Contract

（総則）

工事下請負契約約款

鈴縫工業株式会社

第xx x請負人鈴縫工業株式会社及び下請負人は、工事を施工するにあたり、この工事下請負契約約款（ 以下「約款」という。） 及びこの約款に基づく注文書・注文請書（ 以下「契約書」という。） 、設計図書（ 仕様書その他の図書を含む。） 、見積条件等（ 以下これらを「関係図書」という。） に従い､ 各々対等な立場にたって互いの協力を惜しまず、xxを守り、誠実にこれを履行する。

2 元請負人が共同企業体の代表者として施工する工事については、本契約の各条項を適用する。元請負人が共同企業体の代表者以外の資格で施工する工事については、元請負人が下請負人に直接注文する場合の工事に限り、この本契約の各条項を適用する。

3 下請負人は､施工技術の向上に努め､関係図書及び元請負人の指示に従って工事を適正に実施し､要求される品質を確保する。

（請負契約の成立）

第xx x請負人は､ 工事を発注するにあたり下請負人に対して注文書を発行し､ これを受けて下請負人が元請負人に対して注文請書を提出することによって､工事下請負契約（ 以下「契約」という。）が成立する。

2 注文書･ 注文請書に定めた事項がこの約款に定める事項と異なる場合は､注文書･注文請書による。

（請負代金内訳書及び工程表）

第三条 下請負人は､関係図書に基づく請負代金内訳書、工事計画書及び工程xxを作成し､契約締結後､速やかに元請負人に提出してその承認を受ける。

（法令等遵守の義務）

第xx x請負人及び下請負人は､工事の施工にあたり、建設業法、その他工事の施工､労働者の使用等に関する法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導を遵守する。

2 元請負人は下請負人に対し､前項に規定する法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導及び元請負人の社内規定に基づき必要な指示、指導を行い、下請負人はこれに従う。

3 下請負人は工事を施工するにあたり、再下請負人（ 再下請が数次にわたって行なわれるときは二次以下のすべての下請負人を含む。以下同じ。）に前二項に規定する法令及び行政指導ならびに元請負人の指示、指導を遵守させる。

（建設廃棄物の処理）

第五条 下請負人は､ 本工事による建設廃棄物の分別収集､ 運搬､ 処分を必要とする場合は、元請負人の指示に従うものとする。

2 解体工事に要する費用等

建設工事が、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律（平成十二年法律百四号）第九条第一項に規定する対象工事の場合は、(1) 解体工事に要する費用、(2) 再資源化等に要する費用、(3) 分別解体等の方法、(4) 再資源化等をする施設の名称及び所在地についてそれぞれ記入する。

（契約保証）

第六条 この契約に基づく責務の履行を確保するため､ 元請負人からの書面による請求があったときは、下請負人は元請負人の承認をする担保を提供し、又は連帯保証人をたてる。

2 元請負人は前項の担保が価値を減少し、又は連帯保証人がその義務を果たせないことが明らかになったときは､下請負人に対してその変更を求めることができる。

（書面主義)

第七条 この約款の各条項に基づく協議､ 承諾､ 通知､ 指示､ 催告､ 請求等は､ 原則として書面により行う。

但し、工事現場における作業所長、又は元請負人の作業所員は、下請負人及び下請負人の関係者に対する施工上の指示は､口頭で行なうことができる。

（関連工事との調整)

第xx x請負人は下請負人の施工する工事､及び元請負人の発注に関わる第三の協力業者の施工する他の工事( 以下「関連工事」という。) が､ 施工上密接に関連しているときは､ 必要に応じその施工の調整を行なう。この場合においてこの工事の内容を変更し、又は工事の全部若しくは一部の施工を一時中止したときは、元請負人と下請負人とが協議して工期又は請負代金額を変更できる。この際、下請負人は元請負人の調整に従い､ 第三の協力業者の行なう工事の円滑な施工に協力する。

