Contract
令和3年3月22日青森市公告第67号
( 令和3年4月1日実施 )
青森市工事請負契約標準約款
(総則)
第1条 発注者及び受注者は、この契約を履行するに当たり、この約款に基づき、別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑回答書(以下「設計図書」という。)に従い、日本国の法令を遵守しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を工期(この契約の締結の翌日(この契約の履行に関して他に定めがある場合にあっては、その定められた日)から契約書記載の期限までの期間をいう。以下同じ。)内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、契約書記載の金額をその請負代金として支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この約款及び設計図書に特別の定めがあるものを除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
7 この約款に定める金銭の支払いに用いる通貨は、日本円とする。
8 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
9 この約款及び設計図書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)に定めるところによるものとする。
10 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11 この契約に係る訴訟については、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
12 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づくすべての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づくすべての行為は、当該企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなし、また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づくすべての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(関連工事の調整)
第2条 発注者は、受注者の施工する工事及び発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工について、調整を行うものとする。この場合において、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
(請負代金内訳書及び施工計画書等)
第3条(A) 受注者は、この契約締結後10日以内に設計図書に基づいて、請負代金内訳書(以下「内訳書」という。)及び施工計画書を作成し、発注者に提出し、その承認を受けなければならない。
2 受注者は、工事着手前に着工届を発注者に提出しなければならない。
3 内訳書及び施工計画書は、この約款の他の条項において定める場合を除き、発注者及び受注者を拘束するものではない。
(施工計画書等)
第3条(B) 受注者は、この契約締結後10日以内に設計図書に基づいて施工計画書を作成し、発注者に提出しなければならない。
2 受注者は、工事着手前に着工届を発注者に提出しなければならない。
3 施工計画書は、この約款の他の条項において定める場合を除き、発注者及び受注者を拘束するものではない。
(契約の保証)
第4条(A) 受注者は、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし、第5号に掲げる保証の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保険証券を発注者に寄託しなければならない。
⑴ 契約保証金の納付
⑵ 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
⑶ この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払いを保証する銀行若しくは発注者が確実と認める金融機関又は保証事業会社(公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社をいう。以下同じ。)の保証
⑷ この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
⑸ この契約による債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額は、請負代金額の100分の10以上としなければならない。
3 受注者が第1項第3号から第5号までのいずれかに掲げる保証を付す場合は、当該保証は第
45条第3項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第1項の規定により、受注者が同項第2号又は第3号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われるものとし、同項第4号又は第5号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 請負代金額の変更があった場合には、契約保証金の額(契約保証金に代わる担保が提供されているときは、当該担保の価値)又は第2項の保証金額若しくは保険金額(以下「契約保証金の額等」という。)が変更後の請負代金額の100分の10に達するまで、発注者は、契約保証金の額等の増額を請求することができ、受注者は、契約保証金の額等の減額を請求することができる。
第4条(B) 受注者は、この契約の締結と同時に、この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証(引き渡した工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下この項において「契約不適合」という。)である場合において当該契約不適合を保証する特約を付したものに限る。)を付さなければならない。
2 前項の保証に係る保証金額(以下「保証金額」という。)は、請負代金額の100分の30以上としなければならない。
3 第1項の規定により受注者が付す保証は、第45条第3項各号に規定する契約の解除による場合についても保証するものでなければならない。
4 請負代金額の変更があった場合には、保証金額が変更後の請負代金額の100分の30に達するまで、発注者は、保証金額の増額を請求することができ、受注者は、保証金額の減額を請求することができる。
(権利義務の譲渡等)
第5条 受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 受注者は、工事目的物並びに工事材料(工場製品を含む。以下同じ。)のうち第13条第2項の規定による検査に合格したもの及び第37条第4項の規定による部分払のための確認の通知を受けたものを第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供してはなら
ない。ただし、あらかじめ発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第6条 受注者は、工事の全部若しくは主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
(下請負人に係る報告)
第7条 発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項について報告を求めることができる。
(受注者の契約の相手方となる下請負人の健康保険等加入義務等)
第7条の2 受注者は、次の各号に掲げる届出をしていない建設業者(当該届出の義務がない建設業者を除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。)を下請契約(受注者が直接締結する下請契約に限る。次項において同じ。)の相手方としてはならない。
⑴ 健康保険法(大正11年法律第70号)第48条の規定による届出
⑵ 厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第27条の規定による届出
⑶ 雇用保険法(昭和49年法律第116号)第7条の規定による届出
2 前項の規定にかかわらず、受注者は、社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結しなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると発注者が認める場合は、社会保険等未加入建設業者を下請契約の相手方とすることができる。この場合において、受注者は、発注者の指定する期間内に、当該社会保険等未加入建設業者が同項各号に掲げる届出をし、当該事実を確認することのできる書類を発注者に提出しなければならない。
(特許xxの使用)
第8条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許xx」という。)の対象となっている工事材料、施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許xxの対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督員)
第9条 発注者は、監督員を置いたときは、その氏名を受注者に通知するものとする。監督員を変更したときも、同様とする。
