Contract
別記第四号
役務請負契約基準
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第5 請負者は、業務の全部若しくはその主たる部分又は発注者が仕様書において指定した部分を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得
この基準は、役務に関する請負契約の一般的約定事項を定めるものである。
(総則)
第1 発注者及び請負者は、契約書及びこの契約基準に基づき、別冊の仕様書に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(契約書及びこの契約基準並びに仕様書を内容とする役務の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 請負者は、契約書記載の業務を契約書記載の履行期間内に完了し、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3 業務の実施方法その他業務を完了するために必要な一切の手段
(以下「業務方法等」という。)については、契約書及びこの契約基準並びに仕様書に特別の定めがある場合を除き、請負者がその責任において定める。
4 請負者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 契約書及びこの契約基準に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者請負者間で用いる言語は、日本語とする。
7 契約書及びこの契約基準に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
8 この契約の履行に関して発注者請負者間で用いる計量単位は、仕様書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第 51号)に定めるものとする。
9 契約書及びこの契約基準並びに仕様書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第 48号)の定めるところによるものとする。
10 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11 この契約に係る訴訟については、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所において行うものとする。
(関連業務との調整)
第2 発注者は、請負者の実施する業務及び発注者の発注に係る第三者の実施する他の業務が実施上密接に関連する場合において、必要があるときは、その実施につき、調整を行うものとする。この場合においては、請負者は、発注者の調整に従い、第三者の行う業務の円滑な実施に協力しなければならない。
(業務費内訳書の提出)
第3 請負者は、この契約締結後15日以内に仕様書に基づいて、業務費内訳書(以下「内訳書」という。)を作成し、発注者に提出しなければならない。ただし、発注者が、請負者に内訳書の提出を必要としない旨の通知をした場合は、この限りでない。
2 内訳書は、発注者及び請負者を拘束するものではない。
(権利義務の譲渡等)
第4 請負者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 請負者が部分払等によってもなおこの契約の履行に必要な資金が不足することを疎明したときは、発注者は、特段の理由がある場合を除き、請負者の請負代金債権の譲渡について、第1項ただし書の承諾をしなければならない。
3 請負者は、前項の規定により、第1項ただし書の承諾を受けた場合は、請負代金債権の譲渡により得た資金をこの契約の履行以外に使用してはならず、またその使途を疎明する書類を発注者に提出しなければならない。
た場合は、この限りでない。
(下請負人の通知)
第6 発注者は、請負者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
(特許xxの使用)
第7 請負者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許xx」という。)の対象となっている業務方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその業務方法等を指定した場合において、仕様書に特許xxの対象である旨の明示がなく、かつ、請負者がその存在を知らなかったときは、発注者は、請負者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督職員)
第8 発注者は、必要がある場合は、監督職員を置き、業務を実施する場所へ派遣して業務の実施について監督をさせることができる。
2 発注者は、前項の監督職員を置いたときは、その氏名を請負者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
3 監督職員は、この契約基準に定めるもの及びこの契約基準に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、仕様書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
① この契約の履行についての請負者又は請負者の業務責任者に対する指示、承諾又は協議
② 仕様書に基づく業務の管理及び立会い
4 発注者は、監督職員に契約書及びこの契約基準に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては、当該委任した権限の内容を、請負者に通知しなければならない。
5 発注者が監督職員を置いたときは、契約書及びこの契約基準に 定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、 仕様書に定めるものを除き、監督職員を経由して行うものとする。この場合においては、監督職員に到達した日をもって発注者に到 達したものとみなす。
6 発注者が監督職員を置かないときは、契約書及びこの契約基準に定める監督職員の権限は、発注者に帰属する。
(業務責任者)
第9 請負者は、仕様書に定めるところにより業務の管理を行う責任者(以下「業務責任者」という。)を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。業務責任者を変更した場合も同様とする。