（xxxx等の禁止）

第九条 下請負人は契約履行について､ あらかじめ元請負人の書面による承諾を得ない限り､ 第三者に工事の契約によって生ずる権利を譲渡し､又は義務を承継させてはならない。

2 下請負人は､ あらかじめ元請負人の書面による承諾を得ない限り､ 工事に使用する工事材料や､ 工事現場に搬入した機械器具等を第三者に売却若しくは貸与し、又は質権抵当権、

その他担保の目的に供してはならない。 (一括再下請負の禁止）

第十条 下請負人は、一括してこの工事の全部又は一部を第三者に委任又は請け負わせてはならない。

(提出書類等）

第十一条 下請負人は､ 工事の施工に関して次の書類を元請負人に提出し､ 承認を得るものとする。

（1） 契約書締結時に提出するもの。ア.建設業許可通知書 (写)

イ.工事経歴等に関する調査表

ウ.その他元請負人の要求するもの

（2） 工事着手時前に提出するもの。 ア.労務安全関係協力会社提出書類

（3） 元請負人の要求時に提出するもの。ア.工事計画書

イ.工事工程表

2 下請負人は元請負人に対して､前項各号に掲げる事項について変更があったときは､ 遅滞なく書面をもってその旨を通知する。

3 元請負人は、下請負人に対して、下請負人又は再下請負人の経営状況並びに資材調達及び労務の支払状況、納税状況についての報告のほか、元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認める書類等の提出を求めることができる。

（再下請負人の関係事項の通知）

第十二条 下請負人は再下請負人の使用について元請負人の承諾を得た場合、下請負人は元請負人に対して､元請負人の定める様式（ 再下請負通知書） により再下請負人の関係事項を遅滞なく通知する。

2 下請負人は元請負人に対して､前項により通知した再下請負人の関係事項に変更があったときは、その変更事項を遅滞なく書面をもって通知する。

（労務安全管理等）

第十三条 下請負人は契約締結後、別に定める「労務安全関係協力会社提出書類」の「安全衛生管理に関する誓約書」（以下「誓約書」という。）を提出し､これを遵守する。

2 下請負人は工事の施工にあたり､その安全衛生管理体制を確立して責任体制を明確にし､従業員（作業員を含む。以下同じ。)の災害防止に万全を期する。

3 下請負人は自己の責により事故・災害を発生させた場合、および重大な安全指導等を受けた場合には、元請負人の定める「事故・災害を発生させた協力会社に対する罰則規定」に従うものとする。

4 下請負人の従業員又は再下請負人の従業員に対する業務上の災害補償について、下請負人は労働基準法第八十七条第二項による補償引受けの責を負う。

5 労働者災害補償保険は原則として元請負人が加入する。

6 前項において労働者災害補償保険法所定の補償を除き､その他法定外の補償は、下請負人が負担するものとする。

7 下請負人は、前項の規定による負担に備えて、元請負人の指定する条件を満たす労災上積み保険に加入するものとし、元請負人に対して、当該保険証券の写しを提出する。但し、元請負人があらかじめ加入の必要がないと認めた場合はその限りではない。

（特許xxの使用､秘密の保持、個人情報保護）

第十四条 下請負人は､第三者の特許権、その他の権利の対象となっている工法､工事材料及び建設機械器具等を使用して工事を施工するときは､その使用に関する一切の責を負う。

但し、元請負人の指示によって使用したもので､ 下請負人が第三者の権利の対象となっていることを知らなかったものについては､この限りでない。

2 下請負人は､ 工事契約の履行によって知り得た工法､ 又は元請負人と共同して開発した工法について､元請負人の書面による承諾を得ないで特許xxの工業所有権を自ら出願し、又は第三者をして出願してはならない。

3 下請負人は､工事について発注者及び元請負人の個人情報、企業秘密ならびに施工上の工法､ 技術､ これらに関する情報知識、又は営業上の秘密の一切を､ 工事の完成後であっても他に漏らしてはならない。

