Contract
コンプライアンス規程
最終改定日:令和元年 6 月 20 日
第1章 総則
第1条 〔目的〕
本規程は、一般社団法人日本バレーボールリーグ機構(以下、「Vリーグ機構」という)におけるコンプライアンスに関する意識の向上を図るとともに、コンプライアンスを円滑かつ効果的に実施するための基本方針、組織体制および運営方法等を定める。
第2条 〔定義〕
本規程における用語の定義は次のとおりとする。
①「法令等」とは、日本国法令、Vリーグ機構の定款、Vリーグ機構規約、Vリーグ機構諸規程類、公益財団法人日本バレーボール協会(以下、「JVA」という)の定款、JVA諸規程類およびそれらに付随する諸規則ならびに社会規範、倫理規範等をいう。
②「コンプライアンス」とは、法令等の遵守をいう。
第3条 〔基本方針〕
Vリーグ機構関係者は、コンプライアンスを最優先の重要課題の一つとして認識し、業務および競技の推進に当たる。
第4条 〔適用範囲〕
前条の「Vリーグ機構関係者」は次の者を指し、Vリーグ機構関係者は本規程を遵守するとともに、本規程に基づく個別の規程等に則り対応する。
① Vリーグ機構の理事、監事および事務局職員
② Vリーグ機構の社員、Vリーグ機構に所属するチーム(参加内定チームを含む。以下、「チーム」という。)を有する法人その他の団体、チームならびに登録構成員(選手およびスタッフとしてVリーグ機構へ登録された者)
③ 審判関係者等の、Vリーグ機構の委託によりVリーグ機構が行う事業に従事する者
第2章 義務
第5条 〔行動規範〕
Vリーグ機構関係者は、第 3 条の基本方針を踏まえ、法令等を誠実に遵守するだけでなく、スポーツパーソンおよびスポーツ関係者として品位と名誉を重んじ、フェアプレーの精神に基づき他の範となるよう行動し、バレーボールの健全な普及・発展に努めなければならない。
第6条 〔禁止事項〕
(1)Vリーグ機構関係者は、次に掲げる行為(以下、「法令等違反行為」という。)を
行なってはならない。
① 自ら法令等に違反する行為
② 他のVリーグ機構関係者に対して、法令等に違反する行為を指示または教唆する行為
③ 他のVリーグ機構関係者の法令等に違反する行為を黙認する行為
(2)法令等違反行為の例として、以下の行為がある。
① 暴力行為、いじめ、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、差別、暴言等、その他人権尊重の精神に反する言動
② 世界ドーピング防止規程・禁止表国際基準に規定する禁止物質を使用すること、または使用させること
③ 選手の勧誘、入部、移籍に関連し、選手にこれらを強要すること、または選手、保護者、指導者、代理人間において社会通念上良識を超える金品を授受すること
④ 試合の勝敗において、あらかじめ取り決めを行うこと
⑤ 暴力団など反社会的勢力の構成員となること、反社会的勢力から金品、便宜もしくはもてなしを受けること、または、反社会的勢力との間で、車、金銭の貸借などあらゆる取引をおこなうこと
⑥ 賭博、強盗、恐喝、窃盗、強姦、強制わいせつ、暴行など刑事犯罪
⑦ 未xx者による飲酒、喫煙
⑧ 麻薬など法令によって禁止されている薬物の譲受、譲渡、所持または使用
⑨ 本人の同意なく、個人情報を目的以外に使用し、また第三者に開示する行為、並びにVリーグ機構において機密とされる情報をVリーグ機構の許可なく開示、漏洩および使用する行為
⑩ その他、著しくスポーツパーソン、スポーツ関係者としての品位、名誉に欠ける行為
第7条 〔相談〕
(1)Vリーグ機構関係者は、自らの行動や意思決定が法令等違反行為に該当するかどうか、判断に迷うときは、あらかじめコンプライアンス委員会に相談しなくてはならない。
(2)コンプライアンス委員会は、Vリーグ機構関係者から相談を受けた事案が法令等違反行為に該当するか否か判断に迷うときは、顧問弁護士に相談しなくてはならない。
