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学校法人清泉女子大学 公益通報に関する規程
(目的)
第1条 この規程は、公益通報者保護法(平成 16 年法律第 122 号。以下「法」という。)に基づき、学校法人清泉女子大学(以下「本法人」という。)における公益通報の適正な処理の仕組みを定めることにより、通報者の保護を図るとともに、法令違反行為の早期発見及び是正を図り、もってコンプライアンス体制の強化に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「通報対象事実」とは、次の各号の事実をいう。
1 法及び個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、xxな競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として法別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。以下この項において同じ。)に規定する罪の犯罪行為の事実又は法及び法別表に掲げる法律に規定する過料の理由とされている事実
2 法別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが前号に掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し、又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)
3 学校法人清泉女子大学寄附行為及び学校法人清泉女子大学寄附行為施行細則の定めに反する行為の事実
4 就業規則第 46 条、嘱託職員就業規則第 17 条、契約職員就業規則第 18 条、非常勤職員就
業規則第 18 条及び非常勤教員に関する規程第 14 条の懲戒の事由に該当する行為の事実
② この規程において「公益通報」(以下「通報」という。)とは、第3条第1項各号に規定する者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、次の各号に該当する通報を行うことをいう。
1 通報者が、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、第7条に定める窓口に通報すること
2 通報者が、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面を提出する場合であって、当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関に通報すること
イ 通報者の氏名又は名称及び住所又は居所ロ 当該通報対象事実の内容
ハ 当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由
ニ 当該通報対象事実について法令に基づく措置その他適当な措置がとられるべきと思料する理由
3 通報者が、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項のいずれかに該当する場合であって、その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報すること
イ 通報に対して不利益な取り扱いがなされると信ずるに足りる相当の理由がある。ロ 通報すると証拠隠滅等が発生すると信ずるに足りる相当の理由がある。
ハ 通報すると、事業者が通報者を特定させる事項を、それと知りながら漏洩すると信ずるに足りる相当の理由がある。
ニ 事業者から公益通報をしないことを正当な理由なく要求された。
ホ 事業者から 20 日間通報に対する応答がない又は通報に対する調査が懈怠されている。ヘ 生命・身体に対する危害又は財産に対する回復することができない損害若しくは著
しく多数の個人における多額の損害が発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある。
(通報者)
第3条 この規程において通報を行うことができる者(以下、「通報者」という。)は、次の各号に定める者(以下、まとめて「教職員等」という。)とする。
1 本法人と雇用関係にある教員及び職員
2 本法人に派遣されている派遣労働者、委託契約その他の契約に基づき本法人においてその業務に従事する取引先の労働者
3 本法人の役員(理事及び監事)
② 前項第1号及び第2号については、通報の日前1年以内に教員、職員、派遣労働者、委託契約その他の契約に基づき本法人においてその業務に従事する取引先の労働者であった者を含む。
(理事長の責務)
第4条 理事長は、本法人の通報体制を整備し、継続的な評価・改善を行うことにより、法令違反行為の防止に努めなければならない。
(不正目的通報の禁止)
第5条 教職員等は、不正の利益を得る目的、本法人又は第三者に損害を加える目的その他の不正の目的をもって、通報を行ってはならない。
② 前項の通報を行った者については、就業規則、嘱託職員就業規則、契約職員就業規則、非常勤職員就業規則及び非常勤講師に関する規程(以下、「就業規則等」という。)に従って懲戒処分を課すことができる。
(他の規程との関係)
第6条 次の各号の通報は、それぞれ当該各号に定める規程に従って対応する。
1 ハラスメントに関する通報 ハラスメント防止等に関する規程
2 公的研究費の不正使用に関する通報 公的研究費の不正使用への対応に関する規程
