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大阪府随意契約ガイドライン
大阪府財務規則(昭和 55 年大阪府規則第 48 号。以下「規則」という。)及び大阪府財務規則の運用(昭和 55 年4月1日審第1号、財第 14 号。以下「運用」という。)に規定する随意契約のガイドラインを次のとおり定める。
1 趣旨・目的
本ガイドラインは、建設工事、物品・委託役務関係業務及び測量・建設コンサルタント等業務に係る随意契約の事務を適正かつ円滑に進めるため、運用第 62 条関係に規定する随意契約に係る事項の解釈を示すとともに、事務手続上必要な事項を定めるものである。
各発注機関が、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号。以下「法」という。)及び地方自治法施
行令(昭和 22 年政令第 16 号。以下「令」という。)並びに規則等に基づき個々の契約方式については、一般競争入札を原則として選択すべきものであるが、例外的に随意契約を選択することとした場合は、契約事務のxx性及び透明性を保持し、経済性の確保を図る観点から、個々の契約ごとに技術の特殊性、経済的合理性、緊急性等を客観的、総合的に判断した理由及び経緯を整理しなければならない。
なお、随意契約においても一定額以上の契約は「政府調達に関する協定」(特定調達契約、い わゆるWTO案件)の対象となるかの判断が必要である。対象となる契約では、地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手段の特例を定める政令(平成7年政令第372 号。)等が適用され、
相手方を決定した日から72 日以内に落札者等の公示を公報により行うなどの手続きが必要であるとともに、随意契約ができる要件についても特定調達契約以外の契約に比べ限定されているので注意が必要である。(詳しくは、大阪府の物品等又は特定役務の調達手続の特例に関する規 則(平成7年大阪府規則第 77 号)や、別に定める「特定調達契約ガイド」を参照すること。)
2 対象
本ガイドラインの対象は、次のとおりとする。
(1)建設工事(建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第2条第1項に規定する建設工事をいう。)
(2)物品・委託役務関係業務(物品の購入契約、車両等の修理契約、委託契約、請負契約(建設工事を除く。)及び賃貸借契約をいう。)
(3)測量・建設コンサルタント等業務(測量、地質調査、建築設計・監理、設備設計・監理、建設コンサルタント及び補償コンサルタント業務をいう。)
〔注釈〕
随意契約は、一般競争入札を原則とする契約方式の例外方式である。
しかしながら、一般競争入札によって契約を締結することが公共の目的に反したり、事業の能率的な運営を阻害すると認められるような場合や、一般競争入札によることが不利益な場合、客観的に困難であると認められるような場合までも、一般競争入札によらせることは適当でないので、指名競争入札や随意契約の方式を採用できるものとしている。
随意契約は、単に相手方の選定方法についての特例を定めたものにすぎないのであって、不利な条件(割高な価格)による契約の締結までを許容したものではない。有利な価格によって契約を締結すべきだということは、競争入札であろうと随意契約であろうとすべての契約方式を通じて適用される不変の大原則である。
*地方財政法(昭和 23 年法律第 109 号)第4条第1項、
地方自治法第2条第 14 項
3 随意契約ができる場合(運用第 62 条関係第1項各号の解釈)
(1)令第 167 条の2第1項第1号
売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあっては、予定賃貸借料の年額又は総額)が規則第 61 条の2に掲げる額を超えないものをするとき。
一般競争入札を回避するため、予定価格(購入希望限度額)について、恣意的に少額随意契約の限度額以下で設定すること、又は契約を分割することは認められない。
なお、随意契約の理由が、本号とその他の号に重複して該当する場合の適用規定は、本号を適用条文とする。(会計事務ポータルサイトFAQ「財務会計(制度)」「随意契約」参照)
*規則第 61 条の2
契約の種類 | 予定価格(税込) | 適用 |
(1) 工事又は製造の請負 | 250 万円を超えないもの | 建設工事のほか、建築物等の修繕を含む。 |
(2) 財産の買入れ | 160 万円を超えないもの | 動産、不動産の購入 |
(3) 物件の借入れ | 80 万円を超えないもの | タクシーの使用並びに有料道路及び橋りょうの通行回数券の購入を含む。 |
(4) 財産の売払い | 50 万円を超えないもの | 動産、不動産の売払い |
(5) 物件の貸付け | 30 万円を超えないもの | 動産、不動産の貸付け |
(6) 前各号に掲げるもの以外のもの | 100 万円を超えないもの | 業務委託、役務の提供、物品の修繕及び電子複写サービス等の契約 |
*規則第 61 条の3
令第1号の随意契約のうち、知事が別に定めるものについては、電子調達システムを用いて、インターネットにより公開で見積書の募集から契約の相手方を決定(以下「電子見積合せ」という。)し、その相手方と契約を行わなければならない(規則第 61 条の3及び運用第 61条の3関係第1項)。
知事が別に定めるものとは、令第 1 号の規定による随意契約を行うものであり、例外と
して、次に掲げるものは除くことができる(運用第 61 条の3関係第2項)。
ア 財産の買入れ及び物件の借入れであって、予定価格が 10 万円以下のもの
イ 財産の買入れ及び物件の借入れ以外の契約であって、予定価格が 50 万円以下のものウ 比較見積を省略するもの又は見積書を徴する必要がないもの
エ 東京事務所が行うもの
オ 電子見積合わせへ事業者の参加が適切に見込めない場合等、電子調達システムにより行うことが困難又は不利となるもの
なお、アからオまでに掲げるものついては、当該規定に関わらず、電子見積合せを行った方が効率的又は有利となる場合は、電子見積合せにより行うことができる(運用第 61 条の3関係第3項)。
〔注釈〕
オの「電子見積合せへ事業者の参加が適切に見込めない場合等」とは、参加可能な事業者が少ない等の理由により、電子見積合せを行っても、競争性が確保できないなど、見積り合せによる効果が期待できない場合が該当する。