(3)Vリーグ機構関係者は、相談した事案について、法令等違反行為に該当するもしくは法令等違反行為に該当するおそれがあると回答されたときは、その事案を実行してはならない。
第3章 組織体制
第8条 〔コンプライアンス委員会〕
(1)Vリーグ機構は、コンプライアンス委員会を置く。
(2)コンプライアンス委員会は、コンプライアンスを有効に機能させるために、次に掲げる事項を行う。
① コンプライアンスに関する方針、体制、関連規程等に関する事項
② コンプライアンスに係わる解決すべき課題の発生の対応に関する事項
③ コンプライアンスについての啓発に関する事項
④ コンプライアンスについての対応状況点検に関する事項
⑤ その他、コンプライアンスに関する必要な事項
第9条 〔組織〕
(1)コンプライアンス委員会は、コンプライアンス担当理事を含む5名以内の委員で構成する。但し、必要に応じ外部識者の参加を求めることが出来る。
(2)コンプライアンス委員会の委員長は、コンプライアンス担当理事とする。コンプライアンス担当理事が不在または事故あるときは、別に定められた理事の順序に従って他の理事が行う。
(3)監事は、コンプライアンス委員会に出席して意見を述べることができる。
第10条 〔開催〕
コンプライアンス委員会は、委員長がこれを招集し、随時必要に応じて開催する。
第11条 〔議決〕
コンプライアンス委員会は、委員の過半数の出席により成立し、その決議は出席委員の過半数の賛成にて決する。
第12条 〔研修会〕
Vリーグ機構は、次の目的のため、必要に応じて研修会を開催する。
① コンプライアンスへの関心を高め理解をうながす
② コンプライアンスについての正しい知識を周知する
③ コンプライアンスの実践について動機づけをはかる
第4章 法令等違反発生時の対応
第13条 〔通報の義務〕
(1)Vリーグ機構関係者は、他のVリーグ機構関係者による第 6 条の法令等違反行為およびその疑いのある行為を認知した場合は、直ちにコンプライアンス委員会に通報しなくてはならない。ただし、コンプライアンス委員会にかえて指定の外部法律事務所に通報することができる。
(2)通報方法は、以下のとおりとする。
① コンプライアンス委員会への通報は、メールまたは郵便のいずれかの方法とす
る。
② 外部法律事務所への通報は、電話または郵便のいずれかの方法とする。ただし,郵便での通報は外国語に限る。
(3)指定の外部法律事務所へ通報する場合は実名を要するが、コンプライアンス委員会へ通報する場合は、匿名を認める。
第14条 〔事実関係の調査〕
(1)コンプライアンス委員会は、Vリーグ機構関係者等から前条の法令等違反の通報があったときは、直ちに事実関係を調査しなくてはならない。
(2)調査に当たっては、通報者に迷惑が及ばないよう十分配慮しなければならない。
第15条 〔調査への協力〕
(1)前条の調査に当たり、コンプライアンス委員会より協力を求められた場合は、Vリーグ機構関係者は協力をしなくてはならない。
(2)コンプライアンス委員会は、前条の調査に当たり、Vリーグ機構関係者へ記録媒体等の資料の開示を求めることができ、開示を求められた者は開示に応じなくてはならない。
第16条 〔各理事への報告〕
コンプライアンス委員会は、調査の結果、法令等違反行為が行われたことが確認された場合は、直ちに次の事項を各理事に報告しなければならない。
① 法令等違反行為の具体的内容
② 法令等違反行為を行った者の氏名、所属等
③ 法令等違反行為が行われた年月日
④ 法令等違反行為が行われた背景、事情
⑤ その他法令等の違反に関すること
第17条 〔再発防止策〕
Vリーグ機構は、法令等違反行為が行われたことが確認されたときは、法令等違反が生じた原因を究明し是正措置をとるとともに、再発防止策を講じなくてはならない。
第18条 〔報復行為の禁止〕
(1)Vリーグ機構およびVリーグ機構関係者は、通報者が相談または通報したことを理由として、通報者に対して、除名、解雇、取引停止その他いかなる不利益取扱いもしてはならない。