2 監督員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく発注者の権限とされる事 項のうち発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計図書で定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
⑴ 工事の施工に立ち会い、設計図書に基づき工程を管理し、工事の施工の状況を検査し、又は受注者若しくは受注者の現場代理人に対して、指示、承諾若しくは協議を行うこと。
⑵ 設計図書に基づき工事の施工のために必要な細部設計図、原寸図等を作成して交付し、又は受注者の作成する細部設計図、原寸図等を検査して承諾を与えること。
⑶ 工事材料を試験し、又は検査(確認を含む。)すること。
3 発注者が監督員(主担)及び監督員(副担)の2名の監督員を置いたとき、前項に規定する監督員の権限は、監督員(主担)の権限とし、監督員(副担)は、監督員(主担)が事故又は不在のとき、その権限を代行することができる。
4 発注者は、前項の規定によるほか2名以上の監督員を置き、第2項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を、監督員にこの約款に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、受注者に通知するものとする。
分担を変更したときも、同様とする。
5 第2項の規定に基づく監督員の指示又は承諾は、原則として、書面によりこれを行わなければならない。
6 発注者が監督員を置いたときは、この約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、設計図書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。この場合においては、監督員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
7 発注者が監督員を置かないときは、この約款に定める監督員の権限は、発注者に帰属する。
(現場代理人及びxx技術者等)
第10条 受注者は、次に掲げる者を定めて工事現場に設置し、設計図書に定めるところにより、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも、同様とする。
⑴ 現場代理人
⑵ xx技術者(建設業法(昭和24年法律第100号)第26条第2項の規定に該当する場合は、監理技術者(同条第3項ただし書の規定により監理技術者補佐(監理技術者の行うべき同法第26条の4第1項に規定する職務を補佐する者をいう。以下同じ。)を置く場合にあっては、監理技術者及び監理技術者補佐)。以下同じ。)
⑶ 専門技術者(建設業法第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)
2 前項第2号において、建設業法第26条第3項の規定に該当する場合は、専任とする。ただし、監理技術者補佐を置く場合は除く。
3 現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営及び取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、第12条第1項の規定による請求の受理、同条第3項の規定による決定及び通知、同条第4項の規定による請求、同条第5項の規定による通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
4 発注者は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
5 受注者は、第3項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
6 現場代理人、xx技術者及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
(履行報告)
第11条 受注者は、設計図書で定めるところにより、この契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(工事関係者に関する措置請求)
第12条 発注者は、現場代理人がその職務(現場代理人がxx技術者又は専門技術者を兼任する場合にあっては、これらの者の職務を含む。)の執行について著しく不適当と認められるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を取るべきことを請求することができる。
2 発注者又は監督員は、xx技術者、専門技術者(これらの者と現場代理人を兼任する者を除く。)その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で工事の施工又は管理について著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
3 受注者は、前2項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を当該請求を受けた日から10日以内に発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、監督員がその職務の執行について著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
5 発注者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を当該請求を受けた日から10日以内に受注者に通知しなければならない。
(工事材料の品質及び検査等)
第13条 工事材料の品質は、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督員の検査(確認を含む。以下この条において同じ。)を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものでなければ使用してはならない。この場合において、当該検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 監督員は、受注者から前項の検査を請求されたときは、請求を受けた日から7日以内に応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けなければ工事現場外に搬出してはならない。
5 受注者は、前項の規定にかかわらず、第2項の検査の結果不合格と決定された工事材料については、当該決定を受けた日から7日以内に工事現場外に搬出しなければならない。
(監督員の立会い及び工事記録の整備等)
第14条 受注者は、設計図書において監督員の立会いの上調合し、又は調合について見本検査を受けるべきものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該見本検査に合格したものでなければ使用してはならない。
2 受注者は、設計図書において監督員の立会いの上施工すべきものと指定された工事については、当該立会いを受けなければ施工してはならない。
3 受注者は、前2項に規定するほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備すべきものと指定した工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書で定めるところにより、当該見本又は工事写真等の記録を整備し、監督員の請求があったときは、当該請求を受けた日から7日以内に提出しなければならない。
4 監督員は、受注者から第1項又は第2項の立会い又は見本検査を請求されたときは、当該請求を受けた日から7日以内に応じなければならない。
5 受注者は、監督員が正当な理由がなく前項の請求に応じないため、その後の工程に支障をきたすと認めるときは、第1項又は第2項の規定にかかわらず、監督員に通知した上、当該立会い又は見本検査を受けることなく、工事材料を調合して使用し、又は工事を施工することができる。この場合において、受注者は、当該工事材料の調合又は当該工事の施工を適切に行ったことを証する見本又は工事写真等の記録を整備し、監督員の請求があったときは、当該請求を受けた日から7日以内に提出しなければならない。
6 第1項、第3項又は前項の場合において、見本検査又は見本若しくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(支給材料及び貸与品)
第15条 発注者が受注者に支給する工事材料(以下「支給材料」という。)及び貸与する建設機械器具(以下「貸与品」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 監督員は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品を検査しなければならない。この場合において、当該検査の結果、その品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、受注者は、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、その日から7日以内に、発注者に
受領書又は借用書を提出しなければならない。
4 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に種類、品質又は数量に関しこの契約の内容に適合しないこと(第2項の検査により発見することが困難であったものに限る。)などがあり、当該支給材料又は貸与品を工事に使用することが適当でないと認めたときは、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