例示
・特殊な物品等の購入で、参加資格名簿に登録のされていない他府県の事業者等から見積書を徴しないと適正な見積合せができないとき。
・委託業務等で、随意契約でしか発注を行っていないなどの理由により、入札の参加資格の申請を行わない事業者に対して、見積合せにより契約を行うとき。
(2)令第 167 条の2第1項第2号
不動産の買入れ又は借入れ、府が必要とする物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。
契約の「性質又は目的が競争入札に適しないもの」とは、おおむね次の場合が該当する。ア 契約の目的物が特定の者でなければ納入することができないものであるとき。
イ 特殊の性質を有するため若しくは特別の目的があるため物品の買入れ先が特定されているとき又は特殊の技術を必要とするとき。
ウ 試験のため工作及び製造をさせ、又は物件の買入れをするとき。エ 府の行為を秘密にする必要があるとき。
オ 外国で契約を締結するとき。
カ 国、他の地方公共団体、その他公共的団体(独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人、国立大学法人法第2条第1項に規定する国立大学法人、地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人及び沖縄振興開発金融公庫を含める。以下同じ。)と直接契約を締結するとき。
キ 学術又は技芸の保護奨励のため、試験、研究等を行う者に対し必要な物件を売り払い、又は貸し付けるとき。
ク 土地、建物、xx若しくはその産物等を特別の理由のある者に売り払い、又は貸し付けるとき。
ケ 運送又は保管をさせるとき。
コ 公債、債権又は株券の買入れ又は売り払いをするとき。
以上の運用の解釈として、「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。」とは、特殊な、あるいは独自の技術、機器、設備又は技法等を必要とする業務で、特定の者と契約しなければ、契約の目的を達することができない場合や競争入札に付することが不可能又は著しく困難な場合である。したがって、上記アからコに該当する場合でも、その唯一性について十分に検討すること。
コンペ、プロポーザル方式等の競争ないし比較競技により契約の相手方を予め特定した場合は、本号による随意契約が許されると解する。
また、特定の者と契約しなければ契約の目的を達することができない場合等でも、その唯一性を確認するため、当該業務内容を明らかにした上で、他の参加者の有無を公募により確
認する参加意思確認公募手続を行うことは、契約手続の透明性、競争性を確保する上で有効 である。(公募手続の実施に際しては、「参加意思確認公募手続に関する指針」を参照のこと。)法令等により履行できる者が特定されているものについては、契約の際に法令等の改正が
ないか確認すること。
なお、次の一般的事例は、可能性のある事案を記載したものであり、該当するものは直ちに適用すべきものとする趣旨ではないこと。よって個々の事案に即して、技術の特殊性などをふまえ客観的に判断すること。
一般的事例
【共通】
(ア) 特殊工法等の新開発工法や、新開発製品を用いる必要がある工事・業務
(イ) 実験、研究等の目的に供する極めて特殊な設備等であるため、履行可能な者が特定される工事・業務
(ウ) 法令等の規定により履行できる者が特定される工事・業務
【建設工事】
(ア) 当該業者が唯一保有する独自技術、又は当該業者のみが有し、その他の業者では知り得ない技術(設計・製作基準や設計・製作図等(一般的には社外秘))に基づかなければ、その契約内容を履行することが困難であるような設備、機器等の増設、改良(改修)、補修(修繕)等の工事
(イ) 既設部分と密接不可分の関係(既設部分と当該工事で施工する部分が一体となって機能を発揮する関係)にあり、既設部分の同一施工者以外の者に施工させた場合、既設部分等の使用においてトラブルが生じた場合の責任の所在が不明確になるなど、著しい支障が生じるおそれがある設備・機器等の増設、改良(改修)、補修(修繕)等の工事
(ウ) 文化財等の調査、発掘、補修等で、特殊な技術、手法を用いる必要がある工事
(エ) コンペ、プロポーザル・デザインビルド方式等の競争ないし比較競技により契約の相手方を予め特定している工事(*)
【物品・委託役務関係業務】【測量・建設コンサルタント等業務】
(ア) 測量、設計、設備・機器等の補修(修繕)・修理・保守管理、又は各種調査・分析等において、特殊の技術、手法又は機械器具を用いる必要があるため、当該業務の履行が可能な業者が特定される業務
なお、「特殊の技術、手法又は機械器具を用いる必要がある業務」とは、当該業者が特許権を有するなど、唯一保有する独自技術、又は当該業者のみが有し、その他の業者では知り得ない技術(設計(設計・製作基準や設計・製作図等(一般的には社外秘))に基づかなければ、その契約内容を履行することが困難であるような業務である。
(イ) 既に契約した業務と密接不可分の関係(既に契約した業務と一連となって機能を発揮する関係)にあり、同一業者以外の者に履行させた場合、責任の所在が不明確にな
るなど、著しい支障が生じるおそれがある業務
(ウ) コンペ、プロポーザル方式等の競争ないし比較競技により契約の相手方を予め特定している業務(*)
(エ) 行政の福祉化等の府の施策を推進するための専門知識、ノウハウ又は豊富な業務実績等が不可欠となる業務
(オ) リース期間満了後に、その期間を延長することについての業務上の必要があるため、相当と認められる期間に限って行う賃貸借契約の継続
(カ) 会議や講演会に使用するための会議室を借りる場合で、日時、場所、目的等の条件に合致するものが特定される場合(*)
* プロポーザル方式により事業者を選定する場合の手続きについては、「大阪府公募型プロポーザル方式実施基準」で定められている事項を参照
* プロポーザル方式により選定した事業者と翌年度以降、公募の手続きを取らずに本号の規定により自動的に随意契約することは認められない。
プロポーザル方式は、あくまで「最優秀」の提案事業者を選定するのにすぎず、選定事業者に「唯一者」であることまでも認めるものではないことに留意すること。
* 指定管理者制度は法第 244 条の2に規定された制度であり、本項は適用されない。
〔注釈〕
