Contract
建設工事標準下請契約約款
(総則)
第xx x請負人及び下請負人は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいい、その内容を変更した場合を含む。以下同じ。)を履行する。
2 この約款の各条項に基づく協議、承諾、通知、指示、請求等は、この約款に別に定めるもののほか原則として、書面により行う。
3 元請負人は、下請負人に対し、建設業法(昭和二十四年法律第百号)その他工事の施工、労働者の使用等に関する法令に基づき必要な指示、指導を行い、下請負人はこれに従う。
4 労働災害補償保険の加入は労働者の所属する請負人が行う。
(請負代金内訳書及び工程表)
第二条 下請負人は設計図書に基づく請負代金内訳書、工事計画書及び工程表を作成し、契約締結後速やかに元請負人に提出して、その承認を受ける。
2 請負代金内訳書には、健康保険、厚生年金保険及び雇用保険に係る法定福利費を明示するものとする。
(関連工事との調整)
第xx x請負人は、契約書記載の工事を含む元請工事を円滑に完成するため下請負人に対して指示を行う。この場合においてこの工事の内容を変更、又は施工の一時中止をしたときは、元請負人と下請負人とが協議して工期又は請負代金額を変更できる。
2 下請負人は緊密に連絡協調を図り、元請工事の円滑な完成に協力する。
(権利義務の譲渡)
第xx x請負人及び下請負人は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させることはできない。
2 元請負人及び下請負人は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約の目的物並びに工事材料及び建築設備の機器(いずれも製造工場等にある製品を含む。以下同じ。)を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供することはできない。
(関係事項の通知)
第五条 下請負人は、元請負人に対して、次の各号に掲げる事項を書面をもって通知する。一 現場代理人及びxx技術者の氏名
二 雇用管理責任者の氏名三 安全管理者の氏名
四 工事現場において使用する作業員数
五 工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法
六 その他元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事項
(下請負人の関係事項の通知)
第六条 下請負人がこの工事の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた場合、下請負人は、元請負人に対して、下請負人が元請負人に提出した内容(事項・資料・情報)を遅滞なく書面をもって通知する。
2 下請負人は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
(工事関係者に関する措置請求)
第xx x請負人は、現場代理人、xx技術者、その他下請負人が工事を施工するために使用している請負者、作業員等で、工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、下請負人に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
2 下請負人は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、元請負人に対してその理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
3 元請負人又は下請負人は、前二項の規定による請求があったときは、その請求に係る事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
(工事材料の品質及び検査)
第八条 工事材料につき設計図書にその品質が明示されていないものは、中等の品質を有するものとする。
2 下請負人は、工事材料については、使用前に監督員の検査に合格したものを使用する。
3 監督員は、下請負人から前項の検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ずる。
4 下請負人は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出しない。
5 下請負人は、前項の規定にかかわらず、検査の結果不合格と決定された工事材料については遅滞なく工事現場外に搬出する。
6 前四項の規定は、建設機械器具についても準用する。
(設計図書不適合の場合の改造義務)
第九条 下請負人は、工事の施工が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、これに従う。ただし、その不適合が監督員の指示による等元請負人の責めに帰すべき理由によるときは、改造に要する費用は元請負人が負担する。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して、工期を変更する。
(条件変更等)
第十条 下請負人は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、直ちに書面をもってその旨を監督員に通知し、その確認を求める。
一 設計図書と工事現場の状態とが一致しないこと。
二 設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が交互符合しないこと及び設計図書に誤謬又は脱漏があることを含む。)。
三 工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件が実際と相違すること。
四 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の確認を求められたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、直ちに調査を行い、その結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、その指示を含む。)を書面(又はそれに変わる電子情報処理組織)をもって下請負人に通知する。
3 第一項各号に掲げる事実が元請負人と下請負人との間において確認された場合において、必要があると認められるときは、設計図書を訂正し、又は工事内容、工期若しくは請負代金額を変更する。この場合において、工期又は請負代金額の変更については、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(工事の変更及び中止等)
第十一条 元請負人は、必要があると認めるときは、書面をもって下請負人に通知し、工事内容を変更し、又は工事の全部若しくは一部の施工を一時中止させることができる。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して、工期又は請負代金額を変更する。