2 業務責任者は、この契約の履行に関し、業務の管理及び統轄を行うほか、第11第1項の請求の受理、第11第2項の決定及び通知、第11第3項の請求、第11第4項の通知の受理、仕様書の訂正又は変更、履行期間の変更、請負代金額の変更、請負代金額の請求及び受領、賠償金等(賠償金、損害金又は違約金をいう。以下同じ。)の請求及び受領並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく請負者の一切の権限を行使することができる。
3 請負者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち 業務責任者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
(履行報告)
第10 請負者は、仕様書に定めるところにより、この契約の履行に
ついて発注者に報告しなければならない。
(業務責任者等に対する措置請求)
第11 発注者は、業務責任者、請負者の使用人又は請負者から業務の一部を委任され、若しくは請け負った第三者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは、請負者に対してその理由を明示した書面により必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 請負者は、前項の規定により請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に発注者に通知しなければならない。
3 請負者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対してその理由を明示した書面により必要な措置をとるべきことを請求することができる。
4 発注者は、前項の規定により請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に請負者に通知しなければならない。
(貸与品等)
第12 発注者が請負者に貸与し、又は支給する業務に必要な物品等
(以下「貸与品等」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、仕様書に定めるところによる。
2 請負者は、貸与品等の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7 日以内に、発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
3 請負者は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
4 請負者は、仕様書に定めるところにより、業務の完了、仕様書の変更等によって不用となった貸与品等を発注者に返還しなければならない。
5 請負者は、故意又は過失により貸与品等が滅失若しくはき損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
6 請負者は、貸与品等の使用方法が仕様書に明示されていないときは、発注者の指示に従わなければならない。
(仕様書不適合の場合の履行義務)
第13 請負者は、業務の実施内容が仕様書に適合しない場合において、発注者がその履行を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が発注者の責めに帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは履行期間若しくは請負代金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(仕様書の変更)
第14 発注者は、必要があると認めるときは、仕様書の変更内容を請負者に通知して、仕様書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、履行期間若しくは請負代金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(業務の中止)
第15 発注者は、必要があると認めるときは、業務の中止内容を請負者に通知して、業務の全部又は一部の実施を一時中止させることができる。
2 発注者は、前項の規定により業務を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは、履行期間若しくは請負代金額を変更し、又は請負者が業務の続行に備えるための費用その他業務の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは請負者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(適正な履行期間の設定)
第16 発注者は、履行期間の延長又は短縮を行うときは、この業務
に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう考慮しなければならない。
(請負者の請求による履行期間の延長)
第17 請負者は、天候の不良、第2の規定に基づく関連業務の調整への協力その他請負者の責めに帰すことができない事由により履行期間内に業務を完了することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に履行期間の延長変更を請求することができる。
(発注者の請求による履行期間の短縮)
第18 発注者は、特別の理由により履行期間を短縮する必要があるときは、履行期間の短縮変更を請負者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(履行期間の変更方法)
第19 履行期間の変更については、発注者請負者間において協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が請負者の意見を聴いて定め、請負者に通知するものとする。ただし、発注者が履行期間の変更事由が生じた日(第17の場合にあっては、発注者が履行期間変更の請求を受けた日、第18の場合にあっては、請負者が履行期間変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、請負者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(請負代金額の変更方法等)