令第 167 条の2第1項第2号の「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」という規
定は、会計法(昭和 22 年3月 31 日法律第 35 号)第 29 条の3第4項の「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」よりも広い場面を想定している。即ち競争原理の導入が可能な場合にもなお競争入札に適しないものがあることを前提としている。*大阪高裁平成8年6月 26 日判決
しかしながら、契約相手方を恣意的に指定するなどxx性を欠く場合や契約相手方に関する遂行能力の調査を全く怠った場合など、契約相手方の選定において容認できないような事情がある場合には、その契約の締結が違法とされた事例があることから、xx性の確保、相手方の履行能力の調査は不可欠である。*福岡地裁平成3年2月 21 日判決
* 会議室を借りる場合は、日時、場所、目的等の条件だけでなく、経済性について、検討を行うこと。
(3)令第 167 条の2第1項第3号及び第4号
令第3号を適用する場合の契約相手方としては、令第3号に定められている障がい者支援施設等の他に、これらに準ずる者として総務省令の定めるところにより知事が事業者等の認定を行った者を随意契約の相手方とすることができる。福祉部障がい福祉室自立支援課及び商工労働部雇用促進室就業促進課において「地方自治法施行令第 167 条の
2第1項第3号に定める障害者支援施設等に準ずる者の認定基準」及び「地方自治法施行令第 167 条の2第1項第3号に定める障害者支援施設等に準ずる者の認定に係る事務取扱要綱」を定めており、認定された事業者については、それぞれの担当課ホームページで公表している。
令第3号により、障がい者支援施設等(知事が障害者支援施設等に準ずる者と認定を行った者を含む。以下同じ)において製作された物品を買い入れる場合、障がい者支援施設等、シルバー人材センター等から役務の提供を受ける場合、又は令第4号により新
商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者として認定を受けた者が新商品として生産する物品を買い入れ若しくは借り入れる場合は、規則第 61 条の4の規定に基づき、発注の見通しなどを公表する必要がある。
この公表手続きについては、令第3号に係るものにあっては福祉部の担当課と、令第
4号に係るものにあっては商工労働部の担当課と事前に調整すること。
(4)令第 167 条の2第1項第5号
緊急の必要により競争入札に付することができないとき。この場合には、次の2つの要件を備えた場合が該当する。
ア 天災地変、感染症の流行その他の客観的理由の急迫を要する場合であって、公告の期間等を短縮してもなお競争入札に付する暇がないようなときであること。
イ 競争入札に付していては、契約の目的を達成できないこと。
以上の運用の解釈として、「客観的理由の急迫を要する場合」とは、天災地変、感染症の流行その他予見不可能な急迫の事態があって、府民の生命、健康、財産に著しい危険が生じるおそれがある場合(客観的事由であること。)をいい、応急の工事・業務に限っている。
このうち、見積書を徴取する暇がなく直ちに発注しなければ、著しい危険が生じかねない工事・業務を「特に急迫を要する緊急の工事」・「特に急迫を要する緊急の業務」と称し、概算金額による契約手続きを執ることとしている。
なお、客観的理由の急迫を要する緊急随意契約の対象となる一般的な工事・業務の事例及び契約相手方の選定に係る要件は、次のとおりである。
一般的事例
【建設工事】
(ア)堤防崩壊、道路陥没、地すべり等の災害に伴う応急工事
① 海岸・河川において堤防が崩壊した場合の応急工事
② 道路陥没等により交通に支障をきたしている場合の応急工事
③ 地すべり等の災害に伴う応急工事
(イ)電気・機械設備の応急工事
① 水道・下水道施設等の設備機器等の故障において直ちに機能を復旧しなければ施設の運転に支障をきたす場合に行う応急工事
② 防災施設、排水施設等の設備機器等の故障において、防災機能を保持するうえで、常に稼動できる状態を保たなければならない機器等の故障時に行う応急工事
(ウ)供用施設の損壊(被害を受けたものを含む。)又は不具合に係る応急工事
① 水道、下水道施設及び河川施設等の管渠の破損等により、道路陥没や浸水被害が発生、若しくは発生するおそれのある場合に行う管渠の応急工事
② 施設等の破損又は不具合により、大気汚染や水質汚濁等、環境への被害をもたらすおそれのある場合に行う応急工事
③ 港湾施設・設備及び監視艇等の故障、破損において、直ちに機能を回復しなければ海上運航及び荷役作業の安全確保等に支障をきたす場合に行う応急工事
④ その他、建物施設等の破損又は不具合により、緊急に復旧しなければ利用者の利便性、安全性を損なう場合に行う応急工事
(エ)災害の未然防止のための応急工事
① 堤防崩壊、落石等の危険な箇所が判明し、直ちに施工しないと被害が拡大するおそれのある場合の応急工事
② 交通事故等による二次災害を防止するための応急工事
【物品・委託役務関係業務】【測量・建設コンサルタント等業務】
(ア)災害及び設備機器等の故障に伴う業務
① 水道・下水道施設等の設備機器等の故障において直ちに機能を復旧しなければ施設の運転に支障をきたす場合に行う応急業務
② 防災施設、排水施設等の設備機器等の故障において、防災機能を保持する上で、常に稼動できる状態を保たなければならない機器等の故障時に行う応急業務
③ エレベーター等設備機器、遊具等設備の緊急点検等、予見不可能な業務が発生した場合で、即時の対応が求められる業務
(イ) 供用施設等の損壊(被害を受けたものを含む。)又は不具合に係る応急工事に関連する業務
① 施設等の破損又は不具合により、大気汚染や水質汚濁等、環境への被害をもたらすおそれのある場合に行う点検整備等の応急業務
② 施設等の破損又は不具合により処理できなくなった下水汚泥、浚渫土等の廃棄物の緊急処分に係る応急業務(廃棄物処理、運搬等)
③ 港湾施設、設備及び監視艇等の故障、破損において、直ちに機能を回復しなければ海上運航及び荷役作業の安全確保等に支障をきたす場合に行う点検整備等の応急業務
④ その他、建物施設等の破損又は不具合により、緊急に復旧しなければ利用者の利便性、安全性を損なう場合に行う点検整備等の応急業務
(ウ)堤防崩壊、道路陥没、地すべり等の災害への対応やその未然防止のための応急工事に関連する業務
