Contract
自家用電気工作物の保安管理業務委託細目書
(委託業務の内容)
第 1 条 自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書(以下「委託契約書」といいます。)に基づき、乙が自ら実施する保安管理業務は、次の各号とします。
(1) 委託契約書第 1 条に掲げる電気工作物の維持及び運用について、定期的な点検、測定及び試験(その細目及び具体的な基準は、別紙「点検・測定等の実施基準」並びに保安規程別表第
1 「点検、測定及び試験の基準」のとおりとします。)を行い、経済産業省令で定める技術基準の規定に適合しない事項又は適合しない恐れがあるときは、とるべき措置について甲に指示又は助言をします。
(2) 電気事故その他電気工作物に異常が発生した場合は、次のアからエまでに掲げる処置を行います。
ア 事故・故障の発生や発生する恐れの連絡を甲又はその従事者から受けた場合は、現状の確認、送電停止、電気工作物の切り離し等に関し、書面により指示を行います。
イ 事故・故障の状況に応じて、特別点検を行います。
ウ 事故・故障の原因が判明した場合は、同様の事故・故障を再発させないための対策について、書面により甲に指示又は助言を行います。
エ 電気関係報告規則に基づく事故報告を行う必要がある場合は、甲に対し、書面により指示を行います。
(3) 電気事業法第 107 条第 3 項に規定する立入検査の立ち会いを行います。
(4) 委託契約書第 1 条に掲げる電気工作物の工事、維持及び運用に関する所管官庁への提出書類および図面について、その作成及び手続の助言を行います。
(5) 委託契約書第 1 条に掲げる電気工作物の設置又は変更の工事について、設計の審査及び竣工検査を行い、必要に応じそのとるべき措置について甲に書面により指示又は助言を行います。
(6) 竣工検査に関して、その工事が工事計画に従って行われたものであること及び経済産業省令で定める技術基準に適合するものであることを確認します。
(7) 委託契約書第 1 条に掲げる電気工作物の設置又は変更の工事について、甲の通知を受けて、別紙「点検・測定等の実施基準」及び保安規程別表第 1 に定めるところにより、工事中の点検を行い、必要に応じそのとるべき措置について甲に書面により指示又は助言を行います。
(8) その他保安規程に定められている事項
2 低圧電路の絶縁状態の的確な監視が可能な装置を有する需要設備については、警報発生時(警報動作電流(設定の上限値は 50mA とする)以上の漏えい電流が発生している旨の警報(以下「漏えい警報」という。)を連続して 5 分以上受信した場合又は 5 分未満の漏えい警報を繰り返し受信した場合をいう。以下同じ。)に、次の(1)及び(2)に掲げる処置を行います。
(1)乙が、警報発生の原因を調査し、適切な措置を行います。
(2)乙が、警報発生時の受信の記録を 3 年間保存します。
3 前項の乙に委託する保安管理業務のうち、別表のいずれかに該当する電気工作物については、甲は点検、測定及び試験の全部又は一部を乙の監督の下で電気工事業者、電気機器製造業者等に依頼して行うものとします。これに関し、甲の求めに応じ乙は助言を行うものとします。このほか、乙が当該電気工作物の保安について、甲に対し助言ができるものとし、また甲は乙に
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その点検・測定記録を確認させるものとします。
4 使用機器及びそれに付随する配線器具等については、第 1 項によるほか、甲が確認を行うものとします。
(点検の頻度)
第 2 条 第 1 条第 1 項に定める乙が定期的に行う保安管理業務の点検頻度は、次のとおりとします。
(1)通常点検(主として運転中の施設を点検することをいいます。)委託契約書第 2 条第 1 項によります。
(2)年次点検(主として停電により施設を停止状態にして精密な点検、測定及び試験をすることをいいます。)
委託契約書第 2 条第 2 項によります。
(3)特別点検 必要の都度
2 第 1 条第 1 項に定める甲の通知を受けて行う工事中の点検頻度は毎週1回とします。
(委託手数料)
第 3 条 次に掲げる場合は、甲・乙協議のうえ、委託契約書第 3 条の報酬又は手数料を更改するものとします。
(1)第 17 条に該当する場合
(2)施設の規模又は使用状態が変動した場合
(3)経済状態の変化により諸物価が変化した場合
2 前項以外の手数料は、乙の定める規程によりその都度算定します。また年次点検の作業時間帯は次のとおりとします。