下請負人は､その従業員及び再下請負人またはその従業員についても、これらの秘密を保持させるものとする。

4 下請負人は、元請負人が下請負人から提供された個人情報について、元請負人が公表する利用目的の範囲内で利用することができることをあらかじめ異議なく承諾する。また、下請負人は、元請負人に提供する個人情報の本人から、下請負人が元請負人に当該本人の個人情報を提供すること及び元請負人がかかる利用目的の範囲内で当該本人の個人情報を利用すること( 第三者に提供することを含む。) ができることについて、あらかじめ同意を得るものとす

る。下請負人が再下請負人から個人情報を提供させる場合、下請負人は再下請負人においても、本人のかかる同意を得させるものとする。

（現場代理人及びxx技術者）

第十五条 下請負人又は下請負人の現場代理人は､ 工事現場に常駐して元請負人の監督又は指示に従い､この約款に定めるものの他､関係図書ならびに関係法令に定められた事項の範囲において､次の各号に掲げる職務を行なう。

（1） 工事の技術上､作業上の管理。

（2） 下請負人の使用する作業員及び再下請負人に対する指揮監督､ならびに誓約書の厳守。

（3） 工事現場の災害､盗難の防止。

（4） その他工事現場の運営に関する事項。

2 元請負人は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ元請負人との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。

3 下請負人が自己に代って､ これらの職務を行う現場代理人を選任したとき、及び現場代理人の代理権についてこれと異なった定めをしようとするときは、書面をもって元請負人に通知する。

4 下請負人が建設業法の定めに従って､同法に定める工事の種類ごとに､工事施工の技術上の管理をつかさどるxx技術者を工事現場ごとに配置する。xx技術者と現場代理人とはこれを兼ねることができる。

（工事関係者に関する処置請求）

第十六条 下請負人は健康で技能優秀な従業員を選び､秩序正しく作業させる。

但し、元請負人は不適当と認める従業員があるときは､ その事由を明示した書面をもって､下請負人に対し直ちにその交替を求めることができる。

2 下請負人は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、元請負人に対してその理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。

(監督）

第十xx x請負人は工事現場に作業所長を置き、これを下請負人に通知する。但し、注文書に作業所長名等を記入するをもって､通知にかえることができる。

2 作業所長は､元請負人に代ってこの約款に定めるものの他､関係図書に定められた事項の範囲において､次の各号に掲げる職務を行なう。

（1） 工事の運営、施工､安全に関する指導監督､あるいは是正措置の要求。

（2） 下請負人が関係図書に基づき作成した詳細図、制作図、原寸図等の検査承認。

（ 3 ） 工事材料、機械器具等の検査､ 試験若しくはそれについて下請負人が提示した検査表、試験表の確認。

（4） 出来高検査､及び完了検査。

（5） 工事に関する疑義についての協議。 (工事材料､機械器具等）

第十八条 下請負人は、工事材料又は機械器具等を使用する前に､ すべて元請負人の検査を受け､検査に合格したものを使用し､ 見積条件で試験をすることを定めたものについては、その試験に合格したものを使用する。下請負人がこれを怠ったときは、何時でも元請負人はこれを取替えさせることができる。

2 前項の検査､又は試験に必要な費用は､下請負人の負担とする。但し、特別に要する費用､又は元請負人が負担する費用についてはこの限りでない。

3 下請負人は､検査の結果不合格と決定された工事材料又は機械器具等については、遅滞なく工事現場外に搬出する。

4 下請負人は､ 工事現場に搬入した工事材料又は機械器具等を持ち出そうとするときは､あらかじめ元請負人に連絡しその承認を受ける。

（支給材料､貸与品）

第十九条 下請負人に支給する材料及び貸与品の品名、数量､ 品質､ 規格､ 性能及び引渡し場所については関係図書によるものとし、引渡し時期については元請負人･ 下請負人が協議してこれを定める。

