【H27 年度開催実績】
平成27年度事業報告
平成28年4月
広島県・広島市連携委員会
1 広島県・広島市連携委員会及びワーキンググループの開催(事業費:―)
広島県・広島市連携委員会(「工業技術センターの連携・協力に関する協定書(平成 26 年 3
月 26 日締結)」に基づき平成 26 年4月1日設置,以下,連携委員会)は,ワーキンググループ
(「広島県・広島市試験研究機関連携委員会設置要綱」に基づき平成 26 年4月 24 日設置,以下, WG)において,県市間で合意した以下の各連携事項に係る具体的取組について専門的調査を行わせた上で,協議し具体的取組について合意・決定した。
(1) 機器・設備の利用に関する事項
(2) 研究会・研修会に関する事項
(3) 共同研究に関する事項
(4) 職員の人事交流・人材育成に関する事項
(5) その他,県市が合意した事項
【H27 年度開催実績】
連携委員会:6/15,9/14,11/13,3/24
WG :4/16,9/2,11/2,3/15(書面協議にて合意) [評価(○)・課題(△)等]
○計画的に会議を開催し,事業に関する協議・調整を円滑に実施した。
2 各連携事項のH27 年度実績
(1)機器・設備の利用に関する事項(事業費:―)
研究開発の促進とセンター運営の効率化を目的に,「広島県及び広島市の工業技術センターに おける機器・設備の相互利用に関する協定」(以下,相互利用協定)を締結し,県市職員が行う 工業振興に関する研究業務に限って,県市センターが保有する機器を相互に利用することとした。
【H27 年度開催実績】
平成 27 年5月 20 日 相互利用協定締結相互利用実績:なし
[評価(○)・課題(△)等]
△利用に向け,職員への再周知が必要。
(2)研究会・研修会に関する事項
双方の強み(技術,設備)を活かし,企業ニーズに沿った質の高い研究会,研修会を開催すること及び企業のネットワークづくりの促進を目的に以下の研究会等を県市共同で開催した。
(ア)広島ものづくり技術交流会(事業費:455 千円(県市で 1/2 ずつ負担))
県市連携の周知,企業間・企業とセンター間の交流促進,連携による利便性向上 PRを目的に,県市における感性・デザイン分野の取組を切り口の一つとして実施した。
【H27 年度開催実績】
日 時:平成 27 年7月 27 日 14:30~16:50場 所:県立広島大学サテライトキャンパス
参 加 者 数:171 名(内,外部参加者:95 名)懇親会参加者:58 名(内,外部参加者:21 名)
[評価(○)・課題(△)等]
○参加者へのアンケート調査の結果,感性の取組みや県市連携の紹介等の各講演に対する評価は良好(大変満足・満足の回答が約 90%)であり,県市連携した企業支援に対し,一定の理解を得ることができた。
○交流会へは,県市職員及び企業等から同程度ずつの参加があり,一定の交流効果があったと考える。
(イ)広島品質工学研究会(事業費 県:133 千円 市:84 千円)
【H27 年度開催実績】
実践セミナー(4 回/年) | 基礎セミナー (2 回/年) | |||||
日時 | 5/29 | 7/9 | 9/17 | 1/14 | 6/12 | 6/26 |
場所 | 市工技 | |||||
参加者 | 28 | 24 | 24 | 20 | 22 | 19 |
[参加者の声]
・ 新規の参加者が少なく,これまでの参加者に偏っている。
・ 参加目的は果たせている。
・ 農作物栽培の適用例があれば紹介して欲しい。 等
[評価(○)・課題(△)等]
○県市双方の強みを活かし,「基礎的知見が豊富である市工技による基礎セミナー」及び
「農林水産系のテーマを含めた総研による実践セミナー」を開催できた。参加企業,参加者数は昨年度並みであった。
△実践セミナーにおける発表者は総研職員が殆どで企業による発表は少ない。新規企業の参加及び実践(発表)を促す取組みが必要。