(1)平常は 8:00~17:00
(2)早朝は 5:00~ 8:00
(3)夜間は 17:00~22:00
(4)深夜は 22:00~ 5:00
(連絡責任者)
第 4 条 甲は、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のため乙と連絡する者(以下「連絡責任者」といいます。)を定めて、その氏名、連絡方法を乙に通知するものとします。
2 甲は、前項の連絡責任者に事故がある場合は、その業務を代行させるため代務者を定め、ただちにその氏名、連絡方法を乙に通知するものとします。
3 甲は、前各項に変更が生じた場合は、ただちに乙に通知するものとします。
4 甲は、連絡責任者又はその代務者を、乙の行う保安管理業務に原則として立ち合わせるものとします。
5 甲は、需要設備の設備容量が 6,000KVA 以上の場合、連絡責任者として第 1 種電気工事士又はそれと同等以上の資格を有する者をあてるものとします。
(発電所担当者)
第 5 条 甲は、発電設備を設置する場合には、日常における発電設備の起動及び停止操作を円滑に行い得る担当者(以下「発電所担当者」という。)及びその不在の場合の代務者をあらかじめ定め
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ておくものとします。
2 甲は、前項の発電所担当者を定め又は変更があった場合は、乙に遅滞なく通知するものとします。
3 甲は、発電所担当者を乙との連絡及び乙の行う保安業務に立ち合わせるものとします。
(代行者)
第 6 x xは、病気その他やむを得ない事由により第 1 条の保安管理業務を行うことができない場合には、乙の所属する一般社団法人中部電気管理技術者協会(以下「協会」という。)の会員の中から代行する者(以下「代行者」という。)を選び、その業務を行わせることができるものとします。
2 乙は、前項の代行者については、あらかじめ書面により甲に通知するものとします。
(相互の義務)
第 7 条 甲は、乙が保安管理業務の実施にあたり、乙が指示、助言した事項又は乙と協議決定した事項については、すみやかに必要な措置をとるものとします。
2 甲は、日常巡視を行い設備の状態を確認し、乙は、通常点検時、連絡責任者等に問診を行い、報告を受けるものとします。
3 乙は、保安管理業務を誠実に行うものとします。
(相互の協議)
第 8 条 甲は、次に掲げる場合には、事前に乙と協議するものとします。この場合、甲は、乙の意見を尊重し、乙は、甲に協力するものとします。
(1)甲が保安規程を変更しようとする場合
(2)甲が電気工作物の保安業務に関する内容の書類を所管官庁に提出する場合
(3)甲が電気工作物の設置又は変更の計画、工事及び竣工検査を行う場合
(4)甲が電気工作物の平常時における運転操作及び異常時における措置等を定める場合
(5)甲が電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者に対し、保安上必要な教育又は訓練を行う場合
(6)その他保安上必要と認められる場合
(通知義務)
第 9 条 甲は、次に掲げる場合は速やかに、これを乙に通知するものとします。
(1)所管官庁が法令に基づいて検査を行う場合
(2)事業所の名称又は電気の保安に関する組織を変更した場合
(3)委託契約書第 1 条各号に掲げる事項を変更した場合
(4)委託契約書第 1 条の電気工作物の相続、譲渡等が行われる場合
2 甲は、電気事故、その他災害が発生した場合又は発生するおそれのある場合は、直ちに乙に通知するものとします。
3 甲は、絶縁監視装置(電話連絡方式)が漏えい警報を発した場合は、速やかに乙に通知するものとします。
4 乙は、絶縁監視装置(自動通報方式)を設置しており、絶縁監視装置が漏えい警報を発した
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場合は、速やかに甲に通知するものとします。
(事業場内のxxx)
第 10 条 乙は、保安管理業務を行うため甲の事業場内に立ち入ることができるものとします。この場合、乙は、甲が従業員等に対して定める服務規律等を尊重するものとします。
(記録の確認)
第 11 条 乙は、保安管理業務の遂行上、必要がある場合には、甲の電気保安に関する書類、図面及び記録等の確認を行い、必要な措置について協議するものとします。
2 乙は、点検等の終了時にその結果を甲に報告し、甲は、乙が実施した保安管理業務の結果の記録を確認し、甲の事業場に 3 年間保存するものとします。