5 発注者は、受注者から第2項後段又は前項の規定による通知を受けた場合において、必要があると認められるときは、当該支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引き渡し、支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質若しくは規格若しくは性能を変更し、又は理由を明示した書面により、当該支給材料若しくは貸与品の使用を受注者に請求しなければならない。
6 発注者は、前項に規定する場合のほか、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7 発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8 受注者は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
9 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給材料又は貸与品を発注者に返還しなければならない。
10 受注者は、故意又は過失により支給材料若しくは貸与品が滅失し、若しくはき損し、又はこれらの返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
11 受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、監督員の指示に従わなければならない。
(工事用地の確保等)
第16条 発注者は、工事用地その他設計図書において定められた工事の施工上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を受注者が工事の施工上必要とする日(設計図書に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人が所有又は管理するこれらの物件を含む。以下この条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去するとともに、当該工事用地等を修復し、取り片付けて、発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分又は修復若しくは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は修復若しくは取片付けに要した費用を負担しなければならない。
5 第3項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定める。
(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)
第17条 受注者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督員の指示によるときその他発注者の責めに帰する理由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
2 監督員は、受注者が第13条第2項又は第14条第1項から第3項までの規定に違反した場
合において、必要があると認められるときは、工事の施工部分を破壊して検査することができる。
3 前項に規定するほか、監督員は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 前2項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(条件変更等)
第18条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、直ちにその旨を監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
⑴ 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
⑵ 設計図書に誤り又は脱漏があること。
⑶ 設計図書の表示が明確でないこと。
⑷ 工事現場の形状、地質、わき水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
⑸ 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき、又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いた上、前項の調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査を終了した日から14日以内に、その内容を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ受注者の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 第1項各号に掲げる事実が発注者と受注者との間において確認された場合において、必要があると認められるときは、発注者は、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。この場合において、工事目的物の変更を伴わない設計図書の変更をするときは、発注者は、受注者と協議するものとする。
5 前項の規定により、設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第19条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第20条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項に規定する場合のほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注
者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し、若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(著しく短い工期の禁止)
第20条の2 発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
(受注者の請求による工期の延長)
第21条 受注者は、天候の不良、第2条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰することができない理由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは工期を延長するとともに、その工期の延長が発注者の責めに帰する理由によるときは、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第22条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、受注者に工期の短縮を請求することができる。
2 発注者は、この約款の他の条項の規定により工期を延長すべき場合においても特別の理由があるときは、延長する工期について、通常必要とされる工期に満たない工期への変更を請求することができる。
3 発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工期の変更方法)
第23条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更理由が生じた日(第21条の場合にあっては、発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(請負代金額の変更方法)
第24条(A) 請負代金額の変更については、数量の増減が内訳書記載の数量の100分の20を超える場合、施工条件が異なる場合、内訳書に記載のない項目が生じた場合若しくは内訳書によることが不適当な場合で特別な理由がないとき又は内訳書が未だ承認を受けていない場合にあっては、変更時の価格を基礎として発注者と受注者とが協議して定め、その他の場合にあっては、内訳書記載の単価を基礎として定める。ただし、協議開始の日から7日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
第24条(B) 請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協
議開始の日から7日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、請負代金額の変更理由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 この契約書の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第25条 発注者又は受注者は、工期内でこの契約の締結の日から1年を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
2 発注者又は受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額(請負代金額から当該請求時の出来形部分に相応する請負代金額を控除した額をいう。以下この条において同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下この条において同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の1000分の15を超える額につき、請負代金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、