(エ) OAシステム・インターネットを通じた申請・申込システム等の府民サービスを提供している場合(年間を通じてSEを常駐させる契約を行っていない場合)で、緊急に復旧をしなければ、府民生活に多大な損害や利便性低下が生じる場合における応急業務
(オ) 公の秩序維持のための警備に関連する業務、災害発生時の住民避難に関する業務
(カ) 天災地変その他災害等により緊急に調達の必要があるとき。
(キ) 感染症(高病原性鳥インフルエンザ・SARS(重症急性呼吸器症候群)・新型コロナウイルス感染症等)発生時の蔓延防止のために薬品等の物品の購入、車両等の借り上げ、施設の設置・借り上げ、施設運営の業務委託等の契約を緊急に行う必要があるとき。
【契約相手方選定に係る要件】
緊急の随意契約を行う業者には、必要がある場合、以下の要件の具備を求める。
(ア)入札参加資格登録について、次の要件を満たすこと。
大阪府建設工事競争入札参加資格者名簿、大阪府測量・建設コンサルタント等業務競争入札参加資格者名簿、大阪府物品・委託役務関係競争入札参加資格者名簿又は大阪府少額随意契約建設工事事業者名簿に登載されている者
(イ)地域要件等について、以下のいずれかの要件を満たすこと。
① 応急工事又は応急業務を行う施設と同一又は隣接箇所において、現に他の業務等を契約中である者
② 応急工事又は応急業務を行う施設の所在地が含まれる地域(土木事務所管内等)に、営業所等を有する者
③ 応急工事又は応急業務を行う施設における応急工事又は業務を過去に実施した者
④ 応急工事又は応急業務を行う設備機器等の製造者又はそのサービス部門(代理店等を含む。)
⑤ 防災協定を締結している者
⑥ その他、早急に実施が可能な者
〔注釈〕
設備機器に関する事故発生時や災害時等、競争に付する時間的余裕がないときのほかは適用せず、濫用は許されない。したがって、事務処理が間に合わないという理由のみでは適用すべきではない。
特に急迫を要する工事又は業務が発生した場合に備え、xx性の確保を図りつつ契約金額の確定前に概算金額で発注する随意契約の手続きを執ることとしている。
(5)令第 167 条の2第1項第6号
競争入札に付することが不利と認められるとき。この場合には、おおむね次の場合が該当する。
ア 競争入札によって得られる価格上の利益が入札に要する経費と比較して得失相償わないと認められるとき。
イ 現に契約履行中の工事、製造又は物品の買入れに直接関連する契約を現に履行中の契約者以外の者に履行させることが不利であるとき。
ウ 買入れを必要とする物品が多量であり、購入先を分けて買入れなければ価格を騰貴させるおそれがあるとき。
エ 早急に契約をしなければ契約をする機会を失い、又は著しく不利な価格をもって契約をしなければならないこととなるおそれがあるとき。
以上の運用の解釈として、契約の目的に照らした結果、施工・実施できる者が一定数限定される場合には、競争入札による手続きの煩雑、経費の増加及び契約相手方の決定に要する日時を考慮すると随意契約を適用する方が有利に契約締結できる場合、又は競争入札に付することが不利になる場合がある。このような場合は令第 167 条の2第 1 項6号を適用することとしている。
競争入札に付するとどのように不利となるかについては、入札に付した場合の予定価格や、その際に最低制限価格等を設定する案件ではそれらの価格とも比較するなど価格の妥
当性を含め十分に検討すること。
一般的事例
【建設工事】
(ア)現に契約履行中の施工業者に引き続き施工させた場合、工期の短縮、経費の節減が確保できる等有利と認められる次のような工事
・当初予期し得なかった事情の変化等により必要となった追加工事
・本体工事と密接に関連する付帯的な工事
(イ)他の発注(他の発注者を含む)に係る施工中の工事と交錯する箇所の工事で、当該施工中の者に施工させた場合には、工期の短縮、経費の節減に加え、工事の安全・円滑かつ適切な施工を確保する上で有利と認められる次のような工事
・鉄道工事等と立体交差する道路工事等の当該交錯箇所での工事
・他の発注に係る工事と一部重複、錯綜する工事
(ウ) 施工中の請負者自体の事情により施工できなくなったことによる残工事で、早急に着手しなければ府民生活に影響が出て、府も損害を被る可能性があると認められる工事
【物品・委託役務関係業務】【測量・建設コンサルタント等業務】
(ア)現に契約履行中の業者に引き続き実施させた場合、期間の短縮、経費の節減が確保できる等有利と認められる次のような業務
・当初予期し得なかった事情の変化等により必要となった業務
・本体業務と密接に関連する付帯的な業務
・入札において、落札者が決定しなかった場合において、契約の相手方が決定するまでの必要最小限の期間の業務
・施設管理業務等、継続を要する業務(予算議決後の入札手続きによっては、業務遂行に支障が生じる場合において、年度当初に次の入札を実施するまでの間の現契約業者との契約)
(イ)他の発注に係る実施中の業務の内容と重複、若しくは関連する業務で、実施中の者に実施させた場合には期間の短縮に加え、業務の円滑な実施を確保する上で有利と認められる業務
(ウ) 業務履行中の受注者自体の事情により履行できなくなったことによる残業務で、早急に着手しなければ府民生活に影響が出て、府も損害を被る可能性があると認められる業務(履行期間が長期間残存している場合は、速やかに新たに入札に付し、新たな受注者が決定するまでの期間とする。)
【共通】
競争入札に付したが入札不調となり、又は落札者が契約を締結せず、令第 167 条の
2第1項第8号又は第9号の規定に基づく随意契約もできなかった場合で、事業・業務の開始時期が急迫しており、競争入札に付していては契約の目的を達成することができないとき
〔注釈〕
令第 167 条の2第1項第6号は、見積相手方が1者となる場合があり同項第2号と接近していると見受けられるが、同項第2号は、その者しか履行できない場合であるに対し、同項第6号は履行者が極めて限定されるが、「予定価格以下」という要件等を除けば履行者の唯一性が絶対であるとはいえない場合である。
(6)令第 167 条の2第1項第7号
時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき。府の欲する物品を多量に所有し、又は府の意図する工事につき使用する材料を当該工事の現場付近に多量に所有するため他の者に比べて著しく低価で契約を締結することができる場合が該当する。
以上の運用の解釈として、「時価に比して著しく有利な価格」とは、予定価格から勘案して、明らかに有利であるといえる価格をいう。