3 研究活動上の不正行為に関する通報 研究活動上の不正行為の防止等に関する規程
(通報窓口)
第7条 本法人は、通報を受け付ける通報窓口を、総務課に設置する。
② 通報窓口に通報を受け付ける通報受付担当者を置き、総務課専任職員をもって充てる。
(通報処理統括責任者)
第8条 通報の処理を統括するために責任者(以下、「通報処理統括責任者」という。)を置き、事務局長をもって充てる。
(通報の方法)
第9条 通報は、別表の所定の書式(以下「通報シート」という。)を通報窓口に送達(電子メール、ファクシミリ等の電子的方法を含む。)する方法又は通報シートを添えて面談で行うものとする。
② 通報は、原則として氏名、所属部署等及び連絡先を明らかにして行うものとする。ただし、匿名により通報が行われた場合でも、当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると通報者が思料する場合は、通報窓口はこれを受け付けるものとする。
(通報の受付)
第 10 条 通報受付担当者は、前条に定める通報を受けたときは、通報の趣旨の全部が第6条各号に定める事項である場合を除き、これを受け付ける。ただし、口頭による通報において通報者が通報シートを提出しないときは、相当の期間を定めて通報シートを提出することを求め、期間内に提出がなかったときは当該通報を受け付けないことができる。
(他の相談窓口の教示)
第 11 条 通報窓口は、通報の趣旨の一部が第6条各号に定める事項であるときは、第6条各号に定める事項以外を趣旨とする通報として受け付け、第6条各号に定める事項については当該事項を扱う窓口に対して相談すべき旨を教示する。
(受付通知)
第 12 条 通報受付担当者は、通報を受け付けたときは、速やかにその内容を通報処理統括責任者に報告するとともに、当該通報を受け付けた旨を書面(電子的方法を含む。以下同じ。)に
より当該通報者に通知する。ただし、通報者が連絡先を明らかにしていないとき、及び、通報者が通報の取り扱いについての通知を求めない旨の意思を表示しているときは、この限りではない。
(通報の受理)
第 13 条 通報処理統括責任者は、通報を受け付けたときは、速やかに理事長にその内容を報告する。なお、理事長が通報対象となる場合は、当該通報があったことを監事にも報告するものとする。
② 理事長は、通報処理統括責任者と協議のうえ、当該通報の内容が次の各号のいずれにも該当せず、通報の趣旨の全部又は一部が違反行為に該当するおそれがあると認めるときは、当該通報を受理する。
1 具体性又は特定性を欠き、調査の端緒とすることができない場合
2 法令違反行為ではないことが明らかであり、通報に該当しない場合
3 通報された事実が存在しないことが明らかである場合
4 当該通報に係る事案の処理を第6条に定める他の規程で扱う場合
③ 理事長は、前項の協議を行うに当たり、外部の専門家等に意見を求めることができる。
(受理通知)
第 14 条 通報処理統括責任者は、通報者に対し、通報を受理したときはその旨を、受理しなかったときは理由を添えてその旨を書面により通知する。ただし、匿名の通報者並びに連絡先が明らかでない通報者及び通報の取り扱いに関する通知は不要である旨の意思を表明している通報者についてはこの限りではないものとし、以後、通報者に対する通知について同様とする。
② 前項に定める通報者に対する通知は、通報窓口が当該通報を受け付けた日から 20 日以内に行うものとする。ただし、正当な理由があるときは、通報処理統括責任者は、相当の期間、決定を延期することができる。
③ 理事長は、当該通報を受理することを決定した場合は、通報処理統括責任者に調査の開始を指示する。
(調査委員会の設置)
第 15 条 通報処理統括責任者は、理事長から前条第3項の指示があった場合、事実関係の調査及び通報者の保護を適正に行うため、速やかに調査委員会を設置する。
② 調査委員会は次の各号に掲げる者をもって構成し、委員長は、通報処理統括責任者をもって充てる。
1 通報処理統括責任者
2 総務課長
3 理事長が指名する教職員又は学内常務理事 若干名
③ 前項の委員が、調査時又は調査の過程において、当該通報に係る事案に関係する者であることが判明した場合は、当該事実が判明した段階で当該委員の資格を喪失し、以後の調査等に加わることはできない。
④ 前項の「当該通報に係る事案に関係する者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
1 法令違反行為の発覚や調査の結果により実質的に不利益を受ける者
2 公益通報者や被通報者と一定の親族関係がある者
3 その他、xxな公益通報対応業務の実施を阻害するおそれがある者
⑤ 第3項の規定により委員又は委員長を変更する場合、理事長は新たな委員又は委員長を選任するものとする。
(調査の実施)
第 16 条 調査委員会は、次の各号について、書類調査、実地調査、事情の聴取その他の適切な方法により調査を行う。
1 通報対象事実に係る調査
2 法令違反行為が行われたかどうかの認定及び法令違反行為の内容
3 法令違反行為の関与者の範囲の決定及び関与の程度
4 法令違反行為の原因分析と再発防止策
② 調査委員会は、調査のために専門的な知識、経験又は技術が必要であると判断した場合は、外部の有識者又は専門機関に意見を求め、必要に応じその協力を受けることができる。
③ 調査委員会は、調査の実施に当たって、通報者、調査対象者、調査対象部門の責任者又はその他関係者に対し、調査の実施のために必要な帳票及び資料の提出又は事実の報告及び説明等、必要な協力を求めることができる。