(A)内訳書及び物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。
(B)物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により請負代金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合において、同項中「この契約の締結の日」とあるのは「直前のこの条に基づく請負代金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定によるほか、請負代金額の変更を請求することができる。
6 予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、請負代金額の変更を請求することができる。
7 前2項の場合における請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
8 第3項及び前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知しなければならない。ただし、発注者が第1項、第5項又は第6項の規定による請求を行った日又は受けた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(臨機の措置)
第26条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、受注者は、あらかじめ監督員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、受注者は、そのとった措置の内容を直ちに監督員に通知しなければならない。
3 監督員は、災害防止その他工事の施工上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。この場合において、受注者は、直ちにこれに応じなければならない。
4 受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した
費用のうち、受注者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(一般的損害)
第27条 工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害(次条第1項若しくは第2項又は第29条第1項に規定する損害を除く。)については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(第48条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分(同項の規定により保険等を付すべき場合においてこれを付していないときは、当該保険等を付していたならば給付されるべきであった保険金の額を含む。)を除く。)のうち発注者の責めに帰する理由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害等)
第28条 工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第48条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分(同項の規定により保険等を付すべき場合においてこれを付していないときは、当該保険等を付していたならば給付されるべきであった保険金の額を含む。)を除く。以下この条において同じ。)のうち発注者の責めに帰する理由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその損害を負担しなければならない。ただし、工事の施工につき受注者が損害を防止するのに必要な措置等善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じた損害については、受注者が負担する。
3 発注者又は受注者が、第三者に対して損害を賠償する場合は、あらかじめ発注者と受注者とが協議するものとする。
4 第1項又は第2項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者と受注者とが協力してその処理解決に当たるものとする。
(不可抗力による損害)
第29条 工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)発注者と受注者のいずれの責めにも帰さないもの(以下この条において「不可抗力」という。)により、工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちにその状況を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに調査を行い、同項の損害(受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくもの及び第48条第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分(同項の規定により保険等を付すべき場合においてこれを付していないときは、当該保険等を付していたならば給付されるべきであった保険金の額を含む。)を除く。以下この条において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を受注者に通知しなければならない。
3 受注者は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害の負担を発注者に請求することができる。
4 発注者は、前項の規定による請求を受けたときは、当該損害の額(工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具であって第13条第2項、第14条第1項若しくは第2項又は第37条第5項の規定による検査、立会いその他受注者の工事に関する記録等により確認することができるものに係る額に限る。以下この条において「損害額」という。)及び当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額(以下この条において「損害合計額」という。)のうち請負代金額の100分の1を超える額を負担しなければならない。
5 損害額は、次の各号に掲げる損害について、それぞれ当該各号に定めるところにより算定する。この場合において、第3条(A)の規定により内訳書が承認を受けているときは、内訳書に基づくものとする。
⑴ 工事目的物に関する損害
損害を受けた工事目的物に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を控除した額とする。
⑵ 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料で通常妥当と認められるものに相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を控除した額とする。
⑶ 仮設物又は建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物又は建設機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における工事目的物に相応する償却費の額を控除した額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
6 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第2次以降の不可抗力による損害合計額の負担については、第4項中「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計」と、「当該損害の取片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取片付けに要する費用の額の累計」と、「請負代金額の100分の1を超える額」とあるのは「請負代金額(この条の規定による損害の負担に係る額が含まれているときは、当該額を控除した額とする。)の100分の1を超える額から既に負担した額を控除した額」として同項を適用する。
(請負代金額の変更に代える設計図書の変更)
第30条 発注者は、第8条、第15条、第17条から第22条まで、第25条から第27条まで、第29条又は第33条の規定により請負代金額を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、請負代金額の増額又は費用の負担の全部又は一部に代えて設計図書を変更することができる。この場合において、設計図書の変更内容は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知しなければならない。ただし、発注者が請負代金額を増額すべき理由又は費用を負担すべき理由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(検査及び引渡し)
第31条 受注者は、工事が完成したときは、その完成の日から5日以内に完成届により発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、その日から14日以内に受注者の立会いの上、設計図書の定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