しかし、その判断基準は明確にできるものではないこと、また、競争入札に付した場合
より安価になるかどうかも不確定であることから、令第 167 条の2第 1 項第7号を適用する場合は市場調査を行う等、慎重に決定しなければならない。特に本府の建設工事においては、品質確保の観点からその適用については、極めて慎重な判断が必要となる。
一般的事例
【建設工事】
(ア)特定の施工者が、施工に必要な資機材等を当該工事現場付近に多量に所有するため、これを利用することとした場合には、競争に付した場合より著しく有利な価格で契約することができると認められる工事
(イ)特定の施工者が開発し、又は導入した資機材、作業設備、新工法等を利用することとした場合には、競争入札に付した場合より著しく有利な価格で契約できると認められる工事
(7)令第 167 条の2第1項第8号
競争入札に付しても入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。
この場合は、契約保証金及び履行期限を除くほか、当初競争に付するときに定めた予定価格、品質等契約の要素となっている事項(これには最低制限価格等も含まれる。)を変更することができないものである。
以上の運用の解釈として、
建設工事にあっては、「競争入札に付し入札者がないとき」には、再度公告入札を原則とし、急迫した事態の場合に限り同号の適用をしている。まず、一般競争入札においては資格要件の緩和又は設計・積算の見直しを、指名競争入札においては指名替え等を検討した
上で、同号の適用を判断することになる。
物品・委託役務関係業務及び測量・建設コンサルタント等業務にあっては、「競争入札に付し入札者がないとき」には、まず、一般競争入札においては資格要件の緩和又は設計・積算の見直しを、指名競争入札においては指名替え等を検討した上で、同号の適用を判断することになる。
一方、「再度の入札に付し落札者がないとき」とは、これ以上競争入札を継続しても入札が成立することが期待できないことから随意契約を可能とするものである。
本号による随意契約の相手方は、入札に参加した者に限らない。
なお、国土交通省では、不落随意契約は原則廃止するという運用が執り行われている。参考:平成 17 年8月 29 日国地契第 46 号 国土交通省通知「不落随契の原則廃止等その
厳正化について」
〔注釈〕
令第 167 条の2第1項第8号に規定する「再度の入札」は、「再度入札」と「再度公告入札」に分けられる。
「再度入札」は、開札の結果、各人の入札のうち、予定価格の制限の範囲内の価格の入札がないとき(最低制限価格を設けた場合にあっては、予定価格の制限の範囲内の価格で最低制限価格以上の価格入札がないとき。)、直ちにその場で(電子入札の場合においては、発注者により定められた期日に)行う入札をいう。
「再度公告入札」は、入札価格のうちに予定価格の制限に達しないものがない場合のほか、入札者のない場合又は落札者が契約を結ばない場合において、再び公告をした後に改めて入札を行うことをいう。
(8)令第 167 条の2第1項第9号
落札者が契約を締結しないとき。
「契約を締結しないとき」とは、契約の完全な成立に必要な手続きをしないことをいう。この場合は、落札金額の制限内で契約を行うものとし、かつ、履行期限を除くほか、当初競争入札に付するときに定めた条件(これには最低制限価格等も含まれる。)を変更することができないものである。
以上の運用の解釈として、令第 167 条の2第1項第8号との相違は、同号が落札決定前であり予定価格の制限内となることに対して、同項第9号は落札決定後であり落札者と合意された価格があるため落札金額の制限内でなければならないということである。
「契約の完全な成立」とは、契約書に発注者及び受注者の記名押印が完了し、契約を確定させることをいう。議決を要する契約においては、仮契約は契約の完全な成立には含まれず、議会での議決をもって契約の完全な成立となる。
なお、落札者が契約を締結しないとき(仮契約の解除を含む。)は、入札保証金相当額を違約金として徴収することとしている(法第 234 条第4項参照)。
一般的事例
【共通】
(ア)競争入札において落札したにもかかわらず、当該落札者が契約の締結に応じない場合
(イ)競争入札において落札したにもかかわらず、落札決定後に入札参加停止措置となる等、
落札者の責により契約締結ができない状態に陥った場合
4 随意契約における予定価格の設定
予定価格とは、予算執行の際の上限額としての性格を持つものであり、予算をもって最も経済的な調達をするために適正かつ合理的な価格を積算し、これにより入札価格を評価する基準とする意味を持っているものである。
予定価格の積算方法については、市場価格や需給の状況、履行の難易度、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して、適正に定める必要がある。
随意契約においても、予定価格を設定しなければならないものであり、その設定にあたっては、過去の実績、業者からの聞き取り、インターネットで情報収集し、十分に検討し、調査日、調査対象、調査内容等、設定過程を記録するなど、その根拠を明確にすること。また、随意契約においては、値引き交渉は行われるものの、競争入札のような価格の競争性が働かないため市場価格の調査や事業に対する経費の妥当性の検証など、積算の妥当性や価格の合理性、適正性を確保できるよう十分に検討すること。
なお、同種の業務を入札で行っている場合で、入札による落札率と本号による随意契約の設計金額に対する契約金額の割合が大きく異なる場合には、積算方法の見直し等を行い、契約金額の適正性を確保すること。
5 見積りの依頼
(1)見積書の徴取について
随意契約のために見積りを依頼しようとするときは、特別の事情がない限り、電子見積合せの場合は、「大阪府電子見積合せ心得」を、これ以外の場合は、「大阪府随意契約見積心得」を見積参加者に遵守させなければならない。
(2)電子メールによる見積書の徴取について
電子メールにより徴する見積書は、PDFなど改ざんできないデータとし、その電子メールについては行政文書として保管すること。
(3)比較見積について
随意契約を行うにあたっては、 原則として2人以上の者から見積書を徴さなければならないが、比較見積りを行うことが困難なもの、比較見積りによる効果が期待できないもの等については、以下のアからスのとおり、比較見積りを省略することができる。(運用 62 条関係第2項)