2 下請負人は支給材料､貸与品が有償であるときは、各々の料金を請負代金支払分から差引くものとし、差引額及びその時期は元請負人･下請負人が協議してこれを定める。

3 元請負人は、支給材料及び貸与品を、下請負人の立会のうえ検査して引き渡す。この場合において、下請負人は、その品質、規格又は性能が関係図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは遅滞なくその旨を書面をもって元請負人に通知する。

4 下請負人は工事の完成､ 若しくは工事内容の変更によって不要となった支給材料､ 又は使用済の貸与品があるときは直ちに整備清掃の上、元請負人の指定する場所に速やかに返還する。

5 下請負人は仮設物（ 従業員宿舎等) の貸与を受けたときは、その管理一切についての責任を負う。

6 下請負人は支給材料及び貸与品を受領したときは､善良な管理者としての注意をもって保管使用することとし、故意又は過失によって滅失若しくは毀損し返還が不可能となったときは、直ちにその旨を元請負人に通知するとともに､元請負人の指定した期限内に代品を納めるか又は原状に復旧せしめ､若しくはその損害を賠償する。

(不適合施工の改造義務)

第二十条 下請負人の施工が､関係図書及び元請負人の指示等に適合しない場合において､元請負人がその改造､補修等を求めたときは､下請負人は自己の負担において直ちにこれに従う。

但し、当該不適合施工が元請負人の責めに帰すべき事由によるときは、元請負人は改造、補修等に伴う下請負人の損害を負担し､必要な工期の延長を行なうものとする。

2 前項に該当した場合で下請負人が元請負人の指示に従わないときは､下請負人の費用で元請負人が行ない､もしくは第三者にこれを行なわせることができる。

（工事内容の変更等)

第二十一条 元請負人は必要があるときは書面をもって下請負人に通知し､ 工事内容､ 工法､ 作業条件を変更することができる。

2 下請負人は次の各号に掲げる場合は､直ちに書面をもってその旨を元請負人に通知し、その確認を求める。

元請負人は下請負人の申し出を受けたときは､速やかに調査して指示するものとし､ 必要に応じて工事内容､工法、作業条件を変更し､又は関係図書を変更するものとする。

（1） 関係図書に明示されていない事項があるとき。

（2） 関係図書の記載に交互符号しないものがあるとき。

（3） 関係図書に誤謬、脱漏、あるいは疑義があるとき。

（4） 関係図書又は元請負人の指示について適当でないと認めたとき。

（5） 関係図書と工事現場の状態が一致しないとき。

（6） 工事の施工にあたり､地盤等に予期することができない状態が発見されたとき。

（7） 関係法令等、制度の改廃。

3 前項の場合において､ 工期又は請負代金を変更する必要があるときは､ 元請負人・下請負人が協議してこれを定める。

(工期の変更､中止、著しく短い工期の禁止）

第二十xx x請負人は必要があるときは書面をもって下請負人に通知し､工期の変更、工事着手の延期､あるいは一時中止をすることができる。

2 元請負人は特別の理由により工期を短縮する必要があるときは､下請負人に対して書面をもって工期の短縮を通知する。この場合における短縮日数は､ 元請負人･ 下請負人が協議して定める。

3 下請負人は不可抗力、その他正当な理由によって工期内に工事を完成することができない恐れが生じたときは、速やかにその理由を書面をもって元請負人に通知し、工期の延長を求めることができる。

元請負人はその理由が正当なものと認められるときは、必要な日数の工期の延長､ 又は着手の延期を認める。

但し、元請負契約で元請負工事の工期延長が認められないときはこの限りでない。

4 第一項､ 第二項､ 及び第三項において､ 請負代金の変更が必要なときには、元請負人･ 下請負人が協議してこれを定める。

5 元請負人は、工期の変更をするときは、変更後の工期を建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間としてはならない。

（天災､その他の不可抗力による損害）

第二十三条 天災地変、その他不可抗力によって工事の出来形部分、仮設物、貸与品、工事材料､機械器具等について損害が生じたときは､下請負人は遅滞なくその状況を元請負人に報告し､ 元請負人の指示に従う。