4 受注者は、第2項前段の規定による通知を受けたときは、引渡書により当該工事目的物の引渡しをしなければならない。
5 受注者は、第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して発注者の検査を受けなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前各項の規定を適用する。
(請負代金の支払)
第32条 受注者は、前条第2項(同条第5項後段の規定により適用される場合を含む。)の検査に合格し、引渡しをしたときは、請負代金の支払いを請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求を受けたときは、その日から40日以内に請負代金を支払わなければならない。
(部分使用)
第33条 発注者は、第31条第4項の規定による引渡し前においても、工事目的物の全部又は一部を受注者の承諾を得て使用することができる。この場合において、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
2 発注者は、前項の規定により工事目的物の全部又は一部を使用したために受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(前金払及び中間前金払)
第34条 受注者は、保証事業会社と契約書記載の期限を保証期限とする公共工事の前払金保証 事業に関する法律第2条第5項に規定する保証契約(以下「前払金保証契約」という。)を締 結し、その保証証書を発注者に寄託して、請求書により請負代金額の10分の4以内(継続費 に係る契約にあっては、請負代金額の10分の4以内で各会計年度の支払限度額を超えない額)の前払金の支払いを発注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求を受けたときは、その日から14日以内に前払金を支払わなければならない。
3 受注者は、次の各号に掲げる要件に該当する場合に限り、第1項の規定による前払金の支払いを受けた後、請負代金額の10分の2以内(継続費に係る契約にあっては、請負代金額の1
0分の2以内で第1項に規定する前払金と合算して各会計年度の支払限度額を超えない額)の中間前払金の支払いを発注者に請求することができる。この場合において、受注者はあらかじめ当該前払金に関して保証事業会社と契約書記載の期限を保証期限とする保証契約を締結し、その保証証書を発注者に寄託しなければならない。
⑴ 工期の2分の1を経過していること。
⑵ 工程表により工期の2分の1を経過するまでに実施すべきものとされている当該工事に係る作業が行われていること。
⑶ 既に行われた当該工事に係る作業に要する経費が請負代金額の2分の1以上の額に相当するものであること。
4 受注者は、前項の中間前払金の支払いを請求しようとするときは、あらかじめ、発注者又は発注者の指定する者の中間前払金に係る認定を受けなければならない。この場合において、発注者又は発注者の指定する者は、受注者の請求があったときは、直ちに認定の可否を決定し、その結果を受注者に通知しなければならない。
5 受注者は、前項の規定による認定の通知を受けたときは、請求書により第3項の規定による中間前払金の支払いの請求を行うことができる。この場合においては、第2項の規定を準用する。
6 受注者は、請負代金額が著しく増額された場合においては、その増額後の請負代金額の10分の4(第3項の規定による中間前払金の支払いを受けているときは10分の6)から受領済みの前払金額を控除した額に相当する額の範囲内で前払金の支払いを請求することができる。この場合においては、第2項の規定を準用する。
7 受注者は、請負代金額が著しく減額された場合において、受領済みの前払金額が減額後の請負代金額の10分の5(第3項の規定による中間前払金の支払いを受けているときは10分の
6)を超えるときは、受注者は、請負代金額が減額された日から30日以内にその超過額を返還しなければならない。
8 前項の超過額が相当の額に達し、返還することが前払金の使用状況からみて著しく不適当であると認められるときは、発注者と受注者とが協議して返還すべき超過額を定める。ただし、
請負代金額が減額された日から30日以内において協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
9 発注者は、受注者が第7項の期間内に超過額を返還しなかったときは、同項の期間を経過した日から返還する日までの日数に応じ、その未返還額につき政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づき財務大臣が銀行の一般貸付利率を勘案して決定する率(以下「遅延利率」という。)を乗じて計算して得た額を遅延利息として請求することができる。この場合において、遅延利息の額が100円未満であるとき、又はその額に100円未満の端数があるときは、その全額又は端数を切り捨てるものとする。
(債務負担行為に係る契約の前金払及び中間前金払の特則)
第34条の2 債務負担行為に係る契約の前金払及び中間前金払については、第34条中「契約書記載の期限」及び「工期」とあるのは「各会計年度の工事の期間(最終の会計年度以外の会計年度にあっては、各会計年度末)」と、第34条及び第35条中「請負代金額」とあるのは、
「当該会計年度の支払限度額(前会計年度末における工事の出来形部分並びに工事現場に搬入済みの工事材料及び製造工場等にある工場製品(第13条第2項の規定により監督員の検査を要するものにあっては当該検査に合格したもの、監督員の検査を要しないものにあっては設計図書で部分払の対象とすることを指定したものに限る。)に相応する請負代金相当額(以下「出来高金額」という。)が前会計年度の支払限度額を超えた場合において、当該会計年度の当初に部分払いをしたときは、当該超過額を控除した額)」と、「既に行われた」とあるのは、「各会計年度において既に行われた」と読み替えて、これらの規定を準用する。ただし、この契約を締結した会計年度(以下「契約会計年度」という。)以外の会計年度においては、受注者は予算の執行が可能となる時期以前に前払金及び中間前払金の支払いを請求することはできない。
2 前項の場合において、前会計年度末における出来高金額が前会計年度の支払限度額に達しないときは、同項の規定による読み替え後の前条第1項の規定にかかわらず、受注者は前会計年度の出来高金額が前会計年度の支払限度額に達するまで、当該会計年度の前払金及び中間前払金の支払いを発注者に請求することができない。
3 第1項の場合において、前会計年度末における出来高金額が前会計年度の支払限度額に達しないときは、その額が当該支払限度額に達するまで前払金及び中間前払金の保証期限を延長するものとする。
(前払金保証契約の変更)
第35条 受注者は、第34条第6項の規定により受領済みの前払金に追加して更に前払金の支払いを請求する場合には、あらかじめ前払金保証契約を変更し、変更後の保証証書を発注者に寄託しなければならない。
2 受注者は、請負代金額が減額された場合において、前払金保証契約を変更したときは、変更後の保証証書を直ちに発注者に寄託しなければならない。
(前払金の使用)
第36条 受注者は、前払金をこの工事の材料費、労務費、機械器具の賃借料、機械購入費(この工事において償却される割合に相当する額に限る。)、動力費、支払運賃、修繕費、仮設費及び現場管理費並びに一般管理費等のうち当該工事の施工に要する費用に相当する額として必要な経費以外の支払に充当してはならない。ただし、現場管理費及び一般管理費等のうち当該工事の施工に要する費用に充てられる前払金の上限は、前払金額の100分の25とする。
(部分払)
第37条 受注者は、出来高金額の10分の9以内の額について、次項以下に定めるところにより部分払を請求することができる。
2 部分払を請求することができる回数は、工期中次の表に定める回数を超えない範囲内において発注者と受注者とが協議して定めるものとする。
請 負 代 金 額 | 前金払をしない場合 | 前金払をする場合 |
1,000万円まで | 2 回 | |
1,000万円を超え5,000万円まで | 3 回 | 2 回 |
5,000万円を超え1億円まで | 4 回 | 3 回 |
1億円を超える場合 | 5 回 | 4 回 |
3 第1回の部分払の請求は、請負代金額に対する出来高金額の割合が30パーセント以上(前払金の支払いを受けている場合にあっては、40パーセント以上)の場合でなければ行うことができない。
4 受注者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る工事の出来形部分又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは製造工場等にある工場製品の確認を発注者に請求しなければならない。
5 発注者は、前項の規定による請求を受けたときは、その日から14日以内に受注者の立会いの上、同項の確認をするための検査を行い、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事の出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
6 前項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
7 受注者は、第5項の規定による確認の通知を受けたときは、請求書により部分払を請求することができる。この場合において、発注者は、当該請求を受けた日から14日以内に部分払金を支払わなければならない。
8 受注者が請求できる部分払金の額は、次の算式により算定して得た額以内の額とする。この場合において、出来高金額は、
(A)内訳書により定める。