2 工事用地等の確保ができない等のため又は天災その他の不可抗力により工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、下請負人が工事を施工できないと認められるときは、元請負人は、工事の全部又は一部の施工を中止させる。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して、工期又は請負代金額を変更する。
3 元請負人は、前二項の場合において、下請負人が工事の続行に備え工事現場を維持し、若しくは作業員、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、又は下請負人に損害を及ぼしたときは、その増加費用を負担し、又はその損害を賠償する。この場合における負担額又は賠償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(下請負人の請求による工期の延長)
第十二条 下請負人は、天候の不良等その責めに帰することができない理由その他の正当な理由により工期内に工事を完成することができないときは、元請負人に対して、遅滞
なくその理由を明らかにした書面をもって工期の延長を求めることができる。この場合における延長日数は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
2 前項の規定により工期を延長する場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して請負代金額を変更する。
(元請負人の請求による工期の短縮等)
第十三条 元請負人は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、下請負人に対して書面をもって工期の短縮を求めることができる。この場合における短縮日数は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
2 この約款の他の条項の規定により工期を延長すべき場合において、特別の理由があるときは、元請負人と下請負人とが協議の上通常必要とされる工期の延長を行わないことができる。
3 前二項の場合において、必要があると認められるときは、元請負人と下請負人とが協議して請負代金額を変更する。
(一般的損害)
第十四条 工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害(この契約において別に定める損害を除く。)は、下請負人の負担とする。ただし、その損害のうち元請負人の責めに帰すべき理由により生じたものについては、元請負人がこれを負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第十五条 この工事の施工について第三者(この工事に関係する他の工事の請負人等を含む。以下この条において同じ。)に損害を及ぼしたときは、下請負人がその損害を負担する。ただし、その損害のうち元請負人の責めに帰すべき理由により生じたもの及び工事の施工に伴い通常避けることができない事象により生じたものについては、この限りでない。
2 前項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、元請負人及び下請負人が協力してその処理解決に当たる。
(天災その他不可抗力による損害)
第十六条 天災その他不可抗力によって、工事の出来形部分、現場の工事仮設物、現場搬入済の工事材料又は建設機械器具(いずれも元請負人が確認したものに限る。)に損害を生じたときは、下請負人が善良な管理者の注意を怠ったことに基づく部分を除き、元請負人がこれを負担する。
2 損害額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、元請負人と下請負人とが協議して定める。
一 工事の出来形部分に関する損害
損害を受けた出来形部分に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
二 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
三 工事仮設物又は建設機械器具に関する損害
損害を受けた工事仮設物又は建設機械器具について、この工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における出来形部分に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
3 第一項の規定により、元請負人が損害を負担する場合において、保険その他損害をてん補するものがあるときは、その額を損害額から控除する。
4 天災その他の不可抗力によって生じた損害の取片付けに要する費用は、元請負人がこれを負担する。この場合における負担額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(検査及び引渡し)
第十七条 下請負人は、工事が完成したときは、その旨を書面(又はそれに変わる電子情報処理組織)をもって元請負人に通知する。
2 元請負人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく下請負人の立会いの上工事の完成を確認するための検査を行う。この場合、元請負人は、当該検査の結果を書面(またはそれに変わる電子ツール)をもって下請負人に通知する。
3 元請負人は、前項の検査によって工事の完成を確認した後、下請負人が書面をもって引渡しを申し出たときは、直ちに工事目的物の引渡しを受ける。
4 元請負人は、下請負人が前項の申出を行わないときは、請負代金の支払の完了と同時に工事目的物の引渡しを求めることができる。この場合においては、下請負人は、直ちにその引渡しをする。
5 下請負人は、工事が第二項の検査に合格しないときは、遅滞なくこれを修補して元請負人の検査を受ける。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前四項の規定を適用する。
6 下請負人が第三項の引渡しを申し出たにもかかわらず元請負人が受けないときは、引渡しまでに要する費用は元請負人が負担する。
(請負代金の支払方法及び時期)
第十八条 この契約に基づく請負代金の支払方法及び時期については、元請け人「新規取引先支払い条件書」に記載されて締結済みの支払条件による。
(瑕疵担保)
第十九条(a) 工事目的物に瑕疵があるときは、元請負人は、下請負人に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
2 前項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償を請求することができる期間は、引渡しを受けた日から元請け人の定めるアフター契約基準書に定める期間とする。
3 第一項の規定は、工事目的物の瑕疵が支給材料の性質又は元請負人若しくは監督員の指示等により生じたものであるときは、これを適用しない。