(備品の整備等)
第 12 条 甲は、乙と協議のうえ、甲の負担において電気工作物の保安業務に必要な備品、材料及び消耗品等を整備するものとします。
(賠償責任保険)
第 13 x xは、その業務上の過失に基づく事故に対してその賠償の責に任ずるため賠償責任保険に加入します。
2 乙の甲に対する損害賠償額は、協会が加入している保険契約に基づき、保険会社から給付される金額とします。
3 乙が所属する協会を退会した場合は、乙の甲に対する賠償責任保険は解除されるものとします。
(損害賠償の免責)
第 14 x xは、次のいずれかに該当する場合に、損害賠償の責めを負わないものとします。
(1)契約に基づき、協議決定した事項又は乙が書面により指示・助言又は指導した事項について甲がその実施を怠り、これによって損害を生じた場合
(2)甲が法令又は契約に違反する事項を行い、これによって損害を生じた場合
(3)その他、自然災害等乙の責めとならない事由により損害を生じた場合
(機密の保持)
第 15 条 乙(第6条の規定に基づく代行者を含む。)は、業務上知り得た甲の機密を他にもらさないものとします。
(委託契約書に明記された者による保安管理業務の実施)
第 16 条 xは委託契約書に明記された乙と面接を行い、本人確認を行うものとします。
2 甲は、点検を行う者が委託契約書に明記された乙であることを確認するものとします。また、xは、乙が行った点検等の終了後にその結果について報告を受けるものとします。
3 乙は、点検を行う際は、その身分を示す証明書により、本人であることを甲に対して明らかにするものとします。ただし、緊急の場合は、この限りではありません。
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(契約期間内の更改)
第 17 条 甲及び乙が次の各号のいずれかに該当する場合は、契約期間内でも契約を更改することができるものとします。
(1)設備容量が変更された場合
(2)受電電圧が変更された場合
(3)発電装置の発電機定格容量又は定格電圧又は原動機の種類が変更された場合
(4)発電所の発電機定格容量又は定格電圧又は原動機の種類が変更された場合
(5)配電線路のxx、電源供給器数又は配電線路電圧が変更された場合
(6)委託契約書第 2 条の通常点検の回数を変更した場合
(7)甲が保安規程を変更する場合
(8)保安業務手数料等を変更する場合
(契約の解除等)
第 18 条 次のいずれかに該当する場合は、契約を解除することができるものとします。
(1) 甲又は乙のいずれかが、本契約に基づく義務の履行を怠った場合
(2) 甲が手数料の支払いを遅延した場合
2 前項のほか、甲乙いずれかの都合により契約を解除しようとする場合は、1 ヶ月前までにその旨文書により通知し、甲乙相互が合意したうえで解除できるものとします。
3 委託契約書第 1 条に掲げる自家用電気工作物が、次の各号のいずれかに該当する場合は、この契約は効力を失うものとします。
(1) 廃止された場合
(2) 保安管理業務外部委託承認申請の承認を取り消された場合
(3) 一般用電気工作物となった場合
(4) 受電電圧が 7,000V を超えた場合
(5) 発電所出力が 2,000kW 以上となった場合
(6) 構外にわたる配電線路の電圧が 600V を超えた場合
(契約期間)
第 19 条 この契約の有効期間は、委託契約書第 4 条によります。ただし、この保安管理業務の委託契約の期間満了1ヶ月前までに、甲乙いずれからも書面による申し出がない場合は、1年間契約を継続するものとし、以後もこの例によるものとする。
(契約事項等の解釈)
第 20 条 契約事項の解釈について疑義を生じた場合、又は契約に定めのない事項については、甲と乙は誠意をもって協議するものとします。
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〔別表〕 点検・測定及び試験の一部又は全部を実施しない電気工作物
電気工作物の種類 | 実施しない点検・測定及び試験 | |