(B)発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が前項の請求を受けた日から10日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
⑴ 部分払がなされていない場合
部分払金額=(出来高金額×9/10)-(前払金額×出来高金額/請負代金額)
⑵ 部分払がなされている場合
部分払金額=(出来高金額×9/10)-(前払金額×出来高金額/請負代金額+既に部分払がなされている金額)
(債務負担行為に係る契約の部分払の特則)
第37条の2 債務負担行為に係る契約においては、前条中「請負代金額」とあるのは、「各会計年度支払限度額」と、同条中「工期」とあるのは「工期(最終の会計年度以外の会計年度にあっては、各会計年度末)」と、「出来高金額」とあるのは「各会計年度の出来高金額」と読み替え、これらを準用する。
2 前項の場合において、前会計年度末における出来高金額が前会計年度支払限度額を超えた場合は、受注者は当該会計年度の当初に当該超過額(以下「出来高超過額」という。)について部分払を請求することができる。ただし、契約会計年度以外の会計年度においては、受注者は予算の執行が可能となる時期以前に部分払の支払いを請求することはできない。
3 第1項の場合において、第34条の2第1項の規定による読み替え後の第34条第3項の規定により中間前払金を請求する場合の当該会計年度の部分払の回数は、当該会計年度末に行う部分払の1回とする。
4 第1項の場合において、発注者は事業費の精算等のため必要があると認めるときは、第1項の規定による読み替え後の前条第1項の10分の9の割合、同条第2項の請求回数及び同条第
3項の割合によらないで部分払をすることができる。この場合において、発注者は受注者にその旨を通知するものとする。
5 第1項の場合における部分払金の額については、前条第8項の規定にかかわらず、次の式により算定する。
部分払金額=(出来高金額×9/10)-(前会計年度までの支払い金額+当該会計年度部分払金額)-{出来高金額-(前年度までの出来高金額+出来高超過額)}×当該会計年度前払金額/当該会計年度支払限度額
(部分引渡し)
第38条 工事目的物について、発注者が設計図書において工事の完成に先だって引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合において、当該指定部分の工事が完了したときについては、第31条中「工事」とあるのは「指定部分に係る工事」と、
「工事目的物」とあるのは「指定部分に係る工事目的物」と、第32条中「請負代金」とあるのは「指定部分に係る請負代金」と読み替えてこれらの規定を準用する。
2 前項の規定により準用される第32条第1項の規定により受注者が請求できる部分引渡しに係る請負代金の額は、次の算式により算定して得た額以内の額とする。
部分引渡しに係る請負代金の額=指定部分に相応する請負代金額-(指定部分に相応する請
負代金額×前払金額/請負代金額)
3(A) 前項の場合において、指定部分に相応する請負代金の額は、内訳書に定める。
3(B) 前項の場合において、指定部分に相応する請負代金の額は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が第1項の規定において準用する第32条第1項の請求を受けた日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(前払金等の不払に対する工事中止)
第39条 受注者は、発注者が第34条、第37条又は前条第1項において準用する第32条の規定に基づく支払いを遅延し、相当の期間を定めてその支払いを請求したにもかかわらず支払いをしないときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。この場合においては、受注者は、その理由を明示した書面により、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定により受注者が工事の施工を中止した場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第40条 発注者は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、工事目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
⑴ 履行の追完が不能であるとき。
⑵ 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
⑶ 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしない
でその時期を経過したとき。
⑷ 前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(契約不適合責任期間等)
第40条の2 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第31条第4項(第38条第1項において準用する場合を含む。)の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、受注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 発注者が第1項又は第2項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第7項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を受注者に通知した場合において、発注者が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
5 発注者は、第1項又は第2項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
6 前各項の規定は、契約不適合が受注者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する受注者の責任については、民法の定めるところによる。
7 民法第637条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
8 発注者は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに受注者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、受注者がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
9 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第94条第
1項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成12年政令第64号)第5条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)について請求等を行うことのできる期間は、10年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。
10 引き渡された工事目的物の契約不適合が支給材料の性質又は発注者若しくは監督員の指図により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、受注者がその支給材料の性質又は発注者若しくは監督員の指図が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(発注者の催告による解除権)
第41条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
⑴ 正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないとき。
⑵ 工期内に完成しないとき又は工期経過後相当の期間内に工事を完成する見込みがないと認められるとき。
⑶ 第6条又は第17条の規定に違反したとき。
⑷ 第10条第1項第2号に掲げる者を設置しなかったとき。
⑸ 正当な理由なく、第40条第1項の履行の追完がなされないとき。
⑹ 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第41条の2 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
⑴ 第5条第1項の規定に違反して請負代金債権を譲渡したとき。
⑵ この契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
⑶ 引き渡された工事目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
⑷ 受注者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
⑸ 受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
⑹ 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
⑺ 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
⑻ 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下この条において同じ。)又は暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下この条において同じ。)が経営に実質的に関与していると認められる者に請負代金債権を譲渡したとき。