2 前項の損害額及び元請負人と下請負人の負担割合は､ 元請負人･ 下請負人が協議してこれを定める。

但し、下請負人が善良な管理者としての注意義務を怠ったと認められる場合には、下請負人の負担とし、かつ損害保険金その他損害を補塡するものがあるときは、これらの額を控除したものを損害額とする。

(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更）

第二十四条 工期内に賃金又は物価の変動により請負代金額が不適当となり、これを変更する必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して請負代金額を変更する。

(臨機の措置）

第二十五条 下請負人は、災害防止等のため必要があると認められるときは､元請負人に協力して臨機の措置をとる。

2 下請負人が前項の規定により臨機の措置をとった場合において、その措置に要した費用のうち、下請負人が請負代金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分の負担額については、元請負人･下請負人が協議してこれを定める。

（一般的損害）

第二十六条 工事の完成引渡しまでに､ 工事目的物又は工事材料、機械器具等について生じた損害、その他工事の施工に関して生じた損害は､ 下請負人の負担とする。但し、その損害額のうち、元請負人の責めに帰すべき理由により生じたものについては、元請負人の負担とする。

(第三者に対する損害）

第二十七条 下請負人又はその従業員が、この工事の施工において第三者( この工事に関係する他の工事の請負人等を含む。以下本条において同じ。) に損害を及ぼしたときは、下請負人がその損害を負担する。但し、その損害のうち元請負人の責めに帰すべき理由により生じたもの及び工事の施工に伴い通常避けることができない事象により生じたものについては、この限りでない。

2 前項の場合、その他工事の施工について第三者との間に紛争が生じた場合においては、元請負人と下請負人とが協力してその処理解決にあたる。

(完成検査及び引渡し）

第二十xx x請負人は、下請負人より工事目的物完成の通知を受けたときは、速やかに工事完成の確認検査を行なう。

2 前項の検査に不合格のときは、下請負人は速やかに元請負人の指示に基づき、下請負人の負担において補修改造又は取替えを行ない、元請負人の再検査を受ける。

3 下請負人は、前各項の完成検査に合格したとき、元請負人の指示に従って速やかに残材の処置、後片付、清掃等を行ない、工事目的物の引渡しを元請負人に申し出るものとし、元請負人は、直ちに引渡しを受ける。

4 元請負人は、下請負人が前項の申出を行わないときは、請負代金の支払いの完了と同時に工事目的物の引渡しを求めることができる。この場合においては、下請負人は、直ちにその引渡しをする。

5 元請負人が、第一項の引渡しを受けることを拒み、又は引渡しを受けることができない場合において、下請負人は、引渡しを申し出たときからその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。

(部分使用)

第二十xx x請負人は、前条の規定による引渡し前においても、工事目的物を使用することができる。但し、必要があるときは、下請負人は、相当の理由を付して工事目的物の全部又は一部の使用の中止を求めることができる。

2 前項の場合においては、元請負人は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用する。

3 元請負人は、第一項の規定による使用により、下請負人に損害を及ぼし又は下請負人の費用が増加したときは、その損害を賠償し又は増加費用を負担する。

この場合における賠償額又は負担額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。 (部分引渡し)

第三十条 元請負人は、工事目的物の一部について引渡しを受ける場合は、第二十八条に準じて検査を行い、その引渡しを受けることができる。この場合、その部分の請負代金相当額の支払いについては、第三十四条の規定を準用する。

(所有権の帰属）

第三十一条 工事現場もしくは元請負人の指定する場所に搬入し、第十八条の定めにより合格した材料は、その時点をもって元請負人に所有権が移転するものとする。

2 工事目的物の所有権は、工事の進捗に従いその都度元請負人に帰属するものとする。

3 下請負人は、前各項の所有権の帰属につき、下請負人の再下請負契約において下請負人の再下請負人と同一趣旨の特約をする。

(請負代金の支払時期及び方法）

第三十二条 請負代金の支払時期及び方法は、元請負人・下請負人が協議した上、契約書に基づき請負代金を支払うものとする。

2 元請負人は必要があるときは、下請負人に対する立替金、賠償金、その他元請負人が下請負人より支払いを受けるべき金銭債権については、下請負人に対する支払代金と相殺することができる。