(2)Vリーグ機構およびVリーグ機構関係者は、通報者が相談または通報したことを理由として、通報者の職場環境および練習環境が悪化することのないように、適切な措置を執らなくてはならない。また、通報者等に対して不利益取扱いや嫌がらせを行った者(通報者の上司、監督、同僚等を含む。)がいた場合には、Vリーグ機構は、定款ならびに諸規程に従って処分をすることができる。
第19条 〔通報者への報告〕
Vリーグ機構は、実名通報者に対しては、事実関係の調査結果および是正結果について、被通報者のプライバシーに配慮しつつ、遅滞なく報告しなくてはならない。
第20条 〔公表〕
Vリーグ機構は、法令等違反の内容について、ホームページ等により公表する。
第5章 処罰
第21条 〔懲戒処分〕
(1)Vリーグ機構は、法令等違反行為を行ったVリーグ機構関係者に対しては、次の処分を行うことができる。下記処分は併科することができる。
① 第 4 条①の「理事」「監事」については、厳重注意、譴責、退任勧告、解任、その他必要に応じた処分
② 第 4 条①の「事務局職員」については、就業規則に基づく処分
③ 第 4 条②の「社員、Vリーグに所属するチームを有する法人その他の団体、チーム」については、厳重注意、譴責、資格停止、無期限の資格停止、除名、その他必要に応じた処分
④ 第 4 条②の「登録構成員」については、厳重注意、譴責、資格停止、無期限の資格停止、その他必要な処分
⑤ 第 4 条③については、所属する組織に対する事実内容の報告、契約解除、その他必要に応じた処分
(2)前項の処分は、コンプライアンス委員会の決議を経て、理事会が承認する。
第22条 〔制裁金の併科〕
(1)Vリーグ機構は、前条第 1 項③の処分を行う場合は、併せて制裁金を科すことが
できる。なお、制裁金は、Vリーグ機構規約第 12 条の賠償金および第 39 条の損
害金ならびに本規程第 30 条の損害金とは別に支払わなければならない。
(2)前項の制裁金は、法令等違反行為 1 件につき 3,000 万円以下とする。ただし、第
23 条に該当する場合を除く。
(3)第 1 項の処分は、コンプライアンス委員会の決議を経て、理事会が承認する。
(4)制裁金は、理事会による制裁金処分の決定後 30 日以内に、Vリーグ機構が指定する方法により支払わなければならない。
第23条(制裁金の金額)
(1)次の各号のいずれかに該当する社員、チームを有する法人その他団体およびチームに対しては、300 万円以下の制裁金を科す。
① Vリーグ機構規約第 26 条[ユニフォーム]に規定された条件を満たすユニフォームを着用しなかったとき
② 構成員の登録に関して虚偽の申告をしたとき
③ Vリーグ機構規約第 56 条[登録義務]に違反し、未登録の選手を公式試合に
出場させたとき
(2)次の各号のいずれかに該当する社員、チームを有する法人その他団体およびチームに対しては、1,000 万円以下の制裁金を科す。
① Vリーグ機構規約第 18 条[参加義務]第 2 項に違反して、日本代表チームまたは選抜チーム等に選出された選手を参加させなかったとき
② 商標権および商品化権に関する管理・運用規程第 5 条 1 項 1 号に違反して、所定の手続を経ずに商品化を行ったとき
(3)次の各号のいずれかに該当する社員、チームを有する法人その他団体およびチームに対しては、1,500 万円以下の制裁金を科す。
① Vリーグ機構規約第 18 条[参加義務]第 1 項に違反して、公式試合に参加しなかったとき
② Vリーグ機構規約第 19 条[最強のチームによる試合参加]に違反して、最強のチームをもって試合に臨まなかったとき
③ Vリーグ機構規約第 24 条[主管者の責任]に違反して、安全確保の協力を怠り、重大な結果を生じさせたとき
④ Vリーグ機構規約第 39 条[試合中止による損失の弁済]に定めるチームの責に帰すべき事由により、試合が開催不能または中止となったとき