⑼ 第43条又は第43条の2の規定によらないでこの契約の解除を申し出たとき。
⑽ 受注者がこの契約に関して、次のいずれかに該当したとき。
イ 公正取引委員会が、受注者に違反行為があったとして私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第49条に規定する排除措置命令(以下「排除措置命令」という。)又は第62条第1項に規定する納付命令(以下「納付命令」という。)を行い、当該命令が確定したとき。
ロ 受注者が、公正取引委員会から受けた排除措置命令又は納付命令について抗告訴訟を提起した場合において、その訴えについての請求を棄却し、又は訴えを却下する裁判が確定したとき。
ハ 受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員を含む。)又はその使用人に対する刑法(明治40年法律第45号)第96条の6又は第198条の規定による刑が確定したとき。
⑾ 受注者(受注者が共同企業体であるときは、その構成員のいずれかの者。以下この号において同じ。)が次のいずれかに該当するとき。
イ 受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員を含む。以下この号において同じ。)又はその使用人が暴力団員であると認められるとき。
ロ 暴力団又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ハ 受注者が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
ニ 受注者が暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。
ホ 受注者が暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
ヘ 下請契約又は資材、原材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方がイからホまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
ト 受注者が、イからホまでのいずれかに該当する者を下請契約又は資材、原材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場合(へに該当する場合を除く。)に、発注者が受注者に対して当該契約の解除を求め、受注者がこれに従わなかったとき。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第41条の3 第41条各号又は前条各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(発注者の任意解除権)
第41条の4 発注者は、工事が完成するまでの間は、第41条又は第41条の2に規定する場合のほか必要があるときは、契約を解除することができる。
2 発注者は、前項の規定によりこの契約を解除した場合において、受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(公共工事履行保証証券による保証の請求)
第42条 第4条第1項の規定により契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証が付された場合において、受注者が第41条各号及び第41条の2各号のいずれかに該当するときは、発注者は、当該公共工事履行保証証券の規定に基づき、保証人に対して、他の建設業者を選定し、工事を完成させるよう請求することができる。
2 受注者は、前項の規定により保証人が選定し発注者が適当と認めた建設業者(以下この条において「代替履行業者」という。)から発注者に対して、契約に基づく次の各号に定める受注者の権利及び義務を承継する旨の通知が行われた場合には、代替履行業者に対して当該権利及び義務を承継させる。
⑴ 請負代金債権(前払金、部分払金又は部分引渡しに係る請負代金として受注者に既に支払われたものを除く。)
⑵ 工事完成債務
⑶ 契約不適合を保証する債務(受注者が施工した出来形部分の契約不適合に係るものを除く。)
⑷ 解除権
⑸ その他この契約に係る一切の権利及び義務(第28条の規定により受注者が施工した工事に関して生じた第三者に対する損害賠償債務を除く。)
3 発注者は、前項の通知を代替履行業者から受けた場合には、代替履行業者が同項各号に規定する受注者の権利及び義務を承継することを承諾する。
4 第1項の規定による発注者の請求があった場合において、当該公共工事履行保証証券の規定に基づき、保証人から保証金が支払われたときには、この契約に基づいて発注者に対して受注者が負担する損害賠償債務その他の費用の負担に係る債務(当該保証金の支払われた後に生じる違約金等を含む。)は、当該保証金の額を限度として、消滅する。
(受注者の催告による解除権)
第43条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(受注者の催告によらない解除権)
第43条の2 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
⑴ 第19条の規定により設計図書を変更したため請負代金額が3分の2以上減少したとき。
⑵ 第20条の規定による工事の施工の中止期間が工期の2分の1(工期の2分の1が6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第43条の3 第43条又は前条各号に定める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(解除に伴う措置)
第44条 発注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合においては、工事の出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分及び部分払の対象となった工事材料の引渡しを受けるものとし、当該引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた工事の出来形部分及び工事材料に相応する請負代金を受注者に支払わなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事の出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
2 前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 第1項の場合において、第34条(第34条の2において準用する場合を含む。)の規定による前払金又は中間前払金があったときは、当該前払金の額及び中間前払金の額(第37条及び37条の2の規定による部分払をしているときは、その部分払において償却した前払金及び中間前払金の額を控除した額)を同項の工事の出来形部分及び工事材料に相応する請負代金額から控除する。この場合において、受領済みの前払金額及び中間前払金になお余剰があるときは、受注者は、第41条、第41条の2又は次条第3項の規定によるときにあっては前払金の支払いの日から返還の日までの日数に応じ、その余剰額につき遅延利率を乗じて計算して得た額の利息を付した額を、解除が第41条の4、第43条又は第43条の2の規定によるときにあってはその余剰額を発注者に返還しなければならない。
4 受注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合において、支給材料があるときは、第
1項の工事の出来形部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き、発注者に返還しなければならない。この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により滅失し、若しくはき損したとき、又は出来形部分の検査に合格しなかった部分に使用されているときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
5 受注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合において、貸与品があるときは、当該貸与品を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品が受注者の故意又は過失により滅失し、又はき損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
6 受注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合において、工事用地等に受注者が所有し、又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人が所有し、又は管理するこれらの物件を含む。以下この条において同じ。)があるときは、当該物件を撤去するとともに、工事用地等を修復し、取り片付けて、発注者に明け渡さなければならない。
7 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分又は修復若しくは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は修復若しくは取片付けに要した費用を負担しなければならない。