第20 請負代金額の変更については、発注者請負者間において協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が請負者の意見を聴いて定め、請負者に通知するものとする。ただし、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、請負者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 契約書及びこの契約基準の規定により、請負者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者請負者間において協議して定める。
(臨機の措置)
第21 請負者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、請負者は、あらかじめ監督職員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、請負者は、そのとった措置の内容を監督職員に直ちに通知しなければならない。
3 監督職員は、災害防止その他業務の実施上特に必要があると認めるときは、請負者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 請負者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、請負者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者がその費用を負担する。
(一般的損害)
第22 業務の完了前に、この契約の履行について生じた損害(第2項、第23第1項又は第2項に規定する損害を除く。)については、請負者がその費用を負担する。ただし、その損害(契約書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分は除く。)
のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 契約書及びこの契約基準に特別の定めがある場合を除き、業務の実施について発注者に直接損害を及ぼしたときは、請負者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(契約書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分は除く。)のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第23 業務の実施について第三者に損害を及ぼしたときは、請負者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(契約書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分は除く。以下第23において同じ。)のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、業務の実施に伴い通常避けることができない騒音、振動等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち業務の実施につき請負者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、請負者が負担する。
3 前2項の場合その他業務の実施について第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者及び請負者は協力してその処理解決に当たるものとする。
(検査)
第24 請負者は、業務が完了したときは、その旨を業務完了通知書により発注者に通知しなければならない。
2 発注者又は発注者が検査を行う者として定めた職員(以下「検査職員」という。)は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から10日以内に請負者の立会いの上、仕様書に定めるところにより、業務の完了を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を請負者に通知しなければならない。
3 前項の場合において、検査に直接要する費用は、請負者の負担とする。
4 請負者は、第2項の検査に合格しないときは、直ちに履行して発注者又は検査職員の検査を受けなければならない。この場合においては、履行の完了を業務の完了とみなし、前3項の規定を適用する。
(請負代金の支払)
第25 請負者は、第24第2項(第24第4項後段の規定により適用される場合を含む。第3項において同じ。)の検査に合格したときは、役務請負代金請求書により請負代金の支払を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から30日以内に請負代金を支払わなければならない。
3 発注者がその責めに帰すべき事由により第24第2項の期間内に検査をしないときは、その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数は、前項の期間(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。この場合において、その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
(部分払)
第26 請負者は、業務の完了前に、性質上可分の完了部分については当該完了部分に相応する請負代金相当額の全額について、性質上不可分の出来形部分については当該出来形部分に相応する請負代金相当額の10分の9以内の額について、それぞれ次項以下に定めるところにより部分払を請求することができる。
2 請負者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る完了部分又は出来形部分の確認を発注者に請求しなければならない。
3 発注者は、前項の場合において、当該請求を受けた日から10日
以内に、請負者の立会いの上、仕様書に定めるところにより、同項の確認をするための検査を行い、当該確認の結果を請負者に通知しなければならない。
4 前項の場合において、検査に直接要する費用は、請負者の負担とする。
5 請負者は、第3項の規定による確認があったときは、役務請負代金部分払請求書により部分払を請求することができる。この場合においては、発注者は、当該請求を受けた日から30日以内に部分払金を支払わなければならない。
6 部分払金の額は、性質上可分の完了部分については第3項に規定する検査において確認した完了部分に相応する請負代金相当額の全額とし、性質上不可分の出来形部分については次の式により算定する。この場合において第1項の請負代金相当額は、発注者請負者間において協議して定める。ただし、発注者が前項の請求を受けた日から10日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
