(a)仮設鋼矢板及び支保材、足場材、その他二次製品の活用をする。 (b)コンクリート用型枠等を活用する。 (c)安全管理資材を保有している。 (d)契約対象工事に関連する手持ち資材の活用に優位性がある。 (a)手形取引でなく現金決済による値引きが可能である。 (b)系列会社あるいは協⼒会社からの取引が可能である。 (c)永年にわたり取引がある。 (a)手持ちの建設重機械等の活用が可能であり、損料計上が優位にある。
契約履行体制調査マニュアル(工事請負契約書)
1.適用対象
本マニュアルは、当初の契約締結後に契約書第5条第3項及び第4項(以下「譲渡条項」という。)に関し、「資金が不足することを疎明した」として申出をした受注者に対して適用する。
譲渡条項は、受注者が請負代金債権の第三者への譲渡について発注者から承諾を得る要件及び受注者が請負代金債権を第三者へ譲渡する条件について規定しており、これらの規定を適用するか否かは個別に判断することとなっているが、本マニュアルは、譲渡条項の適用に当たっては、受注者の経営状況その他の契約を確実に履行する体制の確保状況を調査したうえで判断することを目的として作成したものである。
ただし、債権譲渡の対象とならない工事(附帯工事、受託工事等の特定の歳入財源を前提とした工事、他省庁等からの支出委任工事又は発注者が役務的保証を必要とする工事)を除く。
2.調査方法
(1)本マニュアルに基づく調査(以下、「本調査」という。)は、当初の契約締結後から実施することとし、可及的速やかに受注者からの事情聴取、関係機関等への照会等の調査を完了すること。
(2)本調査は下記の手順で実施するものとする。
① 当初の契約締結後、受注者が譲渡条項の適用を申し出た場合は、受注者に対し、本調査の対象である旨申し述べる。
② 申請書及び資料(別記様式-1〜12 等)を作成し、原則として申し出の日から5日以内(行政機関の休日に関する法律(昭和 63 年法律第 91 号)第1条第1項各号に規定する行政機関の休日(以下「休日」という。)を含まない。)に市⻑あてに受注者の責任者等から提出するよう求める。
ここでいう申し出の日とは、受注者が発注者に対し、債権譲渡に関する相談、協議
(正式なもの、正式でないものを問わない)を初めて行った日を指すものとし、その日を起算日とする。
③ 資料の受領後、本マニュアル「3.調査内容」に基づき事情聴取を行う。事情聴取は、受注者の責任者(支店⻑、営業所⻑等)から行う。
なお、資料は、事情聴取当日ではなく事前に提出させるものとする。
(3)本調査の結果は、様式−15 により通知するものとする。なお、本調査の実施に際し、本マニュアルで定められた資料提出等が行われない場合、または、資金が不足することが確認できなかった旨通知がなされた場合は債権譲渡承諾申請書の提出ができないものとする。
3.調査内容
本調査において、市⻑は、受注者が契約を確実に履行する体制を確保しているか否かを確認するため、次の内容について調査を行うものとする。
(1) 資金不足の理由 (様式−1)
(2) 落札金額の積算内訳(様式−2〜4)
(3) 手持工事の状況 (様式−5〜6)
(4) 契約対象工事箇所と受注者の事務所、倉庫等との関連 (様式−7)
(5) 手持資材の状況 (様式−8)
(6) 資材購入先及び購入先と受注者との関係(様式−9)
(7) 手持機械数の状況 (様式−10)
(8) 労務者の具体的供給見通し (様式−11〜12)
(9) 経営状況 (様式−13)
(10) 信用状況 (様式−14)
(11) その他市⻑が必要と認める事項
(1)資金不足の理由(様式−1)
資金計画書(様式−1の2)の提出を求め、債権譲渡をしなければ工事の施工に必要な資金が不足する理由、「下請セーフティネット債務保証事業」(平成 11 年1月 28 日
建設省経振発第8号)及び「地域建設業経営強化融資制度」(平成 20 年 10 月 17 日国総
建第 197 号、国総建整第 154 号)を使用しない理由を確認する。
(2)落札金額の積算内訳
「落札金額の積算内訳(様式−2、様式−2の2)」について以下の調査を行う。
① 仕様及び数量
〇 数量総括表に対応する積算内訳になっているか。
〇 設計図書での要求事項を理解して積算を行っているか。
〇 指定の数量によって積算されているか。
(数量の指定のない場合は、業者の数量による。)
〇 指定の工法によって施工することとしているか。
(工法の指定がない場合は、その工法に安全性等の点で問題点はないか。)
② 資材単価、労務単価又は市場単価
資材単価、労務単価又は市場単価について、発注者の単価に比し相当程度低いと認められる場合は、当該単価の設定理由を記載した書類等の提出を求めるなど詳細な調査を行う。
③ 下請業者との関係