3 元請負人は、契約書の定めにかかわらず、やむを得ない場合には下請負人の同意を得て請負代金支払いの時期又は支払方法を変更することができる。

(前払金）

第三十三条 下請負人は契約書に基づき、元請負人に対し前払金を請求することができる。この場合、元請負人は下請負人に対して相当の担保の提供を求めることができる。

2 下請負人は、受領した前払金を当該工事の施工に直接必要な費用以外に使用してはな

らない。 (出来高払い）

第三十四条 下請負人は、出来形部分ならびに工事現場に搬入した工事材料に相応する請負代金について、契約書に定めるところにより、その出来高払いを請求することができる。

2 下請負人は、出来高払いを請求しようとするときは、あらかじめその請求に掛かる工事の出来形部分、工事現場に搬入した工事材料の確認を元請負人に求める。この場合において、元請負人はその確認を行ないその結果を下請負人に通知する。

3 元請負人は、第一項の規定による請求を受けたときは、契約書に基づき出来高払いを行なう。

但し、下請負人が前払金を受領している場合には、この請求に掛かる出来高払相当額から前払金の一部又は全部を控除した額を下請負人に支払う。

(完成払い）

第三十五条 下請負人は、第二十八条第一項の検査に合格したときは、引渡しと同時に完成払いを請求できる。

2 元請負人は前項の規定による請求を受けたときは、契約書の定めるところにより請負代金を支払う。

ただし、下請負人が前払金、出来高払金を受領している場合には、この請求に掛かる完成払相当額から前払金、出来高払金の全部を控除した額を下請負人に支払う。

(前払金、出来高払金等の不払いに対する下請負人の工事中止)

第三十六条 下請負人は、元請負人が前払金又は出来高払金の支払いを遅滞し、相当の期間を定めてその支払いを求めたにもかかわらず支払いをしないときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。この場合において、下請負人は、遅滞なくその理由を明示した書面をもってその旨を通知する。

2 元請負人は、前項の場合において、下請負人がその工事の続行に備え、工事現場を維持し又は作業員、建設機械器具等を保持するための費用、その他施工の中止に伴う損害を補償する。この場合における補償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。

(労賃等の立替払い）

第三十七条 下請負人が当該工事の労賃、再下請負代金、損害賠償債務等の支払いを遅延したとき、または支払いを遅延させる恐れがあるときは、元請負人は下請負人の従業員、再下請負人等の書面による申し出により、事情を調査の上、下請負人に代ってこれを立替払いすることができる。

2 再下請負人が労賃等の支払いを遅延したとき、又は支払いを遅延する恐れがあるときは、下請負人は再下請負人に代って直ちにこれを支払う等適切な措置を講ずる。

3 元請負人が、建設業法第四十xxxに基づく監督官庁の指導助言、又は勧告を受けた場合も同様とする。

4 元請負人は前各項の規定によって、下請負人の従業員、再下請負人等に立替えて支払ったときは、これを下請負人に対する立替金として処理することができる。

(立替金等と工事支払金との相殺)

第三十xx x請負人は、立替金、損害賠償金およびその他元請負人の下請負人に対する債権について、元請負人の債務発生と同時に弁済期の到来を待たずに下請負人に対する工事支払金と相殺することができる。

(契約不適合責任）

第三十xx x請負人は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの

（以下「契約不適合」という。）であるときは、下請負人に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、元負人は履行の追完を請求することができない。

2 前項の場合において、下請負人は、元請負人に不相当な負担を課するものでないときは、元請負人が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。

3 第一項の場合において、元請負人が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、元請負人は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金減額を請求することができる。

一 履行の追完が不能であるとき。

二 下請負人が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、下請負人が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。