部分払金の額≦第1項の請負代金相当額×9/10
7 第5項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項及び前項中「請負代金相当額」とあるのは「請負代金相当額から既に部分払の対象となった請負代金相当額を控除した額」とするものとする。
(契約不適合責任)
第27 発注者は、請負者が完了した業務に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、請負者に対し、業務の履行の追完を請求することができる。
2 前項の場合において、請負者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
① 履行の追完が不能であるとき。
② 請負者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
③ 請負の業務の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、請負者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
④ 前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(契約保証金)
第28 請負者は、契約保証金を納付した契約において、請負代金額の増額の変更をした場合は、増加後における総請負代金額(単価による契約においては、増加後における予定金額の総額)に対する所要の契約保証金額と既納の契約保証金額との差額に相当するものを追加契約保証金として、発注者の指示に従い、直ちに納付しなければならない。
2 請負者が契約事項を履行しなかった場合において、契約保証金を納付しているときは、当該契約保証金は、発注者に帰属するものとする。
(発注者の催告による解除権)
第29 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
① 第4第3項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
② 正当な理由なく、業務に着手すべき期日を過ぎても業務に着手しないとき。
③ 履行期間内又は履行期間経過後相当の期間内に業務を完了する見込みがないと認められるとき。
④ 業務責任者を配置しなかったとき。
⑤ 正当な理由なく、第27第1項の履行がなされないとき。
⑥ 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第30 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
① 第4第1項の規定に違反して請負代金債権を譲渡したとき。
② 第4第3項の規定に違反して譲渡により得た資金を当該業務の履行以外に使用したとき。
③ この契約の業務を完了させることができないことが明らかであるとき。
④ 請負者がこの契約の業務の完了の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
⑤ 請負者の債務の一部の履行が不能である場合又は請負者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
⑥ 契約の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、請負者が履行をしないでその時期を経過したとき。
⑦ 前各号に掲げる場合のほか、請負者がその債務の履行をせず、発注者が第29の催告をしても契約をした目的を達するのに足 りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
⑧ 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下第36において同じ。)又は暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下第36において同じ。)が経営に実質的に関与していると認められる者に請負代金債権を譲渡したとき。
⑨ 第33又は第34の規定によらないで契約の解除を申し出たとき。
⑩ 請負者が次のいずれかに該当するとき。
ア 役員等(請負者が個人である場合にはその者を、請負者が法人である場合にはその役員又はその支店若しくは常時役務請負契約を締結する事務所の代表者をいう。以下この号において同じ。)が暴力団員であると認められるとき。
イ 暴力団又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ウ 役員等が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
エ 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。
オ 役員等が暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
カ 下請契約又は材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方がアからオまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
キ 請負者が、アからオまでのいずれかに該当する者を下請契 約又は材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場 合(カに該当する場合を除く。)に、発注者が請負者に対し て当該契約の解除を求め、請負者がこれに従わなかったとき。
(発注者の任意解除権)
第31 発注者は、業務が完了するまでの間は、第29又は第30の規定
によるほか、必要があるときは、この契約を解除することができる。
2 発注者は、前項の規定によりこの契約を解除したことによって請負者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第32 第29各号又は第30各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、第29及び第30の規定による契約の解除をすることができない。
(請負者の催告による解除権)
第33 請負者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(請負者の催告によらない解除権)
第34 天災その他避けることの出来ない理由により、業務を完了することが不可能又は著しく困難となったときは、この契約を解除することができる。