⑤ Vリーグ機構規約第 44 条[非公式試合および興行への参加]に違反して、事前にVリーグ機構の承認を得ずに第三者が主催するバレーボールその他のスポーツの試合またはイベント等に参加したとき
⑥ Vリーグ機構規約第 45 条[有料試合の開催]に違反して、事前にVリーグ機構の承認を得ずに有料試合を開催したとき
⑦ Vリーグ機構規約第 46 条[国外チームとの試合]に違反して、事前にVリーグ機構の承認を得ずに外国のチームと試合を行ったとき
⑧ 第 15 条に違反して、調査に協力しなかったとき
第24条 〔両罰規程〕
Vリーグ機構は、第 4 条②の「登録構成員」が法令等違反行為を行った場合は、「登録構成員」に対する処分に加えて、その所属する社員、チームを有する法人その他団体、チームおよびスタッフに対しても処分および制裁金を科すことができる。
第25条 〔加重〕
Vリーグ機構関係者が、同種の法令等違反行為を重ねて行ったときは、その法令等違反行為について定められた制裁金の上限の 2 倍以下の範囲において、制裁金の金額を加重することができる。
第26条 〔免責の制限〕
Vリーグ機構関係者は、次の事項を理由として責任を逃れることはできない。
① 法令等について正しい知識がなかったこと
② 法令等に違反しようとする意思がなかったこと
③ Vリーグ機構の利益を図る目的で行ったこと
第27条 〔弁明の機会の付与〕
Vリーグ機構は、第 21 条ならびに第 25 条の処分を行うに当たっては、事前に当該被処分者に対して弁明の機会を設けなくてはならない。
第28条 〔処分理由の提示〕
Vリーグ機構は、第 21 条ならびに第 25 条の処分を行うに当たっては、当該被処分者に対して、処分の理由を示さなければならない。
第29条 〔不服申立て手続〕
(1)第 21 条ならびに第 25 条の処分を受けたVリーグ機構関係者は、Vリーグ機構に対して、当該処分の不服を申し立てることができる。不服の申立ては、当該被処分者が処分の通知を受けた日の翌日から起算して 60 日以内に、書面をもって行わなければならない。
(2)前項の不服の申立てを受けたときは、理事会は処分理由の妥当性および処分手続きの適否について調査・決定し、その結果を申立者に通知する。
(3)前項の決定に対して、被処分者は再度不服を申し立てることはできない。
第30条 〔損害賠償〕
Vリーグ機構は、法令等違反行為を行ったVリーグ機構関係者がVリーグ機構に損害を与えた場合は、当該Vリーグ機構関係者に対して、損害賠償を求めることができる
第31条 〔改正〕
本規程の改廃は、運営会議の発議に基づく理事会の決議により、これを行う。
附則
1.本規程は、平成 25 年 6 月 1 日から実施する。
<改定履歴>
平成 26 年 12 月 17 日 平成 26 年 12 月 17 日の理事会にて従来、Vリーグ機構規約にて規定していた、制裁に関する条文を同規約から抹消し、コンプライアンス規程にその条文を規定することを承認した。これに伴い、全面的な条文の改定を行った。
平成 27 年 10 月 14 日 平成 27 年 10 月 14 日の理事会にて、第 6 条 2 項(2)の「競技のために」の文言を削除し、その目的に関わらず禁止物質を使用すること、使用させることは法令等違反行為に該当することを明確化した。
平成 28 年 9 月 1 日 平成 28 年 9 月1日の理事会にて、第 16 条を「理事会への報告」から「各理事への報告」に改め、条文も同様の改定を行った。
平成 30 年 11 月 21 日 平成 30 年 11 月 21 日の理事会にて、準加盟制度の廃止とライセ
ンス制度の導入に伴い、第 4 条、第 21 条、第 23 条および第 24
条の「準加盟」を「参加内定」に変更した。また、第 4 条およ
び第 24 条の「チーム役員」を「スタッフ」に変更した。
令和元年 6 月 20 日 令和元年 6 月 20 日の理事会にて、Vリーグ機構規約の改定に伴い、対応する条番号の修正を行った。