比較見積りの省略を行う場合は、必要性や妥当性について十分検討し、伺書に省略理由の明記、もしくは見積書省略理由書を附すること。
ア 特定の者でなければ履行できないもの
イ 同一の品質、規格、仕様等で業者により価格が異ならないもの
ウ 修理、修繕の箇所を特定するために分解等が必要になるもの又は修理工場等に持ち込む必要があるもの
エ 式典等に使用する生花オ 生鮮品、生物又は種苗
カ 学校等における教科固有の教材(教材として購入するほか購入する見込みがない物品で、授業等で使用することにより費消するものをいう。)の購入であり、比較見積を徴するこ とが特に困難なもので、1件の代金が 10 万円以下のもの
キ 扶助にかかる給食の材料で価格の比較を行ういとまがないもの又は日ごとに価格が変動する生鮮食料品等で適正な比較見積りができないもの
ク 扶助にかかる物品購入(前号に定める給食の材料を除く。)で価格の比較を行ういとまがないもの
ケ 天災地変、感染症の流行その他の客観的理由の急迫を要する場合にかかる契約で、価格の比較を行ういとまがないもの
コ 修理、修繕その他の対応で、直ちに機能の回復又は危険物の除去等の対応を行わなければ安全性や業務に支障をきたすもの
サ 当該施行箇所を見なければ価額を見積もることができない修理、修繕等で、1 件の費用が 10 万円以下のもの
シ 契約の相手方が原版を保有し、増刷するもの
ス 再度の入札又は電子見積合せに付し落札者又は採用者がないもの
〔注釈〕
★財務規則の運用第 62 条関係第2項第3号及び同項第 11 号について
第3号:第3号については、2者以上から見積書を徴することが困難である場合に、比較見積りが省略できるもので、以下の2つの事由が該当する。
① 見積りを行うにあたり、外見等から故障箇所や修理すべき範囲が特定できず、分解等の作業が必要な場合
② 自動車の修理、電気製品の修理等で、修理工場、修理センター等に持ち込まなければ見積りができない場合
第11号:第11号については、事業者が現場に赴き、対象となる施設、設備等を確認しなければ、見積ができないもので、かつ費用が少額(10万円以下)である場合は、見積りに係る事務処理負担、作業費等の発生等から、比較見積りによる効果が期待できないものについて、省略できることとする。
★財務規則の運用第 62 条関係第2項第 10 号について
第 10 号:第 10 号については、直ちに発注(契約)しないと、府民、施設利用者や職員の安全性が確保できない場合や業務に支障が出る場合に比較見積りを省略することができることとする。
例示
・庁舎のドアが破損し、通行するのに危険が生じているとき。
・受付カウンターの破損や照明設備の故障などにより、事務処理に支障が生じているとき。
・敷地内にスズメバチが巣を作っている、倒木や落石が起こったとき等危険が生じているとき。
(4)見積書徴取に代えることのできる記録方法について
1件が 10 万円以下のもので、見積書徴取に代えて、電話、ウェブページ等により価格の見積りを取るときは、その状況を記録しておくこと。
(財務規則の運用第 62 条関係第3項)
取引の実例価格を考慮して、価額が適正と認められる1件の代金が 10 万円以下のものの購入、修理等に係るもの等については、電話、ファックス、電子メール及びウェブページ等により価額の見積りを取り、その状況を記録しておくことにより見積書の徴取に代えることができる。
(平成 23 年度定期監査の指摘 ― 記録する項目例)
・価格を確認した日
・商品名等
・価格
・確認の相手方
・大阪府の確認者氏名(電話、店頭確認の場合)
(5)xx支払基金等における比較見積の省略
小売店舗での物品購入、又は速やかに機能回復しないと業務に支障を及ぼすおそれのある物品、施設又は設備を修理修繕するため、xxの経費で現金支払する場合において、価格が適正と認められる1件の代金が1万円以下のときは、比較見積の徴取を省略することができる。xx支払基金の管理に関する規則及び同規則の運用、財務規則第 41 条(常用雑費)及び同規則の運用を参照 。
6 契約の相手方の制限
(1)発注機関の長は、大阪府入札参加停止要綱に基づく入札参加停止措置を受けている者を随意契約の相手方としてはならない。ただし、災害時の緊急・応急契約、特殊技術を要する契約を発注する場合で特にやむを得ない事由がある場合は、この限りでない。
(2)発注機関の長は、大阪府暴力団排除条例に基づく公共工事等からの暴力団の排除に係る措置に関する規則(令和2年大阪府規則第 61 号)第3条第1項に規定する入札参加除外者
(以下「入札参加除外者」という。)、同規則第9条第1項に規定する誓約書違反者(以下
「誓約書違反者」という。)、同規則第3条第1項各号のいずれか又は同条第2項に該当すると認められる者を随意契約の相手方としてはならない。
(3)発注機関の長は、随意契約の相手方が下請契約等を行う場合においても、(1)、(2)の本旨を踏まえ、入札参加停止措置中又は入札参加除外者、誓約書違反者若しくは暴力団密接関係者を契約の相手方としてはならない。
7 「大阪府暴力団排除条例に基づく公共工事等からの暴力団の排除に係る措置に関する規則」に基づく誓約書の徴取
発注機関の長は、元請負人に対し、大阪府暴力団排除条例に基づく公共工事等からの暴力団の排除に係る措置に関する規則(令和2年大阪府規則第 61 号)第8条に規定する誓約書を、公共工事等に係る契約を締結する前に提出するよう求めるものとし、誓約書を提出しない場合は、当該契約を締結しないものとする。ただし、規則第 65 条の規定により契約書の作成を省略する場合は、この限りでない。また、発注機関の長は、下請負人等に対し、元請負人を通じて、誓約書を、当該公共工事等における下請契約又は再委託契約を締結する前に提出するよう求めるものとする。元請負人及び下請負人は、誓約書を提出しない者と下請契約又は再委託契約を締
結してはならない。
8 公表
随意契約を締結したときは、次の各号により公表するものとする。このため、発注機関の長は、随意契約を採用した理由及び契約相手を選定した理由を明確に整理、記録しなければならない。
【建設工事】
(1)公表の対象
予定価格が 250 万円を超える建設工事
(2)公表の内容
① 案件の名称、場所、種別、概要
② 契約締結日、契約期間
③ 相手方の商号又は氏名及び住所
④ 契約金額
⑤ 随意契約の相手方を選定した理由
⑥ 見積参加者名及び見積金額
⑦ 発注機関連絡先
【物品・委託役務関係業務】
【測量・建設コンサルタント等業務】
(3)公表の対象
