様式 2)を作成の上、単価合意書に添付するものとする。
(4) 単価合意書を作成の上合意したときは、発注者は当該合意書を閲覧に供する方法により公表するものとする。この場合においては、公表について、「工事等における入札及び契約の過程並びに契約の内容等に係る情報の公表について」(平成 15 年 10 月
1日付け鉄業契第 73 号・鉄計積第 38 号通達)における予定価格の積算内訳の取扱いに準じて行うものとする。
(5) 請負代金額の変更後の単価合意は、契約書第3条第6項において準用する同条第4項の規定に基づき実施するものとする。この場合には、単価合意書に記載された直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)の単価は変更しないものとする。
7.包括的単価個別合意方式における請負代金額の変更
請負代金額の変更に当たっては、契約書第 25 条の規定に従い、単価合意書に記載された事項を基礎として、請負代金額の変更部分の総額を協議するものとする〔5.(2)の契約書記載例参照〕。なお、その際の予定価格の積算に当たっては、以下の(1)及び (2)に留意するものとする。
(1) 直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)については、単価合意書に記載の単価に基づき積算するものとする。単価合意書に記載のない単価の取扱いは、以下のとおりとする。
・ 契約書第 25 条第1項第1号及び第2号に掲げる場合は、細別(レベル4)の比率(変更前の機構積算単価に対する合意単価の比率をいう。以下この項において同じ。)に変更後の機構積算単価を乗じて積算するものとする。
・ 既存の工種(レベル2)に種別(レベル3)及び細別(レベル4)が追加された場合は、当該工種(レベル2)の比率に機構積算単価を乗じて積算するものとする。
・ 工種(レベル2)が新規に追加された場合の直接工事費及び細別(レベル4)が新規に追加された場合の共通仮設費(積上げ分)については、機構積算単価にて積算するものとする。
(2) 共通仮設費(率分)、現場管理費、一般管理費等については、(1)により算出した対象額(共通仮設費(率分)にあっては直接工事費、現場管理費にあっては純工事費、一般管理費等にあっては工事原価をいう。)に、変更前の対象額に対する合意金額(合意金額は変更前の機構積算額に請負代金比率を乗じた金額で算出)の比率及び積算標準の率式を利用した低減割合を乗じて算出するものとする。
8.印紙税の取扱い
単価合意書は、印紙税法(昭和 42 年法律第 23 号)別表第 1 第 2 号に掲げる請負に関する契約書で契約金額の記載のないものに該当するとされていることから、電磁的記録をもって作成される場合を除き、200 円の収入印紙の貼付が必要となることに留意するものとする。
(様式1)
単 価 合 意 書
○○年○○月○○日に契約した○○工事における契約の変更に用いる単価又は金額(契約単位が一式の項目については単価ではなく金額)について、別添の単価表のとおり合意する。
以上、単価合意の証として本書2通を作成し、発注者及び受注者記名押印のうえ各自1通を保有する。
○○年○○月○○日
発注者 住 所
氏 名 印
受注者 住 所
氏 名 印
(様式2)
別添
単価表
工事区分・工種・ 種別・細別 | 規格 | 契約 単位 | 数量 | 合意単価 | 金額 | 摘要 |
○○ | 式 | |||||
○○ | 式 | ○○ | ||||
○○ | 式 | |||||
○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | |
○○ | 式 | ○○ | ||||
○○ | 式 | |||||
○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | ○○ | |
直接工事費 | 式 | |||||
共通仮設費 | 式 | |||||
共通仮設費(積上げ分) | 式 | |||||
○○ | 式 | |||||
○○ | 式 | ○○ | ||||
共通仮設費(率計上) | 式 | ○○ | ||||
純工事費 | 式 | |||||
現場管理費 | 式 | ○○ | ||||
工事原価 | 式 | |||||
一般管理費等 | 式 | ○○ | ||||
工事価格 | 式 | |||||
消費税相当額 | 式 | |||||
工事費計 | 式 |
なお、本単価表に記載のない工種(レベル2)が追加された場合の直接工事費及び本単価表に記載のない細別(レベル4)が追加された場合の共通仮設費(積上げ分)については、変更時の価格を基礎として協議する。