(履行遅滞の場合における損害金)
第二十条 下請負人の責めに帰すべき理由により工期内に工事を完成することができない場合において、工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、元請負人は、下請負人から損害金を徴収して工期を延長することができる。
2 前項の損害金の額は、請負代金額から出来形部分に相当する請負代金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、月50パーセントの割合で計算した額とする。
(元請負人の解除権)
第二十一条 元請負人は、下請負人が次の各号のいずれかに該当するときは、この契約を解除することができる。
一 正当な理由がないのに、工事に着手すべき時期を過ぎても、工事に着手しないとき。二 その責めに帰すべき理由により工期内又は工期経過後相当期間内に工事を完成する
見込がないと明らかに認められるとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、この契約に違反し、その違反によりこの契約の目的を達することができないと認められるとき。
2 元請負人は、前項の規定によりこの契約を解除したときは、工事の出来形部分及び部分払の対象となった工事材料の引渡しを受ける。ただし、その出来形部分が設計図書に適合しない場合は、その引渡しを受けないことができる。
3 元請負人は前項の引渡しを受けたときは、その引渡しを受けた出来形部分及び工事材料に相応する請負代金を下請負人に支払う。
4 前項の場合において、前払金があったときは、その前払金の額を同項の出来形部分及び工事材料に相応する請負代金額から控除する。
5 元請負人は、第一項の規定によりこの契約を解除した場合において、下請負人に対してその解除により生じた損害の賠償を求めることができる。この場合における賠償額は、元請負人と下請負人とが協議して定める。
(紛争の解決)
第二十二条 この約款の各条項において元請負人と下請負人とが協議して定めるものにつき協議が整わない場合その他この契約に関して元請負人と下請負人との間に紛争を生じた場合には、契約書記載の調停人又は建設業法による建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停により解決を図る。
(情報通信の技術を利用する方法)
第二十三条 この約款において書面により行わなければならないこととされている承諾、通知、請求等は、建設業法その他の法令に違反していない限りにおいて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。
(個人情報の取り扱い)
第二十四条 下請負人が元請負人から委託業務の遂行に際して知り得たお客様の個人情報を、元請負人が委託した業務の遂行のためにのみ使用するものとし、他の目的に供してはならない。
2 下請負人は発注者または元請負人から業務遂行のために開示、提供された当該個人情報が口頭によるもの又は資料によるもの何れであっても、当該個人情報の機密を保持し第三者に開示し又は漏洩してはならない
3 元請負人からの受託業務を下請負人の協力業者に再委託する場合、再委託先に対して当該個人情報が適正に取り扱われるよう、書面で情報機密保持契約を取り交わし、元請負人にすみやかに提出するとともに必要且つ適切な監督を行わなければならない
4 下請負人が当該内容に違反したことにより、裁判或いは損害賠償等の対応が必要となった場合、損害賠償を含む一切の費用を下請負人が負担するものとする
5 下請負人は、当該個人情報の取扱いに関し事件・事故が発生した際には、直ちにその内容を元請負人に報告するとともに、元請負人が指示した方法により、下請負人の費用と責任で必要な回復措置をとるものとする
(反社会的勢力の排除)
第二十五条 下請負人及びその取引先等が、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団その他反社会的勢力と認められる企業、組織及び個人等(以下、「反社会的勢力」という)と、直接または間接の関係を一切有してはならない。
2 取引先等が反社会的勢力との関係を有することについて新たな情報を得た場合には、直ちに反社会的勢力との関係解消の措置を講じるとともに、速やかに当該情報及び講じた措置を元請負人に書面で報告すること。
3 以上につき、下請負人が違反した場合には、契約の解除その他元請負人が行う一切の措置について異議がないもとする。
以上
第二十六条 この約款に定めのない事項については、必要に応じ元請負人と下請負人とが協議して定める。
〔別添〕
[裏面参照の上建設工事紛争審査会の仲裁に付することに合意する場合に使用する。]
仲 裁 合 意 書
工 事 名工事場所
平成 年 月 日に締結した上記建設工事の請負契約に関する紛争については、元請負人及び下請負人は、建設業法に規定する下記の建設工事紛争審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
管轄審査会名 建設工事紛争審査会
管轄審査会名が記入されていない場合は建設業法第二十五条の九第一項又は第二項に定める建設工事紛争審査会を管轄審査会とする。
平成 年 月 日
元請負人 印
下請負人 印
〔裏面〕
仲裁合意書について
(一) 仲裁合意について
仲裁合意とは、裁判所への訴訟に代えて、紛争の解決を仲裁人に委ねることを約する当事者間の契約である。
仲裁手続によってなされる仲裁判断は、裁判上の確定判決と同一の効力を有し、た とえその仲裁判断の内容に不服があっても、その内容を裁判所で争うことはできない。ただし、消費者である発注者は、請負者との間に成立した仲裁合意を解除すること
ができる。また、事業者の申立てによる仲裁手続の第一回口頭審理期日において、消費者(発注者)である当事者が出頭せず、又は解除権を放棄する旨の意思を明示しないときは、仲裁合意を解除したものとみなされる。
(二) 建設工事紛争審査会について
建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)は、建設工事の請負契約に関する紛争の解決を図るため建設業法に基づいて設置されており、同法の規定により、あっせん、調停及び仲裁を行う権限を有している。また、中央建設工事紛争審査会(以下
「中央審査会」という。)は、国土交通省に、都道府県建設工事紛争審査会(以下「都道府県審査会」という。)は各都道府県にそれぞれ設置されている。審査会の管轄は、原則として、下請負人が国土交通大臣の許可を受けた建設業者であるときは中央審査会、都道府県知事の許可を受けた建設業者であるときは当該都道府県審査会であるが、当事者の合意によって管轄審査会を定めることもできる。
審査会による仲裁は、三人の仲裁委員が行い、仲裁委員は、審査会の委員又は特別委員のうちから当事者が合意によって選定した者につき、審査会の会長が指名する。また、仲裁委員のうち少なくとも一人は、弁護士法の規定により弁護士となる資格を有する者である。
なお、審査会における仲裁手続は、建設業法に特別の定めがある場合を除き、仲裁法の規定が適用される。