(請負者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第35 第33又は第34に定める場合が請負者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、請負者は、第33又は第34の規定による契約の解除をすることができない。
(解除に伴う措置)
第36 発注者は、この契約が業務の完了前に解除された場合においては、業務の完了部分を検査の上、当該検査に合格した部分の業務を受けることができるものとし、当該業務を受けたときは、当該業務を受けた完了部分に相応する請負代金を請負者に支払わなければならない。
2 前項の場合において、検査に直接要する費用は、請負者の負担とする。
3 請負者は、この契約が業務の完了前に解除された場合において、貸与品等があるときは、当該貸与品を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品が請負者の故意又は過失により滅失又はき損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
4 第3項前段及び第4項前段に規定する請負者の取るべき措置の期限、方法等については、この契約の解除が第29、第30又は第37第 3項の規定によるときは発注者が定め、第31、第33又は第34の規
定によるときは、請負者が発注者の意見を聴いて定めるものとし、第3項後段及び第4項後段に規定する請負者のとるべき措置の期 限、方法等については、発注者が請負者の意見を聴いて定めるも のとする。
5 業務の完了後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び請負者が民法の規定に従って協議して決める。
(発注者の損害賠償請求等)
第37 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
① 履行期間内に業務を完了することができないとき。
② この契約の業務に契約不適合があるとき。
③ 第29又は第30の規定により、業務の完了後にこの契約が解除されたとき。
④ 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代え
て、請負者は、請負代金額(単価による契約においては、予定金額の総額)の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
① 第29又は第30の規定により、業務の完了前にこの契約が解除されたとき。
② 業務の完了前に、請負者がその債務の履行を拒否し、又は請負者の責めに帰すべき事由によって請負者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
① 請負者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
② 請負者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第百54号)の規定により選任された管財人
③ 請負者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして請負者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第1項第1号に該当し、発注者が損害の賠償を請求する場合の請求額は、請負代金額から第26の規定による部分払に係る請負代金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づく、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(以下「遅延利息率」という。)を乗じて計算した額を請求することができるものとする。
6 第2項の場合(第29第8号又は第10号の規定により、この契約が解除された場合を除く。)において、第28の規定により契約保証金の納付が行われているときは、発注者は、当該契約保証金をもって同項の違約金に充当することができる。
(談合等不正行為があった場合の違約金等)
第38 請負者は、この契約に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、請負代金額(単価による契約においては予定金額の総額とし、この契約締結後、請負代金額の変更があった場合には、変更後の請負代金額とする。)の10分の1に相当する額を違約金として発注者が指定する期日までに支払わなければならない。
① 請負者が私的独占の禁止及びxx取引の確保に関する法律
(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条又は第19条の規定に違反し、又は請負者が構成員である事業者団体が同法第8条第1号の規定に違反したことによりxx取引委員会が請負者又は請負者が構成員である事業者団体に対して、同法第49条に規定する排除措置命令又は同法第62条第1項に規定する納付命令を行い、当該命令が確定したとき。ただし、請負者が同法第19条の規定に違反した場合であって当該違反行為が同法第2条第9項の規定に基づく不xxな取引方法(昭和57年xx取引委員会告示第15号)第6項に規定する不当廉売の場合など発注者に金銭的損害が生じない行為として請負者がこれを証明し、その証明を発注者が認めたときは、この限りでない。
② xx取引委員会が、請負者に対して独占禁止法第7条の4第7項又は第7条の7第3項の規定による課徴金の納付を命じない旨の通知を行ったとき。
③ 請負者(請負者が法人の場合にあっては、その役員又は使用人)が刑法(明治40年法律第45号)第96条の6又は独占禁止法第 89条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定による刑が確定したとき。
2 請負者は、この契約に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、請負代金額の10分の1に相当する額のほか、請負代金額
の100分の5に相当する額を違約金として発注者が指定する期日までに支払わなければならない。
① 前項第1号に規定する確定した納付命令における課徴金について、独占禁止法第7条の3第2項又は第3項の規定の適用があるとき。
② 前項第1号に規定する確定した納付命令若しくは排除措置命令又は同項第3号に規定する刑に係る確定判決において、請負者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