④ 前項の規定により協力を求められた者は、正当な理由がある場合を除いて、これに応じなければならない。
(不正行為等の認定を行わない特例)
第 17 条 前条の規定に関わらず、調査委員会は、次の各号に定める場合、当該通報に係る手続きを終結させることができる。
1 通報者が通報を撤回した場合
2 本学の他の規程に定める手続きに基づき処理することが適切と判断した場合
② 調査委員長は、前項に基づく調査手続きを終結させた場合、理事長にその旨を報告する。
(遵守事項)
第 18 条 通報受付窓口担当者その他調査に関わる者は、その職務の遂行に当たって、次の事項
を遵守しなければならない。
1 通報者及び調査対象者並びに第三者の権利又は正当な利益を侵害しないこと
2 調査対象部門や調査対象者の業務の遂行に重大な支障を与えないこと
3 常にxx不偏の態度を保持し、事実に基づいた調査を実施すること
4 実効的な調査・是正措置のために情報共有が真に不可欠である場合には、伝達する範囲を必要最小限に限定すること
5 通報者を特定させる情報について、本人の同意がある場合を除き、その秘密を保持すること
6 職務上知り得た事実及び通報者を特定させる情報を、正当な理由なく漏らさないこと。その職を離れた場合も同様とする。
② 通報処理に関与した者は、その職を退いた後も、前項第5号及び第6号に定める事項を遵守しなければならない。
③ 本法人は、第1項の規定に違反した者に対し、本法人の就業規則等に基づき、懲戒処分等を行うことができる。
(調査結果、是正措置及び再発防止措置の通知等)
第 19 条 通報処理統括責任者は、調査を開始した後、適宜その進捗状況を理事長に報告するとともに、調査を終了した後、直ちにその結果を理事長に報告しなければならない。
② 理事長は、調査結果により法令違反行為の存在が明らかになったときは、関係者のプライバシーに配慮した上で学長に報告し、遅滞なく、その是正措置及び再発防止措置を講じるものとする。
③ 通報処理統括責任者は、前項の措置を講じたときは、調査委員会の調査結果、法令違反行為が認定された場合の是正措置及び違反行為者の処分等について、関係者のプライバシーに配慮しつつ、通報者、被通報対象者及び被通報対象者以外の者で法令違反行為に関与したと認定された者(以下「被通報対象者等」という。)に遅滞なく通知するものとする。ただし、通報者が通知を希望しない場合は、この限りではない。
④ 理事長は、第2項の措置を講じた場合、速やかに当該調査結果、是正措置及び再発防止措置について理事会に報告し、必要に応じて、関係行政機関に対しても報告する。
(懲戒処分等)
第 20 条 理事長は、法令違反行為の存在が明らかになった場合は、不正に関与した者に対し、本法人の就業規則等に基づき、懲戒処分等を行う。
2 法令違反行為に関与していた教職員等が、通報処理統括責任者がその調査を開始する前に、自ら通報を行った場合は、当該教職員等の処分を免除し、又はその程度を軽減することがある。
(通報者の保護)
第 21 条 本法人は、教職員等が通報等を行ったことを理由として、当該通報者に対し、解雇、労働者派遣契約の解除、降格、減給、退職金の不支給その他不利益な取扱いをしてはならない。ただし、教職員等が不正の目的をもって通報等を行った場合は、この限りではない。
② 前項において、通報者が役員である場合、通報をしたことを理由として、役員に対して、報酬の減額その他不利益な取扱いをしてはならない。
③ 本法人の役員及び教職員は、他の教職員等が通報等を行ったことを理由として、当該通報者に対し、不利益取扱いや嫌がらせを行ってはならない。
④ 本法人は、教職員等が通報等を行ったことを理由として、当該通報者の職場環境が悪化することのないよう、適切な処理を講じなければならない。
(異議申し立て)
第 22 条 法令違反行為と認定された被通報対象者等は、当該認定に対して不服があるときは、調査結果の通知を受け取った日の翌日から 14 日以内に書面をもって理事長に対して異議を 申し立てることができる。ただし、その期間内であっても、同一理由による異議申し立てを繰り返し行うことはできない。
② 異議申し立ての審査は調査委員会が行う。ただし、理事長が当該調査委員会によって再調査を行うことが適当でないと認めた場合は、当該調査委員会の委員を変更することができる。
③ 調査委員会は、異議申し立てに係る認定の全部又は一部を取り消すか否かを決定し、理事長へ報告する。
④ 通報処理責任者は、前項の結果について、通報者及び被通報対象者等に通知する。
(損害賠償の制限)
第23条 法人は、通報によって損害を受けたことを理由として、通報者に対して賠償を請求することはできない。
(事後確認)
第 24 条 通報処理統括責任者は、是正措置及び再発防止措置の実施後、次に掲げる事項を適宜確認し、確認結果を理事長に報告しなければならない。
1 通報処理の手続等に問題がないこと
2 法令違反行為の再発のおそれのないこと
3 是正措置及び再発防止策が機能していること
4 通報者に対し、通報等を行ったことを理由とする不利益な取扱いが行われていないこと
(周知)
第 25 条 本法人は、公益通報の仕組み及びコンプライアンスの重要性について、教職員等に継
続的な教育・研修を実施し、周知に努めなければならない。
(関係法令の適用)
第 26 条 本法人における通報等の取扱いに関し、この規程に定めのない事項は、公益通報者保護法その他関係法令に定めるところによる。
(事務の所管)
第27条 この規程に関する事務は、総務課が所管する。
附 則 1
この規程は、令和4年4月1日より施行する。