予定価格が 100 万円を超える委託役務契約(測量・建設コンサルタント等業務委託を含
む。物品の賃借については 80 万円超えるもの)及び予定価格が 160 万円を超える物品の購入契約
(4)公表の内容
① 案件の名称
② 契約締結日、契約期間
③ 相手方の商号又は氏名
④ 契約金額
⑤ 随意契約の相手方を選定した理由
⑥ 発注機関連絡先
【共通】
(5)公表期間
発注機関の長は、随意契約を締結したときは、速やかに公表を行うものとする。
公表は、少なくとも随意契約を締結した日の翌日から起算して1年が経過する日までの期間とする。
(6)公表の方法
公表は、ホームページによるものとし、「随意契約の相手方を選定した理由」等の詳細は、発注機関で閲覧等により対応する。
9 地方公営企業法の適用を受ける発注機関
地方公営企業法の適用を受ける発注機関にあっては、本ガイドラインで示している令第 167
条の2第1項の各号に替えて地方公営企業法施行令(昭和 27 年政令第 403 号)第 21 条の 14 第
1項の各号に読み替えるものとする。
また、規則及び運用の規定については、地方公営企業法(昭和 27 年法律第 292 号)第 10 条の規定に基づき制定された大阪府企業財務規則によるものとする。
10 公募型プロポーザル案件等
公募型プロポーザル方式など、調達にあたり採用する手法によって、本ガイドラインで定める事項以外に必要となる事務手続きについては、「大阪府公募型プロポーザル方式実施基準」など各手法に応じて定めるところによるものとする。
※公募型プロポーザル方式のxx性、透明性及び競争性を確保し、適正かつ円滑な運用を行うことを目的に、府の統一的な基準となる大阪府公募型プロポーザル方式実施基準を制定し、統一的な運用を実施
11 契約書の作成
契約締結にあたって、従前に使用していた契約書を参考とした場合、財務規則において記載が必要とされている事項や、暴力団に関する解除の条項などが欠落する可能性があるほか、近時の判例等を踏まえ表現を改定すべき事項が修正されないままとなるなど、不都合をきたす恐れがある。
そのため、契約を締結する場合は、必ず契約局のホームページを閲覧し、最新の契約書の標準例を参考として活用するよう留意すること。
また、規則第 65 条第1号により契約書の作成を省略できる「競争入札又は随意契約の方法に
より、契約金額が 150 万円を超えない契約を締結しようとするとき」において、関係法令で契約書の作成が規定されている契約では契約金額にかかわらず、契約書を作成しなければならない。
【契約書を省略できない契約の例】
・建設工事(建設業法第 19 条)
建設工事の定義については建設業許可事務ガイドライン(国土交通省)を参照のこと。
(xxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxxxxx/xxxxx/0_0_xx_000000.xxxx)
・産業廃棄物の処理については「収集運搬」と「処分」のそれぞれについて、契約金額にかかわらず、契約書を作成しなければならない(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第4号)。
附 則
(施行期日)
1 本ガイドラインは、平成 20 年5月 23 日から施行する。
(ガイドラインの廃止)
2 建設工事に係る随意契約ガイドライン(平成 19 年9月 20 日契一 2110 号)及び物品・委託
役務関係業務及び測量・建設コンサルタント等業務に係る随意契約ガイドライン(平成 19 年
12 月 28 日契二 1895 号)は、廃止する。附 x
xガイドラインは、平成 21 年6月 22 日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 22 年2月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 22 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 23 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 24 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 25 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 29 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、平成 30 年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、令和2年 12 月 25 日から施行する。附 x
xガイドラインは、令和3年4月1日から施行する。附 x
xガイドラインは、令和3年 10 月1日から施行する。
【資料】監査における随意契約関係指摘事項
「3 随意契約ができる場合(運用第 62 条関係第1項各号の解釈)」
(1)令第 167 条の2第1項第1号 関係
(平成 25 年度定期監査の指摘)
冊子作成業務を1号随意契約にて契約しているが、予定価格の決定に関する決裁がなく積算根拠が残っておらず、また、付録の作成を本体と別業務として発注しているが合理的な理由がなかった。
(平成 26 年度定期監査の指摘)
契約見込総額(予定価格)が 100 万円を超えている委託業務にもかかわらず、一般競争入札が行われていないものがあった。(外1件についても是正が求められている。)
(平成 28 年度定期監査の指摘)
灯油の購入に関して、過年度の購入実績を考慮すれば購入予定額が随意契約できる額を超え一般競争入札すべきであったのに、予定額を低く見積り1号随意契約をしていた。
(2)令第 167 条の2第1項第2号 関係
(平成 23 年度定期監査の指摘)
平成 15 年7月に電気事業法施行規則が改正され、保安管理業務を受託する者となれるのは、個人の
電気管理技術者及び経済産業大臣が指定する者だけに限定されていたが、平成 16 年1月からその限定がなくなり一般競争入札を実施すべきであったにも関わらず随意契約していた。
(平成 24 年度定期監査の指摘)
特定の受託業者の専門性を評価し2号随意契約として契約を締結しているが、当該事業が他の事業者では実施できないか調査を行うなどして、入札方式による契約の導入などを検討されたい。
(平成 25 年度定期監査の指摘)