設備の特殊性 | ①建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第 12 条第 3 項の規定に基づき、一級建築士等の検査を要する建築設備(昇降機等) ②消防法(昭和 23 年法律第 186 号)第 17 条の 3 の 3 の規定に基づき、消防設備士免状の交付を受けている者等の点検を要する消防用設備等又は特殊消防用設備等(自動火災報知設備等) ③労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)第 45 条第 2項の規定に基づき、検査業者等の検査を要することとなる機械(ボイラー等) ④機器の精度等の観点から専門の知識及び技術を有する者による調整を要する機器(医療機器、オートメーション化された工作機械群等) ⑤内部点検のための分解、組立に特殊な技術を要する 機器(密閉型防爆構造機器等) | 主開閉器から各機器の一次側電路までの外観点検及び絶縁抵抗試験(実施可能なものに限る)以外の点検 |
設置場所の特殊性 | ⑥立入に危険を伴う場所(酸素欠乏危険場所、有毒ガス発生場所、高所での危険作業を伴う場所、放射線管理区域等) ⑦情報管理のため立入が制限される場所(機密文書保管室、研究室、金庫室、電算xx) ⑧衛生管理のため立入が制限される場所(手術室、無菌室、新生児室、クリーンルーム等) ⑨機密管理のため立入が制限される場所(独居xx) ⑩立入に専門家による特殊な作業を要する場所(密閉場所等) | 現場において容易に点検を実施し得るもの以外の点検 |
その他 | ⑪事業場外で使用されている可搬型機器である自家用電気工作物 ⑫発電設備のうち電気設備以外である自家用電気工作物 ⑬点検時現場に設置されていない移動用機器等 | 常時電路に接続して使用されるもの及び点検時に現場に置かれてあるもの以外の点検 |
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〔別紙〕 点検・測定等の実施基準
( 『xx技術者制度の解釈及び運用(内規)』平成 26 年 9 月 30 日改正 4. - (5)-②、③より )
1. 通常点検は次の(1)から(3)に掲げる基準に従って行うものとします。
(1)外観点検を、(イ)に掲げる項目について、(ロ)に掲げる設備等を対象として行います。
(イ) 点検項目
(a)電気工作物の異音、異臭、損傷、汚損等の有無
(b)電線と他物との離隔距離の適否
(c)機械器具、配線の取付け状態及び過熱の有無
(d)接地線等の保安装置の取付け状態
(ロ) 対象設備
(a)引込設備(区分開閉器、引込線、支持物、ケーブル等)
(b)受電設備(断路器、電力用ヒューズ、遮断器、高圧負荷開閉器、変圧器コンデンサ及びリアクトル、避雷器、計器用変成器、母線等)
(c)受・配電盤
(d)接地工事(接地線、保護xx)
(e)構造物(受電室建物、キュービクル式受・変電設備の金属製外箱等)
(f)配電設備
(g)発電設備(原動機、発電機、始動装置等)
(h)蓄電池設備
(i)負荷設備(配線、配線器具、低圧機器等)
(2)次の(イ)及び(ロ)に掲げる項目の確認のため、当該各項目に定める測定を行います。
(イ) 電圧値の適否及び過負荷等電圧、負荷電流測定
(ロ) 低圧電路の絶縁状態
B 種接地工事の接地線に流れる漏えい電流測定
(3)上記(1)及び(2)の点検、測定のほか、設置者及びその従事者に、日常巡視等において異常等がなかったか否かの問診を行い、異常があった場合には、電気管理技術者としての観点から点検を行うものとします。
2. 年次点検を通常点検に係る上記 1.の(1)及び(2)の基準に加え、次の各項に掲げる基準に従って行います。
(1)1年に1回以上行います。(ただし、信頼性が高く、かつ、下記(2)項の各号と同等と認められる点検が 1 年に 1 回以上行われている機器については、停電により設備を停止状態
にして行う点検を 3 年に 1 回以上とすることができる。)
(2)次の(イ)から(ホ)にまでに掲げる項目の確認その他必要に応じた測定・試験を行います。
(イ) 低圧電路の絶縁抵抗が電気設備に関する技術基準を定める省令第 58 条に規定された値以上であること並びに高圧電路がxx及び他の電路と絶縁されていること。
(ロ) 接地抵抗値が電気設備の技術基準の解釈第 19 条に規定された値以下であること。
(ハ) 保護継電器の動作特性試験及び保護継電器と遮断器の連動動作試験の結果が正常であること。
(ニ) 非常用予備発電装置が商用電源停電時に自動的に起動し、送電後停止すること並びに非常用予備発電装置の発電電圧及び発電電圧周波数(回転数)が正常であること。
(ホ) 蓄電池設備のセルの電圧、電解液の比重、温度等が正常であること。
3. 工事期間中は、上記 1.の(1)項に定める外観点検をおこない、自家用電気工作物の施工状況及び技術基準への適合状況の確認を行います。
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