四 前三号に掲げる場合のほか、元請負人がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。

(履行遅滞の場合の工期の延長）

第四十条 下請負人の責めに帰すべき理由により、工期内に工事を完成できないことができない場合において、工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、元請負人は工期を延長することができる。

2 元請負人の責めに帰すべき理由により、第三十三条第一項、第三十四条第三項又は第三十五条第二項（第三十条において準用する場合を含む。）の規定による請負代金の支払いが遅れた場合においては、下請負人は、未受領金額につき、年１４． ６％ の割合で計算した額の遅延利息を元請負人に請求することができる。

(元請負人の任意解除権）

第四十xx x請負人は、工事が完成しない間は、次条及び第四十三条に規定する場合のほか必要があるときは、この契約を解除することができる。

(元請負人の催告による解除権）

第四十xx x請負人は、下請負人が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

2 下請負人が工期内又は期限後相当の期間内に、工事の完成する見込みがないと元請負人において認めたとき。

3 下請負人が正当な理由がないにも関らず、着工時期が過ぎても工事に着手しないとき。

4 正当な理由なく、第三十九条第一項の履行の追完がなされないとき。

5 前各号に掲げる場合のほか、下請負人がこの契約に違反したとき。

（元請負人の催告によらない解除権）

第四十xx x請負人は、下請負人が次の各号のいずれかに該当するときは、元請負人は下請負人に対し何ら通知、勧告を要せず、工事の全部又は一部を解除することができる。この場合、元請負人は下請負人に損害の賠償を求めることができる。

1 下請負人が第九条第一項の規定に違反して、請負代金債権を譲渡したとき。

2 下請負人がこの契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。

3 引き渡された工事目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。

4 下請負人がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

5 下請負人の債務の一部の履行が不能である場合又は下請負人がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

6 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、下請負人が履行をしないでその時期を経過したとき。

7 前各号に掲げる場合のほか、下請負人がその債務の履行をせず、元請負人が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

8 元請負人は前項に該当する以外、必要があるときは工事の全部又は一部を解除することができる。この場合、元請負人は下請負人に損害の賠償を求めることができる。

(下請負人の解除権）

第四十四条 下請負人は元請負人が次の各号のいずれかに該当するときは、工事の全部又は一部を解除することができる。この場合、下請負人は元請負人より受けた損害について賠償を求めることができる。

(1) 元請負人の責めに帰すべき理由により、工事を完成することが不可能となったとき。

(2) 元請負人の責めに帰する理由により、契約期間の遅延又は中止が相当期間に及んだとき。 (契約解除後の処理）

第四十五条 工事の契約が解除されたときは、元請負人は検収出来形部分と検査済の工事材料及び貸与品を引受け、元請負人・下請負人が協議して工事代金を精算する。

2 下請負人は契約解除後、元請負人よりの貸与品及び支給材料があるときは、直ちに元請負人の指定した場所へ返還しなければならない。

3 下請負人は前項の貸与品及び支給材料を滅失、若しくは毀損して返還が不可能であるときは、元請負人の指定した期限内に代品を納めるか又は原状に復旧せしめ、若しくはその損害を賠償するものとする。

（契約不適合責任期間）

第四十xx x請負人は、引き渡された工事目的物に関し、第二十八条（ 完成検査及び引渡し）第三項

（第三十条（部分引渡し）において準用する場合を含む。）の規定による引渡し（以下この条において単に「引渡し」という。）を受けた日から民法で定める期間でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除（以下この条において

「請求等」という。）をすることができない。

2 前項の規定に関わらず、設備の機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、元請負人が

検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、下請負人は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から民法で定める日まで請求等をすることができる。

3 前二項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、元請負人の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。

4 元請負人が第一項又は第二項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間（以下この項及び第七項において「契約不適合責任期間」という。）の内に契約不適合を知り、その旨を下請負人に通知した場合において、元請負人が通知から一年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。

5 元請負人は、第一項又は第二項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。

6 前各項の規定は、契約不適合が下請負人の故意又は重過失により生じたものであるときは適用せず、契約不適合に関する下請負人の責任については、民法の定めるところによる。