2号随意契約として契約を締結している不法投棄及び清掃業務で、随意契約理由に合理性がなく、重要な部分について再委託がなされている案件があった。特殊な事情を考慮する必要性から認められた随意契約の趣旨に反するものであることから、契約の競争性及び透明性を図るため、一般競争入札による契約方法を採用することを検討されたい。
(平成 26 年度定期監査の指摘)
既に廃止された国からの通達を2号随意契約の理由とすることは不適切であり、改められたい。
(平成 27 年度定期監査の指摘)
特殊な機能を使用しない通常のウェブサイトの運用保守について、新規開発検討時において1者のみから見積書を徴した上、2号随意契約を締結し、次年度も引き続き同じ事業者と随意契約している。複数業者に対するヒアリング、見積書徴取等を通じて、調達への参加の可能性について十分な検討を行った上で、適切な調達を選択されたい。
(平成 27 年度定期監査の指摘)
平成 24 年度(事業開始初年度)事業に公募プロポーザルにより選定した後、平成 25 年度・26 年度は、
公募を行わず、平成 24 年度事業の受託者と、地方自治法施行令第 167 条の2第1項第2号を根拠に、随意契約で委託契約を締結している案件があった。
その理由として、「3カ年の事業計画と定めた本事業の目標の実現を図るためには、計画的かつ継続的に取組みを推進することが肝要であること」「平成 24 年度(平成 24 年度、25 年度)における仕様内
容を誠実に履行していること」を挙げているが、この理由では、地方自治法施行令第 167 条の2第1項第2号に該当しない。単年度契約で毎年度公募する方法や複数年契約を検討し、適正な事務処理を行われたい。
(5)令第 167 条の2第1項第6号 関係
(平成 23 年度定期監査の指摘)
6号随意契約を選択する場合には、競争入札に付した場合より安価になるかは不確定であるため、市場調査を行う等、慎重な決定が求められる。
「4 随意契約における予定価格の設定」 関係
(平成 23 年度定期監査の指摘)
随意契約では同じ相手先との一定の値引き交渉が行われるものの、xx、特定の相手先と契約していれば、価格の競争性が働かないおそれがある。したがって、随意契約においては、相手先の実績を確認して価格算定段階の積算と実績を比較することにより、積算見積りの妥当性・合理性や価格の適正性を検証すべきである。
(平成 23 年度包括外部監査の意見)
間接費の積算に当たって採用する率について、いくらが正しいのかといった是非を論ずることはできないが、(略)公益法人に対する委託においては、営利を目的とする企業に対する場合と同じ積算方法によるべきではない。営利の追求を基本目的とする民間業者とは異なる考え方を取り入れ、公益法人に適正な水準の契約金額とするよう、少なくとも部局内においては一致した価格の積算ルールを検討することが必要である。
(平成 24 年度定期監査の指摘)
予定価格が 100 万円を超えるものについては一般競争入札により、超えないものについては1号随意契約により契約が行われているが、一般競争入札の落札率の平均は 20%であるのに対して、1号随意契約の場合の設計金額に対する契約金額の割合の平均は 90%を超えており、両者は著しく乖離している。見積合せの方法や積算方法を見直すなどの改善が必要である。
「5 見積りの依頼」 関係
(平成 23 年度定期監査の指摘)
比較見積書を省略することができる場合に該当するのであれば、伺書に省略の理由を明記する等、後で説明責任を果たせるようにする必要があるが、この記載もなかった。
(平成 24 年度定期監査の指摘)
大阪府財務規則及び同規則の運用によれば、「特定の者でなければ履行できないもの」との随意契約について契約の相手方から見積書を徴取し、予定価格と対査して当該価格が適正であるかどうかを検討し、価格が適正と認められるものについては比較見積を省略することができるとされている。しかし、当該委託契約については予定価格を設定しておらず、契約価格が適正であるか検討されないまま、比較見積を省略していた。
(平成 24 年度定期監査の指摘)
電気工事において保安上の観点から、施設管理者の2者のいずれかによる施工が適当と判断したが、
1者のみから見積りを徴取し、財務規則に定める比較見積を徴取していなかった。
(平成 25 年度定期監査の指摘)
冊子作成業務において、試行版で作成した版下の著作権を府に帰属させていることから比較見積を徴すべきにもかかわらず、財務規則の運用第 62 条関係第2項第 12 号「契約の相手方が原版を保有し、増刷するもの」に該当すると判断し、比較見積を省略し試行版を作成した事業者と1号随意契約による発注が行われていた。
(平成 25 年度定期監査の指摘)
財務規則第 62 条及びその運用規定では、なるべく2人以上のものから見積書を徴さなければならないとされている。
取引の実例価格を考慮して、価額が適正と認められる1件の代金が 10 万円以下のものの購入、修理等に係るものについては、電話、ファックス、電子メール及びウェブページ等により価額の見積りを取り、その状況を記録しておくことにより見積書の徴取に代えることができるとされているが、契約金額が 10万円を超えるにもかかわらず、この取り扱いがなされており、1者については見積書を徴取したが、他
2者についてはウェブページ上の単価部分を印刷することにより見積りとし、正式の見積書を徴していなかった。(外3件についても是正が求められている。)
(平成 27 年度定期監査の指摘)
2者から見積書を徴取していたが、うち1者の見積書については、見積有効期限を経過していた。
(平成 27 年度定期監査の指摘)
消火器の処分に関する委託契約について、比較見積を徴するべきにもかかわらず、徴していなかった。
(会計事務ポータルサイトFAQ「財務会計(制度)」「処分関係」参照)
(平成 27 年度定期監査の指摘)
測定装置の保守点検業務の随意契約において、比較見積を省略する場合には伺書に省略理由を明記し
なければならないが、府が作成すべき理由書について、契約相手方が作成した理由書を添付していた。
(平成 28 年度定期監査の指摘)
業務委託の発注にあたり作成した仕様書と異なる内容の仕様で見積書を提出した業者と契約を締結していた。
「8 公表」 関係
(平成 27 年度定期監査の指摘)
予定価格が 100 万円を超える委託事業での随意契約において、相手方の選定理由等を公表する必要があるにもかかわらず、公表がなされていなかった。