下請業者を予定している場合には、予定している「施工体制台帳(様式-3)及び施工体系図(様式-4)」及びその下請業者からの見積書等の提出を求め、下請に係る見積額が入札金額の積算内訳に正しく反映されているか確認する。
以下の場合には、その理由を記載した書類等の提出を求め、これに基づき詳細な調査を行うとともに、必要に応じて下請業者のヒアリングを実施する。
(a) 下請業者の見積金額が入札金額の積算内訳に適切に反映されていない場合。
(b) 下請業者の見積金額等の工事内容(規格、工法及び数量等)が明確でない場合。
(c) 下請業者の資材単価、労務単価又は市場単価について、発注者の単価に比し相当程度低いと認められる場合。
④ 安全対策
安全管理等の共通仮設費の計上は不適当ではないか。
⑤ 現場管理費
現場管理費の計上は不適当ではないか
⑥ 一般管理費
一般管理費について、発注者の価格に比し相当程度低いと認められる場合は、当該価格の設定理由について確認を行う。
(3)手持工事の状況
手持工事の状況(様式−5〜様式−5の2)、配置技術者(様式−6)の内容について、以下の調査を行う。
① 契約対象工事付近における手持ち工事(様式−5)及び契約対象工事に関連する手持ち工事(様式−5の2)の状況から、施工能⼒を超えた受注を行っていないか。
② 技術者の配置(様式−6)
〇 工事予定箇所に関連する技術者(監理技術者等)について、配置を確認し、他の手持ち工事の状況との関係を確認する。
〇 技術者について、名簿の提出を求め受注者との雇用関係の確認を健康保険証等の写しにより確認する。
〇 技術者については、入札公告後に入社させた者を配置していないかを確認する。
(4)契約対象工事箇所と受注者の事務所、倉庫等との関連
「契約対象工事箇所と受注者の事務所、倉庫等との関連(様式−7)」の内容について以下の調査を行う。
① 監督業務及び資機材運搬・管理等において、地理条件等をかんがみ、経費を過大に必要としていないかを確認する。
② 緊急時の対応等、安全管理に支障がないかを確認する。
(5)手持資材の状況
「手持資材の状況(様式−8)」において、手持ち資材を当該工事で活用するとしている場合は、具体の数量・活用方法等及び保管状況を写真等で確認するとともに、履行の確実性について確認する。
【具体例】
(a)仮設鋼xx及び支保材、足場材、その他二次製品の活用をする。
(b)コンクリート用型枠等を活用する。
(c)安全管理資材を保有している。
(d)契約対象工事に関連する手持ち資材の活用に優位性がある。
(6)資材購入先及び購入先と受注者との関係
「資材購入先及び購入先と受注者との関係(様式−9)」において、当該工事で使用する資材について、購入の確実性について確認する。低価格での調達が可能としている場合、その根拠を、資材販売店等の作成した見積書等により確認する。確認できない場合は、取引先の意向を確認する。
【具体例】
(a)手形取引でなく現金決済による値引きが可能である。
(b)系列会社あるいは協⼒会社からの取引が可能である。
(c)xxにわたり取引がある。
(7)手持ち機械数の状況
「手持ち機械の状況(様式−10)」において、当該工事において手持ちの建設機械等を使用するとしている場合は、所属等を証する資料等で確認する。
【具体例】
(a)手持ちの建設重機械等の活用が可能であり、損料計上が優位にある。
(b) 資産償却が終わっており、損料が不要となる。
(c)系列会社からの取引、又はxxにわたり取引がある。
(8)労務者の具体的供給見通し
労務者の確保計画(様式−11)及び配置(様式−12)の内容について、以下の調査を行う。
① 労務者について、確保計画及び配置によって適切な施工が可能かを確認する。
② 労務者について、自社の者を従事させることとなる場合には、名簿の提出を求め、雇用関係の確認は健康保険証の写しにより行う。
(9)経営状況
直前3カ年の事業(営業)年度に係る計算書(原則として、「会社法」(平成 17 年法
律第 86 号)に規定する貸借対照表及び損益計算書)の提出を求めることや、関係機関への照会により、経営状況に特段の問題がないことを確認する。照会の結果、情報を得られた場合には経営状況に関する資料(様式−13)を作成する。
(10)信用状況
関係機関への照会により、信用状況に特段の問題がないことを確認する。
照会の結果、情報を得られた場合には信用状況に関する資料(様式−14)を作成する。
(11)その他市⻑が必要と認める事項
必要に応じて、(1)から(10)に掲げる事項以外の事項についても調査するものとする。
4.その他
本調査を実施することなく、第5条第1項ただし書の承諾をすることができる場合として、例えば「下請セーフティネット債務保証事業」又は「地域建設業経営強化融資制度」の活用や完成検査合格後の債権譲渡が該当するため、留意すること。
附 則
このマニュアルは、令和4年7月25日から施行する。