8 第4項前段及び第5項前段に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第41条、第41条の2又は次条第3項の規定によるときは発注者が定め、第41条の4、第43条又は第43条の2の規定によるときは受注者が発注者の意見を聴いて定めるものとし、第4項後段、第5項後段及び第6項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定めるものとする。
9 工事の完成後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
(発注者の損害賠償請求等)
第45条(A) 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
⑴ 工期内に工事を完成することができないとき。
⑵ この工事目的物に契約不適合があるとき。
⑶ 第41条又は第41条の2の規定により、工事目的物の完成後にこの契約が解除されたとき。
⑷ 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、受注者は、請負代金額の100分の10に相当する額(その額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
⑴ 第41条又は第41条の2の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除されたとき。
⑵ 工事目的物の完成前に、受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
⑴ 受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第7
5号)の規定により選任された破産管財人
⑵ 受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
⑶ 受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第1項第1号に該当し、発注者が損害の賠償を請求する場合の請求額は、遅延日数に応じ、請負代金額(第33条第1項の規定による引渡し前の使用部分又は第38条の規定による引渡し部分があるときは、当該部分に係る請負代金相当額を控除した金額)につき遅延利率を乗じて計算して得た額とする。この場合において、当該請求額が100円未満であるとき、又はその額に100円未満の端数があるときは、その全額又は端数を切り捨てるものとする。
6 発注者は、前項の請求額を、請負代金より控除するものとし、なお不足がある場合は、別に徴収する。
7 青森市競争入札参加資格業者指名停止要領(平成17年4月1日実施)第8条の規定に該当するときは、第2項に規定する違約金に請負代金額の100分の5に相当する額を加算するものとする。
8 第2項の場合において、第4条の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、発注者は、当該契約保証金又は担保をもって違約金に充当することができる。
9 発注者は、第2項に規定する違約金の額を超えた額の損害が生じたときは、その超えた額を
損害賠償金として徴収するものとする。
(発注者の損害賠償請求等)
第45条(B) 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
⑴ 工期内に工事を完成することができないとき。
⑵ この工事目的物に契約不適合があるとき。
⑶ 第41条又は第41条の2の規定により、工事目的物の完成後にこの契約が解除されたとき。
⑷ 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、受注者は、請負代金額の100分の10に相当する額(その額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
⑴ 第41条又は第41条の2の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除されたとき。
⑵ 工事目的物の完成前に、受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
⑴ 受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第7
5号)の規定により選任された破産管財人
⑵ 受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
⑶ 受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第1項第1号に該当し、発注者が損害の賠償を請求する場合の請求額は、遅延日数に応じ、請負代金額(第33条第1項の規定による引渡し前の使用部分又は第38条の規定による引渡し部分があるときは、当該部分に係る請負代金相当額を控除した金額)につき遅延利率を乗じて計算して得た額とする。この場合において、当該請求額が100円未満であるとき、又はその額に100円未満の端数があるときは、その全額又は端数を切り捨てるものとする。
6 発注者は、前項の請求額を、請負代金より控除するものとし、なお不足がある場合は、別に徴収する。
7 青森市競争入札参加資格業者指名停止要領(平成17年4月1日実施)第8条の規定に該当するときは、第2項に規定する違約金に請負代金額の100分の5に相当する額を加算するものとする。
8 発注者は、第2項の違約金を、請負代金より控除するものとする。
9 発注者は、第2項に規定する違約金の額を超えた額の損害が生じたときは、その超えた額を損害賠償金として徴収するものとする。
(受注者の損害賠償請求等)
第46条 受注者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
⑴ 第43条又は第43条の2の規定によりこの契約が解除されたとき。
⑵ 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 第32条第2項(第38条第1項において準用する場合を含む。)の規定による請負代金の支払いが遅れた場合においては、受注者は、遅延日数に応じ、未受領金額につき遅延利率を乗じて計算して得た金額を遅延利息として発注者に請求することができる。
(賠償の予定)
第47条 受注者は、第41条の2第10号イからハまでのいずれかに該当するときは、次の各号に掲げる場合を除き、発注者が契約を解除するか否かを問わず、賠償金として、請負代金額の100分の20に相当する額を支払わなければならない。工事が完成した後も同様とする。
⑴ 第41条の2第10号イに規定する排除措置命令若しくは納付命令又は同号ロに規定する裁判の対象となる行為が、独占禁止法第2条第9項に基づく不公正な取引方法(昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号)第6項で規定する不当廉売の場合
⑵ 第41条の2第10号ハのうち、受注者が刑法第198条の規定による刑が確定した場合
2 青森市競争入札参加資格業者指名停止要領第8条の規定に該当するときは、前項に規定する賠償金に請負代金額の100分の5に相当する額を加算するものとする。
3 前2項の場合において、受注者が共同企業体であり、既に解散しているときは、発注者は、受注者の代表者であった者又は構成員であった者に賠償金の支払いを請求することができる。この場合においては、受注者の代表者であった者及び構成員であった者は、共同連帯して前項の額を発注者に支払わなければならない。
4 発注者は、第1項に規定する賠償金の額を超えた額の損害が生じたときは、その超えた額を徴収するものとする。
(火災保険等)
第48条 受注者は、工事目的物及び工事材料(支給材料を含む。以下この条において同じ。)等を設計図書に定めるところにより火災保険、建設工事保険その他の保険(これに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)に付さなければならない。
2 受注者は、前項の規定により保険契約を締結したときは、その証券又はこれに代わるものを直ちに発注者に提示しなければならない。
3 受注者は、工事目的物及び工事材料等を、第1項の規定により付すべきこととされている保険以外の保険に付したときは、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
(あっせん又は調停)
第49条 この約款の各条項において発注者と受注者とが協議して定めるものにつき協議が整わなかったときに発注者が定めたものに受注者が不服がある場合その他この契約に関して発注者と受注者との間に紛争を生じた場合には、発注者及び受注者は、建設業法による青森県建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停によりその解決を図るものとする。
2 前項の規定にかかわらず、現場代理人の職務の執行に関する紛争、主任技術者、専門技術者その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等の工事の施工又は管理に関する紛争及び監督員の職務の執行に関する紛争については、第12条第3項の規定により受注者が決定を行った後若しくは同条第5項の規定により発注者が決定を行った後、又は発注者若しくは受注者が決定を行わずに同条第3項若しくは第5項の期間が経過した後でなければ、発注者及び受注者は、前項のあっせん又は調停を請求することができない。
(仲裁)
第50条 発注者及び受注者は、その一方又は双方が前条の審査会のあっせん又は調停により紛争を解決する見込みがないと認めたときは、同条の規定にかかわらず、審査会の仲裁に付し、
その仲裁判断に服する。
(その他の協議事項)