7 民法第六xx十七条第一項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。

8 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律（xxxx年法律第xxx号）第九十四条第一項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令（平成十二年政令第六十四号）第五条に定める部分の瑕疵（構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。）について請求等を行うことのできる期間は、十年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。

9 引き渡された工事目的物の契約不適合が支給材料の性質又は元請負人若しくは監督員の指図により生じたものであるときは、元請負人は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、下請負人がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。

(契約に関する紛争の解決）

第四十七条 この約款の各条項において、元請負人・下請負人が協議して定めるものにつき協議が整わない場合、その他この契約に関して元請負人・下請負人間に紛争が生じた場合には、元請負人又は下請負人は、当事者の双方の合意により選定した第三者、又は建設業法による建設工事紛争審査会（以下「審査会」という。）の斡旋又は調停により解決を図る。

2 元請負人又は下請負人が、前項の斡旋又は調停により紛争を解決する見込みがないと認めたときは、前項の規定に関らず、審査会の仲裁に付しその仲裁に服する。

（反社会的勢力の排除）

第四十xx x請負人は、下請負人が反社会的勢力（ 暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標榜ゴロ又は特殊知能暴力集団、その他これらに準ずる者をいう。以下同じ。） に該当し、又は、反社会的勢力と以下の各号の一つにでも該当する関係を有することが判明した場合には、何らの催告を要せず、元請負人と下請負人とが締結した基本契約及び個別契約の全部を解除することができる。

(1) 反社会的勢力が経営を支配していると認められるとき

(2) 反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められるとき

(3) 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に反社会的勢力を利用したと認められるとき

(4) 反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められるとき

(5) その他反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しているとき

2 元請負人は、下請負人が自ら又は第三者を利用して以下の各号の一つにでも該当する行為をした場合には、何ら催告を要せず、基本契約及び個別契約を解除することができる。

(1) 暴力的な要求行為

(2) 法的な責任を超えた不当な要求行為

(3) 取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為

(4) 風説を流布し、偽計又は威力を用いて元請負人の信用を毀損し、又は元請負人の業務を妨害する行為

(5) その他前各号に準ずる行為

3 (1) 下請負人は、下請負人又は下請負人の下請又は再委託先業者（ 下請又は再委託契約が数次にわたるときには、その全てを含む。以下同じ。） が第１ 項に該当しないことを確約し、 将来も同項若しくは第２ 項各号に該当しないことを確約する。

(2) 下請負人は、その下請又は再委託先業者が前号に該当することが契約後に判明した場合には、ただちに契約を解除し、又は契約解除のための措置を採らなければならない。

(3) 下請負人が、前各号の規定に反した場合には、元請負人は基本契約及び個別契約を解除することができる。

4 (1) 下請負人は、下請負人又は下請負人の下請若しくは再委託先業者が、反社会的勢力から不当要求又は業務妨害等の不当介入を受けた場合は、これを拒否し、又は下請若しくは再委託先業者をしてこれを拒否させるとともに、不当介入があった時点で、速やかに不当介入の事実を元請負人に報告し、元請負人の捜査機関への通報及び元請負人への報告に必要な協力を行うものとする。

(2) 下請負人が前号の規定に違反した場合、元請負人は何らの催告を要せずに、基本契約及び個別契約を解除することができる。

5 元請負人が前各項の規定により個別契約を解除した場合には、下請負人に損害が生じても元請負人は何らこれを賠償ないし補償することは要せず、また、かかる解除により元請負人に損害が生じたときは、下請負人はその損害を賠償するものとする。

(鈴縫工業安全協力会への加入）

第四十九条 下請負人は、別に定める元請負人の安全協力会に加入し、所定の安全協力会会費を納める。 (定めなき事項等）

第五十条 この約款に関して疑義を生じたとき、あるいは定めのない事項については、必要に応じて元請負人・下請負人が協議してこれを定める。