③ 前項第2号に規定する通知に係る事件において、請負者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
3 請負者は、契約の履行を理由として第1項及び第2項の違約金を免れることができない。
4 第1項及び第2項の規定は、発注者に生じた実際の損害の額が違約金の額を超過する場合において、発注者がその超過分の損害につき賠償を請求することを妨げない。
5 請負者はこの契約に関して、第1項又は第2項の各号のいずれかに該当することとなった場合には、速やかに、当該処分等に係る関係書類を発注者に提出しなければならない。
(請負者の損害賠償請求等)
第39 請負者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
① 第33又は第34の規定によりこの契約が解除されたとき。
② 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 第23第2項の規定による請負代金の支払が遅れた場合においては、請負者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、遅延利息率を乗じて計算した額の遅延利息の支払を発注者に請求することができる。
(契約不適合責任期間等)
第40 発注者は、業務に契約不適合があることを知った時から1年以内にその旨を請負者に通知しないときは、発注者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。ただし、請負者が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の通知は、不適合の種類やおおよその範囲を通知する。
3 発注者は、第1項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
4 前3項の規定は、契約不適合が請負者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用しない。この場合において契約不適合に関する請負者の責任は、民法の定めるところによる。
5 完了した業務の契約不適合が発注者の指図により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、請負者がその指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(賠償金等の徴収)
第41 請負者がこの契約に基づく賠償金等を発注者の指定する期間内に支払わないときは、発注者は、その支払わない額に発注者の指定する期間を経過した日から請負代金額支払の日まで年3パーセントの割合で計算した利息を付した額と、発注者の支払うべき請負代金額とを相殺し、なお不足があるときは追徴する。
2 前項の追徴をする場合には、発注者は、請負者から遅延日数につき年3パーセントの割合で計算した額の延滞金を徴収する。
(現金等の取扱い)
第42 請負者は、仕様書に定めるところにより取り扱う現金等の資産(以下「現金等」という。)について、善良なる管理者の注意をもって取り扱う義務を負うものとする。
2 請負者は、現金等の減失、不足の防止その他の現金の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
3 発注者は、必要があると認めるときは、業務の現場において、現金等の管理が適切に行われているか等について調査をし、請負者に対し必要な指示をすることができる。
4 請負者は、現金等について滅失、不足等が発生したときは、発注者に速やかに報告し、その指示に従わなければならない。
5 前項における現金等の減失、不足等については、請負者がその損害を賠償しなければならない。ただし、請負者がその責に帰すべからざることを立証したときは、この限りでない。
(個人情報の取扱い)
第43 請負者は、発注者から預託を受けた個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述又は個人別に付された番号、記号その他の符号により当該個人を識別できるもの(当該情報のみでは識別できないが、他の情報と容易に照会することができ、それにより当該個人を識別できるものを含む。)をいう。以下同じ。)について、善良なる管理者の注意をもって取り扱う義務を負うものとする。
2 請負者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、事前に発注者の承認を得た場合は、この限りでない。
① 発注者から預託を受けた個人情報を第三者に預託若しくは提供し、又はその内容を知らせること。
② 発注者から預託を受けた個人情報について、この契約の目的の範囲を超えて使用し、複製し、又は改変すること。
3 請負者は、発注者から預託を受けた個人情報の漏洩、滅失、き損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
4 発注者は、必要があると認めるときは、業務の現場及び請負者の事務所等において、発注者が預託した個人情報の管理が適切に行われているか等について調査をし、請負者に対し必要な指示をすることができる。請負者は、発注者からその調査及び指示を受けた場合には、発注者に協力するとともにその指示に従わなければならない。
5 この業務が完了したとき又はこの契約が解除されたときは、請負者は、発注者から預託を受けた個人情報を、速やかに発注者に返還しなければならない。ただし、発注者が別に指示したときは、その指示によるものとする。
6 請負者は、発注者から預託を受けた個人情報について漏洩、滅失、き損及び第2項に係る違反等が発生したときは、発注者に速やかに報告し、その指示に従わなければならない。
7 第1項及び第2項の規定については、この業務を完了し、又はこの契約が解除された後であっても、なおその効力を有するものとする。
8 請負者は、本業務の遂行上、個人情報の取扱いの全部又は一部を第三者(以下「再委託先」という。)に委託(以下「再委託」という。)する場合(再委託先が委託先の子会社(会社法(平成 17年法律第86号)に規定する子会社をいう。)である場合も含む。以下同じ。)には、発注者に対し、再委託する旨、再委託先の名称及び住所を事前に書面により通知し、発注者の書面による許諾を得るものとする。
9 請負者は、再委託する場合、再委託先に対して、この条に定める安全管理措置その他のこの契約に定める個人情報の取扱いに関する請負者の義務と同等の義務を課すとともに、必要かつ適切な監督を行わなければならない。
(補則)
第44 この契約基準に定めのない事項は、必要に応じて発注者請負者間において協議して定める。