(ウ)広島表面処理技術研究会(事業費 県:受益者負担(12 千円/人) 市:451 千円)
【H27 年度開催実績】
実技 (1 回(2 日)/ 年) | 座学・見学(9 回/年) | ||||||||||
日時 | 6/27 | 7/4 | 5/15 | 6/18 | 7/11 | 9/17, 18 | 10/8 | 11/12 | 12/18 | 1/29 | 3/3 |
場所 | 西部C | 市工技 | ㈱ウッ ドワン | 市工技 | 岐阜大阪 | 市工技 | xx食品 | 市工技 | 市工技 | 市工技 | |
参加者数 | 13 | 25 | 16 | 9 | 17 | 22 | 13 | 23 | 47 | 13 |
[参加者の声]
・ 実技を併せた研究会なのでありがたい。実習への参加は,他県を含めた会員企業も参加できるよう,定員を増やしてもらえるとありがたい。
[評価(○)・課題(△)等]
○「西部Cが保有する設備を活かした実技」及び「市工技が保有する知見を活かした座学」と,県市双方の強みを活かし開催できている。参加企業,参加者数は昨年度並み。共同開催に係る役割分担も決まり,ある程度軌道に乗ってきた。
△実技の参加者定員への対応を検討する必要がある。
(エ)広島高分子材料研修会(事業費 県:受益者負担(4.4 千円/人) 市:179 千円)
【H27 年度開催実績】
実技(1回/年) | 座学(3 回/年) | ||||
日時 | 7/16 | 7/24 | 9/25 | 10/30 | 2/12 |
場所 | 東部C | 市工技 | |||
参加者数 | 8※ | 8 | 67 | 43 | 31 |
※市工技から1名参加
[参加者の声]
・ 実習があるのは有りがたい。
・ 参加してみたところ内容が難しかった。 等
[評価(○)・課題(△)等]
△実技への参加者数が予想以上に多く,急遽追加開催することで対応した。次年度は,早期の案内通知で参加者数の把握に努め,必要に応じ複数開催等の対策をとる。
△参加者のレベルによって内容が難しい等の意見があった。研修レベルが分かる案内が必要。
(オ)広島木材加工技術講習会(事業費 市:18 千円)
【H27 年度開催実績】
座学(1回/年) | |
日時 | 3 月 7 日 |
場所 | 市工技 |
参加者数 | 23 |
[参加者の声]
・ 新しい知見が得られ,参考になった。
・ 期待した内容と違った。
[評価(○)・課題(△)等]
○東部工業技術センターから講師派遣を行うなど,協力して実施できた。
△早目に募集をし,講演内容を分かりやすく示す必要がある。
(3)共同研究に関する事項(事業費:―)
県市双方の技術の強みを活かすことにより,企業の研究開発に資する支援を充実させることを目的に,企業の要望に応じ共同研究を実施する環境を整えた。
【H27 年度実績】
共同研究の企業要望なし。
[評価(○)・課題(△)等]
△共同で企業支援するという視点から,研究・企業支援(受託研究等)における分析・評価等に対する協力についても共同研究として幅広く定義する。
(4)職員の人事交流・人材育成に関する事項(事業費:―)
県市双方の職員が派遣先の技術,事業の特徴等を体験・理解することにより,それを自センターに持ち帰って反映させるとともに県市連携を促進することを目的に人事交流を実施すると共に,職員交流の促進のため新規機器説明会への相互参加等を行った。
【H27 年度実績】
・人事交流
派遣元 | 派遣先 | 主な業務 |
広島市工業技術センター材料・加工技術室 | 西部工業技術センター技術支援部 | 炭素繊維PTに関すること,人材育成 (研究会開催)に関することなど |
西部工業技術センター材料技術研究部 | 広島市工業技術センター技術振興部技術振興室 | 県市連携に関すること,研究会開催に関すること,成績書公布に関することなど |
・機器説明会
開催日・実施場所 | 紹介機器 |
2/23 西部C | 恒温恒湿室,レーザー超音波可視化検査装置 |
2/22 市工技 | 表面粗さ輪郭形状測定機 |
2/25 市工技 | ロックウェル硬度計,イオンミリング装置 |
・センター見学
県センター職員⇒市工技見学:10 名(内訳:食品C 1名,西部C 7名,東部C 2名)市工技職員⇒県センター見学:4名(内訳:西部C 3名,東部C 1名)
[評価(○)・課題(△)等]
○相互派遣により,事業面,組織面,人材面でそれぞれ一定の実績を挙げた。
△県市職員からの幅広い交流を求める声,派遣の成果や経験した好事例を派遣元で活用できるよう対応する必要がある。
△県市職員が参加できない説明会があった。参加を促進すると共に「顔が見える交流」のため,機器説明会等の機会を活かした職員交流の場を設ける等の工夫が必要。
(5)その他,県市が合意した事項
(ア)共通ポータルの運営(事業費:466 千円(県市で 1/2 ずつ負担))
企業が県市センターを事前に比較して自社の課題解決に適したセンターを選択できる情報を提供することを目的に共通ポータルサイトを開設した。
【H27 年度実績】
平成 27 年6月 29 日 共通ポータル開設アクセス件数(3月末時点):6,363 件
[評価(○)・課題(△)等]
△ポータルサイト等の企業認知度を高めるためPRの継続が必要。
△市工技が担当するポータルサイトの更新作業には,一定の知識等が必要であり,市工技が全てを担うことが困難であることが分かった。
(イ)窓口のワンストップ化(事業費 県:29 千円)
企業の課題を迅速かつ的確に解決することを目的に,窓口体制を整えた。
【H27 年度実績】
平成 27 年4月1日 相互紹介の取組開始
相互紹介件数(3月末時点:119 件(内 市⇒県:75 件))平成 27 年6月 29 日 広島ものづくり技術相談窓口 開設
[評価(○)・課題(△)等]
○より早く課題の解決につながる取組みであり,企業から好評価を得ている。
△全職員が窓口担当としての意識を持った対応により,更なる利便性向上が期待できる。
△県市間でワンストップサービス票による情報共有ができていない案件がある。相互紹介案件内容を分析・パターン化することにより,よりスムーズに相互紹介を行い企業の利便性を向上させるため,職員の情報共有に対する認識向上策や情報共有の改善方策を検討する必要がある。(県:技術支援DBの検討)
(ウ)機器・設備の整備(事業費:―)
効率的な機器整備により,企業の利便性を向上させるため,以下の機器をJKA補助金等による H28 整備予定機器として調整し,県市各々で要望した。
【H27 年度実績】
県:光ファイバー温度計,マルチセンサ式xxx測定機(総額:37,500 千円)市:走査型電子顕微鏡,コンピュータグラフィックデザイン作成システム(総額:36,695 千円)
(参考)平成 27 年度導入機器(H26 県市調整実施分)
機器名 | 価格(千円) | 補助 | 設置場所 | |
県 | 恒温恒湿室 | 24,840 | JKA | xxx技C |
恒温恒湿槽 | 6,372 | JKA | 東部工技C | |
レーザー超音波可視化 検査装置※ | 19,134 | 国補(地域オープン イノベ) | xxx技C | |
市 | 表面粗さ輪郭形状測 定機 | 5,012 | JKA | 市工技C |
ロックウェル硬度計 | 1,242 | JKA | 市工技C | |
イオンミリング装置 | 10,314 | ― | 市工技C | |
コンピュータグラフィックデザ イン作成システム | 802 | ― | 市工技C |
※レーザー超音波可視化検査装置は,他県公設試との調整の上での整備であるため,県市間の調整は未実施。
[評価(○)・課題(△)等]
○県市間で情報共有しながら調整することができた。
【その他の実績】
・ 3/10 高精度切削加工研究会(アカデミー)で県設備と併せて市工技の設備(形状計測関連機器)を紹介